説明

電磁波パルスによる減肉検出方法及び減肉検出装置

【課題】 対象物のサイズや形状等に関わらず、簡素な構成でより高精度に鋼材の減肉を検出することの可能な電磁波パルスによる減肉検出方法及び減肉検出装置を提供すること。
【解決手段】 電磁波パルスの送信子及び受信子から隔たった位置に存在する鋼材に送信子から電磁波パルスを送信すると共に前記受信子で受信し、受信パルスの時間と振幅との相関により前記鋼材の減肉を検出する。送信子と受信子を各々有する一対の第一、第二センサ2,3を設ける。これら第一、第二センサ2,3は互いに逆極性となるように配置される。第一センサ2及び第二センサ3双方の近傍に位置する鋼材101の減肉を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁波パルスによる減肉検出方法及び減肉検出装置に関する。さらに詳しくは、電磁波パルスの送信子及び受信子から隔たった位置に存在する鋼材に前記送信子から電磁波パルスを送信すると共に前記受信子で受信し、受信パルスの時間と振幅との相関により前記鋼材の減肉を検出する電磁波パルスによる減肉検出方法及び減肉検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上述の如き電磁波パルスを利用した検査方法としては、例えば、特許文献1〜3に記載の発明が知られている。
【0003】
特許文献1に記載の発明は、同文献の図1に記載の如く、電磁波パルスを送信する送信子と受信する受信子とが一対並列に記載されている。しかし、特許文献1に記載の発明においては、肉厚測定する試験体は、配管径サイズとして200A又は300A以上の大口径の鋼管等であり、例えば、配管径200A以下の鋼管等に対して適用困難であり、また配管径200A以上の鋼管や平板等の試験体に適用した場合には検出精度が低く、肉厚測定による減肉率の測定精度は不十分なものであった。さらに、試験体の大きさに比して送信子と受信子とが配置される位置は実質的に同一位置となり、電磁波パルスを送受信する1のセンサにて肉厚測定を行っていると捉えることができる。
【0004】
また、特許文献2に記載の発明は、1のアレイセンサにて電磁波信号を送受信している。しかし、電磁波パルスは広範囲な広がりを持って送信されるため、電磁波パルスを送受信する送信子と受信子とが対をなす一つのセンサでは、受信される信号は電磁波パルスの広がる範囲内の信号が平均化された信号となり、特に小径鋼管においては減肉による信号の変化を十分に検出することができず、正確に減肉を検出することが困難であった。
【0005】
また、特許文献3に記載の発明は、励磁コイルと検出コイルを鋼材を挟んで配置しているため、測定箇所が制限されていた。
【特許文献1】特開2005−127920号公報
【特許文献2】特開2005−106823号公報
【特許文献3】特開2001−56202号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、対象物のサイズや形状等に関わらず、簡素な構成でより高精度に鋼材の減肉を検出することの可能な電磁波パルスによる減肉検出方法及び減肉検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る電磁波パルスによる減肉検出方法の特徴は、電磁波パルスの送信子及び受信子から隔たった位置に存在する鋼材に前記送信子から電磁波パルスを送信すると共に前記受信子で受信し、受信パルスの時間と振幅との相関により前記鋼材の減肉を検出する電磁波パルスによる減肉検出方法において、前記送信子と前記受信子を各々有する一対の第一、第二センサを設け、これら第一、第二センサは互いに逆極性となるように配置され、前記第一センサ及び前記第二センサ双方の近傍に位置する前記鋼材の減肉を検出することにある。
【0008】
電磁波パルスは、センサの周辺の長さに応じて広がりをもって送信され、且つ送信された電磁波パルスは製造条件や形状等の異方性の影響を受けるが、鋼板の長手方向に流れる性格を有していることが見いだされた。また、一対の第一、第二センサを逆極性となるように配置することにより、この第一、第二センサは互いに反対方向へ電磁波パルスを送信すると共に、その送信された電磁波パルスに起因する鋼材からの電磁波信号を前記受信子で受信することができる。よって、上記特徴構成により、送信された電磁波パルスをセンサ間の鋼材を通過させることができると共に、そのセンサ間の鋼材を通過する電磁波パルスに起因する鋼材からの電磁波信号をより多く検出することが可能となり、正確に鋼材の減肉を検出することが可能となる。
【0009】
そして、前記第一センサ及び前記第二センサが前記鋼材の長手方向に沿って配置することが望ましい。
【0010】
また、前記第一センサと前記第二センサが上面視方形あるいは楕円形に形成され、その長辺もしくは長軸が長手方向に対し垂直となるように配置しても構わない。また、前記鋼材が断熱材と外装材に覆われていても構わない。
【0011】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る電磁波パルスによる減肉検出装置の特徴は、電磁波パルスの送信子と受信子とを有し、これら送信子及び受信子から隔たった位置に存在する鋼材に電磁波パルスを送受信し、受信パルスの時間と振幅との相関により前記鋼材の減肉を検出する上記のいずれかに記載の電磁波パルスによる減肉検出方法に用いることの可能な電磁波パルスによる減肉検出装置において、前記送信子と前記受信子とを各々有する一対の第一、第二センサを設け、これら第一、第二センサは互いに逆極性となるように配置され、前記第一センサ及び前記第二センサ双方の近傍に位置する前記鋼材の減肉を検出することにある。
【発明の効果】
【0012】
上記本発明に係る電磁波パルスによる減肉検出方法及び減肉検出装置の特徴によれば、対象物のサイズや形状等に関わらず、簡素な構成でより高精度に鋼材の減肉を検出することが可能となった。
【0013】
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、適宜添付図面を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。
図1に示すように、本発明に係る減肉検出装置1は、電磁波パルスを送受信する一対の第一センサ2及び第二センサ3と、一対の第一センサ2及び第二センサ3を制御するための制御器4と、受信波形を解析するためのパーソナルコンピュータ5とを備えている。試験体Nは、欠陥部101aの形成された鋼板101を断熱材102で覆い、さらにその表面を外装材103で被覆している。通常、鋼板101は鋼管等であり、欠陥部101aは腐食等により鋼板101表面に形成される。
【0015】
図2に示すように、一対の第一、第二センサ2,3は、平面視長方形を呈し、ボビン21,31に電磁波パルスを送信する送信子となる励磁コイル22,32と、励磁コイル22,32から送信された電磁波パルスにより励磁される鋼板101からの電磁波信号を受信する受信子となる検出コイル23,33が巻回されている。なお、減肉は鋼材101表面に形成されている場合に限られず、鋼材101内面に形成されている場合であっても検出可能である。
【0016】
この一対の第一、第二センサ2,3は、試験体Nの外装材103上に試験体Nの長手方向に対し、第一、第二センサ2,3の長辺aが垂直となるように適宜間隔をおいて配置されている。図3(a)に示すように、この励磁コイル22,32から送信される電磁波パルスは、第一、第二センサ2,3の周辺の長さに応じて広がりをもって送信される。また、電磁波パルスは配管鋼板101の長手方向に流れる性格を有している。よって、電磁波パルスは短辺b1,b2側よりも長辺a1,a2側から多く送受信される。
【0017】
加えて、第一センサ2と第二センサ3とは電磁波パルスの送信方向が異なるように、制御器4は第一、第二センサ2,3の各コイルに流す電流の向きを反対方向となるように制御する。この制御により第一センサ2と第二センサ3とは互いに逆極性となる。図3(b)に示すように、第一センサ2から送信される電磁波パルスは鋼材101に対して送信される一方、第二センサ3から送信される電磁波パルスは、第一センサ2の送信方向と反対方向の上向きに送信される。なお、図3(a)の第一、第二センサ下に示す記号は、第一センサ2と第二センサ3からの電磁波パルスの送信方向が逆向きであることを表す。また、同図図中の矢印は、第一、第二センサからの電磁波パルスの広がりを模式的に示したものであって、図3(b)と矛盾した電磁波パルスの送信を意味するものではない。また、電磁波パルスは配管鋼板101の長手方向に流れる性格を有している。
【0018】
その結果、図3(a)に示すように、第一センサ2から送信される電磁波パルスは周囲に広がりをもって送信されるものの、配管の長手方向に位置する隣の第二センサ3に向かう電磁波パルスの割合は、他の方向に向かうものより相対的に多くなる。よって、図3(b)のように、第一センサ2から送信された電磁波パルスの多くの部分は第一センサ2と第二センサ3の直下付近の配管部を通過して第二センサ3に向かうことになる。なお、電磁波パルスは周囲の各方向に広がりを有しているが、図3(b)では模式的に相対的に割合の多い第一センサ2と第二センサ3の間を通過する電磁波パルスを誇張して示している。
【0019】
このように、一対の第一、第二センサを電磁波パルスの送信方向が反対方向となる逆極性に配置することにより、第一、第二センサ2,3間の鋼材を通過する電磁波パルスの割合を相対的に多くすることができ、送信される電磁波パルスに起因する鋼板101からの電磁波信号を効果的に検出することができる。
【0020】
よって、鋼板101の長手方向に対しセンサ2,3の長辺a1,a2が垂直となるように一対の第一、第二センサ2,3を配置すると共に、第一センサ2と第二センサからの電磁波パルスの送信方向を反対方向となるよう第一、第二センサを互いに逆極性となるように配置することにより、第一、第二センサ2,3間の鋼材を通過する電磁波パルスに起因する鋼板101からの電磁波信号をより多く検出することができ、センサ2,3間に存在する減肉を高精度に検出することが可能となる。
【0021】
図4(a)は電磁波パルスを送信した後における受信波形を示すグラフであり、横軸は時間軸、縦軸は測定した受信強度を示すと共にいずれも対数目盛で表示してある。同図に示すように、受信波形Fは、変化点Pにおいて略直線部FLと曲線部FRとに大別できる。この変化点Pの時間tは鋼材の肉厚に対応する値である。
【0022】
発明者らは、肉厚変化による受信信号の変化について実験を行った。なお、図4(b)はリフトオフ距離(センサと鋼材面との離隔距離であり、断熱材等を有するときは断熱材等の厚さを含む。)が100mmの場合の受信信号を示し、(c)はリフトオフ距離が200mmの場合の受信信号を示す。これらの図に示すように、肉厚が増加する場合には変化点の時間は長時間側にずれ、肉厚が減少する場合には変化点の時間は短時間側にずれることが判明した。
【0023】
さらに、肉厚を固定しリフトオフ距離を変化させて測定した場合の受信信号を図4(d)に示す。同図に示すように、リフトオフ距離を変化させても上述の変化点の移動がないことが確認できた。よって、検査対象である鋼材101の肉厚は既知であるから、鋼材101の健全部の変化点の時間と受信波形の変化点の時間を相対比較することにより、相対減肉率を求めることができ、この相対減肉率から鋼材101の減肉の検出が可能となることが確認された。さらに、鋼材101の肉厚が既知でない場合であっても、健全部と思われる箇所を基準にした相対減肉率の変化から鋼材101の減肉部位を推定することが可能であることが分かった。なお、上記特許文献1に記載の技術においても、受信信号及び減肉部位の検出は可能であるが、上述したように、検出可能な試験体は大口径の鋼管等に限られる。しかし、本実施形態においては、従来適用できなかった小・中口径鋼管等に対しても適用することができ、且つ測定精度も大きく向上し定量的な減肉測定が可能であることが判明した。
【0024】
なお、本実施形態において、第一、第二センサ2,3には平面視長方形の角型センサを用いたが、センサの形状は平面視長方形に限られず、正方形等であってもよい。さらに、角型に限られず、例えば平面視円形の円型センサ、楕円形センサや他の多角形センサ等種々の形状のセンサを第一、第二センサ2,3として用いても構わない。但し、センサの長辺又は長軸が長手方向に対し垂直となるよう配置できる方形や楕円形のセンサの方が検出性能が高い。
【実施例1】
【0025】
次に、図1、5を参照しながら、第一実施例について説明する。
図1において、配管鋼材101の肉厚L1=5.5mmの直径d=60.5mmの鋼管(いわゆる小口径鋼管)に、鋼管上面の半円周面に平面視略方形の減肉である欠陥部101aを形成した。欠陥部101aの深さL3=3.5mm、減肉長さW=150mm、断熱材102の厚さL4=35mmとし、鉄製外装材103の上から数種類のセンサで測定した結果を図5(a)、(b)に示す。なお、図5(a)は平面視円型及び角型の各円型及び角型単一センサと、平面視円型及び角型の各一対の第一、第二センサからなる円型及び角型ペアセンサとを用いてそれぞれ長手方向の測定位置を変えて測定したデータを示し、図5(b)は大きさの異なる3種類の平面視角型の一対の第一、第二センサからなる角型ペアセンサをそれぞれ長手方向の測定位置を変えて測定したデータを示す。各グラフとも、欠陥部101aの中心位置を測定位置の基準位置とする。
【0026】
図5(a)(b)に示すように、単一センサにおいては欠陥部の位置においても相対肉厚値はほぼ横ばいでとなり、欠陥部を検出することができなかった。一方、図5(a)及び図5(b)に示すように、一対の第一、第二センサからなるペアセンサを用いて測定位置を変えて測定した場合には、欠陥部101aの長さとなる−75mm〜+75mmの範囲内において、相対肉厚値が減少した。これは、従来の単一コイルのセンサに比べ、一対の第一、第二センサによるペアセンサでは、センサ間の欠陥部101a付近に電磁波パルスがより多い比率で通過するため、その欠陥部101aを通過した電磁波パルスに起因する鋼材101からの電磁波信号を確実に検出することができたことによるためと考えられる。
【実施例2】
【0027】
次に、図1,6を参照しながら、第二実施例を説明する。
図1において、配管鋼材101の肉厚L1=8.6mmの直径d=114.3mmの鋼管(いわゆる中口径鋼管)に、円周方向の幅80mmの減肉である欠陥部101aを形成した。欠陥部101aの深さL3=5mm、減肉長さW=400mm、断熱材102の厚さL4=50mmとし、鉄製の外装材103の上から数種類のセンサで測定した結果を図6(a)、(b)に示す。なお、図6(a)は円型及び角型の各単一センサと、円型及び角型の各一対の第一、第二センサからなるペアセンサとを用いて長手方向のそれぞれ測定位置を変えて測定したデータを示し、図6(b)は大きさの異なる3種類の平面視角型の一対の第一、第二センサからなる角型ペアセンサをそれぞれ長手方向の測定位置を変えて測定したデータを示す。各グラフとも、欠陥部101aの中心位置を測定位置の基準位置とする。
【0028】
図6(a)(b)に示すように、本実施例においても、上述の実施例1と同様に一対の第一、第二センサからなるペアセンサにおいて、欠陥部101aの範囲を確実に検出することができ、単一コイルの場合には欠陥部101aを検出することができなかった。
【0029】
上記各実施例に示すように、送信と受信とが対をなす単一のコイルセンサに比べ、送信と受信とが対をなすコイルセンサを一対に用いるペアセンサの方が鋼材の減肉の検出精度が優れている。小径鋼管の試験体Nにおいて、一対の第一、第二センサ2,3により、センサ2,3間の鋼材101を通過する電磁波パルスに起因する鋼材101からの電磁波信号を第一、第二センサ2,3にて受信することができ、正確に鋼材101の減肉を検出することが可能となる。
【0030】
最後に本発明のその他の実施形態の可能性について言及する。
上記実施形態では、試験体Nとして小径管状のものを用いた。しかし、本発明は、小径管状のもの限らず、中・大径管状のものや表面が屈曲した管やタンク、塔等の容器や平板状鋼材等、種々の形状のものに対しても適用可能である。
【0031】
また、上記実施形態では、鋼材に断熱材及び外装材が取り付けられた試験体を用いた。しかし、断熱材及び外装材を有する試験体に限られず、これらが設けられていない試験体に対しても適用が可能である。
【0032】
また、上記実施形態において、励磁コイルを外側に検出コイルを内側に巻回させたが、これに限定されるものではない。
【0033】
また、上記実施形態において、第一センサと第二センサが逆極性となるようコイルに流れる電流の向きを制御部にて制御した。しかし、これに限られず、コイルの電気接続を反対にすることにより、第一センサと第二センサとが逆極性となるよう配置することもできる。また、同一極性の第一、第二センサのいずれか一方を上下反転させることによって逆極性としても構わない。
【0034】
なお、特許請求の範囲の項に記入した符号は、あくまでも図面との対照を便利にするためのものにすぎず、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、送信子及び受信子から隔たった位置に存在する鋼材に電磁波パルスを送受信し、受信パルスの時間と振幅との相関により鋼材の肉厚を測定する電磁波パルスによる減肉検出方法であり、例えば、保温材に保護された配管や容器等の腐食検査に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る減肉検出方法を実施するための減肉検出装置のブロック図である。
【図2】第一、第二センサの配置を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図3】電磁波パルスの広がりを示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図4】受信子による受信信号を示し、横軸は時間軸、縦軸は受信強度を示すグラフであり、(a)は対数軸によるグラフ、(b)保温材が100mmの試験体における受信信号を示すグラフ、(c)は保温材が200mmの試験体における受信信号を示すグラフ、(d)は肉厚が6mmの試験体における受信信号を示すグラフである。
【図5】第一の実施例に係る測定位置と相対減肉値の関係を表すグラフであり、(a)は円型及び角型の単一センサ及びペアセンサによる測定結果、(b)は3種類の角型のペアセンサによる測定結果を示す。
【図6】第二の実施例に係る測定位置と相対減肉値の関係を表すグラフであり、(a)は円型及び角型の単一センサ及びペアセンサによる測定結果、(b)は3種類の角型のペアセンサによる測定結果を示す。
【符号の説明】
【0037】
1:減肉検出装置、2:第一センサ、3:第二センサ、4:制御器、5:パーソナルコンピュータ、21:ボビン、22:励磁コイル(送信子)、23:検出コイル(受信子)、31:ボビン、32:励磁コイル(送信子)、33:検出コイル(受信子)、101:鋼板、101a:欠陥部、102:保温材、103:外装材、a1,a2:長辺、b1,b2:短辺、F:受信波形、FL:略直線部、FR:曲線部、N:試験体、P:変化点、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁波パルスの送信子及び受信子から隔たった位置に存在する鋼材に前記送信子から電磁波パルスを送信すると共に前記受信子で受信し、受信パルスの時間と振幅との相関により前記鋼材の減肉を検出する電磁波パルスによる減肉検出方法であって、
前記送信子と前記受信子とを各々有する一対の第一、第二センサを設け、これら第一、第二センサは互いに逆極性となるように配置され、前記第一センサ及び前記第二センサ双方の近傍に位置する前記鋼材の減肉を検出することを特徴とする電磁波パルスによる減肉検出方法。
【請求項2】
前記第一センサ及び前記第二センサが前記鋼材の長手方向に沿って配置されることを特徴とする請求項1に記載の電磁波パルスによる減肉検出方法。
【請求項3】
前記第一センサと前記第二センサが上面視方形あるいは楕円形に形成され、その長辺もしくは長軸が長手方向に対し垂直となるように配置されることを特徴とする請求項2に記載の電磁波パルスによる減肉検出方法。
【請求項4】
前記鋼材が断熱材と外装材に覆われていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電磁波パルスによる減肉検出方法。
【請求項5】
電磁波パルスの送信子と受信子とを有し、これら送信子及び受信子から隔たった位置に存在する鋼材に電磁波パルスを送受信し、受信パルスの時間と振幅との相関により前記鋼材の減肉を検出する請求項1〜4のいずれかに記載の電磁波パルスによる減肉検出方法に用いることの可能な電磁波パルスによる減肉検出装置であって、前記送信子と前記受信子とを各々有する一対の第一、第二センサを設け、これら第一、第二センサは互いに逆極性となるように配置され、前記第一センサ及び前記第二センサ双方の近傍に位置する前記鋼材の減肉を検出することを特徴とする電磁波パルスによる減肉検出装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−298323(P2007−298323A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−125047(P2006−125047)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【出願人】(000235532)非破壊検査株式会社 (49)
【出願人】(000156938)関西電力株式会社 (1,442)
【Fターム(参考)】