説明

静電容量式水分センサ及びその製造方法

【課題】静電容量式水分センサの表面に形成する絶縁膜は、1.センサを構成する基板の全面に渡って一定の膜厚であること、2.ピンホールが無いこと、3.強度があること、4.検出用パターンの角の部分やスルーホールの角の部分等で膜厚が薄くならないこと、等の条件を満たすことが要求される。
【解決手段】そこで、本発明では、表面側に静電容量式水分センサの要素を成す導電体の検出用パターン2,2’が形成され、スルーホール4を介して裏面側に導電体の接続用パターン3,3’が形成された絶縁基板1の表面側に、絶縁基材5に絶縁樹脂6を含浸させて成る板状体7の全面の加圧成形により積層され、硬化した絶縁膜8が形成されている静電容量式水分センサを提案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば皮膚や口腔内等の人体の水分を測定するため等に使用する静電容量式水分センサ及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば皮膚の水分を測定する従来の方法としては、例えば特許文献1に示されるように絶縁体部により隔たった一対の電極を有するセンサを皮膚に接触させて電気抵抗値を測定し、電気抵抗値と皮膚の水分量との対応関係を用いて測定する電気抵抗式測定方法や、特許文献2に示されるように、表面がガラス等の絶縁物で覆われた対を成す電極を有するセンサを皮膚に接触させて静電容量値を測定し、静電容量値と皮膚の水分量との対応関係を用いて測定する静電容量式測定方法とが代表的なものとして挙げられる。一方、特許文献3には、粉体等の低含水率の測定対象物の含水率を静電容量を用いて測定する装置において、静電容量値を測定する櫛形電極の上面に、エナメル、ポリアミド系、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の絶縁膜を設けたセンサが記載されている。
【0003】
上述した静電容量式の水分センサは、水分の誘電率が人体の他の部分と比較して高いことを利用して、静電容量により水分量を測定するものであり、近年は、小型で静電容量を大きくすることが容易であることから、薄膜型のセンサが関心を集めている。
【0004】
図5、図6は薄膜型の静電容量式水分センサの従来の一例を模式的に示すもので、符号aは絶縁物の基板であり、この基板aの表面側には、一対の櫛形の検出用パターンb,b’を形成すると共に、裏面側には一対の接続用パターンc,c’を形成して、これらの検出用パターンb,b’と接続用パターンc,c’とは、基板aに設けたスルーホールdを介して接続している。そして基板aの表面側には、上述したようなエナメル、ポリアミド系、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂系の液状の絶縁物をスクリーン印刷等で塗布し、次いで乾燥して絶縁膜eを形成している。この構成において、接続用パターンc,c’の厚さは、30〜50ミクロン程度であり、また絶縁膜eの膜厚は20〜50ミクロン程度としている。
【特許文献1】特公平7−106194号公報
【特許文献2】特開2003−169788号公報
【特許文献3】特開平5−52798号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで基板の表面側の検出用パターンを覆う絶縁膜は、少なくとも次の4条件を満たすことが要求される。
1.センサを構成する基板の全面に渡って一定の膜厚であること。
2.ピンホールが無いこと。
3.強度があること。
4.検出用パターンの角の部分やスルーホールの角の部分等で膜厚が薄くならないこと。
【0006】
(第1の条件に関して)
図5、図6に示されるような静電容量式水分センサは、皮膚との接触状態において、導体の検出用パターンと皮膚との間に絶縁膜が介在するため、容量が形成され、その値は絶縁膜の膜厚に反比例する。この膜厚は、十分な感度を得るためには上述したように20〜50ミクロン程度が望ましく、また膜厚にバラツキがあると、基板上の位置に対して感度のバラツキが生じるため、このバラツキは10%以内であることが望ましい。
【0007】
しかるに液状の樹脂をスクリーン印刷等で塗布する方法では、絶縁膜の膜厚をセンサを構成する基板の表面側の全面に渡って均一とするのは困難であり、また、樹脂を溶剤に溶かして塗布を行う際に、濃度がロットにより異なってしまうと、膜厚が製造ロット間でもバラツキを生じてしまう。
【0008】
(第2の条件に関して)
ピンホールがあると絶縁膜として機能しないことから、塗布においては、膜厚過多等により発生する泡に起因するピンホールの発生や、膜厚不足に起因するピンホールの発生を防ぐ必要がある。
【0009】
(第3の条件に関して)
センサにおいて皮膚との接触面となる絶縁膜の表面には、使用時に化粧材料等の異物が付着するため、衛生上の問題と、異物による測定誤差の発生を防ぐために、上記表面は使用前に清拭しておく必要がある。一般に、樹脂系の絶縁物は表面が軟らかいため、清拭を行う際、簡便のためにテイッシュペーパー等を使用されると、傷がついてセンサが使用不能になってしまう場合がある。
【0010】
一方、絶縁膜の材料としてガラス質の絶縁物を使用することにより、表面を硬くして、傷つきにくくすることができるが、均一の膜厚で塗布するのが困難であるばかりでなく、膜厚が上述したように20〜50ミクロン程度と薄いため、脆く、軽度の打撃等の衝撃によりひびが生じて絶縁膜として機能しなくなってしまう場合がある。
【0011】
(第4の条件に関して)
上述したように基板の表面側に膜厚が20〜50ミクロン程度となるように液状の絶縁物を塗布する場合、検出用パターンの厚さは30〜50ミクロン程度であるから、検出用パターンb,b’上の絶縁膜eと、それ以外の個所の絶縁膜eとは段差が生じるため、検出用パターンb,b’の角の部分fに対応する絶縁膜eの膜厚が薄くなって、ピンホール等が生じやすくなってしまう。このことはスルーホールdの角の部分gにおいても同様である。
本発明は、以上の課題を解決することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明では、上述した課題を解決するために、表面側に静電容量式水分センサの要素を成す導電体の検出用パターンが形成され、スルーホールを介して裏面側に導電体の接続用パターンが形成された絶縁基板の表面側に、絶縁基材に絶縁樹脂を含浸させて成る板状体の全面の加圧成形により積層された絶縁膜が形成されている静電容量式水分センサを提案する。
【0013】
そして本発明では、上記の静電容量式水分センサにおいて、板状体は、絶縁物の繊維を絶縁基材とし、エポキシ樹脂を絶縁樹脂として含浸させたものとすることを提案する。
【0014】
また本発明では、上記の静電容量式水分センサにおいて、絶縁物の繊維を、ガラス繊維又は有機繊維とすることを提案する。
【0015】
次に本発明では、絶縁基板の表裏側に配線部を形成するための導電層が形成された配線基板にスルーホール用の下孔を形成し、全面のメッキを行った後、表面の導電層により検出用パターンを形成し、次いで絶縁基材に絶縁樹脂を含浸させて成る板状体を配線基板の表面に載置して全面の加圧成形を行い、絶縁樹脂が硬化した後、裏面の導電層により接続用パターンを形成するようにした静電容量式水分センサの製造方法を提案する。
【0016】
また本発明では、絶縁基板の表裏側に配線部を形成するための導電層が形成された配線基板にスルーホール用の下孔を形成し、全面のメッキを行った後、表面の導電層により検出用パターンを形成すると共に、裏面の導電層により接続用パターンを形成し、次いで絶縁基材に絶縁樹脂を含浸させて成る板状体を配線基板の表面に載置して全面の加圧成形を行い、絶縁樹脂を硬化させるようにした静電容量式水分センサの製造方法を提案する。
【0017】
また本発明では、上記の製造方法において、板状体の全面の加圧成形に際して、板状体と加圧手段との間にプレス用金属箔を介装することを提案する。
【0018】
また本発明では、上記の製造方法において、負圧雰囲気とすることを提案する。
【0019】
また本発明では、上記の製造方法において、板状体の全面の加圧成形に際して、加熱することを提案する。
【0020】
そして本発明では、上記の製造方法において、板状体は、絶縁物の繊維を絶縁基材とし、エポキシ樹脂を絶縁樹脂として含浸させたものとすることを提案する。
【0021】
また本発明では、上記の製造方法において、絶縁物の繊維を、ガラス繊維又は有機繊維とすることを提案する。
【発明の効果】
【0022】
本発明においては、静電容量式水分センサの要素を成す導電体の検出用パターンが形成された絶縁基板の表面側に、絶縁基材に絶縁樹脂を含浸させて成る板状体を載置して、全面を加圧すると、加圧手段と検出用パターンとに挟まれた部分に加わる圧力により、絶縁基材に含浸されている絶縁絶縁樹脂が浸出して検出用パターンを覆うと共に、浸出した絶縁樹脂は、絶縁基板から突出している検出用パターン間の凹部に溜まり、更にスルーホール内を満たす。
【0023】
板状体は、絶縁基材に含浸されている絶縁樹脂が浸出するにつれて次第に薄くなって行き、最終的には絶縁基材自体の厚さ程度にまで圧縮され、そして絶縁樹脂が硬化して薄い絶縁膜が形成される。この薄い絶縁膜は、検出用パターン間の凹部上においては架け渡された状態となり凹まないので、上面が全体として平坦に形成される。
【0024】
本発明の絶縁膜では、絶縁基材中に絶縁樹脂が充塞して硬化しているので、強固であり、高い絶縁性を得ることができる。そして板状体は絶縁基材自体の厚さよりも薄くなることがないので、検出用パターンの角やスルーホールの角の部分においても薄くなることがなく、膜厚不足に起因するピンホールの発生を防ぐことができる。
【0025】
本発明においては、板状体の全面の加圧成形に際して、板状体と加圧手段との間にプレス用金属箔を介装すれば、板状体から浸出する絶縁樹脂が加圧手段に付着したり、隙間があった場合、隙間から漏れたりするのを防止することができる。しかしながら加圧手段の構成によってはプレス用金属箔は省略することも可能である。
【0026】
また本発明においては、加圧成形の工程を負圧雰囲気において行うことにより、検出用パターン間の凹部等への空気の残留を無くし、気泡の発生、そしてそれに起因するピンホール等の発生を防止することができる。
【0027】
また加圧成形の工程において加熱を行うことにより、絶縁樹脂の硬化を促進することができる。
【0028】
本発明において板状体を構成する絶縁基材はガラス繊維や有機繊維を使用することができ、またこのような絶縁基材に含浸させる絶縁樹脂は、エポキシ樹脂を始めとして適宜の樹脂を使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
次に本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
まず図1〜図3は本発明の静電容量式水分センサの構成を概念的に示すもので、図1は表面側から見た斜視図、図2は裏面側から見た斜視図、図3は図1のC−C線断面図である。
まず符号1は絶縁基板であり、その表面側に静電容量式水分センサの要素を成す導電体の検出用パターン、この場合、櫛形状の検出用パターン2,2’が形成されている。絶縁基板1の裏面側には導電体の接続用パターン3,3’が形成されており、これらの検出用パターン2,2’と接続用パターン3,3’とはスルーホール4,4’を介して接続されている。そして本発明では、上記絶縁基板1の表面側に、絶縁基材5に絶縁樹脂6を含浸させて成る板状体7の全面の加圧成形により積層された絶縁膜8が形成されている。
【0030】
そこで次に図1〜図3の静電容量式水分センサを製造する方法の実施の態様を図4を参照して説明する。尚、図4において図1〜図3の構成要素に対応する要素には同一の符号を付している。
【0031】
まず、(a)において、符号9は絶縁基板1の表裏側に配線部を形成するための導電層10が形成された配線基板であり、この配線基板9は、例えば布状に織ったガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸させ、更に表裏の両面に導電層10として銅箔を重ね、全体を一定の厚みにして硬化させたものであり、ガラスエポキシ基板として広く使用されているものを利用することができる。
【0032】
配線基板9の厚さは適宜のものを使用できるが、例えば0.4mm〜2.0mm程度が取り扱い上好ましく、また導電層(銅箔)10の厚さも適宜であるが、例えば12μm〜40μm程度が工程上好ましい。
【0033】
次に(b)に示されるように、スルーホール形成用の下孔11を形成し、次いで(c)の工程において全体にメッキ12を施して、表裏側の導電層10を導通させ、スルーホール4が形成される。ここでスルーホール形成用の下孔11の直径は、例えば0.3mm〜0.5mm程度が好ましい。またメッキ厚は12μm〜30μm程度が好ましい。
【0034】
次いで(d)に示されるように、表面側のパターン、即ち検出用パターン2,2’をフォトエッチング法により形成する。
【0035】
次いで(e)に示されるように、絶縁基材5に絶縁樹脂6を含浸させて成る板状体7を配線基板9の表面に載置し、更にその上にプレス用金属箔、例えば銅箔13を載せて、プレス等の加圧手段(図示省略)により板状体7の全面を加圧する。
【0036】
ここで、板状体7の絶縁基材5としては、例えばガラス繊維やアラミド繊維等の有機繊維を使用することができ、また絶縁樹脂6としてはエポキシ樹脂を始めとして適宜の樹脂を使用することができる。例えば、この板状体7としては、ガラス繊維板に含浸させたエポキシ樹脂が半硬化状態で提供されるプリプレグを利用することができる。
【0037】
(e)において、配線基板9の表面に載置した板状体7の全面を加圧すると、(f)に示すように加圧手段(図示省略)と検出用パターン2,2’とに挟まれた部分に加わる圧力により、絶縁基材5に含浸されている絶縁樹脂6が浸出して検出用パターン2,2’を覆うと共に、浸出した絶縁樹脂6は、絶縁基板1から突出している検出用パターン2,2’間の凹部に溜まり、更にスルーホール4内を満たす。
【0038】
一方、板状体7は、絶縁基材5に含浸されている絶縁樹脂6が浸出するにつれて次第に薄くなって行き、最終的には絶縁基材5自体の厚さ程度にまで圧縮され、そして絶縁樹脂6が硬化して薄い絶縁膜8が形成される。
【0039】
この絶縁膜8は絶縁基材5中に絶縁樹脂6が充塞して硬化しているので、強固であり、高い絶縁性を得ることができる。また検出用パターン2,2’間の凹部上においては架け渡された状態で維持され、凹まないので上面が平坦に形成される。更に、板状体7は絶縁基材5自体の厚さよりも薄くなることがないので、検出用パターン2,2’の角やスルーホール4の角の部分においても薄くなることがない。従って膜厚不足に起因するピンホールの発生を防ぐことができる。
【0040】
次いで(g)においては、表面側のパターン、即ち接続用パターン3,3’をフォトエッチング法により形成する。この際、プレス用金属箔13としての銅箔も除去され、絶縁膜8が表面に現れ、素子としてのセンサが完成する。
【0041】
ここでプレス用金属箔13は、上述した加圧成形において、板状体7から浸出する絶縁樹脂6が加圧手段(図示省略)に付着したり、隙間があった場合、隙間から漏れたりするのを防止することができる。しかしながら加圧手段の構成によってはプレス用金属箔は省略することも可能である。
【0042】
また、以上に説明した製造方法では、絶縁基板1の裏面の接続用パターン3,3’は、表面に絶縁膜8を形成した後に形成しているが、他の製造方法としては、絶縁基板1の裏面の接続用パターン3,3’は、表面側の検出用パターン2,2’を形成した後、絶縁膜8を形成する前、即ち(d)で示す工程の次に形成しても良い。
【0043】
また、以上の製造方法において、(e)、(d)に示す加圧成形の工程を、負圧雰囲気において行うことができ、それにより、検出用パターン2,2’間の凹部等への空気の残留を無くし、気泡の発生、そしてそれに起因するピンホール等の発生を防止することができる。
【0044】
また以上の製造方法において、(e)、(d)に示す加圧成形の工程において加熱を行うことにより、絶縁樹脂6の硬化を促進することができる。
【0045】
また、本発明の静電容量式水分センサは、以上に説明したように、配線基板を用い、またフォトエッチング法等の手法を用いて構成するので、1枚の配線基板において複数の静電容量式水分センサを同時に形成することができ、特性の均一化が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の静電容量式水分センサは、表面に形成した絶縁膜が満たすべき上述した4条件に関し、以下の特徴があり、皮膚や口腔内等の人体の水分を測定するため等に使用する静電容量式水分センサとしての利用可能性が極めて大である。
【0047】
(第1の条件に関して)
表面に形成される絶縁膜の厚さは、加圧成形後には絶縁膜内のガラス繊維等の絶縁基材の厚さにより決定されるので、素子の全体に渡って一定の厚さが確保できる。
【0048】
(第2の条件に関して)
板状体の加圧成形において、絶縁基材に含浸させた絶縁樹脂が行き渡るのでピンホールの発生を防止することができる。加圧成形を負圧雰囲気において行うことにより、気泡の発生が防止され、更に確実にピンホールの発生を防止することができる。
【0049】
(第3の条件に関して)
絶縁膜は、絶縁基材中に絶縁樹脂が充塞して硬化しているので、強固であり、表面の清拭を、簡便的にテイッシュペーパー等を使用して行ったとしても傷が付いたり、磨り減ることがない。
【0050】
(第4の条件に関して)
絶縁膜内の絶縁基材が、検出用パターンの角やスルーホールの角の部分においても、一定の厚さを確保するので、その部分において絶縁膜が薄くなることがなく、膜厚不足に起因するピンホールの発生を防ぐことができる。
【0051】
本発明の静電容量式水分センサは、上述したように皮膚や口腔内等の人体の水分を測定するための水分センサとして利用する他、人体以外の測定対象に対しての利用も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る静電容量式水分センサの構成を概念的に示す表面側から見た斜視図である。
【図2】本発明に係る静電容量式水分センサの構成を概念的に示す裏面側から見た斜視図である。
【図3】図1のC−C線断面図である。
【図4】静電容量式水分センサを製造する方法の実施の態様を説明する断面図である。
【図5】薄膜型の静電容量式水分センサの従来の一例を模式的に示す正面図である。
【図6】図5のA−A線、B−B線断面図である。
【符号の説明】
【0053】
1 絶縁基板
2,2’ 検出用パターン
3,3’ 接続用パターン
4,4’ スルーホール
5 絶縁基材
6 絶縁樹脂
7 板状体
8 絶縁膜
9 配線基板
10 導電層(銅箔)
11 スルーホールの下孔
12 メッキ
13 プレス用金属箔(銅箔)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面側に静電容量式水分センサの要素を成す導電体の検出用パターンが形成され、スルーホールを介して裏面側に導電体の接続用パターンが形成された絶縁基板の表面側に、絶縁基材に絶縁樹脂を含浸させて成る板状体の全面の加圧成形により積層され、硬化した絶縁膜が形成されていることを特徴とする静電容量式水分センサ。
【請求項2】
板状体は、絶縁物の繊維を絶縁基材とし、エポキシ樹脂を絶縁樹脂として含浸させたものであることを特徴とする請求項1に記載の静電容量式水分センサ。
【請求項3】
絶縁物の繊維が、ガラス繊維である請求項2に記載の静電容量式水分センサ。
【請求項4】
絶縁物の繊維が、有機繊維である請求項2に記載の静電容量式水分センサ。
【請求項5】
絶縁基板の表裏側に配線部を形成するための導電層が形成された配線基板にスルーホール用の下孔を形成し、全面のメッキを行った後、表面の導電層により検出用パターンを形成し、次いで絶縁基材に絶縁樹脂を含浸させて成る板状体を配線基板の表面に載置して全面の加圧成形を行い、絶縁樹脂が硬化した後、裏面の導電層により接続用パターンを形成することを特徴とする静電容量式水分センサの製造方法。
【請求項6】
絶縁基板の表裏側に配線部を形成するための導電層が形成された配線基板にスルーホール用の下孔を形成し、全面のメッキを行った後、表面の導電層により検出用パターンを形成すると共に、裏面の導電層により接続用パターンを形成し、次いで絶縁基材に絶縁樹脂を含浸させて成る板状体を配線基板の表面に載置して全面の加圧成形を行い、絶縁樹脂を硬化させることを特徴とする静電容量式水分センサの製造方法。
【請求項7】
板状体の全面の加圧成形に際して、板状体と加圧手段との間にプレス用金属箔を介装することを特徴とする請求項5又は6に記載の静電容量式水分センサの製造方法。
【請求項8】
板状体の全面の加圧成形に際して、負圧雰囲気とすることを特徴とする請求項5又は6に記載の静電容量式水分センサの製造方法。
【請求項9】
板状体の全面の加圧成形に際して、加熱することを特徴とする請求項5〜8までのいずれか1項に記載の静電容量式水分センサの製造方法。
【請求項10】
板状体は、絶縁物の繊維を絶縁基材とし、エポキシ樹脂を絶縁樹脂として含浸させたものであることを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載の静電容量式水分センサの製造方法。
【請求項11】
絶縁物の繊維が、ガラス繊維である請求項5〜9のいずれか1項に記載の静電容量式水分センサの製造方法。
【請求項12】
絶縁物の繊維が、有機繊維である請求項5〜9のいずれか1項に記載の静電容量式水分センサの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−89869(P2009−89869A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−262888(P2007−262888)
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【出願人】(000138200)株式会社モリテックス (120)
【Fターム(参考)】