説明

電気自動車

【課題】バッテリ制御装置を車室外に配置した場合に、このバッテリ制御装置のレイアウトの自由度が高く、かつ、バッテリ制御装置を収納するバッテリ制御装置収納ケースの内圧を確実に調整できる電気自動車を提供すること。
【解決手段】電気自動車1は、バッテリ41と、車室外に配置されてバッテリ41を収納するバッテリボックス42と、車室外に配置されて上方に吸気口512が設けられた配管51を備え、吸気口512から配管51を通してバッテリボックス42内に空気を導入してバッテリ41の温度調整を行なう温度調整装置50と、を備える。また、バッテリ制御装置61、ファン制御装置541、バッテリコンタクタ71、および均等化回路81のうち少なくとも1つの収納ケースから延びてフィルタ91を介して配管51に接続される通気パイプ90をさらに備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車に関する。詳しくは、車両の車室外に、バッテリと、このバッテリを制御する制御装置と、が配置された電気自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車輪を駆動する駆動モータと、この駆動モータに電力を供給するバッテリと、このバッテリを制御する制御装置と、を備えた電気自動車が知られている。
この電気自動車では、車両の車室内のスペースを広く確保するとともに、車両の乗員の安全性を向上させるために、バッテリを車室外に配置することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような電気自動車では、バッテリとともに、このバッテリを制御するバッテリ制御装置も車室外に配置される。
【0003】
特許文献1で提案された電気自動車によれば、バッテリ制御装置をバッテリとともに車室外に配置したので、バッテリとバッテリ制御装置とを接続する接続ハーネスを短く構成できる。その結果、接続ハーネスで発生するノイズを低減できる。
【0004】
ところで、バッテリ制御装置のような電気デバイスを車室外に配置する場合、例えば、この電気デバイス専用の収納ケースに収納して、この電気デバイスに水分が付着するのを防止するとともに、この収納ケースに通気口を設けて、外気温の変化などによる収納ケースの内圧の変動を抑制する。さらに、この通気口に、空気を通すが水分を通さないフィルタを取り付けて、収納ケースの内部に水が浸入するのを防止する。
【特許文献1】特開2004−127747号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、以上の手法では、フィルタの表面に塵埃が付着したり、フィルタに水分が付着したりすると、通気口での空気の流通が妨げられ、電気デバイスの収納ケースの内圧の調整ができなくなる、という問題があった。
【0006】
そこで、車室外の塵埃の少ない位置や車室外の上方に収納ケースを配置したり、収納ケースに通気パイプを接続して、この通気パイプの先端を車室外の上方に配置したりすることが考えられるが、この場合、電気デバイスのレイアウト性が低下する、という問題があった。
【0007】
本発明は、電気デバイスを車室外に配置した場合に、この電気デバイスのレイアウトの自由度が高く、かつ、電気デバイスを収納する収納ケースの内圧を確実に調整できる電気自動車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電気自動車(例えば、後述の燃料電池車両1)は、バッテリ(例えば、後述のバッテリ41)と、車室外に配置されて前記バッテリを収納するバッテリボックス(例えば、後述のバッテリボックス42)と、車室外に配置されて上方に吸気口(例えば、後述の吸気口512)が設けられた配管(例えば、後述の吸気配管51)を備え、当該吸気口から前記配管を通して前記バッテリボックス内に空気を導入して前記バッテリの温度調整を行なう温度調整装置(例えば、後述の温度調整装置50)と、を備えた電気自動車であって、バッテリ制御装置(例えば、後述のバッテリ制御装置61)、ファン制御装置(例えば、後述のファン制御装置541)、バッテリコンタクタ(例えば、後述のバッテリコンタクタ71)、および均等化回路(例えば、後述の均等化回路81)のうち少なくとも1つの収納ケース(例えば、後述のバッテリ制御装置収納ケース62、ファン制御装置収納ケース542、均等化回路収納ケース82およびコンタクタボックス72)から延びてフィルタ(例えば、後述のフィルタ91)を介して前記配管に接続される通気パイプ(例えば、後述の通気パイプ90)をさらに備えることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、バッテリボックス内に空気を導入する配管と、バッテリ制御装置、ファン制御装置、バッテリコンタクタ、および均等化回路といった電気デバイスの収納ケースのうち少なくとも1つとを、フィルタを介して通気パイプで接続した。よって、通気パイプおよび配管を通して、電気デバイスの収納ケースの内部に空気を流通させることができ、電気デバイスの収納ケースの内圧を確実に調整できる。
また、通気パイプを配管に接続したので、上方に位置する配管の吸気口の高さまで、通気パイプを延出させたのと同様の効果が得られる。
また、車室外の下方のような水没しやすい位置に電気デバイスを配置しても、通気パイプおよび配管を通して電気デバイスの収納ケースの内圧を調整できるので、電気デバイスのレイアウトが制限されず、電気デバイスのレイアウトの自由度が向上する。
【0010】
この場合、前記フィルタは、微細多孔質材からなることが好ましい。
【0011】
微細多孔質材は、空気を通過させるが水を通過させない性質を有するものである。そこで、この発明によれば、フィルタを微細多孔質材で形成したので、通気パイプから電気デバイスの収納ケースの内部に水が浸入するのを防止しつつ、空気を流通させることができる。よって、電気デバイスの収納ケースの防水性を向上できる。
【0012】
この場合、前記配管の一部は、外方に向かって突出しており、前記通気パイプは、当該突出した部分(例えば、後述の突出部513、513A)に接続されることが好ましい。
【0013】
この発明によれば、配管の一部を外方に向かって突出させ、通気パイプをこの突出した部分に接続させた。これにより、通気パイプと配管との接続部分は、吸気口からバッテリボックスに向かう空気の流れの障害とならないので、この接続部分が圧力損失とならず、配管内部の空気を効率よく流通させることができる。
【0014】
この場合、前記突出した部分は、前記配管の上側の部分であることが好ましい。
【0015】
塵、埃、水分などの異物が配管の内部に侵入した場合、この異物は、配管の下側に溜まりやすい。
そこで、この発明によれば、配管の上側の部分を外方に向かって突出させた。これにより、配管の内部に異物が侵入しても、この異物がフィルタに付着するのを防止できる。
【0016】
この場合、前記突出した部分は、チャンバ形状であることが好ましい。
【0017】
この発明によれば、突出した部分をチャンバ形状とした。これにより、配管が水没して配管の内部に水が浸入した場合にも、突出した部分には空気溜まりが形成されるので、この水が電気デバイスの収納ケースに到達するのを防止して、電気デバイスの収納ケースの内圧を効果的に調整できる。
【0018】
この場合、前記通気パイプの前記配管に接続される部分は、前記配管の下流側に向かって開口されていることが好ましい。
【0019】
配管の内部では、吸気口からバッテリボックスに向かって空気が流れるので、配管の内部に塵埃や水分が侵入すると、これら塵埃や水分は、空気とともにバッテリボックスに向かって移動する。
そこで、この発明によれば、通気パイプの配管に接続される部分を、配管の下流側に向かって開口させた。よって、配管の内部に侵入した塵埃や水分がフィルタに到達するのを防止でき、フィルタに塵埃や水分が付着するのを効果的に抑制できる。
【0020】
この場合、前記通気パイプは、前記収納ケースのうち2つ以上を経由することが好ましい。
【0021】
この発明によれば、通気パイプを、2つ以上の電気デバイスの収納ケースを経由させたので、これら2つ以上の電気デバイスの収納ケースの内圧を調整できる。
【発明の効果】
【0022】
この発明によれば、バッテリボックス内に空気を導入する配管と、バッテリ制御装置、ファン制御装置、バッテリコンタクタ、および均等化回路といった電気デバイスの収納ケースのうち少なくとも1つと、を、フィルタを介して通気パイプで接続した。よって、通気パイプおよび配管を通して、電気デバイスの収納ケースの内部に空気を流通させることができ、電気デバイスの収納ケースの内圧を確実に調整できる。また、通気パイプを配管に接続したので、上方に位置する配管の吸気口の高さまで、通気パイプを延出させたのと同様の効果が得られる。
また、車室外の下方のような水没しやすい位置に電気デバイスを配置しても、通気パイプおよび配管を通して電気デバイスの収納ケースの内圧を調整できるので、電気デバイスのレイアウトが制限されず、電気デバイスのレイアウトの自由度が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の電気自動車の一実施形態に係る燃料電池車両1の概略構成を示す側面図である。
燃料電池車両1は、燃料電池10と、燃料電池10の後方に配置されるバッテリシステム20と、バッテリシステム20の後方に配置され燃料電池10に供給する水素ガスを貯留する水素タンク30と、を備える。
【0024】
燃料電池10、バッテリシステム20、および水素タンク30は、燃料電池車両1の車室の床となるフロアパネル11の下方、すなわち車室外に設けられる。
また、燃料電池10、バッテリシステム20および水素タンク30は、フロアパネル11の下方に設けられたアンダーカバー12により各々の底部側が覆われている。
【0025】
燃料電池10は、例えば、数十個から数百個のセルが積層されたスタック構造である。各セルは、膜電極構造体(MEA)を一対のセパレータで挟持して構成される。膜電極構造体は、アノード電極(陽極)およびカソード電極(陰極)の2つの電極と、これら電極に挟持された固体高分子電解質膜とで構成される。通常、両電極は、固体高分子電解質膜に接して酸化・還元反応を行う触媒層と、この触媒層に接するガス拡散層とから形成される。
この燃料電池10には、図示しない反応ガス供給装置により、アノード電極(陽極)側に水素タンク30から水素ガスが供給され、カソード電極(陰極)側に酸素を含むエアが供給される。すると、燃料電池10は、電気化学反応により発電する。また、この燃料電池10により発電された電力は、図示しない駆動モータに供給される。
【0026】
図2は、バッテリシステム20の斜視図であり、図3は、バッテリシステム20の平面図である。
バッテリシステム20は、箱状のバッテリユニット40と、このバッテリユニット40の上面に設けられたバッテリ制御ユニット60と、バッテリユニット40の後面に設けられたコンタクタユニット70と、バッテリユニット40の後面にコンタクタユニット70に隣接して設けられた均等化回路ユニット80と、バッテリユニット40の側面から後面に亘って設けられバッテリユニット40の温度を調整する温度調整装置50と、を備える。
【0027】
バッテリユニット40は、バッテリ41と、このバッテリ41を収納する箱状のバッテリボックス42と、を備える。
バッテリ41は、図示しない複数のバッテリセルを備え、燃料電池10で発電した電力や、減速時における図示しない駆動モータからの回生電力などを蓄電する。また、バッテリ41に蓄電された電力は、運転状態に応じて駆動モータに適宜供給される。
【0028】
バッテリ制御ユニット60は、バッテリ制御装置61と、このバッテリ制御装置61を収納する箱状のバッテリ制御装置収納ケース62と、を備える。
バッテリ制御装置61は、バッテリ41の温度や電圧を検出して、このバッテリ41を制御する。これらバッテリ制御装置61とバッテリ41とは、図示しない接続ハーネスで接続される。
【0029】
コンタクタユニット70は、バッテリコンタクタ71と、このバッテリコンタクタ71を収納する箱状のコンタクタボックス72と、を備える。
バッテリコンタクタ71は、バッテリ41と、図示しない駆動モータや補機類などの電気負荷とを電気的に接続および遮断する。
【0030】
均等化回路ユニット80は、均等化回路81と、この均等化回路81を収納する箱状の均等化回路収納ケース82と、を備える。
均等化回路81は、例えば、バッテリ41を放電させて、このバッテリ41を構成する複数のバッテリセルそれぞれの電池容量のバラつきを解消する。
【0031】
温度調整装置50は、バッテリユニット40の側面から延出しバッテリユニット40の上方に至る吸気配管51と、バッテリユニット40の側面から後方に向かって延びる排気配管52と、この排気配管52の内部に配置されたバッテリファン53と、この排気配管52の側面に設けられたファン制御ユニット54と、を備える。
【0032】
吸気配管51は、バッテリユニット40の後面に設けられて上方に延びる吸気チャンバ511と、バッテリユニット40の両側面から延びてこの吸気チャンバ511に接続される吸気配管本体510A、510Bと、を備える。
吸気チャンバ511の上端側には、後方に向かって開口した吸気口512が形成されている。この吸気口512は、バッテリ制御ユニット60よりも上方に位置する。
【0033】
バッテリファン53は、吸気配管51を通してバッテリボックス42内に空気を導入するとともに、排気配管52を通してバッテリボックス42内に導入された空気を排気する。
【0034】
ファン制御ユニット54は、ファン制御装置541と、このファン制御装置541を収納するファン制御装置収納ケース542と、を備える。
ファン制御装置541は、バッテリ41の温度に応じて、バッテリファン53を制御する。
【0035】
また、以上のバッテリ制御ユニット60のバッテリ制御装置収納ケース62、ファン制御ユニット54のファン制御装置収納ケース542、コンタクタユニット70のコンタクタボックス72、均等化回路ユニット80の均等化回路収納ケース82、および温度調整装置50の吸気配管51は、通気パイプ90で接続されている。すなわち、通気パイプ90は、バッテリ制御装置収納ケース62から延びてファン制御装置収納ケース542、コンタクタボックス72、および均等化回路収納ケース82を経由して、フィルタ91を介して吸気配管51に接続される。
【0036】
図4および図5は、吸気配管51と通気パイプ90との接続部分を示す斜視図および断面図である。
吸気配管51の吸気配管本体510Aには、この吸気配管本体510Aの一部が外方に向かって突出して突出部513が形成されている。具体的には、突出部513は、吸気配管本体510Aの上側が突出して形成され、吸気チャンバ511側からバッテリユニット40側に向かうに従って突出量が小さくなる形状である。
【0037】
この突出部513の吸気チャンバ511側の側面には、通気パイプ90がフィルタ91を介して接続される。これにより、通気パイプ90の先端は、バッテリユニット40側に向かって開口することになる。
【0038】
具体的には、通気パイプ90の先端には、継手516が取り付けられており、この継手516を突出部513にねじ止めすることで、通気パイプ90は、突出部513に接続される。
継手516は、基端側が通気パイプ90に接続されかつ先端側に凹部が形成された筒状の継手本体514と、先端側にフィルタ91が取り付けられてこの継手本体514の凹部に嵌合された筒状の治具515と、を備える。
フィルタ91は、空気を通過させるが水を通過させない性質を有する微細多孔質材から形成される。
【0039】
以上の温度調整装置50は、例えば、以下のように動作する。
バッテリ41の温度が上昇すると、ファン制御装置541は、このバッテリ41の温度上昇を検知し、バッテリファン53を駆動させる。すると、図3中矢印で示すように、吸気配管51の吸気口512から吸気チャンバ511に空気が導入され、この導入された空気は、2つに分かれて、吸気配管本体510A、510Bを通って、バッテリボックス42内に到達する。その後、このバッテリボックス42内に到達した空気は、排気配管52を通して外部に排出される。このようにして、バッテリ41が冷却される。
【0040】
また、通気パイプ90および吸気配管51に空気が流通して、バッテリ制御装置収納ケース62、ファン制御装置収納ケース542、コンタクタボックス72、および均等化回路収納ケース82のそれぞれの内圧が調整される。
【0041】
本実施形態の燃料電池車両1によれば、以下の効果を奏する。
(1)バッテリボックス42内に空気を導入する吸気配管51と、バッテリ制御装置収納ケース62とを、フィルタ91を介して通気パイプ90で接続したので、通気パイプ90および吸気配管51を通して、バッテリ制御装置収納ケース62の内部に空気を流通させることができ、バッテリ制御装置収納ケース62の内圧を確実に調整できる。
【0042】
(2)通気パイプ90を吸気配管51に接続したので、バッテリ制御装置61よりも上方に位置する吸気配管51の吸気口512の高さまで、通気パイプ90を延出させたのと同様の効果が得られる。
【0043】
(3)車室外の下方のような水没しやすい位置にバッテリ制御装置61を配置しても、通気パイプ90および吸気配管51を通してバッテリ制御装置収納ケース62の内圧を調整できるので、バッテリ制御装置61のレイアウトが制限されず、バッテリ制御装置61のレイアウトの自由度が向上する。
【0044】
(4)フィルタ91を微細多孔質材で形成したので、通気パイプ90からバッテリ制御装置収納ケース62の内部に水が浸入するのを防止しつつ、空気を流通させることができる。よって、バッテリ制御装置収納ケース62の防水性を向上できる。
【0045】
(5)吸気配管51の一部を外方に向かって突出させて突出部513を形成し、通気パイプ90をこの突出部513に接続させた。これにより、通気パイプ90と吸気配管51との接続部分は、吸気口512からバッテリボックス42に向かう空気の流れの障害とならないので、この接続部分が圧力損失とならず、吸気配管51内部の空気を効率よく流通させることができる。
【0046】
(6)塵、埃、水分などの異物が吸気配管51の内部に侵入した場合、この異物は、吸気配管51の下側に溜まりやすい。よって、突出部513を、吸気配管51の上側の部分を外方に向かって突出させて形成したので、吸気配管51の内部に異物が侵入しても、この異物がフィルタ91に付着するのを防止できる。
【0047】
(7)吸気配管51の内部では、吸気口512からバッテリボックス42に向かって空気が流れるので、吸気配管51の内部に塵埃や水分が侵入すると、これら塵埃や水分は、空気とともにバッテリボックス42に向かって移動する。よって、通気パイプ90の吸気配管51に接続される部分を、吸気配管51の下流側に向かって開口させたので、吸気配管51の内部に侵入した塵埃や水分がフィルタ91に到達するのを防止でき、フィルタ91に塵埃や水分が付着するのを効果的に抑制できる。
【0048】
(8)温度調整装置50を、バッテリファン53、ファン制御装置541、およびファン制御装置収納ケース542を含んで構成し、通気パイプ90を、このファン制御装置収納ケース542を経由させたので、通気パイプ90により、ファン制御装置収納ケース542の内圧も調整できる。
【0049】
(9)バッテリコンタクタ71およびコンタクタボックス72を設け、通気パイプ90を、コンタクタボックス72を経由させたので、通気パイプ90により、コンタクタボックス72の内圧も調整できる。
【0050】
(10)均等化回路81および均等化回路収納ケース82を設け、通気パイプ90を、均等化回路収納ケース82を経由させたので、通気パイプ90により、均等化回路収納ケース82の内圧も調整できる。
【0051】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
【0052】
例えば、本実施形態では、突出部513を、吸気チャンバ511側からバッテリユニット40側に向かうに従って突出量が小さくなる形状としたが、これに限らない。すなわち、図6に示すように、突出部513Aを、箱状のチャンバ517と、このチャンバ517と吸気配管本体510Aとを接続する通気配管518と、で構成する。そして、通気配管518の内径をチャンバ517の内径よりも小さくして、突出部513Aをチャンバ形状としてもよい。
【0053】
このようにすれば、上述の(1)〜(10)の効果に加えて、以下のような効果がある。
(11)突出した部分をチャンバ形状としたので、吸気配管51が水没してこの吸気配管51の内部に水が浸入した場合にも、突出部513Aには、空気溜まりが形成される。よって、吸気配管51の内部に浸入した水がバッテリ制御装置収納ケース62に到達するのを防止して、バッテリ制御装置収納ケース62の内圧を効果的に調整できる。
【0054】
また、本実施形態では、バッテリ制御装置収納ケース62、ファン制御装置収納ケース542、均等化回路収納ケース82およびコンタクタボックス72の全てに対して、通気配管518を接続したが、これに限らない。すなわち、これら収納ケースおよびコンタクタボックスのうちの任意のものに対してのみ、通気配管を接続してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の電気自動車の一実施形態に係る燃料電池車両の概略構成を示す側面図である。
【図2】前記実施形態に係るバッテリシステムを示す斜視図である。
【図3】前記実施形態に係るバッテリシステムを示す平面図である。
【図4】前記実施形態に係る吸気配管と通気パイプとの接続部分を示す斜視図である。
【図5】前記実施形態に係る吸気配管と通気パイプとの接続部分を示す断面図である。
【図6】前記実施形態の変形例の吸気配管と通気パイプとの接続部分を示す断面図である。
【符号の説明】
【0056】
1 燃料電池車両(電気自動車)
10 燃料電池
20 バッテリシステム
41 バッテリ
42 バッテリボックス
50 温度調整装置
51 吸気配管(配管)
53 バッテリファン
61 バッテリ制御装置
62 バッテリ制御装置収納ケース
71 バッテリコンタクタ
72 コンタクタボックス
81 均等化回路
82 均等化回路収納ケース
90 通気パイプ
91 フィルタ
512 吸気口
513 突出部(突出した部分)
541 ファン制御装置
542 ファン制御装置収納ケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリと、
車室外に配置されて前記バッテリを収納するバッテリボックスと、
車室外に配置されて上方に吸気口が設けられた配管を備え、当該吸気口から前記配管を通して前記バッテリボックス内に空気を導入して前記バッテリの温度調整を行なう温度調整装置と、を備えた電気自動車であって、
バッテリ制御装置、ファン制御装置、バッテリコンタクタ、および均等化回路のうち少なくとも1つの収納ケースから延びてフィルタを介して前記配管に接続される通気パイプをさらに備えることを特徴とする電気自動車。
【請求項2】
前記フィルタは、微細多孔質材からなることを特徴とする請求項1に記載の電気自動車。
【請求項3】
前記配管の一部は、外方に向かって突出しており、
前記通気パイプは、当該突出した部分に接続される請求項1または2に記載の電気自動車。
【請求項4】
前記突出した部分は、前記配管の上側の部分であることを特徴とする請求項3に記載の電気自動車。
【請求項5】
前記突出した部分は、チャンバ形状であることを特徴とする請求項3または4に記載の電気自動車。
【請求項6】
前記通気パイプの前記配管に接続される部分は、前記配管の下流側に向かって開口されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電気自動車。
【請求項7】
前記通気パイプは、前記収納ケースのうち2つ以上を経由することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の電気自動車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−274656(P2009−274656A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−129574(P2008−129574)
【出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】