説明

電磁超音波法による測定装置及び測定方法

【課題】電磁超音波法により材料に非接触で超音波を導入して、音速と板厚とを同時に高精度で測定し、得られた音速から材料の温度(表面温度や内部温度)を計測する。
【解決手段】本発明の電磁超音波法による測定装置は、材料2の内部に電磁超音波を送信可能なメアンダ型のコイル4を備えた送信センサTと、送信センサTと同一平面上で且つ送信センサTからの距離が異なる位置に配備された2つの受信センサR1,R2と、各受信センサR1,R2への電磁超音波の到着時刻と各受信センサR1,R2の位置情報とに基づいて、材料2の内部の音速と材料厚さとを測定する内部音速測定部31と、内部音速測定部31で測定された内部の音速を基に、材料2の内部の平均温度を算出する内部温度測定部32と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料の非接触測定装置及び方法に関し、特に、熱間圧延ラインで高速移動中の鋼板の板厚や温度を非接触で測定する場合に好適な、電磁超音波法による測定装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
圧延板等の材料の厚さを測定するのに、超音波を用いた方法が多く用いられている。この方法は、材料に超音波を導入し、表面と裏面との間で往復反射する超音波エコーの時間間隔を測定し、その材料固有の音速を乗じることで板厚を測定するものである。この方法は、材料の片側からの測定により、材料の厚さを測定できるというメリットがある。
しかしながら、一般に市販されている超音波を用いて板厚を測定する測定器(超音波板厚計)は、圧電素子を水やグリセリンなどの接触媒質を介して材料表面に接触させる方法である。この手法は簡便で安価であるが、材料に接触しなければならない点で圧延中の板などのオンラインへの適用は困難である。
【0003】
そこで、圧延板の板厚など測定には、レーザ励起又は電磁力励起による非接触超音波法が用いられる。
例えば、特開2001−194137号公報(特許文献1)には、レーザ超音波による音速と板厚との同時計測方法が開示されている。この特許文献1に開示された材料厚さの非接触測定方法は、被測定物の表面上の2つの位置PL、PSに相異なるタイミングでレーザビームを照射し、第1の位置に照射したレーザによって被測定物中に超音波縦波を発生させると共に、第2の位置に照射したレーザによって被測定物中に超音波横波を発生させ、超音波検出用のレーザ及び光学干渉計からなる非接触超音波検出器によって、これらの超音波を検出し、被測定物中の超音波縦波及び超音波横波の伝搬時間tL及びtSを測定し、予め求めておいたtL及びtSと被測定物中の超音波音速との関係式及び2つの位置PLとPSとの距離を用いて、tLとtSとから被測定物中の超音波音速を求め、この音速と測定した超音波伝搬時間から被測定物の厚さを算出することを特徴とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−194137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術を実際の現場に適用しようとした際には、上記したように、レーザ使用に伴うに難点(装置が大がかりになる、材料に少なからず損傷を残す等)が回避できない。また、工場内の雰囲気中にミストなどが存在する場合には、照射されたレーザが乱反射するなどの問題が発生し、実際の適用が困難であるという問題がしばしば発生する。
一方、材料の圧延工程においては、材料の温度で材質を制御しているが、材料の表面温度と内部温度とに差異が生じている場合もあり、表面温度と内部温度を同じ箇所で同時に計測したいという現場のニーズがある。特許文献1の技術はこの要求に応えるものとはなっていない。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題を解決すべく、電磁超音波法により材料に非接触で超音波を入射して、音速と板厚とを同時に高精度で測定し、得られた音速から材料の温度(表面温度や内部温度)を計測することができる電磁超音波法による測定装置及び測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明にかかる電磁超音波法による測定装置は、材料の内部に電磁超音波を送信可能なメアンダ型のコイルを備えた送信センサと、前記送信センサと同一平面上で且つ送信センサからの距離が異なる位置に配備された2つの受信センサと、各受信センサへの電磁超音波の到着時刻と各受信センサの位置情報とに基づいて、前記材料の内部の音速と材料厚さとを測定する内部音速測定部と、前記内部音速測定部で測定された内部の音速を基に、当該材料の内部の平均温度を算出する内部温度測定部と、を有することを特徴とする。
【0008】
この装置によれば、2つの受信センサの位置情報と電磁超音波の到着時刻とから、2つの連立方程式を立てて演算を行うことで、材料内部の音速と板厚とを同時に高精度で得ることができ、得られた音速から材料の内部温度を知ることが可能となる。
本発明にかかる電磁超音波法による測定装置は、材料の表面を伝播する電磁超音波を送信可能なメアンダ型のコイルを備えた送信センサと、前記送信センサと同一平面上で且つ送信センサからの距離が異なる位置に配備された2つの受信センサと、各受信センサへの電磁超音波の到着時刻と各受信センサの位置情報とに基づいて、前記材料の表面の音速を測定する表面音速測定部と、前記表面音速測定部で測定された表面の音速を基に、当該材料の表面の平均温度を算出する表面温度測定部と、を有することを特徴とする。
【0009】
この装置によれば、2つの受信センサの位置情報と電磁超音波の到着時刻とから、2つの連立方程式を立てて演算を行うことで、材料表面の音速を高精度で得ることができ、得られた音速から材料の表面温度を知ることが可能となる。
好ましくは、前記内部音速測定部は、事前に測定された前記材料における温度と音速との関係を基に、材料の内部の平均温度を算出するとよい。前記表面音速測定部は、事前に測定された前記材料における温度と音速との関係を基に、材料の表面の平均温度を算出するとよい。
【0010】
さらに好ましくは、前記材料の表面を伝播する電磁超音波の各受信センサにおける到着時刻を基に、各受信センサの位置情報を補正する補正部を備えているとよい。
また、本発明にかかる電磁超音波法による測定方法は、メアンダ型のコイルを備えた送信センサから材料の内部に電磁超音波を送信し、送信された電磁超音波を、前記送信センサと同一平面上で且つ送信センサからの距離が異なる位置に配備された2つの受信センサで受信する電磁超音波法による測定方法であって、各受信センサへの電磁超音波の到着時刻と各受信センサの位置情報とに基づいて、前記材料の内部の音速と材料厚さとを測定し、測定された内部の音速を基に、前記材料の内部の平均温度を算出することを特徴とする。
【0011】
この方法によれば、2つの受信センサの位置情報と電磁超音波の到着時刻とから、2つの連立方程式を立てて演算を行うことで、材料内部の音速と板厚とを同時に高精度で得ることができ、得られた音速から材料の内部温度を知ることが可能となる。
また、本発明にかかる電磁超音波法による測定方法は、メアンダ型のコイルを備えた送信センサから材料の表面を伝播する電磁超音波を送信し、送信された電磁超音波を、前記送信センサと同一平面上で且つ送信センサからの距離が異なる位置に配備された2つの受信センサで受信する電磁超音波法による測定方法であって、各受信センサへの電磁超音波の到着時刻と各受信センサの位置情報とに基づいて、前記材料の表面の音速を測定し、測定された表面の音速を基に、前記材料の表面の平均温度を算出することを特徴とする。
【0012】
この方法によれば、2つの受信センサの位置情報と電磁超音波の到着時刻とから、2つの連立方程式を立てて演算を行うことで、材料表面の音速を高精度で得ることができ、得られた音速から材料の表面温度を知ることが可能となる。
上述の方法では、事前に測定された前記材料における温度と音速との関係を基に、材料の内部又は表面の平均温度を算出するとよい。
さらに、前記材料の表面を伝播する電磁超音波の各受信センサにおける到着時刻を基に、各受信センサの位置情報を補正した上で、前記材料の内部の音速又は表面の音速を測定してもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、電磁超音波法により材料に非接触で超音波を導入して、音速と板厚とを同時に高精度で測定し、得られた音速から材料の温度(表面温度や内部温度)を計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る電磁超音波センサの模式図である。
【図2】送信センサの模式図である。
【図3】電磁超音波を被測定材料の内部に発射している状況を示した図である。
【図4】電磁超音波を被測定材料の表面に発射している状況を示した図である。
【図5】音速と温度との関係を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を、図を基に説明する。
なお、以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態の測定装置(板厚・音速・温度測定装置)に好適な電磁超音波センサ1の模式的な側面図である。
図1に示す電磁超音波センサ1は、被測定材料2の内部や表面に電磁超音波を送信する送信センサTと、送信された電磁超音波を受信するための2つの受信センサRと、受信センサRで検出された信号を基に、被測定材料2の板厚や温度(表面温度、内部温度)を算出する測定部3から構成される。測定部3は、例えば、コンピュータ内のプログラムとして実現されている。
【0016】
図2に示すように、送信センサTは、メアンダ型のコイル4(櫛形のコイル)と永久磁石5を有している。具体的には、熱間圧延された圧延材などの被測定材料2の表面上方に永久磁石5が、例えば、被測定材料側がN極、反被測定材料側がS極のように配備され、被測定材料2と永久磁石5との間であって被測定材料2の表面と平行に、メアンダ型のコイル4が配備されている。なお、メアンダ型のコイル4のターン数は一例であって、本発明がこの図のターン数のコイルに限定されるものではない。
このメアンダ型のコイル4に電流を流すことで、被測定材料2内に誘起される渦電流と磁界との相互作用により発生するローレンツ力が駆動源となって被測定材料2内に電磁超音波を発生させる。なお、図2(a)の丸印の中に点を備えた印は、紙面裏側から紙面表側への電流の流れを示す記号である。丸印の中に×を備えた印は、紙面表側から紙面裏側への電流の流れを示す記号である。
【0017】
メアンダ型のコイル4に印加する電流の周波数と、発生する電磁超音波の入射角度との関係は、式(1)の如くである。
【0018】
【数1】

【0019】
式(1)から明らかなように、メアンダ型のコイル4を用いれば、コイル巻き線の間隔と印加する電流の周波数から、電磁超音波の伝播角度(入射角度θ)が決定し斜角の電磁超音波や表面波を発生させることができる。そのため、後述するように、2つの異なる経路により電磁超音波を伝播させることが可能となる。なお、従来から用いられているレーストラック型(渦巻き型)コイルの場合では指向性が高く入射角度θを可変とすることができない。そのため、2つの異なる経路により電磁超音波を伝播させることが難しい。
受信センサRは、送信センサTと略同様の構成を有し、メアンダ型のコイル4と永久磁石5を有している。
【0020】
被測定材料2に発射された電磁超音波は、被測定材料2の表面側から材料厚方向に進み、底面で反射して、再度表面へ戻ってくる。戻ってきた超音波は、上記原理の逆の現象を利用して受信される。
図1,図3は、式(1)に基づき入射角度θを変更した2つの電磁超音波が被測定材料2の底面で反射され、平面の直線上に配置された2つの受信センサR1,R2に受信されている様子を模式的に示したものである。このように、送信センサTに印加される電流の周波数を制御することで、内部に入射角θ(≠90°)をもって入射する電磁超音波を発生することができる。
【0021】
このように、被測定材料2内に電磁超音波が発射された場合は、2つの受信センサR1,R2で受信された信号は、測定部3の内部音速測定部31及び内部温度測定部32へ送られる。内部音速測定部31は、各受信センサR1,R2への電磁超音波の到着時刻と各受信センサR1,R2の位置情報とに基づいて、材料2の内部の音速と材料厚さとを算出する。内部温度測定部32は、算出された内部の音速を基に、被測定材料2の内部の平均温度を算出する。
具体的には、各受信センサR1,R2への電磁超音波の到着時刻の差(t2−t1)と送信センサT〜受信センサR1,R2までの距離x1,x2とを用いて、内部平均音速Vinと板厚dとの関係を、以下の連立方程式から求めることができる。なお、位置情報は、本実施形態の場合、電磁超音波センサ1Tと各受信センサR1,R2との中心間距離としているが、それに限定されるものではない。
【0022】
まず、図3に示す電磁超音波の伝播経路に着目し三平方の定理を適用して、式(2),式(3)が導かれる。
【0023】
【数2】

【0024】
これらの式(2),式(3)を変形して、式(4),式(5)が導かれる。
【0025】
【数3】

【0026】
この式(4)及び式(5)から、板厚dと、材料の内部における平均的な音速Vinとを求めることができる。この処理は内部音速測定部31で行われる。
ところで、本実施形態の測定部3内には内部温度測定部32が設けられており、この第内部温度測定部32には、予め調べられた被測定材料2の「温度と音速との関係」が、式(6)やテーブルの形で格納されている。式(6)におけるα,βは定数である。
【0027】
【数4】

【0028】
図5は、式(6)をグラフ化したものであって、この式(6)などに、内部音速測定部31で得られた平均的な音速Vinを適用することで、被測定材料2内部の平均的な温度Tinが分かる。
以上のようにして、本実施形態に係る電磁超音波法による測定装置及び測定方法によると、材料の音速と同時に板厚を測定することが可能となる。また、材料内の音速が計測できると、材料内部の温度を計測できる。材料内部の温度が明らかになることは、圧延中の材料評価には好都合であり、圧延工程における温度制御・張力制御などに役立ちさらに品質向上に寄与することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明を行う。
【0029】
図1,図4に示すように、第2実施形態は、第1実施形態と同じ装置構成の送信センサT及び受信センサR1,R2を有しているものの、送信センサTに印加される電流の周波数を制御することで、被測定材料2の表面にのみ電磁超音波(入射角θ=90°)が発生・伝播するものとなっている。
被測定材料2の表面を電磁超音波が伝播・進行した場合、2つの受信センサR1,R2で受信された信号は、測定部3の表面音速測定部33及び表面温度測定部34へ送られる。表面音速測定部33は、各受信センサR1,R2への電磁超音波の到着時刻と各受信センサR1,R2の位置情報とに基づいて、前記材料の表面の音速を算出する。表面温度測定部34は、算出された音速を基に、被測定材料2の表面の平均温度を算出する。
【0030】
具体的には、図4に示すように、送信センサTで発生した電磁波は、被測定材料2の表面のみを伝播するため、式(7)により、被測定材料2の表面における音速(表面平均音速)Vsufがわかるようになる。
ところで、表面温度測定部34には、予め調べられた被測定材料2の「温度と音速との関係」が式(6)’やテーブルの形で格納されている。この式(6)’などに、表面音速測定部33で得られた平均的な音速Vsufを適用することで、被測定材料2表面の平均的な温度Tsufが分かる。
【0031】
【数5】

【0032】
このように、メアンダ型のコイル4を用いれば、コイル巻線の間隔と印加する電流の周波数から、電磁超音波の伝播角度(入射角度θ)を可変とでき、表面に伝播する表面波も発生させることができる。この表面波が伝播する速度を求めることで、表面温度を計測することができる。
なお、同じ電磁超音波センサ1を用い、第1実施形態によるやり方(例えば、電磁超音波の入射角θ=30°)で、被測定材料2の板厚と内部温度を計測し、その後、送信センサTに印加される電流の周波数などを変化させ、被測定材料2の表面にのみ電磁超音波を伝播させて(入射角θ=90°)、第2実施形態のやり方で表面温度を計測することもできる。
【0033】
このやり方であれば、複数の送信センサT(内部へ進入する電磁超音波を発する送信センサTと、表面を進む電磁超音波を発する送信センサT)を設けることなく、被測定材料2の板厚と内部温度と表面温度とをほぼ同時に計測することが可能となり、圧延現場等に好適な測定装置となる。
[第3実施形態]
本実施形態では、第1実施形態、第2実施形態における電磁超音波センサ1をさらに高精度なものとする技術について説明する。
【0034】
すなわち、第1実施形態、第2実施形態における送信センサTは、所定の大きさ(例えば数cm大)を持っているため、どのポイントで電磁超音波が発生しているかを正確に決定することが困難である。しかしながら、第1実施形態、第2実施形態における電磁超音波センサ1では、その計測精度を上げるためには、「送信センサT」→「受信センサR1,R2」の距離、正確には、「送信センサTで電磁超音波が発生している点」→「受信センサR1,R2の受信点」の距離が明らかとなっている必要がある。ところが、送信センサTで電磁超音波が発生している点や、受信センサR1,R2の受信点を正確に知ることは困難であり、電磁超音波センサ1を設置した段階で明らかに判っているのは、センサの設置条件である2つの受信センサR1,R2の相対距離(x2−x1)だけである。
【0035】
そこで、本実施形態では、表面波を利用しこの問題を解決する。つまり、本実施形態の電磁超音波センサ1は、材料の表面を伝播する電磁超音波の各受信センサR1,R2における到着時刻を基に、各受信センサR1,R2の位置情報を補正する補正部35を有している。
この補正部35では、表面波の音速を求めるために、センサ設置条件から明らかとなっている受信センサR1,R2の相対距離(x2−x1)と、計測された電磁超音波の到着時刻の差(t2−t1)とを基に、式(8)を用いて、表面波の音速Vsufを求めるようにしている。
【0036】
【数6】

【0037】
その後、得られた音速Vsufと、受信センサR1,R2までの電磁超音波伝播時間t1,t2とから、式(9),式(10)とを用いて、送信センサTと受信センサR1との距離x1及び送信センサTと受信センサR2との距離x2を求めることができる。
求めた距離x1,x2を用い、第1実施形態や第2実施形態に開示した処理を行うことで、材料の音速、板厚、温度をさらに高精度に計測することができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0038】
1 電磁超音波センサ
2 被測定材料
3 測定部
4 メアンダ型のコイル
5 永久磁石
31 内部音速測定部
32 内部温度測定部
33 表面音速測定部
34 表面温度測定部
35 補正部
T 送信センサ
R,R1,R2 受信センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料の内部に電磁超音波を送信可能なメアンダ型のコイルを備えた送信センサと、
前記送信センサと同一平面上で且つ送信センサからの距離が異なる位置に配備された2つの受信センサと、
各受信センサへの電磁超音波の到着時刻と各受信センサの位置情報とに基づいて、前記材料の内部の音速と材料厚さとを測定する内部音速測定部と、
前記内部音速測定部で測定された内部の音速を基に、当該材料の内部の平均温度を算出する内部温度測定部と、
を有することを特徴とする電磁超音波法による測定装置。
【請求項2】
材料の表面を伝播する電磁超音波を送信可能なメアンダ型のコイルを備えた送信センサと、
前記送信センサと同一平面上で且つ送信センサからの距離が異なる位置に配備された2つの受信センサと、
各受信センサへの電磁超音波の到着時刻と各受信センサの位置情報とに基づいて、前記材料の表面の音速を測定する表面音速測定部と、
前記表面音速測定部で測定された表面の音速を基に、当該材料の表面の平均温度を算出する表面温度測定部と、
を有することを特徴とする電磁超音波法による測定装置。
【請求項3】
前記内部音速測定部は、事前に測定された前記材料における温度と音速との関係を基に、材料の内部の平均温度を算出することを特徴とする請求項1に記載の電磁超音波法による測定装置。
【請求項4】
前記表面音速測定部は、事前に測定された前記材料における温度と音速との関係を基に、材料の表面の平均温度を算出することを特徴とする請求項2に記載の電磁超音波法による測定装置。
【請求項5】
前記材料の表面を伝播する電磁超音波の各受信センサにおける到着時刻を基に、各受信センサの位置情報を補正する補正部を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電磁超音波法による測定装置。
【請求項6】
メアンダ型のコイルを備えた送信センサから材料の内部に電磁超音波を送信し、送信された電磁超音波を、前記送信センサと同一平面上で且つ送信センサからの距離が異なる位置に配備された2つの受信センサで受信する電磁超音波法による測定方法であって、
各受信センサへの電磁超音波の到着時刻と各受信センサの位置情報とに基づいて、前記材料の内部の音速と材料厚さとを測定し、
測定された内部の音速を基に、前記材料の内部の平均温度を算出することを特徴とする電磁超音波法による測定方法。
【請求項7】
メアンダ型のコイルを備えた送信センサから材料の表面を伝播する電磁超音波を送信し、送信された電磁超音波を、前記送信センサと同一平面上で且つ送信センサからの距離が異なる位置に配備された2つの受信センサで受信する電磁超音波法による測定方法であって、
各受信センサへの電磁超音波の到着時刻と各受信センサの位置情報とに基づいて、前記材料の表面の音速を測定し、
測定された表面の音速を基に、前記材料の表面の平均温度を算出することを特徴とする電磁超音波法による測定方法。
【請求項8】
事前に測定された前記材料における温度と音速との関係を基に、材料の内部又は表面の平均温度を算出することを特徴とする請求項6又は7に記載の電磁超音波法による測定装置。
【請求項9】
前記材料の表面を伝播する電磁超音波の各受信センサにおける到着時刻を基に、各受信センサの位置情報を補正したうえで、前記材料の内部の音速又は表面の音速を測定することをことを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の電磁超音波法による測定方法。

【図1】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2010−181174(P2010−181174A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−22658(P2009−22658)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】