説明

電話装置、着信制御方法、電話制御プログラムおよびプログラム記録媒体

【課題】発信元の電話番号に基づく着信動作の柔軟かつ効果的な制御をより少ない登録作業により可能とする着信制御方法を提供する。
【解決手段】電話着信時の着信動作を制御する着信制御テーブル4Aに、発信元の電話番号について任意の桁位置の番号によりグループ化した電話番号グループを単位として各グループごとの着信時における着信動作を一括登録可能とする。該電話番号グループとして、発信元の電話番号の最上位桁から任意の桁数の番号が一致する前方一致方式、最下位桁から任意の桁数の番号が一致する後方一致方式、任意の1ないし複数の桁位置の番号が一致する部分一致方式、全桁が一致する全桁一致方式の、いずれの方式でも任意に選択可能とし、また、着信履歴の電話番号の中から任意に選択して前記電話番号グループを生成可能とする。登録可能な着信動作として、着信拒否、着信音の鳴り分け、着信転送、留守番電話録音のいずれかを少なくとも含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話装置、着信制御方法、電話制御プログラムおよびプログラム記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術では、着信拒否など多様な着信動作を制御する場合、発信元の電話番号の全桁に関する完全一致方式を用いて、着信制御用の電話番号リストと比較検索を行っている。
【特許文献1】特開2005−101819号公報(第6−9頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来は、発信元の電話番号との完全一致方式により、種々の着信動作の制御が可能であったが、新たに、複数の電話番号について着信動作を制御する対象として登録したい場合や、既に登録済みの電話番号に対して異なった着信動作を行うように変更したい場合などにおいては、着信制御用の電話番号リストに全ての電話番号を全桁に亘って逐一登録したり、該当する複数の電話番号について逐一更新したりしなければならなかった。このため、登録・更新作業が煩雑化して、電話装置の利用者は、十分満足ができる着信制御を期待することが出来なかった。
【0004】
そこで、本発明の目的は、着信動作の制御用の電話番号リスト(着信制御テーブル)への登録方法を多様化することにより、より少ない登録作業によって、柔軟かつ効果的に、着信動作を制御することを可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述の課題を解決するため、本発明による電話装置、着信制御方法、電話制御プログラムおよびプログラム記録媒体は、次のような特徴的な構成を採用している。
【0006】
(1)有線または無線の電話回線から電話の着信があった際の着信動作を制御するための着信制御テーブルを備えた電話装置であって、前記着信制御テーブルに登録する際に、発信元の電話番号について任意の桁位置の番号によりグループ化した電話番号グループを単位として、着信時における該電話番号グループごとの任意の着信動作を一括登録することが可能である電話装置。
(2)上記(1)の電話装置において、前記着信制御テーブルに登録する前記電話番号グループとして、発信元の電話番号の最上位桁から任意の桁数の番号が一致する前方一致方式、最下位桁から任意の桁数の番号が一致する後方一致方式、任意の1ないし複数の桁位置の番号が一致する部分一致方式、全桁が一致する全桁一致方式の、いずれの方式でも任意に選択してグループ化することが可能である電話装置。
(3)上記(1)または(2)の電話装置において、前記着信制御テーブルに登録する前記電話番号グループを登録する際に、当該電話装置に着信履歴として記憶されている発信元の電話番号の中から、任意に選択した電話番号について桁位置を任意に指定することにより登録すべき前記電話番号グループを生成することが可能である電話装置。
(4)上記(1)ないし(3)のいずれかの電話装置において、前記着信制御テーブルに登録する着信時における着信動作として、着信拒否、着信音の鳴り分け、着信転送、留守番電話録音のいずれかを少なくとも含んでいる電話装置。
(5)上記(1)ないし(4)のいずれかの電話装置において、発信元の電話番号が前記着信制御テーブルに登録されている複数の前記電話番号グループに属する場合、いずれの前記電話番号グループの着信動作を優先するかを前記着信制御テーブルに設定することが可能である電話装置。
(6)上記(1)ないし(5)のいずれかの電話装置において、前記着信制御テーブルに登録されている前記電話番号グループに属する発信元の電話番号から着信があった場合、前記着信制御テーブルにより制御された着信動作が実行されたことを示す情報を画面表示することが可能である電話装置。
(7)有線または無線の電話回線から電話の着信があった際の着信動作を制御するための着信制御テーブルを備えて電話装置の着信動作を制御する着信制御方法であって、前記着信制御テーブルに登録する際に、発信元の電話番号について任意の桁位置の番号によりグループ化した電話番号グループを単位として、着信時における該電話番号グループごとの任意の着信動作を一括登録することが可能とする着信制御方法。
(8)上記(7)の着信制御方法において、前記着信制御テーブルに登録する前記電話番号グループとして、発信元の電話番号の最上位桁から任意の桁数の番号が一致する前方一致方式、最下位桁から任意の桁数の番号が一致する後方一致方式、任意の1ないし複数の桁位置の番号が一致する部分一致方式、全桁が一致する全桁一致方式の、いずれの方式でも任意に選択してグループ化することが可能である着信制御方法。
(9)上記(7)または(8)の着信制御方法において、前記着信制御テーブルに登録する前記電話番号グループを登録する際に、当該電話装置に着信履歴として記憶されている発信元の電話番号の中から、任意に選択した電話番号について桁位置を任意に指定することにより登録すべき前記電話番号グループを生成することが可能である着信制御方法。
(10)上記(7)ないし(9)のいずれかの着信制御方法において、前記着信制御テーブルに登録する着信時における着信動作として、着信拒否、着信音の鳴り分け、着信転送、留守番電話録音のいずれかを少なくとも含んでいる着信制御方法。
(11)上記(7)ないし(10)のいずれかの着信制御方法において、発信元の電話番号が前記着信制御テーブルに登録されている複数の前記電話番号グループに属する場合、いずれの前記電話番号グループの着信動作を優先するかを前記着信制御テーブルに設定することが可能である着信制御方法。
(12)上記(7)ないし(11)のいずれかの着信制御方法において、前記着信制御テーブルに登録されている前記電話番号グループに属する発信元の電話番号から着信があった場合、前記着信制御テーブルにより制御された着信動作が実行されたことを示す情報を画面表示することが可能である着信制御方法。
(13)上記(7)ないし(12)のいずれかの着信制御方法を、コンピュータにより実行可能なプログラムにより実現している電話制御プログラム。
(14)上記(13)の着信制御プログラムを、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録しているプログラム記録媒体。
【発明の効果】
【0007】
本発明の電話装置、着信制御方法、電話制御プログラムおよびプログラム記録媒体によれば、発信元の電話番号について任意の桁位置の番号によりグループ化した電話番号グループを単位として、着信時における任意の着信動作を、着信動作を制御する着信制御テーブルに一括登録することができるので、全桁の登録を要する場合に比して、より少ない登録作業によって、柔軟かつ効果的に、着信動作を制御することが可能である。
【0008】
すなわち、着信してくる発信元の電話番号そのもののグループに応じて、着信を拒否したり、着信音を鳴り分けたり、着信先を転送させたり、あるいは、留守番電話録音させたり、など着信動作の制御方法を適宜設定することが可能である。ここで、発信元の電話番号のグループ化方式として、その電話番号の任意の桁数の上位桁のみを登録する前方一致方式、任意の桁数の下位桁のみを登録する後方一致方式、任意の1ないし複数の桁位置を登録する任意桁一致方式、全桁を登録する全桁一致方式のいずれでも登録することが可能であり、着信制御用の電話番号をあらかじめ登録する利用者の登録作業の利便性を向上させることが可能である。
【0009】
例えば、セールスや勧誘等の電話番号の場合、その上位桁が同じ電話番号である場合が多いので、着信側が希望しないそのような電話番号の全てを一々着信制御テーブルに登録する必要はなく、同じ上位桁の電話番号を持つ電話番号グループとして登録すれば良い。また、代表電話番号のように電話番号の下位何桁かを特定の番号とする場合が多いので、着信音を鳴り分けたい場合も、全ての電話番号を一々登録することなく、同じ下位桁の電話番号を持つ電話番号グループとして登録することもできる。かくのごとく、ある同一の着信制御を行いたいグループの電話番号について、任意の桁数や桁位置を指定して、類似番号として一括して登録することができ、着信制御テーブルへの登録作業を行う利用者の利便性を向上させることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明による電話装置、着信制御方法、電話制御プログラムおよびプログラム記録媒体の好適実施形態例について添付図を参照して説明する。
【0011】
まず、本発明における特徴について概説する。本発明は、電話装置に、発信元の電話番号の任意の桁数や桁位置について、指定した着信動作を制御する電話番号グループとして、着信制御テーブルにあらかじめ登録しておき、電話装置への着信時に通知されてくる発信元電話番号と、当該電話装置内の着信制御テーブルに記憶済みの電話番号とについて、前方一致、後方一致、1ないし複数の桁位置の部分一致などの多様な比較検索を行い、一致した場合、当該電話装置にあらかじめ登録されていた着信拒否や着信音の鳴り分けや着信表示や着信転送や留守番電話録音、などの、あらかじめ登録されている着信動作を行わせることを特徴としている。
【0012】
次に、図1、図2を用いて、本発明の一実施例について説明する。図1は、本発明による電話装置の構成の一例を示すブロック図であり、本発明に関連するブロックのみを表現している。また、図2は、本発明による電話装置に着信制御テーブルとしてあらかじめ登録されている電話番号グループリストの一例を示すテーブルであり、着信を拒否する発信元電話番号グループ、着信音を鳴り分ける発信元電話番号グループとを登録している例を示している。
【0013】
まず、図1に示す電話装置10の構成例について説明する。電話装置10は、電話回線入出力部1、発信者番号識別部2、制御部3、記憶部4、キー入力部5、表示部6、着信音出力部7、時計8を少なくとも備えて構成されている。
【0014】
電話回線入出力部1は、図示していない電話網との間を接続する有線または無線の電話回線を収容し、電話網への発信を行ったり電話網からの着信を受け付けたり、音声やデータの送受信を行う。発信者番号識別部2は、当該電話装置10への着信の際に、電話網から送られてくる発信元の電話番号を示す発信者番号を検出して、制御部3に通知するものである。制御部3は、当該電話装置10の全体の動作を制御するものであり、例えば、当該電話装置10への着信時に、発信者番号識別部2から送られてくる発信元電話番号を基にして、記憶部4にあらかじめ登録されている着信制御テーブル4Aを参照して、当該着信に対する動作を決定し、各ブロックへ決定した動作を実行するように指示する。
【0015】
記憶部4は、制御部3が動作するための制御プログラム(電話制御プログラム)や、各種制御用のデータを記憶するとともに、着信動作を規定するための着信制御テーブル4Aも記憶している。キー入力部5は、当該電話装置10の利用者が操作したキー情報を受け取るものであり、発信時の電話番号や着信制御テーブル4Aへの登録用の入力操作や、着信時の応答操作を受け付けて、制御部3に通知する。
【0016】
表示部6は、着信制御テーブル4Aによる着信動作の制御がなされた場合にその旨を示す情報を表示するなど、各種情報を画面表示して当該電話装置10の利用者に対して通報するものであり、制御部3からの表示指示に応じて、キー入力部5から入力される数字や文字を表示したり、着信を表示したりする。着信音出力部7は、当該電話装置10の利用者に対して着信音を出力するものであり、発信元の電話番号を識別した結果に基づいた制御部3の出力指示に応じて、着信音を鳴り分ける。また、時計8は、現在時刻を計時するものであり、制御部3に対して現在時刻を通知する。
【0017】
ここで、記憶部4に記憶されている着信制御テーブル4Aの構成について、その一例を、図2を用いてさらに説明する。図2に示す着信制御テーブル4Aには、当該電話装置10への着信時の動作を規定したい着信方法の例として、着信拒否する発信先の電話番号グループと、着信音を鳴動条件1,2,3,・・・nと鳴り分ける発信先の電話番号グループと、をあらかじめ設定している例を示している。図2において、電話番号欄には、着信動作を規定したい発信元の電話番号が登録されている。ここで、記号「*」、「?」は、いずれもワイルドカードを示し、記号「*」は、任意の桁数に亘って任意の数値である場合を示し、記号「?」は、その1桁について任意の数値であることを示している。また、着信方法欄には、着信拒否するか、着信音を鳴り分ける鳴動条件を1,2,3,…,nとして示している。
【0018】
図2の項番1,2,3は、発信先の電話番号の先頭桁から指定した桁数分(図2の例では、項番1,2が先頭桁から6桁、項番3が先頭桁から4桁)が一致しているか否かに応じて、それぞれ、着信拒否、着信音の鳴動条件1での鳴動、着信拒否の場合を、前方一致条件として示している。図2の項番4は、発信先の電話番号の最終桁から指定した桁数分(図2の例では、最終桁から3桁)が一致しているか否かに応じて、着信音の鳴動条件2での鳴動の場合を、後方一致条件として示している。また、図2の項番5は、発信先の電話番号の任意の桁位置(図2の例では、先頭桁から4桁と最終桁から4桁)が一致しているか否かに応じて、着信音を鳴動条件3で鳴動させる場合を、任意桁一致条件として示している。また、図2の項番Nは、発信先の電話番号の全桁が一致しているか否かに応じて、鳴動条件nで着信音を鳴動させる場合を、全桁一致条件として示している。
【0019】
なお、図2には、着信動作として、着信拒否と着信音鳴り分けの場合のみを示しているが、本発明は、かかる場合のみに限るものではない。例えば、発信元が特定の電話番号のグループ(電話番号そのものの特定の桁位置の番号が示すグループ)であれば、留守番録音させるようにしても良いし、特定の電話機に着信転送させるようにしても良い。また、着信動作を規定したい電話番号グループとして、国内電話番号のみならず、国際電話番号を登録することも可能であるし、また、特番やIP電話番号などを登録することも可能である。また、或る同一の電話番号が、複数の電話番号グループに属するように着信制御テーブル4Aに登録されているような場合には、その優先順位を着信制御テーブル4Aに設定することも可能であり、例えば、着信制御テーブル4Aの弱番側の項番に登録されている着信方法を、優先して適用するようにすることも可能である。
【0020】
次に、図1に示す電話装置10の動作について、その一例を説明する。電話網から電話回線を介して着信信号が送信されてくると、電話回線入出力部1にて、着信信号を受け取り、電話網から引き続いて送信されてくる発信元の電話番号を示す発信者番号を受信するために、電話回線と発信者番号識別部2との間を接続する。電話網から送信されてきた発信者番号を発信者番号識別部2にて受信すると、受信した発信者番号が発信者番号識別部2から制御部3に通知される。
【0021】
発信者番号が通知されてくると、制御部3は、記憶部4の着信制御テーブル4Aにあらかじめ登録されている電話番号と、着信した発信元の電話番号とを、着信制御テーブル4Aの前方一致、後方一致、任意桁一致、全桁一致の各条件でそれぞれ検索する。制御部3は、通知されてきた発信元の電話番号が、着信制御テーブル4Aの電話番号グループのいずれかに含まれていると判別した場合、該電話番号に対応して着信制御テーブル4Aに紐付けされた着信方法に応じて、着信拒否するか、あるいは、該当する鳴動条件で着信音を鳴動させるために、電話回線入出力部1を着信制御する。さらに、着信制御テーブル4Aにより着信動作を制御した場合には、表示部6にその制御理由と着信状態とを、着信制御テーブル4Aにより制御された着信動作が実行されたことを示す情報として表示させる一方、着信音を鳴り分ける場合は、鳴動条件に応じた着信音の鳴動を着信音出力部7に対して指示する。
【0022】
なお、電話回線入出力部1に対する着信制御とは、例えば、着信拒否する際に、例えば、その旨を音声応答で発信元の電話機に対して送信するような場合に相当する。また、表示部6に表示する着信状態とは、例えば、着信拒否や着信音鳴り分けをした際に、その発信元電話番号や当該電話番号に該当する着信制御テーブル4Aの電話番号グループおよびその名称を画面表示するものである。これにより、電話装置10の利用者は、どのような相手からの着信であったかを認識することができるので、発信元の電話番号のみが表示される場合に比して、着信動作を振り分けた根拠を理解することができ、電話装置10の利便性が向上する。
【0023】
次に、着信制御テーブル4Aへ、発信元の電話番号に関する着信動作を登録する登録方法について、その一例を説明する。
【0024】
本電話装置10は、着信があった際に、その発信元の電話番号と着信日時とを、記憶部4に、着信履歴リストとして順次登録している。すなわち、制御部3は、着信制御テーブル4Aに登録されているか否かによらず、着信がある都度、発信者番号識別部2から通知されてくる発信者番号を、時計8からの現在日時の情報とともに、着信履歴リストとして、記憶部4に順次記憶させている。したがって、電話装置10の利用者は、着信制御テーブル4Aへの登録を行う際に、任意の電話番号を入力して、その着信方法を登録するだけではなく、この着信履歴リストを参照しながら登録することも可能である。
【0025】
この着信履歴リストを用いて着信制御テーブル4Aへ登録する場合、まず、利用者が、キー入力部5から着信履歴リストの読み出し要求の操作を行うと、制御部3は、キー入力部5のキー操作を読み取ることによって、記憶部4に記憶されている着信履歴リストを表示部6に画面表示させる。利用者は、表示部6に画面表示された着信履歴リストの中から、キー入力部5の操作により、着信拒否や鳴動条件の登録を設定したい電話番号を選ぶ操作を行う。制御部3は、選択された電話番号を表示部6に画面表示するとともに、着信制御テーブル4Aに登録すべき電話番号の桁位置(前方一致、後方一致、任意桁一致、全桁一致)の選択画面を表示する。利用者は、キー入力部5の操作により、表示された選択画面に基づいて桁位置を指定して、着信動作を設定する電話番号グループを指定する。
【0026】
制御部3は、指定された桁位置の電話番号を電話番号グループとして画面表示するとともに、その電話番号グループを特定する名称の入力画面を表示部6に画面表示する。利用者は、キー入力部5の操作により、その電話番号グループを特定する名称を入力する。
【0027】
制御部3は、さらに、その電話番号グループに紐付けすべき着信動作(着信拒否、鳴動条件など)を選択する選択画面を表示する。利用者は、キー入力部5の操作により、紐付けすべき着信動作を選択する。この結果、制御部3は、利用者が設定した電話番号グループとその名称とその着信動作とを、記憶部4の着信制御テーブル4Aに登録する。
【0028】
さらに、制御部3は、着信制御テーブル4Aに既に登録済みの電話番号グループと今回登録した電話番号グループとの間に重複する情報があるか否かを判別し、重複する電話番号が存在している場合には、その両者を表示部6に画面表示するとともに、いずれの条件を優先させるか利用者に問い合わせる。利用者が、キー入力部5の操作により、優先する電話番号グループを選択すると、制御部3は、着信制御テーブル4A中の登録順序について、優先する電話番号グループの登録順序が弱番側となるように編集する。
【0029】
なお、前述したように、着信制御テーブル4Aへは、着信履歴リストに記憶されている電話番号であるか否かによらず、利用者が任意の電話番号を登録することも可能である。この場合は、利用者が、任意に指定した電話番号グループの着信制御テーブル4Aへの登録を要求する旨のキー操作をキー入力部5から行う。制御部3は、電話番号の入力画面とともに、着信制御テーブル4Aに登録すべき電話番号の桁位置(前方一致、後方一致、任意桁一致、全桁一致)の選択画面とを表示部6に画面表示する。利用者は、キー入力部5の操作により、電話番号を入力するとともに、表示された選択画面に基づいて桁位置を指定して、着信動作を設定する電話番号グループを指定する。以降の着信制御テーブル4Aへの登録動作は、着信履歴リストからの登録動作と全く同様である。
【0030】
以上に説明したように、本発明によれば、着信してくる発信元の電話番号に応じて、着信を拒否したり、あるいは、着信音を鳴り分けたり、着信先を転送させたり、留守番電話録音させたり、着信動作を適宜設定することが可能である。ここで、セールスや勧誘等の電話番号の場合、その上位桁が同じ電話番号である場合が多いので、着信側が希望しないそのような電話番号の全てを着信制御テーブル4Aに登録する必要はなく、同じ上位桁の電話番号を持つ電話番号グループとして登録すれば良い。これにより、着信制御テーブル4Aへの登録作業を行う利用者の利便性を向上させることが可能である。
【0031】
また、代表電話番号のように電話番号の下位何桁かを特定の番号とする場合が多いので、着信音を鳴り分けたい場合も、全ての電話番号を登録することなく、同じ下位桁の電話番号を持つ電話番号グループとして登録することもできる。これにより、着信制御テーブル4Aへの登録作業を行う利用者の利便性を向上させることが可能である。
【0032】
なお、本発明による電話装置としては、例えば固定設置される有線電話装置や、移動性を有する無線電話装置のいずれについても適用することが可能である。また、本発明のような着信制御方法を、論理回路を用いたハードウェア論理で実現する場合のみに限らず、電話制御プログラムとして、制御部を構成するCPUとメモリからなるコンピュータによって動作するプログラム論理によって実現することも可能である。
【0033】
以上、本発明の好適実施例の構成を説明した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることは、当業者には容易に理解できよう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明による電話装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明による電話装置に着信制御テーブルとしてあらかじめ登録されている電話番号グループリストの一例を示すテーブルである。
【符号の説明】
【0035】
1 電話回線入出力部
2 発信者番号識別部
3 制御部
4 記憶部
4A 着信制御テーブル
5 キー入力部
6 表示部
7 着信音出力部
8 時計
10 電話装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有線または無線の電話回線から電話の着信があった際の着信動作を制御するための着信制御テーブルを備えた電話装置であって、前記着信制御テーブルに登録する際に、発信元の電話番号について任意の桁位置の番号によりグループ化した電話番号グループを単位として、着信時における該電話番号グループごとの任意の着信動作を一括登録することが可能であることを特徴とする電話装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電話装置において、前記着信制御テーブルに登録する前記電話番号グループとして、発信元の電話番号の最上位桁から任意の桁数の番号が一致する前方一致方式、最下位桁から任意の桁数の番号が一致する後方一致方式、任意の1ないし複数の桁位置の番号が一致する部分一致方式、全桁が一致する全桁一致方式の、いずれの方式でも任意に選択してグループ化することが可能であることを特徴とする電話装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電話装置において、前記着信制御テーブルに登録する前記電話番号グループを登録する際に、当該電話装置に着信履歴として記憶されている発信元の電話番号の中から、任意に選択した電話番号について桁位置を任意に指定することにより登録すべき前記電話番号グループを生成することが可能であることを特徴とする電話装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の電話装置において、前記着信制御テーブルに登録する着信時における着信動作として、着信拒否、着信音の鳴り分け、着信転送、留守番電話録音のいずれかを少なくとも含んでいることを特徴とする電話装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の電話装置において、発信元の電話番号が前記着信制御テーブルに登録されている複数の前記電話番号グループに属する場合、いずれの前記電話番号グループの着信動作を優先するかを前記着信制御テーブルに設定することが可能であることを特徴とする電話装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の電話装置において、前記着信制御テーブルに登録されている前記電話番号グループに属する発信元の電話番号から着信があった場合、前記着信制御テーブルにより制御された着信動作が実行されたことを示す情報を画面表示することが可能であることを特徴とする電話装置。
【請求項7】
有線または無線の電話回線から電話の着信があった際の着信動作を制御するための着信制御テーブルを備えて電話装置の着信動作を制御する着信制御方法であって、前記着信制御テーブルに登録する際に、発信元の電話番号について任意の桁位置の番号によりグループ化した電話番号グループを単位として、着信時における該電話番号グループごとの任意の着信動作を一括登録することが可能とすることを特徴とする着信制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載の着信制御方法において、前記着信制御テーブルに登録する前記電話番号グループとして、発信元の電話番号の最上位桁から任意の桁数の番号が一致する前方一致方式、最下位桁から任意の桁数の番号が一致する後方一致方式、任意の1ないし複数の桁位置の番号が一致する部分一致方式、全桁が一致する全桁一致方式の、いずれの方式でも任意に選択してグループ化することが可能であることを特徴とする着信制御方法。
【請求項9】
請求項7または8に記載の着信制御方法において、前記着信制御テーブルに登録する前記電話番号グループを登録する際に、当該電話装置に着信履歴として記憶されている発信元の電話番号の中から、任意に選択した電話番号について桁位置を任意に指定することにより登録すべき前記電話番号グループを生成することが可能であることを特徴とする着信制御方法。
【請求項10】
請求項7ないし9のいずれかに記載の着信制御方法において、前記着信制御テーブルに登録する着信時における着信動作として、着信拒否、着信音の鳴り分け、着信転送、留守番電話録音のいずれかを少なくとも含んでいることを特徴とする着信制御方法。
【請求項11】
請求項7ないし10のいずれかに記載の着信制御方法において、発信元の電話番号が前記着信制御テーブルに登録されている複数の前記電話番号グループに属する場合、いずれの前記電話番号グループの着信動作を優先するかを前記着信制御テーブルに設定することが可能であることを特徴とする着信制御方法。
【請求項12】
請求項7ないし11のいずれかに記載の着信制御方法において、前記着信制御テーブルに登録されている前記電話番号グループに属する発信元の電話番号から着信があった場合、前記着信制御テーブルにより制御された着信動作が実行されたことを示す情報を画面表示することが可能であることを特徴とする着信制御方法。
【請求項13】
請求項7ないし12のいずれかに記載の着信制御方法を、コンピュータにより実行可能なプログラムにより実現していることを特徴とする電話制御プログラム。
【請求項14】
請求項13に記載の着信制御プログラムを、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録していることを特徴とするプログラム記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−306392(P2007−306392A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−134034(P2006−134034)
【出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】