説明

電気湯沸かし器

【課題】電源ブレーカ動作を回避しつつ、湯沸かし時間を限りなく短縮することができる電気湯沸かし器を提供することを目的とする。
【解決手段】第1、第2の保温制御温度から1つを選択し加熱手段5を通電制御する保温制御部8と、第2の温度で保温制御中に液体追加があったか否かを検知する液体追加検知手段9と、第2から第1へ保温制御温度を移行するときに液体追加を検知すると沸騰まで加熱制御する省電力自動制御手段10と、加熱中の電源電圧変動を検知する電圧変動検知手段13と、加熱手段5の連続通電時間を決定する連続通電時間決定手段21と、加熱手段5への通電率を制御する回避制御手段14とを備え、電圧変動検知手段13からの検知情報に基づき加熱手段5の加熱制御を可変可能とした。これにより、電源ブレーカ動作を回避しつつ、湯沸かし時間を限りなく短縮でき、効率的で使い勝手の良いものとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の使用状況を学習し、学習した結果に基づき、液体(湯)の温調制御を自動的に行う電気湯沸かし器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電気湯沸かし器は、使用者の使用実態を学習し、学習データに基づき、使用時間帯は使用者の所望する湯温維持動作を、不使用時間帯はお湯への加熱動作を停止もしくは抑制しているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この電気湯沸かし器によれば、不使用時間帯はお湯への加熱動作を自動的に停止もしくは抑制しているので、手間なくかつ精度良く省エネ自動運転ができるものである。
【特許文献1】特開2003−284644号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、不使用時間帯から使用時間帯へ移行するときの液体の加熱中は、電源ブレーカ動作を回避するために、常時、固定されたオンオフデューティー制御により加熱手段への通電を行っている。しかし、各家庭の電化製品の使用状況によっては、電源ブレーカ動作の回避が不要な場合もあり、このようなときは固定されたオンオフデューティー通電制御では加熱時間が長くなってしまい、使い勝手が良くなかった。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、電源ブレーカ動作を回避しつつ、湯沸かし時間を限りなく短縮して、効率的で使い勝手の良い電気湯沸かし器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電気湯沸かし器は、第1の所定温度と第1の所定温度よりも低い第2の所定温度との少なくとも2通りの保温制御温度を有し、使用者の使用パターンに基づいて保温制御温度の中から1つを選択し、選択された保温制御温度に基づき加熱手段を通電制御する保温制御部と、この保温制御部が第2の所定温度で保温制御中に液体の追加があったか否かを検知する液体追加検知手段と、使用者の使用パターンに基づいて保温制御部が第2の所定温度から第1の所定温度へ保温制御温度を移行するときに液体追加検知手段により液体の追加を検知すると液体を沸騰まで加熱制御する省電力自動制御手段と、加熱手段による加熱中の電源電圧変動を検知する電圧変動検知手段と、加熱手段の連続フル通電の連続通電時間を決定する連続通電時間決定手段と、加熱手段への通電率を制御する回避制御手段とを備え、電圧変動検知手段からの検知情報に基づき連続通電時間決定手段と回避制御手段とによる加熱手段の加熱制御を可変可能としたものである。
【0007】
これによって、電圧変動検知手段による電源電圧変動の検知情報に基づき、加熱手段の加熱制御が可変でき、オンオフのデューティー通電は行わず終始連続通電する、または連続通電は行わず終始オンオフのデューティーで通電する、あるいは連続通電とオンオフのデューティー通電の最適組み合わせとすることが可能となり、電源ブレーカ動作を回避しつつ、湯沸かし時間を限りなく短縮することができ、効率的で使い勝手の良い電気湯沸かし器を提供することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の電気湯沸かし器は、電源ブレーカ動作を回避しつつ、湯沸かし時間を限りなく短縮することができ、効率的で使い勝手の良い電気湯沸かし器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
第1の発明は、第1の所定温度と第1の所定温度よりも低い第2の所定温度との少なくとも2通りの保温制御温度を有し、使用者の使用パターンに基づいて保温制御温度の中から1つを選択し、選択された保温制御温度に基づき加熱手段を通電制御する保温制御部と、この保温制御部が第2の所定温度で保温制御中に液体の追加があったか否かを検知する液体追加検知手段と、使用者の使用パターンに基づいて保温制御部が第2の所定温度から第1の所定温度へ保温制御温度を移行するときに液体追加検知手段により液体の追加を検知すると液体を沸騰まで加熱制御する省電力自動制御手段と、加熱手段による加熱中の電源電圧変動を検知する電圧変動検知手段と、加熱手段の連続フル通電の連続通電時間を決定する連続通電時間決定手段と、加熱手段への通電率を制御する回避制御手段とを備え、電圧変動検知手段からの検知情報に基づき連続通電時間決定手段と回避制御手段とによる加熱手段の加熱制御を可変可能とした電気湯沸かし器としたものである。これによって、電圧変動検知手段による電源電圧変動の検知情報に基づき、加熱手段の加熱制御が可変でき、オンオフのデューティー通電は行わず終始連続通電する、または連続通電は行わず終始オンオフのデューティーで通電する、あるいは連続通電とオンオフのデューティー通電の最適組み合わせとすることが可能となり、電源ブレーカ動作を回避しつつ、湯沸かし時間を限りなく短縮することができ、効率的で使い勝手の良い電気湯沸かし器を提供することができる。
【0010】
第2の発明は、特に、第1の発明において、保温制御部が第2の所定温度から第1の所定温度へ保温制御温度を移行するときに液体追加検知手段により液体の追加を検知しなければ第1の所定温度よりも高い第3の所定温度まで加熱する追加未検知加熱手段を備えたことにより、第1の所定温度での保温安定時間を短縮でき、かつ、使用者が他機器との併用使用時に電源ブレーカの動作を意識する必要もなくなり、使い勝手をよくすることができる。
【0011】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、回避制御手段により通電率を制御する加熱中であることを表示する回避制御加熱中表示手段を有することにより、通電率を制御する加熱中であることを使用者に知らせることができる。したがって、使用者は電力量の高い機器でなければ、併用使用を回避する必要もなくなり、使い勝手をよくすることができる。
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0013】
(実施の形態)
図は、本発明の実施の形態における電気湯沸かし器を示している。
【0014】
図1において、電気湯沸かし器の機器本体1は、加熱する液体(湯)を収容する容器2と、容器2に取り付けて容器2内の液体の温度を検知する温度検知手段3と、容器2内の液体をポンプにより排出する排出手段4と、925W、75Wの2つののヒータからなる加熱手段5とを有している。
【0015】
そして、使用検出手段6は、加熱手段5と排出手段4からの入力により容器2内の液体の使用実態を検出するものである。記憶手段7は、使用検出手段6からの出力を所定周期(本実施の形態では20分周期)で入力し、複数の記憶エリアに順次蓄積していくもので、使用者の使用実態を学習し、使用時間帯と不使用時間帯を記憶している。
【0016】
保温制御部8は、第1の所定温度と第1の所定温度よりも低い第2の所定温度との少なくとも2通りの保温制御温度を有し、使用者の使用パターン(記憶手段7からの入力)に基づいて複数の保温制御温度の中から1つを選択し、選択された保温制御温度に基づき加熱手段5を通電制御するものである。本実施の形態では、第1の所定温度は使用者による設定温度である98℃、第2の所定温度は60℃としている。また、温度検知手段3からの入力および選択された保温温度との関係に基づき、加熱手段5の75Wヒータをオンオフさせて温調制御し、保温モード中に温度検知手段3からの入力に基づき、容器2内の水が、選択された保温温度よりも5℃低くなると、沸騰モードに移行して加熱手段5の925Wヒータをオンし、沸騰すると保温モードへ移行する。
【0017】
液体追加検知手段9は、保温制御部8が第2の所定温度で保温制御中に液体の追加があったか否かを検知するものである。具体的には、保温制御部8が容器2内の液体を60℃で保温制御中に60℃を下回らない液体の追加(本実施の形態では湯温が5℃低下する時間が10秒未満)があったか否かを検知する。
【0018】
省電力自動制御手段10は、使用者の使用パターンに基づいて、保温制御部8が第2の所定温度から第1の所定温度へ保温制御温度を移行するときに、液体追加検知手段9により液体の追加を検知すると、液体を沸騰まで加熱制御するものである。具体的には、保温制御部8が60℃から98℃の保温制御に移行するときに、液体追加検知手段9からの入力により、60℃の保温制御中に液体の追加があったならばおまかせ沸騰モードに移行し、加熱手段5の925Wヒータにより容器2内の液体を沸騰まで加熱する。沸騰設定入力手段11は、その操作により加熱手段5の925Wヒータをオンさせるものである。
【0019】
追加未検知加熱手段12は、保温制御部8が第2の所定温度から第1の所定温度へ保温制御温度を移行するときに、液体追加検知手段9により液体の追加を検知しなければ、第1の所定温度よりも高い第3の所定温度まで加熱するものである。すなわち、保温制御部8が60℃から98℃の保温制御に移行するときに、液体追加検知手段9からの入力により、60℃の保温制御中に液体の追加が検知されなければ、加熱手段5の925Wヒータにより容器2内の液体を第3の所定温度(本実施の形態では、液量に関わらず使用者による設定温度である98℃+1℃の99℃)まで加熱する機能を省電力自動制御手段10の機能に追加したものである。
【0020】
電圧変動検知手段13は、常時、加熱手段5により加熱中の電源電圧変動を検知しているものである。回避制御手段14は、省電力自動制御手段10、または追加未検知加熱手段12からの入力により、加熱手段5の925Wヒータへの通電率(本実施の形態では、15秒オン15秒オフ)を制御するものである。連続通電時間決定手段21は、電圧変動検知手段13からの入力により、オンオフのデューティー通電の前に行う連続フル通電の連続通電時間を決定し制御するものである。
【0021】
これによって、電圧変動検知手段13による電源電圧変動の検知情報に基づき、加熱手段5の加熱制御が自動で可変(更新設定)でき、オンオフのデューティー通電は行わず終始連続通電する、または連続通電は行わず終始オンオフのデューティーで通電する、あるいは連続通電とオンオフのデューティー通電の最適組み合わせとすることが可能となり、電源ブレーカ動作を回避しつつ、湯沸かし時間を限りなく短縮することができ、効率的で使い勝手の良い電気湯沸かし器を提供することができる。
【0022】
回避制御加熱中表示装置20は、回避制御手段14により通電率を制御する加熱中であることを表示するものであり、通電率を制御する加熱中であることを使用者に知らせることができる。これにより、電力量の高い機器でなければ、他機器との併用使用を回避する必要もなくなり、使い勝手をよくすることができる。
【0023】
以上のように構成された電気湯沸かし器の動作を図2に基づき更に詳細に説明する。
【0024】
図2は、使用検出手段6、保温制御部8、液体追加検知手段9と省電力自動制御手段10の制御内容を説明するフローチャートである。
【0025】
図2に示すように、電気湯沸かし器に電源がオンされると、モードの分岐により(STEP1)、保温モード(STEP2)、沸騰モード(STEP4)、またはおまかせ沸騰モード(STEP3)に移行し、各モードにおいて、使用検出手段6は容器2内の液体の使用実態検出を行い、排出手段4による排出の有無および沸騰設定入力手段11による沸騰操作の有無を示す使用状況を、20分を単位時間として(STEP9、STEP11)記憶手段7の該当エリアに書き込んでいく(STEP10、STEP12)。ただし、使用状況の書き込み方法は、20分を単位時間としてエリア1からエリア72まで、排出時刻と沸騰操作時刻を含む単位時間帯とその前後の単位時間帯を使用時間とし、それ以外の単位時間帯を不使用時間として分けて記憶していくものとする。
【0026】
そして、保温制御部8は、リセット解除後24時間が経過するまでは(STEP13)、98℃保温(STEP25)、つまり、98℃保温温度により容器2内の液体を温調し、98℃自動沸騰温度に基づき(STEP26)、保温モード(STEP27)を維持、あるいは沸騰モード(STEP28)へ移行させる。リセット解除後24時間が経過すれば(STEP13)、保温制御部8は、前日までの該当エリアの蓄積使用結果を記憶手段7から読み出し(STEP14)、該当時間帯の使用実態に応じて(STEP15)、不使用時間帯なら60℃保温(STEP16)、使用時間帯で前回の時間帯が60℃保温でないならば(STEP21)、98℃保温制御(STEP25)を行う。
【0027】
ところで、保温制御部8が60℃保温中(STEP16)は、液体追加検知手段9は容器2内への液体追加の有無の検知を実施(STEP17)し、液体の追加が検知され、液温が60℃保温温度より5℃低い、60℃自動沸騰温度を下回ったなら(STEP18)沸騰モードへ移行(STEP20)するように保温制御部8へ信号を出力し、60℃自動沸騰温度を下回らなければ(STEP18)60℃保温中水追加フラグをセットし(STEP19)、省電力自動制御手段10に信号を出力する。
【0028】
そして、省電力自動制御手段10は、保温制御部8にて該当時間帯の使用実態が使用(STEP15)で、かつ前回の時間帯が60℃保温(STEP21)であることを検知すると、液体追加検知手段9からの入力に基づき、60℃保温中に水の追加があった(STEP22)と検知すると、60℃保温水追加フラグをクリア(STEP23)するように液体追加検知手段9に信号を出力した後、おまかせ沸騰モードへ移行(STEP24)するときに、沸騰検知するまでは保温制御部8を動作停止させ、60℃保温中に水の追加が検知されていなければ(STEP22)、98℃保温へ移行する(STEP27)ように保温制御部8に信号を出力する。
【0029】
そして、省電力自動制御手段10はおまかせ沸騰モード(STEP3)では、加熱手段5の925Wヒータをオンして、容器2内の液体が沸騰するまで加熱し、沸騰検知すると(STEP5)、保温モードへ移行する(STEP6)よう保温制御部8に信号を出力して動作開始させる。また、保温制御部8は沸騰モード(STEP4)に移行したときは、加熱手段5の925Wヒータをオンして容器2内の水が沸騰するまで加熱し、沸騰検知すると(STEP7)、保温モードへ移行する(STEP8)。
【0030】
さらに、STEP24、STEP27における加熱手段5への通電制御について、図3に基づいて更に詳細に説明する。図3は、省電力自動制御手段10と、追加未検知加熱手段12と、回避制御手段14の関係を示すフローチャートである。
【0031】
保温制御部8が不使用時間帯から使用時間帯、つまり、60℃保温から98℃保温の温調制御に移行するときに、省電力自動制御手段10が液体追加検知手段9から入力する信号により、60℃保温中に60℃を下回らない程度の水の追加を検知した場合に移行する、おまかせ沸騰モードにて、加熱手段5の925Wヒータをオンし容器2内の湯を沸騰するまで加熱したときに、省電力自動制御手段10により、電圧変動検知手段13の検知結果に基づき、電源ブレーカが動作しない程度の所定時間、連続通電を行い(他機器は未使用状態であるなどの検知結果によっては回避制御手段14による断続通電は行わず終始連続通電)、所定時間経過後、さらに、電圧変動検知手段13の検知結果に基づき、回避制御手段14が断続通電(STEP60、STEP61、STEP62)によりリレーを15秒OFF(STEP63)あるいは15秒ON(STEP64)し、モードの分岐(STEP65)で、おまかせ沸騰モード(STEP66)なら沸騰検知するまで加熱し(STEP68)、おまかせ温調モード(STEP67)なら水温が99℃になるまで加熱し(STEP69)、それぞれ加熱が終了したなら保温モードへ移行するよう保温制御部8へ信号を出力する。
【0032】
なお、本実施の形態では水量に関わらず99℃まで加熱するとしたが、水量検知を行うことにより、水量に応じて99℃、98℃などと言ったように水量検知結果により加熱終了温度を変更させてもよい。
【0033】
また、通電比率を15秒オン、15秒オフとしたが、併用電気機器の使用状況、リレーの接点寿命、ブレーカの電気特性などによっては10秒オン、10秒オフ、30秒オン、15秒オフなど、任意の通電比率にすることも可能である。また、通電比率は電源電圧検知結果に応じて常時変動することも可能である。
【0034】
なお、本実施の形態では第1の所定温度を98℃としたが、85℃など、別の温度の場合もあり、このときの第2の所定温度は60℃またはそれ以下でもよく、機器の構成などによってこの温度は変わる。また、第1の所定温度を98℃と単一としたが、98℃、85℃、70℃、同様に第2の所定温度も60℃としたが、85℃、70℃、60℃、55℃といったように複数個備えて、使用者により選択可能とすることもできる。また、第1の所定温度が複数個あるならば、それぞれの設定温度に応じておまかせ温調終了温度を設定してもよい。
【0035】
また、学習記憶内容は2週間分を蓄積して行うため、過去に使用時間と場合分けされていた単位時間帯でも、2週間不使用となれば、不使用時間に変更される。
【0036】
また、マイコンの格納エリアの空き状況によっては、本実施の形態では20分単位でエリア数を72としたが、10分単位でエリア数を144とすることで24時間の使用実態を格納するなど、任意の数としても良い。
【0037】
また、本実施の形態では60℃保温中に60℃を下回らない程度の水の追加を検知していたならば、60℃から98℃保温の温調制御に移行するときに容器2内の湯を沸騰まで加熱するとしたが、水の追加を検知したなら即沸騰まで加熱し、60℃から98℃保温の温調制御に移行するときは加熱するのみで沸騰はさせないとしてもよい。
【0038】
また、本実施の形態では充電池などのバックアップ電池などを用いた場合については特に述べていないが、もし、バックアップ時も継続して使用検出手段6により容器2内の湯の使用実態検出を行い、記憶手段7により学習記憶内容を記憶できるなら、バックアップ中も使用実態の記憶を継続して行うこともできる。
【0039】
また、水追加検知のしきい値として、本実施の形態では湯温が5℃低下する時間が10秒未満としたが、容器の材質、大きさなどによってはこのしきい値は変わる。したがって、この場合はその容器に適したしきい値に設定すれば良い。
【0040】
また、本実施の形態では水量によらず、水追加検知のしきい値は1つであるが、マイコンの容量に余裕があるのなら、水量によって複数個のしきい値をもたせても良い。
【0041】
以上のような構成により、使用者の使用実態に基づいた生活パターン、あるいは、使用者の所望する使用パターンに合わせた保温制御を行うことで、省エネ自動運転を実現することが可能なものであり、不使用時間帯から使用時間帯に移行し容器2内の湯を加熱するときに、電源ブレーカの動作を自動的に回避しつつ、湯沸かし時間を限りなく短縮することができ、使い勝手を良くすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上のように、本発明にかかる電気湯沸かし器は、電源ブレーカ動作を回避しつつ、湯沸かし時間を限りなく短縮することができ、効率的で使い勝手の良い電気湯沸かし器を提供することができるので、ビルトインタイプの給湯器などを含む多くの家庭電化製品など、待機電力量といった省エネ力が要求されるものなどにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の形態における電気湯沸かし器の構成を示すブロック図
【図2】同電気湯沸かし器における使用検出手段と保温制御部と省電力自動制御手段の制御内容を説明するフローチャート
【図3】同電気湯沸かし器における保温制御部と回避制御手段の制御内容を説明するフローチャート
【符号の説明】
【0044】
3 温度検知手段
4 排出手段
5 加熱手段
6 使用検出手段
7 記憶手段
8 保温制御部
9 液体追加検知手段
10 省電力自動制御手段
11 沸騰設定入力手段
12 追加未検知加熱手段
13 電圧変動検知手段
14 回避制御手段
20 回避制御加熱中表示装置
21 連続通電時間決定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の所定温度と第1の所定温度よりも低い第2の所定温度との少なくとも2通りの保温制御温度を有し、使用者の使用パターンに基づいて保温制御温度の中から1つを選択し、選択された保温制御温度に基づき加熱手段を通電制御する保温制御部と、この保温制御部が第2の所定温度で保温制御中に液体の追加があったか否かを検知する液体追加検知手段と、使用者の使用パターンに基づいて保温制御部が第2の所定温度から第1の所定温度へ保温制御温度を移行するときに液体追加検知手段により液体の追加を検知すると液体を沸騰まで加熱制御する省電力自動制御手段と、加熱手段による加熱中の電源電圧変動を検知する電圧変動検知手段と、加熱手段の連続フル通電の連続通電時間を決定する連続通電時間決定手段と、加熱手段への通電率を制御する回避制御手段とを備え、電圧変動検知手段からの検知情報に基づき連続通電時間決定手段と回避制御手段とによる加熱手段の加熱制御を可変可能とした電気湯沸かし器。
【請求項2】
保温制御部が第2の所定温度から第1の所定温度へ保温制御温度を移行するときに液体追加検知手段により液体の追加を検知しなければ第1の所定温度よりも高い第3の所定温度まで加熱する追加未検知加熱手段を備えた請求項1に記載の電気湯沸かし器。
【請求項3】
回避制御手段により通電率を制御する加熱中であることを表示する回避制御加熱中表示手段を有する請求項1または2に記載の電気湯沸かし器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−289553(P2007−289553A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−123221(P2006−123221)
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】