説明

電磁波シールド性フィルム及びそれを用いた窓ガラス

【課題】低周波から高周波までの電磁波をシールドすることができ、透光性に優れ、軽量で、取り扱いが容易であり、且つ、既存のガラスなど任意に部材に貼着して使用することができる電磁波シールド性フィルム及びそれを用いた窓ガラスを提供する。
【解決手段】表面抵抗値が10Ω/sq.以下の透明電磁波シールドフィルム12と表面抵抗が0.5Ω/sq.以下の導電性メッシュ16とを含み、透明電磁波シールドフィルム12は、銀含有薄膜と、透明高屈折率薄膜とを含むことを特徴とする電磁波シールド性フィルムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広い周波数の電磁波をシールドすることができ、且つ、透光性に優れ、ガラスなどの任意の部材に貼着して使用しうる電磁波シールド性フィルム及びそれを用いた窓ガラスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、OA・通信分野に代表されるように、建物や車両等に電子機器・装置が多用されている。それら電子機器・装置から発生する電磁波は、他の電子機器や電子制御機器が誤動作をしたり、ノイズを発生させたりする原因となっている。特に、高度情報化時代においては、窓ガラスから侵入する電磁波が、建物内のコンピューターや通信機器等を誤動作させたり、ノイズ源となるケースが増大している。また、建物内の電子機器から発生する電磁波が、窓ガラスから屋外へ出ることにより、建物の外部の電子機器等を誤動作させる、ノイズ源となるなどの問題があるだけでなく、電波による情報の機密漏洩が懸念される。このような誤動作、ノイズ発生、或いは、機密漏洩を防止する目的で、窓を含む建物外壁面に、電磁遮蔽性能が要求されている。
【0003】
建物の窓に、電磁遮蔽性能を付与する、多くの提案がなされており、例えば、透明性導電膜と導電性の格子パターンからなる電磁波遮蔽透明板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法により得られた透明板は、電磁波シールド性を有するものの、透光性に劣り、窓ガラスに貼付して使用する場合には、室内が暗くなりすぎるという問題がある。
また、他の技術として、導電性メッシュをガラスの間に挟み、そのガラスの一方の外表面に電磁波シールド層及び保護カバーをこの順に有する電磁波シールドガラスが提案されている(例えば、特許文献2、参照)。しかしながら、この方法では、導電性メッシュをガラスの間に挟む為、製造に手間がかかり、さらに、既存の建造物の窓に利用する場合には、既存のガラスに代えてこれを使用しなければならず、建造物の窓ガラス全てを取り替えるには多大な手間と費用がかかるという問題があった。
【特許文献1】特開平1−170098号公報
【特許文献2】特開平10−270891号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、低周波から高周波までの電磁波をシールドすることができ、透光性に優れ、軽量で、取り扱いが容易であり、且つ、既存のガラスなど任意に部材に貼着して使用することができる電磁波シールド性フィルムを提供することにある。また、本発明のさらなる目的は、前記電磁波シールド性フィルムを用いることで、電磁波のシールド性能、透光性に優れ、取り扱いが容易な窓ガラスを得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、特定の電磁波シールドフィルムと導電性メッシュとを組み合わせて用いることで電磁波シールド性及び透光性に優れ、且つ、取り扱いが容易な電磁波シールド性フィルムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の構成は以下に示すとおりである。
<1> 表面抵抗値が10Ω/sq.以下の透明電磁波シールドフィルム(A)と表面抵抗が0.5Ω/sq.以下の導電性メッシュ(B)とを含み、銀含有薄膜(a1)と、ハロゲン及び硫黄の含有率の合計量が50ppm以下である透明高屈折率薄膜(a2)とを含む電磁波シールド性フィルム。
<2> 透明高屈折率薄膜(a2)が、インジウム酸化物又は酸化亜鉛を含有する<1>記載の電磁波シールド性フィルム。
<3> 透明電磁波シールドフィルム(A)が、銀含有薄膜層(a1)と透明高屈折率薄膜(a2)とを合計で3層以上含む<1>又は<2>に記載の電磁波シールド性フィルム。
<4> 透明電磁波シールドフィルム(A)が、透明樹脂層、粘着層、接着層、防眩層、偏光層及び近赤外線遮断層からなる群より選択される少なくとも1層を含む<1>乃至<3>のいずれかに記載の電磁波シールド性フィルム。
【0006】
<6> 導電性メッシュ(B)が、金属製メッシュ、又は、金属蒸着した織布からなる<1>乃至<4>のいずれかに記載の電磁波シールド性フィルム。
<6> 透明電磁波シールドフィルム(A)を2層以上積層した積層体の少なくとも一方の表面上に導電性メッシュ(B)を有する<1>乃至<5>のいずれか1項に記載の電磁波シールド性フィルム。
<7> <1>乃至<6>のいずれかに記載の電磁波シールド性フィルムをガラスに貼付してなる窓ガラス。
【0007】
本発明の電磁波シールド性フィルムは、電磁波のシールド性能と透明性に優れ、取り扱い性も良好であることから、ガラスなどの任意の部材に貼着して使用することで、光透過性を損なうことなく、優れた電磁波シールド性を与えることができる。
また、このような電磁波シールド性フィルムは、ガラス板に貼着することで、電磁波シールド性能に優れた窓ガラスとして使用することができ、さらに、既存の窓ガラスのガラス表面などに貼着して使用することで、既存の窓ガラスを電磁波シールド性能に優れた窓ガラスとすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、低周波から高周波までの電磁波をシールドすることができ、透光性に優れ、軽量で、取り扱いが容易であり、且つ、既存のガラスにも適用することができる電磁波シールド性フィルムを得ることができる。
また、本発明の電磁波シールド性フィルムを用い、任意の窓ガラスのガラス表面に貼付することで、電磁波のシールド性能、透光性に優れ、取り扱いが容易な窓ガラスを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明について詳細に説明する。
<電磁波シールド性フィルム>
本発明の請求項1に係る電磁波シールド性フィルムは、表面抵抗値が10Ω/sq.以下の透明電磁波シールドフィルム(A)〔以下、適宜、フィルム(A)と称する〕と表面抵抗が0.5Ω/sq.以下の導電性メッシュ(B)〔以下、適宜、メッシュ(B)と称する〕とを含むフィルムであって、該透明電磁波シールドフィルム(A)は、銀含有薄膜(a1)と、ハロゲン及び硫黄の含有率の合計量が50ppm以下である透明高屈折率薄膜(a2)とを含むことを特徴とする。
この電磁波シールド性フィルムは、ガラスなどの硬質表面に貼付して用いることで、当該硬質材料表面に電磁波シールド性を付与しうるフィルムである。
【0010】
まず、本発明の電磁波シールド性フィルムを構成する各部材について説明する。
〔透明電磁波シールドフィルム(A)(フィルム(A))〕
本発明に用いられるフィルム(A)は、表面抵抗値が10Ω/sq.以下、好ましくは0.05〜3Ω/sq.の範囲にあるフィルムである。表面抵抗値がこの範囲にあれば、高い電磁波シールド効果が得られるため好ましい。
本発明における表面抵抗値は、四端子四探針法抵抗率計ロレスタGP(ダイアインスツルメンツ製)を用い、JIS K7194に準拠した手法により測定された値である。
【0011】
フィルム(A)がこのような表面抵抗値の範囲を達成するためには、フィルム(A)が導電性を有することを要し、導電性を達成するため、フィルム(A)は導電性の薄層を含むことを要する。導電性の薄層としては、Ag、Au、Cu、Al、Fe、Ni、Pd、Ptなどの金属、これらの金属を含む合金を含有するものが挙げられるが、薄層を形成した場合の導電性と透明性の観点から、(a1)銀含有薄膜であることが好ましい。
【0012】
〔(a1)銀含有薄膜〕
本発明に係る銀含有薄膜(a1)は、銀薄膜又は銀を含む合金により形成された薄膜である。銀は、比抵抗が、1.59×10−6(Ω・cm)と、あらゆる材料の中で最も電気伝導性に優れる上に、薄膜としたときに可視光線透過率が優れるため、電子波シールド性複合ガラスとして最も好適に用いられるものである。
また、銀は、硫化や塩素化を受け易く、薄膜とした時に硫化などの影響を受けると導電性の安定性が損なわれる虞があり、薄膜としての安定性を向上させるため、銀を含む銀合金、例えば、銀と金の合金、銀と銅の合金、銀とパラジウムの合金、銀と銅とパラジウムの合金、銀と白金の合金等を用いて薄層を形成することも好ましい態様である。銀含有薄膜(a1)における銀原子の含有量は一般的には3〜99%(原子割合)であることが好ましく、銀を主体とする薄膜の場合、銀原子の含有量は80〜99%(原子割合)であることが好ましい。
【0013】
本発明に係る銀含有薄膜(a1)の厚さは、本発明の電子波シールド性フィルムの電磁波透過性等を考慮して決定されるが、透明性の観点から、通常は、一層につき0.5〜100nm程度であることが好ましく、10〜50nm程度であることがより好ましい。
【0014】
さらに、フィルム(A)は、導電性を確保するための前記金属含有薄膜に加え、透明であり、且つ、高屈折率の薄膜〔(a2)透明高屈折率薄膜〕を有することが、熱遮断性の観点から好ましい。即ち、(a2)透明高屈折率薄膜を形成することで、フィルム(A)は電磁波シールド機能に加え、輻射熱の遮断効果をも有することになり、このような機能を備えるフィルムは、窓ガラスに使用することで、電磁波シールドに加え、省エネルギー効果をも付与しうることになる。
【0015】
〔(a2)透明高屈折率薄膜〕
本発明に係る透明高屈折率薄膜(a2)は、透明で、高屈折率を有する薄膜であり、高屈折率を与える材料としては、以下に挙げる金属酸化物などの金属化合物を好ましく挙げることができる。ここで、高屈折率とは、形成された薄膜の、波長550nmの光に対する屈折率が1.4以上であることを指す。
フィルム(A)において透明高屈折率薄膜(a2)に隣接して、或いは、その近傍に設けられる金属含有薄膜を構成する金属や合金類、特に銀或いは銀含有合金は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲンや硫黄の影響により、劣化する虞があり、このため、電磁波シールド性フィルムの耐久性確保の観点からは、透明高屈折率薄膜(a2)に含まれるハロゲン及び硫黄の含有率の合計が50ppm以下であることが好ましく、さらに好ましくは10ppm以下であり、最も好ましくは不可避の不純物を除き、これらを全く含有しないことである。
【0016】
なお、(a2)透明高屈折率薄膜中のハロゲン原子、硫黄原子の含有量は、例えば、特開2005−277228公報段落番号〔0049〕に記載の方法など、種々公知の方法で測定することができる。このようなハロゲン原子、硫黄原子の含有量の調節は、通常は、当該薄膜を成形する際に用いる材料においてハロゲン原子や硫黄原子の量を調節することで実施することができ、ハロゲン原子や硫黄原子の含有量調節方法についても、前記特開2005−277228公報に記載されている。
【0017】
本発明に係る透明高屈折率薄膜(a2)を形成する材料としては、種々公知の材料から適宜選択されるが、形成した薄膜が可視光に対する高い屈折率を有するものが好ましく、また、透明性の観点からは、形成された薄膜が可視光領域に吸収を有しないものが好ましい。
このような観点から選択される材料としては、具体的には、例えば、酸化インジウム(In)やインジウムとスズとの酸化物(インジウム錫酸化物、ITO)等のインジウム酸化物、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO)、カドミウムとスズとの酸化物(CTO)、酸化アルミニウム(Al)、亜鉛とアルミニウムとの酸化物(AZO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化トリウム(ThO)、酸化スズ(SnO)、酸化ランタン(LaO)、酸化珪素(SiO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化アンチモン(Sb)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化セシウム(CeO)、酸化ビスマス(BiO)、等が好ましく挙げられる。
【0018】
また、硫黄の含有量が50ppm以下であれば、硫黄原子を含む硫化物を用いてもよく、そのような材料を具体的に例示すると、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)、硫化アンチモン(Sb)等が挙げられる。
これら高屈折率薄膜(a2)を構成する材料のなかでも、ITO、In等を含むインジウム酸化物、及びZnOは、形成された薄膜自体が導電性を持ち、前記銀含有薄膜(a1)との相乗効果により、高い電磁波シールド機能を発現するとともに、可視領域における屈折率が、2.0程度と高く、且つ、可視領域にほとんど吸収を持たないことから好ましい。なお、この高屈折率薄膜は、それ自体が導電性を有する必要はなく、例えば、TiOは、絶縁物であって、可視領域にわずかではあるが吸収を持つが、可視光に対する屈折率が2.3程度と大きいことから本発明における高屈折率薄膜の材料として好ましく用いられる。
【0019】
高屈折率薄膜(a1)の厚さは、本発明の電磁波シールド性フィルムの導電性や透明性等を考慮して決定されるが、通常は、一層につき5〜200nm程度であり、輻射熱の遮断性及び取り扱い易さの観点から、10〜100nm程度であることが好ましい。
【0020】
本発明に係る導透明電磁波シールドフィルム(A)は、銀含有薄膜(a1)と透明高屈折率薄膜(a2)とを含むものであり、これらの層をそれぞれ1層ずつ含む2層構成であってもよいが、銀含有薄膜(a1)と透明高屈折率薄膜(a2)との合計が3層以上になるように少なくとも1方が複数層積層されていることが好ましく、合計が3〜7層であることが好ましい。
このように、それぞれの物性や機能が異なる薄膜を、適宜選択した枚数で積層することにより、電磁波シールド性や透光性を適宜調節することができる。 積層は、通常、銀含有薄膜(a1)と透明高屈折率薄膜(a2)とが隣接するように、そのまま積層されるが、所望により、両薄膜間に、例えば、接着層の如き他の層を介して積層させてもよい。
具体的には、例えば、銀含有薄膜(a1)を2層の透明高屈折率薄膜(a2)で挟んで交互に積層させる3層構造の態様などが挙げられる。
【0021】
本発明に係る透明電磁波シールドフィルム(A)は、前記銀含有薄膜(a1)と透明高屈折率薄膜(a2)に加えて、本発明の目的を損なわない範囲で、透明樹脂層、粘着層、防眩層、偏光層、近赤外線遮断層等の他の層を有していてもよい。
以下、これら任意の層について説明する。
【0022】
(透明樹脂層)
透明樹脂層としては、透明性が高く、且つ、可視光の屈性率が高い材料からなる層が挙げられる。透明性が高い材料とは、膜厚100nm程度の薄膜を形成したときに、その薄膜の波長400〜700nmの光に対する透過率が60%以上であることが好ましい。
また、屈折率が高い材料とは、550nmの光に対する屈折率が1.4以上の材料であることが好ましい。
本発明に好適な透明樹脂層の素材としては、好ましくは熱可塑性樹脂が挙げられる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリスルフォン(PS)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリメチレンメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン(PP)、トリアセチルセルロース(TAC)等が挙げられる。
なかでも、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びトリアセチルセルロース(TAC)が、耐熱性が高いことから特に好適に用いられる。
本発明に係る透明樹脂層の厚さは、目的に応じて選択できるが、本発明の目的としては、10〜300μmであることが好ましい。厚すぎると可撓性が低くなり、取り扱い性が低下する虞がある。このような透明樹脂層を透明樹脂基材として、その表面に前記した銀含有薄膜(a1)、透明高屈折率薄膜(a2)を形成してもよい。
【0023】
(粘着層、接着層)
粘着層或いは接着層としては、前記透明電磁波シールドフィルム(A)を構成する各層を接着するためや、本発明の電磁波シールド性フィルムをガラスなどの硬質材料表面に貼付するために用いる。粘着層、接着層に適用する材料は、接着性、粘着性を有し且つ透明性に優れた材料からなるものであればよく、これらのうち、粘着性を発現しうるものが粘着層の材料となる。接着層、粘着層を形成する材料としては、例えば、アクリル系接着剤、シリコン系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリビニルブチラール接着剤(PVB)、エチレン−酢酸ビニル系接着剤(EVA)等の接着剤、或いは、粘着性、接着性を発現しうる樹脂材料、例えば、ポリビニルエーテル、飽和無定形ポリエステル、メラミン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、金属イオン架橋エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、部分鹸化エチレン−酢酸ビニル共重合体、カルボキシルエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリレート共重合体等のエチレン系共重合体、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
なお、本明細書においては、「アクリル」及び「メタクリル」の双方或いはそのいずれかを指す場合。「(メタ)アクリル」と表記する。
【0024】
粘着層を形成する際には、上記粘着層を構成する樹脂成分を溶液又はエマルション液として、ロールコーター、コンマコーター、ダイコーター、メイヤーバーコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター等の公知の方法に従って塗布、乾燥すればよい。
粘着層を乾燥する際の乾燥条件には特に制限はない。
また、粘着層の厚みは、使用目的や使用態様、例えば、貼付対象硬質材料の物性、貼付したのちの光透過性、耐久性などの条件を考慮して適宜選択される。
【0025】
〔透明電磁波シールドフィルム(A)の形成〕
本発明に係る透明電磁波シールドフィルム(A)は、種々の方法で得ることができるが、通常は以下の方法により得ることができる。
即ち、透明樹脂フィルムを基材とし、銀含有薄膜(a1)を後述する方法で形成した後、さらに、その表面に透明高屈折率薄膜(a2)を形成して積層する。さらに、必要に応じてこの操作を繰り返し、銀含有薄膜(a1)と透明高屈折率薄膜(a2)とを、任意の順に、任意の層構成で積層して、フィルム(A)とする。
【0026】
ここで(a1)銀含有薄膜を形成する基材となる透明樹脂フィルムとしては、銀含有薄膜(a1)及び透明高屈折率薄膜(a2)を保持することができ、且つ、柔軟なフィルムであれば、いずれも使用することができるが、スパッタリングなどの気相法により金属膜を形成する場合にも用いうることが好ましい。フィルムを構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂などが挙げられ、その中でもポリエチレンテレフタレートが好ましい。
透明樹脂フィルムの厚さは目的に応じて適宜選択されるが、透明性と取り扱い性の観点からは、一般的には10〜300μmであることが好ましく、50〜200μmの範囲であることがより好ましい。
【0027】
本発明に係る銀含有薄膜(a1)及び透明高屈折率薄膜(a2)は、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、スプレー法、CVD法、プリント印刷法等の従来公知の手法によって形成することができる。なかでも、スパッタリング法は、膜厚制御の必要な多層積層構造の形成に好適であるため、銀含有薄膜(a1)と透明高屈折率薄膜(a2)との積層を、繰り返して連続的に成膜、積層するのが容易である点で好ましい方法といえる。
より具体的には、銀含有薄膜(a1)の形成には、銀または銀を含む合金をターゲットとし、スパッタガスにはアルゴン等の不活性ガスを用いる。
本発明における銀含有薄膜(a1)の形成には、通常、圧力0.01〜3.0Pa、直流(DC)あるいは高周波(RF)マグネトロンスパッタリング法を好ましい例として挙げることができる。
【0028】
また、透明高屈折率薄膜(a2)の形成には、例えばインジウムを主成分とする金属ターゲットまたは酸化インジウムを主成分とする焼結体ターゲットを用い、スパッタガスにはアルゴン等の不活性ガスを、反応性ガスには酸素を用いる。通常、圧力0.01〜3.0Pa、直流(DC)あるいは高周波(RF)マグネトロンスパッタリング法による反応性スパッタリングを適用することができる。
【0029】
前記の前記銀含有薄膜(a1)と透明高屈折率薄膜(a2)とを有する積層体を形成する際に、前記した接着層を介してもよく、また、必要に応じて設けられる他の任意の層、例えば、透明樹脂層と前記薄膜とを接着層を介して接着してもよく、防眩層、偏光層、近赤外線遮断層等を積層する際に、接着層により接着することもできる。これら所望により設けられる他の層は、前記銀含有薄膜(a1)と透明高屈折率薄膜(a2)とからなる透明電磁波シールドフィルム(A)、及び導電性メッシュ(B)の積層の際に形成してもよく、これらを形成、積層した後に、積層してもよい。
【0030】
〔導電性メッシュ(B)〕
本発明に係る導電性メッシュ(B)は、導電性を有する材料で形成されるメッシュ状物、或いは、メッシュ状の基材表面に導電性を有する材料を付着させたものを用いることができる。
本発明に使用される導電性メッシュ(B)の導電性は、表面抵抗値が0.5Ω/sq.以下であることが好ましい。表面抵抗値がこの範囲において、高い電磁波シールド性が得られるので好ましい。なお、この表面抵抗値は、フィルム(A)において記載したのと同様の方法で測定することができる。
本発明に係る導電性メッシュ(B)は、光透過性の向上、モアレ現象の防止を図る上で、例えば、線径1μm〜1mm、開口率40〜95%のものが好ましい。
【0031】
この導電性メッシュ(B)において、線径が上記範囲において、適切な開口率、光透過性、並びに、取り扱い性に問題のない実用上の強度が得られ、優れた電磁波シールド性が達成される。開口率は、光透過性の観点からは大きいほうが好ましいが、開口率が上記範囲において、メッシュとして形状が維持され、優れた光透過性が達成され、例えば、窓材などに使用した場合でも、外部からの光線量が低減されてしまうことがない。
より好ましい線径は10〜500μm、開口率は50〜90%である。
なお、本発明における導電性メッシュ(B)の開口率とは、当該導電性メッシュの投影面積における開口部分が占める面積割合を言う。
【0032】
本発明に使用しうる導電性メッシュ(B)は、導電性を有する材料で形成されたメッシュ状(網状)のものであれば特に限定されるものではないが、金属材料で形成されたメッシュ(金属製メッシュ)、金属被覆繊維を編成或いは織成して得られる布状物などが好ましい。
金属製メッシュ又は金属被覆繊維からなるメッシュに用いられる金属材料は、導電性を有する種々公知の金属を用いることができ、例えば、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、チタン、タングステン、錫、鉛、鉄、銀、クロム或いはこれらの合金、好ましくは銅、ステンレス、アルミニウムが用いられる。
本発明に係る金属製メッシュとしては、金属繊維を網目状に織ったり編んだりして形成したメッシュ(網状体)、金属を網目状に成形したもの、即ち、シート状に成形した金属箔を所望の開口部を有するように切断したもの、所望に幅に切断して得られる帯状の金属シートを適宜組み合わせて成形したもの、溶融した金属を網状に成形したもの、基材上に形成された金属膜をエッチングして開口部を形成したもの、導電印刷により基材表面に網状に導電層を形成したもの、導電材料をパターニングした後、さらに電解メッキや無電解めっきを施して導電層を形成したもの等が挙げられる。
金属繊維を用いる場合、その金属繊維同士の間隔は、透明性の観点から、10〜100μm程度であることが好ましい。
エッチングにより金属メッシュを形成する場合には、金属膜をフォトリソグラフィーの手法で格子状やパンチングメタル状などの任意の形状にエッチング加工する方法をとることができる。このときの金属膜の厚さは、目的に応じて選択されるが、十分な導電性を確保するという観点からは、0.1〜20μmの範囲であることが好ましく、1〜12μm程度であることがより好ましい。
【0033】
導電印刷により金属メッシュを形成する場合には、金属粒子を、アクリル系等のバインダーに混合した導電性インク組成物を、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷などにより、透明な基板上に格子状等のパターンで印刷する方法をとることができる。ここで用いられる導電性インク組成物としては、金属粒子を60〜99質量%程度含有する組成物が好ましい。
導電印刷の基材としては、種々公知のものが用いられ、前記透明樹脂層として挙げた樹脂フィルムも好ましく挙げることができる。
また、導電性メッシュの他の製造方法として、導電性材料をパターン印刷や銀塩法によりパターニングした後、無電解めっき及び電解めっきの少なくとも一方を施すことで、所定の膜厚を有する金属パターンを形成する方法が挙げられる。
【0034】
導電性メッシュ(B)として用いられる金属被覆繊維からなる網状体としては、有機化合物からなる繊維等の表面に金属を被覆した金属被覆繊維を、網目状に織ったり編んだりして形成したもの、或いは、有機化合物からなる繊維等を予め織ったり編んだりして網目状に成型した後、その繊維表面を金属で被覆したものが挙げられる。
網状体を形成する繊維としては、通常、織物等に使用される繊維が用いられ、ポリエステル、ナイロン、塩化ビニリデン、アラミド、ビニロン、セルロース等を用いることができる。繊維の太さとしては、10〜500μm程度が好ましい。
金属の被覆方法としては、めっき法や金属を蒸着する方法等が挙げられる。
【0035】
本発明の電磁波シールド性フィルムは、前記透明導電性フィルム(A)及び導電性メッシュ(B)とを積層してなる。積層は、種々公知の方法ですることができ、そのまま当該2層を熱等で接着してもよいし、2層の間に前記した如き接着層を設けてもよい。
接着層を設ける場合には、導電性熱可塑性樹脂フィルム(A)又は導電性メッシュ(B)の表面に接着剤を塗布したり、2層の間に接着性を有する層を設けて熱や圧力で接着させることができる。接着剤としては、接着層、粘着層の形成において既述の種々の樹脂を同様に用いることができる。
【0036】
また、これらフィルム(A)、メッシュ(B)に加え、防眩層、偏光層、近赤外線遮断層などを備えていてもよい。
例えば、屈折率の異なる複数の層の積層体や光透過性の微粒子を分散した層などの公知の防眩層、偏光子を有する偏光層、液晶を用いて電気的に光の透過性を制御しうる偏光層、近赤外線吸収剤、好ましくは可視光に吸収を有しない近赤外線吸収剤を含有する近赤外線遮断層、透明高屈折率材料からなる近赤外線遮断層などの公知の層を、電磁波シールド性フィルムの貼付領域やその使用目的に応じて備えることができる。
【0037】
本発明の電磁波シールド性フィルムは、広い周波数の電磁波をシールドすることが可能であり、透光性に優れ、また軽量で取り扱いが容易であり、その使用方法は任意であるが、接着層或いは粘着層を最外層に設け、これを介して種々のガラスや透明樹脂板に貼付して使用することで、任意の硬質材料表面に優れた電磁波シールド機能を与えることができる。
【0038】
<窓ガラス>
本発明の窓ガラスは、本発明の透明電磁波シールド性フィルムを既設の窓ガラスなどに貼着したものである。
前記透明電磁波シールド性フィルムを積層することで、広範囲の電磁波のシールド性に優れ、且つ、透明である窓ガラスが得られる。得られた窓ガラスは、種々の用途に用いられ、具体的には、建造物の窓として用いることができる。
【0039】
本発明の窓ガラスは、前記電磁波シールド性フィルムを透明性のある任意の板状の硬質材料に貼着したものであり、その硬質材料は、特に限定されるものではないが、通常窓ガラスの素材として用いられるものが用いられ、樹脂板や通常のガラス板、空隙や補強材、樹脂層などを積層してなる複合ガラス等が用いられる。また、目的や用途に応じてこれら複数種類のものを積層したものであってもよい。
基材として使用しうる樹脂板としては、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)をはじめとするアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、透明ABS樹脂等が使用できるが、これらの樹脂に限定されるものではない。樹脂板の厚みは、特に限定されるものではないが、通常1mm〜10mm程度である。
ガラス板を使用する場合は、化学強化加工または風冷強化加工を行った半強化ガラス板または強化ガラス板を用いることが望ましい。重量を考慮すると、その厚みは1〜4mm程度である事が好ましい。
本発明の透明な電磁波シールド性フィルムを貼付することで、任意の窓ガラスを電磁波シールド性に優れた窓ガラスとすることができ、その応用範囲は広い。
【実施例】
【0040】
以下、実施例を示して本発明についてさらに詳細に説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例に示した各種特性値は下記の方法で測定した。
〔実施例1〕
(透明電磁波シールド性フィルムの作製)
透明電磁波シールドフィルム(三井化学製、スマートシールドフィルム:SSF4270:商品名(表面抵抗値1Ω/sq.))12に、透明なアクリル製粘着剤を20μmの厚みで塗布して粘着層14を形成し、線状ステンレスを編成して作製したステンレスメッシュ(♯80黒色品、表面抵抗値0.1Ω/sq.)16を、ロールを使用して貼り合せた。
なお、ここで用いた透明電磁波シールドフィルム(SSF4270)は、基材シートである厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムと厚さ15nmの銀含有薄膜と、厚さ80nmのITOからなる透明高屈折率薄膜(ハロゲン及び硫黄の合計含有量1ppm)とを含む。
【0041】
次に、ステンレスメッシュ16を貼着した側の表面に、透明なアクリル製粘着剤を塗布して粘着剤層18を形成し、そこに二軸延伸ポリエステルフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム製O300E 厚さ100μm)20を、ロールを使用して、貼り合せた。
さらに、ポリエステルフィルム20表面に透明なアクリル製粘着剤を塗布して粘着層22を形成し、粘着層22表面にセパレーターフィルム24を貼り合せて保護することで、図1に示す積層構造を有する実施例1の電磁波シールド性フィルム10を得た。この電磁波シールド性フィルム10は、セパレーターフィルム24を剥離して、窓ガラスなどの任意の硬質材表面に貼着することができる。
【0042】
(透明電磁波シールド性フィルムの評価)
得られた透明電磁波シールド性フィルム10をフロートガラス(厚さ:3mm)に貼合せ、電磁波シールド性を以下の方法で評価した。
1.電磁波シールド性の測定(アドバンテスト法)
実施例1で得た電磁波シールド性フィルム10を貼着したガラス板から150mm×150mmの大きさにサンプルを切り出し、測定器として(株)アドバンテスト製のTR17301(商品名)を用いて、周波数0.1MHz〜1GHzの範囲の電磁波減衰率(dB)を測定して、上記周波数範囲での電磁波シールド効果を評価した。
その結果、周波数0.1MHz〜1GHzの範囲の全領域にわたって60dBを超える減衰が見られ、実施例1の電磁波シールド性フィルム10は非常に優れた電磁波シールド性を示すことがわかった。
2.可視光透過率測定
実施例1で得た電磁波シールド性フィルム10を貼着したガラス板の可視光線透過率を、JIS A 5759(1998年)に準拠して測定した。
その結果、可視光透過率は、40%であり、透光性に優れることがわかった。
【0043】
(実施例2)
実施例1で用いたとの同じ透明電磁波シールドフィルム(三井化学製、SSF4270)12に透明なアクリル製粘着剤を20μmの厚みで塗布して粘着層26を形成した。
厚さ100μmのPETフィルム28上に厚さ100nmの銅箔を形成し、エッチングにより線幅12μmで縦横のピッチ300nmの網目状とすることで形成された銅メッシュ(表面抵抗値0.1Ω/sq.)30の形成面に、透明なアクリル製粘着剤を塗布して粘着層32を形成し、このPETフィルム28と銅メッシュ30との積層体を該粘着層32と粘着層26とを介して透明電磁波シールドフィルム(SSF4270)12と貼り合せた。
さらに、PETフィルム28の裏面(銅メッシュ非形成面)に透明なアクリル粘着剤を塗布して粘着層34を形成し、粘着層34表面にセパレーターフィルム24を貼り合せて保護することで、図2に示す積層構造を有する実施例2の電磁波シールド性フィルム36を得た。この電磁波シールド性フィルム36は、セパレーターフィルム24を剥離して、窓ガラスなどの任意の硬質材表面に貼着することができる。
【0044】
(透明電磁波シールド性フィルムの評価)
得られた透明電磁波シールド性フィルム36をフロートガラス(厚さ:3mm)に貼合せ、電磁波シールド性、実施例1におけるのと同様に評価した。
その結果、実施例2の電磁波シールド性フィルムは、周波数0.1MHz〜1GHzの全領域にわたって60dBを超える減衰が見られ、実施例2の電磁波シールド性フィルム36は非常に優れた電磁波シールド性を示すことがわかった。
また、可視光透過率は、45%であり、透光性に優れることがわかった。
【0045】
(比較例1)
実施例1で用いたのと同じ透明電磁波シールドフィルム(SSF4270)12に透明なアクリル製粘着剤を20μmの厚みで塗布して粘着層14を形成し、その表面に更に透明電磁波シールドフィルム(SSF4270)12を貼り合せた。
さらに、透明電磁波シールドフィルム12表面に透明なアクリル製粘着剤を塗布して粘着層22を形成し、粘着層22表面にセパレーターフィルム24を貼り合せて保護することで、図3に示す積層構造を有する比較例1の電磁波シールド性フィルム38を得た。この電磁波シールド性フィルム38は、セパレーターフィルム24を剥離して、窓ガラスなどの任意の硬質材表面に貼着することができる。
【0046】
(透明電磁波シールド性フィルムの評価)
得られた比較例1の透明電磁波シールド性フィルム38をフロートガラス(厚さ:3mm)に貼合せ、電磁波シールド性、実施例1におけるのと同様に評価した。
その結果、比較例1の電磁波シールド性フィルムは、周波数0.1MHz〜1GHzのうち、高周波領域では60dBを超える減衰が見られ、優れた電磁波シールド性を示したが、低周波領域(MHz帯)では、40dB程度であり、低周波領域における電磁波シールド性が不十分であった。
可視光透過率は、45%であり、透光性には優れていた。
【0047】
前記実施例及び比較例の対比より、本発明の電磁波シールド性フィルムは、ガラス板などの任意の硬質材料表面に貼着して使用することができ、周波数0.1MHz〜1GHzの全領域にわたり優れた電磁波シールド性能を達成するとともに、光透過性にも優れていた。このことから、本発明の電磁波シールド性フィルムは、ガラスなどに添付することで任意の領域に優れた電磁波シールド性を与え、電磁波シールド性を付与してなる窓ガラスの素材としても好適であることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一態様である実施例1の電磁波シールド性フィルムの構造を示す断面図である。
【図2】本発明の一態様である実施例2の電磁波シールド性フィルムの構造を示す断面図である。
【図3】比較例1の電磁波シールド性フィルムの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0049】
10、36、38 電磁波シールド性フィルム
12 透明電磁波シールドフィルム〔表面抵抗値が10Ω/sq.以下の透明電磁波シールドフィルム(A)〕
16 ステンレスメッシュ〔表面抵抗値が0.5Ω/sq.以下の導電性メッシュ(B)〕
30 銅メッシュ〔表面抵抗値が0.5Ω/sq.以下の導電性メッシュ(B)〕

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面抵抗値が10Ω/sq.以下の透明電磁波シールドフィルム(A)と表面抵抗が0.5Ω/sq.以下の導電性メッシュ(B)とを含み、透明電磁波シールドフィルム(A)が、銀含有薄膜(a1)と、ハロゲン及び硫黄の含有率の合計量が50ppm以下である透明高屈折率薄膜(a2)とを含む電磁波シールド性フィルム。
【請求項2】
透明高屈折率薄膜(a2)が、インジウム酸化物又は酸化亜鉛を含有する請求項1記載の電磁波シールド性フィルム。
【請求項3】
透明電磁波シールドフィルム(A)が、銀含有薄膜層(a1)と透明高屈折率薄膜(a2)とを合計で3層以上含む請求項1又は請求項2に記載の電磁波シールド性フィルム。
【請求項4】
透明電磁波シールドフィルム(A)が、透明樹脂層、粘着層、接着層、防眩層、偏光層及び近赤外線遮断層からなる群より選択される少なくとも1層を含む請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電磁波シールド性フィルム。
【請求項5】
導電性メッシュ(B)が、金属製メッシュ、又は、金属蒸着した織布からなる請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電磁波シールド性フィルム。
【請求項6】
透明電磁波シールドフィルム(A)を2層以上積層した積層体の少なくとも一方の表面上に導電性メッシュ(B)を有する請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電磁波シールド性フィルム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の電磁波シールド性フィルムをガラスに貼付してなる窓ガラス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−210898(P2008−210898A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−44677(P2007−44677)
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【出願人】(000206211)大成建設株式会社 (1,602)
【Fターム(参考)】