説明

電気伝導率計

【課題】内電極、外電極の外径寸法を大きくすることで電気伝導率計のセル定数を小さくしても測定流体の流れに悪影響を与える度合いが少なく、低セル定数仕様の電気伝導率計でも、装置の効率を低下させないこと。
【解決手段】外電極20と内電極30が共に先端開口の中空の円筒形状をなして計器本体10に取り付けられ、外電極20と内電極30の各々の計器本体10に対する取付端側に各々流体流通開口25、35が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電気伝導率計に関し、特に、外電極と内電極を被測定流体に接触させて被測定流体の比抵抗、導電率、濃度などを測定する電気伝導率計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電気伝導率計として、図9に示されているように、管用ねじ等による取付部101を有する計器本体100と、計器本体100に取り付けられた円筒状の外電極103と、外電極103の内側に同心配置で電気絶縁性の電極支持体102によって計器本体100に固定装着された円柱状の内電極104とを有するものがある。
【0003】
電気伝導率計は、取付部101によって計器本体100をT継手部材201に取り付けられ、外電極103と内電極104をT継手部材201の測定液体流路202内に配置される。外電極103の外径は測定液体流路202の内径より小さく、外電極103の外側に外側流通間隙301が画定される。内電極104の外径は外電極103の内径よりも小さく、内電極104と外電極103との間に内側流通間隙302が画定される。外電極103の計器本体100に対する取付根元部には、外側流通間隙301と内側流通間隙302とを連通させるための流通孔105が貫通形成されている。
【0004】
測定液体は、図10に示されているように、外電極103の先端開口106より内側流通間隙302に流入し、内側流通間隙302を流れて流通孔105より外側流通間隙301へ流出する。このようにして、外電極103と内電極104との間に流れる液体の抵抗値を測定し、図9に示されているように内電極104の内部に収納した温度センサ107により温度補償をして電気伝導率に換算している(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−189010号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の電気伝導率計は、下記欠点を有する。
(1)電気伝導率計を流路に取付けて使用するとき、セル定数を小さくすべく、外電極103と内電極104の外径を大きくすると、特に、内電極104は、柱状をしているので、流路における測定液体の流通をはばみ、装置の効率を低下させる。
【0006】
(2)比抵抗の高い液体を測定する場合、セル定数を小さくする必要がある。これを、単純に外電極103の内径面積と内電極104の外径面積を大きくすることで実現しようとすると、小型化が図れなくなってしまう。
【0007】
小型化を図るために外電極103の外径を抑えると、図11(a)に示されているように、外電極103と内電極104の間隔(内側流通間隙302)が狭くなり、セル定数を小さくする上でも好都合である。
【0008】
しかし、外電極103と内電極104の間隔(内側流通間隙302)が狭いと、その分、測定液体の流通がはばまれて装置効率が低下するので、図11(b)に示されているように、内電極104の外径を小さくすると、外電極103と内電極104の間隔(内側流通間隙302)が大きくなり、内電極104が測定液体の流れを阻害する働きが低減するが、内電極104の外径面積の低減に伴ってセル定数が大きくなり、比抵抗の高い液体を適切に測定できなくなる。
【0009】
このように、装置の小型化とセル定数を小さくすることを両立させることは、相反する要請を同時に満たす必要があり困難である。
【0010】
(3)当該電気伝導率計において、セル定数が小さい抵抗率計とする場合、内電極104が太く長くなるので、内電極104の熱容量が大きくなり、測定液体の温度が急激に変化する場合には、内電極104の内部に収納した温度センサ107による温度計測が急激な温度変化に追従できず、正しい温度補償が行われなくなる。
【0011】
この発明が解決しようとする課題は、内電極、外電極の外径寸法を大きくすることで電気伝導率計のセル定数を小さくしても測定流体の流れに悪影響を与える度合いが少なく、低セル定数仕様の電気伝導率計でも、装置の効率を低下させないことである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明による電気伝導率計は、同心状に配置された外電極と内電極とを備え、前記外電極と前記内電極の間の液体の電気伝導率を測定すると共に、計器本体に取り付けられて前記外電極及び前記内電極と同心状に配置される有底円筒状の温度センサ収納ケースに収納され、測定される前記外電極と前記内電極の間の液体の電気伝導率を温度補正するための温度センサをさらに備える電気伝導率計において、前記外電極及び前記内電極が、中空の円筒形状部と、該円筒形状部の一端の周方向に間隔をおいた複数箇所から各々前記円筒形状部の軸方向に所定の突出長をもって突出形成された間隔保持脚片とを有して形成されており、前記各間隔保持脚片の先端が前記計器本体の一端面に突き当たる状態で前記外電極及び前記内電極が前記計器本体に各々取り付けられることにより、前記周方向において隣り合う前記間隔保持脚片と、前記計器本体及び前記円筒形状部とにより画成される流体流通開口が、前記外電極及び前記内電極に各々複数形成されている。
【0013】
この発明による電気伝導率計は、好ましくは、前記外電極及び前記内電極が、少なくとも一部の前記間隔保持脚片の先端から前記軸方向に、前記周方向において前記間隔保持脚片よりも小さい寸法で延出した取付片を有しており、該取付片と前記間隔保持脚片との前記周方向における段差が前記計器本体の一端面に突き当たる状態で前記取付片が前記計器本体に挿入されることにより、前記外電極及び前記内電極が前記計器本体に各々取り付けられる。
【0014】
この発明による電気伝導率計は、好ましくは、前記温度センサ収納ケースの軸方向中間の外周面箇所に、該温度センサ収納ケースの径方向外方に突出する鍔部が形成されており、該鍔部が前記計器本体の一端面に突き当たる状態で前記鍔部よりも前記温度センサ収納ケースの開放端寄りの一部分が前記計器本体に挿入されることにより、前記温度センサ収納ケースが前記計器本体に取り付けられる。
【発明の効果】
【0015】
この発明による電気伝導率計は、外電極や内電極の流体流通開口が、円筒形状部の周方向において隣り合う間隔保持脚片と、間隔保持脚片の先端が一端面に突き当たっている計器本体及び円筒形状部とにより画成されるから、外電極と内電極の両円筒形状部どうしの間を通流する測定液体の通流が、内電極の流体流通開口の存在も相まって促進されることになり、その結果、セル定数を小さくするために外電極や内電極の円筒形状部の外径を大きくしても、測定流体の流れに悪影響を与える度合いが少ないという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
この発明による電気伝導率計の一つの実施形態を、図1〜図8を参照して説明する。
【0017】
本実施形態による電気伝導率計は、図1に示されているように、外側に取付用六角ナット部11と取付用ねじ部12を形成された合成樹脂製の計器本体(ケース)10を有する。計器本体10には、外電極20と内電極30と温度センサ収納ケース40が同心配置で固定装着されている。
【0018】
外電極20は、図3に示されているように、内側を電極面21とする先端開口の中空の円筒形状部22と、円筒形状部22の一端に所定の突出長をもって突出形成された複数個(本実施形態では90度等間隔で4個)の間隔保持脚片23と、複数個(本実施形態では180度等間隔で2個)の間隔保持脚片23の各々の先端より延出した取付片24とを有する。
【0019】
この形状の外電極20は、ステンレス鋼等による薄肉の金属パイプ材や金属板の曲げ加工または絞り加工、プレス加工により、削り出し加工を伴うことなく製作することができる。
【0020】
外電極20は、取付片24を計器本体10に形成された取付孔13に図4に示されているように差し込まれることにより、図2に示されているように、計器本体10の先端面10Aの側に取り付けられる。この取付片24の差し込みは、間隔保持脚片23の先端面23Aが計器本体10の先端面10Aに突き当たるまで行われる。
【0021】
これにより、隣接する間隔保持脚片23間と計器本体10の先端面10Aとの間に、つまり、外電極20の計器本体10に対する取付端側に、液溜まりを生じない比較的大きい矩形の流体流通開口25が複数個(本実施形態では4個)画定される。
【0022】
外電極20の取付片24の先端は取付孔13を貫通して計器本体10の先端面10Aとは反対側に形成されている接続端子室14内に突出している。この取付片24の先端は電極端子24Aをなし、端子コネクタ50によって引出ケーブル60の信号線61と導通接続されている。
【0023】
接続端子室14の底部には、図5に示されているように、取付孔13の開口端を取り囲むように矩形のシール収納凹部15が形成されている。シール収納凹部15には、図2に示されているように、取付片24を取り囲む合成ゴム等からなるシール部材(0リング)51が取り付けられている。なお、シール収納凹部15の角部15Aはシール部材51との間に隙間ができないよう、図5に示されているように、シール部材51とほぼ同じ曲がりの湾曲面に形成されている。
【0024】
内電極30は、図3に示されているように、外側を電極面31とする先端開口の中空の円筒形状部32と、円筒形状部32の一端に所定の突出長をもって突出形成された複数個(本実施形態では90度等間隔で4個)の間隔保持脚片33と、複数個(本実施形態では180度等間隔で2個)の間隔保持脚片33の各々の先端より延出した取付片34とを有し、円筒形状部32は外電極20の円筒形状部22より小径に形成されている。
【0025】
この形状の内電極30も、ステンレス鋼等による薄肉の金属パイプ材や金属板の曲げ加工または絞り加工、プレス加工により、削り出し加工を伴うことなく製作することができる。
【0026】
内電極30は、取付片34を計器本体10に形成された取付孔16に図4に示されているように差し込まれることにより、図1に示されているように、計器本体10の先端面10Aの側に、外電極20の内側に同心(同軸)配置で、取り付けられる。この取付片34の差し込みは、間隔保持脚片33の先端面33Aが計器本体10の先端面10Aに突き当たるまで行われる。
【0027】
これにより、隣接する間隔保持脚片33間と計器本体10の先端面10Aとの間に、つまり、内電極30の計器本体10に対する取付端側に、液溜まりを生じない比較的大きい矩形の流体流通開口35が複数個(本実施形態では4個)画定される。
【0028】
尚、図1では図示されていないが、内電極30の取付片34の先端は、外電極20の取付片24と同様に、取付孔16を貫通して、図2に示されている計器本体10の接続端子室14内に突出している。この取付片34の先端も電極端子をなし、端子コネクタ52によって引出ケーブル60の信号線62と導通接続されている。
【0029】
接続端子室14の底部には、図5に示されているように、取付孔16の開口端を取り囲むように矩形のシール収納凹部17が形成されている。シール収納凹部17には取付片34を取り囲む合成ゴム等からなるシール部材(図示省略)が取り付けられている。なお、シール収納凹部17の角部17Aはシール部材との間に隙間ができないよう、シール部材とほぼ同じ曲がりの湾曲面に形成されている。
【0030】
なお、シール収納凹部15、17の形状は円形であってもよい。
【0031】
図1及び図2に示されているように、内電極30の円筒形状部32は、外電極20の円筒形状部22との間に、円筒形状部22の先端開口22Aを液体入口、流体流通開口25を液体出口とする円環状横断面の内側流通間隙(電極間流通間隙)71を画定すると共に、その内側に、円筒形状部22の先端開口22Aおよび円筒形状部22の先端開口22Aを液体入口、流体流通開口35を液体出口とする円形横断面の電極内流通路72を画定する。
【0032】
温度センサ収納ケース40は、ステンレス鋼等の深絞り加工品、あるいは樹脂成型品による有底の薄肉円筒形状をなし、内部にサーミスタ等による温度センサ41を収納し、軸長方向の中間部外周に、図7に示されているように、鍔部42を有する。温度センサ収納ケース40の鍔部42よりも開口端側の部分は、図3に示されているように、計器本体10の略中央に設けられた中央取付孔18に挿入され、これにより、図1及び図2に示されているように、内電極30内に温度センサ収納ケース40が同心配置されている。
【0033】
温度センサ収納ケース40の中央取付孔18に対する挿入は、鍔部42が計器本体10の先端面10Aに突き当たるまで行われる。これにより、温度センサ収納ケース40内の温度センサ41が内電極30の内側を流路とする電極内流通路72の適切な位置に配置されるようになる。
【0034】
図2に示されているように、温度センサ収納ケース40の上端部40Aは中央取付孔18を貫通して計器本体10の接続端子室14内に突出している。温度センサ41のリード線43は接続端子室14において引出ケーブル60の信号線63と導通接続されている。
【0035】
図5に示されているように、接続端子室14の底部には中央取付孔18の開口端を取り囲むように円形のシール収納凹部19が形成されている。シール収納凹部19には、図2に示されているように、温度センサ収納ケース40の上端部40Aを取り囲む合成ゴム等からなるシール部材53が取り付けられている。
【0036】
なお、接続端子室14は、薄い金属製あるいは樹脂製の蓋部材54によって閉じられ、樹脂55を充填されている。
【0037】
上述の構成による電気伝導率計では、外電極20と内電極30とが共に先端開口の中空の円筒形状で、外電極20と内電極30の各々において、隣接する間隔保持脚片23、33間と計器本体10の先端面10Aとの間に流体流通開口25、35が設けられるから、図8(a)に示されているように、外電極20、内電極30の外径を大きくしても、内側流通間隙71、電極内流通路72の流路を大きく取ることができる。
【0038】
これにより、上述の構成による電気伝導率計では、セル定数を小さくしても流体の流通を制限しないという効果が得られる。これにより、電気伝導率計を測定液体の流路に取付けて使用するとき、外電極と内電極の外径を大きくしても(セル定数を小さくしても)、測定液体の流通を阻害することがなく、装置の効率を低下させることがない。
【0039】
外電極20の外径を配管(T継手部材201の測定液体流路202)の内径にほぼ等しい寸法にしても、例えば図8(b)に示されているように、流出側の流路を計器本体10側に設置すれば、測定液体は、外電極20の内径と内電極30の外径の間と、内電極30の内径と温度センサ収納ケース40の外径の間とを流れ、測定液体の流れが阻害することはない。これにより、例えば、高い比抵抗を測定するセル定数0.01の抵抗率計(電気伝導率計)において、外電極20の内径と内電極30の外径の間寸法を従来のものの半分以下にすることができ、外電極20、内電極30の長さも半分以下の寸法にすることが可能になり、今までに考えられなかった小型のセル定数0.01の電気伝導率計が出来上がった。
【0040】
また、流体流通開口25の構成により、外電極20の端部と計器本体10との間に液溜まりができることがなく、新しく流入してくる測定液体の値に遅れることなく応答することができる。これにより、汚れた液体と清浄な液体が交互に流れてくるような測定液体に対して使用が可能になる。また、気泡の発生するような流体であっても気泡が電極内に残りにくい流路構造であるから、気泡による測定誤差を少なくする効果も得られる。
【0041】
また、温度センサ41が、図9〜図11を参照して説明した従来の電気伝導率計のように、セル定数を小さくするため外径を大きくすることが好ましい内電極104に内蔵されるのではなく、内電極30と別体化される細い薄肉のパイプ状の温度センサ収納ケース40内に納められているから、温度センサ41は、速い温度変化の測定液体に対して遅れることなく応答する。
【0042】
さらに、上記した従来の電気伝導率計では、外電極103において、測定液体の流通は、外電極103に明けた流通孔105を通って流れ出るため、流通孔105から離れた計器本体100に近い部分(外電極103の計器本体100に対する取付根元部)にある測定液体は、流入してきた新しい測定液体に速やかに入れ替わりにくく、応答が遅れる。このことは、流通孔105が、外電極103の内径表面積に対して小さく、内側流通間隙302の計器本体側突き当たり303よりも液流入側にあり、液溜まり部分304を皆無にできないために生じる。
【0043】
しかし、本構成としたことで、外電極20と内電極30の間に形成される内側流通間隙71の、計器本体10の先端面10A寄り部分に液溜まりができず、よって、外電極20と内電極30の間の内側流通間隙71にある測定液体が、流入してきた新しい測定液体に速やかに入れ替わり易くなり、よって、測定液体の急激な温度変化にも、その温度変化に追従して正しい温度補償ができ、温度の高い液体と低い液体が交互に流れてくる測定液体に対して使用が可能になる。
【0044】
また、本構成としたことで、各部品の製作が容易となり、各部品の材料と加工時間を大幅に減らし、例えば、外電極と内電極を丸棒から加工した場合と比較して内外電極の材料費を1/10に、材料重量、加工費を1/5にすることが可能になり、大幅なコストダウンと環境負荷軽減が行われる。これらのことにより、安価な電気伝導率計が提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】この発明による電気伝導率計の一つの実施形態を示す縦断面図である。
【図2】図1の線A−Aに沿った断面図である。
【図3】一つの実施形態による電気伝導率計の分解斜視図である。
【図4】一つの実施形態による電気伝導率計の組立斜視図である。
【図5】一つの実施形態による電気伝導率計の計器本体の斜視図である。
【図6】一つの実施形態による電気伝導率計の外電極と内電極の組み合わせを示す斜視図である。
【図7】一つの実施形態による電気伝導率計の温度センサ収納ケースの縦断面図である。
【図8】(a)は一つの実施形態による電気伝導率計のT継手部材に対する取付状態を示す断面図、(b)は測定液体の流路を示す説明図である。
【図9】従来の電気伝導率計および電気伝導率計のT継手部材に対する取付状態を示す断面図である。
【図10】従来の電気伝導率計における測定液体の流れを模式的に示す斜視図である。
【図11】(a)、(b)は各々従来の電気伝導率計のT継手部材に対する取付状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0046】
10 計器本体
10A、23A、33A 先端面
11 取付用六角ナット部
12 取付用ねじ部
13 取付孔
16 取付孔
14 接続端子室
15、17、19 シール収納凹部
15A、17A 角部
18 中央取付孔
20 外電極
21、31 電極面
22、32 円筒形状部
23、33 間隔保持脚片
24、34 取付片
24A 電極端子
25 流体流通開口
30 内電極
35 流体流通開口
40 温度センサ収納ケース
41 温度センサ
42 鍔部
50、52 端子コネクタ
51、53 シール部材
54 蓋部材
55 樹脂
60 引き出しケーブル
61、62、63 信号線
71 内側流通間隙
72 電極内流通路
201 T継手部材
202 測定液体流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同心状に配置された外電極と内電極とを備え、前記外電極と前記内電極の間の液体の電気伝導率を測定すると共に、計器本体に取り付けられて前記外電極及び前記内電極と同心状に配置される有底円筒状の温度センサ収納ケースに収納され、測定される前記外電極と前記内電極の間の液体の電気伝導率を温度補正するための温度センサをさらに備える電気伝導率計において、
前記外電極及び前記内電極が、中空の円筒形状部と、該円筒形状部の一端の周方向に間隔をおいた複数箇所から各々前記円筒形状部の軸方向に所定の突出長をもって突出形成された間隔保持脚片とを有して形成されており、前記各間隔保持脚片の先端が前記計器本体の一端面に突き当たる状態で前記外電極及び前記内電極が前記計器本体に各々取り付けられることにより、前記周方向において隣り合う前記間隔保持脚片と、前記計器本体及び前記円筒形状部とにより画成される流体流通開口が、前記外電極及び前記内電極に各々複数形成されている電気伝導率計。
【請求項2】
前記外電極及び前記内電極が、少なくとも一部の前記間隔保持脚片の先端から前記軸方向に、前記周方向において前記間隔保持脚片よりも小さい寸法で延出した取付片を有しており、該取付片と前記間隔保持脚片との前記周方向における段差が前記計器本体の一端面に突き当たる状態で前記取付片が前記計器本体に挿入されることにより、前記外電極及び前記内電極が前記計器本体に各々取り付けられる請求項1記載の電気伝導率計。
【請求項3】
前記温度センサ収納ケースの軸方向中間の外周面箇所に、該温度センサ収納ケースの径方向外方に突出する鍔部が形成されており、該鍔部が前記計器本体の一端面に突き当たる状態で前記鍔部よりも前記温度センサ収納ケースの開放端寄りの一部分が前記計器本体に挿入されることにより、前記温度センサ収納ケースが前記計器本体に取り付けられる請求項1又は2記載の電気伝導率計。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2006−317214(P2006−317214A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−138149(P2005−138149)
【出願日】平成17年5月11日(2005.5.11)
【出願人】(000143949)株式会社鷺宮製作所 (253)
【Fターム(参考)】