説明

電気光学的読み取り器および画像プロジェクターにおける光ビームの位置のモニタリング

電気光学的読み取り器、画像プロジェクター、および同種のデバイスにおける光ビームの位置を決定するための装置は、スキャンラインとして標的の端から端までをスキャン周波数でスキャンを行う光ビームを動かすためのドライブ、およびビームの運動の間に、スキャンラインの位置を光学的に検出するための、およびスキャンの位置を示すフィードバック信号をスキャン周波数で生成するための、ドライブに動作可能に結合された電気光学的フィードバックアセンブリーを含む。ドライブのフィードバックコイルは排除され、ドライブの中の複数のコイルの間での電磁気的カップリングが回避される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略的には、バーコード記号のようなインディシアを読み取るための電気光学的読み取り器、または画像を表示するための画像プロジェクターにおいて使用される、スキャニング光ビームの光ビームの位置をモニターすることに関し、より詳細には、ビームの位置を決定するための光学的フィードバックを使用することに関する。
【背景技術】
【0002】
電気光学的読み取り器は、記号として公知なグラフィックインシディアの空間的パターンを時間と共に変化する電気的信号に電気光学的に変換するものとして当該分野において周知であり、その時間と共に変化する電気的信号は、データにデコードされる。代表的には、光源から生成される光ビームは、記号を含む標的へ向かう光学的経路に沿ってレンズによって焦点を合わされる。光ビームは、スキャンミラーまたは光学的経路に配置された他の一部の光学的コンポーネントを移動させることによって、または光源自体を移動させることによって、スキャンラインまたは記号の上にラスターパターンに配置された一連のスキャンラインに沿って繰り返しスイープされる。光検出器は、記号から拡散されたまたは反射された光を検出し、アナログの電気的信号を生成する。電子回路網は、アナログ信号を、記号を構成するバーおよびスペースの物理的な幅に対応するパルス幅を有するデジタル化された信号に変換し、デコーダーは、デジタル化された信号を記号を記述するデータへデコードする。
【0003】
光ビームの繰り返しのスイーピングは、ドライブ、代表的には軸のまわりを振動するローターを有するモーター、によって行われる。永久磁石およびスキャンミラーは、共同でローターとともに振動可能である。モーターは、永久磁石と物理的に近接して配置されるボビンの上に巻かれるドライブコイルによって駆動される。二次のまたはフィードバックコイルもまた、同じボビンの上に巻かれる。ローターが運動するとき、磁石の運動はドライブコイルにおいて交流電圧のドライブ信号を生成する。ドライブコイルにおいて生成されたドライブ信号の周波数はローターの運動のものと同じであり、ローターの運動の一つの周期は、ドライブ信号の一つの周期に対応する。ドライブコイルにおけるドライブ信号の振幅はローターの運動の速度に比例する。ドライブコイルにおけるドライブ信号の極性は、ドライブ信号の正の半周期がローターが一つのドライブ方向に動いていることを示し、負の半周期がローターが反対のドライブ方向に動いていることを示すように、ローターの運動の方向に依存する。ドライブ信号のゼロ交差は、ローターがそれぞれのスキャンラインの各端において最大限の移動に到達したときに、現れる。各ゼロ交差において、ローターは一瞬の間停止し、ドライブ方向を反転させる。
【0004】
フィードバックコイルは様々な目的に有用である。フィードバックコイルはまた、磁石の運動によって、フィードバック信号として公知な交流電圧信号を生成する。フィードバックコイルにおいて生成されるフィードバック信号の周波数および極性は、ドライブ信号の周波数および極性に対応する。電気的ドライブモニタリング回路は、フィードバック信号の振幅をモニターするためにしばしば使用され、例えば、振幅が所定の閾値を下回る場合には光源を切り、それによってドライブがうまく作動していないことを示す。電気的閉ループ制御回路はまた、モーターの駆動をどのように継続するべきかについての決定を行うために、フィードバック信号を処理するためにしばしば使用される。しばしば使用されるさらに別の電子回路は、ローターの動きを表しスキャンラインを同期化するために使用されるスキャン開始(SOS)信号を導出するため、フィードバック信号のゼロ交差を処理する。
【0005】
意図される目的に対しては概ね十分ではあるけれども、ドライブの故障をモニターすること、ドライブを駆動すること、およびSOS信号を生成することに対するフィードバックコイルの使用は、問題を引き起こす。ドライブとフィードバックコイルとの間に所望されない磁気的カップリングが存在する。そのような望まれない結合された信号および結果として生じるノイズおよびひずみを除去するために、電子回路が、結合された信号を積極的に消去するために加えられなければならず、また閉回路の安定性を確実にするためにフィルタリングが必要である。フィルタリングは位相の遅れを導くので、SOS信号は、標的記号の先頭の(leading)バーおよびスペースに関するスキャンを行う光ビームのビームスポットの正しい位置を決して表し得ない。この問題は、当該分野においては、使用されるモーターのタイプに応じて、SOS信号を進めるまたは遅らせるための電子回路を加えることおよび調整することによって、解決される。さらに、フィードバックコイルがドライブコイルに結合されるとき、不快なうなり音が時々生成される。
【0006】
対象の上のラスターパターンにおいて光ビームを繰り返しスキャンする、記号読み取り器以外の別の装置は、例えばスクリーンのようなディスプレイの表面に画像を投影するための画像プロジェクターである。代表的には、振動しているドライブがスクリーンの上のスキャンラインにおいてビームをスイープしている間、異なった波長の一つ以上の活性化可能なレーザーが、それぞれのレーザービームをスクリーンへ向けて投影する。レーザーは、各スイープの間に活性化および不活性化され、視覚化のために、ビットマップ画像をスクリーン上に形成する。読み取り器の場合のように、ドライブは、フィードバックおよびドライブコイルを有するモーターを含み、上述のように、相互に結合された信号、追加のハードウエア、位相の遅れ、および不快音という付随する問題を生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、電気光学的読み取り器および画像プロジェクターのような光スキャンを行う装置において、電磁気的フィードバックを排除することが本発明の概略的な目的である。
【0008】
さらに詳細には、電磁気的よりも光学的装置によって、光ビームの位置を決定することが本発明の目的である。
【0009】
本発明のさらに別の目的は、そのような光スキャンを行う装置においてフィードバックコイルを使用することなしに、ドライブの故障がモニターされることを可能にし、制御ループの安定性を保証し、位相の遅れなしにSOS信号を生成し、不快音を除去することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的、および以下で明確になる他の目的を踏まえて、簡略的に述べると、本発明の一つの特徴は、スキャンラインとして標的の端から端までを、スキャン周波数でスキャンを行う光ビームを移動させるためのドライブを用いることによって、およびドライブに動作可能なように結合され、スキャンラインの位置を光学的に検出し、スキャンラインの位置を示すフィードバック信号を上記スキャン周波数で生成する電気光学的なフィードバック手段を用いることによって、光ビームの位置を決定する装置および方法にある。フィードバック信号はスキャンラインの位置を示す。
【0011】
装置は電気光学的読み取り器であり得、この場合には、標的は記号であり、好ましくは一次元の記号または二次元の記号である。装置はまた画像プロジェクターであり得、この場合には、標的は画像が見えるスクリーンである。どちらの場合においても、例えば、協調振動運動のために発光コンポーネントが取り付けられているローターを有する一方向または二方向の電気的モーターのようなドライブによって、スキャンを行う光ビームは動かされる。発光コンポーネントは、光ビームの経路におけるレーザーダイオードまたは光学的コンポーネントのような光源であり得る。好ましくは、コンポーネントは、ローターの上に取り付けられ、そこからスキャンを行う光ビームを反射させるように動作可能なスキャンミラーである。モーターは、標的にわたって互いに直交するスキャン方向に延びるスキャンラインのラスターパターンを生成するために、往復のドライブ方向に反射鏡を振動させるように動作可能な永久磁石およびドライブコイルを含む。読み取り器の場合には、スキャンラインから引き出されかつ記号によって拡散される光の一部は、記号を読み取るために処理される。プロジェクターの場合には、各スキャンラインに沿ったビームの移動の間、標的スクリーンに画像を生成するために、光源は活性化および不活性化される。
【0012】
本発明に従って、モーターにはフィードバックコイルまたは二次のコイルは巻かれない。上述のフィードバックコイルの用途、すなわちモーターの故障をモニターするため、モーターを駆動するため、SOS信号を生成するためなどの用途は、電気光学的フィードバック装置への依存によって実行され、電磁気的フィードバック装置によって実行されるのではない。例えば、そのような電気光学的フィードバック装置の一つは、フィードバックビームを形成するためにスキャンを行う光ビームを光学的に分割するビームスプリッター、およびフィードバックビームの位置を検出するための位置感知ドライブを使用する。別の装置は、スキャンを行うビームおよびフィードバックビームをそれぞれ生成するための複数の光源を使用する。
【0013】
光学的フィードバックを利用することによって、ドライブコイルとモーターの磁石との間の最大のカップリング効率が、二次のフィードバックコイルを考慮することなく、実現され得る。相互に結合された信号に対する消去回路網は不要である。最小限のフィルタリングは、ループ制御および帯域幅制限のためになお必要とされる。モーターの故障信号の精度は改善される。光学的フィードバックから導出されるSOS信号は位相の遅れを有しない。モーター始動時間は、フィードバックコイルへの電磁フィードスルーを考慮して遅らせる必要はない。コイル間での電磁結合に関連する不快音は存在しない。
【0014】
要するに、磁気的フィードバック信号は、モーターの位置および速度の最適な表示ではなく、ゆえにビームの位置の最適な表示でもない。ドライブとフィードバックコイルとの間の信号フィードスルーのために、従来技術の磁気的フィードバック信号は改変される。光学的フィードバック信号はそのように改変されず、性能を高める。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1の参照番号20は、そこから作用する距離の範囲に位置されるバーコード記号24のようなインディシアを、電気光学的に読み取るための従来技術のハンドヘルド読み取り器を概略的に示す。読み取り器20は、ピストルグリップハンドル21、および、それが押されたときに光ビーム23が記号24に導かれることを可能にする、手動で作動可能なトリガー22を有する。読み取り器20は、光源26、光検出器27、信号処理電気回路網28およびバッテリーパック29が収容されている、ハウジング25を含む。そのハウジングの前面の光伝達ウインドウ30は、光ビーム23がそのハウジングから外に出ることを可能にし、および、記号から拡散した光31が、そのハウジングの中に入ることを可能にする。キーボード32およびディスプレイ33は有用にも、そこへの即座のアクセスのために、そのハウジングの最上面に提供され得る。
【0016】
使用において、ハンドル21を握っている操作者は、ハウジングを記号に向け、トリガーを押す。光源26は、記号24上にビームスポットを形成するために、光学フォーカシングアセンブリー35によって光学的に修正され、焦点を合わされる光ビームを発する。そのビームは、ビームスプリッター34を通過して、モータードライブ38によって、1秒ごとに少なくとも20スキャンのスキャンレートで繰り返し振動する、スキャンミラー36へ届く。スキャンミラー36は、その上に入射する光を記号24に向けて反射し、スキャンのビームスポットを、スキャンパターンに従って記号の上に走らせる。スキャンパターンは、いくつかの可能性を述べるならば、スキャン方向に向かって記号に沿って長手方向に伸びる1本のスキャンラインであり得、または互いに直交する方向に配置された一連のスキャンライン、または全方向性のパターンであり得る。
【0017】
反射された光31は、スキャンパターン上で変化する強度を有し、ウインドウ30を通過して、スキャンミラー36の上に達し、そこでスプリッター34上に反射され、次に、アナログ電気信号への変換のために光検出器27に反射される。信号処理回路網28は、記号の中にエンコードされたデータを引き出すために信号をデジタル化し、および、デコードする。
【0018】
ドライブモーター38は、両方とも共通のボビン上に巻かれているドライブコイル40およびフィードバックコイル42とともに、さらに詳細に図2に示されている。信号処理回路網28は、ドライブ回路44に信号を送信するために動作可能な制御マイクロプロセッサ46を含み、ドライブ回路は次に、永久磁石(示されていない)と相互作用し、モーター38を動かす電磁場を生成するためのドライブコイル40にドライブ信号を送信する。
【0019】
上述のように、および従来技術で公知であるように、フィードバックコイル42はまた磁石と相互作用し、ドライブ信号と同じ周波数の電気フィードバック信号を生成し、様々な目的で有用である。例えば、ドライブ回路44は、ドライブコイルにフィードされるドライブ信号の振幅を調整するために、閉鎖ループ回路の中にエラーコンパレーターを含む。また、フィードバック信号は、スキャンラインの同期化のためにマイクロプロセッサにフィードされる上述のSOS信号を導き出すために使用される。さらに、フィードバック信号は、ドライブの故障をモニターするために使用される。
【0020】
本発明の一つの特徴に従って、全て上述されたような、コイル40と42との間の電磁気的なカップリング、その結果として生じるノイズおよび信号のひずみ、ノイズ消去、フィルタリングおよび位相調整のための別のハードウエアの必要性、位相の遅れ、および不快音を除去することが提案される。これは、フィードバックコイルを除去すること、およびフィードバックコイルによって以前には達成されていた機能を行うために、代わりに電気光学的フィードバックを使用することによって、達成される。
【0021】
電気光学的フィードバック装置の第一の実施形態のための図3に示されるように、好ましくはレーザーダイオードである光源26は、ドライブモーター38によって双頭の矢印のドライブ方向に振動可能なスキャンミラー36に向けてメインビーム48を発する。スキャンミラー36から反射されるビームは、ビームスプリッター50によって光学的に分割され、スキャニングビーム23およびフィードバックビーム52を形成する。図1で示されるように、スキャニングビーム23はさらに記号24へ導かれる。フィードバックビーム52は、フィードバックビーム、さらにスキャニングビームの位置を光学的に検出するために、一次元の位置感知デバイス(PSD)54へ導かれる。
【0022】
PSD54は、光ダイオードの線状のアレイであり、好適な装置が日本の浜松ホトニクス株式会社によって製造され、Model No.S3932またはS1300として入手可能である。そのPSDは、様々な入射角で入射光を収集し、その二重のチャンネル出力に二つの電気信号を生成する。これらの信号は、入射光の位置および範囲を決定するために処理される。
【0023】
図4は、この実施形態が二次元のスキャニングに適応可能であることを除いて、図3と類似している。光源26からのメインビーム48は、回転の軸が相互に直交している二つのスキャンミラー36a、36bから連続して反射される。ミラー36bから反射されるビームは、スプリッター50によって光学的に分割され、スキャニングビーム23およびフィードバックビーム52を形成する。フィードバックビーム52は、二次元のPSD56に導かれ、そのPSD56は、PSD56が相互に直交する行および列にそって配列されている光ダイオードのアレイを含むことを除いて、PSD54と類似している。
【0024】
図5は、図3と類似している別の実施形態を記載しており、図5では、フィードバックビーム52は、メインビーム48から分割されることによって形成されず、代わりに、この場合は発光ダイオード(LED)である別の光源60から別個に形成される。そのLED60は、ビームをスキャンミラー36に導き、スキャンミラー36の反射はフィードバックビーム52を形成し、フィードバックビーム52は、光学的検出のためにPSD54へ向かう途中でレンズ58を通過する。スキャニングおよびフィードバックビームは、ミラー36の振動速度と同じ周波数を有する。LED光は、PSDの感度と一致することが好ましく、代表的には赤外線が使用される。
【0025】
図6は、この実施形態が二次元のスキャニングに適応可能であることを除いて、図5と類似している。光源26からのメインビーム48が、連続して二つのスキャンミラー36a、36bから反射され、スキャニングビーム23を形成するように、LED60からの光は、レンズ62を通過した後に、連続して同じ二つのスキャンミラー36a、36bから反射され、PSD56によって光学的に検出されるフィードバックビーム52を形成する。
【0026】
図7は、LED60が、その光をミラー36の後部反射面に導き、そこからPSD54へ向けて反射することを除いては、図5と類似している。図8は、二次元のスキャニングに適応可能であることを除いて、図7と類似している。図8で、光源26からのメインビーム48は、二つのスキャンミラー36a、36bから連続して反射され、スキャニングビーム23を形成する。ここで、二つのLED60a、60bおよび二つの一次元のPSD54a、54bが存在する。LED60a、60bからの光は、ミラー36a、36bの後部反射面にそれぞれ導かれ、PSD54a、54bによって光学的に検出される一組のフィードバックビームを形成する。
【0027】
図9は、ビーム分割機能がスキャンミラー36の中へ直接的に組み込まれることを除いて、図5と類似している実施形態を記載している。ミラー36は、スキャニングビーム23を生成するために部分的な反射性を有し、フィードバックビーム52がPSD54に衝突することが可能なように部分的な透過性を有する。
【0028】
図10は、二次元のスキャニングに適応可能なことを除いて、図9と類似している。光源26からのメインビーム48は、スキャンミラー36a、36bから連続して反射し、スキャニングビーム23を形成する。ミラー36bはまた、図9に関して述べられたように、光透過性であるように設計され、この場合には、ミラー36bを通過する光はPSD56によって光学的に検出されるフィードバックビーム52を形成する。
【0029】
図11は、光源26の、特に対の開口部64、66を有するレーザーダイオードの正面図である。スキャニングビーム23は開口部64から発せられ、フィードバックビーム52は開口部66から発せられる。ゆえに、別個のLEDまたは他の分離した光源は必要とされない。
【0030】
図12は、図1の読み取り器の中に配置するためにフレーム68に取り付けられるミラー36a、36bの斜視図であり、開口部66から生じるフィードバックビーム52の光学的経路と、開口部64から生じるスキャニングビーム23の光学的経路とを記載している。開口部を備えたダイオードは、ビームスプリッターおよび/または別個の光源の必要性を消去する。
【0031】
光学的フィードバックは、フィードバックコイルおよびそれに関連する問題を消去する。モーター磁石とドライブコイルとの間の最大のカップリング効率が、ここで実現され得る。ノイズ消去回路網は不要である。SOS信号は位相の遅れを有しない。一定の閾値未満のフィードバックビームの任意の小さい振動が、モーターの故障のインジケーターとして役立つ。
【0032】
上述のように、上記の電気光学的フィードバックの各実施形態は、例えば、米国特許第6,655,597号に例示されるタイプの画像プロジェクターのような他のスキャニング装置に使用され得る。図13に示されるように、画像プロジェクターのハウジング70は、水平のスキャン方向の両側に離れて位置するフレーム部分74、76を有するリアプロジェクションスクリーン72のような、ディスプレイの表面を覆うスキャンラインのラスターパターン80を生成するために、スャンミラーを振動させるためにそれぞれに動作可能な一つ以上の上記のドライブを含み、各フレーム部分74、76は垂直のスキャン方向に沿う長手方向に伸びる。フレーム部分74、76は各スキャンラインの端の上に重なる。スキャニングビームを生成するための光源は、各スキャンラインに沿った位置で、活性化され、または不活性化され、スクリーン72上に照射されたピクセルおよび照射されないピクセルからなるビットマップ画像を生成する。
【0033】
本発明の別の特徴は、一組の光パイプ84、86をフレーム部分74、76の中に配置し、および一組の光ダイオード88、90をパイプ84、86の端に配置することにある。各パイプは本質的に、光を伝達するために合成プラスチック素材の透明で固体の部品である。各スキャンラインの端がパイプに当るとき、受信された光は光ダイオード88、90へ伝達され得、および光ダイオード88、90によって検出され得、その光ダイオード88、90は次に、SOS信号として使用され得る電気信号を生成する。このSOS信号は、磁気的にではなく、光学的に導出され、ゆえに、上述の電磁気的カップリングの問題に影響されない。この電気信号はまた、モーターの故障を検出するためにも使用され得る。二つの光ダイオード88、90の代わりに、単独の光検出器92が中央に配置され、フレーム部分74、76の両方から反射される光を検知する。
【0034】
スクリーン72の左上部の角が拡大して示されている、図14の切取り部分図(broken−away view)にさらに明らかに見られるように、複数の離れて位置する不透明のストライプ94が、各フレーム部分に沿って長手方向に連続して配置される。スキャンラインの端が不透明のストライプへ入射するとき、光ダイオード88によって検出される信号の欠如(または光ダイオード92によって検出される信号の存在)が検出され、このことがスキャニングビームの垂直の位置に関する情報を提供する。これは垂直のスキャン方向の上のラスターパターンを線状にするために使用され、また、垂直のスキャンの責任を負うモーターの故障を検出するために役立つ。これはまた、投影された画像を収束させるために、左右に動くスキャンを正確に調整するために使用される。一つの変更案においては、不透明のストライプの中央の一つは、垂直方向に沿ってスクリーンの中央を示すために省略される。
【0035】
投影される画像はレーザー照射を使用するので、その装置はFDAの規制(CDHおよび/またはIEC)を満たす必要がある。提案されたアプローチは、スクリーン72から反射された照射を感知するための光検出器を含むことである。
【0036】
ビルトインスクリーン関しては、反射される照度は製造時にキャリブレーションされ得る。反射されたパワーに変化がある場合には、それはスクリーンが取り除かれているか、または物体がプロジェクターとスクリーンとの間に入っているかのどちらかであることを示す。どちらの場合であっても、レーザーが停止され得るか、またはレーザーパワーがより低いレベルに低減され得るかのどちらかである。パワーの低減された装置はまだ、使用者に対して指示を表示するために使用され得、フルパワーの操作を回復するために使用者にスクリーンを復旧するように指示する。例えば、「適切な操作のためにあなたのディスプレイを均一な背景に向けて下さい。」と述べるメッセージが投影され得る。
【0037】
装置が、図15に示されているように、フリープロジェクションモードで使用される場合には、画像は任意の表面の上に投影され得る。スタートアップにおいては、ディスプレイは表面をスキャンするために、低パワーレーザー出力を使用する。完全に均一の反射が検出され、スクリーン、ウォールなどの存在を示している場合には、フルパワーの操作が点灯する。また、感知された背景が均一でない場合には、ディスプレイは、装置がフルパワーにされ得る前に、使用者に安全な背景に装置を向けるように指示し得る。
【0038】
ゆえに、さらに本発明の別の局面は、スクリーン72が存在するかどうかを決定すること、およびそれに応答して、光源26への電気的エネルギーの供給を修正すること、を実施する。画像プロジェクターの視野とおよそ等しい視野を有する光ダイオード96は、スクリーン72から反射されて戻るレーザー光をモニターするために動作可能である。スクリーンの反射率は、光ダイオード96が、反射された光の一定の割合を見得るように、全表面にわたり均一であるべきである。しかしながら、スクリーン72が存在しない、またはスクリーンが破れている場合には、光ダイオード96は反射率のかなりの変化を検出し得る。この情報はレーザー源への電気的エネルギー供給98を調整するために使用される。スクリーンが検出されない場合には、光源は、安全規制を満たすことを確実にするために、好ましくは20ナノ秒以内に不活性化される。スクリーンが検出される場合には、エネルギー供給98は、より明るいディスプレイを得るために増加され得る。
【0039】
スクリーンの上での所与の点の反射率を評価するために、反射された光が測定されるだけでなく、反射された光/発せられた光の比率もまた計算される。このことはリアルタイムに行うことは困難であり得る。また、一部の点では、レーザー源は完全に不活性化され得、それらの点でのスクリーン反射率に関する情報は、収集され得ない。考えられる解決策は、背景を検出するための継続的に動作する、追加の赤外線(不可視の)低パワーレーザーを加えること、およびこの赤外線レーザーに整合された光ダイオード96のスペクトルの応答を有することである。
【0040】
増加された感度に関しては、光ダイオード96の視野は、再帰反射(retro−reflective)読み取り器と同様にスキャニングビームとともにスキャンされるべきである。適切な一時的な(temporal)解像度を有する光ダイオードの代わりに、光センサーのアレイ(例えば、電荷結合素子または相補型金属酸化膜半導体デバイス)が使用され得る。これらのデバイスはすべての点においてスクリーンの反射率を評価するという同じ目的を有する。さらに、レーザーまたはフラッド照射LEDのような専用の赤外線照射器が使用され得る。受動遠赤外線センサーのアレイもまた、使用され得る。これらのセンサーは人体の放熱に敏感で、セキュリティシステムにおいて広く使用されている。アレイの組み合わされた視野が画像プロジェクターの全視野にわたる場合には、視野の中での人体の任意の部分の存在がかなりの距離からでさえ検出され得る。人体が検出される場合には、レーザーダイオードへの電気的エネルギーは安全目的のために遮断される。
【0041】
CDRHの要求を満たすための別のアプローチが、図16に記載されている。安全規制は、200mmの距離において直径7mmの開口部100を通して受光されるエネルギーを測定する。三色のレーザービーム102、104、106が、互いに対して2度だけずれている場合には、三つのビームは、開口部100を同時に決して通過せず、同じCDRHの分類に適したより高い総出力パワーを可能にする。画像は、電気的遅れによる角度のずれを調整することによって、さらに正確に表示され得る。このスキームは、安全要求を満たすために、互いに対して2度だけずれた同色の二つ以上のレーザーを使用することによって、さらに活用され得る。
【0042】
CDRHの制限を超えることなくディスプレイの明るさを増加させるためのさらに別のアプローチは、スクリーンの様々なサブセクションに表示する異なる画像プロジェクターを用いて、スクリーンの範囲を半分、四半分などに分割することである。
【0043】
図17および図18は電気光学的フィードバック装置のさらに別の実施形態を記載し、その電気光学的フィードバック装置にはスキャンミラー36が、ドライブによる振動のために、シャフト108の上に取り付けられている。光源26は光ビーム48を発し、その光ビーム48はスキャニングビームとしてミラー36の前表面から反射される。別の光源110は別の光ビームを発し、その光ビームはスキャンミラー26の後表面の上にレンズ112によって焦点を合わされ、そこからフィードバックビーム52として同じレンズ112を通して反射し、別の光検出器114によって検出される。平面のミラー36がビーム48に対して垂直になるときはいつでも、鮮明な光パルスが光検出器によって生成される。二つの連続するパルスの間の時間は回転周期の半分に相当する。前述のように、フィードバックビーム52は、電磁気的フィードバックコイルから導き出されるフィードバック信号に対する機能上の代替品として使用され得る。
【0044】
新規性を主張し、特許証によって保護されることが所望される内容が、添付の特許請求の範囲に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、従来技術に従ったバーコード記号を読み取るためのハンドヘルド読み取り器の概略図である。
【図2】図2は、従来技術に従った図1の詳細に関するブロック図である。
【図3】図3は、本発明に従った電気光学的フィードバック装置の、第1の実施形態である。
【図4】図4は、本発明に従った電気光学的フィードバック装置の、第2の実施形態である。
【図5】図5は、本発明に従った電気光学的フィードバック装置の、第3の実施形態である。
【図6】図6は、本発明に従った電気光学的フィードバック装置の、第4の実施形態である。
【図7】図7は、本発明に従った電気光学的フィードバック装置の、第5の実施形態である。
【図8】図8は、本発明に従った電気光学的フィードバック装置の、第6の実施形態である。
【図9】図9は、本発明に従った電気光学的フィードバック装置の、第7の実施形態である。
【図10】図10は、本発明に従った電気光学的フィードバック装置の、第8の実施形態である。
【図11】図11は、本発明に従った電気光学的フィードバック装置における使用のための、二つの開口部を有するレーザーダイオードの正面図である。
【図12】図12は、本発明に従ったスキャニングビームおよびフィードバックビームの折れ曲がった光学的経路を示す、電気光学的フィードバック装置の斜視図である。
【図13】図13は、本発明に従ったリアプロジェクター装置の複数の実施形態を示す斜視図である。
【図14】図14は、図13の詳細を拡大した切取り部分図である。
【図15】図15は、本発明に従ったさらに別の実施形態の斜視図である。
【図16】図16は、安全規制の方法の概略図である。
【図17】図17は、本発明に従った電気光学的フィードバック装置の、第9の実施形態の平面図である。
【図18】図18は、図17の側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ビームの位置を決定するための装置であって、
a)スキャンラインとして標的の端から端まで、スキャン周波数でスキャニング光ビームを動かすためのドライブと、
b)ビームの運動の間にスキャンラインの位置を光学的に検出するための、および該スキャン周波数でフィードバック信号を生成するための、該ドライブに動作可能に結合された電気光学的フィードバック手段であって、該フィードバック信号は該スキャンラインの位置を示す、該フィードバック手段と、
を備える、装置。
【請求項2】
前記ドライブは、前記スキャニング光ビームを前記標的から反射させるために該標的に向けて反射させる反射鏡、および、該標的の上で互いに直交するスキャン方向に伸びるスキャンラインのラスターパターンを生成するために、往復のドライブ方向へ反射鏡を振動させるためのモーターを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記標的は、そこから反射された光が電気光学的に読み取られるインシディアの一つ、およびそこから反射された光が視覚され得るスクリーンを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記フィードバック手段は、前記スキャニング光ビームを光学的に分割しフィードバックビームを形成するためのビームスプリッター、該フィードバックビームの位置を光学的に検出し前記フィードバック信号を生成するための位置感知デバイス、および該フィードバック信号の関数として前記モーターを制御するための制御回路を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
メインビームを前記反射鏡に導き、前記スキャンを行う光ビームとしてそこから反射させるためのメイン光源、フィードバックビームを生成するためのフィードバック光源、前記フィードバック信号を生成するために、該フィードバックビームの位置を光学的に検出するための位置感知デバイス、および該フィードバック信号の関数として前記モーターを制御するための制御回路をさらに備える、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記メイン光源はレーザーであり、前記フィードバック光源は発光ダイオードである、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記メインおよびフィードバック光源は二つの開口部を有するレーザーダイオードである、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記インディシアは一次元および二次元のバーコード記号のうちの一つを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項9】
前記モーターは単一のコイルを有する、請求項2に記載の装置。
【請求項10】
前記標的は、スキャン方向のうちの一つの両端に離れて位置するフレーム部分を有するスクリーンであり、各フレーム部分はスキャン方向のうちの他の方向に沿って伸びており、前記フィードバック手段は、該フレーム部分に沿ってそれぞれ伸びかつ各スキャンラインの端の位置の上にそれぞれ重なる光パイプ、および各スキャンラインの該端の位置を示す前記フィードバック信号を生成するために、該光パイプに入射する前記スキャンを行う光ビームの反射を光学的に検出するための光検出器を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項11】
各光パイプに沿って互いに離れて位置する光吸収エリアをさらに備える、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記標的はスクリーンであり、メイン光ビームを生成するための電力による光源と、該スクリーンを検出するため、および該スクリーンの方向を示すスクリーン信号を生成するための検出器と、該スクリーン信号の関数として、該光源に対する電気的パワーを増加するための制御回路とをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
スクリーンの上に画像を投影するための画像プロジェクターにおいてレーザービームの強度を制御するための装置であって、
a)レーザービームを生成するためのレーザー源と、
b)該スクリーンを検出するため、および該スクリーンの方向を示すスクリーン信号を生成るための検出器と、
b)該スクリーン信号の関数として該レーザー源に対するパワーを制御するための制御回路と
を備える、装置。
【請求項14】
光ビームの位置を決定する方法であって、
a)スキャンラインとして標的の端から端までを、スキャン周波数でスキャニング光ビームを動かすステップと、
b)スキャンラインの位置を光学的に検出し、応答して該スキャンラインの位置を示すフィードバック信号を生成するステップと
を包含する、方法。
【請求項15】
前記光学的に検出するステップは、フィードバックビームを形成するために前記スキャニング光ビームを光学的に分割することによって、および該フィードバックビームの位置を検出することによって行われ、前記動かすステップは該フィードバックビームの制御の下で行われる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
メインビームおよび別個のフィードバックビームを生成するステップをさらに包含し、前記動かすステップは該フィードバックビームの制御の下で行われる、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記フィードバック信号の関数として前記ビームを動かすためのドライブを制御するステップをさらに包含する、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記光学的に検出するステップは、前記スキャンラインの端の位置を検出することによって行われる、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
スクリーンの上への画像投影の間に、レーザービームの強度を制御する方法であって、
a)レーザービームを生成するためにレーザー源に電気的パワーを供給するステップと、
b)該スクリーンを検出し、該スクリーンの方向を示すスクリーン信号を生成するステップと、
c)該スクリーン信号の関数として該レーザー源に対する電気的パワーを制御するステップと
を包含する、方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公表番号】特表2008−517307(P2008−517307A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−534794(P2007−534794)
【出願日】平成17年9月28日(2005.9.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/035163
【国際公開番号】WO2006/039472
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(506144101)シンボル テクノロジーズ, インコーポレイテッド (58)
【Fターム(参考)】