説明

電極

【課題】金属端子へのボルトの仮固定を容易に行なうことができる電極構造およびバッテリ装置の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る電極21は、電池モジュール本体から延出する金属端子41と、抜け止めを構成する拡大部35を後端部に有し、金属端子41を上向きに貫通するボルト31と、金属端子41と電池モジュールの筐体との間を絶縁する絶縁体43とを備え、絶縁体43は、ボルト31の拡大部35の少なくとも下面に当接して金属端子41からのボルト31の脱落を防止する脱落防止部45を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電極構造およびバッテリ装置の製造方法に関し、より詳しくは、電池モジュールをバスバーに接続するための電極構造およびバスバーが接続されるバッテリ装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車両や電気自動車に搭載されるバッテリ装置は、直列または並列に接続された複数の電池モジュールを有している。複数の電池モジュール相互間は、バスバーにより接続される。電池モジュールには、バスバーに接続するための電極が設けられている。
【0003】
バスバーに接続するために、電極の金属端子にはボルトが取り付けられている。金属端子に取り付けられたボルトは、バスバーを貫通し、ナットと螺合することでバスバーを強固に固定する。
【0004】
電極にバスバーを取り付ける工程を考えると、金属端子には予めボルトを仮固定しておくことが好ましい。このようなボルトの仮固定としては、金属端子に設けられた貫通孔にボルトを圧入しておくことが考えられる。
【0005】
このようなバスバーで接続された電池モジュールを開示したものとして特開2002−8627号公報(特許文献1)がある。特許文献1は、複数の筒状の電池モジュールを、プレート状のバスバーで接続している。
【0006】
一方、特開平7−226197号公報(特許文献2)には、電極板と中継リードの接続部との間に幅または厚みを小さくした折曲容易部を設けた、携帯可能な電気機器のための電池が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−8627号公報
【特許文献2】特開平7−226197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
金属端子にボルトを仮固定するため、金属端子にボルトを圧入する場合には、圧入工程において金属端子の締結面が変形することがあるという問題がある。また、ボルトを仮固定するために、金属端子にボルトを圧入する工程が必要となり、工程増加の一因となるという問題がある。
【0009】
この発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、金属端子へのボルトの仮固定を容易に行なうことができる電極構造およびバッテリ装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に基づいた電極構造に従えば、電池モジュールをバスバーに接続するための電極構造であって、電池モジュール本体から延出する金属端子と、抜け止めを構成する拡大部を後端部に有し、上記金属端子を上向きに貫通するボルトと、上記金属端子と電池モジュールの筐体との間を絶縁する絶縁体とを備え、上記絶縁体は、上記ボルトの拡大部に少なくとも下方から当接して上記金属端子からの上記ボルトの脱落を防止する脱落防止部を有している。
【0011】
上記電極構造において好ましくは、上記金属端子は、上記絶縁体を介して上記筐体に固定される固定片と、上記固定片に屈曲方向に連続し、少なくとも前記固定片に連続する部分が上記筐体から離れる方向に延びる接続片と、上記接続片に屈曲方向に連続し、上記ボルトが貫通する貫通孔が設けられた端子片とを有している。このとき、上記固定片と上記端子片との間の前記筐体から離れる方向の距離は、上記接続片の幅の50%以上でありかつ上記接続片の厚みの5倍以上としてもよい。
【0012】
上記電極構造において好ましくは、上記拡大部は下面および側面を有し、上記脱落防止部は、相互に直交方向に位置する二つの当接面を有し、一方の当接面が上記拡大部の下面に当接し、他方の当接面が上記拡大部の側面に当接している。
【0013】
上記電極構造において好ましくは、上記脱落防止部は、上記拡大部の外周を囲む壁部を有している。
【0014】
上記電極構造において好ましくは、上記固定片と上記端子片との間に複数の屈曲部を有し、上記複数の屈曲部の少なくともいずれか1つが、金属端子の他の部分よりも厚みおよび幅の少なくともいずれか一方において小さい剛性低下部とされている。
【0015】
上記電極において、上記屈曲部の入り隅側を曲面を描くように溝状に窪ませて上記剛性低下部を形成してもよい。
【0016】
この発明に基づいたバッテリ装置の製造方法に従えば、電池モジュール本体から延出する金属端子と、抜け止めを構成する拡大部を後端部に有し上記金属端子を上向きに貫通するボルトと、上記ボルトの拡大部の少なくとも底面に当接して上記金属端子からの上記ボルトの脱落を防止する脱落防止部を有し、上記金属端子と電池モジュールの筐体との間を絶縁する絶縁体とを備えた電極が設けられた複数の電池モジュールを配列する工程と、上記電極間を電気的に接続するバスバーを、上記バスバーに設けられた貫通孔に上記ボルトを挿入して取り付ける工程と、上記ボルトにナットを緊結して上記バスバーを固定する工程とを含んでいる。
【0017】
上記バッテリ装置の製造方法において好ましくは、上記金属端子は、上記絶縁体を介して上記筐体に固定される固定片と、上記固定片に連続し上記筐体から離れる方向に延びる接続片と、上記接続片に連続して上記固定片と略平行に延び、上記ボルトが貫通する貫通孔が設けられた端子片とを有する。
【0018】
なお、上述した構成のうち二つ以上を適宜組み合わせても良い。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る電極構造およびバッテリ装置の製造方法によると、絶縁体により仮固定が可能となるので、金属端子へのボルトの仮固定を容易に行なうことができる。また、仮固定されたボルトを用いて、電極へのバスバーの取り付けを容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明に基づいた実施の形態1におけるバッテリ装置の構造を示す平面図である。
【図2】この発明に基づいた実施の形態1における電池モジュールの側面図である。
【図3】この発明に基づいた実施の形態1における電池モジュールの縦断面図である。
【図4】この発明に基づいた実施の形態1における電極の縦断面図である。
【図5】この発明に基づいた実施の形態1における電極の分解斜視図である。
【図6】この発明に基づいた実施の形態1におけるバッテリ装置の構造を示し、図1におけるVI−VI矢視断面図である。
【図7】この発明に基づいた実施の形態1における当接部の構造を示す斜視図である。
【図8】この発明に基づいた実施の形態1における電極の構造を示し、図6におけるA部拡大図である。
【図9】この発明に基づいた実施の形態1における電極の構造を示し、図1におけるIX−IX矢視断面図である。
【図10】この発明に基づいた実施の形態1における電極の構造を示し、図9におけるb部拡大図である。
【図11】この発明に基づいた実施の形態2における電極の構造を示す縦断面図である。
【図12】この発明に基づいた実施の形態3における電極の構造を示す縦断面図である。
【図13】この発明に基づいた実施の形態3における電極の構造を示す平面図である。
【図14】この発明に基づいた実施の形態3における金属端子の変形のしやすさを示す図である。
【図15】剛性低下部を設けた参考例の電極の構造を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明に基づいた各実施の形態における電極構造およびバッテリ装置の製造方法について、図を参照しながら説明する。なお、各実施の形態において、同一または相当箇所については同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さないこととする。
【0022】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態におけるバッテリ装置の構造を示す平面図である。図1に示すように、バッテリ装置1は、複数の電池モジュール11を有している。図1に示すバッテリ装置1では、その主表面が相互に平行になるように2列に配列している。ここでは、電池モジュール11を2列に配列した例を示したが、1列であってもよいし、3列以上であってもよい。
【0023】
各電池モジュール11は、正極および負極を構成する電極21をそれぞれ有している。隣接して配置された電池モジュール11の電極21は、相互にバスバー81で接続されている。バスバー81は、板状の金属で構成されている。
【0024】
配列された複数の電池モジュール11の端部には拘束板91が設けられている。拘束板91は配列された複数の電池モジュール11に、両端部から圧縮する方向の力を加える。これにより、配列された電池モジュール11を保持するとともに、各電池モジュールに適度な圧力を加える。
【0025】
配列された複数の電池モジュール11の反対側の端部にも、図示しない同様の拘束板が設けられている。両拘束板91の間は、図示しない連結部材で連結されている。
【0026】
図2は、本実施の形態における電池モジュールの側面図であり、図3は、同縦断面図であり、図4は、電極の縦断面図、図5は、電極の分解斜視図である。電池モジュール11は、内部に電池セル12を有している。電池セル12は、電池ケース13に収容されている。電池セル12は、充放電可能な二次電池であれば特に限定されない。たとえば、ニッケル水素電池であってもよいし、リチウムイオン電池であってもよい。また、図2では、ひとつの電池ケース13にひとつの電池セル12を収容した場合を示したが、複数の電池セルを収容してもよい。本明細書において電池モジュールには、電池ケースの内部に複数の電池セルが設けられた場合と、電池ケースの内部にひとつの電池セルが設けられた場合の両方を含む。また、本明細書において電池セルとは、充放電可能な二次電池として機能しうる最小単位を意味する。
【0027】
電池ケース13は、電池ケース本体13aと蓋体13bとで構成されている。強度を確保するために、電池ケース13は、たとえば亜鉛メッキ処理された鋼板で形成する。電池ケース本体13aは、内部に空間を有し、上面のみが開放した箱状である。蓋体13bは板状である。蓋体13bには、正極と負極とをそれぞれ構成する一対の電極21が取り付けられている。これらの電極21は、電池ケース13に収容された電池セル12に電気的に接続されている。
【0028】
図4および図5に示すように、電極21は金属端子41と、金属端子41から先端が上向きに突出するボルト31と、金属端子41を蓋体13bに固定するリベット51とを有している。
【0029】
本実施の形態においては、金属端子41は、側面視略Z字型に構成されている。より詳細には、金属端子41は、蓋体13bに固定される固定片41aと、固定片41aから直角に折れ曲がり、蓋体13bから離れる方向に延びる接続片41bと、接続片41bに連続し固定片41aと平行な端子片41cとを有している。固定片41aおよび端子片41cには貫通孔が設けられている。固定片41aの貫通孔をリベット51が貫通し、端子片41cの貫通孔をボルト31が貫通する。ここでは接続片41bを固定片41aおよび端子片41cに対して直角に折り曲げているが、必ずしも直角でなくてもよい。
【0030】
また、接続片41bは必ずしも平板状でなくてもよく、屈曲した形状であってもよい。たとえば、接続片41bは二つの屈曲部し、側面視略Z字型であってもよい。より詳細には、接続片41bを、固定片41aに屈曲方向に連続し筐体13から離れる方向に延びる第1の部分と、第1の部分に屈曲方向に連続する第2の部分と、第2の部分に屈曲方向に連続しさらにその端部には端子片41cが屈曲方向に連続する第3の部分とで構成してもよい。
【0031】
端子片41cと固定片41aとの間を接続片41bにより接続することにより、端子片41cと固定片41aとはオフセットしている。金属端子41は金属板を折曲することにより構成されている。
【0032】
本実施の形態においては、図4および図5に示す固定片41aと端子片41cとの間の接続片41bに沿う方向の距離Dは、接続片41bの幅Wの50%以上でありかつ接続片41bの厚みTの5倍以上としている。より詳細には、本実施の形態においては、固定片41aと端子片41cとの間の接続片41bに沿う方向の距離Dを、接続片41bの幅Wの50%とし、接続片41bの厚みTの6倍としている。
【0033】
本実施の形態においては、接続片41bの幅Wと固定片41aおよび端子片41cの幅とが同一となるように構成しているが、接続片41bの幅Wを固定片41aおよび端子片41cの幅よりも小さくなるようにしてもよい。また、接続片41bの一部にその幅が狭くなった部分を形成しても良い。
【0034】
また、本実施の形態においては、接続片41bの厚みTと固定片41aおよび端子片41cの厚みとが同一となるように構成しているが、接続片41bの厚みTを固定片41aおよび端子片41cの厚みよりも小さくなるようにしてもよい。また、接続片41bの一部にその厚みが薄くなった部分を形成しても良い。
【0035】
ボルト31の下端には拡大部35が設けられている。拡大部35は、ボルト31の軸部より拡大して抜け止めを構成するものであり、平面視矩形に構成されている。ここでは、拡大部35を平面視矩形に構成しているが、六角形などの他の多角形や、当接部と係合するような凹凸形状など他の形状を採用してもよい。拡大部35は、底面および側面を有している。拡大部35の底面には、水平方向に延びる溝36が設けられている。拡大部35の底面の溝を省略し、平らに構成してもよい。
【0036】
金属端子41の固定片41aと、蓋体13bとの間には絶縁体43が設けられている。絶縁体43は、金属端子41と蓋体13bとを絶縁するとともに、蓋体13bの貫通孔を密閉するガスケットとしても機能する。絶縁体43は蓋体13bの上面に沿う基板部44と、基板部44から上方向に突出し、ボルト31を仮固定する脱落防止部45とが設けられている。絶縁体43は、絶縁できる材料であれば特に限定されないが、たとえば合成樹脂により構成することができる。ここでは、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂またはナイロンを用いている。
【0037】
絶縁体43の基板部44の下面には、蓋体13bの貫通孔に挿入されるリング状の突出部44aが設けられている。基板部44の上面には、金属端子41の固定片41aが配置されるが、基板部44の外周には、金属端子41の固定片41aの外周を覆う周囲壁44bが設けられている。金属端子41の固定片41aを周囲壁44bで囲むことで、金属端子41と蓋体13bとの絶縁をより確実にしている。
【0038】
絶縁体43には、脱落防止部45が端子片41cの下方に設けられている。脱落防止部45は、基板部44と一体に成型されている。脱落防止部45は、ボルト31の拡大部35の下面の一部に向かって突出している。脱落防止部45は、拡大部35の下面に当接する水平当接面45aと、拡大部35の側面に当接する垂直当接面45bとを有している。
【0039】
拡大部35の下面が水平当接面45aに当接することで、拡大部35が、金属端子41の端子片41cから抜け落ちることが防止される。一方、拡大部35の側面が、垂直当接面45bに当接することで、ボルト31が大きく傾斜することが防止される。垂直当接面45bは省略することも可能である。また水平当接面45aは必ずしも水平でなくてもよく、ボルト31の拡大部35の形状に応じて種々の形状を採用し得る。
【0040】
リベット51の下端には、矩形金属板からなる台座部52が設けられている。台座部52には、図3に示すように、下向きに延びる端子71が接続されており、端子71は電池セル12に電気的に接続されている。
【0041】
台座部52の上面と蓋体13bとの間には、絶縁部材58が配設されている。絶縁部材58の外周部は垂下しており、台座部52の外周を囲む。絶縁部材58は、電池ケース13の内部の環境において劣化しにくい樹脂材料などを用いる必要がある。ここでは、PPS樹脂を用いている。
【0042】
リベット51の軸部外周に密着するように、リング状のガスケット59が設けられている。ガスケット59は、絶縁部材58の貫通孔の内部に位置し、ガスケット59の上面は蓋体13bの貫通孔の周囲に当接する。これにより、電池ケース13の密閉をより確実にする。ガスケットとしては、樹脂やゴムなどの材料を用いることができる。
【0043】
電極21を蓋体13bに固定するときには、予めボルト31を金属端子41の端子片41cに挿入しておき、図5に示すような順序でリベット51を挿入する。その状態でリベットの先端をかしめて拡大させ、電極21を蓋体13bに固定する。
【0044】
このとき、ボルト31は、金属端子41に挿通されているだけであり固定はされていないが、ボルト31の拡大部35の下面が、脱落防止部45の水平当接面45aに当接する。これによりボルト31が、金属端子41から脱落することが防止される。
【0045】
したがってボルト31を金属端子41に圧入するなどの特別な工程を追加しなくても、電池モジュール11が完成した状態から次工程までの間、ボルト31が金属端子41に保持された状態を維持することができる。
【0046】
バッテリ装置1を製造するときには、まず、複数の電池モジュール11を配列する。次に、電池モジュール11の電極間を電気的に接続するバスバー81をバスバー81に設けられた貫通孔にボルト31を挿入して取り付け、ボルト31にナット39を緊結することでバスバー81が固定される。これらの工程において、ボルト31は脱落防止部45により保持されるので、金属端子41から脱落することがない。
【0047】
また、脱落防止部45は、絶縁および密閉のための、基板部44と一体に構成されているので、脱落防止部45を取り付けるための工程が増加することもない。また、部品点数を増加させることもない。これらにより、ボルト31を金属端子41に容易に保持させることができる。
【0048】
さらに、ボルト31を金属端子41に圧入する工程を排除できるので、圧入工程における金属端子41の変形を防止することができる。これにより、ボルト31の位置精度が向上し、バスバー81の取り付けをスムーズに行なうことができる。
【0049】
一方、本実施の形態においては、金属端子41を、蓋体13bに固定される固定片41aと、固定片41aから直角に折れ曲がり、蓋体13bから離れる方向に延びる接続片41bと、接続片41bに連続し固定片41aと平行な端子片41cとで構成している。端子片41cにはボルト31が貫通され、このボルト31にナット39を緊結してバスバー81を固定している。本実施の形態においては、このように固定片41aと端子片41cとがオフセットしており、その間を接続片41bで接続しているので、このナット39を緊結する工程において端子片41cに加わったモーメントを接続片41bが変形することで吸収し、固定片41aに伝えにくくすることができる。固定片41aはリベット51により蓋体13bに固定されているが、その固定構造に与える悪影響を最小限にすることができる。
【0050】
この金属端子41の形状を採用したことによる効果をさらに詳細に説明する。まず、電池モジュールにおいて、電極21の電池モジュール本体への固定部は、次のような機能を確保する上で非常に重要な部位である。第一に固定に用いられるリベット51は、金属端子41と電池セル12との間の通電部材として機能する。第二にリベット51により同時にかしめられて固定された絶縁体43は、電極21およびリベット51と電池ケース13との絶縁を確保するものである。第三にリベット51で固定された絶縁体43は、固定部における気密性を確保する機能も有する。これらの機能を確保するためには、金属端子41を介してその固定部に位置するリベット51や絶縁体43に伝達される応力はより小さいことが好ましい。
【0051】
このような前提のもと、電極がたとえば平板状の金属板により構成されていた場合には、ナットを緊結する応力がこの電極を通じて固定部にそのまま伝達されてしまう。この場合、大きな応力がリベットなどに加わると、リベットが緩んだり絶縁体が変形したりする恐れがある。その結果、リベットによる通電において通電不良が生じたり、絶縁体による絶縁性や気密性が十分に確保されなくなったりする可能性がある。
【0052】
これに対し、本実施の形態においては、接続片41bにより固定片41aと端子片41cとを接続することにより、固定片41aと端子片41cとがオフセットしているので、端子片41cに大きな応力が加わった場合でも、接続片41bが変形することにより固定部に加わる応力を緩和することができる。その結果、上記のような不具合の発生を抑制することが可能である。
【0053】
このとき本実施の形態においては、図4および図5に示す固定片41aと端子片41cとの間の接続片41bに沿う方向の距離Dを、接続片41bの幅Wの50%以上かつ接続片41bの厚みTの5倍以上としているので、接続片41bの剛性が十分に小さい。これにより端子片41cに大きな応力が加わった場合には、接続片41bが十分に変形し、固定部に加わる応力をより確実に低減することができる。固定片41aと端子片41cとの間の接続片41bに沿う方向の距離Dが、接続片41bの幅Wの50%未満または接続片41bの厚みTの5倍未満であると、接続片41bの剛性が高いため、接続片41bが十分に変形することができず、固定部に加わる応力を緩和する効果が低減する。
【0054】
また、端子片41cと固定片41aとの間を接続片41bで接続したので、端子片41cの下方に空間を形成することができ、ボルト31の拡大部35や脱落防止部45のためのスペースを確保することができる。
【0055】
図6は、バッテリ装置の構造を示し、図1におけるVI−VI矢視断面図であり、図7は当接部の構造を示す斜視図である。上述のように、バッテリ装置1は平行に配列された複数の電池モジュール11を有している。電池モジュール11の相互の隙間には保持部材61が配置されている。保持部材61は、水平方向に延びる複数のリブ63を有している。リブ63の隙間は空気流路62を構成し、空気流路62には冷却風が供給される。冷却風は、電池モジュール11の表面を冷却し、電池モジュール11の熱を冷却する。このように、保持部材61は、電池モジュール11を冷却する機能を担保する。
【0056】
保持部材61の一方の表面およびリブ63の先端は、電池モジュール11の表面に当接している。保持部材61は、電池モジュール11の表面を押圧しながら、隣接する電池モジュールとの間隔を一定に保ち、複数の電池モジュール11が相互にずれないように保持する。保持部材61は、成型した樹脂により構成されている。保持部材61は、樹脂などの絶縁体で構成されているので、これにより隣接する電池モジュールの間の絶縁性を確保することができる。
【0057】
保持部材61の上端には、ボルト31の拡大部35に当接する当接部64が設けられている。当接部64は、ボルト31の拡大部35に当接することで、ナット39を緊結するときのボルト31の回転を防止するものである。
【0058】
図8は、図6におけるA部拡大図である。図7および図8に示すように、当接部64は、ボルト31の拡大部35の側面に当接する垂直壁部64aと、拡大部35の下面の溝36に挿入される水平突出部64bとを有している。
【0059】
図8において、拡大部35と、垂直壁部64aおよび水平突出部64bとの間には隙間があるが、ナット39を緊結するためにナットにトルクを与えると、それに伴って拡大部35が回転する。このとき拡大部35は、当接部64の、垂直壁部64aおよび水平突出部64bの一方または両方に当接し、共回りが阻止される。また、ボルト31の拡大部35は、平面視矩形であるので、平行に延びる一対の辺を有しているが、これらの辺がそれぞれ隣接する保持部材61の対向する垂直壁部64aに当接する。拡大部35の二辺が当接することで、より大きなトルクに対応することができる。
【0060】
なお、ボルト31の共回りをより効果的に阻止するため、金属端子41とボルト31の拡大部35との間の摩擦係数を増大させる摩擦安定剤を塗布しておくようにしてもよい。
【0061】
図9は、電池モジュールの構造を示し、図1におけるIX−IX矢視断面図であり、図10は、図9におけるb部拡大図である。上述のように、ボルト31の拡大部35の底面には溝36が設けられているが、溝36には、当接部64の水平突出部64bが位置している。ナット39にトルクが加えられて拡大部35が共回りを始めると、溝36の内側面が水平突出部64bの側面に当接する。
【0062】
本実施の形態では、拡大部35の側面に垂直壁部64aを当接するようにし、拡大部35の底面の溝36の内側面に水平突出部64bを当接するようにしたので、強いトルクが加わった場合でもより確実にボルト31の共周りを防止することができる。但し、当接部64の構造は必要に応じて決定すればよく、垂直壁部64aのみを当接させてボルト31の共回りを防止するようにしてもよい。
【0063】
また、ナット39に加わったトルクを保持部材61に設けられた当接部64で受けるので、金属端子41に加わる力を軽減することができる。これにより金属端子41の変形などの不具合を抑制することができる。なお、図8に示すように、保持部材61の当接部64には隣接する電極21のボルト31が当接するが、上述のように保持部材61は絶縁性の材料で構成されているので、両電極21の間の絶縁性を確保することができる。
【0064】
ここでは、ボルト31の拡大部35を平面視矩形に形成し、その側面を垂直壁部64aに当接するようにしたが、ボルト31の拡大部35の周囲に凹凸を設け、その凹凸と係合するような形状の当接部を設けるようにしてもよい。
【0065】
(実施の形態2)
次に実施の形態2について図11を参照して説明する。図11は、実施の形態1の図10に対応する図であり、電極の構造を示す縦断面図である。
【0066】
本実施の形態においては、絶縁体43の構造を変更し、ボルト31の脱落防止と共周り防止とを、絶縁体43により行なうようにしたものである。具体的には、絶縁体43をボルト31の拡大部35を囲み、ボルト31の下側と蓋体13bとの間を埋めるように拡大して脱落防止部45を形成する。また、絶縁体43の下面で脱落防止部45の下側には、下向きに突出する係合突起46を設ける。
【0067】
ボルト31の拡大部35は、脱落防止部45に当接することで、金属端子41からの脱落が防止される。また、ボルト31の拡大部35の周囲が脱落防止部45に設けられた壁部47に囲まれているので、ナット39にトルクを与えたときには、拡大部35は脱落防止部45に回転を阻止され、共回りが防止される。
【0068】
このとき、絶縁体43の底面に係合突起46を設け、係合突起46を蓋体13bの凹部13cに挿入しているので、絶縁体43が位置ずれすることが阻止され、より確実にボルト31の共回りを防止することができる。
【0069】
また、本実施の形態における金属端子41は、実施の形態1と同一の形状としている。したがって、実施の形態1と同様、端子片41cに大きな応力が加わった場合でも、接続片41bが変形することにより、金属端子41と筐体13との固定部に加わる応力を緩和することができる。
【0070】
(実施の形態3)
次に実施の形態3について図12および図13を参照して説明する。図12は、実施の形態1の図10に対応する図であり、電極の構造を示す縦断面図である。図13は、本実施の形態の電池モジュールの平面図である。図13においては、バスバー81を取り付ける前の状態を示している。
【0071】
本実施の形態においては、実施の形態2と同様、ボルト31の脱落防止と共周り防止とを、絶縁体43により行なうようにしている。さらに、本実施の形態においては、金属端子41の屈曲部に剛性低下部を形成している。
【0072】
本実施の形態においては、ボルト31の拡大部35を六角形にすると共に、拡大部35のねじ部側端部に鍔部35aを設けている。鍔部35aは、拡大部35の本体部よりも外側に突出している。
【0073】
絶縁体43の脱落防止部45にボルト31の拡大部35を囲む壁部47を設けている。壁部47により六角形のくぼみが形成され、拡大部35の六角形の本体部が挿入される。壁部47により形成されたくぼみに拡大部35が挿入されることにより、ナット39にトルクを与えたときのボルト31の共回りが防止される。
【0074】
また、壁部47の上端が鍔部35aに下方から当接することにより、ボルト31は、下方に落下することが阻止されている。
【0075】
絶縁体43の下面で脱落防止部45および壁部47の下側には、下向きに突出する係合突起46が設けられている。係合突起46は、蓋体13bの凹部13cに挿入されている。これにより絶縁体43が大きく位置ずれすることが阻止され、より確実にボルト31の共回りを防止することができる。
【0076】
金属端子41は、実施の形態1および実施の形態2と同様に、固定片41aと、固定片41aに屈曲方向に連続する接続片41bと、接続片41bに屈曲方向に連続する端子片41cとを有している。
【0077】
また、実施の形態1と同様に、接続片41bは必ずしも平板状でなくてもよく、屈曲した形状であってもよい。たとえば、接続片41bは二つの屈曲部し、側面視略Z字型であってもよい。
【0078】
金属端子41の固定片41aと接続片41bとの境界に位置する屈曲部41t、および、接続片41bと端子片41cとの境界に位置する屈曲部41uにおいて、入り隅側(屈曲部の内角側)を曲面を描くように溝状に窪ませて剛性低下部を形成している。剛性低下部を構成する屈曲部41t,41uの溝の内面は必ずしも曲面でなくてもよい。
【0079】
これにより、ナット39にトルクを加えてバスバー81を緊結する工程において、剛性低下部を構成する屈曲部41t,41uが変形することでナット39に加えた締め付け力を固定片41aに伝えにくくすることができる。これにより、リベット51が緩んだり、絶縁体43やガスケット59などが変形することを抑制することができる。
【0080】
特に、端子片41cが上下する方向に力が加わると、固定片41aが上下する方向の力として伝達されるので、リベット51に緩みが生じやすくなり問題である。本実施の形態の構造によると、屈曲部41t,41uに溝を形成するように窪みを設けているので、端子片41cが上下する方向の力に対して特に剛性を低下させることができる。これにより特に問題となるリベット51の緩みを効果的に防止することができる。その結果、絶縁体43やガスケット59によるシール性の低下を効果的に抑制することができる。
【0081】
さらに、本実施の形態においては、屈曲部41t,41uの入り隅側に曲面を描くように窪みを設けているので入り隅部の曲率半径が大きくなる。これにより、屈曲部41t,41uの入り隅部における応力集中を緩和することができる。その結果、屈曲部41t,41uにおける強度の低下を最小限にすることができる。
【0082】
加えて、本実施の形態においては、屈曲部41t,41uのみに剛性低下部を設けている。単に剛性を低下させるだけであれば、金属端子41の全長に亙って板厚を薄くすることでも可能である。しかし、金属端子41の全長に亙って板厚を薄くすると、金属端子41の断面積/表面積比が小さくなり、自己発熱による温度上昇の問題が生じる。本実施の形態のように、局部的に板厚を薄くすることで、断面積/表面積比の低下を最小限にすることができる。
【0083】
なお、本実施の形態においては、屈曲部41t,41uの入り隅側に窪みを設けて剛性低下部を形成したが、出隅側(屈曲部の外角側)を削ることにより剛性低下部を構成することも可能である。
【0084】
屈曲部41t,41uのいずれか一方のみを剛性低下部としてもよい。
上述したように、接続片41bに屈曲部を設けて接続片41bを屈曲形状としてもよいが、その場合に接続片41bの内部の屈曲部も剛性低下部としてもよい。また、屈曲部41t,41uを剛性低下部とせずに、接続片41bの内部の屈曲部のいずれか1つまたは複数のみを剛性低下部としてもよい。
【0085】
さらには、屈曲部41t,41uにおいてのみ金属端子41の幅を狭くすることで剛性低下部を形成することも可能である。これらの組み合わせにより、剛性低下部を構成することも可能である。
【0086】
なお、実施の形態1および2の構造においても、実施の形態3で説明したような剛性低下部をその金属端子41の屈曲部に設けることも可能である。
【0087】
図14は、本実施の形態の剛性低下部を設けた金属端子と、剛性低下部を設けない金属端子との荷重に対する変形のしやすさを比較した図である。
【0088】
図14に示すように、剛性低下部を設けた場合には、剛性低下部を設けない場合に比べて、同一の荷重を加えたときに、1.5倍変形させることができる。すなわち、外力の伝達を2/3にすることができる。その結果、剛性低下部がない場合には、圧縮されたガスケット59が0.03mm膨張するような力を加えても、剛性低下部が設けられている場合には、膨張を0.02mmに抑えることができる。これにより、シールゴムの潰し代が確保でき、通常であれば、その寿命を5〜10年程度延長することができる。
【0089】
なお、図14は、板厚が1.0mmの金属端子を用い、剛性低下部における最小厚みを0.7mmとした場合の計算結果である。
【0090】
図15は、剛性低下部を設けた金属端子141の参考例を示す図である。図15に示す金属端子141は、一回のみ屈曲させている。すなわち、屈曲部141tを一箇所のみ設けた、L字型形状としている。屈曲部141tの入り隅側を溝状に窪ませることで、他の部分より厚みが小さい剛性低下部を形成している。
【0091】
このように、屈曲部が一回以上設けられていれば、屈曲部に剛性低下部を設けることが可能となる。これにより、金属端子141の端子片141cに加わった力を剛性低下部で緩和して、固定片141aに伝えにくくする効果を得ることが出来る。
【0092】
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるのではなく、請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明に係る電極構造およびバッテリ装置の製造方法によると、絶縁体により仮固定が可能となるので、金属端子へのボルトの仮固定を容易に行なうことができる。また、仮固定されたボルトを用いて、電極へのバスバーの取り付けを容易に行なうことができる。
【符号の説明】
【0094】
1 バッテリ装置、11 電池モジュール、12 電池セル、13 電池ケース(筐体)、13a 電池ケース本体、13b 蓋体、13c 凹部、21 電極、31 ボルト、35 拡大部、35a 鍔部、36 溝、39 ナット、41,141 金属端子、41a,141a 固定片、41b 接続片、41c,141c 端子片、41t,41u,141t 屈曲部、43 絶縁体、44 基板部、44a 突出部、44b 周囲壁、45 脱落防止部、45a,45b 当接面、46 係合突起、47 壁部、51 リベット、52 台座部、58 絶縁部材、59 ガスケット、61 保持部材、62 空気流路、63 リブ、64 当接部、64a 垂直壁部、64b 水平突出部、71 端子、81 バスバー、91 拘束板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池モジュール(11)をバスバー(81)に接続するための電極構造であって、
電池モジュール本体から延出する金属端子(41)と、
抜け止めを構成する拡大部(35)を後端部に有し、前記金属端子(41)を上向きに貫通するボルト(31)と、
前記金属端子(41)と電池モジュール(11)の筐体との間を絶縁する絶縁体(43)と、を備え、
前記絶縁体(43)は、前記ボルト(31)の拡大部(35)に少なくとも下方から当接して前記金属端子(41)からの前記ボルト(31)の脱落を防止する脱落防止部(45)を有する、電極構造。
【請求項2】
前記金属端子(41)は、前記絶縁体(43)を介して前記筐体に固定される固定片(41a)と、前記固定片(41a)に屈曲方向に連続し、少なくとも前記固定片(41a)に連続する部分が前記筐体から離れる方向に延びる接続片(41b)と、前記接続片(41b)に屈曲方向に連続し、前記ボルト(31)が貫通する貫通孔が設けられた端子片(41c)と、を有する、請求項1に記載の電極構造。
【請求項3】
前記固定片(41a)と前記端子片(41c)との間の前記筐体から離れる方向の距離は、前記接続片(41b)の幅の50%以上でありかつ前記接続片(41b)の厚みの5倍以上である、請求項2に記載の電極構造。
【請求項4】
前記拡大部(35)は下面および側面を有し、
前記脱落防止部(45)は、相互に直交方向に位置する二つの当接面(45a,45b)を有し、一方の当接面(45a)が前記拡大部(35)の下面に当接し、他方の当接面(45b)が前記拡大部(35)の側面に当接する、請求項1に記載の電極構造。
【請求項5】
前記脱落防止部(45)は、前記拡大部(35)の外周を囲む壁部(47)を有する、請求項1に記載の電極構造。
【請求項6】
前記固定片(41a)と前記端子片(41c)との間に複数の屈曲部を有し、前記複数の屈曲部(41t,41u)の少なくともいずれか1つが、金属端子(41)の他の部分よりも厚みおよび幅の少なくともいずれか一方において小さい剛性低下部とされている、請求項2に記載の電極構造。
【請求項7】
前記屈曲部(41t,41u)の入り隅側を溝状に窪ませて前記剛性低下部が形成されている、請求項6に記載の電極構造。
【請求項8】
電池モジュール本体から延出する金属端子(41)と、抜け止めを構成する拡大部(35)を後端部に有し前記金属端子(41)を上向きに貫通するボルト(31)と、前記ボルト(31)の拡大部(35)の少なくとも底面に当接して前記金属端子(41)からの前記ボルト(31)の脱落を防止する脱落防止部(45)を有し、前記金属端子(41)と電池モジュール(11)の筐体との間を絶縁する絶縁体(43)とを備えた電極(21)が設けられた複数の電池モジュール(11)を配列する工程と、
前記電極(21)間を電気的に接続するバスバー(81)を、前記バスバー(81)に設けられた貫通孔に前記ボルト(31)を挿入して取り付ける工程と、
前記ボルト(31)にナット(39)を緊結して前記バスバー(81)を固定する工程とを含む、バッテリ装置の製造方法。
【請求項9】
前記金属端子(41)は、前記絶縁体(43)を介して前記筐体に固定される固定片(41a)と、前記固定片(41a)に屈曲方向に連続し前記筐体から離れる方向に延びる接続片(41b)と、前記接続片(41b)に屈曲方向に連続し、前記ボルト(31)が貫通する貫通孔が設けられた端子片と、を有する、請求項8に記載のバッテリ装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−66012(P2011−66012A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262666(P2010−262666)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【分割の表示】特願2008−553137(P2008−553137)の分割
【原出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】