説明

電子部品内蔵コネクタ

【課題】回路素子を備えたコネクタにおいて、ワイヤハーネスに組み立てられた際に従来のコネクタと同様に取り扱うことを可能とする電子部品内臓コネクタを提供する。
【解決手段】電子部品内臓コネクタ1はICチップを実装した制御回路パッケージ6とアウタハウジング5と電線保持部9を備えている。アウタハウジング5は相手方のコネクタと嵌合するフード部10と制御回路パッケージ6を収容する制御回路パッケージ収容室11を備えている。電線保持部9がアウタハウジング5のフード部10の背面側に設けられている。電線保持部9が制御回路パッケージ6に接続された電線15a,15b,15cの長手方向がアウタハウジング5の相手方のコネクタとの嵌合方向Kと平行な状態で電線15a,15b,15cを保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の回路素子を収容して、電線の接続等に使用される電子部品内蔵コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
移動体としての自動車には、エアコンやワイパー、パワーウィンドウなどを構成するモータなどの多種多様な電気機器が搭載される。前記電気機器に電力や制御信号などを伝えるために、ワイヤハーネスを配索している。ワイヤハーネスは、複数の電線と、電線の端末に接続される端子金具を収容するコネクタとを備えている。電線は、導電性の芯線と、該芯線を被覆する絶縁性の被覆部と、を備えた所謂被覆電線である。
【0003】
前述したワイヤハーネスのコネクタとして、各種のアクチュエータなどの電子機器とコンピュータなどの制御装置とをデータ通信によるネットワークで接続するために、回路素子などを内蔵した電子部品内蔵コネクタ(例えば、特許文献1参照)が、用いられている。この種の電子部品内蔵コネクタは、回路素子などを実装したリードフレームをハウジング内に内蔵している。
【0004】
前述した特許文献1に示された電子部品内蔵コネクタは、その回路素子を駆動するための電源が供給される。このため、前述した特許文献1に示された電子部品内蔵コネクタは、簡便な構成で確実に電源が供給されるために、電線の長手方向の中央部に取り付けられて、その幅方向の両端から電線が導出する格好で、前記電線と接続される。そして、電子部品内蔵コネクタは、前記電線の長手方向に沿って互いに間隔をあけて複数が取り付けられ、そして、各々が各種の電子機器に嵌合して、当該電子機器同士などをネットワークに接続する。
【特許文献1】特開2003−134720号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した特許文献1に示された電子部品内蔵コネクタは、電線の中央部に互いに間隔をあけて取り付けられるので、ワイヤハーネスに組み立てられると、恰も当該ワイヤハーネスの幹線に取り付けられた格好となる。
【0006】
一方、前述した回路素子を備えていない一般のコネクタは、電源が供給される必要がないので、電線の端末に取り付けられることとなる。このため、回路素子を備えていないコネクタで構成される一般のワイヤハーネスは、当該ワイヤハーネスの枝線の端末にコネクタが取り付けられた格好となる。
【0007】
このため、前述した特許文献1に示された電子部品内蔵コネクタを含んだワイヤハーネスと、回路素子を内蔵していない一般のコネクタを含んだワイヤハーネスとを互いに組み付けて、一つのワイヤハーネスとして、取り扱うことは、自動車などへの組み付け上困難となっていた。したがって、前述した特許文献1に示された電子部品内蔵コネクタを含んだワイヤハーネスも、前述した一般のコネクタを含んだワイヤハーネスと同様に取り扱うことが望まれている。
【0008】
したがって、本発明の目的は、回路素子を備えたコネクタにおいて、ワイヤハーネスに組み立てられた際に従来のコネクタと同様に取り扱うことを可能とする電子部品内蔵コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の電子部品内蔵コネクタは、回路素子を実装した制御回路部と、相手方のコネクタと嵌合する嵌合部と前記制御回路部を収容する収容室とを備えたハウジングと、を備えた電子部品内蔵コネクタにおいて、前記ハウジングの前記嵌合部の背面側に前記制御回路部に接続された電線を保持する電線保持部を設け、前記電線保持部が、前記電線の長手方向が前記ハウジングの前記相手方のコネクタとの嵌合方向と平行な状態で前記電線を保持することを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の本発明の電子部品内蔵コネクタは、請求項1に記載の電子部品内蔵コネクタにおいて、前記ハウジングが、前記制御回路部を内部に収容するための開口を備えたハウジング本体と、前記ハウジング本体に取り付けられて開口を塞ぐカバー部と、を備え、前記電線保持部が、前記カバー部に設けられたことを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の本発明の電子部品内蔵コネクタは、請求項1又は請求項2に記載の電子部品内蔵コネクタにおいて、前記制御回路部は、前記電線と圧接接続するための圧接刃を備えたことを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載の本発明の電子部品内蔵コネクタは、請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載の電子部品内蔵コネクタにおいて、前記電線保持部が、前記ハウジング内において、前記電線のうち前記回路素子に電源を供給する電源用の電線と、アースと接続したアース用の電線とをU字状に曲げて配索していることを特徴としている。
【0013】
請求項5に記載の本発明の電子部品内蔵コネクタは、請求項4に記載の電子部品内蔵コネクタにおいて、前記電線のうち前記ハウジング内でU字状に曲げて配索された電子機器の制御用の電線の屈曲部を切断する切断部を備えたことを特徴としている。
【0014】
請求項6に記載の本発明の電子部品内蔵コネクタは、請求項5に記載の電子部品内蔵コネクタにおいて、前記電線保持部が、前記制御用の電線を前記電源用の電線及び前記アース用の電線よりも前記ハウジングの中央寄りに配置したことを特徴としている。
【0015】
請求項7に記載の本発明の電子部品内蔵コネクタは、請求項5又は請求項6に記載の電子部品内蔵コネクタにおいて、前記切断部を、前記制御回路部に設けたことを特徴としている。
【0016】
請求項8に記載の本発明の電子部品内蔵コネクタは、請求項1乃至請求項7のうちいずれか一項に記載の電子部品内蔵コネクタにおいて、前記カバー部が、本体部と、前記本体部から前記ハウジング本体の内面に向かって垂直に立設した立設壁と、を備え、前記電線保持部が、前記電線を前記本体部と平行に沿わせる平行部と、前記電線を前記平行部から立設し且つ該平行部と交差するように前記立設壁に沿わせる交差部とを有して、前記電線を前記カバー部の内面にL字状に曲げて配索していることを特徴としている。
【0017】
請求項9に記載の本発明の電子部品内蔵コネクタは、請求項8に記載の電子部品内蔵コネクタにおいて、前記平行部と前記交差部とが、前記カバー部の内面から凹の溝状に形成されていることを特徴としている。
【0018】
請求項1に記載の本発明の電子部品内蔵コネクタによれば、電線保持部が相手方のコネクタと嵌合する嵌合部の背面側に設けられ且つ相手方のコネクタの嵌合方向に沿って電線を保持するので、回路素子を内蔵していない一般のコネクタと同様に取り扱うことができる。
【0019】
請求項2に記載の本発明の電子部品内蔵コネクタによれば、電線保持部がカバー部に設けられているので、電線保持部に電線を保持させて、カバー部をハウジング本体に取り付けるだけで、組み立てることができる。また、電線をハウジング本体から引き離すことで該ハウジング本体からカバー部を取り外すことができる。
【0020】
請求項3に記載の本発明の電子部品内蔵コネクタによれば、制御回路部が圧接刃を備えているので、当該制御回路部と電線とを容易に接続することができる。また、制御回路部と電線との接続を容易に解除することができる。
【0021】
請求項4に記載の本発明の電子部品内蔵コネクタによれば、電源用の電線とアース用の電線とをハウジング内でU字状に曲げて配索しているので、複数のコネクタ間で電源用の電線及びアース用の電線の共用化を図ることができる。
【0022】
請求項5に記載の本発明の電子部品内蔵コネクタによれば、制御用の電線の屈曲部を切断する切断部を設けているので、組み立てられた状態では、複数のコネクタ間において制御用の電線が互いに電気的に絶縁される。
【0023】
請求項6に記載の本発明の電子部品内蔵コネクタによれば、屈曲部が切断される制御用の電線を電源用の電線及びアース用の電線よりも中央寄りに配置しているので、電源用の電線及びアース用の電線の曲率半径を大きくすることができ、且つ、屈曲部が切断されて分離された制御用の電線同士を近接させることができる。
【0024】
請求項7記載の本発明の電子部品内蔵コネクタによれば、切断部を制御回路部に設けているので、カバー部をハウジング本体に取り付ける際に、当該切断部が制御用の電線の屈曲部を切断する。このため、カバー部をハウジング本体に取り付けるだけで、制御用の電線の屈曲部を切断できる。
【0025】
請求項8記載の本発明の電子部品内蔵コネクタによれば、電線保持部が電線を本体部に平行に沿わせる平行部と、電線を平行部から立設し且つ該平行部と交差するように立設壁に沿わせる交差部とを有して、電線をカバー部の内面にL字状に曲げて配索しているので、電線に負荷がかかった際にカバー部の立設壁で受けることができ、制御回路部と電線との接続部分への負荷を低減することができる。
【0026】
請求項9記載の本発明の電子部品内蔵コネクタによれば、平行部と交差部とがカバー部の内面から凹の溝状に形成されているので、電線をカバー部から外れにくくすることができる。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように、請求項1記載の本発明は、回路素子を内蔵していない一般のコネクタと同様に取り扱うことができるので、電線の端末即ちワイヤハーネスの枝線の端末に電子部品内蔵コネクタを配置することができる。このため、電子部品内蔵コネクタを備えたワイヤハーネスを、一般のコネクタを備えたワイヤハーネスと組み付けても、一般のコネクタを備えたワイヤハーネスと同様に自動車などに配索できる。したがって、ワイヤハーネスに組み立てられた際に従来から用いられてきた一般のコネクタと同様に取り扱うことができる。
【0028】
請求項2に記載の本発明は、電線保持部に電線を保持させ、カバー部をハウジング本体に取り付けるだけで、組み立てることができるので、容易に組み立てることができる。また、電線をハウジング本体から引き離すことで該ハウジング本体からカバー部を取り外すことができるので、容易に分解することができる。
【0029】
請求項3に記載の本発明は、制御回路部と電線とを容易に接続することができるので、より容易に組み立てることができる。また、制御回路部と電線との接続を容易に解除することができるので、より容易に分解することができる。
【0030】
請求項4に記載の本発明は、複数のコネクタ間で電源用の電線及びアース用の電線の共用化を図ることができるので、ワイヤハーネスを構成する電線の増加を抑制できる。
【0031】
請求項5に記載の本発明は、組み立てられた状態では、複数のコネクタ間において制御用の電線が互いに電気的に絶縁されるので、簡便な通信方式を用いても、混線することなく所望の制御用の情報を伝送することができる。
【0032】
請求項6に記載の本発明は、電源用の電線及びアース用の電線の曲率半径を大きくすることができるので、電源用の電線及びアース用の電線が不意に断線することを防止できるとともに、屈曲部が切断されて分離された制御用の電線同士を近接させることができるので、ハウジング即ちコネクタ自体の小型化を図ることができる。
【0033】
請求項7記載の本発明は、カバー部をハウジング本体に取り付けるだけで、制御用の電線の屈曲部を切断できるので、より一層容易に組み立てることができる。
【0034】
請求項8記載の本発明は、電線に負荷がかかった際にカバー部の立設壁で受けることができ、制御回路部と電線との接続部分への負荷を低減することができるので、制御回路部と電線との接続不良を抑制することができる。
【0035】
請求項9記載の本発明は、電線をカバー部から外れにくくすることができるので、電線をハウジング本体から引き離すことで該ハウジング本体からカバー部を確実に取り外すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の一実施形態にかかる電子部品内蔵コネクタ(以下、単にコネクタと記す)を、図1乃至図9を参照して説明する。
【0037】
コネクタ1は、図1及び図2に示すように、相手方のコネクタ2と嵌合する。相手方のコネクタ2は、コネクタハウジング3と、図示しない外部端子としての端子金具とを備えている。コネクタハウジング3は、絶縁性の合成樹脂で構成され、扁平な箱状に形成されている。コネクタハウジング3は、端子金具を収容する。
【0038】
端子金具は、複数設けられ、それぞれが芯線と該芯線を被覆した被覆部とを有した電線4が取り付けられる。端子金具は、取り付けられた電線4の芯線と電気的に接続する。相手方のコネクタ2の端子金具に取り付けられる電線4は、後述するように、自動車などに搭載される各種のスイッチ30(図8及び図9に示す)が接続されている。スイッチ30は、特許請求の範囲に記載された電子機器をなしている。
【0039】
コネクタ1は、図3及び図4に示すように、ハウジングとしてのアウタハウジング5と、制御回路部としての制御回路パッケージ6とを備えている。アウタハウジング5は、扁平な箱状に形成されるとともに、ハウジング本体7と、カバー部8と、電線保持部9(図6に示す)とを備えている。
【0040】
ハウジング本体7は、絶縁性の合成樹脂で構成され、嵌合部としての筒状のフード部10と、該フード部10に連なった収容室としての制御回路パッケージ収容室11とを一体に備えている。フード部10は、内側に相手方のコネクタ2のコネクタハウジング3が進入して、当該相手方のコネクタ2と嵌合する。フード部10に相手方のコネクタ2が嵌合する際には、当該フード部10に相手方のコネクタ2が、フード部10を構成する全ての壁面10aと平行な矢印Kに沿って近づく。この矢印Kは、特許請求の範囲に記載された相手方のコネクタ2との嵌合方向をなしている。
【0041】
制御回路パッケージ収容室11は、フード部10の一つの壁面10aに連なった底壁11aと、当該底壁11aの両縁から立設し且つ互いに間隔をあけて相対した一対の側壁11bとを備えて、断面コ字形に形成されている。一対の側壁11bは、勿論、フード部10の他の壁面10aに連なっている。また、制御回路パッケージ収容室11の図3中の上方には、開口12が設けられている。開口12は、勿論、制御回路パッケージ収容室11の内外を連通している。
【0042】
カバー部8は、絶縁性の合成樹脂で構成され、図5に示すように、平板状の本体部としての天井壁8aと、該天井壁8aの外縁からハウジング本体7の内面に向かって垂直に立設した立設壁としての背面壁8bとを一体に備えている。カバー部8は、ハウジング本体7に取り付けられる。カバー部8は、ハウジング本体7に取り付けられると、前述した開口12を塞ぐ。このカバー部8がハウジング本体7に取り付けられると、天井壁8aが底壁11aと間隔をあけて相対し且つ背面壁8bがフード部10から見てハウジング本体7の背面側に配置される。
【0043】
また、ハウジング本体7とカバー部8とには、互いに係合する係合部13a,13bが設けられている。係合部13aは、ハウジング本体7に設けられており、フード部10の図3中の上方に位置する壁面10aの開口12側の端部から該開口12内に向かって突出し且つ内側に貫通孔を有した断面コ字形に形成されている。係合部13aは、壁面10aの開口12側の端部に嵌合方向Kと交差する方向に互いに間隔をあけて一対設けられている。
【0044】
係合部13bは、カバー部8に設けられており、天井壁8aの一部に切り目が形成されて、該切り目で囲まれた部分の先端が天井壁8aから外側に向かって突出して断面フック状に形成されている。係合部13bは、天井壁8aの背面壁8bから離れた側の端部に嵌合方向Kと交差する方向に互いに間隔をあけて一対設けられている。そして、カバー部8がハウジング本体7に取り付けられた際に、係合部13bのフック状に形成された先端が係合部13aの貫通孔内に侵入して、該係合部13a,13bが互いに係合する。
【0045】
電線保持部9は、図5及び図6に示すように、カバー部8の背面壁8bに設けられた複数の電線収容溝14を備えている。このため、電線保持部9は、カバー部8即ちアウタハウジング5のフード部10から見て背面側に設けられている。電線収容溝14は、背面壁8bの天井壁8aから離れた側の縁から天井壁8aに向かって当該背面壁8bを切り欠いた格好に形成されている。電線収容溝14は、間隔をあけて複数設けられている。電線収容溝14は、内側に電線15を通して、当該電線15を保持する。
【0046】
また、電線収容溝14即ち電線保持部9は、電線15の長手方向が前述した嵌合方向Kと平行な状態で、電線15を保持する。電線15を保持する手段として、電線収容溝14の径を電線15の径よりも若干小さく形成する他、電線収容溝14に電線の抜け止めをするための係止突起等が用いられる。
【0047】
そして、前述した構成のアウタハウジング5は、開口12を通してハウジング本体7内に制御回路パッケージ6を収容して、この制御回路パッケージ6をハウジング本体7とカバー部8との間に位置付ける。
【0048】
また、本実施形態では、電線保持部9は、複数の電線収容溝14のうちのカバー部8の幅方向の最も両端に位置する二つの電線収容溝14と、これら二つの電線収容溝14の内側に位置する二つの電線収容溝14とに夫々一本の電線15(以下、符号15a、15bで示す)を保持して、当該電線15a,15bをアウタハウジング5内でU字状に曲げている。これらの電線15a,15bのうち外側に位置する一方が、電源と接続して、当該電源からの電力を制御回路パッケージ6の後述するICチップ17に供給するための電源用の電線であり、他方が、アースと接続して、ICチップ17とアースとを接続するアース用の電線である。
【0049】
また、前述した複数の電線15のうちの最も内側の二本の電線15(以下、符号15cで示す)は、アウタハウジング5内で互いに分離している。これらの電線15cは、ICチップ17や相手方のコネクタ2などを介して前述したスイッチ30と接続して、スイッチ30のスイッチ信号などの制御用の信号を伝送する電線である。即ち、電線15cは、電子機器としてのスイッチ30の制御用の電線である。
【0050】
これらの電線15cは、図5中に点線で示すように、元々一本の電線15が最も内側の二つの電線収容溝14に保持されてアウタハウジング5内でU字状に配索された後に、該一本の電線15の屈曲部15dが切断されることで、互いに別体に形成される。前述したように、電線保持部9は、制御用の電線15cを電源用の電線15a及びアース用の電線15bよりもアウタハウジング5の幅方向の内側に配置している。
【0051】
制御回路パッケージ6は、図7に示すように、リードフレーム16と、回路素子としてのICチップ17と、樹脂封止体18とを備えている。リードフレーム16は、導電性の金属で構成されるとともに、チップ保持部19と、複数の圧接刃20と、複数の雄タブ(コネクタ接続部に相当する)21と、複数の連結部22とを一体に備えている。
【0052】
チップ保持部19は、平板状に形成されている。チップ保持部19は、表面上にICチップ17をエポキシ、Agペースト、半田等で接合し位置付ける。圧接刃20は、互いに間隔をあけて配置されている。圧接刃20は、電線保持部9の電線収容溝14と同数設けられている。
【0053】
圧接刃20は、平行部23と、立設部24とを一体に備えている。平行部23は、帯板状に形成され且つ両表面がチップ保持部19の両表面と同一平面上に設けられている。複数の圧接刃20の平行部23は、互いに平行に配置されている。また、複数の圧接刃20の平行部23は、チップ保持部19と間隔をあけて配置されている。
【0054】
立設部24は、圧接刃20の平行部23のチップ保持部19から離れた側の端から立設している。図示例では、立設部24の両表面は、平行部23の両表面に対して直交している。立設部24の両表面は、ハウジング本体7にカバー部8を取り付ける際に、当該カバー部8をハウジング本体7に近づける方向と平行である。
【0055】
また、複数の圧接刃20の立設部24は、平行部23から互いに同方向に立設している。立設部24には、当該立設部24の平行部23から離れた側の縁から平行部23に向かって延在したスリット25が形成されている。立設部24即ち圧接刃20は、スリット25内に電線15a,15b,15cが圧入されることで、当該電線15a,15b,15cの被覆部を切り込んで、該電線15a,15b,15cの芯線と接触する。このように、立設部24即ち圧接刃20は、電線15a,15b,15cと圧接する。
【0056】
雄タブ21は、直線状に延在した棒状に形成されている。複数の雄タブ21は、互いに間隔をあけて平行に配置されている。これら複数の雄タブ21は、複数の圧接刃20との間にチップ保持部19を位置付けている。雄タブ21は、制御回路パッケージ6がアウタハウジング5に収容されると、その長手方向が嵌合方向Kと平行となって、フード部10に嵌合した相手方のコネクタ2の端子金具と接続する。
【0057】
連結部22は、それぞれ、圧接刃20及び雄タブ21からチップ保持部19へ向かうように屈曲して形成されている。一部の連結部22は、チップ保持部19と圧接刃20とを接続し、他の残りの連結部22は、チップ保持部19と雄タブ21とを接続している。
【0058】
ICチップ17は、チップ保持部19上に配置されて、リードフレーム16に取り付けられている。ICチップ17は、周知のボンディングワイヤによって、各連結部22と接続されている。ICチップ17は、連結部22を介して、圧接刃20と雄タブ21とを予め定められたパターンにしたがって電気的に接続している。このように、ICチップ17は、リードフレーム16に実装されている。
【0059】
樹脂封止体18は、合成樹脂で構成され且つ扁平な箱状に形成されている。樹脂封止体18は、チップ保持部19と、各圧接刃20の平行部23と、各雄タブ21のチップ保持部19寄りの基端部と、各連結部22とを成形金型内に収容してモールド成型することで封止している。即ち、樹脂封止体18は、ICチップ17とリードフレーム16の中央部分を被覆収容している。樹脂封止体18は、圧接刃20と雄タブ21を露出させてICチップ17及びリードフレーム16を封止している。
【0060】
前述した構成のコネクタ1は、以下のように組み立てられる。まず、作業員がカバー部8に設けられた電線保持部9に電線15,15a,15bを保持して、これらの電線15,15a,15bをU字状に配索する。そして、最も内側に配索された電線15の屈曲部15dを切断して、前記電線15cに形成する。
【0061】
次に、開口12を通して、制御回路パッケージ6をハウジング本体7内に挿入する。このとき、勿論、雄タブ21をフード部10内に位置付け、立設部24即ち圧接刃20を制御回路パッケージ収容室11の底壁11aから立設した位置に位置付ける。
【0062】
続いて、カバー部8を開口12に徐々に近づける。すると、電線保持部9の電線収容溝14内に保持された電線15a,15b,15cが、対応する圧接刃20の立設部24のスリット25内に徐々に挿入される。
【0063】
そして、係合部13a,13b同士が係合して、カバー部8が、開口12を完全に塞いで、ハウジング本体7に取り付けられると、電線15a,15b,15cが圧接刃20のスリット25内に圧入されて、圧接刃20は、電線15a,15b,15cの被覆部を切り込んで、芯線と接触する。
【0064】
こうして、前述した構成のコネクタ1が組み立てられる。こうして組み立てられたコネクタ1は、ICチップ17などを内蔵していない従来から用いられてきた端子金具とハウジングとで構成される一般のコネクタと同様に、相手方のコネクタ2と嵌合するフード部10から見て背面側から電線15a,15b,15cが引き出された格好となっている。前述したコネクタ1は、相手方のコネクタ2と嵌合して、図8及び図9に示すように、ワイヤハーネス29を構成する。
【0065】
ワイヤハーネス29では、前記電線15a,15b,15cの端末にコネクタ1を介して電気接続箱31が取り付けられている。ワイヤハーネス29では、電源からの電力を電源用の電線15aを介してICチップ17に供給し、相手方のコネクタ2と接続されたスイッチ30のスイッチ信号がICチップ17及び制御用の電線15cを介して電気接続箱31に伝送される。こうして、コネクタ1は、ICチップ17が、相手方のコネクタ2に取り付けられた電線4と、圧接刃20に圧接された電線15a,15b,15cとを予め定められたパターン通りに接続する。
【0066】
また、組み立てられたコネクタ1を分解する際には、まず、作業員が電線15a,15b,15cをハウジング本体7から引き離して、該ハウジング本体7から電線15a,15b,15cを取り外す。このとき、電線15a,15b,15cと圧接刃20との接続が解除されるとともに、係合部13a,13b同士の係合が解除されて、カバー部8が電線15a,15b,15cと一緒にハウジング本体7から取り外される。そして、ハウジング本体7の制御回路パッケージ収容室11から開口12を通して制御回路パッケージ6を取り外す。以上のように、コネクタ1は簡単に分解される。
【0067】
本実施形態によれば、電線保持部9が、相手方のコネクタ2と嵌合するフード部10の背面側に設けられ且つ相手方のコネクタ2の嵌合方向Kに沿って電線15a,15b,15cを保持するので、ICチップ17を内蔵していない一般のコネクタと同様に取り扱うことができる。
【0068】
このため、図8及び図9に示すように、電線15a,15b,15cの端末即ちワイヤハーネス29の枝線の端末にコネクタ1を配置することができ、よって、コネクタ1を備えたワイヤハーネス29を、一般のコネクタを備えたワイヤハーネスと組み付けても、一般のコネクタを備えたワイヤハーネスと同様に自動車などに配索できる。したがって、コネクタ1は、ワイヤハーネス29に組み立てられた際に従来から用いられてきた一般のコネクタと同様に取り扱うことができ、容易に取り扱うことが可能となる。
【0069】
また、電線保持部9がカバー部8に設けられているので、電線保持部9に電線15a,15b,15cを保持させ、カバー部8をハウジング本体7に取り付けるだけで、組み立てることができる。したがって、コネクタ1は、容易に組み立てることができる。また、電線15a,15b,15cをハウジング本体7から引き離すことで該ハウジング本体7からカバー部8を取り外すことができるので、コネクタ1を容易に分解することができる。
【0070】
さらに、制御回路パッケージ6が圧接刃20を備えているので、当該制御回路パッケージ6と電線15a,15b,15cとを容易に接続することができる。したがって、コネクタ1は、より容易に組み立てることができる。また、制御回路パッケージ6と電線15a,15b,15cとの接続を容易に解除することができるので、コネクタ1をより容易に分解することができる。
【0071】
また、電源用の電線15aとアース用の電線15bとをアウタハウジング5内でU字状に曲げて配索しているので、ワイヤハーネス29の複数のコネクタ1間で電源用の電線15a及びアース用の電線15bの共用化を図ることができる。したがって、ワイヤハーネス29を構成する電線15a,15b,15cの増加を抑制できる。
【0072】
さらに、屈曲部15dが切断される制御用の電線15cを電源用の電線15a及びアース用の電線15bよりも中央寄りに配置しているので、電源用の電線15a及びアース用の電線15bの曲率半径を大きくすることができ、且つ、屈曲部が切断されて分離された制御用の電線15c同士を近接させることができる。
【0073】
このため、電源用の電線15a及びアース用の電線15bの曲率半径を大きくすることができるので、電源用の電線15a及びアース用の電線15bが不意に断線することを防止できる。また、屈曲部15dが切断されて分離された制御用の電線15c同士を近接させることができるので、アウタハウジング5即ちコネクタ1自体の小型化を図ることができる。
【0074】
前述した実施形態では、作業員が最も内側の電線収容溝14に保持されてU字状に配索された電線15の屈曲部15dを切断している。しかしながら、本発明では、図10乃至図13に示すように、コネクタ1が、前述した最も内側の電線収容溝14に保持されてU字状に配索された電線15の屈曲部15dを切断する切断部35を備えていても良い。なお、図10乃至図13に示す場合において、前述した実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0075】
図10乃至図13に示す場合では、コネクタ1は、制御回路パッケージ6に設けられた切断部35と、カバー部8に設けられた切断受け部36とを備えている。切断部35は、図10乃至図13に示すように、切断部本体37と、切断刃38とを備えている。切断部本体37は、方体状に形成され、樹脂封止体18の外表面から凸に当該樹脂封止体18に一体に形成されている。切断部本体37は、カバー部8に設けられた電線保持部9の最も内側の二つの電線収容溝14に保持される電線15の屈曲部15dと重なる位置に設けられている。
【0076】
切断刃38は、金属で構成され且つ刃状に形成されている。切断刃38は、切断部本体37から立設し且つその両表面が、コネクタ1外に導かれる電線15a,15b,15cの長手方向と平行に配置されている。切断刃38は、インサート成形などによって、樹脂封止体18及び切断部本体37に形成されている。切断刃38は、カバー部8がハウジング本体7に取り付けられる際に、電線保持部9の最も内側の二つの電線収容溝14に保持される電線15の屈曲部15dに当接して、当該屈曲部15dを切断する。
【0077】
前述した切断部35は、カバー部8がハウジング本体7に取り付けられる際に、切断刃38が電線15の屈曲部15dを切断し、切断部本体37が電線15の屈曲部15dが切断されることで分離された電線15c間に侵入して、これらの電線15c同士を絶縁する。
【0078】
切断受け部36は、カバー部8の天井壁8aを貫通したスリット状に形成され、カバー部8がハウジング本体7に取り付けられると、切断刃38の先端を収容して、当該切断刃38が破損することを防止する。
【0079】
この図10乃至図13に示された例によれば、前述した実施形態の効果に加え、制御用の電線15の屈曲部15dを切断する切断部35を設けているので、ワイヤハーネス29に組み立てられた状態では、複数のコネクタ1間において制御用の電線15cが互いに電気的に絶縁される。したがって、ワイヤハーネス29が、簡便な通信方式を用いても、混線することなく所望の制御用の情報を伝送することができる。
【0080】
また、切断部35を制御回路パッケージ6に設けているので、カバー部8をハウジング本体7に取り付ける際に、当該切断部35が制御用の電線15cの屈曲部15dを確実に切断する。このため、カバー部8をハウジング本体7に取り付けるだけで、制御用の電線15cの屈曲部15dを切断できる。したがって、コネクタ1をより一層容易に組み立てることができる。
【0081】
前述した実施形態では、電線保持部9がカバー部8の背面壁8bに設けられた複数の電線収容溝14を備えて、該複数の電線収容溝14によって相手方のコネクタ2の嵌合方向Kに沿って電線15a,15b,15cを保持するとともに、電線15a,15bをアウタハウジング5内でU字状に曲げて配索している。しかしながら、本発明では、図14乃至図18に示すように、コネクタ1は、電線保持部9がカバー部8の天井壁8aに設けられた平行部41と背面壁8bに設けられた交差部42とを有して、該平行部41と交差部42とによって電線15a,15b,15cをカバー部8の内面にL字状に曲げて配索していても良い。なお、図14乃至図18に示す場合において、前述した実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0082】
図14乃至図18に示す場合では、コネクタ1は、電線保持部9が、カバー部8の天井壁8aに設けられた平行部41と、背面壁8bに設けられた交差部42とを備えている。平行部41は、カバー部8の天井壁8aの内面に該内面から凹の溝状に形成されている。平行部41は、カバー部8の幅方向に間隔をあけて複数設けられている。複数の平行部41は、内側に電線15a,15b,15cを通して、当該電線15a,15b,15cを天井壁8aと平行に沿わせて保持する。
【0083】
前述した複数の平行部41のうちのカバー部8の幅方向の最も両端に位置する二つの平行部41(以下、符号41aで示す)と、これら二つの平行部41aの内側に位置する二つの平行部41(以下、符号41bで示す)とは、図15又は図17に示すように、それぞれ、カバー部8の背面壁8bから離れる方向に凸の半円弧状に形成されて繋がっている。即ち、平行部41a,41bは、平面形状がU字状に形成されている。これらの平行部41a,41bは、夫々一本の電線15a、15bを天井壁8aにU字状に曲げた状態で平行に沿わせて保持している。
【0084】
また、前述した複数の平行部41のうちの最も内側に位置する二つの平行部41(以下、符号41cで示す)は、図15又は図17に示すように、天井壁8aの略中央から背面壁8bに向かって直線状に形成されている。この平行部41cは、電線15cをカバー部8の天井壁8aに平行に沿わせて保持している。
【0085】
交差部42は、図17又は図18に示すように、カバー部8の背面壁8bの内面に天井壁8a側からハウジング本体7側に亘って設けられ且つ該背面壁8bの内面から凹の溝状に形成されている。交差部42は、カバー部8の幅方向に間隔をあけて複数設けられている。複数の交差部42は、それぞれ、前述した複数の平行部41に連設されている。交差部42は、内側に電線15a,15b,15cを通して、当該電線15a,15b,15cを平行部41から立設し且つ該平行部41と交差するように背面壁8bに沿わせて保持する。
【0086】
そして、電線保持部9は、複数の平行部41が電線15a,15b,15cを天井壁8aと平行に沿わせて保持するとともに、複数の交差部42が電線15a,15b,15cを平行部41から立設し且つ該平行部41と交差するように背面壁8bに沿わせて保持して、当該電線15a,15b,15cをカバー部8の内面にL字状に曲げて配索する。
【0087】
また、本実施形態では、コネクタ1は、図16に示すように、アウタハウジング5のハウジング本体7とカバー部8との双方に互いに係合する係合部43a,43bが設けられている。係合部43aは、ハウジング本体7に設けられており、制御回路パッケージ収容室11の一対の側壁11bそれぞれの内面から互いに近づく方向に突出している。係合部43aは、各側壁11bの底壁11a側の端部に該底壁11aと間隔をあけて設けられ且つ各側壁11bに沿って延びた角柱状に形成されている。
【0088】
係合部43bは、カバー部8に設けられており、天井壁8aの嵌合方向Kと交差する方向に相対する両端部からハウジング本体7に向かって垂直に立設し且つ該両端部に沿って延びた平板状に形成されている。係合部43bは、先端が天井壁8aの外側に向かって突出して断面フック状に形成されている。そして、カバー部8がハウジング本体7に取り付けられた際に、係合部43bのフック状に形成された先端が係合部43aを乗り越えて、該係合部43a,43bが互いに係合する。
【0089】
この図14乃至図18に示された場合によれば、電線保持部9が電線15a,15b,15cを天井壁8aに平行に沿わせる平行部41と、電線15a,15b,15cを平行部41から立設し且つ該平行部41と交差するように背面壁8bに沿わせる交差部42とを有して、電線15a,15b,15cをカバー部8の内面にL字状に曲げて配索している。
【0090】
このため、電線15a,15b,15cに負荷がかかった際にカバー部8の背面壁8bで受けることができるので、制御回路パッケージ6と電線15a,15b,15cとの接続部分への負荷を低減することができる。したがって、制御回路パッケージ6と電線15a,15b,15cとの接続不良を抑制することができる。
【0091】
また、平行部41と交差部42とがカバー部8の内面から凹の溝状に形成されているので、電線15a,15b,15cをカバー部8から外れにくくすることができる。このため、電線15a,15b,15cをハウジング本体7から引き離すことで該ハウジング本体7からカバー部8を確実に取り外すことができる。
【0092】
前述した実施形態などでは、リードフレーム16が、相手方のコネクタ2の端子金具と接続する雄タブ21を備えている。しかしながら、本発明では、相手方のコネクタ2の端子金具と接続するために、雌型の端子金具などを用いても良い。要するに、本発明では、相手方のコネクタ2の端子金具と接続可能なものであれば種々の構成のものを用いても良い。
【0093】
また、前述した実施形態などでは、制御回路パッケージ6の樹脂封止体18を扁平な箱状に形成している。しかしながら、本発明では、リードフレーム16やICチップ17などを覆う箱状に成形して、樹脂封止体18を中空に形成しても良い。
【0094】
また、前述した実施形態などでは、制御回路パッケージ6を、リードフレーム16とリードフレーム16上に実装されたICチップ17とで構成している。しかしながら、制御回路パッケージ6を、従来技術の電子ユニットの如く、印刷配線板と、印刷配線板上に実装された電子素子としてもよい。さらに、本発明では、制御用の電線15を切断して二本の電線15cに分離せずに、制御用の電線15をアウタハウジング5内でU字状に曲げて、一本のままで用いても良い。
【0095】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の一実施形態にかかる電子部品内蔵コネクタと相手方のコネクタとを示す斜視図である。
【図2】図1に示されたコネクタ同士を嵌合した状態を示す斜視図である。
【図3】図1に示された電子部品内蔵コネクタの分解斜視図である。
【図4】図3に示された電子部品内蔵コネクタの透視図である。
【図5】図3に示された電子部品内蔵コネクタのカバー部の透視図である。
【図6】図3中のIII−III線に沿う断面図である。
【図7】図3に示された電子部品内蔵コネクタの制御回路パッケージの透視図である。
【図8】図1に示された電子部品内蔵コネクタを備えたワイヤハーネスの構成を示す説明図である。
【図9】図8に示されたワイヤハーネスの構成を示す平面図である。
【図10】図1に示された電子部品内蔵コネクタの変形例を示す斜視図である。
【図11】図10に示された電子部品内蔵コネクタの透視図である。
【図12】図10に示された電子部品内蔵コネクタの分解斜視図である。
【図13】図12に示された電子部品内蔵コネクタのカバー部の透視図である。
【図14】図1に示された電子部品内蔵コネクタの別の変形例を示す斜視図である。
【図15】図14に示された電子部品内蔵コネクタのカバー部の透視図である。
【図16】図14に示された電子部品内蔵コネクタの分解斜視図である。
【図17】図15に示されたカバー部の内面側を示す斜視図である。
【図18】図14中のXVII−XVII線に沿う断面図である。
【符号の説明】
【0097】
1 電子部品内蔵コネクタ
2 相手方のコネクタ
5 アウタハウジング(ハウジング)
6 制御回路パッケージ(制御回路部)
7 ハウジング本体
8 カバー部
9 電線保持部
10 フード部(嵌合部)
11 制御回路パッケージ収容室(収容室)
12 開口
15 電線
15a 電源用の電線
15b アース用の電線
15c 制御用の電線
17 ICチップ(回路素子)
20 圧接刃
35 切断部
41 平行部
42 交差部
K 嵌合方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路素子を実装した制御回路部と、相手方のコネクタと嵌合する嵌合部と前記制御回路部を収容する収容室とを備えたハウジングと、を備えた電子部品内蔵コネクタにおいて、
前記ハウジングの前記嵌合部の背面側に前記制御回路部に接続された電線を保持する電線保持部を設け、
前記電線保持部が、前記電線の長手方向が前記ハウジングの前記相手方のコネクタとの嵌合方向と平行な状態で前記電線を保持することを特徴とする電子部品内蔵コネクタ。
【請求項2】
前記ハウジングが、前記制御回路部を内部に収容するための開口を備えたハウジング本体と、前記ハウジング本体に取り付けられて開口を塞ぐカバー部と、を備え、
前記電線保持部が、前記カバー部に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の電子部品内蔵コネクタ。
【請求項3】
前記制御回路部は、前記電線と圧接接続するための圧接刃を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子部品内蔵コネクタ。
【請求項4】
前記電線保持部が、前記ハウジング内において、前記電線のうち前記回路素子に電源を供給する電源用の電線と、アースと接続したアース用の電線とをU字状に曲げて配索していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載の電子部品内蔵コネクタ。
【請求項5】
前記電線のうち前記ハウジング内でU字状に曲げて配索された電子機器の制御用の電線の屈曲部を切断する切断部を備えたことを特徴とする請求項4に記載の電子部品内蔵コネクタ。
【請求項6】
前記電線保持部が、前記制御用の電線を前記電源用の電線及び前記アース用の電線よりも前記ハウジングの中央寄りに配置したことを特徴とする請求項5に記載の電子部品内蔵コネクタ。
【請求項7】
前記切断部を、前記制御回路部に設けたことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の電子部品内蔵コネクタ。
【請求項8】
前記カバー部が、本体部と、前記本体部から前記ハウジング本体の内面に向かって垂直に立設した立設壁と、を備え、
前記電線保持部が、前記電線を前記本体部と平行に沿わせる平行部と、前記電線を前記平行部から立設し且つ該平行部と交差するように前記立設壁に沿わせる交差部とを有して、前記電線を前記カバー部の内面にL字状に曲げて配索していることを特徴とする請求項1乃至請求項7のうちいずれか一項に記載の電子部品内蔵コネクタ。
【請求項9】
前記平行部と前記交差部とが、前記カバー部の内面から凹の溝状に形成されていることを特徴とする請求項8に記載の電子部品内蔵コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−226809(P2008−226809A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−157026(P2007−157026)
【出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】