説明

電気給湯機

【課題】浴槽の湯はりに要する時間を大幅に短縮することが可能な電気給湯機を提供する。
【解決手段】貯湯タンク10の温水を浴槽Bに供給する第1湯はり回路40と、貯湯タンク10の温水と給水とを熱交換させ、給水を間接的に加熱し給湯を生成する給湯用熱交換器50と、を備える電気給湯機1であって、第1湯はり回路40と並行し、給湯用熱交換器50で生成した給湯を浴槽Bに供給する第2湯はり回路を備え、第1湯はり回路40を流れ浴槽Bに向かう温水に、減圧弁31を経由した給水を混合すると共に、減圧弁31を経由しない給水を給湯用熱交換器50に供給するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気給湯機に関し、特に、浴槽の湯はりに要する時間を大幅に短縮することができる電気給湯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電気給湯機として、例えば、特許文献1に開示されるように、貯湯タンクの温水を浴槽に供給する第1湯はり回路を備えるとともに、該貯湯タンクの温水により給水を間接的に加熱する給湯用熱交換器を備えるものがある。
【0003】
この電気給湯機は、給水配管の水道水を貯湯タンクの温水により間接的に加熱する給湯用熱交換器を設け、給湯は、タンク上部の取出配管から高温水を循環ポンプにて導出し、給湯用熱交換器の1次側を通してタンク下部へ返還させ、この給湯用熱交換器の2次側に水道水を通し所定の温度に加熱することにより行うようにしている。
【0004】
【特許文献1】特開2007−40566号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の電気給湯機において、浴槽の湯はりは、貯湯タンクの温水を浴槽に供給する第1湯はり回路の単独運転にて行われている。このため、従来の電気給湯機では、例えば、42℃・200Lの湯はりで約20分の比較的長い時間を必要としている。
【0006】
そこで、本発明は、浴槽の湯はりに要する時間を大幅に短縮することが可能な電気給湯機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、貯湯タンクの温水を浴槽に供給する第1湯はり回路と、該貯湯タンクの温水と給水とを熱交換させ、給水を間接的に加熱し給湯を生成する給湯用熱交換器と、を備える電気給湯機であって、前記第1湯はり回路と並行し、前記給湯用熱交換器で生成した給湯を前記浴槽に供給する第2湯はり回路を備えることを特徴とする電気給湯機である。
【0008】
このような電気給湯機によれば、第2湯はり回路により、給湯用熱交換器で生成した給湯を浴槽に供給することができる。すなわち、第1湯はり回路により、貯湯タンクの温水を浴槽に供給しつつ、第2湯はり回路により、給湯用熱交換器で生成した給湯を浴槽に供給することができる。
これにより、浴槽の湯はりに要する時間を大幅に短縮することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、浴槽の湯はりに要する時間を大幅に短縮することが可能な電気給湯機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を、図1から図6を参照して説明する。
【0011】
≪電気給湯機の構成≫
図1に示すように、本実施形態に係る電気給湯機1は、温水を貯溜する貯湯タンク10と、貯湯タンク10の水を加熱するヒートポンプ回路20と、給水(水道水)が流れる給水回路30と、貯湯タンク10の温水を浴槽Bに供給する第1湯はり回路40と、貯湯タンク10の温水と給水とを熱交換させ、給水を間接的に加熱し給湯を生成する給湯用熱交換器50と、給湯が流れる給湯回路60と、浴槽Bに張られたふろ水を追い焚きするための追い焚き回路70と、湯はり等するために人が操作する操作部80と、これらを制御するコントローラ90(制御装置)と、を備えている。
【0012】
<貯湯タンク>
貯湯タンク10には、給水回路30から給水が導入されるようなっている。そして、貯湯タンク10内の水は、ヒートポンプ回路20により加熱され、温水となった後、貯湯タンク10に貯溜されるようなっている。貯湯タンク10における水(温水)の温度は、鉛直上方になるほど高く、例えば、貯湯タンク10の上部で約90℃、中間部で約50℃となっている。なお、中間部における温水を、中温水という。
【0013】
貯湯タンク10には、鉛直方向において、複数の温度センサ11が配置されており(図1では4つ)、温度センサ11は、貯湯タンク10内の水(温水)の温度を検出し、コントローラ90に出力するようになっている。
【0014】
<ヒートポンプ回路>
ヒートポンプ回路20は、貯湯タンク10の水を加熱する回路であって、ヒートポンプ21と、貯湯タンク10の水を循環させる循環ポンプ26とを備えている。
ヒートポンプ21は、二酸化炭素等の冷媒を圧縮、膨張させながら循環させる装置(熱ポンプ)であって、圧縮されることで温度上昇した冷媒によって循環する貯湯タンク10の水を加熱する装置である。このようなヒートポンプ21は、冷媒を圧縮する圧縮機22と、圧縮されることで昇温した冷媒と循環する貯湯タンク10の水との間で熱交換させ、循環する貯湯タンク10の水を加熱する熱交換器23と、冷媒の圧力を減圧する調圧弁24と、減圧されたことで温度低下した冷媒に外気から熱を吸熱させる吸熱器25と、を備えている。
【0015】
一方、循環ポンプ26が作動すると、貯湯タンク10の下部の水が吸引され、熱交換器23に圧送され、熱交換器23において加熱された後、貯湯タンク10の上部に戻されるようになっている。
【0016】
<給水回路>
給水回路30は、外部の給水源からの給水(水道水)が流れる回路である。給水は、給水配管30aから、配管30b、給水圧を減圧させる減圧弁31、配管30cを通って、貯湯タンク10の下部に供給されるようになっている。
【0017】
また、給水は、配管30cの途中から、配管30dを通って、第1湯はり回路40の第2混合弁42に供給されるようになっている。すなわち、第1湯はり回路40を流れ、浴槽Bに向かう温水に、減圧弁31を経由した給水が、第2混合弁42において混合されるようになっている。
【0018】
さらに、給水は、給水配管30aから、配管30eを通って、給湯用熱交換器50に供給されるようになっている。すなわち、減圧弁31を経由しない給水が、給湯用熱交換器50に供給されるように構成されている。これにより、後記する給湯機器64から噴射する給湯の噴射圧が確保されるようになっている。
【0019】
<第1湯はり回路>
第1湯はり回路40は、貯湯タンク10の温水を浴槽Bに供給し、浴槽Bを湯はりするための回路である。
貯湯タンク10の上部の高温の温水は、配管40aを介して、第1混合弁41に供給されるようになっている。貯湯タンク10の中間部の中温の温水(中温水)は、配管40bを介して、第1混合弁41に供給されるようになっている。第1混合弁41は、配管40aからの高温の温水と、配管40bからの中温の温水とを、コントローラ90からの指令に従った混合比で混合するようになっている。
【0020】
第1混合弁41で混合されることで生成した温水は、配管40cを介して、第2混合弁42に供給されるようになっている。第2混合弁42は、配管40cからの温水と、配管30dからの給水とを、コントローラ90からの指令に従った混合比で混合するようになっている。
【0021】
第2混合弁42で混合されることで生成した温水は、配管40d、常閉型の開閉弁43、配管40eを介して、浴槽Bに供給されるようになっている。
開閉弁43は、第1湯はり回路40による湯はり時に、コントローラ90により開かれる設定となっている。そして、開閉弁43が開かれると、所定の圧力の給水が、配管30cを介して、貯湯タンク10の下部に導入され、これにより、貯湯タンク10の上部及び中間部の温水が押し出され、次いで、第1混合弁41、第2混合弁42で順に混合されることで生成した温水が、浴槽Bに供給されるようになっている。
【0022】
また、第1混合弁41、第2混合弁42で順に混合されることで生成した温水の一部は、配管70a、追い焚き時に作動するポンプ71、配管70b、方向切替弁72、配管70d、配管70cの一部を通って、浴槽Bに供給されるようになっている。
すなわち、第1混合弁41、第2混合弁42で順に混合されることで生成した温水は、開閉弁43の下流で、二股に分岐し、2系統で浴槽Bに供給されるようになっている。これにより、湯はり時間の短縮化が図られている。
【0023】
また、温度センサ44が、配管40eに配置されており、温度センサ44は、浴槽Bに向かう温水の温度(実測温度T11)を検出し、コントローラ90に出力するようになっている。そして、コントローラ90は、温度センサ44が検出する温水の実測温度T11が、操作部80で設定されたふろ水温度T1(第1設定温度)となるように、第1混合弁41及び第2混合弁42における混合比を、制御するようになっている。
【0024】
<給湯用熱交換器>
給湯用熱交換器50は、貯湯タンク10の温水と給水とを熱交換させ、給水を間接的に加熱し給湯を生成する機器である。
具体的には、配管30eから給湯用熱交換器50に導入される給水は、配管40aの途中から、配管50aを介して導入される貯湯タンク10の高温の温水により加熱され、給湯を生成するようになっている。熱交換後の貯湯タンク10からの温水は、配管50b、給湯要求があった場合に作動するポンプ51、配管50c、配管30cの一部を通って、貯湯タンク10の下部に戻されるようになっている。
【0025】
ポンプ51は、図示しないインバータ回路を介して、コントローラ90により、回転速度が自在に制御されるように構成されている。そして、後記する温度センサ61によって検出される給湯の温度(実測給湯温度T12)が、操作部80で設定された給湯温度T2(第2設定温度)となるように、コントローラ90はポンプ51を制御するようになっている。すなわち、温度センサ61が検出する実測給湯温度T12が、設定された給湯温度T2よりも低い場合、コントローラ90はポンプ51の回転速度を高めるように構成されている。
【0026】
<給湯回路>
給湯回路60は、給湯用熱交換器50で生成した給湯が流れる回路である。
給湯用熱交換器50で生成した給湯は、配管60a、流量センサ62、配管60b、給湯要求がある場合に開かれるコック63、配管60cを流れ、シャワー等の給湯機器64から噴出されるようになっている。流量センサ62は、給湯機器64に向かう給湯の流量を検出し、コントローラ90に出力するようになっている。
【0027】
すなわち、コントローラ90は、コック63が開かれ、流量センサ62を介して、給湯機器64に向かう給湯の流量が0(又は0に近い所定流量)よりも大きいことを検出した場合、コントローラ90は、給湯機器64(外部)から給湯要求があったと判定するように構成されている。
【0028】
温度センサ61は、給湯用熱交換器50から吐出された直後の実測給湯温度T12を検出するように、配管60aに配置されると共に、検出した実測給湯温度T12をコントローラ90に出力するようになっている。
【0029】
また、給湯は、配管60aの途中から、配管60d、減圧弁65、配管60e、急いで湯はりする場合にコントローラ90により開かれる常閉型の開閉弁66、配管60fを通って、配管70cに供給されるようになっている。すなわち、給湯用熱交換器50で給湯が生成している場合において、開閉弁66が開かれると、配管60d、減圧弁65、配管60e、開閉弁66、配管60f、配管70cを通って、給湯が浴槽Bに供給されるようになっている。
つまり、本実施形態において、第1湯はり回路40と並行し、給湯用熱交換器50で生成した給湯を浴槽Bに供給する第2湯はり回路は、配管60dと、減圧弁65と、配管60eと、開閉弁66と、配管60fと、配管70cの一部とを備えて構成されている。
【0030】
<追い焚き回路>
追い焚き回路70は、浴槽Bに張られたふろ水を追い焚きするための回路である。
追い焚き時において、ふろ水は、配管40eの一部、配管70a、追い焚き時にコントローラ90の指令により作動するポンプ71、方向切替弁72、その一部が貯湯タンク10の内上部を経由する配管70cを通って、浴槽Bに戻るようになっている。貯湯タンク10の内上部を経由する配管70cの部分は、熱交換部73として構成されており、熱交換部73を経由するふろ水が、貯湯タンク10の高温の温水により加熱され、その結果、ふろ水が追い焚きされるようになっている。
【0031】
<操作部>
操作部80は、浴室やキッチンに配置され、湯はり等をするため人が操作する部分である。そして、操作部80は、湯はりボタン81と、急ぎボタン82と、追い焚きボタン83と、温調ボタン84、85と、液晶パネル86とを備えている。
【0032】
湯はりボタン81は、配管60d、60e、60f等から構成される第2湯はり回路を使用せずに、第1湯はり回路70のみを使用して、通常に湯はりをする場合に押されるスイッチである。
急ぎボタン82は、急いで湯はりするために、第1湯はり回路70による湯はりと同時に、配管60d等から構成される第2湯はり回路を使用して、給湯を浴槽Bに供給する場合に押されるスイッチである。
追い焚きボタン83は、追い焚き回路70により、ふろ水を追い焚きする場合に押されるスイッチである。
【0033】
温調ボタン84は、第1湯はり回路70から浴槽Bに供給される温水(ふろ水)の温度(ふろ水温度T1、第2設定温度)を設定するためのスイッチである。
温調ボタン85は、給湯用熱交換器50で生成する給湯の温度(給湯温度T2、第2設定温度)を設定するためのスイッチである。
液晶パネル86は、設定されたふろ水温度T1と、給湯温度T2とを表示する部分である。
【0034】
また、操作部80は、コントローラ90と接続されており、コントローラ90は、湯はりボタン81、急ぎボタン82及び追い焚きボタン83のON/OFF信号と、設定されたふろ水温度T1、給湯温度T2とを検知するようになっている。
【0035】
<コントローラ>
コントローラ90は、電気給湯機1を電子制御する制御装置であり、CPU、ROM、RAM、各種インタフェイス、電子回路などを含んで構成されており、その内部に記憶されたプログラムに従って、各種機器を制御し、各種処理を実行するようになっている。
【0036】
≪電気給湯機の動作・効果≫
次に、電気給湯機1の動作及び効果について説明する。
【0037】
<急いで湯はり−第1湯はり回路と第2湯はり回路の併用>
図2を参照して、急ぎボタン82が押され、第1湯はり回路40と、配管60d等から構成される第2湯はり回路とを併用して、浴槽Bに急いで湯はりする場合を説明する。
【0038】
[第1湯はり回路による湯はり]
急ぎボタン82のON信号を検知したコントローラ90は、開閉弁43を開く。そうすると、減圧弁31を経由した給水が、貯湯タンク10の下部に入り、貯湯タンク10の温水が配管40a、40bから押し出される。そして、第1混合弁41、第2混合弁42において、温度センサ44が検出する温水の実測温度T11が、操作部80で設定されたふろ水温度T1(第1設定温度)となるように、混合された後、浴槽Bに供給される。
【0039】
[第2湯はり回路による給湯の供給]
これに並行して、コントローラ90は、開閉弁66を開き、ポンプ51を作動させる。そうすると、給湯用熱交換器50で給水が加熱され、給湯が生成し、給湯は、配管60d、60e、60f、配管70cの一部を通って、浴槽Bに供給される。
【0040】
このようにして、第1湯はり回路40により、貯湯タンク10の温水を浴槽Bに湯はりしつつ、給湯用熱交換器50で生成した給湯を浴槽Bに供給するので、浴槽Bの湯はりに要する時間を大幅に短縮することができる。具体的に例えば、42℃・200Lの湯はりを、10分以下の短時間で行うことができる。
【0041】
[第2湯はり回路による浴槽Bへの給湯生成の制限]
第1湯はり回路40と第2湯はり回路の併用時において、貯湯タンク10の温水の残量が所定量以下となった場合、コントローラ90(運転制限手段)は、ポンプ51を停止し、開閉弁66を閉じ、給湯用の第2湯はり回路による浴槽Bへの給湯の供給運転を停止する。すなわち、コントローラ90は、第2湯はり回路による浴槽Bへの給湯の供給運転を、貯湯タンク10の残湯量に応じて制限する。
さらに説明すると、給湯用熱交換器50で給湯を生成するべく、ポンプ51を作動させると、貯湯タンク10の温水が減少する。よって、湯はり後に給湯機器64から給湯要求があったとしても、給湯用熱交換器50で給湯を生成できるように、第1湯はり回路40と第2湯はり回路の併用時において、貯湯タンク10の温水の残量が所定量以下となった場合、給湯用の第2湯はり回路による浴槽Bへの給湯の供給運転を停止する。
なお、貯湯タンク10の温水が導出されると、貯湯タンク10内の低温の水は上方に向かって徐々に増加し、温水は減少するため、貯湯タンク10の温水の残量は、貯湯タンク10に鉛直方向で配置された複数の温度センサ11により推定される。
【0042】
[給湯温度の制御]
また、コントローラ90(温度制御手段)は、操作部80で設定されたふろ水温度T1(第1湯はり回路40から浴槽Bに供給される温水の第1設定温度)と、給湯用熱交換器50の設定された給湯温度T2(第2設定温度)とが、異なる場合、第2湯はり回路から浴槽Bに供給される実測給湯温度T12が、設定されたふろ水温度T1となるように、ポンプ51の回転速度を制御する。
具体的には、設定された給湯温度T2が、設定されたふろ水温度T1よりも高い場合、コントローラ90はポンプ51の回転速度を低下させる。
【0043】
<第1湯はり回路と第2湯はり回路の併用時に、給湯要求あり>
次に、図3を参照して、第1湯はり回路40と第2湯はり回路とを同時に利用して湯はりしている場合に、コック63が開かれ、給湯機器64から給湯要求があったときを説明する。
【0044】
流量センサ62を介して、給湯が給湯機器64に向かって流れ、外部から給湯要求があったことを検知したコントローラ90(運転切替手段)は、開閉弁66を閉じる。これにより、第2湯はり回路による給湯の浴槽Bへの供給運転は停止される。同時に、給湯が給湯機器64(外部)に供給されるように切り替えられる。その結果、浴槽Bの湯はりを継続しつつ、給湯機器64において給湯の流量が不足することを防止できる。
【0045】
<第1湯はり回路のみによる湯はり>
次に、図4を参照して、湯はりボタン81が押され、第1湯はり回路40のみを使用して、通常に湯はりする場合を説明する。
【0046】
湯はりボタン81のON信号を検知したコントローラ90は、開閉弁66を閉じたまま、開閉弁43を開く。そうすると、減圧弁31を経由した給水が、貯湯タンク10の下部に入り、貯湯タンク10の温水が配管40a、40bから押し出される。そして、第1混合弁41、第2混合弁42において、温度センサ44が検出する温水の実測温度T11が、操作部80で設定されたふろ水温度T1(第1設定温度)となるように、混合された後、浴槽Bに供給される。
【0047】
すなわち、コントローラ90(運転切替手段)は、湯はりボタン81及び急ぎボタン82のON/OFF信号に対応して、第1湯はり回路40による浴槽Bへの温水の供給運転、及び、第2湯はり回路による浴槽Bへの給湯の供給運転を同時に行う第1モードと、第1湯はり回路40のみによる浴槽Bへの温水の供給運転のみを行う第2モードと、切り替える。
【0048】
<給湯要求のみ>
次に、図5を参照して、湯はりボタン81及び急ぎボタン82が押されていない場合において、コック63が開かれ、給湯機器64から給湯要求があったときを説明する。
【0049】
流量センサ62を介して、給湯要求があったことを検知したコントローラ90は、ポンプ51を作動させる。これにより、給湯用熱交換器50において、給水が加熱され給湯が生成し、給湯は配管60a等を介して、給湯機器64から噴出される。
この場合において、コントローラ90は、現在の実測給湯温度T12が、設定された給湯温度T2となるように、ポンプ51の回転速度を制御する。
【0050】
<追い焚き>
次に、図6を参照して、追い焚きボタン83が押され、浴槽Bに貯溜されたふろ水を追い焚きする場合を説明する。
【0051】
追い焚きボタン83のON信号を検知したコントローラ90は、ポンプ71を作動させると共に、配管70bと配管70cとが連通するように方向切替弁72を制御する。そうすると、ふろ水は、貯湯タンク10内の熱交換部73を経由するように循環し、熱交換部73を通る際に加熱される。その結果、追い焚きされる。
【0052】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜に変更してもよい。
前記した実施形態では、第2湯はり回路を構成する配管60fが、配管70dに合流する構成を例示したが、その他例えば、配管60fが浴槽Bに直接接続された構成でもよいい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本実施形態に係る電気給湯機の構成を示す図である。
【図2】急ぎボタンが押され、第1湯はり回路と第2湯はり回路とを併用して、湯はりしている状況を示す図である。
【図3】第1湯はり回路と第2湯はり回路とを併用時に、外部から給湯要求があった状況を示す図である。
【図4】湯はりボタンが押され、第1湯はり回路のみを使用して、通常に湯はりしている状況を示す図である。
【図5】外部から給湯要求のみがあった状況を示す図である。
【図6】追い焚き状況を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
1 電気給湯機
10 貯湯タンク
20 ヒートポンプ回路
26 循環ポンプ
30a 給水配管
31、66 減圧弁
40 第1湯はり回路
50 給湯用熱交換器
60d〜60f 配管(第2湯はり回路)
80 操作部
81 湯はりボタン
82 急ぎボタン
90 コントローラ
B 浴槽
T1 ふろ水温度(第1設定温度)
T2 給湯温度(第2設定温度)
T11 現在の温水(ふろ水)の実測温度
T12 現在の実測給湯温度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯湯タンクの温水を浴槽に供給する第1湯はり回路と、
該貯湯タンクの温水と給水とを熱交換させ、給水を間接的に加熱し給湯を生成する給湯用熱交換器と、
を備える電気給湯機であって、
前記第1湯はり回路と並行し、前記給湯用熱交換器で生成した給湯を前記浴槽に供給する第2湯はり回路を備える
ことを特徴とする電気給湯機。
【請求項2】
前記第1湯はり回路を流れ前記浴槽に向かう温水に、減圧弁を経由した給水を混合すると共に、
該減圧弁を経由しない給水を前記給湯用熱交換器に供給するように構成した
ことを特徴とする請求項1に記載の電気給湯機。
【請求項3】
前記第2湯はり回路による前記浴槽への給湯の供給運転を、前記貯湯タンクの残湯量に応じて制限する運転制限手段を備える
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気給湯機。
【請求項4】
前記第1湯はり回路から前記浴槽に供給される温水の第1設定温度と、前記給湯用熱交換器において生成する給湯の第2設定温度とが異なる場合、
前記第2湯はり回路から前記浴槽に供給される給湯の温度が、前記第1設定温度となるように制御する温度制御手段を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電気給湯機。
【請求項5】
前記第1湯はり回路による前記浴槽への温水の供給運転と、前記第2湯はり回路による前記浴槽への給湯の供給運転とを切り替える運転切替手段を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電気給湯機。
【請求項6】
前記第1湯はり回路による前記浴槽への温水の供給運転と、前記第2湯はり回路による前記浴槽への給湯の供給運転とが同時に行われている場合において、
外部から給湯要求がなされたとき、
前記第2湯はり回路による前記浴槽への給湯の供給運転を停止し、給湯が外部に供給されるように切り替える運転切替手段を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電気給湯機。
【請求項7】
前記第1湯はり回路による前記浴槽への温水の供給運転と、前記第2湯はり回路による前記浴槽への給湯の供給運転とを同時に行う第1モードと、
前記第1湯はり回路による前記浴槽への温水の供給運転のみを行う第2モードと、
を切り替える運転切替手段を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電気給湯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−103403(P2009−103403A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−277807(P2007−277807)
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】