説明

露光ヘッド、画像形成装置

【課題】発光チップの発光素子からの光を結像光学系により結像する露光ヘッドにおいて、良好な露光を可能とする技術を提供する。
【解決手段】第1の方向にn1(n1は、n1≧2の整数)の発光部を有する第1の発光チップと、第1の発光チップの第1の方向に配設され、第1の方向にn2(n2≧2の整数)の発光部を有する第2の発光チップと、第1の発光チップのn1の発光部のうち、m1(m1は、m1≧2かつm1<n1の整数)の発光部と電気的に接続されるm1のボンディングワイヤーと、m1のボンディングワイヤーと電気的に接続される配線層と、m1のボンディングワイヤーと電気的に接続されたm1の発光部から発光された光を結像する光学倍率が1とは異なる結像光学系と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発光チップからの光を結像光学系により結像する露光技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、主走査方向に並ぶ複数のLED(Light Emitting Diode)が形成されたLEDチップを用いて、露光ヘッドを構成することが提案されている。具体的には、この露光ヘッドでは、平板状のガラスに複数のLEDチップが並べられ、さらに、これらLEDチップに対向して、複数のレンズを主走査方向に千鳥状に並べたレンズアレイが配設される。そして、LEDチップに形成されたLEDからの光が、レンズアレイのレンズにより結像される。換言すれば、この露光ヘッドは、結像光学系(レンズ)を複数配設した光学部材(レンズアレイ)を、複数の発光チップ(LEDチップ)に対向させて、発光チップの発光素子(LED)からの光を光学部材の結像光学系により結像するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−000827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような露光ヘッドでは、発光素子と結像光学系との相対的な位置関係が重要となる。なぜなら、これらの位置関係が適切でないと、発光素子からの光を結像光学系により結像することで形成されるスポットの位置がずれてしまい、このスポットの位置ずれが露光不良の一因となるおそれがあるからである。しかしながら、上述のような露光ヘッドでは、発光素子と結像光学系との位置関係を適切なものにすることが容易でない場合があった。
【0005】
つまり、発光チップのサイズや、発光チップで主走査方向に並ぶ発光素子のピッチには、発光チップの製造上の都合によって決まる最適値がある。したがって、発光チップでの各発光素子の位置は、それほど簡単には変更することができず、ある程度の範囲で決まってしまう。一方、光学部材での各結像光学系の位置は、発光チップの製造上の都合とは関係なく、光学部材の製造上の都合により或いは満たすべき光学的条件に基づき決定される。要するに、発光素子の位置と結像光学系の位置とはそれぞれ別個の条件で決まる。そのため、露光ヘッドにおいて、発光素子と結像光学系との位置関係が適切なものとならず、その結果、良好な露光が実現困難となる場合があった。
【0006】
この発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、発光チップの発光素子からの光を結像光学系により結像する露光ヘッドにおいて、良好な露光を可能とする技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明にかかる露光ヘッドは、上記目的を達成するために、第1の方向にn1(n1は、n1≧2の整数)の発光部を有する第1の発光チップと、第1の発光チップの第1の方向に配設され、第1の方向にn2(n2≧2の整数)の発光部を有する第2の発光チップと、第1の発光チップのn1の発光部のうち、m1(m1は、m1≧2かつm1<n1の整数)の発光部と電気的に接続されるm1のボンディングワイヤーと、m1のボンディングワイヤーと電気的に接続される配線層と、m1のボンディングワイヤーと電気的に接続されたm1の発光部から発光された光を結像する光学倍率が1とは異なる結像光学系と、を有することを特徴としている。
【0008】
この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するために、第1の方向にn1(n1は、n1≧2の整数)の発光部を有する第1の発光チップ、第1の発光チップの第1の方向に配設され第1の方向にn2(n2≧2の整数)の発光部を有する第2の発光チップ、第1の発光チップのn1の発光部のうちm1(m1は、m1≧2かつm1<n1の整数)の発光部と電気的に接続されるm1のボンディングワイヤー、m1のボンディングワイヤーと電気的に接続される配線層、およびm1ボンディングワイヤーと電気的に接続されたm1の発光部から発光された光を結像する光学倍率が1とは異なる結像光学系、を有する露光ヘッドと、第2の方向に移動し、露光ヘッドにより潜像が形成される潜像担持体と潜像担持体に形成された潜像を現像する現像部と、を備えることを特徴としている。
【0009】
このように構成された発明(露光ヘッド、画像形成装置)では、第1の方向に配設されたn1個の発光部を有する第1の発光チップと、第1の方向に配設されたn2個の発光部を有する第2の発光チップとが、第1の方向に配設されている。つまり、この露光ヘッドは、第1・第2の発光チップを第1の方向に配設することで、複数(n1+n2個)の発光部を第1の方向に配設している。そして、この発明では、n1個の発光部のうち、m1の発光部にボンディングワイヤーが電気的に接続されるとともに、当該m1この発光部から発光された光を結像光学系が結像する。
【0010】
要するに、この発明は、複数の発光部を第1の方向に配設しておき、これらの発光部のうち、結像光学系による結像に供する光を発光する発光部に対してボンディングワイヤーを接続するといった構成を備えている。したがって、結像光学系に対して適切な位置にある発光部に対してボンディングワイヤーを接続することができる。よって、発光部と結像光学系との位置関係が不適切となることに起因した露光不良の発生を抑制して、良好な露光を実現することが可能となる。
【0011】
また、第1の発光チップのn1の発光部のうちのm2(m2は、m2≧1かつn1−m1>m2の整数)の発光部と電気的に接続されるとともに、配線層と電気的に接続されるm2のボンディングワイヤーと、第2の発光チップのn2の発光部のうちのm3(m3は、m3≧2かつm3<n2の整数)の発光部と電気的に接続されるとともに、配線層と電気的に接続されるm3のボンディングワイヤーと、結像光学系の第1の方向に配設され、m2のボンディングワイヤーと電気的に接続されたm2の発光部から発光された光、及びm3のボンディングワイヤーと電気的に接続されたm3の発光部から発光された光を結像する光学倍率が1とは異なる第2の結像光学系と、を有するように露光ヘッドを構成しても良い。
【0012】
ちなみに、第1の方向に直交もしくは略直交する第2の方向に、上記結像光学系とは別の結像光学系を配設することができる。具体例を挙げれば、結像光学系の第1の方向と直交する第2の方向側に配設され、光学倍率が1とは異なる第3の結像光学系を備えるように露光ヘッドを構成することができる。この際、第1の発光チップの第2の方向側に配設され、第1の方向にn3(n3は、n3≧2の整数)の発光部を有し、かつn3の発光部のうち第3の結像光学系の光軸から第1の方向の距離Heに配設された発光部をm4(ここでm4は、m4≧2かつm4<n3の整数)有する第3の発光チップと、m4の発光部と電気的に接続され、配線層と電気的に接続されるm4のボンディングワイヤーと、を備えるとともに、上記Heは、下記の関係
He<Ho
Ho=Pg/|4×β|
Pg:結像光学系の光軸と第2の結像光学系の光軸との間の第1の方向の距離、
β:第3の結像光学系の第1の方向の倍率、
を有するようにラインヘッドを構成すると良い。これにより、各結像光学系によって被露光面を隙間無く、適切に露光することができる。
【0013】
あるいは、別の具体例を挙げれば、結像光学系の第1の方向と直交する第2の方向側に配設され、光学倍率が1とは異なる第4の結像光学系を備えるように露光ヘッドを構成することができる。この際には、第4結像光学系の第1の方向と直交する第2の方向側に配設され、光学倍率が1とは異なる第5の結像光学系と、第1の発光チップの第2の方向側に配設され、第1の方向にn4(n4は、n4≧2の整数)の発光部を有する第4の発光チップと、第4の発光チップの第2の方向側に配設され、第1の方向にn5(n5は、n5≧2の整数)の発光部を有し、かつn5の発光部のうち第5の結像光学系の光軸からの第1の方向の距離He2に配設された発光部をm5(ここで、m5はm5≧2かつm5<n4の整数)有する第5の発光チップと、m5の発光部と電気的に接続され、配線層と電気的に接続されるm5のボンディングワイヤーと、を備えるとともに、上記He2は、下記の関係
He2<Ho2
Ho2=Pg/|6×β|
Pg:結像光学系の光軸と第2の結像光学系の光軸との間の第1の方向の距離、
β:第5の結像光学系の第1の方向の倍率、
を有するようにラインヘッドを構成すると良い。これにより、各結像光学系によって被露光面を隙間無く、適切に露光することができる。
【0014】
また、第1の発光チップおよび第2の発光チップは回路基板に配設され、回路基板は第1のマークを有し、結像光学系を形成するレンズは有効径外に第2のマークを有するように露光ヘッドを構成しても良い。このような構成では、第1・第2のマークを基準として、ボンディングワイヤーを接続する発光部を選定し、さらに同じアライメントマークを基準として、発光部と結像光学系との位置決めを行なうことができる。その結果、ボンディングワイヤーが接続されて結像に供する光を発光する発光部と結像光学系との位置関係を簡単に適切なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明を適用可能なラインヘッドの一例を示す平面図。
【図2】本発明を適用可能なラインヘッドの部分斜視図。
【図3】本発明を適用可能なラインヘッドの一例を示す部分階段断面図。
【図4】ラインヘッドのスポット形成動作を示す図。
【図5】第2実施形態での発光素子へのボンディングワイヤーの接続態様を示す平面図。
【図6】ラインヘッドを適用可能な画像形成装置の一例を示す図。
【図7】図6の装置の電気的構成を示すブロック図。
【図8】実施例にかかる光学系の光学諸元を表として示した図。
【図9】実施例にかかる光学系のレンズデータを表として示す図。
【図10】S3面のレンズ面形状を与える各データを一覧で示した図。
【図11】S6面のレンズ面形状を与える各データを一覧で示した図。
【図12】主走査方向MDの断面における光線図。
【図13】副走査方向SDの断面における光線図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
第1実施形態
図1、図2および図3は、本発明を適用可能なラインヘッドの一例を示す図である。特に、図1は、ラインヘッド29が備える発光素子およびレンズの位置関係を、レンズが構成する結像光学系の光軸方向Doaから見た平面図であり、図2は、ラインヘッド29の部分斜視図であり、図3は、ラインヘッド29のA−A線(図1の階段状の二点鎖線)における部分階段断面図であって、該断面をラインヘッド29の長手方向LGDから見た場合に相当する。図1では、レンズLS1、LS2が一点鎖線で記載されているが、これは、発光素子EとレンズLS1、LS2とが光軸方向Doaにおいて異なる位置にあることを考慮したものである。
【0017】
このラインヘッド29は、長手方向LGDに長尺で幅方向LTDに短尺な全体構成を備える。そこで、図1〜図3および以下の図面では必要に応じて、ラインヘッド29の長手方向LGDおよび幅方向LTDを示す。また、レンズが構成する結像光学系の光軸方向Doaについても、図1〜図3および以下の図面で適宜示すものとする。なお、これらの方向LGD、LTD、Doaは互いに直交もしくは略直交している。また、以下では必要に応じて、光軸方向Doaの矢印側を「表」あるいは「上」と表現し、光軸方向Doaの矢印と反対側を「裏」「下」あるいは「底」と表現する。
【0018】
また、後述するとおり、同ラインヘッド29を画像形成装置に適用するにあたっては、ラインヘッド29は、主走査方向MDに直交もしくは略直交する副走査方向SDに移動する被露光面ES(感光体ドラム表面)に対して露光を行なうものである。しかも、被露光面ESの主走査方向MDはラインヘッド29の長手方向LGDに平行もしくは略平行であり、被露光面ESの副走査方向SDはラインヘッド29の幅方向LTDに平行もしくは略平行である。そこで、必要に応じて、長手方向LGD・幅方向LTDと一緒に、主走査方向MD・副走査方向SDも図示することとする。
【0019】
ラインヘッド29が備えるヘッド基板293は、所定の配線パタンーン(配線層)が形成されたガラスエポキシ基板であり、長手方向LGDに長尺な平板形状を有する。そして、このヘッド基板293の表面293−hに、LEDチップCPa、CPbが配置されている。なお、長手方向LGDに並ぶ複数のCPaに対して、図1では左から順に符号CPa1、CPa2、CPa3、…が付され、同様に、複数のCPbに対して符号CPb1、CPb2、…が付されている。光軸方向Doaからの平面視において、LEDチップCPa、CPbそれぞれは、長手方向LGDに長尺な略長方形状を有しており、発光素子EとしてのLED素子が形成された半導体ウェハーをダイシングしたもの(ダイ)である。具体的には、LEDチップCPa、CPbのそれぞれでは、複数の発光素子Eが長手方向LGDに発光素子ピッチPeで直線的に並んでいる。これら発光素子Eは、駆動信号(駆動電圧)の印加を受けて互いに同一の発光スペクトルの光ビームを射出する。このように、比較的長寿命であるLEDを発光素子Eとして用いることで、長い期間にわたって安定した露光動作の実現を図ることが可能となる。
【0020】
そして、このようなLEDチップCPa、CPbが長手方向LGDに並べられて(図1、図2)、ヘッド基板293の表面293−hにボンディングされている(図2、図3)。換言すれば、複数のLEDチップCPa(CPa1、CPa2、CPa3、…)を長手方向LGDに直線的に並べたものと、複数のLEDチップCPb(CPb1、CPb2、CPb3、…)を長手方向LGDに直線的に並べたものとが、幅方向LTDの異なる位置に配置されている。この際、長手方向LGDに隣り合う2つのLEDチップの境界を挟んで、長手方向LGDに隣り合う2つの発光素子E、Eの間のピッチが、LEDチップ内での先ほどの発光素子ピッチPeと等しくなるように、各LEDチップの位置は調整されている。つまり、図1を用いて具体的に説明すると、互いに異なるLEDチップCPb1、CPb2に形成されて長手方向LGDに互いに隣り合う2つの発光素子E、Eは、ピッチPeで長手方向LGDに並ぶ。
【0021】
上述のように複数のLEDチップCPa、CPbが配置されたヘッド基板293の表面には、長手方向LGDに2行千鳥で並ぶ複数の結像光学系が対向している。この結像光学系は、発光素子E側に凸の2枚のレンズLS1、LS2から構成されている。なお、図2、図3では、発光素子Eと結像光学系LS1、LS2との間には部材2971、2972が図示されているが、これについては結像光学系LS1、LS2の説明の後に説明する。
【0022】
このラインヘッド29では、複数のレンズLS1を2行千鳥で並べたレンズアレイLA1と、複数のレンズLS2を2行千鳥で並べたレンズアレイLA2とが設けられている。つまり、レンズアレイLA1(LA2)では、長手方向LGDへ距離Pg(=2×Dg)毎にレンズLS1(LS2)を配置して、長手方向LGDに直線的に並ぶ複数のレンズLS1(LS2)から1行のレンズ行が構成され、さらに2行のレンズ行LRa、LRbが幅方向LTDに距離Dtを空けて配置されるとともに長手方向LGDに距離Dg(=Pg/2)だけ互いにシフトされている。
【0023】
ここで、長手方向LGDへのレンズ間距離Pgは、レンズ行LRa(LRb)において長手方向LGDに隣り合う2つのレンズの光軸間の長手方向LGDへの距離であり、距離Dgは距離Pgの2分の1の長さである。また、幅方向LTDへのレンズ行間距離Dtは、レンズ行LRaを構成する複数のレンズの光軸を通って長手方向LGDに伸びる仮想直線と、レンズ行LRbを構成する複数のレンズの光軸を通って長手方向LGDに伸びる仮想直線との間の幅方向LTDへの距離である。
【0024】
なお、光軸は次のように定義される。結像光学系は多くの場合、主走査方向MD(長手方向LGD)に垂直な対称面に関して面対称(鏡映対称)であり、かつ、副走査方向SD(幅方向LTD)に垂直な対称面に関して面対称(鏡映対称)である。このように、結像光学系は、主走査方向MDに垂直な第1対称面、および当該主走査方向MDと直交する副走査方向SDに垂直な第2対称面を有し、第1対称面と第2対称面の交線が定まる。結像光学系が回転対称である場合には、前述の第1対称面と第2対称面の交線は光軸と一致する。結像光学系が回転対称でない場合、厳密には結像光学系の光軸が定義されない場合があるが、そのような場合には、前述の交線を光軸として取り扱えばよい。
【0025】
ちなみに、レンズアレイLA1(LA2)は、光透過製のガラス平板に樹脂製のレンズLS1(LS2)を形成することで構成することができる。また、この実施形態では、長手方向LGDに長尺なレンズアレイを一体的な構成で作成することは困難であることに鑑みて、比較的短尺なガラス平板に樹脂製のレンズLS1(LS2)を2行千鳥で形成して1つの短尺なレンズアレイLA1(LA2)を作製し、この短尺レンズアレイLA1(LA2)を長手方向LGDに複数並べることで、長手方向LGDに長尺なレンズアレイを構成している。
【0026】
より具体的には、ヘッド基板表面293−hの幅方向LTDの両端部それぞれには、複数のスペーサーSP1が長手方向LGDに直線的に間隔を空けて並べられている。そして、幅方向LTDへスペーサーSP1、SP1に架設された状態で、複数のレンズアレイLA1が長手方向LGDに並べられて、1つの長尺レンズアレイが構成されている。また、レンズアレイLA1からなる長尺レンズアレイ表面の幅方向LTDの両端部それぞれには、複数のスペーサーSP2が長手方向LGDに直線的に間隔を空けて並べられている。そして、幅方向LTDへスペーサーSP2、SP2に架設された状態で、複数のレンズアレイLA2が長手方向LGDに並べられて、1つの長尺レンズアレイが構成されている。さらに、レンズアレイLA2からなる長尺レンズアレイ表面には平板状の支持ガラスSSが接着されており、複数のレンズアレイLA2は各スペーサーSP2のみならず、当該スペーサーSP2の反対側から支持ガラスSSによっても支持されている。また、この支持ガラスSSは、各レンズアレイLA2が外部に露出しないように、当該レンズアレイLA2を覆う機能も併せ持つ。
【0027】
こうして、光軸方向Doaにおいて、所定間隔を空けて並ぶレンズアレイLA1、LA2がヘッド基板293に対向する。これにより、光軸方向Doaに平行な光軸OAを有する結像光学系LS1、LS2が発光素子Eに対向することとなり、発光素子Eが射出した光は、結像光学系LS1、LS2および支持ガラスSSをこの順番に透過して、被露光面ESに照射される(図3の破線)。これにより、発光素子Eからの光が結像光学系LS1、LS2により結像されてスポットSTとして被露光面ESに照射される。なお、ここでは、結像光学系LS1、LS2は、結像倍率の絶対値が1未満であって倒立像を形成する(結像倍率が負の)縮小反転光学系である。
【0028】
このように、レンズアレイLA1およびレンズアレイLA2から光学ユニットが構成されている。また、当該光学ユニットにおいてレンズアレイLA1およびレンズアレイLA2は、レンズアレイLA1上に形成されたレンズLS1とレンズアレイLA2上に形成されたレンズLS2との光軸が一致するように配設されている。そして、光軸が一致するLS1およびレンズLS2によって結像光学系LS1、LS2が構成される。
【0029】
ところで、図1では、複数の発光素子Eが等ピッチPeで並んでいるが、これらの発光素子Eのうち、実際に発光するのはボンディングワイヤーWRが接続されたもののみであり、それ以外の発光素子Eは発光しない。つまり、結像光学系LS1、LS2の光軸OAから所定範囲にある発光素子Eに対してのみボンディングワイヤーWRが接続されている。このボンディングワイヤーWRは、ヘッド基板293(回路基板)の配線パターンと発光素子Eとを電気的に接続する機能を果たす。そして、発光を制御する駆動信号がヘッド基板293からボンディングワイヤーWRを介して発光素子Eに印加されると、当該発光素子Eが光を射出する。こうして、射出された光により、被露光面ESが露光される。
【0030】
なお、実際にラインヘッド29で被露光面ESを露光するための制御は、既に知られている技術を用いることができ、例えば、特開2008−36937号公報に記載されているように、被露光面ESの移動に応じたタイミングで各発光素子Eの発光タイミングを制御すれば良い。
【0031】
ところで、上でも少し述べたとおり、発光素子EとレンズアレイLA1との間には遮光部材297が配置されている。したがって、発光素子Eから射出された光は、遮光部材297を通過した後に結像光学系LS1、LS2に入射する。そこで、この遮光部材297の詳細について次に説明する。
【0032】
遮光部材297は、遮光平板2971および本体部材2972から構成されている(図2、図3)。遮光平板2971には、レンズアレイLA1のレンズLS1毎に、当該レンズLS1に対向する小径孔BR1が、光軸方向Doaに貫通形成されている。また、本体部材2972には、レンズアレイLA1のレンズLS1毎に、当該レンズLS1に対向する大径孔BR2が、光軸方向Doaに貫通形成されている。これら遮光平板2971および本体部材2972は、金属、セラミックあるいは樹脂等により構成することができる。
【0033】
これら小径孔BR1および大径孔BR2はいずれも円柱形状の孔であり、小径孔BR1に比べて大径孔BR2は大きな径を有している。そして、光軸方向Doaからの平面視において、小径孔BR1の中心(あるいは幾何重心)と大径孔BR2の中心(あるいは幾何重心)とが一致もしくは略一致するように、本体部材2972の底面に遮光平板2971の上面が接着剤等により貼り合わされる。これにより、大径孔BR2の周縁からその内部に小径孔BR1の周縁が突き出るように、遮光平板2971および本体部材2972が互いに位置決めされる。
【0034】
そして、以上の構成を備えた遮光部材297が、ヘッド基板293とレンズアレイLA1との間に配設される。この際、遮光部材297は、小径孔BR1、大径孔BR2の中心軸が結像光学系LS1、LS2の光軸OAと一致もしくは略一致するように位置決めされる。また、遮光部材297は、ヘッド基板293に配置されたスペーサー296を介して、ヘッド基板293に対向する。つまり、LEDチップCPa、CPbの2行千鳥配列に対して幅方向LTDの両側それぞれには、長手方向LGDに長尺な細長直方体形状のスペーサー296が配置されており、遮光部材297は、これらスペーサー296、296上に架設される。
【0035】
こうして、発光素子Eから結像光学系LS1、LS2に向かう方向(光軸方向Doa)に、遮光平板2971と本体部材2972とがこの順番で配設される。そして、発光素子Eから射出された光のうち、遮光平板2971の底面で遮られることなく小径孔BR1に入射した光が、大径孔BR2を通過した後に結像光学系LS1、LS2により結像されて、被露光面ESにスポットSTが形成される。このように、この遮光部材297では、小径孔BR1と大径孔BR2とから導光孔が構成されている。ちなみに、遮光平板2971の少なくとも底面は黒色メッキを施しておくと良い。これにより、遮光平板2971で遮光した迷光の強度を効果的に減衰させることができる。
【0036】
ところで、上述したとおり、このラインヘッド29では、結像光学系LS1、LS2の光軸OAから所定範囲にある発光素子Eに対してのみボンディングワイヤーWRが接続されている。そこで、以下では、ボンディングワイヤーWRが接続される発光素子Eの選択基準の一例について説明する。
【0037】
上述のラインヘッド29では、結像光学系LS1、LS2が長手方向LGDに2行千鳥で並んでいる。このようなラインヘッドでは、長手方向LGDへの位置が隣り合う結像光学系LS1、LS2、すなわち長手方向LGDへの光軸間距離がDg(=Pg/2)となる2つの結像光学系が主走査方向MDに隣接してスポットSTを形成する。図4は、ラインヘッドのスポット形成動作を示す図である。同図の「ラインヘッド」の欄は、発光素子E、結像光学系LS1、LS2および被露光面ESの配置関係を模式的に示している。また、同欄では、ワイヤーボンディングがなされた発光素子Eに対しては符号Ecが付され、ワイヤーボンディングがなされていない発光素子Eに対しては符号Encが付されている。なお、ここで示される開口絞りは、上では触れなかったが、大径孔BR2の途中に形成されて長手方向LGDに直径Doaを有する円形孔であり、結像光学系LS1、LS2に入射する光量を制限するものである。また、同図の「同時点灯」の欄は、ワイヤーボンディングがされた各発光素子Eを同時点灯した場合に被露光面ESに形成されるスポットSTを示し、同図の「タイミング制御」は、特開2008−36937号公報に記載されているように、被露光面ESの副走査方向SDへの移動に応じたタイミングで各発光素子Eの発光タイミングを制御した場合に被露光面ESに形成されるスポットSTを示す。
【0038】
まずは、1つの結像光学系LS1、LS2の動作について説明する。この結像光学系LS1、LS2の光軸OAから長手方向LGDに距離Ho以内にある各発光素子Eが点灯すると、これらの発光素子Eからの光を結像光学系LS1、LS2が結像倍率βで結像して、主走査方向MDに直線的に並ぶ複数のスポットSTがスポットグループSGとして被露光面ESに形成される。
【0039】
このラインヘッド29では、このような結像光学系LS1、LS2が長手方向LGDに2行千鳥で並んでいるため、各結像光学系LS1、LS2のそれぞれが同時にスポットグループSGを形成すると、複数のスポットグループSGが2行千鳥で長手方向LGDに形成される(同時点灯の欄)。また、被露光面ESを副走査方向SDに移動させつつ、発光素子Eの発光タイミングを制御することで、各スポットグループSGを主走査方向MDに連ねて形成することもできる(タイミング制御の欄)。
【0040】
ところで、このようなラインヘッド29において、主走査方向MDに隣接して形成されるスポットグループSGが主走査方向MDに隙間なくきちんと連なるためには、各結像光学系LS1、LS2が、主走査方向MDに距離Dgの長さを有するスポットグループSGを形成できることが求められる。そこで、この実施形態では、距離Hoは、次式、
Ho=Dg/|2×β| …式1
を満たしており、結像光学系LS1、LS2の光軸OAから距離Hoの範囲にある距離He(He<Ho)に配設された各発光素子Eがワイヤーボンディングされて発光可能に構成されている。ここで、βは結像光学系の主走査方向MDにおける倍率であり、記号||は、絶対値を表す。なお、距離Dgは、レンズ行LRa(LRb)におけるレンズ間距離Pgと、レンズ行の行数j(jは2以上の正の整数であり、本実施形態の例ではj=2)との間に、次の関係
Dg=Pg/j …式2
を有する。よって、式1は、
Ho=Pg/|2×β×j| …式3
と書き改めることができる。本実施形態ではj=2であるので、式3は、さらに、
Ho=Pg/|4×β|
と書き改めることができる。そして、結像光学系LS1、LS2の光軸OAから長手方向LGDに距離He(He<Ho)にある各発光素子Eが、ワイヤーボンディングされて発光可能となる。これにより、各スポットグループSGを主走査方向MDに連なって形成することができ、主走査方向MDに隙間を空けずに被露光面ESを露光することができる。
【0041】
このように、本実施形態では、結像光学系LS1、LS2の光軸OAから所定範囲Hoにある発光素子Eに対してボンディングワイヤーWRが接続される。したがって、図1に示すように、結像光学系LS1、LS2の千鳥配置に対応して、ワイヤーボンディングがされた10個の発光素子Eで構成される発光素子グループEGが、長手方向LGDに2行千鳥で離散的に並ぶこととなる。この際、1つのLEDチップCPa(CPb)に形成された発光素子Eのみによって構成される発光素子グループEGもあれば、2つのLEDチップCPa、CPa(CPb、CPb)に形成された発光素子Eから構成される発光素子グループEGもある。つまり、図1を用いて具体例を挙げれば、LEDチップCPb2とLEDチップCPb3との境界を跨いで長手方向LGDに並ぶ10個の発光素子Eから1個の発光素子グループEGが構成されている。
【0042】
以上のようにこの実施形態では、長手方向LGDに配設された複数の発光素子Eを有するLEDチップを、長手方向LGDに複数並べている。こうして、ラインヘッド29では、複数の発光素子Eが長手方向LGDに並ぶ。そして、これら複数の発光素子Eのうち、結像光学系LS1、LS2により結像される光を射出する発光素子Eに対して、ボンディングワイヤーWRが接続される。したがって、結像光学系LS1、LS2に対して適切な位置にある発光素子Eに対してボンディングワイヤーWRを接続することができる。よって、発光素子Eと結像光学系LS1、LS2との位置関係が不適切となることに起因した露光不良の発生を抑制して、良好な露光を実現することが可能となる。
【0043】
また、上記光学ユニットでは、幅方向LTDにj個(jは2以上の整数)の結像光学系LS1、LS2を有し、被露光面ESでは、当該j個の結像光学系LS1、LS2が主走査方向MDに隣り合う領域に光を照射する。そして、このような構成では、これらの結像光学系LS1、LS2が被露光面ESを隙間無く露光することが好適となる。そこで、ボンディングワイヤーWRは、結像光学系LS1、LS2の光軸OAから長手方向LGDに、次式
Ho=Pg/|2×β×j|、
Pg:レンズ行内で長手方向LGDに隣り合う2つの結像光学系の光軸間距離、
β:結像光学系LS1、LS2の主走査方向MDへの倍率、
を満たす距離Hoの範囲内の距離He(He<Ho)にある各発光素子Eに対して接続されるように構成している。これにより、各結像光学系によって被露光面を隙間無く、適切に露光することができる。
【0044】
また、図1に示すように、ヘッド基板293(回路基板)にはアライメントマークAM(第1のマーク)が付されている。また、図示を省略するが、レンズアレイLA1、LA2には、レンズLS1、LS2の有効径外にアライメントマーク(第2のマーク)が付されている。このような構成では、各アライメントマークを基準として、ボンディングワイヤーWRを接続する発光素子Eを選定し、さらに同じアライメントマークを基準として、発光素子とレンズアレイLA1、LA2(光学ユニット)の位置決めを行なうことができる。その結果、ボンディングワイヤーWRが接続されて結像に供する光を射出する発光素子Eと結像光学系LS1、LS2との位置関係を簡単に適切なものとすることができる。
【0045】
第2実施形態
図5は、第2実施形態での発光素子に対するボンディングワイヤーの接続態様を示す平面図であり、光軸方向からヘッド基板表面を平面視した場合に相当する。第2実施形態と第1実施形態との差異はヘッド基板表面293−hでの構成のみであるので、以下では、この差異点について主に説明するとして、共通部分については説明を省略する。なお、第2実施形態においても、第1実施形態と共通する構成を備えることで、第1実施形態と同様の効果を奏することができる点については言うまでもない。
【0046】
第2実施形態では、ヘッド基板293はガラス基板で構成されており、ガラスエポキシ基板295はヘッド基板293と別に設けられている。より具体的には、ヘッド基板293の表面293−hでは、LEDチップCPa,CPbの2行配列の幅方向LTDの両側それぞれにガラスエポキシ基板295が固定されている。そして、一方側のガラスエポキシ基板295とLEDチップCPa(CPa1、CPa2、CPa3、…)とがボンディングワイヤーWRで接続されるとともに、他方側のガラスエポキシ基板295とLEDチップCPb(CPb1、CPb2、CPb3、…)とがボンディングワイヤーWRで接続されている。
【0047】
そして、第2実施形態においても、複数の発光素子Eのうち、結像光学系LS1、LS2により結像される光を射出する発光素子Eに対して、ボンディングワイヤーWRが接続される。したがって、結像光学系LS1、LS2に対して適切な位置にある発光素子Eに対してボンディングワイヤーWRを接続することができる。よって、発光素子Eと結像光学系LS1、LS2との位置関係が不適切となることに起因した露光不良の発生を抑制して、良好な露光を実現することが可能となる。
【0048】
また、これらLEDチップCPa、CPbおよびガラスエポキシ基板295を外れた位置に位置決め用のアライメントマークAMが付されている。したがって、アライメントマークAMを基準として、ボンディングワイヤーWRを接続する発光素子Eを選定し、さらに同じアライメントマークAMを基準として、レンズアレイLA1、LA2(光学ユニット)の位置決めを行なうことができる。その結果、ボンディングワイヤーWRが接続されて結像に供する光を発光する発光素子Eと結像光学系LS1、LS2との位置関係を簡単に適切なものとすることができる。また、線膨張係数の小さいガラス基板をヘッド基板293としてを用いることで、温度変動に伴なう発光素子Eの位置変動を抑制して、広い温度範囲で、発光素子Eと結像光学系LS1、LS2との位置関係を適切なものに保つことができる。
【0049】
第3実施形態
図6は上述したラインヘッドを適用可能な画像形成装置の一例を示す図である。また、図7は図6の装置の電気的構成を示すブロック図である。第3実施形態では、上述したラインヘッド29を備えた画像形成装置の一例について、これらの図を用いて説明する。この画像形成装置1は、互いに異なる色の画像を形成する4個の画像形成ステーション2Y(イエロー用)、2M(マゼンタ用)、2C(シアン用)および2K(ブラック用)を備えている。そして、画像形成装置1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてカラー画像を形成するカラーモードと、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードとを選択的に実行可能となっている。
【0050】
この画像形成装置では、ホストコンピューターなどの外部装置から画像形成指令がCPUやメモリーなどを有するメインコントローラーMCに与えられると、このメインコントローラーMCはエンジンコントローラーECに制御信号を与えるとともに画像形成指令に対応するビデオデータVDをヘッドコントローラーHCに与える。このとき、メインコントローラーMCは、ヘッドコントローラーHCから水平リクエスト信号HREQを受け取る毎に、主走査方向MDに1ライン分のビデオデータVDをヘッドコントローラーHCに与える。また、ヘッドコントローラーHCは、メインコントローラーMCからのビデオデータVDとエンジンコントローラーECからの垂直同期信号Vsyncおよびパラメーター値とに基づき、各色の画像形成ステーション2Y、2M、2C、2Kそれぞれのラインヘッド29を制御する。これによって、エンジン部ENGが所定の画像形成動作を実行し、複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシート状の記録媒体RMに画像形成指令に対応する画像を形成する。
【0051】
各画像形成ステーション2Y、2M、2Cおよび2Kは、トナー色を除けばいずれも同じ構造および機能を有している。そこで、図6では、図を見やすくするために、画像形成ステーション2Cを構成する各部品にのみ符号を付し、他の画像形成ステーション2Y、2Mおよび2Kに付すべき符号については記載を省略する。また、以下の説明では、図6に付した符号を参照して画像形成ステーション2Cの構造および動作を説明するが、他の画像形成ステーション2Y、2Mおよび2Kの構造および動作も、トナー色が異なることを除けば同じである。
【0052】
画像形成ステーション2Cには、シアン色のトナー像がその表面に形成される感光体ドラム21が設けられている。感光体ドラム21は、その回転軸が主走査方向MD(図6の紙面に対して垂直な方向)に平行もしくは略平行となるように配置されており、図6中矢印D21の方向に所定速度で回転駆動される。これにより、感光体ドラム21の表面が、主走査方向MDに直交もしくは略直交する副走査方向SDに移動することとなる。
【0053】
感光体ドラム21の周囲には、感光体ドラム21表面を所定の電位に帯電させるコロナ帯電器である帯電器22と、感光体ドラム21表面を画像信号に応じて露光することで静電潜像を形成するラインヘッド29と、該静電潜像をトナー像として顕像化する現像器24と、第1スクイーズ部25と、第2スクイーズ部26と、転写後の感光体ドラム21の表面をクリーニングするクリーニングユニットとが、それぞれこれらの順に感光体ドラム21の回転方向D21(図6では、時計回り)に沿って配設されている。
【0054】
この実施形態では、帯電器22は2つのコロナ帯電器221、222で構成されており、感光体ドラム21の回転方向D21においてコロナ帯電器221がコロナ帯電器222に対して上流側に配置されており、2つのコロナ帯電器221、222により2段階で帯電されるように構成されている。各コロナ帯電器221、222は同一構成であり、感光体ドラム21の表面に接触しないものであり、スコロトロン帯電器である。
【0055】
そして、コロナ帯電器221、222により帯電された感光体ドラム21表面に対して、ラインヘッド29がビデオデータVDに基づいて静電潜像を形成する。つまり、ヘッドコントローラーHCがラインヘッド29にビデオデータVDを送信すると、このビデオデータVDに応じた駆動信号がボンディングワイヤーWRを介して各発光素子Eに供給され、各発光素子Eが発光する。これにより、感光体ドラム21表面が露光されて、画像信号に対応した静電潜像が形成される。なお、ラインヘッド29の具体的構成は、既に述べたとおりである。
【0056】
こうして形成された静電潜像に対して現像器24からトナーが付与されて、静電潜像がトナーにより現像される。この画像形成装置1の現像器24は、現像ローラー241を有している。この現像ローラー241は円筒状の部材であり、鉄等金属製の内芯の外周部に、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、NBR、PFAチューブなどの弾性層を設けたものである。この現像ローラー241は現像用モーターに接続され、図6紙面において反時計回りに回転駆動されて感光体ドラム21に対してウィズ回転する。また、この現像ローラー241は図示を省略する現像バイアス発生部(定電圧電源)と電気的に接続されており、適当なタイミングで現像バイアスが印加されるように構成されている。
【0057】
また、この現像ローラー241に対して液体現像剤を供給するためにアニロックスローラーが設けられており、アニロックスローラーを介して現像剤貯留部から現像ローラー241へ液体現像剤が供給される。このようにアニロックスローラーは現像ローラー241に対して液体現像剤を供給する機能を有する。このアニロックスローラーは、液体現像剤を担持し易いように表面に微細且つ一様に彫刻された螺旋溝などによる凹部パターンが形成されたローラーである。現像ローラー241と同様に、金属の芯金にウレタン、NBRなどのゴム層を巻き付けたものや、PFAチューブを被せたものなどが用いられる。また、アニロックスローラーは現像用モーターに接続されて回転する。
【0058】
現像剤貯留部に貯留される液体現像剤は、従来一般的に使用されている、Isopar(商標:エクソン)を液体キャリアとした低濃度(1〜2wt%)かつ低粘度の常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性樹脂中へ顔料などの着色剤を分散させた平均粒径1μmの固形子を、有機溶媒、シリコンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約20%とした高粘度(30〜10000mPa・s程度)の液体現像剤が用いられる。
【0059】
上記のようにして、液体現像剤が供給された現像ローラー241はアニロックスローラーと同時に回転すると共に、感光体ドラム21の表面とは同方向に移動するように回転して現像ローラー241の表面に担持された液体現像剤を現像位置に搬送する。なお、トナー像を形成するため、現像ローラー241の回転方向は、その表面が感光体ドラム21の表面と同方向に移動するようにウィズ回転する必要があるが、アニロックスローラーに対しては、逆方向、或いは、同方向、どちらに移動する構成であってもよい。
【0060】
また、現像器24では、この現像ローラー241の回転方向において現像位置の上流側直前にトナー圧縮コロナ発生器242が現像ローラー241に対向して配置されている。このトナー圧縮コロナ発生器242は現像ローラー241の表面の帯電バイアスを増加させる電界印加手段であり、定電流電源で構成されたトナーチャージ発生部(図示省略)と電気的に接続されている。そして、トナー圧縮コロナ発生器242に対してトナーチャージバイアスが与えられると、現像ローラー241によって搬送される液体現像剤のトナーに対して、このトナー圧縮コロナ発生器242と近接する位置で電界が印加され、帯電、圧縮が施される。なお、このトナー帯電、圧縮には、電解印加によるコロナ放電に代えて、接触して帯電させるコンパクションローラーを用いてもよい。
【0061】
また、このように構成された現像器24は感光体ドラム21上の潜像を現像する現像位置と感光体ドラム21から離れた退避位置との間で往復可能となっている。したがって、現像器24が退避位置に移動して位置決めされると、その間、シアン用の画像形成ステーション2Cでは、感光体ドラム21への新たな液体現像剤の供給は停止される。
【0062】
感光体ドラム21の回転方向D21において現像位置の下流側に、第1スクイーズ部25が配置されるとともに、さらに第1スクイーズ部25の下流側に第2スクイーズ部26が配置されている。これらのスクイーズ部25、26にはスクイーズローラー251、261がそれぞれ設けられている。そして、スクイーズローラー251が第1スクイーズ位置で感光体ドラム21の表面と当接しながらメインモーターからの回転駆動力を受けて回転してトナー像の余剰現像剤を除去する。また、感光体ドラム21の回転方向D21において第1スクイーズ位置の下流側の第2スクイーズ位置でスクイーズローラー261が感光体ドラム21の表面と当接しながらメインモーターからの回転駆動力を受けて回転してトナー像の余剰液体キャリアやカブリトナーを除去する。また、本実施形態ではスクイーズ効率を高めるために、スクイーズローラー251、261に対して図示省略するスクイーズバイアス発生部(定電圧電源)が電気的に接続されており、適当なタイミングでスクイーズバイアスが印加されるように構成されている。なお、本実施形態では2つのスクイーズ部25、26を設けているが、スクイーズ部の個数や配置などはこれに限定されるものではなく、例えば1個のスクイーズ部を配置してもよい。
【0063】
これらのスクイーズ位置を通過してきたトナー像は転写部3の中間転写体31に1次転写される。この中間転写体31は、その表面、より詳しくはその外周面にトナー像を一時的に担持可能な像担持体としての無端状ベルトであり、複数のローラー32、33、34、35および36に掛け渡されている。これらのうちローラー32はメインモーターに連結されて、中間転写体31を図6の矢印方向D31に周回駆動するベルト駆動ローラーとして機能している。なお、本実施形態では、記録紙RMとの密着性を高めて記録紙RMへのトナー像の転写性を高めるために、中間転写体31の表面に弾性層を設け、当該弾性層の表面にトナー像が担持されるように構成されている。
【0064】
ここで、中間転写体31を掛け渡されたローラー32ないし36のうち、メインモーターにより駆動されるのは上記したベルト駆動ローラー32のみであり、他のローラー33ないし36は駆動源を有しない従動ローラーである。また、ベルト駆動ローラー32は、ベルト移動方向D31において一次転写位置TR1の下流側、かつ後述する二次転写位置TR2の上流側で中間転写体31を巻き掛けている。
【0065】
転写部3は一次転写バックアップローラー37を有しており、一次転写バックアップローラー37は中間転写体31を挟んで感光体ドラム21と対向して配設されている。感光体ドラム21と中間転写体31とが当接する一次転写位置TR1では、感光体ドラム21の外周面が中間転写体31と当接して一次転写ニップ部NP1cを形成している。そして、感光体ドラム21上のトナー像が中間転写体31の外周面(一次転写位置TR1において下面)に転写される。こうして画像形成ステーション2Cにより形成されたシアン色のトナー像が中間転写体31に転写される。同様に、他の画像形成ステーション2Y、2Mおよび2Kでもトナー像の転写が実行されることで、各色のトナー像が中間転写体31上に順次重ね合わされ、フルカラーのトナー像が形成される。一方、モノクロトナー像が形成される際には、ブラック色に対応した画像形成ステーション2Kのみにおいて、中間転写体31へのトナー像転写が行われる。
【0066】
こうして中間転写体31に転写されたトナー像は、ベルト駆動ローラー32への巻き掛け位置を経由して二次転写位置TR2に搬送される。この二次転写位置TR2では、中間転写体31を巻き掛けられたローラー34に対して二次転写部4の二次転写ローラー42が中間転写体31を挟んで対向配置されており、中間転写体31表面と転写ローラー42表面とが互いに当接して二次転写ニップ部NP2を形成している。すなわち、ローラー34は二次転写バックアップローラーとして機能している。バックアップローラー34の回転軸は、例えばバネのような弾性部材である押圧部345によって弾性的に、かつ中間転写体31に対して近接・離間移動自在に支持されている。
【0067】
二次転写位置TR2においては、中間転写体31上に形成された単色あるいは複数色のトナー像が、一対のゲートローラー51から搬送経路PTに沿って搬送される記録媒体RMに転写される。また、トナー像が二次転写された記録媒体RMは、二次転写ローラー42から搬送経路PT上に設けられた定着ユニット7へ送出される。定着ユニット7では、記録媒体RMに転写されたトナー像に熱や圧力などが加えられて記録媒体RMへのトナー像の定着が行われる。こうして、記録媒体RMに所望の画像を形成することができる。
【0068】
その他
以上のように、上記実施形態では、ラインヘッド29が本発明の「露光ヘッド」に相当し、感光体ドラム21が本発明の「潜像担持体」に相当し、現像器24が本発明の「現像部」に相当する。また、長手方向LGDあるいは主走査方向MDが本発明の「第1の方向」に相当し、幅方向LTDあるいは副走査方向SDが本発明の「第2の方向」に相当する。
【0069】
また、LEDチップCPb2を本発明の「第1の発光チップ」としたとき、LEDチップCPb3が本発明の「第2の発光チップ」に相当し、LEDチップCPa2が本発明の「第3の発光チップ」に相当し、LEDチップCPb2に形成された発光素子Eの個数が本発明の「n1」に相当し、LEDチップCPb3に形成された発光素子Eの個数が本発明の「n2」に相当し、LEDチップCPa2に形成された発光素子Eの個数が本発明の「n3」に相当し、LEDチップCPb2の発光素子Eのみから構成される発光素子グループEGの各発光素子Eが本発明のm1の発光部に相当し、当該m1の発光部に接続されるボンディングワイヤーWRが本発明の「m1のボンディングワイヤー」に相当し、LEDチップCPb2およびLEDチップCPb3の発光素子Eから構成される発光素子グループEGの各発光素子Eのうち、LEDチップCPb2側の発光素子Eが本発明の「m2の発光部」に相当し、LEDチップCPb3側の発光素子Eが本発明の「m3の発光部」に相当し、当該m2の発光部に接続されるボンディングワイヤーWRが本発明の「m2のボンディングワイヤー」に相当し、当該m3の発光部に接続されるボンディングワイヤーWRが本発明の「m3のボンディングワイヤー」に相当し、LEDチップCPa2の発光素子Eのみから構成される発光素子グループEGの各発光素子Eが本発明のm4の発光部に相当し、当該m4の発光部に接続されるボンディングワイヤーWRが本発明の「m4のボンディングワイヤー」に相当し、m1の発光素子Eが発光する光を結像する結像光学系が本発明の「結像光学系」に相当し、m2の発光素子Eおよびm3の発光素子Eが発光する光を結像する結像光学系が本発明の「第2の結像光学系」に相当し、m4の発光素子Eが発光する光を結像する結像光学系が本発明の「第3の結像光学系」に相当する。
【0070】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記実施形態では、レンズ行は2行であったが、レンズ行の行数jは2に限られず3あるいはそれ以上であっても良い。すなわち、3個の結像光学系LS1、LS2(結像光学系、第4の結像光学系、第5の結像光学系)を幅方向LTDに配設し、さらに、各結像光学系LS1、LS2にLEDチップ(第1の発光チップ、第4の発光チップ、第5の発光チップ)を対向させるようにして、ラインヘッド29を構成しても良い。そして、各結像光学系LS1、LS2の光軸OAから所定距離He2に配設された発光素子E(m5の発光部)とヘッド基板293の配線パターンとをボンディングワイヤーWR(m5のボンディングワイヤー)により電気的に接続すれば良い。この際、距離He2は、下記の関係
He2<Ho2
Ho2=Pg/|6×β|
を有するようにラインヘッドを構成すると良い。これにより、各スポットグループSGを主走査方向MDに連なって形成することができ、主走査方向MDに隙間を空けずに被露光面ESを露光することができる。
【0071】
また、遮光部材297の構成は上述のものに限られず、具体的には、特開2008−307885号公報に記載されている複数の遮光板を光軸方向Doaに並べた構成を採用しても良い。
【0072】
また、上記実施形態では、遮光部材の小径孔BR1を円柱形状で構成していたが、小径孔BR1の形状はこれに限られない。そこで、例えば、楕円柱形状で小径孔BR1を構成しても良い。
【0073】
また、上記実施形態では、遮光部材の大径孔BR2を円柱形状で構成していたが、大径孔BR2の形状はこれに限られない。そこで、例えば、楕円柱形状で大径孔BR2を構成しても良い。
【0074】
また、上述のLED素子以外に有機EL(Electro-Luminescence)等の光源を、発光素子Eとして用いることもできる。
【0075】
また、上記実施形態では、複数のレンズLS1(LS2)は、長手方向LGDに2行千鳥で並んでいたが、レンズの配列態様はこれに限られない。そこで、例えば、特願2006−213299号公報に記載のように、レンズを3行千鳥で並べることもできる。
【0076】
また、上記実施形態では、LEDチップCPa、CPbにおいて、発光素子Eが直線状に並んでいたいが、これらは千鳥状に並んでいても良い。
【0077】
また、上記実施形態では、駆動信号として電圧信号を発光素子Eに印加していたが、電流信号を発光素子Eに印加して、発光素子Eを発光させるように構成しても良い。
【実施例】
【0078】
次に本発明の実施例を示すが、本発明はもとより下記の実施例によって制限を受けるものではなく、前後記の趣旨に適合しうる範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0079】
実施例
ここでは、より具体的なレンズデータを示して本発明の実施例について説明する。なお、この実施例では、方向を示す用語として主方向、副方向が用いられるが、主方向は主走査方向MDに対応し、副方向は副走査方向SDに対応するものである。図8は、実施例にかかる光学系の光学諸元を表として示した図である。この表に示されるように、像開口数は0.15であり、スポットグループSG主方向全幅Wsg(つまり、スポットグループSGの主走査方向MDにおける幅)は1.08[mm]であり、発光素子グループ主方向全幅Weg(つまり、発光素子グループEGの主走査方向MDにおける幅)は1.54[mm]であり、光学系倍率は−0.7倍である。
【0080】
図9は、実施例にかかる光学系のレンズデータを表として示す図である。図9における、SCHOTT BK7の屈折率およびアッベ数は、Nd=1.51680、νd=64.17である。図10は、S3面のレンズ面形状を与える、定義式、当該定義式における各係数の値、および主走査方向MDへのレンズの直径を一覧で示した図である。図11は、S6面のレンズ面形状を与える、定義式、当該定義式における各係数の値、および主走査方向MDへのレンズの直径を一覧で示した図である。図12は、主走査方向MDの断面における光線図である。図13は、副走査方向SDの断面における光線図である。
【0081】
この実施例の上記光学設計では、主方向レンズ直径が1.96[mm]で設計されている。したがって、結像光学系LS1、LS2を2行千鳥で配置するとしたとき、スポットグループ主方向全幅1.08[mm]の2倍(=2.16[mm])以下で、結像光学系LS1、LS2を配列可能となっている。したがって、例えば、レンズピッチPgを2.16[mm]に設定し、結像光学系LS1、LS2の光軸OAを中心に主方向に、
±Ho=±Pg/|2×β|
=±2.16/|2×(−0.7)×2|
=±0.77[mm]
の範囲の発光素子Eに対してボンディングワイヤーWRを接続して発光制御することで、像面(被露光面ES、感光体ドラム21表面)に隙間なくビームスポットを照射できる。
【符号の説明】
【0082】
1…画像形成装置、 21…感光体ドラム、 29…ラインヘッド、 293…ヘッド基板、 293-h…ヘッド基板表面、 295…ガラスエポキシ基板、 CPa,CPa1,CPa2,CPa3…LEDチップ、 CPb,CPb1,CPb2,CPb3…LEDチップ、 WR…ボンディングワイヤー、 LA1…レンズアレイ、 LA2…レンズアレイ、 LS1…レンズ、 LS2…レンズ、 LGD…長手方向、 LTD…幅方向、 Doa…光軸方向、 OA…光軸、 AM…アライメントマーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向にn1(n1は、n1≧2の整数)の発光部を有する第1の発光チップと、
前記第1の発光チップの前記第1の方向に配設され、前記第1の方向にn2(n2≧2の整数)の発光部を有する第2の発光チップと、
前記第1の発光チップのn1の前記発光部のうち、m1(m1は、m1≧2かつm1<n1の整数)の前記発光部と電気的に接続されるm1のボンディングワイヤーと、
前記m1のボンディングワイヤーと電気的に接続される配線層と、
前記m1のボンディングワイヤーと電気的に接続された前記m1の発光部から発光された光を結像する光学倍率が1とは異なる結像光学系と、
を有することを特徴とする露光ヘッド。
【請求項2】
前記第1の発光チップの前記n1の発光部のうちのm2(m2は、m2≧1かつn1−m1>m2の整数)の前記発光部と電気的に接続されるとともに、前記配線層と電気的に接続されるm2のボンディングワイヤーと、
前記第2の発光チップの前記n2の発光部のうちのm3(m3は、m3≧2かつm3<n2の整数)の前記発光部と電気的に接続されるとともに、前記配線層と電気的に接続されるm3のボンディングワイヤーと、
前記結像光学系の前記第1の方向に配設され、前記m2のボンディングワイヤーと電気的に接続された前記m2の発光部から発光された光、及び前記m3のボンディングワイヤーと電気的に接続された前記m3の発光部から発光された光を結像する光学倍率が1とは異なる第2の結像光学系と、
を有する請求項1に記載の露光ヘッド。
【請求項3】
前記結像光学系の前記第1の方向と直交する第2の方向側に配設され、光学倍率が1とは異なる第3の結像光学系と、
前記第1の発光チップの前記第2の方向側に配設され、前記第1の方向にn3(n3は、n3≧2の整数)の発光部を有し、かつ前記n3の発光部のうち前記第3の結像光学系の光軸から前記第1の方向の距離Heに配設された前記発光部をm4(ここでm4は、m4≧2かつm4<n3の整数)有する第3の発光チップと、
前記m4の発光部と電気的に接続され、前記配線層と電気的に接続されるm4のボンディングワイヤーと、
を備える請求項2に記載の露光ヘッド。
ここでHeは、下記の関係を有する。
He<Ho
Ho=Pg/|4×β|
Pg:前記結像光学系の光軸と前記第2の結像光学系の光軸との間の前記第1の方向の距離、
β:前記第3の結像光学系の前記第1の方向の倍率。
【請求項4】
前記結像光学系の前記第1の方向と直交する第2の方向側に配設され、光学倍率が1とは異なる第4の結像光学系と、
前記第4結像光学系の前記第1の方向と直交する第2の方向側に配設され、光学倍率が1とは異なる第5の結像光学系と、
前記第1の発光チップの前記第2の方向側に配設され、前記第1の方向にn4(n4は、n4≧2の整数)の発光部を有する第4の発光チップと、
前記第4の発光チップの前記第2の方向側に配設され、前記第1の方向にn5(n5は、n5≧2の整数)の発光部を有し、かつ前記n5の発光部のうち前記第5の結像光学系の光軸からの前記第1の方向の距離He2に配設された前記発光部をm5(ここで、m5はm5≧2かつm5<n4の整数)有する第5の発光チップと、
前記m5の発光部と電気的に接続され、前記配線層と電気的に接続されるm5のボンディングワイヤーと、
を備える請求項2に記載の露光ヘッド。
ここでHe2は、
He2<Ho2
Ho2=Pg/|6×β|
Pg:前記結像光学系の光軸と前記第2の結像光学系の光軸との間の前記第1の方向の距離、
β:前記第5の結像光学系の前記第1の方向の倍率。
【請求項5】
前記第1の発光チップおよび前記第2の発光チップは回路基板に配設され、前記回路基板は第1のマークを有し、前記結像光学系を形成するレンズは有効径外に第2のマークを有する請求項1ないし4のいずれか一項に記載の露光ヘッド。
【請求項6】
第1の方向にn1(n1は、n1≧2の整数)の発光部を有する第1の発光チップ、前記第1の発光チップの前記第1の方向に配設され前記第1の方向にn2(n2≧2の整数)の発光部を有する第2の発光チップ、前記第1の発光チップのn1の発光部のうちm1(m1は、m1≧2かつm1<n1の整数)の発光部と電気的に接続されるm1のボンディングワイヤー、前記m1のボンディングワイヤーと電気的に接続される配線層、および前記m1ボンディングワイヤーと電気的に接続された前記m1の発光部から発光された光を結像する光学倍率が1とは異なる結像光学系、を有する露光ヘッドと、
前記第2の方向に移動し、前記露光ヘッドにより前記潜像が形成される潜像担持体と
前記潜像担持体に形成された前記潜像を現像する現像部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2011−230290(P2011−230290A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−99783(P2010−99783)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】