説明

電池接続アセンブリ

【課題】配置の際に必要なスペースを小さくすることが可能な電池接続アセンブリを提供する。
【解決手段】正極及び負極の電極端子13A,13Bを有する単電池11を複数個並べて構成された電池モジュール10における隣り合う電極端子13A,13Bの間を接続する複数の接続部材23,24と各接続部材23,24を保持する複数の接続ユニット21,22とを備えた電池接続アセンブリ20の各接続ユニット21,22には、基端側を軸として回転可能な係止片33と、当該接続ユニット21,22における係止片33を係止する収容係止壁39と、隣りの接続ユニット21,22における係止片33を係止する連結係止壁42とが備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池接続アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド車用の電池モジュールは、正極及び負極の電極端子を有し、扁平な形状の複数の単電池を電極端子を有する面における短径方向に並べて配列して構成されている。これら隣り合う単電池の電極端子間が接続部材(バスバー)で接続されることにより複数の単電池が直列や並列に接続されるようになっている(特許文献1参照)。
【0003】
ここで、接続部材の取付作業を簡素化等するために、特許文献2に示すように、複数の樹脂製の接続ユニットに接続部材を収容し、これら接続ユニット同士を連結した電池接続アセンブリを複数の単電池に一体的に装着することが考えられた。
【0004】
この特許文献2では、各接続ユニットの並び方向の一方の側に設けられた係合部と、各接続ユニットの並び方向の他方の側に設けられた被係合部との係合により各接続ユニットが連結されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−067184号公報
【特許文献2】特開2011−8957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記した特許文献2の構成は、隣り合う接続ユニットの連結のために各接続ユニットに係合部及び被係合部を設けているが、連結の端部に配された接続ユニットについては、隣の接続ユニットとの連結に用いられない係合部や被係合部が残されることになる。このような連結に用いられない係合部や被係合部が残されて突出していると電池接続アセンブリの装着の際に余分なスペースが必要になり、電池モジュールの小型化や省スペース化の際の障害となることが懸念される。
【0007】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、配置の際に必要なスペースを小さくすることが可能な電池接続アセンブリを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、正極及び負極の電極端子を有する単電池を複数個並べて構成された電池モジュールにおける隣り合う電極端子間を接続する複数の接続部材と前記各接続部材を保持する複数の接続ユニットとを備えた電池接続アセンブリであって、
前記各接続ユニットには、基端側を軸として回転可能な係止片と、前記接続ユニットにおける前記係止片を係止する収容係止部と、隣りの接続ユニットにおける前記係止片を係止する連結係止部と、が備えられているところに特徴を有する。
【0009】
本構成によれば、接続ユニットの連結の際には、係止片を隣の接続ユニットの連結係止部に順次係止させることができる。一方、連結した接続ユニットの端部については、連結に用いられない係止片が生じるが、この係止片については、当該接続ユニットの収容係止部に係止させることができる。これにより、電池接続アセンブリの端部(接続ユニットの並び方向の端部)に残された係止片ためのスペースが不要になるため、電池接続アセンブリの配置の際に必要なスペースを小さくすることができる。
【0010】
上記構成に加えて以下の構成を備えればより好ましい。
(1)前記係止片は、並んで設けられた一対の撓み片と、前記各撓み片の先端部にて互いに背き合う方向に突出する一対の係止爪部とを有し、前記係止爪部は、前記撓み片の復元変形により前記収容係止部及び連結係止部に係止されるため、簡易な構成で、確実に係止片を係止させることができる。
【0011】
(2)前記係止片は、前記接続ユニットを貫通して前記収容係止部に係止されているため、係止片を収容係止部に係止させる構成を簡素化することができる。また、収容係止部を突出させることなく接続ユニットに設けることが可能になる。
【0012】
(3)前記係止片は、前記接続ユニットを貫通して前記連結係止部に係止されているため、係止片を連結係止部に係止させる構成を簡素化することができる。また、連結係止部を突出させることなく接続ユニットに設けることが可能になる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、電池接続アセンブリの配置の際に必要なスペースを小さくすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態1の電池接続アセンブリの一部を拡大して表した平面図
【図2】図1のA−A断面図
【図3】図1のB−B断面図
【図4】樹脂ケースを示す平面図
【図5】係止片の付近を拡大して表した斜視図
【図6】複数の単電池に装着される各接続ユニットの配置を概略的に説明する図
【図7】電池モジュールの一部を拡大して表した図
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態1>
以下、本発明の実施形態1を図1〜図7を参照しつつ説明する。
本実施形態の電池接続アセンブリ20は、図7に示すように、正極及び負極の電極端子13A,13Bを有する複数の単電池11を備えた電池モジュール10において隣り合う単電池11の電極端子13A,13B(正極を13A,負極を13Bとして図示)間を接続部材23,24により接続するものである。この電池接続アセンブリ20が取り付けられた電池モジュール10は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等の車両の駆動源として使用される。以下では、上下方向については、図7の紙面手前側を上方、紙面奥方を下方とし、前後方向については、図7の左方を前方、右方を後方として説明する。
【0016】
電池モジュール10は、図6に概略的に示すように、例えば8個(複数個)の単電池11と、8個の単電池11を直列に接続する接続部材23,24を有する電池接続アセンブリ20とを備えて構成されている。
単電池11は、内部に図示しない発電要素が収容された扁平な直方体状の本体部12と、本体部12の上面から突出する端子部13とを有する。
【0017】
端子部13は、中心部にネジ孔を有するナット形であって、前後一対の角筒形の電極端子13A,13Bと、一対の電極端子13A,13Bの中間部に設けられた角筒状の電圧検知用の端子13Cとからなる。
電圧検知用の端子13Cにより電極端子13A,13Bのほぼ中間の電圧を検知できる。
【0018】
8個の単電池11の配列は、前後方向に2個(複数)並べられているとともに、左右方向には4個(複数)並べられている。各単電池11の向きは、左右に隣り合う電極端子13A,13Bの極性が反対になるように配置される。これら8個の単電池11は図示しない保持板によって固定されている。
【0019】
電池接続アセンブリ20は、2個(複数)の接続ユニット21,22を備えて構成されている。なお、本実施形態では、左右に並んだ接続ユニット21,22の後端部側の形状が異なるものが用いられており、また、左側の接続ユニット21については、2つの分割ユニット21A,21Bを備えて構成され、これら分割ユニット21A,21B間が長尺接続部材24を介して接続され電池接続アセンブリ20のボルト締め前には分割ユニット21A,21Bの間がわずかに移動可能となっている。
接続ユニット21,22は、共に、図1に示すように、電池モジュール10における隣り合う電極端子13A,13B間を接続する接続部材23,24と、電圧検知用の端子13Cに接続される電圧検知端子25と、接続部材23,24及び電圧検知端子25を保持する樹脂ケース26,27とから構成されている。
【0020】
接続部材23,24は、銅、銅合金、ステンレス鋼(SUS)、アルミニウム等の金属からなり、左右方向に異極の電極端子13A,13B間を接続する短尺接続部材23と、短尺接続部材23よりも長く前後方向に異極の電極端子13A,13B間を接続する長尺接続部材24とを有する。
短尺接続部材23は、左右に接続する電極端子13A,13B間の寸法に応じた長さの略長方形の板状をなし、ボルトBTの軸部が挿通される円形状の通し孔23Aが左右方向(接続方向)に一対貫通形成されている。
【0021】
長尺接続部材24は、接続する電極端子13A,13B間の寸法に応じた長さ(長尺)の板状をなし、前後の端部側には、ボルトBTの軸部が挿通される通し孔24Aが一対貫通形成されている。
この通し孔24Aの形状は、前後方向(接続方向)に長い長円形状、または円形状をなす。
長尺接続部材24の左右の側縁のうち、前後方向において通し孔24Aの位置の近傍には、当該側縁を段差状に切り欠いて形成された切欠部24Cが左右一対形成されている。
【0022】
電圧検知端子25は、単電池11の電圧を検知するためのものであって、矩形状の平板部の後方に電圧検知用電線Wが圧着される圧着部を備える。
平板部の中心部にボルトBTの軸部を挿通可能な円形の通し孔25Aが形成されている。圧着部は、電圧検知用電線Wの端末において露出させた芯線部分を圧着する。
電圧検知用電線Wは、図示しない電池ECUに接続される。電池ECUは、マイクロコンピュータ、素子等が搭載されたものであって、単電池11の電圧・電流・温度等の検知、各単電池11の充放電コントロール等を行うための機能を備えた周知の構成のものである。
【0023】
樹脂ケース26,27は、合成樹脂製であって、共に、図4に示すように(図4では左右の樹脂ケース26,27の共通部分の構成を図示)、短尺接続部材23を収容する短尺用収容部28と、長尺接続部材24を収容する長尺用収容部29と、短尺用収容部28と長尺用収容部29との間を接続する平板状の接続板部30と、この接続板部30に設けられ電圧検知端子25を収容する検知用収容部31とを備えている。
【0024】
短尺用収容部28は、樹脂ケース26(27)の前端部に設けられているとともに、短尺接続部材23が載置される底板28Aと、短尺接続部材23を包囲する角筒状の収容壁28Bと、短尺接続部材23を短尺用収容部28内に保持する一対の保持部28Cとが設けられている。
【0025】
底板28Aは、収容壁28Bの左右方向の中間部において対向する収容壁28Bの基端部間を連結する。
この底板28Aの左右は矩形状の開口部となっており、この開口部に、円筒形状の電極端子13A,13Bが進入可能となっている。
収容壁28Bは、工具等が短尺接続部材23やボルトBTの頭部に接触して短絡することを防止できる高さに設定されている。
【0026】
保持部28Cは、収容壁28Bのうち、底板28Aの前後の端部の上方に形成されており、短尺接続部材23の縁部の上面側に係止して短尺接続部材23の離脱を規制する。
各保持部28Cは、下方に向けて傾斜状に突出寸法が高くなる傾斜面を有する形状であって、その下端は、収容壁28Bの内面に対して段差状に突出している。この係止部は、左右一対のスリットの間に形成された撓み片36の先端部に形成されている。そして、短尺接続部材23の側縁を一方の係止部の下方に進入させ、他方の側縁を傾斜面に摺接させて係止部の下に押し込むことにより、短尺接続部材23が装着される。
【0027】
長尺用収容部29は、長尺接続部材24が載置される底板29Aと、長尺接続部材24を包囲する周壁29Bと、周壁29Bの内面側に突出し、長尺接続部材24の側縁部の上面側に係止する複数の保持部29Cと、長尺接続部材24の切欠部24Cに係合することにより長尺接続部材24の前後方向の移動(位置ずれ)を所定範囲内で許容する係合凸部29Dとが設けられている。
底板29Aの前方には、底板29Aが設けられていない開口部が形成されている。開口部は、電極端子13A,13Bの上端部が進入可能な部分である。
周壁29Bは、工具等が電極端子13A,13B及び接続部材23,24に接触して短絡することを防止できる高さで形成されている。
【0028】
保持部29Cは、周壁29Bの前後方向に複数箇所、左右一対設けられており、それぞれ周壁29Bの基端部から内方側に左右一対突出している。各保持部29Cは、下方に向けて傾斜状に突出寸法が高くなる傾斜面を有する形状であって、下端は、周壁29Bに対して段差状に突出している。この保持部29Cは、左右一対のスリットの間に形成された撓み片の先端部に形成されている。
【0029】
係合凸部29Dの前後方向の長さは、切欠部24Cの前後方向の長さよりもやや短く、この長さの差が所長尺接続部材24が前後方向にスライド移動可能なクリアランスの範囲となっている。
検知用収容部31は、電圧検知用の端子13Cの上端部が進入可能な矩形状の開口部を有する。
【0030】
ここで、本実施形態の接続ユニット21,22(の樹脂ケース26,27)は、隣りの接続ユニットと連結するための構成が備えられている。
具体的には、接続ユニット21,22の接続板部30には、接続板部30の一方の側縁部に設けられ基端側を軸として回転可能な係止片33と、係止片33の近傍に設けられ係止片33が挿通される収容孔40と、収容孔40に挿通された係止片33を係止する収容係止壁39(本発明の構成である「収容係止部」の一例)と、係止片33及び収容係止壁39とは、左右方向(接続ユニット21,22の並び方向)の反対側に設けられ隣りの接続ユニットの係止片33が挿通される連結孔41と、図2に示すように、連結孔41に挿通された係止片33が係止する連結係止壁42(本発明の構成である「連結係止部」の一例)とを備えている。
【0031】
係止片33は、図5に示すように、接続板部30に沿って板状に延出された板状延出部34と、板状延出部34の基端側(接続板部30の側縁との接続部分)に設けられ可撓性を有するヒンジ部35と、板状延出部34の底面の前後に平行に並んで設けられた一対の撓み片36と、撓み片36の先端部にて互いに背き合う方向に突出する一対の係止爪部37と、一対の撓み片36の間に設けられ撓み片36の過度撓みを規制する過度撓み規制片38とを備えている。
【0032】
ヒンジ部35は、板状延出部34の板厚を厚くした接続部分から板状延出部34の板厚(及び接続板部30の板厚)よりも肉薄にして接続板部30の側縁に一体に連なるように形成されている。このように肉薄に形成することで、接続板部30と同一平面上に配された板状延出部34が下方に180度回転して、接続板部30と板状延出部34とが重なるように配置することができる。
【0033】
一対の撓み片36と、過度撓み規制片38との間には隙間が形成されており、この隙間により撓み片36の過度撓み規制片38側への撓み変形が可能となっているとともに、過度撓み規制片38に当接することで、これ以上の撓み変形が規制されている。
【0034】
係止爪部37は、撓み片36から段差状に突出する段差面37Aを有し、その先端側の側縁は、角が取られた傾斜面とされており、係止片33を収容孔40や連結孔41に係止させる際に、傾斜面が孔縁に当接して係止片33を孔内に案内できるとともに、係止片33が収容孔40や連結孔41を貫通すると撓み片36が復元変形して段差面37が収容係止壁39や連結係止壁42に係止して抜け止めされる。
【0035】
収容孔40及び連結孔41は共に一対の撓み片36が進入可能な大きさの矩形の貫通孔であり、前後方向(係止片33の延出方向と直交する方向)の位置は、共に、係止片33の位置と同じである(収容孔40及び連結孔41の並び方向に係止片33が形成されている)。また、収容孔40及び連結孔41の前後方向の径は、係止片33の進入を許容しつつ係止爪部37が係止孔40,41の孔縁(凹部の内壁の縁)に係止する大きさである。
【0036】
収容係止壁39は、長方形の板状であって、接続板部30の上面における収容孔40の前後において上方に立設されている。収容係止壁39の内面側は、収容孔40の内壁と面一に形成されており、収容係止壁39の上端に係止片33の係止爪部37の段差面37Aが係止して抜け止めされる。
連結係止壁42は、長方形の板状であって、図2に示すように、接続板部30の底面における連結孔41の前後において下方に立設されている。連結係止壁42の内面側は、連結孔41の内壁と面一に形成されており、連結係止壁42の下端に係止片33の係止爪部37の段差面37Aが係止して抜け止めされる。
【0037】
次に、電池接続アセンブリ20の取り付けについて説明する。
まず、一方の接続ユニット21を構成する樹脂ケース26(隣の接続ユニット22側に係止片33が配される接続ユニット21)の係止片33の撓み片36を連結孔41に進入させ係止爪部37を連結係止壁42に係止させる。他方の接続ユニット22を構成する樹脂ケース27(係止片33を有する側に隣の接続ユニットが配されない接続ユニット22)の係止片33の撓み片36を収容孔40に進入させ係止爪部37を収容係止壁39に係止させる。これにより、隣り合う接続ユニット21,22を構成する樹脂ケース26,27が係止片33により連結された状態となるとともに、樹脂ケース27において連結に用いられない係止片33が突出することがない(図1参照)
【0038】
次に、一方の樹脂ケース26の分割ケース26A,26Bが連なるように並べ、各収容部28,29,31に各接続部材23,24及び電圧検知端子25を装着した接続ユニット21を形成する。また、他方の樹脂ケース27の各接続部材23,24及び電圧検知端子25を各収容部28,29,31に装着した接続ユニット22を形成する。
【0039】
次に、検知用収容部31の裏側には、図示しない位置決め部が凹設されており、この位置決め部が単電池11の各電圧検知用の端子13Cに嵌合して位置決めされるように装着する(図7)。
そして、長尺接続部材24の一方の通し孔23AにボルトBTの軸部を通し、長尺接続部材24を電極端子13A,13Bとの間でボルト締めする。
【0040】
次に、長尺接続部材24の他方の通し孔23AにボルトBTの軸部を通し、電極端子13A,13Bにボルト締めする。
次に、各短尺接続部材23を各電極端子13A,13BにボルトBTによりボルト締めし、電圧検知端子25の通し孔25AにボルトBTの軸部を通し、電圧検知用の端子13Cにボルト締めする。なお、短尺接続部材23のボルト締めを長尺接続部材24のボルト締めの前に行うことも可能である。
【0041】
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)各接続ユニット21,22には、基端側を軸として回転可能な係止片33と、当該接続ユニット21,22における係止片33を係止する収容係止壁39(収容係止部)と、隣りの接続ユニット21,22における係止片33を係止する連結係止壁42(連結係止部)とが備えられている。
このように、本実施形態によれば、接続ユニット21,22の連結の際には、係止片33を隣の接続ユニット21,22の連結係止壁42(連結係止部)に順次係止させることができる。一方、連結した接続ユニット22の端部については、連結に用いられない係止片33が生じるが、この係止片33を基端側を軸として下方に回転させて収容係止壁39(収容係止部)に係止させることができる。これにより、電池接続アセンブリ20の端部(接続ユニット21,22の並び方向の端部)に突出する係止片のスペースが不要になるため、電池接続アセンブリ20の配置の際に必要なスペースを小さくすることができる。
【0042】
(2)係止片33は、並んで設けられた一対の撓み片36と、各撓み片36の先端部にて互いに背き合う方向に突出する一対の係止爪部37とを有し、係止爪部37は、撓み片36の復元変形により収容係止壁39(収容係止部)及び連結係止壁42(連結係止部)に係止されるため、簡易な構成で、確実に係止片33を係止させることができる。
【0043】
(3)係止片33は、接続ユニット21,22の接続板部30を貫通して収容係止壁39(収容係止部)に係止されているため、係止片33を収容係止壁39に係止させる構成を簡素化することができる。また、収容係止壁39を側端部に突出させることなく接続ユニット21,22に設けることが可能になる。
【0044】
(4)係止片33は、接続ユニット21,22を貫通して連結係止壁42(連結係止部)に係止されているため、係止片33を連結係止壁42に係止させる構成を簡素化することができる。また、連結係止壁42を側端部に突出させることなく接続ユニット21,22に設けることが可能になる。
【0045】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、隣り合う接続ユニット21,22の形状が異なるものを用いたが、同一構成の接続ユニットを複数用いて、隣り合う接続ユニット21,22の形状が同一のものを連結するようにしてもよい。
【0046】
(2)上記実施形態では、係止片33を係止させる構成として、共に貫通孔である連結孔41及び収容孔40を設けたが、このような貫通孔に限られない。例えば、接続ユニット(の接続板部30)の上面側(一方の面側)に係止片33による連結のために凹設した連結係止凹部(連結係止部)を用い、接続ユニット(の接続板部30)の底面側(他方の面側)に係止片33の収容のために凹設した収容係止凹部(収容係止部)を用いるようにしてもよい。
【0047】
(3)上記実施形態では、単電池11の端子部13がナット形であり、別部材のボルトBTを用いて締結する構成であったが、これに限らず、端子部13が外周面にネジ溝を有する棒状の軸部を有する構成とし、別部材のナットを接続部材23,24の上方から締結することにより、接続部材23,24を端子部13に固定する構成としてもよい。なお、この場合には、各接続部材23,24の通し孔23A,24Aには、電極端子13A,13Bの軸部が通されることになる。
【0048】
(4)上記実施形態では、複数の単電池11を直列に接続する場合について説明したが、これに限られず、複数の単電池11を並列(直列及び並列)に接続する場合について適用してもよい。
(5)電池モジュール10を構成する単電池11の数については、8個としたが、これに限られず、7個以下又は9個以上でもよく、これに伴って電池接続アセンブリの構成も単電池11の数に応じて任意に設定することができる。
【符号の説明】
【0049】
10…電池モジュール
11…単電池
13…端子部
13A,13B…電極端子
20…電池接続アセンブリ
21,22…接続ユニット
23…短尺接続部材
24…長尺接続部材
25…電圧検知端子
26,27…樹脂ケース
26A,26B…分割ケース
28…短尺用収容部
29…長尺用収容部
30…接続板部
31…検知用収容部
33…係止片
34…板状延出部
35…ヒンジ部
36…撓み片
37…係止爪部
38…過度撓み規制片
39…収容係止壁(収容係止部)
40…収容孔
41…連結孔
42…連結係止壁(連結係止部)
W…電圧検知用電線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極及び負極の電極端子を有する単電池を複数個並べて構成された電池モジュールにおける隣り合う電極端子間を接続する複数の接続部材と前記各接続部材を保持する複数の接続ユニットとを備えた電池接続アセンブリであって、
前記各接続ユニットには、基端側を軸として回転可能な係止片と、当該接続ユニットにおける前記係止片を係止する収容係止部と、隣りの接続ユニットにおける前記係止片を係止する連結係止部と、が備えられている電池接続アセンブリ。
【請求項2】
前記係止片は、並んで設けられた一対の撓み片と、前記各撓み片の先端部にて互いに背き合う方向に突出する一対の係止爪部とを有し、前記係止爪部は、前記撓み片の復元変形により前記収容係止部及び連結係止部に係止されることを特徴とする請求項1記載の電池接続アセンブリ。
【請求項3】
前記係止片は、前記接続ユニットを貫通して前記収容係止部に係止されていることを特徴とする請求項2記載の電池接続アセンブリ。
【請求項4】
前記係止片は、前記接続ユニットを貫通して前記連結係止部に係止されていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の電池接続アセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−186063(P2012−186063A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49072(P2011−49072)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】