説明

電池セルのコネクタ及び電池モジュール

【課題】電極端子の接続作業が容易で且つ上記電極端子への接続力を確保できて安定した電気伝導性が得られる電池セルのコネクタを提供する。
【解決手段】本発明の電池セルのコネクタ100は、二つの架設部111及びこれらを接続する接続部112を有する第1部材110と、一対の挟持部121a及びこれらを接続する接続部122とを有する第2部材120とを備え、電池セル200の電極端子210、220に上記第1部材を装着してから上記第2部材を上記第1部材に嵌めると、上記対になった挟持部により上記二つの架設部が横方向の内側へ押されて弾性変形し、二つの電極端子収容空間が上記横方向に狭まるように構成した。本発明の電池モジュールMは、上記コネクタと上記電池セルとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二つの電池セルを接続するコネクタと、電池セルが接続されてなる電池モジュールの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電池セル10〜19を直列接続するためのセル接続バー4が開示されている。これらセル接続バー4の両端に設けられた接続孔は互いに隣接する負極端子101と正極端子103の螺子穴に位置合わせされており、ボルト5をこれら接続孔を貫通して各負極端子101や正極端子103の螺子穴に螺入することにより、セル接続バー4は負極端子101や正極端子103に固定されている(符号は上記特許文献1から引用)。
【0003】
特許文献2には、隣り合う正極端子17と負極端子21とがブスバー29によって接続されることによって直列接続されたリチウム二次電池3が開示されている。上記ブスバー29には、略矩形状をした板状体である本体31と、本体31に形成された一対の接触部33と、本体31に形成された一対のスリット35と、本体31に形成された一対のネジ穴37と、締結ボルト39とが備えられている(符号は上記特許文献2から引用)。
【0004】
特許文献3には、隣り合う電池セル20の電極端子21を接続するジョイント端子10が開示されている。上記ジョイント端子10は、上記電極端子21にそれぞれ接続される一対の接続部11A,11Bを有し、上記各接続部11A,11Bは、上記電極端子21に対する接続方向の略直交方向における両端のうち少なくとも一方が互いに連結された一対の対向壁12を有し、この一対の対向壁12は、間に差し込まれた上記電極端子21と弾性的に接触するように設定されている(符号は上記特許文献3から引用)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−237617号公報
【特許文献2】特開2009−277393号公報
【特許文献3】特開2010−123391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に開示された上記セル接続バー4を上記負極端子101及び上記正極端子103に接続するには上記ボルト5を上記負極端子101及び上記正極端子103の上記螺子穴にネジ込まなければならない。また、特許文献2に開示された上記ブスバー29で隣り合う上記正極端子17と上記負極端子21とを接続するには上記締結ボルト39を締め込まなければならない。いずれの場合も、このように上記ボルト締め付け作業を要するので、上記電極端子の接続作業に工数がかかるという問題がある。上記電池セルの数が多くなると、その分、上記ボルト締め付け作業に要する工数が多くなってくる。しかも、ボルト締め付け力の管理が充分でなくこれがバラついたときには、電気伝導性が安定せず、ボルトが外れる可能性もある。
【0007】
上記特許文献3に開示された上記ジョイント端子10は、上記各接続部11A,11Bの一対の上記対向壁間に上記電極端子21をそれぞれ差し入れるようにして上記ジョイント端子10を上記電池セル側に押し込むと、上記対向壁12が上記電極端子21を弾性的に挟み込んだ状態になる。したがって、上記したようなボルト締め付け作業を行うことなく、上記ジョイント端子10を上記電極端子21に接続することができるので、その分だけ上記電極端子21の接続作業にかかる工数を減らすことができる。しかしながら、上記押し込み力を軽くしようとすれば上記ジョイント端子10の上記電極端子21への接続力が充分でなくなり、電気伝導性が安定しない。逆に、充分な上記接続力を得ようとすると上記押し込み力が過大になって上記電極端子の接続作業が困難になる。
【0008】
本発明は、このような点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、第1部材と第2部材とを備え、上記したような電池セルの電極端子に第1部材を簡単に装着してから上記第2部材を上記第1部材に嵌めれば上記電極端子への接続力が確保されるように構成することにより、上記電極端子の接続作業が容易で且つ上記電極端子への接続力を確保できて安定した電気伝導性が得られる電池セルのコネクタと、それを用いた電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第1の電池セルのコネクタは、
互いに直交する縦方向、横方向、及び厚さ方向をとったときに、
それぞれ上記縦方向に延びて上記横方向に対向する導電性で且つ弾性を有する二つの架設部と、上記二つの架設部を、上記横方向に離すと共に上記二つの架設部の間に上記厚さ方向に延びる柱状の二つの電極端子収容空間が上記縦方向に所定長さ離れて形成されるように接続する接続部とを有する第1部材と、
上記横方向に対向する少なくとも一対の挟持部と、上記対になった挟持部を、上記縦方向に沿った各部位において当該対になった挟持部の上記横方向の間隔が無負荷時における上記二つの架設部の上記横方向の外寸よりも小さくなるように接続する接続部とを有する第2部材とを備え、
上記第2部材を上記第1部材に上記対になった挟持部が上記二つの架設部の上記横方向両外側にそれぞれ位置するように嵌めると、上記対になった挟持部により上記二つの架設部が上記横方向の内側へ押されて弾性変形し、上記二つの電極端子収容空間が上記横方向に狭まるように構成している。
【0010】
端面から互いに平行となる方向へそれぞれ突出して設けられた柱状の異極一対の電極端子を有する二つの電池セルが隣り合って並べられている場合、上記第1部材を上記二つの電池セルに、一方の電極端子収容空間に一方の上記電池セルの上記電極端子が収まり、他方の電極端子収容空間に他方の上記電池セルにおけるそれとは異極の上記電極端子が収まるように装着する。次いで、上記第2部材を上記第1部材に嵌めると、上記対になった挟持部により上記二つの架設部が上記横方向の内側へ押されて弾性変形し、上記二つの電極端子収容空間が上記横方向に狭まる。そうすると、上記二つの架設部がそれぞれ上記二つの電池セルの上記二つの電極端子に接触圧力をもって接触する。その結果、上記電池セルのコネクタの上記二つの電極端子への接続力が得られる。そして、上記第2部材を上記第1部材から上記対になった挟持部が上記二つの架設部の上記横方向両外側から離れるように外すと、上記二つの架設部が上記横方向の外側へ復原し、上記接触圧力が減り、上記第1部材を上記二つの電池セルから取り外すことが可能となる。
【0011】
本発明の第2の電池セルのコネクタは、上記第1の電池セルのコネクタにおいて、
上記各電極端子収容空間は、端面から互いに平行となる方向へそれぞれ突出して設けられた柱状の異極一対の電極端子を有して隣り合って並べられた二つの電池セルの上記各電極端子が占める空間よりも上記厚さ方向からみて大きく形成されており、
上記所定長さは、一方の上記電池セルの上記電極端子と、他方の上記電池セルにおけるそれとは異極の上記電極端子との距離に相当している。
【0012】
このようにすれば、上記第1部材を上記二つの電池セルに装着する場合、上記二つの電極端子収容空間に上記二つの電極端子が収まりやすい。
【0013】
本発明の第3の電池セルのコネクタは、上記第1又は第2の電池セルのコネクタにおいて、
上記第2部材の上記縦方向の一端が上記第1部材の上記縦方向の一端に、上記横方向に延びる回動軸を介して回動自在に設けられている。
【0014】
このようにすれば、上記第2部材を回動することにより、上記第2部材を上記第1部材に嵌めることができ、また上記第2部材を上記第1部材から外すことができる。また、上記第2部材を上記回動軸を介して上記第1部材に連結したときには、上記第1部材と上記第2部材とが分離しないので、管理しやすくなる。
【0015】
本発明の第4の電池セルのコネクタは、上記第1ないし第3のうちいずれか一つの電池セルのコネクタにおいて、
上記対になった挟持部の上記厚さ方向における上記二つの架設部との嵌合側に設けられて上記厚さ方向の先端に向かって上記横方向の内寸が大きくなる案内部と、上記二つの架設部の上記厚さ方向における上記対になった挟持部との嵌合側に設けられて上記厚さ方向の先端に向かって上記横方向の外寸が小さくなる案内部とのうち、少なくとも一方を備えている。
【0016】
このようにすれば、上記第2部材を上記第1部材に嵌める場合、上記案内部の案内により上記二つの架設部の上記横方向両外側に上記対になった挟持部が導入されやすくなる。
【0017】
本発明の第5の電池セルのコネクタは、上記第1ないし第4のうちいずれか一つの電池セルのコネクタにおいて、
上記第1部材の上記接続部が、上記各架設部に対して少なくとも上記第1部材の上記縦方向における両端部で接続していてこれらの両端部の間に上記二つの電極端子収容空間が形成されており、
一方の上記架設部における一方の上記電極端子収容空間と当該電極端子収容空間に近い方の上記端部にある上記接続部との間が分割されて当該電極端子収容空間の側に自由端が形成され、
他方の上記架設部における他方の上記電極端子収容空間と当該電極端子収容空間に近い方の上記端部にある上記接続部との間が分割されて当該電極端子収容空間の側に自由端が形成され、
上記各自由端と当該各自由端が対向する上記架設部との間に、弾性変形した上記各自由端が収容される変形許容空間が形成されている。
【0018】
このようにすれば、上記架設部の上記自由端が当該架設部と対向する上記架設部に向かって変位すると、上記自由端が上記電極端子に巻き付くように接触するので、上記厚さ方向からみて上記架設部の上記電極端子との接触長さが長くなり、上記架設部と上記電極端子との接触面積が広くなる。
【0019】
本発明の第6の電池セルのコネクタは、上記第1ないし第5のうちいずれか一つの電池セルのコネクタにおいて、
上記第2部材の上記縦方向の端部に、上記第2部材が上記第1部材に嵌まったときに上記第1部材よりも上記縦方向に突出する突起が設けられている。
【0020】
このようにすれば、上記突起を持って上記第2部材を上記第1部材に嵌める操作と、上記突起を持って上記第2部材を上記第1部材から外す操作とが可能となる。
【0021】
本発明の第7の電池セルのコネクタは、上記第1ないし第6のうちいずれか一つの電池セルのコネクタにおいて、
上記第2部材が上記第1部材に嵌まったときに上記第2部材を第1部材に係止する係止機構が設けられている。
【0022】
このようにすれば、係止機構の係止により上記第1部材が上記第2部材から外れにくくなる。
【0023】
本発明の第8の電池セルのコネクタは、上記第7の電池セルのコネクタにおいて、
上記係止機構が、上記第2部材が上記第1部材に嵌まったときに上記架設部及び上記挟持部の上記横方向に対向する部位のうち一方に設けられた凸部と、他方に設けられて上記凸部が嵌合可能な凹部とを備えている。
【0024】
このようにすれば、上記凸部と上記凹部との嵌合により上記係止が行われる。
【0025】
本発明の第9の電池セルのコネクタは、上記第7の電池セルのコネクタにおいて、
上記係止機構が、上記第2部材が上記第1部材に嵌まったときに上記架設部と上記挟持部との対向する部位にそれぞれ上記横方向に貫通して設けられた貫通孔と、これらの貫通孔に嵌入するピンとを備えている。
【0026】
このようにすれば、上記貫通孔に上記ピンを通すことにより上記係止が行われる。
【0027】
本発明の第10の電池セルのコネクタは、上記第7の電池セルのコネクタにおいて、
上記係止機構が、両端が上記対になった挟持部の外側で上記横方向に向いた回動軸を介して上記対になった挟持部にそれぞれ連結され、央部が上記対になった挟持部の上記厚さ方向における上記架設部との嵌合側とは反対側に位置する待避位置と上記央部が上記架設部の上記縦方向の端部に掛かるロック位置との間を回動自在になるように設けられたU字形のロック部材を備えている。
【0028】
このようにすれば、上記ロック部材を上記待避位置から上記ロック位置に回動することにより上記ロック部材が上記第1部材に掛かり、上記係止が行われる。
【0029】
本発明の第11の電池セルのコネクタは、上記第7の電池セルのコネクタにおいて、
上記係止機構が、上記二つの架設部の上記縦方向の一端において上記横方向の外面にそれぞれ凹んで形成された凹部と、上記第2部材が上記第1部材に嵌まったときの上記対になった挟持部における上記凹部に対応する部位から周縁に至るまでそれぞれ設けられた上記横方向に貫通する貫通孔と、上記貫通孔の幅に収まる厚さに形成されると共に、両端に、上記横方向の内側へ突出して上記凹部に嵌入可能な突出部がそれぞれ設けられた弾性を有するU字状の係止部材とを備えている。
【0030】
このようにすれば、上記第2部材が上記第1部材に嵌まったときに上記係止部材を上記貫通孔に上記挟持部の周縁側から上記凹部に対応する部位へ嵌入してゆくと上記突出部が上記凹部に嵌入し、これによって上記係止が行われる。
【0031】
本発明の電池モジュールは、
上記第1ないし第11のうちいずれか一つの上記電池セルのコネクタと、
上記端面から互いに平行となる方向へそれぞれ突出して設けられた柱状の異極一対の電極端子を有して隣り合って並べられた二つの上記電池セルとを備え、
上記所定長さは、一方の上記電池セルの上記電極端子と、他方の上記電池セルにおけるそれとは異極の上記電極端子との距離に相当し、
上記第2部材が上記第1部材に上記対になった挟持部が上記二つの架設部の上記横方向両外側にそれぞれ位置するように嵌まり、上記対になった挟持部により上記二つの架設部が上記横方向の内側へ押されて弾性変形しており、上記二つの電極端子収容空間が上記横方向に狭まり、上記二つの架設部がそれぞれ一方の上記電池セルの上記電極端子と他方の上記電池セルにおけるそれとは異極の上記電極端子とに接触圧をもって接触している。
【発明の効果】
【0032】
本発明の第1の電池セルのコネクタは、上記二つの電池セルの上記電極端子に上記第1部材を簡単に装着してから上記第2部材を上記第1部材に嵌めれば上記二つの電極端子への接続力が確保されるように構成したので、上記二つの電極端子の接続作業を容易に行えて作業性を向上させることができると共に、上記二つの電極端子への接続力を確保できて安定した電気伝導性を得ることができる。また、本発明の電池モジュールによっても、これと同様の効果を得ることができる。
【0033】
本発明の上記第2の電池セルのコネクタは、上記第1の電池セルのコネクタにより得られる効果が得られることに加え、さらに、上記第1部材を上記二つの電池セルに装着する作業の作業性を向上させることができる。
【0034】
本発明の上記第3の電池セルのコネクタは、上記第1又は第2の電池セルのコネクタにより得られる効果が得られることに加え、さらに、上記第2部材を上記第1部材に嵌める作業、及び上記第2部材を上記第1部材から外す作業の作業性を向上させることができる。また、上記第2部材を上記横方向に延びる上記回動軸を介して上記第1部材に連結したときには、上記電池セルのコネクタの管理を容易にすることができる。
【0035】
本発明の上記第4の電池セルのコネクタは、上記第1ないし第3のうちいずれか一つの電池セルのコネクタにより得られる効果が得られることに加え、さらに、上記第2部材を上記第1部材に嵌める作業の作業性を向上させることができる。
【0036】
本発明の上記第5の電池セルのコネクタは、上記第1ないし第4のうちいずれか一つの電池セルのコネクタにより得られる効果が得られることに加え、さらに、上記電極端子との接触面積が広くなって更に安定した電気伝導性を得ると共に上記電極端子への接続力を向上させることが可能となる。
【0037】
本発明の上記第6の電池セルのコネクタは、上記第1ないし第5のうちいずれか一つの電池セルのコネクタにより得られる効果が得られることに加え、さらに、上記第2部材を上記第1部材に嵌める作業、及び上記第2部材を上記第1部材から外す作業の作業性を向上させることができる。
【0038】
本発明の上記第7ないし第11の電池セルのコネクタは、上記第1ないし第6のうちいずれか一つの電池セルのコネクタにより得られる効果が得られることに加え、さらに、上記第1部材に嵌まった上記第2部材を上記第1部材から外れにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態の電池モジュールを示す斜視図である。コネクタの第1部材を二つの電池セルに装着しようとしている。
【図2】図2は、上記コネクタの第1部材を上記二つの電池セルに装着したときを示す上記コネクタ及び上記二つの電池セルを示す斜視図である。
【図3】図3は、上記図2の状態にある上記コネクタ及び上記二つの電池セルを横方向からみて示した側面図である。
【図4】図4は、上記図3のIV−IV線における断面図である。この図は本発明の第5ないし第8の実施形態のコネクタ及び二つの電池セルの断面図も表している。
【図5】図5は、上記コネクタの上記第2部材を第1部材に嵌めたときを示す上記コネクタ及び上記二つの電池セルを示す斜視図である。
【図6】図6は、上記図5の状態にある上記コネクタ及び上記二つの電池セルを横方向からみて示した側面図である。
【図7】図7は、上記図6のVII−VII線における断面図である。この図は本発明の第5ないし第8の実施形態のコネクタ及び二つの電池セルの断面図も表している。
【図8】図8は、上記図5の状態にある上記コネクタ及び上記二つの電池セルを厚さ方向からみて示した平面図である。上記第2部材を省略している。上記第1部材を示す線のうち、仮想線で描いたのは上記第1部材が無負荷のときを示し、実線で描いたのは上記第2部材を上記第1部材に嵌めたときの上記第1部材を示す。この図は本発明の第5ないし第8の実施形態のコネクタ及び二つの電池セルも表している。
【図9】図9は、本発明の第2の実施形態の電池モジュールを示す斜視図である。コネクタの第1部材を上記二つの電池セルに装着しようとしている。
【図10】図10は、上記第2の実施形態の上記コネクタの上記第1部材を上記二つの電池セルに装着したときを示す上記コネクタ及び上記二つの電池セルを示す斜視図である。
【図11】図11は、上記図10の状態にある上記コネクタ及び上記二つの電池セルを横方向からみて示した側面図である。
【図12】図12は、上記図11のXII−XII線における断面図である。
【図13】図13は、上記第2の実施形態の上記コネクタの上記第2部材を第1部材に嵌めたときを示す上記コネクタ及び上記二つの電池セルを示す斜視図である。
【図14】図14は、上記図13の状態にある上記コネクタ及び上記二つの電池セルを横方向からみて示した側面図である。
【図15】図15は、上記図14のXV−XV線における断面図である。
【図16】図16は、本発明の第3の実施形態の電池モジュールを示す斜視図である。コネクタの第1部材を上記二つの電池セルに装着しようとしている。
【図17】図17は、上記第3の実施形態の上記コネクタの上記第1部材を上記二つの電池セルに装着したときを示す上記コネクタ及び上記二つの電池セルを示す斜視図である。
【図18】図18は、上記第3の実施形態の上記コネクタの上記第2部材を第1部材に嵌めたときを示す上記コネクタ及び上記二つの電池セルを示す斜視図である。
【図19】図19は、上記図18の状態にある上記コネクタ及び上記二つの電池セルを厚さ方向からみて示した平面図である。上記第2部材を省略している。上記第1部材を示す線のうち、仮想線で描いたのは上記第1部材が無負荷のときを示し、実線で描いたのは上記第2部材を上記第1部材に嵌めたときの上記第1部材を示す。
【図20】図20は、本発明の第4の実施形態の電池モジュールを示す斜視図である。コネクタの第1部材を上記二つの電池セルに装着しようとしている。
【図21】図21は、上記第4の実施形態の上記コネクタの上記第1部材を上記二つの電池セルに装着したときを示す上記コネクタ及び上記二つの電池セルを示す斜視図である。
【図22】図22は、上記第4の実施形態の上記コネクタの上記第2部材を第1部材に嵌めたときを示す上記コネクタ及び上記二つの電池セルを示す斜視図である。
【図23】図23は、本発明の第5の実施形態の電池モジュールを示す斜視図である。コネクタの第2部材を第1部材に嵌めたときを示している。
【図24】図24は、本発明の第6の実施形態の電池モジュールを示す斜視図である。コネクタの第1部材を上記二つの電池セルに装着したときを示している。
【図25】図25は、上記第6の実施形態の上記コネクタの上記第2部材を第1部材に嵌め、さらに係止機構による係止を行ったときを示す上記コネクタ及び上記二つの電池セルを示す斜視図である。
【図26】図26は、本発明の第7の実施形態の電池モジュールを示す斜視図である。コネクタの第1部材を上記二つの電池セルに装着したときを示している。
【図27】図27は、上記第7の実施形態の上記コネクタの上記第2部材を第1部材に嵌め、さらに係止機構による係止を行ったときを示す上記コネクタ及び上記二つの電池セルを示す斜視図である。
【図28】図28は、本発明の第8の実施形態の電池モジュールを示す斜視図である。コネクタの第1部材を上記二つの電池セルに装着したときを示している。
【図29】図29は、上記第8の実施形態の上記コネクタの上記第2部材を第1部材に嵌め、さらに係止機構による係止を行ったときを示す上記コネクタ及び上記二つの電池セルを示す斜視図である。
【図30】図30は、上記第1、及び第4ないし第8の実施形態の対象となる上記二つの電池セルを示す斜視図である。この二つの電池セルは上記第2、及び第3の実施形態の対象にすることもできる。
【図31】図31は、上記第2、及び第3の実施形態の対象となる上記二つの電池セルを示す斜視図である。
【図32】図32は、第1の実施形態における変形例を示す図7に相当する図である。
【図33】図33は、第1の実施形態における別の変形例を示す図7に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1ないし図8は、本発明の電池セルのコネクタ及び電池モジュールの第1の実施形態を示す。この電池モジュールMは、コネクタ100と、二つの電池セル200とを備えている。この実施形態の場合、上記電池モジュールMが備える上記電池セル200の数は二つである。しかし、例えば多数の上記電池セルが一列に並べられ、これらが本発明の上記コネクタを複数用いて直列接続されてなる電池モジュールの場合、そのなかの任意の隣り合う上記二つの電池セルとこれらを接続する上記コネクタとに着目すれば、これらは上記実施形態の電池モジュールMと同様の構成を備えている。この実施形態の上記電池モジュールMは、電気自動車に搭載され、上記電気自動車を駆動するためのモーターに制御系を介して接続されて、上記モーターへ電流を供給するように構成されている。しかし、本発明の上記コネクタ及び上記電池モジュールは、電力を必要とする装置に広く用いられる。したがって、ハイブリッド自動車、又は内燃機関を用いた自動車などは勿論のこと、例えば船舶、航空機若しくはその他の輸送機械など、又は例えば送風装置、冷却装置若しくはその他の電気装置などに搭載されるものも対象となる。
【0041】
上記電池セル200について説明する。以下、互いに直交する縦方向、横方向、及び厚さ方向をとり、これらの方向付けを利用して説明する。この実施形態の場合、図1に縦方向X、横方向Y、及び厚さ方向Zを示した。図8で説明すれば、この図の左右方向が上記縦方向Xである。また、この図の上下方向が上記横方向Yである。さらに、この図の紙面に垂直な方向が上記厚さ方向Zである。図30に示すように、上記二つの電池セル200は、上記縦方向に沿って隣り合って並べられている。上記電池セル200は、異極一対の電極端子210、220を有している。上記異極一対の電極端子とは、プラスの上記電極端子210とマイナスの上記電極端子220である。上記電池セル200は、上記縦方向、上記横方向、及び上記厚さ方向のそれぞれに沿って延びる辺を有する直方体の形状に形成されており、その上記厚さ方向の一方側の端面に柱状の上記プラスの電極端子210と柱状の上記マイナスの電極端子220とが上記厚さ方向に向かって突出して設けられている。上記二つの電池セル200は、上記各電池セル200における上記プラスの電極端子210と上記マイナスの電極端子220とが上記横方向に並ぶと共に、隣り合う上記二つの電池セル200のうち一方の上記電池セル200の上記プラスの電極端子210と他方の電池セル200の上記マイナスの電極端子220とが上記縦方向に並ぶように配置されている。
【0042】
上記コネクタ100は、第1部材110と、第2部材120とを備えている。上記第1部材110は、二つの架設部111と、この二つの架設部111を接続する接続部112とを備えている。上記二つの架設部111と上記接続部112とは一枚の無酸素銅の板をプレス成形することにより一体的に形成されているが、上記二つの架設部及び上記接続部の材料は例えば錫メッキ軟銅、硬銅、若しくはその他の金属、又はその他の導電性材料で形成されていてもよい。上記二つの架設部と上記接続部とを別々に形成してからそれらを接続してもよい。上記二つの架設部と上記接続部とを異なる材料で形成してこれらを接続してもよい。その場合、少なくとも上記二つの架設部が導電性で且つ弾性を有する材料で形成されておればよく、上記架設部を形成する材料は限定解釈されない。上記二つの架設部111は、それぞれ上記縦方向に延びていて、互いに上記横方向に対向している。上記二つの架設部111の上記厚さ方向の寸法は、上記二つの電極端子210、220の上記電池セル200の端面から突出する長さよりも若干短くなっているが、この突出長とほぼ同じ長さであってもよいし、それを超える長さであってもよい。上記二つの架設部111は、上記横方向に向いた板により形成されているが、上記二つの架設部は、例えば断面が丸形、四角形、又は多角形の棒状に形成されていてもよい。
【0043】
上記接続部112は、上記厚さ方向に向いた板により形成されているが、上記接続部は、例えば断面が丸形、四角形、又は多角形の棒状に形成されていてもよい。上記接続部112は、その上記横方向の両端縁が上記二つの架設部111の上記厚さ方向の一方の端縁にそれぞれ接続されているが、例えば上記接続部の上記両端縁が上記二つの架設部の上記厚さ方向の他端又は中途部にそれぞれ接続されていてもよい。上記接続部112は、上記二つの架設部111を、上記横方向に離すと共に上記二つの架設部111の間に上記厚さ方向に延びる柱状の二つの電極端子収容空間113、114が上記縦方向に所定長さ離れて形成されるように接続している。この所定長さは、上記厚さ方向にみたときの上記二つの電極端子収容空間113、114の中心同士の距離である。上記接続部112は、上記第1部材110の上記縦方向における両端部と中途部とに設けられていて、これらの接続部112の間に上記二つの電極端子収容空間113、114が形成されている。上記接続部は上記第1部材における上記二つの電極端子収容空間よりも上記縦方向の端部側と上記二つの電極端子収容空間の間のうち少なくとも一つの部位に設けられておればよく、また各部位に設けられる上記接続部の数はいくつでもよい。上記各電極端子収容空間113、114は、上記二つの電池セル200の上記各電極端子210、220が占める空間よりも上記厚さ方向からみて大きく形成されている。上記所定長さは、一方の上記電池セル200の上記電極端子210又は220と、他方の上記電池セル200におけるそれとは異極の上記電極端子220又は210との距離に相当している。この距離は、上記厚さ方向にみたときの一方の上記電池セル200の上記電極端子210又は220の中心と、他方の上記電池セル200におけるそれとは異極の上記電極端子220又は210の中心との距離である。上記二つの電極端子収容空間113、114は、それぞれ上記第1部材110を上記厚さ方向に貫通している。上記異極一対の電極端子210、220は上記厚さ方向に延びる中心軸を有する円柱状に形成されているので、上記二つの電極端子収容空間113、114も、これに対応して上記厚さ方向に延びる中心軸を有する円柱状に形成されている。そのため、上記各架設部111には、上記横方向の外側に向かって円弧状に突出する二つの空間形成部111aが上記縦方向に所定長さ離れてそれぞれ形成されている。この実施形態の場合、上記空間形成部111aは上記架設部111を曲げることで形成されているが、上記架設部の上記横方向の内側を凹状に形成することにより上記空間形成部を形成してもよい。上記異極一対の電極端子が上記厚さ方向に延びる中心軸を有する角柱状又はその他の柱状に形成されているときには、上記二つの電極端子収容空間も、これに対応して上記厚さ方向に延びる中心軸を有する角柱状又はその他の柱状に形成される。
【0044】
上記第2部材120は、少なくとも一対の挟持部121aと、上記対になった挟持部121aを接続する接続部122とを備えている。上記対になった挟持部121aと上記接続部122とは一枚のステンレス鋼の板をプレス成形することにより一体的に形成されているが、上記対になった挟持部及び上記接続部の材料は例えば圧延鋼板、若しくはその他の金属などの導電性材料、セラミックス、又はその他の絶縁性材料で形成されていてもよい。上記対になった挟持部と上記接続部とを別々に形成してからそれらを接続してもよい。上記対になった挟持部と上記接続部とを異なる材料で形成してこれらを接続してもよい。上記対になった挟持部121aは、互いに上記横方向に対向している。この実施形態の場合、複数対の上記挟持部121aを設けており、上記各対になった挟持部121aが互いに上記横方向に対向している。これに代えて、一対だけ上記挟持部を設け、上記対になった挟持部を互いに上記横方向に対向させてもよい。上記接続部122は、その上記横方向の両端縁が上記対になった挟持部121aの上記厚さ方向の一端にそれぞれ接続されているが、例えば上記接続部の上記両端縁が上記対になった挟持部の上記厚さ方向の他端又は中途部にそれぞれ接続されていてもよい。上記接続部122は、上記対になった挟持部121aを、上記縦方向に沿った各部位において当該対になった挟持部121aの上記横方向の間隔が無負荷時における上記二つの架設部111の上記横方向の外寸よりも小さくなるように接続している。上記二つの架設部111の上記横方向の外寸は、上記二つの架設部111の上記横方向の外面同士の間の上記横方向に沿った寸法である。ここで、上記縦方向に沿った各部位としたのは、上記第2部材120を上記第1部材110に嵌めたときに、上記第1部材110及び上記第2部材120の上記縦方向に沿った各部位において、上記対になった挟持部121aの上記横方向の間隔と、無負荷時における上記二つの架設部111の上記横方向の外寸とを比較する意味である。この実施形態の場合、上記接続部122の上記横方向の両端から上記横方向に向いた側板121が上記厚さ方向に沿ってそれぞれ延びていて、これらの側板121が上記横方向に対向している。そして、上記二つの側板121における対向する部位に、上記厚さ方向に延びる分割線121bがそれぞれ形成されている。これらの対向する分割線121bは、上記縦方向に沿って間隔をあけて複数が形成されている。これらの分割線121bは、各側板121の上記厚さ方向の自由端から上記厚さ方向に沿って上記接続部122にまでは到達しない長さでもってそれぞれ形成されている。上記各側板121において隣り合う二本の上記分割線121bの間に切片が形成され、この切片が上記厚さ方向の先端に向かうにつれて上記横方向の内側へ向かうように曲げられている。二つの上記側板121に形成された上記横方向に対向する二つの上記切片により、上記対になった挟持部121aが形成されている。上記対になった挟持部121aは、上記第2部材120を上記第1部材110に上記対になった挟持部121aが上記二つの架設部111の上記横方向両外側にそれぞれ位置するように嵌めたときに、上記縦方向において上記電極端子収容空間113、114から外れた位置に設けられており、この実施形態では上記縦方向において上記電極端子収容空間113、114の両側に設けられている。しかし、上記挟持部を上記縦方向において上記電極端子収容空間に対応する位置に設けてもよい。以下、上記第2部材を上記第1部材に嵌めるとしたときには、上記第2部材を上記第1部材に上記対になった挟持部が上記二つの架設部の上記横方向両外側にそれぞれ位置するように嵌めることを意味する。これに代えて、上記側板そのものを挟持部にしてもよい。その場合、側板を上記厚さ方向の先端に向かうにつれて上記横方向の内側へ向かうように曲げてもよい。いずれの場合も、上記縦方向に沿った各部位において上記対になった挟持部の上記横方向の間隔が無負荷時における上記二つの架設部の上記横方向の外寸よりも小さくなっておればよい。上記対になった挟持部121aは、上記横方向に向いた板により形成されているが、上記二つの挟持部は、例えば断面が丸形、四角形、又は多角形の棒状に形成されていてもよい。
【0045】
そして、図1ないし図4に示す状態と図5ないし図8に示す状態とでわかるように、上記第2部材120を上記第1部材110に上記対になった挟持部121aが上記二つの架設部111の上記横方向両外側にそれぞれ位置するように嵌めると、上記対になった挟持部121aにより上記二つの架設部111が上記横方向の内側へ押されて弾性変形し、上記二つの電極端子収容空間113、114が上記横方向に狭まるように構成している。また、図5ないし図8に示すように、上記電池モジュールMにおいては、上記第2部材120が上記第1部材110に上記対になった挟持部121aが上記二つの架設部111の上記横方向両外側にそれぞれ位置するように嵌まり、上記対になった挟持部121aにより上記二つの架設部111が上記横方向の内側へ押されて弾性変形しており、上記二つの電極端子収容空間113、114が上記横方向に狭まり、上記二つの架設部111がそれぞれ一方の上記電池セル200の上記電極端子210又は220と他方の上記電池セル200におけるそれとは異極の上記電極端子220又は210とに接触圧をもって接触している。
【0046】
上記第2部材120の上記縦方向の一端は上記第1部材110の上記縦方向の一端に、上記横方向に延びる回動軸130を介して回動自在に設けられている。すなわち、上記二つの側板121の上記縦方向の一端が上記二つの架設部111の一端における上記横方向両外側に位置しており、これらに上記横方向に貫通孔があけられ、これらの貫通孔に上記回動軸130が回動可能に挿入されていて、上記第2部材120が上記第1部材110に対して上記回動軸130を中心に回動自在になっている。そして、上記二つの側板121の上記縦方向の他端が上記二つの架設部111からほぼ上記厚さ方向に離れた状態から、これらが接近するように上記第2部材120を回動すると、上記第2部材120が上記第1部材110に嵌まり、上記二つの架設部111の上記横方向両外側に上記対になった挟持部121aがそれぞれ位置する。そこから逆向きに上記第2部材120を回動すると、上記第2部材120が上記第1部材110から外れる。以下、上記第2部材を上記第1部材から外すとしたときには、上記第2部材を上記第1部材から上記対になった挟持部が上記二つの架設部の上記横方向両外側から離れるように外すことを意味する。この実施形態の場合、上記第2部材の上記縦方向の一端が上記第1部材の上記縦方向の一端に、上記横方向に延びる回動軸を介して回動自在に設けられているので、上記第2部材120を上記第1部材110に嵌める方向も上記第2部材120を上記第1部材110から外す方向もほぼ厚さ方向であるが、上記第1部材と上記第2部材とが連結されていないときには、上記第2部材を上記第1部材に嵌める方向、又は上記第2部材を上記第1部材から外す方向が、例えば上記縦方向、又はその他の方向になることがある。
【0047】
上記対になった挟持部121aの上記厚さ方向における上記二つの架設部111との嵌合側には、上記厚さ方向の先端に向かって上記横方向の内寸が大きくなる案内部121cが設けられている。上記対になった挟持部121aの上記横方向の内寸は、上記対になった挟持部121aの上記横方向の内面同士の間の上記横方向に沿った寸法である。上記特定部材との嵌合側は、上記特定部材と嵌まる側である。図32に示すように、上記案内部121cに代えて、上記二つの架設部111の上記厚さ方向における上記対になった挟持部121aとの嵌合側に、上記厚さ方向の先端に向かって上記横方向の外寸が小さくなる案内部111cを設けてもよい。上記二つの架設部111の上記横方向の外寸は、上記二つの架設部111の上記横方向の外面同士の間の上記横方向に沿った寸法である。図33に示すように、上記コネクタ100に、これら両方の案内部121c、111cを設けてもよい。さらに、上記第2部材を上記第1部材に嵌める方向、又は上記第2部材を上記第1部材から外す方向が、例えば上記縦方向であるときには、上記対になった挟持部の上記縦方向における上記二つの架設部との嵌合側に、上記縦方向の先端に向かって上記横方向の内寸が大きくなる案内部を設けてもよい。さらに、その案内部に代えて、上記二つの架設部の上記縦方向における上記対になった挟持部との嵌合側に、上記縦方向の先端に向かって上記横方向の外寸が小さくなる案内部を設けてもよいし、これら両方の案内部を設けてもよい。
【0048】
図8に示すように、先に説明したように、上記第1部材110の上記接続部112が、上記第1部材110の上記縦方向における両端部と中途部とに設けられていて、これらの接続部112の間に上記二つの電極端子収容空間113、114が形成されている。すなわち、上記第1部材110の上記縦方向における一端部に設けられた上記接続部112と上記第1部材110の上記縦方向における中途部に設けられた上記接続部112との間に一方の上記電極端子収容空間113が形成されており、上記第1部材110の上記縦方向における中途部に設けられた上記接続部112と上記第1部材110の上記縦方向における他端部に設けられた上記接続部112との間に他方の上記電極端子収容空間114が形成されている。上記第1部材の上記接続部を、上記第1部材の上記縦方向における両端部に設けると共に中途部には設けず、これらの接続部の間に上記二つの電極端子収容空間を形成する変形例もある。したがって、上記第1部材110の上記接続部112が、上記各架設部111に対して少なくとも上記第1部材110の上記縦方向における両端部で接続していてこれらの両端部の間に上記二つの電極端子収容空間113、114が形成されている。そして、一方の上記架設部111における一方の上記電極端子収容空間113と当該電極端子収容空間113に近い方の上記端部にある上記接続部112との間が分割されて当該電極端子収容空間113の側に自由端111bが形成されている。また、他方の上記架設部111における他方の上記電極端子収容空間114と当該電極端子収容空間114に近い方の上記端部にある上記接続部112との間が分割されて当該電極端子収容空間114の側に自由端111bが形成されている。さらに、上記各自由端111bと当該各自由端111bが対向する上記架設部111との間に、弾性変形した上記各自由端111bが収容される変形許容空間115が形成されている。また、上記第1の電極端子収容空間113と上記第2の電極端子収容空間114との間にある上記接続部112の上記縦方向の各端部には、当該各端部と、それに近い方の上記自由端111bが属する上記架設部111との接続する部分が上記縦方向に短くなるように上記縦方向に沿って当該自由端111bから遠ざかる方向へスリット116が形成されており、これによって当該自由端111bの長さが長くなるようにしている。しかし、本発明は、このようなスリットを設けない実施形態を含んでいる。
【0049】
上記コネクタ100には、上記第2部材120が上記第1部材110に嵌まったときに上記第2部材120を第1部材110に係止する係止機構140が設けられている。この係止機構140は、凸部141と、凹部142とを備えている。上記第2部材120が上記第1部材110に嵌まったときに上記架設部111及び上記挟持部121aには上記横方向に対向する部位がある。このうち、上記二つの架設部111の上記横方向外側にある上記部位に、上記横方向の内側に凹む上記凹部142が形成されている。また、上記対になった挟持部121aの上記横方向内側にある上記部位に、上記横方向の内側に突き出た上記凸部141が形成されている。そして、上記第2部材120が上記第1部材110に嵌まったときに上記凸部141が上記凹部142に嵌合するように構成されている。これとは逆に、上記二つの架設部の上記横方向外側にある上記部位に、上記横方向の外側に突き出た凸部を形成すると共に、上記対になった挟持部121aの上記横方向内側にある上記部位に、上記横方向の外側に凹む凹部を形成し、上記第2部材120が上記第1部材110に嵌まったときに上記凸部が上記凹部に嵌合するように構成してもよい。ここでは、上記縦方向の端部において上記架設部111と上記挟持部121aとに上記凹部142及び上記凸部141を設けたが、上記縦方向の他の部位における上記架設部と上記挟持部とに上記凹部及び上記凸部を設けてもよい。
【0050】
したがって、上記第1の実施形態の電池セルのコネクタは、上記端面から互いに平行となる方向へそれぞれ突出して設けられた柱状の異極一対の上記電極端子210、220を有する二つの上記電池セル200が隣り合って並べられている場合、上記第1部材110を上記二つの電池セル200に、一方の上記電極端子収容空間113に一方の上記電池セル200の上記電極端子210又は220が収まり、他方の上記電極端子収容空間114に他方の上記電池セル200におけるそれとは異極の上記電極端子220又は210が収まるように装着する。次いで、上記第2部材120を上記第1部材110に嵌めると、上記対になった挟持部121aにより上記二つの架設部111が上記横方向の内側へ押されて弾性変形し、上記二つの電極端子収容空間113、114が上記横方向に狭まる。そうすると、上記二つの架設部111がそれぞれ上記二つの電池セル200の上記二つの電極端子210、220に接触圧力をもって接触する。その結果、上記電池セルのコネクタ100の上記二つの電極端子210、220への接続力が得られる。そして、上記第2部材120を上記第1部材110から外すと、上記二つの架設部111が上記横方向の外側へ復原し、上記接触圧力が減り、上記第1部材110を上記二つの電池セル200から取り外すことが可能となる。このように上記二つの電池セル200の上記電極端子210、220に上記第1部材110を簡単に装着してから上記第2部材120を上記第1部材110に嵌めれば上記二つの電極端子210、220への接続力が確保されるように構成したので、上記二つの電極端子210、220の接続作業を容易に行えて作業性を向上させることができると共に、上記二つの電極端子210、220への接続力を確保できて安定した電気伝導性を得ることができる。また、上記電池モジュールMによっても、これと同様の効果を得ることができる。
【0051】
本発明の上記電池セルのコネクタは、上記各電極端子収容空間は、隣り合って並べられた上記二つの電池セルの上記各電極端子が占める空間と上記厚さ方向からみて同じ大きさに形成されていてもよい。しかし、上記第1の実施形態の上記電池セルのコネクタ100の場合、上記各電極端子収容空間113、114を、端面から互いに平行となる方向へそれぞれ突出して設けられた柱状の異極一対の電極端子210、220を有して隣り合って並べられた二つの電池セルの上記各電極端子210、220が占める空間よりも上記厚さ方向からみて大きく形成しており、上記所定長さを、一方の上記電池セル200の上記電極端子210又は220と、他方の上記電池セル200におけるそれとは異極の上記電極端子220又は210との距離に相当する長さにした。このようにすれば、上記第1部材110を上記二つの電池セルに装着する場合、上記二つの電極端子収容空間113、114に上記二つの電極端子210、220が収まりやすい。その結果、さらに、上記第1部材110を上記二つの電池セル200に装着する作業の作業性を向上させることができる。
【0052】
本発明の上記電池セルのコネクタは、上記第1部材と上記第2部材とが例えばワイヤー、リンク機構又はその他の連結手段を介して連結されていてもよい。その場合、上記連結手段による連結を解除できるように設けていてもよい。また、上記第1部材と上記第2部材とが連結されずにそれぞれ独立していてもよい。そのような種々の実施形態のなかで、上記第1の実施形態の上記電池セルのコネクタ100の場合、上記第2部材120の上記縦方向の一端を上記第1部材110の上記縦方向の一端に、上記横方向に延びる回動軸130を介して回動自在に設けた。このようにすれば、上記第2部材120を回動することにより、上記第2部材120を上記第1部材110に嵌めることができ、また上記第2部材120を上記第1部材110から外すことができる。また、上記第2部材120を上記回動軸130を介して上記第1部材110に連結したときには、上記第1部材110と上記第2部材120とが分離しないので、管理しやすくなる。その結果、さらに、上記第2部材120を上記第1部材110に嵌める作業の作業性を向上させることができる。また、上記第2部材120を上記横方向に延びる上記回動軸130を介して上記第1部材110に連結したときには、上記電池セルのコネクタの管理を容易にすることができる。
【0053】
本発明の上記電池セルのコネクタは、上記対になった挟持部の上記厚さ方向における上記二つの架設部との嵌合側の端縁、及び上記二つの架設部の上記厚さ方向における上記対になった挟持部との嵌合側の端縁が、上記厚さ方向に延びるように形成された実施形態を含んでいる。そのような種々の実施形態のなかで、上記第1の実施形態の上記電池セルのコネクタ100の場合、上記コネクタ100は、上記対になった挟持部121aの上記厚さ方向における上記二つの架設部111との嵌合側に設けられて上記厚さ方向の先端に向かって上記横方向の内寸が大きくなる案内部121cを備えている。また、変形例の上記電池セルのコネクタ100は、上記二つの架設部111の上記厚さ方向における上記対になった挟持部121aとの嵌合側に設けられて上記厚さ方向の先端に向かって上記横方向の外寸が小さくなる案内部111cを備えている。さらに、別の変形例の上記電池セルのコネクタ100は、これら両方の案内部121c、111cを備えている。このようにすれば、上記第2部材120を上記第1部材110に嵌める場合、上記案内部121cの案内により上記二つの架設部111の上記横方向両外側に上記対になった挟持部121aが導入されやすくなる。その結果、さらに、上記第2部材120を上記第1部材110に嵌める作業の作業性を向上させることができる。
【0054】
本発明の上記電池セルのコネクタは、上記第1部材における上記接続部を一連に設けてもよい。また、上記第1の実施形態及び後述する他の実施形態によって上記第1部材における上記接続部の上記縦方向に沿った長さが限定解釈されることはなく、その長さを上記二つの架設部と同等の長さにしてもよいし、上記二つの架設部よりも短くてもよいし、長くてもよい。そのような種々の実施形態のなかで、上記第1の実施形態の上記電池セルのコネクタ100の場合、上記第1部材110の上記接続部112を、上記第1部材110の上記縦方向における上記両端部と上記中途部とに設けてこれらの接続部112の間に上記二つの電極端子収容空間113、114を形成し、一方の上記架設部111における一方の上記電極端子収容空間113と当該電極端子収容空間113に近い方の上記端部にある上記接続部112との間を分割して当該電極端子収容空間113の側に上記自由端111bを形成し、他方の上記架設部111における他方の上記電極端子収容空間114と当該電極端子収容空間114に近い方の上記端部にある上記接続部112との間を分割して当該電極端子収容空間114の側に上記自由端111bを形成し、上記各自由端111bと当該各自由端111bが対向する上記架設部111との間に、弾性変形した上記各自由端111bが収容される上記変形許容空間115を形成した。このようにすれば、上記架設部111の上記自由端111bが当該架設部111と対向する上記架設部111に向かって変位すると、上記自由端111bが上記電極端子210、220に巻き付くように接触するので、上記厚さ方向からみて上記架設部111の上記電極端子210、220との接触長さが長くなり、上記架設部111と上記電極端子210、220との接触面積が広くなる。その結果、さらに、上記電極端子210、220との接触面積が広くなって更に安定した電気伝導性を得ると共に上記電極端子210、220への接続力を向上させることが可能となる。
【0055】
本発明の上記電池セルのコネクタは、上記係止機構を設けずに上記架設部と上記挟持部との間に作用する接触圧力によって上記第1部材と上記第2部材とを結合するようにしてもよい。そのような種々の実施形態のなかで、上記第1の実施形態の上記電池セルのコネクタ100の場合、上記コネクタ100に、上記第2部材120が上記第1部材110に嵌まったときに上記第2部材120を第1部材110に係止する係止機構140を設けた。このようにすれば、係止機構140の係止により上記第1部材110が上記第2部材120から外れにくくなる。その結果、さらに、上記第1部材110に嵌まった上記第2部材120を上記第1部材110から外れにくくすることができる。
【0056】
本発明の上記電池セルのコネクタに上記係止機構を設ける場合、上記第1の実施形態及び後述する他の実施形態によって上記係止機構が限定解釈されることはない。そのような種々の実施形態のなかで、上記第1の実施形態の上記電池セルのコネクタ100の場合、上記係止機構140が、上記第2部材120が上記第1部材110に嵌まったときに上記架設部111及び上記挟持部121aの上記横方向に対向する部位のうち一方に設けられた凸部141と、他方に設けられて上記凸部141が嵌合可能な凹部142とを備えている。これによって上記係止機構140の一つの態様を示すことができた。
【0057】
以下、本発明の上記電池セルのコネクタ及び上記電池モジュールの他の実施形態を説明する。これらの実施形態の上記電池セルのコネクタ100及び上記電池モジュールMの構成として上記第1の実施形態及びその変形例の上記電池セルのコネクタ100及び上記電池モジュールMの構成をそのまま引用し、第1の実施形態及びその変形例の構成と異なる構成について追加的に説明する。
【0058】
図9ないし図15は、本発明の上記電池セルのコネクタ及び上記電池モジュールの第2の実施形態を示す。上記第1の実施形態と同様に、この電池モジュールMは、コネクタ100と、二つの電池セル200とを備えている。
【0059】
図31に示すように、上記第1の実施形態と同様に、上記二つの電池セル200は、上記縦方向に沿って隣り合って並べられている。上記電池セル200は、異極一対の電極端子210、220を有している。上記電池セル200の上記厚さ方向の一方側の端面に柱状の上記プラスの電極端子210と柱状の上記マイナスの電極端子220とが上記厚さ方向に向かって突出して設けられている。上記二つの電池セル200は、上記各電池セル200における上記プラスの電極端子210と上記マイナスの電極端子220とが上記横方向に並ぶと共に、隣り合う上記二つの電池セル200のうち一方の上記電池セル200の上記プラスの電極端子210と他方の電池セル200の上記マイナスの電極端子220とが上記縦方向に並ぶように配置されている。上記第1の実施形態の上記電極端子210、220と異なることであるが、この実施形態の上記電極端子210、220の場合、上記電極端子210、220の上記厚さ方向の先端部211、221が、その周縁を外側に張り出した形状になっている。この実施形態の場合、上記電極端子210、220は上記厚さ方向に延びる中心軸を有する円柱状に形成されているので、上記厚さ方向の先端部211、221は他の部位よりも上記厚さ方向にみて直径が大きくなっていて円盤状に形成されている。この実施形態の電池セル200の上記電極端子210、220を、上記第1実施形態の電池セル200の上記電極端子210、220のように上記張り出しが無くて周壁に凹凸のない平滑な形状のものにしてもよい。
【0060】
上記第1の実施形態と同様に、上記コネクタ100は、第1部材110と、第2部材120とを備えている。上記第1部材110は、二つの架設部111と、この二つの架設部111を接続する接続部112とを備えている。上記二つの架設部111と上記接続部112とは一枚の無酸素銅の板をプレス成形することにより一体的に形成されているが、上記二つの架設部及び上記接続部の材料は例えば錫メッキ軟銅、硬銅、若しくはその他の金属、又はその他の導電性材料で形成されていてもよい。上記二つの架設部と上記接続部とを別々に形成してからそれらを接続してもよい。上記二つの架設部と上記接続部とを異なる材料で形成してこれらを接続してもよい。その場合、少なくとも上記二つの架設部が導電性で且つ弾性を有する材料で形成されておればよく、上記架設部を形成する材料は限定解釈されない。上記二つの架設部111は、それぞれ上記縦方向に延びていて、互いに上記横方向に対向している。上記二つの架設部111の上記厚さ方向の寸法は、上記二つの電極端子210、220の上記電池セル200の端面から突出する長さよりも若干短くなっているが、この突出長とほぼ同じ長さであってもよいし、それを超える長さであってもよい。上記二つの架設部111は、上記横方向に向いた板により形成されているが、上記二つの架設部は、例えば断面が丸形、四角形、又は多角形の棒状に形成されていてもよい。
【0061】
上記接続部112は、上記厚さ方向に向いた第1板112aと、この第1板112aの上記横方向の両端縁から折り返されて上記第1板112aに上記厚さ方向の一方側から重なる二枚の第2板112bとを備えている。上記接続部112では、上記二枚の第2板112bの上記横方向の内側の端縁同士がほぼ対向するように配置されている。この二つの端縁が上記二つの架設部111の上記厚さ方向の一方の端縁にそれぞれ接続されているが、例えば上記二枚の第2板の上記二つの端縁が上記二つの架設部の上記厚さ方向の他端又は中途部にそれぞれ接続されていてもよい。上記接続部112は、上記二つの架設部111を、上記横方向に離すと共に上記二つの架設部111の間に上記厚さ方向に延びる柱状の二つの電極端子収容空間113、114が上記縦方向に所定長さ離れて形成されるように接続している。この所定長さは、上記厚さ方向にみたときの上記二つの電極端子収容空間113、114の中心同士の距離である。上記接続部112の上記第1板112aには、上記厚さ方向からみて上記二つの電極端子収容空間113、114と重なる部位に上記二つの電極端子収容空間113、114と同じ形状をして上記第1板112aを貫通する貫通孔112cが設けられている。上記各電極端子収容空間113、114は、上記二つの電池セル200の上記各電極端子210、220が占める空間よりも上記厚さ方向からみて大きく形成されている。上記所定長さは、一方の上記電池セル200の上記電極端子210又は220と、他方の上記電池セル200におけるそれとは異極の上記電極端子220又は210との距離に相当している。この距離は、上記厚さ方向にみたときの一方の上記電池セル200の上記電極端子210又は220の中心と、他方の上記電池セル200におけるそれとは異極の上記電極端子220又は210の中心との距離である。上記二つの電極端子収容空間113、114は、上記第1部材110の上記厚さ方向の一方側の外部空間へ連通している。また、上記二つの電極端子収容空間113、114は、それぞれ上記貫通孔112cを介して上記第1部材110の上記厚さ方向の他方側、つまり上記電極端子210、220が入ってくる側の外部空間へ連通している。上記異極一対の電極端子210、220は上記厚さ方向に延びる中心軸を有する円柱状に形成されているので、上記二つの電極端子収容空間113、114も、これに対応して上記厚さ方向に延びる中心軸を有する円柱状に形成されており、上記貫通孔112cも、これに対応して円形に形成されている。そのため、上記各架設部111には、上記横方向の外側に向かって円弧状に突出する二つの空間形成部111aが上記縦方向に所定長さ離れてそれぞれ形成されている。この実施形態の場合、上記空間形成部111aは上記架設部111を曲げることで形成されているが、上記架設部の上記横方向の内側を凹状に形成することにより上記空間形成部を形成してもよい。上記異極一対の電極端子が上記厚さ方向に延びる中心軸を有する角柱状又はその他の柱状に形成されているときには、上記二つの電極端子収容空間も、これに対応して上記厚さ方向に延びる中心軸を有する角柱状又はその他の柱状に形成される。
【0062】
上記第2部材120は、少なくとも一対の挟持部121aと、上記対になった挟持部121aを接続する接続部122とを備えている。上記対になった挟持部121aと上記接続部122とは一枚のステンレス鋼の板をプレス成形することにより一体的に形成されているが、上記対になった挟持部及び上記接続部の材料は例えば圧延鋼板、若しくはその他の金属などの導電性材料、セラミックス、又はその他の絶縁性材料で形成されていてもよい。上記対になった挟持部と上記接続部とを別々に形成してからそれらを接続してもよい。上記対になった挟持部と上記接続部とを異なる材料で形成してこれらを接続してもよい。上記対になった挟持部121aは、互いに上記横方向に対向している。この実施形態の場合、上記挟持部121aを一対だけ設けており、上記対になった挟持部121aが互いに上記横方向に対向している。これに代えて、複数対の挟持部を設け、上記各対になった挟持部を互いに上記横方向に対向させてもよい。上記接続部122は、その上記横方向の両端縁が上記対になった挟持部121aの上記厚さ方向の一端にそれぞれ接続されているが、例えば上記接続部の上記両端縁が上記対になった挟持部の上記厚さ方向の他端又は中途部にそれぞれ接続されていてもよい。上記接続部122は、上記対になった挟持部121aを、上記縦方向に沿った各部位において当該対になった挟持部121aの上記横方向の間隔が無負荷時における上記二つの架設部111の上記横方向の外寸よりも小さくなるように接続している。ここで、上記縦方向に沿った各部位としたのは、上記第2部材120を上記第1部材110に嵌めたときに、上記第1部材110及び上記第2部材120の上記縦方向に沿った各部位において、上記対になった挟持部121aの上記横方向の間隔と、無負荷時における上記二つの架設部111の上記横方向の外寸とを比較する意味である。この実施形態の場合、上記接続部122の上記横方向の両端から上記横方向に向いた側板が上記厚さ方向に沿ってそれぞれ延びており、この側板が板状の上記挟持部121aになっており、これらの挟持部121aが上記横方向に対向している。これに代えて、上記第1の実施形態で採用したように、上記側板から複数の上記挟持部を形成してもよい。すなわち、上記二つの側板における対向する部位に、上記厚さ方向に延びる分割線をそれぞれ形成する。これらの対向する分割線は、上記縦方向に沿って間隔をあけて複数が形成される。これらの分割線は、各側板の上記厚さ方向の自由端から上記厚さ方向に沿って上記接続部にまでは到達しない長さでもってそれぞれ形成される。上記各側板において隣り合う二本の上記分割線の間に切片が形成され、この切片が上記厚さ方向の先端に向かうにつれて上記横方向の内側へ向かうように曲げられる。二つの上記側板に形成された上記横方向に対向する二つの上記切片により、上記対になった挟持部が形成される。上記対になった挟持部は、上記第2部材を上記第1部材に上記対になった挟持部121aが上記二つの架設部111の上記横方向両外側にそれぞれ位置するように嵌めたときに、上記縦方向において上記電極端子収容空間から外れた位置に設けられ、例えば上記縦方向において上記電極端子収容空間の両側に設けられる。しかし、上記挟持部を上記縦方向において上記電極端子収容空間に対応する位置に設けてもよい。上記対になった挟持部121aは、上記横方向に向いた板により形成されているが、上記二つの挟持部は、例えば断面が丸形、四角形、又は多角形の棒状に形成されていてもよい。
【0063】
そして、図9ないし図12に示す状態と図13ないし図15に示す状態とでわかるように、上記第2部材120を上記第1部材110に上記対になった挟持部121aが上記二つの架設部111の上記横方向両外側にそれぞれ位置するように嵌めると、上記対になった挟持部121aにより上記二つの架設部111が上記横方向の内側へ押されて弾性変形し、上記二つの電極端子収容空間113、114が上記横方向に狭まるように構成している。また、図13ないし図15に示すように、上記電池モジュールMにおいては、上記第2部材120が上記第1部材110に上記対になった挟持部121aが上記二つの架設部111の上記横方向両外側にそれぞれ位置するように嵌まり、上記対になった挟持部121aにより上記二つの架設部111が上記横方向の内側へ押されて弾性変形しており、上記二つの電極端子収容空間113、114が上記横方向に狭まり、上記二つの架設部111がそれぞれ一方の上記電池セル200の上記電極端子210又は220と他方の上記電池セル200におけるそれとは異極の上記電極端子220又は210とに接触圧をもって接触している。
【0064】
上記第2部材120の上記縦方向の一端は上記第1部材110の上記縦方向の一端に、上記横方向に延びる回動軸130を介して回動自在に設けられている。すなわち、上記二つの側板121の上記縦方向の一端が上記二つの架設部111の一端における上記横方向両外側に位置しており、これらに上記横方向に貫通孔があけられ、これらの貫通孔に上記回動軸130が回動可能に挿入されていて、上記第2部材120が上記第1部材110に対して上記回動軸130を中心に回動自在になっている。そして、上記二つの側板121の上記縦方向の他端が上記二つの架設部111からほぼ上記厚さ方向に離れた状態から、これらが接近するように上記第2部材120を回動すると、上記第2部材120が上記第1部材110に嵌まり、上記二つの架設部111の上記横方向両外側に上記対になった挟持部121aがそれぞれ位置する。そこから逆向きに上記第2部材120を回動すると、上記第2部材120が上記第1部材110から外れる。
【0065】
図12及び図15に示すように、上記二つの架設部111の上記厚さ方向における上記対になった挟持部121aとの嵌合側に、上記厚さ方向の先端に向かって上記横方向の外寸が小さくなる案内部111cが設けられている。上記第1の実施形態で説明したように、上記案内部111cに代えて、上記対になった挟持部121aの上記厚さ方向における上記二つの架設部111との嵌合側に、上記厚さ方向の先端に向かって上記横方向の内寸が大きくなる案内部121cを設けてもよい。また、上記コネクタ100に、これら両方の案内部121c、111cを設けてもよい。
【0066】
この実施形態のコネクタ100の場合、上記自由端及び上記変形許容空間は設けておらず、また上記係止機構も設けていないが、上記係止機構を設けてもよい。この係止機構は、先に説明したように、上記第2部材が上記第1部材に嵌まったときに上記第2部材を第1部材に係止する機構である。例えば、上記第2部材が上記第1部材に嵌まったときに上記架設部及び上記挟持部には上記横方向に対向する部位があるが、そのうち一方に凸部を設け、他方に上記凸部が嵌合可能な凹部を備えることである。
【0067】
この実施形態の上記電池セルのコネクタ100及び上記電池モジュールMからは、上記各自由端により得られる作用及び効果、並びに上記係止機構により得られる作用及び効果を除いて、上記第1の実施形態の上記電池セルのコネクタ100及び上記電池モジュールMの場合と同様の作用及び効果を得ることができるが、さらに、次の作用及び効果を得ることができる。この実施形態の上記電極端子210、220の場合、上記電極端子210、220の上記厚さ方向の先端部211、221が、その周縁を外側に張り出した形状になっているので、上記架設部111が上記先端部211、221と上記電池セル200の上記端面との間で上記電極端子210、220に接触圧力をもって接触する。そして、上記架設部111が上記厚さ方向に沿って上記電池セル200の上記端面から離れる方向へ移動しようとしても上記先端部211、221に引っ掛かって移動できないので、上記コネクタ100が上記電極端子210、220から外れることを防止することができる。このような先端部を上記第1実施形態の電極端子に設けたときにも、これと同様の作用及び効果を得ることができる。この実施形態の電池セル200の上記電極端子210、220を、上記第1実施形態の電池セル200の上記電極端子210、220のように上記張り出しが無くて周壁に凹凸のない平滑な形状のものにしたときは、上記第1部材の上記電極端子への装着を楽に行うことができる。
【0068】
図16ないし図19は、本発明の上記電池セルのコネクタ及び上記電池モジュールの第3の実施形態を示す。上記第1の実施形態と同様に、この電池モジュールMは、コネクタ100と、二つの電池セル200とを備えている。
【0069】
図31に示すように、上記第1の実施形態と同様に、上記二つの電池セル200は、上記縦方向に沿って隣り合って並べられている。上記電池セル200は、異極一対の電極端子210、220を有している。上記電池セル200の上記厚さ方向の一方側の端面に柱状の上記プラスの電極端子210と柱状の上記マイナスの電極端子220とが上記厚さ方向に向かって突出して設けられている。上記二つの電池セル200は、上記各電池セル200における上記プラスの電極端子210と上記マイナスの電極端子220とが上記横方向に並ぶと共に、隣り合う上記二つの電池セル200のうち一方の上記電池セル200の上記プラスの電極端子210と他方の電池セル200の上記マイナスの電極端子220とが上記縦方向に並ぶように配置されている。上記第1の実施形態の上記電極端子210、220と異なることであるが、この実施形態の上記電極端子210、220の場合、上記電極端子210、220の上記厚さ方向の先端部211、221が、その周縁を外側に張り出した形状になっている。この実施形態の場合、上記電極端子210、220は上記厚さ方向に延びる中心軸を有する円柱状に形成されているので、上記厚さ方向の先端部211、221は他の部位よりも上記厚さ方向にみて直径が大きくなっていて円盤状に形成されている。この実施形態の電池セル200の上記電極端子210、220を、上記第1実施形態の電池セル200の上記電極端子210、220のように上記張り出しが無くて周壁に凹凸のない平滑な形状のものにしてもよい。
【0070】
上記第1の実施形態と同様に、上記コネクタ100は、第1部材110と、第2部材120とを備えている。上記第1部材110は、二つの架設部111と、この二つの架設部111を接続する接続部112とを備えている。上記二つの架設部111と上記接続部112とは一枚の無酸素銅の板をプレス成形することにより一体的に形成されているが、上記二つの架設部及び上記接続部の材料は例えば錫メッキ軟銅、硬銅、若しくはその他の金属、又はその他の導電性材料で形成されていてもよい。上記二つの架設部と上記接続部とを別々に形成してからそれらを接続してもよい。上記二つの架設部と上記接続部とを異なる材料で形成してこれらを接続してもよい。その場合、少なくとも上記二つの架設部が導電性で且つ弾性を有する材料で形成されておればよく、上記架設部を形成する材料は限定解釈されない。上記二つの架設部111は、それぞれ上記縦方向に延びていて、互いに上記横方向に対向している。上記二つの架設部111の上記厚さ方向の寸法は、上記二つの電極端子210、220の上記電池セル200の端面から突出する長さよりも若干短くなっているが、この突出長とほぼ同じ長さであってもよいし、それを超える長さであってもよい。上記二つの架設部111は、上記横方向に向いた板により形成されているが、上記二つの架設部は、例えば断面が丸形、四角形、又は多角形の棒状に形成されていてもよい。
【0071】
上記接続部112は、上記厚さ方向に向いた第1板112aと、この第1板112aの上記横方向の両端縁から折り返されて上記第1板112aに上記厚さ方向の一方側から重なる二枚の第2板112bとを備えている。上記接続部112では、上記二枚の第2板112bの上記横方向の内側の端縁同士がほぼ対向するように配置されている。この二つの端縁が上記二つの架設部111の上記厚さ方向の一方の端縁にそれぞれ接続されているが、例えば上記二枚の第2板の上記二つの端縁が上記二つの架設部の上記厚さ方向の他端又は中途部にそれぞれ接続されていてもよい。上記接続部112は、上記二つの架設部111を、上記横方向に離すと共に上記二つの架設部111の間に上記厚さ方向に延びる柱状の二つの電極端子収容空間113、114が上記縦方向に所定長さ離れて形成されるように接続している。この所定長さは、上記厚さ方向にみたときの上記二つの電極端子収容空間113、114の中心同士の距離である。上記接続部112の上記第1板112aには、上記厚さ方向からみて上記二つの電極端子収容空間113、114と重なる部位に上記二つの電極端子収容空間113、114と同じ形状をして上記第1板112aを貫通する貫通孔112cが設けられている。上記各電極端子収容空間113、114は、上記二つの電池セル200の上記各電極端子210、220が占める空間よりも上記厚さ方向からみて大きく形成されている。上記所定長さは、一方の上記電池セル200の上記電極端子210又は220と、他方の上記電池セル200におけるそれとは異極の上記電極端子220又は210との距離に相当している。この距離は、上記厚さ方向にみたときの一方の上記電池セル200の上記電極端子210又は220の中心と、他方の上記電池セル200におけるそれとは異極の上記電極端子220又は210の中心との距離である。上記二つの電極端子収容空間113、114は、上記第1部材110の上記厚さ方向の一方側の外部空間へ連通している。また、上記二つの電極端子収容空間113、114は、それぞれ上記貫通孔112cを介して上記第1部材110の上記厚さ方向の他方側、つまり上記電極端子210、220が入ってくる側の外部空間へ連通している。上記異極一対の電極端子210、220は上記厚さ方向に延びる中心軸を有する円柱状に形成されているので、上記二つの電極端子収容空間113、114も、これに対応して上記厚さ方向に延びる中心軸を有する円柱状に形成されており、上記貫通孔112cも、これに対応して円形に形成されている。そのため、上記各架設部111には、上記横方向の外側に向かって円弧状に突出する二つの空間形成部111aが上記縦方向に所定長さ離れてそれぞれ形成されている。この実施形態の場合、上記空間形成部111aは上記架設部111を曲げることで形成されているが、上記架設部の上記横方向の内側を凹状に形成することにより上記空間形成部を形成してもよい。上記異極一対の電極端子が上記厚さ方向に延びる中心軸を有する角柱状又はその他の柱状に形成されているときには、上記二つの電極端子収容空間も、これに対応して上記厚さ方向に延びる中心軸を有する角柱状又はその他の柱状に形成される。一方の上記第2板112bと一方の上記架設部111との間の部位において、一方の上記電極端子収容空間113の側には上記縦方向に延びる開口部117が形成されている。また、他方の上記第2板112bと他方の上記架設部111との間の部位において、他方の上記電極端子収容空間114の側には上記縦方向に延びる開口部117が形成されている。
【0072】
上記第2部材120は、少なくとも一対の挟持部121aと、上記対になった挟持部121aを接続する接続部122とを備えている。上記対になった挟持部121aと上記接続部122とは一枚のステンレス鋼の板をプレス成形することにより一体的に形成されているが、上記対になった挟持部及び上記接続部の材料は例えば圧延鋼板、若しくはその他の金属などの導電性材料、セラミックス、又はその他の絶縁性材料で形成されていてもよい。上記対になった挟持部と上記接続部とを別々に形成してからそれらを接続してもよい。上記対になった挟持部と上記接続部とを異なる材料で形成してこれらを接続してもよい。上記対になった挟持部121aは、互いに上記横方向に対向している。この実施形態の場合、複数対の挟持部121aを設けており、上記各対になった挟持部121aが互いに上記横方向に対向している。上記接続部122は、その上記横方向の両端縁が上記対になった挟持部121aの上記厚さ方向の一端にそれぞれ接続されているが、例えば上記接続部の上記両端縁が上記対になった挟持部の上記厚さ方向の他端又は中途部にそれぞれ接続されていてもよい。上記接続部122は、上記対になった挟持部121aを、上記縦方向に沿った各部位において当該対になった挟持部121aの上記横方向の間隔が無負荷時における上記二つの架設部111の上記横方向の外寸よりも小さくなるように接続している。ここで、上記縦方向に沿った各部位としたのは、上記第2部材120を上記第1部材110に嵌めたときに、上記第1部材110及び上記第2部材120の上記縦方向に沿った各部位において、上記対になった挟持部121aの上記横方向の間隔と、無負荷時における上記二つの架設部111の上記横方向の外寸とを比較する意味である。この実施形態の場合、上記接続部122の上記横方向の両端から上記横方向に向いた側板121が上記厚さ方向に沿ってそれぞれ延びていて、これらの側板121が上記横方向に対向している。そして、上記二つの側板121における対向する部位に、上記厚さ方向に延びる分割線121bがそれぞれ形成されている。これらの対向する分割線121bは、上記縦方向に沿って間隔をあけて複数が形成されている。これらの分割線121bは、各側板121の上記厚さ方向の自由端から上記厚さ方向に沿って上記接続部122にまでは到達しない長さでもってそれぞれ形成されている。上記各側板121において隣り合う二本の上記分割線121bの間に切片が形成され、この切片が上記厚さ方向の先端に向かうにつれて上記横方向の内側へ向かうように曲げられている。二つの上記側板121に形成された上記横方向に対向する二つの上記切片により、上記対になった挟持部121aが形成されている。上記対になった挟持部121aは、上記第2部材120を上記第1部材110に上記対になった挟持部121aが上記二つの架設部111の上記横方向両外側にそれぞれ位置するように嵌めたときに、上記縦方向において上記電極端子収容空間113、114から外れた位置に設けられており、この実施形態では上記縦方向において上記電極端子収容空間113、114の両側に設けられている。しかし、上記挟持部を上記縦方向において上記電極端子収容空間に対応する位置に設けてもよい。これに代えて、上記側板そのものを挟持部にしてもよい。その場合、側板を上記厚さ方向の先端に向かうにつれて上記横方向の内側へ向かうように曲げてもよい。いずれの場合も、上記縦方向に沿った各部位において上記対になった挟持部の上記横方向の間隔が無負荷時における上記二つの架設部の上記横方向の外寸よりも小さくなっておればよい。上記対になった挟持部121aは、上記横方向に向いた板により形成されているが、上記二つの挟持部は、例えば断面が丸形、四角形、又は多角形の棒状に形成されていてもよい。
【0073】
そして、図16及び図17に示す状態と図18及び図19に示す状態とでわかるように、上記第2部材120を上記第1部材110に上記対になった挟持部121aが上記二つの架設部111の上記横方向両外側にそれぞれ位置するように嵌めると、上記対になった挟持部121aにより上記二つの架設部111が上記横方向の内側へ押されて弾性変形し、上記二つの電極端子収容空間113、114が上記横方向に狭まるように構成している。また、図18及び図19に示すように、上記電池モジュールMにおいては、上記第2部材120が上記第1部材110に上記対になった挟持部121aが上記二つの架設部111の上記横方向両外側にそれぞれ位置するように嵌まり、上記対になった挟持部121aにより上記二つの架設部111が上記横方向の内側へ押されて弾性変形しており、上記二つの電極端子収容空間113、114が上記横方向に狭まり、上記二つの架設部111がそれぞれ一方の上記電池セル200の上記電極端子210又は220と他方の上記電池セル200におけるそれとは異極の上記電極端子220又は210とに接触圧をもって接触している。
【0074】
上記第2部材120の上記縦方向の一端は上記第1部材110の上記縦方向の一端に、上記横方向に延びる回動軸130を介して回動自在に設けられている。すなわち、上記二つの側板121の上記縦方向の一端が上記二つの架設部111の一端における上記横方向両外側に位置しており、これらに上記横方向に貫通孔があけられ、これらの貫通孔に上記回動軸130が回動可能に挿入されていて、上記第2部材120が上記第1部材110に対して上記回動軸130を中心に回動自在になっている。そして、上記二つの側板121の上記縦方向の他端が上記二つの架設部111からほぼ上記厚さ方向に離れた状態から、これらが接近するように上記第2部材120を回動すると、上記第2部材120が上記第1部材110に嵌まり、上記二つの架設部111の上記横方向両外側に上記対になった挟持部121aがそれぞれ位置する。そこから逆向きに上記第2部材120を回動すると、上記第2部材120が上記第1部材110から外れる。
【0075】
図16ないし図19に示すように、上記二つの架設部111の上記厚さ方向における上記対になった挟持部121aとの嵌合側に、上記厚さ方向の先端に向かって上記横方向の外寸が小さくなる案内部111cが設けられている。上記第1の実施形態で説明したように、上記案内部111cに代えて、上記対になった挟持部121aの上記厚さ方向における上記二つの架設部111との嵌合側に、上記厚さ方向の先端に向かって上記横方向の内寸が大きくなる案内部121cを設けてもよい。また、上記コネクタ100に、これら両方の案内部121c、111cを設けてもよい。
【0076】
図19に示すように、先に説明したように、上記接続部112の上記各第2板112bの上記横方向の内側の端縁が上記各架設部111の上記厚さ方向の一方の端縁に接続しており、一方の上記第2板112bと一方の上記架設部111との間の部位において、一方の上記電極端子収容空間113の側には上記縦方向に延びる開口部117が形成され、他方の上記第2板112bと他方の上記架設部111との間の部位において、他方の上記電極端子収容空間114の側には上記縦方向に延びる開口部117が形成されている。その結果、上記第1部材110の上記接続部112が、上記各架設部111に対して少なくとも上記第1部材110の上記縦方向における両端部で接続していてこれらの両端部の間に上記二つの電極端子収容空間113、114が形成されている。そして、一方の上記架設部111における一方の上記電極端子収容空間113と当該電極端子収容空間113に近い方の上記端部にある上記接続部112との間が分割されて当該電極端子収容空間113の側に自由端111bが形成されている。また、他方の上記架設部111における他方の上記電極端子収容空間114と当該電極端子収容空間114に近い方の上記端部にある上記接続部112との間が分割されて当該電極端子収容空間114の側に自由端111bが形成されている。さらに、上記各自由端111bと当該各自由端111bが対向する上記架設部111との間に、弾性変形した上記各自由端111bが収容される変形許容空間115が形成されている。また、上記開口部117を設けたことによって当該自由端111bの長さが長くなる。しかし、本発明は、このようなスリットを設けない実施形態を含んでいる。
【0077】
この実施形態のコネクタ100の場合、上記係止機構を設けていないが、上記係止機構を設けてもよい。この係止機構は、先に説明したように、上記第2部材が上記第1部材に嵌まったときに上記第2部材を第1部材に係止する機構である。例えば、上記第2部材が上記第1部材に嵌まったときに上記架設部及び上記挟持部には上記横方向に対向する部位があるが、そのうち一方に凸部を設け、他方に上記凸部が嵌合可能な凹部を備えることである。
【0078】
この実施形態の上記電池セルのコネクタ100及び上記電池モジュールMからは、上記係止機構により得られる作用及び効果を除いて、上記第1の実施形態の上記電池セルのコネクタ100及び上記電池モジュールMの場合と同様の作用及び効果を得ることができるが、さらに、次の作用及び効果を得ることができる。この実施形態の上記電極端子210、220の場合、上記電極端子210、220の上記厚さ方向の先端部211、221が、その周縁を外側に張り出した形状になっているので、上記架設部111が上記先端部211、221と上記電池セル200の上記端面との間で上記電極端子210、220に接触圧力をもって接触する。そして、上記架設部111が上記厚さ方向に沿って上記電池セル200の上記端面から離れる方向へ移動しようとしても上記先端部211、221に引っ掛かって移動できないので、上記コネクタ100が上記電極端子210、220から外れることを防止することができる。この実施形態の電池セル200の上記電極端子210、220を、上記第1実施形態の電池セル200の上記電極端子210、220のように上記張り出しが無くて周壁に凹凸のない平滑な形状のものにしたときは、上記第1部材の上記電極端子への装着を楽に行うことができる。
【0079】
図20ないし図22は、本発明の上記電池セルのコネクタ及び上記電池モジュールの第4の実施形態を示す。上記第1の実施形態と同様に、この電池モジュールMは、コネクタ100と、二つの電池セル200とを備えている。
【0080】
図30に示すように、上記第1の実施形態と同様に、上記二つの電池セル200は、上記縦方向に沿って隣り合って並べられている。上記電池セル200は、異極一対の電極端子210、220を有している。上記電池セル200の上記厚さ方向の一方側の端面に柱状の上記プラスの電極端子210と柱状の上記マイナスの電極端子220とが上記厚さ方向に向かって突出して設けられている。上記二つの電池セル200は、上記各電池セル200における上記プラスの電極端子210と上記マイナスの電極端子220とが上記横方向に並ぶと共に、隣り合う上記二つの電池セル200のうち一方の上記電池セル200の上記プラスの電極端子210と他方の電池セル200の上記マイナスの電極端子220とが上記縦方向に並ぶように配置されている。この実施形態の電池セル200の上記電極端子210、220は、上記第1実施形態の電池セル200の上記電極端子210、220のように上記張り出しが無くて周壁に凹凸のない平滑な形状のものである。この実施形態の上記電極端子を、上記第2の実施形態の上記電極端子210、220と同様に、上記電極端子の上記厚さ方向の先端部が、その周縁を外側に張り出した形状にしてもよい。この実施形態の場合、上記電極端子210、220が上記厚さ方向に延びる中心軸を有する円柱状に形成されているので、上記厚さ方向の先端部は他の部位よりも上記厚さ方向にみて直径が大きくなっていて円盤状に形成される。
【0081】
上記第1の実施形態と同様に、上記コネクタ100は、第1部材110と、第2部材120とを備えている。上記第1部材110は、二つの架設部111と、この二つの架設部111を接続する接続部112とを備えている。上記二つの架設部111と上記接続部112とは一枚の無酸素銅の板をプレス成形することにより一体的に形成されているが、上記二つの架設部及び上記接続部の材料は例えば錫メッキ軟銅、硬銅、若しくはその他の金属、又はその他の導電性材料で形成されていてもよい。上記二つの架設部と上記接続部とを別々に形成してからそれらを接続してもよい。上記二つの架設部と上記接続部とを異なる材料で形成してこれらを接続してもよい。その場合、少なくとも上記二つの架設部が導電性で且つ弾性を有する材料で形成されておればよく、上記架設部を形成する材料は限定解釈されない。上記二つの架設部111は、それぞれ上記縦方向に延びていて、互いに上記横方向に対向している。上記二つの架設部111の上記厚さ方向の寸法は、上記二つの電極端子210、220の上記電池セル200の端面から突出する長さとほぼ同じであるが、この突出長よりも短くてもよいし、それを超える長さであってもよい。上記二つの架設部111は、上記横方向に向いた板により形成されているが、上記二つの架設部は、例えば断面が丸形、四角形、又は多角形の棒状に形成されていてもよい。
【0082】
上記接続部112は、上記厚さ方向に向いた第1板112aと、この第1板112aの上記横方向の両端縁から折り返されて上記第1板112aに上記厚さ方向の一方側から重なる二枚の第2板112bとを備えている。上記接続部112では、上記二枚の第2板112bの上記横方向の内側の端縁同士がほぼ対向するように配置されている。この二つの端縁が上記二つの架設部111の上記厚さ方向の一方の端縁にそれぞれ接続されているが、例えば上記二枚の第2板の上記二つの端縁が上記二つの架設部の上記厚さ方向の他端又は中途部にそれぞれ接続されていてもよい。上記接続部112は、上記二つの架設部111を、上記横方向に離すと共に上記二つの架設部111の間に上記厚さ方向に延びる柱状の二つの電極端子収容空間113、114が上記縦方向に所定長さ離れて形成されるように接続している。この所定長さは、上記厚さ方向にみたときの上記二つの電極端子収容空間113、114の中心同士の距離である。上記接続部112の上記第1板112aには、上記厚さ方向からみて上記二つの電極端子収容空間113、114と重なる部位に上記二つの電極端子収容空間113、114と同じ形状をして上記第1板112aを貫通する貫通孔112cが設けられている。上記各電極端子収容空間113、114は、上記二つの電池セル200の上記各電極端子210、220が占める空間よりも上記厚さ方向からみて大きく形成されている。上記所定長さは、一方の上記電池セル200の上記電極端子210又は220と、他方の上記電池セル200におけるそれとは異極の上記電極端子220又は210との距離に相当している。この距離は、上記厚さ方向にみたときの一方の上記電池セル200の上記電極端子210又は220の中心と、他方の上記電池セル200におけるそれとは異極の上記電極端子220又は210の中心との距離である。上記二つの電極端子収容空間113、114は、上記第1部材110の上記厚さ方向の一方側の外部空間へ連通している。また、上記二つの電極端子収容空間113、114は、それぞれ上記貫通孔112cを介して上記第1部材110の上記厚さ方向の他方側、つまり上記電極端子210、220が入ってくる側の外部空間へ連通している。上記異極一対の電極端子210、220は上記厚さ方向に延びる中心軸を有する円柱状に形成されているので、上記二つの電極端子収容空間113、114も、これに対応して上記厚さ方向に延びる中心軸を有する円柱状に形成されており、上記貫通孔112cも、これに対応して円形に形成されている。そのため、上記各架設部111には、上記横方向の外側に向かって円弧状に突出する二つの空間形成部111aが上記縦方向に所定長さ離れてそれぞれ形成されている。この実施形態の場合、上記空間形成部111aは上記架設部111を曲げることで形成されているが、上記架設部の上記横方向の内側を凹状に形成することにより上記空間形成部を形成してもよい。上記異極一対の電極端子が上記厚さ方向に延びる中心軸を有する角柱状又はその他の柱状に形成されているときには、上記二つの電極端子収容空間も、これに対応して上記厚さ方向に延びる中心軸を有する角柱状又はその他の柱状に形成される。
【0083】
上記第2部材120は、少なくとも一対の挟持部121aと、上記対になった挟持部121aを接続する接続部122とを備えている。上記対になった挟持部121aと上記接続部122とは一枚のステンレス鋼の板をプレス成形することにより一体的に形成されているが、上記対になった挟持部及び上記接続部の材料は例えば圧延鋼板、若しくはその他の金属などの導電性材料、セラミックス、又はその他の絶縁性材料で形成されていてもよい。上記対になった挟持部と上記接続部とを別々に形成してからそれらを接続してもよい。上記対になった挟持部と上記接続部とを異なる材料で形成してこれらを接続してもよい。上記対になった挟持部121aは、互いに上記横方向に対向している。この実施形態の場合、複数対の上記挟持部121aを設けており、上記対になった挟持部121aが互いに上記横方向に対向している。これに代えて、一対だけ挟持部を設け、上記対になった挟持部を互いに上記横方向に対向させてもよい。上記接続部122は、その上記横方向の両端縁が上記対になった挟持部121aの上記厚さ方向の一端にそれぞれ接続されているが、例えば上記接続部の上記両端縁が上記対になった挟持部の上記厚さ方向の他端又は中途部にそれぞれ接続されていてもよい。上記接続部122は、上記対になった挟持部121aを、上記縦方向に沿った各部位において当該対になった挟持部121aの上記横方向の間隔が無負荷時における上記二つの架設部111の上記横方向の外寸よりも小さくなるように接続している。ここで、上記縦方向に沿った各部位としたのは、上記第2部材120を上記第1部材110に嵌めたときに、上記第1部材110及び上記第2部材120の上記縦方向に沿った各部位において、上記対になった挟持部121aの上記横方向の間隔と、無負荷時における上記二つの架設部111の上記横方向の外寸とを比較する意味である。この実施形態の場合、上記接続部122の上記横方向の両端から上記横方向に向いた側板が上記厚さ方向に沿ってそれぞれ延びており、この側板が板状の上記挟持部121aになっており、これらの挟持部121aが上記横方向に対向している。ここでは上記接続部122の上記縦方向両端部と中途部の合計三カ所にそれぞれ上記対になった挟持部121aが設けられているが、対の数は1、2、又は4以上であってもよい。これに代えて、上記第1の実施形態で採用したように、上記側板から複数の上記挟持部を形成してもよい。すなわち、上記二つの側板における対向する部位に、上記厚さ方向に延びる分割線をそれぞれ形成する。これらの対向する分割線は、上記縦方向に沿って間隔をあけて複数が形成される。これらの分割線は、各側板の上記厚さ方向の自由端から上記厚さ方向に沿って上記接続部にまでは到達しない長さでもってそれぞれ形成される。上記各側板において隣り合う二本の上記分割線の間に切片が形成され、この切片が上記厚さ方向の先端に向かうにつれて上記横方向の内側へ向かうように曲げられる。二つの上記側板に形成された上記横方向に対向する二つの上記切片により、上記対になった挟持部が形成される。上記対になった挟持部は、上記第2部材を上記第1部材に上記対になった挟持部121aが上記二つの架設部111の上記横方向両外側にそれぞれ位置するように嵌めたときに、上記縦方向において上記電極端子収容空間から外れた位置に設けられ、例えば上記縦方向において上記電極端子収容空間の両側に設けられる。しかし、上記挟持部を上記縦方向において上記電極端子収容空間に対応する位置に設けてもよい。上記対になった挟持部121aは、上記横方向に向いた板により形成されているが、上記二つの挟持部は、例えば断面が丸形、四角形、又は多角形の棒状に形成されていてもよい。
【0084】
そして、図21に示す状態と図22に示す状態とでわかるように、上記第2部材120を上記第1部材110に上記対になった挟持部121aが上記二つの架設部111の上記横方向両外側にそれぞれ位置するように嵌めると、上記対になった挟持部121aにより上記二つの架設部111が上記横方向の内側へ押されて弾性変形し、上記二つの電極端子収容空間113、114が上記横方向に狭まるように構成している。また、図22に示すように、上記電池モジュールMにおいては、上記第2部材120が上記第1部材110に上記対になった挟持部121aが上記二つの架設部111の上記横方向両外側にそれぞれ位置するように嵌まり、上記対になった挟持部121aにより上記二つの架設部111が上記横方向の内側へ押されて弾性変形しており、上記二つの電極端子収容空間113、114が上記横方向に狭まり、上記二つの架設部111がそれぞれ一方の上記電池セル200の上記電極端子210又は220と他方の上記電池セル200におけるそれとは異極の上記電極端子220又は210とに接触圧をもって接触している。この実施形態の場合、上記第2部材と上記第1部材とを回動自在にする回動軸は備えておらず、上記第2部材120と上記第1部材110とが完全に分離した状態から上記第2部材120が上記第1部材110に嵌められる。
【0085】
図20ないし図22に示すように、上記二つの架設部111の上記厚さ方向における上記対になった挟持部121aとの嵌合側に、上記厚さ方向の先端に向かって上記横方向の外寸が小さくなる案内部111cが設けられている。上記第1の実施形態で説明したように、上記案内部111cに代えて、上記対になった挟持部121aの上記厚さ方向における上記二つの架設部111との嵌合側に、上記厚さ方向の先端に向かって上記横方向の内寸が大きくなる案内部121cを設けてもよい。また、上記コネクタ100に、これら両方の案内部121c、111cを設けてもよい。
【0086】
上記コネクタ100には、上記第2部材120が上記第1部材110に嵌まったときに上記第2部材120を第1部材110に係止する係止機構140が設けられている。上記第2部材120の上記接続部122の上記縦方向の両端から係止部123が上記厚さ方向に沿って上記挟持部121aが延びる側と同じ側に向かって延びており、上記係止部123の先端に上記縦方向の内側へ曲がった係止片123aが形成されている。一方、上記第1部材110の上記第1版112aの上記縦方向の両端には、上記縦方向の内側へそれぞれ凹む凹部112dが形成されている。そして、上記第2部材120を上記第1部材110に嵌まったときに、上記二つの係止片123aが上記二つの凹部112dにそれぞれ嵌まり、上記第2部材120を第1部材110に係止するように構成している。
【0087】
この実施形態の上記電池セルのコネクタ100及び上記電池モジュールMからは、上記回動軸により得られる作用及び効果、上記各自由端により得られる作用及び効果、並びに上記係止機構により得られる作用及び効果を除いて、上記第1の実施形態の上記電池セルのコネクタ100及び上記電池モジュールMの場合と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0088】
図23は、本発明の上記電池セルのコネクタ及び上記電池モジュールの第5の実施形態を示す。上記第1の実施形態と同様の構成を有している。すなわち、この電池モジュールMは、コネクタ100と、二つの電池セル200とを備えている。上記二つの電池セル200は、上記縦方向に沿って隣り合って並べられている。上記電池セル200は、異極一対の電極端子210、220を有している。上記コネクタ100は、第1部材110と、第2部材120とを備えている。上記第1部材110は、二つの架設部111と、この二つの架設部111を接続する接続部112とを備えている。上記接続部112は、上記二つの架設部111を、上記横方向に離すと共に上記二つの架設部111の間に上記厚さ方向に延びる柱状の二つの電極端子収容空間113、114が上記縦方向に所定長さ離れて形成されるように接続している。上記第2部材120は、少なくとも一対の挟持部121aと、上記対になった挟持部121aを接続する接続部122とを備えている。上記接続部122は、上記対になった挟持部121aを、上記縦方向に沿った各部位において当該対になった挟持部121aの上記横方向の間隔が無負荷時における上記二つの架設部111の上記横方向の外寸よりも小さくなるように接続している。そして、上記第2部材120を上記第1部材110に上記対になった挟持部121aが上記二つの架設部111の上記横方向両外側にそれぞれ位置するように嵌めると、上記対になった挟持部121aにより上記二つの架設部111が上記横方向の内側へ押されて弾性変形し、上記二つの電極端子収容空間113、114が上記横方向に狭まるように構成している。また、上記電池モジュールMにおいては、上記第2部材120が上記第1部材110に上記対になった挟持部121aが上記二つの架設部111の上記横方向両外側にそれぞれ位置するように嵌まり、上記対になった挟持部121aにより上記二つの架設部111が上記横方向の内側へ押されて弾性変形しており、上記二つの電極端子収容空間113、114が上記横方向に狭まり、上記二つの架設部111がそれぞれ一方の上記電池セル200の上記電極端子210又は220と他方の上記電池セル200におけるそれとは異極の上記電極端子220又は210とに接触圧をもって接触している。また、上記第2部材120の上記縦方向の一端は上記第1部材110の上記縦方向の一端に、上記横方向に延びる回動軸130を介して回動自在に設けられている。さらに、上記対になった挟持部121aの上記厚さ方向における上記二つの架設部111との嵌合側には、上記厚さ方向の先端に向かって上記横方向の内寸が大きくなる案内部121cが設けられている。また、上記第1部材110の上記接続部112が、上記各架設部111に対して少なくとも上記第1部材110の上記縦方向における両端部で接続していてこれらの両端部の間に上記二つの電極端子収容空間113、114が形成されている。そして、一方の上記架設部111における一方の上記電極端子収容空間113と当該電極端子収容空間113に近い方の上記端部にある上記接続部112との間が分割されて当該電極端子収容空間113の側に自由端111bが形成されている。また、他方の上記架設部111における他方の上記電極端子収容空間114と当該電極端子収容空間114に近い方の上記端部にある上記接続部112との間が分割されて当該電極端子収容空間114の側に自由端111bが形成されている。さらに、上記各自由端111bと当該各自由端111bが対向する上記架設部111との間に、弾性変形した上記各自由端111bが収容される変形許容空間115が形成されている。さらに、上記コネクタ100には、上記第2部材120が上記第1部材110に嵌まったときに上記第2部材120を第1部材110に係止する係止機構140が設けられている。
【0089】
そして、上記コネクタ100の場合、上記第2部材120の上記縦方向の端部に、上記第2部材120が上記第1部材110に嵌まったときに上記第1部材110よりも上記縦方向に突出する突起124が設けられている。このようにすれば、上記突起124を持って上記第2部材120を上記第1部材110に嵌める操作と、上記突起124を持って上記第2部材120を上記第1部材110から外す操作とが可能となる。その結果、上記第2部材120を上記第1部材110に嵌める作業、及び上記第2部材120を上記第1部材110から外す作業の作業性を向上させることができる。
【0090】
この実施形態の上記電池セルのコネクタ100及び上記電池モジュールMからは、上記第1の実施形態の上記電池セルのコネクタ100及び上記電池モジュールMの場合と同様の作用及び効果を得ることが得られることに加えて、さらに、上記第2部材120を上記第1部材110に嵌める作業、及び上記第2部材120を上記第1部材110から外す作業の作業性を向上させることができる。
【0091】
図24及び図25は、本発明の上記電池セルのコネクタ及び上記電池モジュールの第6の実施形態を示す。上記第1の実施形態と同様の構成を有している。すなわち、この電池モジュールMは、コネクタ100と、二つの電池セル200とを備えている。上記二つの電池セル200は、上記縦方向に沿って隣り合って並べられている。上記電池セル200は、異極一対の電極端子210、220を有している。上記コネクタ100は、第1部材110と、第2部材120とを備えている。上記第1部材110は、二つの架設部111と、この二つの架設部111を接続する接続部112とを備えている。上記接続部112は、上記二つの架設部111を、上記横方向に離すと共に上記二つの架設部111の間に上記厚さ方向に延びる柱状の二つの電極端子収容空間113、114が上記縦方向に所定長さ離れて形成されるように接続している。上記第2部材120は、少なくとも一対の挟持部121aと、上記対になった挟持部121aを接続する接続部122とを備えている。上記接続部122は、上記対になった挟持部121aを、上記縦方向に沿った各部位において当該対になった挟持部121aの上記横方向の間隔が無負荷時における上記二つの架設部111の上記横方向の外寸よりも小さくなるように接続している。そして、上記第2部材120を上記第1部材110に上記対になった挟持部121aが上記二つの架設部111の上記横方向両外側にそれぞれ位置するように嵌めると、上記対になった挟持部121aにより上記二つの架設部111が上記横方向の内側へ押されて弾性変形し、上記二つの電極端子収容空間113、114が上記横方向に狭まるように構成している。また、上記電池モジュールMにおいては、上記第2部材120が上記第1部材110に上記対になった挟持部121aが上記二つの架設部111の上記横方向両外側にそれぞれ位置するように嵌まり、上記対になった挟持部121aにより上記二つの架設部111が上記横方向の内側へ押されて弾性変形しており、上記二つの電極端子収容空間113、114が上記横方向に狭まり、上記二つの架設部111がそれぞれ一方の上記電池セル200の上記電極端子210又は220と他方の上記電池セル200におけるそれとは異極の上記電極端子220又は210とに接触圧をもって接触している。また、上記第2部材120の上記縦方向の一端は上記第1部材110の上記縦方向の一端に、上記横方向に延びる回動軸130を介して回動自在に設けられている。さらに、上記対になった挟持部121aの上記厚さ方向における上記二つの架設部111との嵌合側には、上記厚さ方向の先端に向かって上記横方向の内寸が大きくなる案内部121cが設けられている。また、上記第1部材110の上記接続部112が、上記各架設部111に対して少なくとも上記第1部材110の上記縦方向における両端部で接続していてこれらの両端部の間に上記二つの電極端子収容空間113、114が形成されている。そして、一方の上記架設部111における一方の上記電極端子収容空間113と当該電極端子収容空間113に近い方の上記端部にある上記接続部112との間が分割されて当該電極端子収容空間113の側に自由端111bが形成されている。また、他方の上記架設部111における他方の上記電極端子収容空間114と当該電極端子収容空間114に近い方の上記端部にある上記接続部112との間が分割されて当該電極端子収容空間114の側に自由端111bが形成されている。さらに、上記各自由端111bと当該各自由端111bが対向する上記架設部111との間に、弾性変形した上記各自由端111bが収容される変形許容空間115が形成されている。
【0092】
そして、上記コネクタ100には、上記第2部材120が上記第1部材110に上記第2部材120を第1部材110に係止する係止機構140が設けられている。この係止機構140は、上記第1の実施形態の上記係止機構140に代えて設けられている。この係止機構140は、貫通孔111d、121dと、ピン143とを備えている。上記第2部材120が上記第1部材110に嵌まったときに上記架設部111及び上記挟持部121aには上記横方向に対向する部位がある。上記二つの架設部111の上記部位には上記横方向に貫通する上記貫通孔111dが形成されており、上記対になった挟持部121aの上記部位には上記横方向に貫通する上記貫通孔121dが形成されている。そして、上記貫通孔111d及び上記貫通孔121dに一連に嵌入する上記ピン143が設けられている。ここでは、上記縦方向の端部において上記架設部111と上記挟持部121aとに上記貫通孔111d及び121dを設けたが、上記縦方向の他の部位における上記架設部と上記挟持部とに上記貫通孔を設けてもよい。このようにすれば、上記貫通孔111d及び121dに上記ピン143を通すことにより上記係止が行われる。その結果、上記第1部材110に嵌まった上記第2部材120を上記第1部材110から外れにくくすることができる。
【0093】
この実施形態の上記電池セルのコネクタ100及び上記電池モジュールMからは、上記第1の実施形態の上記電池セルのコネクタ100及び上記電池モジュールMの場合と同様の作用及び効果を得ることが得られることに加えて、さらに、上記第1部材110に嵌まった上記第2部材120を上記第1部材110から外れにくくすることができる。
【0094】
図26及び図27は、本発明の上記電池セルのコネクタ及び上記電池モジュールの第7の実施形態を示す。上記第1の実施形態と同様の構成を有している。すなわち、この電池モジュールMは、コネクタ100と、二つの電池セル200とを備えている。上記二つの電池セル200は、上記縦方向に沿って隣り合って並べられている。上記電池セル200は、異極一対の電極端子210、220を有している。上記コネクタ100は、第1部材110と、第2部材120とを備えている。上記第1部材110は、二つの架設部111と、この二つの架設部111を接続する接続部112とを備えている。上記接続部112は、上記二つの架設部111を、上記横方向に離すと共に上記二つの架設部111の間に上記厚さ方向に延びる柱状の二つの電極端子収容空間113、114が上記縦方向に所定長さ離れて形成されるように接続している。上記第2部材120は、少なくとも一対の挟持部121aと、上記対になった挟持部121aを接続する接続部122とを備えている。上記接続部122は、上記対になった挟持部121aを、上記縦方向に沿った各部位において当該対になった挟持部121aの上記横方向の間隔が無負荷時における上記二つの架設部111の上記横方向の外寸よりも小さくなるように接続している。そして、上記第2部材120を上記第1部材110に上記対になった挟持部121aが上記二つの架設部111の上記横方向両外側にそれぞれ位置するように嵌めると、上記対になった挟持部121aにより上記二つの架設部111が上記横方向の内側へ押されて弾性変形し、上記二つの電極端子収容空間113、114が上記横方向に狭まるように構成している。また、上記電池モジュールMにおいては、上記第2部材120が上記第1部材110に上記対になった挟持部121aが上記二つの架設部111の上記横方向両外側にそれぞれ位置するように嵌まり、上記対になった挟持部121aにより上記二つの架設部111が上記横方向の内側へ押されて弾性変形しており、上記二つの電極端子収容空間113、114が上記横方向に狭まり、上記二つの架設部111がそれぞれ一方の上記電池セル200の上記電極端子210又は220と他方の上記電池セル200におけるそれとは異極の上記電極端子220又は210とに接触圧をもって接触している。また、上記第2部材120の上記縦方向の一端は上記第1部材110の上記縦方向の一端に、上記横方向に延びる回動軸130を介して回動自在に設けられている。さらに、上記対になった挟持部121aの上記厚さ方向における上記二つの架設部111との嵌合側には、上記厚さ方向の先端に向かって上記横方向の内寸が大きくなる案内部121cが設けられている。また、上記第1部材110の上記接続部112が、上記各架設部111に対して少なくとも上記第1部材110の上記縦方向における両端部で接続していてこれらの両端部の間に上記二つの電極端子収容空間113、114が形成されている。そして、一方の上記架設部111における一方の上記電極端子収容空間113と当該電極端子収容空間113に近い方の上記端部にある上記接続部112との間が分割されて当該電極端子収容空間113の側に自由端111bが形成されている。また、他方の上記架設部111における他方の上記電極端子収容空間114と当該電極端子収容空間114に近い方の上記端部にある上記接続部112との間が分割されて当該電極端子収容空間114の側に自由端111bが形成されている。さらに、上記各自由端111bと当該各自由端111bが対向する上記架設部111との間に、弾性変形した上記各自由端111bが収容される変形許容空間115が形成されている。
【0095】
そして、上記コネクタ100には、上記第2部材120が上記第1部材110に嵌まったときに上記第2部材120を第1部材110に係止する係止機構140が設けられている。この係止機構140は、上記第1の実施形態の上記係止機構140に代えて設けられている。この係止機構140は、ロック部材144を備えている。上記ロック部材144はU字形に形成されている。上記ロック部材144の両端は、上記対になった挟持部121aの外側で上記横方向に向いた回動軸144aを介して上記対になった挟持部121aにそれぞれ連結されている。上記ロック部材144は、上記ロック部材144の央部が上記対になった挟持部121aの上記厚さ方向における上記架設部111との嵌合側とは反対側に位置する待避位置(図26に示す位置)と、上記央部が上記架設部111の上記縦方向の端部に掛かるロック位置(図27に示す位置)との間を回動自在になるように設けられている。この場合、上記架設部111の上記縦方向の端部には上記端部から縦方向に向かって溝111eが形成されており、上記ロック位置にある上記ロック部材144の上記央部が上記溝111eに掛かるようになっている。このようにすれば、上記ロック部材144を上記待避位置から上記ロック位置に回動することにより上記ロック部材144が上記第1部材110に掛かり、上記係止が行われる。その結果、上記第1部材110に嵌まった上記第2部材120を上記第1部材110から外れにくくすることができる。
【0096】
この実施形態の上記電池セルのコネクタ100及び上記電池モジュールMからは、上記第1の実施形態の上記電池セルのコネクタ100及び上記電池モジュールMの場合と同様の作用及び効果を得ることが得られることに加えて、さらに、上記第1部材110に嵌まった上記第2部材120を上記第1部材110から外れにくくすることができる。
【0097】
図28及び図29は、本発明の上記電池セルのコネクタ及び上記電池モジュールの第8の実施形態を示す。上記第1の実施形態と同様の構成を有している。すなわち、この電池モジュールMは、コネクタ100と、二つの電池セル200とを備えている。上記二つの電池セル200は、上記縦方向に沿って隣り合って並べられている。上記電池セル200は、異極一対の電極端子210、220を有している。上記コネクタ100は、第1部材110と、第2部材120とを備えている。上記第1部材110は、二つの架設部111と、この二つの架設部111を接続する接続部112とを備えている。上記接続部112は、上記二つの架設部111を、上記横方向に離すと共に上記二つの架設部111の間に上記厚さ方向に延びる柱状の二つの電極端子収容空間113、114が上記縦方向に所定長さ離れて形成されるように接続している。上記第2部材120は、少なくとも一対の挟持部121aと、上記対になった挟持部121aを接続する接続部122とを備えている。上記接続部122は、上記対になった挟持部121aを、上記縦方向に沿った各部位において当該対になった挟持部121aの上記横方向の間隔が無負荷時における上記二つの架設部111の上記横方向の外寸よりも小さくなるように接続している。そして、上記第2部材120を上記第1部材110に上記対になった挟持部121aが上記二つの架設部111の上記横方向両外側にそれぞれ位置するように嵌めると、上記対になった挟持部121aにより上記二つの架設部111が上記横方向の内側へ押されて弾性変形し、上記二つの電極端子収容空間113、114が上記横方向に狭まるように構成している。また、上記電池モジュールMにおいては、上記第2部材120が上記第1部材110に上記対になった挟持部121aが上記二つの架設部111の上記横方向両外側にそれぞれ位置するように嵌まり、上記対になった挟持部121aにより上記二つの架設部111が上記横方向の内側へ押されて弾性変形しており、上記二つの電極端子収容空間113、114が上記横方向に狭まり、上記二つの架設部111がそれぞれ一方の上記電池セル200の上記電極端子210又は220と他方の上記電池セル200におけるそれとは異極の上記電極端子220又は210とに接触圧をもって接触している。また、上記第2部材120の上記縦方向の一端は上記第1部材110の上記縦方向の一端に、上記横方向に延びる回動軸130を介して回動自在に設けられている。さらに、上記対になった挟持部121aの上記厚さ方向における上記二つの架設部111との嵌合側には、上記厚さ方向の先端に向かって上記横方向の内寸が大きくなる案内部121cが設けられている。また、上記第1部材110の上記接続部112が、上記各架設部111に対して少なくとも上記第1部材110の上記縦方向における両端部で接続していてこれらの両端部の間に上記二つの電極端子収容空間113、114が形成されている。そして、一方の上記架設部111における一方の上記電極端子収容空間113と当該電極端子収容空間113に近い方の上記端部にある上記接続部112との間が分割されて当該電極端子収容空間113の側に自由端111bが形成されている。また、他方の上記架設部111における他方の上記電極端子収容空間114と当該電極端子収容空間114に近い方の上記端部にある上記接続部112との間が分割されて当該電極端子収容空間114の側に自由端111bが形成されている。さらに、上記各自由端111bと当該各自由端111bが対向する上記架設部111との間に、弾性変形した上記各自由端111bが収容される変形許容空間115が形成されている。
【0098】
そして、上記コネクタ100には、上記第2部材120が上記第1部材110に嵌まったときに上記第2部材120を第1部材110に係止する係止機構140が設けられている。この係止機構140は、上記第1の実施形態の上記係止機構140に代えて設けられている。この係止機構140は、凹部145と、貫通孔146と、係止部材147とを備えている。上記凹部145は、上記二つの架設部111の上記縦方向の一端において上記横方向の外面にそれぞれ凹んで形成されている。上記貫通孔146は、上記第2部材120が上記第1部材110に嵌まったときの上記対になった挟持部121aにおける上記凹部145に対応する部位から周縁に至るまでそれぞれ設けられており、上記挟持部121aを上記横方向に貫通している。ここでは上記貫通孔146は上記挟持部121aにおける上記凹部145に対応する部位から上記縦方向に沿って周縁に至るまで設けられているが、上記貫通孔を上記挟持部における上記凹部に対応する部位から例えば上記厚さ方向又はその他の方向に沿って周縁に至るまで設けてもよい。上記係止部材147は、弾性を有すると共にU字状に形成されている。上記係止部材147は、上記貫通孔146の幅に収まる厚さに形成されると共に、両端に、上記横方向の内側へ突出して上記凹部145に嵌入可能な突出部147aがそれぞれ設けられている。このようにすれば、上記第2部材120が上記第1部材110に嵌まったときに上記係止部材147を上記貫通孔146に上記挟持部121aの周縁側から上記凹部145に対応する部位へ嵌入してゆくと上記突出部147aが上記凹部145に嵌入し、これによって上記係止が行われる。その結果、上記第1部材110に嵌まった上記第2部材120を上記第1部材110から外れにくくすることができる。
【0099】
この実施形態の上記電池セルのコネクタ100及び上記電池モジュールMからは、上記第1の実施形態の上記電池セルのコネクタ100及び上記電池モジュールMの場合と同様の作用及び効果を得ることが得られることに加えて、さらに、上記第1部材110に嵌まった上記第2部材120を上記第1部材110から外れにくくすることができる。
【0100】
本発明の上記電池セルのコネクタ及び上記電池モジュールは、以上で説明した各実施形態及び変形例の特徴を組み合わせた実施形態を含んでいる。したがって、他の実施形態として、例えば、上記電池セルのコネクタ及び上記電池モジュールの第1ないし第8の実施形態において、これらを変形した次の変形例が含まれる。すなわち、上記変形例として、上記第2部材と上記第1部材とを回動自在にする回動軸を備えた実施形態において、上記第2部材と上記第1部材とを回動自在にする回動軸を設けずに上記第2部材と上記第1部材とが完全に分離した状態から上記第2部材を上記第1部材に嵌めるようにした変形例が含まれ、逆に、上記第2部材と上記第1部材とを回動自在にする回動軸を備えず上記第2部材と上記第1部材とが完全に分離した状態から上記第2部材を上記第1部材に嵌めるようにした実施形態において、上記第2部材と上記第1部材とを回動自在にする回動軸を設けた変形例が含まれる。また、上記変形例として、上記案内部を備えた実施形態において、上記案内部を設けない変形例が含まれ、逆に、上記案内部を備えない実施形態において、上記案内部を設けた変形例が含まれる。さらに、上記変形例として、上記架設部の上記自由端と上記変形許容空間とを備えた実施形態において、上記自由端及び変形許容空間を設けない変形例が含まれ、逆に上記自由端及び変形許容空間を備えない実施形態において、上記自由端及び変形許容空間を設けた変形例が含まれる。また、上記変形例として、上記第2部材の上記縦方向の端部に上記突起を備えた実施形態において、上記突起を設けない変形例が含まれ、逆に、上記突起を備えない実施形態において、上記突起を設けた変形例が含まれる。さらに、上記変形例として、上記係止機構を備えた実施形態において、上記係止機構を設けない変形例が含まれ、逆に上記係止機構を備えない実施形態において、上記係止機構を設けた変形例が含まれる。その場合、係止機構としては、上記架設部及び上記挟持部のうち一方に上記凸部を他方に上記凹部を備えた係止機構、上記貫通孔及びピンを備えた係止機構、U字形のロック部材を備えた係止機構、並びに上記二つの架設部に設けられた凹部と上記対になった挟持部に設けられた上記貫通孔と上記U字状の係止部材とを備えた係止機構のうち、どの上記係止機構を用いた変形例であっても含まれる。そして、これらの実施形態及び変形例を組み合わせた変形例も含まれている。さらに、以上で説明した実施形態は本発明の上記電池セルのコネクタ及び上記電池モジュールのいくつかの例を示したに過ぎない。したがって、これらの実施形態の記載によって本発明の上記電池セルのコネクタ及び上記電池モジュールが限定解釈されることはない。
【符号の説明】
【0101】
M 電池モジュール
100 コネクタ
110 第1部材
111 架設部
111b 自由端
111c 案内部
111d 貫通孔
113 電極端子収容空間
114 電極端子収容空間
115 変形許容空間
120 第2部材
121a 挟持部
121c 案内部
121d 貫通孔
122 接続部
124 突起
130 回動軸
140 係止機構
141 凸部
142 凹部
143 ピン
144 ロック部材
144a 回動軸
145 凹部
146 貫通孔
147 係止部材
147a 突出部
200 電池セル
210 電極端子
220 電極端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直交する縦方向、横方向、及び厚さ方向をとったときに、
それぞれ上記縦方向に延びて上記横方向に対向する導電性で且つ弾性を有する二つの架設部と、上記二つの架設部を、上記横方向に離すと共に上記二つの架設部の間に上記厚さ方向に延びる柱状の二つの電極端子収容空間が上記縦方向に所定長さ離れて形成されるように接続する接続部とを有する第1部材と、
上記横方向に対向する少なくとも一対の挟持部と、上記対になった挟持部を、上記縦方向に沿った各部位において当該対になった挟持部の上記横方向の間隔が無負荷時における上記二つの架設部の上記横方向の外寸よりも小さくなるように接続する接続部とを有する第2部材とを備え、
上記第2部材を上記第1部材に上記対になった挟持部が上記二つの架設部の上記横方向両外側にそれぞれ位置するように嵌めると、上記対になった挟持部により上記二つの架設部が上記横方向の内側へ押されて弾性変形し、上記二つの電極端子収容空間が上記横方向に狭まるように構成した電池セルのコネクタ。
【請求項2】
上記各電極端子収容空間は、端面から互いに平行となる方向へそれぞれ突出して設けられた柱状の異極一対の電極端子を有して隣り合って並べられた二つの電池セルの上記各電極端子が占める空間よりも上記厚さ方向からみて大きく形成されており、
上記所定長さは、一方の上記電池セルの上記電極端子と、他方の上記電池セルにおけるそれとは異極の上記電極端子との距離に相当している請求項1の電池セルのコネクタ。
【請求項3】
上記第2部材の上記縦方向の一端が上記第1部材の上記縦方向の一端に、上記横方向に延びる回動軸を介して回動自在に設けられている請求項1又は請求項2の電池セルのコネクタ。
【請求項4】
上記対になった挟持部の上記厚さ方向における上記二つの架設部との嵌合側に設けられて上記厚さ方向の先端に向かって上記横方向の内寸が大きくなる案内部と、上記二つの架設部の上記厚さ方向における上記対になった挟持部との嵌合側に設けられて上記厚さ方向の先端に向かって上記横方向の外寸が小さくなる案内部とのうち、少なくとも一方を備えている請求項1ないし請求項3のうちいずれか1項の電池セルのコネクタ。
【請求項5】
上記第1部材の上記接続部が、上記各架設部に対して少なくとも上記第1部材の上記縦方向における両端部で接続していてこれらの両端部の間に上記二つの電極端子収容空間が形成されており、
一方の上記架設部における一方の上記電極端子収容空間と当該電極端子収容空間に近い方の上記端部にある上記接続部との間が分割されて当該電極端子収容空間の側に自由端が形成され、
他方の上記架設部における他方の上記電極端子収容空間と当該電極端子収容空間に近い方の上記端部にある上記接続部との間が分割されて当該電極端子収容空間の側に自由端が形成され、
上記各自由端と当該各自由端が対向する上記架設部との間に、弾性変形した上記各自由端が収容される変形許容空間が形成されている請求項1ないし請求項4のうちいずれか1項の電池セルのコネクタ。
【請求項6】
上記第2部材の上記縦方向の端部に、上記第2部材が上記第1部材に嵌まったときに上記第1部材よりも上記縦方向に突出する突起が設けられている請求項1ないし請求項5のうちいずれか1項の電池セルのコネクタ。
【請求項7】
上記第2部材が上記第1部材に嵌まったときに上記第2部材を第1部材に係止する係止機構が設けられている請求項1ないし請求項6のうちいずれか1項の電池セルのコネクタ。
【請求項8】
上記係止機構が、上記第2部材が上記第1部材に嵌まったときに上記架設部及び上記挟持部の上記横方向に対向する部位のうち一方に設けられた凸部と、他方に設けられて上記凸部が嵌合可能な凹部とを備えている請求項7の電池セルのコネクタ。
【請求項9】
上記係止機構が、上記第2部材が上記第1部材に嵌まったときに上記架設部と上記挟持部との対向する部位にそれぞれ上記横方向に貫通して設けられた貫通孔と、これらの貫通孔に嵌入するピンとを備えている請求項7の電池セルのコネクタ。
【請求項10】
上記係止機構が、両端が上記対になった挟持部の外側で上記横方向に向いた回動軸を介して上記対になった挟持部にそれぞれ連結され、央部が上記対になった挟持部の上記厚さ方向における上記架設部との嵌合側とは反対側に位置する待避位置と上記央部が上記架設部の上記縦方向の端部に掛かるロック位置との間を回動自在になるように設けられたU字形のロック部材を備えている請求項7の電池セルのコネクタ。
【請求項11】
上記係止機構が、上記二つの架設部の上記縦方向の一端において上記横方向の外面にそれぞれ凹んで形成された凹部と、上記第2部材が上記第1部材に嵌まったときの上記対になった挟持部における上記凹部に対応する部位から周縁に至るまでそれぞれ設けられた上記横方向に貫通する貫通孔と、上記貫通孔の幅に収まる厚さに形成されると共に、両端に、上記横方向の内側へ突出して上記凹部に嵌入可能な突出部がそれぞれ設けられた弾性を有するU字状の係止部材とを備えている請求項7の電池セルのコネクタ。
【請求項12】
請求項1ないし請求項11のうちいずれか1項の電池セルのコネクタと、
上記端面から互いに平行となる方向へそれぞれ突出して設けられた柱状の異極一対の電極端子を有して隣り合って並べられた二つの上記電池セルとを備え、
上記所定長さは、一方の上記電池セルの上記電極端子と、他方の上記電池セルにおけるそれとは異極の上記電極端子との距離に相当し、
上記第2部材が上記第1部材に上記対になった挟持部が上記二つの架設部の上記横方向両外側にそれぞれ位置するように嵌まり、上記対になった挟持部により上記二つの架設部が上記横方向の内側へ押されて弾性変形しており、上記二つの電極端子収容空間が上記横方向に狭まり、上記二つの架設部がそれぞれ一方の上記電池セルの上記電極端子と他方の上記電池セルにおけるそれとは異極の上記電極端子とに接触圧をもって接触している電池モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2012−182027(P2012−182027A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44537(P2011−44537)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(390033318)日本圧着端子製造株式会社 (457)
【Fターム(参考)】