説明

電気機器、電気機器システムおよび電気機器制御方法

【課題】複数の電気機器を接続ブレーカごとに的確に自動的にグループ分けすることができ、このグループごとに電気機器の電力消費を制御することにより特定のブレーカにおける過大電力消費を抑止することができる電気機器、電気機器システムおよび電気機器制御方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る電気機器システム1は、電気機器システム1全体に対する電源遮断器としてのリミッタブレーカ30と、このリミッタブレーカ30とブロッキングフィルタ31を介して電力線で接続された第1電力セグメント10と、リミッタブレーカ30とブロッキングフィルタ32を介して電力線で接続された第2電力セグメント20とを有する。ブロッキングフィルタ31および32は、第1電力セグメント10および第2電力セグメント20から電力線を介して送信された信号を、十分に減衰する機能を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電気機器を一つの電源遮断器に電気的に接続した場合において、電力消費を協調制御することができる電気機器、電気機器システムおよび電気機器制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コピー、プリンタ、スキャナおよびファックスなどの機能のうち2つ以上の機能を単一筐体へ収めた複合機(以下、MFP(Multi Function Peripheral)という)は、単一機能機に比べ省スペース性と多機能性を有する。このため、ユーザにとって非常に利便性が高く、MFPはビジネス市場およびホーム市場に急速に広がり始めている。
【0003】
一般に、MFPは、起動時(ウォームアップ時)において、定着ヒータのウォームアップや電子写真プロセスの画質維持動作などの大きな電力消費を伴うプロセスを実行する。このため、MFPは、起動時に大電力を消費するものが多い。
【0004】
このMFPをはじめとして、多機能性を要求される電気機器には、多機能性を追求する代償として、特に起動時に大電力消費を伴ってしまうものが増えてきている。
【0005】
この電気機器の起動時の大電力消費は、特に複数台の電気機器が同時に使用される場合において、次のような問題の原因となる。たとえば、複数台のMFPが場所的に集中して配置されている場合、停電が生じると、この停電からの復帰時に、全てのMFPが同時にウォームアップ動作を行うことになる。この結果、起動時の大電力消費が原因となり、電源遮断器(以下ブレーカという)の許容電力を超過した過大電力消費が起こる場合があり、この場合、ブレーカが作動してしまい、再び停電となってしまう問題が生じる。また、停電に至らない場合でも、一時的に大電流を消費してしまうため、電力の利用効率が悪いという問題がある。
【0006】
従来、この種の、MFPをはじめとする電気機器による過大電力消費を抑止する技術に、特開平10−94199号公報(特許文献1)および特開2002−355212号公報(特許文献2)に開示されたものがある。
【0007】
特許文献1に開示された通信システムは、ブレーカ装置と複数の電気機器とを備え、各電気機器は、電力を必要とする際に、まず自機固有のIDを付した電力要求信号をブレーカ装置に送信し、ブレーカ装置は許容電力量にもとづいて総電力使用量を予測して電力使用を許可する旨通知する信号または許可しない旨通知する信号を受信した電力要求信号に付されたIDを付して送信し、各電気機器は、受信した信号のIDにもとづき自機に対する信号であるかどうかを判断し、電力使用許可通知信号を受けた場合に限り電力消費を開始するようになっている。この通信システムによれば、許容電力量にもとづいて総電力消費量を制御することができるため、電源遮断器による電源供給の遮断(以下、ブレーカ落ちという)を防ぐことができる。
【0008】
また、特許文献2に開示された電気機械器具は、三相交流を単相交流にして大きく2分割されたL1、Nの電力供給線(ブレーカ)とL2、Nの電力供給線(ブレーカ)とによって電力供給系統が構成される場合において、1台の電子写真装置などの電気機器を複数のブロックに分割し、この各ブロック間で電力線を介して高周波信号を送受信して、この高周波信号の減衰量や伝播遅延時間にもとづいて、各ブロックが同一の電力供給線(ブレーカ)に接続されているかどうかを判定(グループ分け)し、複数ブロックが同一の電力供給線(ブレーカ)に接続されている場合には電力供給を制限するなどの制御を行うようになっている。このため、各ブロックに対し適切な電力供給線(ブレーカ)を割り当てることが可能であり、許容電力量の低い一般的な事務所や家庭などの屋内配線でも大電流を要求する電気機器を用いることができる。
【特許文献1】特開平10−94199号公報
【特許文献2】特開2003−52125号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に開示された技術では、ブレーカにいわゆるインテリジェント機能(データを送受信する機能や電気機器を制御する機能など)が必要となる。このため、既存のブレーカで代替することは難しく、既存の電力系統においては既設のブレーカを取り外してインテリジェント機能を備えたブレーカと交換する必要があり、汎用性に欠ける。
【0010】
また、特許文献2に開示された技術では、電力線を介して送受信する高周波信号の減衰量や伝播遅延時間にもとづいて、各ブロックが同一ブレーカに接続されているかどうかを判定している。しかし、電源供給系統によっては、必ずしも電力線の線路長とブレーカとの間に相関関係が成り立たない。このため、グループ分けの判断に対する信頼性に乏しい。
【0011】
電力線の線路長とブレーカとの間に相関関係が成り立たない場合として、次のような場合が考えられる。たとえば、2台のブレーカ(ブレーカAおよびブレーカB)があり、ブレーカAに接続された電気機器A1および電気機器A2によりセグメントAが、ブレーカBに接続された電気機器B1によりセグメントBが、それぞれ構成されている場合において、ブレーカAおよびBどうしが近いと、たとえば電気機器A1から見て、電気機器A2との間の線路長よりも、他のセグメントであるセグメントBに所属する電気機器B1との間の、2台のブレーカを介した線路長のほうが、短くなる可能性が十分にあり得る。
【0012】
したがって、従来の電力線を介して送受信する高周波信号の減衰量や伝播遅延時間にもとづいて接続ブレーカごとにグループ分けする方法は、極めて信頼性に乏しく、実用的とはいえない。
【0013】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、複数の電気機器を接続ブレーカごとに的確に自動的にグループ分けすることができ、このグループごとに電気機器の電力消費を制御することにより特定のブレーカにおける過大電力消費を抑止することができる電気機器、電気機器システムおよび電気機器制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る電気機器は、上述した課題を解決するために、起動動作実行中である旨の信号を送信する実行中信号送信手段と、電力線を介して互いに電気的に接続された他の電気機器の実行中信号送信手段が送信した起動動作実行中である旨の信号を受信したかどうかを判定する実行中信号受信手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明に係る複合機は、上述した課題を解決するために、複写機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能およびスキャナ機能のうち少なくとも2種以上の機能を備えた複合機において、起動動作実行中である旨の信号を送信する実行中信号送信手段と、電力線を介して互いに電気的に接続された他の電気機器の実行中信号送信手段が送信した起動動作実行中である旨の信号を受信したかどうかを判定する実行中信号受信手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明に係る電気機器システムは、上述した課題を解決するために、電気機器が1台の電源遮断器に電力線を介して接続されることにより構成されるセグメントを複数有する電気機器システムであって、この複数のセグメントの電源遮断器どうしは電力線を介して電気的に接続され、前記電気機器が前記電力線を介して送信する信号を遮蔽可能に構成されたブロッキングフィルタを前記電源遮断器付近に備え、前記ブロッキングフィルタによる遮蔽により、一つのセグメント内の電気機器から他のセグメント内の電気機器へは、前記電力線を介した信号が伝播しないよう構成されたことを特徴とするものである。
【0017】
一方、本発明に係る電気機器制御方法は、上述した課題を解決するために、電力線を介して互いに電気的に接続された他の電気機器から、起動動作実行中である旨の信号を受信したかどうかを判定し、前記他の電気機器から起動動作実行中である旨の信号を受信しなかった場合には、起動動作を開始し、起動動作実行中は、起動動作実行中である旨の信号を送信する、ステップを備えたことを特徴とする方法である。
【0018】
また、本発明に係る電気機器制御方法は、上述した課題を解決するために、起動動作を開始したい旨の信号を送信し、電力線を介して互いに電気的に接続された他の電気機器から、起動動作実行中である旨の信号を受信したかどうかを判定し、前記他の電気機器から起動動作実行中である旨の信号を受信しなかった場合には、起動動作を開始し、前記他の電気機器から起動動作を開始したい旨の信号を受信したかどうかを判定し、前記起動動作中であり、かつ前記他の電気機器から起動動作を開始したい旨の信号を受信した場合には、起動動作実行中である旨の信号を送信する、ステップを備えたことを特徴とする方法である。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る電気機器、電気機器システムおよび電気機器制御方法によれば、複数の電気機器を接続ブレーカごとに的確に自動的にグループ分けすることができ、このグループごとに電気機器の電力消費を制御することにより特定のブレーカにおける過大電力消費を抑止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に係る電気機器、電気機器システムおよび電気機器制御方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本発明に係る電気機器システムの第1実施形態を示す概略的な全体構成図である。
【0022】
電気機器システム1は、電気機器システム1全体に対する電源遮断器としてのリミッタブレーカ30と、このリミッタブレーカ30とブロッキングフィルタ31を介して電力線で接続された第1電力セグメント(グループ)1と、リミッタブレーカ30とブロッキングフィルタ32を介して電力線で接続された第2電力セグメント(グループ)2とを有する。
【0023】
ブロッキングフィルタ31および32は、第1電力セグメント10および第2電力セグメント20から電力線を介して送信された信号を、十分に減衰する機能を有する。このブロッキングフィルタ31および32は、送信される信号を十分に減衰可能なものであればよく、たとえば、この信号の周波数を含む周波数帯を遮蔽可能な周波数フィルタなどを用いることができる。
【0024】
また、このブロッキングフィルタ31および32は、あるブレーカに接続された電気機器を、他のブレーカに接続された電気機器から、電力線を介した信号の観点から切り離すことを目的として設置されるものである。このため、この設置位置は、図1に示したセグメントブレーカ11および21付近のリミッタブレーカ30側に限られず、同一セグメントに属する電気機器どうしの通信を遮蔽しない位置であればセグメントブレーカ11および21付近の電気機器群12および22側であってもかまわない。
【0025】
第1電力セグメント10は、第1電力セグメント10に対する電源遮断器としてのセグメントブレーカ11と、電気機器群12とを有する。また、第2電力セグメント20は、第2電力セグメント20に対する電源遮断器としてのセグメントブレーカ21と、電気機器群22とを有する。
【0026】
電気機器群12および22は、複数の電気機器により構成される。図1には、例として、電気機器群12が電気機器としてのMFP13、14および15ならびにコピー機16を有し、電気機器群22が電気機器としてMFP23、24および25ならびにプリンタ26を有する場合について示した。
【0027】
図2は、本発明に係る電気機器としてのMFP13の構成例を示す概略的なブロック図である。
【0028】
MFP13は、CPU41、RAM42、ROM43、電源スイッチ44、電力線接続手段45、JOB実行部46、入力手段47、ネットワーク接続手段48および不揮発性記憶手段49を有する。図1に示した他の電気機器(MFP14、15、23、24および25ならびにコピー機16およびプリンタ26)は、JOB実行部46の構成が異なる。たとえばプリンタ26であれば、少なくともプリンタ26の機能を実現可能にJOB実行部が構成される。また、図1に示した例のほか、電気機器として洗濯機を用いる場合であれば、この洗濯機は少なくとも洗濯機としての機能を実現可能にJOB実行部が構成される。JOB実行部46を除く構成についてはMFP13と同じ構成を有するため、説明を省略する。
【0029】
CPU41は、ROM43内に記憶されたプログラムに従って、MFP13の処理動作を制御する。CPU41は、ROM43内に記憶された協調ウォームアップ制御プログラムおよびプログラムの実行のために必要なデータをRAM42へロードし、協調ウォームアップ制御プログラムに従って、複数の電気機器を接続ブレーカごとに的確に自動的に第1電力セグメント10および第2電力セグメント20に分け、セグメントごとに電気機器13〜16および電気機器23〜26の電力消費を制御することにより、セグメントブレーカ11および21のブレーカ落ちを防ぐ処理を実行する。
【0030】
RAM42は、CPU41が実行するプログラムおよびデータを一時的に格納するワークエリアを提供する。
【0031】
ROM43は、MFP13の起動プログラム、協調ウォームアップ制御プログラムや、これらのプログラムを実行するために必要な各種データを記憶する。
【0032】
なお、ROM43は、磁気的もしくは光学的記憶媒体または半導体メモリなどの、CPU41により読み取り可能な記憶媒体を含んだ構成を有し、ROM43内のプログラムおよびデータの一部または全部はネットワークを介してダウンロードされるように構成してもよい。
【0033】
電源スイッチ44は、ユーザがMFPの電源のON/OFFを切り替えるためのスイッチである。
【0034】
電力線接続手段45は、電力線を接続するいわゆる電力入力端子である。MFP13は、商用電力系統などから、リミッタブレーカ30、セグメントブレーカ21およびこの電力線接続手段45を介して、電力の供給を受ける。また、MFP13は、この電力線接続手段45に接続された電力線を介して他の電気機器に対して信号を送受信する。
【0035】
JOB実行部46は、MFP13のプリンタ、コピー、スキャナおよびファックスなどの各種機能を実現する。図2には、MFP13がプリンタ、コピーおよびスキャナの機能を有し、各機能をそれぞれプリンタ部46a、コピー部46bおよびスキャナ部46cで実現する際のJOB実行部46の構成例について概略的に示した。
【0036】
入力手段47は、ユーザの意思をMFP13に伝える機能を有する。この入力手段47としては、たとえばタッチパネル(ソフトキー)やボタン(ハードキー)などを用いることができ、タッチパネルとボタンを組み合わせたものなどを用いてもよい。
【0037】
ネットワーク接続手段48は、ネットワークの形態に応じた種々の情報通信用プロトコルを実装する。ネットワーク接続手段48は、この各種プロトコルにしたがってMFP13と他の電気機器とを接続する。この接続には、電子ネットワークを介した電気的な接続などを適用することができる。ここで電子ネットワークとは、電気通信技術を利用した情報通信網全般を意味し、LAN(Local Area Network)やインターネット網のほか、電話通信回線網、光ファイバ通信ネットワーク、ケーブル通信ネットワークおよび衛星通信ネットワークなどを含む。
【0038】
不揮発性記憶手段49は、少なくとも、SHDWN_SCSSの値を記憶する。不揮発性記憶手段49は、MFP13本体の電源が遮断された後も記憶情報を保持しうる不揮発性の記憶媒体であり、CPU41により読み取りおよび書き込み可能な記憶媒体を含んだ構成を有する。この不揮発性記憶手段49として、たとえばEEPROM等の不揮発性RAMを用いることができる。
【0039】
なお、このSHDWN_SCSSの値は、前回終了時の終了状況の指標値である。本実施形態では、例として、正常終了(シャットダウン)処理を行った場合はSHDWN_SCSSの値として0(ゼロ)が記述され、電源障害などの異常な終了であった場合はSHDWN_SCSSの値として1が記述される場合について説明する。ここで、正常終了とは、停電や故障などの電源障害により終了してしまう場合などの突発的な異常な終了を除く終了を指すものとする。
【0040】
図3は、図2に示すCPU41による機能実現手段の構成例を示す概略的なブロック図である。
【0041】
CPU41は、ROM43に記憶された協調ウォームアップ制御プログラムによって、少なくとも指標値判定手段41a、指標値変更手段41b、各部ウォームアップ制御手段41c、協調ウォームアップ制御手段41d、電源OFF指示判定手段41e、JOB実行指示部41fおよび電源OFF実行手段41gとして機能する。この各手段は、RAM42の所要のワークエリアを、データの一時的な格納場所として利用する。
【0042】
指標値判定手段41aは、不揮発性記憶手段49に記憶されているSHDWN_SCSSの値を読み込み、この値がゼロであるかどうか判定する機能を有する。
【0043】
指標値変更手段41bは、不揮発性記憶手段49に記憶されているSHDWN_SCSSの値を書き込む機能を有する。たとえば、電源OFF指示判定手段41eから正常終了指示があった旨の通知を受けた場合は、指標値変更手段41bは、不揮発性記憶手段49に記憶されているSHDWN_SCSSの値としてゼロを書き込む。
【0044】
各部ウォームアップ制御手段41cは、JOB実行手段46に対しウォームアップすべき指示信号を送信する機能を有する。この指示信号を受け、JOB実行手段46を構成するプリンタ部46a、コピー部46bおよびスキャナ部46cはウォームアップを開始し、大電力を要する定着器、感光体および現像器などのウォームアップが開始されることになる。また、各部ウォームアップ制御手段41cは、JOB実行手段46を構成するプリンタ部46a、コピー部46bおよびスキャナ部46cの各部からウォームアップが終了した旨の信号を受信することにより、各部のウォームアップが完了したかどうかを判定する機能を有する。
【0045】
図4は、図3に示す協調ウォームアップ制御手段41dの構成例を示す概略的なブロック図である。
【0046】
協調ウォームアップ制御手段41dは、少なくとも要求信号送信手段41d1、実行中信号受信手段41d2、乱数生成手段41d3、待機時間算出手段41d4、待機手段41d5、要求信号受信手段41d6、実行中信号送信手段41d7を有する。
【0047】
要求信号送信手段41d1は、電力線接続手段45から電力線を介して起動動作を開始したい旨の信号としてWarmUP_Requestメッセージを送信する機能を有する。
【0048】
実行中信号受信手段41d2は、同一セグメント内の他の電気機器の実行中信号送信手段から、起動動作実行中である旨の信号であるWarmUP_Executingメッセージを受信したかどうか判定する機能を有する。
【0049】
乱数生成手段41d3は、乱数を生成する機能と、この乱数を待機時間算出手段41d4に与える機能とを有する。
【0050】
待機時間算出手段41d4は、乱数生成手段41d3から受けた乱数にもとづいて待機時間Twを算出する機能と、この待機時間Twの値を待機手段41d5に与える機能とを有する。
【0051】
待機手段41d5は、待機時間算出手段41d4から受けた待機時間Twの間だけ、CPU41の処理を待機させる機能を有する。
【0052】
要求信号受信手段41d6は、他の電気機器の要求信号送信手段から、起動動作を開始したい旨の信号であるWarmUP_Requestメッセージを受信したかどうか判定する機能を有する。
【0053】
実行中信号送信手段41d7は、自機が起動動作実行中である旨を他の電気機器に伝える信号であるWarmUP_Executingメッセージを送信する機能を有する。
【0054】
電源OFF指示判定手段41eは、ユーザにより入力手段47またはネットワーク接続手段48を介してMFP13の電源をOFFにすべき旨の指示(正常終了指示)があったかどうか判定する機能を有する。
【0055】
JOB実行指示部41fは、JOB実行手段46を監視し、実行すべきJOBがあるかどうか判定する機能と、JOB実行手段46を構成するプリンタ部46a、コピー部46bおよびスキャナ部46cの各部がJOB実行可能かどうか判定する機能と、JOBを実行するようJOB実行手段46に指示する機能とを有する。
【0056】
電源OFF実行手段41gは、MFP13の一連のシャットダウン(終了)処理を行う。
【0057】
次に、本発明に係る電気機器システム1の作用について説明する。
【0058】
図5は、複数台の電気機器が同一ブレーカに接続されて構成されるセグメントが複数存在する電気機器システムにおいて、同一セグメント内の電気機器どうしが協調して起動動作を行うことによりセグメントブレーカのブレーカ落ちを防ぐ際の手順を示すフローチャートである。図5において、Sに数字を付した符号は、フローチャートの各ステップを示す。
【0059】
以下、例として、図1に示した電気機器システム1のMFP13について、図2に示すMFP13のCPU41により、同一セグメントである第1電力セグメント10内の他の電気機器(MFP14、MFP15およびコピー機16)と協調して起動動作を行う際の手順について説明する。MFP14、MFP15およびコピー機16は、MFP13と同様の構成および作用については説明を省略する。
【0060】
まず、ステップS1において、MFP13は、ユーザにより電源スイッチ44またはネットワーク接続手段48を介して、または停電からの自動復帰により、電源をONすべき指示を受け、少なくともCPU41、RAM42、ROM43および不揮発性記憶手段49の通電を開始する。
【0061】
次に、ステップS2において、指標値判定手段41aは、不揮発性記憶手段49に記憶されているSHDWN_SCSSの値を読み込み、この値がゼロであるかどうか判定する。この値がゼロの場合はステップS3に進む。一方、この値が、たとえば1など、ゼロでない場合はステップS5に進む。 次に、ステップS3において、指標値変更手段41bは、不揮発性記憶手段49に記憶されているSHDWN_SCSSの値を1に変更する。
【0062】
次に、ステップS4において、各部ウォームアップ制御手段41cは、JOB実行手段46に対しウォームアップすべき指示信号を送信し、JOB実行手段46を構成するプリンタ部46a、コピー部46bおよびスキャナ部46cのウォームアップが開始され、大電力を要する定着器、感光体および現像器などのウォームアップが開始される。そして各部ウォームアップ制御手段41cは、JOB実行手段46を構成するプリンタ部46a、コピー部46bおよびスキャナ部46cの各部からウォームアップが終了した旨の信号を受信し、ステップS6に進む。
【0063】
一方、ステップS5において、協調ウォームアップ制御手段41dは、第1電力セグメント10内の他の電気機器(MFP14、MFP15およびコピー機16)と電力線を介した通信(PLC:Power Line Communication など)を行うことにより協調して起動動作(ウォームアップ)を行う。
【0064】
続いて、この協調ウォームアップを行う際の手順を説明する。
【0065】
図6は、図5のステップS5でMFP13の協調ウォームアップ制御手段41dにより実行される協調ウォームアップの手順を示す、サブルーチンフローチャートである。MFP14、MFP15およびコピー機16は、MFP13と同様の構成および作用については説明を省略する。図6において、Sに数字を付した符号は、フローチャートの各ステップを示す。
【0066】
まず、ステップS51において、協調ウォームアップ制御手段41dの要求信号送信手段41d1は、電力線接続手段45から電力線を介して、起動動作を開始したい旨の信号としてWarmUP_Requestメッセージを送信する。
【0067】
この電力線を介して送信された信号は、第1電力セグメント10内の全ての電気機器には送信されるが、第2電力セグメント20の電気機器には、ブロッキングフィルタ31および32によりフィルタリングされてしまうため、届かない。このため、ブロッキングフィルタ31および32をセグメントブレーカ付近に配設することにより、同一ブレーカに接続されている電気機器どうしでセグメントを構成し、他のセグメントとの電力線を介した信号の混入を防ぐことが可能となる。内の電気機器どうしが協調して起動動作を行うことが可能となる。
【0068】
次に、ステップS52において、実行中信号受信手段41d2は、他の電気機器の実行中信号送信手段から起動動作実行中である旨の信号であるWarmUP_Executingメッセージを受信したかどうか判定する。受信した場合はステップS53に進む。一方、受信しなかった場合はステップS56に進む。
【0069】
次に、ステップS53において、乱数生成手段41d3は、乱数を生成し、この乱数を待機時間算出手段41d4に与える。
【0070】
次に、ステップS54において、待機時間算出手段41d4は、乱数生成手段41d3から受けた乱数にもとづいて待機時間Twを算出し、この待機時間Twの値を待機手段41d5に与える。
【0071】
次に、ステップS55において、待機手段41d5は、待機時間算出手段41d4から受けた待機時間Twの間だけCPU41の処理を待機させ、ステップS52に戻る。このTwとしてたとえば5秒を受けた場合は、待機手段41d5により、実行中信号受信手段41d2によるWarmUP_Executingメッセージを受信したかどうかの判定間隔が、少なくとも5秒あけられることになる。
【0072】
一方、ステップS56において、各部ウォームアップ制御手段41cは、JOB実行手段46に対しウォームアップすべき指示信号を送信する。この結果、JOB実行手段46を構成するプリンタ部46a、コピー部46bおよびスキャナ部46cのウォームアップが開始され、大電力を要する定着器、感光体および現像器などのウォームアップが開始されることになる。
【0073】
次に、ステップS57において、要求信号受信手段41d6は、他の電気機器の要求信号送信手段から起動動作を開始したい旨の信号であるWarmUP_Requestメッセージを受信したかどうか判定する。受信した場合はステップS58に進む。一方、受信しなかった場合はステップS59に進む。
【0074】
次に、ステップS58において、実行中信号送信手段41d7は、起動動作実行中である旨の信号であるWarmUP_Executingメッセージを送信し、ステップS57にもどる。
【0075】
一方、ステップS59において、各部ウォームアップ制御手段41cは、JOB実行手段46を構成するプリンタ部46a、コピー部46bおよびスキャナ部46cの各部からウォームアップが終了した旨の信号を受信したかどうかを判定する。受信しなかった場合は、引き続き各部ウォームアップを続行すべく、ステップS57にもどる。一方、受信した場合は、MFP13の協調ウォームアップの一連の手順は終了となり、図5のステップS6に進む。
【0076】
次に、ステップS6において、電源OFF指示判定手段41eは、ユーザにより入力手段47またはネットワーク接続手段48を介してMFP13の電源をOFFにすべき旨の指示(正常終了指示)があったかどうか判定する。正常終了指示がなかった場合はステップS7に進む。一方、指示があった場合はステップS11に進む。
【0077】
次に、ステップS7において、JOB実行指示部41fは、JOB実行手段46を監視し、実行すべきJOBがあるかどうか判定する。実行すべきJOBがある場合、たとえばプリンタ部46aにプリント待ちJOBがある場合はステップS8に進む。一方、ない場合はステップS6にもどる。
【0078】
次に、ステップS8において、JOB実行指示部41fは、JOB実行手段46を監視し、JOB実行手段46を構成するプリンタ部46a、コピー部46bおよびスキャナ部46cの各部がJOB実行可能かどうか判定する。たとえば、プリンタ部46aにプリント待ちJOBがある場合には、プリンタ部46aがJOB実行可能かどうか判定する。JOB実行不能な場合はステップS9に進む。一方、JOB実行可能な場合はステップS10に進む。
【0079】
この、JOB実行不能な場合とは、MFP13が起動(ウォームアップ)完了後の所定時間経過後に、一般に節電モード、スリープモードまたは省電力モードなどと呼ばれる状態(ステート)に移行している場合を指す。この節電モード状態は、あらかじめ仕様によりまたは入力手段47を介してユーザにより、各部ウォームアップ後にJOBを実行しない時間が長い場合は節電モードに移行するように設定されている場合に起こりうる。
【0080】
次に、ステップS9において、各部ウォームアップ制御手段41cは、JOB実行手段46に対しウォームアップすべき指示信号を送信し、JOB実行手段46を構成するプリンタ部46a、コピー部46bおよびスキャナ部46cのウォームアップを開始させる。そして各部ウォームアップ制御手段41cは、JOB実行手段46を構成するプリンタ部46a、コピー部46bおよびスキャナ部46cの各部からウォームアップが終了した旨の信号を受信し、ステップS6に進む。このとき、たとえばプリンタ部46aにプリント待ちJOBがある場合には、プリンタ部46aのみをウォームアップさせるようにしてもかまわない。
【0081】
次に、ステップS10において、JOB実行指示部41fは、JOBを実行するようJOB実行手段46に指示し、ステップS6にもどる。たとえばプリンタ部46aにプリント待ちJOBがある場合には、プリンタ部46aに対し、プリント処理を行うよう指示する。
【0082】
なお、ステップS7からステップS10の一連の手順において、CPU41のJOB実行指示部41fが行うように説明した手順は、JOB実行手段46が行うようにしてもよい。この場合、JOB実行手段46は、JOB実行指示部41fが有する機能を有するように構成すればよい。すなわち、実行すべきJOBがあるかどうか判定する機能と、プリンタ部46aなどの各部がJOB実行可能かどうか判定する機能とを少なくとも有するようにJOB実行手段46を構成すればよい。
【0083】
次に、ステップS11において、指標値変更手段41bは、電源OFF指示判定手段41eから正常終了指示があった旨の通知を受け、不揮発性記憶手段49に記憶されているSHDWN_SCSSの値を0に変更する。したがって、ステップS3からステップS11の間に停電が起こった場合には、次回起動時のSHDWN_SCSSの値は1であることになり、一方、正常終了指示後に電源OFFとなった場合には、次回起動時のSHDWN_SCSSの値は0であることになる。
【0084】
次に、ステップS12において、電源OFF実行手段41gは、RAM42にある所要の情報を不揮発性記憶手段49に格納するなど、MFP13の一連のシャットダウン処理を行う。
【0085】
以上の手順により、複数台の電気機器が同一ブレーカに接続されて構成されるセグメントが複数存在する電気機器システムにおいて、同一セグメント内の電気機器どうしが協調して起動動作を行うことによりセグメントブレーカのブレーカ落ちを防ぐことができる。
【0086】
図1に示した電気機器システム1は、ブロッキングフィルタ31および32をセグメントブレーカ付近に設けている。このため、たとえば第1電力セグメント10内の電気機器群12から電力線を介して送信された信号が第2電力セグメント20内の電気機器群22に届くことはない。したがって、この電気機器システム1は、極めて容易かつ的確に、自動的に同一ブレーカに接続された電気機器をグループ分けすることが可能である。
【0087】
なお、本実施形態の説明にあたり、ブロッキングフィルタ31および32は確実に電力線を介した信号を減衰でき、この信号は自セグメントから他セグメントへは到達しないものとしたが、この減衰が不十分な場合に対応するために、各電気機器に、一般的な、信号減衰量または信号遅延時間などにもとづくグループ判定機能を備えさせてもよい。ここで、このグループ判定機能とは、信号減衰量が一定値以下または信号遅延時間が一定時間以上などだった場合に、この信号を他セグメントに属する電気機器からの信号として破棄する機能をいうものとする。
【0088】
もちろん、セグメント分けを行うだけであれば、ユーザが同一ブレーカに接続されている電気機器を調査し、あらかじめユーザにより各電気機器に対しセグメント分け設定を行っておいてもかまわない。
【0089】
また、この電気機器システム1の各電気機器は、正常終了以外の終了(停電や故障などにより終了してしまう場合などの異常な終了)が行われた場合の次回起動時において、同一セグメント内の電気機器どうしで電力線を介した信号の送受信によりお互いの起動実行状態を確認しあう機能を有する。このため、同一セグメント内で同時に2台以上の電気機器が起動動作を行わないようにすることができ、1つのセグメントにつき1台ずつ、順次ウォームアップが行われる。
【0090】
したがって、この電気機器システム1によれば、たとえば停電復帰時に、複数の電気機器が一斉に起動を行う際にも、セグメントブレーカの許容電力量を超過するおそれが極めて低く、同一セグメントにおける過大電力消費を抑止することができ、ブレーカ落ちを防ぐことができる。
【0091】
なお、本実施形態の説明では、正常終了の場合には次回起動時には協調ウォームアップを行わないようにしたが、正常終了の場合に協調ウォームアップを行ってもかまわない。この場合、図5に示す手順においてステップS2、S3、S4およびS11を省略し、ステップS1の次にステップS5に移行した後ステップS6以降の手順を行うようにすればよい。この場合、正常終了後の次回起動時にも協調ウォームアップが行われる。したがって、たとえばオフィスにおいて、朝の出勤時などにユーザにより、同一ブレーカに接続された複数台のMFPが同時に起動された場合においても、過大電力消費を抑止することができ、不測のブレーカ落ちを防ぐことができる。
【0092】
また、本実施形態において、協調ウォームアップの手順について、同一セグメント内で起動できる電気機器を1台のみとしたが、許容電力量の範囲内であれば複数台同時起動可能としてもよい。たとえば3台同時起動可能とする場合は、実行中信号受信手段41d2による判定において、WarmUP_Executingメッセージの受信が2台以下の場合は自機の起動を開始するようにする。
【0093】
なお、本実施形態では電気機器システム1が2つのセグメントにより構成される例を示したが、セグメントごとにブロッキングフィルタを設置することにより、セグメント内のみの協調制御が可能である。したがって、本実施形態に係る電気機器システム1は、セグメントの数がいくつであっても適用可能であり、セグメントが2つの場合と同様の作用効果を奏することができる。
【0094】
図7は、本発明に係る電気機器システムの第2実施形態における協調ウォームアップ制御手段41dの構成例を示す概略的なブロック図である。
【0095】
この第2実施形態に示す電気機器システム1Aは、同一セグメント内の電気機器群にあらかじめ優先順位付けを行い、この優先順位の順に起動するようにしたものである。この実施形態において、各電気機器(MFP13など)の協調ウォームアップ制御手段の構成のみが図1に示された電気機器システム1と異なる。他の構成および作用については図1に示す電気機器システム1と実質的に異ならないため、同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0096】
また、MFP13と他の電気機器(MFP14、15、23、24および25ならびにコピー機16およびプリンタ26)は、JOB実行部46の構成が異なるほかは、MFP13と同じ構成を有するため、MFP13についてのみ説明を行い、他の電気機器についての説明を省略する。
【0097】
図7に示すように、協調ウォームアップ制御手段41dは、少なくとも優先順位判定手段41d21、実行中信号受信手段41d2、乱数生成手段41d3、待機時間算出手段41d4、待機手段41d5および実行中信号送信手段41d7を有する。
【0098】
優先順位判定手段41d21は、自機の優先順位が第1電力セグメント10内で最上位であるかどうかを判定する機能を有する。また、優先順位判定手段41d21は、実行中信号受信手段41d2から受けたWarmUP_Executingメッセージに含まれる他の電気機器の優先順位と自機の優先順位とを比較し、他の電気機器の優先順位が自機の優先順位の一つ上位にあたるかどうかを判定する機能を有する。
【0099】
実行中信号受信手段41d7は、自機が起動動作実行中である旨を他の電気機器に伝える信号であるWarmUP_Executingメッセージを送信する機能を有する。このメッセージには、自機が起動動作実行中である旨の情報のほか、あらかじめ自機に設定されている優先順位の情報が、少なくとも含まれる。
【0100】
図8は、図5のステップS5で協調ウォームアップ制御手段41dにより実行される協調ウォームアップの他の手順を示す、サブルーチンフローチャートである。図6と同等のステップには同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0101】
あらかじめ、ユーザにより入力手段47などを介して同一セグメント内の電気機器群に対して同一セグメント内で一意な優先順位付けを行い、この優先順位を各電気機器に記憶させておく。
【0102】
ステップS521において、実行中信号受信手段41d2は、他の電気機器の実行中信号送信手段から起動動作実行中である旨の信号であるWarmUP_Executingメッセージを受信したかどうか判定する。受信しなかった場合はステップS522に進む。一方、受信した場合はステップS523に進む。
【0103】
次に、ステップS522において、優先順位判定手段41d21は、自機の優先順位が第1電力セグメント10内で最上位であるかどうかを判定する。最上位である場合は、第1電力セグメント10内で最初に起動すべき電気機器であるため、ただちに起動を開始すべくステップS56へ進む。一方、最上位でない場合は、ステップS521にもどる。
【0104】
一方、ステップS523において、優先順位判定手段41d21は、実行中信号受信手段41d2が受信したWarmUP_Executingメッセージを受け、このメッセージに含まれている現在起動中の他の電気機器の優先順位を抽出する。そして優先順位判定手段41d21は、この現在起動中の他の電気機器の優先順位とあらかじめ自機に記憶されている自機の優先順位とを比較し、他の電気機器の優先順位が一つ上位にあたるかどうかを判定する。
【0105】
ここで、他の電気機器の優先順位が一つ上位であるとは、単にこの他の電気機器の起動終了後ただちに自機の起動を開始してよいことを意味するものであり、優先順位を整数値で表現することに縛られることを意味するものではないことに注意する。
【0106】
そして、この判定の結果、他の電気機器の優先順位が自機の優先順位の一つ上位でなければ、ステップS521にもどる。一方、一つ上位である場合は、この他の電気機器の起動終了後ただちに起動開始するべく、ステップS52に進む。
【0107】
そして、ステップS59において、各部ウォームアップ制御手段41cは、JOB実行手段46を構成するプリンタ部46a、コピー部46bおよびスキャナ部46cの各部からウォームアップが終了した旨の信号を受信したかどうかを判定する。受信しなかった場合は、引き続き各部ウォームアップを続行すべく、ステップS58にもどる。一方、受信した場合は、MFP13の協調ウォームアップの一連の手順は終了となり、図5のステップS6に進む。
【0108】
以上の手順により、同一セグメント内において、電気機器群に対してあらかじめ設定した優先順位の順に、電気機器を起動することが可能である。
【0109】
本実施形態に係る電気機器システム1Aによっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0110】
また、本実施形態に係る電気機器システム1Aは、同一セグメント内の電気機器群に優先順位付けをあらかじめ行い、この優先順位の順に起動するようにしている。したがって、電気機器システム1Aによれば、使用頻度(優先度)の高い電気機器を早期に使用可能とすることが可能であり、利便性に優れている。
【0111】
図9は、本発明に係る電気機器システムの第3実施形態における図3に示す協調ウォームアップ制御手段41dの構成例を示す概略的なブロック図である。
【0112】
この第3実施形態に示す電気機器システム1Bは、電力を割り当てる順番(割当て順位)をあらかじめ決めておき、この割当て順位にもとづいて同一セグメント内の電気機器へ時分割多重的に電力を割り当てることにより、全ての電気機器の起動を同時平行的に行うようにしたものである。この実施形態において、各電気機器(MFP13など)の協調ウォームアップ制御手段の構成のみが図1に示された電気機器システム1と異なる。他の構成および作用については図1に示す電気機器システム1と実質的に異ならないため、同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0113】
また、MFP13と他の電気機器(MFP14、15、23、24および25ならびにコピー機16およびプリンタ26)は、JOB実行部46の構成が異なるほかは、MFP13と同じ構成を有するため、MFP13についてのみ説明を行い、他の電気機器についての説明を省略する。
【0114】
図9に示すように、協調ウォームアップ制御手段41dは、少なくとも割当て順位判定手段41d31、実行中信号受信手段41d2、乱数生成手段41d3、待機時間算出手段41d4、待機手段41d5、実行中信号送信手段41d7、割当て時間判定手段41d32および起動完了通知手段41d33を有する。
【0115】
割当て順位判定手段41d31は、電力を割り当てる順番(割当て順位)が第1電力セグメント10内で最上位であるかどうかを判定する機能を有する。また、割当て順位判定手段41d31は、実行中信号受信手段41d2から受けたWarmUP_Executingメッセージに含まれる現在起動中の他の電気機器の割当て順位を抽出する。そして割当て順位判定手段41d31は、この現在起動中の他の電気機器の割当て順位と自機の割当て順位とを比較し、他の電気機器の割当て順位が自機の直上であるかどうかを判定する機能を有する。この判定にあたり、割当て順位判定手段41d31は、他の電気機器の起動完了通知手段から起動を完了した旨の通知(起動完了通知)を受けた場合は、割当て順位の直上判定において、この起動完了通知を送信した電気機器を判定対象からはずすようにする。
【0116】
割当て時間判定手段41d32は、各部ウォームアップ開始からの経過時間が自機に割り当てられた電力割当て時間を超過したかどうかを判定する機能を有する。
【0117】
起動完了通知手段41d33は、自機のウォームアップが完了した旨の情報(起動完了通知)を、自機の割当て順位の情報とともに送信する機能を有する。
【0118】
実行中信号受信手段41d7は、自機が起動動作実行中である旨を他の電気機器に伝える信号であるWarmUP_Executingメッセージを送信する機能を有する。このメッセージには、自機が起動動作実行中である旨の情報のほか、あらかじめ自機に設定されている割当て順位の情報が、少なくとも含まれる。
【0119】
図10は、図5のステップS5で協調ウォームアップ制御手段41dにより実行される協調ウォームアップのさらに他の手順を示す、サブルーチンフローチャートである。図6と同等のステップには同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0120】
まず、あらかじめ、ユーザにより入力手段47などを介して同一セグメント内の電気機器群に対して同一セグメント内で一意な電力を割り当てる順番(割当て順位)付けを行い、この割当て順位を各電気機器に記憶させておく。また、この割当て順位は、同一セグメント内で一意になるよう乱数によりランダムに決定してもよい。
【0121】
時分割の方法としては、全ての電気機器を平等にあつかうよう固定長を割り当ててもよいし、あらかじめ電気機器の優先順位を設定しておきこの優先順位の高いものに長い時間を割り当ててもよい。
【0122】
ステップS531において、実行中信号受信手段41d2は、他の電気機器の実行中信号送信手段から起動動作実行中である旨の信号であるWarmUP_Executingメッセージを受信したかどうか判定する。受信しなかった場合はステップS532に進む。一方、受信した場合はステップS533に進む。
【0123】
次に、ステップS532において、割当て順位判定手段41d31は、自機の割当て順位が第1電力セグメント10内で最上位であるかどうかを判定する。最上位である場合は、ステップS53へ進む。一方、最上位でない場合は、ステップS531にもどる。
【0124】
一方、ステップS533において、割当て順位判定手段41d31は、実行中信号受信手段41d2が受信したWarmUP_Executingメッセージを受け、このメッセージに含まれている現在起動中の他の電気機器の割当て順位を抽出する。そして割当て順位判定手段41d31は、この現在起動中の他の電気機器の割当て順位とあらかじめ自機に記憶されている自機の割当て順位とを比較し、他の電気機器の割当て順位が自機の直上であるかどうかを判定する。
【0125】
ここで、他の電気機器の割当て順位が直上であるとは、割当て順位の観点から見て、自機と他の電気機器との間に起動が完了していない電気機器が存在せず、かつ自機より他の電気機器の割当て順位が上であることをいう。
【0126】
そして、この判定の結果、他の電気機器の割当て順位が自機の割当て順位の直上でなければ、ステップS531にもどる。一方、直上である場合は、この他の電気機器の起動終了後ただちに起動開始するべく、ステップS535に進む。
【0127】
他方、ステップS534において、待機手段41d5は、待機時間算出手段41d4から受けた待機時間Twの間だけCPU41の処理を待機させ、ステップS535に進む。この結果、割当て順位がセグメント内で最上位の電気機器は、WarmUP_Executingメッセージが途絶えた時(ステップS531のNO判定時)からTw待機した後ステップS535に進むことになる。
【0128】
この待機を行う理由は、メッセージが途絶える原因として、電力割当てが一周した(割当て順位最下位の電気機器の割当て時間が終了し、セグメント内の全電気機器が同一回数電力割当てを受けた)場合だけでなく、割当て順位最下位以外の電気機器から他の電気機器への電力割当ての切換えのタイムラグにステップS531を行ってしまった場合がありうるからである。この後者の場合を排除するため、待機時間Twの間だけCPU41の処理を待機させ、つづいてステップS535に進む。
【0129】
次に、ステップS535において、実行中信号受信手段41d2は、他の電気機器の実行中信号送信手段から起動動作実行中である旨の信号であるWarmUP_Executingメッセージを受信したかどうか判定する。受信した場合は、ステップS533にもどる。一方、受信しなかった場合はステップS56に進む。
【0130】
そして、ステップS536において、割当て時間判定手段41d32は、各部ウォームアップ開始(ステップS56)からの経過時間が自機に割り当てられた電力割当て時間を超過したかどうかを判定する。超過した場合は、ステップS531にもどる。超過していない場合は、ステップS59に進む。
【0131】
次に、ステップS59において、各部ウォームアップ制御手段41cは、JOB実行手段46を構成するプリンタ部46a、コピー部46bおよびスキャナ部46cの各部からウォームアップが終了した旨の信号を受信したかどうかを判定する。受信しなかった場合は、引き続き各部ウォームアップを続行すべく、ステップS58にもどる。一方、受信した場合は、ステップS537に進む。
【0132】
次に、ステップS537において、起動完了通知手段41d33は、自機のウォームアップが完了した旨の情報(起動完了通知)を、自機の割当て順位の情報とともに送信する。この起動完了通知を受けた他の電気機器の割当て順位判定手段は、割当て順位の判定(ステップS533)において、この起動完了通知を送信した電気機器であるMFP13を対象からはずすようにする。そして、MFP13の協調ウォームアップの一連の手順は終了となり、図5のステップS6に進む。
【0133】
以上の手順により、電気機器群に対してあらかじめ設定した割当て順位にもとづき、同一セグメント内の電気機器へ時分割多重的に電力を割り当てることにより、全ての電気機器の起動を同時平行的に行うことが可能である。
【0134】
本実施形態に係る電気機器システム1Bによっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0135】
また、本実施形態に係る電気機器システム1Bは、同一セグメント内の電気機器へ時分割多重的に電力を割り当てることにより、全ての電気機器の起動を同時平行的に行うようにしている。したがって、この電気機器システム1Bによれば、同一セグメント内の全電気機器の起動完了のタイミングをほぼ揃えることも可能であり、特に1台しか起動しない場合に起こりうる起動完了した電気機器に対する負荷の一斉集中による弊害を、避けることが可能である。
【0136】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階では要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】本発明に係る電気機器システムの第1実施形態を示す概略的な全体構成図。
【図2】本発明に係る電気機器としてのMFP13の構成例を示す概略的なブロック図。
【図3】図2に示すCPUによる機能実現手段の構成例を示す概略的なブロック図。
【図4】図3に示す協調ウォームアップ制御手段の構成例を示す概略的なブロック図。
【図5】複数台の電気機器が同一ブレーカに接続されて構成されるセグメントが複数存在する電気機器システムにおいて、同一セグメント内の電気機器どうしが協調して起動動作を行うことによりセグメントブレーカのブレーカ落ちを防ぐ際の手順を示すフローチャート。
【図6】図5のステップS5で協調ウォームアップ制御手段により実行される協調ウォームアップの手順を示すサブルーチンフローチャート。
【図7】本発明に係る電気機器システムの第2実施形態における協調ウォームアップ制御手段の構成例を示す概略的なブロック図。
【図8】図5のステップS5で協調ウォームアップ制御手段により実行される協調ウォームアップの他の手順を示すサブルーチンフローチャート。
【図9】本発明に係る電気機器システムの第3実施形態における協調ウォームアップ制御手段の構成例を示す概略的なブロック図。
【図10】図5のステップS5で協調ウォームアップ制御手段により実行される協調ウォームアップのさらに他の手順を示すサブルーチンフローチャート。
【符号の説明】
【0138】
1 電気機器システム
10 第1電力セグメント
11、21 セグメントブレーカ
12、22 電気機器群
13、14、15、23、24、25 MFP
16 コピー機
20 第2電力セグメント
26 プリンタ
30 リミッタブレーカ
31、32 ブロッキングフィルタ
41 CPU
41a 指標値判定手段
41b 指標値変更手段
41c 各部ウォームアップ制御手段
41d 協調ウォームアップ制御手段
41d1 要求信号送信手段
41d2 実行中信号受信手段
41d21 優先順位判定手段
41d3 乱数生成手段
41d31 割当て順位判定手段
41d32 割当て時間判定手段
41d33 起動完了通知手段
41d4 待機時間算出手段
41d5 待機手段
41d6 要求信号受信手段
41d7 実行中信号送信手段
41e 電源OFF指示判定手段
41f JOB実行指示部
41g 電源OFF実行手段
42 RAM
43 ROM
44 電源スイッチ
45 電力線接続手段
46 JOB実行手段
46a プリンタ部
46b コピー部
46c スキャナ部
47 入力手段
48 ネットワーク接続手段
49 不揮発性記憶手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
起動動作実行中である旨の信号を送信する実行中信号送信手段と、
電力線を介して互いに電気的に接続された他の電気機器の実行中信号送信手段が送信した起動動作実行中である旨の信号を受信したかどうかを判定する実行中信号受信手段と、
を備えたことを特徴とする電気機器。
【請求項2】
起動動作を開始したい旨の信号を送信する要求信号送信手段と、
前記他の電気機器の要求信号送信手段から前記起動動作を開始したい旨の信号を受信したかどうかを判定する要求信号受信手段と、
をさらに備え、
前記実行中信号送信手段は、前記起動動作実行中であり、かつ前記要求信号受信手段が前記他の電気機器の要求信号送信手段が送信した起動動作を開始したい旨の信号を受信した場合に、前記起動動作実行中である旨の信号を送信するよう構成されたことを特徴とする請求項1記載の電気機器。
【請求項3】
前記起動動作実行中である旨の信号は、電力線を介した高周波による電力線通信であることを特徴とする請求項1記載の電気機器。
【請求項4】
前記実行中信号受信手段が前記他の電気機器の実行中信号送信手段が送信した起動動作実行中である旨の信号を受信なかったと判定した場合に限り、起動動作を開始するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の電気機器。
【請求項5】
前記実行中信号送信手段は、前記起動動作実行中である旨の信号に対し、あらかじめ設定された自機の優先順位の情報を付加可能に構成され、
前記他の電気機器のうちの1台から受けた前記起動動作実行中である旨の信号に含まれる前記他の電気機器の優先順位の情報にもとづき、この起動動作実行中の前記1台の他の電気機器の優先順位が前記自機の優先順位からみて一つ上位にあたるかどうかを判定する優先順位判定手段をさらに備え、
前記起動動作実行中の1台の他の電気機器の優先順位が前記自機の優先順位からみて一つ上位にあたる場合は、前記起動動作実行中の1台の他の電気機器の起動動作終了後すみやかに自機の起動動作を開始することを特徴とする請求項1記載の電気機器。
【請求項6】
前記実行中信号送信手段は、前記起動動作実行中である旨の信号に対し、あらかじめ設定された自機の電力を割り当てられる順番の情報を付加可能に構成され、
前記他の電気機器のうちの1台から受けた前記起動動作実行中である旨の信号に含まれる前記他の電気機器の順番の情報にもとづき、この起動動作実行中の前記1台の他の電気機器の順番が前記自機の順番より上位であり、かつ前記起動動作実行中の1台の他の電気機器の順番と自機の順番との間の順番が存在する場合はこの間の順番が与えられた電気機器に起動動作を必要とするものがないかどうかを判定する割当て順位判定手段をさらに備え、
前記起動動作中の1台の他の電気機器の順番が自機の順番より上位であり、かつ前記起動動作実行中の1台の他の電気機器の順番と自機の順番との間の順番が存在する場合はこの間の順番が与えられた電気機器に起動動作を必要とするものが1台もない場合に限り、前記起動動作実行中の1台の他の電気機器の起動動作終了後すみやかに自機の起動動作を行うことを特徴とする請求項1記載の電気機器。
【請求項7】
前回シャットダウンが正常に行われたかどうかを示す指標値を記憶する不揮発性記憶手段と、
前記指標値をこの記憶媒体に書き込む指標値変更手段と、
この指標値にもとづき前記前回シャットダウンが正常であったかどうかを判定する指標値判定手段と、
をさらに備え、
前記要求信号送信手段は、前記指標値判定手段が前記前回シャットダウンが正常に行わなかったと判定した場合に、前記起動動作を開始したい旨の信号を送信するよう構成されたことを特徴とする請求項2記載の電気機器。
【請求項8】
複写機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能およびスキャナ機能のうち少なくとも2種以上の機能を備えた複合機において、
起動動作実行中である旨の信号を送信する実行中信号送信手段と、
電力線を介して互いに電気的に接続された他の電気機器の実行中信号送信手段が送信した起動動作実行中である旨の信号を受信したかどうかを判定する実行中信号受信手段と、
を備えたことを特徴とする複合機。
【請求項9】
電気機器が1台の電源遮断器に電力線を介して接続されることにより構成されるセグメントを複数有する電気機器システムであって、
この複数のセグメントの電源遮断器どうしは電力線を介して電気的に接続され、
前記電気機器が前記電力線を介して送信する信号を遮蔽可能に構成されたブロッキングフィルタを前記電源遮断器付近に備え、
前記ブロッキングフィルタによる遮蔽により、一つのセグメント内の電気機器から他のセグメント内の電気機器へは、前記電力線を介した信号が伝播しないよう構成されたことを特徴とする電気機器システム。
【請求項10】
前記複数の電気機器の全てが、請求項1記載の電気機器であることを特徴とする請求項8記載の電気機器システム。
【請求項11】
電力線を介して互いに電気的に接続された他の電気機器から、起動動作実行中である旨の信号を受信したかどうかを判定し、
前記他の電気機器から起動動作実行中である旨の信号を受信しなかった場合には、起動動作を開始し、
起動動作実行中は、起動動作実行中である旨の信号を送信する、
ステップを備えたことを特徴とする電気機器制御方法。
【請求項12】
起動動作を開始したい旨の信号を送信し、
電力線を介して互いに電気的に接続された他の電気機器から、起動動作実行中である旨の信号を受信したかどうかを判定し、
前記他の電気機器から起動動作実行中である旨の信号を受信しなかった場合には、起動動作を開始し、
前記他の電気機器から起動動作を開始したい旨の信号を受信したかどうかを判定し、
前記起動動作中であり、かつ前記他の電気機器から起動動作を開始したい旨の信号を受信した場合には、起動動作実行中である旨の信号を送信する、
ステップを備えたことを特徴とする電気機器制御方法。
【請求項13】
前記他の電気機器のうちの1台から受けた起動動作実行中である旨の信号に含まれるあらかじめ設定された前記他の電気機器の優先順位の情報を抽出し、
前記起動動作実行中の1台の他の電気機器の優先順位の情報と、あらかじめ設定された自機の優先順位の情報とにもとづき、前記起動動作実行中の前記1台の他の電気機器の優先順位が前記自機の優先順位より上位であり、かつ前記起動動作実行中の1台の他の電気機器の優先順位と前記自機の優先順位との間の優先順位が存在する場合はこの間の優先順位が与えられた電気機器に起動動作を必要とするものがないかどうかを判定する、
ステップをさらに備え、
前記起動動作を開始するステップは、
前記起動動作実行中の1台の他の電気機器の優先順位が前記自機の優先順位より上位であり、かつ前記起動動作実行中の1台の他の電気機器の優先順位と前記自機の優先順位との間の優先順位が存在する場合はこの間の優先順位が与えられた電気機器に起動動作を必要とするものが1台もない場合に限り、前記起動動作実行中の1台の他の電気機器の起動動作終了後すみやかに自機の起動動作を開始する、
ことを特徴とする請求項11記載の電気機器制御方法。
【請求項14】
前記他の電気機器のうちの1台から受けた起動動作実行中である旨の信号に含まれるあらかじめ設定された前記他の電気機器の電力を割り当てられる順番の情報を抽出し、
前記起動動作実行中の1台の他の電気機器の順番の情報と、あらかじめ設定された自機の順番の情報とにもとづき、前記起動動作実行中の前記1台の他の電気機器の順番が前記自機の順番より上位であり、かつ前記起動動作実行中の1台の他の電気機器の順番と前記自機の順番との間の順番が存在する場合はこの間の順番が与えられた電気機器に起動動作を必要とするものがないかどうかを判定する、
ステップをさらに備え、
前記起動動作を開始するステップは、
前記起動動作実行中の1台の他の電気機器の順番が前記自機の順番より上位であり、かつ前記起動動作実行中の1台の他の電気機器の順番と前記自機の順番との間の順番が存在する場合はこの間の順番が与えられた電気機器に起動動作を必要とするものが1台もない場合に限り、前記起動動作実行中の1台の他の電気機器の起動動作終了後すみやかに自機の起動動作を開始する、
ことを特徴とする請求項11記載の電気機器制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−154356(P2008−154356A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−339427(P2006−339427)
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】