説明

電空コントローラにおいて駆動値の変更を制限する方法および装置

電空コントローラにおいて駆動値の変更を制限する例示の方法および装置が開示される。開示する例示の方法は、制御信号およびフィードバック信号を受信することと、制御信号およびフィードバック信号から駆動値を算出することと、駆動値と以前の駆動値との差異が電空コントローラのスルー限界よりも大きいか否かを決定することと、スルー限界に基づいて算出された駆動値を変更することとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にコントローラに関するものであり、より詳細には、電空コントローラにおいて駆動値の変更を制限する方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、プロセス制御デバイス(例えば、制御弁、ポンプ、ダンパーなど)を制御するために、電子制御デバイス(例えば、電空コントローラ、プログラマブルコントローラ、アナログ制御回路など)が用いられる。これらの電子制御デバイスにより、プロセス制御デバイスにおける特定の動作が可能になる。安全性、対費用効果および信頼性を目的として、プロセス制御デバイスを作動させるために多くの公知のダイアフラム式またはピストン式の空気圧式アクチュエータが用いられる。そしてこれは通常、電空コントローラを介してプロセス制御システム全体に連結されている。電空コントローラは、1つ以上の制御信号を受信し、そしてそれらの制御信号を空気圧式アクチュエータへと供給される圧力に変換するように通常は構成される。そしてこの圧力により、空気圧式アクチュエータに連結されたプロセス制御デバイスの所望の動作を可能にする。例えば、プロセス制御ルーチンがより多量のプロセス流体を通過させる、空気圧で作動する弁を必要とする場合には、その弁に関連する電空コントローラに加えられる制御信号の大きさは増大され得る(例えば、電空コントローラが4〜20ミリアンペア(mA)の制御信号を受信するように構成されている場合には、10mAから15mAまで)。
【0003】
電空コントローラは、通常、空気圧始動式制御デバイスの動作応答を検知または検出するフィードバック検出システムまたは検出部(位置センサなど)により生成されたフィードバック信号を用いる。例えば空気圧始動式弁の場合には、フィードバック信号は位置センサにより測定または決定された弁の位置に対応し得る。電空コントローラはフィードバック信号と所望の設定点または制御信号とを比較し、位置制御プロセスを利用してフィードバック信号および制御信号(例えば、それらの間の差異)に基づく駆動値を生成する。この駆動値は空気圧式アクチュエータへと供給される圧力に対応し、空気圧式アクチュエータに連結された制御デバイスの所望の動作(例えば、弁の所望の位置)を達成する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
電空コントローラにおいて駆動値の変更を制限する例示の方法および装置が開示される。例示の方法は、制御信号およびフィードバック信号を受信することと、制御信号およびフィードバック信号から駆動値を算出することと、駆動値と以前の駆動値との差異が電空コントローラのスルー限界よりも大きいか否かを決定することとを含む。例示の方法はスルー限界に基づいて算出された駆動値を変更することをさらに含む。
【0005】
開示する例示の装置は駆動値および以前の駆動値を受信する駆動電流スルーリミッタを含み、駆動値と以前の駆動値との差異が電空コントローラのスルー限界よりも大きいか否かを決定し、スルー限界に基づいて算出された駆動値を変更する。例示の装置は制御信号およびフィードバック信号を受信し、制御信号およびフィードバック信号の駆動値から駆動値を算出し、その駆動値を駆動電流スルーリミッタに伝送し、そして変更した駆動値を電空コントローラのトランスデューサに送信するサーボ制御プロセッサをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】例示の弁コントローラおよび弁を含む例示の制御弁アセンブリを示す図である。
【図2】図1の制御ユニットおよび例示のI/P駆動電流スルーリミッタを示すブロック図である。
【図3A】図1および図2の例示のI/P駆動電流スルーリミッタを用いない図1の弁コントローラにおいて算出されたI/P駆動電流と実際のI/P駆動電流とを示す駆動電流グラフである。
【図3B】図1および図2の例示のI/Pダイブ電流スルーリミッタを含む図1の弁コントローラにおいて算出されたI/P駆動電流と実際のI/P駆動電流とを示す駆動電流グラフである。
【図4A】I/P駆動電流の平均値に基づくスルー限界のスルー限界グラフである。
【図4B】I/P駆動電流の平均値に基づくスルー限界のスルー限界グラフである。
【図5】図1および図2の例示のI/P駆動電流スルーリミッタ、例示のサーボ制御プロセッサ、例示の回路基板、および/またはデジタル弁コントローラの実施に用いられ得る例示の方法のフローチャートである。
【図6】図1および図2の例示のI/P駆動電流スルーリミッタ、例示のサーボ制御プロセッサ、例示の回路基板、および/またはデジタル弁コントローラの実施に用いられ得る例示の方法のフローチャートである。
【図7】図1および図2の例示のI/P駆動電流スルーリミッタ、例示のサーボ制御プロセッサ、例示の回路基板、および/またはデジタル弁コントローラの実施に用いられ得る例示の方法のフローチャートである。
【図8】本明細書に記載された例示の方法および装置の実施に用いられ得る例示のプロセッサシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
いくつかあるコンポーネントの中で特に、ハードウェアにおいて実行されるソフトウェアおよび/またはファームウェアを含む例示の方法および装置を下に記載するが、このようなシステムが説明のための単なる例示であり、限定することを意図するものではないことに留意されたい。例えば、これらのハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアコンポーネントのいくつかまたは全てが、ハードウェア単独、ソフトウェア単独、またはハードウェアとソフトウェアとの任意の組み合わせにおいて実現され得ることが意図される。それ故、例示の方法および装置を下に記載するが、提示の例示はこのような方法および装置を実現するための唯一の手段ではない。
【0008】
電空コントローラ内のコイル巻線(例えば、ソレノイド巻線)における高インダクタンスにより位置制御プロセスの動作は悪影響を受ける。具体的には、この高インダクタンスにより、巻線を駆動する電力供給装置の特性に起因して、電空コントローラのソレノイドまたは巻線における電流が増大し得る速度が制限される場合がある。ただし、ソレノイドまたは巻線を流れる電流が減少する場合には、この低下する速度は、その減少を制限する電流制御回路の他の特性よりもむしろ、ソレノイドまたは巻線におけるクランプ電圧の設定に用いられ得るツェナーダイオードにより制限され得る。この電圧は、通常、電力供給装置の電圧よりも大きいレベルでクランプされ、電流が増大される場合の速度よりも速い速度で電流を低減する。
【0009】
巻線またはソレノイドにおいて電流が増大および減少し得る速度の差異に起因して、電空コントローラは、一部の条件において位置制御プロセスにより供給される管理されたソレノイド電流または駆動値に対してソレノイド電流の平均値を変更するか変動させる(例えば、オフセットにして)ことが可能な非対称制御応答を示す。すなわち、電空コントローラ内の巻線またはソレノイドにおける高インダクタンスにより、巻線またはソレノイドにおける電流が増大し得る速度によって規定された、電空コントローラ全体におけるスルー限界が生じる。巻線またはソレノイド電流の減少に関連するスルーレートに対する、巻線またはソレノイド電流の増大に関連するより低いスルー限界は、電空コントローラにおける非対称制御応答をもたらす。電空コントローラのこの非対称制御応答は、最終的に、一部の条件において電空コントローラに連結された空気圧式アクチュエータによる位置制御の精度を低下させる場合がある。
【0010】
また、位置制御プロセスは、フィードバック信号および/または制御信号におけるノイズにより悪影響を受ける場合がある。例えば、100パーセントを上回るが、0パーセントを下回らない駆動値を算出可能なノイズが存在するか、または駆動値が非対称量だけ両方の制限値を上回る場合には、実際の平均駆動出力値が算出された平均駆動値とは異なる。この差異により位置制御プロセスの有効出力においてずれが生じ、その結果、空気圧式アクチュエータおよび制御デバイスにおける位置制御に誤差が生じる。
【0011】
本明細書に記載された例示の方法および装置は、電空コントローラのソレノイドまたは巻線における高インダクタンス、並びに/またはフィードバック信号および/または制御信号におけるノイズに起因する、弁コントローラなどの電空コントローラの非対称制御応答を補正するために用いられ得る。より一般的には、本明細書に記載された例示の方法および装置は、例えば、電空コントローラの動作制限(誘導負荷駆動の困難性など)、弁の動作制限、高周波数システムにおけるノイズ、環境ノイズ、および/または制御待ち時間に起因する電空コントローラの非対称制御応答を補正するために用いられ得る。
【0012】
電空コントローラは、通常、電流から空気圧への(I/P)変換器などの、電流を電空変換器に供給する制御ユニットを含む。制御ユニットは制御信号およびフィードバック信号に基づいて駆動信号を算出する。制御信号は制御デバイス(例えば、弁)における規定の設定点に対応し、フィードバック信号は制御デバイスの位置および/または圧力に対応する。制御信号とフィードバック信号との間の差異または誤差信号は、I/P変換器が制御デバイスに連結されたアクチュエータを規定の設定点に達するように動かし得る駆動値(電圧など)に対応する。より具体的には、制御ユニットはI/P変換器におけるソレノイドまたは巻線を流れる電流を生成および/または制御するための駆動値を用いて、電流の大きさに基づく空気圧を生成する。この空気圧はその後増幅され得、制御デバイス(例えば、弁)を作動させるのに用いられ得る。
【0013】
I/P変換器は、ソレノイド(高インピーダンスの巻線または誘導子)を介して電流を空気圧に変換するトランスデューサとして機能する。ソレノイドはノズルに関連して動作するフラッパを磁気的に制御して、ノズル/フラッパを通る流量制限を変化させる。そしてこれにより、ソレノイドを流れる電流の平均値に基づいて変化する空気圧を提供する。ソレノイドの高誘導性インピーダンスおよびソレノイドに印加する電力供給装置の特性は、I/P変換器内においてソレノイドを流れる電流が増大し得る速度を制限する(すなわち、スルーレートを規定する)。ただし、この高インピーダンスは、上述したように、電力供給装置に対向する面のソレノイドにおける高クランプ電圧に起因する電流が減少する速度を同じようには制限しない。制御ユニットが電流増大を算出する場合には、I/P変換器の高インダクタンスの制限が速度を限定し(すなわち、スルー限界を規定する)、電空変換器の位置制御プロセスを考慮しない場合には、位置制御プロセスおよびソレノイドにおける実際の電流の要求に応じて、ソレノイドにおける算出された電流が相違するように、電流が増大または減少し得る速度間の差異により非対称制御が制限される。この相違または差異は、弁などの制御デバイスに連結された空気圧式アクチュエータなどの位置制御の精度を低下させる。
【0014】
本明細書に記載された例示の方法および装置は、駆動値の変化が電空コントローラのソレノイドにおける電流の変化に対応する場合に、電空コントローラの制御ユニットにおける駆動値の変更を制限して、前述の電空コントローラの非対称制御応答を補正するために用いられ得る。より具体的には、本明細書に記載された例示の方法および装置は、制御信号およびフィードバック信号を受信することと、制御信号およびフィードバック信号から駆動値を算出することと、駆動値と以前の駆動値との差異が電空コントローラのスルー限界よりも大きいか否かを決定することとにより実施され得る。例示の方法および装置は、次に、スルー限界に基づいて算出された駆動値を変更できる。
【0015】
スルー限界は、電空コントローラ、電空コントローラのI/P変換器、および/または空気圧式アクチュエータに連結された制御デバイスの特性および/または制限に基づいた所定値でもよい。スルー限界は単一の値でもよく、または代替的に、算出された駆動値の関数でもよい。また、スルー限界は、電空コントローラ、並びに/またはフィードバック信号および/または制御信号におけるノイズ(例えば、算出されたノイズ)の関数でもよい。
【0016】
開示された方法および装置は、一般に、電空コントローラにおいて駆動値の変更を制限することに関する。開示された方法および装置は空気圧で作動する弁を含む例に関連して記述されたが、開示された方法および装置は、他の方法で作動する弁および/または弁以外のプロセス制御デバイスを用いて実現されてもよい。
【0017】
弁コントローラ102(例えば、電空コントローラ)および弁104(例えば、プロセス制御デバイス)を含む制御弁アセンブリ100を図1に示す。弁104および弁コントローラ102は、例示の制御弁アセンブリ100内で物理的および/または通信可能に共に接続され得る。代替的に、弁104および弁コントローラ102は、通信可能におよび/または空気圧で互いに接続された分離コンポーネントでもよい。他の例では、弁コントローラ102は1つ以上の他の弁に連結されてもよく、かつ/または弁104は1つ以上の他の弁コントローラ102に連結されてもよい。
【0018】
例示の制御弁アセンブリ100は、弁コントローラ102に連結されたコネクタ106を含む。弁コントローラ102はコネクタ106を介して電力および制御信号を受信する。電力および/または制御信号は通信路107を介してコネクタ106に受信されてもよい。電力は外部電源、制御システム、太陽熱、電池電源などから供給されてもよい。さらに、制御信号(入力信号など)は、例えば4〜20mAの信号、0〜10VのDC信号、および/またはデジタルコマンドなどを含んでもよい。弁コントローラ102は、それ自体が通信可能に接続可能な外側電源(例えば、制御室に配置されたホストシステム)からの1つ以上の制御信号を受信するように構成されてもよい。制御信号は例示の弁104の状態を明確にするか、その状態に対応する。例えば、制御信号により弁104に連結された空気圧式アクチュエータ105を、開放、閉塞、またはそれらの間の位置に調整できる。
【0019】
電力および/または制御信号は通信路107内の単一ワイヤを共有してもよく、またはその代わりに、通信路107内の複数ワイヤを介してコネクタ106に受信されてもよい。例えば、制御信号が4〜20mAの信号である場合には、弁コントローラ102との通信に、例えば周知のハイウェイアドレス可能遠隔トランスデューサ(HART)プロトコルなどのデジタルデータ通信プロトコルを用いてもよい。弁コントローラ102からの識別情報、動作状態情報、および診断情報を読み出すために、プロセス制御システム全体においてこのようなデジタル通信が用いられてもよい。例えば、HART通信プロトコルおよび2線式構成を用いることにより、デジタルデータ形式の制御信号は、ワイヤの単一のツイストペアにおいて弁コントローラ102の電力と組み合わせられる。4〜20mAのアナログ制御信号において重ねられた弁コントローラ102およびデジタルデータへの電力は、例えば制御室のホストシステムなどのホストシステムから送られてもよい。この電力を制御信号と分離するためにフィルタをかけてもよい。代替的または追加的に、1つ以上の制御機能を実行するために、弁コントローラ102を制御またはそれに命令するデジタル通信が用いられてもよい。
【0020】
他の例では、制御信号は0〜10VのDC信号でもよい。また、通信路107は弁コントローラ102に電力(例えば、24VDCまたは24Vの交流電圧(VAC))を供給するための別個の電源線または導線を含んでもよい。他の例では、電力および/または制御信号はデジタルデータ信号を伝送するワイヤまたは導線を共有してもよい。例えば、デジタルデータが2線式構成における電力と組み合わせられる場合に、デジタルフィールドバス通信プロトコルを用いた例示のコントローラ装置100において2線式構成が実施されてもよい。
【0021】
さらに、コネクタ106は1つ以上の無線通信リンクと交換されてもよいし、それらにより補完されてもよい。例えば、弁コントローラ102は、制御情報(1つ以上の設定点、動作状態情報など)をプロセス制御システム全体と通信可能な1つ以上の無線トランシーバユニットを含んでもよい。弁コントローラ102に1つ以上の無線トランシーバが用いられる場合には、例えば局部または遠隔電力供給装置までのワイヤを介して弁コントローラ102に電力が供給されてもよい。
【0022】
例示の弁104は流入口と排出口との間に流体通路を提供する開口を画定する弁座を含む。弁104は例えば、回転弁、4分の1回転弁、電動開閉弁、ダンパー、または任意の他の制御デバイスもしくは装置でもよい。弁104に連結された空気圧式アクチュエータ105は弁軸を介して流量制御部に動作可能に連結され、第1の方向(例えば、弁座から離れる方向)に流量制御部を移動させる。これにより、流入口と排出口との間の流体を第2の方向(例えば、弁座に向かう方向)に流すことにより、流入口と排出口との間の流量を制限または抑制できる。
【0023】
例示の弁104に連結されたアクチュエータ105は、複動式ピストンアクチュエータ、単動式スプリングリターンダイアフラムもしくはピストンアクチュエータ、または任意の他の適切なアクチュエータもしくはプロセス制御デバイスを含んでもよい。弁104を通る流量を制御するために、弁は例えば、電位差計、磁気センサアレイなどのフィードバック検出システム111(例えば、位置センサ、圧力センサ、および/または位置トランスミッタ)を含む。フィードバック検出システム111は、弁座に対するアクチュエータ105および流量制御部の位置(例えば、開位置、閉位置、中間位置など)を検出する。フィードバック検出システム111は、例えば機械的信号、電気的信号などのフィードバック信号を生成または弁移動フィードバック通信路103を介して弁コントローラ102に供給するように構成される。フィードバック信号は弁104に連結されたアクチュエータ105の位置を示し得、それ故弁104の位置を示す。アクチュエータ105に供給される圧力信号により弁104の位置を制御する。圧力信号は出力圧力116および118を含んでもよい。
【0024】
図1の例示の弁コントローラ102は、制御ユニット108、I/P駆動電流スルーリミッタ110、I/P変換器112、および空圧式リレイ114を含む。他の例では、弁コントローラ102は、弁アクチュエータ105への圧力を制御および/または供給するための任意の他のコンポーネントを含んでもよい。追加的または代替的に、制御ユニット108および/または弁コントローラ102は、図示しないが、例えばアナログデジタル変換器、フィルタ(例えば、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、およびデジタルフィルタ)、増幅器などの他の信号処理コンポーネントを含んでもよい。例えば、I/P駆動電流スルーリミッタ110により処理される前に、(例えば、ロー/ハイパスフィルタを用いて)制御信号にフィルタをかけてもよい。
【0025】
例示の制御ユニット108、例示のI/P駆動電流スルーリミッタ110、例示のI/P変換器112、および/または例示の空圧式リレイ114は、示すようにまたは任意の他の適切な方法で通信可能に接続されてもよい。例示の弁コントローラ102は電空コントローラとして示した。しかしながら他の例では、弁コントローラ102は、圧力トランスミッタ、または弁104を制御する任意の他の適切なコントローラデバイスもしくは装置でもよい。
【0026】
制御ユニット108は、弁104が生成したフィードバック信号を、弁移動フィードバック通信路103を介して受信し、プロセス制御システムにおいてコントローラが生成した制御信号を受信する。制御信号は、弁104の所望の動作(制御弁104の開放/閉塞割合に対応する位置など)に対応する設定点または基準信号として、制御ユニット108に用いられ得る。制御ユニット108は、位置制御アルゴリズムまたは処理における値として制御信号およびフィードバック信号を用いて、このフィードバック信号と制御信号または基準信号とを比較し、I/P変換器112に提供する駆動値(例えば、I/P駆動値)を決定する。制御ユニット108により実行された位置制御プロセスは、フィードバック信号と制御信号との差異に基づいて駆動値を決定(例えば算出)する。この算出された差異は、弁104に連結されたアクチュエータ105の位置を弁コントローラ102が変更可能な大きさに対応する。算出された駆動値は、I/P変換器112が空圧式リレイ114に提供する空気圧を生成可能になるような、制御ユニット108が生成する電流にも対応する。この電流は、例えば制御ユニット108内の1つ以上のトランスミッタにより生成されてもよい。算出された駆動値(例えば、電圧)は、それ自体を流れる電流を制御するトランジスタに印加され得る。I/P変換器112内のソレノイド113は、通信路109を介してこのトランジスタに連結され、これにより、同じ電流がソレノイド113とトランジスタとを流れる。この方法では、駆動値はソレノイド113を流れる電流を制御する。
【0027】
制御ユニット108が生成する電流を増大する駆動値により、空圧式リレイ114が、空気圧式アクチュエータ105に加える空気圧を増加させ得る。これにより、アクチュエータ105は、弁104を閉位置に向かうように配置する。同様に、制御ユニット108が生成する電流を減少する駆動値により、空圧式リレイ114は空気圧式アクチュエータ105に加える空気圧を減少させ得る。これにより、アクチュエータ105は、弁104を開位置に向かうように配置する。駆動値を算出すると、例示のI/P駆動電流スルーリミッタ110は、以前の駆動値から算出された駆動値を減じて、算出された駆動信号がスルー限界を上回るか否かを決定する。
【0028】
算出された駆動値と以前の駆動値との差異は駆動値の変化である。比較的短い期間において算出された駆動値の大きな変化により、I/P変換器112内のソレノイド113における電流の増大に必要な、より長い時間に起因する(すなわち、前述のスルー限界に起因する)制御位置の誤差が生じる。制御ユニット108が実行する位置制御プロセスが、このスルー限界を上回る、ソレノイド113において増大した電流の駆動値および速度を算出できる程度に、ソレノイド113の高インダクタンス、およびソレノイドスルー限界電流に電圧を供給する電力供給装置の特性(例えば、出力インピーダンス、電圧など)がソレノイド113において増大する。ただし、電流の減少はソレノイド113の高インダクタンスおよび/または電力供給装置の特性によって同じようには制限されない。この結果、実際には、I/P変換器112は、制御ユニット108が算出した電流を減少できる速度と同じ速さで実際の電流を減少できる。
【0029】
I/P変換器112内のソレノイド113は、制御ユニット108が生成した駆動電流を用いて磁場を生成する。この磁場は、ノズルが提供する、流量制限を制御するフラッパを制御するために用いられる。ソレノイド113における駆動電流が増大すると、ソレノイド113が生成する磁場も増大し、これによりフラッパをノズルに向かって引き込む。ソレノイド113内でノズルに向かって引き込まれるフラッパにより、I/P変換器112が生成し、空圧式リレイ114に供給される空気圧が増大する。例えば、0.75mAの駆動電流が42ポンド/平方インチ(PSI)の圧力に変換され、1.25mAの駆動電流が57PSI圧力に変換されるようにI/P変換器112が構成され得る。
【0030】
また、I/P変換器112は、電流を、ソレノイド113を通じる空気圧に変換する。このため電流応答は、ソレノイド113を流れる電流の平均値をより正確に反映する。例えば、ある期間における0.9mAと1.10mAとの間の比較的急速な実際の電流変化は、ソレノイド113を流れる電流の平均値1.0mAに対応し得る。それ故、トランジスタにおけるゲート電圧に駆動値が印加され、0.9mAと1.1mAとの間を変化する電流が生成された場合には、I/P変換器112内のソレノイド113を流れる電流の平均値は1.0mAとなる。
【0031】
フィードバック信号および/または制御信号にノイズが生じた場合には、制御ユニット108は位置制御プロセスにおける駆動値算出において一部のノイズが増幅することがある。このノイズの増幅により、算出された一部の駆動値が駆動値限界を上回る。非対称の方法においてノイズ(例えば、平均のDCオフセットシフトを有するノイズ)が駆動値限界を上回る場合には、出力電流信号の平均駆動値と算出された平均駆動値とは異なる。実際の平均駆動値と算出された平均駆動値との間の差異はさらに、弁104の位置制御における誤差をもたらす。
【0032】
例示のI/P駆動電流スルーリミッタ110は、算出された駆動値の変化と弁コントローラ102のスルー限界とを比較することにより、I/P変換器112内のソレノイド113内で増大した非対称のノイズおよび/または非対称な電流速度を補正できる。このスルー限界は、I/P駆動電流スルーリミッタ110内で実現される所定の駆動値の変更限界でもよい。スルー限界は、I/P変換器112内で達成可能な実際の電流速度の最大の増大値に基づいて構築または設定され得る。代替的に、スルー限界はソレノイド113において算出された平均駆動電流の関数でもよい。例えば、スルー限界は、算出された平均駆動値を用いた、二次関係、線形関係、指数関係、対数関係、または段階関係の少なくとも1つに基づいた値でもよい。さらに他の実装では、スルー限界は、以前の駆動値、駆動値と以前の駆動値との差異、制御信号、フィードバック信号、算出された電流の平均、または実際の電流の平均に基づいた値でもよい。
【0033】
図1の例示の制御ユニット108は、フィードバック信号および/または制御信号におけるノイズを測定できる。制御ユニット108が所定の閾値を超えるノイズを検出した場合には、制御ユニット108は、ノイズスルー限界を実施するか、かつ/または検出されたノイズに基づいてスルー限界を調整できる。他の例では、弁コントローラ102が異なる動作状態にある場合には、スルー限界は平均のノイズ測定値に基づいたノイズの補正を含んでもよい。
【0034】
算出された駆動値の変化がスルー限界よりも大きい場合には、I/P駆動電流スルーリミッタ110は、算出された駆動値をスルー限界に基づく値に変更する。例えば、算出された電流が増大しており、駆動値の変化がスルー限界よりも大きい、ソレノイド113における電流変化に対応する場合には、変更された駆動値と以前の駆動値との差異により、ソレノイド113における電流増大の速度がスルー限界による速度以下になるように、I/P駆動電流スルーリミッタ110は駆動値を減少する。同様に、算出された電流が減少している場合には、駆動値の変化の絶対値はスルー限界よりも大きくてもよい。駆動値の変化の絶対値がスルー限界よりも大きい場合には、I/P駆動電流スルーリミッタ110は、駆動値の変化がスルー限界以下である電流変化に対応するように駆動値を大きくできる。
【0035】
スルー限界に基づいて駆動値を比較および/または変更すると、制御ユニット108は駆動値を駆動信号(例えば、トランジスタを流れる電流)に変換し、そして駆動信号を、通信路109を介してI/P変換器112内のソレノイド113に印加する。電流の大きさは駆動値に対応している。駆動信号が例えば制御ユニット108内のトランジスタにより変更される電流である場合には、I/P変換器112は、弁104の所望の状態(例えば、位置)を得るために、電流から圧力へ変換するタイプのトランスデューサでもよい。代替的に、駆動信号が、弁104の制御のために変化する圧力出力を供給するように変化する電圧である場合には、I/P変換器112は、電圧から圧力へ変換するタイプのトランスデューサでもよい。I/P変換器112は供給圧力源120(例えば、圧縮空気源)に流体的に接続されており、制御ユニット108からの駆動信号を、圧力供給源からの加圧流体(例えば、圧搾空気、油圧油など)を用いて圧力信号に変換する。I/P変換器112は圧力信号を空圧式リレイ114に送信するように構成される。
【0036】
図2は図1の制御ユニット108および例示のI/P駆動電流スルーリミッタ110を示すブロック図200である。通信路107を介してプロセス制御システムからの制御信号を受信するために、例示の制御ユニット108は入力信号受信機202を含む。入力信号受信機202は電気制御信号を受信し、その電気制御信号を処理用のデジタル情報に変換する。電気信号はプロセス制御システムから伝送されたアナログ情報、離散的情報、および/またはデジタル情報を含んでもよい。
【0037】
さらに、入力信号受信機202はプロセス制御システムと制御ユニット108とを通信可能にするハイウェイアドレス可能遠隔トランスデューサ(HART)プロトコルを用いて実現されてもよい。また、例示の入力信号受信機202は動作環境に伴う任意の電磁ノイズに対して制御信号にフィルタをかけてもよい。制御信号を受信および/または処理すると、入力信号受信機202は制御信号および/または制御信号内のデータをノイズ検出器206に送信する。
【0038】
弁移動フィードバック通信路103を介して弁移動フィードバック信号を受信するために、例示の制御ユニット108はフィードバック受信機204を含む。フィードバック受信機204は図1の弁104からの位置信号を処理するための位置センサインターフェースを含んでもよい。また、例示のフィードバック受信機204は、弁104からの圧力信号のための圧力センサインターフェースを含んでもよい。フィードバック受信機204は弁104と制御ユニット108とを通信可能にするHARTプロトコルを用いて実現されてもよい。また、例示のフィードバック受信機204は、動作環境に伴う任意の電磁ノイズに対してフィードバック信号(例えば、圧力および/または位置信号)にフィルタをかけてもよい。フィードバック信号を受信および/または処理すると、フィードバック受信機204はフィードバック信号および/またはフィードバック信号内のデータをノイズ検出器206に送信する。
【0039】
図2の例示の制御ユニット108は、制御信号および/またはフィードバック信号におけるノイズを検出するために、ノイズ検出器206を含む。さらに、ノイズ検出器206は、外部環境源および/または制御ユニット108の内部コンポーネント(例えば、マイクロプロセッサ210)において生じた制御ユニット108内のノイズを検出できる。他の例では、スルー限界がノイズに基づかない場合には、例示の制御ユニット108がノイズ検出器206を含まなくてもよい。
【0040】
例示のノイズ検出器206は、ノイズの振幅または平均値がノイズ閾値よりも大きいか否かを決定することにより、制御信号および/またはフィードバック信号にノイズが存在するか否かを決定する。ノイズ閾値はプロセス制御システムのコントローラにより規定されてもよく、かつ/または弁コントローラ102の相違する動作状態中のノイズレベルに基づいて算出されてもよい。制御信号および/またはフィードバック信号にノイズが存在するか否かを決定すると、ノイズ検出器206は制御信号および/またはフィードバック信号を位置制御プロセッサ208に伝送する。さらに、ノイズ検出器206が制御信号および/またはフィードバック信号にノイズが存在すると決定した場合には、ノイズ検出器206は位置制御プロセッサ208にメッセージを送信する。このメッセージは、制御信号および/またはフィードバック信号におけるノイズがノイズ閾値を超えたことの表示を含んでもよい。メッセージはさらに、ノイズ閾値を超えたノイズの大きさの近似値を含んでもよく、信号が、ノイズ、ノイズの周波数コンポーネント、および/または任意の他の関連するノイズ情報を含んでもよい。
【0041】
例示の制御ユニット108は、I/P駆動値を算出するための位置制御アルゴリズムまたは処理を実行するために、位置制御プロセッサ208(例えば、サーボ制御プロセッサ)を含む。位置制御プロセッサ208はノイズ検出器206を介してフィードバック信号および制御信号を受信する。位置制御プロセッサ208は、位置信号、圧力信号、および制御信号を含むフィードバック信号からI/P駆動値を算出するための位置制御サーボおよび圧力制御サーボを含んでもよい。
【0042】
例示の位置制御プロセッサ208は、フィードバック信号および制御信号に基づいた比例・積分・微分フィードバック(PID)制御を用いて位置制御サーボまたは圧力制御サーボを実施し得る。例えば、PID制御は制御信号およびフィードバック信号を減算し、誤差信号(例えば、フィードバック信号と制御信号との差異)を生成する。この誤差信号は、設定または調整された増幅率を有する増幅器を含む比例コントローラにおいて処理され、必要に応じて誤差信号に比例する信号が生成される。サーボ制御モジュール各々の増幅率は、フィードバック信号の異なる性質およびフィードバック制御方式の他の態様に基づいて異なってもよい。
【0043】
位置制御プロセッサ208は、長期間にわたって誤差を積分するアキュムレータのために誤差信号を前処理する、増幅率を有する増幅器をさらに含んでもよい。また、アキュムレータは、アナログ加算器、および、以前の積算値を保存して、アナログ加算器に戻す遅延要素を含んでもよい。比例および積分コントローラにより生成された信号は、I/P駆動電流スルーリミッタ110に用いられる駆動値を生成するために、微分コントローラにより生成された信号と共にアナログ加算器に供給される。各微分コントローラは、フィードバック信号の回数および個別の増幅率を有する増幅器に関連する微分表示を生成する微分演算子を含む。さらに、位置制御プロセッサ208は算出されたI/P駆動値各々を、マイクロプロセッサ210を介してメモリ214に保存できる。また、I/P駆動値を算出すると、位置制御プロセッサ208はI/P駆動値をI/P駆動電流スルーリミッタ110に送信する。
【0044】
例示の制御ユニット108は、I/P駆動値の変更を制限するために、I/P駆動電流スルーリミッタ110を含む。I/P駆動電流スルーリミッタ110は位置制御プロセッサ208が送るI/P駆動値を受信する。I/P駆動電流スルーリミッタ110は、次に、I/P駆動値と以前のI/P駆動値との差異を算出する。この差異はI/P駆動値の変化である。I/P駆動電流スルーリミッタ110はメモリ214にアクセスして以前のI/P駆動値を取得できる。以前のI/P駆動値はI/P変換器112に送信された最新のI/P駆動値である。
【0045】
I/P駆動電流スルーリミッタ110は、次に、I/P駆動値の変化の絶対値がI/P変換器112に関連するスルー限界よりも大きいか否かを決定する。I/P駆動値の変化の絶対値がスルー限界よりも大きい場合には、スルー限界以下である、ソレノイド113における電流変化にI/P駆動値の変化が対応するように、I/P駆動電流スルーリミッタ110はI/P駆動値を減少または増大する。I/P駆動値を変更すると、またはI/P駆動値を変更する必要がないことを決定すると、I/P駆動電流スルーリミッタ110は、後にI/P駆動電流ジェネレータ216に伝送されるI/P駆動値を位置制御プロセッサ208に送信する。
【0046】
I/P駆動電流スルーリミッタ110は、算出された電流の平均値にスルー限界が基づく場合には、I/P駆動値の変化とスルー限界とを比較する前にスルー限界を算出する。例えば、スルー限界は、算出された平均I/P駆動値を用いた、二次関係、線形関係、指数関係、対数関係、または段階関係の少なくとも1つに基づいてもよい。さらに他の実装では、スルー限界は、以前の駆動値、駆動値と以前の駆動値との差異、制御信号、フィードバック信号、算出された電流の平均、または実際の電流の平均に基づいてもよい。他の例では、スルー限界は、I/P変換器112内のソレノイド113における最大の電流変化値の測定セットに基づいてもよい。スルー限界および/またはスルー限界と平均駆動電流との関数は、I/P駆動電流スルーリミッタ110に保存されてもよく、代替的にメモリ214に保存されてもよい。
【0047】
さらに、I/P駆動電流スルーリミッタ110が、フィードバック信号および/または制御信号がノイズを含むことを示す、ノイズ検出器206が発生させたメッセージを受信する場合には、I/P駆動電流スルーリミッタ110はノイズスルー限界を算出し得、かつ/またはノイズスルー限界を算出されたI/P駆動値に適用する。弁コントローラ104の異なる動作状態中のフィードバック信号および/または制御信号におけるノイズを特徴付けることによって、ノイズスルー限界が定められてもよい。ノイズスルー限界は単一の値でもよく、または代替的に、フィードバック信号および/または制御信号におけるノイズ量に基づいてもよい。また、ノイズスルー限界が、I/P駆動電流スルーリミッタ110またはメモリ214に保存されてもよい。
【0048】
図2の例示の制御ユニット108は、I/P駆動値(例えば、電圧)から駆動電流を生成するために、I/P駆動電流ジェネレータ216を含む。例示のI/P駆動電流ジェネレータ216は、位置制御プロセッサ208からスルー限界I/P駆動値を受信する。I/P駆動値を受信すると、I/P駆動電流ジェネレータ216はI/P駆動値に対応する大きさの電流を生成する。I/P駆動電流ジェネレータ216は、トランジスタ、電流源、デジタルアナログ(DAC)変換器、および/または制御された電流信号を生成可能な任意の他のコンポーネントを用いて電流を生成できる。駆動電流を生成すると、I/P駆動電流ジェネレータ216は、通信路109を介してI/P変換器112内のソレノイド113に駆動電流を流す。例えば、I/P駆動電流ジェネレータ216は、駆動値を用いて制御されるトランジスタを含んでもよい。駆動値がトランジスタに印加されると、印加された駆動電圧値に基づく駆動電流がトランジスタおよびソレノイド113を流れる。代替的に、I/P変換器112が電圧信号を要求する例では、I/P駆動電流ジェネレータ216は、I/P駆動値からの情報を含む電圧を生成するためのコンポーネントを含んでもよい。
【0049】
例示の制御ユニット108は、診断、通信、および他の全般的な制御機能性を管理するために、マイクロプロセッサ210を含む。例示のマイクロプロセッサ210は、任意の種類のプロセッサ、マイクロコントローラ、制御論理、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、および/または制御ユニット108を管理可能な任意の他の種類のコンポーネントにより実現されてもよい。
【0050】
例示のマイクロプロセッサ210は位置制御プロセッサ208からのスルー限界I/P駆動値を受信し、これらのI/P駆動値をメモリ214に保存する。また、マイクロプロセッサ210は、プロセス制御システムから通信路107を介して制御ユニット108に送信された任意の通信メッセージを処理する。これらの通信メッセージは、制御ユニット108の動作状態、制御ユニット108の診断情報、算出されたI/P駆動値、実際のI/P駆動値、平均駆動電流情報、ノイズ情報、および/または任意の他の機能情報を要求し得る。マイクロプロセッサ210は、通信メッセージを受信すると、適切な応答を生成し、この応答を出力信号トランスミッタ212に送信する。
【0051】
例示のマイクロプロセッサ210は、制御ユニット108内の機能を観測し得、これらの機能における任意の最新状態をプロセス制御システムに提供する。例えば、マイクロプロセッサ210は位置制御プロセッサ208における位置制御プロセスを観測し得、このプロセスが正確に機能しているか検証する。別の例では、マイクロプロセッサ210は、フィードバック信号および/または制御信号における多量のノイズを観測し得る。さらに別の例では、マイクロプロセッサ210は制御信号を決定し得、かつ/またはフィードバック信号は制御ユニット108において受信されない。さらに、算出されたI/P駆動値へのスルー限界の適用における任意の偏差に関して、マイクロプロセッサ210はI/P駆動電流スルーリミッタ110を観測し得る。なおさらに、マイクロプロセッサ210は、起こり得る短絡状態に起因してI/P変換器112により過電流が引き込まれるか否かを決定するために、I/P駆動電流ジェネレータ216を観測し得る。
【0052】
例示の制御ユニット108は、マイクロプロセッサ210が生成したメッセージを送信するために、出力信号トランスミッタ212を含む。例示の出力信号トランスミッタ212は、マイクロプロセッサ210からのメッセージを、通信路107を介してプロセス制御システムに送信するためにアナログおよび/またはデジタルフォーマットに変換する。出力信号トランスミッタ212は、イーサネット、ユニバーサルシリアルバス(USB)、IEEE1394などと互換性のあるデータにフォーマットできる。代替的に、出力信号トランスミッタ212は、無線通信媒体(例えば、無線イーサネット、IEEE802.11、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)など)を用いて、プロセス制御システムと無線通信できる。
【0053】
図2の制御ユニット108は、算出されたI/P駆動値、スルー限界I/P駆動値、スルー限界、ノイズスルー限界、およびスルー限界機能を保存するために、メモリ214を含む。例示のメモリはEEPROM、RAM、ROM、および/または任意の他のタイプのメモリにより実現されてもよい。メモリ214は通信路220を介してプロセス制御システムと通信可能に接続する。プロセス制御システムのオペレータは、スルー限界および/またはスルー限界機能を、通信路220を介してメモリに保存できる。オペレータはさらに、メモリ214に保存されたスルー限界および/またはスルー限界機能を修正および/または変更できる。
【0054】
制御ユニット108を実施する例示の方法を図2に示すが、図2に示す1つ以上のインターフェース、データ構造、要素、処理、および/またはデバイスは、任意の他の方法により一体化、分割、再配置、除外、除去および/または実施され得る。例えば、図2に示す例示の入力信号受信機202、例示のフィードバック受信機204、例示のノイズ検出器206、例示の位置制御プロセッサ208、例示のマイクロプロセッサ210、例示の出力信号トランスミッタ212、例示のI/P駆動電流スルーリミッタ110、および/または例示のI/P駆動電流ジェネレータ216は、例えば、1つ以上のコンピュータデバイスおよび/または計算プラットフォーム(例えば、図8の例示の処理プラットフォーム810)により実行されるマシンアクセスまたは読み取り可能な命令を用いて、個別および/または任意の組み合わせにおいて実施されてもよい。
【0055】
さらに、例示の入力信号受信機202、例示のフィードバック受信機204、例示のノイズ検出器206、例示の位置制御プロセッサ208、例示のマイクロプロセッサ210、例示の出力信号トランスミッタ212、例示のI/P駆動電流スルーリミッタ110、例示のI/P駆動電流ジェネレータ216、および/またはより概略的には制御ユニット108は、ハードウェア単独、ソフトウェア単独、ファームウェア単独、並びに/またはハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアの任意の組み合わせにおいて実現され得る。したがって、例えば、例示の入力信号受信機202、例示のフィードバック受信機204、例示のノイズ検出器206、例示の位置制御プロセッサ208、例示のマイクロプロセッサ210、例示の出力信号トランスミッタ212、例示のI/P駆動電流スルーリミッタ110、例示のI/P駆動電流ジェネレータ216、および/またはより概略的には制御ユニット108のいくつかは、1つ以上の回路、1つ以上のプログラマブルプロセッサ、1つ以上の特定用途向け集積回路(1つ以上のASlC)、1つ以上のプログラマブル論理デバイス(1つ以上のPLD)、および/または1つ以上のフィールドプログラマブル論理デバイス(1つ以上のFPLD)などの1つ以上により実施されてもよい。
【0056】
図3Aは、図1および図2の例示のI/P駆動電流スルーリミッタ110を含まない、図1の弁コントローラ102における算出されたI/P駆動電流302および実際のI/P駆動電流304を示す駆動電流グラフ300である。駆動電流グラフ300は、x軸時間スケールとy軸電流スケールとを含む。時間軸は分、秒、ミリ秒、マイクロ秒、ナノ秒などの尺度でもよい。電流軸はアンペア、ミリアンペア、マイクロアンペア、ナノアンペアなどの尺度でもよい。さらに他の例では、制御ユニット108が駆動電圧を生成する場合には、y軸は電圧を含んでもよい。図1の弁コントローラ102の例では、図3の駆動電流グラフ300は、100ミリ秒である時刻T1、1500ミリ秒である時刻T5、0.8ミリアンペアである電流I1、および1.20ミリアンペアである電流I4を含む。
【0057】
例示の駆動電流グラフ300は、一定期間における算出されたI/P駆動電流302と実際のI/P駆動電流304とを示す。算出されたI/P駆動電流302は制御ユニット108において算出されたI/P駆動値に対応する。実際のI/P駆動電流304はI/P変換器112に印加された電流である。明確を期するために、算出されたI/P駆動電流302および実際のI/P駆動電流304各々を互いに隣接させて区別する例としてこのグラフに示す。これらの例では、I/P駆動電流302および304が互いに重なることは言うまでもない。
【0058】
駆動電流グラフ300に電流I1において開始される算出されたI/P駆動電流302を示す。時刻T1において、制御ユニットは算出されたI/P駆動電流302を電流I4に到達するまで増大する。時刻T2から時刻T3の間、制御ユニット108は算出されたI/P駆動電流302をI4に維持する。その後時刻T4において、制御ユニット108は、時刻T5におけるI1に到達するまで算出されたI/P駆動電流302を減少する。ただし、制御ユニット108がI/P駆動電流を算出している間、I/P変換器112には実際のI/P駆動電流304に示す実際の電流が流れる。時刻T1において、I/P変換器112は、算出されたI/P駆動電流302と同じ速度ではI/P駆動電流304を増大できない。この例示では制御ユニット108はI/P駆動電流スルーリミッタ110を含まない。このため、算出されたI/P駆動電流302はI/P変換器112内における電流増大限界の最大値(すなわち、スルー限界)に制限されない。この結果、実際のI/P駆動電流304はより遅い速度で増大し、時刻T2後の時刻T3になるまで電流I4に到達しない。時刻T1からT3までの、I/P駆動電流302とI/P駆動電流304との差異に起因して、図1の弁104に連結されたアクチュエータにおける制御位置の誤差が生じることがある。さらに、I/P変換器112内のソレノイド113のインダクタンスが、実際のI/P駆動電流304が減少し得る速度を同様には制限しないため、実際のI/P駆動電流304は、時刻T4からT5の間、算出されたI/P駆動電流302と一致する。
【0059】
また、例示の駆動電流グラフ300は、I/P駆動電流302および304の各々における平均駆動電流306および308を示す。算出された平均駆動電流306は算出されたI/P駆動電流302に対応し、実際の平均駆動電流308は実際のI/P駆動電流304に対応する。平均駆動電流306および308は、駆動電流グラフ300に示すよりも長い期間にわたり一定であるため直線で示される。実際の平均駆動電流308は電流I2を有し、算出された平均駆動電流306は電流I3を有する。実際の平均駆動電流308は算出された平均駆動電流306よりも小さい、とういうのは、実際のI/P駆動電流304は速度が制限され、電流I4に到達するのにより長い時間(すなわち、T3−T2)を必要とするからである。
【0060】
図3Bは、図1および図2の例示のI/P駆動電流スルーリミッタ110を含むデジタル弁コントローラ102における算出されたI/P駆動電流352および実際のI/P駆動電流354を示す駆動電流グラフ350である。駆動電流グラフ350は図3Aの駆動電流グラフ300に似ているが、算出されたI/P駆動電流352はスルー限界に基づいて制限される。図3Bの駆動電流グラフ350では、I/P駆動電流スルーリミッタ110は、図3Aの時刻T2からT3までにおける実際のI/P駆動電流304に示すような、I/P変換器112内で達成可能な電流速度の最大の増大値に対応するスルー限界を含む。
【0061】
I/P駆動電流スルーリミッタ110により適用されたスルー限界の結果として、算出されたI/P駆動電流352は、I/P変換器112において達成可能な最大の電流増大値に基づいて速度制限される。したがって、実際のI/P駆動電流354は、T1からT5までの全期間において算出されたI/P駆動電流352に一致する。スルー限界はI/P駆動電流における対称性を有する制御を提供するために、時刻T4からT5までの間のI/P駆動電流の減少にも適用される。実際のI/P駆動電流354と算出されたI/P駆動電流352との一致、および対称性を有する制御により、図1の弁104に連結されたアクチュエータにおける正確な位置制御が行われる。
【0062】
また、図3Bの駆動電流グラフ350は、算出されたI/P駆動電流352に対応する算出された平均駆動電流356と、実際のI/P駆動電流354に対応する実際の平均駆動電流358とを含む。実際のI/P駆動電流352と算出されたI/P駆動電流354とは一致するか、実質的に等しいため、算出された平均駆動電流356と実際の平均駆動電流358とは一致するか、実質的に等しい。
【0063】
図4Aおよび図4Bは、平均I/P駆動電流に基づくスルー限界におけるスルー限界グラフ400および425を示す。スルー限界グラフ400および425のx軸は平均駆動電流を示す。この駆動電流はアンペア、ミリアンペア、マイクロアンペア、ナノアンペアなどの尺度でもよい。さらに、スルー限界グラフ400および425のy軸はI/P駆動値の変化量を示す。I/P駆動値の変化は、アンペア/秒、ミリアンペア/秒、ミリアンペア/ミリ秒などの尺度でもよい。I/P駆動値の変化は最新のI/P駆動値と以前のI/P駆動値との差異(例えば、以前のI/P駆動値から最新のI/P駆動値への変化の割合)に等しい。さらに、スルー限界グラフ400および425は、双方向性のI/P駆動値の変化におけるスルー限界402および426を示す。
【0064】
図4Aのスルー限界グラフ400は、任意の平均駆動電流C1からC2までのI/P駆動値の変化D1におけるスルー限界402を示す。スルー限界402は、I/P変換器112における算出されたI/P駆動電流の最大の変化でもよい。さらに、このスルー限界402は図5に示す例示の方法500により決定され得る。図4Aの例示では、算出されたI/P駆動値の変更404はスルー限界402よりも大きい。I/P駆動電流スルーリミッタ110は、算出されたI/P駆動値の変更404をスルー限界におけるI/P駆動値の変更406に減少することにより、算出されたI/P駆動値の変更404を変更する。他の例では、スルー限界402を小さくしてI/P駆動値404を減少させ得る。
【0065】
図4Bのスルー限界グラフ425は、平均駆動電流に基づくスルー限界426を示す。この例では、平均駆動電流がC1からC2に増大するにつれて、スルー限界はD2からD1に直線的に減少する。この減少直線はI/P変換器112内の最大の電流変化の結果でもある。例えば、I/P変換器112における電流の平均値がI/P変換器112に提供された電力に近づくと、最大電流は減少する。他の例では、スルー限界426は、平均駆動電流を用いた、二次関係、線形関係、指数関係、対数関係、および/または段階関係を有してもよい。さらに、スルー限界は算出された駆動値、以前の駆動値、駆動値と以前の駆動値との差異、制御信号、フィードバック信号、算出された平均駆動値、および/または実際の平均駆動値に基づいてもよい。さらに他の例では、スルー限界426はフィードバック信号および/または制御信号におけるノイズに基づいてもよい。
【0066】
例示のスルー限界グラフ425では、算出されたI/P駆動値の変更428はスルー限界426よりも大きい。I/P駆動電流スルーリミッタ110は、算出されたI/P駆動値の変更428をスルー限界426における調整されたI/P駆動値の変更430まで減少する。この例では、算出されたI/P駆動値の変更428は電流の平均値C3にある。この電流の平均値C3は、算出されたI/P駆動値の変更428またはI/P駆動値の変更430を含む電流の平均値でもよい。代替的に、平均駆動電流C3は、算出されたI/P駆動値の変更428に対応する算出されたI/P駆動値の取り入れ前では、実際の平均駆動電流に対応してもよい。
【0067】
図5、図6および図7は、図1および/または図2に示す例示のデジタル弁コントローラ104、例示の回路基板108、例示のI/P駆動電流スルーリミッタ110、例示のノイズ検出器206、例示のサーボ制御プロセッサ208、および/または例示のマイクロプロセッサ210を実施するために実行され得る例示の方法のフローチャートである。図5、図6および図7に示す例示の方法は、プロセッサ、コントローラ、および/または任意の他の適切な処理デバイスにより実行されてもよい。例えば、図5、図6および図7に示す例示の方法は、フラッシュメモリ、CD、DVD、フロッピーディスク、ROM、RAM、プログラマブルROM(PROM)、電子的プログラマブルROM(EPROM)、電子的消去可能PROM(EEPROM)、光学式記憶ディスク、光学式記憶デバイス、磁気記憶ディスク、磁気記憶デバイス、および/またはプロセッサ、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、またはプロセッサを有する他のマシン(例えば、図8に関連して下に記載する例示のプロセッサプラットフォーム810)によりアクセス可能な、メソッドまたはデータ構造の形態であるプログラムコードおよび/または命令を伝送または保存するのに用いられ得る任意の他の媒体などの任意のタンジブルコンピュータ可読媒体に保存されたコード化された命令により実現されてもよい。前述するものの組み合わせもコンピュータ可読媒体の範囲に含まれる。この方法は例えば、プロセッサ、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または専用プロセシングマシンに1つ以上の特定の方法を実施させる命令および/またはデータを含む。代替的に、図5、図6および図7に示す例示の方法のいくつかまたは全ては、1つ以上のASIC、1つ以上のPLD、1つ以上のFPLD、個別論理、ハードウェア、ファームウェアなどの1つ以上の任意の組み合わせを用いて実施されてもよい。また、図5、図6および図7に示す例示の方法のいくつかまたは全てはその代わりに、手動操作を用いてか、例えば、ファームウェア、ソフトウェア、個別論理、および/またはハードウェアの任意の組み合わせである任意の前述の技術の任意の組み合わせとして実施されてもよい。さらに、図5、図6および図7の例示の動作を実施する多くの他の方法が用いられ得る。例えば、ブロックを実行する順序は変更されてもよく、かつ/または記載した1つ以上のブロックを変更、除去、再分割、または一体化してもよい。さらに、図5、図6および図7に示す例示の方法のいくつかまたは全ては連続的に実行してもよく、かつ/または例えば、別個の処理スレッド、プロセッサ、デバイス、個別論理、回路などを用いて並行して実行してもよい。
【0068】
図5に示す例示の方法500は、図1のI/P駆動電流スルーリミッタ110におけるスルー限界を決定する。図5に示す例示の方法500は、動作状態にある弁コントローラ102の単一セットに関するスルー限界を算出する。他の例示の方法500が他の動作状態にある弁コントローラ102に関するスルー限界を決定するために実施されてもよい。さらに、例示の方法500において算出された1つ以上のスルー限界は、スルー限界値と弁コントローラ102の動作状態との関係を生成するために組み合わされてもよい。さらに、例示の方法500は、スルー限界とI/P変換器112に印加される実際の電流との関数関係を決定するために用いられてもよい。
【0069】
例示の方法500は、制御弁アセンブリ100を作動させ、I/P変換器112内のソレノイド113のインダクタンスを測定する(ブロック502)ことから開始される。次に、測定されたインダクタンスとI/P変換器112に供給される電力特性とからスルー限界を算出する(ブロック504)。他の例では、I/P変換器112における実際の電流速度の最大変化からスルー限界を算出してもよい。さらに他の例では、異なる平均駆動電流におけるI/P変換器112における電流速度の最大変化の関数としてスルー限界を算出してもよい。
【0070】
スルー限界を算出(ブロック504)すると、移動フィードバック信号におけるノイズを測定する(ブロック506)。次に、制御信号におけるノイズを測定し(ブロック508)、弁コントローラ102の動作点を記録する(ブロック510)。さらに、弁コントローラ102内、制御ユニット108内、および/またはコネクタ106上のノイズを測定してもよい。一部の例示の実施では、スルー限界の算出(ブロック504)とフィードバックおよび制御信号におけるノイズの測定(ブロック506およびブロック508)が弁コントローラ102の異なる動作点において繰り返されてもよく(ブロック510)、または代替的に、例えばフィードバックおよび制御信号各々を測定する時などの定期的な間隔においてこれが実施されてもよい。
【0071】
図5に示す例示の方法500は、新規のスルー限界を算出するか、弁コントローラ102の動作点において測定されたノイズに基づいて以前のスルー限界を調整する(ブロック512)ことにより継続される。弁コントローラ102が制御信号および/またはフィードバック信号におけるノイズを検出し、決定したノイズに基づいてスルー限界を調整する時に、新規のスルー限界を算出してもよい。他の例では、弁コントローラ102は、フィードバック信号および/または制御信号におけるノイズの検出においてスルー限界制御を作動してもよい。例示の方法500は、1つ以上の算出されたスルー限界を制御ユニット108のメモリ214に保存する(ブロック514)と終了する。
【0072】
図6の例示の方法600は、図1の制御ユニット108における位置制御アルゴリズムまたは処理により算出された駆動値の変更を制限する。例示の方法600は駆動値の単一の算出値およびスルー限界の比較を示す。ただし、例示の方法600は受信した制御信号および/または受信した弁移動フィードバック信号各々の場合に開始され得る。例示の方法600は、図1の制御弁アセンブリ100が動作状態にあり、弁コントローラ102が制御信号およびフィードバック信号を受信する(ブロック602およびブロック604)ことにより開始される。次に、フィードバック信号と制御信号との差異からI/P駆動値を算出する(ブロック606)。このI/P駆動値は、弁コントローラ102が弁104に連結されたアクチュエータを開放または閉塞する量に対応する。
【0073】
I/P駆動値を算出すると、I/P駆動値と以前のI/P駆動値との差異からI/P駆動値の変化を算出する(ブロック608)。以前のI/P駆動値は、最新の制御信号およびフィードバック信号を弁コントローラ102が受信する前にI/P変換器112に送信されたI/P駆動値である。また、以前のI/P駆動値は、スルー限界に基づいて変更されてもよい。次に、I/P駆動値の変化とスルー限界とを比較する(ブロック610)。スルー限界は、I/P駆動値の変化(例えば、関数)、I/P駆動値と共に算出された電流の平均、I/P駆動値、および/またはI/P駆動値に加えられる前の算出された電流の平均に基づいてもよい。代替的に、スルー限界はI/P変換器112における最大のI/P駆動値の変化に対応する値でもよい。
【0074】
I/P駆動値の変化がプラスであり、そのI/P駆動値の変化がスルー限界よりも小さい場合には(ブロック610)、I/P駆動値は修正されず、制御ユニット108はI/P駆動値を電流としてI/P変換器112に送信する(ブロック614)。また、I/P駆動値の変化がマイナスであり(例えば、I/P駆動値が減少する)、そのI/P駆動値の変化がスルー限界よりも小さい場合には(ブロック610)、I/P駆動値は修正されず、制御ユニット108は、I/P駆動値を電流としてI/P変換器112に送信する(ブロック614)。しかしながら、I/P駆動値の変化がプラスであり、そのI/P駆動値の変化がスルー限界よりも大きい場合(ブロック610)、またはI/P駆動値の変化がマイナスであり、そのI/P駆動値の変化がスルー限界よりも大きい場合(ブロック610)は、I/P駆動値をスルー限界に基づいて変更する(ブロック612)。I/P駆動値の変化がプラスである場合には、I/P駆動値を、以前のI/P駆動値にスルー限界をプラスした値以下に減少させる。同様に、I/P駆動値の変化がマイナスである場合には、I/P駆動値を、以前のI/P駆動値からスルー限界をマイナスした値以上に増大させる。例示の方法は、変更したI/P駆動値を電流としてI/P変換器112に送信すること(ブロック614)により終了する。
【0075】
図7の例示の方法700はフィードバック信号および/または制御信号におけるノイズに起因する駆動値の変更を制限する。例示の方法700は駆動値の単一の算出値およびスルー限界の比較を示す。ただし、例示の方法700は受信した制御信号および/または受信した弁移動フィードバック信号の各々の場合に実行され得る。他の実装では、例示の方法700は弁コントローラ102内、および/または外部環境ノイズに起因してコネクタ106内において検出されたノイズに基づいてスルー限界を設定できる。例示の方法700は、図1の制御弁アセンブリ100が動作状態にあり、弁コントローラ102が制御信号およびフィードバック信号を受信する(ブロック702およびブロック704)ことにより開始される。次に、フィードバック信号および/または制御信号におけるノイズを検査する(ブロック706)。信号におけるノイズ検査は、ノイズの振幅または平均値がノイズ閾値よりも大きいか否かの決定を含み得る。一部の例では、制御信号および/またはフィードバック信号が弁コントローラ102および/または制御ユニット108内でフィルタをかけられた後に、ノイズ検査が実行されてもよい。他の例では、任意のフィルタリングの前にノイズが検査されてもよい。
【0076】
次に、測定されたノイズに基づいてスルー限界を設定する(ブロック708)。スルー限界とノイズとの関係は図5に示す例示の方法500により決定され得る。ノイズがノイズ閾値以下である場合には、スルー限界は、I/P駆動値の変化および/またはI/P駆動値に基づいて算出された電流の平均のみに基づいてもよい。代替的に、スルー限界はI/P変換器112における最大の電流変化に対応してもよい。ノイズがノイズ閾値よりも大きい場合には、ノイズスルー限界は、ノイズおよびI/P駆動値の変化、並びに/または算出された電流の平均に基づいてもよい。次に、フィードバック信号と制御信号との差異に基づいてI/P駆動値を算出する(ブロック710)。I/P駆動値を算出すると、I/P駆動値と以前のI/P駆動値との差異に基づいてI/P駆動値の変化を算出する(ブロック712)。
【0077】
図7の例示の方法700は、I/P駆動値の変化とノイズスルー限界とを比較する(ブロック714)ことに続く。I/P駆動値の変化がプラスであり、そのI/P駆動値の変化がノイズスルー限界よりも小さい場合には(ブロック714)、I/P駆動値は修正されず、制御ユニット108はI/P駆動値を電流としてI/P変換器112に送信する(ブロック718)。また、I/P駆動値の変化がマイナスであり(例えば、I/P駆動値が減少する)、そのI/P駆動値の変化がノイズスルー限界よりも小さい場合には(ブロック714)、I/P駆動値は修正されず、制御ユニット108はI/P駆動値を電流としてI/P変換器112に送信する(ブロック718)。
【0078】
しかしながら、I/P駆動値の変化がプラスであり、そのI/P駆動値の変化がノイズスルー限界よりも大きいか、I/P駆動値の変化がマイナスであり、そのI/P駆動値の変化がノイズスルー限界よりも大きい場合には(ブロック714)、ノイズスルー限界に基づいてI/P駆動値を変更する(ブロック716)。I/P駆動値の変化がプラスの場合には、I/P駆動値を、以前のI/P駆動値にノイズスルー限界をプラスした値以下に減少させる。同様に、I/P駆動値の変更がマイナスの場合には、I/P駆動値を、以前のI/P駆動値からノイズスルー限界をマイナスした値以上に増大させる。例示の方法は、変更されたI/P駆動値を電流としてI/P変換器112に送信する(ブロック718)ことにより終了する。
【0079】
本明細書に記載された例示の方法および装置の実施に用いられ得る例示のプロセッサシステム810のブロック図を図8に示す。例えば、例示のプロセッサシステム810に類似またはそれと同一のプロセッサシステムは、図1および/または図2に示すデジタル弁コントローラ104、回路基板108、I/P駆動電流スルーリミッタ110、ノイズ検出器206、サーボ制御プロセッサ208、および/またはマイクロプロセッサ210の実施に用いられ得る。複数の周辺機器、インターフェース、チップ、メモリなどを含む例示のプロセッサシステム810を下に記載するが、これらの要素の1つ以上は、デジタル弁コントローラ104、回路基板108、I/P駆動電流スルーリミッタ110、ノイズ検出器206、サーボ制御プロセッサ208、および/またはマイクロプロセッサ210の1つ以上の実施に用いられる他の例示のプロセッサシステムでは省略されてもよい。
【0080】
図8に示すプロセッサシステム810は、相互接続バス814に連結されたプロセッサ812を含む。プロセッサ812はレジスタセットまたはレジスタ空間816を含む。図8では全体がチップに内蔵されたものとしてこれは示されるが、代替的には、専用の電気的接続および/または相互接続バス814を介してプロセッサ812に直接連結され、その全体または一部がチップ外部に配置されていてもよい。プロセッサ812は任意の適切なプロセッサ、プロセシングユニット、またはマイクロプロセッサでもよい。図8には示していないが、システム810はマルチプロセッサシステムでもよく、それ故、相互接続バス814と通信可能に接続するプロセッサ812と同一または類似する1つ以上の付加的なプロセッサを含んでもよい。
【0081】
図8のプロセッサ812は、メモリコントローラ820およびペリフェラル入力/出力(I/O)コントローラ822を含むチップセット818に連結される。周知のように、チップセットは、通常、チップセット818に連結された1つ以上のプロセッサによりアクセス可能、または用いられる複数の汎用および/または専用レジスタ、タイマなどに加えて、I/Oおよびメモリ管理機能を備える。メモリコントローラ820は、プロセッサ812(または、マルチプロセッサの場合には複数のプロセッサ)がシステムメモリ824および大容量記憶メモリ825にアクセス可能になる機能を実行する。
【0082】
システムメモリ824は、例えば、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、フラッシュメモリ、読み出し専用メモリ(ROM)などの任意の所望の種類の揮発性および/または不揮発性メモリを含んでもよい。大容量記憶メモリ825は、任意の所望の種類の大容量記憶デバイスを含んでもよい。例えば、デジタル弁コントローラ104(図1)の実施に例示のプロセッサシステム810を用いる場合には、大容量記憶メモリ825はハードディスクドライブ、光学式ドライブ、テープストレージデバイスなどを含んでもよい。代替的に、回路基板108、I/P駆動電流スルーリミッタ110、ノイズ検出器206、サーボ制御プロセッサ208、および/またはマイクロプロセッサ210の実施に例示のプロセッサシステム810を用いる場合には、大容量記憶メモリ825は、固体メモリ(例えば、フラッシュメモリ、RAMメモリなど)、磁気メモリ(例えば、ハードドライブ)、または回路基板108、I/P駆動電流スルーリミッタ110、ノイズ検出器206、サーボ制御プロセッサ208、および/またはマイクロプロセッサ210における大容量記憶に適切な任意の他のメモリを含んでもよい。
【0083】
ペリフェラルI/Oコントローラ822は、プロセッサ812が、ペリフェラルI/Oバス832を介して、ペリフェラル入出力(I/O)デバイス826および828、並びにネットワークインターフェース830と通信可能になる機能を実行する。I/Oデバイス826および828は、例えば、キーボード、表示装置(例えば、液晶表示装置(LCD)、ブラウン管(CRT)表示装置など)、ナビゲーションデバイス(例えば、マウス、トラックボール、容量性タッチパッド、ジョイスティックなど)などの任意の所望の種類のI/Oデバイスでもよい。ネットワークインターフェース830は、例えば、プロセッサシステム810と別のプロセッサシステムとを通信可能にするイーサネットデバイス、非同期転送モード(ATM)デバイス、802.11デバイス、DSLモデム、ケーブルモデム、セルラーモデムなどでもよい。
【0084】
図8ではチップセット818内の別個の機能ブロックとしてメモリコントローラ820およびI/Oコントローラ822を示したが、これらのブロックで実行される機能は単一半導体回路内で一体化されてもよく、2つ以上の個々の集積回路を用いて実行されてもよい。
【0085】
前述の例示の方法および/またはシステムの少なくともいくつかは、コンピュータプロセッサにおいて実行される1つ以上のソフトウェアおよび/またはファームウェアプログラムにより実施される。しかしながら、これらに限定されないが、特定用途向け集積回路、プログラマブルロジックアレイ、および他のハードウェアデバイスを含む専用ハードウェアの実装が、本明細書に記載された例示の方法および/または装置のいくつかまたは全てを実施するために、全体または一部において同じように構成されてもよい。さらに、これらに限定されないが、分散処理もしくはコンポーネント/オブジェクト分散処理、並列処理、またはバーチャルマシン処理を含む別のソフトウェアの実装も、本明細書に記載された例示の方法および/またはシステムを実施するために構成されてもよい。
【0086】
本明細書に記載された例示のソフトウェアおよび/またはファームウェアの実施が、磁気媒体(例えば、磁気ディスクまたはテープ)、磁気光学もしくは光ディスクなどの光媒体、または読み出し専用(不揮発性)メモリ、ランダムアクセスメモリ、もしくは他の書換可能(揮発性)メモリの1つ以上を内蔵するメモリカードもしくは他のパッケージなどの固体媒体などの有形のストレージ媒体に保存されることに留意されたい。したがって、本明細書に記載された例示のソフトウェアおよび/またはファームウェアは、前述したものなどのタンジブルストレージ媒体または後続のストレージ媒体に保存されてもよい。前述の明細書が特定の規格およびプロトコルに関する例示のコンポーネントおよび機能を記載する範囲において、本特許がこのような規格およびプロトコルに制限されないことが理解される。例えば、インターネットおよび他のパケット交換ネットワーク伝送(例えば、伝送制御プロトコル(TCP)/インターネットプロトコル(IP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)/IP、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP))における規格の各々は、当業界における現況の例を表す。このような規格は同一の一般的機能性を有する、より早いまたは効率的な均等物に定期的に置き換えられる。したがって、同一の機能性を有する取り換えられた規格およびプロトコルは、本特許により考慮される均等物であり、添付の請求項の範囲内に含まれるように意図される。
【0087】
さらに、本特許はハードウェアにおいて実行されるソフトウェアおよび/またはファームウェアを含む例示の方法および装置を開示するが、このようなシステムが説明のための単なる例示であり、限定することを意図するものではないことに留意されたい。例えば、これらのハードウェア、およびソフトウェアコンポーネントのいくつかまたは全てが、ハードウェア単独、ソフトウェア単独、ファームウェア単独、またはハードウェア、ソフトウェア、および/またはソフトウェアのいくつかの組み合わせにおいて実現され得ることが意図される。それ故、前述の明細書は例示の方法、システム、およびマシンアクセス可能な媒体を記載したが、例示はこのようなシステム、方法およびマシンアクセス可能な媒体を実現するための唯一の方法ではない。それ故、特定の例示の方法、システム、およびマシンアクセス可能な媒体が本明細書に記載されたが、本特許の範囲はそれに限定されない。それどころか、本特許は、逐語的または均等物の原理に基づいた添付の請求項の範囲内に適正に収まる全ての方法、システム、およびマシンアクセス可能な媒体を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電空コントローラにおいて駆動値の変更を制限する方法であって、
制御信号およびフィードバック信号を受信することと、
前記制御信号およびフィードバック信号から駆動値を算出することと、
前記駆動値と以前の駆動値との差異が前記電空コントローラのスルー限界よりも大きいか否かを決定することと、
前記スルー限界に基づいて前記算出された駆動値を変更することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記変更した駆動値を前記電空コントローラのトランスデューサに送信することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記駆動値と以前の駆動値との差異が前記スルー限界よりも大きいか否かを決定することは、
前記駆動値と以前の駆動値との差異を算出することと、
前記差異と前記スルー限界とを比較することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記スルー限界は、前記駆動値、前記以前の駆動値、前記駆動値と以前の駆動値との差異、前記制御信号、前記フィードバック信号、算出された平均駆動値、または実際の平均駆動値のうちの少なくとも1つに関連する、二次関係、線形関係、指数関係、対数関係、または段階関係の少なくとも1つに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記スルー限界はサーボ制御プロセスの実行サイクルごとの、所定の最大の駆動値の変化である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記制御信号は規定の位置に電空アクチュエータを設定する命令を含み、前記フィードバック信号は前記電空アクチュエータの位置に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記以前の駆動値は前記フィードバック信号または前記制御信号の少なくともいずれかを受信する前に送信された、以前に算出された駆動値である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記制御信号または前記フィードバック信号の少なくともいずれかにおけるノイズを識別することと、
前記識別されたノイズに基づいてノイズスルー限界を設定することと、
前記駆動値と以前の駆動値との差異が前記ノイズスルー限界よりも大きいか否かを決定することと、
前記ノイズスルー限界に基づいて前記算出された駆動値を変更することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ノイズを識別することは、前記ノイズの振幅または平均値の少なくともいずれかがノイズ閾値よりも大きいか否かを決定することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
電空コントローラにおいて駆動値の変更を制限する装置であって、前記装置が駆動電流スルーリミッタを備え、該駆動電流スルーリミッタが、
駆動値および以前の駆動値を受信し、
前記駆動値と前記以前の駆動値との差異が前記電空コントローラのスルー限界よりも大きいか否かを決定し、
前記スルー限界に基づいて前記算出された駆動値を変更する、装置。
【請求項11】
制御信号およびフィードバック信号を受信し、
前記制御信号および前記フィードバック信号から前記駆動値を算出して、前記駆動値を前記駆動電流スルーリミッタに伝送し、かつ、
前記変更した駆動値を前記電空コントローラのトランスデューサに送信する位置制御プロセッサをさらに備える、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
ノイズの振幅または平均値の少なくともいずれかがノイズ閾値よりも大きいか否かを決定することにより、前記制御信号または前記フィードバック信号の少なくともいずれかにおける前記ノイズを識別するノイズ検出器をさらに備える、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記駆動電流スルーリミッタは、
前記識別されたノイズに基づいてノイズスルー限界を設定し、
前記駆動値と前記以前の駆動値との差異が前記ノイズスルー限界よりも大きいか否かを決定し、
前記ノイズスルー限界に基づいて前記算出された駆動値を変更する、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記位置制御プロセッサから前記変更した駆動値を受信し、前記トランスデューサに送信される前記変更した駆動値を含む信号を生成する駆動電流ジェネレータと、
前記駆動電流スルーリミッタにおける前記以前の駆動値、前記駆動値、または前記スルー限界の少なくともいずれかを保存するメモリと、をさらに備える、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記メモリはサーボ制御プロセスの実行サイクルごとの、所定の最大の駆動値の変化として前記スルー限界を保存する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記駆動電流スルーリミッタは、前記フィードバック信号または前記制御信号の少なくともいずれかを受信する前に送信された、以前に算出された駆動信号として、前記以前の駆動信号を前記メモリに保存する、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記駆動電流スルーリミッタは、前記駆動値と前記以前の駆動値との差異を算出することと、前記差異と前記スルー限界とを比較することとにより、前記駆動値と前記以前の駆動値との前記差異が前記スルー限界よりも大きいか否かを決定する、請求項10に記載の装置。
【請求項18】
前記駆動電流スルーリミッタは、前記駆動値、前記以前の駆動値、前記駆動値と以前の駆動値との差異、前記制御信号、前記フィードバック信号、算出された平均駆動値、または実際の平均駆動値のうちの少なくとも1つに関連する、二次関係、線形関係、指数関係、対数関係、または段階関係の少なくとも1つに基づいて前記スルー限界を決定する、請求項10に記載の装置。
【請求項19】
フィードバック信号は電空アクチュエータの位置に対応し、制御信号は規定の位置に弁アクチュエータを設定する命令を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項20】
制御信号およびフィードバック信号を受信し、
前記制御信号および前記フィードバック信号から駆動値を算出し、
前記駆動値と以前の駆動値との差異が電空コントローラのスルー限界よりも大きいか否かを決定し、かつ、
前記スルー限界に基づいて前記算出された駆動値を変更することをマシンに実行させる保存された命令を有するマシンアクセス可能媒体。
【請求項21】
前記マシンアクセス可能な命令が実行されると、前記マシンは前記変更した駆動値を前記電空コントローラのトランスデューサに送信する、請求項20に記載のマシンアクセス可能媒体。
【請求項22】
前記マシンアクセス可能な命令が実行されると、前記マシンは前記駆動値と前記以前の駆動値との差異を算出し、前記差異と前記スルー限界とを比較することにより、前記駆動値と前記以前の駆動値との前記差異が前記スルー限界よりも大きいか否かを決定する、請求項20に記載のマシンアクセス可能媒体。
【請求項23】
前記マシンアクセス可能な命令が実行されると、前記マシンは前記駆動値、前記以前の駆動値、前記駆動値と前記以前の駆動値との差異、前記制御信号、前記フィードバック信号、算出された平均駆動値、または実際の平均駆動値の少なくとも1つに関連する、二次関係、線形関係、指数関係、対数関係、または段階関係の少なくとも1つに基づいて前記スルー限界を算出する、請求項20に記載のマシンアクセス可能媒体。
【請求項24】
前記以前の駆動値は前記フィードバック信号または前記制御信号の少なくともいずれかを受信する前に送信された、以前に算出された駆動値である、請求項20に記載のマシンアクセス可能媒体。
【請求項25】
前記マシンアクセス可能な命令が実行されると、前記マシンは、
前記制御信号または前記フィードバック信号の少なくともいずれかにおけるノイズを識別し、
前記識別されたノイズに基づいてノイズスルー限界を設定し、
前記駆動値と前記以前の駆動値との前記差異が前記ノイズスルー限界よりも大きいか否かを決定し、
前記ノイズスルー限界に基づいて前記算出された駆動値を変更する、請求項20に記載のマシンアクセス可能媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−523617(P2012−523617A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504703(P2012−504703)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際出願番号】PCT/US2010/028756
【国際公開番号】WO2010/117666
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.フロッピー
【出願人】(591055436)フィッシャー コントロールズ インターナショナル リミテッド ライアビリティー カンパニー (183)
【Fターム(参考)】