説明

非接触データキャリア、非接触データキャリア用配線基板

【課題】低コストで効率よく製造可能な非接触データキャリアおよびその部品である非接触データキャリア用配線基板を提供する。
【解決手段】非接触データキャリア100は、データを格納可能なICチップ10と、ICチップ10が実装され、ICチップ10に電気的に接続されたアンテナパターン1を含む配線層を有する配線基板と、配線基板のICチップ10が実装された面を取り囲む端面に形成され、アンテナパターン1と電気的に接続された外部端子70とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保持されたデータを非接触で読み出し可能な非接触データキャリアおよびこの部品である非接触データキャリア用配線基板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物品のタグ情報のキャリアとしてICチップを使用した非接触データキャリア(例えばICタグ、無線タグ、RFID等とも言う。)が、物品の管理などに使用されている。非接触データキャリアの主たる構成要素は、データを保持するICチップと、このICチップに接続されたアンテナである。
【0003】
通常、非接触データキャリアは、作業効率の点から多面付けで製造されたものを所望の外形サイズに切り出して個片化される。例えば、アンテナパターンを多面付けで形成して配線基板を作製した後、ソルダーレジストの形成、めっき処理、ICチップの実装、モールド樹脂の形成、個片化を順に行う方法などが挙げられる。
【0004】
めっき処理は、アンテナパターンの所定部位に施され、例えばICチップと接続するためのパッド(以下、チップ接続端子)等が形成される。このチップ接続端子には、ICチップと電気的に接続するために、金属バンプの形成、又はボンディングワイヤがボンディングされる。
【0005】
一般に、めっき処理として無電解めっきを用いる方法があるが、めっき液の管理が煩雑でその種類も限定されやすく、さらには高コストである。そこで、このようなめっき処理を必要しない方法として、ACF(アニソトロピックコンダクティブフィルム)法等を使用し、アンテナとICチップとを接続した構造が知られている。
【0006】
しかしながら、上述したような方法で製造された非接触データキャリアでは、例えば製造過程で生じやすいパターン断線などを検出するために、非接触データキャリアの動作検査を行う場合、検査が煩雑になりやすい。通常、動作検査は、個片化した後、個々の非接触データキャリアについてリーダライタ装置を用いてそれぞれ検査するか、もしくは、個片化する前に移動式のヘッドが面付け内を移動して個々に検査する専用の検査装置等を使用しなければならなかった(例えば特許文献1参照)。このような従来の非接触データキャリアでは、製造にコストを要し、作業効率も悪化しやすい。
【特許文献1】特開平11−353433号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、このような課題に対処するためになされたもので、低コストで効率よく製造可能な非接触データキャリアおよびその部品である非接触データキャリア用配線基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る非接触データキャリアは、データを格納可能なICチップと、前記ICチップが実装され、ICチップに電気的に接続されたアンテナパターンを含む配線層を有する配線基板と、前記配線基板の前記ICチップが実装された面を取り囲む端面に形成され、前記アンテナパターンと電気的に接続された外部端子とを具備することを特徴とする。
【0009】
すなわち、非接触データキャリアは、ICチップが実装された面を取り囲む端面に、アンテナパターンと電気的に接続された外部端子を備えている。外部端子は、非接触データキャリアの製造工程において、アンテナパターンの形成とともに、例えば銅箔のエッチングにより作られためっき形成用パターンが個片化の際に切断されて、非接触データキャリアの断面(端面)に露出したものである。これにより、低コストで効率的に外部端子を有する非接触データキャリアを提供することができる。
【0010】
また、本発明に係る非接触データキャリアは、前記外部端子が、前記ICチップ実装面を取り囲む端面に対して凹凸なく同一平面上に形成されていることを特徴とする。
これによれば、外部端子は、非接触データキャリアの端面に対して凹凸なく同一平面上に位置しているため、非接触データキャリアの小型化、薄型化を図ることができる。
【0011】
また、本発明に係る非接触データキャリアは、前記外部端子が、識別表示用端子であることを特徴とする。
これによれば、外部端子を識別表示用端子として、例えば文字、記号、イラスト、品番、ロット番号、ビット、非接触データキャリアの向き、非接触データキャリア用のパターンが多面付けされた配線基板の面付け位置等の表示に用いることができ、容易かつ迅速に視認することができる。
【0012】
また、本発明に係る非接触データキャリアは、前記外部端子が、外部への接続用端子であることを特徴とする。
これによれば、外部端子を外部との接続用(導通用)端子として、外部端子に半田ペーストや、半田バンプ等の金属バンプを形成して外部との接続に用いることができる。
【0013】
また、本発明に係る非接触データキャリアは、前記ICチップが実装された前記配線基板の面上に、少なくともICチップを覆うように形成された保護層をさらに備えることを特徴とする。
これによれば、少なくともICチップを外部環境から保護することができる。保護層としては、例えば合成樹脂製の保護フィルム、エポキシ樹脂等のモールド樹脂を適用することができる。
【0014】
また、本発明の一態様に係る非接触データキャリア用配線基板は、非接触データキャリア用のパターンが多面付けされた配線基板であって、絶縁基板と、前記絶縁基板に略同一形状のパターンが多面付けで形成された複数の第1のパターンと、前記複数の第1のパターンと電気的に接続された第2のパターンとを含む配線層とを具備することを特徴とする。
【0015】
すなわち、ICチップの実装及び個片化を行う前の非接触データキャリア用配線基板において、配線基板には、多面付け形成された第1のパターンである複数のアンテナパターンと、この複数のアンテナパターンと電気的に接続された第2のパターンを含む配線層が形成されている。第2のパターンは、めっき形成用パターンとして、前記アンテナパターンとともに銅箔をエッチングして形成されたものである。この第2のパターンを、例えばアンテナパターンのパターン断線検査用とすることで、多面付けされたアンテナパターンの断線等の検査を一度に全て行うことができ、この後、ICチップの実装、保護層の形成、個片化を順に行うことで、低コストで効率よく非接触データキャリアを得ることができる。また、製造工程におけるパターン断線等の異常を早期に発見することができ、不良品の大量発生を防止でき、さらには得られる非接触データキャリアの信頼性の向上を図ることができる。
【0016】
また、本発明に係る非接触データキャリア用配線基板は、前記第1のパターンが、アンテナパターンであることを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る非接触データキャリア用配線基板は、前記第2のパターンが、前記アンテナパターンのパターン断線検査用であることを特徴とする。
前記第2のパターンを、前記アンテナパターン(第1のパターン)の断線検査用とする作用効果は上述したとおりである。
【0018】
また、本発明に係る非接触データキャリア用配線基板は、前記第2のパターンが、個片化の切り出し線を跨ぐように形成されていることを特徴とする。
これによれば、切り出し線に沿って個片化を行うことで、非接触データキャリアの端面に外部端子を容易に形成することができる。すなわち、第2のパターンの一部が切断されて、各非接触データキャリアのICチップ実装面を取り囲む端面に露出し、これが外部端子となる。
【0019】
また、本発明に係る非接触データキャリア用配線基板は、前記第2のパターンと電気的に接続された電極パッドをさらに具備することを特徴とする。
これによれば、例えば第2のパターンをアンテナパターン(第1のパターン)の断線検査に使用する場合には、この電極パッドを外部の検査装置に接続することで、動作検査を迅速に効率よく行うことができる。
【0020】
また、本発明に係る非接触データキャリア用配線基板は、個片化が、ダイシングによってなされることを特徴とする。
これによれば、効率的な製造が可能になる。
【0021】
また、本発明に係る非接触データキャリア用配線基板は、個片化が、打ち抜きによってなされることを特徴とする。
これによれば、効率的な製造が可能になる。
【0022】
また、本発明に係る非接触データキャリア用配線基板は、個片化の際に、前記第2のパターンの一部が切断されて、個片化された各非接触データキャリアのICチップ実装面を取り囲む端面に露出する外部端子となることを特徴とする。
これによれば、低コストで効率的に外部端子を有する非接触データキャリアを得ることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、低コストで効率よく製造可能な非接触データキャリアおよび非接触データキャリア用配線基板を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0025】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る非接触データキャリアの構成を模式的に示す断面図である。図2は、図1に示す非接触データキャリアの構成を模式的に示す透過斜視図である。
【0026】
図1に示すように、非接触データキャリア100は、ICチップ10、アンテナパターン1を有する配線基板、ソルダーレジジスト54、外部端子70(図2参照)を有している。
【0027】
ICチップ10には、主たる内部構成要素として、通信回路部(不図示)とメモリ部(不図示)とが設けられている。通信回路部は、アンテナパターン1に接続され、このアンテナパターン1を介して外部からのデータ読み出し指令信号を受信し、かつこれに反応してメモリ部に格納されたデータの出力の仲介を行う。このICチップ10は、配線基板に実装される。
【0028】
配線基板は、ICチップ10と電気的に接続されたアンテナパターン1を含む配線層と、層間絶縁材51から構成される。
【0029】
アンテナパターン1は、例えば銅箔をパターン形成したものであり、その形状はダイポール型である。アンテナパターン1の厚さは例えば18μmである。
【0030】
層間絶縁材51は、絶縁基材であり、アンテナパターン1を含む配線層が形成される。層間絶縁材51には、例えばポリイミド、ポリエステル等のフレキシブルな有機絶縁材料を用いることができる。
【0031】
ソルダーレジスト54は、アンテナパターン1が形成された層間絶縁材51の面に形成されている。また、ソルダーレジスト54は、例えば金属バンプの形成が必要なパターン部位に合わせた開口を有する。本実施形態では、ICチップ10と電気的に接続するためにアンテナパターン1上に形成されるチップ接続端子9等の形状に合わせた開口を有している。ソルダーレジスト54の厚さは例えば25μmである。ソルダーレジスト54は、通常、透明性を有し、アンテナパターン1を覆った状態でこれを通してアンテナパターン1の位置を視認できる。
【0032】
外部端子70は、配線基板のICチップ10が実装された面を取り囲む端面に形成され、アンテナパターン1と電気的に接続されている。外部端子70は、例えばCuから構成され、必要に応じて酸化防止のためのめっき処理を施してもよい。外部端子70は、非接触データキャリア100の製造工程において、アンテナパターン1の形成とともに、例えば銅箔のエッチングにより作られた後工程の電解めっきの給電層となるパターン(以下、めっき形成用パターンとする)が、個片化の際に切断されて非接触データキャリア100の断面(端面)に露出したものである。そのため、外部端子70は、非接触データキャリア100の端面に対して凹凸なく、同一平面上に位置している。このような外部端子70は、例えば識別表示用の端子、外部回路との接続用端子、ICチップ10の動作機能を検査する検査用端子、ICチップ10のデータ入出力機能を破壊するための機能破壊用端子等として使用することができる。識別表示用の端子として使用する場合には、例えば文字、記号、イラスト、品番、ロット番号、ビット、非接触データキャリアの向き、非接触データキャリア用のパターンが多面付けされた配線基板の面付け位置(図4で後述)等の表示に用いることができ、容易かつ迅速に視認することができる。外部との接続用(導通用)端子として使用する場合には、外部端子に半田ペーストや、半田バンプ等の金属バンプを形成して外部との接続に用いることができる。
【0033】
保護層には、本実施形態では、合成樹脂製の保護フィルム56等を適用することができる。一対の保護フィルム56で、ICチップ10と配線基板を挟み込むようにラミネートすることで、外部環境から保護することができる。
【0034】
以下、本実施形態の非接触データキャリア100の製造方法の一例について説明する。
【0035】
まず、層間絶縁材51を含む片面銅張り板を用意し、その片面の銅箔をエッチングでパターン化し、アンテナパターン1、めっき形成用パターン8(図3参照)及びめっき形成用電極パッド7(図3参照)を含む配線層を形成する。アンテナパターン1、めっき形成用パターン8及びめっき形成用電極パッド7は連続しており、それぞれ電気的に接続される。
【0036】
次に、ソルダーレジスト54をアンテナパターン1が形成された層間絶縁材51の面に作る。ソルダーレジスト54は、例えばICチップ10と電気的に接続するためにアンテナパターン1上に形成されるチップ接続端子9等の金属バンプの形成が必要なパターン部位の形状に合わせた開口を有する。
【0037】
続いて、ソルダーレジスト54の開口から露出した領域に、めっき形成用パターン8(図3参照)とめっき形成用電極パッド7(図3参照)を用いて電解Niめっきと電解Auめっきを順に施し、バリア金属としてのNi膜(例えば1μm)とボンディング金属としてのAu膜(例えば1μm)から構成される例えばチップ接続端子9等を形成する。これにより、表面の酸化防止及び耐久性の向上を図ることができる。このチップ接続端子9上に、例えばAuバンプ、半田バンプ等の金属バンプを形成して、ICチップ10の実装、ラミネート、個片化を順に行う。
【0038】
図3は、図1と図2に示した非接触データキャリア100が個片として切り出される前の、非接触データキャリア用のパターンが多面付けされた配線基板101を模式的に示す平面図であり、アンテナパターン1が形成された面を示している。図1に示した非接触データキャリア100は、図3に示す状態から、その後、ICチップ10の実装、ラミネートが順に施され、個々に切り出される。このような製造方法により効率的な製造が可能になる。
【0039】
図3に示す、非接触データキャリア用のパターンが多面付けされた配線基板101には、各非接触データキャリアの周縁近くに、打ち抜き線201等の切り出し線が形成されている。打ち抜き線201は、アンテナパターン1、めっき形成用パターン8及びめっき形成用電極パッド7の形成とともに、例えば銅箔のエッチングによりパターン形成されたものである。このとき、めっき形成用パターン8は打ち抜き線201を跨ぐように形成される。
【0040】
打ち抜き線201に沿って個片化を行うと、めっき形成用パターン8の一部が切断されて、各非接触データキャリア100のICチップ10実装面を取り囲む端面に露出し、これが外部端子70(図2参照)となる。
【0041】
また、図3に示す、非接触データキャリア用のパターンが多面付けされた配線基板101では、製造工程で生じやすいアンテナのパターン断線、短絡等について、全てのアンテナパターン1を一括して検査することができる。めっき形成用電極パッド7を、外部の検査装置と導通するための電極として使用し、この電極パッド7と電気的に接続されためっき形成用パターン8を介して、各アンテナパターン1のパターン断線等を検査する。これによれば、従来のように個々のアンテナパターン1毎に検査することなく、配線基板に形成された複数のアンテナパターン1を一度に検査し、容易かつ迅速に断線等を検出することができる。この後、ICチップ10の実装、ラミネート、打ち抜きによる個片化を順に行う。これにより、本実施形態の非接触データキャリア100が得られる。
【0042】
したがって、本実施形態によれば、配線基板に形成されためっき形成用パターン8およびめっき形成用電極パッド7を介して、多面付けされたアンテナパターン1の断線等の検査を一度に行うことができ、この後、ICチップ10の実装、ラミネート、個片化を順に行うことで、低コストで効率よく非接触データキャリア100を得ることができる。
【0043】
また、製造工程におけるパターン断線等の異常を早期に発見することができ、不良品の大量発生を防止でき、さらには得られる非接触データキャリア100の信頼性の向上を図ることができる。
【0044】
また、得られた非接触データキャリア100には、その端面にアンテナパターン1と接続された外部端子70(図2参照)が形成されているが、外部端子70は、この端面に対して凹凸なく同一平面上に位置しているため、非接触データキャリア100の小型化、薄型化を図ることができる。
【0045】
また、この外部端子70を識別表示や、外部との接続、ICチップ10の機能破壊等、その使用目的に応じて利用することで、非接触データキャリア100の利用範囲が広がる。
【0046】
ここで、外部端子を、非接触データキャリア用のパターンが多面付けされた配線基板の面付け位置を示す識別表示用端子として使用する場合の一例を図4(a)〜(c)を用いて説明する。図4(a)は、非接触データキャリア用のパターンが4行2列に多面付けされた配線基板101Bを示している。図4(b)は、図4(a)中の1行1列(イ)の位置のパターンを使用して作製された非接触データキャリア100Cの構成を模式的に示す透過斜視図である。図4(c)は、図4(a)中の4行2列(ロ)の位置のパターンを使用して作製された非接触データキャリア100Dの構成を模式的に示す透過斜視図である。図4(b)、図4(c)にそれぞれ示した非接触データキャリア100C,100Dは、図4(a)に示す状態から、その後、ICチップ10をダイパッド60に接合し、ワイヤボンディングによりICチップ10の電極端子(不図示)とチップ接続端子9とを電気的に接続した後、ラミネートが施され、打ち抜き線201に沿って個々に切り出される。
【0047】
図4(b)に示すように、非接触データキャリア100Cの端面には、面付けの位置を示す識別表示用端子70G、70Hが露出している。識別表示用端子70Gは、その端子の位置により面付け位置が1行目であることを示す。識別表示用端子70Hは、その端子数が1本であることにより面付け位置が1列目であることを示している。
【0048】
図4(b)と同様にして、図4(c)の非接触データキャリア100Dの端面には、面付けの位置を示す識別表示用端子70I、70Jが露出している。識別表示用端子70Iは、その端子の位置により面付け位置が4行目であることを示す。識別表示用端子70Jは、その端子数が2本であることにより面付け位置が2列目であることを示している。識別表示用端子を面付け位置の表示に使用した一例を説明したが、これ以外に、識別表示用端子の意味付けは、例えば識別表示用端子の有無で2進数を表現するなど種々の表現形式を選択できる。
【0049】
図4(b)、図4(c)の接続用端子70Fは、ICチップ10実装用のダイパッド60に接続される。接続用端子70Kは、一対のダイポール型のアンテナパターン1Dの一方に接続されている。この一組の接続用端子70F,70Kを用いて、電波を介さずに、実装されたICチップ10からデータを直に読み書きすることができる。また、接続用端子70F,70Kは、該端子70F,70Kに高電圧を印加して、ICチップ10の書き換え機能を不可逆的に失わせる機能破壊用の端子としても用いることができる。
【0050】
また、図4(a)の非接触データキャリア用のパターンが多面付けされた配線基板101Bでは、めっき形成用電極パッド7,7Aは一対のダイポール型のアンテナパターンD1のそれぞれに接続されており、めっき形成用電極パッド7,7A間は設計上絶縁されている。これにより、めっき形成用電極パッド7,7A間の絶縁性を確認することで一対のダイポール型のアンテナ間の短絡の有無を確認できる。
【0051】
なお、本実施形態では、アンテナパターンとして、図3、図4に示すようなダイポール型アンテナを用いて説明したが、図5に示す形態のダイポール型アンテナ、パッチアンテナ等種々の形状のアンテナパターンにも適用することができる。
【0052】
また、本実施形態では、個片化は、ICチップ10の実装及びラミネートの後に行ったが、ICチップ10の実装の前に行ってもよい。この場合は、個片化された個々の非接触データキャリア用配線基板101に対して、ICチップ10の実装及びラミネートを行う。
【0053】
また、動作検査を、ICチップ10の実装及びラミネートの後に行ってもよい。この場合、動作検査の後に個片化を行う。これによれば、アンテナパターンとICチップとの接続不良、ICチップの動作機能などについても検査することができ、得られる非接触データキャリアの信頼性の向上を図ることができる。
【0054】
[第2の実施形態]
図6は、本発明の第2の実施形態に係る非接触データキャリアの構成を模式的に示す断面図である。図7は、図6に示す非接触データキャリアの外部端子を模式的に示す斜視図である。本実施形態の非接触データキャリアは、上述した第1の実施形態の非接触データキャリアに対して、外部端子が複数個形成されている点と、アンテナパターンの形状が平面コイル状である点が異なる。なお、第1の実施形態と同一の構成部分には、同一の符号を付してその説明を簡略または省略する。
【0055】
図6に示すように、非接触データキャリア100Aは、ICチップ10、アンテナパターン1Aを有する配線基板、ソルダーレジジスト54、外部端子70A,70B(図7参照)を有している。
【0056】
配線基板は、アンテナパターン1Aを含む配線層と、層間絶縁材51から構成される。
【0057】
アンテナパターン1Aは、例えば銅箔をパターン形成したものであり、その形状は平面コイル状である。また、厚さは例えば18μmである。
【0058】
層間絶縁材51は、例えばポリイミド等のフレキシブルな有機絶縁材料からなる絶縁基材であり、アンテナパターン1Aを含む配線層が形成される。本実施形態では、スルーホール内に導電層を形成した層間接続のためのスルーホール導通部41が形成されており、配線基板のICチップ10実装面に形成されたアンテナパターン1Aと、ICチップ10実装面とは反対側の面に形成された配線パターン6とを電気的に接続している。
【0059】
ソルダーレジスト54は、上記第1の実施形態で説明した通りである。ソルダーレジスト55は、例えば金属バンプの形成が必要なパターン部位を除いて層間絶縁材51の面に形成されている。ソルダーレジスト55の厚さは例えば25μmである。ソルダーレジスト55は、通常、透明性を有し、覆った状態でパターンの位置を視認できる。
【0060】
外部端子70A,70Bは、配線基板のICチップ10が実装された面を取り囲む端面に縦方向に2個形成され、アンテナパターン1A又は配線パターン6とそれぞれ電気的に接続している。外部端子70A,70Bは、例えばCuから構成され、必要に応じて酸化防止のためのめっき処理を施してもよい。
【0061】
保護層には、上記第1の実施形態と同様に、保護フィルム56等を適用することができる。
【0062】
以下、本実施形態の非接触データキャリア100Aの製造方法の一例について説明する。
【0063】
まず、層間絶縁材51を含む両面銅張り板を用意し、その必要な位置に層間接続のためのスルーホールを形成し、このスルーホール内に導電層を形成して、スルーホール導通部41を作る。
【0064】
次に、その両面の銅箔をエッチングでパターン化し、ICチップ10を実装する面にはアンテナパターン1A、めっき形成用パターン8(図8参照)及びめっき形成用電極パッド7(図8参照)を含む配線層を形成し、ICチップ10実装面の反対側になる面には配線パターン6、上記めっき形成用パターン8と略同一形状のパターン(不図示)を含む配線層を形成する。
【0065】
続いて、ソルダーレジスト54をアンテナパターン1Aが形成された層間絶縁材51の面に作る。ソルダーレジスト54は、例えばICチップ10と接続するためのチップ接続端子9等の形状に合わせた開口を有する。同様にして、ソルダーレジスト55を、金属バンプの形成が必要なパターン部位を除いて、配線パターン6、めっき形成用パターン8と略同一形状のパターンを含む配線層が形成された層間絶縁材51の面につくる。
【0066】
この後、ソルダーレジスト54の開口から露出した領域に、めっき形成用パターン8とめっき形成用電極パッド7を用いて電解Niめっきと電解Auめっきを順に施し、チップ接続端子9等が形成される。このチップ接続端子9上に、例えばAuバンプ、半田バンプ等の金属バンプを形成して、ICチップ10の実装、ラミネート、個片化を順に行う。
【0067】
図8は、図6と図7に示した非接触データキャリア100Aが個片として切り出される前の、非接触データキャリア用のパターンが多面付けされた配線基板を模式的に示す平面図であり、アンテナパターン1Aが形成された面を示している。図6に示した非接触データキャリア100Aは、図8に示す状態から、その後、ICチップ10の実装、ラミネートが順に施され、個々に切り出される。このような製造方法により効率的に製造できる。
【0068】
図8に示す、非接触データキャリア用のパターンが多面付けされた配線基板200には、各非接触データキャリアの周縁近くに、打ち抜き線201等の切り出し線が形成されている。打ち抜き線201については、上記第1の実施形態で説明したとおりである。
【0069】
打ち抜き線201に沿って個片化を行うと、ICチップ10実装面に形成されためっき形成用パターン8、ICチップ10実装面とは反対側の面に形成されためっき形成用パターン8と略同一形状のパターンの一部がそれぞれ切断されて、各非接触データキャリア100AのICチップ10実装面を取り囲む端面に露出し、これが外部端子70A,70Bとなる。よって、本実施形態では、外部端子70A,70Bが縦方向に2個形成される。
【0070】
また、図8に示す、非接触データキャリア用のパターンが多面付けされた配線基板200では、製造工程で生じやすいアンテナのパターン断線、短絡等について、全てのアンテナパターン1Aを一括して検査することができる。めっき形成用電極パッド7を、外部の検査装置と導通するための電極として使用し、この電極パッド7と電気的に接続されためっき形成用パターン8、めっき形成用パターン8と略同一形状のパターンを介して、各アンテナパターン1Aのパターン断線等を検査する。これによれば、従来のように個々のアンテナパターン1A毎に検査することなく、配線基板に形成された複数のアンテナパターン1Aを一度に検査し、容易かつ迅速に断線等を検出することができる。この後、ICチップ10の実装、ラミネート、打ち抜きによる個片化を順に行う。これにより、本実施形態の非接触データキャリア100Aが得られる。
【0071】
したがって、本実施形態によれば、配線基板の両面にそれぞれ形成されためっき形成用パターン8(ICチップ10実装面)と、めっき形成用パターン8と略同一形状のパターン(ICチップ10実装面とは反対側の面)を介して、多面付けされたアンテナパターン1Aの断線等の検査を一度に行うことができ、この後、ICチップ10の実装、ラミネート、個片化を順に行うことで、低コストで効率よく非接触データキャリア100Aを得ることができる。
【0072】
また、製造工程におけるパターン断線等の異常を早期に発見することによって、得られる非接触データキャリア100Aの信頼性の向上を図ることができる。
【0073】
また、得られる非接触データキャリア100Aに形成された外部端子70A,70Bは、非接触データキャリア100Aの端面に複数個形成されており、外部端子の使用目的に応じて、非接触データキャリアの利用範囲が広がる。
【0074】
なお、本実施形態では、非接触データキャリア用のパターンが多面付けされた配線基板として図8を用いて説明したが、図9に示す形態でもよい。図9に示す非接触データキャリア用配線基板は、図8とは、めっき形成用パターン8、めっき形成用電極パッド7の形状が異なる。
【0075】
また、本実施形態では、外部端子70A,70Bが非接触データキャリア100Aの端面に縦方向に2個形成されているが、この変形例として図10に示す形態が挙げられる。図10に示す外部端子70Cは、例えば層間接続のためのスルーホール導通部の真上に個片化の打ち抜き線201が位置するように、この打ち抜き線201を形成することにより、個片化時にスルーホール導通部が切断されて非接触データキャリアの断面(端面)に露出したものである。このような形状の外部端子70Cによれば、例えば外部との接続用端子として用いる場合には、その接触面の面積が増大する等の効果が得られる。
【0076】
[第3の実施形態]
図11は、本発明の第3の実施形態に係る非接触データキャリア100Bの構成を模式的に示す断面図である。図12は、図11に示す非接触データキャリア100Bの外部端子70D,70Eを模式的に示す斜視図である。本実施形態の非接触データキャリア100Bは、上述した実施形態の非接触データキャリアに対して、アンテナパターンが複数積層されている点、ICチップとアンテナパターンとがボンディングワイヤで電気的に接続されている点が異なる。なお、第1の実施形態と同一の構成部分には、同一の符号を付してその説明を簡略または省略する。
【0077】
図11に示すように、非接触データキャリア100Bは、略正方形状であり、ICチップ10、アンテナパターン1B,2,3,4が積層された配線基板、ソルダーレジジスト54,55、外部端子70D,70E(図12参照)を有している。
【0078】
配線基板は、アンテナパターン1B,2,3,4を含む各配線層と、層間絶縁材51,52,53から構成される。
【0079】
アンテナパターン1B,2,3,4は、例えば銅箔をパターン形成したものであり、その形状は平面コイル状である。また、厚さは例えば18μmである。
【0080】
層間絶縁材51は、アンテナパターン1Bとアンテナパターン2とを隔てる絶縁基板であり、層間絶縁材52は、アンテナパターン2とアンテナパターン3とを隔てる絶縁基板であり、層間絶縁材53は、アンテナパターン3とアンテナパターン4とを隔てる絶縁基板である。
【0081】
これらの層間絶縁材51、52、53には、例えばガラスクロス入りエポキシ系樹脂、アラミド樹脂、液晶ポリマー、BTレジン等のリジッドな有機絶縁材料を使用することができ、厚さは例えばそれぞれ例えば0.03mmないし0.1mmとすることができる。また、これらのリジッドな有機絶縁材料に代えて、ポリイミド、ポリエステル等のフレキシブルな有機絶縁材料の板材を用いることも可能である。さらにこれらの有機系材料の板材に代えてセラミック等の無機材料の板材を用いることも可能である。
【0082】
ソルダーレジスト54は、上記実施形態で説明したとおりである。ソルダーレジスト55は、金属バンプ形成が必要なパターン部位を除いて、アンテナパターン4が形成された層間絶縁材の面に形成されている(厚さは例えば25μm)。
【0083】
外部端子70D,70Eは、配線基板のICチップ10が実装された面を取り囲む端面に縦方向に2個形成され、アンテナパターン1B又はアンテナパターン4とそれぞれ電気的に接続している。外部端子70D,70Eは、例えばCuから構成され、必要に応じてその表面には、酸化防止のためのめっき処理を施してもよい。
【0084】
保護層には、本実施形態では、モールド樹脂57を適用することができる。モールド樹脂57は、少なくとも、層間絶縁材51の面上に機能面を上に向けて設けられたICチップ10を覆い、かつソルダーレジスト54を介して層間絶縁材51の面に設けられた外層アンテナパターン1Bを覆うように形成される(厚さは例えば0.5mm:この実施形態では全面に形成されている。)。モールド樹脂57の材質としては、例えばエポキシ樹脂等を使用することができる。モールド樹脂57によりICチップ10とアンテナパターン1Bは、外部環境から保護される。
【0085】
以下、本実施形態の非接触データキャリア100Bの製造方法の一例について説明する。
【0086】
まず、銅箔の必要な位置に層間接続のため(2層3層間接続体23のため)の突起状の銀バンプを印刷形成し、その銀バンプが貫通するようにその銅箔上に層間絶縁材52を積層一体化する。次に、貫通した銀バンプの先端を塑性変形するように層間絶縁材52上に別の銅箔を積層一体化する。そして、両面の銅箔をエッチングでパターン化しアンテナパターン2,3とする。
【0087】
さらに別の銅箔の必要な位置に層間接続のため(1層2層間接続体12、3層4層間接続体34のため)の突起状の銀バンプが形成され、その銀バンプが貫通するようにそれらの銅箔上に層間絶縁材51または層間絶縁材53が積層一体化されたものを用意する。そして、これらを上記のアンテナパターン2,3が形成された層間絶縁材52上両面に、それらの貫通した銀バンプの先端を塑性変形させるようにそれぞれ積層一体化する。
【0088】
そして、層間絶縁材51上の銅箔、層間絶縁材53上の銅箔をそれぞれエッチングでパターン化し、アンテナパターン1B、めっき形成用パターン8(図13参照)及びめっき形成用電極パッド7(図13参照)を含む配線層と、アンテナパターン4、上記めっき形成用パターン8と略同一形状のパターンを含む配線層を形成する。
【0089】
次に、ソルダーレジスト54をアンテナパターン1Bが形成された層間絶縁材51の面に作る。ソルダーレジスト54は、例えばICチップ10と接続するためのチップ接続端子9等の形状に合わせた開口を有する。同様にして、ソルダーレジスト55を、金属バンプの形成が必要なパターン部位を除いて、アンテナパターン4が形成された層間絶縁材53の面につくる。
【0090】
この後、ソルダーレジスト54,55の開口から露出した領域に、めっき形成用パターン8とめっき形成用電極パッド7を用いて電解Niめっきと電解Auめっきを順に施し、例えばチップ接続端子9等を形成する。ICチップ10を接着剤で配線基板上に接合し、ワイヤボンディングによりICチップ10の電極端子(不図示)と、チップ接続端子9とを電気的に接続した後、モールド樹脂57の形成、個片化を順に行う。
【0091】
図13は、図11に示した非接触データキャリア100Bが個片として切り出される前の、非接触データキャリア用のパターンが多面付けされた配線基板300を模式的に示す平面図であり、アンテナパターン1Bが形成された面を示している。図11に示した非接触データキャリア100Bは、図13に示す状態から、その後、ICチップ10実装、モールド樹脂57の形成が順に施され、個々に切り出される。このような製造方法により効率的に製造できる。
【0092】
図13に示す、非接触データキャリア用のパターンが多面付けされた配線基板300には、各非接触データキャリアの周縁近くに、ダイシング線301等の切り出し線が形成されている。ダイシング線301は、アンテナパターン1B、めっき形成用パターン8及びめっき形成用電極パッド7の形成とともに、例えば銅箔のエッチングによりパターン形成されたものである。このとき、めっき形成用パターン8はダイシング線を跨ぐように形成される。
【0093】
ダイシング線301に沿って個片化を行うと、ICチップ10実装面に形成されためっき形成用パターン8、ICチップ10実装面とは反対側の面に形成されためっき形成用パターン8と略同一形状のパターンの一部がそれぞれ切断されて、各非接触データキャリア100BのICチップ実装10面を取り囲む端面に露出し、これが外部端子70D,70Eとなる。よって、本実施形態では、外部端子70D,70Eが縦方向に2個形成される(図12参照)。
【0094】
また、図13に示す、非接触データキャリア用のパターンが多面付けされた配線基板300では、製造工程で生じやすいアンテナのパターン断線、短絡等について、全てのアンテナパターンを一括して検査することができる。めっき形成用電極パッド7を、外部の検査装置と導通するための電極として使用し、この電極パッド7と電気的に接続されためっき形成用パターン8、めっき形成用パターン8と略同一形状のパターンを介して、各アンテナパターンのパターン断線等を検査する。これによれば、従来のように個々のアンテナパターン毎に検査することなく、配線基板に形成された複数のアンテナパターンを一度に検査し、容易かつ迅速に断線、短絡等を検出することができる。この後、ICチップ10の実装、モールド樹脂57の形成、ダイシングによる個片化を順に行う。これにより、図14に示すような本実施形態の非接触データキャリア100Bが得られる。図14は、個片として切り出された非接触データキャリア100Bの構成を模式的に示す平面図であり、モールド樹脂57の図示を省略している。
【0095】
したがって、本実施形態によれば、配線基板の両面にそれぞれ形成されためっき形成用パターン8(ICチップ10実装面)と、めっき形成用パターン8と略同一形状のパターン(ICチップ10実装面とは反対側の面)を介して、多面付けされたアンテナパターンの断線等の検査を一度に行うことができ、この後、ICチップ10の実装、モールド樹脂57の形成、個片化を順に行うことで、低コストで効率よく非接触データキャリア100Bを得ることができる。
【0096】
また、製造工程におけるパターン断線等の異常を早期に発見することができ、不良品の大量発生を防止でき、さらには得られる非接触データキャリア100Bの信頼性の向上を図ることができる。
【0097】
また、得られる非接触データキャリア100Bに形成された外部端子70D,70Eは、非接触データキャリア100Bの端面に複数個形成されており、外部端子70D,70Eの使用目的に応じて、非接触データキャリア100Bの利用範囲が広がる。
【0098】
なお、本実施形態では、非接触データキャリア用のパターンが多面付けされた配線基板として図13を用いて説明したが、図15に示す形態でもよい。図15に示す非接触データキャリア用配線基板は、図13とは、めっき形成用パターン8、めっき形成用電極パッド7の形状が異なる。
【0099】
また、非接触データキャリア100Bの製造工程として、各配線層の層間接続体として銀バンプを用いたが、層間接続体として層間絶縁材にスルーホールを形成し、そのスルーホール内に導電層を形成したものを使用することもできる。
【0100】
また、アンテナパターン1B,2,3,4が形成された各配線層には、アンテナの機能に影響を与えないものであれば、アンテナパターン1B,2,3,4以外のパターンが形成されていてもよい。このようなパターンとしては、上述しためっき形成用パターン8以外に、例えば何らかのダミーパターン、層間接続体用のランドパターンなどが挙げられる。
【0101】
また、本実施形態では、外部端子70D,70Eを2個備えた非接触データキャリア100Bについて説明したが、外部端子を3個以上形成することもできる。非接触データキャリア100Bの製造工程において、例えば、アンテナパターン2,3とともに、めっき形成用パターン8と略同一形状のパターンを銅箔のエッチングにより作成することで、個片化の際にこのパターンが切断されて、個々の非接触データキャリア100Bの断面に露出する。これにより、外部端子を3個上形成することができる。
【0102】
以上、本発明の各実施の形態により具体的に説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る非接触データキャリアの構成を模式的に示す断面図。
【図2】図1に示した非接触データキャリアの構成を模式的に示す透過斜視図。
【図3】図1に示した非接触データキャリアが個片として切り出される前の、非接触データキャリア用のパターンが多面付けされた配線基板を模式的に示す平面図。
【図4】外部端子を、面付けの位置を示す識別表示用端子として使用する場合の一例を示す図。
【図5】非接触データキャリア用のパターンが多面付けされた配線基板において、アンテナパターンにダイポール型アンテナの変形例を適用した配線基板を模式的に示す平面図。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る非接触データキャリアの構成を模式的に示す断面図。
【図7】図6に示す非接触データキャリアの外部端子を模式的に示す斜視図。
【図8】図6に示した非接触データキャリアが個片として切り出される前の、非接触データキャリア用のパターンが多面付けされた配線基板を模式的に示す平面図。
【図9】図8に示す非接触データキャリア用配線基板の変形例を模式的に示す平面図。
【図10】図7に示した非接触データキャリアの外部端子の変形例を模式的に示す断面図。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る非接触データキャリアの構成を模式的に示す断面図。
【図12】図11に示す非接触データキャリアの外部端子を模式的に示す斜視図。
【図13】図11に示した非接触データキャリアが個片として切り出される前の、非接触データキャリア用のパターンが多面付けされた配線基板を模式的に示す平面図。
【図14】個片として切り出された非接触データキャリアを模式的に示す平面図。
【図15】図13に示す非接触データキャリア用配線基板の変形例を模式的に示す平面図。
【符号の説明】
【0104】
1,1A,1B,1C,1D,2,3,4…アンテナパターン、6…配線パターン、7,7A…めっき形成用電極パッド、8…めっき形成用パターン、9…チップ接続端子、10…ICチップ、12…1層2層間接続体、23…2層3層間接続体、34…3層4層間接続体、41…スルーホール導通部、51,52,53…層間絶縁材、54,55…ソルダーレジスト、56…保護フィルム、57…モールド樹脂、60…ダイパッド、70,70A,70B,70C,70D,70E,70F,70G,70H,70I,70J,70K…外部端子、100,100A,100B,100C,100D…非接触データキャリア、101,101A,200,200A,300,300A…個片化前の非接触データキャリア用配線基板、201…打ち抜き線、301…ダイシング線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを格納可能なICチップと、
前記ICチップが実装され、ICチップに電気的に接続されたアンテナパターンを含む配線層を有する配線基板と、
前記配線基板の前記ICチップが実装された面を取り囲む端面に形成され、前記アンテナパターンと電気的に接続された外部端子と
を具備することを特徴とする非接触データキャリア。
【請求項2】
前記外部端子が、前記ICチップ実装面を取り囲む端面に対して凹凸なく同一平面上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の非接触データキャリア。
【請求項3】
前記外部端子が、識別表示用端子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の非接触データキャリア。
【請求項4】
前記外部端子が、外部への接続用端子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の非接触データキャリア。
【請求項5】
前記ICチップが実装された前記配線基板の面上に、少なくともICチップを覆うように形成された保護層をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の非接触データキャリア。
【請求項6】
非接触データキャリア用のパターンが多面付けされた配線基板であって、
絶縁基板と、
前記絶縁基板に略同一形状のパターンが多面付けで形成された複数の第1のパターンと、前記複数の第1のパターンと電気的に接続された第2のパターンとを含む配線層と、
を具備することを特徴とする非接触データキャリア用配線基板。
【請求項7】
前記第1のパターンが、アンテナパターンであることを特徴とする請求項6に記載の非接触データキャリア用配線基板。
【請求項8】
前記第2のパターンが、前記アンテナパターンのパターン断線検査用であることを特徴とする請求項7に記載の非接触データキャリア用配線基板。
【請求項9】
前記第2のパターンが、個片化の切り出し線を跨ぐように形成されていることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の非接触データキャリア用配線基板。
【請求項10】
前記第2のパターンと電気的に接続された電極パッドをさらに具備することを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の非接触データキャリア用配線基板。
【請求項11】
前記電極パッドが、パターン断線検査用であることを特徴とする請求項10に記載の非接触データキャリア用配線基板。
【請求項12】
個片化が、ダイシングによってなされることを特徴とする請求項6乃至11のいずれか1項に記載の非接触データキャリア用配線基板。
【請求項13】
個片化が、打ち抜きによってなされることを特徴とする請求項6乃至11のいずれか1項に記載の非接触データキャリア用配線基板。
【請求項14】
個片化の際に、前記第2のパターンの一部が切断されて、個片化された各非接触データキャリアのICチップ実装面を取り囲む端面に露出する外部端子となることを特徴とする請求項6乃至13のいずれか1項に記載の非接触データキャリア用配線基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−52492(P2008−52492A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−227794(P2006−227794)
【出願日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】