説明

電源制御装置及びプログラム

【課題】正確に被制御装置の状態を監視することが可能な電源制御装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】電流計・オン/オフ制御部14〜17が被制御装置6〜9に供給する電流の消費電流値を計測すると共に当該被制御装置6〜9に供給する電流のオン/オフを制御し、通信部13が被制御装置6〜9に対してpingコマンドを送信し、その応答を受信し、制御部11が電流計・オン/オフ制御部14〜17により計測された被制御装置6〜9の消費電流値に基づいて当該被制御装置6〜9の状態を監視すると共にpingコマンドにより被制御装置6〜9の死活状態を監視する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被制御装置への電源供給を制御する電源制御装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、分散コンピュータのAC電源が投入されたにもかかわず、正常稼働しない場合に、原因(DC電源異常、AC電源異常、通信異常など)を特定することができる電源制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この電源制御装置は、ホストコンピュータからの電源投入指示により分散コンピュータにAC電源を投入するAC電源制御部と、分散コンピュータからDC電圧値を受信するDC検出部と、分散コンピュータとの通信を行う通信制御部と、AC電源制御部、DC検出部及び通信制御部から通知されたAC電源状態、DC電源状態及び通信状態を電源状態テーブルに記憶する制御部と、電源状態テーブルをホストコンピュータに通知するホスト通信部とを備えている。
【特許文献1】特開平10−63378号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の電源制御装置は、分散コンピュータの監視の用途に限定されており、被制御装置は分散コンピュータに固定されており、汎用性がない。また、AC電源やDC電源は、オン状態、オフ状態、起動時の状態及び待機状態を採ることがあるが、特許文献1の電源制御装置は、AC電源やDC電源の異常を検出するに留まり、これらの状態を正確に判断することができない。
【0005】
本発明の目的は、正確に被制御装置の状態を監視することが可能な電源制御装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の電源制御装置は、被制御装置に供給する電流の消費電流値を計測すると共に当該被制御装置に供給する電流のオン/オフを制御する制御手段と、前記被制御装置に対して所定のコマンドを送信し、その応答を受信する通信手段と、前記制御手段により計測された被制御装置の消費電流値に基づいて当該被制御装置の状態を監視すると共に前記所定のコマンドにより前記被制御装置の死活状態を監視する監視手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
かかる構成によれば、被制御装置を二重の方法で監視するので、正確に被制御装置の状態を監視することができる。尚、死活状態とは、通信経路を介して有効に被制御装置に通信可能な状態又は通信不可能な状態を示す。所定のコマンドとはpingコマンドである。
【0008】
好ましくは、前記被制御装置の正常な電源オン時の消費電流値、前記被制御装置の正常な電源オフ時の消費電流値、前記被制御装置の正常な待機時の消費電流値、及び前記被制御装置の正常な起動時の消費電流値を記憶する記憶手段を備え、前記監視手段は、前記制御手段により計測された電流値と前記記憶手段に記憶された各種の消費電流値とを比較することにより、前記被制御装置の状態を判断することを特徴とする。
【0009】
かかる構成によれば、監視手段は、現在の被制御装置の状態が、正常時の電源オンの状態、正常時の電源オフの状態、正常時の待機状態、正常時の起動時の状態及びこれらの異常時の状態のいずれであるかを判断することができる。
【0010】
好ましくは、前記監視手段は、前記被制御装置の監視結果に基づいて、前記被制御装置に供給する電流をオン又はオフにするように前記制御手段を制御する、及び前記被制御装置の監視結果に基づいて、前記被制御装置を再起動させるように前記制御手段を制御するのうちいずれか一方を実行することを特徴とする。
【0011】
かかる構成によれば、監視結果に基づいて被制御装置を制御することができる。
【0012】
好ましくは、前記通信手段は外部端末に前記監視手段による被制御装置の監視結果を通知することを特徴とする。
【0013】
かかる構成によれば、被制御装置の監視結果を遠隔地にいるユーザに通知することができる。
【0014】
より好ましくは、前記記憶手段は、前記電源制御装置の正常時の消費電流値をさらに記憶し、前記監視手段は、前記記憶手段に記憶された電源制御装置の正常時の消費電流値に基づいて、当該電源制御装置自体の状態の監視を行うことを特徴とする。
【0015】
かかる構成によれば、被制御装置だけでなく電源制御装置自体の状態の監視もできる。
【0016】
より好ましくは、前記被制御装置は複数あり、電源制御装置は、当該複数の被制御装置を接続するための複数の接続手段をさらに備え、前記記憶手段は、各接続手段に関連付けられた識別情報及び各接続手段に関連付けられた前記制御手段による電流供給のオン/オフを決定する条件を規定する条件データを記憶し、前記監視手段は、前記条件データに基づいて、前記被制御装置に供給する電流をオン又はオフにするように前記制御手段を制御し、前記複数の被制御装置が入れ換えられて前記複数の接続手段に接続されたときに、前記監視手段は、当該複数の被制御装置の入れ換えに応じて前記記憶手段に記憶された識別情報及び条件データの入れ換えを実行することを特徴とする。
【0017】
かかる構成によれば、複数の被制御装置が入れ換えられても、適切な条件データに基づいて被制御装置を制御することができる。
【0018】
さらに好ましくは、前記識別情報及び前記条件データの少なくともいずれか一方を記憶する外部記憶媒体が前記複数の接続手段のいずれかに接続されたときに、前記監視手段は、当該外部記憶媒体に記憶された識別情報及び条件データの少なくともいずれか一方に基づいて、前記記憶手段に記憶された識別情報及び条件データの入れ換え又は前記記憶手段に記憶された識別情報及び条件データの少なくともいずれか一方の書き換えを実行することを特徴とする。
【0019】
かかる構成によれば、識別情報及び条件データの少なくともいずれか一方を記憶する外部記憶媒体を使って、記憶手段に記憶された識別情報及び条件データの入れ換え又は記憶手段に記憶された識別情報及び条件データの少なくともいずれか一方の書き換えが実行され、適切な条件データに基づいて被制御装置を制御することができる。
【0020】
上記目的を達成するため、本発明のプログラムは、コンピュータを、被制御装置に供給する電流の消費電流値を計測すると共に当該被制御装置に供給する電流のオン/オフを制御する制御手段、前記被制御装置に対して所定のコマンドを送信し、その応答を受信する通信手段、及び前記制御手段により計測された被制御装置の消費電流値に基づいて当該被制御装置の状態を監視すると共に前記所定のコマンドにより前記被制御装置の死活状態を監視する監視手段として機能させることを特徴とする。
【0021】
かかる構成によれば、被制御装置を二重の方法で監視するので、正確に被制御装置の状態を監視することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、正確に被制御装置の状態を監視することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施の形態に係る電源制御装置を含むシステムの概略構成図である。
【0025】
図1のシステムは、電源制御装置1、外部電源3、外部端末5及び被制御装置6〜9を備えている。電源制御装置1は、装置全体を制御する制御部11(監視手段)、各種のプログラムやテーブルデータなどを記憶する記憶部12(記憶手段)、外部端末5又は被制御装置6〜9と通信するための通信部13(通信手段)、及びポート14a〜17aから被制御装置6〜9に供給する電流を計測すると共に被制御装置6〜9に供給する電流のオン/オフを制御する電流計・オン/オフ制御部14〜17(制御手段)、現在の日時を計時するタイマー18を備えている。電流計・オン/オフ制御部14〜17は、ポート14a〜17a(接続手段)を備えており、ポート14a〜17aは電源ラインでそれぞれ被制御装置6〜9に接続されている。タイマー18は、制御部11に接続されており、現在の日時の情報を制御部11に通知する。
【0026】
通信部13は、ネットワーク4を介して無線又は有線で外部端末5及び被制御装置6〜9と接続されており、ICMPのプロトコルで被制御装置6〜9にpingコマンドを送信し、その応答を受信する。また、通信部13は、電源制御装置1及び被制御装置6〜9の状態(オン状態、オフ状態、起動時の状態、待機状態及び故障状態を含む)を電子メール等で外部端末5に送信する。
【0027】
外部端末5は、コンピュータ又は携帯電話等で構成されている。被制御装置6〜9は、コンピュータ、モニタ、プリンタ、FAX機又はスキャナなどのように、電流で稼働する装置であれば、どのようなものであってもよい。
【0028】
制御部11及び電流計・オン/オフ制御部14〜17には、1つの外部電源3が接続され、電流計・オン/オフ制御部14〜17を介して被制御装置6〜9に電流を供給し、制御部11を介して、他の各部に電源を供給する。
【0029】
図1において、四角形の破線内の番号は、各ポートに付された設定番号を示し、円内の番号はポート番号を示す。設定番号の初期値については、図1に示したように、ポート14a〜17aに対して順番に1〜4が設定されている。これらの各ポートの設定番号及びポート番号は、条件データと共にテーブルデータとして記憶部12に記憶される。図2(A)に、設定番号、ポート番号及び条件データを含むテーブルデータの例を示す。
【0030】
ここで、条件データとは、電流供給の実行又は中止を決定する条件を規定するデータであり、例えば、ポート14a〜17aに供給する電流が合計15Aを超える場合には、一番最後に電源供給の要求をした被制御装置が接続されているポートからの電流供給をオフにする、午後11時から午前7時まではポート14aからの電流供給をオフにする、又は被制御装置6〜9は待機状態をとる若しくはとらないなどである。
【0031】
設定番号及び条件データは、外部端末5を介して、ユーザが手動で変更したり、又は制御部11が自動処理により変更又は編集することができ、さらに、ネットワーク4及び通信部13を介した被制御装置6〜9からの通知により制御部11が変更又は編集することができる。例えば、被制御装置8、9を付け替えてポート16a,17a(ポート番号3,4)に接続すると、図2(B)に示すように、制御部11は、ポート番号3に対応する設定番号を「3」から「4」に変更し、条件データを「c」から「d」に変更する。同時に、制御部11は、ポート番号4に対応する設定番号を「4」から「3」に変更し、条件データを「d」から「c」に変更する(図2(C)参照)。このように、各ポートに接続される被制御装置を付け替えても、各被制御装置と設定番号及び条件データとの関係は維持され、各被制御装置に設定された電流制御を正確に実行することができる。
【0032】
また、例えば、設定番号のみが変更された場合は(設定番号を「3」から「4」に変更)、制御部11は、設定番号と条件データとの関係を維持するように、条件データを変更する(条件データを「c」から「d」に変更)。条件データのみが変更された場合は(条件データを「c」から「d」に変更)、制御部11は、設定番号と条件データとの関係を維持するように、設定番号を変更する(設定番号を「3」から「4」に変更)。図2(A)の状態から、設定番号に対応するポート番号を入れ替える方法でもよい。
【0033】
尚、ユーザが外部端末5を介して設定番号又は条件データの内容を編集する場合には、設定番号と条件データとの関係は維持されない。
【0034】
また、例えば、ポート14a〜17aが不図示の記憶媒体接続用の端子(例えば、USB端子など)を備える場合に、図3に示すように、設定番号及び条件データの少なくともいずれか一方を記憶した記憶媒体21がポート14aに接続されると、制御部11は、当該記憶媒体21に記憶されている設定番号及び条件データの少なくともいずれか一方を読み出し、記憶部12に記憶されているテーブルデータの内容を編集する、即ち、テーブルデータ内の設定番号及び条件データの少なくともいずれか一方の入れ換え又は書き換えを行う。図4(A)にテーブルデータ内の条件データを記憶媒体21に記憶された条件データで書き換える例を示し、図4(B)にテーブルデータ内の設定番号及び条件データを記憶媒体21に記憶された条件データで入れ換える例を示し、図4(C)にテーブルデータ内の設定番号及び条件データを記憶媒体21に記憶された設定番号で入れ換える例を示す。尚、設定番号及び条件データを書き換える場合には、設定番号及び条件データを記憶媒体21に記憶しておくが、設定番号及び条件データを入れ換える場合には、設定番号及び条件データのいずれか一方を記憶媒体21に記憶しておく。
【0035】
このように、設定番号及び条件データの少なくともいずれか一方を記憶する記憶媒体21を使って、記憶部12に記憶された設定番号及び条件データの入れ換え又は記憶部12に記憶された設定番号及び条件データの少なくともいずれか一方の書き換えが実行されるので、適切な条件データに基づいて被制御装置6〜9を制御することができる。
【0036】
記憶媒体21は、例えばUSBメモリ等で構成され、ポート14a〜17aのいずれにも接続可能である。また、記憶媒体21は、例えばポート14aと被制御装置6とを接続する電源ケーブルに組み込まれていてもよい。この場合、制御部11が記憶媒体21にアクセスできるように、電源ケーブルには通信用のラインも含まれる。
【0037】
図5(A)は、被制御装置6がモニタの場合におけるオフ/待機/オンの各状態での消費電流を示す図であり、図5(B)は、被制御装置6がコンピュータの場合におけるオフ/待機/オンの各状態での消費電流を示す図であり、図5(C)は、被制御装置6〜9の消費電流の合算値を示す図である。尚、図5(A),(B)では、被制御装置の代表として被制御装置6を用いる。
【0038】
図5(A)〜(C)に示すように、例えば、電源制御装置1が被制御装置6〜9に供給可能な最大値は15A(アンペア)であるとする。
【0039】
図5(A)において、電源がオフの場合のモニタの消費電流は0Aである。待機状態は、モニタの主電源が「オン」であり、リモコンの電源ボタンが「オフ」の状態であり、この場合、消費電流は、0.01〜0.3Aである。モニタの主電源及びリモコンの電源ボタンが「オン」の状態であるが、映像が表示されていない場合には、消費電流は、2〜2.5Aである。モニタの主電源及びリモコンの電源ボタンが「オン」の状態であり、映像が表示されている場合には、消費電流は、3.5〜4Aである。
【0040】
モニタの主電源及びリモコンの電源ボタンが「オン」の状態であり、映像が表示されているべき状態であるにも係わらず、消費電流が3.5Aよりも低い場合、例えば、消費電流が2.5Aより大きく3.5Aより小さい場合、制御部11は、映像出力源が故障している又はモニタの表示部が故障していると判断する。
【0041】
図5(B)において、電源がオフの場合のコンピュータの消費電流は0Aである。待機状態のコンピュータの消費電流は、0.2〜0.5Aである。コンピュータの起動時の消費電流は、3.5〜4Aであり、コンピュータの安定動作時(通常時)の消費電流は、2〜3.5Aである。例えば、コンピュータの消費電流が0.5Aより大きく2Aより小さい場合、制御部11は、コンピュータが故障していると判断する。
【0042】
上述した消費電流の値は、一例であり、実際に電源制御装置1を使用する場合には、電流計・オン/オフ制御部14〜17で被制御装置6〜9の消費電流を計測し、制御部11はこれらの値を記憶部12に記憶する。
【0043】
図5(C)では、例えば、被制御装置6〜9が正常動作するモニタであるとする。この場合、モニタ1台の消費電流は最大で4Aなので、4台のモニタに電流を供給すると、電流供給の最大値である15Aを超える。そこで、制御部11は、条件データに基づいて、1台のモニタには電流を供給しないように、即ち、1台のモニタ分の電流供給をオフにするように電流計・オン/オフ制御部14〜17を制御する。
【0044】
また、例えば、被制御装置6〜9がコンピュータの場合には、起動時のコンピュータ1台の消費電流は最大で4Aなので、4台のコンピュータに同時に電流を供給すると、電流供給の最大値である15Aを超える。そこで、制御部11は、条件データに基づいて、4台のコンピュータに同時に電流を供給しないように、即ち、1〜3台のモニタの電流供給のタイミングを遅くするように電流計・オン/オフ制御部14〜17を制御する。
【0045】
図6は、電源制御装置1の制御部11が実行する処理を示すフローチャートである。本処理を実行する前に、予め被制御装置6〜9の消費電流を計測し、制御部11はこれらの値を記憶部12に記憶しているものとする。
【0046】
まず、制御部11は、自側処理を実行する(ステップS1)。自側処理とは、電源制御装置1自体が故障しているか否かを判断する処理である。自側処理の詳細は後述する。
【0047】
次いで、制御部11は、ポート処理を実行する(ステップS2)。ポート処理とは、主として、各ポート14a〜17aから被制御装置6〜9に供給する電流に基づいて、被制御装置6〜9の故障判断を実行する処理、及びpingコマンドを被制御装置6〜9に送信し、その応答を被制御装置6〜9から受信するか否かにより、被制御装置6〜9の死活を判定する処理である。ポート処理の詳細は後述する。
【0048】
次に、制御部11は、利用者要求及び自動の処理を実行する(ステップS3)。利用者要求及び自動の処理とは、外部端末5からの要求又は条件データに基づいて、制御部11が実行する処理である。利用者要求及び自動の処理の詳細は後述する。
【0049】
これらのステップS1〜S3の処理は、電源制御装置1に電源が投入されている間、繰り返し実行される。
【0050】
図7は、図6のステップS1の自側処理の詳細を示すフローチャートである。
【0051】
まず、制御部11は、外部電源3から供給される電源の電圧と電源制御装置1自体の消費電流を測定する(ステップS5)。次いで、制御部11は、電源制御装置1自体が正常であるか否かを判別する(ステップS6)。具体的には、制御部11は、自身、記憶部12、通信部13、電流計・オン/オフ制御部14〜17及びタイマー18に供給される消費電流値のデータを予め記憶しており、この電流値のデータと実際の消費電流値とを比較して、電源制御装置1自体が正常であるか否かを判別している。
【0052】
ステップS6でYESの場合には、本処理を終了する。ステップS6でNOの場合には、制御部11は、電源制御装置1の是正措置を実行する(ステップS7)。具体的には、制御部11は、電源制御装置1の是正措置として、外部端末5に通信部13を介して電源制御装置1が故障している旨を記載した電子メールを送信したり、電源制御装置1に不図示の故障警告ランプがある場合には、当該故障警告ランプを点灯する。
【0053】
図8は、図6のステップS2のポート処理の詳細を示すフローチャートである。
【0054】
まず、制御部11は、電流計・オン/オフ制御部14で測定されたポート14aから出力されている消費電流の値を取得し、記憶部12に保存する(ステップS11)。尚、後述するステップS20でNOと判別され、再度ステップS11の工程を実行する場合には、ポート15aから出力されている消費電流の値が記憶部12に保存される。即ち、各ポート14a〜17aから出力されている消費電流の値がステップS11〜S20のループにより順番に記憶部12に保存される。以下の工程では、ポート14aを例として説明するが、ステップS11〜S20のループによりポート15a〜17aについても同様の工程が実行される。
【0055】
制御部11は、電流計・オン/オフ制御部14がポート14aからの電流出力をオンにしているか否かを判別する(ステップS12)。
【0056】
ステップS12でYESの場合には、制御部11は、電流出力オン時のチェック処理を実行する(ステップS13)。ステップS12でNOの場合には、制御部11は、電流出力オフ時のチェック処理を実行する(ステップS14)。電流出力オン時のチェック処理では、制御部11は、ポート14aからの電流出力をオンにしている状態で、被制御装置6の消費電流値や状態、並びに電源制御装置1及び被制御装置6の正常/異常などをチェックするが、詳細は後述する。電流出力オフ時のチェック処理では、制御部11は、ポート14aからの電流出力をオフにしている状態で、電源制御装置1及び被制御装置6の正常/異常などをチェックするが、詳細は後述する。
【0057】
制御部11は、ステップS13の電流出力オン時のチェック処理又はステップS14の電流出力オフ時のチェック処理の判定結果に応じた各種の処置を実行する(ステップS15)。電流出力オン時のチェック処理の判定結果とは、後述する図9のステップS24、S25、S27、S28、S30、S32又はS33を示し、電流出力オフ時のチェック処理の判定結果とは、後述する図10のステップS42、S44又はS45を示している。
【0058】
チェック処理の判定結果が図9のステップS24の場合には、ステップS15において、制御部11は、被制御装置6への電流供給を一旦オフにし所定時間経過後に当該電流供給をオンにするように電流計・オン/オフ制御部14を制御する、又は被制御装置6が条件データの内容と異なり、異常な待機状態にある旨を記載した電子メールを外部端末5に送信する。チェック処理の判定結果が図9のステップS25の場合には、ステップS15において、制御部11は、被制御装置6が正常な待機状態にある旨を記載した電子メールを外部端末5に送信する又は何もしない。チェック処理の判定結果が図9のステップS27の場合には、ステップS15において、制御部11は、被制御装置6への電流供給を一旦オフにし所定時間経過後に当該電流供給をオンにするように電流計・オン/オフ制御部14を制御する、又は被制御装置6が待機状態にならない旨を記載した電子メールを外部端末5に送信する。チェック処理の判定結果が図9のステップS28の場合には、ステップS15において、制御部11は、被制御装置6が正常な待機状態にある旨を記載した電子メールを外部端末5に送信する又は何もしない。チェック処理の判定結果が図9のステップS30の場合には、ステップS15において、制御部11は、外部端末5に通信部13を介して電源制御装置1が故障している旨を記載した電子メールを送信したり、電源制御装置1に不図示の故障警告ランプがある場合には、当該故障警告ランプを点灯する。チェック処理の判定結果が図9のステップS32の場合には、ステップS15において、制御部11は、外部端末5に通信部13を介して被制御装置6が故障している旨を記載した電子メールを送信する。チェック処理の判定結果が図9のステップS33の場合には、ステップS15において、制御部11は、外部端末5に通信部13を介して電源ケーブル等が故障している旨を記載した電子メールを送信する。
【0059】
チェック処理の判定結果が図10のステップS42の場合には、ステップS15において、制御部11は、外部端末5に通信部13を介して電源制御装置1が故障している旨を記載した電子メールを送信したり、電源制御装置1に不図示の故障警告ランプがある場合には、当該故障警告ランプを点灯する。チェック処理の判定結果が図10のステップS44の場合には、ステップS15において、制御部11は、外部端末5に通信部13を介して被制御装置6が故障している旨を記載した電子メールを送信する。チェック処理の判定結果が図10のステップS45の場合には、ステップS15において、制御部11は、通信部13を介して電源制御装置1及び被制御装置6が正常である旨を記載した電子メールを外部端末5に送信する又は何もしない。このように、図8のステップS15の各種の処置は、電流出力オン時及び電流出力オフ時のチェック処理の判定結果に応じて、様々な態様を採ることができる。
【0060】
次いで、制御部11は、通信部13及びネットワーク4を介して被制御装置6にpingコマンドを送信し(ステップS16)、被制御装置6から当該pingコマンドに対する応答を受信したか否かを判別する(ステップS17)。
【0061】
ステップS17でYESの場合には、ステップS20に進む。一方、ステップS17でNOの場合には、制御部11は、pingコマンドの送信回数が所定回数(例えば5回)に達したか否かを判別する(ステップS18)。このpingコマンドの送信回数は、通信部13及びネットワーク4を介して外部端末5から設定され、上述したテーブルデータと共に記憶部12に記憶される、又は記憶媒体21に記憶される。
【0062】
ステップS18でNOの場合には、ステップS16に戻る。一方、ステップS18でYESの場合には、被制御装置6が異常である旨を記載した電子メールを外部端末5に送信し(ステップS19)、ステップS20に進む。
【0063】
最後に、制御部11は、全てのポートの確認が終了したか否かを判別する(ステップS20)。ステップS20でYESの場合には、本ポート処理を終了する。一方、ステップS20でNOの場合には、次のポートの確認を行うために、ステップS11に戻る。
【0064】
次に、図9を参照しながら、電流出力オン時のチェック処理を説明する。
【0065】
まず、制御部11は、予め記憶部12に記憶している被制御装置6の消費電流値と、図8のステップS11で電流計・オン/オフ制御部14から取得した消費電流値とを比較し、ポート14aからの電流出力のオンの状態が正しいか否かを判別する(ステップS21)。
【0066】
ステップS21でYESの場合には、制御部11は、予め記憶部12に記憶している被制御装置6の消費電流値と、図8のステップS11で電流計・オン/オフ制御部14から取得した消費電流値とを比較し、図8のステップS11で電流計・オン/オフ制御部14から取得した消費電流値が、被制御装置6が待機状態時に採りうる消費電流値であるかを判別する(ステップS22)。
【0067】
ステップS22で電流計・オン/オフ制御部14から取得した消費電流値が待機状態時に採りうる消費電流値であると判別された場合には、制御部11は、ポート14aの条件データに基づいて、被制御装置6が待機状態になることが認められているか否かを判別する(ステップS23)。
【0068】
ステップS23でYESの場合には、制御部11は、図8のステップS11で電流計・オン/オフ制御部14から取得した消費電流値が待機状態の電流値として正常であると判定し(ステップS25)、図8のステップS15に進む。この場合、図8のステップS15では、制御部11は、被制御装置6が正常な待機状態にある旨を記載した電子メールを外部端末5に送信する又は何もしない。
【0069】
ステップS23でNOの場合には、制御部11は、被制御装置6が待機状態になることが認められていないので、電流計・オン/オフ制御部14から取得した消費電流値が異常であると判定し(ステップS24)、図8のステップS15に進む。この場合、図8のステップS15では、制御部11は、被制御装置6への電流供給を一旦オフにし所定時間経過後に当該電流供給をオンにするように電流計・オン/オフ制御部14を制御する、又は被制御装置6が条件データの内容と異なり、異常な待機状態にある旨を記載した電子メールを外部端末5に送信する。
【0070】
ステップS22で電流計・オン/オフ制御部14から取得した消費電流値が待機状態時に採りうる消費電流値でない場合には、ステップS26に進む。被制御装置6が待機状態に入ることが認められていて、被制御装置6は安定動作開始から所定時間(例えば1分)が経過したら自動的に待機状態になる場合において、制御部11は、タイマー18からの計時情報に基づいて被制御装置6への電流供給をオンにしてからの経過時間を計測し、所定時間(例えば1分)経過しても被制御装置6が待機状態にならないか否かを判別する(ステップS26)。
【0071】
ステップS26でYESの場合には、制御部11は、本来待機状態になるべき被制御装置6が未だ待機状態にならないので、被制御装置6の状態が異常であると判定し(ステップS27)、図8のステップS15に進む。この場合、図8のステップS15では、制御部11は、被制御装置6への電流供給を一旦オフにし所定時間経過後に当該電流供給をオンにするように電流計・オン/オフ制御部14を制御する、又は被制御装置6が待機状態にならない旨を記載した電子メールを外部端末5に送信する。
【0072】
ステップS26でNOの場合には、被制御装置6が待機状態になるので、制御部11は、被制御装置6の状態が正常であると判定し(ステップS28)、図8のステップS15に進む。この場合、図8のステップS15では、制御部11は、被制御装置6が正常な待機状態にある旨を記載した電子メールを外部端末5に送信する又は何もしない。
【0073】
ステップS21でNOの場合には、制御部11は、予め記憶部12に記憶している電源制御装置1の消費電流値と、実際の消費電流値とを比較し、電源制御装置1自体が正常であるか否かを判別する(ステップS29)。
【0074】
ステップS29でNOの場合には、制御部11は、電源制御装置1が異常であると判定し(ステップS30)、図8のステップS15に進む。この場合、図8のステップS15では、外部端末5に通信部13を介して電源制御装置1が故障している旨を記載した電子メールを送信したり、電源制御装置1に不図示の故障警告ランプがある場合には、当該故障警告ランプを点灯する。
【0075】
ステップS29でYESの場合には、制御部11は、予め記憶部12に記憶している被制御装置6の消費電流値と、図8のステップS11で電流計・オン/オフ制御部14から取得した消費電流値とを比較し、図8のステップS11で電流計・オン/オフ制御部14から取得した消費電流値が、被制御装置6がオフ時に採りうる消費電流値であるかを判別する(ステップS31)。
【0076】
ステップS31でNOの場合には、制御部11は、被制御装置6が異常であると判定し(ステップS32)、図8のステップS15に進む。この場合、図8のステップS15では、制御部11は、外部端末5に通信部13を介して被制御装置6が故障している旨を記載した電子メールを送信する。
【0077】
ステップS31でYESの場合には、制御部11は、被制御装置6と電源制御装置1とを接続する電源ケーブルなどが異常であると判定し(ステップS33)、図8のステップS15に進む。この場合、図8のステップS15では、制御部11は、外部端末5に通信部13を介して電源ケーブル等が故障している旨を記載した電子メールを送信する。
【0078】
次に、図10を参照しながら、電流出力オフ時のチェック処理を説明する。
【0079】
まず、制御部11は、予め記憶部12に記憶している電源制御装置1の消費電流値と、実際の消費電流値とを比較し、電源制御装置1自体が正常であるか否かを判別する(ステップS41)。
【0080】
ステップS41でNOの場合には、制御部11は、電源制御装置1が異常であると判定し(ステップS42)、図8のステップS15に進む。この場合、図8のステップS15では、外部端末5に通信部13を介して電源制御装置1が故障している旨を記載した電子メールを送信したり、電源制御装置1に不図示の故障警告ランプがある場合には、当該故障警告ランプを点灯する。
【0081】
ステップS41でYESの場合には、制御部11は、予め記憶部12に記憶している被制御装置6の消費電流値と、図8のステップS11で電流計・オン/オフ制御部14から取得した消費電流値とを比較し、図8のステップS11で電流計・オン/オフ制御部14から取得した消費電流値が、被制御装置6がオフ時に採りうる消費電流値であるかを判別する(ステップS43)。
【0082】
ステップS43でNOの場合には、制御部11は、被制御装置6が異常であると判定し(ステップS44)、図8のステップS15に進む。この場合、図8のステップS15では、制御部11は、外部端末5に通信部13を介して被制御装置6が故障している旨を記載した電子メールを送信する。
【0083】
ステップS43でYESの場合には、制御部11は、電源制御装置1及び被制御装置6は正常であると判定し(ステップS45)、図8のステップS15に進む。この場合、図8のステップS15では、制御部11は、通信部13を介して電源制御装置1及び被制御装置6が正常である旨を記載した電子メールを外部端末5に送信する又は何もしない。
【0084】
上述した図9の電流出力オン時のチェック処理、及び図10の電流出力オフ時のチェック処理では、制御部11は、被制御装置6の消費電流値や状態、並びに電源制御装置1及び被制御装置6の正常/異常などをチェックしていたが、電流出力オン時及び電流出力オフ時のチェック処理は、これに限定されるものではない。例えば、記憶部12に、(1)被制御装置6は待機状態にならない、(2)ポート14aからの電流出力をオンにしている状態では、被制御装置6の消費電流値は3A以上である、(3)7時〜23時はポート14aからの電流出力をオフにしない、の3つの条件データが登録されている場合、制御部11は、電流出力オン時のチェック処理としてこれらの3つの条件を満たすか否かを順番にチェックする。ここで、条件(1)がNOで且つ条件(2)(3)がOKの場合には、図8のステップS15の処理として、制御部11は、例えば、被制御装置6を再起動するために被制御装置6への電流供給を一旦オフにし所定時間経過後に当該電流供給をオンにするように電流計・オン/オフ制御部14を制御する又は被制御装置6が待機状態になっている旨を記載した電子メールを外部端末5に送信する。条件(2)がNOで且つ条件(1)(3)がOKの場合には、図8のステップS15の処理として、制御部11は、例えば、被制御装置6の消費電流値が異常値になっている旨を記載した電子メールを外部端末5に送信する。条件(3)がNOで且つ条件(1)(2)がOKの場合には、図8のステップS15の処理として、制御部11は、例えば、19時〜23時はポート14aからの電流出力をオフにすることが禁止されている旨を記載した電子メールを外部端末5に送信する。
【0085】
図11は、図6のステップS3の利用者要求及び自動の処理の詳細を示すフローチャートである。尚、ポート及び被制御装置の代表例としてポート14a及び被制御装置6を使用して本処理を説明するが、ポート15a〜17a及び被制御装置7〜9についても本処理は実行される。
【0086】
まず、制御部11は、外部端末5からの利用者要求又は条件データからの自動要求があるかを確認する(ステップS51)。具体的には、制御部11は、外部端末5からの利用者要求及び条件データからの自動要求を蓄積する待ち行列を備えており、この待ち行列を確認することでこれらの要求があるかを確認することができる。
【0087】
次に、制御部11は、ポート14aから被制御装置6への電流供給をオフからオンにする要求があるか否かを判別する(ステップS52)。
【0088】
ステップS52でYESの場合には、制御部11は条件データに基づいて、被制御装置6への電流供給をオフからオンにすることが可能であるか否かを判断する(ステップS53)。例えば、被制御装置6への電流供給をオフからオンにしても、消費電流の合計が15Aを超えない場合、又は午後11時から午前7時まではポート14aからの電流供給をオフにすることが予め設定されており、現在の時刻が午後3時の場合には、制御部11は被制御装置6への電流供給をオフからオンにすることが可能であると判別する。一方、被制御装置6への電流供給をオフからオンにすると、突入電流の影響で消費電流の合計が15Aを超える場合、又は午後11時から午前7時まではポート14aからの電流供給をオフにすることが予め設定されており、現在の時刻が午前3時の場合には、制御部11は被制御装置6への電流供給をオフからオンにすることが可能でないと判別する。
【0089】
尚、ポート14aに対する条件データが複数ある場合には、その全ての条件データを満たす場合に、制御部11は被制御装置6への電流供給をオフからオンにすることが可能であると判別し、1つでも条件データを満たさない場合には、制御部11は被制御装置6への電流供給をオフからオンにすることが可能でないと判別する。
【0090】
ステップS53でYESの場合には、制御部11は、ポート14aから被制御装置6への電流供給を開始するように電流計・オン/オフ制御部14を制御する(ステップS54)。これによりポート14aから被制御装置6への電流供給が開始される。
【0091】
制御部11は、電流計・オン/オフ制御部14を介して、被制御装置6への電流供給を開始するのと同時に一定期間、被制御装置6の消費電流値をサンプリングし、ピーク値を突入電流値として記憶部12に保存すると共にオン状態及び待機状態の被制御装置6の消費電流値を保存し(ステップS55)、ステップS57に進む。これにより、被制御装置6〜9の起動時に測定される突入電流値を正確に計測することができる。
【0092】
ステップS53でNOの場合には、制御部11は、判定結果に基づく処置を実行する(ステップS56)。例えば、制御部11は、外部端末5に通信部13を介して被制御装置6への電流供給をオフからオンにできない理由を記載した電子メールを送信する。また、突入電流の影響で、被制御装置6への電流供給をオフからオンにすることができない場合には、被制御装置6への電流供給をオフからオンにするタイミングを遅らせる。
【0093】
次に、制御部11は、ポート14aから被制御装置6への電流供給をオンからオフにする要求があるか否かを判別する(ステップS57)。
【0094】
ステップS57でYESの場合には、制御部11は条件データに基づいて、被制御装置6への電流供給をオンからオフにすることが可能であるか否かを判断する(ステップS58)。
【0095】
ステップS58でYESの場合には、制御部11は、ポート14aから被制御装置6への電流供給を停止するように電流計・オン/オフ制御部14を制御する(ステップS59)。これによりポート14aから被制御装置6への電流供給が停止される。
【0096】
ステップS58でNOの場合には、制御部11は、判定結果に基づく処置を実行する(ステップS60)。例えば、制御部11は、外部端末5に通信部13を介して被制御装置6への電流供給をオンからオフにできない理由(例えば電源の切断を禁止している時間に該当するなど)を記載した電子メールを送信する。
【0097】
次に、制御部11は、被制御装置6の消費電流を測定する要求があるか否かを判別する(ステップS61)。
【0098】
ステップS61でYESの場合には、制御部11は、被制御装置6の消費電流の測定結果を電流計・オン/オフ制御部14から取得し、記憶部12に保存する(ステップS62)。
【0099】
最後に、制御部11は、外部端末5からの利用者要求又は条件データからの自動要求を全て処理したか否かを判別する(ステップS63)。具体的には、制御部11が備える待ち行列に外部端末5からの利用者要求又は条件データからの自動要求が無ければ、要求を全て処理したと判別する。ステップS63でNOの場合には、ステップS52に戻る。一方、ステップS63でYESの場合には、本処理を終了する。
【0100】
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、電流計・オン/オフ制御部14〜17が被制御装置6〜9に供給する電流の消費電流値を計測すると共に当該被制御装置6〜9に供給する電流のオン/オフを制御し、通信部13が被制御装置6〜9に対してpingコマンドを送信し、その応答を受信し、制御部11が電流計・オン/オフ制御部14〜17により計測された被制御装置6〜9の消費電流値に基づいて当該被制御装置6〜9の状態を監視すると共にpingコマンドにより被制御装置6〜9の死活状態を監視する。よって、被制御装置6〜9を二重の方法で監視するので、正確に被制御装置6〜9の状態を監視することができる。
【0101】
例えば、被制御装置6〜9の各々が、空港の出国待合い所などに設けられたディスプレイ及びコンピュータのシステムの場合、被制御装置6〜9の管理者は自由に空港の出国待合い所に出入りすることができないため、当該管理者は被制御装置6〜9の状態を目視することが容易ではない。このような環境においても、本実施の形態の電源制御装置1を用いると、被制御装置6〜9を二重の方法で監視することができ、正確に被制御装置6〜9の状態を監視することができる。
【0102】
また、電流計・オン/オフ制御部14〜17が自動的に被制御装置6〜9に供給する電流の消費電流値を計測するので、ユーザは電源制御装置1に被制御装置6〜9の消費電流を入力する手間を省くことができる。さらに、電流計・オン/オフ制御部14〜17は、被制御装置6〜9の起動時に測定される突入電流値も正確に計測することができる。
【0103】
また、記憶部12は、被制御装置6〜9の正常な電源オン時の消費電流値、被制御装置6〜9の正常な電源オフ時の消費電流値、被制御装置6〜9の正常な待機時の消費電流値、及び被制御装置6〜9の正常な起動時の消費電流値を記憶し、制御部11は、電流計・オン/オフ制御部14〜17により計測された電流値と記憶部12に記憶された各種の消費電流値とを比較することにより、被制御装置6〜9の状態を判断する。よって、制御部11は、現在の被制御装置6〜9の状態が、正常時の電源オンの状態、正常時の電源オフの状態、正常時の待機状態、正常時の起動時の状態及びこれらの異常時の状態のいずれであるかを判断することができる。
【0104】
さらに、制御部11は、被制御装置6〜9の監視結果に基づいて、被制御装置6〜9に供給する電流をオン又はオフにするように電流計・オン/オフ制御部14〜17を制御する、及び被制御装置6〜9の監視結果に基づいて、被制御装置6〜9を再起動させるように電流計・オン/オフ制御部14〜17を制御するのうちいずれか一方を実行するので、監視結果に基づいて被制御装置6〜9を制御することができる。
【0105】
また、通信部13は、外部端末5に制御部11による被制御装置6〜9の監視結果を通知するので、被制御装置6〜9の監視結果を遠隔地にいるユーザに通知することができる。
さらにまた、記憶12は電源制御装置1の正常時の消費電流値をさらに記憶し、制御部11は、記憶部12に記憶された電源制御装置1の正常時の消費電流値に基づいて、当該電源制御装置1自体の状態の監視を行うので、被制御装置6〜9だけでなく電源制御装置1自体の状態の監視もできる。
【0106】
また、記憶部12は、各ポートに関連付けられた設定番号(識別情報)及び各ポートに関連付けられた電流供給のオン/オフを決定する条件を規定する条件データを記憶し、制御部11は、条件データに基づいて、被制御装置6〜9に供給する電流をオン又はオフにするように電流計・オン/オフ制御部14〜17を制御し、被制御装置6〜9が入れ換えられてポート14a〜17aに接続されたときに、制御部11は、被制御装置6〜9の入れ換えに応じて記憶部12に記憶された設定番号及び条件データの入れ換えを実行するので、被制御装置6〜9が入れ換えられても、適切な条件データに基づいて被制御装置6〜9を制御することができる。
【0107】
電源制御装置1はコンピュータ(PC)で構成されていてもよい。この場合、電源制御装置1の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムが記録されている記録媒体を、PCに供給し、PCのCPUが記憶媒体に格納されたプログラムを読み出し実行することによっても、上記実施の形態と同様の効果を奏する。プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、CD−ROM、DVD、又はSDカードなどがある。
【0108】
また、PCのCPUが、PCの機能を実現するためのソフトウェアのプログラムを実行することによっても、上記実施の形態と同様の効果を奏する。
【0109】
尚、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明の実施の形態に係る電源制御装置を含むシステムの概略構成図である。
【図2】(A)は、設定番号、ポート番号及び条件データを含むテーブルデータの例を示し、(B),(C)は、ポート番号「3」、「4」に対応する設定番号及び条件データが変更される例を示す図である。
【図3】記憶媒体21がポート14aに接続される場合の電源制御装置1の状態を示す図である。
【図4】(A)はテーブルデータ内の条件データを記憶媒体21に記憶された条件データで書き換える例を示す図であり、(B)はテーブルデータ内の設定番号及び条件データを記憶媒体21に記憶された条件データで入れ換える例を示す図であり、(C)はテーブルデータ内の設定番号及び条件データを記憶媒体21に記憶された設定番号で入れ換える例を示す図である。
【図5】(A)は、被制御装置6がモニタの場合におけるオフ/待機/オンの各状態での消費電流を示す図であり、(B)は、被制御装置6がコンピュータの場合におけるオフ/待機/オンの各状態での消費電流を示す図であり、(C)は、被制御装置6〜9の消費電流の合算値を示す図である。
【図6】電源制御装置1の制御部11が実行する処理を示すフローチャートである。
【図7】図6のステップS1の自側処理の詳細を示すフローチャートである。
【図8】図6のステップS2のポート処理の詳細を示すフローチャートである。
【図9】電流出力オン時のチェック処理を示すフローチャートである。
【図10】電流出力オフ時のチェック処理を示すフローチャートである。
【図11】図6のステップS3の利用者要求及び自動の処理の詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0111】
1 電源制御装置
2 電源
3 外部電源
4 ネットワーク
5 外部端末
6〜9 被制御装置
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
14〜17 電流計・オン/オフ制御部
14a〜17a ポート
18 タイマー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被制御装置に供給する電流の消費電流値を計測すると共に当該被制御装置に供給する電流のオン/オフを制御する制御手段と、
前記被制御装置に対して所定のコマンドを送信し、その応答を受信する通信手段と、
前記制御手段により計測された被制御装置の消費電流値に基づいて当該被制御装置の状態を監視すると共に前記所定のコマンドにより前記被制御装置の死活状態を監視する監視手段とを備えることを特徴とする電源制御装置。
【請求項2】
前記被制御装置の正常な電源オン時の消費電流値、前記被制御装置の正常な電源オフ時の消費電流値、前記被制御装置の正常な待機時の消費電流値、及び前記被制御装置の正常な起動時の消費電流値を記憶する記憶手段を備え、
前記監視手段は、前記制御手段により計測された電流値と前記記憶手段に記憶された各種の消費電流値とを比較することにより、前記被制御装置の状態を判断することを特徴とする請求項1に記載の電源制御装置。
【請求項3】
前記監視手段は、前記被制御装置の監視結果に基づいて、前記被制御装置に供給する電流をオン又はオフにするように前記制御手段を制御する、及び前記被制御装置の監視結果に基づいて、前記被制御装置を再起動させるように前記制御手段を制御するのうちいずれか一方を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の電源制御装置。
【請求項4】
前記通信手段は外部端末に前記監視手段による被制御装置の監視結果を通知することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電源制御装置。
【請求項5】
前記記憶手段は、前記電源制御装置の正常時の消費電流値をさらに記憶し、
前記監視手段は、前記記憶手段に記憶された電源制御装置の正常時の消費電流値に基づいて、当該電源制御装置自体の状態の監視を行うことを特徴とする請求項2に記載の電源制御装置。
【請求項6】
前記被制御装置は複数あり、当該複数の被制御装置を接続するための複数の接続手段をさらに備え、
前記記憶手段は、各接続手段に関連付けられた識別情報及び各接続手段に関連付けられた前記制御手段による電流供給のオン/オフを決定する条件を規定する条件データを記憶し、
前記監視手段は、前記条件データに基づいて、前記被制御装置に供給する電流をオン又はオフにするように前記制御手段を制御し、
前記複数の被制御装置が入れ換えられて前記複数の接続手段に接続されたときに、前記監視手段は、当該複数の被制御装置の入れ換えに応じて前記記憶手段に記憶された識別情報及び条件データの入れ換えを実行することを特徴とする請求項2に記載の電源制御装置。
【請求項7】
前記識別情報及び前記条件データの少なくともいずれか一方を記憶する外部記憶媒体が前記複数の接続手段のいずれかに接続されたときに、前記監視手段は、当該外部記憶媒体に記憶された識別情報及び条件データの少なくともいずれか一方に基づいて、前記記憶手段に記憶された識別情報及び条件データの入れ換え又は前記記憶手段に記憶された識別情報及び条件データの少なくともいずれか一方の書き換えを実行することを特徴とする請求項6に記載の電源制御装置。
【請求項8】
コンピュータを、
被制御装置に供給する電流の消費電流値を計測すると共に当該被制御装置に供給する電流のオン/オフを制御する制御手段、
前記被制御装置に対して所定のコマンドを送信し、その応答を受信する通信手段、及び
前記制御手段により計測された被制御装置の消費電流値に基づいて当該被制御装置の状態を監視すると共に前記所定のコマンドにより前記被制御装置の死活状態を監視する監視手段として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−169551(P2009−169551A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−5012(P2008−5012)
【出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】