説明

電界発光材料及びそれを用いた電界発光素子

本発明は、少ない消費エネルギーで高輝度の光を発生し、熱等に変換される損失が少なく、長期使用による劣化が少ない電界発光材料であって、特に黄色よりも波長の短い青色、緑色等の光を発する無機系の電界発光材料を提供する。 具体的には、下記3種の電界発光材料に関するものである:(1)一般式:RMO〔式中、Rは希土類元素を示す。MはAl、Mn又はCrを示す。〕で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物からなる電界発光材料、(2)一般式:RCuO〔式中、Rは希土類元素を示す。〕で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物からなる電界発光材料、及び(3)一般式:RZCu〔式中、Rは希土類元素を示す。Zはアルカリ土類金属を示す。〕で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物からなる電界発光材料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、電界発光材料及びそれを用いた電界発光素子に関する。
【背景技術】
現行の電界発光材料及びそれを用いた電界発光素子は、無機系材料と有機系材料とに大別することができる。特に無機系の電界発光材料は、有機系の電界発光材料と比べて長期安定性に優れており、また高温等の苛酷な条件下でも発光するという利点があるため、研究開発が要望されている。
無機系材料の電界発光材料としては、例えば、トリガー18巻3号21〜23頁(1999年)に詳述されているように、Mnを不純物(ドーパント)としてドープしたZnSを電界発光層として用いたものだけが実用化されている。しかしながら、かかる電界発光材料は、特定の波長の光、特に黄色光しか発光させることができず、黄色以外の波長の光を電界発光により発生させることまでは達成していない。
電界発光における発光波長は、電界発光材料の固有の電子状態によって決まるため、黄色以外の光を発生させるためには、MnをドープしたZnS以外の電界発光材料の開発が必要である。現在、黄色よりも長波長の赤色、及び黄色よりも短波長の青色、緑色等の光を発する電界発光材料の研究開発が遅れている。かかる状況において、少ない消費エネルギーで高輝度の光を発生し、熱等に変換される損失が少なく、長期使用による劣化が少ない電界発光材料であって、特に黄色よりも波長の短い青色、緑色等の光を発する無機系の電界発光材料の開発が望まれている。
【発明の開示】
本発明は、少ない消費エネルギーで高輝度の光を発生し、熱等に変換される損失が少なく、長期使用による劣化が少ない電界発光材料であって、特に黄色よりも波長の短い青色、緑色等の光を発する無機系の電界発光材料を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物からなる電界発光材料(酸化物電界発光材料)が上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の電界発光材料及びそれを用いた電界発光素子を提供するものである。
1. 一般式:RMO〔式中、Rは希土類元素を示す。MはAl、Mn又はCrを示す。〕で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物からなる電界発光材料。
2. 一般式:RCuO〔式中、Rは希土類元素を示す。〕で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物からなる電界発光材料。
3. 一般式:RZCu〔式中、Rは希土類元素を示す。Zはアルカリ土類金属を示す。〕で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物からなる電界発光材料。
4. 酸化物がアルカリ土類金属、Mg、アルカリ金属及び遷移金属から選ばれる少なくとも1種の添加物をドーパントとしてさらに含む上記項1〜3のいずれかに記載の電界発光材料。
5. 希土類元素RがSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選ばれる少なくとも1種である上記項1〜4のいずれかに記載の電界発光材料。
6. アルカリ土類金属がCa、Sr及びBaから選ばれる少なくとも1種である上記項3又は4記載の電界発光材料。
7. 添加物がMgである上記項4記載の電界発光材料。
8. アルカリ金属がLi、Na、K、Rb及びCsから選ばれる少なくとも1種である上記項4記載の電界発光材料。
9. 遷移金属がTi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu及びZnから選ばれる少なくとも1種である上記項4記載の電界発光材料。
10. 酸化物に対する添加物としてのアルカリ土類金属の含有比率(M又はCuに対する添加物としてのアルカリ土類金属のモル%)が0.001〜10%である上記項4記載の電界発光材料。
11. 酸化物に対する添加物としてのMgの含有比率(M又はCuに対する添加物としてのMgのモル%)が0.001〜10%である上記項4記載の電界発光材料。
12. 酸化物に対する添加物としてのアルカリ金属の含有比率(M又はCuに対する添加物としてのアルカリ金属のモル%)が0.001〜10%である上記項4記載の電界発光材料。
13. 酸化物に対する添加物としての遷移金属の含有比率(M又はCuに対する添加物としての遷移金属のモル%)が0.001〜10%である上記項4記載の電界発光材料。
14. 上記項1〜13のいずれかに記載の酸化物電界発光材料からなる電界発光層を有する電界発光素子。
15. 電界発光層が酸化物単結晶薄膜からなる上記項14記載の電界発光素子。
16. 電界発光層が酸化物多結晶薄膜からなる上記項14記載の電界発光素子。
17. 電界発光層が、酸化物微粉末を圧縮成形する方法、又は酸化物微粉末を含むペーストを層状に成形後に乾燥する方法により得られたものである上記項14記載の電界発光素子。
18. 電界発光層が、酸化物微粉末及びバインダーの混合物を圧縮成形する方法、又は酸化物微粉末及びバインダーの混合物を含むペーストを層状に成形後に乾燥する方法により得られたものである上記項14記載の電界発光素子。
19. 電界発光層がスパッタ法により形成されたものである上記項14記載の電界発光素子。
20. 電界発光層がレーザーアブレーション法により形成されたものである上記項14記載の電界発光素子。
21. 電界発光層が金属塩熱分解法により形成されたものである上記項14記載の電界発光素子。
22. 電界発光層が金属錯体熱分解法により形成されたものである上記項14記載の電界発光素子。
23. 電界発光層がアルコキシドを原料とするゾル−ゲル法により形成されたものである上記項14記載の電界発光素子。
24. さらに光反射層を有する上記項14記載の電界発光素子。
以下、本発明の電界発光材料及びそれを用いた電界発光素子について詳細に説明する。
電界発光材料
本発明の電界発光材料は、下記3種の一般式により特定される。
(1)一般式:RMO〔式中、Rは希土類元素を示す。MはAl、Mn及びCrから選ばれる少なくとも1種を示す。〕で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物からなる電界発光材料、
(2)一般式:RCuO〔式中、Rは希土類元素を示す。〕で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物からなる電界発光材料、及び
(3)一般式:RZCu〔式中、Rは希土類元素を示す。Zはアルカリ土類金属を示す。〕で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物からなる電界発光材料。
希土類元素Rとしては、例えば、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等が挙げられる。この中でも、特にY、La、Nd及びSmが好ましい。
アルカリ土類金属Zとしては、例えば、Ca、Sr、Ba等が挙げられる。この中でも、特にCa及びSrが好ましい。
本発明の電界発光材料を構成する酸化物は、アルカリ土類金属、Mg、アルカリ金属及び遷移金属からなる群から選択される少なくとも1種を添加物(ドーパント)としてさらに含んでもよい。以下、「添加物」はドーパントを意味する。これらの添加物をさらに含む(ドープする)ことにより、酸化物中で発光中心として働く酸素欠陥が好適に安定化される。
含有の態様としては、上記ペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物中の希土類元素Rの一部と置換する態様が好ましい。例えば、YAlO又はLaAlOにCa又はMgを添加物としてドープする場合には、YAlO又はLaAlOの結晶格子を構成する3価のY又は3価のLaの一部が、2価のCa又は2価のMgで置換される態様が好ましい。
添加物としてのアルカリ土類金属については、前記アルカリ土類金属Zに該当するものと同じものが使用できる。
添加物としてのアルカリ金属は、例えば、Li、Na、K、Rb、Cs等が挙げられる。この中でも、特にLi、Na及びKが好ましい。
添加物としての遷移金属は、例えば、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等が挙げられる。この中でも、特にTi、Mn、Fe、Cuが好ましい。
このような添加物の中でも、Ca、Sr、Mg及びTiが好ましく、特にMgが好ましい。これらの添加物は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
酸化物に対する添加物としてのアルカリ土類金属の含有比率(M又はCuに対する添加物としてのアルカリ土類金属のモル%)としては、通常0.001〜10%、好ましくは0.005〜5%、より好ましくは0.01〜2%程度である。
酸化物に対する添加物としてのMgの含有比率(M又はCuに対する添加物としてのMgのモル%)としては、通常0.001〜10%、好ましくは0.005〜5%、より好ましくは0.01〜2%程度である。
酸化物に対する添加物としてのアルカリ金属の含有比率(M又はCuに対する添加物としてのアルカリ金属のモル%)としては、通常0.001〜10%、好ましくは0.005〜5%、より好ましくは0.01〜2%程度である。
酸化物に対する添加物としての遷移金属の含有比率(M又はCuに対する添加物としての遷移金属のモル%)としては、通常0.001〜10%、好ましくは0.005〜5%、より好ましくは0.01〜2%程度である。
本発明の電界発光材料としては、具体的には、一般式:RMOで表される酸化物としては、YAlO(イットリウムアルミネート)、LaAlO(ランタンアルミネート)等が挙げられる。好適な添加物としてTi又はCaを含む具体例としては、Ti又はCaをドープしたYAlO、Ti又はCaをドープしたLaAlO等が挙げられる。一般式:RCuOで表される酸化物としては、例えば、LaCuO、NdCuO、YCuO等が挙げられる。一般式:RZCuで表される酸化物としては、例えば、YBaCu、LaSrCu、LaCaCu等が挙げられる。
本発明の電界発光材料を構成するペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物は、単結晶、多結晶又はアモルファスのいずれの結晶系でもよい。酸化物の合成方法は特に限定されない。例えば、単結晶の場合には、フローティングゾーンメルト法(以下「FZ法」と略記する)により合成できる。多結晶及びアモルファスの場合には、例えば、焼結法、スパッタ法、レーザーアブレーション法、金属塩熱分解法、金属錯体熱分解法、アルコキシドを原料とするゾル−ゲル法等により合成できる。これらの合成方法の詳細については、後記する。
電界発光素子
本発明の電界発光素子は、本発明の酸化物電界発光材料からなる電界発光層を有している。電界発光層以外の構成要素は、公知の電界発光素子と同様でよい。例えば、上部電極及び下部電極については、公知の電界発光素子に用いられている各種の材料、例えば、金属材料、半導体材料等が使用できる。
具体的には、電界発光素子としては;
1)下部電極、電界発光層及び上部電極を順次積層した構造からなるもの、
2)下部電極、(絶縁層又は安定化抵抗層)、電界発光層及び上部電極を順次積層した構造からなるもの、
3)透明電極(下部電極)が形成されたガラス基板の透明電極上に電界発光層と透明電極(上部電極)とを順次積層した構造からなるもの、
4)下部電極をプラスチック、セラミックス等の基板上に形成後、下部電極上に電界発光層及び透明電極(上部電極)層を順次積層した構造からなるもの、等が挙げられる。
上部電極としては、透明又は半透明の材料からなるか或いは櫛型の形状からなり、電界発光層から発生する光を素子外部に取り出せる構造からなるものが好適である。
上記3)では、電界発光層と透明電極との積層量は特に限定されないが、通常は2〜10組程度である。
絶縁層は、電界発光素子を交流で駆動する場合において、電界発光層の電気伝導度が高過ぎて電界発光層に十分な電圧を印加し難い場合、過大電流により絶縁破壊が起こるおそれがある場合等に設置する。具体的には、絶縁層は、電界発光層と上部電極との間、並びに、電界発光層と下部電極との間の少なくとも一方に挟み込んで設置する。
絶縁層の材質は、絶縁効果を発揮できる材質であれば限定されない。例えば、SiO、SiON、Al、Si、SiAlON、Y、BaTiO、Sm、Ta、BaTa、PbNb、Sr(Zr,Ti)O、SrTiO、PbTiO、HfO等の材質が挙げられる。これらを複合化した絶縁性セラミックス等も使用できる。
絶縁層の厚さは、絶縁性が得られる限りできるだけ薄いことが望ましい。絶縁層が厚すぎる場合には、上部電極と下部電極との間隔が広くなるため電界発光層にかかる電界強度が小さくなり発光効率が悪くなるおそれがある。絶縁層の厚さは、通常50〜800nm、好ましくは100〜400nm程度である。
安定化抵抗層は、電界発光素子を直流で駆動する場合において、電界発光層の電気伝導度が高過ぎて電界発光層に十分な電圧を印加し難い場合、過大電流により絶縁破壊が起こるおそれがある場合等に設置する。具体的には、安定化抵抗層は、電界発光層と上部電極との間、並びに、電界発光層と下部電極との間の少なくとも一方に挟み込んで設置する。
安定化抵抗層の材質は、電気抵抗を増大させる効果を発揮できる材質である限り限定されない。一般に電界発光層に近い組成を持ち、ドーパント濃度を変える等により電界発光層よりも電気伝導性を低くした材料が使用できる。
例えば、電界発光層としてTiをドープしたYAlO(導電性)を用いる場合には、安定化抵抗層としてTiをドープしないYAlO(絶縁性)を組み合わせて使用できる。
安定化抵抗層の厚さは、電気抵抗を増大させる効果が得られる限りできるだけ薄いことが望ましい。安定化抵抗層が厚過ぎると、上部電極と下部電極との間隔が広くなるため電界発光層にかかる電界強度が小さくなり発光効率が悪くなるおそれがある。安定化抵抗層の厚さは、通常50〜800nm、好ましくは100〜400nm程度である。
直流電圧を印加して電界発光を生じさせる場合の上部電極及び下部電極について、以下に説明する。前記2種の電極は、一方を陽極、他方を陰極として用いる。
陽極としては、仕事関数の大きい電極材料、例えば、金、白金等の金属、又はインジウム−スズ酸化物(ITO)等の透明金属酸化物が好ましい。陰極としては、仕事関数の小さい電極材料、例えば、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム等の金属が好ましい。マグネシウムは、銀又はインジウムと共蒸着等して合金又は金属の混合物とした後に電極材料とすることにより、大気中での酸化を抑制し、電界発光層との付着を良好にできる。アルミニウムは、カルシウム、ナトリウム、マグネシウムと比較して、大気中で比較的酸化され難いため、長期安定性を考慮すると実際上最も有用である。
交流電圧を印加して電界発光を生じさせる場合の上部電極及び下部電極については、上述した、直流電圧を印加して電界発光を生じさせる場合の上部電極及び下部電極と同様の電極を使用できる。また、上述した直流電界発光用の各種電極材料の中から単一材質からなる電極を選び、上部電極及び下部電極の両方に用いてもよい。
電界発光素子の構造は、上記した公知の基本構造をもとに、種々の公知の方法により、ディスプレイパネル等に応用可能な各種の構造に適宜改変できる。
例えば、1)発光素子面内で発光部位を微細なドットが集合した構造として、青色発光ドット、緑色発光ドット及び赤色発光ドットの3ドットからなる組を発光素子面内に並べ、特定のドットを発光させることにより各種の発光色と発光パターンを得るように改変できる。2)発光素子面内の単一のドット内で発光素子を積層し、青色発光層、緑色発光層、赤色発光層の3層からなる組を発光素子面内に並べ、特定のドットの特定層を発光させることにより各種の発光色と発光パターンを得るように改変できる。また、3)発光素子面内で発光部位を、単色発光体からなる微細なドットが集合した構造として、各ドットの表面にカラーフィルターを取り付けることによって、青色発光ドット、緑色発光ドット、赤色発光ドットの3ドットからなる組を発光素子面内に並べ、特定のドットを発光させることにより各種の発光色と発光パターンを得るように改変できる。
本発明の電界発光材料からなる電界発光層は、例えば、酸化物電界発光材料の微粉末を圧縮成形する方法、又は酸化物電界発光材料の微粉末を含むペーストを層状に成形後に乾燥する方法により得られる。
具体的な一例を挙げると、本発明の電界発光材料を構成するペロブスカイト型酸化物の原料となる種々の酸化物の焼結体又は粉末を炉内に配置し、キセノンランプ、ハロゲンランプ等の公知の加熱手段を用いて、FZ法によりペロブスカイト型酸化物単結晶は得られる。例えば、YAlO単結晶であれば、FZ法において、Y粉末とAl粉末の混合物の焼結体を赤外集光炉内で加熱する方法によって得られる。添加物(Ti、Ca等)を加える場合には、予め原料にTi、Ca等を含む化合物を添加しておけばよい。
次いで、酸化物単結晶を平均粒径1〜5μm程度に粉砕して酸化物粉末とした後、圧縮成形する方法、又は酸化物微粉末を含むペーストを層状に成形後に乾燥する方法により電界発光層は得られる。ペーストを調製する場合には、液状成分として、例えば、トルエン、アルコール等の各種有機溶媒、水等を使用できる。
また、酸化物微粉末にバインダーを加えて微粉末どうしの接着性を高めてもよい。バインダーとしては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリエチレン等の透明樹脂、KBr等の無機固体が挙げられる。これらのバインダーは、酸化物微粉末と同程度の粒径の粉末とすることが好ましい。バインダーを含む混合物をペーストにする場合には、液状成分として、バインダーを溶解又は分散可能なものを使用すればよい。液状成分はバインダーの種類により適宜選択できるが、通常はトルエン、アルコール等の各種有機溶媒、水等の中から選択すればよい。
また、上記FZ法で得られた酸化物単結晶を公知の手段により切断・研磨して薄板又は薄膜とした後、下部電極(必要に応じて絶縁層又は安定化抵抗層)上に積層して電界発光層としてもよい。この方法では、単結晶という最も高純度な(即ち、電界発光効率が最も優れ、また発生した光が散乱等によって失われる損失が最も小さい)、優れた電界発光層が得られる。
さらに、焼結法により作製したペロブスカイト型酸化物を粉砕後、前記した圧縮成形等により電界発光層を作製する場合には、簡単な方法で不純物量の少ない電界発光層が得られる。具体的には、所望の酸化物電界発光材料の構成元素を含む酸化物を原料として用意し、これらの原料を目的物に対応する配合比率に応じて混合後、焼結することによって、ペロブスカイト型多結晶酸化物を合成する。次いで、焼結体を平均粒径1〜5μm程度に粉砕して酸化物粉末を得る。
合成(焼結)条件は特に限定されないが、例えば、空気のような酸素を含む酸化性雰囲気下、水素を含む還元性雰囲気下等において、600〜1100℃程度で焼結すればよい。焼結時間は特に限定されず、原料の種類、焼結温度等に応じて適宜設定できるが、通常0.5〜24時間、好ましくは1〜12時間程度である。例えば、YAlO多結晶であれば、焼結法では、Y粉末とAl粉末を混合後、焼結することにより得られる。添加物(Ti、Ca等)を加える場合には、予め原料にTi、Ca等を含む化合物を含めればよい。
上記以外にも、電界発光層は、例えば、スパッタ法、レーザーアブレーション法、金属塩熱分解法、金属錯体熱分解法、アルコキシドを原料とするゾル−ゲル法、分子線エピタキシー(MBE)法、真空蒸着法、物理蒸着(PVD)法、化学蒸着(CVD)法等を用いることによっても作製できる。
上記のうち、金属塩又は金属錯体の熱分解法は、目的とするペロブスカイト型酸化物を構成する金属成分を含むカルボン酸塩、硝酸塩、脂肪酸塩、キレート化合物、ジケトン、アセチルアセトナト錯体等を原料として用意し、所望の酸化物の組成に応じて原料化合物を混合して下部電極(必要に応じて、絶縁層又は安定化抵抗層)上にスピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法等の各種の公知の方法で塗布後、空気のような酸素を含む雰囲気下で熱分解することによりペロブスカイト型酸化物層を形成する方法である。特に、カルボン酸塩、脂肪酸塩を用いる方法は、金属石鹸熱分解法として公知であり、このような原料を溶媒に溶解した溶液を基板上に塗布後、空気のような酸素を含む雰囲気下において約300℃以上の温度で熱分解、焼結することによって、目的とするペロブスカイト型酸化物層を低コスト且つ簡便に形成できる。
その他の各方法についても、公知の条件に従って、目的とするペロブスカイト型酸化物層(電界発光材料層)を形成できる。例えば、スパッタ法、レーザーアブレーション法、分子線エピタキシー(MBE)法、真空蒸着法、物理蒸着(PVD)法、化学蒸着(CVD)法であれば、前記したFZ法、焼結法等により得られた酸化物単結晶又は多結晶を原材料として用いて、常法に従って電界発光層が得られる。
電界発光層の厚さについては特に限定されないが、通常0.005〜0.5mm、好ましくは0.01〜0.1mm程度である。電界発光層の厚さが薄すぎると、電圧を印加した際に発生する光の量が少なくなり、高輝度の電界発光素子を得ることが困難になる場合がある。電界発光層の厚さが厚すぎると、電界発光を生じさせるために必要な電界強度を得るために印加すべき電圧が過大となり、大型・複雑でコストのかかる電源装置が必要となる場合がある。
電界発光層の電気伝導性ついては、通常10−6〜10S/cm程度が好ましく、10−5〜10S/cm程度がより好ましい。電界発光層の電気伝導度が小さすぎると、電圧を印加した際に電界発光層中に電子・正孔を注入し難くなるため、必要な電界強度が過大となる。従って、電界発光を生じさせるために印加すべき電圧が過大となり、大型・複雑でコストのかかる電源装置が必要となる。電界発光層の電気伝導度が大きすぎると、電圧を印加した際に、電界発光を生じさせるために必要な電界強度を生じさせ難くなる。
電気伝導度の調整においてもドーピングは有効である。例えば、YAlOは添加物を含まない非ドープ状態、カルシウムを0.1%程度ドープした状態等では殆ど絶縁体であり、電極を付着して電圧を印加しても電子や正孔を注入し難い場合がある。これに対し、YAlOにチタンを0.1〜3%程度ドープした状態では、一定の電気伝導性を示す半導体となるため、電極を付着して電圧を印加することによって電子や正孔を注入でき、電界発光を生じさせることが容易となる。
また、電界発光層において、ペロブスカイト型酸化物の結晶面と、電圧印加の際の電圧との方向関係は特に限定されないが、RCuO及びRZCuで表されるペロブスカイト型酸化物の場合には、電子及び正孔の効率的な励起子の生成と励起子発光のために、ペロブスカイト型酸化物のac面(CuO面)が膜厚方向に配向していることが望ましい。このような構造の電界発光層は、分子線エピタキシー(MBE)法により酸化物層を形成後、熱処理することによって形成できる。また、ペロブスカイト型酸化物の単結晶を下部電極に接着後、イオンミリングにより表面を削る方法によっても形成できる。
本発明の電界発光素子では、光反射層を設けることが好ましい。特に、電界発光層の下部電極側に光反射層を設けることが好ましい。下部電極を透明電極で形成する場合には、下部電極と基材との間に形成してもよい。光反射層を設けることによって、生じた光が電界発光素子から発する際に一定の方向への光の指向性を付与することができ、その方向における光の強度、輝度を高めることができる。光反射層としては、下部電極自体を光反射率の高い金属電極(例えば、アルミニウム、銀、金等)又は高屈折率電極とすることも可能である。電極が透明電極又は櫛型電極の場合には、光反射層として、例えば、アルミニウム層、銀層、金層、高屈折率透明層等を使用できる。光反射層の厚さは、光を効率良く反射させるために、100nm以上が好ましく、200nm以上がより好ましい。
以上説明したような電界発光層を形成する場合には、下記理由により、電圧印加による電子・正孔注入によって起こる電界発光の高効率化が可能になるものと考えられる。
即ち、本発明で用いるペロブスカイト型酸化物は、いわゆる強相関電子系の物質であり、電子や正孔が大きな移動度をもち、消滅し難く長い距離を移動できる特性を有する。可視光領域で非常に大きな振動子強度をもち、微量の添加物のドープによって電気伝導性が高まる。また、紫外線照射によって非常に強い発光(蛍光)を示す。この発光は、ペロブスカイト型酸化物のバンド端で起こるバンド間遷移による発光というよりは、ペロブスカイト型酸化物結晶格子中の酸素欠陥からなるカラーセンターによるものである。この酸素欠陥は、還元性雰囲気下において、紫外線照射下、FZ法等で合成された本発明のペロブスカイト型酸化物において生じる。このようなペロブスカイト型酸化物に紫外線を照射すると、酸素欠陥からなるカラーセンターから導電帯への電子励起により、強い蛍光が生じる。蛍光の波長(即ち色)は、ペロブスカイト型酸化物に固有のものであり、希土類元素の選択によって変えることができる。ペロブスカイト型酸化物を合成する際に、結晶格子を破壊しない程度の微量のアルカリ土類金属、Mg、アルカリ金属及び遷移金属の少なくとも1種をドーパントとしてドープすると、未ドープ状態に比べて格段に強い蛍光が生じる。蛍光寿命は15ns程度と短く、蛍光量子収率は45%と非常に高い。これは、上記ドーパントが発光中心となる酸素欠陥を安定化するためと考えられる。ドーパントの大きさがあまり大きくない場合は、ドーパントの種類によって発光波長はあまり影響されないが、ドーパントが大きくなると、ペロブスカイト型酸化物の結晶格子に歪みが生じるために発光波長がシフトする。この効果を用いて、発光波長を制御することもできる。
このような蛍光性ペロブスカイト型酸化物に電圧を印加すると、キャリヤ(即ち、電子・正孔)が大きな移動度をもち、消滅し難い性質をもつため、印加された電圧によって加速されたキャリヤが発光中心に衝突し、蛍光の発生過程と部分的に類似した過程により電界発光が生じる。又は、電圧を印加した際に、注入された電子と正孔の対からなる励起子からの発光(電子と正孔が再結合する際に生じる発光)が効率良く起こり、高効率の電界発光材料となると考えられる。
上記ペロブスカイト型酸化物は、上述のように、強相関電子系に特徴的な電子・正孔の高い移動度による高効率な電界発光が可能であることに加えて、ペロブスカイト型酸化物の構成元素の選択並びに不純物の種類及び濃度の選択について自由度が大きいため、電界発光の波長を制御し易いという利点を有するため、高効率の緑色〜青色電界発光という要望を満足できる。さらに、材料自体が、有機系材料や化合物半導体材料よりも熱的、化学的に安定性が高い無機系酸化物材料であるので、長期安定性に優れた電界発光材料への要望をも満足することができる。また、上記ペロブスカイト型酸化物は、安価で毒性の低い原料から簡便・容易に製造することが可能であるので、低コストで環境に優しく安全性が高い電界発光材料である。
【発明の効果】
本発明の電界発光材料は、特定のペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物からなり、黄色発光に加えて、より短波長の緑色発光等を行うことができる。しかも、電圧印加の際の電子・正孔の移動度が大きく蛍光寿命が短いため、電気エネルギーを効率よく光エネルギーに変換することができる。
また、材料自体の光吸収が少ないために電界発光が材料に再吸収されることに基づくエネルギー損失が少なく、長期安定性にも優れている。さらに、無機系電界発光材料であり、有機系電界発光材料よりも熱的・化学的に安定である。
ペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物は、空気中での焼結法、FZ法等の比較的簡単な方法により不純物の十分に少ない酸化物が容易に得られるため、製造コストを低減できる。特に、FZ法によれば、不純物の非常に少ない酸化物単結晶が得られる。これらの方法で得られる酸化物は、空気中で熱的・化学的に安定であり、機械的強度も高く、長期使用による劣化が少ないという特性を有する。
【図面の簡単な説明】
図1:本発明の実施例1で作製した薄板に、周波数10Hz、±950VのバイポーラーAC電圧を印加した際に薄板が示す発光の波長特性を示す図である。
図2:本発明の実施例2で作製した薄板に、周波数10Hz、±800〜900VのバイポーラーAC電圧を印加した際に薄板が示す発光の波長特性を示す図である。
図3:本発明の実施例3で作製した薄板に、周波数10Hz、±275〜375VのバイポーラーAC電圧を印加した際に薄板が示す発光の波長特性を示す図である。
図4:本発明の実施例4で作製した薄板に、周波数1MHz、±10mV〜±1VのバイポーラーAC電圧を印加した際に薄板が示す発光の波長特性を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
【実施例1】
FZ法により作製した、0.1%(Alに対するCaのモル%)のカルシウムをドープしたYAlO単結晶(ごく薄い紫色を帯びた乳白色)を切断、研磨して、直径約2.0mm、厚さ0.245mmの薄板を作製した。
この薄板の片面全面に、真空蒸着法により、厚さ150nmのアルミニウム電極層(陰極)を形成した。そして、もう片方の面の半分に、半円状に、DCスパッタリング法により、厚さ75nmの金電極層(陽極)を形成した。
さらに、薄板に銀ペーストで白金線を取り付け、バイポーラーのAC高電圧を印加した。その結果、周波数10Hzで、AC電圧を変化させたところ、±750〜950Vの範囲で緑色の発光を生じた。発光のピーク波長は546nmであった。(しかし、±500Vでは、周波数を2〜700Hzの範囲で変化させても発光は見られなかった。)他方、1500V以上の直流高電圧の印加によっても発光が得られた。
また、カルシウムをドープしたYAlO単結晶薄板に代えて金属塩熱分解法により作製したLaCuO薄板又はYBa2Cu薄板を用いた場合でも可視波長域の発光が得られる。
【実施例2】
FZ法により作製した、0.1%(Alに対するTiのモル%)のチタンをドープしたYAlO単結晶(薄い褐色を帯びた半透明)を切断、研磨して、直径約2.1mm、厚さ0.137mmの薄板を作製した。
この薄板の片面全面に、真空蒸着法により、厚さ150nmのアルミニウム電極層(陰極)を形成した。そして、もう片方の面の半分に、半円状に、DCスパッタリング法により、厚さ75nmの金電極層(陽極)を形成した。
さらに、薄板に銀ペーストで白金線を取り付け、バイポーラーのAC高電圧を印加した。その結果、周波数10Hzで、AC電圧を変化させたところ、±550〜900Vの範囲で緑色の発光を生じた。発光のピーク波長は546nmであった。(また、±500Vで周波数を変化させたところ、250〜600Hzの範囲で発光を生じた。)また、周波数600Hzまでの範囲で同様に発光を生じた。他方、1500V以上の直流高電圧の印加によっても発光が得られた。
【実施例3】
FZ法により作製した、1%(Alに対するTiのモル%)のチタンをドープしたYAlO単結晶(黄褐色を帯びた半透明)を切断、研磨して、直径約2.1mm、厚さ0.137mmの薄板を作製した。
この薄板の片面全面に、真空蒸着法により、厚さ150nmのアルミニウム電極層(陰極)を形成した。そして、もう片方の面の半分に、半円状に、DCスパッタリング法により、厚さ75nmの金電極層(陽極)を形成した。
さらに、薄板に銀ペーストで白金線を取り付け、バイポーラーのAC高電圧を印加した。その結果、周波数10Hzで、AC電圧を変化させたところ、±275〜375Vの範囲で緑色の発光を生じ、発光のピーク波長は547nmであった。(また、±500Vで周波数を変化させたところ、2〜60Hzの範囲で発光を生じた。)また、周波数60Hzまでの範囲で同様に発光を生じた。他方、1500V以上の直流高電圧の印加によっても発光が得られた。
【実施例4】
FZ法により作製した、3%(Alに対するTiのモル%)のチタンをドープしたYAlO単結晶(乳白色を帯びた褐色)を切断、研磨して、直径約2.1mm、厚さ0.198mmの薄板を作製した。
この薄板の片面全面に、真空蒸着法により、厚さ150nmのアルミニウム電極層(陰極)を形成した。そして、もう片方の面の半分に、半円状に、DCスパッタリング法により、厚さ75nmの金電極層(陽極)を形成した。
さらに、薄板に銀ペーストで白金線を取り付け、バイポーラーのAC高電圧を印加した。その結果、±10mV〜±1V、周波数1kHz〜5MHzの範囲で青緑色〜黄緑色の発光を生じた。また、±500Vで周波数を変化させたところ、2〜60Hzの範囲で白色の発光を生じた。他方、1500V以上の直流高電圧の印加によっても可視波長域の発光が得られた。
【実施例5】
FZ法により作製した、0.1%(Alに対するMgのモル%)のマグネシウムをドープしたLaAlO単結晶を切断、研磨して、直径約2.1mm、厚さ0.137mmの薄板を作製した。
この薄板の片面全体に、真空蒸着法により、厚さ150nmのアルミニウム電極層(陰極)を形成し、他面の半分に、半円状に、DCスパッタリング法により、厚さ75nmの金電極層(陽極)を形成した。
さらに、薄板に銀ペーストで白金線を取り付け、バイポーラーのAC高電圧を印加した。その結果、周波数10Hzで、±500〜900VのAC電圧の印加により黄緑色の発光を生じ、1500V以上の直流高電圧の印加によっても発光が得られる。また、LaAlO単結晶に代えてLaMnO単結晶を用いた場合にも同様の発光が得られる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
希土類元素をRとし、MはAl、Mn又はCrを示すものとし、一般式:RMOで表されるペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物からなる電界発光材料。
【請求項2】
希土類元素をRとし、一般式:RCuOで表されるペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物からなる電界発光材料。
【請求項3】
希土類元素をRとし、アルカリ土類金属をZとし、一般式:RZCuで表されるペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物からなる電界発光材料。
【請求項4】
酸化物がアルカリ土類金属、Mg、アルカリ金属及び遷移金属から選ばれる少なくとも1種の添加物をドーパントとしてさらに含む請求の範囲第1項〜第3項のいずれかに記載の電界発光材料。
【請求項5】
希土類元素RがSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選ばれる少なくとも1種である請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載の電界発光材料。
【請求項6】
アルカリ土類金属がCa、Sr及びBaから選ばれる少なくとも1種である請求の範囲第3項又は第4項に記載の電界発光材料。
【請求項7】
添加物がMgである請求の範囲第4項に記載の電界発光材料。
【請求項8】
アルカリ金属がLi、Na、K、Rb及びCsから選ばれる少なくとも1種である請求の範囲第4項に記載の電界発光材料。
【請求項9】
遷移金属がTi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu及びZnから選ばれる少なくとも1種である請求の範囲第4項に記載の電界発光材料。
【請求項10】
酸化物に対する添加物としてのアルカリ土類金属の含有比率を、M又はCuに対する添加物のモル%で表して、0.001〜10%である請求の範囲第4項に記載の電界発光材料。
【請求項11】
酸化物に対する添加物としてのMgの含有比率を、M又はCuに対する添加物のモル%で表して、0.001〜10%である請求の範囲第4項に記載の電界発光材料。
【請求項12】
酸化物に対する添加物としてのアルカリ金属の含有比率を、M又はCuに対する添加物のモル%で表して、0.001〜10%である請求の範囲第4項に記載の電界発光材料。
【請求項13】
酸化物に対する添加物としての遷移金属の含有比率を、M又はCuに対する添加物のモル%で表して、0.001〜10%である請求の範囲第4項に記載の電界発光材料。
【請求項14】
請求の範囲第1項〜第13項のいずれかに記載の酸化物電界発光材料からなる電界発光層を有する電界発光素子。
【請求項15】
電界発光層が酸化物単結晶薄膜からなる請求の範囲第14項に記載の電界発光素子。
【請求項16】
電界発光層が酸化物多結晶薄膜からなる請求の範囲14記載の電界発光素子。
【請求項17】
電界発光層が、酸化物微粉末を圧縮成形する方法、又は酸化物微粉末を含むペーストを層状に成形後に乾燥する方法により得られたものである請求の範囲第14項に記載の電界発光素子。
【請求項18】
電界発光層が、酸化物微粉末及びバインダーの混合物を圧縮成形する方法、又は酸化物微粉末及びバインダーの混合物を含むペーストを層状に成形後に乾燥する方法により得られたものである請求の範囲第14項に記載の電界発光素子。
【請求項19】
電界発光層がスパッタ法により形成されたものである請求の範囲第14項に記載の電界発光素子。
【請求項20】
電界発光層がレーザーアブレーション法により形成されたものである請求の範囲第14項に記載の電界発光素子。
【請求項21】
電界発光層が金属塩熱分解法により形成されたものである請求の範囲第14項に記載の電界発光素子。
【請求項22】
電界発光層が金属錯体熱分解法により形成されたものである請求の範囲第14項に記載の電界発光素子。
【請求項23】
電界発光層がアルコキシドを原料とするゾル−ゲル法により形成されたものである請求の範囲第14項に記載の電界発光素子
【請求項24】
さらに光反射層を有する請求の範囲第14項に記載の電界発光素子。

【国際公開番号】WO2005/042669
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【発行日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−515212(P2005−515212)
【国際出願番号】PCT/JP2004/016359
【国際出願日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(503360115)独立行政法人科学技術振興機構 (1,734)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】