説明

電磁駆動装置及びその装置を用いた光量調整装置

【課題】無通電状態で光量調整手段を三つの位置に選択的に作動可能で、光量調整領域の広い光量調整装置を提供する。
【解決手段】円柱形状で径方向にNS2極で2分割の極性を備えたマグネットと、円筒でその側面一部をカットした断面C形状を成す磁性ヨークとにより形成される三つの磁気バランス点の内最も小さな保持力を備える第3の位置にその保持力を増強する磁性体を設けることによって、三つの磁気バランス点に作用する保持力を均一にすることが出来、電磁コイルへの通電を断った状態で三つの停止位置を取る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオカメラ、デジタルカメラ等の光学機器に用い光量を調整する光量調節装置、特に無通電状態で3つの作動位置に光量調節部材を保持することが出来る電磁駆動装置の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の光量調整装置として特許文献1及び特許文献2で開示される装置が知られている。
【0003】
まず特許文献1で開示する光量調整装置の電磁駆動装置は、図4で示すように、回転軸と、その回転軸を回転中心として所定範囲内で往復回動可能な円柱形状で径方向にNS2極で2分割の極性を備えたマグネットと、そのマグネットのNS2極に対し略直交する方向に延出し第1位置と第2位置の間で作動可能な駆動アームとから成るマグネットロータ(R)と、このマグネットロータを内包し回動可能に支持し、外周部に凹溝を形成するコイル枠(F)と、このコイル枠の凹溝に巻回された電磁コイル(C)と、この電磁コイルを巻回した前記コイル枠を嵌合する内径を有する円筒で、その側面一部をカットした断面C形状を成す磁性ヨーク(Y)とを備え、しかもマグネットロータと前記電磁コイルと前記磁性ヨークと前記磁性体の配置関係が、前記駆動アームが前記第1位置と第2位置の間のほぼ中央位置に位置する状態で、前記マグネットのNS2極の磁極方向と前記駆動コイルの巻回方向がほぼ平行で、しかも前記磁性ヨークのカット面中央部位と前記駆動コイルの巻幅中央部位とがほぼ一致する位置に配設される様に組み込まれている。
【0004】
そして、この電磁駆動装置は、図5で示す様に例えばマグネットロータ(R)の作動位置が作動範囲の限端位置P1に図示せぬコイル枠(F)の駆動アーム突出開口端側壁に当接した状態図(a)にある場合、電磁コイル(C)への通電を断ち無通電状態では、マグネットのNS2極と断面C形状を成す磁性ヨーク(Y)で形成する磁気回路により、仮に駆動アームを作動を規制する突出開口端側壁を取り除くことで、状態図(b)から状態図(c)になる。すなわち、状態図(a)で突出開口端側壁に当接する駆動アームは常時状態図(c)に成る様磁気付勢された状態で、もって電磁コイル(C)への通電を断った無通電状態でマグネットロータ(R)が作動範囲の限端位置P1に磁気保持される。同様に、マグネットロータ(R)は作動範囲の他端で限端位置P2においても電磁コイル(C)への通電を断った無通電状態で磁気保持される。
【0005】
更に、この電磁駆動装置は、図6で示す様にマグネットロータRの駆動アームR3が作動範囲中間位置P3に位置する状態、すなわちマグネットR2のNS2極の極性方向と断面C形状を成す磁性ヨーク(Y)の対象線が一致する図示の状態で磁気的にバランスが取れ、この中間位置P3においても磁気回路上電磁コイル(C)への通電を断った無通電状態で磁気保持される。しかし、この中間位置P3でのバランス領域は狭く、マグネットロータRが多少でもどちらかに回転すると、その磁気バランスが崩れ、直ちにマグネットロータRが作動範囲の限端位置P1又はP2に回転し磁気保持される。
【0006】
また特許文献2で開示する光量調整装置は、図7で示すように、透過濃度の異なる二枚のNDフィルタND1、ND2を揺動部材Gに貼り付け、その揺動部材Gを作動する駆動装置Mを光量変化に応じ回転させ、NDフィルタND1、ND2が共に露出開口Kから退避する第1の位置P1、NDフィルタND1が露出開口Kに望む第2の位置P2、NDフィルタND2が露出開口Kに望む第3の位置P3の三つの位置を選択的に切り替え光量調整するものである。
【0007】
尚、この光量調整装置の駆動装置Mについては、NDフィルタ駆動装置(アクチュエーター、NDメーター)として開示され、駆動機構や駆動方法についての詳細は示されず、特に、適正な位置にNDフィルタを作動し、その作動位置に無通電状態でNDフィルタを保持することの開示は無い。
【特許文献1】特開平8−19239号
【特許文献2】特開2000−214514号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本願出願人は上記特許文献2の駆動装置Mに代え上記特許文献1で説明した電磁駆動装置を使って、上述する電磁コイル(C)への通電を断った無通電状態でマグネットロータRが磁気的に保持される三つの作動位置P1、P2、P3でNDフィルタを作動保持可能な光量調整装置を構成したところ、以下の作動問題が起こる。
【0009】
その作動問題とは、電磁コイル(C)に通電し、駆動アームが作動位置P3になる様にマグネットロータRを回動させる。その位置で電磁コイル(C)への通電を断ち、マグネットロータRに作用する磁気保持でNDフィルタを保持し様とした場合、その位置に磁気保持することが出来ず、適正な光量調整を行うことが出来ない。
【0010】
その要因は、先に説明した様に電磁駆動装置の中間位置P3でのバランス領域は狭く、マグネットロータRが多少回転しただけでも磁気バランスが崩れ易いこと。また、電磁駆動装置を光量調整装置に組み込み、駆動アームの作動ピンを二枚のNDフィルタND1、ND2を貼り付けた揺動部材Gのスリットに嵌合し駆動連結することによって、マグネットロータRの重心がその駆動連結側に偏ること。その結果、マグネットロータRの磁気バランスが崩れ、マグネットロータRを中間位置P3で磁気保持が出来ないと考えられる。
【0011】
そこで本出願にかかわる発明の目的は、前記中間位置P3の磁気保持力を増強させ、無通電状態で三つの作動位置に確実に磁気保持可能な電磁駆動装置の改良、及びその電磁駆動装置を用いた光量調節装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本出願に係る電磁駆動装置は、回転軸と、この回転軸を回転中心として所定範囲内で往復回動可能な円柱形状で径方向にNS2極で2分割の極性を備えたマグネットと、そのマグネットのNS2極に対し略直交する方向に延出し第1位置と第2位置の間で作動可能な駆動アームとから成るマグネットロータ(R)と、このマグネットロータを内包し回動可能に支持し、外周部に凹溝を形成するコイル枠(F)と、このコイル枠の凹溝に巻回された電磁コイル(C)と、この電磁コイルを巻回した前記コイル枠を嵌合する内径を有する円筒で、その側面一部をカットした断面C形状を成す磁性ヨーク(Y)と、前記駆動アームが前記第1位置と前記第2位置の間の第3位置で、前記電磁コイルへの通電を断った状態で、前記マグネットロータを磁気的に位置保持する磁性体(G)と、を備えている。
【0013】
また、前記マグネットロータと前記電磁コイルと前記磁性ヨークと前記磁性体の配置関係が、
前記駆動アームが前記第3位置に位置する状態で、前記マグネットのNS2極の磁極方向と前記駆動コイルの巻回方向がほぼ平行で、しかも前記磁性ヨークのカット面中央部位と前記駆動コイルの巻幅中央部位とがほぼ一致する位置に配設され、また、前記磁性体を前記マグネットと前記磁性ヨークとの間で、しかも前記マグネットのNS2極の磁極の少なくとも一方の極点に対峙する位置にそれぞれ配設して成る。
【0014】
更に、前記駆動アームは、前記磁性ヨークのカット面中央部位と前記マグネットのNS2極の位置関係で前記第1、2、3の三つの位置に磁気的に保持され、前記磁性体は、前記駆動アームの第3の位置に保持する保持力を増強して成り、しかも前記第1、第2の位置では、共に前記磁性ヨークのカット面中央部位と前記マグネットのNS2極の位置関係で磁気的に作用する保持力と前記磁性体との間に作用する磁気吸引力との差分で保持されて成る。
【0015】
また更に、本出願に係る光量調整装置は、露出開口を有する地板と、この地板に支持され前記露出開口に対し進退可能な光量調整手段と、この光量調整手段に連結し進退駆動する請求項1に記載の電磁駆動装置と、この電磁駆動装置の電磁コイルに給電し駆動制御する制御手段とを備えた光量調整装置であって、前記制御手段で電磁コイルに給電し前記電磁駆動装置の駆動アームを前記第1、2、3の三つの位置の中で適宜選択する位置に作動し、その作動位置で前記電磁コイルへの給電を絶ち無通電状態で前記駆動アームを磁気保持して成る。
【発明の効果】
【0016】
以上詳述したように、この発明に係わる電磁駆動装置は、円柱形状で径方向にNS2極で2分割の極性を備えたマグネットと、円筒でその側面一部をカットした断面C形状を成す磁性ヨークとにより形成される三つの磁気バランス点の内最も小さな保持力を備える第3の位置にその保持力を増強する磁性体を設けることによって、三つの磁気バランス点に作用する保持力を均一にすることが出来、電磁コイルへの通電を断った状態で三つの停止位置を取ることが出来る電磁駆動装置を提供することが出来る。
【0017】
また、この発明に係わる電磁駆動装置を使った光量調整装置は、無通電状態で光量調整手段を三つの位置に選択的に作動可能で、光量調整領域の広い光量調整装置を提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、この発明に係わる電磁駆動装置及びその装置を用いた光量調整装置について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
まず図1に示す光量調整装置について説明する。図はNDフィルタND1、ND2の二枚を使って三段階の光量調整を行うビデオカメラ用光量調整装置の駆動源として本出願に係る電磁駆動装置を用いている。
【0020】
図中、Kは絞り装置で、露出開口K2を形成した地板K1に摺動自在に支持された互いに相反方向に移動する二枚の絞り羽根K3を備え、その絞り羽根K3で露出開口K2の開口を通過光量の明るさに応じ開閉し光量調整をする。
【0021】
GはNDフィルタ揺動部材で、回転により順次NDフィルタND1、ND2が露出開口K2を覆い被せる位置と退避した位置に進退するもので、露出開口K2への進退奇跡上に露出開口K2より若干大きな開口を二つ備え、NDフィルタND1、ND2がそれぞれ接着剤により貼り付けられている。
【0022】
Mは電磁駆動装置で、回転軸R1と、この回転軸R1を回転中心として所定範囲内で往復回動可能な円柱形状で径方向にNS2極で2分割の極性を備えたマグネットR2と、そのマグネットR2のNS2極に対し略直交する方向に延出し第1位置と第2位置の間で作動可能な駆動アームR3とから成るマグネットロータRと、このマグネットロータRを内包し回動可能に支持し外周部に凹溝を形成するコイル枠Fと、このコイル枠Fの凹溝に巻回された電磁コイルCと、この電磁コイルCを巻回した前記コイル枠を嵌合する内径を有する円筒でその側面一部をカットした断面C形状を成す磁性ヨークYと、駆動アームR3が第1位置と第2位置の間の第3位置において電磁コイルCへの通電を断った状態でマグネットロータRを磁気的に位置保持する磁性体Hとから成る。
【0023】
また、図2はその分解斜視図で、コイル枠Fは上コイル枠Faと下コイル枠Fbから成る。また磁性ヨークYはY1で示す様に側面がカットされ断面C形状を成す。更に、磁性体Hは直径0.3mmの鉄線を適宜長さでカットし、その上に錫銅合金溶融鍍金を施したものから成り、下コイル枠Fbに形成したスリット孔に圧入している。尚、磁性体Hの太さ、長さは下記で説明する磁気バランスの関係で予め調整される。
【0024】
また、NDフィルタND1、ND2は透過濃度が異なり、この場合、NDフィルタND1の透過濃度ND0.6で、NDフィルタND2の透過濃度ND1.2を使用している。そして、図1の状態では露出開口K2を何れのNDフィルタも退避した状態で、絞り羽根K3のみで光量調整が可能な第1の光量調整範囲と、P2位置に有るNDフィルタND1がP1位置まで回転し露出開口K2を覆う状態では、露出開口K2を通過する光量を透過濃度ND0.6に絞った状態で絞り羽根K3を使った光量調整可能な第2の光量調整範囲と、P3位置に有るNDフィルタND2がP1位置まで回転し露出開口K2を覆う状態では、露出開口K2を通過する光量を透過濃度ND1.2に絞った状態で絞り羽根K3を使った光量調整可能な第3の光量調整範囲との大きく3段階に光量範囲を切り替え適宜光量調整を行うことが出来る様になっている。
【0025】
次に、上述した磁性体Hの磁気バランスの関係を含め電磁駆動装置の調整方法について説明する。
【0026】
まず、光量調整装置Kに許容されたスペックから電磁駆動装置Mのスペックを決定する。その上でマグネットロータRの駆動アームR3の作動範囲を決め、各部材のサイズ、形状を決める。
【0027】
次に、マグネットロータRと電磁コイルCと磁性ヨークYと磁性体Hの配置関係が、駆動アームR3が第3位置P3に位置する状態で、マグネットR2のNS2極の磁極方向と駆動コイルCの巻回方向がほぼ平行で、しかも磁性ヨークYのカット面中央部位と駆動コイルCの巻幅中央部位とがほぼ一致する位置に配設する。
【0028】
その位置関係を保ちつつ、駆動アームR3の作動範囲の領域端P1、P2に駆動アームR3を作動した状態で、電磁コイルCへの通電を断ち駆動アームR3が衝撃等を受けてもその位置を保持し続けるために、マグネットロータRの磁気保持力(ディテントトルク)を調整する。その調整は、磁性ヨークYの側面カット幅Y1を調整することで出来、この際、後述する駆動アームR3を作動範囲の中間点P3でのマグネットロータRの磁気保持力を増強するために配設する磁性体Hの影響を考慮して若干大きめに設定する。
【0029】
次に、磁性体HをマグネットR2と磁性ヨークYとの間で、しかもマグネットR2のNS2極の磁極の少なくとも一方の極点に対峙する位置に配設する。
【0030】
その際、駆動アームR3を中間点P3に位置し、電磁コイルCへの通電を断った状態で、マグネットロータRに所望の磁気保持力が得られ、しかも先に設定した作動範囲の領域端P1、P2のマグネットロータRの磁気保持力が許容範囲内に有る磁性体Hの太さ、長さを決める。
【0031】
以上の調整で駆動アームR3を作動位置P1、P2、P3の三つの位置で電磁コイルCへの通電を断った状態で磁気保持をすることが出来る。
【0032】
また、この調整をすることで図3に示す様に、(a)の状態は、駆動アームR3が図示せぬストッパーに駆動アームR3の作動範囲である領域端P1位置で当接した状態を示すもので、この状態で駆動アームR3が電磁コイルCへの通電を断った状態で領域端P1位置に磁気保持される様に、磁性ヨークYの断面カット形状によりマグネットロータRに作用する磁気力T1が、磁性体HとマグネットR2のN極との間に作用する磁気吸引力より遥かに大きく設定されている。同様に、(c)の状態は、駆動アームR3が図示せぬストッパーに駆動アームR3の作動範囲である領域端P2位置で当接した状態を示すもので、この状態で駆動アームR3が電磁コイルCへの通電を断った状態で領域端P2位置に磁気保持される様に、磁性ヨークYの断面カット形状によりマグネットロータRに作用する磁気力T1が、磁性体HとマグネットR2のS極との間に作用する磁気吸引力より遥かに大きく設定されている。
【0033】
また、(b)の状態は、駆動アームR3が駆動アームR3の作動範囲である領域端P1、P2の中間位置P3の位置で、電磁コイルCへの通電を断った状態を示し、この状態では磁性ヨークYの断面カット形状によりマグネットロータRに作用する時計方向に回転させる磁気力と逆方向に回転させる磁気力とが相殺されることで、磁性体HとマグネットR2のN極との間に作用する磁気吸引力のみがマグネットロータRに作用している。
【0034】
尚、上述の図示せぬストッパーは、電磁駆動装置Mの状態では駆動アームR3が突出する上コイル枠Faに形成した開口の側壁が代用され、実際には電磁駆動装置Mの駆動アームR3を光量調整装置KのNDフィルタ揺動部材Gに連結した状態で、NDフィルタ揺動部材Gを揺動範囲に規制する部材となる。
【0035】
更に、上述した一実施例においては、磁性体Hは一つ設けているが、磁気バランスを取るために、マグネットロータRの回転軸R1を中心に反対側にもう一つ配設しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明に係わる光量調整装置の一実施例を示す構成図である。
【図2】この発明に係わる電磁駆動装置の分解斜視図である。
【図3】その電磁駆動装置の磁気バランスを説明する説明図である。
【図4】従来の電磁駆動装置を説明する説明図である。
【図5】その従来の電磁駆動装置の磁気バランスを説明する説明図である。
【図6】同様に従来の電磁駆動装置の磁気バランスを説明する説明図である。
【図7】従来の光量調整装置を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0037】
K 絞り装置
K2 露出開口
K1地板
K3 絞り羽根
G NDフィルタ揺動部材
ND1 NDフィルタ
ND2 NDフィルタ
M 電磁駆動装置
R1 回転軸
R2マグネット
R3駆動アーム
R マグネットロータ
F コイル枠
C 電磁コイル
Y 磁性ヨーク
H 磁性体


【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸と、この回転軸を回転中心として所定範囲内で往復回動可能な円柱形状で径方向にNS2極で2分割の極性を備えたマグネットと、そのマグネットのNS2極に対し略直交する方向に延出し第1位置と第2位置の間で作動可能な駆動アームとから成るマグネットロータ(R)と、
このマグネットロータを内包し回動可能に支持し、外周部に凹溝を形成するコイル枠(F)と、
このコイル枠の凹溝に巻回された電磁コイル(C)と、
この電磁コイルを巻回した前記コイル枠を嵌合する内径を有する円筒で、その側面一部をカットした断面C形状を成す磁性ヨーク(Y)と、
前記駆動アームが前記第1位置と前記第2位置の間の第3位置で、前記電磁コイルへの通電を断った状態で、前記マグネットロータを磁気的に位置保持する磁性体(H)と、
を備えた電磁駆動装置。
【請求項2】
前記マグネットロータと前記電磁コイルと前記磁性ヨークと前記磁性体の配置関係が、前記駆動アームが前記第3位置に位置する状態で、前記マグネットのNS2極の磁極方向と前記駆動コイルの巻回方向がほぼ平行で、しかも前記磁性ヨークのカット面中央部位と前記駆動コイルの巻幅中央部位とがほぼ一致する位置に配設され、また、前記磁性体を前記マグネットと前記磁性ヨークとの間で、しかも前記マグネットのNS2極の磁極の少なくとも一方の極点に対峙する位置にそれぞれ配設して成ることを特徴とする請求項1に記載の電磁駆動装置。
【請求項3】
前記駆動アームは、前記磁性ヨークのカット面中央部位と前記マグネットのNS2極の位置関係で前記第1、2、3の三つの位置に磁気的に保持され、
前記磁性体は、前記駆動アームの第3の位置に保持する保持力を増強して成る請求項1に記載の電磁駆動装置。
【請求項4】
前記第1、第2の位置では、共に前記磁性ヨークのカット面中央部位と前記マグネットのNS2極の位置関係で磁気的に作用する保持力と前記磁性体との間に作用する磁気吸引力との差分で保持されて成る請求項3に記載の電磁駆動装置。
【請求項5】
露出開口を有する地板と、
この地板に支持され前記露出開口に対し進退可能な光量調整手段と、
この光量調整手段に連結し進退駆動する請求項1に記載の電磁駆動装置と、
この電磁駆動装置の電磁コイルに給電し駆動制御する制御手段とを備えた光量調整装置であって、
前記制御手段で電磁コイルに給電し前記電磁駆動装置の駆動アームを前記第1、2、3の三つの位置の中で適宜選択する位置に作動し、その作動位置で前記電磁コイルへの給電を絶ち無通電状態で前記駆動アームを磁気保持して成る光量調整装置。


【図4】
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【図6】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−139579(P2010−139579A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−313801(P2008−313801)
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【出願人】(000231589)ニスカ株式会社 (568)
【Fターム(参考)】