説明

電話端末装置、情報収集システム、および情報収集方法

【課題】緊急通報のための専用スイッチ、あるいは画面操作を不要とし、また、通話を必要とすることなく緊急動作および情報収集を行う。
【解決手段】電話端末装置2に対して緊急動作用に3桁程度の電話番号を割り当て、無音の状態で収集した位置等の情報を内部メモリ(位置情報保存部216)に保存し、あるいは通信事業者が管理運営するセンタ局装置1(センタサーバ11のデータベース110)に送信して所定の期間保存する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信事業者等のサーバとネットワークを介して接続される電話端末装置、情報収集システム、および情報収集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電話端末装置、特に携帯電話端末は年々多機能化され、緊急時に、この携帯電話端末を用いて位置測定した情報を取り扱う要求が高まってきている。
ところで、総務省の案によれば、緊急通報受理機関に位置情報を提供するにあたり、電話番号および位置情報の通知は、共に利用者の意思確認を要するものとなっている。また、通話中、利用者の意思が変更された場合にもその対応ができなければならないことになっている(例えば、非特許文献1、2参照)。
【0003】
具体的に、「186番」「184番」を付加してダイヤル操作を行う方法が普及していることから、この番号を、緊急連絡用の「110番」や「114番」に付加してダイヤルすることで、位置情報についても電話番号と同じ属性により、通知、非通知とすることが提案されている。
この操作方法により、通話毎に、電話番号および位置情報のいずれも通知し、もしくは非通知とすること、あるいは、それらの一方だけを通知することが可能になる。
【0004】
一方、緊急通報に関する技術についても従来から多数出願されており、例えば、老齢者などが外出中に緊急事態が発生しても的確に対処できる緊急通報システムを提供するために、緊急通報移動局に緊急スイッチを特設したもの(例えば、特許文献1参照)、緊急発信ボタンを有する携帯電話における誤報の確率を減らすために、画面確認により通報するもの(例えば、特許文献2参照)、特定番号を入力して通常の回線交換網とは異なるIP回線を介して特定の番号の通知先を判断して通報するもの(例えば、特許文献3、4、5)等が知られている。
【非特許文献1】報道資料、平成16年6月30日、「総務省携帯電話からの緊急通報における発信者位置情報通知機能に係る技術的条件の策定(情報通信審議会からの一部答申)」、[online]、[平成17年11月14日検索]インターネットURL<http://www.soumu.go.jp/s−news/2004/040630_10.html>
【非特許文献2】「携帯電話からの緊急通報における発信者位置情報通知機能に係る技術的条件−緊急通報機能等高度化委員会報告書(案)」、平成16年5月、情報通信審議会情報通信技術文化会緊急通報機能等高度化委員会、[online]、[平成17年11月14日検索]インターネットURL<http://www.soumu.go.jp/s−news/2004/pdf/040517_3_b1.pdf>
【特許文献1】特開平11−112695号公報(段落「0008」〜「0016」、図1)
【特許文献2】特開平11−39171号公報(段落「0005」〜「0010」、図1)
【特許文献3】特開2003−198757号公報(段落「0006」〜「0014」、図1)
【特許文献4】特開2003−198758号公報(段落「0007」、図1)
【特許文献5】特開2004−320099号公報(段落「0006」〜「0014」、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記した非特許文献1、2に開示された案によれば、いずれも通話中における処理であり、また緊急通報用に割り当てられた電話番号を、識別用電気通信番号である「186番」、「184番」等の番号と組み合わせて通報する必要があるため、キータッチ数が多くなるといった欠点を有していた。
また、特許文献2に開示された技術によれば、滅多に使わないにもかかわらず、緊急スイッチ専用のスペースを占有し、小型化の妨げになるといった欠点を有していた。更に、特許文献3に開示された技術によれば、誤操作を回避するために画面操作による確認のためのステップを必要とし、緊急時の操作方法としては不向きである。特に、緊急時は通常パニック状態に陥っている利用者にも確実に簡単に通報できる方法が好ましい。
【0006】
一方、特許文献3、4、5に開示された技術によれば、電話端末装置からの特定ダイヤル番号操作により取得される位置情報が相手(警察、消防、救急機関)に通報されるが、いずれも相手と通話できることが前提となっている。従って、通話ができない状態での位置情報の通報は不可能であり、このため、通話を必要とすることなく緊急時に対応することのできる仕組みづくりがのぞまれていた。
【0007】
本発明は前記した事情に基づいてなされたものであり、専用スイッチ、画面操作、または通話を不要とし、緊急事態に結びつくような状況を感じたときや緊急時の特定の動作に役立つ、電話端末装置、情報収集システム、および情報収集方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記した課題を解決するために本発明は、センタ局装置と通信ネットワークを介して接続される電話端末装置であって、所定のキー操作を検出したことを契機に所定の情報の収集を行う端末制御部、を備えたことを特徴とする電話端末装置を提供する。また、その端末制御部は、収集した情報を内蔵するメモリに記憶するか、センタ局装置へ送信する位置情報収集制御部や、位置情報収集を開始させたり、緊急通報を行うキー判定処理部、または、案内を出力する案内情報出力部を含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電話端末装置での、専用スイッチ、画面操作、または通話を不要とし、緊急事態に結びつくような状況を感じたときや緊急時の特定の動作に役立てることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明実施形態にかかわる情報収集システムのシステム構成の一例を示す図である。
符号1は、通信事業者が管理運営するセンタ局装置であり、センタサーバ11、無線基地局12、交換機13で構成される。また、符号2は、GPS(Global Positioning System)等の位置測定デバイスを備えた電話端末装置であり、無線ネットワークを介して無線基地局12に接続される。
【0011】
電話端末装置2は、例えば、携帯電話であり、所定のキー操作を検出したことを契機に所定の情報の収集を行う。
ここでは、緊急事態発生時に、GPS衛星3からの電波を受信して測位のための演算を行い、その結果生成される位置情報を収集するトリガ(契機)とするために、3桁程度の電話番号、ここでは、「912番」を割り当てるものとする。なお、緊急通報用に「110番」や「119番」等の3桁番号が周知であるが、これらと同様の方法で実現して万人への浸透をはかるために3桁程度とし、これら既に浸透している番号と重複することなく、かつ、電話番号として認識されないような番号であればいずれの番号を割り当てても良い。
【0012】
センタ局装置1は、電話端末装置2からの要求に従い、無線基地局12を介し電話端末装置2により収集された位置情報を受信し、センタサーバ11のデータベースに蓄積する。データベースに保存された位置情報により、センタ局装置1は、必要に応じて緊急事態の発生を認識でき、データベースを参照することによって利用者の行動をトレースすることができる。
なお、センタ局装置1は、交換機13を介して公衆回線網4に接続される。
【0013】
図2は、本発明実施形態にかかわる電話端末装置の内部構成を示すブロック図である。
図2に示す電話端末装置2は、端末制御部21と、キースイッチ22と、スピーカ23(SP)と、LCD24(Liquid Crystal Device)と、GPSレシーバ25と、LED26(Light Emitted Diode)とで構成される。
【0014】
端末制御部21は、ハードウェア的には、プログラムが記録されたメモリと、メモリに記録されたプログラムを逐次読み出し実行するCPUとで構成され、前記した「912番」が操作されたことを検出して位置情報の収集を行うための制御中枢となる。このため、端末制御部21は、位置情報収集制御部211と、キー判定処理部212と、案内情報出力部213と、報知制御部214と、回線接続制御部215とで構成される。なお、位置情報記憶部216が含まれていてもよい。
【0015】
位置情報収集制御部211は、所定の間隔で位置情報を収集し、内蔵するメモリ(位置情報記憶部216)に保存するか、収集した位置情報をセンタ局装置1へ送信する機能を持つ。
また、キー判定処理部212は、利用者による「912番」の押下を検出したことを契機に、位置情報収集制御部211による位置情報の収集を開始させる機能を持つ。更に、位置情報の収集中に、緊急通報が必要になったときは、所定のキー操作を検出したことを契機に、予め登録された通報先へ緊急通報を行う。
【0016】
一方、案内情報出力部213は、端末制御部21の制御に基づき、所定のキー操作に対する応答として、電話端末装置2が情報収集中であることを示す音声情報の案内もしくは画面情報による案内を出力する機能を持つ。また、報知制御部214は、端末制御部21の制御に基づき、所定のキー操作に対する応答として、電話端末装置2が情報収集中であることを、ランプ表示(LED26)等の表示手段、もしくはブザー鳴動(SP23)等の音響手段にて示すための制御を行う機能を持つ。
なお、回線接続制御部215は、センタ局装置1と通信を開始するにあたり、利用者によって入力された数字列の電話番号に接続するための制御を行う。
【0017】
また、キースイッチ22には、利用者によって操作される数字を含む複数のキーが割り当てられている。また、SP23とLED26は報知用に、LCD24は、報知用として用いられる他、情報収集に対する利用者の意思表示を促すための手段としても用いられる。なお、GPSレシーバ25は、GPS衛星3からの電波を受信し、測位演算のために用いられる。
【0018】
図3、図4は、本発明実施形態にかかわる電話端末装置の動作を説明するために引用した動作シーケンス図である。図3は、通話キーを押下してから電話番号を入力した場合、図4は、電話番号を入力してから通話キーを押下した場合のそれぞれの動作を示している。
以下、図3、図4に示す動作シーケンス図を参照しながら本発明実施形態にかかわる電話端末装置の動作について詳細に説明する。
【0019】
図3において、まず、利用者は電話端末装置2の電源がON状態で「通話ボタン」を押下したとする(S31)。このことにより、センタ局装置1との間で通信が開始され、無線基地局12、交換機13経由で公衆回線網4に接続される(S32、S33)。なお、利用者は、ツー音が伝送されることで公衆回線網4に接続されたことを確認することができる(S34、S35、S36)。
続いて、利用者は、数字キー「9」を押下したとする(S37)。このことにより、電話端末装置2のLCD24画面上には、1文字目の「9」が表示される。同時に、キー判定処理部212で、入力された数字列(ここでは9の1桁のみ)と、あらかじめ定義された数字列「912」と比較し、ここでは、異なると判定されるため、電話端末装置2は、押下された番号に相当するトーン信号を発信する(S38、S39)。
【0020】
続いて、利用者は、数字キー「1」を押下したとする(S40)。このことにより、既に入力された1文字目と2文字目が文字列となってLCD24画面上に表示される。同時に、キー判定処理部212で、入力された数字列(ここでは「91」)と、あらかじめ定義された数字列「912」と比較する。ここでも、異なると判定されるため、電話端末装置2は、押下された2文字目の番号に相当するトーン信号を発信する(S41、S42)。
更に、利用者は、数字キー「2」を押下したとする(S43)。このことにより、電話端末装置2のLCD24画面上には、文字列「912」が表示される。同時に、キー判定処理部212で、入力された数字列(ここでは「912」)と、あらかじめ定義された数字列「912」とが比較される。ここでは、一致するため、電話端末装置2は、回線を切断すると共に(S44、S45)、位置情報収集制御部211を起動し、位置情報収集制御部211による、GPS測位に基づく位置情報の収集動作が開始される。
【0021】
位置情報収集部211は、例えば、30秒等、所定の間隔で位置情報を収集し、位置情報記憶部216に保存するか、収集した位置情報をセンタ局装置1へ送信する。同時に、案内出力部213によりSP23を介して、例えば、「現在、位置情報を収集しております」のような音声案内、あるいはLCD24による同メッセージの画面案内を行う(S46)。
なお、案内出力部213による音声案内あるいは画面案内の代わりに、報知制御部214を起動し、報知制御部214がLED26を点滅駆動させ、あるいは、SP23を鳴動させて報知してもよい。また、前記した案内と同時に報知してもよい。
【0022】
このことにより、緊急事態発生時に、利用者は所定のキー操作、ここでは3桁の数字列「912番」を押下するだけで自動的に位置情報が収集され、かつ、保存することができるため、万が一事故が発生した場合にもその行動が履歴として残る。また、通話を必要とすることなく、緊急通報用の専用スイッチ、あるいは画面操作を特別に設ける必要もない。
【0023】
図4は、電話番号を入力してから通話キーを押下した場合の本発明実施形態にかかわる電話端末装置の動作を示す動作シーケンス図である。
図4において、まず、利用者は電話端末装置2の電源がON状態において数字キー「9」を押下したとする(S51)。このことにより、電話端末装置2のLCD24画面上には、1文字目の「9」が表示される。続いて、利用者は、数字キー「1」を押下し、このことにより、既に入力された1文字目と2文字目が文字列となってLCD24画面上に表示される。続いて、利用者は、数字キー「2」を押下し、このことにより、電話端末装置2のLCD24画面上には、文字列「912」が表示される。この後、利用者が、「通話ボタン」を押下したとする(S52)。
【0024】
通話ボタンの押下を検出した端末制御部21は、キー判定処理部212で、入力された数字列(ここでは「912」)と、あらかじめ定義された数字列「912」とを比較する。
ここで、一致した場合、電話端末装置2は、位置情報収集制御部211を起動し、位置情報収集制御部211による、GPS測位に基づく位置情報の収集動作が開始される。位置情報収集部211は、例えば、30秒等、所定の間隔で位置情報を収集し、位置情報記憶部216に保存するか、収集した位置情報をセンタ局装置1へ送信する。同時に、案内出力部213によりSP23を介して前記した案内を行う(S53)。なお、図示しないが、不一致の場合は、センタ局装置1との間で通信が開始され、回線接続制御部215により、入力された数字列の電話番号に接続するための制御が行われる。
【0025】
なお、前記した本発明の実施形態によれば、緊急通報用に位置情報を収集するものとして説明したが、電話端末装置2が持つボイスレコーダ機能を用い、マイクで拾った音声情報を収集し、かつ保存してもよい。また情報収集以外の特定の動作として、たとえば数字列「925」のキー操作によりアラームを鳴らす、予め準備した所定のメールを発信する、という任意の動作を設定することも可能である。
【0026】
前記した「912」のキー判定処理により、位置情報の収集を開始した後、もし利用者が、警察または契約している警備保障会社への緊急通報を行い、位置情報を通報して、救援を求める必要のある事態になったときは、予め登録した所定のキー操作を、キー判定処理部212が検出することにより、「110番」または指定された警備保障会社への通報を行う。この場合、利用者は、電話端末装置2にて番号を認識しながら押下する余裕が無い状況が想定されるため、予め登録する所定のキー操作は、迅速に押下できるものが好ましい。たとえば任意の一つの数字を数秒間押下する、または、0と1以外の数字を連続して2回押す、という動作を設定すれば、誤操作を避けながら確実にキー操作の検出ができる。
【0027】
図5は、本発明実施形態にかかわる情報収集システムにおいてセンタ局装置が備えるデータベースのデータ構造の一例を示す図である。
電話端末装置2が収集した位置情報は、電話端末装置2が内蔵するメモリ(位置情報記憶部216)に記憶され、あるいはセンタ局装置1のセンタサーバ11に通知され保存されることは前記したとおりである。ここでは、後者を採用した場合に、センタサーバ11に通知され、保存される位置情報のデータ構造が示されている。
【0028】
図5に示されるように、センタサーバ11は、電話端末装置2から送信される通知・保存要求に基づき、GPS衛星3から受信した電波に基づき測位演算し、その結果生成される位置情報と時刻情報とを加入者番号(#1〜#m)毎に関連付けて時系列的にデータベース110に保存することとする。
【0029】
図6〜図8は、電話端末装置が収集した位置情報をセンタサーバが受信し保存する情報収集システムの動作シーケンスを示した図である。
以下、図6〜図8を参照しながら本発明実施形態にかかわる情報収集シテムの動作について詳細に説明する。
【0030】
図6において、まず、センタ局装置1のセンタサーバ11は、電話端末装置2によって測位され、送信される位置情報と時刻情報を、通知・保存要求とともに受信する(S61)。通知・保存要求を受信したセンタサーバ11は、添付され、送信される位置情報(位置1)と時間情報(時刻1)を、図5に示す形式でデータベース110に保存する。
その後、電話端末装置2から、例えば、30秒間隔で連続して位置情報を受信し(位置2、位置3…位置n)、対応する時刻情報(時刻2、時刻3、時刻n)と関連付けてデータベース110に都度保存する(S62〜S65)。
【0031】
図7は、図6に示すシーケンスの変形例であり、図7に示す動作シーケンスとの差異は、電話端末装置2が、位置測定を行い、その位置情報の通知、保存を、センタサーバ11に依頼する期間を設定する点と、位置情報を通知するための時間間隔を設定する点が異なる。
ここでは、位置情報を通知し保存するための期間を「2日」、通知するための時間間隔は、「初回30秒、以降、順次、前回時間間隔の1.3倍」として説明する。
【0032】
まず、電話端末装置2は、利用者による「912番」のキー入力を検知して位置測定を開始する(S71)。そして、センタ局装置1に対して測定される位置情報および時刻情報を通知・保存要求と共に送信する(S72)。センタ局装置1のセンタサーバ11は、まず、電話端末装置2によって測定される位置情報(位置1)を通知・保存要求と共に受信する。
センタサーバ11は、初回に位置情報(位置1)と時刻情報(時刻1)を受信した後、30秒後に到来する位置情報(位置2)を時間情報(時刻2)とともにデータベース110に保存する(S73)。その後、39秒経過後に電話端末装置2から送信される位置情報(位置3)を、対応する時間情報(時間3)と関連付けてデータベース110に保存し(S74)、続いて、50.7秒後に電話端末装置2から送信される位置情報を、対応する時間情報と関連付けてデータベース110に保存する(S75)。以降、順次、前回時間間隔×1.3倍の時間間隔で位置情報(位置n)を受信し、対応する時間情報(時間n)と関連付けてデータベース110に保存する。前記した位置情報収集動作は2日間継続した後、自動的に終了する。
【0033】
図8は、図7に示す動作シーケンスに、更に、音声案内もしくは画面案内ステップを付加した変形例である。他は、図7に示す動作シーケンスと同様である。
すなわち、図8に示すS81〜S84に示すステップは、図7に示すステップS71〜S74に示すステップのそれぞれに相当する。その後、利用者は、前記した位置情報収集中に、電話端末装置2のキースイッチ22を操作して再度「912番」通報を行ったとする(S85)。
【0034】
電話端末装置2は、位置情報収集中にこの「912番」のキー入力を検知することにより、案内出力部213にて、例えば、「現在、位置情報を通知中です。位置情報の通知を再開するなら#と1を、中止するなら#と2を押してください」のように音声案内し、もしくはLCD画面に同メッセージを表示することによって案内する(S86)。電話端末装置2は、案内を確認した利用者が、「#1」、もしくは「#2」を押下し、あるいは選択(S87)したことを検出して、最初から位置情報の収集動作を再開するか、あるいは、前記した位置情報収集動作を終了する。
【0035】
前記した本発明実施形態によれば、利用者の意思表示によって位置情報の収集期間、および位置情報収集のための時間間隔を設定でき、柔軟性の高いシステム構築が可能になる。また、センタサーバ11は、利用者の行動(位置情報)が履歴として保存されることにより、不測の事態が発生した際にデータベース110を参照することにより、利用者の行動をトレースすることができる。
【0036】
以上説明のように本発明は、緊急事態に対応できるように、電話端末装置2に対して例えば3桁程度の電話番号を割り当て、無音の状態で収集した位置等の情報を内部メモリ(位置情報記憶部216)に保存し、あるいは通信事業者が管理運営するセンタ局装置1(センタサーバ11のデータベース110)に送信して所定の期間保存するものである。このことにより、緊急通報のための専用スイッチ、あるいは画面操作を不要とし、また、回線を使った通話を必要とすることなく、特定の動作、情報の収集および緊急通報を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明実施形態にかかわる情報収集システムのシステム構成の一例を示す図である。
【図2】本発明実施形態にかかわる電話端末装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明実施形態にかかわる電話端末装置の動作を説明するために引用した動作シーケンス図である。
【図4】本発明実施形態にかかわる電話端末装置の動作を説明するために引用した動作シーケンス図である。
【図5】図1に示すセンタ局装置(センタサーバ)のデータベースのデータ構造の一例を示す図である。
【図6】本発明実施形態にかかわる情報収集システムの動作を説明するために引用した動作シーケンス図である。
【図7】本発明実施形態にかかわる情報収集システムの動作を説明するために引用した動作シーケンス図である。
【図8】本発明実施形態にかかわる情報収集システムの動作を説明するために引用した動作シーケンス図である。
【符号の説明】
【0038】
1 センタ局装置
2 電話端末装置
3 GPS衛星
4 公衆回線網
11 センタサーバ
12 無線基地局
13 交換機
21 端末制御部
22 キースイッチ
23 スピーカ
24 LCD
25 GPSレシーバ
26 LED
211 位置情報収集制御部
212 キー判定処理部
213 案内情報出力部
214 報知制御部
215 回線接続制御部
216 位置情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センタ局装置と通信ネットワークを介して接続される電話端末装置であって、
所定のキー操作を検出したことを契機に特定の動作を行う端末制御部、を備えたことを特徴とする電話端末装置。
【請求項2】
前記端末制御部は、
所定の間隔で位置情報を収集し、内蔵するメモリに記憶するか、前記収集した位置情報を前記センタ局装置へ送信する位置情報収集制御部を含むことを特徴とする請求項1に記載の電話端末装置。
【請求項3】
前記端末制御部は、
通話キーの押下検出後、連続して所定桁数の数字キーの押下を検出したときに、もしくは、所定桁数の数字キーの押下検出後、連続して通話キーの押下を検出したことを契機に、前記特定の動作の一つとして、前記位置情報収集制御部による位置情報収集を開始させるキー判定処理部を更に含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電話端末装置。
【請求項4】
前記端末制御部の制御に基づき、前記所定のキー操作に対する応答として情報収集していることを示す音声情報による案内、もしくは画面情報による案内を出力する案内情報出力部
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電話端末装置。
【請求項5】
前記キー判定処理部は、
前記特定の動作を行った後に、次の所定のキー操作を検出したことを契機に、予め登録された通報先へ緊急通報を更に行うことを特徴とする請求項3に記載の電話端末装置。
【請求項6】
前記端末制御部は、
前記情報収集中に再度出力される前記案内情報出力部により出力される前記案内に示される、前記情報収集の継続の有無に関する利用者の意思表示を示すキー操作を検出し、前記情報収集ための動作を再開し、もしくは停止することを特徴とする請求項4に記載の電話端末装置。
【請求項7】
前記端末制御部の制御に基づき、前記所定のキー操作に対する応答として、情報収集していることを表示手段または音響手段により示すための制御を行う報知制御部
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電話端末装置。
【請求項8】
センタ局装置と、電話端末装置とが通信ネットワークを介して接続されて成る情報収集システムであって、
所定のキー操作を検出したことを契機に所定の情報の収集を行う端末制御部を備えた前記電話端末装置と、
前記電話端末装置から前記情報の保存要求を受信し、前記収集される所定の情報を所定の期間保存する前記センタ局装置と、
を備えたことを特徴とする情報収集システム。
【請求項9】
電話端末装置により収集される情報を保存する情報収集方法であって、
前記電話端末装置が、所定のキー操作を検出したことを契機に所定の情報の収集を行うステップと、
前記電話端末装置とは通信ネットワークを介して接続される、通信事業者によって管理運営されるセンタ局装置が、前記電話端末装置から前記情報の保存要求を受信し、前記収集される所定の情報を所定の期間保存するステップと、
を有することを特徴とする情報収集方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−158564(P2007−158564A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−348769(P2005−348769)
【出願日】平成17年12月2日(2005.12.2)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】