説明

電子部品

【課題】本発明は、回路基板と該回路基板に接続される接続端子との接続状態を良好に保つとともに、小型化を図った電子部品を提供することを目的とする。
【解決手段】電子部品1は、回路基板4と、前記回路基板4に接続される一対の接続端子7と、前記一対の接続端子7が取り付けられるハウジング5と、を有している。前記回路基板4には、前記接続端子7に接続される複数の端子部43が設けられ、前記一対の接続端子7各々には、弾性変形自在に形成された、互いの間に前記端子部43を挟むばね部材72が設けられ、前記ハウジング5には、前記一対の接続端子7それぞれが通される通し孔54間に設けられ、前記回路基板4が収容される基板収容部56の底部56aから前記回路基板4に向かって凸に形成され、複数の端子部43間に侵入するリブ57が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、移動体としての自動車に搭載されるCCDカメラユニット等の電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体としての自動車には、例えば、CCDカメラユニット101等の電子部品が搭載されている。上記CCDカメラユニット101は、開口を有する箱状に形成された第1ケース102と、前記第1ケース102に取り(組み)付けられた回路基板104と、前記回路基板104に搭載されたカメラレンズ素子106と、前記回路基板104の前記カメラレンズ素子106と反対側の面に取り付けられたバネ部材103と、前記第1ケース102の開口を覆うように組み付けられた第2ケース105と、前記第2ケース105に取り付けられた、前記バネ部材103と電気的に接続する接続端子107と、を備えている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
上記バネ部材103は、前記第1ケース102と、前記第2ケース105とが組み付けられる方向と平行な、該第1ケース102と第2ケース105とが互いに近づく方向と互いに離れる方向との双方向に弾性変形自在に形成されている。また、上記接続端子107は、前記第1ケース102に向かって延びていて、前記第1ケース102と、前記第2ケース105とが互いに組み付けられると、前記バネ部材103は、前記接続端子107に弾性的に接触することで、これら接続端子107とバネ部材103とは電気的に接続している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−99411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した従来のCCDカメラユニット101には、以下に示す問題があった。即ち、従来のCCDカメラユニット101は、第1ケース102と該第1ケース102に組み付けられる回路基板104との組付け誤差や、第1ケース102と該第1ケース102に組み付けられる第2ケース105との組付け誤差の影響により生じる僅かな歪みや傾きによって、予め定められたバネ部材103と接続端子107との接点から位置ずれを生じた場合であっても、この位置ずれを、バネ部材103が弾性変位(即ち、弾性変形)することで吸収するために、バネ部材103が弾性変形するための空間を確保する必要があり、このために、従来のCCDカメラユニット101はバネ部材103が弾性変形する方向に大型化する傾向にあった。
【0006】
また、例えば、前述した自動車の走行中の振動などにより、バネ部材103が弾性変位(即ち、弾性変形)することで吸収することができないほど、バネ部材103と接続端子107とが位置ずれを生じた場合には、バネ部材103の弾性変位量が変動し、安定した接触荷重を維持することができないので、これらバネ部材103と接続端子107との電気的な接続が絶たれてしまうことがあり、これらバネ部材103と接続端子107との接続状態を良好に保つことが困難であった。
【0007】
そこで、本発明は、上記のような問題点に着目し、回路基板と該回路基板に接続される接続端子との接続状態を良好に保つとともに、小型化を図った電子部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の本発明は、回路基板と、前記回路基板に接続される少なくとも一対の接続端子と、前記一対の接続端子が取り付けられるハウジングと、を有する電子部品であって、前記回路基板には、前記ハウジングに向かって凸に形成され、互いに間隔をあけて設けられた、前記接続端子に接続される複数の端子部が設けられ、前記一対の接続端子各々には、これら一対の接続端子が互いに近づく方向と互いに離れる方向との双方向に弾性変形自在に形成された、互いの間に前記端子部を挟むばね部材が設けられ、前記ハウジングには、前記一対の接続端子それぞれが通される通し孔間に設けられ、前記回路基板が収容される基板収容部が設けられ、前記基板収容部の底部から前記回路基板に向かって凸に形成され、前記複数の端子部間に侵入する少なくとも1つのリブが設けられていることを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において、前記ハウジングには、前記一対のばね部材の前記互いに離れる方向に設けられ、前記一対のばね部材を互いの間に挟む一対の当接部が設けられていることを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載の本発明において、前記リブから前記回路基板に向かって凸に形成され、前記回路基板を互いの間に位置付ける一対の規制部が設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の本発明によれば、回路基板と、前記回路基板に接続される少なくとも一対の接続端子と、前記一対の接続端子が取り付けられるハウジングと、を有する電子部品であって、前記回路基板には、前記ハウジングに向かって凸に形成され、互いに間隔をあけて設けられた、前記接続端子に接続される複数の端子部が設けられ、前記一対の接続端子各々には、これら一対の接続端子が互いに近づく方向と互いに離れる方向との双方向に弾性変形自在に形成された、互いの間に前記端子部を挟むばね部材が設けられ、前記ハウジングには、前記一対の接続端子それぞれが通される通し孔間に設けられ、前記回路基板が収容される基板収容部が設けられ、前記基板収容部の底部から前記回路基板に向かって凸に形成され、前記複数の端子部間に侵入する少なくとも1つのリブが設けられているので、例えば、前述した自動車が走行中に前記電子部品が振動した際においては、前記ばね部材が弾性変形して前記回路基板に対して接触荷重をかけることで、前記回路基板と該回路基板に接続される接続端子との安定した接触信頼性を維持することとなり、さらに、前記リブが設けられていることで、前記回路基板が、前記ばね部材が弾性変形する方向と、回路基板が一対の接続端子間に侵入する方向と、の双方向に対して交差(直交)する方向に、移動することを規制されることとなり、よって、前記ハウジングに取り付けられた接続端子と回路基板とが位置ずれすることを規制されることとなり、よって、前記電子部品が、前記ばね部材が弾性変形する方向または前記交差(直交)する方向に振動した際においても、前記回路基板と該回路基板に接続される接続端子との安定した接触信頼性を維持することとなり、回路基板と接続端子との接続状態を良好に保った電子部品を提供することができる。
【0012】
また、前記一対の接続端子各々に設けられたばね部材が、互いの間に前記端子部(即ち、回路基板)を挟んでいるので、これら一対のばね部材と回路基板とは重ねられることとなり、よって、回路基板が一対の接続端子間に侵入する方向に、前記電子部品の低背化(即ち、小型化)を図ることができる。
【0013】
請求項2記載の本発明によれば、前記ハウジングには、前記一対のばね部材の前記互いに離れる方向に設けられ、前記一対のばね部材を互いの間に挟む一対の当接部が設けられているので、前記ばね部材が前記当接部に当接することで、前記ばね部材が前記回路基板から離れる方向に移動することを規制されることとなり、よって、回路基板と接続端子との接続状態をより一層良好に保つことができる。
【0014】
請求項3記載の本発明によれば、前記リブから前記回路基板に向かって凸に形成され、前記回路基板を互いの間に位置付ける一対の規制部が設けられているので、前記回路基板が前記一対の規制部に当接することで、前記回路基板が、前記ばね部材が弾性変形する方向に沿って移動することを規制されることとなり、よって、回路基板と該回路基板に接続される接続端子との安定した接触信頼性を維持することとなり、よって、回路基板と接続端子との接続状態をより一層良好に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施の形態に係るCCDカメラユニットの斜視図である。
【図2】図1に示されたCCDカメラユニットを分解して示す分解斜視図である。
【図3】図1に示されたCCDカメラユニットを構成する接続端子及び電線が第2パッキンに取り付けられる様子を示す斜視図である。
【図4】図1に示されたCCDカメラユニットを構成する接続端子及び電線が第2パッキンに取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図5】図1に示されたCCDカメラユニットを構成するメスハウジングを示す斜視図である。
【図6】図1に示されたCCDカメラユニットを構成する回路基板の複数の端子部間に、メスハウジングのリブが侵入する様子を示す断面図である。
【図7】図6に示された要部を拡大して示す要部拡大図である。
【図8】図1に示されたI−I線に沿う断面図である。
【図9】図1に示されたII−II線に沿う断面図である。
【図10】図9に示された要部を拡大して示す要部拡大図である。
【図11】従来のCCDカメラユニットの斜視図である。
【図12】図11に示された要部を拡大して示す要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施の形態にかかる電子部品としてのCCDカメラユニット1を、図1乃至図10を参照して説明する。
【0017】
図1、図2などに示すCCDカメラユニット1は、開口を有する箱状に形成されたカメラケース2と、前記開口を覆うように前記カメラケース2に組み付けられる接続コネクタ3と、前記接続コネクタ3に取り付けられる回路基板4と、前記回路基板4に搭載される図示しないカメラレンズ素子と、前記回路基板4に接続される少なくとも一対(即ち、複数)の接続端子としてのメス端子7と、複数のメス端子7を取り付けるハウジングとしてのメスハウジング5と、第1パッキン6と、第2パッキン8と、メスハウジング5に取り付けられるリアホルダ9と、を備えている。また、図1などに示された矢印Zは、回路基板4が一対のメス端子7間に侵入する方向、即ち、カメラケース2と接続コネクタ3とが組み付けられる方向を示しており、矢印Xは、後述するメス端子7のばね部材72が弾性変形する方向を示しており、矢印Yは、矢印Zと矢印Xとの双方向に対して交差(直交)する方向を示している。
【0018】
上記カメラケース2には、後述する接続コネクタ3の凸部34(図6などに示す)が侵入する溝部22が設けられている。上記溝部22は、カメラケース2の矢印Z方向の開口側の縁の表面から(矢印Z方向に)凹に形成されている。また、溝部22は、カメラケース2の前記縁に全周に亘って形成されている。
【0019】
上記接続コネクタ3は、絶縁性の合成樹脂からなる。また、接続コネクタ3は、前記カメラケース2の前記開口を覆う板部31と、複数の壁部32a、32b、32c、32dと、を備えている。
【0020】
上記板部31には、前記カメラケース2の前記溝部22に侵入する凸部34(図6に示す)と、回路基板4を取り付ける開口部33と、が設けられている。上記開口部33は、板部31の中央部に設けられ、該板部31を貫通している。また、開口部33には、内側に回路基板4が圧入されることで、該回路基板4は接続コネクタ3に取り付けられている。
【0021】
上記凸部34は、板部31の前記カメラケース2側の表面から凸に形成されている。この凸部34が、前記カメラケース2の前記溝部22に侵入することで、接続コネクタ3は、前記カメラケース2に取り付けられている。
【0022】
上記複数の壁部32a、32b、32c、32dは、前記板部31から矢印Zに沿って立設している。また、複数の壁部32a、32b、32c、32dは、互いに隣り合う縁同士が連なり枠状に形成されている。また、複数の壁部32a、32b、32c、32dのうち矢印X方向に対向する一対の壁部32a、32bには、該壁部32a、32bを貫通する一対の係合部35が設けられている。各係合部35は、各壁部32a、32bの中央部に設けられている。
【0023】
上記回路基板4は、基板本体部41と、該基板本体部41の矢印Z方向の接続コネクタ3側に設けられ、該基板本体部41よりも矢印Y方向に幅狭に形成された圧入部42と、圧入部42から矢印Z方向の接続コネクタ3側に凸に形成された複数の端子部43と、を備えている。また、回路基板4の表面には、前記カメラレンズ素子と、メス端子7とを予め定められたパターンに接続する配線パターン4a(図10に示す)が形成されている。前記配線パターン4aは、各端子部43の表面にも形成されている。
【0024】
上記圧入部42は、前記基板本体部41の中央部に設けられている。また、圧入部42は、前記接続コネクタ3の開口部33に圧入される。
【0025】
上記複数の端子部43は、矢印Yに沿って、互いに間隔をあけて並んでいる。各端子部43は、後述する一対のメス端子7のばね部材72間に挟まれている。また、矢印Y方向の複数の端子部43間には、後述するハウジングとしてのメスハウジング5のリブ57が侵入する。また、各端子部43は、後述するメスハウジング5の一対の規制部57b間(矢印X方向)に位置付けられている。また、回路基板4は、圧入部42が、接続コネクタ3に圧入されると、接続コネクタ3の板部31から、複数の端子部43及び圧入部42の一部が矢印Z方向に突出している。
【0026】
上記メス端子7は、導電性の板金に打ち抜き加工や曲げ加工が施されて得られたものである。メス端子7は、図3、図4に示すように、電線接続部71と、該電線接続部71に連なる電気接触部としてのばね部材72と、を一体に備えている。また、メス端子75は、特許請求項の範囲に示された「接続端子」に相当する。
【0027】
上記電線接続部71は、平板状の矩形状に形成された底板73と、該底板73の底板73の幅方向(矢印Y)の両縁部から立設する一対の芯線かしめ片74と、を一体に備えている。また、電線接続部71の長手方向(矢印Z)と、該電線接続部71に接続される電線10の長手方向(矢印Z)とは、互いに平行に設けられている。また、電線接続部71に接続された電線10は、L字状に曲げられて、後述する第2パッキン8の挟持部8A、8B間に挟持されている。
【0028】
上記一対の芯線かしめ片74は、底板73から離れた側の縁が底板73に近づくように曲げられていている。そして、一対の芯線かしめ片74は、電線10の被覆部が皮剥ぎされて露出した状態の芯線を底板73との間に挟んで、該芯線をかしめることで、芯線かしめ片74と、電線10の芯線と、を電気的に接続している。
【0029】
上記ばね部材72は、前記底板73に連なっている。また、ばね部材72は、前記底板73から離れた側の端部が、一対のメス端子7それぞれに設けられた各ばね部材72が互いに近づく方向にうず巻き状に曲げられることで、該ばね部材72は矢印X方向に弾性変形自在に形成されている。
【0030】
上記メスハウジング5は、絶縁性の合成樹脂からなり、略矩形状に形成されている。また、図2、図5に示すように、メスハウジング5には、前記メス端子7が第2パッキン8を介して取り付けられる。前記メス端子7が取り付けられたメスハウジング5は、前記接続コネクタ3に取り付けられる。そして、メスハウジング5が、前記接続コネクタ3に取り付けられると、メスハウジング5に取り付けられたメス端子7と、接続コネクタ3に取り付けられた回路基板4とが接続される。メスハウジング5は、ハウジング本体部51と、前記ハウジング本体部51に設けられた一対の張出部52と、リアホルダ9を取り付けるホルダ取付部53と、を備えている。また、メスハウジング5は、特許請求項の範囲に示された「ハウジング」に相当する。なお、図5は、図2に示されたメスハウジング5を接続コネクタ3側から見た図である。
【0031】
上記ハウジング本体部51には、電線10及び該電線10が取り付けられたメス端子7を通す複数の通し孔54と、前記通し孔54の内表面に設けられた複数の当接部55と、矢印Xに沿う通し孔54間に設けられた基板収容部56と、回路基板4の複数の端子部43間に侵入する複数のリブ57と、第1パッキン6を取り付ける第1パッキン取付部58と、接続コネクタ3の一対の係合部35それぞれに係合する一対の係合受け部59と、が設けられている。また、ハウジング本体部51は、前記接続コネクタ3の枠状に形成された複数の壁部32a、32b、32c、32d間に取り付けられる。
【0032】
上記複数の通し孔54は、図7、図10などに示すように、矢印Xに沿って一対(2つ)並べられ、かつ、矢印Yに沿って3つ並べられている。また、複数の通し孔54同士は、互いに間隔をあけて設けられている。また、各通し孔54は、ハウジング本体部51を矢印Z方向に貫通している。
【0033】
上記当接部55は、前記一対のばね部材72の矢印X方向の前記回路基板4から離れた側に設けられ、該一対のばね部材72を互いの間に挟む位置に複数(対)設けられている。即ち、各一対の当接部55は、前記一対のばね部材72が互いに離れる方向(矢印X)に設けられている。また、複数の当接部55は、図示例では、矢印Xに沿って一対(2つ)設けられ、かつ、矢印Yに沿って3つ設けられている。また、当接部55は、前記通し孔54の矢印X方向の内表面の、前記ハウジング本体部51の矢印Z方向の接続コネクタ3側の端部に設けられている。そして、複数(対)の当接部55は、前記ばね部材72が前記回路基板4から離れる方向(矢印X)に移動することを規制する。
【0034】
上記基板収容部56は、図6、図7などに示すように、前記ハウジング本体部51の矢印Z方向の接続コネクタ3側の表面から凹に形成されており、前述した回路基板4の接続コネクタ3の板部31から突出した複数の端子部43及び圧入部42の一部を収容する。また、基板収容部56は、矢印Yに沿って延在している。また、複数の通し孔54と基板収容部56とは互いに連通している。
【0035】
上記リブ57は、前記基板収容部56の(矢印Z方向の)底部56aから矢印Zに沿って凸に形成されている。また、複数のリブ57は、矢印Yに沿って互いに間隔をあけて互いに対向するように設けられている。また、リブ57の矢印Z方向の基板収容部56の底部56aから離れた端部(即ち、リブ57の接続コネクタ3側の端部)は、前記ハウジング本体部51の接続コネクタ3側の表面よりも奥側(接続コネクタ3から離れた側)に位置している。また、リブ57には、該リブ57の前記端部から矢印Z方向の前記回路基板4に向かって凸に形成された一対の規制部57bが設けられている。
【0036】
上記一対の規制部57bは、リブ57の矢印X方向の両端部に設けられている。そして、一対の規制部57bは、矢印X方向の該一対の規制部57b間に前記回路基板4を位置付ける。
【0037】
上記第1パッキン取付部58は、接続コネクタ3の枠状に形成された複数の壁部32a、32b、32c、32dに重ねられるハウジング本体部51の表面から凹に形成されている。また、第1パッキン取付部58は、前記ハウジング本体部51の矢印Z方向の接続コネクタ3側の端部に設けられている。また、第1パッキン取付部58は、前記ハウジング本体部51の全周に亘って設けられている。
【0038】
上記一対の係合受け部59は、前記係合部35が設けられた壁部32a、32bに重ねられる前記ハウジング本体部51の表面から矢印X方向の互いに離れる方向に凸に形成されている。また、各係合受け部59は、矢印X方向に弾性変形自在に形成されている。また、各係合受け部59は、前記第1パッキン取付部58と後述する張出部52との間に設けられている。
【0039】
上記一対の張出部52それぞれは、板状に形成されている。また、一対の張出部52は、前記ハウジング本体部51の矢印Z方向の接続コネクタ3から離れた端部に設けられている。また、一対の張出部52は、前記ハウジング本体部51の表面から矢印X方向の互いに離れる方向に凸に形成されており、各張出部52は、前記ハウジング本体部51の矢印Yの全長に亘って設けられている。また、各張出部52は、該張出部52の矢印Z方向の一端部が前記ハウジング本体部51に連なっており、各張出部52の他端部は、後述するホルダ取付部53に連なっている。この張出部52の矢印Z方向の接続コネクタ3側の端部には、接続コネクタ3の壁部32a、32bが当接し、張出部52の矢印Z方向の接続コネクタ3から離れた側の端部には、後述するリアホルダ9の側壁部92a、92bが当接する。
【0040】
上記ホルダ取付部53は、メスハウジング5の矢印Z方向の接続コネクタ3から離れた端部に設けられている。即ち、ホルダ取付部53は、ハウジング本体部51の接続コネクタ3から離れた端部に連なっている。また、ホルダ取付部53は、前記ハウジング本体部51の矢印Y方向の両端部に設けられ、前記ハウジング本体部51の矢印Z方向の端部から板状に立設している。また、ホルダ取付部53は、前記ハウジング本体部51の矢印X方向の全長に亘って設けられている。また、ホルダ取付部53には、リアホルダ9に係止する係止部50が設けられている。
【0041】
上記係止部50は、前記ホルダ取付部53の矢印Z方向の接続コネクタ3から離れた端部に一対設けられている。一対の係止部50は、前記ホルダ取付部53の表面から互いに離れる方向に凸に形成されている。
【0042】
上記第1パッキン6は、枠状に形成されており、例えばゴムなど、可撓性を有する合成樹脂からなる。また、第1パッキン6は、縮径(内外径が縮小することをいう)する方向と、拡径する方向との双方向に弾性変形自在に形成されている。また、第1パッキン6は、前記メスハウジング5に取り付けられている。第1パッキン6は、前記メスハウジング5が前記接続コネクタ3に取り付けられると、前記メスハウジング5と前記接続コネクタ3との間に位置付けられて、回路基板4側に水などの液体が侵入することを防止する。
【0043】
上記第2パッキン8は、例えばゴムなど、可撓性を有する合成樹脂からなる。また、第2パッキン8は、図3、図4などに示すように、該第2パッキン8に前記メス端子7が取り付けられた状態で前記メスハウジング5に取り付けられており、前記メスハウジング5の通し孔54及び基板収容部56の内側に水などの液体が侵入することを防止する。また、第2パッキン8は、互いの間に電線10を挟持する一対の挟持部8A,8Bと、一対の挟持部8A,8Bを互いに連結するヒンジ84と、を備えている。
【0044】
一対の挟持部8A,8Bは箱状に形成されている。一対の挟持部8A,8Bは、互いの内表面同士が重ね合わされる。
【0045】
上記挟持部8Aには、前記メス端子7を通す開口部82と、前記電線接続部71を載置する載置部83と、が設けられている。上記開口部82は、挟持部8Aを矢印Z方向に貫通している。また、開口部82は、挟持部8Aの中央部に設けられている。上記載置部83は、挟持部8Aの前記内表面に複数設けられている。また、複数の載置部83は、矢印Yに沿って、互いに間隔をあけて複数(図示例では3つ)設けられている。各載置部83は、挟持部8Aの内表面から凹に形成された、矢印X方向に延在する溝である。また、載置部83には、該載置部83の凹の底部から凸に形成された凸部83aが複数設けられている。上記凸部83aは、互いに間隔をあけて設けられている。
【0046】
上記挟持部8Bには、挟持部8Aの載置部83との間に電線10を挟む載置部83が設けられている。上記載置部83は、該挟持部8Bの内表面から凹に形成されている。
【0047】
上記リアホルダ9は、第2パッキン8の挟持部8Bに重ねられる板状のカバー部91と、カバー部91の縁から矢印Z方向の第2パッキン8に向かって立設する複数の側壁部92a、92b、92c、92dと、を備えて、有底筒状に形成されている。
【0048】
上記複数の側壁部92a、92b、92c、92dのうち、矢印X方向に対向する一対の側壁部92a、92bには、複数の切欠き部93が設けられている。上記切欠き部93は、側壁部92a、92bの矢印Z方向の離れた側の端部からカバー部91に向かって凹に切り欠かれている。これら複数の切欠き部93は、前記第2パッキン8の載置部83と対応する位置に設けられており、矢印Yに沿って、互いに間隔をあけて複数(図示例では3つ)設けられている。
【0049】
上記複数の側壁部92a、92b、92c、92dのうち、矢印Y方向に対向する一対の側壁部92c、92dそれぞれには、メスハウジング5の係止部50に係止する係止受け部94が設けられている。
【0050】
上記係止受け部94には、一対のスリット94aと、一対のスリット94a間に設けられた孔部94bと、が設けられている。上記一対のスリット94aは、矢印Xに沿って互いに間隔をあけて設けられている。また、各スリット94aは、側壁部92c、92dの矢印Z方向のカバー部91から離れた側の端部からカバー部91に向かって直線状に切り欠かれている。上記孔部94bは、各側壁部92c、92dを貫通した孔である。係止受け部94は、一対のスリット94aが形成されていることで、矢印Y方向の互いに離れる方向に弾性変形可能に形成されている。
【0051】
上述したCCDカメラユニット1は、以下のように、組み立てられる。まず、電線10の端末において、該電線10の被覆部が皮剥ぎされて露出した状態の芯線を、メス端子7の電線接続部71の底板73に載置して、芯線かしめ片74を、底板73に近づけるようにかしめて、電線10にメス端子7を取り付ける。そして、メス端子7が取り付けられた電線10を挟持部8Aの開口部82の内側を通して、該電線10をL字状に曲げるようにして、メス端子7及びメス端子7が取り付けられた電線10を第2パッキン8の挟持部8A、8Bの載置部83間に挟持する。こうして、メス端子7及びメス端子7が取り付けられた電線10は、第2パッキン8に取り付けられる。そして、第2パッキン8が取り付けられた電線10及びメス端子7を、メスハウジング5のホルダ取付部53側から通し孔54に通して、メスハウジング5に第2パッキン8を重ねた後、第2パッキン8の挟持部8Bにリアホルダ9のカバー部91を重ねるように近づける。すると、メスハウジング5の係止部50がリアホルダ9の係止受け部94に係止する。この際、リアホルダ9の側壁部92a、92bは、メスハウジング5の一対の張出部52に当接している。このように、リアホルダ9が、メスハウジング5に取り付けられることで、電線10及びメス端子7は、第2パッキン8を介して、メスハウジング5に取り付けられる。
【0052】
次に、回路基板4の配線パターン4aにカメラレンズ素子を接続する。こうして、回路基板4にカメラレンズ素子を搭載する。そして、カメラレンズ素子が搭載された回路基板4を矢印Z方向に動かして、該回路基板4の圧入部42を接続コネクタ3の開口部33に圧入することで、該接続コネクタ3に回路基板4を取り付ける。
【0053】
次に、第2パッキン8を介して電線10及びメス端子7が取り付けられたメスハウジング5の第1パッキン取付部58に第1パッキン6を取り付けた後、該メスハウジング5を接続コネクタ3の複数の壁部32a、32b、32c、32d間に近づける。すると、メスハウジング5の係合受け部59に接続コネクタ3の係合部35が係合する。この際、メスハウジング5の一対の張出部52に、接続コネクタ3の壁部32a、32bが当接している。また、この際、図6、図7に示すように、回路基板4が矢印Zに沿って一対のメス端子7間に動かされる(侵入される)にしたがって、各端子部43が、メスハウジング5の基板収容部56に侵入し、図8に示すように、矢印Y方向の該端子部43間には、リブ57が侵入されるとともに、一対のばね部材72が、互いの間(矢印X方向)に各端子部43を挟み込む。こうして、一対のばね部材72が各端子部43に形成された配線パターン4aに弾性的に接触することとなり、各一対のメス端子7と回路基板4とが電気的に接続する。この際、図9、図10に示すように、前記一対のばね部材72は、各一対の当接部55間に挟まれている。また、この際、回路基板4は、メスハウジング5の一対の規制部57b間(矢印X方向)に位置付けられている。最後に、電線10及びメス端子7を取り付けたメスハウジング5が取り付けられた接続コネクタ3の板部31が、カメラケース2の開口を覆うように近づけられて、接続コネクタ3の凸部34を、カメラケース2の溝部22を侵入させて、カメラケース2と接続コネクタ3とを組み付ける。こうして、CCDカメラユニット1が組み立てられる。
【0054】
上述した実施形態によれば、回路基板4と、前記回路基板4に接続される少なくとも一対の接続端子としてのメス端子7と、前記一対のメス端子7が取り付けられるハウジングとしてのメスハウジング5と、を有する電子部品としてのCCDカメラユニット1であって、前記回路基板4には、前記メスハウジング5に向かって凸に形成され、互いに間隔をあけて設けられた、前記メス端子7に接続される複数の端子部43が設けられ、前記一対のメス端子7各々には、これら一対のメス端子7が互いに近づく方向と互いに離れる方向との双方向(矢印X)に弾性変形自在に形成された、互いの間に前記端子部43を挟むばね部材72が設けられ、前記メスハウジング5には、前記一対のメス端子7それぞれが通される通し孔54間に設けられ、前記回路基板4が収容される基板収容部56が設けられ、前記基板収容部56の底部56aから前記回路基板4に向かって凸に形成され、前記複数の端子部43間に侵入する少なくとも1つのリブ57が設けられているので、例えば、前述した自動車が走行中に前記CCDカメラユニット1が振動した際においては、前記ばね部材72が弾性変形して前記回路基板4に対して接触荷重をかけることで、前記回路基板4と該回路基板4に接続されるメス端子7との安定した接触信頼性を維持することとなり、さらに、前記リブ57が設けられていることで、前記回路基板4が、前記ばね部材72が弾性変形する方向(矢印X)と、回路基板4が一対のメス端子7間に侵入する方向(矢印Z)と、の双方向に対して交差(直交)する方向(矢印Y)に、移動することを規制されることとなり、よって、前記メスハウジング5に取り付けられたメス端子7と回路基板4とが位置ずれすることを規制されることとなり、よって、前記CCDカメラユニット1が、前記ばね部材72が弾性変形する方向(矢印X)または前記交差(直交)する方向(矢印Y)に振動した際においても、回路基板4と該回路基板4に接続されるメス端子7との安定した接触信頼性を維持することとなり、回路基板4とメス端子7との接続状態を良好に保ったCCDカメラユニット1を提供することができる。
【0055】
また、前記一対のメス端子7各々に設けられたばね部材72が、互いの間に前記端子部43(即ち、回路基板4)を挟んでいるので、これら一対のばね部材72と回路基板4とは重ねられることとなり、よって、回路基板4が一対のメス端子7間に侵入する方向(矢印Z)に、前記CCDカメラユニット1の低背化(即ち、小型化)を図ることができる。
【0056】
また、前記メスハウジング5には、前記一対のばね部材72の前記互いに離れる方向(矢印X方向)に設けられ、前記一対のばね部材72を互いの間に挟む一対の当接部55が設けられているので、前記ばね部材72が前記当接部55に当接することで、前記ばね部材72が前記回路基板4から離れる方向(矢印X)に移動することを規制されることとなり、よって、回路基板4とメス端子7との接続状態をより一層良好に保つことができる。
【0057】
また、前記リブ57から前記回路基板4に向かって凸に形成され、前記回路基板4を互いの間に位置付ける一対の規制部57bが設けられているので、前記回路基板4が前記一対の規制部57bに当接することで、前記回路基板4が、前記ばね部材72が弾性変形する方向(矢印X)に沿って移動することを規制されることとなり、よって、回路基板4と当該回路基板4に接続されるメス端子7との安定した接触信頼性を維持することとなり、よって、回路基板4とメス端子7との接続状態をより一層良好に保つことができる。
【0058】
なお、上述した実施形態によれば、接続コネクタ3の開口部82に、回路基板4の圧入部42が圧入されることで、回路基板4が接続コネクタ3に取り付けられているが、本発明はこれに限ったものではなく、回路基板4は、接続コネクタ3にインサート成形されることで取り付けられていてもよい。
【0059】
また、上述した実施形態によれば、接続端子としてのメス端子7は複数(対)設けられているが、本発明はこれに限ったものではなく、メス端子7は少なくとも一対設けられていればよい。
【0060】
また、上述した実施形態によれば、リブ57は複数設けられているが、本発明はこれに限ったものではなく、リブ57は少なくとも1つ設けられていればよい。
【0061】
また、前述した実施形態は、本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 CCDカメラユニット(電子部品)
4 回路基板
5 メスハウジング(ハウジング)
7 メス端子(接続端子)
43 端子部
54 通し孔
55 当接部
56 基板収容部
56a 底部
57 リブ
57b 規制部
72 ばね部材
矢印X 互いに近づく方向と互いに離れる方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板と、前記回路基板に接続される少なくとも一対の接続端子と、前記一対の接続端子が取り付けられるハウジングと、を有する電子部品であって、
前記回路基板には、前記ハウジングに向かって凸に形成され、互いに間隔をあけて設けられた、前記接続端子に接続される複数の端子部が設けられ、
前記一対の接続端子各々には、これら一対の接続端子が互いに近づく方向と互いに離れる方向との双方向に弾性変形自在に形成された、互いの間に前記端子部を挟むばね部材が設けられ、
前記ハウジングには、前記一対の接続端子それぞれが通される通し孔間に設けられ、前記回路基板が収容される基板収容部が設けられ、
前記基板収容部の底部から前記回路基板に向かって凸に形成され、前記複数の端子部間に侵入する少なくとも1つのリブが設けられていることを特徴とする電子部品。
【請求項2】
前記ハウジングには、前記一対のばね部材が前記互いに離れる方向に設けられ、前記一対のばね部材を互いの間に挟む一対の当接部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記リブから前記回路基板に向かって凸に形成され、前記回路基板を互いの間に位置付ける一対の規制部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−222454(P2011−222454A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−93347(P2010−93347)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】