説明

電気バイパス装置

【課題】 二次セルで構成された故障したバッテリモジュールを孤立させ、バイパスしてわずかに劣化した状態でバッテリの動作を継続させるための、バッテリ用の電気バイパス装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の電気バイパス装置は、モジュールが故障したときトリガする第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータを備える。アクチュエータはそれぞれ、第1、第2、第3の端子を備える。第1および第2の端子は、二次セルの出力端子に電気的に接続され、第3の端子は、第1の端子と第2の端子の間で切り換えることができる。アクチュエータの第3の端子は、そのアクチュエータがトリガされるときに切り換えられる。これらアクチュエータのうち一方が(意図的にまたは意図せずして)トリガされると、他方のアクチュエータがトリガしていなければ自動的に他方のアクチュエータもトリガされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリの故障したモジュールをバイパスし、孤立させるための電気バイパス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的には、バッテリは、複数の直列接続されたモジュールを有し、各モジュールは、複数の直列および/または並列接続された電気化学的二次セルを有する。バッテリは一般に、いわゆる公称条件のもとで、換言すると所与の電力、電圧および電流範囲内で動作するよう設計される。バッテリのモジュールのうち1つが、例えばある二次セルの経年劣化または公称条件外での使用が原因で故障した場合、内部抵抗が増加する。故障したモジュールが動作可能な他のモジュールと直列である場合、故障したモジュールの内部抵抗が高いため、たとえ故障していないモジュールの個数が、わずかに劣化した動作モードのもとでバッテリを機能させ続けるのに十分であっても、バッテリ全体が動作不能になる。交換が困難な非常に高価な高出力バッテリについては、故障したモジュールを孤立させることが不可欠である。バッテリの動作を継続させるよう故障したモジュールを孤立させ、バイパスするために、アクチュエータの使用が知られている。故障したモジュールは、一般には修復され得ないため、そのようなアクチュエータは一般に、一方向性で使い切りのアクチュエータである。
【0003】
図1Aおよび図1Bは、仏国特許出願公開第2776434号明細書(米国特許第6249063号明細書に相当)に開示された、それぞれ非作動位置および作動位置にある脆弱なアクチュエータの概略図である。図1Aおよび図1Bは、スイッチの切換えの原理の理解を容易にするために意図的に簡略化されている。アクチュエータ10は、参照符号1、2、3にそれぞれ対応する第1、第2、第3電力端子を有する。また、アクチュエータ10は、切換え部分14を備えるプランジャ4を有する。プランジャ4は、以下で「接続位置」と称する電力端子2および3が切換え部分14によって電気的に接続された第1の位置、および、以下で「孤立位置」と称する、電力端子1および3が切換え部分14によって電気的に接続された第2の位置の、2つの両極端な位置の間を移動可能である。アクチュエータ10は、図1Aにおいては接続位置で示され、図1Bにおいては孤立位置で示されている。また、アクチュエータ10は、プランジャ4を接続位置に保持する脆弱な保持部材5を有する。保持部材5は、バッテリセルモジュールが故障すると溶ける溶融可能なワイヤによって閉じた状態に保たれる。
【0004】
また、アクチュエータ10は、接続位置においては圧縮されており、プランジャ4を孤立位置へと押し進めるばね6を有する。溶融可能なワイヤが溶けると、保持部材5が分離し、プランジャ4をもはや保持しないようになり、次いでプランジャ4がばね6の作用によって孤立位置へと摺動される。
【0005】
接続位置においては、移行スイッチ14は、第2のアクチュエータ端子2と第3のアクチュエータ端子3の間でスイッチ2−3をつなぐ。孤立位置においては、移行スイッチ14は、第1のアクチュエータ端子1と第3のアクチュエータ端子3の間でスイッチ1−3をつなぐ。
【0006】
アクチュエータがモジュールに接続されているとき、接続位置は、そのモジュールの他のモジュールとの直列な接続に対応し、孤立位置は、モジュールの1つの端子の孤立およびそのモジュールがバイパスされることに対応する。アクチュエータがモジュールに接続されるのは、第1のアクチュエータ端子1および第2のアクチュエータ端子2を二次セルの端子に電気的に接続し、第3のアクチュエータ端子3を後のまたは前のモジュールの端子に接続することによる。
【0007】
図2Aおよび図2Bは、上記のアクチュエータに接続されたモジュール7を示す回路図である。第1のアクチュエータ端子1は、モジュール7の第1の端子(図2A中の正端子、図2B中の負端子)に接続され、また、モジュール7と直列に接続された後の(図2A)または前の(図2B)のモジュールの、反対の極性の端子(図2A中の負端子、図2B中の正端子)にも接続される。第2の端子2は、モジュール7の他方の端子(図2A中の負端子、図2B中の正端子)に接続される。第3の端子3は、前のまたは後のモジュールの第2の端子2に接続された端子の極性とは反対の極性の端子に接続される。第3の端子3に接続された前または後のモジュールは、スイッチ2−3によってモジュール7に直列接続される。モジュール7がバッテリの最初または最後のモジュールであれば、第3のアクチュエータ端子3または第1のアクチュエータ端子1がバッテリ端子のうちの1つに接続される。
【0008】
第1および第2のアクチュエータ端子に接続されたモジュール7の端子の極性を、逆にすることもできる。図2Aは、スイッチ2−3がモジュール7の負端子と前のモジュール8の正端子との間に直列にある電気回路図であるのに対して、図2Bには、スイッチ2−3がモジュール7の正端子と次のモジュール9の負端子との間に直列にある電気回路図が示されている。
【0009】
したがって、電気回路図2Aにおいて、プランジャが接続位置にあるとき、通常は閉じたスイッチ2−3は、モジュール7とその前にあるモジュール8の間に直列にある。同様に、通常は開いたスイッチ1−3は、モジュール7および通常は閉じたスイッチ2−3の直列接続と並列にある。
【0010】
これは、プランジャ4が接続位置にあるとき、モジュール7は前のモジュール8と後続のモジュール9の間にアクチュエータのスイッチ2−3を介して直列にあるということを意味する。モジュール7が故障すると、保持部材5が分離し、プランジャ4がばね6の影響のもと接続位置から孤立位置に移動する。このようにして、スイッチ2−3が切断され、第2のアクチュエータ端子2に接続されたモジュール7の端子(図2A中の負端子、図2B中の正端子)を孤立させる。また、プランジャ4およびスイッチ14の位置の変化は、スイッチ1−3を閉じる。モジュール7は、今や孤立され、その前および後にあるモジュールは、アクチュエータのスイッチ1−3によって直列に接続される。
【0011】
したがって、上記のアクチュエータは、バッテリ内で故障したモジュールを孤立させ、バイパスすることを可能にし、このモジュールをバイパスし、孤立させる電気回路を構築する。
【0012】
例えば衛星分野における用途のために、より高い電力を供給するバッテリに対する要求が高まっている。大電流を供給するバッテリを提供するために、各モジュール内に並列にある二次セルの個数が増加される。
【0013】
図2Aおよび図2Bに図示したように、二次セルの正端子および負端子のそれぞれは、第1のアクチュエータ端子1または第2のアクチュエータ端子2のいずれかに撚り線ケーブルによって接続される。そこで、知られているように、ケーブルの撚り線を流れる電流が大きいほど、生成される熱量が多くなる。衛星領域における用途に使用される電気、電子、電気化学的構成要素の出力レベルを下げることについての欧州の規格であるECSS(欧州宇宙標準化協会、European Co−operation on Space Standardization)Q30 11 Aなどの規格は、撚り線ケーブルを通じて最大電流が流れるよう最小断面積を撚り線ケーブルに課している。そのような規格は、さらに厳しくなってきており、これはつまり、撚り線ケーブルが所与の電流についてさらに大きな断面積を有する必要があることを意味する。
【0014】
撚り線ケーブルの断面積を大きくすると、バッテリの重量を増加させる効果があるが、これは衛星領域における用途にとっては決定的要因となる。さらに、撚り線ケーブルの断面積を大きくすると、剛性の増強につながり、これによってケーブル配線における困難が増し、バッテリの小型化に支障が出る。
【0015】
解決法の1つは、2つのケーブルランを並列に使用すること、換言すれば2つの別個の撚り線ケーブルを使用して各二次バッテリ端子を接続することにある。この場合、モジュールは、2対の端子を含み、各対は正端子および負端子で構成される。2つのケーブルランをこのように使用すると、故障したモジュールを孤立させ、バイパスするためにアクチュエータを2つ設置する必要性が出てくる。
【0016】
このとき、これらのアクチュエータのうち1つが、他方のアクチュエータがトリガされていない状態で意図せずしてまたは誤って作動した場合、モジュール端子でショート回路に直面させられるであろう。実際にそのような場合、トリガしていないアクチュエータの通常は閉じたスイッチに接続された一方の(例えば正の)端子と、トリガされたアクチュエータの閉じたスイッチに接続された他方の(例えば負の)端子との間を電流が流れることができ、これにより、前のモジュールの一方の端子を介して次のモジュールに進むことにより、当該モジュールの正端子と負端子の間でショート回路を構築する。そのようなショート回路は、火災のもとになり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2776434号明細書(米国特許第6249063号明細書に相当)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
したがって、二重配線に適した、アキュムレータモジュールをバイパスし、孤立させるための装置が必要になる。これを達成するために、本発明は、2つのアクチュエータを備える電気バイパス装置であって、これらアクチュエータのうち一方が(意図的にまたは意図せずして)トリガされると、自動的に第2のアクチュエータがトリガされることになる装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
このようにして、たとえ一方のアクチュエータのみが意図せずしてトリガされたとしても、火災の原因となり得るショート回路の形成が防止される。
【0020】
結果として、本発明は、二次セルで構成されたモジュールのための電気バイパス装置を提供し、該モジュールは、少なくとも2対の電気出力端子を有し、当該装置は、
−3つの電力端子を備える第1のアクチュエータであって、第1および第2の端子は、前記二次セルの出力端子の第1の対に電気的に接続され、第3の端子は、前記第1の端子と前記第2の端子との間で電気的に切り換えられるよう構成されている、第1のアクチュエータと、
−3つの電力端子を備える第2のアクチュエータであって、第1および第2の端子は、前記二次セルの出力端子の第2の対に電気的に接続され、第3の端子は、前記第1の端子と前記第2の端子との間で電気的に切り換えられるよう構成されている、第2のアクチュエータと、を備え、
前記第1のアクチュエータまたは前記第2のアクチュエータの前記第3の端子の切換えは、それぞれ前記第2のアクチュエータまたは前記第1のアクチュエータの前記第3の端子の切換えをトリガする。
【0021】
好ましい実施形態は、以下の特徴の1つまたはいくつかを含むことができる。
−各アクチュエータの第3の端子および第1の端子は、通常は開いたバイパススイッチを形成し、各アクチュエータの第3の端子および第2の端子は、通常は閉じた孤立スイッチを形成する。
−各アクチュエータは、第3の端子の切換え制御手段をさらに備える。
−前記切換え制御手段のそれぞれは、溶融可能なリンクを備える。
−各アクチュエータは、第3の電力端子が切り換えられるときに切り換わり、他方のアクチュエータの第3の端子の切換えを作動させる制御スイッチを備える。
−各制御スイッチは、第3の端子が切り換えられるときに閉じる、通常は開いたスイッチである。
−第1および第2のアクチュエータの前記切換え制御手段は、それぞれ第2および第1のアクチュエータの孤立スイッチと並列に載置されている。
【0022】
本発明はさらに、アクチュエータを提供し、当該アクチュエータは、
−本体と、
−保持装置と、
−第1の接触部材と第2の接触部材の間に接触を確立する第1の位置に保持され、前記第2の接触部材と第3の接触部材の間に接触を確立する第2の位置へと押し進められるプランジャと、
−前記プランジャが前記第1の位置から前記第2の位置に移動すると切り換わるスイッチを形成する第4の接触部材および第5の接触部材と、を備える。
【0023】
一実施形態において、当該アクチュエータは、プランジャに載置され、プランジャが前記第2の位置にあるとき、前記第4の接触部材と前記第5の接触部材の間に接触を確立することにより前記スイッチを閉じるよう構成された接触プレートを有することができる。
【0024】
さらなる実施形態において、当該アクチュエータは、前記接触プレートと前記第1、第2、第3の接触部材との間で前記プランジャに載置された絶縁プレートを備える。
【0025】
本発明はさらに、直列に接続されたモジュールと、本発明による少なくとも1つの電気バイパス装置とを備えるバッテリを提供する。
【0026】
一実施形態において、当該バッテリの一方の側に第1のアクチュエータが収容され、当該バッテリの他方の側に第2のアクチュエータが収容される。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、2つのアクチュエータを備える電気バイパス装置であって、これらアクチュエータのうち一方が、意図的にまたは意図せずしてトリガされると、自動的に第2のアクチュエータがトリガされることになる。このようにして、本発明は、たとえ一方のアクチュエータのみが意図せずしてトリガされたとしても、火災の原因となり得るショート回路の形成を防止することができる。本発明は、二次セルで構成された故障したバッテリモジュールを孤立させ、バイパスしてわずかに劣化した状態でバッテリの動作を継続させるための、バッテリ用の電気バイパス装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1A】第1の接続位置にある従来技術のアクチュエータの断面図を示す。
【図1B】第2の孤立位置にある従来技術のアクチュエータの断面図である。
【図2A】モジュールに接続されたトリガされていないアクチュエータの回路図である。
【図2B】モジュールに接続されたトリガされていないアクチュエータの回路図である。
【図3A】トリガする前の、モジュールに接続された、本発明の第1の実施形態による電気バイパス装置の回路図である。
【図3B】アクチュエータのうち1つが意図的にトリガされた、本発明の第1の実施形態による電気バイパス装置の回路図である。
【図3C】トリガされた、この第1の実施形態による電気バイパス装置の回路図である。
【図4】接続位置にある、この第1の実施形態によるアクチュエータの断面図である。
【図5A】トリガする前の、モジュールに接続された、第2の実施形態による電気バイパス装置の回路図である。
【図5B】アクチュエータのうち1つが意図的にトリガされた、第2の実施形態による電気バイパス装置の回路図である。
【図5C】この第2の実施形態によるトリガされた電気バイパス装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明のさらなる特徴および利点は、単に例として、添付の図面を参照しながら提供される本発明の以下のいくつかの実施形態の詳細な説明を読むことで、より明らかになるであろう。
【0030】
本発明による二次セルモジュールのための電気バイパス装置は、モジュールが不良になったときトリガする第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータを有する。アクチュエータはそれぞれ、第1、第2、第3の電力端子を有する。第1および第2の端子は、二次セルの出力端子に電気的に接続され、第3の端子は、第1の端子と第2の端子の間で切り換えることができる。アクチュエータの第3の端子は、そのアクチュエータがトリガされるときに切り換えられる。一方のアクチュエータがトリガされると、他方のアクチュエータがトリガされていなければこれもトリガされる。したがって、アクチュエータのうち1つの第3の端子が切り換えられるとき、その切換えによってすぐに他方のアクチュエータの第3の端子が切り換えられる。その結果、一方のアクチュエータがトリガされれば、ほとんど遅延なく60ミリ秒以内で他方のアクチュエータがトリガされる。この極めて短時間の移行期間の間、モジュール端子に供給された電流が、上述のように、トリガされた第1のアクチュエータおよびまだトリガされていない第2のアクチュエータによってショートされてしまうが、そのようなショートの期間は、火災のリスクおよびバッテリの劣化を防止するのに十分に短い(シーケンス全体で90ミリ秒程度)。
【0031】
本電気バイパス装置は、各アクチュエータがモジュールに電気的に接続され、二次セルをモジュール端子に接続する配線を二重にして有利に構成することができる。
【0032】
ケーブルを二重にすることにより、配線のしやすさとバッテリの小型化を担保するのに十分に小さい断面積を有する撚り線ケーブルを使用しつつ、バッテリー電力を増大させることができる。実際に、所与の電流について今日の規格に従うと、1つの単独撚り線ケーブルは、2つの(二重にされた)並列な撚り線ケーブルの有効断面積の和よりも大きな有効断面積を有する必要があるであろう。
【0033】
本電気バイパス装置は、所与のモジュールに、1つの単独のよりかさばる(より大きな)アクチュエータの代わりに、サイズの小さい2つのアクチュエータが設置されている点でも有利である。そのような設置の利点は、バッテリー内で同じアクチュエータのレイアウトを保つことができることにある。すなわち、事実上、扱う電流が増えるにつれ、アクチュエータがよりかさばるようになるので、あるサイズを越えると、バッテリー内に大きなアクチュエータを設置するにはレイアウトの修正が必要になるであろう。
【実施例】
【0034】
図面を参照しながら様々な実施形態を以下に説明する。これらの図面において、同一または同様の部分は、同じ参照符号で示されている。
【0035】
図3A、図3B、図3Cは、第1の実施形態による動作の様々な段階における、モジュール30に接続された電気バイパス装置の回路図である。
【0036】
モジュール30は、並列に載置された二次セル31ならびに電気バイパス装置に接続された第1および第2の対の出力端子を備える。第1の対の端子は、第1のアクチュエータ20に接続された負端子32および正端子33を有する。第2の対の端子は、第2のアクチュエータ40に接続された負端子34および正端子35を有する。各二次セル31は、モジュールの2つの正端子および2つの負端子にそれぞれ撚り線ケーブルで接続された正端子および負端子を備える。これが二次セル端子とモジュール端子の間の配線の二重化を達成する。二重化により、配線のしやすさとバッテリの良好な小型化を担保するのに十分に小さい断面積を有する撚り線ケーブルを使用しつつ、バッテリ電力を増大させることができる。図3Bに示されるように、通常の動作状態においては、モジュールの正端子は、後の直列接続されたモジュール(図示せず)の負端子に接続され、負端子は、直列接続された前のモジュールの正端子にアクチュエータ20、40を介して接続されている。
【0037】
第1のアクチュエータ20は、第1の電力端子21、第2の電力端子22、第3の電力端子23を有する。第1の電力端子21および第2の電力端子22は、第1の対の二次セル出力端子の正端子33および負端子32にそれぞれ接続されている。図3Bに示されるように、第3の電力端子23は、前のモジュールの正端子に接続されている。第1の電力端子21および第3の電力端子23は、アクチュエータがトリガされていないときは通常は開いているバイパススイッチ21−23の端子を形成する。第3の電力端子23および第2の電力端子22は、通常は閉じた孤立スイッチ22−23の端子を形成する。
【0038】
第2のアクチュエータ40もまた、第1の電力端子41および第2の電力端子42が第2の対の二次セル端子に接続されている以外は第1のアクチュエータ20と同様に、モジュール30に電気的に接続された第1の電力端子41、第2の電力端子42、第3の電力端子43を有する。第2のアクチュエータの端子は同様に、通常は開いたバイパススイッチ41−43の端子および通常は閉じた孤立スイッチ42−43の端子を形成する。
【0039】
したがって、2つのアクチュエータがトリガされていない限り、孤立スイッチ22−23および42−43は、モジュール30の負端子を前のモジュールの正端子に電気的に接続し、これにより、モジュール30と前のモジュールの間に直列接続を構築する。アクチュエータは、上に定義された「接続位置」にある。
【0040】
さらに、各アクチュエータは、切換え制御手段27、47をそれぞれ有する。切換え制御手段により、アクチュエータの第3の端子の、上に定義された「孤立位置」への切換えを制御できる。ここで、切換えとは、例えば通常は開いている接触を閉じるなど、接触の当初の状態を変えることを意味すると解釈される。
【0041】
また、各アクチュエータは、通常は開いている制御スイッチ26、46をそれぞれ備える。各制御スイッチ26、46は、閉じているとき、バッテリの電力端子のうち1つ(図3Aから図3CのVバッテリ(+))を他方のアクチュエータの切換え制御手段27、47の1つの端子に接続する。切換え制御手段27、47の他方の端子は、バッテリの他方の電力端子(図3Aから図3CのVバッテリ(−))に接続される。したがって、各切換え制御手段27、47は第一に、下に記述する検出システムに接続され、第二に、他方のアクチュエータの制御スイッチ26、46が閉じているとき、バッテリ電源に接続される。切換え制御手段27、47を動作させるために、バッテリ以外の電力源が選択され得る。
【0042】
各制御スイッチ26、46は、アクチュエータがトリガされるときに切り換えられる。したがって、アクチュエータのうち1つだけが例えば意図せずしてトリガされるとき、そのバイパススイッチおよび孤立スイッチが切り換わり、その制御スイッチが閉じられる。制御スイッチが閉じることの効果は、他方のアクチュエータの切換え制御手段を、切換え制御手段をトリガするための所定値を超える電力を供給するバッテリ電力源に接続するということである。したがって、トリガされたアクチュエータの制御スイッチは今や、トリガしていないアクチュエータの切換え制御端子においてこのモジュールが不良になったかのようにトリガ制御をシミュレートする。
【0043】
アクチュエータの制御スイッチ26、46は、他方のアクチュエータのスイッチを切り換えさせ、これにより、他方のアクチュエータの切換え制御端子においてモジュール故障をシミュレートすることができる。制御スイッチは、アクチュエータが意図せずしてトリガされるとき、トリガされていないアクチュエータの第3の端子を切り換える(孤立スイッチおよびバイパススイッチを切り換える)ことができる。
【0044】
アクチュエータ20の切換え制御手段27の端子は、検出システム(図示せず)に接続されている。この検出システムは、切換え制御手段に並列に接続されている。この検出システムは、バッテリの各モジュールの状態を監視し、故障モジュールが検出されるとき、故障したモジュールに接続されたアクチュエータの作動を制御する。
【0045】
検出システムは、アクチュエータの切換え制御手段27の端子を、所定値を超える電力を供給する電力源に接続することによってアクチュエータのトリガを制御できる。したがって、モジュール30が不良になったとき、第1のアクチュエータ20が検出システムによってトリガされる。この第1のアクチュエータ20のトリガにより、そのバイパススイッチ21−23および孤立スイッチ22−23が切り換えられる。孤立スイッチ22−23および端子をもつバイパススイッチ21−23の切換えによって、故障モジュール30の二次セルの負端子32、34は孤立し、前記モジュール30の正端子33、35は前のモジュールの正端子に接続される。
【0046】
図示した実施形態において、第1のアクチュエータ20の切換え制御手段27のみが検出システムに接続されている。したがって、第1のアクチュエータが検出システムによってトリガされるとき、第2のアクチュエータ40は、第1のアクチュエータ20の制御スイッチ26が閉じることにより作動される。その結果、両方のアクチュエータがトリガされ、故障したモジュールが孤立しバイパスされる。1つの単独アクチュエータを制御することにより、バッテリ内のケーブルの数を減らすことができる。それでもなお、各アクチュエータの切換え制御手段27、47を検出システムに接続することも構想できる。
【0047】
この第1の実施形態において、アクチュエータのための切換え制御手段はそれぞれ、所定の値よりも大きな電力の効果のもとで切れる溶融可能なリンクを有する。
【0048】
溶融可能なリンクが切れることにより、第2のアクチュエータを切り換えらせるために制御スイッチを閉じる操作が可能となる。結果として、検出システムが溶融可能なリンクを切れさせるのに十分な電圧を溶融可能なリンク端子に印加することが重要である。
【0049】
制御スイッチ26、46が閉じ、バッテリの両方の端子を切換え制御手段27、47の溶融可能なリンクに接続すると、ショート回路が構築される。溶融可能なリンクが切れることにより、アクチュエータをトリガし、2つのバッテリ端子の間の回路を開くことが可能になり、それにより、バッテリ端子間のショート回路を終わらせる。溶融可能なリンクは、ショート回路の効果のもとで溶融可能なリンクを切ることが60ミリ秒程度の極めて短い時間期間で実行されるよう選択される。結果として、バッテリ端子でのショート回路は、火災または劣化を開始する可能性が少しでも出る前に中断される。
【0050】
図3Bは、この短い時間期間の間、具体的には第1のアクチュエータ20のみがトリガしたときの電気回路図を示す。図3Bは、本発明の装置の状態を示すのではなく、単に移行状況を説明するものであることが理解されるべきである。1つのアクチュエータのみがトリガしたとき、モジュール30の第2の対の端子の負端子34と、モジュール30の第1の対の端子の正端子33との間にショート回路が構築される。実際に、これら2つの端子の間を電流が流れることができるが、これは、トリガされていないアクチュエータの孤立スイッチ42−43、前にあるモジュールの正端子、および、トリガしたアクチュエータのバイパススイッチ21−23を介して流れるものである。第2のアクチュエータの孤立スイッチ42−43が開くと、それがこのショート回路を中断する。ショート回路は、火災または劣化のいかなる開始をも防止する、極めて短い時間期間(80ミリ秒程度)の間存在する。
【0051】
図3Cは、この短い時間期間が経過したあと、換言すれば、第2のアクチュエータの溶融可能なリンクが切れ、そのスイッチが切り換わったときの回路図を示す。
【0052】
本発明の電気バイパス装置の2つのアクチュエータは、作動された状態(孤立位置)にある。第2のアクチュエータの孤立スイッチ42−43を開くことにより、そのモジュールの第2の対のセル端子の負端子34を孤立させる。バイパススイッチ41−43を閉じることの効果は、後のモジュールの負端子を前のモジュールの正端子に直接接続し、それによりこれら2つの、後および前のモジュールを直列にすることによって、故障モジュールをバイパスすることである。
【0053】
第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータは、同一のものであることができる。図4は、本発明の実施形態によるアクチュエータの回路図を示す。本回路図は、スイッチの切換えの理解を容易にするために意図的に簡略化されている。理解し易いように、図4のアクチュエータの参照符号は、図3A、図3B、図3Cの第1のアクチュエータのものと同じである。
【0054】
本アクチュエータは、3つの電力端子21、22、23が突出する電気絶縁性の本体50を有する。本アクチュエータは、その本体50の内部に、第1の電力端子21、第2の電力端子22、第3の電力端子23にそれぞれ接続された、酷使に耐えうる、第1の接触部材51、第2の接触部材52、第3の接触部材53を有する。第3の電力端子23は、第1の電力端子21と第2の電力端子22の間に位置している。また、本アクチュエータは、プランジャ54を備える。プランジャ54は、トリガされていない状態にあるアクチュエータに対応する第1の位置(接続位置)、および、トリガされた状態にあるアクチュエータに対応する第2の位置(孤立位置)の、2つの両極端な位置の間で可動である。プランジャ54は、第1および第2の位置の間で接触部材の中を摺動する電気伝導性の切換え部分55を有する。切換え部分55が(溶融可能なリンクが切れ、プランジャが移動するのに自由になった時点から開始して)摺動するのにかかる時間は、20ミリ秒程度である。図4では、アクチュエータは、接続位置において示される。接続位置では、切換え部分55は、酷使に耐えうる、第2の接触部材52と第3の接触部材53の間に電気的接触を構築する。孤立位置では、切換え部分55は、第3の接触部材53および第1の接触部材51の間に電気的接触を確立する。プランジャ54が摺動している間は、切換え部分55が10ミリ秒程度の非常に短い時間期間にわたって3つの接触部材51、52、53と接触していることになってもよい。この非常に短い期間の間、アクチュエータがモジュールの端子において接続されるとき、端子ショート回路と称されるショート回路がモジュールの正端子と負端子の間に構築される。端子ショート回路の状態は、切換え部分55が第2の接触部材52ともはや接触しないほど十分に摺動したとき、中断される。
【0055】
本モジュールの正端子と負端子の間のショート回路状態の継続時間は、端子のショート回路状態の継続時間(10ミリ秒)、第2のアクチュエータの溶融可能なリンクが切れるのにかかる時間(60ミリ秒)、第2のアクチュエータの切換え部分が摺動するのに要する時間(20ミリ秒)の和に等しく、合計90ミリ秒程度になる。
【0056】
また、本アクチュエータは、切換え制御手段27を有する。切換え制御手段は、上に記述した溶融可能なリンク、および、ピストン54を接続位置に保持する脆弱な保持装置65を有する。アクチュエータはさらに、接触部材51と、接触部材51と保持装置65の間でピストン54に固定された電気絶縁性のプレート57との間に、接続位置においては圧縮されたばね56を有する。圧縮されたばね56は、ピストン54を孤立位置の方へと押し進める。保持装置65は、互いに押し付けあって円筒状組立体を形成する2つの半円筒を有する。半円筒は、一端が溶融可能なリンクに結び付けられた保持ワイヤコイルによって接触状態に保たれる。
【0057】
保持装置65が作動されるとき、換言すれば、溶融可能なリンクが切れ、保持ワイヤがもはや2つの半円筒を保持しなくなるとき、ピストン54がばね56によって孤立位置の方へと摺動するよう押し進められる。
【0058】
本アクチュエータはさらに、絶縁プレート57と保持装置65の間にピストン54に固定された電気伝導性の接触プレート58を有する。また、本アクチュエータは、アクチュエータの制御スイッチを形成する第4の接触部材59および第5の接触部材60を備える。ピストン54が孤立位置にあるとき、接触プレート58が第4の接触部材59と第5の接触部材60の間に接触を確立する。つまり、結果として、第4の接触部材59および第5の接触部材60が接触プレート58とともに、制御スイッチ26を形成する。ピストン54が接続位置にあるときは、制御スイッチ26は開いており、ピストン54が孤立位置にあるときは、制御スイッチ26は接触プレート58を介して閉じられている。
【0059】
絶縁プレート57は、接触部材51、52、53を、接触プレート58と接触することから保護する。接触プレート58は、絶縁プレート57に固定することができる。この構成は、アクチュエータの長さを短縮する。
【0060】
本実施形態において、電気バイパス装置の信頼性を改善するために、制御スイッチの端子を配線するのに冗長性を使用することができる。
【0061】
図5A、図5B、図5Cは、第2の実施形態による電気バイパス装置の様々な位置における電気回路図である。第1の実施形態および第2の実施形態の両方に共通する部分については、第1の実施形態の記述が本第2の実施形態にも適用される。
【0062】
本第2の実施形態によれば、制御スイッチはもはや必要ではなく、切換え制御手段27、47の端子が第1の実施形態とは違った仕方で接続される。ここで、電気バイパス装置は、例えば、図2に示された仏国特許出願公開第2776434号明細書に開示されたものと同じ仕方で設計された2つのアクチュエータを有する。また、それらは、他の従来技術のアクチュエータと同様に設計することもできる。
【0063】
各アクチュエータは、第1の端子21、41、第2の端子22、42、第3の端子23、43を有する。第1、第2、第3の端子について第1の実施形態と関連して与えられた記述は、とりわけ電力端子のモジュール端子への配線に関して本第2の実施形態にも適用される。
【0064】
しかし、本第2の実施形態において、各アクチュエータの切換え制御手段27、47は、他方のアクチュエータの孤立スイッチを形成する端子に並列に接続されている。したがって、図5Aから図5Cに図示された例において、第1のアクチュエータ20の切換え制御手段27は、第2のアクチュエータ40の第2の端子42および第3の端子43に接続され、第2のアクチュエータの切換え制御手段47は、第1のアクチュエータの第2の端子22および第3の端子23に接続されている。結果として、通常の動作条件のもとでは、すなわちアクチュエータのどちらもトリガしなかったとき、ほとんどの電流は、閉じられた孤立スイッチ22−23および42−43を介して流れる。孤立スイッチを流れる電流は、実は、モジュールによって出力される電流に溶融可能なリンクの抵抗値を掛けて、孤立スイッチおよび溶融可能なリンクの抵抗値の和で割ったものに等しい。これが意味するところは、溶融可能なリンクの抵抗値が孤立スイッチの抵抗値を上回るほど、より多くの電流が孤立スイッチを流れることになるということである(分配器ブリッジの原理、divider bridge principle)。
【0065】
第1の実施形態を参照しながら記述したように、検出システムがモジュールが故障したことを検出するとき、第1のアクチュエータ20の孤立スイッチ22−23およびバイパススイッチ21−23が切り換わる。第2のアクチュエータ40の切換え制御手段47が第1のアクチュエータ20の孤立スイッチ22−23と並列に載置されているので、孤立スイッチ22−23をバイパスするバイパス回路が構築される。この回路は、モジュールの負端子32の孤立を防止し、モジュールの負端子32と正端子33の間にショート回路を構築する。このショート回路は、図5Bに矢印で図示される。ショート回路は、切換え制御手段47の端子において所定の値よりも大きな電力を作り出し、これが溶融可能なリンクを切れさせる。溶融可能なリンクが切れることにより、第2のアクチュエータ40の接点が切り換えられ、ショート回路を中断させ、モジュールの負端子42を孤立させる。
【0066】
したがって、第1の実施形態に関して論じたように、モジュールの正端子と負端子の間のショート回路の継続時間は、第1のアクチュエータの端子のショート回路の継続時間(10ミリ秒)、第2のアクチュエータの溶融可能なリンクが切れるのにかかる時間(60ミリ秒)、第2のアクチュエータの切換え部分が摺動するのにかかる時間(20ミリ秒)の和に等しく、90ミリ秒程度のショート回路の総継続時間、または、端子がショートしている間に溶融可能なリンクが切れ始めるとするとそれ未満になる。
【0067】
同様に、アクチュエータが意図せずしてトリガした場合、他方のアクチュエータの切換え制御手段がトリガしたアクチュエータの孤立スイッチをバイパスすることになり、これがトリガしたアクチュエータに接続された端子の間にショート回路を構築する。このショート回路により、トリガしていないアクチュエータの切換え制御手段の溶融可能なリンクが切れる。結果として、両方の切換え制御手段が作動され、両方のアクチュエータがトリガした。
【0068】
本第2の実施形態において、孤立スイッチは好ましくは、300μΩより小さい非常に低い抵抗値を有し、バイパス回路の抵抗値は、孤立スイッチの抵抗値よりも少なくとも2500倍大きいことにより、溶融可能なリンクを流れる電流が通常の動作条件のもとで該リンクを切れさせないほどに十分に小さくなる。明らかに、一方のアクチュエータの孤立スイッチと他方のアクチュエータの切換え制御手段の間に、切換え制御手段と直列に抵抗器を含めることができる。この抵抗器は、バイパス回路の抵抗値を大きくし、それによって、切換え制御手段が意図せずして作動されるリスクを減らすことを可能にするであろう。それでもなお、高すぎる抵抗値は、トリガされていないアクチュエータの切換え制御手段の溶融可能なリンクを流れる電流も減らすであろうから、高すぎる抵抗値を選択しないことが重要である。
【0069】
明らかに、本発明は記載および図示された例および実施形態に制限されない。具体的には、実施形態において、電気バイパス装置のアクチュエータに接続されたモジュール端子の極性を、逆にすることもできる。例えば、各アクチュエータの第1の接触部材をモジュールの負端子に接続することができ、各アクチュエータの第2の接触部材をモジュールの正端子に接続することができる。
【0070】
実施形態によっては、電気バイパス装置に接続されたモジュールは、それぞれが電気バイパス装置に接続された他のモジュールに接続することができる。バッテリの諸モジュールに接続された諸電気バイパス装置は、同一または異なることができる。
【0071】
実施形態によっては、モジュール30が最初または最後の直列接続されたモジュールであれば、前のモジュールの端子または後のモジュールの端子はバッテリの端子のうち1つであることができる。
【0072】
実施形態によっては、電気バイパス装置は、2つより多いアクチュエータを備えることができる。アクチュエータの数は、配線の冗長性の度合いによる。例えば、モジュールの二次セルの三重配線の場合、電気バイパス装置は、3つのアクチュエータを備えるであろう。
【0073】
実施形態によっては、撚り線ケーブルは、バッテリの2つの対向する側面に沿って敷設することができ、第1のアクチュエータがバッテリの一面に収容され、第2のアクチュエータがバッテリの他方の面に収容される。そのような位置付けは、バッテリにおいて、ケーブル内の二重の加熱効果によって生成された熱のバランスを取ることができる。
【0074】
実施形態によっては、溶融可能なリンクは、他のいかなる検出手段で置換することもできる。例えば、溶融可能なリンクは、アクチュエータが不可逆的に動作するのを保証するよう、非復帰システムをもつバイメタルで置換することができる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、各種の装置に搭載される、複数の直列接続されたモジュールを有するバッテリに適用することができる。
【符号の説明】
【0076】
20 第1のアクチュエータ
21 第1の電力端子
22 第2の電力端子
23 第3の電力端子
21−23 バイパススイッチ
22−23 孤立スイッチ
26 制御スイッチ
27 切換え制御手段
30 モジュール
31 二次セル
32 負端子
33 正端子
34 負端子
35 正端子
40 第2のアクチュエータ
41 第1の電力端子
42 第2の電力端子
43 第3の電力端子
41−43 バイパススイッチ
42−43 孤立スイッチ
46 制御スイッチ
47 切換え制御手段
50 本体
51 第1の接触部材
52 第2の接触部材
53 第3の接触部材
54 プランジャ
55 切換え部分
56 ばね
57 絶縁プレート
58 接触プレート
59 第4の接触部材
60 第5の接触部材
65 保持装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次セル(31)で構成されたモジュール(30)のための電気バイパス装置であって、前記モジュール(30)は、少なくとも2対の電気出力端子(32、33、34、35)を有し、当該装置は、
−3つの電力端子(21、22、23)を備える第1のアクチュエータ(20)であって、第1および第2の端子(21、22)は、前記二次セルの出力端子の第1の対(32、33)に電気的に接続され、第3の端子(23)は、前記第1の端子と前記第2の端子(21、22)との間で電気的に切り換えられるよう構成されている、第1のアクチュエータと、
−3つの電力端子(41、42、43)を備える第2のアクチュエータ(40)であって、第1および第2の端子(41、42)は、前記二次セルの出力端子の第2の対(34、35)に電気的に接続され、第3の端子(43)は、前記第1の端子と前記第2の端子(41、42)との間で電気的に切り換えられるよう構成されている、第2のアクチュエータと、を備え、
前記第1のアクチュエータまたは前記第2のアクチュエータの前記第3の端子の切換えは、それぞれ前記第2のアクチュエータまたは前記第1のアクチュエータの前記第3の端子の切換えをトリガすることを特徴とする電気バイパス装置。
【請求項2】
各アクチュエータの第3の端子および第1の端子は、通常は開いたバイパススイッチを形成し、各アクチュエータの第3の端子および第2の端子は、通常は閉じた孤立スイッチを形成することを特徴とする、請求項1に記載の電気バイパス装置。
【請求項3】
各アクチュエータは、第3の端子(23、43)の切換え制御手段(27、47)をさらに備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の電気バイパス装置。
【請求項4】
前記切換え制御手段(27、47)のそれぞれは、溶融可能なリンクを備えることを特徴とする、請求項3に記載の電気バイパス装置。
【請求項5】
各アクチュエータは、第3の電力端子(23、43)が切り換えられるときに切り換わり、他方のアクチュエータの第3の端子(43、23)の切換えを作動させる制御スイッチ(26、46)を備えることを特徴とする、請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の電気バイパス装置。
【請求項6】
各制御スイッチ(26、46)は、第3の端子(23、43)が切り換えられるときに閉じる、通常は開いたスイッチであることを特徴とする、請求項5に記載の電気バイパス装置。
【請求項7】
第1および第2のアクチュエータの前記切換え制御手段は、それぞれ第2および第1のアクチュエータの孤立スイッチと並列に載置されていることを特徴とする、請求項3または4に記載の電気バイパス装置。
【請求項8】
−本体(50)と、
−保持装置(65)と、
−第1の接触部材(51)と第2の接触部材(52)の間に接触を確立する第1の位置に保持され、前記第2の接触部材(52)と第3の接触部材(53)の間に接触を確立する第2の位置へと押し進められるプランジャ(54)と、
−前記プランジャが前記第1の位置から前記第2の位置に移動すると切り換わるスイッチを形成する第4の接触部材(59)および第5の接触部材(60)と、
を備えることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項9】
前記プランジャ(54)に載置され、前記プランジャが前記第2の位置にあるとき、前記第4の接触部材と前記第5の接触部材(59、60)の間に接触を確立することにより前記スイッチを閉じるよう構成された、接触プレート(58)を備えることを特徴とする、請求項8に記載のアクチュエータ。
【請求項10】
前記接触プレート(58)と前記第1、第2、第3の接触部材(51、52、53)との間で前記プランジャ(54)に載置された絶縁プレート(57)を備えることを特徴とする、請求項9に記載のアクチュエータ。
【請求項11】
直列に接続されたモジュールと、少なくとも1つの請求項1乃至7に記載の電気バイパス装置とを備えることを特徴とする、バッテリ。
【請求項12】
前記バッテリの一方の側に第1のアクチュエータが収容され、前記バッテリの他方の側に第2のアクチュエータが収容されることを特徴とする、請求項11に記載のバッテリ。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【公開番号】特開2011−103739(P2011−103739A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−258110(P2009−258110)
【出願日】平成21年11月11日(2009.11.11)
【出願人】(507298016)
【Fターム(参考)】