説明

電波モジュールの取付構造及び封緘封印

【課題】 美観を損なうことを未然に回避し、また、電波モジュールの存在が第三者に容易に知られることを未然に回避する。
【解決手段】 封緘筐体4がナンバープレート15と共に取付けボルト16により車両ボデーに取付けられ、取付けボルト16を封印するように電波モジュール本体2が封緘筐体4内に収容され、取付けボルト16及び電波モジュール本体2を封印するように封印部材5が封緘筐体4に嵌合され、電波モジュール本体2が封緘筐体4内に収容されて封印部材5が封緘筐体4に嵌合されている態様での高さ方向の寸法及び径方向の寸法が現行の封印部材が現行の封緘部材に嵌合されている態様での高さ方向の寸法及び径方向の寸法と略同等に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電波モジュールがナンバープレートに取付けられる電波モジュールの取付構造及びナンバープレートを車両ボデーに取付けるための封緘封印に関する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
電子ナンバープレート用の電波モジュールがナンバープレートに取付けられる構造として、出願人は、特願2004−259687や特願2005−129688を出願した。このうち、特願2004−259687は、電池を交換不可能な構造の電波モジュールが
ナンバープレートに取付けられる構造に関するものであり、特願2005−129688は、電池を交換可能な構造の電波モジュールがナンバープレートに取付けられる構造に関するものである。一方、ナンバープレートが車両ボデーに取付けられる構造として、現行では、封緘部材がナンバープレートと共に取付けボルトにより車両ボデーに取付けられた後に封印部材が封緘部材に嵌合され、ナンバープレートが車両ボデーに取付けられる構造となっている。
【0003】
ところで、上記した特願2004−259687や特願2005−129688に記載されている電波モジュールの取付構造では、電波モジュールが封緘部材及び封印部材とは別体に封緘部材及び封印部材の周囲に取付けられることから、美観を損なうという問題がある。また、電波モジュールの存在が第三者に容易に知られるが故に故意に悪戯されたり盗難されたりするという問題もある。
【0004】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、美観を損なうことを未然に回避することができ、また、電波モジュールの存在が第三者に容易に知られることを未然に回避して故意に悪戯されたり盗難されたりすることをも未然に回避することができる電波モジュールの取付構造及び封緘封印を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載した発明によれば、封緘筐体がナンバープレートと共に取付けボルトにより車両ボデーに取付けられ、取付けボルトを封印するように電波モジュール本体が封緘筐体内に収容され、取付けボルト及び電波モジュール本体を封印するように封印部材が封緘筐体に嵌合され、電波モジュール本体が封緘筐体内に収容されて封印部材が封緘筐体に嵌合されている態様での高さ方向の寸法及び径方向の寸法が現行の封印部材が現行の封緘部材に嵌合されている態様での高さ方向の寸法及び径方向の寸法と略同等に構成されている。
【0006】
これにより、電波モジュールが封緘部材及び封印部材の周囲に取付けられる従来のものとは異なって、封緘筐体と封印部材との間の空間に電波モジュール本体を収容することにより、電波モジュールを封緘筐体及び封印部材と共にナンバープレートに取付けることができ、美観を損なうことを未然に回避することができ、また、電波モジュールの存在が第三者に容易に知られることを未然に回避して故意に悪戯されたり盗難されたりすることをも未然に回避することができる。さらに、封印部材の封緘筐体に対する嵌合を破壊しない限りナンバープレートを取外せない構造をも実現することができ、ナンバープレートが盗難されることをも未然に回避することができる。
【0007】
請求項2に記載した発明によれば、電波モジュール本体が緩衝部材を介して封緘筐体内に収容されている。これにより、電波モジュール本体が外部から与えられる衝撃を和らげることができ、電波モジュール本体を機械的に保護することができる。また、緩衝部材の反発力で常に封緘筐体及び電波モジュール本体を介して封印部材に対して荷重が与えられることにより、封印部材と電波モジュール本体とのがたつきを防止することができると共に、封印部材の緩みや外れをも防止することができる。
【0008】
請求項3に記載した発明によれば、電波モジュールに動作電力を供給可能な電池がナンバープレートの表面にて電波モジュールに対して並ぶように着脱可能に構成されている。これにより、電波モジュールとは別体の電池(メイン電池)から電波モジュールに動作電力が供給されることにより、電波モジュールとしての製品寿命を長くすることができ、また、電波モジュールに一体の電池(サブ電池)の使用条件を制限することで容量を小さくして小型化することをもできる。さらに、この場合は、電池がナンバープレートの表面にて電波モジュールに対して並ぶように着脱されることにより、電池がナンバープレートの表面から突起物として突出するものの、その容積を最小限に抑制することをもできる。
【0009】
請求項4に記載した発明によれば、電波モジュールに動作電力を供給可能な電池がナンバープレートの裏面にて電波モジュールに対して着脱可能に構成されている。これにより、上記した請求項3に記載したものと同様にして、電波モジュールとは別体の電池(メイン電池)から電波モジュールに動作電力が供給されることにより、電波モジュールとしての製品寿命を長くすることができ、また、電波モジュールに一体の電池(サブ電池)の使用条件を制限することで容量を小さくして小型化することをもできる。さらに、この場合は、電池がナンバープレートの裏面にて電波モジュールに対して着脱されることにより、電池がナンバープレートの表面から突起することを回避することをもできる。
【0010】
請求項5に記載した発明によれば、電池の電波モジュールに対する着脱方向がナンバープレートの上方向、横方向及び下方向のいずれかとなるように構成されている。これにより、電池をナンバープレートの上方向、横方向及び下方向のいずれかから着脱することができる。
【0011】
請求項6に記載した発明によれば、アンテナが電波モジュール本体から引出されてナンバープレートの表面に配置されていると共に、電波モジュールに動作電力を供給可能な電池がナンバープレートの表面にて電波モジュールに重なるように電波モジュールに対して着脱可能に構成されている。これにより、アンテナが電波モジュール本体から引出されてナンバープレートの表面に配置されていることにより、アンテナ特性を適切に確保することができ、しかも、上記した請求項3及び請求項5に記載したものと同様にして、電波モジュールとは別体の電池(メイン電池)から電波モジュールに動作電力が供給されることにより、電波モジュールとしての製品寿命を長くすることができ、また、電波モジュールに一体の電池(サブ電池)の使用条件を制限することで容量を小さくして小型化することをもできる。
【0012】
また、この場合は、電池がナンバープレートの表面にて電波モジュールに重なるように電波モジュールに対して着脱されることにより、電池がナンバープレートの表面に直接配置されることがなく、違和感を抑制することができる。また、アンテナの大きさや位置が封緘筐体の大きさや位置に制限されないことにより、アンテナの自由度を高めることをもでき、さらに、封緘筐体や封印部材を金属材料から構成することにより、強度を確保することをもできる。
【0013】
請求項7に記載した発明によれば、電池と封印部材とが一体的に構成されている。これにより、部品点数を少なくすることができる。
請求項8に記載した発明によれば、電波モジュール本体に内蔵されている回路基板が熱可塑性樹脂からなる多層基板またはセラミック基板から構成されている。これにより、回路基板自体を小型化することができる。
【0014】
請求項9に記載した発明によれば、ナンバープレートと共に取付けボルトにより車両ボデーに取付けられる封緘筐体と、取付けボルトを封印する封印部材とからなり、取付けボルトを封印するように電波モジュール本体が封緘筐体内に収容可能に構成されていると共に、封印部材が封緘筐体に嵌合されている態様での高さ方向の寸法及び径方向の寸法が現行の封印部材が現行の封緘部材に嵌合されている態様での高さ方向の寸法及び径方向の寸法と略同等に構成されている。
【0015】
これにより、上記した請求項1に記載したものと同様の作用効果を得ることができる。すなわち、封緘筐体と封印部材との間の空間に電波モジュール本体を収容することにより、電波モジュールを封緘筐体及び封印部材と共にナンバープレートに取付けることができ、美観を損なうことを未然に回避することができ、また、電波モジュールの存在が第三者に容易に知られることを未然に回避して故意に悪戯されたり盗難されたりすることをも未然に回避することができる。さらに、封印部材の封緘筐体に対する嵌合を破壊しない限りナンバープレートを取外せない構造をも実現することができ、ナンバープレートが盗難されることをも未然に回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について、図1ないし図5を参照して説明する。図2は、電子ナンバープレート用の電波モジュール(以下、単に電波モジュールと称する)が分解されている態様を横断平面図として示している。電波モジュール1は、電波モジュール本体2、緩衝部材3、封緘筐体4及び封印部材5を構成部品として構成されている。尚、
本発明でいう封緘封印は、封緘筐体4及び封印部材5から構成されている。
【0017】
電波モジュール本体2は、その筐体6が樹脂を材料として構成されており、回路基板7、サブ電池8及び接続コネクタ9が内蔵されている。回路基板7は、例えばチップ内蔵可能な熱可塑性樹脂からなる多層基板やベアチップ実装可能なセラミック基板から構成されており、その表面(図2では上面)に例えば導体パターンにより形成されているパッチアンテナ10が配置されていると共に、その裏面(図2では下面)に制御部や通信部や記憶部などの各機能ブロックを構成する回路素子11が実装されている。
【0018】
サブ電池8は、小型のコイン型電池から構成されており、その正極がアーチ形状のターミナル12を介して回路基板に電気的に接続されていると共に負極がターミナル(図示せず)を介して回路基板に電気的に接続されている。接続コネクタ9は、詳しくは後述するメイン電池筐体の接続コネクタが嵌合される構造となっており、2本の接続端子13a,13b(図4参照)がリード線を介して回路基板7に接続されている。また、筐体6の下部には、ナンバープレート15を車両ボデーに取付けるための取付けボルト16の頭部16aを収容可能な凹状の空間部17が形成されている。
【0019】
緩衝部材3は、柔軟性を有する素材を材料として円環状に構成されている。封緘筐体4は、樹脂を材料として構成されており、上記した電波モジュール本体2及び緩衝部材3を収容可能な凹状の電波モジュール本体収容部18を有する形状に形成され、取付けボルト16が挿通される取付けボルト挿通穴部19が形成されて構成されている。
【0020】
封印部材5は、上記した封緘筐体4と同様にして樹脂を材料として構成されており、下方に延びる3本の舌片部20〜22(図2では舌片部20,21を示す)が形成されている。この場合、封印部材5は、舌片部20〜22の先端に形成されている爪部20a〜22aが上記した封緘筐体4に形成されている引掛部23〜25(図2では引掛部23を示す)に引掛けられることにより、封緘筐体4に嵌合されるように構成されている。
【0021】
図3は、上記した電波モジュール本体2、緩衝部材3、封緘筐体4及び封印部材5が組付けられて電波モジュール1としてナンバープレート15に取付けられている態様を概略的に示している。以下、電波モジュール本体2、緩衝部材3、封緘筐体4及び封印部材5が組付けられる手順について説明する。
【0022】
最初に、封緘筐体4に形成されている取付けボルト挿通穴部19とナンバープレート15に形成されている取付けボルト挿通穴部26とが一致するように封緘筐体4がナンバープレート15に配置され、取付けボルト16が封緘筐体4の取付けボルト挿通穴部19及びナンバープレート15の取付けボルト挿通穴部26に挿通され、封緘筐体4がナンバープレート15と共に車両ボデーに取付けられる(共締めされて取付けられる)。
【0023】
次いで、緩衝部材3が封緘筐体4の電波モジュール本体収容部18に収容され、電波モジュール本体2が取付けボルト16を封印するように電波モジュール本体収容部18に収容される。そして、封印部材5の舌片部20〜22の先端に形成されている爪部20a〜22aが封緘筐体4に形成されている引掛部23〜25に引掛けられ、封印部材5が取付けボルト16及び電波モジュール本体2を封印するように封緘筐体4に嵌合される。
【0024】
そして、このようにして電波モジュール本体2、緩衝部材3、封緘筐体4及び封印部材5が組付けられて電波モジュール1が構成されている態様では、その高さ方向の寸法(図3中「H1」にて示す)及び径方向の寸法(図3中「R1」にて示す)は、現行の封印部材が現行の封緘部材に嵌合されている態様での高さ方向の寸法及び径方向の寸法と略同等になっている。
【0025】
図4は、このようにしてナンバープレート15と共に車両ボデーに取付けられた電波モジュール1に対してメイン電池が着脱される態様を示している。メイン電池筐体31は、矩形状のメイン電池32が内蔵されて構成されている。接続コネクタ33は、上記した電波モジュール本体2の接続コネクタ9に嵌合する構造となっており、接続端子34が2本のリード端子35a,35bを介してメイン電池32に接続されている。また、接続コネクタ33は、メイン電池32の面方向、つまり、メイン電池筐体31がナンバープレート15に配置されている態様でのナンバープレート15の面方向(図4中矢印A1,A2方向)に沿ってスライド移動可能になっている。
【0026】
以下、メイン電池筐体31が電波モジュール1に装着される手順について説明する。
最初に、メイン電池筐体31の接続コネクタ33が電波モジュール本体2の接続コネクタ9に嵌合可能となるようにメイン電池筐体31がナンバープレート15の表面に配置される(図4(b)参照)。次いで、操作部36に電波モジュール1に向かう方向(図4中矢印A2方向)への力が与えられることにより、メイン電池筐体31の接続コネクタ33が電波モジュール本体2の接続コネクタ9に向かってスライド移動され、メイン電池筐体31に形成されている爪部37が電波モジュール本体2に形成されている引掛部38に引掛けられることにより、メイン電池筐体31の接続コネクタ33が電波モジュール本体2の接続コネクタ9に嵌合される(図4(c)参照)。そして、このようにしてメイン電池筐体31が電波モジュール1に装着されることにより、メイン電池32の電力が電波モジュール1の動作電力として電波モジュール1に供給可能となる。
【0027】
尚、上記した構成において、電波モジュール本体2に内蔵されているサブ電池8は、メイン電池筐体31に内蔵されているメイン電池32のバックアップ電池として機能する。具体的には、電波モジュール1は、メイン電池筐体31が電波モジュール1に正常に装着されている場合には、メイン電池32から供給される電力を動作電力として動作し、一方、メイン電池筐体31が例えば電池交換のために一時的に取外されたり第三者の悪意により不正に取外されたりした場合には、メモリ情報を保持したり通信機能を確保したりするためにサブ電池8から供給される電力を動作電力として動作するように構成されている。また、サブ電池8は必ずしも搭載されている必要はなく、つまり、メイン電池筐体31が取外された場合であってもメモリ情報を保持したり通信機能を確保したりする必要がなければ(ユーザが要求しなければ)、サブ電池8が省略されていても良い。
【0028】
以上に説明したように第1の実施形態によれば、封緘筐体4がナンバープレート15と共に取付けボルト16により車両ボデーに取付けられ、取付けボルト16を封印するように電波モジュール本体2が封緘筐体4内に収容され、取付けボルト16及び電波モジュール本体2を封印するように封印部材5が封緘筐体4に嵌合され、電波モジュール本体2が封緘筐体4内に収容されて封印部材5が封緘筐体4に嵌合されている態様での高さ方向の寸法及び径方向の寸法が現行の封印部材が現行の封緘部材に嵌合されている態様での高さ方向の寸法及び径方向の寸法と略同等となるように構成した。
【0029】
これにより、封緘筐体4と封印部材5との間の空間に電波モジュール本体2を収容することにより、電波モジュール1を封緘筐体4及び封印部材5と共にナンバープレート15に取付けることができ、美観を損なうことを未然に回避することができ、また、電波モジュール1の存在が第三者に容易に知られることを未然に回避して故意に悪戯されたり盗難されたりすることをも未然に回避することができる。さらに、封印部材5の封緘筐体4に対する嵌合を破壊しない限りナンバープレート15を取外せない構造をも実現することができ、ナンバープレート15が盗難されることをも未然に回避することができる。
【0030】
また、電波モジュール本体2が緩衝部材3を介して封緘筐体4内に収容されるように構成したので、電波モジュール本体2が外部から与えられる衝撃を和らげることができ、電波モジュール本体2を機械的に保護することができる。また、緩衝部材3の反発力で常に封緘筐体4及び電波モジュール本体2を介して封印部材5に対して荷重が与えられることにより、封印部材5と電波モジュール本体2とのがたつきを防止することができると共に、封印部材5の緩みや外れをも防止することができる。
【0031】
また、電波モジュール1に動作電力を供給可能なメイン電池筐体31がナンバープレート15の表面にて電波モジュール1に対して並ぶように着脱可能に構成したので、電波モジュール1としての製品寿命を長くすることができ、また、サブ電池8の使用条件を制限することで容量を小さくして小型化することをもできる。さらに、この場合は、メイン電池筐体31がナンバープレート15の表面にて電波モジュール1に対して並ぶように着脱されることにより、メイン電池筐体31がナンバープレート15の表面から突起物として突出するものの、その容積を最小限に抑制することをもできる。
【0032】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、図6ないし図8を参照して説明する。上記した第1の実施形態は、メイン電池筐体31がナンバープレート15の表面にて電波モジュール1に対して並ぶように着脱される構成であるが、これに対して、この第2の実施形態は、メイン電池筐体が電波モジュールに対して重なるように着脱される構成である。
【0033】
すなわち、図7において、電波モジュール41は、電波モジュール本体42、緩衝部材43、封緘筐体44及び封印部材45を構成部品として構成されている。電波モジュール本体42は、その筐体46が樹脂を材料として構成されており、回路基板47及びサブ電池48が内蔵されている。回路基板47は、例えばチップ内蔵可能な熱可塑性樹脂からなる多層基板やベアチップ実装可能なセラミック基板から構成されているが、上記した第1の実施形態で説明した回路基板7とは異なって、その表面(図7では上面)にパッチアンテナが配置されているのではなく、2本の接続端子49a,49bが突出されていると共に、その裏面(図7では下面)に制御部や通信部や記憶部などの各機能ブロックを構成する回路素子50が実装されている。
【0034】
サブ電池48は、小型のコイン型電池から構成されており、その正極がアーチ形状のターミナル51を介して回路基板47に電気的に接続されていると共に負極がターミナル(図示せず)を介して回路基板47に電気的に接続されている。また、筐体46の下部には、ナンバープレート15を車両ボデーに取付けるための取付けボルト16の頭部16aを収容可能な凹状の空間部52が形成されている。
【0035】
緩衝部材43は、上記した第1の実施形態で説明した緩衝部材3と同様にして、柔軟性を有する素材を材料として円環状に構成されている。封緘筐体44は、上記した第1の実施形態で説明した封緘筐体4と同様にして、上記した電波モジュール本体42及び緩衝部材43を収容可能な凹状の電波モジュール本体収容部53を有する形状に形成され、取付けボルト16が挿通される取付けボルト挿通穴部54が形成されて構成されている。
【0036】
封印部材45は、上記した封緘筐体44と同様にして樹脂を材料として構成されており、下方に延びる4本の舌片部55〜58(図7では舌片部55〜57を示す)が形成されている。この場合、封印部材45は、舌片部55〜58の先端に形成されている爪部55a〜58aが上記した封緘筐体44に形成されている引掛部59〜62(図7では引掛部59,61を示す)に引掛けられることにより、封緘筐体4に嵌合されるように構成されている。また、封印部材45には、上記した電波モジュール本体2の回路基板47の表面から突出されている2本の接続端子49a,49bが挿通される接続端子挿通穴部63a,63bが形成されている。
【0037】
図8は、上記した電波モジュール本体42、緩衝部材43、封緘筐体44及び封印部材45が組付けられて電波モジュール41としてナンバープレート15に取付けられている態様を概略的に示している。以下、電波モジュール本体42、緩衝部材43、封緘筐体44及び封印部材45が組付けられる手順について説明する。
【0038】
最初に、封緘筐体44に形成されている取付けボルト挿通穴部54とナンバープレート15に形成されている取付けボルト挿通穴部26とが一致するように封緘筐体44がナンバープレート15に配置され、取付けボルト16が封緘筐体44の取付けボルト挿通穴部54及びナンバープレート15の取付けボルト挿通穴部26に挿通され、封緘筐体44がナンバープレート15と共に車両ボデーに取付けられる(共締めされて取付けられる)。
【0039】
次いで、緩衝部材43が封緘筐体44の電波モジュール本体収容部53に収容され、電波モジュール本体42が取付けボルト16を封印するように電波モジュール本体収容部53に収容される。そして、封印部材45の舌片部55〜58の先端に形成されている爪部55a〜58aが封緘筐体44に形成されている引掛部59〜62に引掛けられると同時に上記した電波モジュール本体2の回路基板47の表面から突出されている2本の接続端子49a,49bが接続端子挿通穴部63a,63bに挿通され、封印部材45が取付けボルト16及び電波モジュール本体42を封印するように封緘筐体44に嵌合される。
【0040】
そして、このようにして電波モジュール本体42、緩衝部材43、封緘筐体44及び封印部材45が組付けられて電波モジュール41が構成されている態様でも、その高さ方向の寸法(図7中「H2」にて示す)及び径方向の寸法(図7中「R2」にて示す)は、現行の封印部材が現行の封緘部材に嵌合されている態様での高さ方向の寸法及び径方向の寸法と略同等になっている。
【0041】
また、この第2の実施形態では、メイン電池筐体71は、矩形状のメイン電池72が内蔵されていると共に封緘筐体44に嵌合する嵌合部73が形成されて構成されている。この場合、嵌合部73の内径は封緘筐体44の外径よりも僅かに大きくなっている。また、メイン電池72から引出されている接続端子74a,74bは、嵌合部73の天井面73aに渦巻き状に形成されている導体パターン(図示せず)と導通されている。
【0042】
以下、メイン電池筐体71が電波モジュール41に装着される手順について説明する。
この場合は、メイン電池筐体71の嵌合部73が封緘筐体44に嵌合され、メイン電池筐体71が電波モジュール41に装着される。メイン電池筐体71の嵌合部73が封緘筐体44に嵌合される態様としてはネジ締めなどであり、メイン電池筐体71の嵌合部73が封緘筐体44にネジ締めされることに応じて嵌合部73の天井面73aに形成されている導体パターンが電波モジュール41の2本の接続端子49a,49bと接するようになっている。そして、このようにしてメイン電池筐体71が電波モジュール41に装着されることにより、メイン電池筐体71の2本の接続端子74a,74bと電波モジュール41の2本の接続端子49a,49bとが電気的に接続され、メイン電池72の電力が電波モジュール41の動作電力として電波モジュール41に供給可能となる。
【0043】
尚、上記した構成では、アンテナ75は、図6(a)に示すように、電波モジュール本体42から例えばリード線76を介して引出されており、フィルムアンテナとしてナンバープレート15の表面に配置されている。尚、図7ではアンテナ75及びリード線76は省略している。
【0044】
以上に説明したように第2の実施形態によれば、封緘筐体44がナンバープレート15と共に取付けボルト16により車両ボデーに取付けられ、取付けボルト16を封印するように電波モジュール本体42が封緘筐体44内に収容され、取付けボルト16及び電波モジュール本体42を封印するように封印部材45が封緘筐体44に嵌合され、電波モジュール本体42が封緘筐体44内に収容されて封印部材45が封緘筐体44に嵌合されている態様での高さ方向の寸法及び径方向の寸法が現行の封印部材が現行の封緘部材に嵌合されている態様での高さ方向の寸法及び径方向の寸法と略同等となるように構成した。
【0045】
これにより、上記した第1の実施形態に記載したものと同様の作用効果を得ることができる。すなわち、封緘筐体44と封印部材45との間の空間に電波モジュール本体42を収容することにより、電波モジュール41を封緘筐体44及び封印部材45と共にナンバープレート15に取付けることができ、美観を損なうことを未然に回避することができ、また、電波モジュール41の存在が第三者に容易に知られることを未然に回避して故意に悪戯されたり盗難されたりすることをも未然に回避することができる。さらに、封印部材45の封緘筐体44に対する嵌合を破壊しない限りナンバープレート15を取外せない構造をも実現することができ、ナンバープレート15が盗難されることをも未然に回避することができる。
【0046】
また、アンテナ75が電波モジュール本体42から引出されてナンバープレート15の表面に配置されていると共に、電波モジュール41に動作電力を供給可能なメイン電池筐体71がナンバープレート15の表面にて電波モジュール41に対して重なるように着脱可能に構成したので、アンテナ特性を適切に確保することができ、しかも、電波モジュール41としての製品寿命を長くすることができ、また、サブ電池48の使用条件を制限することで容量を小さくして小型化することをもできる。また、この場合は、メイン電池筐体71がナンバープレート15の表面に直接配置されることがなく、違和感を抑制することができる。また、アンテナ75の大きさや位置が封緘筐体44の大きさや位置に制限されないことにより、アンテナ75の自由度を高めることをもできる。
【0047】
(その他の実施形態)
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形または拡張することができる。
封緘筐体や封印部材がナンバープレートのプレート面と略同色で構成されても良く、そのように構成すれば、違和感を抑制することができる。
サブ電池及びメイン電池は、充電不可能な(使い切り型の)一次電池に限らず、充電可能な二次電池でも良い。その場合、特にメイン電池が二次電池である場合には、メイン電池筐体が電波モジュールに対して正常に装着され、各機能ブロックへの動作電力の供給元がサブ電池からメイン電池へ切替えられた後に、メイン電池からサブ電池へ電力が供給されてサブ電池が充電される構成であっても良い。
【0048】
第1の実施形態において、メイン電池筐体の電波モジュールに対する着脱方向がナンバープレートの横方向である構成に限らず、メイン電池筐体の電波モジュールに対する着脱方向がナンバープレートの上方向や下方向であっても良い。
【0049】
第1の実施形態において、メイン電池筐体がナンバープレートの表面に配置される構成に限らず、メイン電池筐体と電波モジュールとがケーブルを介して接続可能に構成され、そのケーブルがナンバープレートに形成されているケーブル挿通穴部に挿通されることにより、メイン電池筐体がナンバープレートの裏面に配置される構成であっても良い。その場合は、メイン電池筐体の配置場所に自由度があることから、複数のメイン電池筐体が同時に配置される構成であっても良いし、大容量のメイン電池が内蔵されているメイン電池筐体が配置される構成であっても良い。また、メイン電池筐体と電波モジュールとを接続するケーブルがケーブル挿通穴部に挿通される構成に限らず、ナンバープレートに嵌合穴部が形成されることにより、メイン電池筐体が嵌合穴部に嵌合される(組込まれる)構成であっても良い。
【0050】
第2の実施形態において、メイン電池筐体と封印部材とが一体化されている構成であっても良く、つまり、メイン電池筐体が交換されるのと同時に封印部材が交換される構成であっても良い。また、第2の実施形態において、封緘筐体及び封印部材が金属材料から構成されていても良く、そのように構成すれば、強度を確保することをもできる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すもので、電波モジュールがナンバープレートに取付けられ且つメイン電池筐体が電波モジュールに装着されている態様を示す正面図(a)及び横断平面図(b)
【図2】電波モジュールの構成部品を示す横断平面図
【図3】電波モジュールがナンバープレートに取付けられている態様を示す正面図(a)及び横断平面図(b)
【図4】メイン電池筐体が電波モジュールに装着される手順を概略的に示す図
【図5】メイン電池筐体が電波モジュールに装着されている態様を示す外観斜視図
【図6】本発明の第2の実施形態を示すもので、電波モジュールがナンバープレートに取付けられ且つメイン電池筐体が電波モジュールに装着されている態様を示す正面図(a)及び横断平面図(b)
【図7】電波モジュールの構成部品及びメイン電池筐体の横断平面図
【図8】電波モジュールがナンバープレートに取付けられている態様を示す横断平面図
【符号の説明】
【0052】
図面中、1は電波モジュール、2は電波モジュール本体、3は緩衝部材、4は封緘筐体、5は封印部材、15はナンバープレート、16は取付けボルト、32はメイン電池(電池)、41は電波モジュール、42は電波モジュール本体、43は緩衝部材、44は封緘筐体、45は封印部材、72はメイン電池(電池)、75はアンテナである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
封緘筐体がナンバープレートと共に取付けボルトにより車両ボデーに取付けられ、前記取付けボルトを封印するように電波モジュール本体が前記封緘筐体内に収容され、前記取付けボルト及び前記電波モジュール本体を封印するように封印部材が前記封緘筐体に嵌合され、前記電波モジュール本体が前記封緘筐体内に収容されて前記封印部材が前記封緘筐体に嵌合されている態様での高さ方向の寸法及び径方向の寸法が現行の封印部材が現行の封緘部材に嵌合されている態様での高さ方向の寸法及び径方向の寸法と略同等に構成されていることを特徴とする電波モジュールの取付構造。
【請求項2】
請求項1に記載した電波モジュールの取付構造において、
前記電波モジュール本体が緩衝部材を介して前記封緘筐体内に収容されていることを特徴とする電波モジュールの取付構造。
【請求項3】
請求項1または2に記載した電波モジュールの取付構造において、
前記電波モジュールに動作電力を供給可能な電池が前記ナンバープレートの表面にて前記電波モジュールに対して並ぶように着脱可能に構成されていることを特徴とする電波モジュールの取付構造。
【請求項4】
請求項1または2に記載した電波モジュールの取付構造において、
前記電波モジュールに動作電力を供給可能な電池が前記ナンバープレートの裏面にて前記電波モジュールに対して着脱可能に構成されていることを特徴とする電波モジュールの取付構造。
【請求項5】
請求項3または4に記載した電波モジュールの取付構造において、
前記電池の前記電波モジュールに対する着脱方向が前記ナンバープレートの上方向、横方向及び下方向のいずれかとなるように構成されていることを特徴とする電波モジュールの取付構造。
【請求項6】
請求項1または2に記載した電波モジュールの取付構造において、
アンテナが前記電波モジュール本体から引出されて前記ナンバープレートの表面に配置されていると共に、前記電波モジュールに動作電力を供給可能な電池が前記ナンバープレートの表面にて前記電波モジュールに対して重なるように着脱可能に構成されていることを特徴とする電波モジュールの取付構造。
【請求項7】
請求項6に記載した電波モジュールの取付構造において、
前記電池と前記封印部材とが一体的に構成されていることを特徴とする電波モジュールの取付構造。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載した電波モジュールの取付構造において、
前記電波モジュール本体に内蔵されている回路基板が熱可塑性樹脂からなる多層基板またはセラミック基板から構成されていることを特徴とする電波モジュールの取付構造。
【請求項9】
ナンバープレートと共に取付けボルトにより車両ボデーに取付けられる封緘筐体と、前記取付けボルトを封印する封印部材とからなり、前記取付けボルトを封印するように電波モジュール本体が前記封緘筐体内に収容可能に構成されていると共に、前記封印部材が前記封緘筐体に嵌合されている態様での高さ方向の寸法及び径方向の寸法が現行の封印部材が現行の封緘部材に嵌合されている態様での高さ方向の寸法及び径方向の寸法と略同等に構成されていることを特徴とする封緘封印。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−22289(P2007−22289A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−206765(P2005−206765)
【出願日】平成17年7月15日(2005.7.15)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】