電極接合構造体及びその製造方法
【課題】フレキシブル基板に外力が加わることによる不良の発生を抑えるとともに、平面視における封止樹脂及びフレキシブル基板の面積を小さくすることができる電極接合構造体を提供する。
【解決手段】ガラス基板と、平面視においてガラス基板のエッジをまたぐように配置されるとともに当該エッジに沿って互いに隙間を空けて複数配置されたフレキシブル基板と、ガラス基板と各フレキシブル基板とを接合する接着剤と、ガラス基板と各フレキシブル基板との接合部分を覆い隠す封止樹脂とを備え、封止樹脂のエッジを、平面視において、ガラス基板のエッジと平行で且つガラス基板のエッジより外側に位置する仮想線を軸として山形の凸状部と凹状部とが交互に連続する波形状部分を有するとともに、凸状部がフレキシブル基板上に位置するように形成する。
【解決手段】ガラス基板と、平面視においてガラス基板のエッジをまたぐように配置されるとともに当該エッジに沿って互いに隙間を空けて複数配置されたフレキシブル基板と、ガラス基板と各フレキシブル基板とを接合する接着剤と、ガラス基板と各フレキシブル基板との接合部分を覆い隠す封止樹脂とを備え、封止樹脂のエッジを、平面視において、ガラス基板のエッジと平行で且つガラス基板のエッジより外側に位置する仮想線を軸として山形の凸状部と凹状部とが交互に連続する波形状部分を有するとともに、凸状部がフレキシブル基板上に位置するように形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス基板上に形成された電極とフレキシブル基板上に形成された電極とを接着剤を用いて電気的に接合し、当該接合部分を外部に露出しないように封止樹脂で覆って構成される電極接合構造体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電極接合構造体は種々の構造のものが知られている。例えば、従来の電極接合体としては、図26及び図27に示すようなものがある。図26は、従来例1の電極接合構造体の平面図であり、図27は、その一部断面図である。
【0003】
従来例1の電極接合構造体は、矩形のガラス基板101と、平面視において、ガラス基板101のエッジ101bをまたぐように配置されるとともに、ガラス基板101のエッジ101bに沿って互いに隙間を空けて複数配置された矩形のフレキシブル基板102とを有している。ガラス基板101の表面には複数の電極101aがストライプ状に形成されている。ガラス基板101の上記表面と対向するフレキシブル基板102の表面には、電極101aに対応する位置に複数の電極102aが形成されている。ガラス基板101とフレキシブル基板102とは、絶縁性接着剤樹脂103a中に導電性粒子103bが分散されたACF(異方導電性シート)103によって接合され、ガラス基板101の電極101aとフレキシブル基板102の電極102aとは、導電性粒子103bを介して電気的に導通している。ガラス基板101とフレキシブル基板102との接合部分は、防湿の目的で封止樹脂104によって外部に露出しないように覆い隠されている。
【0004】
また、このような構造を有する電極接合構造体としては、特許文献1(特開平11−16502号公報)に記載されたものがある。図28は、特許文献1に記載された従来例2の電極接合構造体の平面図であり、図29は、その一部断面図である。
【0005】
従来例2の電極接合構造体は、ガラス基板101の厚み方向から見た平面視において、封止樹脂104のエッジ104aがガラス基板101のエッジ101bよりも外側に位置するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−16502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来例1の電極接合構造体においては、その製造工程時や他の装置への取付け時にフレキシブル基板102に外力が加わったときに、ガラス基板101のエッジ101bとフレキシブル基板102のエッジとの交点105付近に応力が集中して、フレキシブル基板102が破損したり、ガラス基板101とフレキシブル基板102との接合部分に剥離が生じたりする恐れがある。上記従来例1の電極接合構造体において、このような不良は約0.5%程度発生する。
【0008】
一方、従来例2の電極接合構造体では、ガラス基板101のエッジ101bとフレキシブル基板102のエッジとの交点105付近は封止樹脂104に覆われているため、当該交点105付近の応力集中を防止することができる。しかしながら、この場合、フレキシブル基板102は封止樹脂104に両面からしっかりと固定されているため、フレキシブル基板102のエッジと封止樹脂104との交点106付近で応力が集中することとなる。従って、上記不良を十分に抑えることはできない。
【0009】
また、従来例2の電極構造体をプラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)に利用する場合、すなわち、ガラス基板101をPDPの前面板又は背面板として利用する場合には、フレキシブル基板102と封止樹脂104とが存在する部分は画像の表示に関与しないので、平面視における当該部分の面積をできるだけ小さくすることが求められる。
【0010】
従来、この部分の面積を小さくするために、ガラス基板101の表面に対してフレキシブル基板102を湾曲(例えば90度以上)させることが一般に行われている。従来例1の電極接合構造体においては、フレキシブル基板102のガラス基板101のエッジ101bより外側の部分を湾曲させることができる。しかしながら、従来例2の電極接合構造体においては、フレキシブル基板102のガラス基板101のエッジ101bより外側の部分にも、所定長さ分、フレキシブル基板102の両面に封止樹脂104が存在している。このため、従来例2の電極接合構造体では、フレキシブル基板102の封止樹脂104に覆われている部分を湾曲させることが困難であり、上記面積を小さくすることができないという課題がある。
【0011】
本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、フレキシブル基板に外力が加わることによる不良の発生を抑えるとともに、平面視における封止樹脂及びフレキシブル基板の面積を小さくすることができる電極接合構造体及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、表面に複数の電極を有するガラス基板と、
平面視において、上記ガラス基板のエッジをまたぐように配置されるとともに、上記ガラス基板のエッジに沿って互いに隙間を空けて複数配置され、上記ガラス基板の上記表面と対向する表面に複数の電極を有するフレキシブル基板と、
上記ガラス基板の上記電極と上記それぞれのフレキシブル基板の上記電極とを電気的に接合する接着剤と、
上記ガラス基板と上記それぞれのフレキシブル基板との接合部分が外部に露出しないように覆い隠す封止樹脂と、
を備える電極接合構造体であって、
上記封止樹脂のエッジは、平面視において、上記ガラス基板のエッジと平行で且つ上記ガラス基板のエッジより外側に位置する仮想線を軸として山形の凸状部と凹状部とが交互に連続する波形状部分を有するとともに、上記凸状部が上記フレキシブル基板上に位置するように形成されている、
電極接合構造体を提供する。
【0013】
本発明の第2態様によれば、上記フレキシブル基板上の上記封止樹脂のエッジと上記フレキシブル基板のエッジとは鋭角に交差している、第1態様に記載の電極接合構造体を提供する。
【0014】
本発明の第3態様によれば、上記封止樹脂のエッジは、平面視において上記ガラス基板のエッジと上記フレキシブル基板のエッジとの交点を通る、第1又は2態様に記載の電極接合構造体を提供する。
【0015】
本発明の第4態様によれば、上記ガラス基板のエッジと直交する方向における上記凸状部の先端から上記凹状部の先端までの距離が1mm以上6mm以下である、第1〜3態様のいずれか1つに記載の電極接合構造体を提供する。
【0016】
本発明の第5態様によれば、上記封止樹脂は、上記ガラス基板のエッジを通り且つ上記ガラス基板の表面に対して垂直な面で切った断面における上記ガラス基板のエッジからの高さが均一になるように形成されている、第1〜4態様のいずれか1つに記載の電極接合構造体を提供する。
【0017】
本発明の第6態様によれば、上記凸部は、内側に凹む部分を少なくとも1つ有して複数の山形を有するように形成されている、第1〜5態様のいずれか1つに記載の電極接合構造体を提供する。
【0018】
本発明の第7態様によれば、上記凹み部分に対応する上記フレキシブル基板の一部に帯状のスリットが設けられている、第6態様に記載の電極接合構造体を提供する。
【0019】
本発明の第8態様によれば、互いに隣接する上記山形の頂部が上記凸部の最厚部の厚さの4倍以上の間隔を空けて配置されるように上記凸部が形成されている、第6又は7態様に記載の電極接合構造体を提供する。
【0020】
本発明の第9態様によれば、上記フレキシブル基板は、上記封止樹脂によって、上記ガラス基板との接合部分よりも外側の部分が湾曲した状態で保持されている、第1〜8態様のいずれか1つに記載の電極接合構造体を提供する。
【0021】
本発明の第10態様によれば、上記封止樹脂は、平面視において、上記ガラス基板の上記エッジより外側で互いに隣接する上記フレキシブル基板間にも存在するように形成されている、第1又は2態様に記載の電極接合構造体を提供する。
【0022】
本発明の第11態様によれば、ガラス基板のエッジをまたぐように配置するとともに上記ガラス基板のエッジに沿って互いに隙間を空けて配置した複数のフレキシブル基板と上記ガラス基板とを、各基板上に形成された電極が電気的に導通するように接着剤を用いて接合したのち、当該接合部分が外部に露出しないように封止樹脂を形成した電極接合構造体の製造方法であって、
上記封止樹脂の形成は、封止樹脂形成予定部を洗浄することにより濡れ性を向上させる処理を予め行った後に行い、
上記封止樹脂形成予定部のエッジは、平面視において、上記ガラス基板のエッジと平行で且つ上記ガラス基板のエッジより外側に位置する仮想線を軸として山形の凸状部と凹状部とが交互に連続する波形状部分を有するとともに、上記凸状部が上記フレキシブル基板上に位置している、
電極接合構造体の製造方法を提供する。
【0023】
本発明の第12態様によれば、上記フレキシブル基板上の上記封止樹脂のエッジと上記フレキシブル基板のエッジとは鋭角に交差している、第11態様に記載の電極接合構造体の製造方法を提供する。
【0024】
本発明の第13態様によれば、上記封止樹脂の形成は、上記フレキシブル基板の上記ガラス基板の上記エッジより外側の部分を湾曲させた状態で行う、第11又は12態様に記載の電極接合構造体の製造方法を提供する。
【0025】
本発明の第14態様によれば、上記封止樹脂の形成は、上記フレキシブル基板の一方の面側に第1封止樹脂を塗布して硬化させた後、上記フレキシブル基板の他方の面側に第2封止樹脂を塗布して硬化させることにより行う、第11〜13態様のいずれか1つに記載の電極接合構造体の製造方法を提供する。
【0026】
本発明の第15態様によれば、上記第1封止樹脂を塗布して硬化させるとき、上記それぞれのフレキシブル基板の他方の面を支持台で支持して互いに隣接する上記フレキシブル基板間にも上記第1封止樹脂が配置されるように塗布して硬化させ、
上記第2封止樹脂を塗布して硬化させるとき、上記互いに隣接するフレキシブル基板間で硬化させた上記第1封止樹脂上にも上記第2封止樹脂を塗布して硬化させる、第14態様に記載の電極接合構造体の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0027】
本発明の電極接合構造体及びその製造方法によれば、上記封止樹脂又は上記封止樹脂形成予定部のエッジが、平面視において、上記ガラス基板のエッジと平行で且つ上記ガラス基板のエッジより外側に位置する仮想線を軸として山形の凸状部と凹状部とが交互に連続する波形状部分を有するとともに、上記フレキシブル基板上に山形の上記凸状部が位置するように形成されているので、フレキシブル基板に外力が加わったときの応力の集中を抑えて不良の発生を抑えることができる。
【0028】
また、本発明の電極接合構造体及びその製造方法によれば、上記フレキシブル基板上に山形の上記凸状部が位置するようにしているので、従来例2に比べて、フレキシブル基板を湾曲させ易い。従って、平面視における封止樹脂及びフレキシブル基板の面積を小さくすることができる。
【0029】
また、本発明の電極接合構造体の製造方法によれば、上記封止樹脂の塗布形成は、封止樹脂形成予定部を洗浄して濡れ性を向上させる処理を予め行った後に行うようにしているので、上記封止樹脂の塗布形成が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる電極接合構造体の平面図である。
【図2】図1の一部拡大平面図である。
【図3】図1のA1−A1断面図である。
【図4】図1のB1−B1断面図である。
【図5】図1の電極接合構造体の斜視図である。
【図6A】本発明の第1実施形態にかかる電極接合構造体において、封止樹脂の形成前の状態を示す平面図である。
【図6B】図6AのA2−A2断面図である。
【図7A】本発明の第1実施形態にかかる電極接合構造体において、封止樹脂を塗布する様子を示す平面図である。
【図7B】図7AのA3−A3断面図である。
【図8A】本発明の第1実施形態にかかる電極接合構造体において、封止樹脂の塗布を完了した状態を示す平面図である。
【図8B】図8AのA4−A4断面図である。
【図9】本発明の第1実施形態にかかる電極接合構造体において、フレキシブル基板を挟ピッチに配置したときの状態を示す平面図である。
【図10】本発明の第2実施形態にかかる電極接合構造体の平面図である。
【図11】図11の一部拡大平面図である。
【図12】本発明の第3実施形態にかかる電極接合構造体の平面図である。
【図13】図12の一部拡大平面図である。
【図14】本発明の第4実施形態にかかる電極接合構造体の断面図である。
【図15A】本発明の第4実施形態にかかる電極接合構造体の製造方法を示す断面図である。
【図15B】図15Aに続く工程を示す断面図である。
【図15C】図15Bに続く工程を示す断面図である。
【図15D】図15Cに続く工程を示す断面図である。
【図16A】封止樹脂形成前の各フレキシブル基板の状態を示す斜視図である。
【図16B】各フレキシブル基板を一対の棒状の治具で挟んで互いに平行にした状態を示す斜視図である。
【図17】本発明の第5実施形態にかかる電極接合構造体の平面図である。
【図18】図17のA5−A5断面図である。
【図19】図17のB5−B5断面図である。
【図20A】本発明の第5実施形態にかかる電極接合構造体において、第1封止樹脂の形成前の状態を示す平面図である。
【図20B】図20AのA6−A6断面図である。
【図21A】本発明の第5実施形態にかかる電極接合構造体において、第1封止樹脂を塗布する様子を示す平面図である。
【図21B】図21AのA7−A7断面図である。
【図22A】本発明の第5実施形態にかかる電極接合構造体において、第1封止樹脂の塗布を完了した状態を示す平面図である。
【図22B】図22AのA8−A8断面図である。
【図23A】本発明の第5実施形態にかかる電極接合構造体において、第2封止樹脂の形成前の状態を、図20Aとは反対側から見た平面図である。
【図23B】図23AのA9−A9断面図である。
【図24A】本発明の第5実施形態にかかる電極接合構造体において、第2封止樹脂を塗布する様子を示す平面図である。
【図24B】図24AのA10−A10断面図である。
【図25A】本発明の第5実施形態にかかる電極接合構造体において、第2封止樹脂の塗布を完了した状態を示す平面図である。
【図25B】図25AのA11−A11断面図である。
【図26】従来例1の電極接合構造体の平面図である。
【図27】従来例1の電極接合構造体の一部断面図である。
【図28】従来例2の電極接合構造体の平面図である。
【図29】従来例2の電極接合構造体の一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の記述を続ける前に、添付図面において同じ部品については同じ参照符号を付している。
以下、本発明の最良の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0032】
《第1実施形態》
図1は、本発明の第1実施形態にかかる電極接合構造体の構成を示す平面図である。図2は、図1の点線で囲まれた部分の拡大平面図である。図3は、図1のA1−A1断面図であり、図4は、図1のB1−B1断面図である。図5は、図1の電極接合構造体の斜視図である。本第1実施形態にかかる電極接合構造体は、PDPに利用されるものである。
【0033】
図1において、本第1実施形態にかかる電極接合構造体は、矩形の第1ガラス基板1と、第2ガラス基板1に対向配置された矩形の第2ガラス基板2と、第1ガラス基板1に接合された複数の矩形のフレキシブル基板3とを有している。
【0034】
第1ガラス基板1及び第2ガラス基板2のいずれか一方はPDP用前面板であり、それらのいずれか他方はPDP用背面板である。第1ガラス基板1と第2ガラス基板2とは、例えば1.8mmの厚さを有し、接着剤(図示せず)によって互いに接着されている。第1ガラス基板1には、複数の帯状の電極、例えば銀電極(図示せず)がストライプ状に形成されている。
【0035】
複数のフレキシブル基板3は、平面視において、第1ガラス基板1のエッジ1aをまたぐように配置されるとともに、第1ガラス基板1のエッジ1aに沿って互いに隙間を空けて配置されている。また、各フレキシブル基板3は、それぞれの長手方向のエッジ3aが第1ガラス基板1のエッジ1aと直交するように配置されている。フレキシブル基板3の材料としては、例えばポリイミドを使用することができる。各フレキシブル基板3の第1ガラス基板1の電極と対向する表面には、第1ガラス基板1の銀電極と対応する位置に複数の帯状の電極、例えば銅電極(図示せず)がストライプ状に形成されている。
【0036】
第1ガラス基板1の銀電極とフレキシブル基板3の銅電極とは、図3に示すように、半田やACF(異方導電性シート)などの接着剤4にて電気的に接合されている。第1ガラス基板1とフレキシブル基板3との接合部分は、防湿の目的で封止樹脂5によって外部に露出しないように覆い隠されている。
【0037】
封止樹脂5は、図1に示すように、平面視において、第1ガラス基板1のエッジ1aと平行で且つ第1ガラス基板1のエッジ1aより外側に位置する仮想線L1を軸として山形の凸状部5aと凹状部5bとが交互に連続する波形状部分を有している。また、各凸状部5aは、フレキシブル基板3上に位置するように形成されている。フレキシブル基板3上の封止樹脂5のエッジ5aとフレキシブル基板3のエッジ3aとは鋭角に交差している。すなわち、フレキシブル基板3上の封止樹脂5のエッジ5aとフレキシブル基板3のエッジ3aとが成す角度θは90度未満に設定されている。また、角度θは、0度に近づく程及び90度に近づく程、応力緩和効果(応力集中を防ぐ効果)が低くなる。例えば、角度θが10度未満である場合及び80度未満である場合、応力緩和効果は20%未満となる。一方、角度θが30度以上60度以下である場合、50%以上の応力緩和効果が期待できる。このため、角度θは、10度以上80度以下であることが好ましく、30度以上60度以下であることがより好ましい。
【0038】
また、封止樹脂5のエッジ5aは、応力が集中する点、すなわち平面視において第1ガラス基板1のエッジ1aとフレキシブル基板3のエッジ3aとの交点P1を通ることが好ましい。これにより、効率的に応力を緩和することができる。
【0039】
また、第1ガラス基板1のエッジ1aと直交する方向における凸状部5aの先端から凹状部5bの先端までの距離W1は1mm以上6mm以下であることが好ましい。距離W1が1mm未満であるとき、応力緩和効果を十分に得ることができない。また、距離W1が6mmより大きいとき、フレキシブル基板3を湾曲させることができる部分が小さくなる。このため、平面視においてフレキシブル基板3及び封止樹脂5が存在する部分の面積を小さくすることができず、省スペースで且つ大画面のディスプレイ装置を実現することが困難になる。
【0040】
また、封止樹脂5は、後で詳しく説明するように、第1ガラス基板1のエッジ1aを通り且つ第1ガラス基板1の表面に対して垂直な面で切った断面における第1ガラス基板1のエッジ1aからの高さが略均一になるように形成されている。
【0041】
封止樹脂5の材料としては、UV硬化樹脂やシリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を使用することができる。
【0042】
なお、封止樹脂5は、第2ガラス基板2の側面に濡れあがることで当該側面を物理的ダメージから保護する役割も持つ。このため、本第1実施形態では、図3及び図4に示すように封止樹脂5を形成したが、第2ガラス基板2の側面全体を保護できるように、封止樹脂5は、当該側面を越えて第2ガラス基板2の上面側に0.5mm程度濡れあがるように形成されても良い。
【0043】
次に、図6A〜図9を用いて、本発明の第1実施形態にかかる電極接合構造体の製造方法について説明する。封止樹脂5の形成方法以外は、従来から周知の電極接合構造体の製造方法と同様である。このため、ここでは、封止樹脂5の形成前の状態、すなわち第1ガラス基板1とフレキシブル基板3とを接着剤4にて接合した状態から説明する。また、ここでは、封止樹脂5の材料として、アクリル系のUV硬化樹脂を用いた例を説明する。
【0044】
図6Aは、封止樹脂の形成前の状態を示す平面図である。図6Bは、図6AのA2−A2断面図であり、封止樹脂形成予定部を洗浄するための洗浄機も示す図である。図7Aは、封止樹脂を塗布する様子を示す平面図である。図7Bは、図7AのA3−A3断面図であり、封止樹脂を塗布する封止樹脂塗布機も示す図である。図8Aは、封止樹脂の塗布を完了した状態を示す平面図である。図8Bは、図8AのA4−A4断面図であり、封止樹脂を硬化させるための紫外線照射機も示す図である。
【0045】
まず、図6A及び図6Bに示すように、封止樹脂5と同形状の封止樹脂形成予定部6にプラズマ洗浄機7からアルゴンプラズマ7aを照射することにより、封止樹脂形成予定部6を洗浄して当該予定部6の濡れ性を向上させる。なお、このとき、アルゴンプラズマ7aに酸素を添加することで、洗浄能力を向上させることができる。また、封止樹脂形成予定部6の洗浄は、紫外線照射により行ってもよい。また、封止樹脂形成予定部6の洗浄は、各フレキシブル基板3の下面を支持台8で支持しながら行ってもよい。
【0046】
封止樹脂形成予定部6の洗浄後は、所定時間(例えば30秒間)放置して、封止樹脂形成予定部6を乾燥させる。なお、当該乾燥は、クリーンルームに所定時間(最大4時間)放置することにより行ってもよい。
【0047】
次いで、図7A及び図7Bに示すように、各フレキシブル基板3の下面を支持台8で支持しながら、封止樹脂塗布機9を用いて封止樹脂形成予定部6の全体に封止樹脂5を塗布する。ここで、封止樹脂5の材料としては、流動性をあるもの、例えば36度における粘度が3.6PaS程度のものを用いる。これにより、封止樹脂5の塗布温度を36度とすれば、封止樹脂5は上記濡れ性が向上した部分にのみ選択的に濡れ広がることとなり、プラズマ洗浄機7を封止樹脂形成予定部6のエッジの波形状部分に沿って移動させるなどの必要性をなくすことができる。すなわち、封止樹脂塗布機9を直線的に移動させるだけで、封止樹脂5のエッジが波形状部分を有するように形成することができる。
【0048】
なお、このとき、封止樹脂5は、封止樹脂形成予定部6の凸状部に流動するため、第1ガラス基板1のエッジ1aを通り且つ第1ガラス基板1の表面に対して垂直な面で切った断面における第1ガラス基板1のエッジ1aからの高さが均一になるように形成される。これに対して、封止樹脂形成予定部6に凸状部が形成されていない場合には、封止樹脂5が第1ガラス基板1のエッジ1aの上方で滞留し、上記断面における第1ガラス基板1のエッジ1aからの高さが不均一になる。
【0049】
図8Aに示すように、封止樹脂5が封止樹脂形成予定部6の全体に濡れ広がった後、図8Bに示すように、紫外線照射機10より、例えば波長354nm、積算光量2000mJ以上の紫外線10aを封止樹脂5に照射して封止樹脂5を硬化させる。
【0050】
これにより、図1〜図5に示す本第1実施形態にかかる電極接合構造体を製造することができる。
【0051】
なお、上記では、封止樹脂塗布機9を用いて封止樹脂形成予定部6に封止樹脂5を配置する例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、封止樹脂形成予定部6と同形状の貫通穴を設けた印刷用マスクを用いて、印刷法により封止樹脂形成予定部6に封止樹脂5を形成するようにしてもよい。
【0052】
本発明の第1実施形態によれば、封止樹脂5のエッジが、平面視において、第1ガラス基板1のエッジ1aと平行で且つ第1ガラス基板1のエッジ1aより外側に位置する仮想線L1を軸として山形の凸状部5aと凹状部5bとが交互に連続する波形状部分を有するとともに、各フレキシブル基板3上に山形の凸状部5aが位置するように形成されているので、フレキシブル基板3に外力が加わったときの応力の集中を抑えて不良の発生を抑えることができる。
【0053】
また、本発明の第1実施形態によれば、フレキシブル基板3上に山形の凸状部5aが位置するようにしているので、従来例2に比べて、フレキシブル基板3を湾曲させ易い。従って、平面視における封止樹脂5及びフレキシブル基板3の面積を小さくすることができる。
【0054】
また、本発明の第1実施形態によれば、封止樹脂5の塗布形成は、封止樹脂形成予定部6を洗浄して濡れ性を向上させる処理を予め行った後に行うようにしているので、封止樹脂5の塗布形成が容易である。
【0055】
なお、図1及び図5では、フレキシブル基板3,3の配置間隔を比較的広く空けて示したが、PDPにおいて当該配置間隔は一般に狭くなっている。例えば、ガラス基板1のエッジ1aと平行な方向におけるフレキシブル基板3の幅は7.0cmであり、互いに隣接するフレキシブル基板3,3の隙間は0.5cm〜1.0cmである。この場合、封止樹脂5は、図9に示すように配置されることになる。
【0056】
《第2実施形態》
図10は、本発明の第2実施形態にかかる電極接合構造体を示す平面図である。図11は、図10の点線で囲まれた部分の拡大平面図である。本第2実施形態にかかる電極接合構造体が上記第1実施形態にかかる電極接合構造体と異なる点は、封止樹脂5の凸部5aが、内側に凹む部分5cを有して2つの山形で形成されている点である。
凸部5aに凹み部分5cが形成されることで、フレキシブル基板3に外力が加わったときの応力の集中を抑えて不良の発生を抑えることができるとともに、上記第1実施形態に比べて、フレキシブル基板3を湾曲させ易くなる。従って、平面視における封止樹脂5及びフレキシブル基板3の面積を、上記第1実施形態より小さくすることができる。
【0057】
《第3実施形態》
図12は、本発明の第3実施形態にかかる電極接合構造体を示す平面図である。図13は、図12の点線で囲まれた部分の拡大平面図である。本第3実施形態にかかる電極接合構造体が上記第1実施形態にかかる電極接合構造体と異なる点は、フレキシブル基板3に2つの帯状のスリット3bが設けられ、封止樹脂5の凸部5aが内側に凹む部分5cを2つ有して3つの山形で形成されている点である。
【0058】
第1ガラス基板1のエッジ1aと直交する方向にスリット3bがフレキブル基板3に設けられることで、フレキシブル基板3をさらに容易に湾曲させ易くなる。また、スリット3bを避けるように凸部5aに凹み部分5cを形成されることで、フレキシブル基板3に外力が加わったときの応力の集中を抑えて不良の発生を抑えることができるとともに、上記第1実施形態に比べて、フレキシブル基板3を湾曲させ易くなる。従って、平面視における封止樹脂5及びフレキシブル基板3の面積を、上記第1実施形態より小さくすることができる。
【0059】
なお、上記では凹み部分5cを2つ設けて凸部5aが3つの山形で形成されるように構成したが、本発明はこれに限定されない。凹み部分5cを3つ以上設けて凸部5aが4つ以上の山形で形成されるように構成してもよい。但し、この場合、山形の幅が小さくなればなるほど、フレキシブル基板3から剥離し易くなる。このため、互いに隣接する山形の頂部5d,5dが凸部5aの最厚部の厚さの4倍以上の間隔を空けて配置されるように凸部5aを形成することが好ましい。例えば、凸部5aの最厚部の厚さが1.8mmであるとき、山形の頂部5d,5dの間隔W1は7.2mm以上であることが好ましい。これにより、山形の幅を広く確保することができ、山形がフレキシブル基板3から剥離することを抑えることができる。なお、凸部5aの最厚部の厚さは、例えば図3に示す例では、第2ガラス基板3の厚さと一致する。
【0060】
《第4実施形態》
図14は、本発明の第4実施形態にかかる電極接合構造体を示す断面図である。本第4実施形態にかかる電極接合構造体が上記第1実施形態にかかる電極接合構造体と異なる点は、フレキシブル基板3が、封止樹脂5によって第1ガラス基板1との接合部分よりも外側の部分が湾曲した状態で保持されている点である。
【0061】
このように封止樹脂5が形成されることにより、平面視における封止樹脂5及びフレキシブル基板3の面積を、上記第1実施形態よりも確実に小さくすることができる。
【0062】
次に、図15A〜図15D、図16A及び図16Bを参照しつつ、本発明の第4実施形態にかかる電極接合構造体の製造方法について説明する。図15A〜図15Dは、本第4実施形態にかかる電極接合構造体の製造方法を示す断面図である。図16Aは、封止樹脂形成前の各フレキシブル基板の状態を示す斜視図であり、図16Bは、各フレキシブル基板を一対の棒状治具で挟んで互いに平行にした状態を示す斜視図である。
【0063】
まず、図15Aに示すように、封止樹脂形成予定部6にプラズマ洗浄機7からアルゴンプラズマ7aを照射することにより、封止樹脂形成予定部6を洗浄して当該予定部6の濡れ性を向上させる。なお、封止樹脂形成予定部6の洗浄は、紫外線照射により行ってもよい。また、封止樹脂形成予定部6の洗浄は、各フレキシブル基板3の下面を支持台8で支持しながら行ってもよい。
【0064】
封止樹脂形成予定部6の洗浄後は、所定時間放置して、封止樹脂形成予定部6を乾燥させる。このとき、各フレキシブル基板3は、それぞれ片持ち状態で第1ガラス基板1に保持されているので、図16Aに示すように、第1ガラス基板1の表面に対する角度がバラバラの状態にある。
【0065】
次いで、図16Bに示すように、各フレキシブル基板3を一対の棒状治具11,11で挟んで互いに平行にする。この状態で一対の棒状治具11,11を移動させ、図15Bに示すように各フレキシブル基板3を湾曲させる。
【0066】
次いで、図15Cに示すように、各フレキシブル基板3が湾曲した状態で、封止樹脂塗布機9を用いて封止樹脂形成予定部6の全体に封止樹脂5を塗布する。このとき、封止樹脂形成予定部6のみ濡れ性が向上しているので、封止樹脂5は封止樹脂形成予定部6のみに選択的に濡れ広がることとなる。なお、このとき、封止樹脂5の材料としては、重力により封止樹脂形成予定部6から落下しないような粘度のものを用いることが好ましい。
【0067】
封止樹脂5が封止樹脂形成予定部6の全体に濡れ広がった後、図15Dに示すように、紫外線照射機10より、例えば波長354nm、積算光量2000mJ以上の紫外線10aを封止樹脂5に照射して封止樹脂5を硬化させる。これにより、図14に示す本第4実施形態にかかる電極接合構造体を製造することができる。
【0068】
《第5実施形態》
図17は、本発明の第5実施形態にかかる電極接合構造体を示す平面図である。図18は、図17のA5−A5断面図であり、図19は、図17のB5−B5断面図である。本第5実施形態にかかる電極接合構造体が上記第1実施形態にかかる電極接合構造体と異なる点は、封止樹脂5が、各フレキシブル基板3の両面に形成されるとともに、平面視において第1ガラス基板1のエッジ1aより外側で互いに隣接するフレキシブル基板3,3間にも存在するように形成されている点である。
【0069】
封止樹脂5は、図17に示すように、平面視において、第1ガラス基板1のエッジ1aと平行で且つ第1ガラス基板1のエッジ1aより外側に位置する仮想線L2を軸として山形の凸状部5aと凹状部5bとが交互に連続する波形状部分を有している。また、各凸状部5aは、フレキシブル基板3上に位置するように形成されている。フレキシブル基板3上の封止樹脂5のエッジ5aとフレキシブル基板3のエッジ3aとは鋭角に交差している。
【0070】
また、封止樹脂5は、各フレキシブル基板3の上面側に形成される第1封止樹脂5Aと、各フレキシブル基板3の下面(第1ガラス基板1の表面と対向する面)側に形成される第2封止樹脂5Bとで構成されている。第1封止樹脂5Aと第2封止樹脂5Bとは、互いに隣接するフレキシブル基板3,3間で互いに接触して一体化されている。
【0071】
このように封止樹脂5が形成されることにより、上記第1実施形態よりもフレキシブル基板3に外力が加わったときの応力の集中を抑えて不良の発生を抑えることができる。また、フレキシブル基板3上に山形の凸状部5aが位置するようにしているので、従来例2に比べて、フレキシブル基板3を湾曲させ易い。従って、平面視における封止樹脂5及びフレキシブル基板3の面積を小さくすることができる。
【0072】
次に、図20A〜図25Bを参照しつつ、本発明の第5実施形態にかかる電極接合構造体の製造方法について説明する。図20Aは、第1封止樹脂の形成前の状態を示す平面図である。図20Bは、図20AのA6−A6断面図であり、第1封止樹脂形成予定部を洗浄するための洗浄機も示す図である。図21Aは、第1封止樹脂を塗布する様子を示す平面図である。図21Bは、図21AのA7−A7断面図であり、第1封止樹脂を塗布する封止樹脂塗布機も示す図である。図22Aは、第1封止樹脂の塗布を完了した状態を示す平面図である。図22Bは、図22AのA8−A8断面図であり、第1封止樹脂を硬化させるための紫外線照射機も示す図である。図23Aは、第2封止樹脂の形成前の状態を、図20Aとは反対側から見た平面図である。図23Bは、図23AのA9−A9断面図であり、第2封止樹脂形成予定部を洗浄するための洗浄機も示す図である。図24Aは、第2封止樹脂を塗布する様子を示す平面図である。図24Bは、図24AのA10−A10断面図であり、第2封止樹脂を塗布する封止樹脂塗布機も示す図である。図25Aは、第2封止樹脂の塗布を完了した状態を示す平面図である。図25Bは、図25AのA11−A11断面図であり、第2封止樹脂を硬化させるための紫外線照射機も示す図である。
【0073】
まず、図20A及び図20Bに示すように、各フレキシブル基板3の下面を支持台8で支持しながら、第1封止樹脂形成予定部6Aにプラズマ洗浄機7からアルゴンプラズマ7aを照射することにより、第1封止樹脂形成予定部6Aを洗浄して当該予定部6Aの濡れ性を向上させる。なお、第1封止樹脂形成予定部6Aの洗浄は、紫外線照射により行ってもよい。第1封止樹脂形成予定部6Aの洗浄後は、所定時間放置して、第1封止樹脂形成予定部6Aを乾燥させる。
【0074】
次いで、図21A及び図21Bに示すように、各フレキシブル基板3の下面を支持台8で支持しながら、封止樹脂塗布機9を用いて第1封止樹脂形成予定部6Aの全体に第1封止樹脂5Aを塗布する。このとき、第1封止樹脂形成予定部6Aのみ濡れ性が向上しているので、第1封止樹脂5Aは、図22Aに示すように第1封止樹脂形成予定部6Aのみに選択的に濡れ広がることとなる。また、このとき、互いに隣接するフレキシブル基板3,3間にも第1封止樹脂5Aが配置される。
【0075】
次いで、図22Bに示すように、紫外線照射機10より、例えば波長354nm、積算光量2000mJ以上の紫外線10aを第1封止樹脂5Aに照射して、第1封止樹脂5Aを硬化させる。
【0076】
次いで、本電極接合構造体を上下反転させ、図23A及び図23Bに示すように、第1封止樹脂5Aの一部を含む第2封止樹脂形成予定部6Bにプラズマ洗浄機7からアルゴンプラズマ7aを照射することにより、第2封止樹脂形成予定部6Bを洗浄して当該予定部6Bの濡れ性を向上させる。なお、第2封止樹脂形成予定部6Bの洗浄は、紫外線照射により行ってもよい。第2封止樹脂形成予定部6Bの洗浄後は、所定時間放置して、第2封止樹脂形成予定部6Bを乾燥させる。
【0077】
次いで、図24A及び図24Bに示すように、封止樹脂塗布機9を用いて第2封止樹脂形成予定部6Bの全体に第2封止樹脂5Bを塗布する。このとき、第2封止樹脂形成予定部6Bのみ濡れ性が向上しているので、第2封止樹脂5Bは、図25Aに示すように第2封止樹脂形成予定部6Bのみに選択的に濡れ広がることとなる。また、このとき、互いに隣接するフレキシブル基板3,3間に位置する第1封止樹脂5Aの一部と、第2封止樹脂5Bとが接触する。
【0078】
次いで、図25Bに示すように、紫外線照射機10より、例えば波長354nm、積算光量2000mJ以上の紫外線10aを第2封止樹脂5Bに照射して第2封止樹脂5Bを硬化させる。
これにより、図17〜図19に示す本第5実施形態にかかる電極接合構造体を製造することができる。
【0079】
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明にかかる電極接合構造体は、フレキシブル基板に外力が加わることによる不良の発生を抑えるとともに、平面視における封止樹脂及びフレキシブル基板の面積を小さくすることができるので、省スペースで且つ大画面化が求められるPDPなどのディスプレイ装置に有用である。
【符号の説明】
【0081】
1 第1ガラス基板
2 第2ガラス基板
3 フレキシブル基板
4 接着剤
5 封止樹脂
5A 第1封止樹脂
5B 第2封止樹脂
6 封止樹脂形成予定部
6A 第1封止樹脂形成予定部
6B 第2封止樹脂形成予定部
7 プラズマ洗浄機
7a アルゴンプラズマ
8 支持台
9 封止樹脂塗布機
10 紫外線照射機
10a 紫外線
11 棒状治具
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス基板上に形成された電極とフレキシブル基板上に形成された電極とを接着剤を用いて電気的に接合し、当該接合部分を外部に露出しないように封止樹脂で覆って構成される電極接合構造体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電極接合構造体は種々の構造のものが知られている。例えば、従来の電極接合体としては、図26及び図27に示すようなものがある。図26は、従来例1の電極接合構造体の平面図であり、図27は、その一部断面図である。
【0003】
従来例1の電極接合構造体は、矩形のガラス基板101と、平面視において、ガラス基板101のエッジ101bをまたぐように配置されるとともに、ガラス基板101のエッジ101bに沿って互いに隙間を空けて複数配置された矩形のフレキシブル基板102とを有している。ガラス基板101の表面には複数の電極101aがストライプ状に形成されている。ガラス基板101の上記表面と対向するフレキシブル基板102の表面には、電極101aに対応する位置に複数の電極102aが形成されている。ガラス基板101とフレキシブル基板102とは、絶縁性接着剤樹脂103a中に導電性粒子103bが分散されたACF(異方導電性シート)103によって接合され、ガラス基板101の電極101aとフレキシブル基板102の電極102aとは、導電性粒子103bを介して電気的に導通している。ガラス基板101とフレキシブル基板102との接合部分は、防湿の目的で封止樹脂104によって外部に露出しないように覆い隠されている。
【0004】
また、このような構造を有する電極接合構造体としては、特許文献1(特開平11−16502号公報)に記載されたものがある。図28は、特許文献1に記載された従来例2の電極接合構造体の平面図であり、図29は、その一部断面図である。
【0005】
従来例2の電極接合構造体は、ガラス基板101の厚み方向から見た平面視において、封止樹脂104のエッジ104aがガラス基板101のエッジ101bよりも外側に位置するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−16502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来例1の電極接合構造体においては、その製造工程時や他の装置への取付け時にフレキシブル基板102に外力が加わったときに、ガラス基板101のエッジ101bとフレキシブル基板102のエッジとの交点105付近に応力が集中して、フレキシブル基板102が破損したり、ガラス基板101とフレキシブル基板102との接合部分に剥離が生じたりする恐れがある。上記従来例1の電極接合構造体において、このような不良は約0.5%程度発生する。
【0008】
一方、従来例2の電極接合構造体では、ガラス基板101のエッジ101bとフレキシブル基板102のエッジとの交点105付近は封止樹脂104に覆われているため、当該交点105付近の応力集中を防止することができる。しかしながら、この場合、フレキシブル基板102は封止樹脂104に両面からしっかりと固定されているため、フレキシブル基板102のエッジと封止樹脂104との交点106付近で応力が集中することとなる。従って、上記不良を十分に抑えることはできない。
【0009】
また、従来例2の電極構造体をプラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)に利用する場合、すなわち、ガラス基板101をPDPの前面板又は背面板として利用する場合には、フレキシブル基板102と封止樹脂104とが存在する部分は画像の表示に関与しないので、平面視における当該部分の面積をできるだけ小さくすることが求められる。
【0010】
従来、この部分の面積を小さくするために、ガラス基板101の表面に対してフレキシブル基板102を湾曲(例えば90度以上)させることが一般に行われている。従来例1の電極接合構造体においては、フレキシブル基板102のガラス基板101のエッジ101bより外側の部分を湾曲させることができる。しかしながら、従来例2の電極接合構造体においては、フレキシブル基板102のガラス基板101のエッジ101bより外側の部分にも、所定長さ分、フレキシブル基板102の両面に封止樹脂104が存在している。このため、従来例2の電極接合構造体では、フレキシブル基板102の封止樹脂104に覆われている部分を湾曲させることが困難であり、上記面積を小さくすることができないという課題がある。
【0011】
本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、フレキシブル基板に外力が加わることによる不良の発生を抑えるとともに、平面視における封止樹脂及びフレキシブル基板の面積を小さくすることができる電極接合構造体及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、表面に複数の電極を有するガラス基板と、
平面視において、上記ガラス基板のエッジをまたぐように配置されるとともに、上記ガラス基板のエッジに沿って互いに隙間を空けて複数配置され、上記ガラス基板の上記表面と対向する表面に複数の電極を有するフレキシブル基板と、
上記ガラス基板の上記電極と上記それぞれのフレキシブル基板の上記電極とを電気的に接合する接着剤と、
上記ガラス基板と上記それぞれのフレキシブル基板との接合部分が外部に露出しないように覆い隠す封止樹脂と、
を備える電極接合構造体であって、
上記封止樹脂のエッジは、平面視において、上記ガラス基板のエッジと平行で且つ上記ガラス基板のエッジより外側に位置する仮想線を軸として山形の凸状部と凹状部とが交互に連続する波形状部分を有するとともに、上記凸状部が上記フレキシブル基板上に位置するように形成されている、
電極接合構造体を提供する。
【0013】
本発明の第2態様によれば、上記フレキシブル基板上の上記封止樹脂のエッジと上記フレキシブル基板のエッジとは鋭角に交差している、第1態様に記載の電極接合構造体を提供する。
【0014】
本発明の第3態様によれば、上記封止樹脂のエッジは、平面視において上記ガラス基板のエッジと上記フレキシブル基板のエッジとの交点を通る、第1又は2態様に記載の電極接合構造体を提供する。
【0015】
本発明の第4態様によれば、上記ガラス基板のエッジと直交する方向における上記凸状部の先端から上記凹状部の先端までの距離が1mm以上6mm以下である、第1〜3態様のいずれか1つに記載の電極接合構造体を提供する。
【0016】
本発明の第5態様によれば、上記封止樹脂は、上記ガラス基板のエッジを通り且つ上記ガラス基板の表面に対して垂直な面で切った断面における上記ガラス基板のエッジからの高さが均一になるように形成されている、第1〜4態様のいずれか1つに記載の電極接合構造体を提供する。
【0017】
本発明の第6態様によれば、上記凸部は、内側に凹む部分を少なくとも1つ有して複数の山形を有するように形成されている、第1〜5態様のいずれか1つに記載の電極接合構造体を提供する。
【0018】
本発明の第7態様によれば、上記凹み部分に対応する上記フレキシブル基板の一部に帯状のスリットが設けられている、第6態様に記載の電極接合構造体を提供する。
【0019】
本発明の第8態様によれば、互いに隣接する上記山形の頂部が上記凸部の最厚部の厚さの4倍以上の間隔を空けて配置されるように上記凸部が形成されている、第6又は7態様に記載の電極接合構造体を提供する。
【0020】
本発明の第9態様によれば、上記フレキシブル基板は、上記封止樹脂によって、上記ガラス基板との接合部分よりも外側の部分が湾曲した状態で保持されている、第1〜8態様のいずれか1つに記載の電極接合構造体を提供する。
【0021】
本発明の第10態様によれば、上記封止樹脂は、平面視において、上記ガラス基板の上記エッジより外側で互いに隣接する上記フレキシブル基板間にも存在するように形成されている、第1又は2態様に記載の電極接合構造体を提供する。
【0022】
本発明の第11態様によれば、ガラス基板のエッジをまたぐように配置するとともに上記ガラス基板のエッジに沿って互いに隙間を空けて配置した複数のフレキシブル基板と上記ガラス基板とを、各基板上に形成された電極が電気的に導通するように接着剤を用いて接合したのち、当該接合部分が外部に露出しないように封止樹脂を形成した電極接合構造体の製造方法であって、
上記封止樹脂の形成は、封止樹脂形成予定部を洗浄することにより濡れ性を向上させる処理を予め行った後に行い、
上記封止樹脂形成予定部のエッジは、平面視において、上記ガラス基板のエッジと平行で且つ上記ガラス基板のエッジより外側に位置する仮想線を軸として山形の凸状部と凹状部とが交互に連続する波形状部分を有するとともに、上記凸状部が上記フレキシブル基板上に位置している、
電極接合構造体の製造方法を提供する。
【0023】
本発明の第12態様によれば、上記フレキシブル基板上の上記封止樹脂のエッジと上記フレキシブル基板のエッジとは鋭角に交差している、第11態様に記載の電極接合構造体の製造方法を提供する。
【0024】
本発明の第13態様によれば、上記封止樹脂の形成は、上記フレキシブル基板の上記ガラス基板の上記エッジより外側の部分を湾曲させた状態で行う、第11又は12態様に記載の電極接合構造体の製造方法を提供する。
【0025】
本発明の第14態様によれば、上記封止樹脂の形成は、上記フレキシブル基板の一方の面側に第1封止樹脂を塗布して硬化させた後、上記フレキシブル基板の他方の面側に第2封止樹脂を塗布して硬化させることにより行う、第11〜13態様のいずれか1つに記載の電極接合構造体の製造方法を提供する。
【0026】
本発明の第15態様によれば、上記第1封止樹脂を塗布して硬化させるとき、上記それぞれのフレキシブル基板の他方の面を支持台で支持して互いに隣接する上記フレキシブル基板間にも上記第1封止樹脂が配置されるように塗布して硬化させ、
上記第2封止樹脂を塗布して硬化させるとき、上記互いに隣接するフレキシブル基板間で硬化させた上記第1封止樹脂上にも上記第2封止樹脂を塗布して硬化させる、第14態様に記載の電極接合構造体の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0027】
本発明の電極接合構造体及びその製造方法によれば、上記封止樹脂又は上記封止樹脂形成予定部のエッジが、平面視において、上記ガラス基板のエッジと平行で且つ上記ガラス基板のエッジより外側に位置する仮想線を軸として山形の凸状部と凹状部とが交互に連続する波形状部分を有するとともに、上記フレキシブル基板上に山形の上記凸状部が位置するように形成されているので、フレキシブル基板に外力が加わったときの応力の集中を抑えて不良の発生を抑えることができる。
【0028】
また、本発明の電極接合構造体及びその製造方法によれば、上記フレキシブル基板上に山形の上記凸状部が位置するようにしているので、従来例2に比べて、フレキシブル基板を湾曲させ易い。従って、平面視における封止樹脂及びフレキシブル基板の面積を小さくすることができる。
【0029】
また、本発明の電極接合構造体の製造方法によれば、上記封止樹脂の塗布形成は、封止樹脂形成予定部を洗浄して濡れ性を向上させる処理を予め行った後に行うようにしているので、上記封止樹脂の塗布形成が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる電極接合構造体の平面図である。
【図2】図1の一部拡大平面図である。
【図3】図1のA1−A1断面図である。
【図4】図1のB1−B1断面図である。
【図5】図1の電極接合構造体の斜視図である。
【図6A】本発明の第1実施形態にかかる電極接合構造体において、封止樹脂の形成前の状態を示す平面図である。
【図6B】図6AのA2−A2断面図である。
【図7A】本発明の第1実施形態にかかる電極接合構造体において、封止樹脂を塗布する様子を示す平面図である。
【図7B】図7AのA3−A3断面図である。
【図8A】本発明の第1実施形態にかかる電極接合構造体において、封止樹脂の塗布を完了した状態を示す平面図である。
【図8B】図8AのA4−A4断面図である。
【図9】本発明の第1実施形態にかかる電極接合構造体において、フレキシブル基板を挟ピッチに配置したときの状態を示す平面図である。
【図10】本発明の第2実施形態にかかる電極接合構造体の平面図である。
【図11】図11の一部拡大平面図である。
【図12】本発明の第3実施形態にかかる電極接合構造体の平面図である。
【図13】図12の一部拡大平面図である。
【図14】本発明の第4実施形態にかかる電極接合構造体の断面図である。
【図15A】本発明の第4実施形態にかかる電極接合構造体の製造方法を示す断面図である。
【図15B】図15Aに続く工程を示す断面図である。
【図15C】図15Bに続く工程を示す断面図である。
【図15D】図15Cに続く工程を示す断面図である。
【図16A】封止樹脂形成前の各フレキシブル基板の状態を示す斜視図である。
【図16B】各フレキシブル基板を一対の棒状の治具で挟んで互いに平行にした状態を示す斜視図である。
【図17】本発明の第5実施形態にかかる電極接合構造体の平面図である。
【図18】図17のA5−A5断面図である。
【図19】図17のB5−B5断面図である。
【図20A】本発明の第5実施形態にかかる電極接合構造体において、第1封止樹脂の形成前の状態を示す平面図である。
【図20B】図20AのA6−A6断面図である。
【図21A】本発明の第5実施形態にかかる電極接合構造体において、第1封止樹脂を塗布する様子を示す平面図である。
【図21B】図21AのA7−A7断面図である。
【図22A】本発明の第5実施形態にかかる電極接合構造体において、第1封止樹脂の塗布を完了した状態を示す平面図である。
【図22B】図22AのA8−A8断面図である。
【図23A】本発明の第5実施形態にかかる電極接合構造体において、第2封止樹脂の形成前の状態を、図20Aとは反対側から見た平面図である。
【図23B】図23AのA9−A9断面図である。
【図24A】本発明の第5実施形態にかかる電極接合構造体において、第2封止樹脂を塗布する様子を示す平面図である。
【図24B】図24AのA10−A10断面図である。
【図25A】本発明の第5実施形態にかかる電極接合構造体において、第2封止樹脂の塗布を完了した状態を示す平面図である。
【図25B】図25AのA11−A11断面図である。
【図26】従来例1の電極接合構造体の平面図である。
【図27】従来例1の電極接合構造体の一部断面図である。
【図28】従来例2の電極接合構造体の平面図である。
【図29】従来例2の電極接合構造体の一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の記述を続ける前に、添付図面において同じ部品については同じ参照符号を付している。
以下、本発明の最良の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0032】
《第1実施形態》
図1は、本発明の第1実施形態にかかる電極接合構造体の構成を示す平面図である。図2は、図1の点線で囲まれた部分の拡大平面図である。図3は、図1のA1−A1断面図であり、図4は、図1のB1−B1断面図である。図5は、図1の電極接合構造体の斜視図である。本第1実施形態にかかる電極接合構造体は、PDPに利用されるものである。
【0033】
図1において、本第1実施形態にかかる電極接合構造体は、矩形の第1ガラス基板1と、第2ガラス基板1に対向配置された矩形の第2ガラス基板2と、第1ガラス基板1に接合された複数の矩形のフレキシブル基板3とを有している。
【0034】
第1ガラス基板1及び第2ガラス基板2のいずれか一方はPDP用前面板であり、それらのいずれか他方はPDP用背面板である。第1ガラス基板1と第2ガラス基板2とは、例えば1.8mmの厚さを有し、接着剤(図示せず)によって互いに接着されている。第1ガラス基板1には、複数の帯状の電極、例えば銀電極(図示せず)がストライプ状に形成されている。
【0035】
複数のフレキシブル基板3は、平面視において、第1ガラス基板1のエッジ1aをまたぐように配置されるとともに、第1ガラス基板1のエッジ1aに沿って互いに隙間を空けて配置されている。また、各フレキシブル基板3は、それぞれの長手方向のエッジ3aが第1ガラス基板1のエッジ1aと直交するように配置されている。フレキシブル基板3の材料としては、例えばポリイミドを使用することができる。各フレキシブル基板3の第1ガラス基板1の電極と対向する表面には、第1ガラス基板1の銀電極と対応する位置に複数の帯状の電極、例えば銅電極(図示せず)がストライプ状に形成されている。
【0036】
第1ガラス基板1の銀電極とフレキシブル基板3の銅電極とは、図3に示すように、半田やACF(異方導電性シート)などの接着剤4にて電気的に接合されている。第1ガラス基板1とフレキシブル基板3との接合部分は、防湿の目的で封止樹脂5によって外部に露出しないように覆い隠されている。
【0037】
封止樹脂5は、図1に示すように、平面視において、第1ガラス基板1のエッジ1aと平行で且つ第1ガラス基板1のエッジ1aより外側に位置する仮想線L1を軸として山形の凸状部5aと凹状部5bとが交互に連続する波形状部分を有している。また、各凸状部5aは、フレキシブル基板3上に位置するように形成されている。フレキシブル基板3上の封止樹脂5のエッジ5aとフレキシブル基板3のエッジ3aとは鋭角に交差している。すなわち、フレキシブル基板3上の封止樹脂5のエッジ5aとフレキシブル基板3のエッジ3aとが成す角度θは90度未満に設定されている。また、角度θは、0度に近づく程及び90度に近づく程、応力緩和効果(応力集中を防ぐ効果)が低くなる。例えば、角度θが10度未満である場合及び80度未満である場合、応力緩和効果は20%未満となる。一方、角度θが30度以上60度以下である場合、50%以上の応力緩和効果が期待できる。このため、角度θは、10度以上80度以下であることが好ましく、30度以上60度以下であることがより好ましい。
【0038】
また、封止樹脂5のエッジ5aは、応力が集中する点、すなわち平面視において第1ガラス基板1のエッジ1aとフレキシブル基板3のエッジ3aとの交点P1を通ることが好ましい。これにより、効率的に応力を緩和することができる。
【0039】
また、第1ガラス基板1のエッジ1aと直交する方向における凸状部5aの先端から凹状部5bの先端までの距離W1は1mm以上6mm以下であることが好ましい。距離W1が1mm未満であるとき、応力緩和効果を十分に得ることができない。また、距離W1が6mmより大きいとき、フレキシブル基板3を湾曲させることができる部分が小さくなる。このため、平面視においてフレキシブル基板3及び封止樹脂5が存在する部分の面積を小さくすることができず、省スペースで且つ大画面のディスプレイ装置を実現することが困難になる。
【0040】
また、封止樹脂5は、後で詳しく説明するように、第1ガラス基板1のエッジ1aを通り且つ第1ガラス基板1の表面に対して垂直な面で切った断面における第1ガラス基板1のエッジ1aからの高さが略均一になるように形成されている。
【0041】
封止樹脂5の材料としては、UV硬化樹脂やシリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を使用することができる。
【0042】
なお、封止樹脂5は、第2ガラス基板2の側面に濡れあがることで当該側面を物理的ダメージから保護する役割も持つ。このため、本第1実施形態では、図3及び図4に示すように封止樹脂5を形成したが、第2ガラス基板2の側面全体を保護できるように、封止樹脂5は、当該側面を越えて第2ガラス基板2の上面側に0.5mm程度濡れあがるように形成されても良い。
【0043】
次に、図6A〜図9を用いて、本発明の第1実施形態にかかる電極接合構造体の製造方法について説明する。封止樹脂5の形成方法以外は、従来から周知の電極接合構造体の製造方法と同様である。このため、ここでは、封止樹脂5の形成前の状態、すなわち第1ガラス基板1とフレキシブル基板3とを接着剤4にて接合した状態から説明する。また、ここでは、封止樹脂5の材料として、アクリル系のUV硬化樹脂を用いた例を説明する。
【0044】
図6Aは、封止樹脂の形成前の状態を示す平面図である。図6Bは、図6AのA2−A2断面図であり、封止樹脂形成予定部を洗浄するための洗浄機も示す図である。図7Aは、封止樹脂を塗布する様子を示す平面図である。図7Bは、図7AのA3−A3断面図であり、封止樹脂を塗布する封止樹脂塗布機も示す図である。図8Aは、封止樹脂の塗布を完了した状態を示す平面図である。図8Bは、図8AのA4−A4断面図であり、封止樹脂を硬化させるための紫外線照射機も示す図である。
【0045】
まず、図6A及び図6Bに示すように、封止樹脂5と同形状の封止樹脂形成予定部6にプラズマ洗浄機7からアルゴンプラズマ7aを照射することにより、封止樹脂形成予定部6を洗浄して当該予定部6の濡れ性を向上させる。なお、このとき、アルゴンプラズマ7aに酸素を添加することで、洗浄能力を向上させることができる。また、封止樹脂形成予定部6の洗浄は、紫外線照射により行ってもよい。また、封止樹脂形成予定部6の洗浄は、各フレキシブル基板3の下面を支持台8で支持しながら行ってもよい。
【0046】
封止樹脂形成予定部6の洗浄後は、所定時間(例えば30秒間)放置して、封止樹脂形成予定部6を乾燥させる。なお、当該乾燥は、クリーンルームに所定時間(最大4時間)放置することにより行ってもよい。
【0047】
次いで、図7A及び図7Bに示すように、各フレキシブル基板3の下面を支持台8で支持しながら、封止樹脂塗布機9を用いて封止樹脂形成予定部6の全体に封止樹脂5を塗布する。ここで、封止樹脂5の材料としては、流動性をあるもの、例えば36度における粘度が3.6PaS程度のものを用いる。これにより、封止樹脂5の塗布温度を36度とすれば、封止樹脂5は上記濡れ性が向上した部分にのみ選択的に濡れ広がることとなり、プラズマ洗浄機7を封止樹脂形成予定部6のエッジの波形状部分に沿って移動させるなどの必要性をなくすことができる。すなわち、封止樹脂塗布機9を直線的に移動させるだけで、封止樹脂5のエッジが波形状部分を有するように形成することができる。
【0048】
なお、このとき、封止樹脂5は、封止樹脂形成予定部6の凸状部に流動するため、第1ガラス基板1のエッジ1aを通り且つ第1ガラス基板1の表面に対して垂直な面で切った断面における第1ガラス基板1のエッジ1aからの高さが均一になるように形成される。これに対して、封止樹脂形成予定部6に凸状部が形成されていない場合には、封止樹脂5が第1ガラス基板1のエッジ1aの上方で滞留し、上記断面における第1ガラス基板1のエッジ1aからの高さが不均一になる。
【0049】
図8Aに示すように、封止樹脂5が封止樹脂形成予定部6の全体に濡れ広がった後、図8Bに示すように、紫外線照射機10より、例えば波長354nm、積算光量2000mJ以上の紫外線10aを封止樹脂5に照射して封止樹脂5を硬化させる。
【0050】
これにより、図1〜図5に示す本第1実施形態にかかる電極接合構造体を製造することができる。
【0051】
なお、上記では、封止樹脂塗布機9を用いて封止樹脂形成予定部6に封止樹脂5を配置する例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、封止樹脂形成予定部6と同形状の貫通穴を設けた印刷用マスクを用いて、印刷法により封止樹脂形成予定部6に封止樹脂5を形成するようにしてもよい。
【0052】
本発明の第1実施形態によれば、封止樹脂5のエッジが、平面視において、第1ガラス基板1のエッジ1aと平行で且つ第1ガラス基板1のエッジ1aより外側に位置する仮想線L1を軸として山形の凸状部5aと凹状部5bとが交互に連続する波形状部分を有するとともに、各フレキシブル基板3上に山形の凸状部5aが位置するように形成されているので、フレキシブル基板3に外力が加わったときの応力の集中を抑えて不良の発生を抑えることができる。
【0053】
また、本発明の第1実施形態によれば、フレキシブル基板3上に山形の凸状部5aが位置するようにしているので、従来例2に比べて、フレキシブル基板3を湾曲させ易い。従って、平面視における封止樹脂5及びフレキシブル基板3の面積を小さくすることができる。
【0054】
また、本発明の第1実施形態によれば、封止樹脂5の塗布形成は、封止樹脂形成予定部6を洗浄して濡れ性を向上させる処理を予め行った後に行うようにしているので、封止樹脂5の塗布形成が容易である。
【0055】
なお、図1及び図5では、フレキシブル基板3,3の配置間隔を比較的広く空けて示したが、PDPにおいて当該配置間隔は一般に狭くなっている。例えば、ガラス基板1のエッジ1aと平行な方向におけるフレキシブル基板3の幅は7.0cmであり、互いに隣接するフレキシブル基板3,3の隙間は0.5cm〜1.0cmである。この場合、封止樹脂5は、図9に示すように配置されることになる。
【0056】
《第2実施形態》
図10は、本発明の第2実施形態にかかる電極接合構造体を示す平面図である。図11は、図10の点線で囲まれた部分の拡大平面図である。本第2実施形態にかかる電極接合構造体が上記第1実施形態にかかる電極接合構造体と異なる点は、封止樹脂5の凸部5aが、内側に凹む部分5cを有して2つの山形で形成されている点である。
凸部5aに凹み部分5cが形成されることで、フレキシブル基板3に外力が加わったときの応力の集中を抑えて不良の発生を抑えることができるとともに、上記第1実施形態に比べて、フレキシブル基板3を湾曲させ易くなる。従って、平面視における封止樹脂5及びフレキシブル基板3の面積を、上記第1実施形態より小さくすることができる。
【0057】
《第3実施形態》
図12は、本発明の第3実施形態にかかる電極接合構造体を示す平面図である。図13は、図12の点線で囲まれた部分の拡大平面図である。本第3実施形態にかかる電極接合構造体が上記第1実施形態にかかる電極接合構造体と異なる点は、フレキシブル基板3に2つの帯状のスリット3bが設けられ、封止樹脂5の凸部5aが内側に凹む部分5cを2つ有して3つの山形で形成されている点である。
【0058】
第1ガラス基板1のエッジ1aと直交する方向にスリット3bがフレキブル基板3に設けられることで、フレキシブル基板3をさらに容易に湾曲させ易くなる。また、スリット3bを避けるように凸部5aに凹み部分5cを形成されることで、フレキシブル基板3に外力が加わったときの応力の集中を抑えて不良の発生を抑えることができるとともに、上記第1実施形態に比べて、フレキシブル基板3を湾曲させ易くなる。従って、平面視における封止樹脂5及びフレキシブル基板3の面積を、上記第1実施形態より小さくすることができる。
【0059】
なお、上記では凹み部分5cを2つ設けて凸部5aが3つの山形で形成されるように構成したが、本発明はこれに限定されない。凹み部分5cを3つ以上設けて凸部5aが4つ以上の山形で形成されるように構成してもよい。但し、この場合、山形の幅が小さくなればなるほど、フレキシブル基板3から剥離し易くなる。このため、互いに隣接する山形の頂部5d,5dが凸部5aの最厚部の厚さの4倍以上の間隔を空けて配置されるように凸部5aを形成することが好ましい。例えば、凸部5aの最厚部の厚さが1.8mmであるとき、山形の頂部5d,5dの間隔W1は7.2mm以上であることが好ましい。これにより、山形の幅を広く確保することができ、山形がフレキシブル基板3から剥離することを抑えることができる。なお、凸部5aの最厚部の厚さは、例えば図3に示す例では、第2ガラス基板3の厚さと一致する。
【0060】
《第4実施形態》
図14は、本発明の第4実施形態にかかる電極接合構造体を示す断面図である。本第4実施形態にかかる電極接合構造体が上記第1実施形態にかかる電極接合構造体と異なる点は、フレキシブル基板3が、封止樹脂5によって第1ガラス基板1との接合部分よりも外側の部分が湾曲した状態で保持されている点である。
【0061】
このように封止樹脂5が形成されることにより、平面視における封止樹脂5及びフレキシブル基板3の面積を、上記第1実施形態よりも確実に小さくすることができる。
【0062】
次に、図15A〜図15D、図16A及び図16Bを参照しつつ、本発明の第4実施形態にかかる電極接合構造体の製造方法について説明する。図15A〜図15Dは、本第4実施形態にかかる電極接合構造体の製造方法を示す断面図である。図16Aは、封止樹脂形成前の各フレキシブル基板の状態を示す斜視図であり、図16Bは、各フレキシブル基板を一対の棒状治具で挟んで互いに平行にした状態を示す斜視図である。
【0063】
まず、図15Aに示すように、封止樹脂形成予定部6にプラズマ洗浄機7からアルゴンプラズマ7aを照射することにより、封止樹脂形成予定部6を洗浄して当該予定部6の濡れ性を向上させる。なお、封止樹脂形成予定部6の洗浄は、紫外線照射により行ってもよい。また、封止樹脂形成予定部6の洗浄は、各フレキシブル基板3の下面を支持台8で支持しながら行ってもよい。
【0064】
封止樹脂形成予定部6の洗浄後は、所定時間放置して、封止樹脂形成予定部6を乾燥させる。このとき、各フレキシブル基板3は、それぞれ片持ち状態で第1ガラス基板1に保持されているので、図16Aに示すように、第1ガラス基板1の表面に対する角度がバラバラの状態にある。
【0065】
次いで、図16Bに示すように、各フレキシブル基板3を一対の棒状治具11,11で挟んで互いに平行にする。この状態で一対の棒状治具11,11を移動させ、図15Bに示すように各フレキシブル基板3を湾曲させる。
【0066】
次いで、図15Cに示すように、各フレキシブル基板3が湾曲した状態で、封止樹脂塗布機9を用いて封止樹脂形成予定部6の全体に封止樹脂5を塗布する。このとき、封止樹脂形成予定部6のみ濡れ性が向上しているので、封止樹脂5は封止樹脂形成予定部6のみに選択的に濡れ広がることとなる。なお、このとき、封止樹脂5の材料としては、重力により封止樹脂形成予定部6から落下しないような粘度のものを用いることが好ましい。
【0067】
封止樹脂5が封止樹脂形成予定部6の全体に濡れ広がった後、図15Dに示すように、紫外線照射機10より、例えば波長354nm、積算光量2000mJ以上の紫外線10aを封止樹脂5に照射して封止樹脂5を硬化させる。これにより、図14に示す本第4実施形態にかかる電極接合構造体を製造することができる。
【0068】
《第5実施形態》
図17は、本発明の第5実施形態にかかる電極接合構造体を示す平面図である。図18は、図17のA5−A5断面図であり、図19は、図17のB5−B5断面図である。本第5実施形態にかかる電極接合構造体が上記第1実施形態にかかる電極接合構造体と異なる点は、封止樹脂5が、各フレキシブル基板3の両面に形成されるとともに、平面視において第1ガラス基板1のエッジ1aより外側で互いに隣接するフレキシブル基板3,3間にも存在するように形成されている点である。
【0069】
封止樹脂5は、図17に示すように、平面視において、第1ガラス基板1のエッジ1aと平行で且つ第1ガラス基板1のエッジ1aより外側に位置する仮想線L2を軸として山形の凸状部5aと凹状部5bとが交互に連続する波形状部分を有している。また、各凸状部5aは、フレキシブル基板3上に位置するように形成されている。フレキシブル基板3上の封止樹脂5のエッジ5aとフレキシブル基板3のエッジ3aとは鋭角に交差している。
【0070】
また、封止樹脂5は、各フレキシブル基板3の上面側に形成される第1封止樹脂5Aと、各フレキシブル基板3の下面(第1ガラス基板1の表面と対向する面)側に形成される第2封止樹脂5Bとで構成されている。第1封止樹脂5Aと第2封止樹脂5Bとは、互いに隣接するフレキシブル基板3,3間で互いに接触して一体化されている。
【0071】
このように封止樹脂5が形成されることにより、上記第1実施形態よりもフレキシブル基板3に外力が加わったときの応力の集中を抑えて不良の発生を抑えることができる。また、フレキシブル基板3上に山形の凸状部5aが位置するようにしているので、従来例2に比べて、フレキシブル基板3を湾曲させ易い。従って、平面視における封止樹脂5及びフレキシブル基板3の面積を小さくすることができる。
【0072】
次に、図20A〜図25Bを参照しつつ、本発明の第5実施形態にかかる電極接合構造体の製造方法について説明する。図20Aは、第1封止樹脂の形成前の状態を示す平面図である。図20Bは、図20AのA6−A6断面図であり、第1封止樹脂形成予定部を洗浄するための洗浄機も示す図である。図21Aは、第1封止樹脂を塗布する様子を示す平面図である。図21Bは、図21AのA7−A7断面図であり、第1封止樹脂を塗布する封止樹脂塗布機も示す図である。図22Aは、第1封止樹脂の塗布を完了した状態を示す平面図である。図22Bは、図22AのA8−A8断面図であり、第1封止樹脂を硬化させるための紫外線照射機も示す図である。図23Aは、第2封止樹脂の形成前の状態を、図20Aとは反対側から見た平面図である。図23Bは、図23AのA9−A9断面図であり、第2封止樹脂形成予定部を洗浄するための洗浄機も示す図である。図24Aは、第2封止樹脂を塗布する様子を示す平面図である。図24Bは、図24AのA10−A10断面図であり、第2封止樹脂を塗布する封止樹脂塗布機も示す図である。図25Aは、第2封止樹脂の塗布を完了した状態を示す平面図である。図25Bは、図25AのA11−A11断面図であり、第2封止樹脂を硬化させるための紫外線照射機も示す図である。
【0073】
まず、図20A及び図20Bに示すように、各フレキシブル基板3の下面を支持台8で支持しながら、第1封止樹脂形成予定部6Aにプラズマ洗浄機7からアルゴンプラズマ7aを照射することにより、第1封止樹脂形成予定部6Aを洗浄して当該予定部6Aの濡れ性を向上させる。なお、第1封止樹脂形成予定部6Aの洗浄は、紫外線照射により行ってもよい。第1封止樹脂形成予定部6Aの洗浄後は、所定時間放置して、第1封止樹脂形成予定部6Aを乾燥させる。
【0074】
次いで、図21A及び図21Bに示すように、各フレキシブル基板3の下面を支持台8で支持しながら、封止樹脂塗布機9を用いて第1封止樹脂形成予定部6Aの全体に第1封止樹脂5Aを塗布する。このとき、第1封止樹脂形成予定部6Aのみ濡れ性が向上しているので、第1封止樹脂5Aは、図22Aに示すように第1封止樹脂形成予定部6Aのみに選択的に濡れ広がることとなる。また、このとき、互いに隣接するフレキシブル基板3,3間にも第1封止樹脂5Aが配置される。
【0075】
次いで、図22Bに示すように、紫外線照射機10より、例えば波長354nm、積算光量2000mJ以上の紫外線10aを第1封止樹脂5Aに照射して、第1封止樹脂5Aを硬化させる。
【0076】
次いで、本電極接合構造体を上下反転させ、図23A及び図23Bに示すように、第1封止樹脂5Aの一部を含む第2封止樹脂形成予定部6Bにプラズマ洗浄機7からアルゴンプラズマ7aを照射することにより、第2封止樹脂形成予定部6Bを洗浄して当該予定部6Bの濡れ性を向上させる。なお、第2封止樹脂形成予定部6Bの洗浄は、紫外線照射により行ってもよい。第2封止樹脂形成予定部6Bの洗浄後は、所定時間放置して、第2封止樹脂形成予定部6Bを乾燥させる。
【0077】
次いで、図24A及び図24Bに示すように、封止樹脂塗布機9を用いて第2封止樹脂形成予定部6Bの全体に第2封止樹脂5Bを塗布する。このとき、第2封止樹脂形成予定部6Bのみ濡れ性が向上しているので、第2封止樹脂5Bは、図25Aに示すように第2封止樹脂形成予定部6Bのみに選択的に濡れ広がることとなる。また、このとき、互いに隣接するフレキシブル基板3,3間に位置する第1封止樹脂5Aの一部と、第2封止樹脂5Bとが接触する。
【0078】
次いで、図25Bに示すように、紫外線照射機10より、例えば波長354nm、積算光量2000mJ以上の紫外線10aを第2封止樹脂5Bに照射して第2封止樹脂5Bを硬化させる。
これにより、図17〜図19に示す本第5実施形態にかかる電極接合構造体を製造することができる。
【0079】
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明にかかる電極接合構造体は、フレキシブル基板に外力が加わることによる不良の発生を抑えるとともに、平面視における封止樹脂及びフレキシブル基板の面積を小さくすることができるので、省スペースで且つ大画面化が求められるPDPなどのディスプレイ装置に有用である。
【符号の説明】
【0081】
1 第1ガラス基板
2 第2ガラス基板
3 フレキシブル基板
4 接着剤
5 封止樹脂
5A 第1封止樹脂
5B 第2封止樹脂
6 封止樹脂形成予定部
6A 第1封止樹脂形成予定部
6B 第2封止樹脂形成予定部
7 プラズマ洗浄機
7a アルゴンプラズマ
8 支持台
9 封止樹脂塗布機
10 紫外線照射機
10a 紫外線
11 棒状治具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に複数の電極を有するガラス基板と、
平面視において、上記ガラス基板のエッジをまたぐように配置されるとともに、上記ガラス基板のエッジに沿って互いに隙間を空けて複数配置され、上記ガラス基板の上記表面と対向する表面に複数の電極を有するフレキシブル基板と、
上記ガラス基板の上記電極と上記それぞれのフレキシブル基板の上記電極とを電気的に接合する接着剤と、
上記ガラス基板と上記それぞれのフレキシブル基板との接合部分が外部に露出しないように覆い隠す封止樹脂と、
を備える電極接合構造体であって、
上記封止樹脂のエッジは、平面視において、上記ガラス基板のエッジと平行で且つ上記ガラス基板のエッジより外側に位置する仮想線を軸として山形の凸状部と凹状部とが交互に連続する波形状部分を有するとともに、上記凸状部が上記フレキシブル基板上に位置するように形成されている、
電極接合構造体。
【請求項2】
上記フレキシブル基板上の上記封止樹脂のエッジと上記フレキシブル基板のエッジとは鋭角に交差している、請求項1に記載の電極接合構造体。
【請求項3】
上記封止樹脂のエッジは、平面視において上記ガラス基板のエッジと上記フレキシブル基板のエッジとの交点を通る、請求項1又は2に記載の電極接合構造体。
【請求項4】
上記ガラス基板のエッジと直交する方向における上記凸状部の先端から上記凹状部の先端までの距離が1mm以上6mm以下である、請求項1〜3のいずれか1つに記載の電極接合構造体。
【請求項5】
上記封止樹脂は、上記ガラス基板のエッジを通り且つ上記ガラス基板の表面に対して垂直な面で切った断面における上記ガラス基板のエッジからの高さが均一になるように形成されている、請求項1〜4のいずれか1つに記載の電極接合構造体。
【請求項6】
上記凸部は、内側に凹む部分を少なくとも1つ有して複数の山形を有するように形成されている、請求項1〜5のいずれか1つに記載の電極接合構造体。
【請求項7】
上記凹み部分に対応する上記フレキシブル基板の一部に帯状のスリットが設けられている、請求項6に記載の電極接合構造体。
【請求項8】
互いに隣接する上記山形の頂部が上記凸部の最厚部の厚さの4倍以上の間隔を空けて配置されるように上記凸部が形成されている、請求項6又は7に記載の電極接合構造体。
【請求項9】
上記フレキシブル基板は、上記封止樹脂によって、上記ガラス基板との接合部分よりも外側の部分が湾曲した状態で保持されている、請求項1〜8のいずれか1つに記載の電極接合構造体。
【請求項10】
上記封止樹脂は、平面視において、上記ガラス基板の上記エッジより外側で互いに隣接する上記フレキシブル基板間にも存在するように形成されている、請求項1又は2に記載の電極接合構造体。
【請求項11】
ガラス基板のエッジをまたぐように配置するとともに上記ガラス基板のエッジに沿って互いに隙間を空けて配置した複数のフレキシブル基板と上記ガラス基板とを、各基板上に形成された電極が電気的に導通するように接着剤を用いて接合したのち、当該接合部分が外部に露出しないように封止樹脂を形成した電極接合構造体の製造方法であって、
上記封止樹脂の形成は、封止樹脂形成予定部を洗浄することにより濡れ性を向上させる処理を予め行った後に行い、
上記封止樹脂形成予定部のエッジは、平面視において、上記ガラス基板のエッジと平行で且つ上記ガラス基板のエッジより外側に位置する仮想線を軸として山形の凸状部と凹状部とが交互に連続する波形状部分を有するとともに、上記凸状部が上記フレキシブル基板上に位置している、
電極接合構造体の製造方法。
【請求項12】
上記フレキシブル基板上の上記封止樹脂のエッジと上記フレキシブル基板のエッジとは鋭角に交差している、請求項11に記載の電極接合構造体の製造方法。
【請求項13】
上記封止樹脂の形成は、上記フレキシブル基板の上記ガラス基板の上記エッジより外側の部分を湾曲させた状態で行う、請求項11又は12に記載の電極接合構造体の製造方法。
【請求項14】
上記封止樹脂の形成は、上記フレキシブル基板の一方の面側に第1封止樹脂を塗布して硬化させた後、上記フレキシブル基板の他方の面側に第2封止樹脂を塗布して硬化させることにより行う、請求項11〜13のいずれか1つに記載の電極接合構造体の製造方法。
【請求項15】
上記第1封止樹脂を塗布して硬化させるとき、上記それぞれのフレキシブル基板の他方の面を支持台で支持して互いに隣接する上記フレキシブル基板間にも上記第1封止樹脂が配置されるように塗布して硬化させ、
上記第2封止樹脂を塗布して硬化させるとき、上記互いに隣接するフレキシブル基板間で硬化させた上記第1封止樹脂上にも上記第2封止樹脂を塗布して硬化させる、請求項14に記載の電極接合構造体の製造方法。
【請求項1】
表面に複数の電極を有するガラス基板と、
平面視において、上記ガラス基板のエッジをまたぐように配置されるとともに、上記ガラス基板のエッジに沿って互いに隙間を空けて複数配置され、上記ガラス基板の上記表面と対向する表面に複数の電極を有するフレキシブル基板と、
上記ガラス基板の上記電極と上記それぞれのフレキシブル基板の上記電極とを電気的に接合する接着剤と、
上記ガラス基板と上記それぞれのフレキシブル基板との接合部分が外部に露出しないように覆い隠す封止樹脂と、
を備える電極接合構造体であって、
上記封止樹脂のエッジは、平面視において、上記ガラス基板のエッジと平行で且つ上記ガラス基板のエッジより外側に位置する仮想線を軸として山形の凸状部と凹状部とが交互に連続する波形状部分を有するとともに、上記凸状部が上記フレキシブル基板上に位置するように形成されている、
電極接合構造体。
【請求項2】
上記フレキシブル基板上の上記封止樹脂のエッジと上記フレキシブル基板のエッジとは鋭角に交差している、請求項1に記載の電極接合構造体。
【請求項3】
上記封止樹脂のエッジは、平面視において上記ガラス基板のエッジと上記フレキシブル基板のエッジとの交点を通る、請求項1又は2に記載の電極接合構造体。
【請求項4】
上記ガラス基板のエッジと直交する方向における上記凸状部の先端から上記凹状部の先端までの距離が1mm以上6mm以下である、請求項1〜3のいずれか1つに記載の電極接合構造体。
【請求項5】
上記封止樹脂は、上記ガラス基板のエッジを通り且つ上記ガラス基板の表面に対して垂直な面で切った断面における上記ガラス基板のエッジからの高さが均一になるように形成されている、請求項1〜4のいずれか1つに記載の電極接合構造体。
【請求項6】
上記凸部は、内側に凹む部分を少なくとも1つ有して複数の山形を有するように形成されている、請求項1〜5のいずれか1つに記載の電極接合構造体。
【請求項7】
上記凹み部分に対応する上記フレキシブル基板の一部に帯状のスリットが設けられている、請求項6に記載の電極接合構造体。
【請求項8】
互いに隣接する上記山形の頂部が上記凸部の最厚部の厚さの4倍以上の間隔を空けて配置されるように上記凸部が形成されている、請求項6又は7に記載の電極接合構造体。
【請求項9】
上記フレキシブル基板は、上記封止樹脂によって、上記ガラス基板との接合部分よりも外側の部分が湾曲した状態で保持されている、請求項1〜8のいずれか1つに記載の電極接合構造体。
【請求項10】
上記封止樹脂は、平面視において、上記ガラス基板の上記エッジより外側で互いに隣接する上記フレキシブル基板間にも存在するように形成されている、請求項1又は2に記載の電極接合構造体。
【請求項11】
ガラス基板のエッジをまたぐように配置するとともに上記ガラス基板のエッジに沿って互いに隙間を空けて配置した複数のフレキシブル基板と上記ガラス基板とを、各基板上に形成された電極が電気的に導通するように接着剤を用いて接合したのち、当該接合部分が外部に露出しないように封止樹脂を形成した電極接合構造体の製造方法であって、
上記封止樹脂の形成は、封止樹脂形成予定部を洗浄することにより濡れ性を向上させる処理を予め行った後に行い、
上記封止樹脂形成予定部のエッジは、平面視において、上記ガラス基板のエッジと平行で且つ上記ガラス基板のエッジより外側に位置する仮想線を軸として山形の凸状部と凹状部とが交互に連続する波形状部分を有するとともに、上記凸状部が上記フレキシブル基板上に位置している、
電極接合構造体の製造方法。
【請求項12】
上記フレキシブル基板上の上記封止樹脂のエッジと上記フレキシブル基板のエッジとは鋭角に交差している、請求項11に記載の電極接合構造体の製造方法。
【請求項13】
上記封止樹脂の形成は、上記フレキシブル基板の上記ガラス基板の上記エッジより外側の部分を湾曲させた状態で行う、請求項11又は12に記載の電極接合構造体の製造方法。
【請求項14】
上記封止樹脂の形成は、上記フレキシブル基板の一方の面側に第1封止樹脂を塗布して硬化させた後、上記フレキシブル基板の他方の面側に第2封止樹脂を塗布して硬化させることにより行う、請求項11〜13のいずれか1つに記載の電極接合構造体の製造方法。
【請求項15】
上記第1封止樹脂を塗布して硬化させるとき、上記それぞれのフレキシブル基板の他方の面を支持台で支持して互いに隣接する上記フレキシブル基板間にも上記第1封止樹脂が配置されるように塗布して硬化させ、
上記第2封止樹脂を塗布して硬化させるとき、上記互いに隣接するフレキシブル基板間で硬化させた上記第1封止樹脂上にも上記第2封止樹脂を塗布して硬化させる、請求項14に記載の電極接合構造体の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図21A】
【図21B】
【図22A】
【図22B】
【図23A】
【図23B】
【図24A】
【図24B】
【図25A】
【図25B】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図21A】
【図21B】
【図22A】
【図22B】
【図23A】
【図23B】
【図24A】
【図24B】
【図25A】
【図25B】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2010−170086(P2010−170086A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−245208(P2009−245208)
【出願日】平成21年10月26日(2009.10.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月26日(2009.10.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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