説明

電気自動車の電力供給機構

【課題】従来の電気自動車は、蓄電池の容量によって走行距離が制限され、走行中に電力が低下すると、走行中止を余儀なくされ、停車して電力供給施設から蓄電池に充電しなければならなかった。そこで、電気自動車が充電池の容量に制限されることなく、継続的に走行することのできる電力供給機構を提供する。
【解決手段】電気自動車に、二つの目的をもった蓄電池を搭載する。蓄電池1は家庭などの外部の電源から供給された電力で充電し、この蓄電池1の電力によって前輪駆動用のモーターで走行を開始する。もう一つの蓄電池2は走行を開始した後、後輪に装備された発電機によって発生した電力を整流器で直流に変換し、充電をつづける。蓄電池1に蓄えられた電力が走行によって減じ、電力が低下した場合には、走行中に電力が蓄えられた蓄電池2に切り替え、蓄電池2の電力を用いて走行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車の電力の供給機構に関するものである。電気自動車に蓄電池▲1▼と蓄電池▲2▼を装備する。この電気自動車は走行を開始するため、まず蓄電池▲1▼に家庭など外部から走行用の電源を充電し、それによって前輪の駆動用モーターを動かし走行を開始する。つづいてこの自動車は、走行中に後輪のシャフトに装備した発電機によりシャフトの回転運動によって発電し、その電力を蓄電器▲2▼に蓄える。走行中、電気自動車に電力を供給している蓄電池▲1▼の電力が低下すると、蓄電器▲2▼に蓄えられた電気を蓄電池▲1▼に代わって走行用のモーターに供給し走行を継続する。このように、この電気自動車は、蓄電池▲1▼と蓄電池▲2▼を交互に走行用と蓄電用とに用いながら、電気による駆動を継続することが可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
従来の電気自動車は、家庭やガソリンスタンドに代わる電力供給施設から電力を得て、自動車に備えられた蓄電池に充電し、その電力を駆動モーターに供給して走行するものである。
【0003】
しかし、この方法によれば、電気自動車は備えられた蓄電池に蓄えられた電力の範囲内でしか走行できず、その電力が消費されれば停車を余儀なくされる、そのような事態を避けるためには、電力が完全に消費される前に充電するか、電気が十分に蓄えられた蓄電池と交換しなければならない。
【0004】
本発明は、電気自動車が備え付けられた蓄電池の電気を消費することによって走行を中止することを避け、また蓄電池の容量により走行距離が制限されることのないように、従来の蓄電池による電力供給機構の欠点を克服するためになされたものである。
【問題を解決するための手段】
【0005】
まず、電気自動車に蓄電池▲1▼と蓄電池▲2▼を装備する。この電気自動車はまず蓄電池▲1▼に家庭から走行用の電源を充電し、まずそれによって前輪の駆動用モーターを動かし走行を開始する。この電気自動車は走行中に後輪のシャフトに装備した発電機によって起きた電気を蓄電器▲2▼に蓄える。走行中、蓄電池▲1▼の電力が低下すると、蓄電池▲1▼に代わって蓄電器▲2▼に蓄えられた電気を前輪駆動用モーターに供給する。このように、この電気自動車は蓄電池▲1▼と蓄電池▲2▼を交互に走行用と蓄電用とに用いながら、電気により継続的な走行が可能である。
【発明の効果】
【0006】
電気自動車に駆動用電力を蓄える蓄電池を二つ装備し、一方の蓄電池▲1▼から前輪駆動用モーターに電力を供給し走行している間に、後輪シャフトの回転エネルギーを発電機によって電力に代え、もう一つの蓄電池▲2▼に蓄える。走行開始から電力を供給していた蓄電池▲1▼の電力が失われる前に、電力供給源を走行によって得られた電力を蓄えた蓄電池▲2▼に代えることで継続的に電気によって走行を続けることが可能になる。
【0007】
このように二つの蓄電池を用いる機構を搭載することによって、この電気自動車は装備した蓄電池の容量によって走行距離に限界が生じたり、蓄電池に充電した電力が消費されることによる走行中断を避けることが可能となる。
【実施例】
【0008】
本発明は、従来の電気自動車の限界である蓄電池の容量によってその走行距離が制限され、蓄電池の電力が消耗されると、それ以上走行できなくなるという問題を走行用と充電用の一組の蓄電池からなる電力供給機構を搭載することで解決しようとするものである。
【0009】
本発明は、既存の電気自動車のように走行用電力供給用だけの蓄電池だけでなく、後輪のシャフトに装備した発電機によって生まれる電力を充電するための蓄電池を搭載することにより、走行用電力を充電する蓄電池だけを搭載した電気自動車の限界を克服することができる。
【0010】
走行用と充電用の電力を蓄えるための一組の蓄電池を搭載し、走行中の後輪シャフトの回転運動から電力を生み出す発電機によって生まれた電力を蓄える蓄電池により、走行によって電力を失った蓄電池に代り、走行中に充電した今一つの蓄電池から電力を供給するという本発明の電力供給機構は、従来の電気自動車の限界を克服し、電気自動車の新しい可能性を開くものである。
【産業上の可能性】
【0011】
本発明に係わる電気自動車の電力供給機構は、工業的に量産する事が可能であるため、産業上の利用可能性を有するだけでなく、自動車産業における電気自動車開発を促進し、わが国における電気自動車の普及を促すものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】蓄電池▲1▼と蓄電池▲2▼を装備した電気自動車の、発進時の電力供給の様子を示した図。発進時には蓄電池▲1▼から前輪駆動用モーターに電力を供給し、発進後、走行を開始すると後輪のシャフトに装備された発電機で生まれた電力を整流器を通して蓄電池▲2▼に蓄える。
【図2】走行中に蓄電池▲1▼の電力が低下した際、蓄電池▲2▼に蓄えられた電力を前輪駆動用モーターに供給し始めたことを表す図。発進時から走行のために電力を供給してきた蓄電池▲1▼には、蓄電池▲2▼に代わって後輪の発電機からの電力を充電する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行用の電力を蓄える蓄電池▲1▼と、その蓄電池▲1▼が供給する電力で回転するモーターによって前輪駆動で走行する電気自動車の後輪のシャフトの回転で発電し、それを蓄える蓄電池▲2▼という一組の蓄電池を搭載した電気自動車。
【請求項2】
この電気自動車は、まず蓄電池▲1▼に家庭など外部の電源から走行用の電力を充電し、その電力によって前輪駆動用のモーターを動かし走行を開始する。つづいて、この電気自動車は走行中に後輪のシャフトの回転を電力に変える発電機によって起きた電気を直流に変換して蓄電池▲2▼に蓄える。走行中に蓄電池▲1▼の電力が低下すると、走行中に蓄電池▲2▼に蓄えられた電力を前輪駆動用モーターに供給し、蓄電池▲1▼には後輪の回転によって生じた電力を充電する。このように、この電気自動車は蓄電池▲1▼と蓄電池▲2▼を交互に走行用と蓄電用に用いながら、電力による走行を継続的につづけることが可能である。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−34558(P2012−34558A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−182614(P2010−182614)
【出願日】平成22年7月31日(2010.7.31)
【出願人】(510223508)
【Fターム(参考)】