説明

非イミダゾール系複素環式化合物

特定の非イミダゾール系複素環式化合物はヒスタミンH受容体媒介型疾患の治療で用いるに有用なヒスタミンH調節剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一連のチオフェン、フラン、ピロール、チアゾールおよびオキサゾール、それらの合成そしてそれらを例えばヒスタミンH受容体が媒介する疾患および病気の治療への使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒスタミン[2−(イミダゾール−4−イル)エチルアミン]は伝達物質である。ヒスタミンは複数の異なるG蛋白共役受容体を通して生理学的影響を及ぼす。それは瞬時の過敏反応である役割を果たし、抗原とIgE抗体の相互作用の後にマスト細胞から放出される。その放出されたヒスタミンが血管系および平滑筋系に対して示す作用がアレルギー反応の症状の原因になっている。そのような作用はH受容体の所で起こり(非特許文献1)、これは古典的な抗ヒスタミン剤(例えばジフェンヒドラミン)で妨げられる。ヒスタミンはまた壁細胞に作用することで胃酸分泌の重要な調節因子でもある。このようなヒスタミンが示す効果をH受容体が媒介し(非特許文献2)、その効果はH受容体の拮抗薬(例えばシメチジン)で妨げられる。3番目のヒスタミン受容体、即ちHは中枢神経系(CNS)におけるヒスタミンの合成および放出を制御するシナプス前自己受容体として初めて記述された(非特許文献3)。最近、H受容体はまたセロトニン作動性、ノルアドレナリン作動性、ドーパミン作動性、コリン作動性およびGABA作動性(ガンマ−アミノ酪酸含有)ニューロン上のヘテロ受容体(heteroreceptors)としてシナプス前にも位置することを示す証拠が現れた。最近、そのようなH受容体はまた抹消組織、例えば血管の平滑筋などの中にも同定された。その結果として、ヒスタミンH作動薬、拮抗薬および逆作動薬は数多くの潜在的治療用途を有する(非特許文献4および5を参照)。最近、4番目のヒスタミン受容体、即ちHが記述された(非特許文献6)。
【0003】
動物試験を基にしてヒスタミンH作動薬を睡眠/覚醒および覚醒/不眠障害で用いる可能性が示唆された(非特許文献7および8)。また、それらが神経性炎症を抑制する能力を有することを基にしてそれらを片頭痛の治療で用いることも示唆された(非特許文献9)。他の用途には、ノルエピネフリン放出の阻止が有益である心筋虚血および高血圧における保護の役割が含まれ得る(非特許文献10)。ヒスタミンH作動薬は気道において非アドレナリン作動性で非コリン作動性(NANC)の神経伝達を低下させる能力を有しかつ微細血管漏れを軽減する能力を有することから喘息で有益であり得ることが示唆された(非特許文献11)。
【0004】
公知のヒスタミンH拮抗薬(例えばチオペラミド)を用いた動物薬理学実験を基にしてヒスタミンH拮抗薬および逆作動薬に関するいくつかの指標も同様に提案された。それらには、認知症、アルツハイマー病(非特許文献12)、てんかん(非特許文献13)、脱力発作を伴うか或は伴わないナルコレプシー、脱力発作、睡眠/覚醒恒常性障害、突発性傾眠、日中の異様な眠気(EDS)、概日リズム障害、睡眠/疲労障害、疲労、睡眠時無呼吸を伴う眠気、閉経期ホルモン変化による睡眠障害、時差ボケ、パーキンソン関連疲労、多発性硬化症(MS)関連疲労、鬱関連疲労、化学療法誘発疲労、摂食障害(非特許文献14)、乗り物酔い、めまい、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習および記憶(非特許文献15)および統合失調症(非特許文献16)が含まれる(また非特許文献17および18そしてそれらに引用されている文献も参照)。ヒスタミンH拮抗薬は単独またはヒスタミンH拮抗薬と組み合わせた状態で上気道アレルギー反応の治療で用いるに有用であることが報告されている(特許文献1、2および3)。最近、ヒスタミンH拮抗薬(GT−2331)が同定され、Gliatech Inc.がCNS障害治療の目的で開発中である(非特許文献19および20)。
【0005】
示したように、ヒスタミンHリガンドに関連した文献が総括的に再吟味された(非特許文献21)。ヒスタミンH作動薬および拮抗薬の薬化学が非特許文献21の中で再吟味された(それぞれKrause,M.他およびPhillips,J.G.およびAli,S.M.を参照)。イミダゾール部分が置換基を4位に1個のみ含有することが重要であることに加えて追加的置換基を存在させると活性が悪影響を受けることが示された。特に、イミダゾール環の置換されていない残りの位置のいずれかをメチルで置換すると活性が非常に低下することが報告された。ヒスタミンH受容体のリガンドが高い親和性を示すにはイミダゾール官能が必須であると言った仮定を裏付けする追加的出版物が存在する(非特許文献22、17およびそれらに引用されている文献を参照)。しかしながら、いろいろなイミダゾール含有化合物はヒスタミンメチルトランスフェラーゼ、即ちヒトにおける主要なヒスタミン代謝酵素の基質であり、そのことから半減期が短くかつ生体利用率も低い(非特許文献23を参照)。加うるに、イミダゾール含有薬剤は、シトクロムP450モノオキシゲナーゼ系と相互作用することを通して酵素を誘導するか或は酵素を阻害することで望ましくない生体内変換にも参与し得る(非特許文献24、25、26、27、28を参照)。また、初期ヒスタミンH受容体リガンドが血液脳関門を通り抜ける度合が劣ることもイミダゾール断片に関係している可能性がある(非特許文献29)。
【0006】
より最近になって、イミダゾール部分を含有しないヒスタミンHリガンドを記述している出版物がいくつか出版された(例えば非特許文献29、30、31、32、33、特許文献2、4、5および6)。
【0007】
我々は、ここに、ヒスタミン受容体、特にH受容体の活性を調節する能力を有する一連の複素環式誘導体を記述する。
【0008】
加うるに、そのような主題に関して、より最近の論評が提示された(非特許文献34)。Leursの研究論文が公開されてからヒスタミンH作動薬および拮抗薬の両方に関する追加的出版物および特許が現れた。最も注目すべきは非イミダゾール系ヒスタミンH拮抗薬が開発されたことである(特許文献7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、非特許文献35および36)。
【0009】
本発明の化合物はイミダゾール部分を含有しないことでそれに固有の易罹病性を示さないが、それでも、ヒトヒスタミンH受容体への受容体結合(非特許文献37を参照)で測定した時にヒトH受容体の所の効力を保持している。ヒトの病気を治療するに適した新規な療法を同定しようとする時には特にヒト受容体を用いた選別が重要である。通常の結合検定の測定では、例えばラットのシナプトソーム(非特許文献38)、ラットの皮質膜(非特許文献39)およびモルモットの脳(非特許文献40)などが用いられる。ヒト組織を用いて以前に実施された研究は極めて限られているが、そのような研究は齧歯類および霊長類の受容体の薬理学とは有意に異なることをほのめかしている(非特許文献41)。
【0010】
本明細書では、ヒスタミン受容体、具体的にはH受容体の活性をイミダゾール部分の存在に伴う固有の問題無しに調節する能力を有する一連の5員芳香複素環式化合物を記述する。
【特許文献1】米国特許第5,217,986号
【特許文献2】米国特許第5,352,707号
【特許文献3】米国特許第5,869,479号
【特許文献4】PCT出願WO99/42458(1999年8月26日)
【特許文献5】PCT出願WO 02/076925
【特許文献6】ヨーロッパ特許出願0978512(2000年2月9日)
【特許文献7】Apodaca他、WO 02/12214
【特許文献8】Apodaca他、WO 02/12190
【特許文献9】Bogenstaetter他、WO 02/12224
【特許文献10】Carruthers他、WO 01/74810
【特許文献11】Chai他、WO 01/74814
【特許文献12】Breitenbucher他、WO 01/74815
【特許文献13】Breitenbucher他、WO 01/74813
【特許文献14】Breitenbucher他、WO 01/74773
【特許文献15】Bennani他、WO 02/06223
【特許文献16】Bennani他、WO 01/66534
【特許文献17】Schwartz他、EP 0978512A1
【特許文献18】Schwartz他、WO 00/06254
【非特許文献1】Ash,A.S.F.およびSchild,H.O.、Br.J.Pharmac.Chemother.1966、27:427−439
【非特許文献2】Black,J.W.他、Nature、1972、236:385−390
【非特許文献3】Arrang,J.−M.他、Nature、1983、302:832−837
【非特許文献4】「The Histamine H3 Receptor−A Target for New Drugs」、Leurs,R.およびTimmerman,H.(編者)、Elsevier、1998
【非特許文献5】Morisset S.他、Nature、2000、408:860−864
【非特許文献6】Oda T.他、J.Biol.Chem.、2000、275(47):36781−36786
【非特許文献7】Lin,J.−S.他、Brin Res.1990、523:325−330
【非特許文献8】Monti,J.M.他、Eur.J.Pharmacol.1991、205:283−287
【非特許文献9】Mcleod,R.L.他、Soc.Neurosci.Abstr.1996、22:2010
【非特許文献10】Imamura,M.他、J.Pharmacol.Exp.Ther.1994、271(3):1259−1266
【非特許文献11】Ichinose,M.およびBarnes,P.J.、Eur.J.Pharmacol.1989、174:49−55
【非特許文献12】Panula,P.他、Soc.Neurosci.Abstr.1995、21:1977
【非特許文献13】Yokoyama,H.他、Eur.J.Pharmacol.1993、234:129−133
【非特許文献14】Machidori,H.他、Brain Res.1992、590:180−186
【非特許文献15】Barnes,J.C.他、Soc.Neurosci.Abstr.1993、19:1813
【非特許文献16】Schlicker,E.およびMarr.I.、Naunyn−Schmiedeberg’s Arch.Pharmacol.、1996、353:290−294
【非特許文献17】Stark,H.他、Drugs Future、1996、21(5):507−520
【非特許文献18】Leurs,R.他、Prog.Drug Res.1995、45:107−165
【非特許文献19】Gliatech Inc.Press Release 1998年11月5日
【非特許文献20】Bioworld Today、1999年3月2日
【非特許文献21】「The Histamine H3 Receptor−A Target for New Drugs」、Leurs,R.およびTimmerman,H.(編者)、Elsevier、1998
【非特許文献22】Ali,S.M.他、J.Med.Chem.1999、42:903−909
【非特許文献23】Rouleau,A.他、J.Pharmacol.Exp.Ther.1997、281(3):1085−1094
【非特許文献24】Kapetanovic,I.M.およびKupferberg,H.J.、Drug Metab.Dispos.1984、12(5):560−564
【非特許文献25】Sheets,J.JおよびMason,J.I.、Drug Metab.Dispos.1984、12(5):603−606
【非特許文献26】Back,D.J.およびTjia,J.F.、Br.J.Pharmacol.1985、85:121−126
【非特許文献27】Lavrijsen,K.他、Biochem.Pharmacol.1986、35(11):1867−1878
【非特許文献28】Albengres,E.他、Drug Safety 1998、18(2):83−97
【非特許文献29】Ganellin,C.R.他、Arch.Pharm.Pharm.Med.Chem.(Weinheim、Ger.)1998、331:395−404
【非特許文献30】Walczynski,K.他、Arch.Pharm.Pharm.Med.Chem.(Weinheim、Ger.)1999、332:389−398
【非特許文献31】Walczynski,K.他、Farmaco 1999、54:684−694
【非特許文献32】Linney,I.D.他、J.Med.Chem.2000、43:2362−2370
【非特許文献33】Tozer,M.J.およびKalindjian,S.B.、Exp.Opin.Ther.Patents、2000、10:1045−1055
【非特許文献34】Tozer,M.T.およびKalindjian,S.B.、Exp.Opin.Ther.Patents 2000、10:1045
【非特許文献35】Linney他、J.Med.Chem.2000、43、2362
【非特許文献36】Ganellin他、Arch.Pharm.Pharm.Med.Chem.1998、331、395
【非特許文献37】Lovenberg,T.W.他、Mol.Pharmacol.1999、55:1101−1107
【非特許文献38】Garbarg,M.他、J.Pharmacol.Exp.Ther.1992、263(1):304−310
【非特許文献39】West,R.E.他、Mol.Pharmacol.1990、38:610−613
【非特許文献40】Korte,A.他、Biochem.Biophys.Res.Commun.1990、168(3):979−986
【非特許文献41】West,R.E.他、Eur.J.Pharmacol.1990、377:233−239
【発明の開示】
【0011】
発明の要約
本発明は、式(I):
【0012】
【化1】

【0013】
[式中、
は、場合によりRで一置換もしくは二置換されていてもよく、−H、−C1−7アルキル、−C2−7アルケニル、−C2−7アルキニルおよび−C3−7シクロアルキルから成る群から選択され、
は、独立して、−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C3−6シクロアルキル、フェニル、ピリジル、フラニル、チエニル、ベンジル、ピリミジニル、ピロリル、ハロ、−OH、−OC1−6アルキル、−OC3−6シクロアルキル、−Oフェニル、−Oベンジル、−SH、−SC1−6アルキル、−SC3−6シクロアルキル、−Sフェニル、−Sベンジル、−CN、−NO、−N(R)R(ここで、RおよびRは独立してHまたはC1−4アルキルである)、−(C=O)N(R)R、−(C=O)C1−4アルキル、−SCF、−OCF、−CF、−COOC1−4アルキルおよび−COOHから成る群から選択され、
nは、1または2であり、
Xは、OまたはSであり、
A含有環中のAの中の1つは−O−、−S−、−NHまたは−NC1−4アルキルから成る群から選択され、Aの中の1つは=CH−でありそしてAの中の1つは=CH−または=N−であるが、但しNを含有していてもよいAは1つのみであることを条件としかつ隣接して位置する2個のAが同時にヘテロ原子であることはないことを条件とし、
Lは、−C1−4アルキレン−であり、
は、場合によりRで一置換もしくは二置換されていてもよく、−H、−C1−7アルキル、−C2−7アルケニル、−C2−7アルキニル、−C3−7シクロアルキル、フェニル、ベンジル、ピリジニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、およびO、S、−N=、>NHおよび>NC1−4アルキルから選択されるヘテロ原子員の数が1または2でありかつ二重結合の数が0、1または2である5員、6員もしくは7員の単環式非芳香複素環式環から成る群から独立して選択され、そして
は、場合によりRで一置換もしくは二置換されていてもよく、−C1−7アルキル、−C2−7アルケニル、−C2−7アルキニル、−C3−7シクロアルキル、フェニル、ベンジル、ピリジニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、およびO、S、−N=、>NHおよび>NC1−4アルキルから選択されるヘテロ原子員の数が1または2でありかつ二重結合の数が0、1または2である5員、6員もしくは7員の単環式非芳香複素環式環から成る群から独立して選択され、
は、独立して、−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C3−6シクロアルキル、フェニル、ピリジル、フラニル、チエニル、ベンジル、ピリミジニル、ピロリル、ハロ、−OH、−OC1−6アルキル、−OC3−6シクロアルキル、−Oフェニル、−Oベンジル、−SH、−SC1−6アルキル、−SC3−6シクロアルキル、−Sフェニル、−Sベンジル、−CN、−NO、−N(R)R(ここで、RおよびRは独立してHおよびC1−4アルキルから選択されるか、或はRとRは結合している窒素と一緒になってO、S、−N=、>NHおよび>NC1−4アルキルから選択される追加的ヘテロ原子員を1または2員有する5員、6員もしくは7員の単環式複素環式環を形成していてもよく、ここで、前記環は場合によりハロまたは−C1−4アルキルで置換されていてもよい)、−(C=O)N(R)R、−(C=O)C1−4アルキル、−SC
、−OCF、−CF、−COOC1−4アルキルおよび−COOHから成る群から選択され、
或は、代りに、
とRは結合している窒素と一緒になって環を形成していてもよく、ここで、前記環は
i)4−7員の非芳香複素環式環(この複素環式環は、結合の窒素から少なくとも炭素員1個分離れて位置していてO、S、−N=、>NHおよび>NRppから選択される追加的ヘテロ原子員の数が0または1であり、二重結合の数が0、1または2であり、カルボニルである炭素員の数が0、1または2でありかつ置換基Rの数が0、1または2である)、および
ii)ベンゾもしくはピリド縮合している4−7員の非芳香複素環式環(この複素環式環は、結合の窒素から少なくとも炭素員1個分離れて位置していてO、S、−N=、>NHおよび>NRppから選択される追加的ヘテロ原子員の数が0または1であり、追加的二重結合の数が0または1であり、カルボニルである炭素員の数が0、1または2でありかつ置換基Rの数が0、1または2である)
から成る群から選択され、
は、独立して、−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C3−6シクロアルキル、フェニル、ピリジル、フラニル、チエニル、ベンジル、ピリミジニル、ピロリル、ハロ、−OH、−OC1−6アルキル、−OC3−6シクロアルキル、−Oフェニル、−Oベンジル、−SH、−SC1−6アルキル、−SC3−6シクロアルキル、−Sフェニル、−Sベンジル、−CN、−NO、−N(R)R(ここで、RおよびRは独立してHおよびC1−4アルキルから選択されるか、或はRとRは結合している窒素と一緒になってO、S、−N=、>NHおよび>NC1−4アルキルから選択される追加的ヘテロ原子員を1または2員有する5員、6員もしくは7員の単環式複素環式環を形成していてもよく、ここで、前記環は場合によりハロまたは−C1−4アルキルで置換されていてもよい)、−(C=O)N(R)R、−(C=O)C1−4アルキル、−SCF、−OCF、−CF、−COOC1−4アルキルおよび−COOHから成る群から選択され、
ppは、独立して、−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C3−6シクロアルキル、フェニル、ピリジル、ベンジル、ピリミジニル、ピロリル、−(C=O)N(R)R、−(C=O)C1−4アルキル、−COOC1−4アルキルおよび−COOC1−4ベンジルから成る群から選択される]
で表される複素環式化合物、およびこれの鏡像異性体、ジアステレオマー、水化物、溶媒和物、および薬学的に受け入れられる塩、エステルおよびアミドを特徴とする。
【0014】
式(I)で表される化合物の異性体形態およびそれらの薬学的に受け入れられる塩、エステルおよびアミドも同様に本発明の範囲内に含まれ、本明細書でそのような異性体形態の中の1つを言及する場合、これは、そのような異性体形態の中の少なくとも1種を言及することを意味する。本分野の通常の技術者は、例えば本発明に従うある化合物は単一の異性体形態で存在する可能性がある一方で他の化合物は位置異性体混合物の形態で存在する可能性があることを認識するであろう。
【0015】
本発明は、また、前記化合物を含有させた薬剤組成物、そして前記組成物をヒスタミンH受容体の活性が媒介する病気状態を治療または予防する時に用いる方法も特徴とする。
【0016】
本発明は、また、本発明の化合物および薬学的に受け入れられる担体を含んで成る薬剤組成物、そしてそのような組成物を調製または調合する方法も特徴とする。更に、本発明の組成物に含有させるのは本発明の2種以上の化合物または組み合わせ治療薬であってもよい(組み合わせ製剤または異なる様式で調合した活性薬剤の組み合わせ)。
【0017】
本発明は、また、特定の状態および病気を治療する方法も提供し、これらの方法は、各々、前記治療を必要としている被験体に本発明の化合物または組成物を治療的に有効(または共同有効)量で投与することを包含する。この開示する化合物は、睡眠/覚醒および覚醒/不眠障害(例えば不眠症および時差ボケ)を包含する神経障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習および記憶障害、認知機能障害、片頭痛、神経性炎症、認知症、軽度認識障害(認知症前兆(pre−dementia))、アルツハイマー病、てんかん、脱力発作を伴うか或は伴わないナルコレプシー、脱力発作、睡眠/覚醒恒常性障害、突発性傾眠、日中の異様な眠気(EDS)、概日リズム障害、睡眠/疲労障害、疲労、睡眠時無呼吸を伴う眠気、閉経期ホルモン変化による睡眠障害、パーキンソン関連疲労、MS関連疲労、鬱関連疲労、化学療法誘発疲労、摂食障害、肥満、乗り物酔い、めまい、統合失調症、薬物乱用、双極性障害、躁病および鬱病ばかりでなく他のヒスタミンH受容体媒介型疾患、例えば上気道アレルギー反応、喘息、かゆみ、鼻詰まりおよびアレルギー性鼻炎の治療を必要としている被験体におけるそれを治療または予防する方法で用いるに有用である。例えば、本発明は、上気道アレルギー反応、喘息、かゆみ、鼻詰まりおよびアレルギー性鼻炎を予防するか、進行を抑制するか或は治療する方法を特徴とする。
【0018】
この開示する化合物は、更に別の態様において、アレルギー性鼻炎、鼻詰まりおよびアレルギー性うっ血を治療する目的でH拮抗薬を共同有効量で投与しかつヒスタミンH拮抗薬、例えばロラチジン[CLARITIN(商標)]、デスロラチジン[CLARINEX(商標)]フェクソフェナジン[ALLEGRA(商標)]およびセチリジン[ZYRTEC(商標)]などを共同有効量で投与することを包含する組み合わせ治療方法で使用可能である。
【0019】
この開示する化合物は、更に別の態様において、鬱病、気分障害または統合失調症を治療する目的でH拮抗薬を共同有効量で投与しかつ神経伝達物質再取り込み阻害剤、例えば選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、セロトニン−ノレピネフリン再取り込み阻害剤、ノルアドレナリン作動性再取り込み阻害剤または非選択的セロトニン、ドーパミンもしくはノレピネフリン再取り込み阻害剤[フルオキセチン(PROZAC(商標))、セルトラリン(ZOLOFT(商標))、パロキセチン(PAXIL(商標))およびアミトリプチリンを包含]を共同有効量で投与することを包含する組み合わせ治療方法で使用可能である。この開示する化合物は、代替態様において、ナルコレプシー、日中の異様な眠気(EDS)、アルツハイマー病、鬱病、注意欠陥多動性障害、MS関連疲労、麻酔後のフラフラの状態、認識機能障害、統合失調症、脳性麻痺を伴う痙直、加齢による記憶力低下、突発性傾眠または時差ボケを治療する目的でH拮抗薬を共同有効量で投与しかつモダフィニルなどを共同有効量で投与することを包含する組み合わせ治療方法で使用可能である。
【0020】
以下の詳細な説明および実施例および添付請求項から本発明の追加的特徴および利点が明らかになるであろう。
【0021】
詳細な説明
好適には、Rを−H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、プロペニル、プロパルギル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチルおよびジエチルアミノエチルから成る群から選択する。
【0022】
より好適には、Rをメチル、エチル、イソプロピルおよびシクロプロピルから成る群から選択する。
【0023】
更により好適には、Rはイソプロピルである。
【0024】
好適には、nは1である。
【0025】
好適には、XはOである。
【0026】
好適には、前記A含有環をフラン、チオフェン、ピロール、オキサゾールおよびチアゾールから成る群から選択する。
【0027】
好適には、4位の所のAがOまたはSでありそして1位および2位の所のAがCHであるか、2位の所のAがSでありそして1位および4位の所のAがCHであるか、1位の所のAがN(C1−4アルキル)でありそして2位および4位の所のAがCHであるか、或は2位の所のAがSまたはOであり、4位の所のAがNでありそして1位の所のAがCHである。
【0028】
より好適には、Aの中の1つがSまたはOである。
【0029】
より好適には、前記A含有環はフランまたはチオフェンである。
【0030】
更により好適には、4位の所のAがOである。
【0031】
更により好適には、4位の所のAがSである。
【0032】
更により好適には、2位の所のAがSである。
【0033】
好適には、Lはメチレンである。
【0034】
好適には、Rを独立して−H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、メトキシエチル、ヒドロキシエチル、ピペリジニルエチル、モルホリニルエチル、ピリジルエチル、ジエチルアミノエチル、プロペニル、プロパルギル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、ピリジニル、ピロリル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニルおよびアゼパニルから成る群から選択する。
【0035】
より好適には、Rを独立して−H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、メトキシエチル、シクロプロピル、ピペリジニルエチル、モルホリニルエチル、ピリジルエチルおよびジエチルアミノエチルから成る群から選択する。
【0036】
更により好適には、Rを独立して−H、メチルおよびメトキシエチルから成る群から選択する。
【0037】
好適には、Rを独立してメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、メトキシエチル、ヒドロキシエチル、ピペリジニルエチル、モルホリニルエチル、ピリジルエチル、ジエチルアミノエチル、プロペニル、プロパルギル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、ピリジニル、ピロリル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニルおよびアゼパニルから成る群から選択する。
【0038】
より好適には、Rを独立してメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、メトキシエチル、シクロプロピル、ピペリジニルエチル、モルホリニルエチル、ピリジルエチルおよびジエチルアミノエチルから成る群から選択する。
【0039】
更により好適には、Rを独立してメチルおよびメトキシエチルから成る群から選択する。
【0040】
とRが結合している窒素と一緒になって環を形成している場合、好適には、前記環をピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジンおよびピロリジンから成る群から選択する。
【0041】
より好適には、RとRは結合している窒素と一緒になってピペリジン、モルホリンおよびピペラジンから成る群から選択される環を形成していてもよい。
【0042】
代替態様において、RとRは結合している窒素と一緒になって4−フルオロピペリジンを形成していてもよい。
【0043】
更により好適には、RとRは結合している窒素と一緒になってピペリジンおよびモルホリンから選択される環を形成していてもよい。
【0044】
好適には、Rppは−C1−6アルキルである。
【0045】
この上に記述した好適な置換基[これらは場合により式(I)に従うR、R、RまたはRppのいずれかで更に置換されていてもよい]のいずれもそのように場合により置換されていてもよいことを意図する。
【0046】
本明細書に示す化合物の数種はキラリティーを持ちそして/または幾何学的異性中心を持ち、例えばE−およびZ−異性体などであると理解する。本発明は本発明の化合物を特徴付ける活性を有するそのような光学的異性体(立体異性体およびラセミ混合物を包含)、ジアステレオマーおよび幾何学的異性体の全部を包含する。本発明の化合物は単一の鏡像異性体、鏡像異性体の混合物またはラセミ混合物として存在し得る。特定態様において、単一の鏡像異性体の絶対的配置は未知であり得る。加うるに、本明細書に示す特定の化合物は溶媒和形態ばかりでなく溶媒和していない形態でも存在し得る。本発明は本発明の化合物を特徴付ける活性を有するそのような溶媒和形態および非溶媒和形態の全部を包含すると理解する。
【0047】
また、ある種の分析技術で検出可能なように修飾を受けさせておいた本発明に従う化合物も本発明の範囲内である。本発明の化合物を画像形成または患者の放射線療法で用いる目的でそれに放射性元素、例えば125I、18F、11C、64CUなどによる標識を付けてもよい。そのような化合物の例は同位体標識化合物、例えば18F同位体標識化合物などであり、それらは検出および/または画像形成技術、例えば陽電子放出型断層撮影(PET)および単光子放射型コンピュータ断層撮影(SPECT)などでプローブとして使用可能である。好適には、ヒスタミンH受容体およびセロトニン輸送体が媒介する疾患を検査する目的で18Fまたは11Cによる標識を付けておいた本発明の化合物を陽電子放出型断層撮影(PET)分子プローブとして用いることができる。そのような化合物の別の例は、反応速度研究で使用可能な同位体標識化合物、例えば重水素および/または三重水素標識化合物などである。本明細書に記述する化合物と適切な官能化放射性反応体を通常の化学で反応させることで放射能標識付き化合物を得ることができる。
【0048】
薬学的に受け入れられる塩、エステルおよびアミドには、有益/危険の比率が妥当な範囲内であり、薬理学的に有効でありかつ患者の組織に過度の毒性も刺激もアレルギー反応も引き起こすことなく接触させるに適したカルボン酸塩(例えばC1−8アルキル、C3−8シクロアルキル、アリール、C2−10ヘテロアリールまたはC2−10非芳香複素
環)、アミノ付加塩、酸付加塩、エステルおよびアミドが含まれる。塩基官能性を示す式(I)で表される化合物の代表的な塩には、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、しゅう酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、燐酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、こはく酸塩、酒石酸塩、ナフチレート(naphthylate)、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクチオビオネート(lactiobionate)およびラウリルスルホン酸塩が含まれる。酸官能性を示す式(I)で表される化合物の代表的な付加塩は、無毒の塩基塩と前記化合物から生じさせた塩である。そのような塩はアルカリ金属およびアルカリ土類カチオン、例えばナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムなどばかりでなく無毒のアンモニウム、第四級アンモニウムおよびアミンカチオン、例えばテトラメチルアンモニウム、メチルアンモニウム、トリメチルアンモニウムおよびエチルアンモニウムなどを含有し得る。例えばS.M.Berge他、「Pharmaceutical Salts」、J.Pharm.Sci.、1977、66:1−19(引用することによって本明細書に組み入れられる)を参照のこと。
【0049】
本発明の代表的な薬学的に受け入れられるアミドには、アンモニア、第一級C1−6アルキルアミンおよび第二級ジ(C1−6アルキル)アミンから生じたアミドが含まれる。第二級アミンには、窒素原子を少なくとも1個含有しかつ場合により追加的ヘテロ原子を1から2個含有していてもよい5員もしくは6員の複素環もしくは複素芳香環部分が含まれる。好適なアミドはアンモニア、第一級C1−3アルキルアミンおよびジ(C1−2アルキル)アミンから生じたアミドである。本発明の代表的な薬学的に受け入れられるエステルには、C1−7アルキル、C5−7シクロアルキル、フェニルおよびフェニル(C1−6)アルキルエステルが含まれる。好適なエステルにはメチルエステルが含まれる。
【0050】
本発明は、本発明の化合物のプロドラッグを本発明の範囲内に包含する。そのようなプロドラッグは、一般に、生体内で所望化合物に容易に変化し得る当該化合物の機能的誘導体であろう。従って、本発明の治療方法では、用語「投与する」に、記述したいろいろな疾患を具体的に開示した化合物または具体的には開示することができなかったが患者に投与した後に生体内で指定化合物に変化する化合物で治療することを包含させる。適切なプロドラッグ誘導体の選択および調製に適した通常の手順が例えば「Design of Prodrugs」、H.Bundgaard編集、Elsevier、1985などに記述されている。本発明は、塩に加えて、この記述する化合物のエステル、アミドおよび他の保護もしくは誘導体化形態も提供する。
【0051】
本発明の好適な化合物を下記から成る群から選択する:
実施例 化合物名
1 (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−ピペリジン−1−イルメチル−フラン−2−イル)−メタノン;
2 (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−モルホリン−4−イルメチル−フラン−2−イル)−メタノン;
3 (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{5−[(2−メトキシ−エチルアミノ)−メチル]−フラン−2−イル}−メタノン;
4 (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−ピペリジン−1−イルメチル−チオフェン−2−イル)−メタノン;
5 (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−モルホリン−4−イルメチル−チオフェン−2−イル)−メタノン;
6 (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{5−[(2−メトキシ−エチルアミノ)−メチル]−チオフェン−2−イル}−メタノン;
7 (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−ピペリジン−1−イルメチル−チオフェン−3−イル)−メタノン;
8 (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−モルホリン−4−イルメチル−チオフェン−3−イル)−メタノン;
9 (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(1−メチル−4−ピペリジン−1−イルメチル−1H−ピロール−2−イル)−メタノン;
10 (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(1−メチル−4−モルホリン−4−イルメチル−1H−ピロール−2−イル)−メタノン;
11 (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(2−ピペリジン−1−イルメチル−チアゾール−4−イル)−メタノン;
12 (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(2−モルホリン−4−イルメチル−チアゾール−4−イル)−メタノン;
13 (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{2−[(2−メトキシ−エチルアミノ)−メチル]−チアゾール−4−イル}−メタノン;
14 (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(2−ピペリジン−1−イルメチル−オキサゾール−4−イル)−メタノン;
15 (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(2−モルホリン−4−イルメチル−オキサゾール−4−イル)−メタノン;
16 (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{2−[(2−メトキシ−エチルアミノ)−メチル]−オキサゾール−4−イル}−メタノン;
17 (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−ピペリジン−1−イルメチル−フラン−2−イル)−メタンチオン;
18 [5−(4−フルオロ−ピペリジン−1−イルメチル)−フラン−2−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン;および
19 [5−(4−フルオロ−ピペリジン−1−イルメチル)−フラン−2−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノンのフマル酸塩。
【0052】
好適な態様では、本発明の化合物を下記から成る群から選択する:
実施例 化合物名
1 (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−ピペリジン−1−イルメチル−フラン−2−イル)−メタノン;
4 (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−ピペリジン−1−イルメチル−チオフェン−2−イル)−メタノン;
5 (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−モルホリン−4−イルメチル−チオフェン−2−イル)−メタノン;
6 (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{5−[(2−メトキシ−エチルアミノ)−メチル]−チオフェン−2−イル}−メタノン;
7 (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−ピペリジン−1−イルメチル−チオフェン−3−イル)−メタノン;
8 (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−モルホリン−4−イルメチル−チオフェン−3−イル)−メタノン;および
9 (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(1−メチル−4−ピペリジン−1−イルメチル−1H−ピロール−2−イル)−メタノン。
【0053】
本発明の特徴および利点は本分野の通常の技術者に明らかであろう。本分野の通常の技術者は本開示(要約、詳細な説明、背景、実施例および請求項を包含)を基にしていろいろな条件および使用に対して修飾および適応を成すことができるであろう。本明細書に記述する出版物は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる。化学記号を用いる場合、それらを左から右に読みそしてその他の点ではそれらの空間的定位は重要でないと理解する。
【0054】
この上に記述した如き化合物の製造は本分野の技術の範囲内の方法および/または以下
に示すスキームおよび実施例に記述する方法に従って実施可能である。本明細書に示すいろいろな化合物を得ようとする時、最終的に望まれる置換基を適宜保護の有り無しで反応スキームを通して持ち続ける出発材料を用いてもよい。これは通常の保護基、例えばJ.F.W.McOmie編集「Protective Groups in Organic Chemistry」、Plenum Press、1973、そしてT.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第3版、John Wiley & Sons、1999などに記述されている如き保護基を用いて達成可能である。そのような保護基は本技術分野で公知の方法を用いて後の便利な段階で除去可能である。別法として、最終的に望まれる置換基の代わりに、反応スキームを通して持ち続けそして適宜所望の置換基に置換可能な適切な基を用いる必要もあり得る。そのような化合物、前駆体またはプロドラッグもまた本発明の範囲内である。
【0055】
この上に記述した如き化合物の製造は以下のスキームA−Dに従って実施可能である。本分野の技術者は、特定の化合物を製造しようとする時にあるスキームを用いる方が他のスキームを用いるよりも有利であることを認識するであろう。
【0056】
【化2】

【0057】
式(I)で表される化合物の調製はスキームAに示すようにして実施可能であり、それに下記の注および付け足しを加える。市販のエステル(III)に加水分解を標準的条件(例えばジオキサンに入れたLiOH水溶液)下で受けさせることで式(IV)で表されるカルボン酸を生じさせることができる。別法として、また、式(IV)で表されるある種の酸は商業源からも入手可能である。式(V)で表される酸クロライドのインシトゥ生成はVilsmeier試薬または塩化チオニルを適切な溶媒、例えばジクロロメタンなどの使用有り無しで用いることで達成可能である。その酸クロライドに求核性ピペラジンもしくはアゼピン誘導体による処理を酸捕捉剤、アセトンTEAなどの存在下で受けさせることで、それを相当するアミド(VI)に変化させる。また、本分野の技術者に公知のアミド連成方法を用いて酸(IV)からアミドを直接生じさせることも可能である。次に、そのアルデヒド官能を還元アミノ化条件下で反応させることで式(I)で表される化合物を生じさせることができる。そのアルデヒドに適切な第一級もしくは第二級アミンによる処理を活性化剤、例えばプロトン酸またはルイス酸などの添加有り無しで適切な還元剤、例えばトリアセトキシホウ水素化ナトリウムなどを用いて受けさせてもよい。別法として、そのアルデヒドに還元を受けさせることでそれをアルコールにし、それを脱離基、例えばメシレートまたはクロライドなどに変化させそして以下のスキームBに示すようにして適切なアミンに置き換えることも可能である。また、そのクロライドをシアン化物アニオンに置き換えることも可能であり、そしてその結果として生じたニトリルに還元を受けさせることで、そのリンカーを追加的1個の炭素によって相同させる(homologate)ことも可能である。別法として、そのアルデヒドにHorner−Emmons化学を用いた反応を受けさせた後、二重結合に水添を受けさせることで、追加的2個の炭素を含有するアルキル鎖を導入することも可能である。そのカルボキサミドにPまたはLawesson試薬を用いた処理を受けさせることで、それを相当するチオアミドに変化させることができる。
【0058】
【化3】

【0059】
スキームBを参照して、下記の注および付け足しを加える。保護ヒドロキシ酸(VII)の調製はMacdonald,S.J.F.他(J.Med.Chem.2002、45(18):3878−3890)に記述されているようにして実施可能である。そのアルコール官能を保護する目的で代替保護基を用いることも可能である。標準的ペプチド連成条件、例えばEDClおよびHOBtなどを溶媒、例えばジクロロメタンなどに入れて用いることなどで式(VIII)で表されるアミドを生じさせる。連成相手であるアミンは適切に置換されているピペラジンまたはアゼピン化合物である。その保護基を除去すると式(IX)で表されるアルコールが生じるであろう。t−ブチルエステルの場合には穏やかな塩基、例えばKCOなどをプロトン溶媒、例えばメタノールなどに入れて用いてもよい。他の保護基を用いる場合の適切な脱保護条件は本分野の技術者に公知であろう。適切な塩化スルホニルおよびプロトン捕捉剤、例えばTEAなどを用いるか或は塩化チオニルもしくはオクザリルを低温で用いることで遊離アルコールを脱離基、例えばトシレート、メシレートまたはクロライドなどに変化させる。その脱離基に所望の第一級もしくは第二級アミンによる置換を適切な塩基、例えばKCOまたはTEAなどの存在下で受けさせることで式(I)で表される化合物を生じさせる。
【0060】
【化4】

【0061】
スキームCを参照して、下記の注および付け足しを加える。クロロメチルオキサゾール(XI)の調製をCardwell,K.S.他(Tetrahedron Lett.2000、41(21):4239−4242)が記述した様式と同様な様式で実施する。適切な第一級もしくは第二級アミンを溶媒、例えばアセトニトリルなどに入れて加熱の有り無しで用いてクロライドの置換を達成することで式(XII)で表されるエステルを生じさせる。次に、そのエステル官能に加水分解を標準的条件、例えばジオキサン水溶液に入れたLiOHなどを用いて受けさせることで相当する酸を生じさせた後、ピペラジンまたはアゼピン誘導体および標準的ペプチド連成条件、例えばEDClおよびHOBtなどを第三級アミン塩基の添加有り無しで用いることなどで、それを式(I)で表される化合物に変化させる。
【0062】
この上に記述したスキームに従って調製した化合物は単一の鏡像異性体、鏡像異性体の混合物またはラセミ混合物として得ることができる。鏡像異性体のラセミ(1:1)および非ラセミ(1:1ではない)混合物が得られる場合、本分野の技術者に公知の通常の分離方法を用いて単一の鏡像異性体を単離することができる。特に有用な分離方法には、キラルクロマトグラフィー、再結晶化、分割、ジアステレオマー塩生成、またはジアステレオマー付加体への誘導体化に続く分離が含まれ得る。
【0063】
本発明の化合物はヒスタミンH受容体の修飾剤であり、このように、本化合物はヒスタミンH媒介型病気状態の治療で用いるに有用である。
【0064】
本発明の化合物は薬剤組成物の状態でH受容体が媒介する疾患にかかっている患者(ヒトおよび他の哺乳動物)を治療する目的で投与可能である。この開示する化合物は単独または組み合わせ(例えばヒスタミンH受容体拮抗薬などと)て睡眠/覚醒および覚醒/不眠障害(例えば不眠症および時差ボケ)を包含する神経障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習および記憶障害、認知機能障害、片頭痛、神経性炎症、認知症、軽度認識障害(認知症前兆)、アルツハイマー病、てんかん、脱力発作を伴うか或は伴わないナルコレプシー、脱力発作、睡眠/覚醒恒常性障害、突発性傾眠、日中の異様な眠気(EDS)、概日リズム障害、睡眠/疲労障害、疲労、睡眠時無呼吸を伴う眠気、閉経期ホルモン変化による睡眠障害、パーキンソン関連疲労、MS関連疲労、鬱関連疲労、化学療法誘発疲労、摂食障害、肥満、乗り物酔い、めまい、統合失調症、薬物乱用、双極性障害、躁病および鬱病ばかりでなく他のヒスタミンH受容体媒介型疾患、例えば上気道アレルギー反応、喘息、かゆみ、鼻詰まりおよびアレルギー性鼻炎の治療または予防を必要としている被験体におけるそれを治療または予防するに有用である。日中の異様な眠気(EDS)は睡眠時無呼吸、交代制の仕事、線維筋痛、MSなどを伴うか或は伴わないで起こり得る。
【0065】
本発明は、また、本発明の1種以上の化合物を薬学的に受け入れられる担体および場合により追加的薬剤、例えばH拮抗薬、SSRIまたはモダフィニルなどと一緒に含有して成る薬剤組成物も提供する。この薬剤組成物の調製は通常の薬学的賦形剤および投薬形
態物調製技術分野の技術者に公知の配合技術を用いて実施可能である。本発明の化合物は経口、非経口、直腸、局所または眼経路または吸入で投与可能であると考えている。また、活性材料が徐放されるように製剤を考案することも可能である。そのような製剤の形態は錠剤、カプセル、小袋、小びん、粉末、粒子、ロゼンジ、再構成用粉末、液状製剤または座薬の形態であってもよい。化合物を好適には静脈内注入または局所的投与で投与してもよいが、より好適には経口投与で投与してもよい。
【0066】
経口投与の場合、本発明の化合物を錠剤またはカプセルの形態でか、溶液、乳液または懸濁液として提供してもよい。経口用途用錠剤は、本活性材料をこれが薬学的に受け入れられる賦形剤、例えば不活性希釈剤、崩壊剤、結合剤、滑剤、甘味剤、風味剤、着色剤および防腐剤などと混ざり合っている状態で含有し得る。適切な不活性充填材には、炭酸ナトリウムおよびカルシウム、燐酸ナトリウムおよびカルシウム、ラクトース、澱粉、糖、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、ソルビトールなどが含まれ、典型的な液状の経口用賦形剤には、エタノール、グリセロール、水などが含まれる。澱粉、ポリビニルピロリドン、澱粉グリコール酸ナトリウム、微結晶性セルロースおよびアルギン酸が適切な崩壊剤である。結合剤には澱粉およびゼラチンが含まれ得る。滑剤を存在させる場合、それは一般にステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであろう。望まれるならば、胃腸管内の吸収を遅らせる目的で、錠剤にモノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの如き材料による被覆を受けさせてもよいか或は腸溶性被膜による被覆を受けさせてもよい。経口用途用カプセルには、活性材料が固体状、半固体状または液状の希釈剤と混ざり合っている硬質ゼラチン製カプセル、および活性材料が水、油、例えば落花生油またはオリーブ油、液状パラフィン、短鎖脂肪酸のモノおよびジ−グリセリドの混合物、ポリエチレングリコール400またはプロピレングリコールなどと混ざり合っている軟質ゼラチン製カプセルが含まれる。
【0067】
経口投与用の液体は、懸濁液、溶液、乳液またはシロップであってもよいか、或は乾燥製品として提供してそれを水または他の適切な媒体を用いて使用前に再構成させてもよい。そのような液体の組成物に薬学的に受け入れられる賦形剤、例えば懸濁剤(例えばソルビトール、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲルなど)、非水性媒体[これには油(例えばアーモンド油または分溜ヤシ油)が含まれる]、プロピレングリコール、エチルアルコールまたは水など、防腐剤(例えばp−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピルまたはソルビン酸)、湿潤剤、例えばレシチンなど、および必要ならば風味剤または着色剤を含有させてもよい。
【0068】
また、本発明の化合物を非経口経路で投与することも可能である。そのような組成物を座薬として直腸投与するに適するように調合することも可能である。非経口用途(静脈内、筋肉内、腹腔内または皮下経路を包含)の場合、本発明の化合物を一般に無菌の水溶液もしくは懸濁液の状態で提供するが、適切なpHおよび等張性になるようにそれに緩衝剤を含有させるか或はそれを非経口的に受け入れられる油の中に入れてもよい。適切な水性媒体には、リンゲル液および等張性塩化ナトリウムが含まれる。そのような形態物を単位投薬形態物、例えばアンプルまたは使い捨て可能注射器など、多投薬形態物、例えば小ビン(これから適切な投薬量を取り出すことができる)、または注射可能製剤の調製で使用可能な固体形態または予備濃縮(pre−concentrate)形態で提供することも可能である。本発明の化合物の別の投与様式では、経皮送達作用の目的でパッチ製剤(patch formulation)を用いることも可能である。また、本発明の化合物を吸入で投与することも可能であり、その場合、本発明の化合物および適切な担体で構成させたスプレー製剤を用いて鼻もしくは口経路で投与してもよい。
【0069】
本発明の化合物の有効量は通常方法を用いて確認可能である。所定患者に必要な具体的
投薬量は数多くの要因に依存し、そのような要因には、治療すべき状態のひどさ、投与経路および患者の体重が含まれる。しかしながら、1日当たりの投薬量(単一の投薬として投与するか或は分割した投薬として投与するかに拘わらず)は1日当たり一般に0.01から1000mgの範囲、より一般的には1日当たり1から500mg、最も一般的には1日当たり10から200mgの範囲内であると考えている。単位体重当たりの投薬量として表した典型的な用量は0.0001mg/kgから15mg/kg、特に0.01mg/kgから7mg/kg、最も特別には0.15mg/kgから2.5mg/kgの範囲であると予測する。
【0070】
1日当たりの経口投薬量は1から4回に分割した投薬として好適には約0.05から200mg/kgの範囲である。本発明のある種の化合物の1日当たりの経口投薬量は約0.05から約50mg/kgの範囲内であり、他の化合物の1日当たりの投薬量は0.05から約20mg/kgである一方、更に他の化合物の1日当たりの投薬量は0.1から約10mg/kgであり得る。阻害剤の輸液量は約1から1000μg/kg/分の範囲であってもよく、それを薬学的担体と混合した状態で数分から数日間の範囲の時間に渡って投薬する。本発明の化合物を局所的に投与する場合、それを薬学的担体と媒体に対する薬剤の濃度が約0.1%から約10%になるように混合してもよい。
【0071】
この開示する化合物は他の治療薬と組み合わせて用いるに有用であり、そのような他の治療薬にはH受容体拮抗薬、H受容体拮抗薬および神経伝達物質調節薬、例えばSSRI、セロトニン−ノレピネフリン再取り込み阻害剤、ノルアドレナリン作動性再取り込み阻害剤、非選択的セロトニン再取り込み阻害剤(NSSRI)または他の神経活性剤、例えばモダフィニルなどが含まれる。
【0072】
この開示する薬剤組成物または開示する薬剤組み合わせを同じ組成物の中に調合するか否かに拘わらず、それらを治療および予防の目的で投与するに有効な投薬量を決定する方法は本技術分野で公知である。治療の目的で本明細書で用いる如き用語「共同有効量」は、各活性化合物または薬剤が単独または組み合わせた状態で研究者、獣医、医者または他の臨床医が探求する生物学的もしくは医薬的反応(治療すべき病気または疾患の症状の軽減を包含)を組織系、動物またはヒトに引き出す量を意味する。予防の目的(即ち疾患の発症または進行を抑制)の用語「共同有効量」は、各活性化合物または薬剤が単独または組み合わせた状態で研究者、獣医、医者または他の臨床医が探求する如き被験体における疾患の発症または進行を抑制する量(少なくともある程度ではあるが、1種以上のヒスタミン受容体を調節することによって疾患の遅延がもたらされる)を指す。従って、本発明は2種以上の薬剤の組み合わせを提供し、この場合には、例えば、(a)各薬剤を独立して治療的または予防的に有効な量で投与するか、(b)そのような組み合わせの中の少なくとも1種の薬剤をこれを単独で投与した時には治療的または予防的に有効な量以下の量であるが本発明に従う2番目または追加的薬剤と組み合わせて投与した時には治療的または予防的に有効である量で投与するか、或は(c)両方の薬剤をこれらを単独で投与した時には治療的または予防的に有効な量以下の量であるが一緒に投与した時には治療的または予防的に有効である量で投与する。3種以上の薬剤の組み合わせも同様に可能である。組み合わせ治療方法には、あらゆる活性薬剤を含有させておいた単一の製剤を共投与すること、2種以上の製剤を本質的に同時に投与すること、および2種以上の活性薬剤を個別に調合して投与することが含まれる。
【0073】
実施例
本発明を例示する目的で以下の実施例を含める。本実施例は本発明を限定するものでない。それらは単に本発明を実施する方法を提案することを意味する。本分野の技術者はかれらにとって明らかな他の発明実施方法を見つけだすことができるであろう。しかしながら、そのような方法は本発明の範囲内であると考えている。
【0074】
調製用逆相HPLCのプロトコル
Gilson(商標)装置
カラム:YMC−Pack ODS−A、5μm、75x30mm
流量:10mL/分
検出:λ=220および254nm
勾配(アセトニトリル/水、トリフルオロ酢酸が0.05%)
1)0.0分 20%アセトニトリル/80%水
2)20.0分 99%アセトニトリル/1%水
【0075】
HPLC(逆相)のプロトコル
Hewlett Packard Series 1100
カラム:Agilent ZORBAX(商標)C8、5μm、4.6x150mm
流量:1mL/分
検出:λ=220および254nm
勾配(アセトニトリル/水、トリフルオロ酢酸が0.05%)
1)0.0分 1%アセトニトリル/99%水
2)8.0分 99%アセトニトリル/1%水
【0076】
ESIイオン化(ESI)が用いられているAgilentシリーズ1100 MSDを示す如く正もしくは負モードのいずれかで用いて質量スペクトルを得た。
【0077】
BrukerモデルDPX400(400MHz)またはDPX500(500MHz)のいずれかのスペクトロメーターを用いてNMRスペクトルを得た。H NMRデータのフォーマットは下記である:テトラメチルシラン標準からダウンフィールドの化学シフト(ppm)[多重度、結合定数J(Hz)、積分値]
【実施例1】
【0078】
【化5】

【0079】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−ピペリジン−1−イルメチル−フラン−2−イル)−メタノン
段階A. 5−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−フラン−2−カルボアルデヒド
Vlsmeier試薬[塩化(クロロメチレン)ジメチルアンモニウム、0.820g、6.43ミリモル]をDCM(30mL)に窒素下で撹拌しながら入れて懸濁させた後、0℃に冷却した。この懸濁液に5−ホルミル−2−フランカルボン酸(0.900g、6.43ミリモル)を加えた後、その一緒にした混合物を0℃で30分間撹拌した。この混合物を室温に温めて更に1.5時間撹拌した後、濾過した。その濾液(塩化5−ホルミル−フラン−2−カルボニルを含有)を0℃に保持しながら保存した。2番目のフラスコの中で二塩酸1−イソプロピル−ピペラジン(1.28g、6.37ミリモル)をDCM(15mL)に入れて0℃に冷却した。この溶液にTEA(2.250g、22.30ミリモル)を用いた処理をゆっくり受けさせた後、それを室温に温めて30分間撹拌した。その反応混合物を濾過した後、その濾液を0℃に冷却した。次に、この2番目の濾液にこの上で調製した塩化5−ホルミル−フラン−2−カルボニル溶液を0℃で滴下することによる処理を受けさせた。その一緒にした混合物を0℃で30分間に続いて室温で1時間撹拌した。この反応混合物を0℃に冷却し、濾過した後、その濾液をHO(2x15mL)、0.5NのNaOH(1x15mL)そして飽和NaCl水溶液(1x15mL)で洗浄した。有機層を分離し、無水NaSOで乾燥させ、濾過した後、濃縮することで所望生成物を得た(1.40g、87%)。
段階B. (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−ピペリジン−1−イルメチル−フラン−2−イル)−メタノン
5−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−フラン−2−カルボアルデヒド(0.15g、0.60ミリモル)とピペリジン(0.058mL、0.59ミリモル)とNaB(OAc)H(0.19g、0.90ミリモル)の混合物をDCM(6mL)に入れて窒素下で一晩撹拌した。1MのNaOHを用いて反応混合物の反応を消滅させた後、室温で30分間撹拌した。その混合物をHOで希釈した後、DCM(3x20mL)で抽出した。その有機抽出液を一緒にしてHOで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過した後、濃縮した(0.18g、95%)。この粗材料をシリカゲルカラムの上に置いてMeOH中2MのNH(0−5%)/DCMを用いて精製することで表題の化合物を得た(0.095g、50%)。
MS(ESI):C1829について計算された正確な質量,319.23;m/z実測値,320.5[M+H]H NMR(500MHz,CDCl):7.13(d,J=3.6,1H),6.81(d,J=3.6,1H),3.76−3.71(m,4H),3.65(s,2H),2.74−2.68(m,1H),2.56−2.50(m,4H),2.45−2.36(br s,4H),1.60−1.53(m,4H),1.44−1.37(m,2H),1.04(d,J=6.6,6H)。
【実施例2】
【0080】
【化6】

【0081】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−モルホリン−4−イルメチル−フラン−2−イル)−メタノン
表題の化合物の調製を実施例1の段階Bに記述した様式と同様な様式で実施した。
MS(ESI):C1727について計算された正確な質量,321.21;m/z実測値,322.5[M+H]H NMR(500MHz,CDCl):6.89(d,J=3.3,1H),6.30(d,J=3.3,1H),3.90−3.76(br m,4H),3.7(t,J=4.6,4H),3.58(s,2H),2.82−2.72(br s,1H),2.65−2.55(br s,4H),2.50−2.46(m,4H),1.05(d,J=6.3,6H)。
【実施例3】
【0082】
【化7】

【0083】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{5−[(2−メトキシ−エチルアミノ)−メチル]−フラン−2−イル}−メタノン
表題の化合物の調製を実施例1の段階Bに記述した様式と同様な様式で実施した。
MS(ESI):C1627について計算された正確な質量,309.21;m/z実測値,310.5[M+H]H NMR(500MHz,CDCl):6.84−6.79(m,1H),6.25−6.20(m,1H),3.83−3.66(m,6H),3.49−3.24(m,5H),2.79−2.60(m,2H),2.55−2.45(m,4H),2.37−2.20(m,2H),1.00(d,J=6.6,6H)。
【実施例4】
【0084】
【化8】

【0085】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−ピペリジン−1−イルメチル−チオフェン−2−イル)−メタノン
段階A. 5−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−チオフェン−2−カルボアルデヒド
表題の化合物の調製を実施例1の段階Aに記述した様式と同様な様式で実施した。
段階B. (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−ピペリジン−1−イルメチル−チオフェン−2−イル)−メタノン
表題の化合物の調製を実施例1の段階Bに記述した様式と同様な様式で実施した。
MS(ESI):C1829OSについて計算された正確な質量,335.20;m/z実測値,336.5[M+H]H NMR(500MHz,CDCl):6.87(d,J=3.3,1H),6.25(d,J=3.3,1H),3.83−3.71(br s,4H),3.54(br s,2H),2.74−2.67(m,1H),2.60−2.50(m,4H),2.47−2.37(m,4H),1.63−1.50(m,4H),1.43−1.35(m,2H),1.06(d,J=6.6,6H)。
【実施例5】
【0086】
【化9】

【0087】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−モルホリン−4−イルメチル−チオフェン−2−イル)−メタノン
表題の化合物の調製を実施例1の段階Bに記述した様式と同様な様式で実施した。
MS(ESI):C1727Sについて計算された正確な質量,337.18;m/z実測値,338.5[M+H]H NMR(500MHz,CDCl):7.13(d,J=3.6,1H),6.83(d,J=3.6,1H),3.78−3.73(m,4H),3.70(t,J=4.9,4H),3.68−3.65(m,2H),2.78−2.70(m,1H),2.58−2.53(m,4H),2.51−2.45(m,4H),1.05(d,J=6.6,6H)。
【実施例6】
【0088】
【化10】

【0089】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{5−[(2−メトキシ−エチルアミノ)−メチル]−チオフェン−2−イル}−メタノン
表題の化合物の調製を実施例1の段階Bに記述した様式と同様な様式で実施した。
MS(ESI):C1627Sについて計算された正確な質量,325.18;m/z実測値,326.4[M+H]H NMR(500MHz,CDCl):7.15(d,J=3.6,1H),6.86(d,J=3.6,1H),4.00(s,2H),3.81−3.73(m,4H),3.52−3.48(m,2H),3.35(s,3H),2.82(t,J=5.2,2H),2.80−2.70(m,1H),2.60−2.52(m,4H)。
【実施例7】
【0090】
【化11】

【0091】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−ピペリジン−1−イルメチル−チオフェン−3−イル)−メタノン
段階A. 4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−チオフェン−2−カルボアルデヒド
表題の化合物の調製を実施例1の段階Aに記述した様式と同様な様式で実施した。
段階B. (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−ピペリジン−1−イルメチル−チオフェン−3−イル)−メタノン
表題の化合物の調製を酢酸(1当量)を反応物に添加することを伴わせて実施例1の段階Bに記述した様式と同様な様式で実施した。
MS(ESI):C1829OSについて計算された正確な質量,335.20;m/z実測値,336.4[M+H]H NMR(500MHz,CDCl):7.40−7.36(m,1H),7.00−6.96(m,1H),3.70−3.65(br s,2H),2.78−2.70(m,1H),2.60−2.39(m,8H),1.65−1.55(m,8H),1.47−1.39(m,2H),1.06(d,J=6.6,6H)。
【実施例8】
【0092】
【化12】

【0093】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−モルホリン−4−イルメチル−チオフェン−3−イル)−メタノン
表題の化合物の調製を酢酸(1当量)を反応物に添加することを伴わせて実施例1の段階Bに記述した様式と同様な様式で実施した。
MS(ESI):C1727Sについて計算された正確な質量,337.18;m/z実測値,338.3[M+H]H NMR(500MHz,CDCl):7.38(d,J=1.4,1H),6.99−6.98(m,1H),3.78−3.58(m,10H),2.80−2.66(m,1H),2.58−2.43(m,8H),1.05(d,6.3,6H)。
【実施例9】
【0094】
【化13】

【0095】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(1−メチル−4−ピペリジン−1−イルメチル−1H−ピロール−2−イル)−メタノン
段階A. 4−ホルミル−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸
メチル−4−ホルミル−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボキシレート(1.00g、5.98ミリモル)をジオキサン(10mL)に溶解させた後、1MのLiOH水溶液(6mL)を室温で加えた。18時間後の反応混合物に濃縮を受けさせることで粗酸をリチウム塩として得て、それを次の段階で用いた。
段階B. 5−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−1−メチル−1H−ピロール−3−カルボアルデヒド
4−ホルミル−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸リチウム塩(1.08g)を塩化チオニル(20mL)で希釈した後、窒素下で還流に1.5時間加熱した。この反応混合物に濃縮を注意深く受けさせた。その残留物にトルエンを用いた共蒸発(3x)
を受けさせることで残存するHClを除去した後、真空下に2時間保持した。個別に、二塩酸1−イソプロピル−ピペラジン(1.21g、6.00ミリモル)をDCM(50mL)に入れることで生じさせた溶液を0−5℃に冷却した。TEA(2.23mL、24.0ミリモル)をゆっくり加えた後、前記酸クロライドをDCM(50mL)に入れることで生じさせた溶液をゆっくり加えた。その結果として得た混合物を室温で一晩撹拌した。その混合物に濃縮を受けさせることで粗生成物(3.78g)を得た後、シリカゲルカラムの上に置いてMeOH中2MのNH(2−6%)/DCMを用いて精製することで表題の化合物を得た(0.20g)。
段階C. (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(1−メチル−4−ピペリジン−1−イルメチル−1H−ピロール−2−イル)−メタノン
表題の化合物の調製を実施例1の段階Bに記述した様式と同様な様式で実施した。
MS(ESI):C1932Oについて計算された正確な質量,332.26;m/z実測値、333.5[M+H]H NMR(500MHz,CDCl):6.58(d,J=1.6,1H),6.24(d,J=1.6,1H),3.76−3.70(m,7H),3.32(s,2H),2.75−2.66(m,1H),2.53−2.50(m,4H),2.41−2.27(m,4H),1.59−1.51(m,4H),1.43−1.35(m,2H),1.04(d,J=6.6,6H)。
【実施例10】
【0096】
【化14】

【0097】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(1−メチル−4−モルホリン−4−イルメチル−1H−ピロール−2−イル)−メタノン
表題の化合物の調製を実施例9に記述した様式と同様な様式で実施した。
MS(ESI):C1830について計算された正確な質量,334.24;m/z実測値,335.5[M+H]H NMR(500MHz,CDCl):6.59(d,J=1.6,1H),6.24(d,J=1.9,1H),3.75−3.70(m,7H),3.68(t,J=4.7,4H),3.33(s,2H),2.74−2.66(m,1H),2.52(t,J=4.9,4H),2.44−2.38(m,4H),1.04(d,J=6.6,6H)。
【実施例11】
【0098】
【化15】

【0099】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(2−ピペリジン−1−イルメチル−チアゾール−4−イル)−メタノン
段階A. 2−(2,2−ジメチル−プロピオニルオキシメチル)−チアゾール−4−カルボン酸
2−(t−ブチルカルボニルオキシ)チオアセトアミド(4.25g、24.2ミリモル)とブロモピルビン酸(4.60g、27.5ミリモル)と4Åの活性モレキュラーシーブ(27.0g)をEtOH(250mL)に入れることで生じさせた溶液を還流に15時間加熱した。この混合物を室温に冷却し、注意深く濾過した後、EtOH(3x50mL)で洗浄した。その濾液と洗浄液を一緒にして濃縮することで明黄色の粗固体(6.42g)を得た後、それをさらなる精製無しに次の段階で用いた。
MS(ESI):C1013NOSについて計算された正確な質量,243.06;m/z実測値,267.3[M+Na]
段階B. 2,2−ジメチル−プロピオン酸4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−チアゾール−2−イルメチルエステル
段階Aで得た粗生成物(6.42g、24.2ミリモル)と二塩酸1−イソプロピル−ピペラジン(5.36g、26.68ミリモル)と1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(4.915g、36.38ミリモル)をN−メチルモルホリン(14.72g、101.20ミリモル)とDCM(120mL)の混合物に溶解させた。この混合物を窒素下で30分間撹拌した。塩酸1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(6.97g、36.4ミリモル)を加えた後の反応混合物を室温で18時間撹拌した。1MのNaOH(25mL)を添加することで反応を消滅させた後、撹拌を1時間実施した。その混合物を水で希釈した後、DCM(3x60mL)で抽出した。その有機抽出液を一緒にしてHOで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した後、濃縮することで暗褐色の粗油(6.2g)を得た。その粗生成物をシリカゲルカラムの上に置いて30−50%のアセトン−DCMを用いて精製することで表題の化合物を褐色の油として得た(3.9g、46%)。
H NMR(500MHz,CDCl):7.89(s,1H),5.38(s,2H),3.90−3.84(m,2H),3.81−3.75(m,2H),2.75−2.69(m,1H),2.62−2.50(m,4H),1.27−1.23(s,9H),1.05(d,J=6.3,6H)。
段階C. (2−ヒドロキシメチル−チアゾール−4−イル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン
2,2−ジメチル−プロピオン酸4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−チアゾール−2−イルメチルエステル(3.85g、10.8ミリモル)と炭酸カリウム(3.06g、21.7ミリモル)とMeOH(130mL)とHO(50mL)の混合物を還流に12時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却した後、DCM(8x50mL)で抽出した。その有機抽出液を一緒にしてNaSOで乾燥させた後、濃縮することで黄色がかった固体を得た(2.14g、73.3%)。
MS(ESI):C1219Sについて計算された正確な質量,269.12;m/z実測値,270.4[M+H]
段階D. メタンスルホン酸4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−チアゾール−2−イルメチルエステル
(2−ヒドロキシメチル−チアゾール−4−イル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン(0.95g、3.5ミリモル)とTEA(0.542mL、3.89ミリモル)をDCM(50mL)に入れて懸濁させた。この懸濁液を0℃に冷却した後、塩化メタンスルホニル(0.3mL)を滴下した。この混合物を0℃で30分間撹拌した後、室温に温めて2時間撹拌した。この混合物に濃縮を室温で受けさせることで表題の化合物を得た(0.50g、41%)。この粗メシレートを次の段階で用いた。
MS(ESI):C1422について計算された正確な質量,347.10;m/z実測値,348.5[M+H]
段階E. (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(2−ピペリジン−1−イルメチル−チアゾール−4−イル)−メタノン
メタンスルホン酸4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−チアゾール−2−イルメチルエステル(0.052g、0.14ミリモル)と無水炭酸カリウム(
0.054g、0.43ミリモル)とピペリジン(0.016mL、0.16ミリモル)を無水アセトニトリル(4mL)に入れることで生じさせた混合物を室温で18時間撹拌した。この反応混合物をHOで希釈した後、DCM(4x15mL)で抽出した。その有機抽出液を一緒にしてNaSOで乾燥させ、濾過した後、濃縮することで粗生成物を得た(0.045g)。この粗材料をシリカゲルカラムの上に置いてMeOH中2MのNH(0−5%)/DCMを用いて精製することで表題の化合物を得た(0.03g、62%)。
MS(ESI):C1728OSについて計算された正確な質量,336.20;m/z実測値,337.5[M+H]H NMR(500MHz,CDCl):7.80(s,1H),3.90−3.74(m,4H),2.77−2.67(m,1H),2.63−2.47(m,8H),1.73−1.57(m,6H),1.50−1.41(m,2H),1.05(d,J=6.6,6H)。
【実施例12】
【0100】
【化16】

【0101】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(2−モルホリン−4−イルメチル−チアゾール−4−イル)−メタノン
表題の化合物の調製を実施例11の段階Eに記述した様式と同様な様式で実施した。
MS(ESI):C1626Sについて計算された正確な質量,338.18;m/z実測値,339.4[M+H]H NMR(500MHz,CDCl):7.80(s,1H),3.84−3.80(m,4H),3.78−3.74(m,4H),3.72(t,J=4.7,4H),2.72−2.66(m,1H),2.58(t,J=4.7,6H),2.52−2.47(m,2H),1.02(d,J=6.6,6H)。
【実施例13】
【0102】
【化17】

【0103】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{2−[(2−メトキシ−エチルアミノ)−メチル]−チアゾール−4−イル}−メタノン
表題の化合物の調製を実施例11の段階Eに記述した様式と同様な様式で実施した。
MS(ESI):C1526Sについて計算された正確な質量,326.18;m/z実測値,327.4[M+H]H NMR(500MHz,CDCl):7.78(s,1H),4.12(s,2H),3.89−3.73(m,4H),3.52−3.49(m,2H),3.36(s,3H),2.88−2.85(m,2H),2.74−2.68(m,1H),2.62−2.45(m,4H),1.04(d,J=6.6,6H)。
【実施例14】
【0104】
【化18】

【0105】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(2−ピペリジン−1−イルメチル−オキサゾール−4−イル)−メタノン
段階A. 2−クロロメチル−オキサゾール−4−カルボン酸エチルエステル
DCM(21.5mL)とMeOH(2.40mL)の混合物にナトリウムメトキサイド(MeOH中25%重量/重量の溶液、0.07mL、0.30ミリモル)を加えた後、この混合物を−5℃に冷却した。温度を0℃未満に維持しながらジクロロアセトニトリル(3.25g、29.6ミリモル)を45分かけて滴下した後、その混合物を0℃で60分間撹拌した。塩酸セリンエチルエステル(5.00g、29.5ミリモル)を加えた後の混合物を20℃で一晩撹拌した。そのスラリーをDCMおよびHO(12mL)で希釈した後、DCM(20−25mL)で抽出した。その有機抽出液を一緒にして大気圧下で濃縮することで15mLにした。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(7.72mL、44.3ミリモル)を加えた後の混合物を50℃に5時間加熱した。この混合物を室温に冷却した後、一晩撹拌した。この混合物をDCM(19mL)で希釈した後、5℃に冷却した。この混合物に2MのHCl(21.6mL)を注意深く加えた。有機層を分離し、HO(12mL)で洗浄した後、濃縮することで27mLにした。その表題の化合物が入っている溶液をアルキル置換で用いた。その溶液を等しく3分割したが、各々(9mL)に入っている粗生成物の含有量は9.80ミリモルであると推定した。
段階B. 2−ピペリジン−1−イルメチル−オキサゾール−4−カルボン酸エチルエステル
2−クロロメチル−オキサゾール−4−カルボン酸エチルエステルの溶液(推定9.0mL、9.8ミリモル)を15℃に冷却した後、ピペリジン(1.92mL、19.4ミリモル)を10分かけてゆっくり加えた。この混合物を還流に30分間加熱した後、−5℃に冷却して、濾過した。その濾液に濃縮を真空(40mmHg)下室温で受けさせた。その結果として得た油状の粗生成物(約2.38g)を鹸化段階で用いた。
段階C. 2−ピペリジン−1−イルメチル−オキサゾール−4−カルボン酸
段階Bで得た粗エステル(推定2.38g)をジオキサン(50mmHg)に入れることで生じさせた室温の溶液に1MのLiOH水溶液(11mL)を加えた。18時間後の反応混合物に濃縮をロータリーエバポレーターを用いて低温で受けさせることで粗酸をリチウム塩として得た(1.73g)。この粗生成物を次の段階で用いた。
MS(ESI):C1014について計算された正確な質量,210.10;m/z実測値,211.4[M+H]
段階D. (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(2−ピペリジン−1−イルメチル−オキサゾール−4−イル)−メタノン
2−ピペリジン−1−イルメチル−オキサゾール−4−カルボン酸リチウム塩(0.400g、1.85ミリモル)と二塩酸1−イソプロピル−ピペラジン(0.409g、2.03ミリモル)と1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.300g、2.22ミリモル)をN−メチルモルホリン(1.22mL、11.1ミリモル)を無水DCM(18mL)に入れることで生じさせた溶液を1時間撹拌した。塩酸1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(0.426g、2.22ミリモル)を加えた後の反応混合物を室温で18時間撹拌した。1MのNaOH(20mL)を添加することで反応を消滅させた後、撹拌を1時間実施した。その結果として得た混合物をDCM(3x3
0mL)で抽出した。その有機抽出液を一緒にしてHOで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した後、濃縮することで粗生成物(0.700g)を得た。この粗生成物をシリカゲルカラムの上に置いてMeOH中2MのNH(0−5%)/DCMを用いて精製することで表題の化合物を得た(0.345g、58.2%)。
MS(ESI):C1728について計算された正確な質量,320.22;m/z実測値,321.5[M+H]H NMR(500MHz,CDCl):8.10(s,1H),4.09−4.00(m,2H),3.77−3.70(m,2H),3.68−3.65(s,2H),2.75−2.67(m,1H),2.58−2.52(m,4H),2.47(t,J=4.7,4H),1.63−1.57(m,4H),1.45−1.39(m,2H),1.04(d,J=6.6,6H)。
【実施例15】
【0106】
【化19】

【0107】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(2−モルホリン−4−イルメチル−オキサゾール−4−イル)−メタノン
段階A. 2−モルホリン−4−イルメチル−オキサゾール−4−カルボン酸エチルエステル
表題の化合物の調製を実施例14の段階Bに記述した様式と同様な様式で実施した。
MS(ESI):C1116について計算された正確な質量,240.11;m/z実測値,241.4[M+H]
段階B. 2−モルホリン−4−イルメチル−オキサゾール−4−カルボン酸
表題の化合物の調製を実施例14の段階Cに記述した様式と同様な様式で実施した。
段階C. (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(2−モルホリン−4−イルメチル−オキサゾール−4−イル)−メタノン
表題の化合物の調製を実施例14の段階Dに記述した様式と同様な様式で実施した。
MS(ESI):C1626について計算された正確な質量,322.20;m/z実測値,323.5[M+H]H NMR(500MHz,CDCl):8.13(s,1H),4.10−4.00(m,2H),3.76−3.71(m,6H),3.70(s,2H),2.75−2.68(m,1H),2.60−2.52(m,8H),1.05(d,J=6.6,6H)。
【実施例16】
【0108】
【化20】

【0109】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{2−[(2−メトキシ−エチルアミノ)−メチル]−オキサゾール−4−イル}−メタノン
段階A. 2−[(2−メトキシ−エチルアミノ)−メチル]−オキサゾール−4−カル
ボン酸エチルエステル
表題の化合物の調製を実施例14の段階Bに記述した様式と同様な様式で実施した。
段階B. 2−[(2−メトキシ−エチルアミノ)−メチル]−オキサゾール−4−カルボン酸
表題の化合物の調製を実施例14の段階Cに記述した様式と同様な様式で実施した。
MS(ESI):C12について計算された正確な質量,200.08;m/z実測値,201.3[M+H]
段階C. 2−{[t−ブトキシカルボニル−(2−メトキシ−エチルアミノ)−メチル}−オキサゾール−4−カルボン酸
2−[(2−メトキシ−エチルアミノ)−メチル]−オキサゾール−4−カルボン酸リチウム塩(1.20g、5.82ミリモル)をTHF(30mL)に入れることで生じさせた溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.02mL、11.6ミリモル)に続いてジt−ブチルジカーボネート(2.54g、11.6ミリモル)をTHF(15mL)に入れることで生じさせた溶液を加えた。この反応混合物を室温で一晩撹拌した。この混合物をDCM(60mL)で希釈した後、HO(50mL)で抽出した。その水相に濃縮を受けさせることで粗生成物を得た(1.104g)。
段階D. [4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−オキサゾール−2−イルメチル]−(2−メトキシエチル)−カルバミン酸t−ブチルエステル
段階Cで得た粗材料(1.10g、3.67ミリモル)と二塩酸1−イソプロピル−ピペラジン(0.810g、4.03ミリモル)と1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.595g、4.40ミリモル)をN−メチルモルホリン(2.42mL、22.0ミリモル)をDCM(20mL)に入れることで生じさせた混合物を1時間撹拌した。塩酸1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(0.845g、4.40ミリモル)を加えた後の混合物を一晩撹拌した。この反応混合物をHO(500mL)で希釈した後、DCM(3x60mL)で抽出した。その有機抽出液を一緒にしてHO(3x300mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した後、濃縮することで粗表題化合物を得た(1.30g)。
MS(ESI):C2034について計算された正確な質量,410.25;m/z実測値,411.5[M+H]
段階E. (4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{2−[(2−メトキシ−エチルアミノ)−メチル]−オキサゾール−4−イル}−メタノン
段階Dで得た粗生成物を無水ジオキサン(25mL)に入れることで生じさせた溶液にジオキサン中2MのHCl(15mL)を加えた。この反応混合物を一晩撹拌した後、真空下で濃縮することで粗生成物(0.240g)を得て、これをシリカゲルカラムの上に置いてMeOH中2MのNH(0−5%)/DCMを用いて精製することで表題の化合物を得た(0.050g、6%)。
MS(ESI):C1526について計算された正確な質量,310.20;m/z実測値,311.5[M+H]H NMR(500MHz,CDCl):8.08(s,1H),4.10−4.01(m,2H),3.94(s,2H),3.76−3.69(m,2H),3.52−3.48(m,2H),3.34(s,3H),2.83−2.80(m,2H),2.74−2.67(m,1H),2.58−2.51(m,4H),1.04(d,J=6.6,6H)。
【実施例17】
【0110】
【化21】

【0111】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−ピペリジン−1−イルメチル−フラン−2−イル)−メタンチオン
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−ピペリジン−1−イルメチル−フラン−2−イル)−メタノン(実施例1、1当量)とLawesson試薬(2.1当量)をTHFに入れることで生じさせた溶液を還流(70℃)に48時間加熱した。この反応物を室温に冷却した後、溶媒を真空下で除去した。その残留物をシリカゲルカラム使用クロマトグラフィーにかけてMeOH中2MのNH(1−6%)/DCMを用いることで表題の化合物を得る。
【実施例18】
【0112】
【化22】

【0113】
[5−(4−フルオロ−ピペリジン−1−イルメチル)−フラン−2−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン
表題の化合物の調製を実施例1の段階Bに記述した様式と同様な様式で実施した。
H NMR(500MHz,CDCl):6.88(d,J=3.4,1H),6.28(d,J=3.4,1H),4.71−4.60(m,1H),3.77(br s,4H),3.59(s,2H),2.74−2.69(m,1H),2.63−2.58(m,2H),2.55(t,J=5.0,4H),2.47−2.42(m,2H),1.94−1.84(m,4H),1.04(d,J=6.6,6H)。
【実施例19】
【0114】
【化23】

【0115】
[5−(4−フルオロ−ピペリジン−1−イルメチル)−フラン−2−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノンのフマル酸塩
前記アミン(0.495g、1.48ミリモル)をEtOH(5mL)に入れることで生じさせた溶液をフマル酸(0.171g、1.0当量)をEtOH(4mL)に入れる
ことで生じさせた温溶液と一緒にして加熱した。その結果として生じた均一な溶液に濃縮を真空下で受けさせることでフマル酸塩を0.609g(90%)得た。
H NMR(500MHz,DMSO−d):6.89(d,J=3.3,1H),6.41(d,J=3.3,1H),4.71−4.59(m,1H),3.63(br
s,4H),3.54(s,2H),3.41−3.35(m,2H),2.74−2.71(m,1H),2.49−2.44(m,4H),2.34−2.30(m,2H),1.86−1.65(m,4H),0.97(d,J=6.6,6H)。
【0116】
生物学的実施例
A. ヒトヒスタミン受容体を細胞にトランスフェクション
細胞を約70%から80%の密集度になるまで増殖させ、トリプシンを用いてプレートから剥がした後、臨床用遠心分離器を用いて沈澱物を得た。次に、その沈澱物を400μLの完全培地に入れて再懸濁させた後、エレクトロポレーション用キュベットに移して、電極と電極の間の間隙を0.4cmにした(Bio−Rad #165−2088)。前記細胞にスーパーコイル状のH受容体cDNAを1μg加えた後、混合を穏やかに実施した。エレクトロポレーションの電圧を0.25kVに設定しかつキャパシタンスを960μFに設定した。エレクトロポレーション後の細胞を10mLの完全培地で希釈した後、4個の10cm皿の上に下記の比率で置いて平板培養した:1:20、1:10、1:5および1:2。前記細胞を24時間回復させた後、G−418を600μg加えた。選択に生き残ったコロニーを増殖させた後、試験を実施した。SK−N−MC細胞はアデニル酸シクラーゼの阻害に有効な結合をもたらすことから、それを用いた。ヒスタミンに反応してアデニル酸シクラーゼを最も強力に阻害するコロニーをさらなる試験で用いた。
B. [H]−N−メチルヒスタミン結合
ヒスタミンH受容体を発現するSK−N−MC細胞から得た細胞沈澱物を50mMのTris HCl/0.5mM EDTAに入れて均一にした。800gの回転で生じた上澄み液を集めた後、再遠心分離に30,000gで30分間かけた。沈澱物を50mMのTris/5mMのEDTA(pH7.4)に入れて再び均一にした。膜を0.8nMの[H]−N−メチルヒスタミンと一緒にして試験化合物の有り無しで25℃で60分間インキュベートした後、GF/Cガラス繊維フィルター(前以て0.3%のポリエチレンイミンで処理しておいた)を用いた迅速濾過に続く緩衝液を用いた4回の洗浄で収穫を実施した。フィルターを5mLのシンチレーションカクテルに加えた後、液体シンチレーションカウンターを用いてシグナルの計数を実施した。10μMのヒスタミンを用いて非特異的結合を限定した。pK値の計算をKが0.8nMでリガンドの濃度([L])が0.8nMであることを基にして式K=(IC50)/(1+([L]/(KD))に従って実施した。データを表1に示す。
【0117】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒスタミンH受容体調節活性を有する式(I):
【化1】

[式中、
は、場合によりRで一置換もしくは二置換されていてもよく、−H、−C1−7アルキル、−C2−7アルケニル、−C2−7アルキニルおよび−C3−7シクロアルキルから成る群から選択され、
は、独立して、−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C3−6シクロアルキル、フェニル、ピリジル、フラニル、チエニル、ベンジル、ピリミジニル、ピロリル、ハロ、−OH、−OC1−6アルキル、−OC3−6シクロアルキル、−Oフェニル、−Oベンジル、−SH、−SC1−6アルキル、−SC3−6シクロアルキル、−Sフェニル、−Sベンジル、−CN、−NO、−N(R)R(ここで、RおよびRは独立してHまたはC1−4アルキルである)、−(C=O)N(R)R、−(C=O)C1−4アルキル、−SCF、−OCF、−CF、−COOC1−4アルキルおよび−COOHから成る群から選択され、
nは、1または2であり、
Xは、OまたはSであり、
A含有環中のAの中の1つは−O−、−S−、−NHまたは−NC1−4アルキルから成る群から選択され、Aの中の1つは=CH−でありそしてAの中の1つは=CH−または=N−であるが、但しNを含有していてもよいAは1つのみであることを条件としかつ隣接して位置する2個のAが同時にヘテロ原子であることはないことを条件とし、
Lは、−C1−4アルキレン−であり、
は、場合によりRで一置換もしくは二置換されていてもよく、−H、−C1−7アルキル、−C2−7アルケニル、−C2−7アルキニル、−C3−7シクロアルキル、フェニル、ベンジル、ピリジニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、およびO、S、−N=、>NHおよび>NC1−4アルキルから選択されるヘテロ原子員の数が1または2でありかつ二重結合の数が0、1または2である5員、6員もしくは7員の単環式非芳香複素環式環から成る群から独立して選択され、そして
は、場合によりRで一置換もしくは二置換されていてもよく、−C1−7アルキル、−C2−7アルケニル、−C2−7アルキニル、−C3−7シクロアルキル、フェニル、ベンジル、ピリジニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、およびO、S、−N=、>NHおよび>NC1−4アルキルから選択されるヘテロ原子員の数が1または2でありかつ二重結合の数が0、1または2である5員、6員もしくは7員の単環式非芳香複素環式環から成る群から独立して選択され、
は、独立して、−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C3−6シクロアルキル、フェニル、ピリジル、フラニル、チエニル、ベンジル、ピリミジニル、ピロリル、ハロ、−OH、−OC1−6アルキル、−OC3−6シクロアルキル、−Oフェニル、−Oベンジル、−SH、−SC1−6アルキル、−SC3−6シクロアルキル、−Sフェニル、−Sベンジル、−CN、−NO、−N(R)R(ここで、RおよびRは独立してHおよびC1−4アルキルから選択されるか、或はRとRは結合している窒素と一緒になってO、S、−N=、>NHおよび>NC1−4アルキルから選択される追加的ヘテロ原子員を1または2員有する5員、6員もしくは7員の単環式複素環式環を形成
していてもよく、ここで、前記環は場合によりハロまたは−C1−4アルキルで置換されていてもよい)、−(C=O)N(R)R、−(C=O)C1−4アルキル、−SCF、−OCF、−CF、−COOC1−4アルキルおよび−COOHから成る群から選択され、
或は、代りに、
とRは結合している窒素と一緒になって環を形成していてもよく、ここで、前記環は
i)4−7員の非芳香複素環式環(この複素環式環は、結合の窒素から少なくとも炭素員1個分離れて位置していてO、S、−N=、>NHおよび>NRppから選択される追加的ヘテロ原子員の数が0または1であり、二重結合の数が0、1または2であり、カルボニルである炭素員の数が0、1または2でありかつ置換基Rの数が0、1または2である)、および
ii)ベンゾもしくはピリド縮合している4−7員の非芳香複素環式環(この複素環式環は、結合の窒素から少なくとも炭素員1個分離れて位置していてO、S、−N=、>NHおよび>NRppから選択される追加的ヘテロ原子員の数が0または1であり、追加的二重結合の数が0または1であり、カルボニルである炭素員の数が0、1または2でありかつ置換基Rの数が0、1または2である)
から成る群から選択され、
は、独立して、−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C3−6シクロアルキル、フェニル、ピリジル、フラニル、チエニル、ベンジル、ピリミジニル、ピロリル、ハロ、−OH、−OC1−6アルキル、−OC3−6シクロアルキル、−Oフェニル、−Oベンジル、−SH、−SC1−6アルキル、−SC3−6シクロアルキル、−Sフェニル、−Sベンジル、−CN、−NO、−N(R)R(ここで、RおよびRは独立してHおよびC1−4アルキルから選択されるか、或はRとRは結合している窒素と一緒になってO、S、−N=、>NHおよび>NC1−4アルキルから選択される追加的ヘテロ原子員を1または2員有する5員、6員もしくは7員の単環式複素環式環を形成していてもよく、ここで、前記環は場合によりハロまたは−C1−4アルキルで置換されていてもよい)、−(C=O)N(R)R、−(C=O)C1−4アルキル、−SCF、−OCF、−CF、−COOC1−4アルキルおよび−COOHから成る群から選択され、
ppは、独立して、−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C3−6シクロアルキル、フェニル、ピリジル、ベンジル、ピリミジニル、ピロリル、−(C=O)N(R)R、−(C=O)C1−4アルキル、−COOC1−4アルキルおよび−COOC1−4ベンジルから成る群から選択される]
で表される化合物、およびこれの鏡像異性体、ジアステレオマー、水化物、溶媒和物、および薬学的に受け入れられる塩、エステルおよびアミド。
【請求項2】
が−H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、プロペニル、プロパルギル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチルおよびジエチルアミノエチルから成る群から選択される請求項1記載の化合物。
【請求項3】
がメチル、エチル、イソプロピルおよびシクロプロピルから成る群から選択される請求項1記載の化合物。
【請求項4】
がイソプロピルである請求項1記載の化合物。
【請求項5】
nが1である請求項1記載の化合物。
【請求項6】
XがOである請求項1記載の化合物。
【請求項7】
前記A含有環がフラン、チオフェン、ピロール、オキサゾールおよびチアゾールから成る群から選択される請求項1記載の化合物。
【請求項8】
4位の所のAがOまたはSでありそして1位および2位の所のAがCHであるか、2位の所のAがSでありそして1位および4位の所のAがCHであるか、1位の所のAがN(C1−4アルキル)でありそして2位および4位の所のAがCHであるか、或は2位の所のAがSまたはOであり、4位の所のAがNでありそして1位の所のAがCHである請求項1記載の化合物。
【請求項9】
Aの中の1つがSまたはOである請求項1記載の化合物。
【請求項10】
前記A含有環がフランまたはチオフェンである請求項1記載の化合物。
【請求項11】
4位の所のAがOである請求項1記載の化合物。
【請求項12】
4位の所のAがSである請求項1記載の化合物。
【請求項13】
2位の所のAがSである請求項1記載の化合物。
【請求項14】
Lがメチレンである請求項1記載の化合物。
【請求項15】
が独立して−H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、メトキシエチル、ヒドロキシエチル、ピペリジニルエチル、モルホリニルエチル、ピリジルエチル、ジエチルアミノエチル、プロペニル、プロパルギル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、ピリジニル、ピロリル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニルおよびアゼパニルから成る群から選択される請求項1記載の化合物。
【請求項16】
が独立して−H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、メトキシエチル、シクロプロピル、ピペリジニルエチル、モルホリニルエチル、ピリジルエチルおよびジエチルアミノエチルから成る群から選択される請求項1記載の化合物。
【請求項17】
が独立して−H、メチルおよびメトキシエチルから成る群から選択される請求項1記載の化合物。
【請求項18】
が独立してメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、メトキシエチル、ヒドロキシエチル、ピペリジニルエチル、モルホリニルエチル、ピリジルエチル、ジエチルアミノエチル、プロペニル、プロパルギル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、ピリジニル、ピロリル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニルおよびアゼパニルから成る群から選択される請求項1記載の化合物。
【請求項19】
が独立してメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、メトキシエチル、シクロプロピル、ピペリジニルエチル、モルホリニルエチル、ピリジルエチルおよびジエチルアミノエチルから成る群から選択される請求項1記載の化合物。
【請求項20】
が独立してメチルおよびメトキシエチルから成る群から選択される請求項1記載の化合物。
【請求項21】
とRが結合している窒素と一緒になってピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジンおよびピロリジンから成る群から選択される環を形成していてもよい請求項1記載の化合物。
【請求項22】
とRが結合している窒素と一緒になってピペリジン、モルホリンおよびピペラジンから成る群から選択される環を形成していてもよい請求項1記載の化合物。
【請求項23】
とRが結合している窒素と一緒になって4−フルオロピペリジンを形成していてもよい請求項1記載の化合物。
【請求項24】
とRが結合している窒素と一緒になってピペリジンおよびモルホリンから成る群から選択される環を形成していてもよい請求項1記載の化合物。
【請求項25】
ppが−C1−6アルキルである請求項1記載の化合物。
【請求項26】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−ピペリジン−1−イルメチル−フラン−2−イル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−モルホリン−4−イルメチル−フラン−2−イル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{5−[(2−メトキシ−エチルアミノ)−メチル]−フラン−2−イル}−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−ピペリジン−1−イルメチル−チオフェン−2−イル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−モルホリン−4−イルメチル−チオフェン−2−イル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{5−[(2−メトキシ−エチルアミノ)−メチル]−チオフェン−2−イル}−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−ピペリジン−1−イルメチル−チオフェン−3−イル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−モルホリン−4−イルメチル−チオフェン−3−イル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(1−メチル−4−ピペリジン−1−イルメチル−1H−ピロール−2−イル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(1−メチル−4−モルホリン−4−イルメチル−1H−ピロール−2−イル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(2−ピペリジン−1−イルメチル−チアゾール−4−イル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(2−モルホリン−4−イルメチル−チアゾール−4−イル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{2−[(2−メトキシ−エチルアミノ)−メチル]−チアゾール−4−イル}−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(2−ピペリジン−1−イルメチル−オキサゾール−4−イル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(2−モルホリン−4−イルメチル−オキサゾール−4−イル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{2−[(2−メトキシ−エチルアミノ)−メチル]−オキサゾール−4−イル}−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−ピペリジン−1−イルメチル−フラン−2−イル)−メタンチオン;
[5−(4−フルオロ−ピペリジン−1−イルメチル)−フラン−2−イル]−(4−イ
ソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン;および
[5−(4−フルオロ−ピペリジン−1−イルメチル)−フラン−2−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノンのフマル酸塩;
から成る群から選択される化合物。
【請求項27】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−ピペリジン−1−イルメチル−フラン−2−イル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−ピペリジン−1−イルメチル−チオフェン−2−イル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−モルホリン−4−イルメチル−チオフェン−2−イル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{5−[(2−メトキシ−エチルアミノ)−メチル]−チオフェン−2−イル}−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−ピペリジン−1−イルメチル−チオフェン−3−イル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(5−モルホリン−4−イルメチル−チオフェン−3−イル)−メタノン;および
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(1−メチル−4−ピペリジン−1−イルメチル−1H−ピロール−2−イル)−メタノン;
から成る群から選択される化合物。
【請求項28】
前記薬学的に受け入れられる塩が有効なアミノ付加塩である請求項1記載の化合物。
【請求項29】
前記薬学的に受け入れられる塩が臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、しゅう酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、燐酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、こはく酸塩、酒石酸塩、ナフチレート、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクチオビオネートおよびラウリルスルホン酸塩から成る群から選択される請求項1記載の化合物。
【請求項30】
薬学的に受け入れられる担体を含有しかつヒスタミンH受容体調節活性を有する式(I):
【化2】

[式中、
は、場合によりRで一置換もしくは二置換されていてもよく、−H、−C1−7アルキル、−C2−7アルケニル、−C2−7アルキニルおよび−C3−7シクロアルキルから成る群から選択され、
は、独立して、−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C3−6シクロアルキル、フェニル、ピリジル、フラニル、チエニル、ベンジル、ピリミジニル、ピロリル、ハロ、−OH、−OC1−6アルキル、−OC3−6シクロアルキル、−Oフェニル、−Oベンジル、−SH、−SC1−6アルキル、−SC3−6シクロアルキル、−Sフェニル、−Sベンジル、−CN、−NO、−N(R)R(ここで、RおよびRは独立してHまたはC1−4アルキルである)、−(C=O)N(R)R、−(C=O)
1−4アルキル、−SCF、−OCF、−CF、−COOC1−4アルキルおよび−COOHから成る群から選択され、
nは、1または2であり、
Xは、OまたはSであり、
A含有環中のAの中の1つは−O−、−S−、−NHまたは−NC1−4アルキルから成る群から選択され、Aの中の1つは=CH−でありそしてAの中の1つは=CH−または=N−であるが、但しNを含有していてもよいAは1つのみであることを条件としかつ隣接して位置する2個のAが同時にヘテロ原子であることはないことを条件とし、
Lは、−C1−4アルキレン−であり、
は、場合によりRで一置換もしくは二置換されていてもよく、−H、−C1−7アルキル、−C2−7アルケニル、−C2−7アルキニル、−C3−7シクロアルキル、フェニル、ベンジル、ピリジニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、およびO、S、−N=、>NHおよび>NC1−4アルキルから選択されるヘテロ原子員の数が1または2でありかつ二重結合の数が0、1または2である5員、6員もしくは7員の単環式非芳香複素環式環から成る群から独立して選択され、そして
は、場合によりRで一置換もしくは二置換されていてもよく、−C1−7アルキル、−C2−7アルケニル、−C2−7アルキニル、−C3−7シクロアルキル、フェニル、ベンジル、ピリジニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、およびO、S、−N=、>NHおよび>NC1−4アルキルから選択されるヘテロ原子員の数が1または2でありかつ二重結合の数が0、1または2である5員、6員もしくは7員の単環式非芳香複素環式環から成る群から独立して選択され、
は、独立して、−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C3−6シクロアルキル、フェニル、ピリジル、フラニル、チエニル、ベンジル、ピリミジニル、ピロリル、ハロ、−OH、−OC1−6アルキル、−OC3−6シクロアルキル、−Oフェニル、−Oベンジル、−SH、−SC1−6アルキル、−SC3−6シクロアルキル、−Sフェニル、−Sベンジル、−CN、−NO、−N(R)R(ここで、RおよびRは独立してHおよびC1−4アルキルから選択されるか、或はRとRは結合している窒素と一緒になってO、S、−N=、>NHおよび>NC1−4アルキルから選択される追加的ヘテロ原子員を1または2員有する5員、6員もしくは7員の単環式複素環式環を形成していてもよく、ここで、前記環は場合によりハロまたは−C1−4アルキルで置換されていてもよい)、−(C=O)N(R)R、−(C=O)C1−4アルキル、−SCF、−OCF、−CF、−COOC1−4アルキルおよび−COOHから成る群から選択され、
或は、代りに、
とRは結合している窒素と一緒になって環を形成していてもよく、ここで、前記環は
i)4−7員の非芳香複素環式環(この複素環式環は、結合の窒素から少なくとも炭素員1個分離れて位置していてO、S、−N=、>NHおよび>NRppから選択される追加的ヘテロ原子員の数が0または1であり、二重結合の数が0、1または2であり、カルボニルである炭素員の数が0、1または2でありかつ置換基Rの数が0、1または2である)、および
ii)ベンゾもしくはピリド縮合している4−7員の非芳香複素環式環(この複素環式環は、結合の窒素から少なくとも炭素員1個分離れて位置していてO、S、−N=、>NHおよび>NRppから選択される追加的ヘテロ原子員の数が0または1であり、追加的二重結合の数が0または1であり、カルボニルである炭素員の数が0、1または2でありかつ置換基Rの数が0、1または2である)
から成る群から選択され、
は、独立して、−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C3−6シクロアルキル、フェニル、ピリジル、フラニル、チエニル、ベンジル、ピリミジニル、ピロリル、ハロ、−OH、−OC1−6アルキル、−OC3−6シクロアルキル、−Oフェニル、−
Oベンジル、−SH、−SC1−6アルキル、−SC3−6シクロアルキル、−Sフェニル、−Sベンジル、−CN、−NO、−N(R)R(ここで、RおよびRは独立してHおよびC1−4アルキルから選択されるか、或はRとRは結合している窒素と一緒になってO、S、−N=、>NHおよび>NC1−4アルキルから選択される追加的ヘテロ原子員を1または2員有する5員、6員もしくは7員の単環式複素環式環を形成していてもよく、ここで、前記環は場合によりハロまたは−C1−4アルキルで置換されていてもよい)、−(C=O)N(R)R、−(C=O)C1−4アルキル、−SCF、−OCF、−CF、−COOC1−4アルキルおよび−COOHから成る群から選択され、
ppは、独立して、−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C3−6シクロアルキル、フェニル、ピリジル、ベンジル、ピリミジニル、ピロリル、−(C=O)N(R)R、−(C=O)C1−4アルキル、−COOC1−4アルキルおよび−COOC1−4ベンジルから成る群から選択される]
で表される化合物、またはこれの鏡像異性体、ジアステレオマー、水化物、溶媒和物、または薬学的に受け入れられる塩、エステルまたはアミドを治療的に有効な量で含んで成る薬剤組成物。
【請求項31】
哺乳動物における睡眠/覚醒および覚醒/不眠障害(例えば不眠症および時差ボケ)を包含する神経障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習および記憶障害、認知機能障害、片頭痛、神経性炎症、認知症、軽度認識障害(認知症前兆)、アルツハイマー病、てんかん、脱力発作を伴うか或は伴わないナルコレプシー、脱力発作、睡眠/覚醒恒常性障害、突発性傾眠、日中の異様な眠気(EDS)、概日リズム障害、睡眠/疲労障害、疲労、睡眠時無呼吸を伴う眠気、閉経期ホルモン変化による睡眠障害、パーキンソン関連疲労、MS関連疲労、鬱関連疲労、化学療法誘発疲労、摂食障害、肥満、乗り物酔い、めまい、統合失調症、薬物乱用、双極性障害、躁病および鬱病から成る群から選択されるCNS疾患を治療または予防する方法であって、それに苦しんでいる哺乳動物にヒスタミンH受容体調節活性を有する式(I):
【化3】

[式中、
は、場合によりRで一置換もしくは二置換されていてもよく、−H、−C1−7アルキル、−C2−7アルケニル、−C2−7アルキニルおよび−C3−7シクロアルキルから成る群から選択され、
は、独立して、−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C3−6シクロアルキル、フェニル、ピリジル、フラニル、チエニル、ベンジル、ピリミジニル、ピロリル、ハロ、−OH、−OC1−6アルキル、−OC3−6シクロアルキル、−Oフェニル、−Oベンジル、−SH、−SC1−6アルキル、−SC3−6シクロアルキル、−Sフェニル、−Sベンジル、−CN、−NO、−N(R)R(ここで、RおよびRは独立してHまたはC1−4アルキルである)、−(C=O)N(R)R、−(C=O)C1−4アルキル、−SCF、−OCF、−CF、−COOC1−4アルキルおよび−COOHから成る群から選択され、
nは、1または2であり、
Xは、OまたはSであり、
A含有環中のAの中の1つは−O−、−S−、−NHまたは−NC1−4アルキルから成る群から選択され、Aの中の1つは=CH−でありそしてAの中の1つは=CH−または
=N−であるが、但しNを含有していてもよいAは1つのみであることを条件としかつ隣接して位置する2個のAが同時にヘテロ原子であることはないことを条件とし、
Lは、−C1−4アルキレン−であり、
は、場合によりRで一置換もしくは二置換されていてもよく、−H、−C1−7アルキル、−C2−7アルケニル、−C2−7アルキニル、−C3−7シクロアルキル、フェニル、ベンジル、ピリジニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、およびO、S、−N=、>NHおよび>NC1−4アルキルから選択されるヘテロ原子員の数が1または2でありかつ二重結合の数が0、1または2である5員、6員もしくは7員の単環式非芳香複素環式環から成る群から独立して選択され、そして
は、場合によりRで一置換もしくは二置換されていてもよく、−C1−7アルキル、−C2−7アルケニル、−C2−7アルキニル、−C3−7シクロアルキル、フェニル、ベンジル、ピリジニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、およびO、S、−N=、>NHおよび>NC1−4アルキルから選択されるヘテロ原子員の数が1または2でありかつ二重結合の数が0、1または2である5員、6員もしくは7員の単環式非芳香複素環式環から成る群から独立して選択され、
は、独立して、−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C3−6シクロアルキル、フェニル、ピリジル、フラニル、チエニル、ベンジル、ピリミジニル、ピロリル、ハロ、−OH、−OC1−6アルキル、−OC3−6シクロアルキル、−Oフェニル、−Oベンジル、−SH、−SC1−6アルキル、−SC3−6シクロアルキル、−Sフェニル、−Sベンジル、−CN、−NO、−N(R)R(ここで、RおよびRは独立してHおよびC1−4アルキルから選択されるか、或はRとRは結合している窒素と一緒になってO、S、−N=、>NHおよび>NC1−4アルキルから選択される追加的ヘテロ原子員を1または2員有する5員、6員もしくは7員の単環式複素環式環を形成していてもよく、ここで、前記環は場合によりハロまたは−C1−4アルキルで置換されていてもよい)、−(C=O)N(R)R、−(C=O)C1−4アルキル、−SCF、−OCF、−CF、−COOC1−4アルキルおよび−COOHから成る群から選択され、
或は、代りに、
とRは結合している窒素と一緒になって環を形成していてもよく、ここで、前記環は
i)4−7員の非芳香複素環式環(この複素環式環は、結合の窒素から少なくとも炭素員1個分離れて位置していてO、S、−N=、>NHおよび>NRppから選択される追加的ヘテロ原子員の数が0または1であり、二重結合の数が0、1または2であり、カルボニルである炭素員の数が0、1または2でありかつ置換基Rの数が0、1または2である)、および
ii)ベンゾもしくはピリド縮合している4−7員の非芳香複素環式環(この複素環式環は、結合の窒素から少なくとも炭素員1個分離れて位置していてO、S、−N=、>NHおよび>NRppから選択される追加的ヘテロ原子員の数が0または1であり、追加的二重結合の数が0または1であり、カルボニルである炭素員の数が0、1または2でありかつ置換基Rの数が0、1または2である)
から成る群から選択され、
は、独立して、−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C3−6シクロアルキル、フェニル、ピリジル、フラニル、チエニル、ベンジル、ピリミジニル、ピロリル、ハロ、−OH、−OC1−6アルキル、−OC3−6シクロアルキル、−Oフェニル、−Oベンジル、−SH、−SC1−6アルキル、−SC3−6シクロアルキル、−Sフェニル、−Sベンジル、−CN、−NO、−N(R)R(ここで、RおよびRは独立してHおよびC1−4アルキルから選択されるか、或はRとRは結合している窒素と一緒になってO、S、−N=、>NHおよび>NC1−4アルキルから選択される追加的ヘテロ原子員を1または2員有する5員、6員もしくは7員の単環式複素環式環を形成していてもよく、ここで、前記環は場合によりハロまたは−C1−4アルキルで置換され
ていてもよい)、−(C=O)N(R)R、−(C=O)C1−4アルキル、−SCF、−OCF、−CF、−COOC1−4アルキルおよび−COOHから成る群から選択され、
ppは、独立して、−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C3−6シクロアルキル、フェニル、ピリジル、ベンジル、ピリミジニル、ピロリル、−(C=O)N(R)R、−(C=O)C1−4アルキル、−COOC1−4アルキルおよび−COOC1−4ベンジルから成る群から選択される]
で表される化合物、またはこれの鏡像異性体、ジアステレオマー、水化物、溶媒和物、または薬学的に受け入れられる塩、エステルまたはアミドを治療的に有効な量で投与する段階を含んで成る方法。
【請求項32】
哺乳動物における上気道アレルギー反応、喘息、かゆみ、鼻詰まりおよびアレルギー性鼻炎から成る群から選択されるヒスタミンH受容体媒介型疾患を治療または予防する方法であって、それに苦しんでいる哺乳動物にヒスタミンH受容体調節活性を有する式(I):
【化4】

[式中、
は、場合によりRで一置換もしくは二置換されていてもよく、−H、−C1−7アルキル、−C2−7アルケニル、−C2−7アルキニルおよび−C3−7シクロアルキルから成る群から選択され、
は、独立して、−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C3−6シクロアルキル、フェニル、ピリジル、フラニル、チエニル、ベンジル、ピリミジニル、ピロリル、ハロ、−OH、−OC1−6アルキル、−OC3−6シクロアルキル、−Oフェニル、−Oベンジル、−SH、−SC1−6アルキル、−SC3−6シクロアルキル、−Sフェニル、−Sベンジル、−CN、−NO、−N(R)R(ここで、RおよびRは独立してHまたはC1−4アルキルである)、−(C=O)N(R)R、−(C=O)C1−4アルキル、−SCF、−OCF、−CF、−COOC1−4アルキルおよび−COOHから成る群から選択され、
nは、1または2であり、
Xは、OまたはSであり、
A含有環中のAの中の1つは−O−、−S−、−NHまたは−NC1−4アルキルから成る群から選択され、Aの中の1つは=CH−でありそしてAの中の1つは=CH−または=N−であるが、但しNを含有していてもよいAは1つのみであることを条件としかつ隣接して位置する2個のAが同時にヘテロ原子であることはないことを条件とし、
Lは、−C1−4アルキレン−であり、
は、場合によりRで一置換もしくは二置換されていてもよく、−H、−C1−7アルキル、−C2−7アルケニル、−C2−7アルキニル、−C3−7シクロアルキル、フェニル、ベンジル、ピリジニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、およびO、S、−N=、>NHおよび>NC1−4アルキルから選択されるヘテロ原子員の数が1または2でありかつ二重結合の数が0、1または2である5員、6員もしくは7員の単環式非芳香複素環式環から成る群から独立して選択され、そして
は、場合によりRで一置換もしくは二置換されていてもよく、−C1−7アルキル、−C2−7アルケニル、−C2−7アルキニル、−C3−7シクロアルキル、フェニル
、ベンジル、ピリジニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、およびO、S、−N=、>NHおよび>NC1−4アルキルから選択されるヘテロ原子員の数が1または2でありかつ二重結合の数が0、1または2である5員、6員もしくは7員の単環式非芳香複素環式環から成る群から独立して選択され、
は、独立して、−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C3−6シクロアルキル、フェニル、ピリジル、フラニル、チエニル、ベンジル、ピリミジニル、ピロリル、ハロ、−OH、−OC1−6アルキル、−OC3−6シクロアルキル、−Oフェニル、−Oベンジル、−SH、−SC1−6アルキル、−SC3−6シクロアルキル、−Sフェニル、−Sベンジル、−CN、−NO、−N(R)R(ここで、RおよびRは独立してHおよびC1−4アルキルから選択されるか、或はRとRは結合している窒素と一緒になってO、S、−N=、>NHおよび>NC1−4アルキルから選択される追加的ヘテロ原子員を1または2員有する5員、6員もしくは7員の単環式複素環式環を形成していてもよく、ここで、前記環は場合によりハロまたは−C1−4アルキルで置換されていてもよい)、−(C=O)N(R)R、−(C=O)C1−4アルキル、−SCF、−OCF、−CF、−COOC1−4アルキルおよび−COOHから成る群から選択され、
或は、代りに、
とRは結合している窒素と一緒になって環を形成していてもよく、ここで、前記環は
i)4−7員の非芳香複素環式環(この複素環式環は、結合の窒素から少なくとも炭素員1個分離れて位置していてO、S、−N=、>NHおよび>NRppから選択される追加的ヘテロ原子員の数が0または1であり、二重結合の数が0、1または2であり、カルボニルである炭素員の数が0、1または2でありかつ置換基Rの数が0、1または2である)、および
ii)ベンゾもしくはピリド縮合している4−7員の非芳香複素環式環(この複素環式環は、結合の窒素から少なくとも炭素員1個分離れて位置していてO、S、−N=、>NHおよび>NRppから選択される追加的ヘテロ原子員の数が0または1であり、追加的二重結合の数が0または1であり、カルボニルである炭素員の数が0、1または2でありかつ置換基Rの数が0、1または2である)
から成る群から選択され、
は、独立して、−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C3−6シクロアルキル、フェニル、ピリジル、フラニル、チエニル、ベンジル、ピリミジニル、ピロリル、ハロ、−OH、−OC1−6アルキル、−OC3−6シクロアルキル、−Oフェニル、−Oベンジル、−SH、−SC1−6アルキル、−SC3−6シクロアルキル、−Sフェニル、−Sベンジル、−CN、−NO、−N(R)R(ここで、RおよびRは独立してHおよびC1−4アルキルから選択されるか、或はRとRは結合している窒素と一緒になってO、S、−N=、>NHおよび>NC1−4アルキルから選択される追加的ヘテロ原子員を1または2員有する5員、6員もしくは7員の単環式複素環式環を形成していてもよく、ここで、前記環は場合によりハロまたは−C1−4アルキルで置換されていてもよい)、−(C=O)N(R)R、−(C=O)C1−4アルキル、−SCF、−OCF、−CF、−COOC1−4アルキルおよび−COOHから成る群から選択され、
ppは、独立して、−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、−C3−6シクロアルキル、フェニル、ピリジル、ベンジル、ピリミジニル、ピロリル、−(C=O)N(R)R、−(C=O)C1−4アルキル、−COOC1−4アルキルおよび−COOC1−4ベンジルから成る群から選択される]
で表される化合物、またはこれの鏡像異性体、ジアステレオマー、水化物、溶媒和物、または薬学的に受け入れられる塩、エステルまたはアミドを治療的に有効な量で投与する段階を含んで成る方法。
【請求項33】
PETまたはSPECTで検出可能なように放射能標識が付けられている請求項1記載の化合物。
【請求項34】
ヒスタミン媒介型疾患を検査する方法であって、請求項1記載の化合物に18F標識を付けるか或は11C標識を付けてそれを陽電子放出型断層撮影(PET)分子プローブとして用いる段階を含んで成る方法。
【請求項35】
アレルギー性鼻炎、鼻詰まりまたはアレルギー性うっ血を治療する方法であって、(a)被験体に請求項1記載の化合物を共同有効量で投与しかつ(b)前記被験体にヒスタミンH拮抗薬を共同有効量で投与することを含んで成る方法。
【請求項36】
鬱病、気分障害または統合失調症を治療する方法であって、(a)被験体に請求項1記載の化合物を共同有効量で投与しかつ(b)前記被験体に選択的セロトニン再取り込み阻害剤を共同有効量で投与することを含んで成る方法。
【請求項37】
ナルコレプシー、日中の異様な眠気(EDS)、アルツハイマー病、鬱病、注意欠陥多動性障害、MS関連疲労、麻酔後のフラフラの状態、認識機能障害、統合失調症、脳性麻痺を伴う痙直、加齢による記憶力低下、突発性傾眠または時差ボケを治療する方法であって、(a)被験体に請求項1記載の化合物を共同有効量で投与しかつ(b)前記被験体にモダフィニルを共同有効量で投与することを含んで成る方法。

【公表番号】特表2007−531755(P2007−531755A)
【公表日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506498(P2007−506498)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【国際出願番号】PCT/US2005/010632
【国際公開番号】WO2005/096734
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】