説明

非晶質軟磁性合金粉末及びその製造方法、並びに非晶質軟磁性合金粉末を用いた圧粉磁心、インダクタ及び磁性シート

【課題】粒径の更に小さい高飽和磁束密度の非晶質軟磁性合金粉末を提供すること。
【解決手段】液相還元法により、例えば、下記組成を有する合金粉末を製造する:Fe100−a−b−x(NはCu,Ag,Au,Pt,Pdから選ばれる1種以上の元素であり、a,b,xは20原子%≦a≦35原子%、1原子%≦b≦3原子%、0原子%<x≦15原子%を満たす。)。これにより得られた軟磁性合金粉末は、平均粒径が0.05μm以上1.0μm以下であり、且つ、非晶質単相からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒径の小さい非晶質軟磁性合金粉末及びその製造方法に関する。また、本発明は、その粒径の小さい非晶質軟磁性合金粉末を用いた圧粉磁心、インダクタ及び磁性シートに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ヒステリシス損失が小さく飽和磁束密度が高い非晶質軟磁性合金粉末を用いて圧粉磁心を製造しようとする傾向が強くなってきている。特に、粒径の小さい非晶質軟磁性合金粉末を用いた場合、圧粉磁心における渦電流の発生を低減することができるという利点もある。一方、軟磁性合金粉末と結合材とから形成される磁性シートの分野においても、小さい粒径を有する軟磁性合金粉末を用いることによる高周波特性の向上が期待されている。
【0003】
非晶質軟磁性合金粉末の製造方法としては、水アトマイズ法やガスアトマイズ法などの液体急冷法が一般的である。しかしながら、液体急冷法で作製された非晶質粉末の平均粒径は10μm程度が限界である。
【0004】
液体急冷法以外の非晶質粉末の製造方法としては、特許文献1乃至特許文献3に開示された液相還元法がある。この液相還元法によれば、粒径が3μm以下のCoNi合金粉末などを得ることができる。また、液相還元法による他の報告例として、FeNi合金ナノ粒子を製造する技術について特許文献4に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−317021号公報
【特許文献2】特開2000−87120号公報
【特許文献3】特開2001−279306号公報
【特許文献4】特開2008−024961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1乃至特許文献3の方法により得られる非晶質合金粉末は、飽和磁束密度が低いという問題があった。また、特許文献1乃至特許文献3の方法よりも粒径の小さい非晶質軟磁性合金粉末に対する要望もある。
【0007】
そこで、本発明は、粒径の更に小さい高飽和磁束密度の非晶質軟磁性合金粉末及びそれを得るための製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、非晶質軟磁性合金粉末の第1の製造方法として、
原料となる金属塩、錯化剤、分散剤及びP系還元剤を含む原料液を用意すると共に、B系還元剤を含む還元液を用意する用意工程と、
前記原料液にpH調整剤を加えてpH調整されたpH調整後液を得るpH調整工程と、
前記pH調整後液を撹拌しながら該pH調整後液に対して前記還元剤を滴下することにより非晶質軟磁性合金粉末を得る還元工程と
を備える非晶質軟磁性合金粉末の製造方法が得られる。
【0009】
また、本発明によれば、第2の製造方法として、第1の製造方法であって、
前記非晶質軟磁性合金粉末は、FeBPN(NはCu,Ag,Au,Pt,Pdから選ばれる1種以上の元素)であり、
前記金属塩は、Fe元素及びN元素を含有する塩である
製造方法が得られる。
【0010】
また、本発明によれば、第3の製造方法として、第2の製造方法であって、
前記用意工程において前記原料液中における前記金属塩の濃度を調整することにより、前記還元工程おいてFe100−a−b−x(ここで、a,b,xは20原子%≦a≦35原子%、1原子%≦b≦3原子%、0原子%<x≦15原子%を満たす)で示される組成を有する前記非晶質軟磁性合金を得る
製造方法が得られる。
【0011】
また、本発明によれば、第4の製造方法として、第1の製造方法であって、
前記非晶質軟磁性合金粉末は、FeBPM(MはCo,Niから選ばれる1種以上の元素)であり、
前記金属塩は、Fe元素及びM元素を含有する塩である
製造方法が得られる。
【0012】
また、本発明によれば、第5の製造方法として、第4の製造方法であって、
前記用意工程において前記原料液中における前記金属塩の濃度を調整することにより、前記還元工程においてFe100−c−d−y(ここで、c、d、yは20原子%≦c≦35原子%、1原子%≦d≦5原子%、0原子%<y≦40原子%を満たす)で示される組成を有する前記非晶質軟磁性合金を得る
製造方法が得られる。
【0013】
また、本発明によれば、第6の製造方法として、第1の製造方法であって、
前記非晶質軟磁性合金粉末は、FeBPNM(NはCu,Ag,Au,Pt,Pdから選ばれる1種以上の元素であり、MはCo,Niから選ばれる1種以上の元素)であり、
前記金属塩は、Fe元素及びN元素及びM元素を含有する塩である
製造方法が得られる。
【0014】
また、本発明によれば、第7の製造方法として、第6の製造方法であって、
前記用意工程において前記原料液中における前記金属塩の濃度を調整することにより、前記還元工程においてFe100−e−f−x−y(ここで、e,f,x,yは20原子%≦e≦35原子%、1原子%≦f≦5原子%、0原子%<x≦15原子%、0原子%<y≦40原子%を満たす)で示される組成を有する前記非晶質軟磁性合金を得る
製造方法が得られる。
【0015】
また、本発明によれば、第8の製造方法として、第1乃至第7の製造方法のいずれかであって、
前記還元工程において、前記pH調整後液を撹拌する際に当該pH調整後液に対する超音波照射も行う
製造方法が得られる。
【0016】
更に、本発明によれば、第1の非晶質軟磁性合金粉末として、
Fe100−a−b−x(NはCu,Ag,Au,Pt,Pdから選ばれる1種以上の元素であり、a,b,xは20原子%≦a≦35原子%、1原子%≦b≦3原子%、0原子%<x≦15原子%を満たす)で表される組成を有し、平均粒径が0.05μm以上1.0μm以下の粒子又はその集合体からなる非晶質軟磁性合金粉末が得られる。
【0017】
また、本発明によれば、第2の非晶質軟磁性合金粉末として、
Fe100−c−d−y(MはCo,Niから選ばれる1種以上の元素であり、c,d,yは20原子%≦c≦35原子%、1原子%≦d≦5原子%、0原子%<y≦40原子%を満たす)で表される組成を有し、平均粒径が0.05μm以上1.0μm以下の粒子又はその集合体からなる非晶質軟磁性合金粉末が得られる。
【0018】
また、本発明によれば、第3の非晶質軟磁性合金粉末として、
Fe100−e−f−x−y(NはCu,Ag,Au,Pt,Pdから選ばれる1種以上の元素であり、MはCo,Niから選ばれる1種以上の元素であり、e,f,x,yは20原子%≦e≦35原子%、1原子%≦f≦5原子%、0原子%<x≦15原子%、0原子%<y≦40原子%を満たす)で表される組成を有し、平均粒径が0.05μm以上1.0μm以下の粒子又はその集合体からなる非晶質軟磁性合金粉末が得られる。
【0019】
また、本発明によれば、第1乃至第3の非晶質軟磁性合金粉末のいずれかを結合材と混合し、圧縮成型してなる圧粉磁心が得られる。
【0020】
また、本発明によれば、当該圧粉磁心とコイルとを備えるインダクタが得られる。
【0021】
更に、本発明によれば、第1乃至第3の非晶質軟磁性合金粉末のいずれかと結合材とから形成された磁性シートが得られる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の製造方法によれば、平均粒径が0.05μm以上1.0μm以下で高い飽和磁束密度を有する非晶質軟磁性合金粉末を得ることができる。
【0023】
この非晶質軟磁性合金粉末を用いて圧粉磁心を構成すると、圧粉磁心における渦電流損失が改善される。従って、その圧粉磁心を用いると、特に高周波領域において低損失なインダクタを得ることができる。
【0024】
更に、上述した非晶質軟磁性合金粉末を用いて磁性シートを構成すると、磁性シートにおける高周波磁気損失特性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例1による非晶質軟磁性合金粉末の走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】本発明の実施例1による非晶質軟磁性合金粉末のX線回折パターンを示す図である。
【図3】本発明の実施例1による非晶質軟磁性合金粉末を用いて作製した圧粉磁心及び比較例1、7による圧粉磁心について計測したμ″−f特性を示す図である。
【図4】本発明の実施例1による非晶質軟磁性合金粉末により作製した磁性シート及び比較例8による磁性シートについて計測した透磁率μ(実部:μ′,虚部:μ″)の周波数依存性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に説明する本発明の実施の形態による非晶質軟磁性合金粉末の製造方法によって得られる非晶質軟磁性合金粉末は、平均粒径が0.05μm以上1.0μm以下の粒子又はその集合体からなる非晶質軟磁性合金粉末であり、詳しくは、次の3つの組成式のいずれかで示される組成を有するものである。
1) Fe100−a−b−x
ここで、NはCu,Ag,Au,Pt,Pdから選ばれる1種以上の元素であり、a,b,xは20原子%≦a≦35原子%、1原子%≦b≦3原子%、0原子%<x≦15原子%を満たす。
2) Fe100−c−d−y
ここで、MはCo,Niから選ばれる1種以上の元素であり、c,d,yは20原子%≦c≦35原子%、1原子%≦d≦5原子%、0原子%<y≦40原子%を満たす。
3) Fe100−e−f−x−y
ここで、NはCu,Ag,Au,Pt,Pdから選ばれる1種以上の元素であり、MはCo,Niから選ばれる1種以上の元素であり、e,f,x,yは20原子%≦e≦35原子%、1原子%≦f≦5原子%、0原子%<x≦15原子%、0原子%<y≦40原子%を満たす。
【0027】
上述した非晶質軟磁性合金粉末の製造方法は、原料となる金属塩、錯化剤、分散剤及びP系還元剤を含む原料液を用意すると共に、B系還元剤を含む還元液を用意する用意工程と、原料液にpH調整剤を加えて所定のpHを有するように調整されたpH調整後液を得るpH調整工程と、pH調整後液を撹拌しながらそのpH調整後液に対して還元剤を滴下することにより非晶質軟磁性合金粉末を得る還元工程とを備えている。ここで、所定のpHとは、例えば、還元工程における還元反応の開始に最適なpHである。
【0028】
詳しくは、用意工程においては、原料となる金属塩、錯化剤、分散剤及びP系還元剤をそれぞれ秤量し、蒸留水と共にビーカー等の耐薬品性容器に投入し、これを撹拌しながら溶解することで原料液を製造する。更に、B系還元剤を秤量し、蒸留水と共に別の耐薬品性容器に投入し、撹拌しながら溶解することで還元液を製造する。ここで、金属塩、錯化剤、分散剤及びP系還元剤の秤量、並びにB系還元剤の秤量は、上述した1)〜3)の非晶質軟磁性合金粉末の組成を考慮して行われる。
【0029】
原料として使用可能な金属塩は、上述した1)の合金粉末の場合には、Fe元素を含む塩とN元素を含む塩であり、上述した2)の合金粉末の場合には、Fe元素を含む塩とM元素を含む塩であり、上述した3)の合金粉末の場合には、Fe元素を含む塩とN元素を含む塩とM元素を含む塩である。具体的な金属塩としては、例えば、各金属元素(Fe元素と、N元素及び/又はM元素)を含有する塩化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、しゅう酸塩、金属錯体などが使用可能である。
【0030】
原料として使用可能な錯化剤としては、例えば、塩化アンモニウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸、酢酸ナトリウム、エチレングリコール、アンモニア水、ヒドラジンなどがある。
【0031】
原料として使用可能な分散剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリカルボン酸、ポリエチレンイミンなどがある。
【0032】
原料として使用可能なP系還元剤としては、例えば、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸、次亜リン酸アンモニウム、次亜リン酸カルシウム、亜リン酸などがある。また、原料として使用可能なB系還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、ジメチルアミンボランなどがある。
【0033】
pH調整工程においては、上述した用意工程において製造した原料液を耐薬品性容器内で撹拌しながらpH調整剤を投入することで、原料液を還元反応の開始に最適なpHに調整する。このpHの調整された原料液を以下においてはpH調整後液という。
【0034】
pH調整剤として使用可能な物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水などがある。
【0035】
還元工程においては、pH調整後液を撹拌しながら、その中に前述の用意工程において用意した還元液を滴下する。この還元工程によれば、pH調整後液に滴下した還元液の作用により、pH調整後液中に存在する金属イオン(Feイオンと、Nイオン及び/又はMイオン)が還元され、同時にPイオン及びBイオンも還元されることによって、これらの元素が析出する。その結果、Fe元素、P元素、B元素を主たる構成元素とし、更にN元素及び/又はM元素を含む非晶質軟磁性合金粉末が生成される。
【0036】
このようにして生成された非晶質軟磁性合金粉末と結合材を混合し、圧縮成形することで圧粉磁心を製造することができ、更に、その圧粉磁心をコイルと組み合わせることでインダクタを製造することができる。ここで、圧粉磁心における結合材の含有量は、絶縁性を確保する観点から1重量%以上であることが好ましく、また、著しい飽和磁束密度や透磁率の低下を避けるために5重量%以下とするのが好ましい。なお、圧縮成形時にステアリン酸などの潤滑剤を適宜添加してもよい。
【0037】
上述した圧粉磁心の製造に用いる結合材としては熱硬化性樹脂が効果的であり、その樹脂の種類は圧粉磁心の用途や必要な耐熱性によって適宜選択することができる。圧粉磁心製造に好適な結合材としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、キシレン樹脂などがある。
【0038】
一方、上述した非晶質軟磁性合金粉末と結合材とから磁性シートを製造することもできる。磁性シートの製造に好適な結合材としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニルプチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロール系樹脂、ニトリル−ブタジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン系ゴム等の熱可塑性樹脂、若しくは、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミド系樹脂、イミド系樹脂等の熱硬化性樹脂等がある。
【実施例】
【0039】
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。
【0040】
まず、上述した1)の非晶質軟磁性合金粉末(組成式:Fe100−a−b−x;NはCu,Ag,Au,Pt,Pdから選ばれる1種以上の元素であり、a,b,xは20原子%≦a≦35原子%、1原子%≦b≦3原子%、0原子%<x≦15原子%を満たす。)について、実施例1〜10及び比較例1,2を例示して説明する。
【0041】
(実施例1)
金属塩として塩化鉄(II)水和物を1.0mol/l(モル/リットル)、塩化銅(II)水和物を4.0×10−4mol/l、錯化剤として塩化アンモニウム及びクエン酸三ナトリウム水和物をそれぞれ1.5mol/l、0.8mol/l、分散剤としてポリビニルピロリドンを0.004mol/l、P系還元剤として次亜リン酸ナトリウム水和物を1.5mol/lの濃度となるようにそれぞれ秤量し、ガラス製容器内に蒸留水200mlと共に投入した。これを、室温において撹拌機により回転数:160rpm〜300rpmで60〜120分間撹拌することで原料液を作製した。
【0042】
また、B系還元剤として水素化ホウ素ナトリウムを0.7mol/lの濃度となるように秤量し、原料液とは別のガラス製容器内に蒸留水150mlと共に投入し、これを室温において撹拌機により回転数:160〜300rpmで5〜10分間撹拌することで還元液を作製した。
【0043】
次に、作製した原料液を室温において撹拌機により回転数:160〜300rpmで撹拌しながら、pH調整剤として30%水酸化ナトリウム水溶液を滴下することで、pH=10となるように調整し、pH調整後液とした。
【0044】
次に、撹拌機により回転数:160〜300rpmで撹拌しているpH調整後液に対して、滴下装置を用いて滴下速度:200ml/hrで還元液の滴下を行った。ここで、滴下時においては超音波発生装置によりpH調整後液に対して超音波照射しながら還元液を滴下してもよい。pH調整後液に対して超音波照射しながら還元液を滴下すると、還元反応の促進を図ることができる。
【0045】
pH調整後液に対する還元液の滴下終了後、pH調整後液表面からの泡の発生が落ち着いたことを確認してから、析出した粉末を液中から分離して水洗い及びアルコール洗浄した後、不活性雰囲気中で乾燥することで合金粉末を得た。
【0046】
(実施例2〜6、比較例1、2)
また、塩化銅(II)水和物の濃度を0(比較例1)、4.0×10−3(実施例2)、8.0×10−3(実施例3)、1.0×10−2(実施例4)、4.0×10−2(実施例5)、6.0×10−2(実施例6)、8.0×10−2(比較例2)mol/lと変化させ、それ以外は上述した実施例1と同じ製造条件で作業を行い、粉末を得た。
【0047】
(実施例7〜10)
更に、実施例1における塩化銅(II)水和物の代わりに、塩化銀(I)(実施例7)、テトラクロロ金酸ナトリウム水和物(実施例8)、テトラクロロ白金酸カリウム(実施例9)、塩化パラジウム(II)(実施例10)をそれぞれ8.0×10−3mol/l使用し、それ以外は上述した実施例1と同じ製造条件で作業を行い、粉末を得た。
【0048】
上述したようにして得られた実施例1〜10及び比較例1、2の粉末について、ICP発光分析装置を用いた組成分析、BET比表面積計を用いた粒径の測定、X線回折(XRD)を用いた結晶構造の同定を行った。それらの結果を表1に示す。
【0049】
【表1】

【0050】
表1から理解されるように、1)の組成の条件を満たす実施例1〜10の粉末は、平均粒径が0.1μmから0.9μmと小さく、且つ、いずれも非晶質単相からなるものであった。
【0051】
これに対して、1)の組成の条件を満たさない比較例1の粉末は、非晶質単相からなるものではあるものの、平均粒径が1.1μmとなっており、同様に1)の組成の条件を満たさない比較例2の粉末は、平均粒径が1.1μmであり、且つ、非晶質と結晶質(Cu)の混相からなるものであった。
【0052】
実施例1の粉末の平均粒径及び結晶構造については、図1及び図2からも理解できる。
【0053】
図1は、実施例1の粉末の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。図1からも、実施例1の粉末が平均粒径0.1μmの微細粒子からなるものであることが理解される。
【0054】
図2は、実施例1の粉末のX線回折結果である。一般に、得られた粉末の結晶構造が結晶質か非晶質かの判定は、X線回折プロファイルにより行うことができる。具体的には、結晶質の場合、析出した化合物の結晶構造に由来する鋭いピークが生じるが、非晶質の場合は、結晶構造を有しないため、結晶質特有の鋭いピークは見られず、代わりに2θ=45°、80°の位置にブロードなピークが生じる。また、結晶質と非晶質とが混在する場合、結晶質の鋭いピークと非晶質のブロードなピークが混在したX線回折プロファイルが得られる。かかる判定基準に基づいて実施例1の粉末の結晶構造を判定すると、図2に示されたX線回折プロファイルは非晶質特有のブロードなピークのみを有するものであるので、実施例1の粉末が非晶質単相を有していることが図2からも理解できる。
【0055】
以上説明したように、本発明の液相還元法により得られた軟磁性合金粉末であって、上述した1)の組成(Fe100−a−b−x)を有する軟磁性合金粉末は、平均粒径が1.0μm以下であり、且つ、非晶質であるので、これを用いれば良好な特性を有する圧粉磁心やインダクタを得ることもできるし、また良好な高周波特性を有する磁性シートを得ることもできる。
【0056】
次いで、上述した2)の非晶質軟磁性合金粉末(組成式:Fe100−c−d−y;MはCo,Niから選ばれる1種以上の元素であり、c,d,yは20原子%≦c≦35原子%、1原子%≦d≦5原子%、0原子%<y≦40原子%を満たす。)について、実施例11〜22及び比較例1,3,4を例示して説明する。
【0057】
(実施例11〜16、比較例1、3)
実施例1における塩化銅(II)水和物の代わりに、塩化コバルト(II)水和物の濃度をそれぞれ、0(比較例1)、1.0×10−2(実施例11)、2.0×10−2(実施例12)、4.0×10−2(実施例13)、6.0×10−2(実施例14)、1.0×10−1(実施例15)、3.0×10−1(実施例16)、5.0×10−1(比較例3)mol/lと変化させ、それ以外は上述した実施例1と同じ製造条件で作業を行い、粉末を得た。
【0058】
(実施例17〜22、比較例1、4)
実施例1における塩化銅(II)水和物の代わりに、塩化ニッケル(II)水和物の濃度をそれぞれ、0(比較例1)、1.0×10−3(実施例17)、1.0×10−2(実施例18)、2.0×10−2(実施例19)、4.0×10−2(実施例20)、6.0×10−2(実施例21)、1.0×10−1(実施例22)、3.0×10−1(比較例4)mol/lと変化させ、それ以外は上述した実施例1と同じ製造条件で作業を行い、粉末を得た。
【0059】
このようにして得られた実施例11〜22及び比較例1,3,4の粉末について、ICP発光分析装置を用いた組成分析、BET比表面積計を用いた粒径の測定、X線回折(XRD)を用いた結晶構造の同定を行った。それらの結果を表2に示す。
【0060】
【表2】

【0061】
表2から理解されるように、2)の組成の条件を満たす実施例11〜22の粉末は、平均粒径が0.05μmから1.0μmと小さく、且つ、いずれも非晶質単相からなるものであった。
【0062】
これに対して、比較例1,3,4の粉末は、いずれも非晶質単相からなるものであるが、平均粒径が、夫々、1.1μm、1.3μm、1.5μmとなっている。
【0063】
このように、本発明の液相還元法により得られた軟磁性合金粉末であって、上述した2)の組成(Fe100−c−d−y)を有する軟磁性合金粉末は、平均粒径が1.0μm以下であり、且つ、非晶質であるので、これを用いれば良好な特性を有する圧粉磁心やインダクタを得ることもできるし、また良好な高周波特性を有する磁性シートを得ることもできる。
【0064】
次いで、上述した3)の非晶質軟磁性合金粉末(組成式:Fe100−e−f−x−y;NはCu,Ag,Au,Pt,Pdから選ばれる1種以上の元素であり、MはCo,Niから選ばれる1種以上の元素であり、e,f,x,yは20原子%≦e≦35原子%、1原子%≦f≦5原子%、0原子%<x≦15原子%、0原子%<y≦40原子%を満たす。)について、実施例23〜39及び比較例1,5,6を例示して説明する。
【0065】
(実施例23〜28、比較例1、5)
実施例1に加えて、塩化コバルト(II)水和物を同様に原料液中に添加し、試験を行った。使用した塩化銅(II)水和物の濃度はそれぞれ、0(比較例1)、4.0×10−4(実施例23)、4.0×10−3(実施例24)、8.0×10−3(実施例25)、1.0×10−2(実施例26)、4.0×10−2(実施例27)、6.0×10−2(実施例28)、9.0×10−2(比較例5)mol/lと変化させ、塩化コバルト(II)水和物の濃度は全て6.0×10−2mol/lとし、それ以外は上述した実施例1と同じ製造条件で作業を行い、粉末を得た。
【0066】
(実施例29〜34、比較例1、6)
実施例1に加えて、塩化コバルト(II)水和物を同様に原料液中に添加し、試験を行った。使用した塩化銅(II)水和物の濃度は全て8.0×10−3mol/l、塩化コバルト(II)水和物の濃度はそれぞれ、0(比較例1)、1.0×10−2(実施例29)、2.0×10−2(実施例30)、4.0×10−2(実施例31)、6.0×10−2(実施例32)、1.0×10−1(実施例33)、3.0×10−1(実施例34)、5.0×10−1(比較例6)mol/lと変化させ、それ以外は上述した実施例1と同じ製造条件で作業を行い、粉末を得た。
【0067】
(実施例35)
実施例25における塩化コバルト(II)水和物に変えて、塩化ニッケル(II)水和物を4.0×10−2mol/l使用した以外は、上述した実施例25と同じ製造条件で作業を行い、粉末を得た。
【0068】
(実施例36〜39)
実施例25における塩化銅(II)水和物に変えて、塩化銀(I)(実施例35)、テトラクロロ金酸ナトリウム水和物(実施例36)、テトラクロロ白金酸カリウム(実施例37)、塩化パラジウム(II)(実施例38)を6.0×10−2mol/l使用した以外は、上述した実施例25と同じ製造条件で作業を行い、粉末を得た。
【0069】
このようにして得られた実施例23〜39及び比較例1,5,6の粉末について、ICP発光分析装置を用いた組成分析、BET比表面積計を用いた粒径の測定、X線回折(XRD)を用いた結晶構造の同定を行った。それらの結果を表3に示す。
【0070】
【表3】

【0071】
表3から理解されるように、3)の組成の条件を満たす実施例23〜39の粉末は、平均粒径が0.05μmから1.0μmと小さく、且つ、いずれも非晶質単相からなるものであった。
【0072】
これに対して、比較例1の粉末は、上述したように、非晶質単相からなるものであるが、平均粒径が1.1μmとなっている。また、比較例5の粉末は、平均粒径が1.2μmであり、且つ、非晶質と結晶質(Cu)の混相からなるものであった。更に、比較例6の粉末は、非晶質単相からなるものではあるが、平均粒径が1.5μmとなっている。
【0073】
このように、本発明の液相還元法により得られた軟磁性合金粉末であって、上述した3)の組成(Fe100−e−f−x−y)を有する軟磁性合金粉末は、平均粒径が1.0μm以下であり、且つ、非晶質であるので、これを用いれば良好な特性を有する圧粉磁心やインダクタを得ることもできるし、また良好な高周波特性を有する磁性シートを得ることもできる。
【0074】
続いて、本発明の液相還元法により得られた非晶質軟磁性合金粉末の圧粉磁心への適用例について説明する。
【0075】
実施例1の非晶質軟磁性合金粉末に対して熱硬化性樹脂からなる結合剤を混合した。本実施例においては、熱硬化性樹脂としてフェノール樹脂を用い、樹脂成分で3.0重量%の割合となるように混合した。それにより得られた混合物を金型に充填し、面圧:10ton/cmの圧力で圧縮成型することで、外形13mm、内径8mm、高さ5mmのリング状とし、更に、樹脂硬化熱処理を行って圧粉磁心を得た。比較例1の粉末に対しても同様にして、圧粉磁心を得た。
【0076】
(比較例7)
比較例7の粉末として、水アトマイズ法によりFe基非晶質軟磁性合金粉末(平均粒径=10μm)を作製し、それを用いて圧粉磁心を製造した。具体的には、比較例7の粉末に対して樹脂成分で3.0重量%の割合となるようにフェノール樹脂を加えて混合した後、その混合物を金型に充填し、面圧:10ton/cmの圧力で圧縮成型することで、外形13mm、内径8mm、高さ5mmのリング状とし、更に、樹脂硬化熱処理を行って圧粉磁心を得た。
【0077】
次いで、実施例1の非晶質軟磁性合金粉末、比較例1、7の粉末を用いて製造された圧粉磁心の夫々に対して、銅線を用いて10ターンの巻線を施して、インダクタ試料を作製した。これらインダクタ試料について、インピーダンスアナライザーを用いて1kHz以上110MHz以下の周波数範囲におけるμ″−f特性を測定した。測定結果を図3に示す。
【0078】
図3に示されるように、実施例1の非晶質軟磁性合金粉末を用いて構成されたインダクタ試料のμ″値は各測定周波数において、比較例1の粉末を用いて構成されたインダクタ試料のμ″値よりも小さくなっている。特に、1MHz以上の周波数範囲では、実施例1のインダクタ試料のμ″値は比較例1のインダクタ試料のμ″値に比べて顕著に小さくなり、測定周波数が110MHzであるときの実施例1のインダクタ試料のμ″値は比較例1のインダクタ試料のvμ″値の約1/2まで低減されている。
【0079】
また、図3から理解されるように、実施例1の非晶質軟磁性合金粉末を用いて構成されたインダクタ試料のμ″値は、各測定周波数において、比較例7の粉末を用いて構成されたインダクタ試料のμ″値よりも小さくなっている。特に、1MHz以上の周波数範囲では、実施例1のインダクタ試料のμ″値は比較例7のインダクタ試料のμ″値に比べて顕著に小さくなり、測定周波数が110MHzであるときの実施例1のインダクタ試料のμ″値は比較例7のインダクタ試料のμ″値の約1/5まで低減されている。
【0080】
これらのことから理解されるように、本発明の液相還元法によれば、液体急冷法により作製された非晶質軟磁性合金粉末(約10μm程度)よりも粒径の小さい非晶質軟磁性合金粉末を作製することができることから、それを用いた圧粉磁心の特性を高めることができる。特に、上述した特定の組成(上述した組成1)〜3))を有する非晶質軟磁性合金粉末の場合、粒径を1μm以下にすることができるため、その非晶質軟磁性合金粉末を用いて圧粉磁心を製造し、それを利用してインダクタを構成することとすると、1MHz以上の高い周波数範囲においてμ″値が小さく低損失な圧粉磁心を有するインダクタを得ることができる。
【0081】
続いて、本発明の液相還元法により得られた非晶質軟磁性合金粉末の磁性シートへの適用例について説明する。
【0082】
実施例1の非晶質軟磁性合金粉末に対して樹脂成分で15重量%の割合となるように塩素化ポリエチレンを加えて混合した後、圧縮成型することで磁性シートを製造した。
【0083】
(比較例8)
比較例8の粉末としてFe−Si−Al粉末を用意し、その粉末に対して樹脂成分で15重量%の割合となるように塩素化ポリエチレンを加えて混合した後、圧縮成型することで磁性シートを製造した。
【0084】
次に、実施例1の非晶質軟磁性合金粉末を用いて製造された磁性シートと比較例8の粉末を用いて製造された磁性シートを夫々外形8mm、内径3mmのリング状に打ち抜くことで、試料を得た。これらの試料について、インピーダンスアナライザーを用いて、10MHz以上1.8GHz以下の周波数範囲における透磁率μ(実部:μ′、虚部:μ″)の周波数依存性を評価した。評価結果を図4に示す。
【0085】
図4に示されるように、実施例1の非晶質軟磁性合金粉末を用いて製造された磁性シートのμ′値は10MHz以上1.8GHz未満の測定周波数において、比較例8の粉末を用いて製造された磁性シートのμ′値よりも大きくなった。特に、比較例8の磁性シートではf=30MHzからμ′値の低下が始まったのに対し、実施例1の磁性シートではf=200MHzまでμ′値は約25を維持した後、低下が始まった。
【0086】
また、図4から理解されるように、比較例8の磁性シートでは、μ″値はf=20MHz以上70MHz以下の周波数範囲で立ち上がりが見られたが、実施例1の磁性シートでは、μ″値の立ち上がりは60MHz以上400MHz以下の周波数範囲となった。このことから、実施例1の磁性シートは比較例8の磁性シートよりも高い周波数範囲において、ノイズ抑制効果が得ることができるものと推定される。
【0087】
以上、本発明について実施例等を掲げて具体的に説明してきたが、本発明はこれらに限定されるわけではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で部材や構成の変更があっても、本発明に含まれる。即ち、当事者であれば、当然なしうるであろう各種変形、修正もまた本発明に含まれることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明の非晶質軟磁性合金粉末は、大電流化・高周波化への対応を必要とされている電子機器の電源部品用インダクタや、高周波領域における電磁ノイズを抑制するための磁性シートに用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料となる金属塩、錯化剤、分散剤及びP系還元剤を含む原料液を用意すると共に、B系還元剤を含む還元液を用意する用意工程と、
前記原料液にpH調整剤を加えてpH調整されたpH調整後液を得るpH調整工程と、
前記pH調整後液を撹拌しながら該pH調整後液に対して前記還元剤を滴下することにより非晶質軟磁性合金粉末を得る還元工程と
を備える非晶質軟磁性合金粉末の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の製造方法であって、
前記非晶質軟磁性合金粉末は、FeBPN(NはCu,Ag,Au,Pt,Pdから選ばれる1種以上の元素)であり、
前記金属塩は、Fe元素及びN元素を含有する塩である
製造方法。
【請求項3】
請求項2記載の製造方法であって、
前記用意工程において前記原料液中における前記金属塩の濃度を調整することにより、前記還元工程おいてFe100−a−b−x(ここで、a,b,xは20原子%≦a≦35原子%、1原子%≦b≦3原子%、0原子%<x≦15原子%を満たす)で示される組成を有する前記非晶質軟磁性合金を得る
製造方法。
【請求項4】
請求項1記載の製造方法であって、
前記非晶質軟磁性合金粉末は、FeBPM(MはCo,Niから選ばれる1種以上の元素)であり、
前記金属塩は、Fe元素及びM元素を含有する塩である
製造方法。
【請求項5】
請求項4記載の製造方法であって、
前記用意工程において前記原料液中における前記金属塩の濃度を調整することにより、前記還元工程においてFe100−c−d−y(ここで、c、d、yは20原子%≦c≦35原子%、1原子%≦d≦5原子%、0原子%<y≦40原子%を満たす)で示される組成を有する前記非晶質軟磁性合金を得る
製造方法。
【請求項6】
請求項1記載の製造方法であって、
前記非晶質軟磁性合金粉末は、FeBPNM(NはCu,Ag,Au,Pt,Pdから選ばれる1種以上の元素であり、MはCo,Niから選ばれる1種以上の元素)であり、
前記金属塩は、Fe元素及びN元素及びM元素を含有する塩である
製造方法。
【請求項7】
請求項6記載の製造方法であって、
前記用意工程において前記原料液中における前記金属塩の濃度を調整することにより、前記還元工程においてFe100−e−f−x−y(ここで、e,f,x,yは20原子%≦e≦35原子%、1原子%≦f≦5原子%、0原子%<x≦15原子%、0原子%<y≦40原子%を満たす)で示される組成を有する前記非晶質軟磁性合金を得る
製造方法。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7記載の製造方法であって、
前記還元工程において、前記pH調整後液を撹拌する際に当該pH調整後液に対する超音波照射も行う
製造方法。
【請求項9】
Fe100−a−b−x(NはCu,Ag,Au,Pt,Pdから選ばれる1種以上の元素であり、a,b,xは20原子%≦a≦35原子%、1原子%≦b≦3原子%、0原子%<x≦15原子%を満たす)で表される組成を有し、平均粒径が0.05μm以上1.0μm以下の粒子又はその集合体からなる非晶質軟磁性合金粉末。
【請求項10】
Fe100−c−d−y(MはCo,Niから選ばれる1種以上の元素であり、c,d,yは20原子%≦c≦35原子%、1原子%≦d≦5原子%、0原子%<y≦40原子%を満たす)で表される組成を有し、平均粒径が0.05μm以上1.0μm以下の粒子又はその集合体からなる非晶質軟磁性合金粉末。
【請求項11】
Fe100−e−f−x−y(NはCu,Ag,Au,Pt,Pdから選ばれる1種以上の元素であり、MはCo,Niから選ばれる1種以上の元素であり、e,f,x,yは20原子%≦e≦35原子%、1原子%≦f≦5原子%、0原子%<x≦15原子%、0原子%<y≦40原子%を満たす)で表される組成を有し、平均粒径が0.05μm以上1.0μm以下の粒子又はその集合体からなる非晶質軟磁性合金粉末。
【請求項12】
請求項9乃至請求項11のいずれかに記載の非晶質軟磁性合金粉末を結合材と混合し、圧縮成型してなる圧粉磁心。
【請求項13】
請求項12に記載の圧粉磁心とコイルとを備えるインダクタ。
【請求項14】
請求項9乃至請求項11のいずれかに記載の非晶質軟磁性合金粉末と結合材とから形成された磁性シート。

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2011−58058(P2011−58058A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−209832(P2009−209832)
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【出願人】(000134257)NECトーキン株式会社 (1,832)
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)
【Fターム(参考)】