説明

電子錠制御装置、電子錠制御システム、電子錠制御方法及びプログラム

【課題】従来のものと比べてセキュリティ効果の高い、電子錠制御装置を提供する。
【解決手段】携帯端末を用いて行う操作の内容を提示する操作内容表示部11bと、携帯端末を用いて行われた操作の内容を含む操作データを、所定の通信回線Nを介して携帯端末から受信し、受信した操作データに含まれる操作の内容が、操作内容表示部11bが提示した操作の内容と一致するか否かに従って、電子錠を制御する操作判別部11cを備える電子錠制御装置10である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末との間で通信を行って電子錠を制御する電子錠制御装置、電子錠制御システム、電子錠制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末との間で通信を行って電子錠を制御する技術として、特許文献1に開示された電子錠制御装置が知られている。この電子錠制御装置には、電子錠の解錠に用いられる携帯端末の識別符号が予め記録されている。電子錠制御装置は、携帯端末との間で赤外線等を用いた通信を行い、これによって携帯端末の識別符号を受信する。電子錠制御装置は、受信した携帯端末の識別符号が、予め記録された識別符号と一致するか否かに従って、電子錠を解錠する制御を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−339608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の電子錠制御装置は、赤外線通信が行われる位置に別の赤外線通信機が取り付けられる等して、電子錠の解錠に用いられる携帯端末の識別符号が第三者に盗用されるおそれがあった。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、従来のものと比べてセキュリティ効果の高い、電子錠制御装置、電子錠制御システム、電子錠制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係る電子錠制御装置は、
携帯端末を用いて行う操作の内容を提示する操作内容提示手段と、
前記携帯端末を用いて行われた操作の内容を含む操作データを、所定の通信回線を介して前記携帯端末から受信し、受信した前記操作データに含まれる前記操作の内容が、前記操作内容提示手段が提示した前記操作の内容と一致するか否かに従って、電子錠を制御する操作判別手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の第2の観点に係る電子錠制御システムは、
携帯端末と、前記携帯端末を用いて電子錠を制御する電子錠制御装置とを備えた電子錠制御システムであって、
前記携帯端末は、前記携帯端末を用いて行った操作の内容を特定し、特定した前記操作の内容を含む操作データを送信する操作内容特定手段を備え、
前記電子錠制御装置は、
携帯端末を用いて行う操作の内容を提示する操作内容提示手段と、
前記操作データを、所定の通信回線を介して前記携帯端末から受信し、受信した前記操作データに含まれる前記操作の内容が、操作内容提示手段が提示した前記操作の内容と一致するか否かに従って、電子錠を制御する操作判別手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の第3の観点に係る電子錠制御方法は、
携帯端末を用いて行う操作の内容を提示する操作内容提示ステップと、
前記携帯端末を用いて行われた操作の内容を含む操作データを、所定の通信回線を介して前記携帯端末から受信し、受信した前記操作データに含まれる前記操作の内容が、前記操作内容提示ステップで提示した前記操作の内容と一致するか否かに従って、電子錠を制御する操作判別ステップと、を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の第4の観点に係るプログラムは、
コンピュータに、
携帯端末を用いて行う操作の内容を提示する操作内容提示手順と、
前記携帯端末を用いて行われた操作の内容を含む操作データを、所定の通信回線を介して前記携帯端末から受信し、受信した前記操作データに含まれる前記操作の内容が、前記操作内容提示手順で提示した前記操作の内容と一致するか否かに従って、電子錠を制御する操作判別手順と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、従来のものと比べてセキュリティ効果の高い、電子錠制御装置、電子錠制御システム、電子錠制御方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子錠制御システムの概略を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る電子錠制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る電子錠制御装置の記憶部に記録された携帯端末データの構成を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る電子錠制御装置の記憶部に記録された動作データの構成を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る携帯端末の記憶部に記録された制御装置データの構成を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る携帯端末の記憶部に記録された動作データの構成を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る電子錠制御処理の手順を示すフロー図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る電子錠制御装置が行う電子錠制御処理の手順を示すフロー図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る電子錠制御装置の表示部に表示される、エラーメッセージの画面を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る電子錠制御装置の表示部に表示される、各種の操作内容を表す画面を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る携帯端末の表示部に表示される、操作内容の特定結果の画面を示す図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る携帯端末の表示部に表示される、全ての操作が終了したか否かを確認させる画面を示す図である。
【図14】本発明の一実施形態に係る電子錠制御装置の表示部に表示される、認証が成功した場合のメッセージの画面を示す図である。
【図15】本発明の別の実施形態に係る電子錠制御装置の表示部に表示される、各種の操作内容を表す画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る電子錠制御装置、電子錠制御システム、電子錠制御方法及びプログラムを説明する。
【0013】
図1を参照して、本実施形態に係る電子錠制御システム1を説明する。電子錠制御システム1は、屋内のドアD付近に設置された電子錠ELを制御するシステムである。電子錠制御システム1は、電子錠制御装置10と、携帯端末20とを備える。
【0014】
電子錠制御装置10は、電子錠ELを制御する装置である。電子錠制御装置10には、電子錠ELの解錠に用いられる携帯端末20の情報(例えば電話番号)が予め記録されている。電子錠制御装置10は、利用者Mにより電子錠ELの解錠が要求された際に、携帯端末20と所定の回線網Nを介して携帯端末20の認証を行う。電子錠制御装置10は、その認証結果に従って、電子錠ELを解錠する制御を行う。
【0015】
電子錠制御装置10は、屋外の設備10aと、屋内の設備10bとに分けられて構成される。屋外の設備10aは、利用者Mが利用する設備である。一方、屋内の設備10bは、電子錠ELの制御に用いられる設備である。
【0016】
電子錠制御装置10は、図2に示すように、制御部11と、記憶部12と、操作部13と、表示部14と、通信部15と、電子錠駆動部16とを備える。図1に示す屋外設備10aは、操作部13及び表示部14によって構成される。一方、屋内設備10bは、制御部11、記憶部12、通信部15及び電子錠駆動部16によって構成される。
【0017】
制御部11は、電子錠制御装置10の全体を制御する。制御部11は、物理的には、例えば、CPU(Central Processing Unit)、CPUのメインメモリとして機能するRAM(Random Access Memory)等から構成される。なお、制御部11は、一部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の専用回路から構成されてもよい。
【0018】
また、制御部11は、機能的には、位置判別部11aと、操作内容表示部11bと、操作判別部11cとを備える。位置判別部11a、操作内容表示部11b、及び操作判別部11cは、それぞれ制御部11を構成するCPUが記憶部12に記録されたプログラム12aを実行することにより実現される。
【0019】
位置判別部11aは、記憶部12に記録された携帯端末データ12bに対応する携帯端末20の位置を問い合わせ、携帯端末20の位置が、電子錠制御装置10と同じ位置にあるか否かを判別する処理を行う。
【0020】
操作内容表示部11bは、携帯端末20を用いて行う操作の内容を、記憶部12に記録された動作データ12cから選択し、選択した操作の内容を表示部14に表示させる処理を行う。
【0021】
操作判別部11cは、携帯端末20から受信した操作データを受け取り、受け取った操作データに含まれる操作情報により表される操作の内容が、操作内容表示部11bが表示部14に表示した操作の内容と一致するか否かを判別する処理を行う。操作判別部11cは、その判別結果に従って、電子錠駆動部16を制御し、電子錠ELを解錠する処理を行う。
【0022】
記憶部12は、CPUが実行するプログラム12a、携帯端末データ12b、動作データ12c等、各種プログラム及びデータ等を記録する。記憶部12は、例えば、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリによって構成される。なお、携帯端末データ12b及び動作データ12cの詳細については後述する。
【0023】
操作部13は、利用者Mの操作を受け付ける。操作部13は、受け付けた操作に対応する操作信号を制御部11(位置判別部11a)に供給する。操作部13は、例えば、押圧で作動する押しボタンスイッチ等のユーザインタフェース装置によって構成される。
【0024】
表示部14は、制御部11から供給される各種画像データ等に基づいて各種画像を画面に表示させる。表示部14は、例えば、液晶表示装置、有機EL(Electro Luminescence)表示装置等によって構成される。
【0025】
なお、操作部13と表示部14とは、タッチパネルによって構成されても良い。タッチパネルは、所定の操作を受け付ける画面を表示すると共に、画面にユーザが接触した位置に対応する操作信号を制御部11に供給する。
【0026】
通信部15は、制御部11(位置判別部11aまたは操作判別部11c)の制御のもと、回線網Nを介して携帯端末20と通信を行う。通信部15は、ネットワークアダプタ等の通信インタフェース装置によって構成される。なお、通信部15と回線網Nとの接続は、有線、無線の何れでも良い。
【0027】
なお、回線網Nは、例えば、LAN(Local Area Network)、回線交換網、パケット交換網、インターネット、専用線網等が用いられる。
【0028】
電子錠駆動部16は、制御部11(操作判別部11c)の制御のもと駆動し、電子錠ELを解錠/施錠する。電子錠駆動部16は、モータやソレノイドによって構成される。
【0029】
つづいて、図3を参照して、図1に示した携帯端末20の構成を説明する。携帯端末20は、携帯電話、スマートフォン(Smartphone)、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯可能な端末である。携帯端末20は、制御部21と、記憶部22と、操作部23と、表示部24と、通信部25と、センサ部26とを備える。
【0030】
制御部21は、携帯端末20の全体を制御する。制御部21は、物理的には、例えば、CPU、CPUのメインメモリとして機能するRAM等から構成される。なお、制御部21は、一部がASIC等の専用回路から構成されてもよい。
【0031】
また、制御部21は、機能的には、操作内容特定部21aを備える。操作内容特定部21aは、制御部21を構成するCPUが記憶部22に記録されたプログラム22aを実行することにより実現される。
【0032】
操作内容特定部21aは、記憶部22に記録された動作データ22cを用いて、利用者Mが携帯端末20を用いて行った操作の内容を特定する処理を行う。
【0033】
記憶部22は、CPUが実行するプログラム22a、制御装置データ22b、動作データ22c等、各種プログラム及びデータ等を記録する。記憶部22は、例えば、ROMやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリによって構成される。なお、制御装置データ22b及び動作データ22cの詳細については後述する。
【0034】
操作部23は、利用者Mの操作を受け付ける。操作部23は、受け付けた操作に対応する操作信号を制御部21に供給する。操作部23は、複数の操作キーを含むユーザインタフェース装置によって構成される。複数の操作キーには、電源キー、メニューキー、通話開始及び終了キー等がある。
【0035】
表示部24は、制御部21から供給される各種画像データ等に基づいて各種画像を画面に表示する。表示部24は、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置等が用いられる。
【0036】
なお、操作部23と表示部24とは、タッチパネルによって構成されても良い。タッチパネルは、所定の操作を受け付ける画面を表示すると共に、画面にユーザが接触した位置に対応する操作信号を制御部21に供給する。
【0037】
通信部25は、制御部21(操作内容特定部21a)の制御のもと、回線網Nを介して電子錠制御装置10と通信を行う。通信部25は、ネットワークアダプタ等の通信インタフェース装置によって構成される。
【0038】
センサ部26は、携帯端末20の動作変化を検出するセンサである。具体的には、センサ部26は、外力が働いた場合に携帯端末20に生じる加速度の変化や磁気変化等の動作変化を検出する。携帯端末20が前後、上下、左右、あるいは回転等の様々な方向に動作されると、センサ部26は、検出した動作変化に対応する動作変化信号を操作内容特定部21aに供給する。センサ部26は、モーションセンサ等によって構成される。
【0039】
次に、図4を参照して、図2に示した電子錠制御装置10の記憶部12に記録された携帯端末データ12bの構成を説明する。
【0040】
携帯端末データ12bは、登録台数と、携帯端末番号と、制御装置番号と、制御装置位置情報とを互いに対応付けて構成したデータである。電子錠制御装置10は、この携帯端末データ12bを参照して、通信を行う相手となる携帯端末20を指定し、回線網Nを介して、携帯端末20と通信を行う。
【0041】
登録台数は、電子錠ELの解錠に用いられる携帯端末の台数を表す。以下の説明においては、理解を容易にするため、電子錠制御装置10に記録された携帯端末の登録台数は1台であるとして説明する。携帯端末番号は、携帯端末20の電話番号(「09087654321」)である。制御装置番号は、電子錠制御装置10の電話番号(「09012345678」)である。制御装置位置情報は、電子錠制御装置10の位置を表す情報である。
【0042】
ここで制御装置位置情報は、例えば、電子錠制御装置10の最寄りの基地局の番号(基地局番号)を用いる。基地局番号は、通信部15がパイロット信号を用いて最寄りの基地局を検索する無線通信を行うことにより得られる。また、制御装置位置情報は、基地局番号以外に、複数の基地局により構成される位置登録エリアの番号を用いても良い。
【0043】
次に、図5を参照して、図2に示した電子錠制御装置10の記憶部12に記録された動作データ12cの構成を説明する。
【0044】
動作データ12cは、データ番号と、動作コードと、表示データとを互いに対応付けて構成したデータである。
【0045】
データ番号は、記憶部12に動作コード及び表示データを対応付けた(組にした)データが記録された順に付される番号である。動作コードは、携帯端末20を用いて行う操作の内容を識別する符号であり、動作毎に付される。表示データは、携帯端末20を用いて行う操作の内容を静止画や動画で表す画像データである。
【0046】
次に、図6を参照して、図3に示した携帯端末20の記憶部22に記録された制御装置データ22bの構成を説明する。
【0047】
制御装置データ22bは、登録台数と、制御装置番号と、携帯端末番号と、携帯端末位置情報とを互いに対応付けて構成したデータである。携帯端末20は、この制御装置データ22bを参照して、通信を行う相手の電子錠制御装置10を指定し、回線網Nを介して、電子錠制御装置10と通信を行う。
【0048】
登録台数は、電子錠制御装置の台数を表す。以下の説明においては、理解を容易にするため、携帯端末20に記録された電子錠制御装置の登録台数は1台であるとして説明する。制御装置番号は、電子錠制御装置10の電話番号(「09012345678」)である。携帯端末番号は、携帯端末20の電話番号(「09087654321」)である。携帯端末位置情報は、携帯端末20の位置を表す情報である。
【0049】
携帯端末位置情報は、図4に示した制御装置位置情報と同様、携帯端末20の最寄りの基地局の番号(基地局番号)を用いる。なお、携帯端末20は、電源がオンになったとき、移動したとき等に、通信部25がパイロット信号を用いて最寄りの基地局を検索する無線通信を行い、記録された携帯端末位置情報を更新する。なお、携帯端末位置情報は、基地局番号以外に、複数の基地局により構成される位置登録エリアの番号を用いても良い。
【0050】
次に、図7を参照して、図3に示した携帯端末20の記憶部22に記録された複数の動作データ22cの構成を説明する。
【0051】
動作データ22cは、データ番号と、動作コードと、動作変化値と、表示データとを互いに対応付けて構成したデータである。携帯端末20は、この動作データ22cを参照して、携帯端末20を用いて行った利用者Mの操作の内容を特定する。
【0052】
データ番号は、記憶部22に、動作コード、操作値/動作変化値及び表示データを組にしたデータが記録された順に付される番号である。動作コードは、携帯端末20を用いて行う操作の内容を識別する符号であり、動作毎に付される。動作コードは、電子錠制御装置10の記憶部12に記録された動作データ12に含まれる動作コードと一致する。操作値/動作変化値は、動作コードに対応する動作を携帯端末20が行った場合に、操作部23から受け取る操作信号またはセンサ部26から受け取る動作変化信号を基にそれぞれ算出された値である。表示データは、携帯端末20を用いて行う操作の内容を静止画や動画で表す画像データである。
【0053】
上記構成を有する位置検出システム1について、以下、図8を参照して動作を説明する。なお、ここでは、図1に示した利用者Mが所有する携帯端末20は、記憶部12に記録された携帯端末データ12bに対応するものとして説明する。
【0054】
電子錠制御装置10の制御部11(CPU)は、例えば、電子錠制御装置10の電源がオンになったことに従って、記憶部12に記録されたプログラム12aを読み出し、実行する。
【0055】
位置判別部11aは、利用者Mによって、電子錠ELの解錠が要求されたか否かを判別する(ステップS01)。利用者Mは、操作部13を用いて、電子錠ELの解錠を要求する操作を行う。操作部13は、利用者Mから受け付けた電子錠ELの解錠を要求する操作に対応する操作信号を位置判別部11aに供給する。これにより、位置判別部11aは、電子錠ELの解錠が要求されたと判別する。つまり、位置判別部11aは、利用者Mによって解錠要求がされるまで待機状態となる(ステップS01;No)。
【0056】
位置判別部11aは、電子錠ELの解錠が要求されたと判別すると(ステップS01;Yes)、記憶部12に記録された携帯端末データ12bを読み出す。位置判別部11aは、読み出した携帯端末データ12bに含まれる携帯端末番号(「09087654321」)を指定し、指定した携帯端末番号に対応する携帯端末20の位置を問い合わせる(ステップS02)。位置判別部11aは、指定した相手(送信先)の携帯端末番号(「09087654321」)、自身(送信元)の制御装置番号(「09012345678」)、位置を問い合わせる旨を示すコードを含む位置問い合わせデータを生成する。通信部15は、位置判別部11aの制御のもと、位置判別部11aが生成した位置問い合わせデータを回線網Nに送信する。
【0057】
なお、位置判別部11aは、電子錠ELの解錠が要求されたと判別したとき、表示部14を制御し、表示部14の画面に「携帯端末の電源をオンにしてください」といった文字メッセージ等を表示すると良い。これにより、利用者Mに自身が所有する携帯端末20の電源をオンにするように促すことができ、携帯端末20(通信部25)は、通信部15が送信した位置問い合わせデータを受信できる状態にすることができる。
【0058】
利用者Mが所有する携帯端末20の電源がオンになっている場合、携帯端末20の通信部25は、通信部15が送信した位置問い合わせデータを受信する。通信部25は、受信した位置問い合わせデータを制御部21に供給する。
【0059】
制御部21は、通信部25から位置問い合わせデータを受け取ると、記憶部22に記録された制御装置データ22bを読み出す。制御部21は、位置問い合わせデータに含まれる制御装置番号(「09012345678」)が、読み出した携帯端末データ22bに含まれる制御装置番号にあるか否かを判別する。携帯端末データ22bに、位置問い合わせデータに含まれる制御装置番号と同じ「09012345678」があれば、制御部21は、あると判別する。
【0060】
この判別結果に従って、判別部21は、自身(送信元)の携帯端末番号(「09012345678」)、相手(送信先)の制御装置番号(「09012345678」)、制御装置データ22bに含まれる携帯端末位置情報(「基地局番号1」)、位置の応答を行う旨を示すコードを含む位置応答データを生成する。制御部21は、通信部25を用いて、生成した位置応答データを回線網Nに送信させる制御を行う。
【0061】
一方、電子錠制御装置10の位置判別部11aは、ステップS02で位置問い合わせデータを送信した後、所定の周期で、位置応答データを受信したか否かを判別する(ステップS03)。
【0062】
位置判別部11aは、位置応答データを受信していないと判別すると(ステップS03;No)、所定時間(例えば10秒)が経過したか否かを判別する(ステップS06)。所定時間が経過していない場合、位置判別部11aは、ステップS03に戻る。つまり、位置問い合わせデータを送信後、位置判別部11aは、位置応答データを受信するか、または、所定時間を経過するまで待機状態となる。
【0063】
位置判別部11aは、携帯端末20が送信した上記の位置応答データを通信部15が受信したと判別すると(ステップS03;Yes)、位置応答データに含まれる携帯端末位置情報(「基地局番号1」)が、上記の携帯端末データ12bに含まれる制御装置位置情報(「基地局番号1」)と一致するか否かを判別する(ステップS04)。ここでは、携帯端末位置情報と制御装置位置情報とは互いに一致するので、位置判別部11bは、一致すると判別し(ステップS04;Yes)、ステップS05に進む。つまり、この場合、互いに位置情報が一致するので、予め記録した携帯端末データ12bに対応する携帯端末20が自身の装置10と同じ位置にいる可能性はあるが確実とはいえない。よって、電子錠制御装置10は、ステップS05以降の処理を行うことにより、携帯端末20の認証を行う。
【0064】
一方、位置判別部11aは、ステップS04で携帯端末位置情報と制御装置位置情報とが互いに一致しないと判別すると(ステップS04;No)、表示部14を制御し、図10に示すように、表示部14の画面に「認証できませんでした」等のエラーメッセージを表示させる(ステップS07)。この場合は、互いに位置情報が一致しないので、予め記録した携帯端末データ12bに対応する携帯端末20が自身の装置10と同じ位置にいないので、電子錠ELは解錠されない。その後、位置判別部11aは、ステップS01に戻り、上記と同様の処理を行う。
【0065】
また、位置判別部11aは、ステップS06で所定時間が経過したと判別すると(ステップS06;Yes)、上記と同様に、表示部14を制御し、図10に示すように、表示部14の画面に「認証できませんでした」等のエラーメッセージを表示させる(ステップS07)。この場合は、位置応答データが受信できず、予め記録した携帯端末データ12bに対応する携帯端末20が自身の電子制御装置10と同じ位置にいるか否かを判別できないので、電子錠ELは解錠されない。その後、位置判別部11aは、ステップS01に戻り、上記と同様の処理を行う。なお、この場合の原因としては、例えば、携帯端末20の電源がオフの場合や、利用者Mの諸事情により携帯端末20のサービスが中断されている場合等が考えられる。
【0066】
ステップS05において、操作内容表示部11bは、記憶部12に記録された複数の動作データ12cを読み出す。操作内容表示部11bは、読み出した複数の動作データ12cから、所定数の動作コードを所定の選択方式によって指定する。例えば、ここでは、操作内容表示部11bは、三つの動作コードをランダムに指定する。例えば、指定した動作コードは、「動作コード50」、「動作コードA4」、「動作コード13」であったとする。操作内容表示部11bは、指定した三つの動作コードにそれぞれ対応付けられた三つの表示データを取り出す。操作内容表示部11bは、指定した全て(上記の例では三つ)の動作コードを保持する。この動作コードは、後述のステップS09で操作内容が一致するか否かの判別を行う際に用いられる。
【0067】
また、操作内容表示部11bは、表示部14を制御し、取り出した三つの表示データにより表される画像等(操作内容)を表示部14の画面に表示させる(ステップS05)。上記の例では、最初の動作コードが「携帯端末20の上下方向の軸を反時計回りに回転させる」操作の内容、2番目の動作コードが「携帯端末20のテンキー“5”を入力する」操作の内容、最後の動作コードが「携帯端末20を左方向に平行移動させる」操作の内容を示すものである場合、表示部14の画面には、図11(a)〜(c)に示すように、それぞれの操作の内容を表した各画像及び文字メッセージが順次表示される。
【0068】
利用者Mは、表示部14の画面に表示された各画像等を確認することにより、携帯端末20を用いて行う操作の内容を理解する。また、利用者Mは、携帯端末20の操作部23を用いて、記憶部22に記録されたプログラム22aを読み出して実行する操作を行う。
【0069】
操作部23は、利用者Mの操作に対応する操作信号を制御部21に供給する。制御部21は、記憶部22に記録されたプログラム21aを読み出し、実行する。
【0070】
以下、図9を参照して、制御部21が実行する操作内容特定処理を説明する。
【0071】
操作内容特定部21aは、携帯端末20を用いて操作が行われたか否かを判別する。利用者Mが操作部23を用いて操作を行うと、操作部23は、操作に対応する操作信号を操作内容特定部21aに供給する。センサ部26は、携帯端末20に外力が働くと動作変化を検出する。センサ部26は、検出した動作変化に対応する動作変化信号を操作内容特定部21aに供給する。操作内容特定部21aは、操作信号または動作変化信号を受け取ると、携帯端末20を用いて操作が行われたと判別する(ステップS101;Yes)。つまり、操作内容特定部21aは、利用者Mによって携帯端末20を用いた操作が行われるまで待機状態となる(ステップS101;No)。
【0072】
操作内容特定部21aは、ステップS101で携帯端末20を用いた操作が行われたと判別すると、その操作の内容を表示する(ステップS102)。具体的には、上記の例では、利用者Mは、最初に「携帯端末20の上下方向の軸を反時計回りに回転させる」操作を行う。センサ部26は、この操作によって携帯端末20の動作変化を検出し、検出した動作変化に対応する動作変化信号を操作内容特定部21aに供給する。操作内容特定部21aは、受け取った動作変化信号を基に動作変化値を算出する(例えば「動作変化値50」が算出される)。
【0073】
また、操作内容特定部21aは、記憶部22に記録された動作データ22cを読み出す。操作内容特定部21aは、算出した動作変化値(例えば「動作変化値50」)に対応付けられた表示データ(例えば「表示データ50」)を取り出す。操作内容特定部21aは、表示部24を制御し、取り出した表示データにより表される画像等を表示部24の画面に表示させる。例えば、図12(a)に示すように、表示部24の画面には、「携帯端末20の上下方向の軸を反時計回りに回転?」という文字メッセージと、その操作内容が正しいか否かを利用者Mに選択させる画像(「Yes」,「No」)等が表示される。
【0074】
利用者Mは、表示部24の画面に表示された文字メッセージ等から利用者Mの操作の内容を確認する。利用者Mは、携帯端末20の操作部23を用いて、表示部24の画面に表示された操作内容が正しいか否かを選択する操作を行う。操作内容特定部21aは、利用者Mの選択に従って誤っていると判別した場合(ステップS103;No)、利用者Mに再操作を促す文字メッセージ等を表示し、上記ステップS101に戻る。
【0075】
一方、正しいと判別した場合(ステップS103;Yes)、操作内容特定部21aは、表示部24の画面表示に用いた表示データに対応付けられた動作コード(例えば「動作コード50」)を取り出して操作内容を保持する(ステップS104)。
【0076】
その後、操作内容特定部21aは、全ての操作が終了したか否かを判別する(ステップS105)。具体的には、操作内容特定部21aは、表示部24を制御し、例えば、図13に示すように、表示部24の画面に、「全ての操作が終了?」という文字メッセージと、利用者Mに選択させる画像(「Yes」,「No」)等が表示させる。
【0077】
利用者Mは、表示部24の画面に表示された文字メッセージ等を確認し、携帯端末20の操作部23を用いて、全ての操作が終了したか否かを選択する操作を行う。操作内容特定部21aは、利用者Mの選択に従って全ての操作が終了していないと判別した場合(ステップS105;No)、利用者Mに次の操作を促す文字メッセージ等を表示し、上記ステップS101に戻る。具体的には、上記の例では、「携帯端末20のテンキー“5”を入力する」操作及び「携帯端末20を左方向に平行移動させる」操作の二つの操作が残っているので、利用者Mは、これらの操作を行う必要がある。
【0078】
利用者Mは、これらの二つの操作を上記と同様に、順次行い、図12(b)及び(c)に示す文字メッセージ等を確認して、操作内容を特定する操作を、操作部23を用いて行う。利用者の操作に従って、操作内容特定部21aは、動作変化値を順次算出し、算出した動作変化値に対応する二つの動作コード(例えば「動作コードA4」、「動作コード13」)を順次取り出して操作内容を保持する。
【0079】
そして、利用者Mの選択に従って操作内容特定部21aが全ての操作が終了したと判別した場合(ステップS105;Yes)、操作内容特定部21aは、操作データを生成する。操作データは、自身(送信元)の携帯端末番号(「09012345678」)、相手(送信先)の制御装置番号(「09012345678」)、全ての操作に対応する保持した動作コード(「動作コード50」、「動作コードA4」、「動作コード13」)、及び操作データの送信を行う旨を示すコードを含む。操作内容特定部21aは、通信部25を用いて、生成した操作データを回線網Nに送信させる制御を行う(ステップS106)。以上により、操作内容特定部21aは、操作内容の特定処理を終了する。
【0080】
図8に戻って、電子錠制御装置10の操作判別部11cは、操作内容表示部11bがステップS05で表示部14の画面に操作内容(画像等)を表示させた後、所定の周期で、操作データを受信したか否かを判別する(ステップS08)。
【0081】
操作判別部11cは、操作データを受信していないと判別すると(ステップS08;No)、所定時間(例えば2分)が経過したか否かを判別する(ステップS11)。所定時間が経過していない場合、操作判別部11cは、ステップS08に戻る。つまり、操作内容を表示した後、操作判別部11cは、操作データを受信するか、または、所定時間を経過するまで待機状態となる。
【0082】
操作判別部11cは、携帯端末20が送信した上記の操作データを通信部15が受信したと判別すると(ステップS08;Yes)、操作データに含まれる全ての動作コード(「動作コード50」、「動作コードA4」、「動作コード13」)を取り出す。操作判別部11cは、操作内容表示部11bがステップS05で保持した動作コード(「動作コード50」、「動作コードA4」、「動作コード13」)が、操作データから取り出した全ての動作コード(「動作コード50」、「動作コードA4」、「動作コード13」)と一致するか否かを比較する。操作判別部11cは、その比較結果に従って、表示部14に表示された操作の内容と、携帯端末20を用いて行われた操作の内容とが一致するか否かを判別する(ステップS09)。
【0083】
ここでは、操作内容表示部11bが保持した全ての動作コードと、操作データに含まれる全ての動作コードとは互いに一致するので、操作判別部11cは、一致すると判別する(ステップS09;Yes)。これに従って、操作判別部11cは、解錠を要求した利用者Mが所有する携帯端末20が、予め記録した携帯端末データ12bに対応する携帯端末20であることを認証し、電子錠駆動部16を制御し、電子錠駆動部16に電子錠ELの解錠を行わせる(ステップS10)。また、このとき、操作判別部11cは、表示部14を制御し、図14に示すように、表示部14の画面に「認証できました。解錠します。」といった文字メッセージ等を表示すると良い。これにより、利用者Mは、携帯端末20の認証が成功し、電子錠ELが解錠されることを確認できる。
【0084】
一方、操作判別部11cは、ステップS09で操作内容が互いに一致しないと判別すると(ステップS09;No)、表示部14を制御し、図10に示すように、表示部14の画面に「認証できませんでした」等のエラーメッセージを表示させる(ステップS12)。この場合は、携帯端末20の認証が失敗したため、電子錠ELは解錠されない。その後、操作判別部11cは、ステップS01に戻り、上記と同様の処理を行う。
【0085】
また、操作判別部11cは、ステップS11で所定時間が経過したと判別すると(ステップS11;Yes)、上記と同様に、表示部14を制御し、図10に示すように、表示部14の画面に「認証できませんでした」等のエラーメッセージを表示させる(ステップS12)。この場合も、操作データが受信できなかったため、電子錠ELは解錠されない。その後、操作判別部11cは、ステップS01に戻り、上記と同様の処理を行う。
【0086】
以上、本実施形態によれば、電子錠制御装置10は、提示した操作内容と、予め記録した携帯端末データ12bに対応する携帯端末20を用いて行われた操作内容とが一致するか否かの判別結果に従って、電子錠ELを解錠することができる。提示した操作内容は、毎回異なるものであり、また、携帯端末20を用いて行われた操作の内容は、回線網Nを介して携帯端末20から受信するため、第三者に盗用されるおそれもない。このように、本実施形態に係る電子錠制御装置10は、従来のものと比べてセキュリティ効果が向上する、という効果を奏する。
【0087】
なお、本発明に係る携帯端末データ12bに含まれる制御装置位置情報、または、制御装置データ22bに含まれる携帯端末位置情報は、基地局の番号以外のものを用いても良い。例えば、制御装置位置情報または携帯端末位置情報は、それぞれ電子錠制御装置10及び携帯端末20に備えられたGPS受信機やWi−Fi(ワイファイ(登録商標):wireless fidelity)受信機等(図示しない)が受信する経度及び緯度、または住所等の情報を用いても良い。
【0088】
また、操作内容表示部11bは、記憶部12から読み出した複数の動作データ12cにそれぞれ対応する複数の操作内容を表す画像を、例えば、図15に示すように、表示部14の画面を分割してまとめて表示しても良い。
【0089】
また、電子錠制御装置10は、屋外設備10aに表示部14の画面前方の画像を撮影する撮像部(図示しない)を設けても良い。電子錠制御装置10は、利用者Mから電子錠ELの解錠要求を受け付けると(操作部13から操作信号を受け取ると)、撮像部を制御し、表示部14の画面前方の画像を撮影させ、撮像部が撮影した画像のデータ(撮像データ)を順次、記憶部12に記録するようにしても良い。
【0090】
さらに、電子錠制御装置10は、記憶部に記録された画像データを、位置判別部11aが行う判別処理の結果に従って、所定のサーバに送信しても良い。具体的には、ステップS04で行う判別処理において、携帯端末位置情報と制御装置位置情報とが互いに一致しない場合(ステップS04;No)、電子錠ELの解錠を要求した利用者Mは、予め記録した携帯端末データ12bに対応する携帯端末20の所有者ではない人物であり、不審者の可能性がある。そこで、位置判別部11aは、携帯端末位置情報と制御装置位置情報とが互いに一致しないと判別した場合(ステップS04;No)、記憶部12に記録した画像データを、警備会社や警察などが管理する所定のサーバに送信しても良い。
【0091】
また、利用者Mが携帯端末20を紛失等して、携帯端末20のサービスが中断されているときに、電子錠ELの解錠要求がされた際、その要求を行った利用者Mも不審者の可能性がある。そこで、位置判別部11aは、携帯端末20のサービスが中断しているという理由によって位置応答データを受信できなかったと判別した場合に、上記と同様に、記憶部12に記録した画像データを、警備会社や警察などが管理する所定のサーバに送信しても良い。この判別は、以下のようにして行う。
【0092】
例えば、利用者Mの連絡によってオペレーションセンターにサービスの中断が申し込まれると、オペレーションセンターが管理するオペレーションサーバには紛失した携帯端末20に対応する携帯端末データに含まれる利用状況を表す情報に「中断」を示すコード等が記録される。電子錠制御装置10と携帯端末20との間で行われる通信は、具体的には、回線網Nに接続されたオペレーションサーバを介して行われる。上記のステップS02で電子錠制御装置10の通信部15が位置問い合わせデータを回線網Nに送信したとき、オペレーションサーバは、位置問い合わせデータに含まれる携帯端末番号(「09087654321」)に対応する携帯端末20の利用状況を示すコード等を参照する。携帯端末の利用状況を示すコードが、利用状況「中断」を示している場合、オペレーションサーバは、その携帯端末20のサービスは中断していると判別する。この場合、オペレーションサーバは、問い合わせ先の携帯端末20がサービス中断中を表すデータを生成し、電子錠制御装置10に送信する。電子錠制御装置10は、サービス中断中を表すデータをオペレーションサーバから受信したと判別することにより、携帯端末20から位置応答データを所定時間受信できないと判別する(ステップS06;Yes)。位置判別部11aは、この判別がされると、記憶部12に記録した画像データを、警備会社や警察などが管理する所定のサーバに送信する。
【0093】
その他、操作内容の提示は、画像を表示することにより行ったが、音声メッセージを発音することにより行っても良い。また、操作内容は、画像及び音声を組み合わせたものであっても良い。
【0094】
また、電子錠制御装置10の操作判別部11cは、携帯端末20を用いた操作の認証を行った後、さらにその他の認証を行うことにより電子錠ELを制御しても良い。その他の認証としては、例えば、利用者Mの指紋認証や声紋認証、利用者Mによって予め設定された暗証番号やパスワードを用いた認証等がある。例えば、記憶部12には、利用者Mの指紋情報(画像データ)や声紋情報(音声データ)を予め記録する。操作判別部11cは、携帯端末20を用いた操作の内容と、操作内容表示部11bが表示した操作の内容とが一致すると判別した場合、利用者Mから指紋情報や声紋情報を取得する。そして操作判別部11cは、取得した指紋情報や声紋情報が、予め記憶部12に記録された利用者Mの指紋情報や声紋情報と一致するか否かを判別し、その判別結果に従って、電子錠ELを解錠する制御を行っても良い。また、操作判別部11cは、携帯端末20を用いた操作の内容と、操作内容表示部11bが表示した操作の内容とが一致しないと判別した場合に、上記の利用者Mの指紋認証や声紋認証を用いた認証をさらに行い、これが正常に認証できた場合に、電子錠ELを解錠する制御を行っても良い。なお、暗証番号やパスワードを用いた認証も上記と同様にして行うことができる。
【0095】
また、電子錠制御装置10は、電子錠ELの解錠を行うものであったが、電子錠ELの施錠も、上記実施形態と同様にして行うことができる。
【0096】
なお、上記実施形態のプログラム12a,22aは、それぞれ持ち運び可能な記録媒体等に記録されたものでもよい。持ち運び可能な記録媒体には、例えば、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)等がある。また、プログラム12a,22aは、持ち運び可能な記録媒体から各種読取装置を介して、対応する電子錠制御装置10または携帯端末20にインストールされたものでも良い。さらに、プログラム12a,22aは、インターネット等を介して、対応する電子錠制御装置10または携帯端末20にダウンロード及びインストールされたものでもよい。また、プログラム12a,22aは、対応する電子錠制御装置10または携帯端末20と通信可能なサーバ等の記憶装置に格納されたものでも良い。
【0097】
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0098】
(付記1)
携帯端末を用いて行う操作の内容を提示する操作内容提示手段と、
前記携帯端末を用いて行われた操作の内容を含む操作データを、所定の通信回線を介して前記携帯端末から受信し、受信した前記操作データに含まれる前記操作の内容が、前記操作内容提示手段が提示した前記操作の内容と一致するか否かに従って、電子錠を制御する操作判別手段と、を備える、
ことを特徴とする電子錠制御装置。
【0099】
(付記2)
前記携帯端末の現在位置を含む位置データを、所定の通信回線を介して前記携帯端末から受信し、受信した前記位置データに含まれる前記携帯端末の現在位置が、自身の装置の位置と一致するか否かを判別する位置判別手段をさらに備え、
前記操作内容提示手段は、前記位置判別手段の判別結果に従って、前記携帯端末を用いて行う操作の内容を提示する、
ことを特徴とする付記1に記載の電子錠制御装置。
【0100】
(付記3)
前記操作の内容を表す提示データと、前記提示データにより表される操作の内容を識別する識別データとを互いに対応付けた動作データを、前記操作の内容毎に、予め記録した動作データ記憶手段を備え、
前記操作内容提示手段は、前記動作データ記憶手段から前記提示データを指定して前記操作の内容を提示するとともに、前記提示データに対応付けられた識別データを保持し、
前記操作判別手段は、前記携帯端末から受信した前記操作データに前記操作内容提示手段が保持した前記識別データが含まれているか否かに従って、前記電子錠を制御する、
ことを特徴とする付記1または2に記載の電子錠制御装置。
【0101】
(付記4)
携帯端末と、前記携帯端末を用いて電子錠を制御する電子錠制御装置とを備えた電子錠制御システムであって、
前記携帯端末は、前記携帯端末を用いて行った操作の内容を特定し、特定した前記操作の内容を含む操作データを送信する操作内容特定手段を備え、
前記電子錠制御装置は、
携帯端末を用いて行う操作の内容を提示する操作内容提示手段と、
前記操作データを、所定の通信回線を介して前記携帯端末から受信し、受信した前記操作データに含まれる前記操作の内容が、操作内容提示手段が提示した前記操作の内容と一致するか否かに従って、電子錠を制御する操作判別手段と、を備える、
ことを特徴とする電子錠制御システム。
【0102】
(付記5)
携帯端末を用いて行う操作の内容を提示する操作内容提示ステップと、
前記携帯端末を用いて行われた操作の内容を含む操作データを、所定の通信回線を介して前記携帯端末から受信し、受信した前記操作データに含まれる前記操作の内容が、前記操作内容提示ステップで提示した前記操作の内容と一致するか否かに従って、電子錠を制御する操作判別ステップと、を有する、
ことを特徴とする電子錠制御方法。
【0103】
(付記6)
コンピュータに、
携帯端末を用いて行う操作の内容を提示する操作内容提示手順と、
前記携帯端末を用いて行われた操作の内容を含む操作データを、所定の通信回線を介して前記携帯端末から受信し、受信した前記操作データに含まれる前記操作の内容が、前記操作内容提示手順で提示した前記操作の内容と一致するか否かに従って、電子錠を制御する操作判別手順と、を実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【0104】
その他、本発明は、上記実施形態の説明及び図面によって限定されるものではなく、上記実施形態及び図面に適宜変更等を加えることは可能である。
【符号の説明】
【0105】
1 電子錠制御システム
10 電子錠制御装置
10a 屋外設備
10b 屋内設備
11 制御部
11a 位置判別部(位置判別手段)
11b 操作内容表示部(操作内容提示手段)
11c 操作判別部(操作判別手段)
12 記憶部
12a プログラム
12b 携帯端末データ
12c 動作データ
13 操作部
14 表示部
15 通信部
16 電子錠駆動部
20 携帯端末
21 制御部
21a 操作内容特定部
22 記憶部
22a プログラム
22b 制御装置データ
22c 動作データ
23 操作部
24 表示部
25 通信部
26 センサ部
N 回線網
M 利用者
EL 電子錠
D ドア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末を用いて行う操作の内容を提示する操作内容提示手段と、
前記携帯端末を用いて行われた操作の内容を含む操作データを、所定の通信回線を介して前記携帯端末から受信し、受信した前記操作データに含まれる前記操作の内容が、前記操作内容提示手段が提示した前記操作の内容と一致するか否かに従って、電子錠を制御する操作判別手段と、を備える、
ことを特徴とする電子錠制御装置。
【請求項2】
前記携帯端末の現在位置を含む位置データを、所定の通信回線を介して前記携帯端末から受信し、受信した前記位置データに含まれる前記携帯端末の現在位置が、自身の装置の位置と一致するか否かを判別する位置判別手段をさらに備え、
前記操作内容提示手段は、前記位置判別手段の判別結果に従って、前記携帯端末を用いて行う操作の内容を提示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子錠制御装置。
【請求項3】
前記操作の内容を表す提示データと、前記提示データにより表される操作の内容を識別する識別データとを互いに対応付けた動作データを、前記操作の内容毎に、予め記録した動作データ記憶手段を備え、
前記操作内容提示手段は、前記動作データ記憶手段から前記提示データを指定して前記操作の内容を提示するとともに、前記提示データに対応付けられた識別データを保持し、
前記操作判別手段は、前記携帯端末から受信した前記操作データに前記操作内容提示手段が保持した前記識別データが含まれているか否かに従って、前記電子錠を制御する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電子錠制御装置。
【請求項4】
携帯端末と、前記携帯端末を用いて電子錠を制御する電子錠制御装置とを備えた電子錠制御システムであって、
前記携帯端末は、前記携帯端末を用いて行った操作の内容を特定し、特定した前記操作の内容を含む操作データを送信する操作内容特定手段を備え、
前記電子錠制御装置は、
携帯端末を用いて行う操作の内容を提示する操作内容提示手段と、
前記操作データを、所定の通信回線を介して前記携帯端末から受信し、受信した前記操作データに含まれる前記操作の内容が、操作内容提示手段が提示した前記操作の内容と一致するか否かに従って、電子錠を制御する操作判別手段と、を備える、
ことを特徴とする電子錠制御システム。
【請求項5】
携帯端末を用いて行う操作の内容を提示する操作内容提示ステップと、
前記携帯端末を用いて行われた操作の内容を含む操作データを、所定の通信回線を介して前記携帯端末から受信し、受信した前記操作データに含まれる前記操作の内容が、前記操作内容提示ステップで提示した前記操作の内容と一致するか否かに従って、電子錠を制御する操作判別ステップと、を有する、
ことを特徴とする電子錠制御方法。
【請求項6】
コンピュータに、
携帯端末を用いて行う操作の内容を提示する操作内容提示手順と、
前記携帯端末を用いて行われた操作の内容を含む操作データを、所定の通信回線を介して前記携帯端末から受信し、受信した前記操作データに含まれる前記操作の内容が、前記操作内容提示手順で提示した前記操作の内容と一致するか否かに従って、電子錠を制御する操作判別手順と、を実行させる、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−237158(P2012−237158A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107453(P2011−107453)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】