説明

霞石閃長岩粉末を処理して超微細粒径生成物を生成する方法

【課題】ある粒径プロファイルを有する霞石閃長岩粒子状供給原料を、その後の商業的使用のために、超微細粒最終生成物へと変換する方法であって、前記超微細粒生成物が約6ミクロン未満の最大粒径を有する方法を提供する。
【解決手段】この方法は、約20ミクロンよりも大きい制御された最大粒径を有する乾いた供給原料を供給し、連続高速攪拌型ボールミルに供給原料を垂直下向きに通過させることによって供給原料を乾燥状態で研削し、それにより、供給原料が、供給原料の粒径プロファイルよりも大幅に減少された粒径プロファイルを有する中間粉末へと研削され、所定の経路に沿って移動する急速移動高速エア流を使用してミルからの中間粉末をエア分離機に通過させて、超微細粒生成物を前記経路に沿って分類機から運ぶとともに、超微細生成物よりも大きい粒子を含む粗い粒子状材料を分離した後に分類機から放出できるようにすることを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒状火成岩の処理に関し、特に、出願UMEE200075号に示される特性および向上を与えるために、霞石閃長岩粉末を処理して、6ミクロン未満の有効粒径を有する超微細粒径霞石閃長岩生成物を生成する改良された方法に関する。この方法は、粉砕された粉末または最終生成物を乾燥させる必要なく、安定した使用可能な充填材生成物を生成する。最終生成物は、6ミクロンの最大粒径を有する狭い粒径分布を有する。
【背景技術】
【0002】
ガラスおよびセラミック製造において、霞石閃長岩は、ガラスまたはセラミック混合物の融解温度を下げるためのフラックスとして作用するアルカリを与え、それによって、高速融解および燃料節約を促進させる。また、ガラスにおいて、霞石閃長岩粉末は、熱耐久性を向上させるアルミニウムを供給して、化学的耐久性を向上させるとともに、引っかき及び破壊に対する耐性を向上させる。更に、霞石閃長岩粉末は、塗料、コーティング剤、プラスチック、および、紙において充填材または増量剤として使用される。霞石閃長岩粉末は、遊離シリカを含んでおらず、遊離シリカベースの充填材または増量剤と同程度の効果をもって依然として機能するため、望ましい材料である。該材料は、それが取って代わる遊離シリカ材料に類似する機械的特性を有する無機酸化物である。霞石閃長岩は、参照することにより本明細書に組み込まれる[非特許文献1]の論文に開示されるように、微粒子において何年間も利用できてきた。これらの機械的特性は、微粒子の形態を成す研磨剤である霞石閃長岩粉末の使用を伴う。その結果として、粒状霞石閃長岩は、霞石閃長岩粉末を使用して最終生成物を処理する際に使用される装置を急速に磨耗させて腐食させる傾向を有する。霞石閃長岩などの任意の有機酸化物材料の粒径を減少させることによって材料の研磨特性が低減されると判断されてきた。その結果、霞石閃長岩の使用によって助けられる生成物中への有効な分散を可能にするために、比較的小さい粒径を有する霞石閃長岩粉末を供給するのが一般的である。キャリア生成物中に細粒霞石閃長岩を分散させるときに幾つかの利点が実現される。これらは、最終生成物の硬度、光沢、および、輝度に関連している。霞石閃長岩を使用する利点を開示する特許としては、[特許文献1]、[特許文献2]、[特許文献3]及び[特許文献4]挙げられる。微粒子霞石閃長岩粉末の使用を示すこれらの代表的な特許は、参照することによって本明細書に組み込まれる。これらの特許は、様々な用途のために様々な粒径のこの特定の無機酸化物を供給する利点を説明している。約10ミクロン未満の超微細粒子を有する霞石閃長岩粉末は、様々な生成物においてかなりの利点を有し且つ霞石閃長岩粉末の有用性を大幅に増大させることが分かった。この形態の霞石閃長岩粉末は、コネチカット州のニューケーナンのUnimin CorporationによってMinex 10として販売されている。最近、実験的に、また、検査により、約6ミクロン未満の粒径を有する霞石閃長岩粉末が大幅に向上された物理特性および処理特性を生み出すことが分かった。これらは、本出願人の先出願UMEE200075に記載されている。そのような超微細粒霞石閃長岩は、磨損を殆ど伴うことなく製造装置によって搬送することができるとともに、特に塗料および他のコーティング剤で使用されるときに、この超微細粒霞石閃長岩粉末を利用する最終生成物の多くの特性をかなり向上させる。霞石閃長岩のこの超微細粒径を達成しようとする試みにおいて、粒状材料は、湿らされた後、マイクログラインダ内でスラリー状態で研削される。その後、超微細粒子は、回転窯または他のプロセスドライヤによって乾燥された。しかしながら、超微細粒子は、非常に活性があり、液体キャリア中で凝集する傾向があった。そのため、最終結果は凝集塊を含んでいた。このように、多くの粒子は、超微細霞石閃長岩粉末の所望の小さい粒径よりもかなり大きい有効な粒径を有していた。したがって、6ミクロン未満の制御された粒径を霞石閃長岩に対して与える有効性は、乾式ボールミルおよびエア分離機を利用するシステムをUnimin Corporationが開発するまで満足できるものではなかった。そのときまで、有効サイズが10ミクロンよりもかなり小さい、特に有効サイズが5−6ミクロン未満の最大粒径を有する霞石閃長岩生成物は、乾式ミリングプロセスにより最近になって形成されるまで市販されていなかった。この出願の譲受人であるUnimin Corporationが5−6ミクロン未満の粒径を有する超微細霞石閃長岩を生成するためのシステムを開発した後、この所望の超微細霞石閃長岩生成物をより効率的に生成するシステムの大きな商業的必要性があると判断された。関連技術における特定の粒径「未満」という用語は、粒径の少なくとも99.9%が指定された粒径よりも小さいことを意味している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,380,356号明細書
【特許文献2】米国特許第5,530,057号明細書
【特許文献3】米国特許第5,686,507号明細書
【特許文献4】米国特許第6,074,474号明細書
【特許文献5】英国特許第4,885,832号明細書
【特許文献6】米国特許第4,850,545号明細書
【特許文献7】米国特許第4,979,686号明細書
【特許文献8】米国特許第4,551,241号明細書
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Some Fundamental Properties of Nephelene Syenite by C.J.Koening,1938
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、約6ミクロン未満の粒径を有する霞石閃長岩粉末を生成するための効率的なシステムの発明に関する。乾式ボールミルおよびエア分類機は、99%を上回る粒子が5−6ミクロン未満のサイズを有する霞石閃長岩を生成できることが分かった。所望の超微細粒径の霞石閃長岩粉末を生成するための乾式ボールミルとエア分類機との組み合わせは、そのような霞石閃長岩粉末を生成するための非常に効率の高いシステムの開発をもたらさなかった。本発明は、かなり高い効率を有する、したがって、コストが節減される所望の霞石閃長岩粉末を形成する方法に関する。生成物自体は、コーティングなどの改良された生成物を形成するために低コストで市販されている。それは、塊にされない極めて細かい粒子の霞石閃長岩粉末を使用するのに有益なものであると判断され、また、乾式研削プロセスによって生成された。この発明は、このタイプの超微細粒霞石閃長岩粉末を形成するための新規な方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ある粒径プロファイルを有する霞石閃長岩粒子状供給原料を、その後の商業的使用のために、超微細粒径最終生成物へと変換する方法を使用することによって前述した目的を達成する。この超微細粒生成物は、約6ミクロン未満の粒径を有する。新規な方法は、約20ミクロンよりも大きい粒径を有する乾いた供給原料を供給することを伴う。実際には、供給原料は、D50が約10を超える所定の粒径分布を伴う約60ミクロンの最大粒径を有する。供給原料は、研削媒体で満たされた垂直に延びるチャンバ内で選択された高い速度で回転する攪拌アームを有する連続高速攪拌型ボールミルに、垂直下向きに通される。回転する攪拌アームによって媒体が高速で移動されるときに、媒体の作用によって前記供給原料が中間粉末へと研削される。中間粉末は、大幅に減少された粒径およびシフトされた粒径分布プロファイルを有しており、そのため、そのプロファイルは、流入する供給原料の粒径プロファイルよりも小さい。プロファイルは、25−35のD99および約2.5−3.5のD50を有する。その後、シフトされた粒径分布プロファイルを有する中間粉末は、所定の経路に沿って移動する高速エア流を使用してエア分離機に通され、それにより、超微細粒生成物が前記経路に沿って分類機から運ばれる。分類機はまた、超微細生成物よりも大きい粒子を含む粗い粒子状材料を、遠心力および重力によって目標の6ミクロン以下の粒子から分離できるようにする。粗い材料は、分類機から放出される。その後、約6のD99および約1.5−2.0のD50を有する6ミクロン未満の粒子を伴う超微細霞石閃長岩粉末の最終生成物は、エンドユーザへの出荷のために収集される。粗い材料は、再研削のため、高速攪拌型ボールミルへと戻される。垂直高速攪拌型ボールミルと、急速移動エア流を使用する後段のエア分類機との組み合わせは、6ミクロン未満の粒径を有する霞石閃長岩粉末を非常に効率的で効果的な方法で生成することが分かった。本発明の一態様によれば、エア分類機は、2つの段階を有する特定のタイプのエア分類機である。この場合、第1の段階は、粗い材料を分離するためのものであり、第2の段階は、エア分類機から移動される最終生成物から粉塵を除去するためのものである。
【0007】
本発明の好ましい実施形態において、供給原料は、粒子の99%が約50ミクロン未満となる粒径を有する。垂直高速攪拌型ボールミルの選択された速度は、約200−450rpmまで増大される。チャンバ内の媒体は、5mm未満の粒径を有し、好ましくは2.0−2.5mmの範囲の粒径を有する。媒体は、モース9の硬度を有するように選択され、セリア安定化酸化ジルコニウムである。試験は、好ましい媒体の代わりに酸化アルミニウムおよびタングステンカーバイドを用いることができることを示している。高い効率を確保するため、媒体は、チャンバの約50−80%まで満たされ、好ましくはその範囲のほぼ中間、すなわち、約70−77%まで満たされる。本発明の一態様によれば、研削助剤が媒体に対して所定の供給速度で加えられる。研削媒体は、通常は、ジエチルグリコールである。研削助剤を付加する速度は50−150ml/分の一般的な範囲である。研削助剤は、1.6重量%未満の用量を有する。システムの最も効率的な動作のため、攪拌型ボールミルにおける供給速度は、0.5−2.3kg/分の一般的な範囲である。実際には、供給原料は、約20−30%の粒子が5−6ミクロン未満の粒径を有する粒径分布またはプロファイルを有しており、また、ミルからエア分類機へと方向付けられる中間粉末は、約35−40%の粒子が5−6ミクロン未満の粒径を有する。ミルを通過する供給原料の研削時間を制御するため、ミルの排出ゲートは0.5−1.5mmの一般的範囲の開口を有する。
【0008】
本発明の二次的態様は、高い回転速度で作動される垂直ブレード回転リジェクタを有する主分類チャンバと、高速エア流に晒されるリジェクタによる分類のために粒子を保留する下側拡張チャンバとを有する、特定のタイプのエア分類機の選択および使用である。「サイドドラフト」エア分類機と呼ばれるこのタイプのエア分類機は、1500−1700rpmの一般的な範囲の高い速度で作動されるファンを有する。リジェクタの回転速度は、1200−1600rpmの一般的な範囲であり、好ましくは1400rpmを上回る。
【0009】
霞石閃長岩粉末を処理するために特に開発されたこの方法を使用することにより、5−6ミクロン未満の粒径を有する霞石閃長岩の効率的な生成が得られる。本発明の方法は、攪拌型ボールミルと新規な攪拌型ボールミルの下流側のエア分類機とによる霞石閃長岩供給原料の新規な垂直処理の使用に起因する高い効率を有する。エア分類機は、100未満のEinlehner研磨値を与える粒径を有する粒子を除去する。この研磨指示値は50未満であることが好ましい。実際には、攪拌型ボールミルによって形成される中間粉末からエア分類機によって分離される粒径は約5−6ミクロン未満である。粒径の分布は、約5ミクロン、例えば約1−6ミクロンであり、そのため、粒子は、超微細サイズであり、限られた分布プロファイルを伴って凝縮される。最終生成物におけるD50値は、1.5−2.0の範囲であり、約1.85に目標付けられる。霞石閃長岩は、供給原料を生成するように予め処理される。実際には、供給原料は、コネチカット州のニューケーナンのUnimin Corporationによって販売され且つMinex 3として特定される霞石閃長岩粉末であり、約50−60ミクロンの制御された最大粒径を有する。この供給原料は、攪拌アームを有する垂直に延びる連続高速攪拌型ボールミル内へ導入される。このボールミルの出力は、6ミクロン未満の多量の粒子を伴う中間粉末である。そのような中間粉末は、その後、最終生成物を生成するためにエア分類機に通される。本発明の一態様では、エア分類機がダイドラフトユニットである。本発明の他の態様によれば、エア分類機は制御された湿度を有し、そのため、この方法は、制御された湿度レベルでのエア分類を伴う乾式ボールミリングである。この広い概念は、新規であり、乾式ボールミルが垂直攪拌型ボールミルであるときに特に有利である。
【0010】
本発明の主な目的は、乾式システムで粒子状霞石閃長岩粉末を処理するための方法であって、結果として得られる生成物サイズが約6ミクロン未満であり、攪拌型ボールミルを作動させて使用するためにシステムが非常に効率的で安価である、方法の提供である。この方法は、約5−6ミクロンのD99、約1.9ミクロンのD50、および、0.5ミクロン未満のD1を有する粉末を生成する。
【0011】
本発明の他の態様は、約5−6ミクロン未満の粒径を有する霞石閃長岩粉末を生成する方法であって、ボールミルからの粉末を粗い材料と細粒最終生成物とに分離するために垂直乾式攪拌型ボールミルと出口エア分離機とを利用する方法の提供である。
【0012】
本発明の他の目的は、湿度制御機能を備えるエア分類機と共に乾式ボールミルを使用する方法であって、特に乾式ミルが垂直攪拌型ボールミルである方法の提供である。更に、本発明のこの目的の二次的特徴は、サイドドラフトエア分類機の選択および使用である。
【0013】
本発明の更なる目的は、垂直方向に効率的に作動される乾式ボールミルを使用して約5−6ミクロン未満の粒径を生み出すように霞石閃長岩粉末を処理する方法の提供である。
【0014】
本発明の更なる他の目的は、添付の特許請求の範囲に規定される方法の提供である。
【0015】
これらの目的および他の目的並びに利点は、添付図面と共に解釈される以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は約5−6ミクロン未満の超微細粒径を有する霞石閃長岩粉末を生成する際に使用される一般的な方法のブロック図である。
【図2】図2は乾式ボールミルの後段のエア分類機の一般的な機能を単に示すために簡略化されたエア分類機を描く概略側面図である。
【図3】図3は霞石閃長岩の粒径とその研磨特性との間の関係を表わす構成ラインのグラフである。
【図4】図4は実験的な6ミクロン未満生成物と本発明の6ミクロン未満生成物との間で得られる分布プロファイルを比較するグラフである。
【図5】図5は新規な方法の主要な態様を構成する作用を果たす垂直攪拌型ボールミルの斜視図である。
【図6】図6は図5に示される攪拌型ボールミルの断面図である。図6Aは本発明を構成する乾式ミルで使用される乾式研削プロセスの概略図である。
【図7】図7は図5および図6に全体的に示されるボールミルから出る中間粉末中に含まれる粗い材料から最終生成物を分離するために本発明で使用されるエア分類機の側面図である。
【図8】図8はシステムが図7に示される特定の分類機と垂直攪拌型ボールミルとを組み合わせる、本発明を構成する方法を実行するために使用されるシステムのレイアウト図である。
【図9】図9は図5から図8に示されるシステムによって実行される新規な方法に関する研削データを示す表である。
【図10】図9は本発明によって処理される霞石閃長岩生成物の粒径分布を表わすグラフである。
【図11】図11は図10のグラフに示される生成物の粒径に関する表である。
【図12】図12は本発明の方法にしたがって生成された最終生成物の検査された輝度および色を示す表である。
【図13】図13は図8に開示されるシステムによって実行される方法における様々な段階での霞石閃長岩材料の粒径分布を示すグラフである。
【図14】図14は本発明を実施する際に用いるのに選択される分類機の性能の要約を示す表である。
【図15】図15は本発明を実施する際に使用される分類機およびミルに関する動作データを示す表である。
【図16】図16は図7に示されるシステムを使用する方法によって生成される生成物の検査された色特性と共に分類機からの粒径分布を表わしている。
【図17】図17は分類機からミルへ戻される粗い材料に関する粒子分布、および、この粗い材料の測定された色特性を開示する表である。
【図18】図18はミルから出て分類機に入る霞石閃長岩中間生成物の粒径分布を、この生成物の測定された色特性と共に示す表である。
【図19】図19は本発明の基本的な態様を形成する連続高速攪拌型ミルの特性を示すグラフである。
【図20】図20は本発明の基本的な態様を形成する連続高速攪拌型ミルの特性を示すグラフである。
【図21】図19は本発明の基本的な態様を形成する連続高速攪拌型ミルの特性を示すグラフである。
【図22】図20は本発明の基本的な態様を形成する連続高速攪拌型ミルの特性を示すグラフである。
【図23】図23は本発明の基本的な態様を形成する連続高速攪拌型ミルの特性を示すグラフである。
【図24】図24は本発明の基本的な態様を形成する連続高速攪拌型ミルの特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
説明は、本発明の好ましい実施形態を示すためのものであって、本発明を限定する目的のものではなく、図1は一般的な方法100のブロック図である。この方法では、10ミクロン未満、好ましくは6ミクロン未満の超微細粒径を得るために、粒子状霞石閃長岩が処理される。該方法は、霞石閃長岩の粒径を制御するために使用される。この場合、霞石閃長岩の少なくとも99%が選択された設定超微細粒径を下回る。また、分布プロファイルは非常に狭く、すなわち、約5ミクロンの範囲である。本発明は、霞石閃長岩粒子の研磨特性が粒径の増大に伴って大幅に増大するため、超微細粒子と更に大きい粒子との混合物を含むだけの大きな粒径範囲の粒子状霞石閃長岩を生成しない。その結果、本発明では、粒径の少なくとも99%が設定値未満となり、設定値は好ましくは5〜6ミクロンである。これは、粒径分布プロファイルが2ミクロン〜11ミクロンの範囲にある霞石閃長岩とは異なる生成物である。
【0018】
一般的な概念を使用する一般的な方法100が図1に示されている。この場合、粒状形態の霞石閃長岩が第1の処理ステップ110で供給される。採鉱された粒子状材料は、標準的な機械装置を使用して乾式グラインダ112で研削され、そのため、格付けステップ114を使用して、結果として得られる粒子を特定の粒径内にすることができる。16メッシュスクリーンなどのスクリーンによって行なわれ得る格付けステップにおいて、出口ライン114aに沿って出る粒子は、第1の所定の値を有する。第1の値は約1000ミクロンの一般的な範囲にある。格付けステップでの機械的な16メッシュスクリーンの使用により、出力ライン114aに沿って流れる粒子は、ボールミル120のための最適な供給原料を形成するサイズを有することができる。乾式グラインダ112からの粒子のサイズがステップ114におけるメッシュサイズよりも大きい場合には、更に大きい粒子が出力ライン114bに沿って選別機116へと運ばれる。選別機では、大きい使用できない粒子が出力ライン116aに沿って排出されるとともに、小さい粒子が戻しライン116bを介してグラインダ112へと再び方向付けられる。したがって、方法またはシステム100の入口部は、本発明に係るその後の処理につながる所定の第1の粒径を生成する。この粒径は1,000ミクロンとなるように選択されるが、これは単なる典型例であり、出力ライン114aからの粒子は任意の特定の所定の粒径を有することができる。これが方法100における第1の所定の粒径である。実際には、出口ライン114aにおける格付けされた霞石閃長岩はグレイン25メッシュサイズ(600ミクロン)を有する。ステップ110、112、114は、採鉱された生成物を6インチ未満の塊まで減少させるための一次ジョーおよびコーンと、材料を乾燥させるための回転窯と、岩石を1インチ未満まで減少させるためのコーン粉砕機と、垂直シャフト衝撃粉砕機の形態を成す三次粉砕機とを備える。その後、材料は、25メッシュスクリーンを通過するように格付けされ、出口ライン114aで供給される。
【0019】
出力ライン114aで特定の所定サイズを有する霞石閃長岩は、粒子をスラリーにするために液体を加えることなく超微細粒子を生成するように作動される供給原料ボールミル処理ステップ120へと方向付けられる。したがって、超微細粒子は、ステップ120のボールミルから出力ライン122に沿って排出される。ステップ120においては任意の標準的な超微細ボールミルを使用することができる。ステップ120のボールミルからの超微細粒子は、出力ライン122を通じて出て、標準的なエア分類機によって処理される。このエア分類機は、ブロワ132からの処理エア速度によって調整される。ブロワは、高速エアをライン132aを通じて標準的なエア分類ステップ130へと方向付ける。エア分類ステップは、そのような超微細粒子を出力ライン134を通じて方向付けることによって5ミクロン未満の粒子を除去する。これらの粒子は収集機136内に蓄積できる。標準的なエア分類手続きにしたがって、所定の第2の値の最大粒径を有する粒子が分離されて収集機136へと方向付けられる。これらの粒子は、10ミクロン未満であり、好ましくは5〜6ミクロン未満である。実際には、99%を超える粒子が約5〜6ミクロン未満の粒径を有する。無論、エア分類機は、ある分布プロファイルを伴って超微細粒子を除去する。プロファイルは5〜6ミクロン−約1ミクロンである。約0.5ミクロン未満のサイズを有する粉塵が、ブロワ132からのエアによってライン138を通じて運ばれて、粉塵レセプタクルまたは収集機140内に収集される。エア分類機130は、収集機152へ方向付けられる大粒子排出ライン150も有している。この収集機から、大粒子がライン154を通じてステップ120のボールミルの入力へと再循環される。ライン114aからの供給原料およびライン154からの戻り粒子は、乾式ボールミルステップ120によって処理されて、出力ライン122を通じて標準的で一般的なエア分類機130へと方向付けられる。エア分類機は、収集機136内での蓄積にとって望ましい粒子を分離する。また、エア分類機は、許容できない小粒子を収集機140内へ排出する。大粒子は収集機152を通じて再循環される。このように、連続するインライン方法100は、採鉱された霞石閃長岩を受け入れて、10ミクロン未満、好ましくは5〜6ミクロン未満の超微細粒子を伴う霞石閃長岩を出力する。方法100によって生成された霞石閃長岩の粒子の分布は、1〜5ミクロンの一般的な範囲である。その結果、天然採鉱材料である霞石閃長岩において粒径に関する特定の低い値が得られる。分布プロファイルは、約4ミクロン未満であり、5ミクロンの一般的な範囲の最大サイズを有する。上側の値が10ミクロン未満で下側の値が少なくとも1ミクロンである4−5ミクロンの分布プロファイルは、方法100の出力材料を規定する。
【0020】
後で分かるように、本発明は、特定サイズ範囲の粒子を浮遊微細粒子から除去する装置である特定のエア分類機を組み合わせて使用して湿式研削を伴うことなく超微細粒子を生成するために新規な乾式ボールミルの組み合わせを伴う。背景として、一般的なエア分類機の概略表示が図2に機能的に示されている。粒子は、ライン122から供給原料としてエア分類機130へ直接に排出される。エア分類機130は、ブロワ132のための入口トンネル200として描かれるエア入口を有する。スクリーン202は、外部材料の大粒子が入口またはトンネル200内の高流量のエアによって引き込まれるのを防止する。この背景の組み合わせにおいて、分類機速度は一般に約4,000RPMであり、総流量は約6,000CFMである。入口トンネル200を通じたそのような高いエア速度は、ライン222から供給原料を受け入れるためのホッパ210よりも下側の領域へと方向付けられる。霞石閃長岩は、それが取り込まれる入口トンネル200を通じてホッパ210から落下されるとともに、制御されたバッフル220を通じてエアにより運ばれる。分類機130によって抽出されるべき所定の値を上回る大粒子は、図1に示される方法100の出口150であるライン222を通じて重力により排出される。そのような大粒子は、コンベア230上に収集され、このコンベアによって収集機入口漏斗232へと輸送されて、図1に概略的に示されるように、収集機152へ排出され、ライン154によってボールミルへと戻される。エア輸送流140がトンネルまたはチューブ200を通過して大容量フード242へと至る。この場合、粒子輸送エアの速度と比べたフードのサイズによってエアの搬送能力および圧力差が制御される。エアとフードとのこの組み合わせにより、輸送エア240は、領域250で抽出されるべき所定サイズの粒子を出口ライン134へ落とし込ませて収集機136内に堆積させることができる。したがって、大粒子は重力によって収集機152内に排出される。所望の分布範囲を有する粒子は収集機136内に堆積され、また、分類機130によって分離されるべき所望の材料よりも小さい他の微粉または粉塵は、チューブ260を通じて漏斗138aの形態を成す排出部138へと運ばれ、それにより、微粉または粉塵が収集機140内へ排出される。エアは、図2に概略的に示されるようにライン262から排出される。このように、図2には、分類機130が超微細供給原料をライン122から受ける場合のエア分類機の機能が示されている。これは、一般的方法100のステップ120で使用される乾式ボールミルによって生成される出力である。選択された厳しい範囲の超微細粒径を霞石閃長岩に与えるための乾式ボールミルとエア分類機との組み合わせは、コネチカット州のニューケーナンのUnimin Corporationによる発見前には達成されていなかった。
【0021】
一般的方法100にしたがって霞石閃長岩を処理することにより、Einlehner研磨値(EAV)は、10ミクロンの最大粒径において100未満であり、材料が5ミクロンの最大粒径を有する好ましい実施形態において約50の値であることが分かった。図3において、ライン300は、3ミクロン、10ミクロン、20ミクロン、35ミクロン、60ミクロンの最大粒径をそれぞれ有する霞石閃長岩のサンプルである点302、304、306、308、310の線形回帰である。これらの様々なサンプルを使用する材料における研磨数または研磨値(EAV)は、直線回帰によるライン300を構成するための図3に示される点を決定する。図示のように、5〜6ミクロンの最大粒径に関しては、50のEinlehner研磨数または研磨値が得られる。10ミクロンでは、値または数が100である。試験により、研磨数または研磨値が低くなればなるほど、霞石閃長岩を使用して様々な材料を処理する装置で存在する磨耗が少なくなることが示された。100未満の値、好ましくは約50の値を有することが望ましい。この値は、処理された霞石閃長岩の粒径が5ミクロン未満、一般的には1−5ミクロンの範囲にあるときに得られる。これは、分布プロファイルおよび超微細粒径にとって非常に小さい範囲である。これは、これまでUnimin Corporationによって製造される前に商業的な量において経済的に得られなかった改良された霞石閃長岩を生成する。
【0022】
図1のフローチャートまたは図に示される方法にしたがって生成物を生成した後、結果として得られる生成物は、6ミクロンの最大粒径と、約0.5ミクロンの最小粒径とを有していた。最終生成物の分布が図4のグラフ400に示されている。この場合、粒子のほぼ全てが6ミクロン未満である。検査された分布が示すように、最小粒径は0.5ミクロンであり、粒子の約10%だけがこの小さいサイズを有していた。方法100を実施することによって得られる分布と実験室プロセスによってのみ得られる粒径分布との比較を得るために、実験室環境で5ミクロン未満の霞石閃長岩が生成された。1−6ミクロンの粒径範囲を有するこの実験材料においては、分布曲線402が得られた。この生成物は、比較媒体を与えるために湿式プロセスを使用した。図示のように、図1に示される方法100の大量生産型の大量商業用途は、粒径が6ミクロン〜約1ミクロンに制御される場合、実験材料の曲線402にかなり類似する分布曲線をもたらす。唯一の違いは、大量生産型の商業的な方法100が、典型的な6ミクロン未満霞石閃長岩を生成するための実験室制御プロセスによって可能な直径よりも小さい直径をもつ粒子を僅かに有するという点である。一般的方法100は、0.5−5.0ミクロンの範囲の超微細粒径を有する霞石閃長岩を生成する。
【0023】
図1に開示される方法100は、図2に概略的に示されるエア分類機を使用することによって微粒子状の霞石閃長岩を形成するための方法の一般的開示である。この方法は、図5、6、6Aに示される垂直な連続攪拌型ボールミルの選択を伴う本発明によって最適化されて非常に効率的にされる。この特定のタイプの乾式ボールミルは、図7に示される二段分類機と組み合わされる。この発明は、特定の乾式ボールミルを使用するとともに、二次的概念として、独特のボールミルと特定の分類機との組み合わせを使用するという独特の方法を構成する。該方法は、図8に示されるシステムによって行なわれる。このシステムを特定のパラメータと共に使用する方法が本発明を構成し、また、図8は新規な方法の好ましい実施を示している。本発明は、攪拌型の垂直に動作される乾式ボールミルが、[許文献5](参照することにより本明細書に組み込まれる)の構造から変更される特定の分類機と組み合わされると、約5−6ミクロン未満の粒径を有する超微細粒状の霞石閃長岩生成物を生成する本発明の方法を実行するための高効率のシステムをもたらす、という発見である。この生成物は、大粒子を有する霞石閃長岩から大幅に向上された物理特性を有するとともに、商標MINEX 12の下でコネチカット州のニューケーナンのUnimin Corporationによってエンドユーザへ今後提供され或いは既に提供されている。特定の垂直なボールミルによって二段分類機との組み合わせとしてこの大幅に改善された霞石閃長岩生成物を生成する独特の方法が本発明の態様を構成し、また、本発明の好ましい実施形態が図5から図8に示されている。
【0024】
垂直に動作される攪拌型ボールミル
本発明の好ましい実施形態で使用されるボールミルは、[特許文献6]及び[特許文献7]に概ね開示されるタイプのものである。これらの2つの特許は、垂直攪拌型ボールミルに関する背景情報として、参照することにより本明細書に組み込まれる。本発明の主要な態様を構成する垂直連続攪拌型ボールミルは、図5および図6に参照符号10で全体的に示される高速乾式グラインダである。これは、垂直攪拌型乾式ミルであって、フロア支持プレート11を含んでおり、このフロア支持プレート上に機械フレーム10が装着される。機械フレームは、本質的に、水平ベース部材12aと、水平ベース12aと一体の或いは水平ベース12aに対して溶接される対向垂直脚部12b、12cとから成る。垂直脚部12bは、機械の全高の一部だけにわたって上方へ突出し、後述するように粉砕容器を回動可能に装着するための支持体としての役目を果たす。
【0025】
垂直脚部12cの一方の表面上には、モータ13およびモータ用の装着プレート13aが、モータのためのスタータ14および装着プレート14aと共に装着されている。脚部12cの一方の面には通常のプッシュボタン制御装置15も含まれており、またこれは、攪拌器のためのドライブトレインとしての機能を果たすために従来の態様でモータ13に取り付けられるプーリ・ベルト機構(図示せず)の脚部12dの上端に装着される。
【0026】
ここで説明される構造は、当技術分野においてある程度周知であるため、詳しく説明しない。モータ13は、スタータ14によって扇動されると、以下に記載される目的のために適切なカップリングおよびベアリングによって回転動作を攪拌シャフトへ伝えるためにベルト・プーリ機構を駆動させる。
【0027】
選択的に回動動作できるように粉砕容器20が脚部12b、12cに対して装着され、それにより、容器内部へアクセスするために容器全体を回動させることができる。脚部12b上には回動装着アセンブリ22のみが操作ハンドル22aと共に示されており、操作ハンドル22aは、容器20に接続されたシャフト・トラニオンを用いて、ウォーム・ギアに対して接続される。同様のシャフト・トラニオン取付具が容器20を脚部12cと接続する。しかしながら、容器20は研削中に固定位置でロックされるようになっており、そのため、容器ロックハンドル19が使用される。粉砕容器20は、クランプ23によって容器の本体に対して固定される取り外し可能な蓋21も有しており、また、容器の下端に隣接して、1つ以上の排出バルブアセンブリ50が容器の壁上に装着される。攪拌アセンブリの攪拌シャフトおよびシャフトカップリングを覆うシャフトガードカバー17が、蓋21の上端から内側へ突出している。蓋21の上端には、適切なアパーチャを有する供給シュート18も装着されており、これにより、選択された供給原料をシュート18を通じて容器20内へ堆積させることができる。
【0028】
ここで、図6を参照すると、粉砕容器20は、内側円筒側壁25と底壁26とを有する本体24を含む。図示のように、本体は、25a、26aで示されるように二重壁であり、そのため、そのようにして形成されるキャビティ内へ、入口および出口ポート25b、25cをそれぞれ介して冷却水を導入することができる。また、脚部12b、12c上に容器20を回動可能に装着するために、外側壁25a上の中間点よりも上側にトラニオン27も装着される。蓋21は、容器の開放端に受けられてクランプ23によって固定される。蓋は、攪拌アセンブリ40の攪拌シャフト41を受けるための開口21aと、供給シュート18と連通する開口とを有する。シャフト41は、蓋21よりも上側に突出する一端を有するとともに、キー溝41aを有する。シャフトのこの端部はカップリングに接続されており、また、該カップリングはプーリのシャフト・ベアリングに接続され、更に、該シャフト・ベアリングは、図5に関して既に説明したようにモータ13に接続される。シャフト41は矢印zの方向に回転されてもよい。そのような接続は当技術分野において周知である。
【0029】
研削媒体または要素Mは、容器20内に収容されるボール状のものであり、容器はある割合まで満たされる。媒体および媒体のサイズの選択は後述するが本発明の特徴である。媒体は、一連の径方向に延びる攪拌アーム42を有するシャフト41を含む攪拌アセンブリによって研削目的で攪拌される。攪拌アーム42は、孔41bを貫通して突出しており、シャフト41の長手方向軸に沿って連続的に配置され、最終的に、90°の径方向角度で配置される。攪拌型ボールミルのこの実施形態において、攪拌アームのそれぞれは、L形状であり、長い脚部42aと、半径部42cによって長い脚部に結合され且つ該半径部から略90°で突出される短い脚部42bとを有する。アームまたは脚部は、図6Aに示されるように直線状であることが好ましい。長い脚部42aは、長手方向の中間点の周囲に1つ以上の粉砕環状スロット42dも有している。図示のように、攪拌型ボールミルのこの実施形態は、シャフト41を通じて挿入され且つ環状ミルスロット42d内に受けられるピン43によって所定位置に保持される攪拌アーム52を含む。複数の切り欠き42dを設けると、アームの直角脚部42bを内側側壁25aへ向けて或いは内側側壁から離間するように延ばすことができるように、混合アーム42を装着して配置できることが容易に分かる。攪拌型ボールミルのこの特定の実施形態において、アーム42の位置は、特定の研削動作のために選択される。実際には必要ないが、図7に示される攪拌型ボールミル10は、垂直シャフト41上に一連のダイバータディスク34を備える。これらのダイバータディスクはそれぞれ中央アパーチャを有しており、それにより、ダイバータディスクは、シャフト41に沿ってスライドされるとともに、攪拌アーム42の各対に対して交互の関係を成して図7に示されるように配置される。必要とされてもよい或いは必要とされなくてもよいこれらのダイバータディスクは、各ディスク44の上下に軸方向に配置され且つ攪拌アーム42の周囲に嵌まるように径方向切り欠き45aを有する一連のサドルスリーブ45により、軸方向に移動しないようにシャフト上の所定位置に保持される。
【0030】
図6および図7に示される攪拌型ボールミルは、高速で作動するようになっているが、前述した乾式の様々な研削デバイスから成り、乾式研削のために過去に使用された通常の底部排出デバイスとは異なり排出が連続しているものとして特徴付けられてもよい。排出は、研削された材料に対して与えられる遠心力によるものである。図7の右下角の端部はスクリーン41を示しており、このスクリーンを通じて、研削された材料または中間粉末Pがバルブアセンブリ50および排出シュート50aへと移動する。これは、垂直攪拌型ボールミルの技術的動作を説明している。この場合、供給原料は、シュート18へ導入されて、媒体Mを下方へと通過して排出シュート50aへと至り、それにより、望まれる特定のどのような形態の攪拌アームであっても、供給原料がボールミルから出るときに供給原料の粒径プロファイルを減少させることができる。この乾式プロセスは、本発明では5−6ミクロン未満である所定の粒径サイズを下回る供給原料中の粒子の割合を大幅に増大させる。本発明を実施する際に使用され且つ好ましい実施形態に示される攪拌型ボールミルの動作特性が、図6Aに概略的に示されている。研削プロセスは、乾式研削処理を引き起こすシャフト41による攪拌アーム42の急速回転を伴い、これにより、媒体Mは、「Kinemetric porosity」と呼ばれる無作為な動作状態へと攪拌される。これについては、参照することによって本明細書に組み込まれるDry Grinding Attritorsと題された冊子を参照されたい。垂直乾式攪拌型ボールミルは「磨砕機」とも称される。媒体の拡張状態では、媒体および供給原料Fの粒子は自由に移動できる。これらは、衝突して互いに影響を及ぼし、それにより、供給原料が容器20を通じて垂直下方へ移動するときに供給原料の有効粒径を減少させる。容器20内に所望の高さまで満たされた媒体Mは、攪拌アーム42によって円筒壁25へ向けて外側へ推進され、それにより、垂直下方へ移動する供給原料Fの乾式研削を可能にする攪拌動力学的研削作用が引き起こされる。
【0031】
動作時、内壁25からのアーム42の間隔は、通常、研削要素または研削媒体のサイズによって決定され、また、間隔は、通常、ボールまたは媒体の直径の4−7倍である。同じ間隔配置が最も下側の攪拌アーム22と容器20の底壁26との間で維持される。ダイバータディスク44の直径が容器20の直径の50%〜約83%である場合にボールミルの所望の結果を得ることができる。本発明の好ましい実施形態において使用されてもよく或いは使用されなくてもよいこれらのダイバータディスクは、容器20を通じた供給原料Fの外側円筒運動を維持する。ダイバータディスクは、図6Aのミルでは使用されない。攪拌型ボールミル内の乾いた研削材料は一般に5mm〜13mmである。しかしながら、本発明の方法を行なう場合には、媒体が例えば5mm未満、好ましくは2.0−2.5mmの範囲のかなり減少されたサイズを有することが分かっている。
【0032】
乾式研削においてシャフト41が回転される一般的な速度は、6.5インチ直径の攪拌アームを用いると、約300−350rpmである。アームの速度が非常に大きいため、材料は、混合中に真っ直ぐな円柱体を形成する傾向を有する。しかしながら、ダイバータディスク44を加えると、これを壊して、材料流れの一部をディスク間の領域へとそらし、それにより、更に細かい研削を確保する研削チャンバ内での共振時間が増大する。この概念は、本発明の好ましい実施形態で使用される。
【0033】
図5、図6、図6Aに示される攪拌型ボールミル10は、本発明の好ましい実施形態を実施する際に説明されるように、特定の供給原料に基づいて選択されて動作される。本発明の一態様は、図7に示され且つ次の節で説明される独特の選択された分類機と組み合わせた垂直攪拌型ボールミルの使用である。
【0034】
本発明によれば、供給原料Fは、約20ミクロンよりも大きい最大粒径を有し、また、好ましくはコネチカット州のニューケーナンのUnimin Corporationによって販売されるMinex 3では50−60ミクロンの最大粒径を有し、所定量の粒子が6ミクロン未満である。ミル10は、図7に示されるエア分類機へと方向付けられる中間粉末P中の小粒子へと粒径分布をシフトさせることにより、供給原料Fを研削して6ミクロン未満の粒径を有する更に多くの粒子を生成する。これについては、図10および図13の最終生成物および中間化合物の粒径分布を参照されたい。
【0035】
エア分類機
約6ミクロン未満の粒径を有する超微細霞石閃長岩粉末を形成するための独特の新規な本発明を実施するため、一般的なエア分類機を攪拌型ボールミル10と組み合わせることができる。しかしながら、本発明の二次的な態様は、ミル10を図7に示される特定の二段エア分類機700と組み合わせることである。このサイドドラフト分類機が選択されて使用される。エア分類機700は、定められた経路に沿って移動する急速移動高速エア流を使用して、超微細粒子の割合が高い中間粉末Pを前記経路に沿って搬送する。分類機700は、超微細生成物サイズよりも大きい粒子を含む粗い粒子状材料を遠心力および重力によって分離できるようにする。この粗い材料CMは、その後、分類機700から放出される。二段エア分類機700は、一般的に[特許文献8]において引用されるタイプのサイドドラフトエア分類機構を使用する。前記特許文献9は、参照することにより背景情報として本明細書に組み込まれる。本発明の新規な方法を実施する際に使用されるサイドドラフトエア分類機は、モータ712によって高速で作動される垂直のテーパブレードロータリリジェクタまたはケージ710を含む。下側拡張チャンバ714は、上側の円錐分離チャンバ716の出口と連通される。モータ712は、エア分類機700のための粒子分離プロセスを行なうために1200−1600rpmの一般的範囲の超高速でリジェクタ710を駆動させる。リジェクタ710は、図5および図6に示されるように中間粉末Pがミル10の出口シュート50aから1つ以上の粉末入口720、722を通じて方向付けられるときに、高速で回転される。粉末Pは、矢印xで示されるように分離チャンバ716内を下方へ流れる。その結果、中間霞石閃長岩粉末Pは、入口720、722で分類機700内へと方向付けられ、そのため、1400−1700rpm付近の超高速でモータ732により駆動されるエアファン730が、排ガスおよび戻された清浄なエアを入口734を通じて引き込み、そのエアを出口736を通じて超高速で押し進める。この超高速エア流は、図7に示される選択された経路内でエア流が粉末へと移動するときに中間霞石閃長岩粉末Pから、約6ミクロン未満の粒径を有する霞石閃長岩である最終生成物FPを分離する際に使用される。エア経路は、幾つかの別個の機能部分を有する。経路A1中のエアは、下側拡張チャンバ714へと方向付けられる高速の略清浄なエアであり、下側拡張チャンバでは、エアが螺旋経路B1として示される遠心渦を形成させられる。拡張チャンバ714は自由な出口エア流を許容しないため、経路A1からの高速エアは、下側拡張チャンバ714よりも上側の円錐チャンバである分離チャンバ716内を経路A2に沿って上方へ移動しなければならない。分離チャンバ716の上側部分で、エアは、径方向矢印A3で示されるように高速ロータリリジェクタ710内へと推し進められる。リジェクタ710は、流入する中間粉末Pにおいて粗い粒子から細かい粒子を分離し、それにより、エア移動A4で示されるように、細かい粒子がリジェクタケージから運ばれる。このようにして、サイドドラフトエア分類機700は、分離された材料を経路A4に沿って入口742を経由して分類機700の最終段階セパレータ740へと方向付ける。中間粉末Pの粒径プロファイルは、エア流A4により運ばれる霞石閃長岩粉末の粒子材料プロファイルよりもかなり大きい。このプロファイルは、その粒子の99.9%を6ミクロン未満にする。これは、図5および図6のミル10および図7のエア分類機700によって得られる粒径の定義である。リジェクタケージ710から所望サイズの粒子を運ぶエア流A4は、フード出口762で上側リジェクタフード750と連通する管路750を通過する。
【0036】
二段エア分類機700は、[特許文献8]に示されるタイプのものであり、本質的に、高速エアが入口770を経由して拡張チャンバ714へと方向付けられる第1の段階に分けられる。拡張チャンバ内で、エアは、リジェクタケージ710によって処理するため、分離チャンバ716を通じて上方へ移動しなければならない。しかしながら、特定量のエアが拡張チャンバ714内でエア流B1によって示されるように主エア経路からそらされ、それにより、粗い材料CMは、ロータリバルブ・エアロック772を通じたその後の搬送のため、拡張チャンバ714の下側部分に堆積される。動作の第1の段階において、高速エアは、下側拡張チャンバ714内へ流れ込み、その後、エア流B1で示されるような渦を形成する僅かな量のエアと共に分離チャンバ716内へと上方へ流れ、それにより、図7に示されるように遠心力および重力が粗い材料CMをバルブ・エアロック772を介して下方へ移動させるように、選択されるべき超微細生成物よりも大きい大粒子を方向付ける。同時に、中間粉末Pがエア流A2によって運ばれる。径方向エア流A3は、本発明の超微細生成物を管路750内で生成するために、粉末Pの粒子をリジェクタケージ710に通過させる。最終生成物FPはエア流A4によってセパレータ740へと運ばれる。このようにして、粗い材料は、分類機700の第2の段階すなわち最終段階セパレータ740へと移動する所望の超微細粒霞石閃長岩粉末から分離される。セパレータ740は、上側ハウジング780と、螺旋矢印B2で示される微細生成物高効率コレクタサイクロンを形成する円錐ダウンドラフト部782とを有する。ハウジング780は、円錐形であり、下側拡張チャンバと中間粉末Pから分離された微細生成物を受けるためのキャッチホッパ784とに収束する。ロータリバルブ・エアロック786は、分類機700の第2の段階からの最終生成物FPを方向付ける。要約すると、中間粉末Pは、高速リジェクタケージ710および高速エア流誘導ファン730によって作動される二段エア分類機700によって処理される。その後、分類機は、流入する中間粉末を、粗い材料CMと、最終生成物FPとしての約6ミクロン未満の粒径を有する超微細粒霞石閃長岩粉末とに分ける。分類機700の2つの段階同士の間でエア流を完結させるため、セパレータ740内へと下方に延びる円錐戻しフード792と連通される清浄エア戻しダクト790が設けられ、それにより、直線戻しエア経路C2内へと移行する初期ねじれ経路C1内でフード792からの清浄エアがセパレータから引き出される。結果として、清浄なエアは、生成物FPから分離され、高速エアファン730のエア入口734に戻される。実際には、上側フード760と高速リジェクタケージ710との間にマイクロシール794が設けられる。このようにして、エア分類機700は、ミル10が霞石閃長岩供給原料Fの粒子プロファイルを中間粉末Pにおけるシフトされた粒径プロファイルへと減少させた後に、粗い材料CMから最終生成物FPを分離する。粉末Pは、サイズが6ミクロン未満の粒子の数がミル10の流入供給原料Fよりも多い。エア分類機は、粉末Pを最終生成物FPと粗い材料CMとに分離する。
【0037】
二段遠心エア分類機700は、[特許文献8]に概ね示されるProgressive Industriesから提供されるMicro−Sizerである。この分類機は、垂直ブレードロータ「リジェクタ」を有する主分類チャンバと、下側拡張チャンバとを備え、下側拡張チャンバ内で、粒子は、リジェクタによる分類のためにエア中に浮遊される。リジェクタまたはリジェクタケージ710は高速で作動する。速度が高くなればなるほど、最終生成物としてリジェクタを通過できる粒子が微細になる。粗い材料CMは、最終的に、拡張チャンバの底部から落下される。ロータリジェクタケージを通過する細かい生成物を収集するために別個のサイクロンが使用される。システムは、殆どのエア分類機において一般的な場合よりも高い割合の利用可能な微粒子を回収する目的でシールされる。分類機は、特に5−6ミクロン程度にカットするようになっている速度で作動され、粉塵収集を必要としない。
【実施例】
【0038】
本発明の方法
本発明は、少なくとも20ミクロンの最大粒径を有する粒径プロファイルをもつ霞石閃長岩粒子状供給原料Fを、その後の商業的な使用のために、超微細最終生成物FPへと変換するための方法に関する。細粒最終生成物FPは、6ミクロン未満の粒径を有しており、約20ミクロンよりも大きい、実際には約60ミクロンよりも大きい粒径を有する乾いた供給原料を供給することによって得られる。この方法は、図8に示されるシステムSによって行なわれる。供給原料Fは、図5および図6に概略的に示される連続高速攪拌型ボールミル10に垂直方向下向きに通される。乾式ボールミルは、研削媒体で満たされる垂直に延在されたチャンバ内において選択された高い速度で回転される攪拌アームを有しており、そのため、供給原料Fは、図6の説明およびDry Grinding Attritorsと題される冊子に関連して説明される回転攪拌アームによって媒体が高速で側方へ移動されるときに、媒体の作用によって中間粉末Pへと研削される。中間粉末Pは、供給原料Fの粒径プロファイルよりも大幅に減少された粒径プロファイルを有する。中間粉末は、その後、図7に示される分類機700に通過される。この分類機は、所定の選択された経路を通過する急速移動高速エア流を使用して、最終生成物FPを備える超微細粒材料を前記経路に沿って運んだ後に分類機から運ぶ。分類機は、超微細生成物中の粒子の目標サイズよりも大きい粒子を含む粗い粒子状材料CMを遠心力によって分離した後に、分類機700から放出できるようにする。このようにして、超微細生成物FPが収集され、粗い材料CMが再研削のために高速ボールミル10へと戻される。好ましい実施形態における分類機700は、粗い材料を分離するための第1の段階と最終生成物から粉塵を除去するための第2の段階とを有する、特許文献8に示される二段エア分類機である。粉塵を伴うエアは、約1ミクロン未満の粒子を含んでおり、分類機のファンへ戻されるほぼ「清浄なエア」である。供給原料は、99%の粒子が約50ミクロンよりも大きい粒径を有している。実際には、供給原料Fの99.9%が約60ミクロン未満である。平均D50粒径の供給原料Fは約10−11ミクロンである。ミル10内の媒体の粒径は、一般に5mm未満であり、好ましくは2.0−2.5mmの範囲である。媒体硬度は約モース9である。確かに、媒体はセリア安定化酸化ジルコニウムであるが、他の安定化された形態の酸化ジルコニウムおよび酸化アルミニウム並びにタングステンカーバイドが使用されてきた。ミルの媒体は、チャンバの約50−80%まで、好ましくは約70%まで満たされる。
【0039】
新規な方法は、図8に開示されるように、攪拌型ボールミル10と好ましくはサイドドラフト分類機700であるエア分類機とを含むシステムSによって行なわれる。乾式攪拌型ボールミルとエア分類機との組み合わせは既に詳しく開示してきた。システムSは、一般に約60ミクロンのD99粒径を有する霞石閃長岩粉末の流入バッグである供給原料の供給源800を有する。実際には、この供給原料は、コネチカット州のニューケーナンのUnimin Corporationによって販売されるMinex 3である。新たな霞石閃長岩材料802は、ホッパ810へと方向付けられ、このホッパから出力バルブ811によってミル供給ライン812へと方向付けられる。供給原料は入力コンベア820へと方向付けられ、入力コンベア820は、実際には、供給原料をミルホッパ822内へ堆積させるバケットエレベータである。制御バルブ824が供給原料をミル入力コンベア826へと方向付け、それにより、供給原料が図6に示されるミル10の入口シュート18へと運ばれる。供給原料Fの粒径分布から大幅に減少された粒径分布を有する霞石閃長岩粉末である中間粉末Pは、図6に示されるミル10の排出シュート50aから出る。中間粉末Pは、バケットエレベータでもあるコンベア832を通過して方向付けられ、それにより、中間粉末Pが図7に示されるエア分類機700の上側入口720、722内へ堆積される。システムSにおいて、材料CMは、大型サイズの材料を分類機700からミル供給ライン812へと方向付けるようにコンベア840により戻されて、新たな材料802と組み合わされ、ミル10内での研削のための供給原料Fを形成する。したがって、供給原料Fは、ライン812からの新たな材料、および、コンベア840からの戻り材料である。本発明の方法は、図5および図6の攪拌型ボールミル10と図7に示される特定のエア分類機とを使用する図8に示されるシステムSによって行なわれる。
【0040】
本発明の方法のパラメータおよびデータ
図8のシステムSは、D99.99が約6ミクロン未満であることを示す約6ミクロン未満の粒径を有する霞石閃長岩最終生成物を生成するように組み立てられて作動される。方法は、下降流攪拌型ボールミルと、エア分類機、特に前述したように作動され且つ添付の特許請求の範囲に記載される二段サイドドラフトエア分類機とを選択することを伴う。実際には、攪拌型ボールミルは、オハイオ州のアクロンにあるUnion Processing社から提供されるHigh Speed Attritor Model HSA−100である。このミルは、図6Aに示されるように媒体Mを保持するようになっているゲートを通じて生成物が排出される連続高速攪拌型ボールミルである。85ガロンミルは、24インチ径アセンブリによって約300rpmで攪拌される。150馬力モータは最大190アンペアまで引き上げることができる。ミルシェルは、ミリング動作中に生成された高温を和らげるためにウォータジャケットを有する。本発明によれば、媒体Mは、セリア安定化酸化ジルコニウム(5mm未満の粒径を有するが、好ましくは2.0−2.5mmの範囲の粒径を有する「セリア」)を含むように選択された。選択された媒体は、そのようなデバイスでこれまで使用された媒体よりもかなり硬いモース9の硬度を有する。本発明の方法の実施に用いるのに好ましいサイドドラフトエア分類機は、アラバマ州のシラコーガのProgressive Industriesから提供されるMicro−Sizer Model MS−10である。図7に示されるMicro−Sizerは、垂直ブレードロータ「リジェクタ」またはリジェクタケージ710を有する主分類チャンバと、下側拡張チャンバ714とを備えており、下側拡張チャンバ714内で、粒子は、上側リジェクタによる分類のためにエア中に浮遊される。リジェクタは、本発明によれば1200−1600rpmの範囲、好ましくは1300−1600rpmの範囲である高い速度で作動する。リジェクタにおけるこの極めて高い回転速度は、本発明にしたがって細粒生成物を生成するために必要であることが分かった。分類機700内の高速エア流は、ファン速度を1400−1700rpm、好ましくは1500−1700rpmの範囲の超高レベルまで増大させることによって生成される。粗い材料CMは、最終的に、拡張チャンバの底部から落下する。分類機700の第2の段階では、サイドドラフト分類機のロータまたはリジェクタを通過する最終生成物を収集するために使用される別個のサイクロンが存在する。本発明の第2の態様において、リジェクタの上側部分は、高速回転リジェクタと出口フード760との間がマイクロシール794によってシールされる。このタイプのサイドドラフトエア分類機を選択することによって、本発明の方法が行なわれ且つ粉塵収集を必要としないことが分かった。図8に示されるシステムSは、ミル10とエア分離機700との間での様々な霞石閃長岩材料の移動を示している。分類機の粗い材料CMは、スクリューコンベアおよびバケットエレベータによってミル10へ戻される。この開示では、本発明を実施する際にバケットエレベータが使用されると、コンベアがそのように特定される。残りのコンベアは通常はスクリューコンベアである。ミル、分類機、および、コンベア装置の露出部分は、全て304ステンレススチールから形成される。
【0041】
本明細書中に記載される本発明の解析では、Malver Master Sizer Laser Defraction Instrumentを用いて粒径が決定された。Minolta CM−3600dを用いて色が解析された。色読み取り値は、L、a、bである。本装置の測定値を使用して、新規な方法を行なう際の最終生成物FPに関して約5.60のD98値および1.85のD50値が実現された。本発明を実施する際に使用される霞石閃長岩供給原料Fは、60ミクロン未満の粒径を有するMinex 3であった。確かに、本発明を実施する際に使用される供給原料は、61.49のD98および10.60のD50を有していた。色測定値は、L96.20、a0.05、b1.45であった。この供給原料は図8に開示されるシステムSによって処理された。該システムは、新規な方法を行なうために使用され、また、図9の表に示されるパラメータおよび特性を有する霞石閃長岩をもたらした。本発明を実施する際には、独特の媒体が使用された。セリア安定化ジルコニアは、ケイ酸ジルコニウムと同様な機能を果たすが、排出格子結合をあまり引き起こさないことが分かった。Ceによって安定化されるジルコニアおよび酸化ジルコニウムが好ましいことが分かった。媒体を通じた供給原料の流動性を高めるために攪拌型ボールミル内で供給原料と共に一般に使用される研削助剤は、ジエチルグリコール(DEG)である。本発明では、サイズ減少を向上させ或いは排出を容易にするために、ミル10などのミルにおいて広く使用される研削助剤が必要とされなかったことが分かった。しかしながら、研削助剤の使用は、特に用量が増大された場合に、最終ミル生成物の色合いに影響を及ぼす。したがって、本発明の1つの態様は、研削助剤の減少である。確かに、本発明の1つの態様に係る研削助剤は、ミル10内で全く使用されない。エア分類機は、実際には、1450−1500rpmのロータまたはイジェクタ速度を使用する。この範囲が好ましいことが分かったが、該範囲は1200〜1600rpmの間で調整された。しかしながら、1300〜1600rpmの範囲が好ましい。研削助剤用量に関して、それは最小限に抑えられた。確かに、本発明の限られた態様では、助剤が中止される。これは、過剰な用量の研削助剤が、ミルから流入する材料を凝集させ、それにより、エア分類機の効率を低下させることが分かったからである。
【0042】
これまで説明され且つ以下で説明される本発明のパラメータにしたがって図8のシステムSを動作させると、図10の対数グラフおよび図11の表に概略的に示される粒径分布を有する最終生成物が生成される。図9は、新規な方法を実施するためのミルおよびエア分類機の条件をまとめている。この粒径分布は、図10および図11のD99数で考慮したときに最大粒径が6ミクロン未満の超微細値であることを明らかにしている。対数スケールの曲線900は、D50に関して最小粒径が約0.4ミクロンであり且つ最大粒径が約6.0ミクロンであることを示しており、効率の測定値は、1.85の目標に近い1.65である。標準的な技法にしたがう分類機の効率は、メートルトンにわたってD50数をkw−hrで割ったものである。したがって、D50は分類機の効率をメートルトン毎のエネルギー量に関連して決定する。本発明の新規な方法によって生成された最終生成物における粒径分布(PSD)は、5.60ミクロンのD98および1.85ミクロンのD50を目標としている。図10から分かるように、グラフ900は、D98が目標の大きさ或いは約4.5ミクロンよりもかなり小さい最終霞石閃長岩生成物を当該方法が生成することを示している。この粒径は、依然として、最終生成物における所望のPSD内にある。最終生成物は、6ミクロン未満の最大粒径という基本的な要件を有する。図12の表は、本発明を使用することにより約60ミクロンの最大粒径を有する霞石閃長岩を処理することによって得られる輝度結果を報告している。これらの明度は、MacBeth Color Eye 3000を使用することによって得られた。本発明によって形成される生成物は、この例では、研削助剤が除去された本発明のその後の使用よりも低い輝度を有していた。図11の表および図12の表によって示される最終生成物FPは、幾つかの粉末コーティング形成体で使用されてきたものであり、6ミクロン未満の粒径を有する霞石閃長岩粉末と関連する特性を示すことが分かった。図10−12で報告された方法の使用では、PSDが非常に安定しており、生産率が一般に約80kg/時または0.08メートルトン/時であった。確かに、これまで説明してきた生成物の幾つかのプロダクションランは、100kg/時を僅かに下回る稼働率が維持できるように確立されてきた。
【0043】
この方法の効率は、主に、エア分類機の動作の関数であり、図5の攪拌型ボールミル10の動作の関数ではない。したがって、本発明の全ての方法の効率を決定する目的でエア分類機の動作が解析された。図7に示されるエア分類機は、6ミクロン未満の粒径を有する粗い材料を除去する効率が非常に高く、そのため、最終生成物FPは、図10に示されるように6ミクロン未満の粒子だけを本質的に有する霞石閃長岩であることが分かった。しかしながら、エア分類機は、6ミクロン未満の細かい粒径を分類機の粗い流れから除去する効率があまり高くなかった。その結果、ミル戻り材料すなわち粗い材料CMのPSDは、エア分類機へと向かう中間粉末Pよりもほんの僅かだけ粗かった。この現象は、図13のグラフおよび図14の表に概略的に示されるように、本発明を実施する際に使用されるミルおよびエア分類機の動作特性によって明らかにされる。図13のグラフの曲線900は、図10に示される最終生成物FPを表わしている。PSD供給原料Fが曲線910によって示されている。この材料はミル10へと方向付けられる。ミルの出力は、PSD曲線912を形成するために使用される中間粉末Pである。戻り材料すなわち粗い材料CMは、粒径分布曲線914を形成した。図13に示されるように、流入する供給原料は約60ミクロン未満の粒径を有する。最終生成物FPは曲線900に示される粒径分布を有する。戻される粗い材料およびミルの出力は、最大粒径が一般に約30ミクロンである略同一の粒径分布曲線を有する。したがって、ミル戻りの粒径分布は、ミルからエア分類機へと供給される粉末よりもほんの僅かだけ粗い。このことは、エア分類機がミルからの材料のごく一部分のみを除去することを明らかにしており、除去される前記一部分が約6ミクロン未満の粒径を有する。その結果、図7に示され且つ本発明を実施する際に使用されるエア分類機は、小さな粒径を除去して粗い材料をミル10による再研削のために残す際の効率が高くない。このエア分類機性能データが図14に示される表に記されている。エア分類機の大サイズ効率は約98%である。小サイズ効率は平均で約13%である。このことは、エア分類機が図10に示されるようなPSDを生成することを裏付ける。ミルから流入する中間粉末Pから生成物サイズ粒子を除去することが有効である。したがって、これは、最終生成物にとって望ましい粒径分布をもたらす。しかしながら、本発明の方法の小サイズを除去できる効率を高めるため、異なるファン速度および図15の曲線に示されるリジェクタロータリ速度での幾つかの稼動運転から得られる情報にしたがって、エア分類機が調整された。図15のチャートで報告される稼動運転は、ファン730の速度を曲線920として記録する。曲線920の区域922は1700rpmのファン速度を含む。ファン速度は、曲線920の区域924によって示される約1550rpmの速度まで減少された後、区域926によって示される約1450rpmの速度まで減少される。ファンの速度が区域922、924、926間で調整されると、ロータリリジェクタケージの速度も曲線930によって示されるように調整される。ロータ速度は、ファン速度曲線930の区域922、924の約1300〜1500間で調整される。区域926のファン速度は、ロータ速度が約1350rpmを上回った場合に使用できた。区域922、924および区域926の一部にわたるこれらの調整は、グラフ940によって示される生成速度をもたらした。図15に示される稼動運転グラフから、エア分類機の生産性を高めるのにファンの速度およびロータの速度が役立つと判断された。最終生成物FPにおける粒径分布のD50を維持しつつ生産性を高めることがエア分類機の効率を決定し、この効率は、基本的に、図8に示されるシステムSに内在する効率である。エア分類機のロータ速度は、これまで使用されてきたものよりも大きく、約1200−1500rpm、好ましくは1300−1500rpmを含む。同時に、分類機のためのエアを推進させるファンも1400−1700rpmの一般的な範囲、好ましくは1500−1700rpmの範囲まで高められる。一般に固定される曲線920のファン速度を維持することにより、リジェクタロータ速度が所望の効率を得るように操作される。ロータ速度の操作は、生成物サイズ仕様を満たす際にうまくいくが、プロセスの生産性を高めない。その結果、生産性を高めるために、エアファン速度が図15の曲線920の区域924に示されるように減少された。ファン速度のこの減少は、生成物サイズ粒子がリジェクタロータを通過する際の生成物サイズ粒子の抵抗を減少させた。したがって、高いファン速度が固定された状態に保たれ、また、ロータ速度は、最終生成物の粒径分布を決定するように操作される。生産性は、図15に示されるエア分類機と関連する2つの速度の組み合わせである。
【0044】
要約すると、ロータ速度およびエアファン速度は生産性を制御するファクタであり、また、それらの値は、エア分類機の流入中間粉末Pから所望の小さい粒子を分離するための高いロータ速度を維持しつつ決定されることが分かった。
【0045】
前述したように、攪拌型ボールミルは、研削助剤を使用して供給原料の媒体を通じた流動性を高めることを伴う。本発明を実行する際、研削エア用量は、幾つかの理由により、最小値まで減少された。本発明のように硬い媒体を使用すると、研削助剤は、研削能力、または、ミル排出ゲートまたはスクリーンを通過できる霞石閃長岩の能力にプラスの影響を与えなかった。しかしながら、研削助剤は、最終生成物FPの輝度に対して著しい悪影響を与えた。また、過剰な研削助剤は、粒子の凝集を引き起こし、それにより、図14の表に関連して説明したようにエア分類機の小サイズ効率を低下させた。ミル10を作動させる従来の方法で使用される用量と同じ研削助剤用量を使用すると、研削助剤のレベルは、ミル10を通じた霞石閃長岩供給原料のゆっくりとしたスループットで不可欠と考えられるよりも数倍大きくなることが分かった。その結果、本発明は、研削助剤を止めた状態で行なうことができる。研削助剤を使用しない方法は悪影響を受けず、また、最終生成物の輝度がかなり増大された。しかしながら、デバイス間のスクリューコンベアでの流動性は低下した。研削助剤は、微粉を除去して排出ゲートでの詰まりを減少させるのに役立つことが分かってきた。したがって、コンベアでの流れ抵抗を減少させるため、前述した利点により、50ml/分などの最小量の研削助剤が使用された。この領域で優れた結果を与える範囲は、50−150ml/分であったが、好ましくは50ml/分である。
【0046】
システムSの効率を高めるため、リジェクタモータ速度、エアファン速度、および、研削助剤の制御が行なわれた。これらの取り組みは、これまで説明したような領域で特定のパラメータを生み出した。しかしながら、これらのパラメータは、図8に示されるシステムによって最終生成物FPを生成するのに望ましい最終結果を得るために調整して操作することができる。リジェクタロータ速度は、ミル10でこれまで使用された速度よりも大幅に高い1200−1600rpmの範囲、好ましくは1300−1600rpmの範囲にあるべきであると判断された。生成物FPを生成するためのエア流は、標準的な技法から幾分減少され、1400−1700rpmの一般的な範囲、好ましくは1300−1500rpmの範囲にある。研削助剤は、最終生成物の輝度を高めるように減少される。表14で報告される大サイズ除去効率に影響を及ぼす非常に大きいファクタが、分類機内の相対湿度であると判断された。本発明の一態様によれば、エア分類機内の相対湿度は、方法のミリングおよび分類を「乾式」指定外にしないようにしつつ、本発明を構成する方法の全体の効率を向上させるように制御される。
【0047】
本発明の記述
攪拌型ボールミル10での研削は、粒径分布(PSD)の所望のシフトまたは中間粉末Pの所望のプロファイルを形成するために乾式である。エア分類機の効率は、湿度の制御されたレベルによって高められる。したがって、本発明の方法は、広く、エア分類が湿度の制御されたレベルを有する出口エア分類動作を伴う供給原料の乾式研削である。本発明において、乾式ミルは、特定のエア分類機を伴う或いは伴わない攪拌型ボールミルである。二次的特徴として、エア分類機は、湿度制御を伴う或いは伴わない図7に示されるサイドドラフトエア分類機である。これらの特徴の組み合わせ及び順列は、本発明の新規な方法および記述の定義を構成する。
【0048】
本発明の方法の検査
これまで説明した情報、パラメータ、および、データを使用して、図8に示されるシステムSを使用する新規な方法の性能に関する61回のテスト運転が行なわれた。61回のテストの結果の概要の全てが図15の表に示されている。この表から分かるように、ロータ速度は1200−1600rpmの間で調整される。
【0049】
本発明の好ましい実施形態を実施する際のリジェクタ710の速度は1200−1600rpmの範囲であるが、好ましい範囲は1450−1500rpmである。
【0050】
エアファン速度は1400−1700rpm間で調整される。ミルによる製造は約80kg/時であり、そのため、平均ロータ速度は一般に1400rpmであり、平均ファン速度は一般に1600rpmである。本発明は、エア分類機の平均供給速度および開示された動作速度を使用することにより最良に実行される。図示のように、第3のボールミル10のウォータジャケットによる冷却速度における水のように、研削助剤用量および供給速度が調整される。これらの同じ6つの動作中に得られる粒径分布が図16の表に示されており、また、ミル戻り粒径分布が図17の表に示されている。ミル出口粒径分布は図18の表に示されている。これらの表は、図15の表に開示されたパラメータを使用して6ミクロン未満の超微細粒径を有する霞石閃長岩を生成できる本発明の能力を示すために、本発明を使用して行なわれる様々な検査の結果を報告している。
【0051】
本発明を構成する方法を要約すると、約6ミクロン未満の粒径を有する霞石閃長岩生成物が生成される。本発明の供給原料の研削動作は連続高速攪拌型ボールミルによって達成され、該ミル内において、生成物は、研削媒体をミル内に保持するように設計された格子を通じて排出される。ミルは、ミリング動作中に生成される高い温度を和らげるためにウォータジャケットを有する。検査は、先に報告されたように行われた。これらの検査、およびさらなる検査は、媒体のタイプ、サイズ、媒体の充填レベル(高さ)、ミルを通じた供給原料の速度、もしあるとすれば研削助剤の速度および用量、および、排出格子開口度を決定するために新規な方法に関して行なわれた。先に報告されたような粒径分布(PSD)および生成物輝度は、メートルトン当たりのD50/kw−hrの割合減少である研削効率に関して解析された。研削効率は、本発明を実施する際に使用される他のパラメータと共に計算され、その結果を用いて、以下の決定および所見がなされた。セリア安定化酸化ジルコニウムは、攪拌型ボールミルで一般に使用されるケイ酸ジルコニウムよりも良好な霞石閃長岩用の媒体である。セリア媒体は、破砕せず、霞石閃長岩を汚染しなかった。研削効率は、媒体充填レベル(高さ)の範囲および研削助剤用量にあまり影響されなかった。しかしながら、効率は、供給速度に伴って、また、媒体中での供給原料の共振時間を増大させるために排出開口またはスロットのサイズが減少されるにつれて、かなり向上した。研削助剤用量が減少すると、最終生成物の輝度が増大することが分かった。確かに、本発明を実施する際に使用される1つの特徴として研削助剤の使用を排除できると判断された。研削助剤を僅かな量だけ使用すると、エア分類の動作は向上するが、ミルの研削効率は必ずしも向上しなかった。
【0052】
先の説明は、それが図8のシステムSを使用する新規な方法によって生成される最終生成物FPに関連するため、図7に示されるエア分類機700の動作に重点が置かれた。本発明を既定するために、ミリング条件の特定の詳細も決定された。Union Process HSA−100攪拌型ボールミルは、ミル容量85ガロンの特徴を有していた。攪拌速度は約400rpmであった。ミルライナ・攪拌アセンブリは304ステンレススチールから構成される。モース6の硬度を有する細粒霞石閃長岩粉末を生成するためにミルが本発明を実行するときのミルにおける動作パラメータが決定された。酸化ジルコニウム媒体が使用された。この媒体は、モース9の硬度と、6.0の比重とを有する。媒体サイズは2.2−2.4mmであった。充填レベルは50−80%、一般には約70%であった。供給速度は5−2.3kg/分であった。攪拌器は300rpmの回転速度を有していた。ミル排出開口は、0.5−1.5mmの範囲、好ましくは1mmであり、また、研削助剤は1.6%未満ジエチルグリコールであった。これらの特徴は、図8に示されるシステムSの入力側に関して一般に説明されるミルを使用して本発明を実施する際に使用された。研削助剤は、ミルの研削動作を実際に加速する代わりに、ミルの排出ゲートを通じた材料流れ及びエア分類機において役立つ。本発明を実施するために選択される研削媒体は、ミルの排出ゲートにおけるバックアップも防止した。ミルによる霞石閃長岩粉末のサイズ減少の度合いは、ミル速度、媒体充填、および、排出プレート開口によって影響された。これらのパラメータの全ては、本発明の実施でのそれらの使用に関連してこれまで説明してきた。
【0053】
ミルで生じるサイズ減少は、供給原料PSDプロファイルを、中間粉末Pの粒径またはPSDプロファイルへと変える。これについては、図13を参照されたい。ミルによる低いプロファイルへのこのシフトは、70%の充填レベルを使用して供給速度を高めることによって促進される。媒体の充填レベルが77%の状態で、供給速度が1時間当たり2.0メートルトンまで高められると、供給原料Fと中間粉末Pとの間のプロファイルのサイズ減少が増大された。また、PSDのサイズ減少は、実際には、媒体レベルおよび供給速度が比例的に増大されるにつれて高まった。ミルのゲート開口の排出プレートは、供給原料の共振時間、したがって、ミルによる粒径減少の量を制御する。開口またはスロットを有する格子は0.5−1.5mmの範囲になければならないが、1.0mmのスロットサイズが好ましいことが分かった。
【0054】
本発明の動作に係る供給原料は、約60ミクロンの最大粒径を有するとともに、5ミクロンを下回る粒子を約25%含んでいる。中間粉末Pにおいては、粒子の35%〜40%が5ミクロン未満である。結果として、ミルの通過により、約5ミクロン未満の粒径を有する約40−60%の更なる粒子が生成された。本発明を実施する際に使用されるミルの検査は、前述したように、充填レベル、供給速度、および、排出プレート開口値の決定をもたらした。研削助剤の量の減少は、ミルのサイズ減少を増大させるように思われる。図13に示されるように、ミルは、微粒子の割合が更に高いPSDプロファイルを生成するために供給原料を研削するだけである。その結果として、供給原料F中の約60ミクロンの最大粒径を有する霞石閃長岩は、6ミクロン未満の特定量の粒子を有する。供給原料がミルを通過した後、最大粒径は約30ミクロンであり、更に多くの量の6ミクロン未満の粒子が中間粉末P中に含まれる。したがって、ミルは、PSDを更に小さい粒径プロファイルへとシフトさせる。
【0055】
本発明を実施する際に得られる研削効率の範囲は、下限の0.25から上限の0.65までの範囲である。図19から図22は、研削効率に影響を与える作動ファクタを、kw−hr/MT当たりのD50のパーセント減少で示している。これらのグラフは、供給原料Fの粒径分布またはプロファイルを減少させるためにボールミルを作動する際に使用される特定のパラメータの効率に対する相対的な影響を比較している。図19において、曲線950は、媒体充填レベルに対する供給の比率が一定のときに研削効率が媒体充填レベルにあまり影響されないことを示している。曲線950を生み出す媒体は、媒体に対する供給の比率が1.42であるセリアである。DEGの用量は0.16%wtであった。図20の曲線960は、研削助剤の用量が変えられたときに研削効率が実質的に変化しなかったことを示している。この検査では、媒体充填量が70%であり、供給速度が1.0メートルトン/時であった。ミル研削効率の他の特徴が図21に示されている。この場合、DEG用量は依然として0.16重量%であり、供給速度は、0.4メートルトン/時と約2.0メートルトン/時との間で変えられる。曲線972は77%の媒体充填量に関するものであり、また、曲線974は70%の媒体充填量に関するものである。本発明を実施する際、供給速度は、ミルの研削効率に対して大きな影響を与える。媒体充填レベルが70%であろうと77%であろうと、曲線972、974によって示されるように供給速度が増大されると、研削効率が急激に高まる。ここで、図22を参照すると、ミルの効率に対するミルにおける排出開口のサイズの影響が曲線980によって表わされている。曲線980を生み出すために使用される方法において、媒体は、77%充填量と、1.1メートルトン/時の供給速度とを有していた。研削助剤用量は0.16重量%であった。ミルに関する効率のグラフ950、960、972、974は、ミルの効率への手掛かりがミルをロードアップすること且つ出口開口を減少させることであることを示している。ミルの高い効率は、媒体充填レベルが77%の状態で2.1メートルトン/時などのかなり積極的な霞石閃長岩供給原料におけるスケールダウン条件を使用して得られる。これらの動作パラメータは、新規な方法を行なう際に使用されるミル10の作動効率を大幅に向上させた。
【0056】
最終生成物FPの変色に寄与するファクタは2つある。輝度は、実際のミル供給速度の関数である。高い供給速度は、ミルのスチールに対して粒子が晒されるのを減少させる。したがって、輝度の増大は、図23の曲線990、992によって示されるように供給速度を増大させることによって得られる。曲線990は77%の高い媒体充填量に関するものである。曲線992は70%の低い媒体充填量に関するものである。このように、本発明を実施する際のミルを通じた供給速度は、より良好な輝度を得るのを助けるため、77%の充填量で200gr/分を超えるまで増大させることができ、70%の充填量において500gr/分を上回るまで増大させることができる。また、輝度は、図24の曲線994によって示されるように研削助剤用量を増大させることによっても減少される。
【0057】
新規な発明を実施する際のシステムSの動作を要約すると、セリア安定化酸化ジルコニウムがミル10によって霞石閃長岩供給原料Fを研削するために使用されるべき媒体であると判断された。この材料は、モース9の硬度を有するとともに、破砕せず、潜在的にミルの排出ゲートを引き起こさない。流入する供給原料Fは、サイズが5ミクロン未満の粒子を約25%含んでいる。ミルの研削動作の後、中間粉末Pは、5ミクロン未満のサイズを有する粒子を約35−40%有する。結果として、ミル10は、5ミクロン未満のサイズを有する40%−60%の更なる小さい粒子を生成する。ミル10による粒径プロファイルの減少度合いは、供給速度によって決まる。供給速度が高くなればなるほど、粒径プロファイルの減少が小さくなる。無論、これは、媒体充填レベルに依存する。すなわち、充填レベルが大きくなればなるほど、粒径プロファイルの減少が大きくなる。研削助剤用量は、それほどではないにせよ、粒径プロファイルの減少に影響を及ぼす。図21の2つの曲線によって示されるように、供給速度が高くなると、粒径プロファイルの減少は少なくなる可能性があるが、ミルの効率が大幅に向上する。これは、高い供給速度中に引き出される電力が低い供給速度での電力より少ないからである。排出ゲートの開口を狭くすることにより、図22の曲線980によって示されるように研削効率が高まる。このパラメータは、図21および図22の曲線の結果を比較することにより分かるように、供給速度が増大するほどの影響を効率に対して与えない。研削された霞石閃長岩を0.5mmほどの小さいゲートの開口を通じてミルから排出する際に損失はない。ミルの排出ゲート開口は1.0mmであることが好ましい。輝度に関して、輝度損失は、図23の曲線990、992の教示内容にしたがって供給速度により引き起こされる。また、輝度損失は研削助剤用量にも依存しており、これは、研削助剤を減少させ或いは排除したいという要望が本発明を実施する際に有利に働くことを示している。
【符号の説明】
【0058】
10 機械フレーム
11 フロア支持プレーム
12a 水平ベース部材
12b、12c 対向垂直脚部
12d 脚部
13 モータ
13a モータ用の装着プレート
14 スタータ
14a 装着プレート
15 プッシュボタン制御装置
18 シュート
20 粉砕容器
21 蓋
22 回動装着アセンブリ
22a 操作ハンドル
23 クランプ
24 本体
25 内側円筒側壁
25a 外側壁
25b 入口ポート
25c 出口ポート
26 底壁
27 トラニオン
34 ダイバータディスク
40 攪拌アセンブリ
41 シャフト
41a キー溝
41b 孔
42 攪拌アーム
42a 長い脚部
42b 短い脚部
42c 半径部
42d 環状ミルスロット
43 ピン
44 ディスク
45 サドルスリーブ
45a 径方向切り欠き
50 排出バブルアセンブリ
50a 排出シュート
110 処理ステップ
112 乾式グラインダ
114 格付けステップ
114a、114b 出力ライン
116 選別機
116b 出力ライン
116b 戻しライン
120 ボールミル処理ステップ
122 出力ライイン
130 エア分類機
132 ブロワ
132a ライン
134 出力ライン
136 収集機
138 ライン
140 収集機
150 大粒子排出ライン
152 収集機
154 ライン
200 入口トンネルまたはチューブ
202 スクリーン
210 ホッパ
220 バッフル
222 ライン
230 コンベア
232 収集機入口漏斗
240 輸送エア
242 大容量フード
250 領域
260 チューブ
262 ライン
700 二段エア分類機
710 リジェクタゲージ
712 モータ
714 下側拡張チャンバ
716 円錐分離チャンバ
720、722 入口
730 エアファン
732 モータ
736 出口
740 セパレータ
760 上側フード
762 フード出口
750 管路
770 入口
780 ハウジング
782 円錐ダウンドラフト部
784 キャッチホッパ
786 ロータリバルブ・エアロック
790 エア戻しダクト
792 フード
794 マイクロシール
800 供給源
802 霞石閃長岩材料
810 ホッパ
811 出力バルブ
812 ミル供給ライン
820 入力コンベア
822 ミルホッパ
824 制御バルブ
826 ミル入力コンベア
832 コンベア
840 コンベア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある粒径プロファイルを有する粒状火成岩供給原料を、その後の商業的使用のために、超微細粒最終生成物へと変換する方法であって、前記超微細粒生成物が約6ミクロン未満の最大粒径を有する方法において、
(a)約20ミクロンよりも大きい最大粒径を有する乾いた供給原料を供給し、
(b)研削媒体で満たされた垂直に延びるチャンバ内で攪拌アームが選択された高い速度で回転される連続高速攪拌型ボールミルに、前記供給原料を垂直下向きに通過させることによって、前記供給原料を乾燥状態で研削し、それにより、前記回転する攪拌アームによって前記媒体が高速で移動されるときに、前記媒体の作用によって前記供給原料が中間粉末へと研削され、前記中間粉末は、前記供給原料の粒径プロファイルよりも大幅に減少された粒径プロファイルを有し、
(c)所定の経路に沿って移動する急速移動高速エア流を使用して前記中間粉末をエア分離機に通過させて、前記超微細粒生成物を前記経路に沿って前記分類機から運ぶとともに、前記超微細生成物よりも大きい粒子を含む粗い粒子状材料を、遠心力によって分離した後に前記分類機から放出できるようにし、
(d)前記超微細生成物を収集し、
(e)前記粗い材料を再研削のために前記高速攪拌型ボールミルへ戻す、
ことを含む、方法。
【請求項2】
前記粒状火成岩供給原料が霞石閃長岩粒子状供給原料である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記供給原料は、99%の粒子の粒径が約50ミクロン未満である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記選択された速度が200−450rpmである、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記媒体が5mm未満のサイズを有する粒子である、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記媒体が2.0−2.5mmのサイズを有する粒子である、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記媒体がモース9の硬度数を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記媒体がセリア安定化酸化ジルコニウムである、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記媒体は、安定化酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、および、タングステンカーバイドから成るクラスから選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記供給原料の研削において研削助剤が実質的に使用されない、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記攪拌型ボールミルが水冷ジャケットを有する、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
前記媒体が前記研削チャンバの約50−80%を満たす、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
前記エア分類機は、出口フードよりも下側において高い回転速度で作動される垂直ブレードロータリジェクタを有する主分類チャンバと下側拡張チャンバとを含むサイドドラフト分類機であり、前記リジェクタは、前記生成物が前記高速エア流と共に前記リジェクタを径方向に通過できるようにすることにより前記超微細生成物を分離し、それにより、前記粗い材料が前記下側拡張チャンバによって該チャンバ内に収集される、請求項2に記載の方法。
【請求項14】
前記高い回転速度が約1400rpmよりも大きい、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
(f)研削助剤を前記チャンバ内の前記媒体中へ所定の速度で導入する、
ことを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項16】
前記研削助剤がジエチルグリコールである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記所定の速度が50−150ml/分の範囲である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記攪拌型ボールミルの前記供給速度が0.5−2.3kg/分である、請求項2に記載の方法。
【請求項19】
前記供給原料は、約20−30%の粒子が約5−6ミクロン未満の粒径を有し、前記中間粉末は、約35−40%の粒子が約5−6ミクロン未満の粒径を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項20】
前記攪拌型ボールミルは、0.5−1.5mmの開口またはスロットを有する調整可能な排出格子を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項21】
前記最終生成物のD50サイズが1.5−2.0の範囲である、請求項2に記載の方法。
【請求項22】
(f)前記エア分類機内の相対湿度を制御する、
ことを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項23】
(f)前記エア分類機内の相対湿度を制御する、
ことを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項24】
ある粒径プロファイルを有する霞石閃長岩粒子状供給原料を、その後の商業的使用のために、超微細粒最終生成物へと変換する方法であって、前記超微細粒生成物が約6ミクロン未満の粒径を有する方法において、
(a)約20ミクロンよりも大きい制御された最大粒径を有する乾いた供給原料を供給し、
(b)前記供給原料をボールミルに通過させることによって前記供給原料を乾燥状態で研削し、それにより、前記供給原料が中間粉末へと研削され、前記中間粉末は、前記供給原料の粒径プロファイルよりも大幅に減少された粒径プロファイルを有し、
(c)所定の経路に沿って移動する急速移動高速エア流を使用して前記中間粉末をエア分離機に通過させて、前記超微細粒生成物を前記経路に沿って前記分類機から運ぶとともに、前記超微細生成物よりも大きい粒子を含む粗い粒子状材料を、遠心力によって分離した後に前記分類機から放出できるようにし、
(d)前記エア分類機内の相対湿度を制御し、
(e)前記超微細生成物を収集し、
(f)前記粗い材料を再研削のために前記高速攪拌型ボールミルへ戻す、
ことを含む、方法。
【請求項25】
前記供給原料の前記プロファイルは、約50−60ミクロンのD99および約10を超えるD50を有し、前記中間粉末の前記プロファイルは、25−35ミクロンのD99および約2.5−3.5のD50を有する、請求項24に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6A】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公表番号】特表2010−517915(P2010−517915A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549074(P2009−549074)
【出願日】平成20年1月23日(2008.1.23)
【国際出願番号】PCT/US2008/000843
【国際公開番号】WO2008/097427
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(502028382)ユニミン コーポレーション (3)
【Fターム(参考)】