説明

露光装置及びその制御方法、デバイスの製造方法、コンピュータ可読メモリ、プログラム

【課題】露光装置及びその制御方法において、基板上の複数のショット領域のそれぞれに対して、原版のパターンを位置合わせする際の位置合わせ精度を落とすことなく、スループットを向上させる。
【解決手段】ショット補正パラメータの自動計測を行うかどうかを判断し(S602)、計測を行う場合にのみ、ショット補正パラメータの自動計測を行うことで処理を減らす(S603)。その後、ウエハ補正パラメータの自動計測を行い(S604)、ショット補正パラメータの自動計測を行ったかどうかに応じて、ショット補正パラメータとウエハ補正パラメータとの相対パラメータδを算出するか(S606)、記憶してある相対パラメータδ及びウエハ補正パラメータからショット補正パラメータを算出するか(S607)を判断することで、位置合わせの精度を保つ(S605)。得られたショット補正パラメータとウエハ補正パラメータとに応じて、装置ユニットを駆動し(S608)、露光する(S609)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光装置及びその制御方法、デバイスの製造方法、コンピュータ可読メモリ、プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ステッパーなどの半導体露光装置においては、原板であるレチクル(マスク)上に形成された回路パターンを、基板であるウェハ(プレート)上に形成された回路パターンに、高精度で重ね合わせるための位置合わせ(アライメント)が行われる。
【0003】
ウェハ上に形成されている回路パターン領域(ショット)の配列を求める手法として、AGA(Advanced Global Alignment)と呼ばれる手法が知られている。AGAは、全ショットの中から幾つかのサンプルショットを選び、それらのサンプルショットそれぞれについての設計位置からの位置ずれ量を計測し、計測結果を統計処理することにより、ウェハ上のショット配列を補正するためのウェハの補正パラメータ(ウェハ補正パラメータと呼ぶ)を求めるという手法である。ここでいうウェハ補正パラメータとは、例えば、以下の量のことである。
(1)ウェハ中心位置のシフト誤差(平行移動量) (Swx,Swy)
(2)ウェハ(ショット配列)のローテーション誤差(回転量)
(θwx,θwy)
(3)ウェハ(ショット配列)の倍率誤差(線形伸縮量)
(βwx,βwy)
また、ウェハの回転量のX−Y成分の差分、(θwx−θwy)をウェハの直交度と呼ぶ。
【0004】
近年、アライメントの精度をより高めるために、ウェハの補正パラメータだけでなく、ショット自身の変形量を求めて補正する手法が提案されている。ショットが変形する原因は、露光レンズのディストーションなどの装置要因や、加熱によるウェハの変形などのプロセス要因が考えられる。ショットの変形(すなわち、ショットの形状誤差)を補正するためのパラメータ(ショット補正パラメータと呼ぶ)としては、例えば、以下のような量が挙げられる。
(1)ショットのローテーション誤差(回転量) (θsx,θsy)
(2)ショットの倍率誤差(線形伸縮量) (βsx,βsy)
ウェハ補正パラメータとショット補正パラメータとの関係を、図1、図2に示す。図1は、ウェハ倍率とショット倍率の関係を表す図である。点線で示されたWafDは、ウェハの設計上の外形を表わしている。また、実線で示されたWafRは熱変形などの要因で、ウェハが伸び縮みした場合の外形を誇張して表わしたものである。ステッパーのウェハステージ上の基準点を原点とする標準座標系(x,y)上で、ウェハ半径のX方向の伸びをβwx,Y方向の伸びをβwyで表わしている。ウェハ倍率はショット配列に影響を与える。図1では、各ショットの中心位置が設計上の座標値から外向きにずれている様子を各ショット上に付した矢印で表わしている。また、SframeDは、ショットの設計上の外形を表わしており、SframeRは、ショットの倍率誤差が発生したショットの外形を表わしている。標準座標系(x,y)上でのショットの伸びを、βsx,βsyで表わしている。
【0005】
図2は、ウェハ回転とショット回転の関係を表す図である。WafRはステージの標準座標系(x,y)に対して、ウェハが回転した場合の外形を誇張して表わしたものである。ステッパーのウェハステージ上の基準点を原点とする標準座標系(x,y)上で、ウェハのX方向の回転量をθwx,Y方向の回転量をθwyで表わしている。図2では、θwx=βwyとして、ステージとウェハとの直交度(角度のずれ)が0である場合を表わしている。ウェハ回転はショット配列に影響与える。また、SframeDは、ショットの設計上の外形を表わしており、SframeRは、ショット変形により、直交度誤差が発生したショットの外形を表わしている。図2では、標準座標系(x,y)上でのショットの軸の回転を、θsx、θsyで表わしている。
【0006】
AGA手法では、ショット内に付したアライメントマークの位置を計測する事で、ショットの基準位置(通常は中心)の設計値からのずれ量を求める。この場合、ショット内で計測すべきマークは、X、Y方向各一つ(1組)である。図3(A)は、ショット(SHOT)上にマークMX1、MY1が配置されている場合を表わしている。
【0007】
一方、ショットの変形を補正するためのショット補正パラメータを求める場合には、図3(B)に示すように、X、Y方向各一つ(一組)よりも多い数のマーク(MX1〜3、MY1〜3)を配置して計測を行う。ショット補正パラメータを求めるための手法は、例えば、本出願人により公報に開示された特開平09−266164号などで紹介されている。
【0008】
以下、一般的なショット補正アライメント手法について説明する。図4は、半導体露光装置におけるオフアクシス方式のウェハアライメントシステムの概略を表すブロック図である。このアライメントシステムは、レチクル401、投影露光光学系402、入力された画像信号に対して種々の画像演算処理を行い、画像信号や演算処理結果を記憶する画像記憶演算装置403、不図示のウェハ搬入装置からウェハがアライメントシステムに送られて来た時に、ウェハの外形基準から大まかなウェハの向きを調整するためのプリアライメント装置406、ユーザからのコマンド入力を受け付ける為のコンピュータ端末407、アライメントの対象であるウェハ408、ウェハ408上に形成されたパターンの画像を拡大して見る為の顕微鏡404、顕微鏡404を通して得られたウェハ408上のパターン画像を電気信号に変換し、画像記憶演算装置403に提供する為のCCDカメラ417、ウェハ408の座標位置を平面方向、垂直方向に移動させる為のXYステージ410、ウェハ408をXYステージ410上に保持する為のウェハチャック409、顕微鏡404の画像を直接ユーザが確認する為の表示手段としてのモニタ411、及び、上記の各装置を制御するコントローラ405、によって構成されている。このコントローラ405はメモリ420やCPUを有する。顕微鏡404、およびCCDカメラ417をオフアクシス観察光学系と呼ぶ。図4において、レチクル401及び投影露光光学系402は、FRAなどの方法により正確に位置が決められており、投影露光光学系402とオフアクシス観察光学系404、417との相対的な位置関係(ベースライン)は既に計測されているものとする。
【0009】
ウェハ408上には、図3(C)に示すように、ショット補正パラメータを算出するための計測用サンプルショットS1〜S2、およびウェハ補正パラメータを算出するための計測用サンプルショットS3〜S6が形成されている。S1〜S6には、図3(B)に示した位置合わせ用マークが形成されている。S1、S2では、MX1〜MX3、MY1〜3をアライメントのための計測の対象とし、S3〜S6では、MX1、MY1をアライメントのための計測の対象としている。
【0010】
図5は、従来のショット補正アライメント手法の処理の流れを示すフローチャートである。以下、図5のフローチャートを用いて従来の手法を説明する。
【0011】
ステップS501において、不図示のウェハ搬送装置によりウェハ408が露光装置に送り込まれ、プリアライメント装置406によりおおまかな位置決めがされた後、XYステージ410上に搬送され、XYステージ410上のウェハチャック409で真空吸着により保持される。
【0012】
ステップS502〜505は、ショット補正パラメータを自動計測するための手順である。
【0013】
ステップS502で、コントローラ405は、1番目の計測ショットS1に形成されているアライメントマークMX1が、顕微鏡404の視野に入るようにXYステージ410を駆動する。
【0014】
次にステップS503において、マークの位置ずれを検出する。ここで、マークの位置ずれは以下のようにして検出される。まず、顕微鏡404及びCCDカメラ417が、不図示のアライメント照明装置によって照らされたアライメントマークMX1のパターンを画像信号として取り込む。そして、コントローラ405が、画像記憶処理装置403内に記憶されたアライメントマークのパターンとCCDカメラ417により取り込んだ画像とをパターンマッチングにより照合し、アライメントマークMX1の設計位置からのずれ量lx1を算出する。
【0015】
ステップS504では、ステップS502、ステップS503をすべてのサンプルショット(S1〜S2)について実施したか否かを判断し、未処理のショットがある場合には、ステップS502に戻り、ない場合にはステップS505に進む。すなわち、1番目の計測ショットS1の残りのアライメントマークMx2〜Mx3、My1〜My3を、Mx1と同様な手順で計測し、各マークのxおよびy方向の位置ずれ量lxn、lyn(n=1〜3、マーク番号に基づいて付す)を計測する。
【0016】
全サンプルショットにおいて、各マークの位置ずれ量を計測したら(S504でYES)、ステップS505で、ショット補正パラメータを算出する。ショット補正パラメータの算出方法は以下に示す通りである。
【0017】
サンプルショットS1〜S4のそれぞれの1ショットについて、そのショット補正パラメータを求める。ショットの中心を原点として、ショット内に存在する各マークの設計上の位置を(dxn,dyn)(n=1〜3)で表わす。ショット補正パラメータによって補正されたマーク位置(dxn',dyn')は式(1)に従って以下のように表わされる。
【0018】
【数1】

【0019】
(1)
ここで、Ssx、Ssyはショット中心のシフト誤差量である。また、計測されたマークの実位置は、式(2)に従って以下のように表わされる。
【0020】
【数2】

【0021】
(2)
補正残差Vは、式(3)に従って以下のように表わされる。
【0022】
【数3】

【0023】
(3)
lxn,lyn,dxn,dynは既知であるので、このVを最少にするような連立方程式を解いて、{Ssx,Ssy,θsx,θsy,βsx,βsy}を求めればよい。ここで、ショット配列のシフトSsx、Ssyは、f次ステップのウェハ補正パラメータを算出した結果として求まったショット配列を使えば良いので、特にここで求めた値を後の補正駆動で使用する必要はない。複数のサンプルショットを計測した結果、ショット補正パラメータがサンプルショットの数だけ求まるので、最後にそれらのショット間平均をとることで、当該ウェハのショット補正パラメータが求まる。
【0024】
ステップS506〜509はウェハ補正パラメータの算出手順であり、AGAとして知られている手法である。
【0025】
ステップS506で、コントローラ405はウェハ計測用の1番目のサンプルショットS3に形成されている位置合わせ用マークMx1が、顕微鏡404の視野範囲内に位置するようXYステージ10を駆動する。
【0026】
次にステップS507で、マーク位置を検出する。マーク位置の検出方法は、ステップS503と同様である。ステップS507により、アライメントマークMx1の設計位置からのずれ量lxk(k=3〜6、サンプルショット番号に応じて付す)を算出する。
【0027】
以下、ステップS508では、ステップS506、ステップS507をすべてのサンプルショット(S3〜S6)について実施したか否かを判断し、未処理のショットがある場合には、ステップS506に戻り、ない場合にはステップS509に進む。すなわち、1番目の計測ショットS3の残りのマークMy1をMx1と同様な手順で計測し、マークのy方向の位置ずれ量lykを計測する。また、506、507をすべてのサンプルショット(S3〜S6)について繰り返し、各サンプルショットごとに、lxk,lyk(k=3〜6)を求める。
【0028】
全サンプルショットにおいて、各マークの位置ずれ量が求まったら、ステップ509でウェハ補正パラメータを算出する。ウェハ補正パラメータの算出方法は以下に示す通りである。
【0029】
まず、各サンプルショットの基準位置(通常はショット中心位置)の設計値からのずれ量(lxk,lyk)をそれぞれ求める。サンプルショット中心位置からの各マークの設計上の位置に、計測したアライメントマークのずれ量(lxk,lyk)を足した座標が、実際のマーク位置である。これらを平均化することで、ショットの中心位置からのずれ量(Lxk,Lyk)が求まる。ウェハ内に存在する各サンプルショット中心の設計上の位置を(Dxk,Dyk)で表わす。ウェハ補正パラメータによって補正されたショット中心位置(Dxk',Dyk')は、式(4)に従って以下のように表わされる。
【0030】
【数4】

【0031】
(4)
また、計測の結果得られたショット中心の実際の位置は、式(5)に従って以下のように表わされる。
【0032】
【数5】

【0033】
(5)
補正残差Vは、式(6)に従って、以下のように表わされる。
【0034】
【数6】

【0035】
(6)
Lxk、Lyk、Dxk、Dykは既知であるので、このVを最少にするような連立方程式を解いて、{Swx,Swy,θwx,θwy,βwx,βwy}を求めればよい。
【0036】
ショット補正パラメータとウェハ補正パラメータが求まれば、ステップS510で、これら補正パラメータに応じて、ショット配列とショット形状の誤差を減らすよう、露光装置の各ユニットを駆動(補正駆動)する。
【0037】
最後に、ステップS511に進み、露光を行う。
【0038】
ステップS501〜511を、露光すべき全ウェハで繰り返す事により、補正されたショット配列とショット形状に合わせて、高い重ね合わせ精度で各ショットの露光を行うことが可能となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0039】
ウェハ補正パラメータを算出するのに最低限必要なマークの数は、ショット内で、X、Y一組である(X計測マークとY計測マーク各々1個、もしくは、X−Y計測マークを1個)。
【0040】
ところが、ショット補正パラメータを求めるためにショット内で計測しなければならないアライメントマーク数は、X、Y一組分より多い。(3)式から、ショット補正パラメータ{θsx,θsy,βsx,βsy,Ssx,Ssy}}をすべて独立に算出するためには、最低限X、Y3組分計測しなければならない。
【0041】
ショット補正パラメータを自動で計測、補正する従来のアライメント方法では、ウェハごとに、ショット補正パラメータ算出用のサンプルショットとアライメントマークでの計測を行う必要があった。これにより、ウェハごとに多くのサンプルショットやアライメントマークでの計測を行こととなり、スループットが低下してしまうという問題があった。
【0042】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、例えば、露光装置及びその制御方法において、基板上の複数のショット領域のそれぞれに対して、原版のパターンを位置合わせする際の位置合わせ精度を落とすことなく、スループットを向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0043】
本発明の第1の側面は、基板上の複数のショット領域のそれぞれに対して補正パラメータに基づいて原版のパターンを位置合わせして露光処理を実行する露光装置に係り、露光対象の複数の基板のうち第1群の基板について、基板上のマークの位置を計測し、その計測結果に基づいて、前記第1群の基板上の複数のショット領域の形状誤差を補正するためのショット補正パラメータを決定する第1の決定部と、露光対象の複数の基板の全てについて、基板上の複数のショット領域の配列誤差を補正するための基板補正パラメータを決定する第2の決定部と、前記第1の決定部によって決定されたショット補正パラメータと前記第2の決定部によって決定された基板補正パラメータとに基づいて、前記露光対象の複数の基板のうち前記第1群の基板以外の第2群の基板についてのショット補正パラメータを決定する第3の決定部とを備えることを特徴とする。
【0044】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記第3の決定部は、前記第1の決定部によって決定された前記第1群の基板についてのショット補正パラメータと、前記第2の決定部によって決定された前記第1群の基板についての基板補正パラメータとの相対関係を示す相対パラメータを算出する第1の算出部と、前記算出部によって算出された相対パラメータと前記第2の決定部によって決定された前記第2群についての基板補正パラメータとに基づいて、前記第2群の基板についてのショット補正パラメータを算出する第2の算出部とを有することが好ましい。
【0045】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記相対パラメータは、前記基板補正パラメータと前記ショット補正パラメータとの差分に基づいて決定されることが好ましい。
【0046】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記相対パラメータは、前記基板補正パラメータと前記ショット補正パラメータとの比率に基づいて決定されることが好ましい。
【0047】
本発明の好適な実施の形態によれば、露光対象の基板が前記第1群の基板に属するか前記第2群の基板に属するかを、該基板の処理枚数によって選択することが好ましい。
【0048】
本発明の好適な実施の形態によれば、露光対象の基板が前記第1群の基板に属するか前記第2群の基板に属するかを、外部装置からの指令によって選択することが好ましい。
【0049】
本発明の第2の側面は、基板上の複数のショット領域のそれぞれに対して補正パラメータに基づいて原版のパターンを位置合わせして露光処理を実行する露光装置の制御方法に係り、露光対象の複数の基板のうち第1群の基板について、基板上のマークの位置を計測し、その計測結果に基づいて、前記第1群の基板上の複数のショット領域の形状誤差を補正するためのショット補正パラメータを決定する第1の決定工程と、露光対象の複数の基板の全てについて、基板上の複数のショット領域の配列誤差を補正するための基板補正パラメータを決定する第2の決定工程と、前記第1の決定工程によって決定されたショット補正パラメータと前記第2の決定工程によって決定された基板補正パラメータとに基づいて、前記露光対象の複数の基板のうち前記第1群の基板以外の第2群の基板についてのショット補正パラメータを決定する第3の決定工程とを含むことを特徴とする。
【0050】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記第3の決定工程は、前記第1の決定工程によって決定された前記第1群の基板についてのショット補正パラメータと、前記第2の決定工程によって決定された前記第1群の基板についての基板補正パラメータとの相対関係を示す相対パラメータを算出する第1の算出工程と、前記算出工程によって算出された相対パラメータと前記第2の決定工程によって決定された前記第2群についての基板補正パラメータとに基づいて、前記第2群の基板についてのショット補正パラメータを算出する第2の算出工程とを含むことが好ましい。
【0051】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記相対パラメータは、前記基板補正パラメータと前記ショット補正パラメータとの差分に基づいて決定されることを特徴とすることが好ましい。
【0052】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記相対パラメータは、前記基板補正パラメータと前記ショット補正パラメータとの比率に基づいて決定されることが好ましい。
【0053】
本発明の好適な実施の形態によれば、露光対象の基板が前記第1群の基板に属するか前記第2群の基板に属するかを、該基板の処理枚数によって選択する工程を含むことが好ましい。
【0054】
本発明の好適な実施の形態によれば、露光対象の基板が前記第1群の基板に属するか前記第2群の基板に属するかを、外部装置からの指令によって選択する工程を含むことが好ましい。
【0055】
本発明の第3の側面は、基板上の複数のショット領域のそれぞれに対して補正パラメータに基づいて原版のパターンを位置合わせして露光処理を実行する露光装置のプログラムに係り、露光対象の複数の基板のうち第1群の基板について、基板上のマークの位置を計測し、その計測結果に基づいて、前記第1群の基板上の複数のショット領域の形状誤差を補正するためのショット補正パラメータを決定する第1の決定工程と、露光対象の複数の基板の全てについて、基板上の複数のショット領域の配列誤差を補正するための基板補正パラメータを決定する第2の決定工程と、前記第1の決定工程によって決定されたショット補正パラメータと前記第2の決定工程によって決定された基板補正パラメータとに基づいて、前記露光対象の複数の基板のうち前記第1群の基板以外の第2群の基板についてのショット補正パラメータを決定する第3の決定工程とを備えることを特徴とする。
【0056】
本発明の第4の側面は、基板上の複数のショット領域のそれぞれに対して補正パラメータに基づいて原版のパターンを位置合わせして露光処理を実行する露光装置のプログラムコードが格納されたコンピュータ可読メモリに係り、該プログラムは露光対象の複数の基板のうち第1群の基板について、基板上のマークの位置を計測し、その計測結果に基づいて、前記第1群の基板上の複数のショット領域の形状誤差を補正するためのショット補正パラメータを決定する第1の決定工程と、露光対象の複数の基板の全てについて、基板上の複数のショット領域の配列誤差を補正するための基板補正パラメータを決定する第2の決定工程と、前記第1の決定工程によって決定されたショット補正パラメータと前記第2の決定工程によって決定された基板補正パラメータとに基づいて、前記露光対象の複数の基板のうち前記第1群の基板以外の第2群の基板についてのショット補正パラメータを決定する第3の決定工程とを備えることを特徴とする。
【0057】
本発明の第5の側面は、デバイスの製造方法であって、試料に感光性材料を塗布する塗布工程と、前記塗布工程で感光性材料が塗布された基板にパターンを焼き付ける露光工程と、前記露光工程でパターンが焼き付けられた基板の感光性材料を現像する現像工程とを有し、前記露光工程は、露光対象の複数の基板のうち第1群の基板について、基板上のマークの位置を計測し、その計測結果に基づいて、前記第1群の基板上の複数のショット領域の形状誤差を補正するためのショット補正パラメータを決定する第1の決定工程と、露光対象の複数の基板の全てについて、基板上の複数のショット領域の配列誤差を補正するための基板補正パラメータを決定する第2の決定工程と、前記第1の決定工程によって決定されたショット補正パラメータと前記第2の決定工程によって決定された基板補正パラメータとに基づいて、前記露光対象の複数の基板のうち前記第1群の基板以外の第2群の基板についてのショット補正パラメータを決定する第3の決定工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0058】
本発明の露光装置及びその制御方法によれば、基板上の複数のショット領域のそれぞれに対して、原版のパターンを位置合わせする際の位置合わせ精度を落とすことなく、スループットを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】ウェハ倍率とショット倍率の関係を表わす図である。
【図2】ウェハ回転とショット回転の関係を表わす図である。
【図3】アライメントマーク及びサンプルショットの配置を説明する図である。
【図4】本発明の好適な実施の形態に係る半導体露光装置の概略構成を示す図である。
【図5】従来の露光処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の好適な実施の形態に係る露光処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す図である。
【図8】図7におけるウエハプロセスの詳細なフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0061】
本実施形態の露光装置は、図4に示される従来例と同様なシステム構成で実現可能である。また、本実施形態で位置合わせの対象となるウェハにも、従来例と同様に、ウェハ上の各ショットに図3(B)のようなマークが配置されており、ウェハ補正用、ショット補正用として、図3(C)のようにサンプルショットが配置されているものとする。
【0062】
本発明の好適な実施の形態に係る露光装置における処理の流れを図6を参照しながら説明する。なお、この処理はコントローラ405によって制御される。
【0063】
ステップS601では、不図示のウェハ搬入装置よって、ウェハがXYステージに搬入される。
【0064】
ステップS602では、現在処理中のウェハに対して、ショット補正パラメータの自動計測処理が必要かどうかを判断する。その判断基準としては、例えば、
(1)処理すべきロット内の先頭のウェハであれば、ショット補正パラメータの自動計測処理を行う。
(2)処理すべきロット内で最初からN枚目までのウェハであれば、ショット補正パラメータの自動計測処理を行う。
(3)ある一定のウェハ枚数ごとに、ショット補正パラメータの自動計測処理を行う。
(4)オンライン接続された外部のホストコンピュータから司令がきたときにショット補正パラメータの自動計測処理を行う。
などが考えられる。どのような判断基準を使用するかを、コンピュータ端末407を用いて、ユーザが選択できるようにすると、より柔軟なプロセスに対応できて好ましい。
【0065】
ショット補正パラメータの自動計測処理が必要ないと判断された場合は、ステップS604に、ショット補正パラメータの自動計測処理が必要だと判断されれば、ステップS603に処理を進める。
【0066】
ステップS603では、ショット補正パラメータの自動計測処理を行う。この方法は、図5のステップS502〜505のと同様である。
【0067】
ステップS604では、ウェハ補正パラメータの自動計測を行う。この方法は、図5のステップS506〜509の手順と同様である。ステップS605では、ショット補正パラメータの自動計測処理を行ったかどうかを判断する。ショット補正を行った場合は、ステップS606へ、ショット補正を行わなかった場合は、ステップS607へ処理を進める。
【0068】
ステップS606では、ステップS603で求めたショット補正パラメータとステップS604で求めたウェハ補正パラメータとの相対関係を定量的に表わす相対パラメータδを算出し、記憶する。以下に、相対パラメータδの求め方について説明する。なお、以下でδに添字を符した記号は相対パラメータの一例である。
【0069】
ショット倍率βsx,βsyは、加工プロセスによりウェハが変形した事より生じる倍率成分と、装置の投影倍率により生じる倍率成分とが重畳したものである。前者はウェハごとに値が変動するのに対し、後者は装置要因で決まるために、後者はウェハが変わっても値は変動しない。ウェハ要因で決まる倍率成分はウェハ倍率に等しいと仮定すると、装置要因で決まるショット倍率成分(δβX、δβY)は、式(7)に従って、以下のように表される。
【0070】
【数7】

【0071】
(7)
また、プロセスによっては、ショット倍率とウェハ倍率の相対関係を比で表わした方が良い場合もあり、式(8)に従って、以下のように表される。
【0072】
【数8】

【0073】
(8)
その他にも、ショット倍率とウェハ倍率との相対関係が定量的に表わされる場合は、その関係式Fにより、(δβX、δβY)を計算しても良く、式(9)に従って、以下のように表される。
【0074】
【数9】

【0075】
(9)
ショット回転について、ウェハ回転との相対関係を求める場合は、以下のような考えればよい。ウエハ上に形成されたパターンの下層において、XYステージ410の誤差で回転して焼かれたことに起因するショット回転成分は、ウェハ回転とほぼ等しいものになると考えられる。この値はウェハごとに変動する。一方、ショットの焼き付けの際の投影光学系402のディスト−ションの影響で生じるショットの直交度については、ウェハごとの値の変動を無視しうると考えられる。
【0076】
そこで、ウェハ間で値が変動しないショット回転成分(δθX,δθY)は、式(10)に従って、以下のように表される。
【0077】
【数10】

【0078】
(10)
ウェハ(ショット配列)の直交度が小さい場合は、θwx=θwyとして、式(11)に従って、以下のように表される。
【0079】
【数11】

【0080】
(11)
その他にも、ショット回転とウェハ回転との相対関係が定量的に分かっている場合は、その関係式Gにより(δθX,δθY)を計算しても良く、式(12)に従って、以下のように表される。
【0081】
【数12】

【0082】
(12)
以上のように、ステップS606では、δ={δβX,δβY,δθX,δθY}を求め、メモリ420にこれらの値を記憶する。
【0083】
ショット補正パラメータの自動計測を行わなかった場合は、ステップS607において、ウェハ補正パラメータと前述の相対パラメータに基づいて、処理中のウェハでのショット補正パラメータを予測する。たとえば、ショット倍率を求める場合には、式(7)により求めた(δβx,δβy)がメモリ420に記憶されていれば、その(δβx,δβy)とウェハ補正パラメータ(βwx,βwy)とに基づいて、式(13)に従ってショット倍率を求めることができる。
【0084】
【数13】

【0085】
(13)
一般的にショット倍率とウェハ倍率との相対関係が(9)式の如く、関数Fで表わされていれば、その逆関数F−1により、δ(δβX、δβY)とウェハ倍率(βwx,βwy)とに基づいて式(14)に従って、ショット倍率を算出する事が可能である。
【0086】
【数14】

【0087】
(14)
同様に、ショット回転についても、ショット回転とウェハ回転との相対関係が(11)式の如く、関数Gで表わされていれば、その逆関数G−1により、δ(δθX、δθY)とウェハ回転(θwx、θwy)とに基づいて式(15)に従ってショット回転を算出する事が可能である。
【0088】
【数15】

【0089】
(15)
ショット補正パラメータ、ウェハ補正パラメータが求まれば、ステップS608でこれら補正パラメータに応じて、ショット配列、ショット形状の誤差を減らすよう、露光装置の各ユニットを駆動(補正駆動)する。
【0090】
ステップS608で補正を行った後に、ステップS609に進み、実際にウェハを露光する。
【0091】
ステップS610では、全てのウェハ処理が終了したかどうかを判断する。終了していない場合は、以下、処理すべき残りのウェハについて、ステップS601〜609を順次繰り返す。処理すべきウェハがもう残っていなければ、一連の処理を終了し、露光装置を停止させる。
【0092】
本発明の実施形態によれば、処理すべき複数のウェハのうち、限られたウェハでのみショット補正パラメータの自動計測を行えばよいことになる。これにより従来に比べて処理時間を大幅に短縮することができる。また、ショット補正パラメータとウェハ補正パラメータとの相対関係を相対パラメータδとして算出し、メモリに記憶することにより、ショット補正パラメータを自動計測していないウェハにおいても、相対パラメータδを用いることによって高精度な位置合わせができる。
【0093】
また、本実施形態におけるショット補正パラメータは、回転量(直交度)や倍率であったが、ショット内に配置されたX、Y一組より多いアライメントマークを計測して得られるその他の補正パラメータを計測して位置合わせする場合にも、本実施形態の手法は有効である。例えば、台形歪みや、たる型、糸巻き型などのショットの歪みを、多数のアライメントマークを計測することによって定量的に算出し、それをショット補正パラメータとすることができる。その際、ショット補正パラメータとウェハ補正パラメータとの相対関係を一定の関数で表わすことにより、この本実施形態が適用され、露光処理の高速化を実現することができる。
【0094】
次に上記の露光装置を利用した半導体デバイスの製造プロセスを説明する。図7は半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行なう。ステップ2(マスク作製)では設計した回路パターンに基づいてマスクを作製する。一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記のマスクとウエハを用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組立て工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行なう。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これを出荷(ステップ7)する。
【0095】
図8は上記ウエハプロセスの詳細なフローを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶縁膜を成膜する。ステップ13(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では上記の露光装置によって回路パターンをウエハに転写する。ステップ17(現像)では露光したウエハを現像する。ステップ18(エッチング)では現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行なうことによって、ウエハ上に多重に回路パターンを形成する。
【0096】
以上、本発明の好適な実施形態を詳述したが、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0097】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(本実施形態においては図6に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。その場合、プログラムの機能を有していれば、形態は、プログラムである必要はない。
【0098】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明の請求項では、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0099】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0100】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
【0101】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアント側にあるコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるネットワーク上のサーバも、本発明のクレームに含まれるものである。
【0102】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0103】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの命令に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0104】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムの命令に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の複数のショット領域のそれぞれに対して補正パラメータに基づいて原版のパターンを位置合わせして露光処理を実行する露光装置であって、
露光対象の複数の基板のうち第1群の基板について、基板上のマークの位置を計測し、その計測結果に基づいて、前記第1群の基板上の複数のショット領域の形状誤差を補正するためのショット補正パラメータを決定する第1の決定部と、
露光対象の複数の基板の全てについて、基板上の複数のショット領域の配列誤差を補正するための基板補正パラメータを決定する第2の決定部と、
前記第1の決定部によって決定されたショット補正パラメータと前記第2の決定部によって決定された基板補正パラメータとに基づいて、前記露光対象の複数の基板のうち前記第1群の基板以外の第2群の基板についてのショット補正パラメータを決定する第3の決定部と、
を備えることを特徴とする露光装置。
【請求項2】
前記第3の決定部は、
前記第1の決定部によって決定された前記第1群の基板についてのショット補正パラメータと、前記第2の決定部によって決定された前記第1群の基板についての基板補正パラメータとの相対関係を示す相対パラメータを算出する第1の算出部と、
前記算出部によって算出された相対パラメータと前記第2の決定部によって決定された前記第2群についての基板補正パラメータとに基づいて、前記第2群の基板についてのショット補正パラメータを算出する第2の算出部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
前記相対パラメータは、前記基板補正パラメータと前記ショット補正パラメータとの差分に基づいて決定されることを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
【請求項4】
前記相対パラメータは、前記基板補正パラメータと前記ショット補正パラメータとの比率に基づいて決定されることを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
【請求項5】
露光対象の基板が前記第1群の基板に属するか前記第2群の基板に属するかを、該基板の処理枚数によって選択することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項6】
露光対象の基板が前記第1群の基板に属するか前記第2群の基板に属するかを、外部装置からの指令によって選択することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項7】
基板上の複数のショット領域のそれぞれに対して補正パラメータに基づいて原版のパターンを位置合わせして露光処理を実行する露光装置の制御方法であって、
露光対象の複数の基板のうち第1群の基板について、基板上のマークの位置を計測し、その計測結果に基づいて、前記第1群の基板上の複数のショット領域の形状誤差を補正するためのショット補正パラメータを決定する第1の決定工程と、
露光対象の複数の基板の全てについて、基板上の複数のショット領域の配列誤差を補正するための基板補正パラメータを決定する第2の決定工程と、
前記第1の決定工程によって決定されたショット補正パラメータと前記第2の決定工程によって決定された基板補正パラメータとに基づいて、前記露光対象の複数の基板のうち前記第1群の基板以外の第2群の基板についてのショット補正パラメータを決定する第3の決定工程と、
を含むことを特徴とする露光装置の制御方法。
【請求項8】
前記第3の決定工程は、
前記第1の決定工程によって決定された前記第1群の基板についてのショット補正パラメータと、前記第2の決定工程によって決定された前記第1群の基板についての基板補正パラメータとの相対関係を示す相対パラメータを算出する第1の算出工程と、
前記算出工程によって算出された相対パラメータと前記第2の決定工程によって決定された前記第2群についての基板補正パラメータとに基づいて、前記第2群の基板についてのショット補正パラメータを算出する第2の算出工程と、
を含むことを特徴とする請求項7に記載の露光装置の制御方法。
【請求項9】
前記相対パラメータは、前記基板補正パラメータと前記ショット補正パラメータとの差分に基づいて決定されることを特徴とする請求項8に記載の露光装置の制御方法。
【請求項10】
前記相対パラメータは、前記基板補正パラメータと前記ショット補正パラメータとの比率に基づいて決定されることを特徴とする請求項8に記載の露光装置の制御方法。
【請求項11】
露光対象の基板が前記第1群の基板に属するか前記第2群の基板に属するかを、該基板の処理枚数によって選択する工程を含むことを特徴とする請求項7に記載の露光装置の制御方法。
【請求項12】
露光対象の基板が前記第1群の基板に属するか前記第2群の基板に属するかを、外部装置からの指令によって選択する工程を含むことを特徴とする請求項7に記載の露光装置の制御方法。
【請求項13】
基板上の複数のショット領域のそれぞれに対して補正パラメータに基づいて原版のパターンを位置合わせして露光処理を実行する露光装置を制御するためのプログラムであって、露光対象の複数の基板のうち第1群の基板について、基板上のマークの位置を計測し、その計測結果に基づいて、前記第1群の基板上の複数のショット領域の形状誤差を補正するためのショット補正パラメータを決定する第1の決定工程と、露光対象の複数の基板の全てについて、基板上の複数のショット領域の配列誤差を補正するための基板補正パラメータを決定する第2の決定工程と、前記第1の決定工程によって決定されたショット補正パラメータと前記第2の決定工程によって決定された基板補正パラメータとに基づいて、前記露光対象の複数の基板のうち前記第1群の基板以外の第2群の基板についてのショット補正パラメータを決定する第3の決定工程と、を備えることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
基板上の複数のショット領域のそれぞれに対して補正パラメータに基づいて原版のパターンを位置合わせして露光処理を実行する露光装置を制御するためのプログラムのコードが格納されたコンピュータ可読メモリであって、該プログラムは露光対象の複数の基板のうち第1群の基板について、基板上のマークの位置を計測し、その計測結果に基づいて、前記第1群の基板上の複数のショット領域の形状誤差を補正するためのショット補正パラメータを決定する第1の決定工程と、露光対象の複数の基板の全てについて、基板上の複数のショット領域の配列誤差を補正するための基板補正パラメータを決定する第2の決定工程と、前記第1の決定工程によって決定されたショット補正パラメータと前記第2の決定工程によって決定された基板補正パラメータとに基づいて、前記露光対象の複数の基板のうち前記第1群の基板以外の第2群の基板についてのショット補正パラメータを決定する第3の決定工程と、を備えることを特徴とするコンピュータ可読メモリ。
【請求項15】
デバイスの製造方法であって、試料に感光性材料を塗布する塗布工程と、前記塗布工程で感光性材料が塗布された基板にパターンを焼き付ける露光工程と、前記露光工程でパターンが焼き付けられた基板の感光性材料を現像する現像工程と、を有し、前記露光工程は、露光対象の複数の基板のうち第1群の基板について、基板上のマークの位置を計測し、その計測結果に基づいて、前記第1群の基板上の複数のショット領域の形状誤差を補正するためのショット補正パラメータを決定する第1の決定工程と、露光対象の複数の基板の全てについて、基板上の複数のショット領域の配列誤差を補正するための基板補正パラメータを決定する第2の決定工程と、前記第1の決定工程によって決定されたショット補正パラメータと前記第2の決定工程によって決定された基板補正パラメータとに基づいて、前記露光対象の複数の基板のうち前記第1群の基板以外の第2群の基板についてのショット補正パラメータを決定する第3の決定工程と、を有することを特徴とするデバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−258987(P2011−258987A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198858(P2011−198858)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【分割の表示】特願2001−291854(P2001−291854)の分割
【原出願日】平成13年9月25日(2001.9.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】