説明

非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤としての2−(ピペリジン−4−イル)−4−フェノキシ−又はフェニルアミノ−ピリミジン誘導体

本発明は、HIV感染を治療、又はHIV感染を予防、あるいはAIDSもしくはARCを処置するために有用な化合物を提供する。本発明の化合物は、R、R、R、R、R5a、R5b、R6a、R6b及びXが本明細書において定義されるとおりの式(I)の化合物である。また、本発明においては、本明細書において定義される化合物を用いたHIV感染の処置方法及び前記化合物を含有する医薬組成物も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗ウイルス療法の分野に関し、特に、HIV逆転写酵素を阻害し、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に媒介される疾患を処置するために有用な非ヌクレオシド化合物に関する。本発明は、HIVに媒介される疾患、AIDS又はARCの治療又は予防のための、式Iで表される新規なピリミジン化合物を提供し、前記化合物を、単剤療法又は併用療法で用いる。
【0002】
ヒト免疫不全ウイルスHIVは、日和見感染に対して付随する感受性を伴う、免疫系、特に、CD4+T細胞の破壊により特徴付けられる疾患である、後天性免疫不全症候群(AIDS)の原因病原体である。HIV感染もまた、例えば、持続性全身性リンパ節腫、発熱及び体重減少などの症状により特徴付けられる症候群である、前兆AIDS関連症候群(ARC)と関連する。
【0003】
その他のレトロウイルスと共通して、HIVゲノムは、プロテアーゼ、逆転写酵素(RT)、エンドヌクレアーゼ/インテグラーゼ及びウイルスコアの成熟構造タンパク質を得るために、ウイルスプロテアーゼにより加工処理される、gag及びgag−polとして既知のタンパク質前駆体をエンコードする。この加工処理の妨害は、普通、感染性ウイルスの産生を阻止する。相当な努力が、ウイルスにエンコードされる酵素の阻害による、HIVの制御に向けられてきている。
【0004】
現在利用可能な化学療法は、2つの非常に重要なウイルス酵素を標的としている:HIVプロテアーゼ及びHIV逆転写酵素(J. S. G. Montanerら、 Antiretroviral therapy: 'the state of the art', Biomed & Pharmacother. 1999 53:63- 72; R. W. Shafer and D. A. Vuitton, Highly active retroviral therapy (HAART) for the treatment of infection with human immunodeficiency virus type, Biomed. & Pharmacother.1999 53 :73-86; E. De Clercq, New Developments in Anti-HIV Chemotherap. Curr. Med. Chem. 2001 8:1543-1572)。RTI阻害剤の2つの一般的なクラス:ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NRTI)及び非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤が特定されている。現在、CCR5共レセプターが、抗HIV化学療法のための潜在的な標的として浮上している(D. Chantry, Expert Opin. Emerg. Drugs 2004 9(1):1-7; C. G. Barber, Curr. Opin. Invest. Drugs 2004 5(8):851-861; D. Schols, Curr. Topics Med. Chem. 2004 4(9):883-893; N. A. Meanwell and J. F. Kadow, Curr. Opin. Drug Discov. Dev. 2003 6(4):451-461)。
【0005】
NRTIは、典型的には、ウイルスRTと相互作用する前にリン酸化されなくてはならない2',3'−ジデオキシヌクレオシド(ddN)アナログである。対応する三リン酸は、ウイルスRTに対して競合的阻害剤又は代替基質として機能する。核酸への取り込み後、ヌクレオシドアナログは鎖伸長過程を終結させる。HIV逆転写酵素はDNA編集能力を有し、それは、耐性株がヌクレオシドアナログを開裂し、伸長を継続させることにより、封鎖を克服することを可能にする。現在臨床的に使用されるNRTIは、ジドブジン(AZT)、ジダノシン(ddI)、ザルシタビン(ddC)、スタブジン(d4T)、ラミブジン(3TC)及びテノフォビル(PMPA)を包含する。
【0006】
NNRTIは、1989年に最初に発見された。NNRTIは、HIV逆転写酵素上の非基質結合部位で可逆的に結合し、それにより、活性部位の形状を変化させるか又はポリメラーゼ活性をブロックするアロステリック阻害剤である(R. W. Buckheit, Jr., Non-nucleoside reverse transcriptase inhibitors: perspectives for novel therapeutic compounds and strategies for treatment of HIV infection, Expert Opin. Investig. Drugs 2001 10(8)1423-1442; E. De Clercq, The role of non-nucleoside reverse transcriptase inhibitors (NNRTIs) in the therapy of HIV infection, Antiviral Res. 1998 38:153-179; E. De Clercq, New Developments in Anti-HIV Chemotherapy, Current medicinal Chem. 2001 8(13):1543-1572; G. Moyle, The Emerging Roles of Non-Nucleoside Reverse Transcriptase Inhibitors in Antiviral Therapy, Drugs 2001 61 (1):19-26)。NNRTIの30種以上の構造クラスが実験室において特定されているにもかかわらず、わずか3種の化合物:エファビレンツ、ネビラピン及びデラビルジンのみがHIV治療のために認可されているにすぎない。
【0007】
最初に、化合物の有望なクラスとして考察されると、生体外及び生体内の研究は、NNRTIが薬物耐性HIV株の出現に対する低いバリア及びクラス特異的な毒性を与えることをただちに明らかにした。薬物耐性は、頻繁にRT中のただ一箇所の変異のみを伴って発現する。NRTI、PI及びNNRTIを用いた併用療法が、多くの場合、ウイルス量を劇的に低減し、疾患の進行を遅延させる一方で、顕著な治療的課題が残っている(R. M. Gulick, Eur. Soc. Clin. Microbiol. and Inf. Dis. 2003 9(3):186-193)。カクテル療法は、全ての患者に有効ではなく、潜在的に重篤な副作用がしばしば生じ、迅速に再生するHIVウイルスが、野生型プロテアーゼ及び逆転写酵素の突然変異による薬物耐性変異株を創出することに長けていると分かった。HIVの野生型及び普通に生じる耐性株に対する活性を有する、より安全な薬物の必要性が残っている。
【0008】
【化1】

【0009】
HIV−1逆転写酵素阻害剤であるピリミジン化合物が開示されている(J. Guillemontら、WO2006/035068 published April 6, 2006; J. Guillemontら、WO2006/035067 published April 6, 2006; J. Guillemontら、WO2006/045828 published May 4, 2006; J. Guillemontら、WO2006/035369 published April 6, 2006; H. A. De Kock and P. Wigerinck, WO2006/094930 published September 14, 2006; H. A. De Kock and P. Wigerinck, WO2006/087387 published August 24, 2006; P. A. J. Jansenら、J. Med Chem. 2005 48(6):1901-09; K. Dasら、J. Med. Chem. 2004 47(10):2550-2660; J. Guillemontら、J. Med. Chem. 2005 48(6):2072-2079)。HIV逆転写酵素の有効な阻害を示すことが報告されたピリミジン化合物は、TMC125(8a)及びTMS120(8b)を包含する。
【0010】
本発明は、式I
【0011】
【化2】

【0012】
〔式中:
は、CO−tert−Bu、COEt、フェニルC1−3アルキル、ヘテロアリールC1−3アルキル、フェニル又はヘテロアリール(ここで、前記へテロアリール基は、ピリジニル、ピリジン−N−オキシド、ピリミジニル、チオフェニル、ピロリル、チアゾリニル、イミダゾリニル又はキノリルからなる群より選択され、前記フェニル又は前記ヘテロアリールは、:
(a) C1−6アルキル
(b) C1−6アルコキシ
(c) C1−6ハロアルキル
(d) C1−6ハロアルコキシ
(e) カルボキシル
(f) CONR7a7b
(g) C1−6アルコキシカルボニル
(h) シアノ
(i) SO−C1−6アルキル
(j) SONR8a8b
(k) ハロゲン、
(l) ニトロ、
(m) C1−3シアノアルキル;
(n) NR10a10b;及び、
(o) NR10aSO1−6アルキル
(p) CHR11a11bCOR12
(q) ヒドロキシル、及び
(r) C1−6ヘテロアルキル;
からなる群より独立して選択される1〜3個の基で場合により置換されている)であり、
は、−CN、−CH=CHCN、C1−3アルキル又はハロゲンであり;
は、水素、ハロゲン、アミノ又はC1−6ハロアルキルであり;
は、水素又はアミノであり;
5a及びR5bは、独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ又はハロゲンであり;
6a及びR6bは、独立して、水素であるか又は一緒になってエチレンであり;
7a及びR7bは、(i)独立して、R7a及びR7bの一方は、水素、C1−6アルキル又はC3−7シクロアルキルであり、R7a及びR7bの他方は、水素、C1−6アルキル、C1−6ヘテロアルキル、C1−6アルキルスルホニル、C1−6ヒドロキシアルキル、C1−3アミノアルキル−C1−6アルキル、C1−3ジアルキルアミノ−C1−6アルキルアルキル及びC1−6アミノアルキルからなる群より選択されるか;
(ii)それらが結合した窒素原子と一緒になって、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環を形成し、前記アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環は、ヒドロキシ、アミノ、C1−3アルキルアミン又はC1−3ジアルキルアミンで場合により置換されているか;あるいは、
(iii)一緒になって、(CH−X−(CHであり;
8a及びR8bは、(i)独立して、R8a及びR8bの一方は、水素又はC1−6アルキルであり、R8a及びR8bの他方は、水素、C1−6アルキル、C1−6アシル及びC1−6ヘテロアルキルからなる群より選択されるか;
(ii)それらが結合した窒素原子と一緒になって、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環を形成し、前記アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環は、ヒドロキシ、アミノ、C1−3アルキルアミン又はC1−3ジアルキルアミンで場合により置換されているか;あるいは、
(iii)一緒になって、(CH−X−(CHであり;
は、水素、C1−3アルキル又はC1−3アシルであり;
10a及びR10bは、独立して、水素、C1−3アルキル又はC1−6アシルであり;
11aは、水素又はハロゲンであり;
11bは、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ又はC1−6ヒドロキシアルキルであり;
12は、ヒドロキシル、C1−6アルコキシ又はNR7a7bであり;
Xは、NH又はOであり;
は、O、S(O)p又はNRであり
pは、0〜2の整数である〕
で示される化合物、又は薬学的に許容しうるその塩に関する。
【0013】
式Iの化合物は、HIV−1逆転写酵素を阻害して、HIV−1感染の予防及び治療ならびにAIDS及び/又はARCの処置のための方法を提供する。HIV−1は、その遺伝子コードの容易な変異を受け、現在の治療法の選択肢を用いる治療に対し感受性の低下した株をもたらす。本発明はまた、HIV−1感染の予防及び治療ならびにAIDS及び/又はARCの処置に有用な、式Iの化合物を含有する組成物に関する。本発明は、さらに、単剤療法又はその他の抗ウイルス剤との併用療法において有用な、式Iの化合物に関する。
【0014】
成句「本明細書において上記に定義されるとおり」は、各々の基に対して、本発明の概要又は最も広範な請求項において提供されるとおりである最も広範な定義を指す。以下に提供されるその他の実施態様において、明確に定義されない各々の実施態様に存在する置換基は、本発明の概要で提供される最も広範な定義を保持する。
【0015】
本明細書において使用されるとおり「場合による」又は「場合により」は、続いて記載される事象又は状況が起こりうるかも知れないが、起こらなければならない訳ではなく、記載が、事象又は状況が起こる事例及びそれが起こらない事例を包含することを意味する。例えば、「場合により置換されている」は、場合により置換されている部分が、水素又は置換基を組み込みうることを意味する。
【0016】
成句「本明細書において上記に定義されるとおり」は、各々の基に対して、本発明の概要又は最も広範な請求項において提供されるとおりである最も広範な定義を指す。以下に提供されるその他の全ての実施態様において、各々の実施態様に存在することができ、明確に定義されない置換基は、本発明の概要で提供される最も広範な定義を保持する。
【0017】
本明細書において使用される技術的及び科学的な用語は、特にことわりがない限り、本発明に関連する当業者により普通に理解される意義を有する。本明細書において、当業者に既知である様々な手法及び物質について述べる。薬理学の一般原理を説明する標準的な参考資料には、Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics, 10th Ed., McGraw Hill Companies Inc., New York (2001)が挙げられる。技術者に既知である任意の適切な物質及び/又は方法は、本発明を実施することに利用することができる。しかしながら、好ましい物質及び方法を記載する。以下の記述及び実施例に述べる物質、試薬などは、特にことわりがない限り、商業的供給源から得ることができる。
【0018】
本明細書において使用されるとおり、移行句中か又は請求項の主文中のいずれであっても、用語「〜を含む(comprise(s))」及び「〜を含む(comprising)」は、非制約的意義を有するように解釈される。すなわち、この用語は、成句「少なくとも〜を有する」又は「少なくとも〜を包含する」の同意語として解釈される。方法の文脈において使用される場合、用語「〜を含む」は、方法が、少なくとも記載の工程を包含するが、追加の工程を包含しうることを意味する。化合物又は組成物の文脈において使用される場合、用語「〜を含む」は、化合物又は組成物が、少なくとも記載の特性又は成分を包含するが、追加の特性又は成分も包含しうることを意味する。
【0019】
用語「約」は、大体、〜の辺りで、概略で、又はおよそを意味するために本明細書において使用される。用語「約」が数値域とともに使用される場合、示された数値の上下の境界を拡大することにより、範囲を修正する。一般に、用語「約」は、表示値の上下の数値を相違20%で修正するために本明細書において使用される。
【0020】
本明細書において使用されるとおり、変数に対する数値の記載は、本発明がその範囲内の値のいずれかと等しい変数で実行しうることを伝えることが意図される。したがって、本質的に不連続である変数については、その変数は、範囲の端点を包含する、数値の任意の整数値と同等であることができる。同様に、本質的に連続的である変数について、その変数は、範囲の端点を包含する、数値の任意の実値と同等であることができる。一例として、0〜2の値を有するように記載されている変数は、本質的に不連続である変数については、0、1又は2であることができ、本質的に連続的である変数については、0.0、0.1、0.01、0.001、又は他のいかなる実値であることができる。
【0021】
任意の変数(例えば、R、R4a、Ar、X又はHet)が、構成要素中、又は、本発明において用いられるか、又は請求される化合物を図示及び記載する任意の化学式中に1回以上生じる場合、各事例におけるその定義は、他の全ての事例発現におけるその定義から独立している。また、置換基及び/又は変数の組み合わせは、そのような化合物が安定化合物である場合に限り許容されうる(Merck WO2007/002368)。
【0022】
結合の末端における記号「*」、又は、結合を介して引かれる記号「------」の各々は、官能基の結合点、又はそれが一部分である残りの分子に対するその他の化学的部分を指す。したがって、例えば:
【0023】
【化3】

【0024】
本発明の一実施態様において、R、R、R、R、R5a、R5b、R6a、R6b、R7a、R7b、R8a、R8b、R、R10a、R10b、R11a、R11b、R12、X、X及びpが、本明細書において上記に定義されるとおりである、式Iで表される化合物が提供される。変数に関する場合、用語「上記に定義されるとおり」及び「本明細書において上記に定義されるとおり」は、本発明の概要又は最も広範な請求項中に提供される変数の最も広範な定義を、参照により組み込む。
【0025】
本発明の別の実施態様において、R7a、R7b、R8a及びR8bが水素であり、R、R、R、R、R5a、R5b、R6a、R6b、R、R10a、R10b、R11a、R11b、R12、Xが、本明細書において上記に定義されるとおりである、式Iで表される化合物が提供される。
【0026】
本発明のさらに別の実施態様において、Rが、場合により置換されているフェニルであり、R、R、R、R5a、R5b、R6a、R6b、R7a、R7b、R8a、R8b、R、R10a、R10b、R11a、R11b、R12、X、X及びpが、本明細書において上記に定義されるとおりである、式Iで表される化合物が提供される。
【0027】
本発明のさらに別の実施態様において、Rが、場合により置換されているフェニルであり;R7a、R7b、R8a及びR8bが水素であり;R、R、R、R5a、R5b、R6a、R6b、R、R10a、R10b、R11a、R11b、R12、X、X及びpが、本明細書において上記に定義されるとおりである、式Iで表される化合物が提供される。
【0028】
本発明のもう一つの実施態様において、Rが、CONR7a7b、SONR8a8b又はSO−C1−6アルキルで置換されているフェニルであり、該フェニル基が、(a)C1−6アルキル、(b)C1−6アルコキシ、(c)C1−6ハロアルキル、(d)C1−6ハロアルコキシ、(e)カルボキシル、(f)C1−6アルコキシカルボニル、(h)シアノ、(i)C1−6アシル−アミノ、(j)ハロゲン、及び、(k)ニトロからなる群より選択される基で場合によりさらに置換されており;R5a及びR5bがCHであり;R、R、R、R6a、R6b、R7a、R7b、R8a、R8b、R、X、X及びpが、本明細書において上記に定義されるとおりである、式Iで表される化合物が提供される。
【0029】
本発明のさらなる実施態様において、Rが、CONH、SONH又はSO−C1−6アルキルで置換されているフェニルであり、該フェニル基が、(a)C1−6アルキル、(b)C1−6アルコキシ、(c)C1−6ハロアルキル、(d)C1−6ハロアルコキシ、(e)カルボキシル、(f)C1−6アルコキシカルボニル、(h)シアノ、(i)C1−6アシル−アミノ、(j)ハロゲン、及び、(k)ニトロからなる群より選択される基で場合によりさらに置換されており;R5a及びR5bがCHであり;R、R、R、R6a、R6b及びXが、本明細書において上記に定義されるとおりである、式Iで表される化合物が提供される。
【0030】
本発明のさらに別の実施態様において、Rが、CONH、SONH又はSO−C1−6アルキルで置換されているフェニルあり、該フェニル基が、(a)C1−6アルキル、(b)C1−6アルコキシ、(c)C1−6ハロアルキル、(d)C1−6ハロアルコキシ、(e)カルボキシル、(f)C1−6アルコキシカルボニル、(h)シアノ、(i)C1−6アシル−アミノ、(j)ハロゲン、及び、(k)ニトロからなる群より選択される基で場合によりさらに置換されており;Rが、水素又は臭素であり;Rが水素であり;R5a及びR5bがCHであり;R、R6a、R6b及びXが、本明細書において上記に定義されるとおりである、式Iで表される化合物が提供される。
【0031】
本発明のもう一つの実施態様において、Rが、CONH、SONH又はSO−C1−6アルキルで3位において置換されているフェニルであり、該フェニル基が、(a)C1−6アルキル、(b)C1−6アルコキシ、(c)C1−6ハロアルキル、(d)C1−6ハロアルコキシ、(e)カルボキシル、(f)C1−6アルコキシカルボニル、(h)シアノ、(i)C1−6アシル−アミノ、(j)ハロゲン、及び、(k)ニトロからなる群より選択される基で場合によりさらに置換されており;R5a及びR5bがCHであり;R、R、R、R6a、R6b及びXが、本明細書において上記に定義されるとおりである、式Iで表される化合物が提供される。
【0032】
本発明の別の実施態様において、Rは、3−カルボキシアミド−フェニル、3−アミノスルホニル−フェニル又は3−メタンスルホニル−フェニルであり;Rが、水素又は臭素であり、Rが水素であり;R5a及びR5bがCHであり;R、R6a、R6b及びXが、本明細書において上記に定義されるとおりである、式Iで表される化合物が提供される。
【0033】
本発明のさらなる実施態様において、Rが、場合により置換されているフェニルC1−3アルキル又は場合により置換されているヘテロアリールC1−3アルキルであり、R、R、R、R5a、R5b、R6a、R6b、R7a、R7b、R8a、R8b、R、R10a、R10b、X、X及びpが、本明細書において上記に定義されるとおりである、式Iで表される化合物が、場合によりが提供される。
【0034】
本発明のさらなる実施態様において、Rが、場合により置換されているフェニルC1−3アルキルであり、R、R、R、R5a、R5b、R6a、R6b、R7a、R7b、R8a、R8b、R、R10a、R10b、X、X及びpが、本明細書において上記に定義されるとおりである、式Iで表される化合物が提供される。
【0035】
本発明のもう一つの実施態様において、Rが、CONR7a7b、SONR8a8b又はSO−C1−6アルキルで置換されているフェニルC1−3アルキルであり、ここで、該フェニル基が、(a)C1−6アルキル、(b)C1−6アルコキシ、(c)C1−6ハロアルキル、(d)C1−6ハロアルコキシ、(e)カルボキシル、(f)C1−6アルコキシカルボニル、(h)シアノ、(i)C1−6アシル−アミノ、(j)ハロゲン、及び、(k)ニトロからなる群より選択される基で場合によりさらに置換されており;R5a及びR5bがCHであり;R、R、R、R6a、R6b、R7a、R7b、R8a、R8b、R、X、X及びpが、本明細書において上記に定義されるとおりである、式Iで表される化合物が提供される。
【0036】
本発明のさらなる実施態様において、Rが、CONH、SONH又はSO−C1−6アルキルで4位において置換されているフェニルC1−3アルキルであり、該フェニル基が、(a)C1−6アルキル、(b)C1−6アルコキシ、(c)C1−6ハロアルキル、(d)C1−6ハロアルコキシ、(e)カルボキシル、(f)C1−6アルコキシカルボニル、(h)シアノ、(i)C1−6アシル−アミノ、(j)ハロゲン、及び、(k)ニトロからなる群より選択される基で場合によりさらに置換されており;R5a及びR5bがCHであり;R、R、R、R6a、R6b、及びXが、本明細書において上記に定義されるとおりである、式Iで表される化合物が提供される。
【0037】
本発明のさらなる実施態様において、Rが、CONH、SONH又はSO−C1−6アルキルで4位において置換されているフェニルC1−3アルキルであり、該フェニル基が、(a)C1−6アルキル、(b)C1−6アルコキシ、(c)C1−6ハロアルキル、(d)C1−6ハロアルコキシ、(e)カルボキシル、(f)C1−6アルコキシカルボニル、(h)シアノ、(i)C1−6アシル−アミノ、(j)ハロゲン、及び、(k)ニトロからなる群より選択される基で場合によりさらに置換されており;Rが、水素又は臭素であり;Rが水素であり;R5a及びR5bがCHであり;R、R6a、R6b及びXが、本明細書において上記に定義されるとおりである、式Iで表される化合物が提供される。
【0038】
本発明の別の実施態様において、Rが、場合により置換されているヘテロアリールC1−3アルキル又はヘテロアリールであり;R、R7a、R7b、R8a及びR8bが水素であり、R、R、R、R、R5a、R5b、R6a、R6b、R、R10a、R10b、Xが、本明細書において上記に定義されるとおりである、式Iで表される化合物が提供される。
【0039】
がCR11a11bCOR12で置換されているフェニルであり、R11a及びR11bが水素であり、R12がC1−6アルコキシ又はNR7a7bである、請求項1に記載の化合物。
【0040】
本発明のもう一つの実施態様において、表1−5中の化合物より選択される化合物の遊離塩基又は薬学的に許容しうる塩である、請求項1に記載の化合物が提供される。
【0041】
本発明の別の実施態様において、R、R、R、R、R5a、R5b、R6a、R6b、R7a、R7b、R8a、R8b、R、R10a、R10b、R11a、R11b、R12、X、X及びpが、本明細書において上記に定義されるとおりである、式Iで表される化合物の治療有効量を、それを必要としている宿主に投与することを含む、HIV−1感染を治療、又はHIV−1感染を予防、あるいはAIDSもしくはARCを処置するための方法が提供される。
【0042】
本発明の別の実施態様において、R、R、R、R、R5a、R5b、R6a、R6b、R7a、R7b、R8a、R8b、R、R10a、R10b、R11a、R11b、R12、X、X及びpが、本明細書において上記に定義されるとおりである、式Iで表される化合物の治療有効量、ならびにHIVプロテアーゼ阻害剤、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、CCR5アンタゴニスト及びウイルス融合阻害剤からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を、それを必要としている宿主に共投与することを含む、HIV−1感染を治療、又はHIV−1感染を予防、あるいはAIDSもしくはARCを処置するための方法が提供される。
【0043】
本発明の別の実施態様において、R、R、R、R、R5a、R5b、R6a、R6b、R7a、R7b、R8a、R8b、R、R10a、R10b、R11a、R11b、R12、X、X及びpが、本明細書において上記に定義されるとおりである、式Iで表される化合物の治療有効量、ならびにジドブジン、ラミブジン、ジダノシン、ザルシタビン、スタブジン、レスクリプター、サスティバ、ビラミューン、エファビレンツ、ネビラピン、デラビルジン、サキナビル、リトナビル、ネルフィナビル、インジナビル、アンプレナビル、ロピナビル及びエンフビルチドからなる群より選択される少なくとも1つの化合物を、それを必要としている宿主に共投与することを含む、HIV−1感染を治療する、又はHIV−1感染を予防、あるいはAIDSもしくはARCを処置するための方法が提供される。
【0044】
本発明の別の実施態様において、R、R、R、R、R5a、R5b、R6a、R6b、R7a、R7b、R8a、R8b、R、R10a、R10b、R11a、R11b、R12、X、X及びpが、本明細書において上記に定義されるとおりである、式Iで表される化合物の治療有効量を、それを必要としている宿主に投与することを含む、HIV−1に感染した宿主において、HIV−1逆転写酵素を阻害するための方法が提供される。
【0045】
本発明の別の実施態様において、R、R、R、R、R5a、R5b、R6a、R6b、R7a、R7b、R8a、R8b、R、R10a、R10b、R11a、R11b、R12、X、X及びpが、本明細書において上記に定義されるとおりである、式Iで表される化合物の治療有効量を、それを必要としている宿主に投与することを含む、野生型HIV−1と比較して、少なくとも1つの変異を有するHIV−1逆転写酵素を、HIV−1に感染した宿主において阻害するための方法が提供される。
【0046】
本発明の別の実施態様において、R、R、R、R、R5a、R5b、R6a、R6b、R7a、R7b、R8a、R8b、R、R10a、R10b、R11a、R11b、R12、X、X及びpが、本明細書において上記に定義されるとおりである、式Iで表される化合物の治療有効量を、それを必要としている宿主に投与することを含む、エファビレンツ、ネビラピン又はデラビルジンに対して感受性の低下を示すHIV−1逆転写酵素を、HIV−1に感染した宿主において阻害するための方法が提供される。
【0047】
ある実施態様において、R、R、R、R、R5a、R5b、R6a、R6b、R7a、R7b、R8a、R8b、R、R10a、R10b、R11a、R11b、R12、X、X及びpが、本明細書において上記に定義されるとおりである、式Iで表される化合物及び少なくとも1つの担体、賦形剤又は希釈剤を含む医薬組成物が提供される。
【0048】
本発明の別の実施態様において、式I:〔式中、Rが、CO−tert−Bu、COEt、フェニルC1−3アルキル、ヘテロアリールC1−3アルキル、フェニル又はヘテロアリール(ここで、前記ヘテロアリール基は、ピリジニル、ピリミジニル、チオフェニル、ピロリル、チアゾリニル、イミダゾリニル又はキノリルからなる群より選択され、前記フェニル又は前記ヘテロアリールは:(a)C1−6アルキル、(b)C1−6アルコキシ、(c)C1−6ハロアルキル、(d)C1−6ハロアルコキシ、(e)カルボキシル、(f)CONR7a7b、(g)C1−6アルコキシカルボニル、(h)シアノ、(i)SO−C1−6アルキル、(j)SONR8a8b、(k)C1−6アシル−アミノ、(l)ハロゲン、(m)ニトロ、(n)C1−3シアノアルキル、(o)NR10a10b;及び(p)NR10aSO1−6アルキルからなる群より独立して選択される1〜3個の基で場合により置換されている)であり;Rは、−CN、−CH=CHCN、C1−3アルキル又はハロゲンであり;Rは、水素、ハロゲン又はC1−6ハロアルキルであり;Rは、水素又はアミノであり;R5a及びR5bは、独立して、水素、C1−6アルキル、ハロゲンであり;R6a及びR6bは、独立して、水素であるか、又は一緒になってエチレンであり;R7a及びR7bは、(i)独立して、R7a及びR7bの一方は、水素又はC1−6アルキルであり、R7a及びR7bの他方は、水素、C1−6アルキル及びC1−6ヘテロアルキルからなる群より選択されるか;(ii)それらが結合した窒素原子と一緒になって、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環を形成し、前記アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環は、ヒドロキシ、アミノ、C1−3アルキルアミン又はC1−3ジアルキルアミンで場合により置換されているか;あるいは、(iii)一緒になって、(CH−X−(CHであり;R8a及びR8bは、(i)独立して、R8a及びR8bの一方は、水素又はC1−6アルキルであり、R8a及びR8bの他方は、水素、C1−6アルキル、C1−6アシル及びC1−6ヘテロアルキルからなる群より選択されるか;(ii)それらが結合した窒素原子と一緒になって、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環を形成し、前記アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環は、ヒドロキシ、アミノ、C1−3アルキルアミン又はC1−3ジアルキルアミンで場合により置換されているか;あるいは、(iii)一緒になって、(CH−X−(CHであり;Rは、水素、C1−3アルキル又はC1−3アシルであり;R10a及びR10bは、独立して、水素又はC1−3アルキルであり;Xは、NH又はOであり;Xは、O、S(O)p又はNRであり;pは、0〜2の整数である〕で表される化合物、又は薬学的に許容しうるその塩が提供される。
【0049】
本明細書において使用される用語「アルキル」は、1〜10個の炭素原子を含有する、非分岐鎖又は分枝鎖状の飽和一価炭化水素残基を示す。用語「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含有する、直鎖又は分枝鎖状の炭化水素残基を示す。本明細書において使用される「C1−3アルキル」は、1〜3個の炭素から構成されるアルキルを指す。アルキル基の例は、低級アルキル基が、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル又はペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、及びオクチルを包含するが、これらに限定されない。
【0050】
「フェニルアルキル」又は「ヒドロキシアルキル」のように、用語「アルキル」が別の用語に続けて接尾語として使用される場合、これは、その他の特に指名された基より選択される1〜2個の置換基で置換されている、上記に定義されるとおりであるアルキル基を指すことが意図される。したがって、例えば、「フェニルアルキル」は、基R'R”−(ここで、フェニルアルキル部分の結合点がアルキレン基上にあるという了解のもとで、R'はフェニル基であり、R”は本明細書において定義されるとおりのアルキレン基である)を示す。アリールアルキル基の例は、ベンジル、フェニルエチル、及び3−フェニルプロピルを包含するが、これらに限定されない。用語「アリールアルキル」又は「アラルキル」は、R'がアリール基であることを除いて、同様に解釈される。用語「(ヘテロ)アリールアルキル」又は「(ヘテロ)アラルキル」は、R'が場合によりアリール又はヘテロアリール基であることを除いて、同様に解釈される。「アルキルアミノアルキル」は、1〜2個のアルキルアミノ置換基を有するアルキル基である。「ヒドロキシアルキル」は、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシブチル、2−(ヒドロキシメチル)、3−ヒドロキシプロピルなどを包含する。
【0051】
本明細書において使用される用語「アルキレン」は、特にことわりがない限り、1〜10個の炭素原子の飽和二価直鎖状炭化水素基(例えば、(CH)又は2〜10個の炭素原子の飽和二価分枝鎖状炭化水素基(例えば、−CHMe−又は−CHCH(i−Pr)CH−)を示す。アルキレン基の開放原子価(open valence)は同一原子と結合しない。アルキレン基の例は、メチレン、エチレン(CHCH)、プロピレン、2−メチル−プロピレン、1,1−ジメチル−エチレン、ブチレン、2−エチルブチレンを包含するが、これらに限定されない。
【0052】
本明細書において使用される用語「シクロアルキル」は、3〜8個の炭素原子を含有する飽和炭素環、すなわち、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチルを示す。本明細書において使用される「C3−7シクロアルキル」は、炭素環中、3〜7個の炭素から構成されるシクロアルキルを指す。
【0053】
本明細書において使用される用語「ハロアルキル」は、1、2、3個又はそれ以上の水素原子がハロゲンにより置換されている、上記に定義されるとおりの非分岐鎖又は分枝鎖状のアルキル基を示す。例は、1−フルオロメチル、1−クロロメチル、1−ブロモメチル、1−ヨードメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリブロモメチル、トリヨードメチル、1−フルオロエチル、1−クロロエチル、1−ブロモエチル、1−ヨードエチル、2−フルオロエチル、2−クロロエチル、2−ブロモエチル、2−ヨードエチル、2,2−ジクロロエチル、3−ブロモプロピル又は2,2,2−トリフルオロエチルである。
【0054】
本明細書において使用される用語「ハロアルコキシ」は、Rが本明細書において定義されるとおりのハロアルキルである、−OR基を指す。本明細書において使用される用語「ハロアルキルチオ」は、Rが本明細書において定義されるとおりのハロアルキルである、−SR基を指す。
【0055】
本明細書において使用される用語「アルコキシ」は、アルキルが上記に定義したとおりの−O−アルキル基、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、i−プロピルオキシ、n−ブチルオキシ、i−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシを意味し、これらの異性体を包含する。本明細書において使用される「低級アルコキシ」は、前に定義されたとおり「低級アルキル」基を有するアルコキシ基を示す。本明細書において使用される「C1−10アルコキシ」は、アルキルがC1−10である−O−アルキルを指す。
【0056】
本明細書において使用される用語「アシル」は、Rが水素又は本明細書において定義されるとおりの低級アルキルである、式−C(=O)Rの基を示す。この用語又は本明細書において使用される「アルキルカルボニル」は、Rが本明細書において定義されるとおりのアルキルである、式C(=O)Rの基を示す。用語C1−6アシルは、6個の炭素原子を含有する−C(=O)R基を指す。本明細書において使用される用語「アリールカルボニル」は、Rがアリール基である、式C(=O)Rの基を意味する;本明細書において使用される用語「ベンゾイル」は、Rがフェニルである「アリールカルボニル」基である。
【0057】
本明細書において使用される用語「アリール」は、1個の個別の環、又は1個以上の縮合環〔ここで、少なくとも1個の環は、本来は芳香族であり、それは、特にことわりがない限り、ヒドロキシ、チオ、シアノ、アルキル、アルコキシ、低級ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、及びジアルキルアミノアルキル、アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、カルバモイル、アルキルカルバモイル及びジアルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノより独立して選択される1個以上、好ましくは1又は3個の置換基で場合により置換されることができる〕からなる5〜15個の炭素原子を含有する一価芳香族炭素環式基を示す。代替的には、アリール環の2個の隣接した原子が、メチレンジオキシ又はエチレンジオキシ基で置換されてもよい。アリール基の例は、フェニル、ナフチル、インダニル、テトラヒドロナフチル、3,4−メチレンジオキシフェニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イルなどを包含するが、これらに限定されない。1個の環中にヘテロ原子を有する二環式アリール置換基の結合点は、芳香族炭素環式環上である。
【0058】
本明細書において使用される用語「ヘテロアリール」又は「芳香族複素環式」は、1環につき4〜8個の原子を含有する少なくとも1個の芳香環を有し、1個以上のN、O又はSヘテロ原子を含み、残りの環原子は炭素である、5〜12環の単環式又は二環式の基を意味し、ヘテロアリール基の結合点が芳香環上である。当業者に周知であるように、ヘテロアリール環はその全て炭素の対応物より少ない芳香族性を有する。したがって、本発明の目的のためには、ヘテロアリール基は、ある程度の芳香族特性を有してさえいれば十分である。ヘテロアリール部分の例は、5〜6環原子及び1〜3個のヘテロ原子を有する単環式の芳香族複素環を包含し、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、トリアゾリン、チアジアゾール及びオキサジアキソリン(oxadiaxoline)(それは、ヒドロキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、チオ、低級ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロ、ハロアルキル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル及びジアルキルアミノアルキル、ニトロ、アルコキシカルボニル及びカルバモイル、アルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アルキルカルボニルアミノ及びアリールカルボニルアミノより選択される1個以上、好ましくは1又は2個の置換基で場合により置換されることができる)を包含するが、これらに限定されない。二環式部分の例は、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール及びベンゾイソチアゾールを包含するが、これらに限定されない。二環式部分は、どちらか一方の環上で場合により置換されることができる;しかしながら、結合点は、ヘテロ原子を含有する環上である。用語「(ヘテロ)アリール」又は「(ヘタ)リール」は、特定な部分が、アリール又はヘテロアリール基のいずれかになることができることを示すために使用される。
【0059】
用語「ヘテロアリールアルキル」又は「ヘテロアラルキル」は、R'が本明細書において定義したとおりの場合により置換されているヘテロアリールであり、そしてヘテロアリール基の結合点がアルキレン基上であるという了解のもと、R”が本明細書において定義したとおりのアルキレン基である、式R'R”の基を意味する。ヘテロアリールアルキル基の例は、2−イミダゾリルメチル、及び3−ピロリルエチルを包含するが、これらに限定されない。
【0060】
本明細書において使用される用語「アルコキシカルボニル」及び「アリールオキシカルボニル」は、Rがそれぞれアルキル又はアリールであり、アルキル及びアリールが本明細書において定義されたとおりである、式−C(=O)ORの基を示す。
【0061】
本明細書において使用される用語「アミノ」、「アルキルアミノ」及び「ジアルキルアミノ」は、それぞれ、−NH、−NHR及び−NRを指し、Rは上記定義のとおりのアルキルである。ジアルキル部分中の窒素と結合している2つのアルキル基は、同じであるか又は異なっていてもよい。本明細書において使用される用語「アミノアルキル」、「アルキルアミノアルキル」及び「ジアルキルアミノアルキル」は、nが1〜6であり、Rが上記定義のとおりのアルキルである、それぞれ、NH(CH−、RHN(CH−、及びRN(CH−を指す。本明細書において使用される「C1−10アルキルアミノ」は、アルキルがC1−10である、アミノアルキルを指す。本明細書において使用される用語「フェニルアミノ」は、Phが、場合により置換されているフェニル基を表す、−NHPhを指す。
【0062】
本明細書において使用される用語「アシルアミノ」は、Rが水素又は本明細書において定義されるとおりの低級アルキルである、式−NHC(=O)Rの基を示す。C1−6アシル−アミノは、C(=O)R部分が計6個の炭素原子を含むアシルアミノ基を意味する。
【0063】
本明細書において使用される用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味する。
【0064】
用語「シアノアルキル」は、Rがシアノであり、Rが本明細書において定義されるとおりのアルキレン基である、RR基を指す。本明細書において使用される用語「ヘテロアルキル」は、本明細書において定義されるとおりのアルキル基を意味し、ここで、1、2又は3個の水素原子が、−OR、−NR、及び−S(O)(ここで、nは0〜2の整数である)からなる群より独立して選択される置換基で置き換えられ、ヘテロアルキル基の結合点が炭素原子を経るという了解のもと、Rは水素、アシル、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり;R及びRは互いに独立して水素、アシル、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり;nがは0の場合、Rは水素、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり、nが1又は2である場合、Rはアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノ、アシルアミノ、又はアルキルアミノである。代表例は、2−ヒドロキシ−エチル、3−ヒドロキシ−プロピル、2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシ−メチルエチル、2,3−ジヒドロキシ−プロピル、1−ヒドロキシ−メチルエチル、3−ヒドロキシ−ブチル、2,3−ジヒドロキシ−ブチル、2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル、2−アミノ−エチル、3−アミノ−プロピル、2−メチルスルホニル−エチル、アミノスルホニル−メチル、アミノスルホニル−エチル、アミノスルホニル−プロピル、メチルアミノスルホニル−メチル、メチルアミノスルホニル−エチル、メチルアミノスルホニル−プロピルなどを包含するが、これらに限定されない。
【0065】
用語「アゼチジン」、「ピロリジン」、「ピペリジン」及び「アゼピン」は、1つの窒素原子が1個の炭素原子に取って代る、それぞれ4−、5−、6−又は7−員環のシクロアルカンを指す。
【0066】
ピリジン環の窒素原子は、酸素原子で場合により置換され、窒素N−オキシドを形成する。N−オキシドの調製は周知であり、例えば、適切な有機溶媒(ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、ヘキサン又はt−ブタノールなど)中、過剰量の酸化剤(例えば、過酸化ナトリウム、過酸化水素、過ヨウ素酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、メタクロロ過安息香酸又は他の過酸、OXONE(登録商標)(ペルオキシ一硫酸カリウム)、過マンガン酸カリウム又はクロム酸)の存在下、典型的には20〜60℃の温度で実施しうる。
【0067】
ピリジニル、ピリミジニル、チオフェニル、ピロリル、チアゾリニル、イミダゾリニル又はキノリルとして表されるヘテロアリールR基は、ヘテロアリール環上の任意の炭素原子でピリミジンに結合させることができる。
【0068】
本明細書において使用される用語「野生型」は、逆転写酵素阻害剤に曝露されていない、正規母集団において、天然に存在する優勢な遺伝子型を保有するHIVウイルス株を指す。本明細書において使用される、用語「野生型逆転写酵素」は、受入番号P03366を有する、SwissProtデータベースにおいて、配列決定され、寄託されている野生型株により発現された逆転写酵素を指す。
【0069】
本明細書において使用される用語「感受性の低下」は、同じ実験系において、野生型ウイルスにより示される感受性と比較して、特定のウイルス単離物の感受性において、約10倍又はそれ以上の変化を指す。
【0070】
本明細書において使用される用語「ヌクレオシド及びヌクレオチド逆転写酵素阻害剤」(「NRTI」)は、ウイルスゲノムHIV−1 RNAのプロウイルスHIV−1 DNAへの変換を触媒する酵素である、HIV−1逆転写酵素の活性を阻害する、ヌクレオシド及びヌクレオチドならびにそれらの類似物を意味する。RTI及びPI阻害剤の開発における最近の進歩が概説されている:F. M. Uckun and O. J. D'Cruz, Exp. Opin. Ther. Pat. 2006 16:265-293; L. Menendez-Arias, Eur. Pharmacother. 2006 94-96 and S. Rusconi and O. Vigano, Future Drugs 2006 3(1):79-88。
【0071】
典型的かつ適切なNRTIは、GSKのジドブジン(AZT;RETROVIR(登録商標));Bristol−Myers Squibb Co.(BMS)のジダノシン(ddl;VIDEX(登録商標));Rocheのザルシタビン(ddC;HIVID(登録商標));BMSのスタブジン(d4T;ZERIT(登録商標));GSKのラミブジン(3TC;EPIVIR(登録商標));WO96/30025に開示されており、GSKから入手可能であるアバカビル(1592U89;ZIAGEN(登録商標));Gilead Sciencesのアデフォビル ジピボキシル(bis(POM)-PMEA;PREVON(登録商標));EP-0358154及びEP-0736533に開示されており、BMSにより開発下にあるヌクレオシド逆転写酵素阻害剤であるロブカビル(BMS-180194);Biochem Pharmaにより開発下にある逆転写酵素阻害剤(BCH−10618及びBCH-10619のラセミ混合物の形態)BCH−10652;Emory Univ.のU.S.Pat.No.5,814,639に基づき、Emory Universityからライセンスされ、Gilead Sciences,Incにより開発下にあるエミトリシタビン[(-)-FTC];Yale UniversityによりVion Pharmaceuticalsにライセンスされているエブシタビン(β−L−D4FC;β−L−2',3'−ジデオキシ−5−フルオロ−シチジン);EP-0656778に開示されており、Emory University及びUniversity of GeorgiaによりTriangle Pharmaceuticalsにライセンスされているプリンヌクレオシド、(−)−β−D−2,6,−ジアミノ−プリンジオキソランである、DAPD;及び、NIHにより発見され、U.S.Bioscience Inc.により開発下にある酸安定性プリンベースの逆転写酵素阻害剤、9−(2,3−ジデオキシ−2−フルオロ−β−D−スレオ−ペントフラノシル)アデニンである、ロデノシン(FddA)を包含する。
【0072】
3つのNNRTIが米国において認可されている:Boehringer Ingelheim(BI)から入手可能なネビラピン(BI-RG-587;VIRAMUNE(登録商標));Pfizerから入手可能なデラビラジン(BHAP、U-90152;RESCRIPTOR(登録商標));BMSからのエファビレンツ(DMP-266、SUSTIVA(登録商標))、ベンズオキサジン−2−オン。現在審査下の他のNNRTIは、Pfizerにより開発下にあるPNU-142721、フロピリジン−チオ−ピリミド;Shionogi及びPfizerによるカプラビリン(S-1153又はAG-1549;5−(3,5−ジクロロフェニル)−チオ−4−イソプロピル−1−(4−ピリジル)メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルカルボナート);Mitsubishi Chemical Co.及びTriangle Pharmaceuticalsによるエミビリン[MKC-442;(1−(エトキシ−メチル)−5−(1−メチルエチル)−6−(フェニルメチル)−(2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン)];(+)−カラノリドA(NSC-675451)及びB、NIHのU.S.Pat.No.5,489,697に開示され、Sarawak/Advanced Life Sciencesにライセンスされているクマリン誘導体;Tibotec-Virco及びJohnson&Johnsonによるエトラビリン(TMC-125;4−[6−アミノ−5−ブロモ−2−(4−シアノ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イルオキシ]−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル)及びDAPY(TMC120;4−{4−[4−((E)−2−シアノ−ビニル)−2,6−ジメチル−フェニルアミノ]−ピリミジン−2−イルアミノ}−ベンゾニトリル);Boehringer-IngleheimによるBILR-355 BS(12−エチル−8−[2−(1−ヒドロキシ−キノリン−4−イルオキシ)−エチル]−5−メチル−11,12−ジヒドロ−5H−1,5,10,12−テトラアザ−ジベンゾ[a,e]シクロオクテン−6−オン;Paradigm Pharmaceuticalsによる、PHI-236(7−ブロモ−3−[2−(2,5−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−3,4−ジヒドロ−1H−ピリド[1,2−a][1,3,5]トリアジン−2−チオン)及びPHI-443(TMC−278、1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−(2−チオフェン−2−イル−エチル)−チオウレア)を包含する。
【0073】
本明細書において使用される用語「プロテアーゼ阻害剤」(「PI」)は、感染性HIV−1において見られる、ウイルスポリタンパク質前駆体(例えば、ウイルスGAG及びGAG Polポリタンパク質)の個々の機能性タンパク質へのタンパク分解的切断に必要とされる酵素、HIV−1プロテアーゼの阻害剤を意味する。HIVプロテアーゼ阻害剤は、ペプチド類似構造、高分子量(7600ダルトン)及び実質的なペプチド特性を有する化合物、例えば、CRIXIVAN(登録商標)ならびに非ペプチドプロテアーゼ阻害剤、例えば、VIRACEPT(登録商標)を包含する。
【0074】
典型的かつ適切なPIは、INVIRASE(登録商標)として硬ゲルカプセルで、FORTOVASE(登録商標)として軟ゲルカプセルで、Rocheから入手可能であるサキナビル;NORVIRとしてAbbott Laboratoriesから入手可能であるリトナビル(ABT-538);また、Abbotから入手可能であるロピナビル(ABT-378);Abbott Laboratoriesから入手可能である、ロピナビルと治療量以下の容量のリトナビルの配合剤である、KALETRA(登録商標);Merck&Co.から、CRIXIVAN(登録商標)として入手可能であるインジナビル(MK-639);Agouron Pharmaceuticals,Inc.から、VIRACEPT(登録商標)として入手可能であるネルフィナビル(AG-1343);Vertex Pharmaceuticals,Inc.及びGSKから、AGENERASE(登録商標)として入手可能であるアンプレナビル(141W94);BIから、APTIVUS(登録商標)として入手可能であるティプラナビル(PNU-140690);BMSによるラシナビル(BMS-234475/CGP-61755);BMS-2322623、第2世代HIV−1 PIとしてBMSによって開発下のアザペプチド;GSKとVertexの共同開発下にあるGW-640385X(VX-385);Agouron/Pfizerによる前臨床開発下のAG-001859;Sumitomo Pharmaceuticalsにより開発下のSM-309515を包含する。
【0075】
前臨床開発中のさらなるPIは、BMSによるN−シクロアルキルグリシン、Enanta Pharmaceuticalsによるα−ヒドロキシアリールブタンアミド;α−ヒドロキシ−γ−[[(炭素環式−又は複素環式−置換)アミノ]カルボニル]アルカンアミド誘導体;Merckによるγ−ヒドロキシ−2−(フルオロアルキルアミノカルボニル)−1−ピペラジンペンタンアミド;Pfizerによるジヒドロピロン誘導体ならびにα−及びβ−アミノ酸ヒドロキシエチルアミノスルホンアミド;ならびに、ProcyonによるN−アミノ酸置換L−リジン誘導体を包含する。HIVの標的細胞への進入は、CD−4細胞表面レセプター及びCCR5(M−トロピック株)及びCXCR4(T−トロピック株)ケモカインコレセプターを要する。ケモカインへのウイルス結合を阻止するケモカイン拮抗剤は、ウイルス感染の有用な阻害剤である。Takedaは、潜在的なCCR5アンタゴニストとして、TAK-779(M. Shiraishiら、J. Med. Chem. 2000 43(10):2049-2063; M. Babbaら Proc. Nat. Acad Sci. USA 1999 96:5698-5703)及びTAK-220(C. Tremblayら Antimicrob. Agents Chemother. 2005 49(8):3483-3485)を同定した。WO0039125(D. R. Armourら)及びWO0190106(M. Perrosら)は、強力かつ選択的CCR5アンタゴニストである複素環式化合物を開示している。Miraviroc(UK-427,857;MVC)は、Pfizerにより、第III相臨床試験に進められ、HIV−1単離物及び実験株に対して活性を示す(P.Dorrら、Antimicrob. Agents Chemother. 2005 49(11):4721-4732; A.Wood and D. Armour, Prog. Med. Chem. 2005 43:239-271; C.Watsonら、Mol.Pharm.2005 67(4):1268-1282; M.J.Macartneyら、43rd Intersci. Conf. Antimicrob. Agents Chemother. September 14-17, 2003, Abstract H-875)。Scheringは、Sch-351125(SCH-C)を第I/II相臨床研究に進め、より強力なフォローアップ化合物、Vicroviroc(Sch-417690、SCH-D)を第I相研究に進めていることを報告している(S. W. McCrombieら、WO00066559;B. M. Baroudyら、WO00066558;A. Palaniら、J. Med. Chem. 2001 44(21):3339-3342; J. R. Tagatら、J. Med. Chem. 2001 44(21):3343-3346; J. A. Este, Cur. Opin. Invest. Drugs 2002 3(3):379-383; J. M. Struzkiら、Proc. Nat. Acad Sci.USA 2001 98:12718-12723)。Merckは、CCR5レセプターに対する優れた親和性及び強力なHIV活性を有する(2S)−2−(3−クロロフェニル)−1−N−(メチル)−N−(フェニルスルホニル)アミノ]−4−[スピロ(2,3−ジヒドロベンゾチオフェン−3,4'−ピペリジン−1'−イル)ブタン S−オキシド(1)及び関連する誘導体の調製を開示している(P. E. Finkeら、Bioorg. Med. Chem. Lett., 2001 11:265-270; P. E. Finkeら、Bioorg. Med. Chem. Lett., 2001 11:2469-2475; P. E. Finkeら、Bioorg. Med. Chem. Lett., 2001 11:2475-2479; J. J. Haleら、Bioorg. Med. Chem. Lett., 2001 11:2741-22745; D. Kimら、Bioorg. Med. Chem. Lett., 2001 11:3099-3102);C. L. Lynchら、Org Lett. 2003 5:2473-2475; R. S. Veazeyら、J. Exp. Med. 2003 198:1551-1562。GSK-873140(ONO-4128、E-913、AK-602)は、熊本大学で開始されたプログラム中で同定され(K Maedaら、J. Biol. Chem. 2001 276:35194-35200; H. Nakataら、J. Virol. 2005 79(4):2087-2096)、臨床試験へと進んでいる。WO00/166525;WO00/187839;WO02/076948;WO02/076948;WO02/079156、WO2002070749、WO2003080574、WO2003042178、WO2004056773、WO2004018425において、Astra Zenecaは、CCR5アンタゴニストである4−アミノピペリジン化合物を開示する。2005年8月11日に公開されたU.S.Pubication. 20050176703において、S.D.Gabriel及びD.M.Rotsteinは、HIV細胞の進入を阻止することが可能な複素環CCR5アンタゴニストを開示した。2006年1月19日に公開されたU.S.Pubication 20060014767において、E.K.Leeらは、HIV細胞の進入を阻止することが可能な複素環CCR5アンタゴニストを開示した。
【0076】
結合阻害剤は、ウイルスエンベロープタンパク質とケモカインレセプター又はCD40タンパク質の間の相互作用を効果的に阻止する。TNX−355は、CD4のドメイン2上の立体構造エピトープに結合する、ヒト化IgG4モノクローナル抗体である(L. C. Burklyら、J. Immunol. 1992 149:1779-87)。TNX−355は、CCR5−、CXCR4−及びデュアル/混合トロピックHIV−1株のウイルスの付着を阻害することができる(E. Godofskyら、In Vitro Activity of the Humanized Anti-CD4 Monoclonal Antibody, TNX-355, against CCR5, CXCR4, and Dual- Tropic Isolates and Synergy with Enfuvirtide, 45th Annual Intersaence Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy(ICAAC). December 16-19, 2005, Washington DC. Abstract # 3844; D. Norrisら、TNX−355 in Combination with Optimized Background Regime(OBR) Exhibits Greater Antiviral Activity than OBR Alone in HIV- Treatment Experienced Patients, 45th Annual Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy(ICAAC). December 16-19, 2005, Washington DC. Abstract #4020)。
【0077】
抗体、可溶性レセプター及び生物学的に活性なその断片を包含する巨大分子の治療薬は、従来の低分子量の薬物に対するますます重要な補助剤となる(O. H. Brekke and I. Sandlie Nature Review Drug Discov. 2003 2:52-62; A. M. Reichert Nature Biotech. 2001 19:819-821)。高い特異性及び親和性を有する抗体は、ウイルス細胞融合に必須な、細胞外タンパク質で標的化することができる。CD4、CCR5及びCXCR4は、ウイルスの融合を阻害する抗体に関し標的化されている。
【0078】
V. Roschkeら(Characterization of a Panel of Novel Human Monoclonal Antibodies that Specifically Antagonize CCR5 and Block HIV-1 Entry, 44th Annual Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy(ICAAC). October 29, 2004, Washington DC. Abstract #2871)は、CCR5レセプターに結合し、CCR5レセプターを発現する細胞へのHIV進入を阻害するモノクローナル抗体を開示している。L.Wu及びC.R MacKayは、2001年5月30日に出願されたU.S.Ser.No09/870,932に、細胞のHIV感染を阻害することが可能である方法で、CCR5レセプターに結合するモノクローナル抗体5C7及び2D7を開示する。W.C.Olsenら(J. Virol. 1999 73(5):4145-4155)は、(i)HIV−1細胞進入、(ii)HIV−1エンベロープ媒介性の膜融合、(iii)CCR5に結合するgp120及び(iv)CC−ケモカイン活性を阻害することが可能であるモノクローナル抗体を開示する。抗CCR5抗体のPro 140と低分子量CCR5アンタゴニストの間の相乗作用が、Murgaらにより開示されている(3rd IAS Conference on HIV Pathogenesis and Treatment, Abstract TuOa.02.06. July 24-27,2005, Rio de Janeiro, Brazil)。HIV−1細胞進入を阻害する抗CCR5抗体が単離され、M. Brandtらにより、2006年3月31日に出願されたU.S. Ser. No. 11/394,439にも開示されている。
【0079】
FUZEON(登録商標)(T−20、DP−178、ペンタフシド)は、U.S.Pat.No.5,464,933に開示される。T−20及び類似物T−1249は、HIV融合のために必要とされる立体構造の変化を効果的に阻害する、HIV gp41断片の類似物である。T−20は認可され、Roche及びTrimerisから入手可能である。FUZEONは、他のクラスの抗HIV薬物と共に併用療法において、連続的皮下点滴又は注射として投与される。
【0080】
HIV治療に有用でありうる他の抗ウイルス剤は、ヒドロキシウレア、リバビリン、IL−2、IL−12、ペンタフシドを包含する。ヒドロキシウレア(Droxia)、T細胞の活性化に関与する酵素である、リボヌクレオシド3リン酸還元酵素阻害剤は、NCIで発見され、Bristol-Myers Squibbにより開発下にあり;前臨床的研究において、ジダノシンの活性に相乗効果を有することが示され、スタブジンと共に研究されている。IL−2は、AjinomotoのEP-0142268、TakedaのEP-0176299、及びChironのU.S.Pat.No.RE 33,653、4,530,787、4,569,790、4,604,377、4,748,234、4,752,585、及び4,949,314に開示され、IV注入又は皮下投与のための凍結乾燥粉末として、PROLEUKIN(登録商標)(アルデスロイキン)の商品名で、Chiron Corp.から入手可能である。IL−12は、WO96/25171に開示され、Roche及びWyeth Pharmaceuticalsから入手可能である。リバビリン、1−β−D−リボフラノシル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミドは、U.S.Pat.No.4,211,771に記載され、ICN Pharmaceuticalsから入手可能である。
【0081】
本出願において使用される略号は:アセチル(Ac)、酢酸(HOAc)、アゾ−ビス−イソブチリルニトリル(AIBN)、1−N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、気圧(Atm)、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBN又はBBN)、メチル(Me)、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、アセトニトリル(MeCN)、ピロ炭酸ジ−tert−ブチル又はboc無水物(BOCO)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、ベンジル(Bn)、m−クロロ過安息香酸(MCPBA)、ブチル(Bu)、メタノール(MeOH)、ベンジルオキシカルボニル(cbz又はZ)、融点(mp)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、MeSO−(メシル又はMs)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、質量スペクトル(ms)三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)、メチル t−ブチル エーテル(MTBE)、ジベンジリデンアセトン(Dba)、N−カルボキシ無水物(NCA)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、N−クロロスクシンイミド(NCS)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、N−メチルモルホリン(NMM)、N−メチルピロリドン(NMP)、1,2−ジクロロエタン(DCE)、クロロクロム酸ピリジニウム(PCC)、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、二クロム酸ピリジニウム(PDC)、ジクロロメタン(DCM)、プロピル(Pr)、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、フェニル(Ph)、アゾジカルボン酸ジ−イソ−プロピル(DIAD)、重量ポンド毎平方インチ(psi)、ジ−イソ−プロピルエチルアミン(DIPEA)、ピリジン(pyr)、ジ−イソ−ブチルアルミニウムヒドリド(DIBAL−H)、室温(rt又はRT)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、tert−ブチルジメチルシリル又はt−BuMeSi(TBDMS)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、トリエチルアミン(EtN又はTEA)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、トリフラート又はCFSO−(Tf)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トリフルオロ酢酸(TFA)、1,1'−ビス−(ジフェニルホスフィノ)エタン(dppe)、2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−2,6−ジオン(TMHD)、1,1'−ビス−(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、酢酸エチル(EtOAc)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル(EtO)、トリメチルシリル又はMeSi(TMS)、エチル(Et)、p−トルエンスルホン酸一水和物(TsOH又はpTsOH)、リチウムヘキサメチルジシラザン(LiHMDS)、4−Me−CSO−又はトシル(Ts)、イソ−プロピル(i−Pr)、N−ウレタン−N−カルボキシ無水物(UNCA)、エタノール(EtOH)を包含する。接頭語normal(n)、iso(i-)、第二級(sec-)、第三級(tert-)及びneoを包含する従来の命名法は、アルキル部分と一緒に使用される場合、それらの通常の意義を有する(J. Rigaudy and D. P. Klesney, Nomenclature in Organic Chemistry, IUPAC 1979 Pergamon Press, Oxford)。
【0082】
本発明の化合物は、以下に示され、記載される例示的な合成反応スキームで叙述される多様な方法により製造することができる。これらの化合物を調製する際に使用される、出発物質及び試薬は、一般、Aldrich Chemical Co.,のような商業的な供給者から入手可能であるか、又は当業者に既知の方法により、以下の参考文献に記載の手順に従って製造されるかのいずれかである:Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis; Wiley & Sons: New York, Volumes 1-21; R. C. LaRock, Comprehensive Organic Transformations, 2nd edition Wiley-VCH, New York 1999; Comprehensive Organic Synthesis, B. Trost and I. Fleming(Eds.) vol. 1-9 Pergamon, Oxford, 1991; Comprehensive Heterocyclic Chemistry, A. R. Katritzky and C. W. Rees (Eds) Pergamon, Oxford 1984, vol. 1-9; Comprehensive Heterocyclic Chemistry II, A. R. Katritzky and C. W. Rees (Eds) Pergamon, Oxford 1996, vol. 1-11;及びOrganic Reactions, Wiley & Sons: New York, 1991, Volumes 1-40。以下の合成反応スキームは、本発明の化合物を合成することができる、いくつかの方法を単に例示しているに過ぎず、本出願に含まれる開示を参照して、これらの合成反応スキームに対する多様な修飾を行うことができることが、当業者に示唆されるであろう。
【0083】
合成反応スキームの出発物質及び中間体は、所望であれば、濾過、蒸留、結晶、クロマトグラフィーなどを包含するがこれらに限定されない従来の技術を使用して、単離し、精製することができる。そのような物質は、物理学的定数及びスペクトルデータを包含する従来の手段を使用して、特徴付けることができる。
【0084】
特記のない限り、本明細書中に記載の反応は、好ましくは、不活性雰囲気下、大気圧で、約−78℃〜約150℃の範囲、より好ましくは、約0℃〜約125℃の範囲の反応温度で、そして最も好ましくかつ好都合には、ほぼ室温(又は周囲温度)、例えば約20℃で、行われる。
【0085】
以下のスキームにおけるいくつかの化合物は、一般化された置換基を伴って叙述される;しかしながら、当業者は、本発明中に意図される様々な化合物を得るために、R基の性質及び数を変化させることができることを直ちに理解するであろう。スキームにおける一般式は、例示することを意図し、添付の請求項により定義される本発明の範囲に対する限定を示唆することを意図しない。さらに、反応条件は例示的であり、代替的な条件が周知である。以下の実施例における反応順序は、請求項に記載の本発明の範囲を限定することを意味しない。
【0086】
置換されているピリミジンの調製方法を教示する当技術分野で既知の多数の引例がある。読本は、(a) D. J. Brown; Pyrimidines and their Benzo Derivatives. In Comprehensive Heterocyclic Chemistry, 1st Edition; A. R. Katritzky and C. W. Rees, Eds.; Pergamon Press: Oxford, 1984, vol. 3, pp. 106-141 and references cited therein, (b) K. Undheim and T. Benneche: Pyrimidines and their Benzo Derivatives. In Comprehensive Heterocyclic Chemistry, 2nd Edition; A. R. Katritzky, C. W. Rees and E. F. V. Scriver, Eds.; Pergamon Press: Oxford, 1996, vol. 6, pp. 195-221 and references cited therein, (c) D. J. Brown; The Pyrimidines. In The Chemistry of Heterocyclic Compounds; A. Weissberger, Ed.; Wiley Interscience, New York, 1962, vol 52, pp. 49-238 and references cited thereinが参照される。
【0087】
表1に例示される(1−ベンジル−ピペリジン−4−イル)−(4−フェノキシ−ピリミジン−2−イル)−アミン誘導体を、2,4−ジクロロピリミジン又は5−ブロモ−2,4−ジクロロ−ピリミジン(経路A1)のいずれかから調製した(スキームA)。アルコキシ及びアリールオキシ求核試薬により2−及び4及び/又は6−ハロ−置換ピリミジンの求核置換は、ピリミジン環の他の位置に強力な電子供与置換基が存在する場合を除いて容易に起こる。金属アリールオキシドは、2−ハロ置換基より4−又は6−ハロ置換基とより容易に反応する(T. J. Delia and A. Nagarajan, J. Heterocyclic Chem. 1998 35:269-273)。したがって、フェノールと10aとの反応により、エーテル10bを得る。続いて、2−クロロ置換基の12による置換により、14aを得る。弱酸処理による脱保護を行って、14bを得て、それを、場合により置換されているハロゲン化ベンジルによりピペリジン窒素上でアルキル化して、表1の化合物を得た。代替的には、化合物を2−メチルチオ−4−クロロピリミジンから調製することができる(26a、経路A2)。
【0088】
【化4】

【0089】
フェノールによるピリミジン上でのクロロ置換基の置換は、塩基の存在下で好都合に実施される。そのような塩基は、例えば、アルカリ金属又はアルカリ金属炭酸塩又は水酸化物、例えば、NaCO、KCO、CaCO、CsCO、NaOH又はKOH、あるいは、有機アミン塩基、例えば、ピリジン、2,6−ルチジン、コリジン、TEA、NMM、DBU又はDBNである。代替的には、アルカリ金属水素化物、例えば、NaH又はKH、あるいはアルカリ金属アミド、例えば、NaNH、KNH、LiN(SiMeを、アルカリ金属アルコキシドを製造するために使用することができる。反応は、エーテル溶媒、例えば、THF、DME又はジオキサン、芳香族炭化水素溶媒、例えば、トルエン、あるいは、極性非プロトン性溶媒、例えば、DMF、NMP又はDMSOのような不活性溶媒中で好都合に実施する。反応は、10〜120℃の範囲内の温度で好都合に達成する。2−クロロ置換基の次の置換は、高温でそのままのアミン12の存在下で好都合に実施した。
【0090】
Boc保護基は、酸性条件下で不安定であり、それは、好ましくは室温で、DCM、ジオキサン又はTHFのような溶媒中でTFA又はHClでの処理により除去することができる(Protective Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd Edition, 1999, Wiley-Interscienceを参照)。
【0091】
ピペリジン窒素のアルキル化は、アミン又はアミンの金属塩(すなわち、脱プロトン化体)を、場合により塩基及び/又は18−クラウン−6のような相間移動触媒の存在下、アルキル化剤ArCH(ここで、Arは場合により置換されているフェニル又は場合により置換されているヘテロアリール部分であり、Zはハロ、メシラート、ベンゼンスルホニルオキシ又はトシラートのような脱離基である)で処理することにより達成する(スキームA、工程4a)。反応は、典型的には、塩基、例えば、TEA、DIPEA、DBU、又は無機塩基、例えば、NaCO、NaHCO、KCO又はCsCOの存在下、MeCN、DMF、DMSO、1,4−ジオキサン、THF又はトルエンのような溶媒中で実施しうる。代替的には、アミンの金属塩(すなわち、脱プロトン化体)は、THF、DMF又は1,4−ジオキサンのような適切な溶媒中で使用しうる。式16の化合物はまた、Mitsunobu反応により入手可能であり(D. L. Hughes, The Mitsunobu Reaction, in Organic Reactions, Volume 42, 1992, John Wiley & Sons, New York; pp. 335-656)、THF、トルエン、DCMなどのような非プロトン性溶媒中で、トリブチルホスフィン((n−Bu)P)、トリフェニルホスフィン(PhP)などのようなホスフィン、及びアゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)又はアゾジカルボン酸ジ−tert−ブチルのようなジアゾ−化合物の混合物により活性化された、場合により置換されているベンジルアルコールを適用する。関与する反応又は試薬に悪影響がなく、試薬を少なくとも部分的に溶解することができるという条件において、用いられる溶媒の種類に対する特定の制限はない。反応は、周囲温度から用いられる溶媒の還流温度に及ぶ広い範囲の温度にわたって行うことができる。
【0092】
ベンジル置換基の導入もまた、14bでの(ヘテロ)アリールアルデヒドの還元的アミノ化により達成することができる(スキームA、工程4b)。還元的アミノ化は、錯体金属水素化物還元剤、例えば、NaBH、LiBH、NaB(CN)H、Zn(BH、NaB(OAc)H又はボラン/ピリジン錯体の存在下、好都合にはpH1〜7で、あるいは水素化触媒の存在下、例えば、Pd/Cの存在下、水素を用いて、水素圧1〜5bar、好ましくは20℃〜使用する溶媒の沸点の間の温度で、アミン及びカルボニル化合物を混ぜ合わせることにより好ましくは実施した。場合により、モレキュラーシーブ又はTi(IV)(O−i−Pr)のような脱水剤を、周囲温度で、中間体イミンの形成を促進するために加える。反応の間に、潜在的に反応性の基を従来の保護基により保護することもまた有利であり得、それは、反応後に従来方法により再度開裂される。還元的アミノ化手順を概説している:R. M. Hutchings and M. K. Hutchings Reduction of C=N to CHNH by Metal Hydrides in Comprehensive Organic Synthesis col. 8, I. Fleming (Ed) Pergamon, Oxford 1991 pp. 47-54。
【0093】
N−アラルキル−4−アミノ−ピペリジン(例えば、4−アミノ−N−ベンジルピペリジン、CASRN 50541−93−0)又はN−ヘテロアラルキル−4−アミノ−ピペリジンが入手可能であるか、又は4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ピペリジン(CASRN 73874−95−0)のような選択的に保護された前駆体から調製される場合、完全に構成されたピペリジニル側鎖を、一工程で導入することができる(スキームA、工程4c)。
【0094】
【表1】





【0095】
本発明の化合物は、ピリミジン環の5位の臭素及び6位のアミノ置換基の両方で置換することができる(表II)。4−アミノ−6−クロロ−2−(メチルチオ)−ピリミジン(18a、CAS Reg No. 1005-38-5、D. L. Andersonら、U.S Pub. No.2005/0288502)は、アミノ置換化合物に対する便利な前駆体である。電子供与アミノ置換基は、2−クロロ基の反応性を弱める。チオメチル置換基は、2−クロロ置換基より不十分な脱離基であり、それは結果として4位のアリールオキシ部分の選択的な導入に至る。4−アリールオキシ置換基の導入後、チオメチルの酸化により、非常に不安定なメタンスルホニル基が得られ、それを、スキームBに示されるように4−アミノ−ピペリジン部分により選択的に置換する。
【0096】
【化5】

【0097】
スルホンへの酸化は、ぺルオキシ酸又はMoO.HMPA.HOを用いて容易に達成される(E. Vedejsら、J. Org, Chem. 1978 43:l88-196)。1−tert−ブトキシカルボニル−4−アミノピペリジンの導入(工程3)及びその後のNBSでのピリミジン環の臭素化(工程4)により、24aを得る。脱保護(工程5)及びピペリジン窒素のアルキル化(工程6)を、上記のとおり実施する。
【0098】
【表2】

【0099】
−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イル)−N−フェニル−ピリミジン−2,4−ジアミンを、スキームCで叙述するように、4−クロロ−2−メチルチオ−ピリミジン(CAS Reg No. 49844-90-8、J.-P. Roduit WO2000/063184)から調製する。反応順序はスキームAに記載されたものと同等であるが、但し、メチルチオ部分をまず最初のアミノ化(工程1)の間に2位の反応性を抑制するために使用し、次いで、電子供与アリールアミンを4位に導入した後に2位の活性化する。スルフィドの酸化(工程2)、1−tert−ブトキシカルボニル−4−アミノピペリジンでの2位のメチルスルホニルの置換(工程3)、Boc基の除去(工程4)ならびに場合により置換されているベンジル部分の導入(工程5)を、
【0100】
【化6】

【0101】
前述のように実施して、34(Y=H)を得る。ピリミジン環の5位で臭素を導入することが有利である場合には、30aをNBSで臭素化して32aを得(工程6)、次いで脱保護及び場合により置換されているベンジル基を導入する(工程7及び8)。
【0102】
【表3】

【0103】
【化7】

【0104】
アクリロニトリル置換基を含有する本発明の化合物を、36(スキームCに記載されたとおり26aから同様に調製したが、但し、4−ブロモ−2,6−ジメチル−フェニルアミン又は4−ブロモ−2−クロロ−6−メチル フェニル−アミンを、4−アミノ−3,5−ジメチル−ベンゾニトリルの代わりに使用した)から調製し、38aを得る。アクリロニトリルのカップリングを、Heckプロトコルを使用して達成した(スキームD)。Heck反応は、パラジウム触媒クロスカップリング、すなわちハロゲン化又はトリフルオロメタンスルホン酸アルケニル、アリール、アルキニル又はベンジルと、オレフィンである(R. Heck, Angew. Chem. Int. Ed. 1995 33:2379; A. de Meijere and F. E. Meyer Angew. Chem. Int. Ed. 1994 33:2379-2411; W. Cabri and I. Candiani, Acc. Chem. Res. 1995 28:2-7)。オレフィンは、電子供与基又は電子求引基で置換されることができる。Pd(OAc)及びPd(dba)を包含するが、これらに限定されない、様々なパラジウム種を利用することができる。ホスフィンリガンドは反応混合物に取り込まれ、Pd(0)を可溶化し、また、NaHCO、KCO、AgCO、CsCOを包含するが、これらに限定されない様々な範囲の塩基も加えられる。反応は、典型的には、非プロトン性溶媒中で行われるが、広範囲の溶媒極性が反応に適合する。本方法は、前述のとおり、Boc保護基の除去(工程2)及びピペリジン窒素のアルキル化(工程3)により完了する。
【0105】
【表4】





【0106】
本発明の化合物はまた、1−ベンジル−ピペリジン−4−イルアミンの代わりに、場合により置換されている1−フェニル−又は1−ヘテロアリール−ピペリジン−4−イルアミン置換基を含有することができる(表IV及びV)。アリール又はヘテロアリール置換基を、典型的には、ピリミジン核に組み込む前に、ピペリジン環上へ導入する。1−フェニル−ピペリジン−4−イルアミンは、2つの方法により調製することができる。電気陰性置換基を有するフルオロ芳香族化合物(40、R=電子求引基)は、ピペリジン−4−イル−カルバミン酸tert−ブチルエステルによるフッ素原子の直接SAr置換を受ける(方法A、スキームE)。フッ素置換基は、一般に、他のハロゲン置換基より著しく不安定である。水及び水酸化物のようなハードな求核試薬は、フッ化物を置換しないが、一方、フェノール、イミダゾール、アミン、チオール及びいくつかのアミドのようなソフトな求核試薬は、室温であっても容易に置換反応を受ける(D. Bogerら、Biorg. Med. Chem. Lett. 2000 10:1471-75; F. Terrier Nucleophilic Aromatic Displacement: The Influence of the Nitro Group VCH Publishers, New York, NY 1991)。保護基の除去(工程3)により、必要な1−フェニル−ピペリジン−4−イルアミン 44bを得る。代替的には、非活性化置換基で置換されたヨード又はクロロベンゼン化合物の置換は、Cu(I)塩により触媒される(方法B、スキームE)(J. Lindley, Tetrahedron 1984 40:1433-1456; J. Hassanら、Chem. Rev. 2002 102:1359; D. Maら、J. Org. Chem. 2005 70:5164-5173)。
【0107】
【化8】

【0108】
1−(ヘテロ)アリール−ピペリジン−4−イルアミンを、表IV及びV中の対応するベンジル誘導体に関して、スキームA及びCに例示するものと同様の反応順序を使用してピリミジンに導入した。このように、4−アリールオキシ化合物を10bから調製するか、あるいは4−アリールアミンを28から調製した。アクリロニトリル側鎖の組み込みを、Heckカップリング条件下、アクリロニトリルで50aを処理することにより達成した。
【0109】
【化9】

【0110】
【表5】

【0111】
本発明の化合物は、多種多様な経口投与の投薬形態及び担体で製剤化しうる。経口投与は、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤、シロップ剤、又は懸濁剤の形態であることができる。本発明の化合物は、他の投与経路の内、連続的(点滴)非経口、筋肉内、静脈内、及び坐剤投与をはじめとする他の投与経路により投与する場合に効果がある。好ましい投与方法は、一般に、苦痛の程度及び有効成分に対する患者の生体反応に従って調整することができる簡便な1日用量の投薬計画を使用する経口的なものである。
【0112】
1種又は複数の本発明の化合物、ならびにそれらの薬学的に使用可能な塩は、1種以上の従来の賦形剤、担体、又は希釈剤と一緒に、医薬組成物及び単位投薬形態にしうる。医薬組成物及び単位投薬形態は、追加の活性化合物もしくは成分の有無にかかわらず、従来の割合で従来の成分から成り、単位投薬形態は、意図された1日の使用用量範囲に相応する活性成分の任意の適切な有効量を含有しうる。医薬組成物は、経口的な使用のため、錠剤もしくは充填カプセル剤、半固体剤、粉末剤、徐放性製剤のような固体として、又は液剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤、もしくは充填カプセル剤のような液体として;あるいは直腸内もしくは膣内投与のための坐剤の形態で;あるいは非経口的使用のため滅菌注射液剤の形態で使用しうる。典型的な製剤は、約5%〜約95%の1種又は複数の活性化合物(w/w)を含有するであろう。用語「製剤」又は「投薬形態」は、活性化合物の固体及び液体製剤の両方を包含することを意図し、当業者は、活性成分が、標的器官又は組織により、かつ所望の投与量及び薬物動態パラメーターにより、異なる製剤中に存在できることを理解するであろう。
【0113】
本明細書において使用される用語「賦形剤」は、一般に、安全、無毒、かつ生物学的にも他の点においても望ましくなくない医薬組成物を調製する際に有用である化合物を指し、獣医学的使用ならびにヒトの薬学的使用に許容しうる賦形剤を包含する。本明細書において使用される用語「賦形剤」は、1以上のそのような賦形剤の両方を包含する。
【0114】
成句、化合物の「薬学的に許容しうる塩」は、薬学的に許容されて、かつ親化合物の所望の薬理学的活性を有する塩を意味する。そのような塩は、:(1)酸付加塩:例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸と形成されるもの;又は、例えば、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]オクタ−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などの有機酸と形成されるもの;あるいは、(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、もしくはアルミニウムイオンにより置換されているか;又はエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミンなどのような有機塩基と配位するかのいずれかの場合に形成される塩を包含する。N−アシルスルホンアミドは酸性プロトンを有するが、それは抽出されて、有機又は無機陽イオンを有する塩を形成することができる。
【0115】
好ましい薬学的に許容しうる塩は、酢酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、リン酸、酒石酸、クエン酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛、及びマグネシウムから形成される塩である。当然の事ながら、薬学的に許容しうる塩に対する全ての言及は、本明細書において定義したように、同じ酸付加塩の溶媒付加型(溶媒和物)または結晶型(多形)を包含する。
【0116】
固体形態の製剤は、粉末剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤及び分散性顆粒剤を包含する。固体担体は、希釈剤、風味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、防腐剤、錠剤崩解剤又は封入材料としても作用しうる1種以上の物質でありうる。粉末剤において、担体は、一般に、微粉化した活性成分と混合する微粉化した固体である。錠剤において、活性成分は、一般に、必要な結合能力を有する担体と適切な割合で混合され、所望の形状及び大きさに圧縮される。適切な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ロウ、ココアバターなどを包含するが、これらに限定されない。固体形態の製剤は、活性成分に加えて、着色剤、風味剤、安定剤、緩衝剤、人工及び天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含有しうる。
【0117】
液体製剤もまた、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、水性液剤、及び水性懸濁剤をはじめとする液体製剤であり経口投与に適している。これらは、使用直前に、液体形態製剤に変換されることを意図する固体形態製剤を包含する。乳剤は、溶液中、例えば、プロピレングリコール水溶液中に調製するか、又は、例えば、レシチン、ソルビタンモノオレアート、もしくはアラビアゴムなどの乳化剤を含有しうる。水性液剤は、水に活性成分を溶解して、適切な着色剤、風味剤、安定剤及び増粘剤を加えることにより調製することができる。水性懸濁剤は、例えば、天然もしくは合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び他の周知の懸濁化剤などの粘着性材料と、水に微粉化した活性成分を分散することにより調製することができる。
【0118】
本発明の化合物は、非経口投与(例えば、注射、例としてはボーラス注射(bolus injection)又は持続注入による)のために製剤化し得、アンプル剤、充填済注射器(pre-filled syringes)、少量注入容器又は防腐剤を添加した多回用量容器に単位投与量形態で存在しうる。組成物は、油性又は水性媒体中の懸濁剤、液剤又は乳剤、例えばポリエチレングリコール水溶液中の液剤のような形態をとりうる。油性又は非水性担体、希釈剤、溶媒又は媒体の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)及び注射用有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)を包含し、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、安定剤及び/又は分散剤のような配合剤を含有しうる。代替的には、活性成分は、滅菌固体の無菌分離によるか、又は適切な媒体、例えば滅菌した、発熱物質を含まない水を用いて、使用前の構成用溶液から凍結乾燥することにより得られる粉末形態でありうる。
【0119】
本発明の化合物は、軟膏剤、クリーム剤もしくはローション剤として、又は経皮パッチ剤として表皮に局所投与するために製剤化しうる。例えば、軟膏剤及びクリーム剤は、適切な増粘剤及び/又はゲル化剤を加え、水性又は油性基剤を用いて製剤化しうる。ローション剤は、水性又は油性基剤を用いて製剤化し得、一般に、1種以上の乳化剤、安定剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤又は着色剤も含有する。口腔内の局所投与に適切な製剤は、風味付けした基剤、通常、スクロース及びアラビアゴム又はトラガカント中に活性成分を含むトローチ剤;ゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアラビアゴムのような不活性基剤中に活性成分を含む芳香製剤;ならびに適切な液体担体中に活性成分を含んでいる洗口剤を包含する。
【0120】
本発明の化合物は、坐剤として投与するために製剤化しうる。脂肪酸グリセリド又はココアバターの混合物のような低融点ロウを、最初に溶融して、活性成分を、例えば撹拌により均質に分散する。次に均質溶融混合物を、都合のよい大きさの型に注ぎ、冷却させ、凝固させる。
【0121】
本発明の化合物は、膣内投与用に製剤化しうる。活性成分に加えて、適切であることが当技術分野で知られているような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム又はスプレー。
【0122】
本発明の化合物は、鼻腔内投与用に製剤化しうる。液剤又は懸濁剤を、従来の方法により、例えば、滴瓶、ピペット又はスプレーを用いて直接鼻腔に適用する。製剤は、単回又は多回投与形態で提供しうる。後者の滴瓶又はピペットの場合、これは、液剤又は懸濁剤の適切な所定の容量を患者が投与することにより達成しうる。スプレーの場合、例えば、計量噴霧スプレーポンプを用いて達成しうる。
【0123】
本発明の化合物は、特に、鼻内投与を含む、気道へのエアロゾル投与用に製剤化しうる。化合物は、一般に、例えば、5μ以下程度の小さい粒径を有する。そのような粒径は、当技術分野で既知である手段、例えば、微粉砕により得ることができる。活性成分は、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、もしくはジクロロテトラフルオロエタン、又は二酸化炭素、あるいは他の適切なガスのような適切な噴射剤を用いた加圧パックで提供される。エアロゾルもまた、レシチンのような界面活性剤を都合よく含有しうる。薬物の投与量は、計量弁により制御しうる。代替的には、活性成分は、乾燥粉末の形態、例えば、乳糖、デンプン、デンプン誘導体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリジン(PVP)のような適切な粉末基剤中の化合物の粉末混合物の形態で提供しうる。粉末担体は、鼻腔内でゲルを形成する。粉末組成物は、例えば、ゼラチンのカプセル又はカートリッジ、あるいはブリスターパックのような単位投与形態で提供され、これから粉末剤を吸入器を用いて投与しうる。
【0124】
所望の場合、製剤は、活性成分の持続又は制御放出投与に適合される腸溶性コーティングを用いて調製することができる。例えば、本発明の化合物は、経皮又は皮下薬物送達デバイス中に製剤化することができる。これらの送達系は、化合物の持続放出が必要であり、処置投薬計画を伴う患者のコンプライアンスが重要である場合に有利である。経皮送達系における化合物は、高い頻度で皮膚接着性固体支持体に加えられる。関心の化合物もまた、浸透促進剤、例えば、アゾン(1−ドデシルアザ−シクロヘプタン−2−オン)と組み合わせることができる。持続放出送達系は、外科手術又は注射により皮下層へ皮下的に挿入される。皮下インプラントは、化合物を、脂溶性膜、例えば、シリコーンゴム、又は生分解性ポリマー、例えば、ポリ乳酸中にカプセル化する。
【0125】
医薬担体、希釈剤及び賦形剤を有する適切な製剤は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 1995、edited by E. W. Martin、Mack Publishing Company, 19th edition, Easton、Pennsylvaniaに記載されている。熟練した製剤科学者は、本発明の組成物を不安定な状態にしたり、それらの治療的活性を損なうことなく、特定の投与経路用に多数の製剤を提供するために、明細書の教示の範囲内で製剤を改良しうる。
【0126】
本化合物を水中又は他の媒体中でより可溶性の状態にするためのそれらの改良は、例えば、軽微な改良(塩形成、エステル化など)により、容易に達成し得、それらは十分に当技術分野で通常の技能範囲内である。患者における最大の有益な効果のため、本化合物の薬物動態を管理するために、特定の化合物の投与経路及び投薬計画を改良することもまた、十分に当技術分野の通常の技能範囲内である。
【0127】
本明細書中で使用される用語「治療有効量」は、個体における疾患の症状を低減させるために必要とされる量を意味する。HIV感染の状況は、ウイルス量(RNA)を測定することによるか、又はT細胞レベルをモニターすることにより、モニターすることができる。投与量は、各々の特定の場合において、個々の要求に適合されるであろう。その用量は、例えば、処置するべき疾患の重篤度、患者の年齢及び全体的な健康状態、患者が処置されている他の医薬、投与経路及び投与形態、ならびに関与する医師の選択及び経験などの多数の因子に依存して、広範な範囲内で変化することができる。経口投与に関しては、1日あたり約0.01〜約100mg/kg体重の1日用量が、単剤療法及び/又は併用療法において適切であるべきである。好ましい1日用量は、1日あたり、約0.1〜約500mg/kg体重であり、より好ましくは、0.1〜約100mg/kg体重であり、最も好ましくは、1.0〜約10mg/kg体重である。よって、70kgのヒトへの投与に関しては、用量範囲は、1日あたり約7mg〜0.7gであろう。1日用量は、単回用量として又は分割用量で、典型的には、1日あたり1〜5用量で、投与することができる。一般的には、処置は、化合物の最適な投与量未満の、より少ない用量で開始される。その後、用量は、個々の患者についての最適効果が達成されるまで、少量ずつ増やされる。本明細書中に記載される疾患を処置する当業者は、過度な実験を行うことなく、かつ個人の知識、経験及び本出願の開示に依存して、所定の疾患及び患者のために、本発明の化合物の治療有効量を確定することができるであろう。
【0128】
本発明の態様において、活性化合物又は塩を、別の抗ウイルス剤、例えば、ヌクレオシチド逆転写酵素阻害剤、別の非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤又はHIVプロテアーゼ阻害剤と組み合わせて投与することができる。活性化合物あるいはその誘導体又は塩を、別の抗ウイルス剤と組み合わせて投与する場合、活性は親化合物よりも増加しうる。処置が併用療法である場合、そのような投与は、ヌクレオシド誘導体のものに対して、同時的又は連続的でありうる。したがって、本明細書中で使用される「同時投与」は、同時又は異なる時点での薬物の投与を包含する。2種以上の薬物を同時に投与することは、2種以上の活性成分を含有する単一の製剤によるか、又は、単一の活性薬物を有する2種以上の剤形の実質的同時投与により達成することができる。
【0129】
本明細書中の処置への言及は存在している状態の予防ならびに治療に及び、動物の処置はヒトならびに他の動物の処置を含むことが理解されるであろう。さらに、本明細書中で使用されるHIV感染の処置もまた、HIV感染に関連するか又はHIV感染により媒介される疾患又は状態、あるいはその臨床的症状の治療又は予防を包含する。
【0130】
医薬調製物は、好ましくは、単位投薬剤形である。そのような剤形において、調製物は、適切な量の活性成分を含有する単位投与量へとさらに分割される。単位投薬剤形は、包装された調製物であることができ、その包装は、別々の量の調製物、例えば、包装された錠剤、カプセル、及びバイアルもしくはアンプル中の粉末を含む。また、単位投薬剤形は、それ自体、カプセル剤、錠剤、カシェ剤又はトローチ剤であることができ、又は、それは、これらのいずれかの適切な数の包装形態であることができる。
【0131】
以下の、これらの実施例及び調製は、当業者が、本発明をより明確に理解し、実施することを可能にするために提供される。それらは本発明の範囲を限定するものとして考えられるべきでなく、単に、それらの例示及び代表例として考えられるべきである。
【実施例】
【0132】
実施例1
4−[2−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イルアミノ)−5−ブロモ−ピリミジン−4−イルオキシ]−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル(I−2)
【0133】
【化10】

【0134】
1−ベンジル−ピペリジン−4−イルアミン(0.5mL、2.5mmole、CASRN 50541−93−0)、DIPEA(2.8mL、16mmol)及び4−(5−ブロモ−2−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチルベンゾニトリル(52、0.54g、1.6mmol)を、NMP(30mL)中で合わせて、100℃で3時間温めた。粗反応混合物を冷却し、水及びブラインに注いだ。得られた白色の固体を濾過し、水で洗浄して、減圧下で乾燥させた。EtOAc/ヘキサンから再結晶化して、白色の固体としてI−2 620mgを得た:H−NMR(DMSO):8.29(s、1H)、7.58(s、2H)、7.26(m、5H、フェニル)、6.98(br.d、1H、NH)、3.40(s、2H)、2.68(m、2H)、2.13(s、6H)、2.03(m 2H)、1.81(m 2H)、1.38(m、2H);融点158.0−159.8℃;ms(ESI)M=492、494。
【0135】
4−[2−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イルアミノ)−ピリミジン−4−イルオキシ]−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル(I−1)を同様に調製したが、但し、52を4−(2−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル(68a)と置き換えた。
【0136】
4−[5−ブロモ−2−(1−フェニル−ピペリジン−4−イルアミノ)−ピリミジン−4−イルオキシ]−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル(IV−1)を同様に調製したが、但し、54を1−フェニル−ピペリジン−4−イルアミン(CASRN 63921−23−3)と置き換えた。
【0137】
実施例2
N−(3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチルフェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−フェニル)−アセトアミド(I−13)
【0138】
【化11】

【0139】
4−[5−ブロモ−2−(ピペリジン−4−イルアミノ)ピリミジン−4−イルオキシ]−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル(56、17mg、0.042mmol)及びN−(3−ホルミル−フェニル)−アセトアミド(8.2mg、0.05mmol)を、MeOH(0.3mL)中で、HOAc 1滴と合わせた。得られた溶液に、DCM 0.2mL中のPL−シアノ水素化ホウ素樹脂(42mg、0.8mmol)のスラリーを加えた。室温で24時間撹拌後、樹脂を濾別して、DCMで3回洗浄した。合わせた濾液及び洗浄物を減圧下で濃縮し、得られた残留物を逆相HPLC(10〜90%MeCN:0.1%TFA水溶液緩衝化勾配)により精製して、TFA塩としてI−13 18.6mgを得た:M+H=549、551。
【0140】
下記のものを同様に調製したが、但し、N−(3−ホルミル−フェニル)−アセトアミドを、括弧内のアルデヒドに置き換えた:I−4(4−ホルミル−安息香酸)、I−5(ピリジン−4−カルバルデヒド)、I−6(チオフェン−2−カルバルデヒド)、I−7(チオフェン−3−カルバルデヒド)、I−8(チアゾール−2−カルバルデヒド)、I−9(4−ホルミル−ベンゾニトリル)、I−10(N−(4−ホルミル−フェニル)−アセトアミド)、I−11(ピロール−2−カルバルデヒド)、I−12(3H−イミダゾール−4−カルバルデヒド)、I−14(3−フルオロ−ベンズアルデヒド)及びI−15(3−ニトロベンズアルデヒド)。
【0141】
実施例3
4−{2−[1−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル(I−3)
【0142】
【化12】

【0143】
NMP(8mL)中の58(100mg、0.31mmole)、DIPEA(0.55mL、3.1mmol)及び1−ブロモメチル−4−メタンスルホニル−ベンゼン(120mg、0.48mmol)の混合物を、100℃で3時間温めた。反応混合物を3:2 EtOAc/ヘキサンに分配し、減圧下で濃縮し、1:50:50 TEA/アセトン/ヘキサンで溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、黄褐色の固体としてI−3 98mgを得た:H−NMR(DMSO):8.13(d、1H)、7.87(d、2H)、7.51(d、2H)、7.37(s、2H)、6.12(d、1H)、4.85(br.d、1H、NH)、3.54(s、2H)、3.03(s、3H)、2.71(m、2H)、2.13(s、6H)、2.03(m 2H)、1.83(m、2H)、1.49(m、2H);ms(ESI)M=491。
【0144】
実施例4
4−{5−ブロモ−2−[1−(4−メタンスルホニルベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル(I−16)
【0145】
【化13】

【0146】
4−[5−ブロモ−2−(ピペリジン−4−イルアミノ)ピリミジン−4−イルオキシ]−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル(20mg、0.050mmol)、DIPEA(0.025mL)及び59(14mg、0.055mmol)を、DMF 0.5mL中で合わせて、25℃で24時間撹拌した。逆相HPLC(10〜90%MeCN/0.1%TFA水溶液緩衝液勾配)による精製を行って、TFA塩としてI−16 24.4mgを得た:M+H=570、572。
【0147】
下記のものを同様に調製したが、但し、59を括弧内の臭化ベンジルに置き換えた:I−17(4−ブロモメチル−2−クロロ−1−メタンスルホニル−ベンゼン)、I−18(4−ブロモメチル−1−ニトロ−ベンゼン)、I−19(2−ブロモメチル−ベンゾニトリル)、I−20(3−ブロモメチル−ベンゾニトリル)、I−21(4−ブロモメチル−3−クロロ−ベンゼンスルホンアミド)及びI−22(4−ブロモメチル−3−クロロ−安息香酸メチルエステルを56と縮合して、エステルをTHF水溶液中のLiOHで加水分解した)、I−54(4−ブロモメチル−ピリミジン)。
【0148】
I−53を同様に調製したが、但し、56を3−クロロ−5−メチル−4−[2−(ピペリジン−4−イルアミノ)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ベンゾニトリルと置き換えて、59を4−ブロモメチル−3−クロロ−ベンズアミドと置き換えた。
【0149】
I−51、I−59及びI−60を同様に調製したが、但し、56を、4−[5−ブロモ−2−(ピペリジン−4−イルアミノ)−ピリミジン−4−イルオキシ]−3−クロロ−5−メチル−ベンゾニトリルと置き換えて、59を、それぞれ、1−ブロモメチル−2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンゼン、4−ブロモメチル−3−クロロ−ベンズアミド及び4−ブロモメチル−3−クロロ−ベンゼンスルホンアミドと置き換えた。
【0150】
実施例5
3−クロロ−4−{2−[1−(2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−5−メチル−ベンゾニトリル(I−48)
【0151】
【化14】

【0152】
工程1−NBS(100mmol)を、HOAc(200mL)中の60a(100mmol)の混合物に加えて、混合物を室温で一晩撹拌した。HOAcを除去し、残留物をEtOAcで希釈して、飽和NaCOで洗浄した。合わせた有機相を乾燥させ(NaSO)、濾過し、蒸発させて、白色の固体として60bを得て、それをさらに精製しないで使用した。
【0153】
工程2−3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチル−ベンゾニトリル(60c)を、U.S.Pat.No.5,464,848中のG. D. Diana and T. J. Nitzにより記載されたように60bから調製することができる。
【0154】
工程3−NMP(10mL)中の60c(6.9mmol)の溶液に、NaH(7.3mmol)を少しずつ加えて、混合物を室温で30分間撹拌した。得られた溶液に26a(7.3mmol)を加えて、反応混合物を140℃にて、マイクロ波中で3時間撹拌した。反応混合物を冷却して、水とEtOAcに分配した。水層をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、蒸発させて、62aを得て、それを精製しないで次の工程で使用した。
【0155】
工程4−MCPBA(6mmol)を、0℃に冷却したDCM(30mL)中の62a(6.9mmol)の溶液に少しずつ加えた。反応混合物を室温に温めた後、3時間撹拌した。反応混合物をNaHSOでクエンチし、DCMで希釈して、飽和NaCO、水及びブラインで洗浄した。有機相を乾燥させ(NaSO)、溶媒を蒸発させた。残留物をEtOAc/ヘキサン(2:1)で溶離するSiOカラムクロマトグラフィーにより精製して、62bの中間体1.8g(2工程に対して83%)を得た。
【0156】
工程5−NMP(10mL)中の62b(3.8mmol)及び12(4.2mmol)の混合物を、120℃で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、MeCN/HOで溶離する分取HPLCにより精製して、白色の固体として64a 0.600g(36%)を得た。
【0157】
工程6−トリフルオロ酢酸(0.5mL)を、室温で、DCM(10mL)中の64a(0.47mmol)の溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を除去して、64b 0.400g(100%)を得て、それをさらに精製しないで使用した。
【0158】
工程7−NMP(1mL)中の64b(0.175mmol)、66(0.175mmol、CASRN 180200−86−6)及びTEA(0.2mL)の混合物を、室温で2時間撹拌した。反応混合物を、MeCN/HOで溶離する分取HPLCにより精製して、白色の固体としてI−48 0.078g(82%)を得た。
【0159】
I−26を同様に調製したが、但し工程3で、60cを、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−ベンゾニトリル(CASRN 4198−90−7)に置き換えて、工程7で、1−ブロモメチル−2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンゼンを、4−ブロモメチル−3−クロロベンズアミド(3−クロロ−4−メチル−ベンズアミド、CASRN 24377−95−5のNBS臭素化により調製)と置き換えた。
【0160】
I−27を同様に調製したが、但し工程3で、60cを、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−ベンゾニトリル(70、CASRN 4198−90−7)と置き換えた。
【0161】
I−29を同様に調製したが、但し工程3で、60cを70に置き換えて、工程7で、1−ブロモメチル−2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンゼンを、4−ブロモメチル−3−クロロ−ベンゾニトリルと置き換えた。
【0162】
実施例6
3−クロロ−4−{4−[4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−ベンゼンスルホンアミド(I−23)
【0163】
【化15】

【0164】
工程1−水素化ナトリウム(1mmol、油中60%)を、室温で、THF中の70の溶液に少しずつ加えた。得られた溶液を10分間撹拌して、次に、2,4−ジクロロピリミジン(1mmol、CAS Reg No. 3934−20−1)を加えた。反応混合物を、室温で、6時間撹拌した。反応が完了した後、溶媒を減圧下で除去して、68b 0.230g(88.8%)を得て、それを次の工程で直接使用した。
【0165】
工程2−68b(1mmol)及び12(1mmol)の混合物を、150℃で2時間溶融した。反応混合物を冷却し、EtOAc/ヘキサン(1:2)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、72a 0.210g(49.6%)を得た。
【0166】
工程3−DCM中の72a(1mmol)の溶液にTFA(1mL)を加えて、得られた溶液を室温で5時間撹拌した。反応が完了した後、溶媒を減圧下で除去して、黄色の油状物として72bのTFA塩0.460g(100%)を得て、それを精製しないで次の工程で使用した。
【0167】
工程4−MeCN中の72b(0.2mmol)の溶液にTEA(0.3mmol)及び73(0.2mmol)を加えて、得られた混合物を室温で6時間撹拌した。反応が完了した後、溶媒を蒸発させ、残留物をMeCN/HOで溶離する30×100mm C18 ORBカラムでの分取HPLCにより精製して、I−23 0.023g(22%)を得た。
【0168】
4−ブロモメチル−3−クロロ−ベンゼンスルホンアミド(73)の調製−
標記化合物を、3−クロロ−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド(CASRN 51893−27−6、R. Wigwagら、U.S. Publication No. 20050282793)のNBS/AIBN媒介の臭素化により調製した。
【0169】
実施例7
3−クロロ−4−{4−[4−(2−クロロ−4−シアノ−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−ベンゼンスルホンアミド(I−25)
【0170】
【化16】

【0171】
工程1−水素化ナトリウム(1mmol、油中60%)を、室温で、NMP中の74(1mmol)の溶液に少しずつ加えた。得られた溶液を5分間撹拌して、次に、26a(1mmol)を加えた。反応混合物を150℃で30分間、マイクロ波中で撹拌した。反応が完了した後、EtOAc及びHOを加えて、水相をEtOAcで抽出した。有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を蒸発させて、76a 0.234g(84.4%)を得て、それを精製しないで次の工程で使用した。
【0172】
工程2−DCM中の76a(1mmol)の溶液にMCPBA(4mmol)を加えて、得られた混合物を室温で4時間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物を、順次、飽和NaHSO及び飽和NaHCO溶液で洗浄した。有機相を乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮して、76b 0.304g(98%)を得た。
【0173】
工程3−NMP中の76b(1mmol)の溶液に12(1mmol)を加えて、得られた混合物を150℃で30分間撹拌した。反応が完了した後、78及び4位置換からの副生成物79の得られた混合物を、EtOAc/ヘキサン(1:2)で溶離するSiOカラムクロマトグラフィーにより精製して、78 0.107g(24.5%)を得た。
【0174】
工程4−DCM中の78(0.2mmol)の溶液にTFA(1mL)を加えて、得られた溶液を室温で5時間撹拌した。反応が完了した後、溶媒を減圧下で濃縮して、黄色の油状物0.098g(100%)を得て、それを精製しないで次の工程で直接使用した。
【0175】
工程5−MeCN中の工程4からの第二級アミン(0.1mmol)の溶液に、EtN(0.3mmol)及び73を加えて、反応物を室温で3時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、MeCN/HOで溶離する30×100mm C18 ODBカラムでの分取HPLCにより精製して、I−25 0.006g(11%)を得た。
【0176】
実施例8
3−クロロ−4−{(1R,5S)−3−[4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イルメチル}−ベンズアミド(I−46)
【0177】
【化17】

【0178】
3−アミノ−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル80を、WO2005/080389に開示されているD. Marquessらの手順により調製した。
【0179】
4−ブロモメチル−3−クロロ−ベンズアミドの調製(84)
CCl(20mL)中の3−クロロ−4−メチル−ベンズアミド(388mg、2.288mmol、CASRN 24377−95−5))、NBS(456mg、2.564mmol)及びAIBN(100mg)の混合物を4時間加熱還流し、その時点で、TLC分析が反応完了を示した。反応混合物を減圧下で濃縮して、0.426g(75%)を得て、それを、精製しないで次の工程に供した。
【0180】
工程1−DMF(20mL)中の70(10mmol)、68a(10mmol)及びKCO(15mmol)の混合物を、室温で6時間撹拌した。混合物を水(50mL)に注いで、EtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過して蒸発させた。68bを含有する残留物を精製しないで次の工程で使用した。
【0181】
工程2−n−BuOH中の68b(2mmol)及び80(2mmol)の混合物を、密閉管中、160℃で6時間加熱した。出発物質がTLCにより検出されない場合、反応物を室温に冷まして、減圧下で濃縮した。粗生成物82aをさらに精製しないで次の工程で使用した。
【0182】
工程3−TFA(2mL)を、室温で、DCM(10mL)中の82a(1mmol)の溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、溶媒を蒸発させて、82b 0.349g(100%)を得た。
【0183】
工程4−MeCN(2mL)中の82b(1mmol)、84(1mmol)及びTEA(0.1mL)の混合物を、室温で一晩撹拌した。反応混合物をMeCN/HOで溶離する30×100mm C18 ODBカラムでの分取HPLCにより精製して、I−46 0.0424g(82%)を得た。
【0184】
I−47を同様に調製したが、但し工程4で、4−ブロモメチル−3−クロロベンズアミドを4−ブロモメチル−3−クロロ−ベンゼンスルホンアミドと置き換えた。
【0185】
I−49、I−50及びI−56を同様に調製したが、但し工程1で、68aを5−ブロモ−2,4−ジクロロ−ピリミジンと置き換えて、I−49及びI−56の調製において、工程4で、4−ブロモメチル−3−クロロベンズアミドを、それぞれ、1−ブロモメチル−2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンゼン及び臭化ベンジルで置き換えた。
【0186】
実施例9
4−{2−[1−(2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−5−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル(I−55)
【0187】
【化18】

【0188】
工程1−DMF(20mL)中の84(20mg、0.922mmol、CASRN 3932−97−6)、70(176mg、1.2mmol)、KCO(1.27g、9.22mmol)の混合物を、室温で一晩撹拌した。反応混合物をHO(20mL)に注いで、EtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮して、86 0.2387g(79%)を得た。
【0189】
工程2−86(200mg、0.61mmol)及び12(147mg、0.73mmol)の混合物を、150℃に一晩加熱した。反応混合物を、MeCN/HOで溶離する30×100mm C18 ODBカラムでの分取HPLCにより精製して、白色の固体として88a 0.182g(61%)を得た。
【0190】
工程3−TFA(2mL)を、室温でDCM(10mL)中の88a(0.1mmol)の溶液に加えて、一晩撹拌した。溶媒を除去して、88b 0.0392g(100%)を得て、それをさらなる精製をしないで使用した。
【0191】
工程4−MeCN(2mL)中の88b(0.1mmol)、66(0.1mmol)及びTEA(0.1mL)の混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を、MeCN/HOで溶離する30×100mm C18 ODBカラムでの分取HPLCにより精製して、I−55 0.0487g(82%)を得た。
【0192】
実施例10
4−{2−[1−(2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−5−フルオロ−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル(I−57)
【0193】
【化19】

【0194】
工程1−DMF(20mL)中の90(500mg、2.99mmol、CASRN 2927−71−1)、70(485mg、3.3mmol)及びKCO(1.24g、9mmol)の混合物を、室温で一晩撹拌した。反応混合物を水(20mL)に注いで、EtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮して、92 0.633g(76%)を得た。
【0195】
工程2−92(630mg、2.27mmol)及び12(460mg、2.3mmol)の混合物を、150℃に一晩加熱して、その時点で、出発物質はTLCにより検出されなかった。反応混合物を、MeCN/HOで溶離する30×100mm C18 ODBカラムでの分取HPLCにより精製して、白色の固体として94a 0.610g(61%)を得た。
【0196】
工程3−TFA(2mL)を、室温で、DCM(10mL)中の94a(1mmol)の溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、溶媒を減圧下で除去して、94b 0.341g(100%)を得て、それをさらなる精製をしないで使用した。
【0197】
工程4−MeCN(2mL)中の94b(0.1mmol)、66(0.1mmol)及びTEA(0.1mL)の混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を、MeCN/HOで溶離する30×100mm C18 ODBカラムでの分取HPLCにより精製して、I−57 0.035g(72%)を得た。
【0198】
4−{5−クロロ−2−[1−(2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル(I−58)を同様に調製したが、但し工程1で、90を、2,4,5−トリクロロ−ピリミジン(CASRN 5750−76−5)と置き換えた。
【0199】
実施例11
4−{4−[4−アミノ−5−ブロモ−6−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−3−クロロ−ベンズアミド(II−2)
【0200】
【化20】

【0201】
工程1−水素化ナトリウム(1mmol、油中60%)を、室温でNMP中の70の溶液に少しずつ加えて、得られた溶液を10分間撹拌した。ナトリウムフェノキシド溶液に、96(1mmol)を加えて、得られた混合物を30時間、150℃で撹拌した。反応が完了した後、反応物をEtOAcとHOに分配して、水相をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を蒸発させて、油状物として98aを得て、それをさらに精製しないで次の工程で使用した。
【0202】
工程2−DCM中の98aの溶液に、MCPBA(4mmol)を加えて、得られた混合物を室温で4時間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物を、順次、飽和NaHSO及び飽和NaHCOで洗浄した。有機相を乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮して、98b 0.123g(38.6%)を得て、それをさらに精製しないで使用した。
【0203】
工程3−中間体98b(0.5mmol)及び12(0.5mmol)の混合物を溶融し、150℃で2時間加熱して、100 0.197g(90%)を得て、それを精製しないで次の工程で直接使用した。
【0204】
工程4−DCM中の100(0.5mmol)の溶液に、NBS(0.5mmol)を少しずつ加えた。得られた混合物を室温で、10分間撹拌した。反応物を水でクエンチし、混合物をDCMで抽出し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、黄色の油状物として102a 0.273g(100%)を得て、それを精製しないで次の工程で直接使用した。
【0205】
工程5−DCM中の102a(0.5mmol)の溶液にTFA(2.5mL)を加えて、得られた溶液を室温で5時間撹拌した。反応が完了した後、溶媒を減圧下で濃縮して、黄色の油状物として102b 0.273g(100%)を得て、それを精製しないで次の工程で使用した。
【0206】
工程6−MeCN中の102b(0.2mmol)の溶液にTEA(0.4mmol)及び84(0.2mmol)を加えて、得られた混合物を室温で6時間撹拌した。反応が完了した後、溶媒を蒸発させた。残留物をMeCN/HOで溶離する30×100mm C18 ODBカラムでの分取HPLCにより精製して、II−2 0.021g(18.8%)を得た。
【0207】
下記のものを同様に調製したが、但し、84を括弧内の臭化ベンジルに置き換えた:II−1(4−ブロモメチル−3−クロロ−スルホンアミド)、II−3(1−ブロモメチル−2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンゼン)。
【0208】
実施例12
3−クロロ−4−{4−[4−(4−シアノ−2−メチル−フェニルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−ベンゼンスルホンアミド(III−18)
【0209】
【化21】

【0210】
工程1−IPA中の26a(1mmol)の溶液に4−メチル−4−アミノ−ベンゾニトリル(104、1mmol)、次に濃HCl(5滴)を加えた。溶液を100℃で一晩撹拌した。反応混合物を冷却し、得られた沈殿物を濾過し、IPAで十分に洗浄して、106a 0.204g(80%)を得た。
【0211】
工程2−DCM中の106a(1mmol)の溶液にMCPBA(4mmol)を加えて、得られた混合物を室温で4時間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物を、順次、飽和NaHSO及び飽和NaHCO溶液で洗浄した。有機相を乾燥させ(NaSO)、濾過し、蒸発させて、106b 0.296g(100%)を得た。
【0212】
工程3−NMP中の106b(1mmol)の溶液に12(1mmol)を加えて、得られた混合物を150℃で30分間撹拌した。反応が完了した後、得られた混合物をEtOAc/ヘキサン(1:2)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、108 0.080g(20.8%)を得た。
【0213】
工程4及び5−DCM中の108(0.2mmol)の溶液にTFA(1mL)を加えて、得られた溶液を室温で5時間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物を減圧下で濃縮して、黄色の油状物として所望のアミンのTFA塩0.0864g(100%)を得て、それをMeCNに溶解して、それにTEA(0.5mmol)及び73(0.2mmol)を加えて、得られた混合物を室温で6時間撹拌した。反応が完了した後、溶媒を蒸発させ、残留物を、MeCN/HOで溶離する30×100mm C18 ODBカラムでの分取HPLCにより精製して、III−18 0.0078g(8%)を得た。
【0214】
下記のものを、括弧内のアニリン及び臭化ベンジルを使用して同様に調製した:III−2(4−シアノ−2,6−ジメチル−アニリン、73)、III−4(4−ブロモ−2,6−ジメチル−アニリン、73)、III−6(4−シアノ−2,6−ジメチル−アニリン、84)、III−8(4−ブロモ−2,6−ジメチル−アニリン、66)及びIII−13(4−シアノ−2,6−ジメチル−アニリン、イソ−プロピル4−ブロモメチル−3−クロロ−ベンゾアート)。III−14をTHF水溶液中のLiOHでIII−13の加水分解により調製した。
【0215】
実施例13
4−{2−[1−(2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル(III−1)及び4−{5−ブロモ−2−[1−(2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル(III−5)
【0216】
【化22】

【0217】
工程1−4−シアノ−2,6−ジメチルアニリンの調製
NMP(10mL)中の4−ブロモ−2,6−ジメチルアニリン(7.5mmol、CASRN 24596−19−8)及びCuCN(37.5mmol)の混合物を、マイクロ波照射下、200℃で、1時間撹拌した。混合物を水(50mL)及びEtOAc(50mL)の混合物に注いだ。沈殿物を濾過して、濾液を分離した。水層をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を乾燥させた(NaSO)。溶媒を減圧下で除去して、明桃色の固体として107 0.383g(35%)を得て、それをさらに精製しないで使用することができた。
【0218】
工程2−2−クロロ−4−メチルスルホニル安息香酸(65a、21.3mmol、CASRN 53250−83−2)を、Nの存在下、0℃で無水THF(50mL)中のLiAlH(25.5mmol)の懸濁液に加えた。反応混合物を室温に温めて、一晩撹拌した。水(1mL)、NaOH 15%(1mL)及び水(3mL)を、順次加えて、反応物をクエンチした。沈殿物を濾過し、濾液をEtOAcで抽出した。有機相を乾燥させ(NaSO)、濾過し、蒸発させて、無色の油状物として2−クロロ−4−メチルスルホニルベンジルアルコール(65b)を得て、それをさらに精製しないで次の工程で使用した。
【0219】
工程3−PBr(40mmol)をEtO(50mL)中の65b(21.3mmol)の溶液に加えて、反応混合物を室温で4時間撹拌した。水(1mL)を加えて、反応物をクエンチした。混合物をEtOで希釈して、水及びブラインで洗浄した。有機相を乾燥させて(NaSO)、溶媒を蒸発させた。残留物をEtOAc/ヘキサン(1:4)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、白色の固体として2−クロロ−4−メチルスルホニルベンジルブロミド(66)5.25g(87%)を得た。
【0220】
工程4−26a(2mmol)及び107(2mmol)の混合物を、そのまま、密閉管中、160℃で加熱した。30分後、反応混合物は清澄な溶液になり、形成された生成物として凝固し始めた。6時間後、TLCは、出発物質が残存していないことを示した。109aを含有する粗生成物をさらに精製しないで次の工程で使用した。
【0221】
工程5−MCPBA(6mmol)を、0℃で、DCM(15mL)中の化合物109a(2mmol)の溶液に少しずつ加えた。反応混合物を室温に温めて、3時間撹拌した。反応混合物をNaHSOでクエンチし、DCMで希釈して、順次、飽和NaCO、水、及びブラインで洗浄した。有機相を乾燥させて(NaSO)、溶媒を蒸発させた。残留物を、EtOAc/ヘキサン(1:1)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、109b 0.573g(95%)を得た。
【0222】
工程6−NMP(5mL)中の109b(1.9mmol)及び12(2.1mmol)の混合物を150℃で一晩撹拌した。反応混合物を、MeCN/HOで溶離する30×100mm C18 ODBカラムでの分取HPLCにより精製して、白色の固体として111a 0.422g(63%)を得た。
【0223】
工程7−TFA(1mL)を、室温で、DCM(10mL)中の111a(1mmol)の溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、溶媒を除去して、111b 0.700g(100%)を得た。
【0224】
工程8−NMP(2mL)中の111b(1mmol)、66(1mmol)及びTEA(0.1mL)の混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を、MeCN/HOで溶離する30×100mm C18 ODBカラムでの分取HPLCにより精製して、白色の固体としてIII−1 0.060g(80%)を得た。
【0225】
工程9−NBS(0.067mmol)を、DCM(5mL)中のIII−1(0.067mmol)の混合物に加えた。混合物を室温で1時間撹拌して、水(1mL)でクエンチした。溶媒を除去し、残留物をEtOAc/ヘキサン(1:2)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、白色の固体としてIII−5 0.030g(64%)を得た。
【0226】
下記のものを、括弧内のアニリン及び臭化ベンジルを使用して同様に調製した:III−7(4−シアノ−2,6−ジメチル−アニリン、4−ブロモメチル−3−クロロ−ベンゼンアミド)、III−11(4−シアノ−2,6−ジメチル−アニリン、4−ブロモメチル−3−クロロ−ピリジン)及びIII−15(2−クロロ−4−シアノ−6−メチル−アニリン、1−ブロモメチル−2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンゼン)。
【0227】
III−17を同様に調製したが、但し工程8で、66をイソ−プロピル4−ブロモメチル−3−クロロ−ベンゾアートで置き換えて、工程9の後、カルボン酸エステルをTHF水溶液中のLiOHで加水分解した。
【0228】
実施例14
4−{2−[(1R,5S)−8−(2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンジル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル(III−12)
【0229】
【化23】

【0230】
工程1−NMP(5mL)中の化合物109b(1.9mmol)及び80(2mmol)の混合物を、150℃で一晩撹拌した。粗反応混合物を、MeCN/HOで溶離する30×100mm C18 ODBカラムでの分取HPLCにより精製して、白色の固体として120a 0.502g(56%)を得た。
【0231】
工程2−TFA(2mL)を、室温でDCM(10mL)中の化合物120a(1mmol)の溶液に加えて、一晩撹拌した。揮発性物質を減圧下で除去して、120b 0.709g(100%)を得て、それをさらなる精製をしないで使用した。
【0232】
工程3−MeCN(2mL)中の120b(0.1mmol)、66(0.1mmol)及びTEA(0.1mL)の混合物を、室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、生成物を、MeCN/HOで溶離する30×100mm C18 ODBカラムでの分取HPLCにより精製して、III−12 0.042g(76%)を得た。
【0233】
実施例15
(E)−3−(4−{2−[1−(2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−3,5−ジメチル−フェニル)−アクリロニトリル(III−9)
【0234】
【化24】

【0235】
出発物質を108(実施例13)と同様に調製したが、但し、4−ブロモ−2,6−ジメチル−アニリンを、工程4で、4−シアノ−2,6−ジメチル−アニリンの代わりに使用した。
【0236】
工程1−MeCN(20mL)中の112(4.18mmol)、Pd(0)(OAc)(0.836mmol)、トリ−o−トリルホスフィン(4.18mmol)、アクリロニトリル(16.7mmol)及びTEA(16.7mmol)の混合物を、密閉管中、140℃で48時間撹拌した。混合物を冷却し、濾過して、減圧下で濃縮した。残留物を、EtOAc/ヘキサン(1:3)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、白色の固体として114a 0.560g(30%)を得た。
【0237】
工程2−TFA(1mL)を、室温でDCM(10mL)中の114a(1.25mmol)の溶液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を除去して、114b 0.920g(100%)を得た。
【0238】
工程3−NMP(2mL)中の114b(0.2mmol)、66(0.2mmol)及びTEA(1mL)の混合物を、室温で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、MeCN/HOで溶離する30×100mm C18 ODBカラムでの分取HPLCにより精製して、白色の固体としてIII−9 0.080g(72%)を得た。
【0239】
III−10を同様に調製したが、但し工程3で、66を4−ブロモメチル−3−クロロ−ベンズアミド(84)と置き換えた。
【0240】
III−16を、III−9を、実施例13の工程9に記載のとおりNBSで処理することにより調製した。
【0241】
実施例16
3−{4−[4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェニルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−ベンズアミド(IV−4)
【0242】
【化25】

【0243】
工程1(方法A)−DMSO(21mL)中の3−フルオロベンゾニトリル(24.8mmol)、116(37.2mmol、CASRN 73870−95−0)及びKCO(49.6mmol)の混合物を、140℃で一晩撹拌した。冷却した混合物を、水とEtOAcに分配した。水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過して、減圧下で濃縮した。残留物を、EtOAc/ヘキサン(1:3)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、118a 6.5g(87%)を得た。
【0244】
工程2−TFA(5mL)を、DCM(100mL)中の118a(21.5mmol)の混合物に加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、次に蒸発させて、118b 12g(100%)を得て、それをさらに精製しないで使用した。
【0245】
工程3−NMP(2mL)中の化合物118b(0.5mmol)、98b(0.6mmol)及びTEA(1mmol)の混合物を、150℃で一晩撹拌した。それを、MeCN/HOで溶離する30×100mm C18 ODBカラムでの分取HPLCにより精製して、IV−4 0.100g(48%)を得た。
【0246】
IV−5及びIV−6を同様に調製したが、但し工程3で、98bを、それぞれ4−(5−ブロモ−2−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−2,6−ジメチル−ベンゾニトリル(52)及び4−(2−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−2,6−ジメチル−ベンゾニトリル(68b)と置き換えた。
【0247】
IV−7及びIV−8を、それぞれ98bの代わりに68b及び52を利用し、各ピリミジンを124と縮合して(実施例18参照)、同様に調製した。
【0248】
実施例17
4−{2−[1−(3−メタンスルホニル−フェニル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル(IV−10)
【0249】
【化26】

【0250】
工程1−DIPEA(1mL)及びDMSO(10mL)中の1−フルオロ−3−メタンスルホニル−ベンゼン(5mmol)及び116(5mmol)の混合物を、48時間加熱還流した。冷却後、混合物を水(50mL)に注いで、EtOAcで抽出した。有機相を乾燥させ(NaSO)、濾過して、減圧下で濃縮した。残留物を、EtOAc/ヘキサン(1:2)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、白色の固体として120a 0.970g(77%)を得た。
【0251】
工程2−TFA(1mL)を、室温でDCM(10mL)中の120a(3.85mmol)の溶液に加えて、室温で一晩撹拌した。溶媒を除去して、120b 2.3g(100%)を得て、それをさらに精製しないで次の工程で使用した。
【0252】
工程3−68b(0.0774mmol)、120b(0.156mmol)及びDIPEA(0.2mL)の混合物を、密閉管中、130℃で5時間加熱した。冷却後、混合物を濃縮し、EtOAc/ヘキサン(1:2)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、白色の固体としてIV−10 0.033g(89%)を得た。
【0253】
【化27】

【0254】
4−(5−ブロモ−2−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−3−クロロ−5−メチル−ベンゾニトリル(121a)及び3−クロロ−4−(2−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−5−メチル−ベンゾニトリル(121b)を、実施例6の工程1に記載のとおり60cで、それぞれ5−ブロモ−2,4−ジクロロ−ピリミジン(CASRN 36082−50−5)及び68cを処理することにより調製した。
【0255】
下記のものを、工程3において、68bの代わりに括弧内の置換ピリミジンを使用して同様に調製した:IV−9(4−(5−ブロモ−2−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−2,6−ジメチル−ベンゾニトリル、52)、IV−11(121b)、IV−12(121a)、IV−19(4−(2−クロロ−5−フルオロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、92)、IV−20(4−(2,5−ジクロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル)、IV−21(4−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル)。
【0256】
下記のものを、工程3において、120bの代わりに124を使用して、68aの代わりに括弧内の置換ピリミジンを使用して同様に調製した:IV−13(4−(5−ブロモ−2−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−3−クロロ−5−メチル−ベンゾニトリル)、4−(5−ブロモ−2−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−3−クロロ−5−メチル−ベンゾニトリル)、IV−14(3−クロロ−4−(2−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−5−メチル−ベンゾニトリル)、IV−15(4−(2−クロロ−5−フルオロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、92)、IV−16(4−(2,5−ジクロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル)、IV−17(4−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル)。
【0257】
下記のものを、工程3において、括弧内の置換ピリミジン及び1−アリール−4−アミノ−ピペリジン(実施例20参照)を使用して同様に調製した:IV−22(121a、134k)、IV−23(109b、134k)、IV−24(121a、135a)、IV−25(109b、135a)、IV−26(109b、135c)、IV−27(109b、135b)。
【0258】
下記のものを、工程3において、68bの代わりに121b及び括弧内の1−アリール−4−アミノピペリジン(実施例20参照)を使用して同様に調製した:IV−28(134a)、IV−29(134c)、IV−30(134d)。
【0259】
IV−18を、68a及び1−(3−ニトロ−フェニル)−ピペリジン−4−イルアミン(TFA塩に関して、CAS Reg No. 461720−07−0、U.S.Pub.No.20040106622)を使用して同様に調製した。IV−31を、IV−18の還元により調製する。ニトロ基を第一級アミンに還元するための多数の方法が存在し、当技術の範囲内で周知である。
【0260】
実施例18
3−{4−[4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェニルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−ベンズアミド(V−4)
【0261】
【化28】

【0262】
工程1−EtOH(10mL)中の118a(8.71mmol)及びNaOH(8.71mmol)の混合物に、室温でH(10mL)を滴下した。混合物を50℃で0.5時間撹拌した。水層をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過して減圧下で濃縮した。残留物を、EtOAc/ヘキサン(2:1)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、122 2.51g(90%)を得た。
【0263】
工程2−TFA(5mL)を、DCM(100mL)中の122(8.3mmol)の溶液に加えた。溶液を室温で一晩撹拌し、次に減圧下で蒸発させて、124を得て、それをさらに精製しないで次の工程で使用した。
【0264】
工程3−NMP中の109b(0.2mmol)の溶液に、124のTFA塩(0.2mmol)及びTEA(0.4mmol)を加えた。反応物を150℃で一晩撹拌し、冷却して、溶媒を減圧下で除去した。残留物を、MeCN/HOで溶離する30×100mm C18 ODBカラムでの分取HPLCにより精製して、V−4 0.023g(26%)を得た。
【0265】
下記のものを、工程3において、括弧内の置換ピリミジン及びピペリジンを使用して同様に調製した:V−1(109b、118a)、V−6(3 4−(4−ブロモ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−2−メタンスルホニル−ピリミジン、120b)及びV−12(109a、134a)。
【0266】
V−9を同様に調製したが、但し工程3で、109bを、3−クロロ−4−(2−メタンスルホニル−ピリミジン−4−イルオキシ)−5−メチル−ベンゾニトリルと置き換えた。後者を、26aと3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチル−ベンゾニトリルの縮合、その後のMCPBA酸化により調製する。
【0267】
V−2を、本実施例の工程3に記載のとおりの109bと118a(実施例20から)の縮合、その後の実施例13の工程9に記載のとおりのNBS媒介臭素化により調製した。
【0268】
V−13を、本実施例の工程3に記載のとおりの109bと134b(実施例20から)の縮合により調製した。V−14を、本実施例の工程3に記載のとおりの4−(5−ブロモ−2−メタンスルホニル−ピリミジン−4−イルアミノ)−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル(109bのNBS媒介臭素化により調製した)と134b(実施例20参照)の縮合により調製した。
【0269】
V−5及びV−3を、実施例13の工程9に記載のとおり、それぞれV−1及びV−4のNBS媒介臭素化により調製した。
【0270】
実施例19
3−(4−{4−[4−((E)−2−シアノ−ビニル)−2,6−ジメチル−フェニルアミノ]−ピリミジン−2−イルアミノ}−ピペリジン−1−イル)−ベンズアミド(V−7)
【0271】
【化29】

【0272】
(4−ブロモ−2,6−ジメチル−フェニル)−(2−メタンスルホニル−ピリミジン−4−イル)−アミン(126)を、実施例13の、それぞれ工程4及び5に記載のとおりの手順により調製したが、但し、107を4−ブロモ−3,5−ジメチル−アニリンで置き換えた。
【0273】
工程1−NMP(8mL)中の126(4mmol)及び124(4.3mmol)の混合物を、150℃で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させて、粗生成物を、MeCN/HOで溶離する30×100mm C18 ODBカラムでの分取HPLCにより精製して、白色の固体として128 0.475g(24%)を得た。
【0274】
工程2−TEA(0.5mL)及びMeCN(5mL)中の128(0.12mmol)、Pd(0)(OAc)(0.024mmol)、トリ−o−トリルホスフィン(0.12mmol)及びアクリロニトリル(0.5mL)の混合物を、密閉管中、140℃で48時間撹拌した。冷却後、混合物を濾過して、濾液を濃縮した。残留物を、EtOAcで溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、白色の固体としてV−7 0.0215g(38%)を得た。
【0275】
V−8を同様に調製したが、但し、(4−ブロモ−2−クロロ−6−メチル−フェニル)−(2−メタンスルホニル−ピリミジン−4−イル)−アミン(実施例13の工程4及び5に記載のとおり4−ブロモ−2−クロロ−6−メチル−フェニルアミン、CAS Reg.No 30273−42−8及び26aから調製)を、126の代わりに工程1で使用した。
【0276】
実施例20
4−[5−ブロモ−2−(1−ピリミジン−5−イル−ピペリジン−4−イルアミノ)−ピリミジン−4−イルアミノ]−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル(V−15)
【0277】
【化30】

【0278】
CuI触媒カップリングに関する一般的手順(方法B−スキームE)
【0279】
DMSO(3mL)中のアリール−又はヘテロアリールハロゲン化物(1mmol)、116(1.2mmol)、KCO(2mmol)、CuI(0.2mmol)及びL−プロリン(0.3mmol)の混合物を、90℃で20時間撹拌した。冷却した混合物を水とEtOAcに分配した。有機層を分離して、水層を再度EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させて(NaSO)、濃縮した。粗生成物を、SiOクロマトグラフィーにより精製して、対応する保護された1−(ヘテロ)アリール−ピペリジン−4−イルアミン誘導体(収率:20〜80%)を得た。
【0280】
tert−ブトキシカルボニル保護基を、実施例17の工程2に記載のとおり、TFA及びDCMを用いてカップリングされた生成物から除去した。
【0281】
NMP中の109(0.2mmol)の溶液に、130のTFA塩(0.2mmol)及びTEA(0.4mmol)を加えた。反応物を150℃で一晩撹拌し、冷却して、溶媒を減圧下で除去した。残留物を、MeCN/HOで溶離する30×100mm C18 ODBカラムでの分取HPLCにより精製して、V−15 0.023g(26%)を得た。
【0282】
下記の4−アミノ−1−(ヘテロ)アリール−ピペリジンを、上述の一般的スキームを使用して調製した。
【0283】
【表6】

【0284】
3−(4−アミノ−ピペリジン−1−イル)−5−クロロ−ベンズアミド(135a)、4−(4−アミノ−ピペリジン−1−イル)−ベンズアミド(135b)及び2−(4−アミノ−ピペリジン−1−イル)−ベンズアミド(135c)を、実施例18の工程1に記載された手順を使用して、それぞれ134k、134n、134oから調製した。
【0285】
実施例21
4−[4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェニルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,3’]ビピリジニル−5’−カルボン酸メチルエステル(V−10)及び4−[4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェニルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,3’]ビピリジニル−5’−カルボン酸(V−11)
【0286】
【化31】

【0287】
工程1−5−ヨード−ニコチン酸(136a、CASRN 15366−65−1)をMeOHに溶解し、SOCl(3当量)を加えて、反応物を4時間加熱還流した。反応混合物を冷却して、揮発性溶媒を蒸発させた。残留物を、DCMと飽和NaHCOに分配して、DCMを乾燥させ(NaSO)、濾過し、蒸発させて、136bを得た。
【0288】
工程2−116と136bのCu(I)媒介縮合を、実施例20に記載のとおり方法Bを使用して実施して、138aを得た。
【0289】
工程3及び4を、実施例18の工程2及び3に記載したとおり実施して、V−10を得た。V−11を、本反応の副生成物として単離した。
【0290】
実施例22
4−{5−ブロモ−2−[1−(1−フェニル−エチル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル(I−61)
【0291】
MeCN中の56のTFA塩(1mmol)の溶液にTEA(1.5mmol)及び(1−ブロモ−エチル)−ベンゼン(1mmol)を加えて、得られた混合物を室温で6時間撹拌した。反応が完了した後、溶媒を除去し、残留物を、MeCN/HOで溶離する30×100mm C18 ODBカラムでの分取HPLCにより精製して、I−61 0.120g(24.6%)を得た。
【0292】
実施例23
4−{2−[1−(3−クロロ−ピリジン−4−イルメチル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル(I−33)
【0293】
【化32】

【0294】
工程1−DCM(10ml)中の140(1mmol)の溶液に、EDC−HCl(1.1mmol)、HOBt(1.1mmol)、NMP(2.5mmol)を加えた。得られた混合物を室温で5分間撹拌し、次に116(1mmol)を加えて、反応物を5時間撹拌した。混合物を2%NaOHの溶液(10mL)でクエンチして、DCM(3×10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(15mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、蒸発させて、白色の固体142a 659mg(97.4%)を得た。
【0295】
工程2−THF中の142(1mmol)の溶液に、BH−THF(1M、4mmol)を加えた。得られた混合物を80℃で一晩撹拌した。反応混合物を0℃に冷却して、MeOHを加えることによりクエンチした。溶液を蒸発乾固した後、残留物を、EtOAc/ヘキサン(1:1)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、144a 194mg(60%)を得た。
【0296】
工程3−DCM中の144a(0.3mmol)の溶液にTFA(1mL)を加えて、得られた溶液を室温で5時間撹拌した。溶媒を減圧下で濃縮して、黄色の油状物(100%)を得て、それをさらに精製しないで次の工程で使用した。
【0297】
工程4−DIPEA中の68b(0.2mmol)及び144bの溶液を、密閉管中、120℃に5時間加熱した。反応混合物を分取HPLCにより精製して、白色の固体としてI−33 29mg(32%)を得た。
【0298】
実施例24
3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2−メトキシ−6−メチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−ベンズアミド(IV−40)
【0299】
【化33】

【0300】
工程1−DMSO(50mL)中の146a(100mmol)及びCuCN(200mmol)の混合物を、150℃で一晩撹拌した。混合物を、水(200mL)及びEtOAc(200mL)の混合物に注いだ。沈殿物を濾過して、濾液を分離した。水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、乾燥させ(NaSO)、濾過して、減圧下で濃縮した。残留物を、SiOクロマトグラフィーにより精製して、生成物146b(収率:71.6%)を得た。
【0301】
工程2−DMF(20mL)中の146b(10mmol)、2,4−ジクロロ−5−ブロモ−ピリミジン(150、10mmol)及びKCO(15mmol)の混合物を、室温で6時間撹拌した。混合物を水(50mL)に注いで、EtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過して、減圧下で濃縮した。残留物を、さらに精製しないで次の工程で使用した。
【0302】
工程3−124(0.0774mmol)、148(0.0774mmol)及びDIPEA(0.2mL)の混合物を、密閉管中、110℃で5時間加熱した。冷却後、混合物を濃縮し、SiOクロマトグラフィーにより精製して、白色の固体としてIV−40 0.037g(89%)を得た。
【0303】
IV−32、IV−33、IV−34及びIV−35を同様の手順を使用して調製したが、但し、124を、実施例27の工程1に記載された条件を利用して、メチル 3−ブロモベンゾアート及び116から調製した3−(4−アミノ−ピペリジン−1−イル)−安息香酸メチルエステルで置き換えた。エステルの加水分解及びアミドへの変換を、メチルアミン、シクロプロピルアミン、2−アミノ−エタノール及び2−ジメチルアミノ−エタン−アミンと、得られた酸とのEDCI触媒カップリングにより実施した。代表的なカップリング手順を、実施例27の工程5に記載する。
【0304】
実施例25
3−{4−[4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−5−メチル−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−ベンズアミド(IV−45)
【0305】
【化34】

【0306】
工程1−154を得るために70と152(CASRN 1780−31−0)の縮合を、実施例24の工程2に記載のとおり実施した。
【0307】
工程2−DMSO(1mL)中の124(0.1mmol)、154(0.1mmol)及びDIPEA(0.2mL)の混合物を、密閉管中、150℃で一晩加熱した。冷却後、混合物を濃縮し、SiOクロマトグラフィーにより精製して、IV−45 0.033g(73%)を得た。
【0308】
実施例26
3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2−フルオロ−6−メチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−ベンズアミド(IV−48)
【0309】
【化35】

【0310】
工程1−MeOH(250mL)中の156a(3.0g、21.5mmol、CASRN 394−50−3)の溶液に、アルゴン雰囲気下でPd/C(300mg)を加えた。混合物を、50℃で3日間、50psi水素雰囲気下で加熱した。触媒を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、156bを得て、それをさらに精製しないで次の工程で使用した。
【0311】
工程2−氷水浴中に、HOAc(30mL)中の156b(およそ21.5mmol、工程1から)の溶液に、NBS(4.0g、22.6mmol)を少しずつ加えた。混合物を室温に温めて、一晩撹拌した。ほとんどの溶媒を減圧下で除去した。残留物を、EtOAcで希釈し、次に水及びブラインで洗浄した。有機相を乾燥させて、減圧下で濃縮した。残留物を、SiOクロマトグラフィーにより精製して、白色の固体として158a 2.8g(2工程に対して63.7%)を得た。
【0312】
工程3−DMSO(16mL)中の158a(2.8g、13.7mmol)の溶液に、CuCN(3.68g、41mmol)を加えた。混合物を140℃で、Ar雰囲気下、一晩加熱した。混合物を約100℃に冷まし、撹拌したEtOAcにゆっくり注いだ。混合物を濾過した。濾液をHOで洗浄して、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄した。混合物を乾燥させ(NaSO)、濾過して、減圧下で濃縮した。粗生成物をSiOクロマトグラフィーにより精製して、158b 1.72g(80%)を得た。
【0313】
フェノール158bを、実施例24の工程2に記載のとおり150と縮合し、160を得て、それを、実施例24の工程3に記載のとおり124と縮合して、II−48を得た。
【0314】
実施例27
2−(3−{4−[4−(2−クロロ−4−シアノ−6−メチル−フェノキシ)−5−メチル−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド(IV−46)
【0315】
【化36】

【0316】
工程1−DMSO(10mL)中の(3−ブロモ−フェニル)−酢酸メチルエステル(162、5mmol)、116(7mmol)、KCO(10mmol)、CuI(0.5mmol)及びL−プロリン(1mmol)の混合物を、90℃で一晩加熱した。冷却した混合物を、水とEtOAcに分配した。有機層を分離して、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗浄し、乾燥させて(NaSO)、減圧下で濃縮した。残留物を、SiOクロマトグラフィーにより精製して、164a 0.91g(74%)を得た。
【0317】
工程2を、実施例5の工程6に記載のとおり実施して、164bを得た。164bと166の縮合(工程3)を、実施例24の工程3に記載のとおり実施して、168aを得た。必要なピリミジン166を、実施例24の工程2に記載のとおり3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチル−ベンゾニトリル及び152の縮合により調製した。
【0318】
工程4−THF(3mL)及びHO(1mL)中の168a(1mmol)及びLiOH(10mmol)の混合物を加熱還流して、一晩撹拌した。TLCは、出発物質が消費されたことを示した。溶媒を除去し、混合物を水で希釈して、pHを2N HClでおよそ3に調整した。生成物を濾過し、減圧下で乾燥させて、168b(93%) 458mg(93%)を得た。
【0319】
工程5−DCM中の168b(0.1mmol)、EDCI(0.15mmol)及びHOBt(0.15mmol)の混合物を、室温で1時間撹拌し、次にアンモニアを加えて、混合物を一晩撹拌した。混合物を、DCMで希釈して、2N NaOH溶液で洗浄した。有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過して、減圧下で濃縮した。残留物を、SiOクロマトグラフィーにより精製して、IV−46 0.040g(82%)を得た。
【0320】
IV−43をIV−46と同様に調製したが、但し、152を150と置き換えて、対応する5−ブロモ−ピリミジンを得て、工程5で、アンモニアを2−アミノ−プロパン−1−オールと置き換えた。IV−42をIV−43と同様に調製したが、但し、工程5を省略した。
【0321】
IV−36−を同様に調製したが、但し、166を4−(5−ブロモ−2−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ベンゾニトリルと置き換えた。IV−41をIV−36と同様に調製したが、但し、工程5で、アンモニウムを2−ジメチルアミノ−エタンアミンと置き換えた。
【0322】
実施例28
4−{2−[1−(3−シアノメチル−フェニル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル(V−17)
【0323】
【化37】

【0324】
172bの調製を、実施例27の工程1に記載のとおり実施したが、但し、(3−ブロモ−フェニル)−アセトニトリルを162の代わりに使用した。工程2を、実施例5の工程6に記載のとおり実施して、172bを得た。
【0325】
工程3−26a(2mmol)及び4−アミノ−3,5−ジメチルベンゾニトリル(2mmol)の混合物を、そのまま密閉管中、160℃で加熱した。30分後、反応混合物は清澄な溶液になり、形成された生成物として凝固し始めた。6時間後、TLCは、出発物質が残存していないことを示した。粗生成物を、さらに精製しないで次の工程で使用した。
【0326】
工程4−m−CPBA(6mmol)を、0℃でDCM(15mL)中の174a(2mmol)の溶液に少しずつ加えた。反応混合物を室温に温めた後、3時間撹拌した。反応混合物をNaでクエンチし、DCMで希釈して、順次、飽和NaCO、水、及びブラインで洗浄した。有機相を乾燥させ(NaSO)、濾過して、溶媒を蒸発させた。残留物を、SiOクロマトグラフィーにより精製して、174b 0.573g(2工程に対して95%)を得た。
【0327】
工程5−DMSO(2mL)中の172b(0.1mmol)、174b(0.1mmol)及びDIPEA(0.2mL)の混合物を密閉管中、150℃で一晩加熱した。冷却後、混合物を濃縮し、分取HPLCにより精製して、V−17 0.024g(56%)を得た。
【0328】
実施例29
N−(3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド(IV−39)
【0329】
【化38】

【0330】
176bの調製を、実施例27の工程1に記載のとおり実施したが、但し、3−ブロモ−ニトロベンゼンを162の代わりに使用した。工程2を、実施例5の工程6に記載のとおり実施して、176bを得た。4−(2−アミノ−5−ブロモ−ピリミジン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル(52)を、実施例24の工程2に記載のとおり3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−ベンゾニトリル(177)と150の縮合により調製したが、但し、146bを177に置き換えた。176bと52の縮合(工程3)を、実施例24の工程3に記載された手順により実施した。
【0331】
工程4−EtOAc(10mL)中の178a(2mmol)及びSnCl(6mmol)の混合物を、一晩還流した。混合物を、NaCO溶液(10mL)及びブラインで洗浄した。有機溶液を乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮し、178bを得て、それをさらなる精製をしないで次の工程で使用した。
【0332】
工程5−DCM(5mL)中の178b(0.1mmol)及びDIPEA(0.2mL)の溶液に、0℃で塩化アセチル(0.12mmol)を加えた。反応混合物を室温に温めて、1時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をSiOクロマトグラフィーにより精製して、IV−39 0.40g(2工程に対して74%)を得た。
【0333】
IV−38を同様のやり方で調製したが、但し、工程5で、塩化アセチルをメタンスルホニルクロリドと置き換えた。
【0334】
実施例30
2−(3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェニルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−フェニル)−N,N−ジメチル−アセトアミド(V−19)
【0335】
【化39】

【0336】
工程1−DCM中の180a(0.5mmol)の溶液に、NBS(1mmol)を加えた。得られた混合物を、室温で一晩撹拌した。反応物を水でクエンチして、混合物をDCMで抽出した。有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、濾過して、溶媒を蒸発させた。残留物を、SiOクロマトグラフィーにより精製して、180b 0.169g(85%)を得た。
【0337】
164bと180bの縮合(工程2)を、実施例28の工程5に記載された手順により実施して、182aを得た。工程4及び5を、実施例27の工程4及び5に記載のとおり実施したが、但し、工程5で、アンモニアをジメチルアミンに置き換えた。
【0338】
実施例31
4−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェニルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−3−クロロ−N−(2−ジメチルアミノ−エチル)−ベンズアミド(III−19)
【0339】
【化40】

【0340】
工程1−CCl(20mL)中の184a(2mmol)、NBS(2.2mmol)及びAIBN(100mg)の混合物を、4時間加熱還流した。混合物を冷却し、濾過して、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を、SiOクロマトグラフィーにより精製して、184b 0.395g(75%)を得た。
【0341】
工程2−DCM(2mL)中の32b(1mmol)、184b(1mmol)及びTEA(0.1mL)の混合物を、室温で一晩撹拌した。混合物を濃縮して、SiOクロマトグラフィーにより精製して、186a 0.467g(80%)を得た。
【0342】
工程3及び4を、実施例27の工程4及び5に記載された手順により実施したが、但し、工程5で、アンモニアを、N,N−ジメチル−エタン−1,2−ジアミンと置き換えた。
【0343】
実施例32
4−{5−ブロモ−2−[1−(1−オキシ−ピリジン−4−イルメチル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3−クロロ−5−メチル−ベンゾニトリル(I−62)
【0344】
【化41】

【0345】
工程1−DCM(20mL)中の188(5mmol)の溶液に、室温でMCPBA(15mmol)を加えて、反応物を24時間撹拌した。沈殿物を濾過して、濾液をNaCOで洗浄した。有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過して、減圧下で濃縮した。残留物を、SiOクロマトグラフィーで精製して、190 0.066g(92%)を得た。
【0346】
190での14bのアルキル化を、実施例31の工程2に記載のとおり実施して、I−62を得た。
【0347】
実施例33
4−{5−ブロモ−2−[1−(3−ヒドロキシメチル−フェニル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル(IV−37)
【0348】
【化42】

【0349】
工程1−メチル 3−ブロモアセタートと116の縮合を、実施例27の工程1に記載された手順により実施した。
【0350】
工程2−室温で、THF(15mL)中の192a(5mmol)の溶液に、LiAlH(5mmol)を少しずつ加えた。4時間撹拌後、反応混合物を0°に冷却して、水(0.25mL)、15% NaOH(0.25mL)、水(1mL)を加えてクエンチした。沈殿物を濾過して、濾液を濃縮した。残留物を、SiOクロマトグラフィーにより精製して、192b 1.12g(73%)を得た。
【0351】
Boc−保護基の除去(工程3)を、実施例5の工程6に記載された手順により達成して、194を得た。194と52の縮合(工程4)を、実施例24の工程36に関して記載された手順により実施して、IV−37を得た。
【0352】
実施例34
4−(5−ブロモ−2−{1−[3−(1,2−ジヒドロキシ−エチル)−フェニル]−ピペリジン−4−イルアミノ}−ピリミジン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル(IV−44)
【0353】
【化43】

【0354】
3−ブロモ−スチレンと116の縮合(工程1)を、実施例27の工程1に記載された手順により実施した。Boc−保護基の除去(工程2)を、実施例5の工程6に記載された手順により達成して、196bを得た。196bと52の縮合(工程3)を、実施例24の工程3に関して記載された手順により実施して、198aを得た。
【0355】
工程4−室温で、198a(0.5mmol)及びアセトン(3mL)の溶液に、N−メチル−モルホリン(1mmol)及びOsO(5mg)を加えた。混合物を2時間撹拌し、次にNa溶液を加えて反応物をクエンチして、混合物を30分間撹拌した。混合物を水とEtOAcに分配した。有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過して、減圧下で濃縮した。残留物を、分取HPLCにより精製して、IV−44 0.269g(40%)を得た。
【0356】
実施例35
2−(3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−フェニル)−プロピオン酸(IV−52)
【0357】
【化44】

【0358】
工程1−氷−水浴中で、THF(2mL)中の164b(300mg、0.86mmol)の溶液に、カリウム ヘキサメチルジシラザン(2mL、0.5mol/L、1mmol、KHMDS)の溶液を滴下した。混合物を0℃で30分間撹拌した。ヨウ化メチル(246mg、1.72mmol)を加えて、混合物を、室温に1時間温めた。NHCl水溶液を加え、反応物をクエンチして、得られた混合物をEtOAcで抽出した。有機相を乾燥させ(NaSO)、濾過して、減圧下で濃縮した。残留物を、SiOクロマトグラフィーにより精製して、黄色の油状物として200 0.180g(58%)を得た。
【0359】
工程2−DCM(2mL)中の200(180mg、0.5mmol)の溶液に、室温でTFA(0.5mL)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去して、残留物をさらなる精製をしないで次の工程で使用した。
【0360】
工程3−DMSO(2mL)中の200のTFA塩の混合物に、DIPEA(646mg、5mmol)、その後に52(120mg、0.5mmol)を加えた。混合物を120℃で一晩加熱した。反応混合物を冷却し、水に注いで、次にDCMで抽出した。有機相を乾燥させ(NaSO)、濾過して、減圧下で濃縮した。残留物を、SiOクロマトグラフィーにより精製して、油状物として202 0.150g(53.2%)を得た。
【0361】
工程4−MeOH(2mL)中の化合物202(150mg、0.27mmol)の溶液に、2M NaOH水溶液(0.52mL、1.04mmol)を加えた。混合物を45℃で2時間加熱した。減圧下でほとんどの溶媒を除去した後、混合物を希HCl水溶液で酸性化した。混合物を減圧下で濃縮して、残留物をDMFに溶解した。溶液を分取HPLCにより精製して、IV−52 0.067g(46.2%)を得た。
【0362】
実施例36
2−(3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−フェニル)−3−ヒドロキシ−プロピオン酸(IV−51)
【0363】
【化45】

【0364】
工程1−Ar下で、DMSO(1mL)中の164(200mg、0.57mmol)の溶液に、NaHCO(2.4mg、0.03mmol)、その後にパラホルムアルデヒド(22mg、0.69mmol)を加えた。混合物を、室温で2時間撹拌し、次に、45℃で12時間加熱した。混合物を冷却し、水に注いで、エーテルで抽出した。有機相を乾燥させ(NaSO)、濾過して、濃縮した。残留物をSiOクロマトグラフィーにより精製して、油状物として204 0.130g(62.5%)を得た。
【0365】
工程2〜4を、実施例35の工程2〜4に記載された手順により実施して、IV−51を得た。
【0366】
実施例37
(3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−フェニル)−ジフルオロ酢酸(IV−55)
【0367】
【化46】

【0368】
工程1− −70℃で、THF(6.8mL)中の164b(400mg、1.14mmol)の溶液に、KHMDS(6.8mL、0.5mol/L、3.44mmol)の溶液を滴下した。混合物を、−70℃で20分間撹拌した。N−フルオロベンゼンスルフィンイミド(1.08g、1.72mmol、CASRN 133745−75−2)を少しずつ加えて、混合物を−70℃で30分間撹拌し、次に、−10℃に10分間温めた。水を加え、反応物をクエンチして、得られた混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、濾過して、濃縮した。残留物を、SiOクロマトグラフィーにより精製して、油状物として210 0.380g(86.7%)を得た。
【0369】
工程2〜4を、実施例35の工程2〜4に記載のとおり実施して、IV−55を得た。
【0370】
実施例38
(3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−フェニル)−ヒドロキシ酢酸(IV−54)
【0371】
【化47】

【0372】
工程1− −70℃で、THF(2mL)中の212a(626mg、1.14mmol)の溶液に、KHMDS(5.5mL、0.5mol/L、2.74mmol)の溶液を滴下した。混合物を、−70℃で20分間撹拌した。N−クロロスクシンイミド(335mg、2.51mmol、NCS)を少しずつ加え、次に、混合物を−70℃で30分間撹拌して、次に、10分間0℃に温めた。反応物をNHCl水溶液でクエンチして、得られた混合物をEtOAcで抽出した。有機相を乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮して、212b 0.680gを得て、それを次の工程で直接使用した。
【0373】
工程2−MeOH(2mL)中の化合物212b(230mg、0.37mmol)の溶液に、NaOH水溶液(1.8mL、2mol/L、3.6mmol)を加えた。混合物を室温で撹拌して、室温に冷却した。減圧下でほとんどの溶媒を除去した後、混合物を希HCl水溶液で酸性化して、濾過した。得られた固体は不安定であり、次の工程で直接使用した。
【0374】
工程3−室温で、MeOH(2mL)中の工程2からの214a(120mg、0.21mmol)の溶液に、NaBH(75mg、2.1mmol)を少しずつ加えた。混合物を室温で30分間撹拌した。HCl水溶液を加え、反応物をクエンチし、得られた溶液を減圧下で濃縮し、生成物を分取HPLCにより精製して、IV−54 0.045g(38.9%)を得た。
【0375】
実施例39
(3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−フェニル)−メトキシ酢酸(IV−53)
【0376】
【化48】

【0377】
工程1−CCl(30mL)中の216a(1.19g、5mmol)の溶液に、NBS(1.08g、6mmol)、その後に過酸化ベンゾイル(触媒量)を加えた。混合物を80℃で一晩加熱した。次に、混合物を冷却し、濾過して、固体をヘキサンで洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮して、黄色の油状物として216b 1.58g(100%)を得た。
【0378】
工程2−Na金属(0.44g、18.9mmol)及びMeOH(50mL)からのナトリウムメトキシド−MeOH溶液に、216b(4.86g、15.8mmol)を加えて、混合物を80℃で30分間加熱した。得られた混合物を冷却して、減圧下で濃縮した。残留物を、SiOクロマトグラフィーにより精製して、油状物として216c 2.5g(62%)を得た。
【0379】
工程3−DMSO(40mL)中の216c(2.5g、9.6mmol)、CuI(164mg、0.96mmol)、L−プロリン(221mg、1.92mg)及びKCO(2.65g、19.2mmol)の混合物に、116(2.7g、13.5mmol)を加えた。混合物を100℃で一晩加熱した。混合物を水に注いで、EtOAcで抽出した。有機相を乾燥させて(NaSO)、減圧下で濃縮した。残留物を、SiOクロマトグラフィーにより精製して、化合物218a 0.670g(18.4%)を得た。
【0380】
工程4〜6−Boc−保護基の除去を、実施例24の工程3に記載された手順により達成して、218bを得た。実施例24の工程2に記載された手順を使用して、5−ブロモ−2,4−ジクロロ−ピリミジン(CASRN 36082−50−5)と3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−ベンゾニトリルの縮合を行って、4−(5−ブロモ−2−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル(220)を得た。IV−53を得るために、52と218bの縮合、その後エステルの加水分解を、実施例34の工程3及び4に記載のとおり実施した。
【0381】
IV−56及びIV−57を同様の手段により調製したが、但し、5−ブロモ−2,4−ジクロロ−ピリミジンを、それぞれ2,4,5−トリクロロ−ピリミジン及び2,4−ジクロロ−5−メチル−ピリミジンと置き換えた。
【0382】
実施例40
HIV−1逆転写酵素アッセイ阻害剤IC50測定:
ビオチン化プライマーオリゴヌクレオチド及びトリチウム化dNTP基質を使用して、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を測定した。新たに合成されたDNAを、ストレプトアビジン被覆したScintillation Proximity Assay(SPA)ビーズ(Amersham)上に、ビオチン化プライマー分子を捕捉することにより定量した。ポリメラーゼアッセイ基質の配列は:18nt DNAプライマー、5'−ビオチン/GTC CCT GTT CGG GCG CCA−3';47nt RNAテンプレート、5'−GGG UCU CUC UGG UUA GAC CAC UCU AGC AGU GGC GCC CGA ACA GGG AC−3'であった。ビオチン化DNAプライマーは、Integrated DNA Technologies Inc.より入手し、RNAテンプレートは、Dharmaconにより合成した。DNAポリメラーゼアッセイ(最終容量50μl)は、32nM ビオチン化DNAプライマー、64nM RNA基質、dGTP、dCTP、dTTP(各々5μMで)、103nM [H]−dATP(比活性=29μCi/mmol)を、45mM Tris−HCl、pH 8.0、45mM NaCl、2.7mM Mg(CHCOO)、0.045% Triton X−100 w/v、0.9mM EDTA中に含有した。反応物は、IC50測定のために、100% DMSO中に連続的な化合物の希釈物5μlを含有させ、DMSOの最終濃度は10%とした。HIV−RT酵素30μl(最終濃度1〜3nM)の添加により、反応を開始した。タンパク質濃度を、インキュベーションの少なくとも30分間、直線的な生成物形成を提供するように調整した。30℃で30分間インキュベーションした後、200mMのEDTA(pH8.0)50μl及び2mg/mlのSA−PVT SPAビーズ(Amersham、RPNQ0009、20mMTris−HCl、pH 8.0、100mMEDTA及び1%BSA中で再構成される)の添加により、反応物をクエンチした。ビーズを一晩放置し、96ウェルトップカウンター−NXT(Packard)でSPAシグナルをカウントした。GraphPad Prism 3.0(GraphPad Software, Inc.)を使用してシグモイド型回帰分析により、IC50値を得た。
【0383】
実施例41
組み換え型HIV−1抗ウイルスアッセイ
記載された化合物に対する野生型実験室株HIV−1 HXB2の感度を、MT−4細胞を用いる3−[4,5−ジメチルチアゾール−2イル]−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)細胞生死判別アッセイにより決定した(R. Pauwelsら,"Rapid and automated tetrazolium-based colorimetric assay for the detection of anti-HIV compounds," J. Virological Methods 1988 20:309-321)。簡潔には、MT−4細胞を、ウイルス(MOI 0.0001)と、1時間、37℃でインキュベートして、次に、10% FCSを伴うRPMI 1640(フェノールなし)(Gibco)中に7.5×10/mLで再懸濁して、96ウェルプレート上へ蒔いた(Corning Costar, USA)。インキュベーションの5日後、MTT(Sigma-Aldrich)(PBS中5mg/mL)20μLを加えて、プレートを2時間インキュベートし、次いで酸性のIPA 170μLの添加した。吸光度を540nmで測定して、Spearman-Karber法によりTCID50を測定した。
【0384】
【表7】

【0385】
実施例42
いくつかの経路を介した投与のために、対象化合物の医薬組成物を、この実施例に記載のとおり調製した。
【0386】
【表8】

【0387】
成分を混合して、各々約100mgを含有するカプセルに分注する。1カプセルは、ほぼ1日の総投薬量となる。
【0388】
【表9】

【0389】
成分を合わせて、メタノールなどの溶媒を使用して顆粒化する。次に、製剤を乾燥させて、適切な錠剤機を用いて錠剤(約20mgの活性化合物を含有)に形成する。
【0390】
【表10】

【0391】
成分を混合して、経口投与用の懸濁剤を形成する。
【0392】
【表11】

【0393】
活性成分を注射用水の一部に溶解する。次に、十分量の塩化ナトリウムを撹拌しながら加えて、溶液を等張にする。注射用水の残りを用いて溶液の重量にして、0.2μ膜フィルターを通して濾過して、滅菌条件下で包装する。
【0394】
【表12】

【0395】
成分を一緒に溶融し、蒸気浴上で混合して、総重量2.5gを含有する型へと注ぐ。
【0396】
具体的形態において、又は開示された機能を実行するための手段に関して表現された、上述の記載、又は以下の特許請求の範囲で開示される特徴、あるいは、開示された結果を達成するための方法もしくはプロセスは、必要に応じて、別々に、又はそのような特徴の任意の組み合わせにおいて、その多様な形態で本発明を実現するために利用しうる。
【0397】
上述の発明は、明確化及び理解を目的として、説明及び実例により、幾らか詳細に記載してきた。変更及び改変が添付の特許請求の範囲内で実践しうることが、当業者には明らかであろう。したがって、上記記載は例示的なものであって、限定的なものではないことが理解されるべきである。したがって、本発明の範囲は、上記の記載を参照して決定されるものではなく、以下に添付の特許請求の範囲を参照し、そのような請求項が権利を与えられるものに対する均等物の全ての範囲とともに決定されるべきである。
【0398】
本出願中に引用された全ての特許、特許出願及び刊行物は、これにより、各特許、特許出願又は刊行物が個々に示されるような範囲まで、全ての目的に関し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化49】


〔式中:
は、CO−tert−Bu、COEt、フェニルC1−3アルキル、ヘテロアリールC1−3アルキル、フェニル又はヘテロアリール(ここで、前記へテロアリール基は、ピリジニル、ピリジン−N−オキシド、ピリミジニル、チオフェニル、ピロリル、チアゾリニル、イミダゾリニル又はキノリルからなる群より選択され、前記フェニル又は前記ヘテロアリールは、場合により:
(a) C1−6アルキル、
(b) C1−6アルコキシ、
(c) C1−6ハロアルキル、
(d) C1−6ハロアルコキシ、
(e) カルボキシル、
(f) CONR7a7b
(g) C1−6アルコキシカルボニル、
(h) シアノ、
(i) SO−C1−6アルキル、
(j) SONR8a8b
(k) ハロゲン、
(l) ニトロ、
(m) C1−3シアノアルキル、
(n) NR10a10b
(o) NR10aSO1−6アルキル、
(p) CHR11a11bCOR12
(q) ヒドロキシル、及び
(r) C1−6ヘテロアルキル;
からなる群より独立して選択される1〜3個の基で場合により置換されている)であり、
は、−CN、−CH=CHCN、C1−3アルキル又はハロゲンであり;
は、水素、ハロゲン、アミノ又はC1−6ハロアルキルであり;
は、水素又はアミノであり;
5a及びR5bは、独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ又はハロゲンであり;
6a及びR6bは、独立して、水素であるか又は一緒になってエチレンであり;
7a及びR7bは、(i)独立して、R7a及びR7bの一方は、水素、C1−6アルキル又はC3−7シクロアルキルであり、R7a及びR7bの他方は、水素、C1−6アルキル、C1−6ヘテロアルキル、C1−6アルキルスルホニル、C1−6ヒドロキシアルキル、C1−3アミノアルキル−C1−6アルキル、C1−3ジアルキルアミノ−C1−6アルキルアルキル及びC1−6アミノアルキルからなる群より選択されるか;
(ii)それらが結合した窒素原子と一緒になって、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環を形成し、前記アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環は、場合により、ヒドロキシ、アミノ、C1−3アルキルアミン又はC1−3ジアルキルアミンで置換されているか;あるいは、
(iii)一緒になって、(CH−X−(CHであり;
8a及びR8bは、(i)独立して、R8a及びR8bの一方は、水素又はC1−6アルキルであり、R8a及びR8bの他方は、水素、C1−6アルキル、C1−6アシル及びC1−6ヘテロアルキルからなる群より選択されるか;
(ii)それらが結合した窒素原子と一緒になって、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環を形成し、前記アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環は、場合により、ヒドロキシ、アミノ、C1−3アルキルアミン又はC1−3ジアルキルアミンで置換されているか;あるいは、
(iii)一緒になって、(CH−X−(CHであり;
は、水素、C1−3アルキル又はC1−3アシルであり;
10a及びR10bは、独立して、水素、C1−3アルキル又はC1−6アシルであり;
11aは、水素又はハロゲンであり;
11bは、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ又はC1−6ヒドロキシアルキルであり;
12は、ヒドロキシル、C1−6アルコキシ又はNR7a7bであり;
Xは、NH又はOであり;
は、O、S(O)p又はNRであり
pは、0〜2の整数である〕
で示される化合物、又は薬学的に許容しうるその塩。
【請求項2】
7a、R7b、R8a、R8bが水素である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
が場合により置換されているフェニルである、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
が、CONR7a7b、SONR8a8b又はSO−C1−6アルキルで置換され、かつ(a)C1−6アルキル、(b)C1−6アルコキシ、(c)C1−6ハロアルキル、(d)C1−6ハロアルコキシ、(e)カルボキシル、(f)C1−6アルコキシカルボニル、(h)シアノ、(i)C1−6アシル−アミノ、(j)ハロゲン、及び、(k)ニトロからなる群より選択される1又は2個の基で場合によりさらに置換されているフェニルであり;R5a及びR5bがCHである、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
が、CONH、SONH又はSO−C1−3アルキルで置換され、かつ(a)C1−6アルキル、(b)C1−6アルコキシ、(c)C1−6ハロアルキル、(d)C1−6ハロアルコキシ、(e)カルボキシル、(f)C1−6アルコキシカルボニル、(h)シアノ、(i)C1−6アシル−アミノ、(j)ハロゲン、及び、(k)ニトロからなる群より選択される1又は2個の基で場合によりさらに置換されているフェニルである、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
が水素又は臭素であり;Rが水素である、請求項5記載の化合物。
【請求項7】
が、CONH、SONH又はC1−6アルキルスルホニルにより、3位で置換され、かつ(a)C1−6アルキル、(b)C1−6アルコキシ、(c)C1−6ハロアルキル、(d)C1−6ハロアルコキシ、(e)カルボキシル、(f)C1−6アルコキシカルボニル、(h)シアノ、(i)C1−6アシル−アミノ、(j)ハロゲン、及び、(k)ニトロからなる群より選択される1又は2個の基で場合によりさらに置換されているフェニルである、請求項5記載の化合物。
【請求項8】
が、3−カルボキシアミド−フェニル、3−アミノスルホニル−フェニル又は3−メタンスルホニル−フェニルであり、Rが水素又は臭素であり、Rが水素である、請求項7記載の化合物。
【請求項9】
が、場合により置換されているフェニルC1−3アルキル又は場合により置換されているヘテロアリールC1−3アルキルであり、R10が水素である、請求項1記載の化合物。
【請求項10】
が、場合により置換されているフェニルC1−3アルキルである、請求項9記載の化合物。
【請求項11】
が、CONR7a7b、SONR8a8b又はC1−6アルキルスルホニルで置換され、かつ(a)C1−6アルキル、(b)C1−6アルコキシ、(c)C1−6ハロアルキル、(d)C1−6ハロアルコキシ、(e)カルボキシル、(f)C1−6アルコキシカルボニル、(h)シアノ、(i)C1−6アシル−アミノ、(j)ハロゲン、及び、(k)ニトロからなる群より選択される1又は2個の基で場合によりさらに置換されているフェニルC1−3アルキルであり;R5a及びR5bがCHである、請求項10記載の化合物。
【請求項12】
が、CONH、SONH又はC1−6アルキルスルホニルにより、4位で置換され、かつ(a)C1−6アルキル、(b)C1−6アルコキシ、(c)C1−6ハロアルキル、(d)C1−6ハロアルコキシ、(e)カルボキシル、(f)C1−6アルコキシカルボニル、(h)シアノ、(i)C1−6アシル−アミノ、(j)ハロゲン、及び、(k)ニトロからなる群より選択される1又は2個の基で場合によりさらに置換されているフェニルC1−3アルキルであり;R5a及びR5bがCHである、請求項10記載の化合物。
【請求項13】
が水素又は臭素であり;Rが水素である、請求項12記載の化合物。
【請求項14】
が、場合により置換されているヘテロアリールC1−3アルキル又はヘテロアリールであり、R、R7a、R7b、R8a及びR8bが水素である、請求項1記載の化合物。
【請求項15】
が、CR11a11bCOR12で置換されているフェニルであり、R11a及びR11bが水素であり、R12がC1−6アルコキシ又はNR7a7bである、請求項1記載の化合物。
【請求項16】
化合物が
4−[2−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イルアミノ)−ピリミジン−4−イルオキシ]−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−[2−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イルアミノ)−5−ブロモ−ピリミジン−4−イルオキシ]−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{2−[1−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−安息香酸;トリフルオロ酢酸を有する化合物、
4−[5−ブロモ−2−(1−ピリジン−4−イルメチル−ピペリジン−4−イルアミノ)−ピリミジン−4−イルオキシ]−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル;トリフルオロ酢酸を有する化合物、
4−[5−ブロモ−2−(1−チオフェン−2−イルメチル−ピペリジン−4−イルアミノ)−ピリミジン−4−イルオキシ]−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル;トリフルオロ酢酸を有する化合物、
4−[5−ブロモ−2−(1−チオフェン−3−イルメチル−ピペリジン−4−イルアミノ)−ピリミジン−4−イルオキシ]−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル;トリフルオロ酢酸を有する化合物、
4−[5−ブロモ−2−(1−チアゾール−2−イルメチル−ピペリジン−4−イルアミノ)−ピリミジン−4−イルオキシ]−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル;トリフルオロ酢酸を有する化合物、
4−{5−ブロモ−2−[1−(4−シアノ−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル;トリフルオロ酢酸を有する化合物、
N−(4−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−フェニル)−アセトアミド;トリフルオロ酢酸を有する化合物、
4−{5−ブロモ−2−[1−(1H−ピロール−2−イルメチル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル;トリフルオロ酢酸を有する化合物、
4−{5−ブロモ−2−[1−(3H−イミダゾール−4−イルメチル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル;トリフルオロ酢酸を有する化合物、
N−(3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−フェニル)−アセトアミド;トリフルオロ酢酸を有する化合物、
4−{5−ブロモ−2−[1−(3−フルオロ−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル;トリフルオロ酢酸を有する化合物、
4−{5−ブロモ−2−[1−(3−ニトロ−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリルトリフルオロ酢酸、
4−{5−ブロモ−2−[1−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{5−ブロモ−2−[1−(2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{5−ブロモ−2−[1−(4−ニトロ−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリルトリフルオロ酢酸、
4−{5−ブロモ−2−[1−(2−シアノ−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル;トリフルオロ酢酸を有する化合物、
4−{5−ブロモ−2−[1−(3−シアノ−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル;トリフルオロ酢酸塩、
4−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−3−クロロ−ベンゼンスルホンアミド、
4−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−3−クロロ安息香酸、
3−クロロ−4−{4−[4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−ベンゼンスルホンアミド、
3−クロロ−4−{4−[4−(2−クロロ−4−シアノ−6−メチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−ベンゼンスルホンアミド、
3−クロロ−4−{4−[4−(2−クロロ−4−シアノ−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−ベンゼンスルホンアミド、
3−クロロ−4−{4−[4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−ベンズアミド、
4−{2−[1−(2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−3−クロロ−ベンズアミド、
4−{2−[1−(2−クロロ−4−シアノ−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{5−ブロモ−2−[1−(2−クロロ−4−シアノ−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{5−ブロモ−2−[1−(2,3−ジフルオロ−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{5−ブロモ−2−[1−(3−クロロ−ピリジン−4−イルメチル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{2−[1−(3−クロロ−ピリジン−4−イルメチル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{5−ブロモ−2−[1−(4−tert−ブチル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{5−ブロモ−2−[1−(3−トリフルオロメチル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4’−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−ビフェニル−2−カルボニトリル、
4−{5−ブロモ−2−[1−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{5−ブロモ−2−[1−(3−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{5−ブロモ−2−[1−(3−クロロ−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{5−ブロモ−2−[1−(4−クロロ−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{2−[1−(2,4−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−5−ブロモ−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{5−ブロモ−2−[1−(3,5−ジメトキシ−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−[5−ブロモ−2−(1−キノリン−8−イルメチル−ピペリジン−4−イルアミノ)−ピリミジン−4−イルオキシ]−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{5−ブロモ−2−[1−(3−クロロ−4−フルオロ−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{2−[1−(3−クロロ−ピリジン−4−イルメチル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
3−クロロ−4−{(1R,5S)−3−[4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イルメチル}−ベンズアミド、
4−{2−[(1R,5S)−8−(2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンジル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
3−クロロ−4−{2−[1−(2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−5−メチル−ベンゾニトリル、
4−{5−ブロモ−2−[(1R,5S)−8−(2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンジル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{(1R,5S)−3−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イルメチル}−3−クロロ−ベンズアミド、
4−{5−ブロモ−2−[1−(2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3−クロロ−5−メチル−ベンゾニトリル、
4−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェニルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−3−クロロ安息香酸イソプロピルエステル、
3−クロロ−4−{4−[4−(2−クロロ−4−シアノ−6−メチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−ベンズアミド、
4−[5−ブロモ−2−(1−ピリミジン−4−イルメチル−ピペリジン−4−イルアミノ)−ピリミジン−4−イルオキシ]−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{2−[1−(2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−5−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−[2−(8−ベンジル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルアミノ)−5−ブロモ−ピリミジン−4−イルオキシ]−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{2−[1−(2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−5−フルオロ−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{5−クロロ−2−[1−(2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{4−[5−ブロモ−4−(2−クロロ−4−シアノ−6−メチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−3−クロロ−ベンズアミド、
4−{4−[5−ブロモ−4−(2−クロロ−4−シアノ−6−メチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−3−クロロ−ベンゼンスルホンアミド、
4−{5−ブロモ−2−[1−(1−フェニル−エチル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{5−ブロモ−2−[1−(1−オキシ−ピリジン−4−イルメチル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3−クロロ−5−メチル−ベンゾニトリル、
4−{4−[4−アミノ−5−ブロモ−6−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−3−クロロ−ベンゼンスルホンアミド、
4−{4−[4−アミノ−5−ブロモ−6−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−3−クロロ−ベンズアミド、
4−{6−アミノ−5−ブロモ−2−[1−(2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{2−[1−(2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
3−クロロ−4−{4−[4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェニルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−ベンゼンスルホンアミド、
5−ブロモ−N−(4−ブロモ−2,6−ジメチル−フェニル)−N−[1−(2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンジル)−ピペリジン−4−イル]−ピリミジン−2,4−ジアミン、
4−{4−[4−(4−ブロモ−2,6−ジメチル−フェニルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−3−クロロ−ベンゼンスルホンアミド、
4−{5−ブロモ−2−[1−(2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
3−クロロ−4−{4−[4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェニルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−ベンズアミド、
4−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェニルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−3−クロロ−ベンズアミド、
−(4−ブロモ−2,6−ジメチル−フェニル)−N−[1−(2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンジル)−ピペリジン−4−イル]−ピリミジン−2,4−ジアミン、
(E)−3−(4−{2−[1−(2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−3,5−ジメチル−フェニル)−アクリロニトリル、
3−クロロ−4−(4−{4−[4−((E)−2−シアノ−ビニル)−2,6−ジメチル−フェニルアミノ]−ピリミジン−2−イルアミノ}−ピペリジン−1−イルメチル)−ベンズアミド、
4−{5−ブロモ−2−[1−(3−クロロ−ピリジン−4−イルメチル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{2−[(1R,5S)−8−(2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンジル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
3−クロロ−4−{4−[4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェニルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−安息香酸イソプロピルエステル、
3−クロロ−4−{4−[4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェニルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−安息香酸、
4−{5−ブロモ−2−[1−(2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−3−クロロ−5−メチル−ベンゾニトリル、
(E)−3−(4−{5−ブロモ−2−[1−(2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンジル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−3,5−ジメチル−フェニル)−アクリロニトリル、
4−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェニルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−3−クロロ安息香酸、
3−クロロ−4−{4−[4−(4−シアノ−2−メチル−フェニルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−ベンゼンスルホンアミド、
4−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェニルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イルメチル}−3−クロロ−N−(2−ジメチルアミノ−エチル)−ベンズアミド、
4−{4−[4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−ベンゼンスルホンアミド、
3−{4−[4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−ベンゼンスルホンアミド、
4−{6−アミノ−2−[1−(3−シアノ−フェニル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{5−ブロモ−2−[1−(3−シアノ−フェニル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{2−[1−(3−シアノ−フェニル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
3−{4−[4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−ベンズアミド、
3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−ベンズアミド、
4−{5−ブロモ−2−[1−(3−メタンスルホニル−フェニル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
3−クロロ−4−{2−[1−(3−メタンスルホニル−フェニル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−5−メチル−ベンゾニトリル、
4−{5−ブロモ−2−[1−(3−メタンスルホニル−フェニル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3−クロロ−5−メチル−ベンゾニトリル、
3−{4−[5−ブロモ−4−(2−クロロ−4−シアノ−6−メチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−ベンズアミド、
3−{4−[4−(2−クロロ−4−シアノ−6−メチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−ベンズアミド、
3−{4−[4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−5−フルオロ−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−ベンズアミド、
4−[5−ブロモ−2−(1−ピリミジン−5−イル−ピペリジン−4−イルアミノ)−ピリミジン−4−イルアミノ]−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
3−{4−[5−クロロ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−ベンズアミド、
3−{4−[4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−5−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−ベンズアミド、
3,5−ジメチル−4−{2−[1−(3−ニトロ−フェニル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−ベンゾニトリル、
4−{5−フルオロ−2−[1−(3−メタンスルホニル−フェニル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{5−クロロ−2−[1−(3−メタンスルホニル−フェニル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{2−[1−(3−メタンスルホニル−フェニル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−5−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{5−ブロモ−2−[1−(3−クロロ−5−シアノ−フェニル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{2−[1−(3−クロロ−5−シアノ−フェニル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−5−クロロ−ベンズアミド、
3−クロロ−5−{4−[4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−ベンズアミド、
2−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−ベンズアミド、
4−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−ベンズアミド、
3−クロロ−5−メチル−4−[2−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,3’]ビピリジニル−4−イルアミノ)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ベンゾニトリル、
3−クロロ−5−メチル−4−[2−(1−ピリミジン−2−イル−ピペリジン−4−イルアミノ)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ベンゾニトリル、
3−クロロ−4−{2−[1−(3−シアノメチル−フェニル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−5−メチル−ベンゾニトリル、
4−{2−[1−(3−アミノ−フェニル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−5−ブロモ−ピリミジン−4−イルオキシ}−3−クロロ−5−メチル−ベンゾニトリル、
3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−N−メチル−ベンズアミド、
3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−N−シクロプロピル−ベンズアミド、
3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−N−(2−ヒドロキシ−エチル)−ベンズアミド、
3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−N−(2−ジメチルアミノ−エチル)−ベンズアミド、
2−(3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、
4−{5−ブロモ−2−[1−(3−ヒドロキシメチル−フェニル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルオキシ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
N−(3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−フェニル)−メタンスルホンアミド、
N−(3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、
3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2−メトキシ−6−メチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−ベンズアミド、
2−(3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−フェニル)−N−(2−ジメチルアミノ−エチル)−アセトアミド、
(3−{4−[5−ブロモ−4−(2−クロロ−4−シアノ−6−メチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−フェニル)−酢酸、
2−(3−{4−[5−ブロモ−4−(2−クロロ−4−シアノ−6−メチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−フェニル)−N−(2−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−アセトアミド、
4−(5−ブロモ−2−{1−[3−(1,2−ジヒドロキシ−エチル)−フェニル]−ピペリジン−4−イルアミノ}−ピリミジン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
3−{4−[4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−5−メチル−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−ベンズアミド、
2−(3−{4−[4−(2−クロロ−4−シアノ−6−メチル−フェノキシ)−5−メチル−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−フェニル)−アセトアミド、
3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2−フルオロ−6−メチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−ベンズアミド、
N−[2−(3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−フェニル)−アセチル]−メタンスルホンアミド、
3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−ベンゼンスルホンアミド、
2−(3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−フェニル)−3−ヒドロキシ−プロピオン酸、
2−(3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−フェニル)−プロピオン酸、
(3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−フェニル)−メトキシ−酢酸、
(3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−フェニル)−ヒドロキシ−酢酸、
(3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−フェニル)−ジフルオロ−酢酸、
(3−{4−[5−クロロ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−フェニル)−メトキシ−酢酸、
(3−{4−[4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−5−メチル−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−フェニル)−メトキシ−酢酸、
4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4’−カルボン酸アミド、
4−[4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−6’−カルボン酸アミド、
4−{5−ブロモ−2−[1−(3−シアノ−フェニル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
3−{4−[4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェニルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−ベンズアミド、
3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェニルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−ベンズアミド、
−(4−ブロモ−2,6−ジメチル−フェニル)−N−[1−(3−メタンスルホニル−フェニル)−ピペリジン−4−イル]−ピリミジン−2,4−ジアミン、
3−(4−{4−[4−((E)−2−シアノ−ビニル)−2,6−ジメチル−フェニルアミノ]−ピリミジン−2−イルアミノ}−ピペリジン−1−イル)−ベンズアミド、
3−(4−{4−[2−クロロ−4−((E)−2−シアノ−ビニル)−6−メチル−フェニルアミノ]−ピリミジン−2−イルアミノ}−ピペリジン−1−イル)−ベンズアミド、
3−{4−[4−(2−クロロ−4−シアノ−6−メチル−フェニルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−ベンズアミド、
4−[4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェニルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,3’]ビピリジニル−5’−カルボン酸メチルエステル、
4−[4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェニルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,3’]ビピリジニル−5’−カルボン酸、
3,5−ジメチル−4−[2−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,3’]ビピリジニル−4−イルアミノ)−ピリミジン−4−イルアミノ]−ベンゾニトリル、
3,5−ジメチル−4−[2−(1−ピリミジン−2−イル−ピペリジン−4−イルアミノ)−ピリミジン−4−イルアミノ]−ベンゾニトリル、
4−[5−ブロモ−2−(1−ピリミジン−2−イル−ピペリジン−4−イルアミノ)−ピリミジン−4−イルアミノ]−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{5−アミノ−2−[1−(3−アミノ−フェニル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
4−{2−[1−(3−シアノメチル−フェニル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル、
3−{4−[5−ブロモ−4−(2−クロロ−4−シアノ−6−フルオロ−フェニルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−ベンズアミド、及び
2−(3−{4−[5−ブロモ−4−(4−シアノ−2,6−ジメチル−フェニルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ピペリジン−1−イル}−フェニル)−N,N−ジメチル−アセトアミド
からなる群より選択される化合物の遊離塩基又は薬学的に許容しうる塩である、請求項1記載の化合物。
【請求項17】
医薬として使用するための、請求項1〜16のいずれか1項記載の式Iの化合物。
【請求項18】
HIV−1感染、又はAIDSもしくはARCの処置用の医薬を製造するための、請求項1〜16のいずれか1項記載の式Iの化合物の使用。
【請求項19】
請求項1〜16のいずれか1項記載の化合物の治療有効量及び少なくとも1種の担体、賦形剤又は希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項20】
本明細書中に記載された発明。

【公表番号】特表2010−513240(P2010−513240A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−540713(P2009−540713)
【出願日】平成19年12月4日(2007.12.4)
【国際出願番号】PCT/EP2007/063224
【国際公開番号】WO2008/071587
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】