説明

電気光学装置及び電子機器

【課題】
外的衝撃により配線が断線しにくい構造の電気光学装置及びそれを用いた電子機器を提供すること。
【解決手段】
第1基板10と、第1基板10から張出した張出し部20aを有する第2基板20と、第1基板10と第2基板20との間に挟持された電気光学物質とを具備し、張出し部20a内で接続された配線基板40と、張出し部20aに設けられ、配線基板40と電気的に接続された接続配線22及び25と、を具備し、張り出部20aは、張出し部20aの縁20bと配線基板40の縁40aとが交わる第1点51と、張出し部20aの縁20bと第1基板10の縁とが重なる点の内、第1点51から最も近い点である第2点50とを結ぶ直線52により分割された第1領域53aと第2領域53bとを有し、第1領域53aには、接続配線22及び25が設けられ、第2領域53bは第1領域53aよりも外側の領域であり、接続配線22及び25が設けられていない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は2枚の基板を有する電気光学装置及びそれを用いた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電気光学装置、例えばパッシブマトリクス型の液晶装置は、一対の基板間に液晶を封入した液晶パネルと、液晶パネルの基板に接続するフレキシブル配線基板とを有している。一対の基板のうち、一方の基板は他方の基板から張り出した張り出し部を有しており、この張り出し部にフレキシブル配線基板が接続されている。一方の基板上にはセグメント電極、他方の基板にはコモン電極が設けられ、張り出し部には、セグメント電極及びコモン電極と、フレキシブル配線基板とが電気的に接続するように配線が設けられている。(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平2003−57637号公報(段落[0023]〜[0028]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述のような構成の液晶装置においては、液晶装置の落下などの外的衝撃により液晶パネルの張り出し部にひびや割れが生じ、そのひびや割れが生じた領域に配線が存在すると、配線が断線してしまう。このため、画像表示信号の入力が行えず、液晶装置の表示が行えなくなるなどの問題があった。
【0004】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたもので、外的衝撃を受けても配線が断線しにくい構造の電気光学装置及びそれを用いた電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の電気光学装置は、第1基板と、前記第1基板と対向配置され、前記第1基板の縁から張り出した張り出し部を有する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に挟持された電気光学物質とを具備する電気光学装置であって、前記張り出し部内で接続された配線基板と、前記張り出し部に設けられ、前記配線基板と電気的に接続された配線と、を具備し、前記張り出し部は、前記張り出し部の縁と前記配線基板の縁とが交わる第1点と、前記張り出し部の縁と前記第1基板の縁とが重なる点の内、前記第1点から最も近い点である第2点とを結ぶ直線により分割された第1領域と第2領域とを有し、前記第1領域には、前記配線が設けられており、前記第2領域は前記第1領域よりも外側の領域であり、前記配線が設けられていないことを特徴とする。
【0006】
本発明のこのような構成によれば、張り出し部に設けられる配線の断線の発生を極力抑制することができ、断線による表示不良の発生を極力防止することができる。電気光学装置全体を平面的に見た場合、2枚の第1基板と第2基板とが重なり合う領域と、張り出し部と配線基板とが重なり合う領域、すなわち2枚の基板が重なり合う領域とを結ぶ直線により、張出し部は第1領域と第2領域に区分けされる。電気光学装置において、2枚の第1基板と第2基板とが重なり合う領域及び第1領域では、その一部領域が2枚の基板が重なった状態であり、それ以外の領域は2つの2枚の基板が重なり合った領域により挟まれた状態となっている。これに対し、第2領域では1枚の第2基板のみしか存在せず、第2領域は2枚の基板が重なり合った領域と隣り合っていない状態となっている。従って、第1基板と第2基板とが重なり合う領域及び第1領域は、第2領域と比較して物理的強度が高い。このため、落下などの外的衝撃が電気光学装置に加わった場合、第1領域と第2領域との境界付近に大きいせん断応力が加わりやすく、第1領域と第2領域との境界付近に沿って、ひびや割れが発生しやすい。そこで、本発明では、張り出し部において配線基板が接続される第1領域のみに配線を設けることにより、例え外的衝撃によってひびや割れが生じても、そのひびや割れは第1領域と第2領域との境界付近に沿って発生しやすいため、配線の断線の発生を極力抑制することができる。従って、配線の断線による電気光学装置の表示不良発生を極力防止することができる。ここで、第1領域と第2領域との境界は、張り出し部の縁と配線基板の縁とが交わる第1点と、張り出し部の縁と第1基板の縁とが重なる点の内、第1点から最も近い点である第2点とを結ぶ直線に相当する。そして、第1領域は、この直線を境にして張り出し部の中央部よりの内側に位置し、第2領域は、直線を境にして張り出し部の縁側よりの外側に位置し、第2領域は第1領域よりも外側に位置する。
【0007】
また、前記第1基板に設けられ、前記第2基板の縁から張り出した張り出し部と、当該張り出し部に接続された配線基板と、当該張り出し部に設けられ、前記配線基板と電気的に接続された配線とを更に備えていることを特徴とする。
【0008】
このように、第1基板も第2基板から張り出した張り出し部を有する構造としても良い。
【0009】
また、前記第2領域には、前記直線の近傍に溝が設けられていることを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、電気光学装置が外的衝撃を受け、例えばひびや割れが生じたとしても、溝に沿って第2基板が割れるように導くことができ、配線が設けられている領域で基板が割れることを防止できるので、配線の断線の発生をより抑制することができる。
【0011】
また、前記溝は、前記張り出し部の前記配線が設けられている側の面とは反対側の面に設けられていることを特徴とする。
【0012】
このように、溝を張り出し部の配線が設けられている側の面とは反対側の面に設けることにより、ひびが生じるほどの外的衝撃を電気光学装置が受けても、ひびは配線が設けられている側の面と反対側の面に生じやすいので、例えひびが生じても配線が断線することがない。
【0013】
また、前記溝は、その両端部が前記張り出し部の縁まで延在していることを特徴とする。
【0014】
このように、溝を張り出し部の縁から縁まで設けてもよい。
【0015】
また、前記張り出し部の前記第1領域に実装された半導体素子を更に具備し、前記配線は前記半導体素子に接続されていることを特徴とする。
【0016】
このように基板上に半導体素子が実装されていてもよい。
【0017】
前記配線基板に実装された半導体素子を更に具備し、前記配線は前記配線基板に接続されていることを特徴とする。
【0018】
このように、配線基板上に半導体素子が実装されていても良い。
【0019】
また、前記配線は前記半導体素子から出力された信号が印加される配線であることを特徴とする。
【0020】
このような構成によれば、半導体素子から出力された信号が印加される配線が外的衝撃により断線することが極力抑制される。従って、このような配線の断線による電気光学装置の表示不良発生を極力防止することができる。例えば、張り出し部に半導体素子を設ける場合、半導体素子から表示領域中の電極に対して信号を供給する配線を引き回す必要があるとき、この配線を第1領域内に位置するように設けることにより、外的衝撃による配線の断線が極力抑制される。また、配線基板に設けられる配線を介して半導体素子から表示領域中の電極に対して信号を供給する配線を引き回す必要があるとき、この配線を第1領域内に位置するように設けることにより、外的衝撃による配線の断線が極力抑制される。
【0021】
本発明の他の電気光学装置は、第1基板と、前記第1基板と対向配置され、前記第1の縁から張り出した張り出し部を有する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に挟持された電気光学物質とを具備する電気光学装置であって、前記張り出し部内で接続された配線基板と、前記張り出し部に設けられ、前記配線基板と電気的に接続された配線と、前記張り出し部の縁と前記配線基板の縁とが交わる第1点と、前記張り出し部の縁と前記第1基板の縁とが重なる点の内、前記第1点から最も近い点である第2点とを結ぶ直線と、前記直線の近傍に設けられた溝とを備え、前記溝を延長させた直線と、前記張り出し部の縁とで規定された2つの領域の内、前記溝よりも外側の領域には、前記配線が設けられていないことを特徴とする。
【0022】
本発明のこのような構成によれば、電気光学装置が外的衝撃を受け、例えばひびや割れが生じたとしても、溝に沿って第2基板が割れるように導くことができる。更に、溝よりも外側、すなわち溝を境にして張り出し部の中央部よりも外側に配線が設けられていないので、例え電気光学装置にひびや割れが生じたとしても、溝を境にして張り出し部の中央部よりに位置する配線の断線の発生を抑制することができる。
【0023】
本発明の他の電気光学装置は、第1の縁及び第2の縁と、該第1の縁と第2の縁とにより挟まれた角とを有する第1基板と、前記第1基板と対向配置され、少なくとも前記第1の縁及び第2の縁から張り出した張り出し部を有する第2基板と、前記張り出し部に接続された配線基板と、前記張り出し部に設けられた配線とを具備する電気光学装置であって、前記張り出し部は、前記張り出し部の縁と前記配線基板の縁とが交わる点と、前記角とを結ぶ直線及びその直線の延長線により分割された、前記配線基板が接続され前記配線が設けられている第1領域と、前記配線基板が接続されず前記配線が設けられていない第2領域とを有することを特徴とする。
【0024】
本発明のこのような構成によれば、第2基板が第1基板の複数の縁から張り出した張り出し部を有する場合においても、張り出し部に設けられる配線の断線の発生を極力抑制することができ、断線による表示不良の発生を極力防止することができる。電気光学装置全体を平面的に見た場合、2枚の第1基板と第2基板とが重なり合う領域と、張り出し部と配線基板とが重なり合う領域、すなわち2枚の基板が重なり合う領域とを結ぶ直線及びその直線の延長線により、張出し部は第1領域と第2領域に区分けされる。電気光学装置において、2枚の第1基板と第2基板とが重なり合う領域及び第1領域では、その一部領域が2枚の基板が重なった状態であり、それ以外の領域は2枚の基板が重なり合った領域と隣接した状態となっている。これに対し、第2領域では1枚の第2基板のみしか存在せず、第2領域は2枚の基板が重なり合った領域と隣り合っていない状態となっている。従って、第1基板と第2基板とが重なり合う領域及び第1領域は、第2領域と比較して物理的強度が高い。このため、落下などの外的衝撃が電気光学装置に加わった場合、第1領域と第2領域との境界付近に大きいせん断応力が加わりやすく、第1領域と第2領域との境界付近に沿って、ひびや割れが発生しやすい。そこで、本発明では、張り出し部において配線基板が接続される第1領域のみに配線を設けることにより、例え外的衝撃によってひびや割れが生じても、そのひびや割れは第1領域と第2領域との境界付近に沿って発生しやすいため、配線の断線の発生を極力抑制することができる。従って、配線の断線による電気光学装置の表示不良発生を極力防止することができる。
【0025】
本発明の電子機器は、上述に記載の電気光学装置を有することを特徴とする。
【0026】
本発明のこのような構成によれば、落下などの外的衝撃による配線の断線などのおそれが少ない電気光学装置が組み込まれているため、良好な表示画面を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。なお、以下実施形態を説明するにあたっては、電気光学装置としてパッシブマトリクス型の液晶装置を例にあげるが、これに限られるものではない。また、以下の図面においては各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
【0028】
(電気光学装置)
【0029】
<第1実施形態>
【0030】
図1は本発明の第1実施形態に係る電気光学装置としての液晶装置の概略斜視図である。図2は、図1の平面図である。本実施形態においては、COG(Chip On Glass)方式の液晶装置を例にあげて説明する。
【0031】
図1及び図2に示すように、液晶装置1は、電気光学パネルとしての液晶パネル2と、液晶パネル2を挟み込むように設けられた一対の偏光板(図示せず)と、液晶パネル2に電気的に接続された配線基板としてのフレキシブル配線基板40と、液晶パネル2に実装された半導体素子としての駆動用IC30を具備している。
【0032】
液晶パネル2は、シール材60により接着された一対のガラスなどの絶縁基板からなる第1基板10及び第2基板20を有している。一対の基板10及び20とシール材60により囲まれた領域内には電気光学物質としてSTN(Super Twisted Nematic)液晶(図示せず)が封入されている。シール材60は、液晶注入口となる部分が開口した形状を有し、液晶注入口は封止材61によって封止されている。
【0033】
第1基板10は、第1の縁10aと、この第1の縁10aと隣り合う第2の縁10b及び10cを有する矩形状を有している。第1基板10上には、図面x軸方向に沿ってストライプ状に形成された複数のコモン電極11、このコモン電極11を覆う配向膜(図示せず)が設けられている。
【0034】
第2基板20は、第1基板の第1の縁10aに対応する第1の縁20bを有する矩形状を有している。第2基板20の第1の縁20bは、第1基板10よりも張り出しており、第2基板20は張り出し部20aを有している。張り出し部20aは、第1の縁20bと、この第1の縁20bと隣り合う第2の縁20c及び20dを有する矩形状を有している。第1基板10と第2基板20とが平面的に重なり合う領域において、第2基板20は、第1基板10の第1の縁10a以外の縁と重なり面一の形状となっている。第2基板20上には、図面y軸方向に沿って、ストライプ状にコモン電極11と平面的に交差するように複数のセグメント電極21、このセグメント電極21を覆うように配向膜(図示せず)が設けられている。
【0035】
第1基板10と第2基板20とはそれぞれの基板上に形成されている配向膜が対向するように対向配置される。
【0036】
第2基板20の張り出し部20aには、半導体素子としての駆動用IC30が実装され、張り出し部20a内ではフレキシブル配線基板40が接続されている。張り出し部20aには、セグメント電極21が延在してなる出力用配線としてのセグメント電極用接続配線22、コモン電極11と導電部材(図示せず)を介して電気的に接続された出力用配線としてのコモン電極用接続配線25、駆動用IC30とフレキシブル配線基板40の配線41とを電気的に接続する入力用配線23が設けられている。セグメント電極用接続配線22は、複数のセグメント電極21のうち最も外側に位置する2つのセグメント電極21をそのまま直線状に延在し、この延在した2つの線によって挟まれた領域内に位置する。これに対し、コモン電極用接続配線25は、複数のコモン電極11のうち最も外側に位置する2つのコモン電極11をそのまま直線状に延在し、この延在した2つの線によって挟まれた領域内及び領域外に引き回されて位置している。
【0037】
フレキシブル配線基板40はベース基材と該ベース基材上に設けられた配線41を有する。フレキシブル配線基板40は縁40aを有し、この縁40aと第2基板20の第1の縁20bとが平面的に重なり合っている。液晶装置1においては、フレキシブル配線基板40の配線41から駆動用IC30に対して入力用配線23を介して信号が入力され、駆動用IC30からセグメント電極21及びコモン電極11に対してセグメント電極用接続配線22及びコモン電極用接続配線25を介して信号が出力される。
【0038】
図2に示すように、張り出し部20aは、平面的にみて張り出し部20aの第1の縁20bとフレキシブル配線基板40の縁40aとが交わる第1点51と、張り出し部20aの第2の縁20c及び20dと第1基板10の第1の縁10aとが重なる第2点50と、を結ぶ直線52により分割される。第2点50は、張り出し部20aの縁と第1基板10の縁とが重なる点のうち、第1点51から最も近い点である。張り出し部20aは、直線52により分割された、フレキシブル配線基板40が接続されコモン電極用接続配線25及びセグメント電極用接続配線22が設けられている第1領域53aと、フレキシブル配線基板40が接続されずコモン電極用接続配線25及びセグメント電極用接続配線22が設けられていない第2領域53b(図2上、斜線で埋められた領域)とを有する。ここでは、第1領域53aは、直線52を境にして張り出し部20aの中央部よりの内側に位置し、第2領域53bは、直線52を境にして張り出し部20aの縁側よりの外側に位置する。
【0039】
このように本実施形態によれば、セグメント電極用接続配線22及びコモン電極用接続配線25は、第1領域53a内に位置するので、特に直線52に近く位置するコモン電極用接続配線25は、液晶装置1が外的衝撃を受けても断線しにくく、断線によって表示が行えなくなるといった問題の発生を少なくすることができる。液晶装置1全体を平面的に見た場合、2枚の第1基板10と第2基板20とが重なり合う領域と、張り出し部20aとフレキシブル配線基板40とが重なり合う領域、すなわち2枚の基板が重なり合う領域とを結ぶ直線52により、張出し部20aは第1領域53aと第2領域53bに区分けされる。液晶装置1において、2枚の第1基板10と第2基板20とが重なり合う領域及び第1領域53aでは、その一部領域が2枚の基板が重なった状態であり、それ以外の領域は2つの2枚の基板が重なり合った領域により挟まれた状態となっている。これに対し、第2領域53bでは、フレキシブル配線基板は接続されず、1枚の第2基板20のみしか存在せず、第2領域53bは2枚の基板が重なり合った領域と隣り合っていない状態となっている。従って、第1基板10と第2基板20とが重なり合う領域及び第1領域53aは、第2領域53bと比較して物理的強度が高い。このため、落下などの外的衝撃が液晶装置1に加わった場合、第1領域53aと第2領域53bとの境界付近に大きいせん断応力が加わりやすく、第1領域53aと第2領域53bとの境界である直線52付近に沿って、ひびや割れが発生しやすい。そこで、本実施形態では、張り出し部20aにおいてフレキシブル配線基板40が接続される第1領域53aのみにセグメント電極用接続配線22及びコモン電極用接続配線25を設けることにより、例え外的衝撃によってひびや割れが生じても、そのひびや割れは第1領域53aと第2領域53bとの境界付近に発生しやすいため、セグメント電極用接続配線22及びコモン電極用接続配線25の断線の発生を極力抑制することができる。従って、断線による液晶装置1の表示不良発生を防止することができる。
【0040】
<第2実施形態>
【0041】
第1実施形態においては、半導体素子としての駆動用ICが液晶パネルを構成する基板に実装されていたが、駆動用ICが配線基板上に実装されたCOF(Chip On Film)方式の液晶装置に本発明を適用することもできる。以下、図3及び図4を用いて説明する。
【0042】
図3は第2実施形態に係る電気光学装置としての液晶装置の概略斜視図である。図4は、図3の平面図である。
【0043】
図3及び図4に示すように、液晶装置101は、電気光学パネルとしての液晶パネル102と、液晶パネル102を挟み込むように設けられた一対の偏光板(図示せず)と、液晶パネル102に電気的に接続された配線基板としてのTAB−IC(Tape Autmated Bonding−Integrated Circuits)140とを具備している。TAB−ICは、フィルム部材と、このフィルム部材上に設けられた半導体素子としての駆動用IC130及び配線141を有する。
【0044】
液晶パネル102は、シール材60により接着された一対のガラスなどの絶縁基板からなる第1基板110及び第2基板120を有している。一対の基板110及び120とシール材60により囲まれた領域内には電気光学物質としてSTN液晶(図示せず)が封入されている。シール材60は、液晶注入口となる部分が開口した形状を有し、液晶注入口は封止材61によって封止されている。
【0045】
第1基板110は、第1の縁110aと、この第1の縁110aと隣り合う第2の縁110b及び110cとを有する矩形状を有している。第1基板110上には、図面x軸方向に沿ってストライプ状に形成された複数のコモン電極111、このコモン電極111を覆う配向膜(図示せず)が設けられている。
【0046】
第2基板120は、第1基板110の第1の縁110aに対応する第1の縁120bを有する矩形状を有している。第2基板120の第1の縁120bは、第1基板110よりも張り出しており、第2基板120は張り出し部120aを有している。張り出し部120aは、第1の縁120bと、この第1の縁120bと隣り合う第2の縁120c及び120dを有する矩形状を有している。第1基板110と第2基板120とが平面的に重なる領域において、第2基板120は、第1基板110の第1の縁110a以外の縁と重なり面一の形状となっている。第2基板120上には、図面y軸方向に沿って、ストライプ状にコモン電極111と平面的に交差するように複数のセグメント電極121、このセグメント電極121を覆うように配向膜(図示せず)が設けられている。
【0047】
第1基板110と第2基板120とはそれぞれの基板上に形成されている配向膜が対向するように対向配置される。
【0048】
第2基板120の張り出し部120a内ではTAB−IC140が接続されている。第2基板120の張り出し部120aには、セグメント電極121が延在してなる出力用配線としてのセグメント電極用接続配線122、コモン電極111と導電部材(図示せず)を介して電気的に接続された出力用配線としてのコモン電極用接続配線125が設けられ、これらセグメント電極用接続配線122及びコモン電極用接続配線125は、TAB−IC140の配線141と電気的に接続する。セグメント電極用接続配線122は、複数のセグメント電極121のうち最も外側に位置する2つのセグメント電極121をそのまま直線状に延在し、この延在した2つの線によって挟まれた領域内に位置する。これに対し、コモン電極用接続配線125は、複数のコモン電極111のうち最も外側に位置する2つのコモン電極111をそのまま直線状に延在し、この延在した2つの線によって挟まれた領域内及び領域外に引き回されて位置している。
【0049】
TAB−IC140は縁140aを有し、この縁140aと第2基板120の第1の縁120bとが平面的に重なり合っている。液晶装置101においては、駆動用IC130から、TAB−IC140の配線141、セグメント電極用接続配線122及びコモン電極用接続配線125を介して、セグメント電極121及びコモン電極111に対して、信号が出力される。
【0050】
図4に示すように、張り出し部120aは、平面的にみて、張り出し部120aの第1の縁120bとフレキシブル配線基板140の縁140aとが交わる第1点151と、張り出し部120aの第2の縁120c及び120dと第1基板110の第1の縁110aとが重なる第2点150とを結ぶ直線152により分割される。第2点150は、張り出し部120aの縁と第1基板110の縁とが重なる点のうち、第1点151から最も近い点である。張り出し部120aは、直線152により分割された、TAB―IC140が接続され、これに電気的に接続するセグメント電極用接続配線122及びコモン電極用接続配線125が設けられる第1領域153aと、TAB−IC140が接続されず、セグメント電極用接続配線122及びコモン電極用接続配線125が設けられていない第2領域153b(図4上、斜線で埋められた領域)とを有する。ここでは、第1領域153aは、直線152を境にして張り出し部120aの中央部よりの内側に位置し、第2領域153bは、直線152を境にして張り出し部120aの縁側よりの外側に位置する。
【0051】
このように本実施形態によれば、セグメント電極用接続配線122及びコモン電極用接続配線125は、第1領域153a内に位置するので、特に直線152に近く位置するコモン電極用接続配線125は、液晶装置101が外的衝撃を受けても断線しにくく、断線によって表示が行えなくなるといった問題の発生を少なくすることができる。液晶装置101全体を平面的に見た場合、2枚の第1基板110と第2基板120とが重なり合う領域と、張り出し部120aとTAB−IC140とが重なり合う領域、すなわち2枚の基板が重なり合う領域とを結ぶ直線152により、張出し部120aは第1領域153aと第2領域153bに区分けされる。液晶装置101において、2枚の第1基板110と第2基板120とが重なり合う領域及び第1領域153aでは、その一部領域が2枚の基板が重なった状態であり、それ以外の領域は2つの2枚の基板が重なり合った領域により挟まれた状態となっている。これに対し、第2領域153bでは、TAB−ICは接続されず、1枚の第2基板120のみしか存在せず、第2領域153bは2枚の基板が重なり合った領域と隣り合っていない状態となっている。従って、第1基板110と第2基板120とが重なり合う領域及び第1領域153aは、第2領域153bと比較して物理的強度が高い。このため、落下などの外的衝撃が液晶装置101に加わった場合、第1領域153aと第2領域153bとの境界付近に大きいせん断応力が加わりやすく、第1領域153aと第2領域153bとの境界付近に沿って、ひびや割れが発生しやすい。そこで、本実施形態では、張り出し部120aにおいてTAB−IC140が接続される第1領域153aのみにセグメント電極用接続配線122及びコモン電極用接続配線125を設けることにより、例え外的衝撃によってひびや割れが生じても、そのひびや割れは第1領域153aと第2領域153bとの境界である直線152付近に発生しやすいため、セグメント電極用接続配線122及びコモン電極用接続配線125の断線の発生を極力抑制することができる。従って、セグメント電極用接続配線122及びコモン電極用接続配線125の断線による液晶装置101の表示不良発生を極力防止することができる。
【0052】
<第3実施形態>
【0053】
上述の第1実施形態においては、矩形状の液晶パネルの1辺にフレキシブル配線基板が接続された場合について説明したが、図5に示すように、矩形状の液晶パネルの2辺にフレキシブル配線基板が接続される構造についても本発明を適用することができ、以下に説明する。
【0054】
図5は、第3実施形態に係る電気光学装置としての液晶装置の概略平面図である。本実施形態においては、COG方式の液晶装置を例にあげて説明するが、第2実施形態と同様にCOF方式に適用することも可能である。
【0055】
図5に示すように、液晶装置201は、電気光学パネルとしての液晶パネル202と、液晶パネル202を挟み込むように設けられた一対の偏光板(図示せず)と、液晶パネル202に電気的に接続された配線基板としてのフレキシブル配線基板240及び240´と、液晶パネル202に実装された半導体素子としての駆動用IC230及び230´を具備している。
【0056】
液晶パネル202は、シール材60により接着された一対のガラスなどの絶縁基板からなる第1基板210及び第2基板220を有している。一対の基板210及び220とシール材60により囲まれた領域内には電気光学物質としてSTN液晶(図示せず)が封入されている。シール材60は、液晶注入口となる部分が開口した形状を有し、液晶注入口は封止材61によって封止されている。
【0057】
第1基板210は、対向する第1の縁210a及び第1の縁210a´と、この第1の縁210a及び210a´と隣り合う第2の縁210b及び210cを有する矩形状を有している。第1基板210上には、図面x軸方向に沿ってストライプ状に形成された複数のコモン電極211、このコモン電極211を覆う配向膜(図示せず)が設けられている。コモン電極211は、図面上、上半分がコモン電極用接続配線225を介して駆動用IC230´の左側に、下半分がコモン電極用接続配線225を介して駆動用IC230´の右側に接続している。
【0058】
第2基板220は、第1基板の第1の縁210aに対応する第1の縁220b、第1基板の第1の縁210a´に対応する第1の縁220b´、第1の縁220b及び220b´と隣り合う第2の縁220c及び220dを有する矩形状を有している。第2の縁220cと第2の縁220dとは対向している。第2基板220の第1の縁220b及び第1の縁220b´は、第1基板210よりも張り出しており、第2基板220は張り出し部220a及び220a´を有している。第1基板210と第2基板220とが平面的に重なり合う領域において、第1基板210の第2の縁210bと第2基板220の第2の縁220c、第1基板210の第2の縁210cと第2基板220の第2の縁220dとは、それぞれ重なり面一の形状となっている。第2基板220上には、図面y軸方向に沿って、ストライプ状にコモン電極211と平面的に交差するように複数のセグメント電極221、このセグメント電極221を覆うように配向膜(図示せず)が設けられている。
【0059】
第1基板210と第2基板220とはそれぞれの基板上に形成されている配向膜が対向するように対向配置される。
【0060】
第2基板220の張り出し部220aには半導体素子としての駆動用IC230が実装され、張り出し部220a内ではフレキシブル配線基板240が接続されている。張り出し部220aには、セグメント電極221が延在してなる出力用配線としてのセグメント電極用接続配線222、駆動用IC230とフレキシブル配線基板240の配線241とを電気的に接続する入力用配線223が設けられている。第2基板220の張り出し部220a´には半導体素子としての駆動用IC230´が実装され、張り出し部220a´内ではフレキシブル配線基板240´が接続されている。張り出し部220a´には、コモン電極211と導電部材(図示せず)を介して電気的に接続された出力用配線としてのコモン電極用接続配線225、駆動用IC230´とフレキシブル配線基板240´の配線241´とを電気的に接続する入力用配線223´が設けられている。
セグメント電極用接続配線222は、複数のセグメント電極221のうち最も外側に位置する2つのセグメント電極221をそのまま直線状に延在し、この延在した2つの線によって挟まれた領域内に位置する。これに対し、コモン電極用接続配線225は、複数のコモン電極211のうち最も外側に位置する2つのコモン電極211をそのまま直線状に延在し、この延在した2つの線によって挟まれた領域内及び領域外に引き回されて位置している。
【0061】
フレキシブル配線基板240(240´)は、それぞれベース基材と該ベース基材上に設けられた配線241(241´)を有する。フレキシブル配線基板240(240´)は縁240a(240a´)を有し、この縁240a(240a´)と第2基板220の第1の縁220b(220b´)とが平面的に重なり合っている。液晶装置201においては、フレキシブル配線基板240(240´)の配線241(241´)から駆動用IC230(230´)に対して入力用配線223(223´)を介して信号が入力され、駆動用IC230(230´)からセグメント電極221(コモン電極211)に対してセグメント電極用接続配線222(コモン電極用接続配線225)を介して信号が出力される。
【0062】
図5に示すように、張り出し部220a(220a´)は、平面的にみて張り出し部220a(220a´)の第1の縁220b(220b´)とフレキシブル配線基板240(240´)の縁240a(240a´)とが交わる第1点251と、張り出し部220a(220a´)の第2の縁220c及び220dと第1基板210の第1の縁210a(210a´)とが重なる第2点250と、を結ぶ直線252により分割される。第2点250は、張り出し部220a(220a´)の縁と第1基板210の縁とが重なる点のうち、第1点251から最も近い点である。張り出し部220a(220a´)は、直線252により分割された、フレキシブル配線基板240(240´)が接続されセグメント電極用接続配線222(コモン電極用接続配線225)が設けられている第1領域253aと、フレキシブル配線基板240(240´)が接続されずセグメント電極用接続配線222(コモン電極用接続配線225)が設けられていない第2領域253b(図5上、斜線で埋められた領域)とを有する。ここで、第1領域253aは、直線252を境にして張り出し部202a及び202a´それぞれの中央部よりの内側に位置し、第2領域253bは、直線252を境にして張り出し部202a及び202a´それぞれの縁側よりの外側に位置する。従って、第2領域253bは第1領域253aの外側に位置する。
【0063】
このように本実施形態によれば、セグメント電極用接続配線222及びコモン電極用接続配線225は、第1領域253a内に位置するので、特に直線252に近く位置するコモン電極用接続配線225は、液晶装置201が外的衝撃を受けても断線しにくく、断線によって表示が行えなくなるといった問題の発生を少なくすることができる。液晶装置201全体を平面的に見た場合、2枚の第1基板210と第2基板220とが重なり合う領域と、張り出し部220a(220a´)とフレキシブル配線基板240(240´)とが重なり合う領域、すなわち2枚の基板が重なり合う領域とを結ぶ直線252により、張出し部220a(220a´)は第1領域253aと第2領域253bに区分けされる。液晶装置201において、2枚の第1基板210と第2基板220とが重なり合う領域及び第1領域253aでは、その一部領域が2枚の基板が重なった状態であり、それ以外の領域は2つの2枚の基板が重なり合った領域により挟まれた状態となっている。これに対し、第2領域253bでは、フレキシブル配線基板は接続されず、1枚の第2基板220のみしか存在せず、第2領域253bは2枚の基板が重なり合った領域と隣り合っていない状態となっている。従って、第1基板210と第2基板220とが重なり合う領域及び第1領域253aは、第2領域253bと比較して物理的強度が高い。このため、落下などの外的衝撃が液晶装置201に加わった場合、第1領域253aと第2領域253bとの境界付近に大きいせん断応力が加わりやすく、第1領域253aと第2領域253bとの境界である直線252付近に沿って、ひびや割れが発生しやすい。そこで、本実施形態では、張り出し部220aにおいてフレキシブル配線基板240が接続される第1領域253aのみにセグメント電極用接続配線222及びコモン電極用接続配線225を設けることにより、例え外的衝撃によってひびや割れが生じても、そのひびや割れは第1領域253aと第2領域253bとの境界付近に発生しやすいため、セグメント電極用接続配線222及びコモン電極用接続配線225の断線の発生を極力抑制することができる。従って、断線による液晶装置201の表示不良発生を防止することができる。
【0064】
本実施形態において、液晶パネルの第2基板が2つの張り出し部を有していたが、これに限定されるものではない。例えば、第1基板が第2基板の縁から張り出した張り出し部を有し、第2基板が第1基板の縁から張り出した張り出し部を有し、それぞれの張り出し部が対向するように液晶パネルを構成してもよい。
【0065】
また、本実施形態においては、矩形状の液晶パネルの対向する辺にそれぞれフレキシブル配線基板が接続された構造について説明したが、図6及び図7に示すように、変形例として、矩形状の液晶パネルの隣り合う辺にそれぞれフレキシブル配線基板を接続する構造としてもよい。
【0066】
図6は、変形例の1つである電気光学装置としての液晶装置の概略平面図である。本変形例では、矩形状の第2基板の張り出し部が隣り合う2辺に設けられている。
【0067】
図6に示すように、液晶装置1201は、電気光学パネルとしての液晶パネル1202と、液晶パネル1202を挟み込むように設けられた一対の偏光板(図示せず)と、液晶パネル1202に電気的に接続された配線基板としてのフレキシブル配線基板1240及び1240´と、液晶パネル1202に実装された半導体素子としての駆動用IC1230及び1230´を具備している。
【0068】
液晶パネル1202は、シール材60により接着された一対のガラスなどの絶縁基板からなる第1基板1210及び第2基板1220を有している。一対の基板1210及び1220とシール材60により囲まれた領域内には電気光学物質としてSTN液晶(図示せず)が封入されている。シール材60は、液晶注入口となる部分が開口した形状を有し、液晶注入口は封止材61によって封止されている。
【0069】
第1基板1210は、第1の縁1210aと、この第1の縁1210aと隣り合う第2の縁1210bと、第2の縁1210bと対向する第3の縁1210cと、第1の縁1210aと対向する第4の縁1210dを有する矩形状を有している。第1基板1210上には、図面x軸方向に沿ってストライプ状に形成された複数のコモン電極1211、このコモン電極1211を覆う配向膜(図示せず)が設けられている。
【0070】
第2基板1220は、第1基板1210の第1の縁1210aに対応する第1の縁1220bと、第1基板の第2の縁1210bに対応する第2の縁1220c、第1基板の第3の縁1210cに対応する第3の縁1220dと、第1基板の第4の縁1210dに対応する第4の縁1220eを有する矩形状を有している。第2基板1220の第1の縁1220b及び第2の縁1220cは、第1基板1210よりも張り出しており、第2基板1220はL字状の張り出し部1220aを有している。第1基板1210と第2基板1220とが平面的に重なり合う領域において、第1基板1210の第3の縁1210cと第2基板1220の第3の縁1220d、第1基板1210の第4の縁1210dと第2基板1220の第2の縁1220eとは、それぞれ重なり面一の形状となっている。第2基板1220上には、図面y軸方向に沿って、ストライプ状にコモン電極1211と平面的に交差するように複数のセグメント電極1221、このセグメント電極1221を覆うように配向膜(図示せず)が設けられている。
【0071】
第1基板1210と第2基板1220とはそれぞれの基板上に形成されている配向膜が対向するように対向配置される。
【0072】
第2基板1220の張り出し部1220aには半導体素子としての駆動用IC1230及び1230´が実装され、張り出し部1220a内ではフレキシブル配線基板1240及び1240´が接続されている。張り出し部1220aには、セグメント電極1221が延在してなる出力用配線としてのセグメント電極用接続配線1222、コモン電極1211と導電部材(図示せず)を介して電気的に接続された出力用配線としてのコモン電極用接続配線1225、駆動用IC1230とフレキシブル配線基板1240の配線1241とを電気的に接続する入力用配線1223、駆動用IC1230´とフレキシブル配線基板1240´の配線1241´とを電気的に接続する入力用配線1223´が設けられている。
【0073】
フレキシブル配線基板1240(1240´)は、それぞれベース基材と該ベース基材上に設けられた配線1241(1241´)を有する。フレキシブル配線基板1240(240´)は縁1240a(1240a´)を有し、この縁1240a(1240a´)と第2基板1220の第1の縁1220b(第2の縁1220c)とが平面的に重なり合っている。液晶装置1201においては、フレキシブル配線基板1240の配線1241から駆動用IC1230に対して入力用配線1223を介して信号が入力され、駆動用IC1230からセグメント電極1221に対してセグメント電極用接続配線1222を介して信号が出力される。一方、フレキシブル配線基板1240´の配線1241´から駆動用IC1230´に対して入力用配線1223´を介して信号が入力され、駆動用IC1230´からコモン電極1211に対してコモン電極用接続配線1225を介して信号が出力される。
【0074】
図6に示すように、張り出し部1220aは、3つの直線1252、1252´、1262により、第1領域1253aと第2領域1253bに分割される。直線1252は、平面的にみて張り出し部1220aの第1の縁1220bとフレキシブル配線基板1240の縁1240aとが交わってなる2つの点のうち第3の縁1220dよりに位置する第1点1251と、張り出し部1220aの第3の縁1220dと第1基板1210の第1の縁1210aとが重なる第2点1250と、を結ぶ直線である。第2点1250は、張り出し部1220aの縁と第1基板1210の縁とが重なる点のうち、第1点1251から最も近い点である。直線1252´は、平面的にみて張り出し部1220aの第2の縁1220cとフレキシブル配線基板1240´の縁1240a´とが交わってなる2つの点のうち第4の縁1220eよりに位置する第1点1251´と、張り出し部1220aの第4の縁1220eと第1基板1210の第2の縁1210bとが重なる第2点1250´と、を結ぶ直線である。第2点1250´は、張り出し部1220aの縁と第1基板1210の縁とが重なる点のうち、第1点1251´から最も近い点である。直線1262は、平面的にみて、張り出し部1220aの第1の縁1220bとフレキシブル配線基板1240の縁1240aとが交わってなる2つの点のうち第2の縁1220cよりに位置する第3点1261と、張り出し部1220aの第2の縁1220cとフレキシブル配線基板1240´の縁1240a´とが交わってなる2つの点のうち第1の縁1220bよりに位置する第4点1260と、を結ぶ直線である。
【0075】
張り出し部1220aは、直線1252、1252´及び1262により分割された、フレキシブル配線基板1240及び1240´が接続されコモン電極用接続配線1225及びセグメント電極用接続配線1222が設けられている第1領域1253aと、フレキシブル配線基板1240及び1240´が接続されずコモン電極用接続配線1225及びセグメント電極用接続配線1222が設けられていない第2領域1253b(図6上、斜線で埋められた領域)とを有する。ここでは、第1領域1253aは、直線1252、1252´及び1262を境にしてL字状の張り出し部1220aのL字を形成する2つの部分それぞれの中央部よりの内側に位置し、第2領域1253bは、直線1252、1252´及び1262を境にして張り出し部1220aの縁側よりの外側に位置する。
【0076】
このように本実施形態によれば、液晶装置1201において、2枚の第1基板1210と第2基板1220とが重なり合う領域及び第1領域1253aでは、その一部領域が2枚の基板が重なった状態であり、それ以外の領域は2つの2枚の基板が重なり合った領域により挟まれた状態となっている。これに対し、第2領域1253bでは、フレキシブル配線基板は接続されず、1枚の第2基板1220のみしか存在せず、第2領域1253bは2枚の基板が重なり合った領域と隣り合っていない状態となっている。従って、第1基板1210と第2基板1220とが重なり合う領域及び第1領域1253aは、第2領域1253bと比較して物理的強度が高い。このため、落下などの外的衝撃が液晶装置1201に加わった場合、第1領域1253aと第2領域1253bとの境界付近に大きいせん断応力が加わりやすく、第1領域1253aと第2領域1253bとの境界である直線1252、1252´、1262付近に沿って、ひびや割れが発生しやすい。そこで、本実施形態では、張り出し部1220aにおいてフレキシブル配線基板1240及び1240´が接続される第1領域1253aのみにセグメント電極用接続配線1222及びコモン電極用接続配線1225を設けることにより、例え外的衝撃によってひびや割れが生じても、そのひびや割れは第1領域1253aと第2領域1253bとの境界付近に発生しやすいため、セグメント電極用接続配線1222及びコモン電極用接続配線1225の断線の発生を極力抑制することができる。従って、断線による液晶装置1201の表示不良発生を防止することができる。
【0077】
図7は、他の変形例である液晶装置の概略平面図である。本変形例では、第1基板も第2基板の縁から張り出した張り出し部を有しており、この第1基板の張り出し部と第2基板の張り出し部が、対向せず隣り合った形状を有している。
【0078】
図7に示すように、液晶装置2201は、電気光学パネルとしての液晶パネル2202と、液晶パネル2202を挟み込むように設けられた一対の偏光板(図示せず)と、液晶パネル2202に電気的に接続された配線基板としてのフレキシブル配線基板2240及び2240´と、液晶パネル2202に実装された半導体素子としての駆動用IC2230及び2230´を具備している。
【0079】
液晶パネル2202は、シール材60により接着された一対のガラスなどの絶縁基板からなる第1基板2210及び第2基板2220を有している。図7において、第2基板2220は図面手前側、第1基板2210は図面奥側に位置している。一対の基板2210及び2220とシール材60により囲まれた領域内には電気光学物質としてSTN液晶(図示せず)が封入されている。シール材60は、液晶注入口となる部分が開口した形状を有し、液晶注入口は封止材61によって封止されている。
【0080】
第1基板2210は、第1の縁2210bと、この第1の縁2210bと隣り合う第2の縁2210cと、第2の縁2210cと対向する第3の縁2210dと、第1の縁2210bと対向する第4の縁2210eを有する矩形状を有している。第1基板2210上には、図面x軸方向に沿ってストライプ状に形成された複数のコモン電極2211、このコモン電極2211を覆う配向膜(図示せず)が設けられている。
【0081】
第2基板2220は、第1基板の第3の縁2210dに対応する第1の縁2220bと、第1基板の第1の縁2210bに対応する第2の縁2220cと、第1基板の第4の縁2210eに対応する第3の縁2220dと、第1基板の第2の縁2210cに対応する第4の縁2220eと、第1基板2210の第3の縁2210dに対応する第1の縁2220bを有する矩形状を有している。第2基板2220の第1の縁2220bは第1基板2210よりも張り出しており、第2基板2220は張り出し部2220aを有している。第1基板2210の第1の縁2210bは、第2基板2220よりも張り出しており、第1基板2210は張り出し部2210aを有している。張り出し部2210a及び2220aはそれぞれその長手方向がy軸、x軸に沿っている。第1基板2210と第2基板2220とが平面的に重なり合う領域において、第1基板2210の第2の縁2210cと第2基板2220の第4の縁2220e、第1基板2210の第4の縁2210eと第2基板2220の第3の縁2220dとは、それぞれ重なり面一の形状となっている。第2基板2220上には、図面y軸方向に沿って、ストライプ状にコモン電極2211と平面的に交差するように複数のセグメント電極2221、このセグメント電極2221を覆うように配向膜(図示せず)が設けられている。
【0082】
第1基板2210と第2基板2220とはそれぞれの基板上に形成されている配向膜が対向するように対向配置される。
【0083】
第2基板2220の張り出し部2220aには半導体素子としての駆動用IC2230が、第1基板2210の張り出し部2210aには半導体素子としての駆動用IC2230´が実装されている。張り出し部2220aには、セグメント電極2221が延在してなる出力用配線としてのセグメント電極用接続配線2222、駆動用IC2230とフレキシブル配線基板2240の配線2241とを電気的に接続する入力用配線2223が設けられている。張り出し部2210aには、コモン電極2211と導電部材(図示せず)を介して電気的に接続された出力用配線としてのコモン電極用接続配線2225、駆動用IC2230´とフレキシブル配線基板2240´の配線2241´とを電気的に接続する入力用配線2223´が設けられている。
【0084】
フレキシブル配線基板2240(2240´)は、それぞれベース基材と該ベース基材上に設けられた配線2241(2241´)を有する。フレキシブル配線基板2240(2240´)は縁2240a(2240a´)を有している。フレキシブル配線基板2240の縁2240aは第2基板2220の第1の縁2220bと平面的に重なり合っており、フレキシブル配線基板2240´の縁2240a´は第1基板2210の第1の縁2210bと平面的に重なり合っている。液晶装置2201においては、フレキシブル配線基板2240の配線2241から駆動用IC2230に対して入力用配線2223を介して信号が入力され、駆動用IC2230からセグメント電極2221に対してセグメント電極用接続配線2222を介して信号が出力される。一方、フレキシブル配線基板2240´の配線2241´から駆動用IC2230´に対して入力用配線2223´を介して信号が入力され、駆動用IC2230´からコモン電極2211に対してコモン電極用接続配線2225を介して信号が出力される。
【0085】
図7に示すように、張り出し部2220aは、2つの直線2252、2262により第1領域2253aと第2領域2253b(図7上、斜線で埋められた領域)に分割される。直線2252は、平面的にみて、張り出し部2220aの第1の縁2220bとフレキシブル配線基板2240の縁2240aとが交わる2つの第1点2251のうち第3の縁2220dに近い第1点2251と、張り出し部2220aの第3の縁2220dと第1基板2210の第3の縁2210dとが重なる第2点2250とを結ぶ直線である。第2点2250は、張り出し部2220aの縁と第1基板2210の縁とが重なる点のうち、第1点2251から最も近い点である。直線2262は、平面的にみて、張り出し部2220aの第1の縁2220bとフレキシブル配線基板2240の縁2240aとが交わる2つの第1点2251のうち第2の縁2220cに近い第1点2251と、第1基板2210の第3の縁2210dと第2基板2220の第2の縁2220cとが交わる点2260とを結ぶ直線である。
【0086】
一方、張り出し部2210aは、2つの直線2252´、2262´により第1領域2253a´と第2領域2253b´(図7上、斜線で埋められた領域)に分割される。直線2252´は、平面的にみて、張り出し部2210aの第1の縁2210bとフレキシブル配線基板2240´の縁2240a´とが交わる2つの第1点2251のうち第3の縁2210dに近い第1点2251と、張り出し部2210aの第2の縁2210cと第2基板2220の第4の縁2220eとが重なる第2点2250´とを結ぶ直線である。第2点2250´は、張り出し部2210aの縁と第2基板2220の縁とが重なる点のうち、第1点2251´から最も近い点である。直線2262´は、平面的にみて、張り出し部2210aの第1の縁2210bとフレキシブル配線基板2240´の縁2240a´とが交わる2つの第1点2251´のうち第3の縁2210dに近い第1点2251´と、第1基板2210の第3の縁2210dと第2基板2220の第2の縁2220cとが交わる点2260とを結ぶ直線である。
【0087】
張り出し部2220aは、直線2252及び2262により分割された、フレキシブル配線基板2240が接続されセグメント電極用接続配線2222が設けられている第1領域2253aと、フレキシブル配線基板2240が接続されずセグメント電極用接続配線2222が設けられていない第2領域2253b(図7上、斜線で埋められた領域)とを有する。ここでは、第1領域2253aは、直線2252及び2262を境にして張り出し部2220aの中央部よりの内側に位置し、第2領域2253bは、直線2252及び2262を境にして張り出し部2220aの縁側よりの外側に位置する。
【0088】
張り出し部2210aは、直線2252´及び2262´により分割された、フレキシブル配線基板2240´が接続されコモン電極用接続配線2225が設けられている第1領域2253a´と、フレキシブル配線基板2240´が接続されずコモン電極用接続配線2225が設けられていない第2領域2253b´(図7上、斜線で埋められた領域)とを有する。ここでは、第1領域2253a´は、直線2252´及び2262´を境にして張り出し部2210aの中央部よりの内側に位置し、第2領域2253b´は、直線2252´及び2262´を境にして張り出し部2210aの縁側よりの外側に位置する。
【0089】
このように本実施形態によれば、液晶装置2201において、2枚の第1基板2210と第2基板2220とが重なり合う領域、第1領域2253a及び2253a´では、その一部領域が2枚の基板が重なった状態であり、それ以外の領域は2つの2枚の基板が重なり合った領域により挟まれた状態となっている。これに対し、第2領域2253b及び2253b´では、フレキシブル配線基板は接続されず、1枚の基板(第1基板2210または第2基板2220)のみしか存在せず、第2領域2253b及び2253b´は2枚の基板が重なり合った領域と隣り合っていない状態となっている。従って、第1基板2210と第2基板2220とが重なり合う領域及び第1領域2253a及び2253a´は、第2領域2253b及び2253b´と比較して物理的強度が高い。このため、落下などの外的衝撃が液晶装置2201に加わった場合、第1領域2253a(2253a´)と第2領域2253b(2253b´)との境界付近に大きいせん断応力が加わりやすく、第1領域2253a(2253a´)と第2領域2253b(2253b´)との境界である直線2252(2252´)、2262(2262´)付近に沿って、ひびや割れが発生しやすい。そこで、本実施形態では、張り出し部2220a(2210a)においてフレキシブル配線基板2240(2240´)が接続される第1領域2253a(2253a´)のみにセグメント電極用接続配線2222(コモン電極用接続配線2225)を設けることにより、例え外的衝撃によってひびや割れが生じても、そのひびや割れは第1領域2253a(2253a´)と第2領域2253b(2253b´)との境界付近に発生しやすいため、セグメント電極用接続配線2222(コモン電極用接続配線2225)の断線の発生を極力抑制することができる。従って、断線による液晶装置2201の表示不良発生を防止することができる。
【0090】
<第4実施形態>
【0091】
上述の実施形態の構成に加え、図8に示すように、第2基板の第2領域に溝を設けても良い。ここでは、上述の第1実施形態に対応して説明し、電極や配線などの図示及び説明は第1実施形態と同様であるため、図示及び説明は省略する。また、同様に第2、第3実施形態においても、本実施形態の如く溝を設ける構成とすることができる。
【0092】
図8(a)は第4実施形態に係る液晶装置の概略平面図である。図8(b)は図8(a)の線A−A´で切断した断面図である。
【0093】
図8に示す液晶装置301は、電気光学パネルとしての液晶パネル302と、液晶パネル302を挟み込むように設けられた一対の偏光板(図示せず)と、液晶パネル302に電気的に接続された配線基板としてのフレキシブル配線基板340と、液晶パネル302に実装された半導体素子としての駆動用IC330を具備している。
【0094】
液晶パネル302は、シール材により接着された一対のガラスなどの絶縁基板からなる第1基板310及び第2基板320を有している。一対の基板310及び320とシール材により囲まれた領域内には電気光学材料としてSTN液晶(図示せず)が封入されている。
【0095】
第1基板310は、第1の縁310aと、この第1の縁310aと隣り合う第2の縁310b及び310cを有する矩形状を有している。
【0096】
第2基板320は、第1基板の第1の縁310aに対応する第1の縁320bを有する矩形状を有している。第2基板320の第1の縁320bは、第1基板310よりも張り出しており、第2基板320は張り出し部320aを有している。張り出し部320aは、第1の縁320bと、この第1の縁320bと隣り合う第2の縁320c及び320dを有する矩形状を有している。第1基板310は、第1の縁310a以外の縁が、第2基板320の第1の縁320b以外の縁と重なり面一の形状となっている。
【0097】
第2基板320の張り出し部320aには、半導体素子としての駆動用IC330が実装され、張り出し部320a内ではフレキシブル配線基板340が接続されている。張り出し部320aには、セグメント電極が延在してなる出力用配線としてのセグメント電極用接続配線、コモン電極と導電部材を介して電気的に接続された出力用配線としてのコモン電極用接続配線、駆動用IC330とフレキシブル配線基板340の配線とを電気的に接続する入力用配線が設けられている。
【0098】
フレキシブル配線基板340は縁340aを有し、この縁340aと第2基板320の第1の縁320bとが平面的に重なり合っている。
【0099】
図8に示すように、張り出し部320aは、張り出し部320aの第1の縁320bとフレキシブル配線基板340の縁340aとが交わる第1点351と、張り出し部320aの第2の縁320c及び320dと第1基板310の第1の縁310aとが重なる第2点350とを結ぶ直線352により分割される。張り出し部320aは、直線352により分割された、フレキシブル配線基板340が接続されセグメント電極用接続配線及びコモン電極用接続配線が設けられている第1領域353aと、フレキシブル配線基板340が接続されずセグメント電極用接続配線及びコモン電極用接続配線が設けられていない第2領域353bとを有する。また、第2基板320の第2領域353bには、直線352の近傍に直線352とほぼ平行に溝321を設けている。
【0100】
また、本実施形態においては、張り出し部320aは、溝321と、張り出し部320aの縁とで規定された2つの領域の内、溝321よりも外側の領域、すなわち溝321を境にして張り出し部302aの中央部よりではなく第2基板320の縁よりの領域には、セグメント電極用接続配線及びコモン電極用接続配線が設けられていない。
【0101】
このように本実施形態によれば、上述の実施形態と同様に、接続配線は、液晶装置301が外的衝撃を受けても断線しにくく、断線によって表示が行えなくなるといった問題の発生を少なくすることができる。更に、本実施形態においては、第2基板320の第2領域353bに溝321を設けているので、例えば液晶装置301にひびや割れが生じるほどの外的衝撃が加わっても、ひびや割れをより確実に溝321に沿って発生させることができる、溝321よりも内側、すなわち溝321を境にして張り出し部320aの中央部よりの領域に位置する接続配線の断線の発生をより防止することができる。溝321の位置は、液晶装置301に対して外的衝撃が加わった際、接続配線が設けられない第2領域のうちせん断応力が強く加わる領域に設ければよい。
【0102】
また、本実施形態においては、溝321を、その両端部が張り出し部320aの縁まで延在した形状としたが、図9に示すように、両端部が張り出し部320a´の縁まで達しない形状としても良い。
【0103】
図9は、図8の溝の変形例を示すものである。図9は液晶装置の概略平面図である。以下、図8に示す液晶装置と同様の構造については同様の符号を付し、異なる構造について主に説明する。
【0104】
図9に示す液晶装置1301は、電気光学パネルとしての液晶パネル1302と、液晶パネル1302を挟み込むように設けられた一対の偏光板(図示せず)と、液晶パネル1302に電気的に接続された配線基板としてのフレキシブル配線基板340と、液晶パネル1302に実装された半導体素子としての駆動用IC330を具備している。
【0105】
液晶パネル1302は、シール材により接着された一対のガラスなどの絶縁基板からなる第1基板310及び第2基板1320を有している。
【0106】
第2基板1320は、第1基板310の第1の縁310aに対応する第1の縁1320bを有する矩形状を有している。第2基板1320の第1の縁1320bは、第1基板310よりも張り出しており、第2基板1320は張り出し部1320aを有している。張り出し部1320aは、第1の縁1320bと、この第1の縁1320bと隣り合う第2の縁1320c及び1320dを有する矩形状を有している。第1基板310の第1の縁310a以外の縁は、第2基板1320の第1の縁1320b以外の縁と重なり面一の形状となっている。
【0107】
第2基板1320の張り出し部1320aには、半導体素子としての駆動用IC330が実装されている。張り出し部1320aには、セグメント電極が延在してなる出力用配線としてのセグメント電極用接続配線、コモン電極と導電部材を介して電気的に接続された出力用配線としてのコモン電極用接続配線、駆動用IC330とフレキシブル配線基板340の配線とを電気的に接続する入力用配線が設けられている。
【0108】
図9に示すように、張り出し部1320aは、張り出し部1320aの第1の縁1320bとフレキシブル配線基板340の縁340aとが交わる第1点351と、張り出し部1320aの第2の縁1320c及び1320dと第1基板310の第1の縁310aとが重なる第2点350とを結ぶ直線352により分割される。第2点350は、張り出し部1320aの縁と第1基板310の縁とが重なる点のうち、第1点351から最も近い点である。張り出し部1320aは、直線352により分割された、フレキシブル配線基板340が接続されセグメント電極用接続配線及びコモン電極用接続配線が設けられている第1領域353aと、フレキシブル配線基板340が接続されずセグメント電極用接続配線及びコモン電極用接続配線が設けられていない第2領域353bとを有する。第2基板1320の第2領域353bには、直線352の近傍に直線352とほぼ平行に溝1321が設けられている。この溝1321は、張り出し部1320aの縁から縁まで形成されておらず、両端部が張り出し部1320aの縁まで達していない形状となっている。
【0109】
このように、溝の両端部が張り出し部の縁まで達していない形状の溝1321を有する液晶装置1301においても、図8に示す液晶装置301と同様に、例えば液晶装置1301にひびや割れが生じるほどの外的衝撃が加わっても、ひびや割れは溝1321に沿って発生しやすくなり、接続配線の断線を防止することができる。
【0110】
図10は、他の変形例を示すものである。図10は液晶装置の概略平面図である。以下、図8に示す液晶装置と同様の構造については同様の符号を付し、異なる構造について主に説明する。
【0111】
図10に示す液晶装置2301は、電気光学パネルとしての液晶パネル2302と、液晶パネル2302を挟み込むように設けられた一対の偏光板(図示せず)と、液晶パネル2302に電気的に接続された配線基板としてのフレキシブル配線基板340と、液晶パネル1302に実装された半導体素子としての駆動用IC330を具備している。
【0112】
液晶パネル2302は、シール材により接着された一対のガラスなどの絶縁基板からなる第1基板310及び第2基板2320を有している。
【0113】
第2基板2320は、第1基板310の第1の縁310aに対応する第1の縁2320bを有する矩形状を有している。第2基板2320の第1の縁2320bは、第1基板310よりも張り出しており、第2基板2320は張り出し部2320aを有している。張り出し部2320aは、第1の縁2320bと、この第1の縁2320bと隣り合う第2の縁2320c及び2320dを有する矩形状を有している。第1基板310の第1の縁310a以外の縁は、第2基板2320の第1の縁2320b以外の縁と重なり面一の形状となっている。
【0114】
第2基板2320の張り出し部2320aには、半導体素子としての駆動用IC330が実装され、張り出し部2320a内ではフレキシブル配線基板340が接続されている。張り出し部2320aには、セグメント電極が延在してなる出力用配線としてのセグメント電極用接続配線、コモン電極と導電部材を介して電気的に接続された出力用配線としてのコモン電極用接続配線、駆動用IC330とフレキシブル配線基板340の配線とを電気的に接続する入力用配線が設けられている。
【0115】
図10に示すように、張り出し部2320aは、張り出し部2320aの第1の縁2320bとフレキシブル配線基板340の縁340aとが交わる第1点351と、張り出し部2320aの第2の縁2320c及び2320dと第1基板310の第1の縁310aとが重なる第2点350とを結ぶ直線352により分割される。第2点350は、張り出し部2320aの縁と第2基板2320の縁とが重なる点のうち、第1点351から最も近い点である。張り出し部2320aは、直線352により分割された、フレキシブル配線基板340が接続されセグメント電極用接続配線及びコモン電極用接続配線が設けられている第1領域353aと、フレキシブル配線基板340が接続されずセグメント電極用接続配線及びコモン電極用接続配線が設けられていない第2領域353bとを有する。第2基板2320の第2領域353bには、第2点350から第1の縁2320bに向かって延びる溝2321が設けられている。この溝2321は、直線352と平行に設けられておらず、例えば図10に示すように、第2点350から、第1点351よりも第2の縁2320c(2320d)よりの縁2320b上にまで設けられている。
【0116】
また、本実施形態においては、張り出し部2320aは、溝2321と、張り出し部2320aの縁とで規定された2つの領域の内、溝2321よりも外側の領域、すなわち溝2321を境にして張り出し部2320aの中央部よりではなく張り出し部2320aの縁よりの領域には、セグメント電極用接続配線及びコモン電極用接続配線が設けられていない。
【0117】
このように、溝2321を直線352と非平行の状態で設けても良く、図8に示す液晶装置301と同様に、例えば液晶装置2301にひびや割れが生じるほどの外的衝撃が加わっても、ひびや割れは溝2321に沿って発生しやすくなり、接続配線の断線を防止することができる。
【0118】
図11は、更に他の変形例を示すものである。図11は液晶装置の概略平面図である。以下、図8に示す液晶装置と同様の構造については同様の符号を付し、異なる構造について主に説明する。
【0119】
図11に示す液晶装置3301は、電気光学パネルとしての液晶パネル3302と、液晶パネル3302を挟み込むように設けられた一対の偏光板(図示せず)と、液晶パネル3302に電気的に接続された配線基板としてのフレキシブル配線基板340と、液晶パネル3302に実装された半導体素子としての駆動用IC330を具備している。
【0120】
液晶パネル3302は、シール材により接着された一対のガラスなどの絶縁基板からなる第1基板310及び第2基板3320を有している。
【0121】
第2基板3320は、第1基板310の第1の縁310aに対応する第1の縁3320bを有する矩形状を有している。第2基板3320の第1の縁3320bは、第1基板310よりも張り出しており、第2基板3320は張り出し部3320aを有している。張り出し部3320aは、第1の縁3320bと、この第1の縁3320bと隣り合う第2の縁3320c及び3320dを有する矩形状を有している。第1基板3310の第1の縁310a以外の縁は、第2基板3320の縁3320b重なり面一の形状となっている。
【0122】
第2基板3320の張り出し部3320aには、半導体素子としての駆動用IC330が実装され、張り出し部3320a内ではフレキシブル配線基板340が接続されている。張り出し部3320aには、セグメント電極が延在してなる出力用配線としてのセグメント電極用接続配線、コモン電極と導電部材を介して電気的に接続された出力用配線としてのコモン電極用接続配線、駆動用IC330とフレキシブル配線基板340の配線とを電気的に接続する入力用配線が設けられている。
【0123】
図11に示すように、張り出し部3320aは、張り出し部3320aの第1の縁3320bとフレキシブル配線基板340の縁340aとが交わる第1点351と、張り出し部3320aの第2の縁3320c及び3320dと第1基板310の第1の縁310aとが重なる第2点350とを結ぶ直線352により分割される。第2点350は、張り出し部3320aの縁と第1基板310の縁とが重なる点のうち、第1点351から最も近い点である。張り出し部3320aは、直線352により分割された、フレキシブル配線基板340が接続されセグメント電極用接続配線及びコモン電極用接続配線が設けられている第1領域353aと、フレキシブル配線基板340が接続されずセグメント電極用接続配線及びコモン電極用接続配線が設けられていない第2領域353bとを有する。第2基板3320の第2領域353bには、第1の縁3320bと平行に溝3321が設けられている。
【0124】
このように、溝3321を直線352と非平行の状態で、第2基板3320の縁に平行に設けても良く、図8に示す液晶装置301と同様に、例えば液晶装置3301にひびや割れが生じるほどの外的衝撃が加わっても、ひびや割れは溝3321に沿って発生しやすくなり、接続配線の断線を防止することができる。
【0125】
尚、溝の断面形状として半円形状のものを例にあげて説明した(図8(b)参照)が、これに限定されるものでなく、例えば図12に示すように第2基板320にV字状の断面を有する溝4321を設けても良い。
【0126】
また、上述では、第2基板320のセグメント電極用接続配線やコモン電極用接続配線といった配線が配置される面側に溝を設けているが、図13に示すように、第2基板320の配線が配置される面360とは反対側の面361に溝5321を設けても良い。この場合、例えばひびが生じるほどの外的衝撃を液晶装置が受けた場合、ひびは面361側から入りやすくなり、より配線の断線を防止することができる。
【0127】
尚、図12及び図13は、図8(b)に相当する断面図である。
【0128】
尚、第1点と第2とを結ぶ直線、または第1点と第2点とを結ぶ直線及びこの直線の延長線によって、第1領域と第2領域とを分割することが望ましいが、本実施形態及びこの変形例のように、溝を設ける場合には、その溝に沿ってひびや割れが生じやすいので、当該溝やその延長線によって第1領域と第2領域とを分割してもよい。そして、溝または、溝及びこの溝の延長線を境にして、外側の領域、すなわち張り出し部の中央部よりではない縁よりの領域に配線を設けない構造とすればよい。
【0129】
<他の変形例>
【0130】
上述の実施形態においては、駆動用ICを1つまたは2つ設けた場合を例にあげたが、これに限定されるものでなく、例えば図14に示すように、駆動用ICを3つ設けた場合についても本発明を適用できる。
【0131】
図14は変形例としての液晶装置の概略平面図である。
【0132】
図14に示すように、液晶装置401は、電気光学パネルとしての液晶パネル402と、液晶パネル402を挟み込むように設けられた一対の偏光板(図示せず)と、液晶パネル402に電気的に接続された配線基板としてのフレキシブル配線基板440と、液晶パネル402に実装された半導体素子としての駆動用IC430a、430b、430cを具備している。
【0133】
液晶パネル402は、シール材60により接着された一対のガラスなどの絶縁基板からなる第1基板410及び第2基板420を有している。一対の基板410及び420とシール材60により囲まれた領域内には電気光学物質としてSTN液晶(図示せず)が封入されている。シール材60は、液晶注入口となる部分が開口した形状を有し、液晶注入口は封止材61によって封止されている。
【0134】
第1基板410は、第1の縁410aと、この第1の縁410aと隣り合う第2の縁410b及び410cを有する矩形状を有している。第1基板410上には、図面x軸方向に沿ってストライプ状に形成された複数のコモン電極411、このコモン電極411を覆う配向膜(図示せず)が設けられている。
【0135】
第2基板420は、第1基板の第1の縁410aに対応する第1の縁420bを有する矩形状を有している。第2基板420の第1の縁420bは、第1基板410よりも張り出しており、第2基板420は張り出し部420aを有している。張り出し部420aは、第1の縁420bと、この第1の縁420bと隣り合う第2の縁420c及び420dを有する矩形状を有している。第1基板410と第2基板420とが平面的に重なり合う領域において、第2基板420の第1の縁20b以外の縁は、第1基板410の縁と重なり面一の形状となっている。第2基板420上には、図面y軸方向に沿って、ストライプ状にコモン電極411と平面的に交差するように複数のセグメント電極421、このセグメント電極421を覆うように配向膜(図示せず)が設けられている。
【0136】
第1基板410と第2基板420とはそれぞれの基板上に形成されている配向膜が対向するように対向配置される。
【0137】
第2基板420の張り出し部420aには、半導体素子としての駆動用IC430a、430b、430cが実装され、張り出し部420aにはフレキシブル配線基板440が接続されている。張り出し部420aには、セグメント電極421が延在してなる出力用配線としてのセグメント電極用接続配線422、コモン電極411と導電部材(図示せず)を介して電気的に接続された出力用配線としてのコモン電極用接続配線425、駆動用IC430a〜430cとフレキシブル配線基板440の配線441とを電気的に接続する入力用配線423が設けられている。セグメント電極用接続配線422は、複数のセグメント電極421のうち最も外側に位置する2つのセグメント電極421をそのまま直線状に延在し、この延在した2つの線によって挟まれた領域内に位置する。これに対し、コモン電極用接続配線425は、複数のコモン電極411のうち最も外側に位置する2つのコモン電極411をそのまま直線状に延在し、この延在した2つの線によって挟まれた領域内及び領域外に引き回されて位置している。
【0138】
フレキシブル配線基板440はベース基材と該ベース基材上に設けられた配線441を有する。フレキシブル配線基板440は縁440aを有し、この縁440aと第2基板420の第1の縁420bとが平面的に重なり合っている。液晶装置401においては、フレキシブル配線基板440の配線441から駆動用IC430a〜430cに対して入力用配線23を介して信号が入力される。駆動用IC430aからコモン電極用接続配線425を介して一部のコモン電極411に対して、駆動用IC430cからコモン電極用接続配線425を介して残りのコモン電極411に対して、駆動用IC430bからセグメント電極用接続配線423を介してセグメント電極421に対して、信号が出力される。
【0139】
図14に示すように、張り出し部420aは、平面的にみて張り出し部420aの第1の縁420bとフレキシブル配線基板440の縁440aとが交わる第1点451と、張り出し部420aの第2の縁420c及び420dと第1基板410の第1の縁410aとが重なる第2点450と、を結ぶ直線452により分割される。第2点450は、張り出し部420aの縁と第1基板410の縁とが重なる点のうち、第1点451から最も近い点である。張り出し部420aは、直線452により分割された、フレキシブル配線基板440が接続されコモン電極用接続配線425及びセグメント電極用接続配線422が設けられている第1領域453aと、フレキシブル配線基板440が接続されずコモン電極用接続配線425及びセグメント電極用接続配線422が設けられていない第2領域453b(図14上、斜線で埋められた領域)とを有する。ここでは、第1領域453aは、直線452を境にして張り出し部420aの中央部よりの内側に位置し、第2領域453bは、直線452を境にして張り出し部420aの縁側よりの外側に位置する。
【0140】
このように本実施形態によれば、セグメント電極用接続配線422及びコモン電極用接続配線425は、第1領域453a内に位置するので、特に直線452に近く位置するコモン電極用接続配線425は、液晶装置401が外的衝撃を受けても断線しにくく、断線によって表示が行えなくなるといった問題の発生を少なくすることができる。液晶装置401全体を平面的に見た場合、2枚の第1基板410と第2基板420とが重なり合う領域と、張り出し部420aとフレキシブル配線基板440とが重なり合う領域、すなわち2枚の基板が重なり合う領域とを結ぶ直線452により、張出し部420aは第1領域453aと第2領域453bに区分けされる。液晶装置401において、2枚の第1基板410と第2基板420とが重なり合う領域及び第1領域453aでは、その一部領域が2枚の基板が重なった状態であり、それ以外の領域は2つの2枚の基板が重なり合った領域により挟まれた状態となっている。これに対し、第2領域453bでは、フレキシブル配線基板は接続されず、1枚の第2基板420のみしか存在せず、第2領域453bは2枚の基板が重なり合った領域と隣り合っていない状態となっている。従って、第1基板410と第2基板420とが重なり合う領域及び第1領域453aは、第2領域453bと比較して物理的強度が高い。このため、落下などの外的衝撃が液晶装置401に加わった場合、第1領域453aと第2領域453bとの境界付近に大きいせん断応力が加わりやすく、第1領域453aと第2領域453bとの境界である直線452付近に沿って、ひびや割れが発生しやすい。そこで、本実施形態では、張り出し部420aにおいてフレキシブル配線基板440が接続される第1領域453aのみにセグメント電極用接続配線422及びコモン電極用接続配線425を設けることにより、例え外的衝撃によってひびや割れが生じても、そのひびや割れは第1領域453aと第2領域453bとの境界付近に発生しやすいため、セグメント電極用接続配線422及びコモン電極用接続配線425の断線の発生を極力抑制することができる。従って、断線による液晶装置401の表示不良発生を防止することができる。
【0141】
また、上述の実施形態においては、第2基板の配線基板が接続される縁以外の縁は、第1基板の縁と面一の状態で完全に重なっていた。しかし、図15に示す変形例のように、第1基板の縁と第2基板の縁とが重ならず、ずれている場合、すなわち第1基板の縁のうち配線基板に対応する縁以外の縁の少なくとも一部が、第2基板上に位置するように配置される場合にも本発明を適用できる。このような構造においても、第1基板の角部が第2基板の縁の近傍に配置されているので、上述の各実施形態と同様に配線の断線の問題が生じる。そのため、本変形例においては、張り出し部上における、張り出し部の縁と配線基板の縁とが交わる点の内、第1基板の角から最も近い点である点と、当該角とを結ぶ直線及びその直線を第2基板の縁にまで延長させた延長線により分割された第1領域と第2領域とを設け、第1領域には配線が設けられており、第2領域には配線が設けられていない構成としている。
【0142】
本構成により、配線の断線を防止することが可能である。以下に、図15を用いて説明する。
【0143】
図15は変形例に係る液晶装置の概略平面図である。本実施形態においては、COG方式の液晶装置を例にあげて説明する。
【0144】
図15に示すように、液晶装置501は、電気光学パネルとしての液晶パネル502と、液晶パネル502を挟み込むように設けられた一対の偏光板(図示せず)と、液晶パネル502に電気的に接続された配線基板としてのフレキシブル配線基板540と、液晶パネル502に実装された半導体素子としての駆動用IC530を具備している。
【0145】
液晶パネル502は、シール材60により接着された一対のガラスなどの絶縁基板からなる第1基板510及び第2基板520を有している。一対の基板510及び520とシール材60により囲まれた領域内には電気光学物質としてSTN液晶(図示せず)が封入されている。シール材60は、液晶注入口となる部分が開口した形状を有し、液晶注入口は封止材61によって封止されている。
【0146】
第1基板510は、第1の縁510aと、この第1の縁510aと隣り合う第2の縁510b及び510cと、第1の縁510aと第2の縁510b(または510c)とにより挟まれた角550を有する矩形状を有している。第1基板510上には、図面x軸方向に沿ってストライプ状に形成された複数のコモン電極511、このコモン電極511を覆う配向膜(図示せず)が設けられている。
【0147】
第2基板520は、第1基板の第1の縁510aに対応する第1の縁520bを有する矩形状を有している。第2基板520は、第1の縁520bと、この第1の縁520bと隣り合う第2の縁520c及び520dを有している。第2基板520の第1の縁520b、第2の縁520c及び520dは、第1基板510よりも張り出しており、第2基板520は張り出し部520aを有している。張り出し部520aはU字状を有している。フレキシブル配線基板540は、張り出し部520aのうち第1基板510の第1の縁510a側の領域に設けられている。第2基板520上には、図面y軸方向に沿って、ストライプ状にコモン電極511と平面的に交差するように複数のセグメント電極521、このセグメント電極521を覆うように配向膜(図示せず)が設けられている。
【0148】
第1基板510と第2基板520とはそれぞれの基板上に形成されている配向膜が対向するように対向配置される。
【0149】
第2基板520の張り出し部520aのうち第1の縁520b側の領域には、半導体素子としての駆動用IC530が実装され、張り出し部520a内ではフレキシブル配線基板540が接続されている。張り出し部520aのうち第1の縁520b側の領域520aには、セグメント電極521が延在してなる出力用配線としてのセグメント電極用接続配線522、コモン電極511と導電部材(図示せず)を介して電気的に接続された出力用配線としてのコモン電極用接続配線525、駆動用IC530とフレキシブル配線基板540の配線とを電気的に接続する入力用配線523が設けられている。セグメント電極用接続配線522は、複数のセグメント電極521のうち最も外側に位置する2つのセグメント電極521をそのまま直線状に延在し、この延在した2つの線によって挟まれた領域内に位置する。これに対し、コモン電極用接続配線525は、複数のコモン電極511のうち最も外側に位置する2つのコモン電極511をそのまま直線状に延在し、この延在した2つの線によって挟まれた領域内及び領域外に引き回されて位置している。
【0150】
フレキシブル配線基板540はベース基材と該ベース基材上に設けられた配線を有する。フレキシブル配線基板540は縁540aを有し、この縁540aと第2基板520の第1の縁520bとが平面的に重なり合っている。
【0151】
図15に示すように、張り出し部520aは、張り出し部520aの第1の縁520bとフレキシブル配線基板540の縁540aとが交わる点551と、第1基板510の角550とを結ぶ直線及びその直線の延長線552により分割される。張り出し部520aは、直線及びその直線の延長線552により、フレキシブル配線基板540が接続されセグメント電極用接続配線522及びコモン電極用接続配線525が設けられている第1領域553aと、フレキシブル配線基板540が接続されずセグメント電極用接続配線522及びコモン電極用接続配線525が設けられていない第2領域553b(図15上、斜線で埋められた領域)とを有する。
【0152】
このように本変形例によれば、セグメント電極用接続配線522及びコモン電極用接続配線525は、第1領域553a内に位置するので、特に直線及びせおの直線の延長線552に近く位置するコモン電極用接続配線525は、液晶装置501が外的衝撃を受けても断線しにくく、断線によって表示が行えなくなるといった問題の発生を少なくすることができる。液晶装置501全体を平面的に見た場合、2枚の第1基板510と第2基板520とが重なり合う領域と、張り出し部520aとフレキシブル配線基板540とが重なり合う領域、すなわち2枚の基板が重なり合う領域とを結ぶ直線及びその直線の延長線552により、張出し部520aは第1領域553aと第2領域553bに区分けされる。液晶装置501において、2枚の第1基板510と第2基板520とが重なり合う領域及び第1領域553aでは、その一部領域が2枚の基板が重なった状態であり、それ以外の領域は2枚の基板が重なり合った領域と隣接した状態となっている。これに対し、第2領域553bでは、フレキシブル配線基板は接続されず、1枚の第2基板520のみしか存在せず、第2領域553bは2枚の基板が重なり合った領域と隣り合っていない状態となっている。従って、第1基板510と第2基板520とが重なり合う領域及び第1領域553aは、第2領域553bと比較して物理的強度が高い。このため、落下などの外的衝撃が液晶装置501に加わった場合、第1領域553aと第2領域553bとの境界付近に大きいせん断応力が加わりやすく、第1領域553aと第2領域553bとの境界である直線及びその直線の延長線552付近に、ひびや割れが発生しやすい。そこで、本変形例では、張り出し部520aにおいてフレキシブル配線基板540が接続される第1領域553aのみにセグメント電極用接続配線522及びコモン電極用接続配線525を設けることにより、例え外的衝撃によってひびや割れが生じても、そのひびや割れは第1領域553aと第2領域553bとの境界付近に発生しやすいため、セグメント電極用接続配線522及びコモン電極用接続配線525の断線の発生を極力抑制することができる。従って、セグメント電極用接続配線522及びコモン電極用接続配線525の断線による液晶装置501の表示不良発生を極力防止することができる。
【0153】
(電子機器)
【0154】
次に、上述した液晶装置1(101、201、301、401、501、1201、1301、2201、2301、3301)を備えた電子機器について説明する。
【0155】
図16は本実施形態に係る電子機器の表示制御系の全体構成を示す概略構成図である。
【0156】
電子機器400は、表示制御系として例えば図16に示すように液晶パネル2(102、202、302、402、502、1202、1302、2202、2302、3302)及び表示制御回路490などを備え、その表示制御回路490は表示情報出力源491、表示情報処理回路492、電源回路493及びタイミングジェネレータ494などを有する。
【0157】
また、液晶パネル2(102、202、302、402、502、1202、1302、2202、2302、3302)上は、その表示領域Gを駆動する駆動回路461を有する。
【0158】
駆動回路461は上述した液晶装置1(101、201、301、401、501、1201、1301、2201、2301、3301)の駆動用IC30(130、230、230´、330、430a、430b、430c、530、1230、1230´、2230、2230´)に相当する。
【0159】
表示情報出力源491は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などからなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスクなどからなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備えている。更に表示情報出力源491は、タイミングジェネレータ494によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号などの形で表示情報を表示情報処理回路492に供給するように構成されている。
【0160】
また、表示情報処理回路492はシリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路などの周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKと共に駆動回路461へ供給する。駆動回路461は、走査線駆動回路、データ線駆動回路及び検査回路を含む。また、電源回路493は、上述した各構成要素に夫々所定の電圧を供給する。
【0161】
このような電子機器400は、落下などの外的衝撃による配線の断線のおそれが少なく、良好な表示画面を有する。
【0162】
具体的な電子機器としては、携帯電話機やパーソナルコンピュータなどの他に液晶装置が搭載されたタッチパネル、プロジェクタ、液晶テレビやビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末等が挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として、上述した例えば液晶装置1(101、201、301、401、501、1201、1301、2201、2301、3301)が適用可能なのは言うまでもない。
【0163】
なお、本発明の電気光学装置は、上述した例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0164】
例えば、上述した電気光学装置はいずれも液晶パネルを有する液晶装置であるが、無機或は有機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、電子放出素子を用いた装置(Field Emission Display及びSurface‐Conduction Electron‐Emitter Display等)などの各種電気光学装置であってもよい。また、上記各実施形態ではパッシブマトリクス型の液晶装置を例にあげて説明したが、薄膜トランジスタ素子や薄膜ダイオード素子をスイッチング素子として用いたアクティブマトリクス型液晶装置に適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】第1実施形態に係る液晶装置の概略斜視図。
【図2】図1の液晶装置の平面図。
【図3】第2実施形態に係る液晶装置の概略斜視図。
【図4】図3の液晶装置の平面図。
【図5】第3実施形態に係る液晶装置の平面図。
【図6】第3実施形態の変形例に係る液晶装置の平面図。
【図7】第3実施形態の他の変形例に係る液晶装置の平面図。
【図8】第4実施形態に係る液晶装置の平面図及び部分断面図。
【図9】第4実施形態の変形例に係る液晶装置の平面図。
【図10】第4実施形態の他の変形例に係る液晶装置の平面図。
【図11】第4実施形態の更に他の変形例に係る液晶装置の平面図。
【図12】第4実施形態の更に他の変形例に係る液晶装置の部分断面図。
【図13】第4実施形態の更に他の変形例に係る液晶装置の部分断面図。
【図14】他の変形例に係る液晶装置の平面図。
【図15】更に他の変形例に係る液晶装置の平面図。
【図16】実施形態に係る電子機器の表示制御系の全体構成を示す概略構成図。
【符号の説明】
【0166】
1、101、201、301、401、1201、1301、2201、2301、3301 液晶装置、 10、110、210、310、410、1210、1310、2210、2310、3310 第1基板、 10a、110a、210a、210a´、310a、410a、1210a、2210b 第1基板の第1の縁、 20、120、220、320、320、420、1220、1320、2220、2310、3310 第2基板、 20a、120a、220a、220a´、320a、420a、1220a、1320a、2210a、2220a、2320a、3320a 張り出し部、 20b、120b、220b、220b´、320b、420b、220c、1320b、1220b、2220b、2320b、3320b 第2基板の第1の縁、 20c、20d、120c、120d、220c、220d、320c、320d、420c、420d、1220c、1320c、1320d、2220c、2320c、2320d、3320c、3320d 第2基板の第2の縁、 30、130、230、230´、330、430a、430b、430c、1230、1230´、2230、2230´ 駆動用IC、 40、240、240´、340、440、1240、1240´、2240、2240´ フレキシブル配線基板、 40a、240a、240a´、340a、440a、1240a、1240a´、2240a、2240a´ フレキシブル配線基板の縁、 50、150、250、350、450、1250、1250´、2250、2250´ 第2点、 51、151、251、351、451、1251、2251 第1点、 52、152、252、352、452、1252、1252´、2252、2252´ 直線、 53a、153a、253a、353a、453a、1253a、2253a 第1領域、 53b、153b、253b、353b、453b、1253b、2253b 第2領域、 140 TAB−IC、 140a TAB−ICの縁、 321、1321、2321、3321、4321、5321 溝、 360 配線が設けられている面、 361 配線が設けられている面と反対の面、 400 電子機器、1210b、2210c 第1基板の第2の縁、 1220d、2220d 第2基板の第3の縁、 1220e 第2基板の第4の縁、 2210d 第1基板の第3の縁、 2220d 第2基板の第3の縁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、前記第1基板と対向配置され、前記第1基板の縁から張り出した張り出し部を有する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に挟持された電気光学物質とを具備する電気光学装置であって、
前記張り出し部内で接続された配線基板と、
前記張り出し部に設けられ、前記配線基板と電気的に接続された配線と、
を具備し、
前記張り出し部は、前記張り出し部の縁と前記配線基板の縁とが交わる第1点と、前記張り出し部の縁と前記第1基板の縁とが重なる点の内、前記第1点から最も近い点である第2点とを結ぶ直線により分割された第1領域と第2領域とを有し、
前記第1領域には、前記配線が設けられており、
前記第2領域は前記第1領域よりも外側の領域であり、前記配線が設けられていないことを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記第1基板に設けられ、前記第2基板の縁から張り出した張り出し部と、当該張り出し部に接続された配線基板と、当該張り出し部に設けられ、前記配線基板と電気的に接続された配線とを更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記第2領域には、前記直線の近傍に溝が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記溝は、前記張り出し部の前記配線が設けられている側の面とは反対側の面に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記溝は、その両端部が前記張り出し部の縁まで延在していることを特徴とする請求項3または請求項4記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記張り出し部の前記第1領域に実装された半導体素子を更に具備し、前記配線は前記半導体素子に接続されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項7】
前記配線基板に実装された半導体素子を更に具備し、前記配線は前記配線基板に接続されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項8】
前記配線は前記半導体素子から出力された信号が印加される配線であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の電気光学装置。
【請求項9】
第1基板と、前記第1基板と対向配置され、前記第1の縁から張り出した張り出し部を有する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に挟持された電気光学物質とを具備する電気光学装置であって、
前記張り出し部内で接続された配線基板と、
前記張り出し部に設けられ、前記配線基板と電気的に接続された配線と、
前記張り出し部の縁と前記配線基板の縁とが交わる第1点と、前記張り出し部の縁と前記第1基板の縁とが重なる点の内、前記第1点から最も近い点である第2点とを結ぶ直線と、
前記直線の近傍に設けられた溝とを備え、
前記溝を延長させた直線と、前記張り出し部の縁とで規定された2つの領域の内、前記溝よりも外側の領域には、前記配線が設けられていないことを特徴とする電気光学装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の電気光学装置を有することを特徴とする電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2006−39081(P2006−39081A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−216889(P2004−216889)
【出願日】平成16年7月26日(2004.7.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】