説明

非荷電ポリマー粒子から製造されるフォトニック結晶

ポリマー粒子が600nmより大きい質量平均粒径、およびポリマー粒子1gあたり0.001未満の、好ましくはポリマー粒子1gあたり0.0001mol未満のイオン基含分を有し、かつ前記ポリマー粒子が、液体のまたは固体のマトリックス中に埋め込まれていることなくフォトニック結晶の格子構造を形成することを特徴とする、フォトニック結晶を製造するためのポリマー粒子の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
ポリマー粒子が、600nmより大きい質量平均粒径、およびポリマー粒子1gあたり0.001mol未満の、好ましくはポリマー粒子1gあたり0.0001mol未満のイオン基含分を有し、かつ
前記ポリマー粒子が、液体の、または固体のマトリックス中に埋め込まれていることなくフォトニック結晶の格子構造を形成する
ことを特徴とする、フォトニック結晶を製造するためのポリマー粒子の使用に関する。
【0002】
さらに本発明は、該ポリマー粒子の使用によって得られるフォトニック結晶に関する。
【0003】
フォトニック結晶は、周期的に配置された誘電性構造から成り、該構造が電磁波の伝達に影響を与える。通常の結晶に比較して、これらの周期的な構造は長い波長の電磁波光線と相互作用が起こるような大きさの配列を有しており、このため紫外線、可視光、IR、または他のマイクロ波照射の範囲におけるこのような光学的効果は、工業的な目的のために利用できる。
【0004】
合成ポリマーはすでに、フォトニック結晶を製造するために使用されてきた。FP−A−955323、およびDE−A−10245848から、コア/シェル構造を有する乳化重合体の使用は公知である。これらのコア/シェル粒子は被膜されており、外側の柔らかいシェルはマトリックスであり、そのマトリックス中に固体のコアを挿入する。格子構造はコアにより形成される;被膜後、シェルは構造を固定するために役立つに過ぎない。
【0005】
Chad E.Reese and Sandford A.Asher,Journal of Colloid and Interface Science 248,41〜46(2002年)は、フォトニック結晶製造のための、大きな荷電ポリマー粒子の使用を開示している。使用されるポリマーは、スチレンと、ヒドロキシエチルアクリラート(HEA)とから成る。開始剤として使用される過硫酸カリウムはまた、HEAとも反応して、これにより所望のイオン基が形成される。
【0006】
ポリメチルメタクリレートから大きなポリマー粒子を製造することは、EP−A−1046658に記載されている;フォトニック結晶製造のための使用は言及されていない。
【0007】
多くの適用のために、可能な限り大きなフォトニック結晶が求められている。この際、非常に良好な光学特性のための前提条件は、フォトニック結晶全体にわたって可能な限り良好に形成された、すなわち可能な限り理想的な格子構造である。
【0008】
従って本発明の課題は、良好な光学特性を有する大きなフォトニック結晶を提供することであった。
【0009】
これに従って、冒頭で定義した使用が判明した。
【0010】
ポリマー粒子について
本発明による使用のためには、ポリマー粒子は適切な大きさを有しているのが望ましく、この際すべてのポリマー粒子が可能な限り均一な、すなわち理想的には完全に同一の大きさを有する。
【0011】
粒径と粒径分布はそれ自体公知の方法、例えば超遠心分離分析(W.Maechtle,Makromolekulare Chemie 185(1984年)、1025〜1039)によって測定することができ、そこからD10、D50、およびD90の値が得られ、かつ多分散性指数が測定できるのだが、本明細書中、および実施例中の値と記載は、この方法に基づくものである。
【0012】
粒径、および粒径分布を測定するためのさらなる方法は、ハイドロダイナミックフラクシネーション(HDF)である。
【0013】
HDFの測定構成は、Polymer Labs社のPSDA,Particle Size Distribution Analyzerから成る。パラメーターは以下の通りである:カートリッジタイプNo.2(標準)を使用。測定温度:23.0℃、測定時間は480秒;UV検知器の波長、254nm。この方法においても、D10、D50、およびD90の値は分散曲線から得られ、そして多分散性指数を測定する。
【0014】
粒径分布のD50値は質量平均粒径に相応し、すべての粒子の総質量の50質量%が、D50以下の粒径を有する。
【0015】
質量平均粒径は、1000nmより大きいのが好ましい。
【0016】
多分散性指数は、ポリマー粒子の均一性の指標である:この指数は、式
P.I.(多分散性指数)=(D90−D10)/D50
[式中、D90、D10、およびD50は粒子直径を表し、それぞれ
D90:すべての粒子の総質量の90質量%が、D90以下の粒子直径を有する
D50:すべての粒子の総質量の50質量%が、D50以下の粒子直径を有する
D10:すべての粒子の総質量の10質量%が、D10以下の粒子直径を有する]
により計算する。
【0017】
多分散性指数は好ましくは0.15未満、より好ましくは0.10未満、最も好ましくは0.06未満である。
【0018】
ポリマー粒子は好ましくは、水中にポリマー粒子を分散させるために使用される界面活性助剤がそれらの表面上に存在しないポリマー粒子である。
【0019】
乳化重合法では、重合させる疎水性モノマーを、界面活性化合物、例えば乳化剤、または保護コロイドによって水中に乳化させ、それから重合させる。界面活性化合物は重合後、水性分散液中に分散された生成ポリマー粒子の表面に存在する。水の除去、およびポリマー膜の形成後であっても、これらの化合物は、ポリマー中に添加剤として留まり、その除去は非常に煩雑である。
【0020】
本発明により使用されるポリマー粒子の場合好ましくは、このような界面活性助剤が表面に存在しない。従ってより好ましくは、ポリマー粒子の製造で既に、界面活性助剤を排除する。
【0021】
これらのポリマー粒子は、ポリマー1gあたり0.001mol未満、より好ましくはポリマー1gあたり0.0001mol未満のイオン基含分を有する。
【0022】
これらのポリマー粒子は、可能な限り僅かなイオン基を含むか、とりわけ全く含まないのが望ましい。
【0023】
しかしながら、重合後にポリマー鎖の末端に結合され、イオン基を形成する重合開始剤の使用に起因する非常に僅かなイオン基含分は、しばしば不可避である。
【0024】
ポリマーもしくはポリマー粒子を構成するモノマーは、好ましくは非荷電の形で、つまり塩の基の含分を含まずに、ポリマー粒子中に存在する。
【0025】
従って重合においては、塩の基を有するモノマー、または容易に塩の基、例えば酸を形成するモノマーを排除する。ポリマーもしくはポリマー粒子においても、イオン基の形成につながる反応は起こらない。
【0026】
このポリマーは好ましくは90%超、イオン基を含まない、好ましくは極性の基も含まない疎水性モノマーから成る。
【0027】
特に好ましくは、このポリマーは90質量%超、炭化水素モノマー、すなわち炭素と水素以外の原子を含まないモノマーから成る。
【0028】
極めて好ましくはこのポリマーは、90質量%超、より好ましくは95質量%超、スチレンから成る。
【0029】
このポリマーもしくはポリマー粒子は、好ましくは少なくとも部分的に架橋されている。
【0030】
このポリマーもしくはポリマー粒子は、好ましくは0.01質量%〜10質量%、より好ましくは0.1%〜3質量%、架橋性モノマー(架橋剤)から成る。
【0031】
架橋剤とはとりわけ、少なくとも2の、好ましくは2の共重合可能なエチレン不飽和基を有するモノマーである。例えば、ジビニルベンゼンが考慮される。
【0032】
このポリマーもしくはポリマー粒子は、好ましくは50℃以上の、好ましくは80℃以上のガラス転移温度を有する。
【0033】
本願の範囲においてガラス転移温度はFox式に従って、コポリマー中に存在するモノマーのホモポリマーのガラス転移温度、およびそれらの質量比から計算する。
【0034】
1/Tg=xA/TgA+xB/TgB+xC/TgC+
Tg:算出されたコポリマーのガラス転移温度
TgA:モノマーAのホモポリマーのガラス転移温度
TgBはモノマーB、Cなどに相応するTg
xA:モノマーAの質量/コポリマーの総質量
xB、xCは、モノマーB、Cなどに相応。
【0035】
Fox式は通常の専門書、例えばHandbook of Polymer Science and Technology,New York,1989年、Marcel Dekker Inc.に記載されている。
【0036】
ポリマーの製造について
製造は好ましくは乳化重合により行う。
【0037】
ポリマー粒子は好ましくは界面活性助剤をその表面に含まないのが望ましいので、より好ましくは製造を乳化剤不使用の乳化重合によって行う。
【0038】
乳化剤不使用の乳化重合においては、モノマーを界面活性助剤無しで水中に分散させ、そして安定化させる。これはとりわけ、激しい撹拌によって行う。
【0039】
乳化重合は一般的に、30〜150℃、好ましくは50℃〜100℃で行う。重合媒体は、水のみから成っていても、水、および水と混合可能な液体、例えばエタノールとの混合物から成っていてもよい。好ましくは、水のみを使用する。供給工程は段階的に、または勾配法(Gradientfahrweise)で実施することができる。好ましいのは、重合バッチの一部を装入し、重合温度まで上昇させて前重合し、そして引き続き重合バッチの残りを、典型的には複数の空間的に分かれたフィード(それらのうち1またはそれ以上のフィードが純粋な形でモノマーを含む)によって連続的に、段階的に、または濃度勾配を重ねて、重合帯域での重合を維持しながら供給する供給工程である。例えば粒径のよりよい調整のために、重合の際にポリマーシードを装入することも可能である。
【0040】
水性のラジカル乳化重合の過程において、重合槽に開始剤を加える方法は、平均的な当業者に公知である。開始剤を重合槽に完全に加えても、水性のラジカル乳化重合の過程で消費されるにつれて連続的に、または段階的に使用してもよい。これはとりわけ、開始剤システムの化学的性質、および重合温度に左右される。好ましくは、一部を装入し、そして消費されるにつれて重合帯域に残りを加える。
【0041】
所望の場合は、モノマーの一部を重合開始時に重合槽に装入してもよい;残りのモノマー、もしくはモノマーを装入しない場合はすべてのモノマーを、重合過程におけるフィード工程で加える。
【0042】
使用する場合は調節剤も一部装入してもよく、そして重合の間、または重合の終了に向けて完全に、または部分的に加えてもよい。
【0043】
本発明による乳化剤不使用の乳化重合により、大きなポリマー粒子の安定的なエマルションが得られる。
【0044】
平均粒子直径を増加させるさらなる方法は、公知である。とりわけ、乳化剤不使用の塩の凝集、または乳化剤不使用の膨潤重合が考慮される。
【0045】
塩の凝集法の場合、溶解した塩がポリマー粒子の凝集をもたらし、そしてこのため粒子の巨大化につながる。
【0046】
好ましくは、乳化剤不使用の乳化重合と、塩の凝集とを組み合わせる;従ってポリマー粒子の製造を、好ましくは乳化剤不使用の乳化重合、および塩の凝集によって行う。
【0047】
塩は好ましくは乳化重合開始時に既に水中に溶解されており、その結果凝集は実際乳化重合の開始時に起こり、かつ生成する凝集ポリマー粒子が乳化重合の間、均一に生長する。
【0048】
塩の濃度は好ましくは、凝集させるポリマーに対して好ましくは0.5〜4%、または使用される水もしくは溶媒に対して0.05%〜0.5%である。
【0049】
塩としては、水溶性のすべての塩、例えばアルカリ金属の塩化物もしくは硫酸塩、またはアルカリ土類金属の塩化物もしくは硫酸塩である。
【0050】
乳化剤不使用の乳化重合はまた、膨潤重合と組み合わせてもよい。膨潤重合においては、既に得られた、好ましくは乳化剤不使用の乳化重合によって得られた水性のポリマー分散液にさらなるモノマーを添加するが(第一工程は短時間で)、これらのモノマーの重合(第二の工程または膨潤工程)が始まるのは、これらのモノマーが既に存在するポリマー粒子中に拡散し、かつポリマー粒子が膨潤した後である。
【0051】
第一の工程においては、ポリマーもしくはポリマー粒子を構成しているすべてのモノマーの好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%を、乳化剤不使用の乳化重合によって重合させる。残りのモノマーは膨潤工程で重合させる。膨潤工程のモノマーの量は、第一工程で使用されたモノマー量の倍数であり、好ましくは2〜10倍、より好ましくは3〜5倍である。
【0052】
膨潤重合はまた、乳化剤無しで行うこともでき、乳化剤無しで行うのが好ましい。
【0053】
膨潤工程のモノマーはとりわけ、第一工程のモノマーが少なくとも80質量%、とりわけ少なくとも90質量%重合した時に初めて供給する。
【0054】
膨潤重合の特徴は、モノマーの重合が膨潤完了後にのみ開始することである。
【0055】
従って膨潤工程のモノマー添加の間、およびその添加後には、開始剤を添加しないのが好ましい。しかしながら開始剤を添加するか、または開始剤が重合槽に存在する場合は、温度を充分に低く保って重合を起こさせない。膨潤工程のモノマーの重合は、膨潤完了後に初めて、開始剤の添加および/または温度の上昇により行う。この場合が当てはまるのは例えば、モノマーの添加終了後、少なくとも一時間半後であり得る。こうして膨潤工程のモノマーが重合し、これが安定的な粒子増大につながる。
【0056】
膨潤重合はとりわけ、少なくとも2の工程(膨潤工程)で、より好ましくは2〜10の膨潤工程で行うこともできる。各膨潤工程で重合させるモノマーを供給し、膨潤させ、そして引き続き重合させる。モノマーの重合後、次の膨潤工程のモノマーを添加して膨潤させ、そして引き続き重合などを行う。好ましくは膨潤重合により重合させるべきモノマーすべてを、膨潤工程に均一に配分する。
【0057】
好ましい実施態様においては、ポリマーもしくはポリマー粒子を架橋させ、このために架橋性モノマー(架橋剤)も併用する(上記参照)。好ましくは架橋剤を膨潤重合において初めて、より好ましくは最後の膨潤工程で添加して重合させる。
【0058】
従って特別な実施態様においては、ポリマー粒子の製造を乳化剤不使用の乳化重合によって行い、その後に膨潤重合を行う。
【0059】
とりわけ好ましいのは、先に述べたような乳化剤不使用の乳化重合と、塩の凝集、および引き続いた膨潤重合との組み合わせである。
【0060】
フォトニック結晶の製造について
フォトニック結晶の製造のために好ましくは、上記製造方法で得られる水性のポリマー分散液を使用する。
【0061】
このために好ましくは、水性のポリマー分散液の固体含分が、0.01〜20質量%、より好ましくは0.05〜5質量%、最も好ましくは0.1〜0.5質量%である。このためには、上記のように調製し、好ましくは30〜50%の固体含分と合わせたポリマー分散液を、一般的に脱塩水で希釈する。
【0062】
フォトニック結晶は好ましくは、適切な担体上に形成させる。担体としては、ガラス、シリコン、天然ポリマーまたは合成ポリマー、金属、またはその他の任意の材料から成る基板が考慮される。ポリマーは、担体表面上に非常に良好に接着するのが望ましい。従って担体表面は好ましくは、良好な濡れ、および良好な接着性を得るために化学的に、または物理的に前処理されている。表面は例えば、コロナ放電により前処理されていてよく、接着促進剤で被覆されていても、酸化剤、例えばH22/H2SO4による処理で親水性にされていてもよい。
【0063】
フォトニック結晶形成の際のポリマー分散液の温度、および担体の温度は好ましくは、15〜70℃の範囲、より好ましくは15〜40℃の範囲、とりわけ室温(18〜25℃)である。この温度はとりわけ融点以下であり、かつポリマーのガラス転移点以下である。
【0064】
フォトニック結晶の製造は、好ましくは水の揮発によって、ポリマー粒子の水性分散液から行う。
【0065】
担体とポリマー分散液とは、接触させる。
【0066】
水性のポリマー分散液は、水平に置いた担体上に被覆することができ、水が揮発する時にフォトニック結晶が形成される。
【0067】
好ましくは担体を、希釈されたポリマー分散液中に少なくとも部分的に浸す。水の蒸発によりメニスカスが下がり、少し前に湿らせた担体の箇所にフォトニック結晶が形成される。
【0068】
意外なことに担体と液体表面との間の角度が90゜に等しくない時、とりわけ600nm以上の粒子の場合に、結晶配列が明らかに改善されている。晶出角度が50゜〜70゜の際、最良の結晶配列が達成される。
【0069】
特別な実施態様においては、担体とポリマー分散液とを、好ましくは0.05〜5mm/時間、より好ましくは0.1〜2mm/時間の速度で互いに相対的に機械的に動かすことができる。このために、浸した担体を水性のポリマー分散液からゆっくりと引き上げるか、および/または例えばポンプでポリマー分散液を容器から排出することができる。
【0070】
ポリマー粒子は、フォトニック結晶中で格子構造に従って配置されている。この際、粒子間の距離は平均粒子直径に相応する。粒径(上記参照)、ひいてはまた粒子間距離は、粒子の中心を基準にして好ましくは600nmより大きく、より好ましくは1000nmより大きい。
【0071】
配列もしくは格子構造は、先に述べた製造で生成する。担体表面に対して平行な結晶平面における六方晶対称により、とりわけfcc(fcc=面心立方=face−centered cubic)格子構造が形成される。
【0072】
本発明により得られるフォトニック結晶は、結晶配列性が非常に高い:すなわち、各結晶平面の表面の、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下、最も好ましくは2%以下が、残りの結晶からずれている結晶配向性を示すか、または結晶配向性がまったく無く、従ってほとんど欠陥がない;従って欠陥箇所またはずれている配列の割合はとりわけ、当該表面に対して2%未満、または0%である。結晶配列は顕微鏡で、特に原子間力顕微鏡により測定することができる。この方法では、フォトニック結晶の最表層を観察する;従って欠陥箇所の最大割合に関する上記のパーセンテージは、特に最表層にあてはまる。ポリマー粒子間の間隙は空である、すなわち何かあるとすれば空気を含む。
【0073】
得られるフォトニック結晶は好ましくは、1400nm以上(粒径600nmで)の、より好ましくは2330nm以上(粒径1000nmで)の波長で、透過率(ストップバンド)の減少を示す。
【0074】
本発明によれば、均一な結晶配列の範囲が少なくとも1の三次元方向で100μm超、より好ましくは200μm超、最も好ましくは500μm超の長さを有するフォトニック結晶を得ることも可能である。
【0075】
フォトニック結晶は好ましくは、少なくとも1方向の長さが、200μm超、とりわけ500μm超であり、より好ましくは長さと幅が200μm超、とりわけ500μm超である。
【0076】
フォトニック結晶の厚さは、好ましくは10μm超、より好ましくは30μm超である。
フォトニック結晶の使用について
フォトニック結晶は、反転フォトニック結晶を製造するためのテンプレートとして使用することができる。このために、ポリマー粒子間の空隙を公知の方法で所望の材料、例えばシリコンで充填し、それからポリマー粒子を例えば融解、および溶出、または高温での燃焼により除去する。得られるテンプレートは、以前のフォトニック結晶と相応する反転した格子配列を有する。
【0077】
フォトニック結晶、または該結晶から製造された反転フォトニック結晶は、光学部材として適している。本発明によるフォトニック結晶に、例えばレーザーもしくは2−フォトンレーザー装置、またはホログラフィックレーザー装置によって欠陥を書き込み、この結晶から反転フォトニック結晶を製造すれば、この修正されたフォトニック結晶と、相応する反転フォトニック結晶は、電子工学部材、例えばマルチプレクサ、または光学半導体として使用できる。
【0078】
フォトニック結晶もしくはコロイド結晶の空隙を、無機物質もしくは有機物質を溶浸(Infiltration)させるために使用することができる。
実施例
A)ポリマーの製造
比較例1、粒子上に荷電あり
アンカー型撹拌機、温度計、ガス取り入れ管、給送管、および還流式冷却器を備えた反応器にまず、水682.91gを装入した。フラスコの内容物を引き続き加熱し、かつ200/分の回転数で撹拌した。この時間の間、反応器に窒素を供給した。温度が90℃に達した時に窒素の供給を調節して、空気が反応器の中に入らないようにした。重合の前に、水66.2g中の過硫酸カリウム2.05gから成る2%のペルオキソ二硫酸カリウム溶液、およびスチレン8.7gを5分以内に反応器に供給し、それから15分間にわたり前重合した。その後、残りの過硫酸カリウム溶液を6時間以内に加えた。同時に、モノマーフィードを6時間にわたって計量供給した。モノマー供給の2時間20分後に、スチレン−4−スルホン酸(Na塩)1.75gと、水68.25gとから成るスチレン−4−スルホン酸(Na塩)溶液から開始して、4時間以内にこれを計量供給した。モノマー添加の終了後、分散液を30分間、後重合させた。引き続き、室温への冷却を行った。
【0079】
フィードの組成は以下の通りであった:
フィード1:モノマーフィード
スチレン348.25g
フィード2:開始剤溶液
水中で濃度3質量%の、ペルオキソ二硫酸カリウム68.25g
フィード3:付加的なフィード
水中で濃度2.5質量%のスチレン−4−スルホン酸(Na塩)70g
得られたポリマー粒子は、、602nmの質量平均粒径、および0.07の多分散性指数を有していた。
【0080】
本発明による実施例
実施例1
乳化剤不使用の乳化重合
アンカー型撹拌機、温度計、ガス取り入れ管、給送管、および還流式冷却器を備えた反応器にまず、水758.33gを装入した。フラスコの内容物を引き続き加熱し、かつ200/分の回転数で撹拌した。この時間の間、反応器に窒素を供給した。温度が85℃に達した時に窒素の供給を調節して、空気が反応器の中に入らないようにした。その後、モノマーフィードの10%と、水66.5g中の過硫酸ナトリウム3.5gから成るペルオキソ二硫酸カリウム溶液の10%とを反応器に供給し、そして5分間予備酸化し、その後残りの過硫酸ナトリウム溶液を3時間以内に添加した。同時に、モノマーフィードの残りを3時間にわたって計量供給した。
【0081】
フィードの組成は以下の通りであった:
フィード1:モノマーフィード
スチレン350.00g
フィード2:開始剤溶液
水中で濃度5質量%のペルオキソ二硫酸ナトリウム70g
得られたポリマー粒子は、624nmの質量平均粒径(AUZ)、および0.09の多分散性指数を有していた。
【0082】
実施例2
乳化剤不使用の乳化重合、および塩の凝集
アンカー型撹拌機、温度計、ガス取り入れ管、給送管、および還流式冷却器を備えた反応器にまず、水1279.20g、スチレン140.00g、および塩化ナトリウム2.80gを装入した。フラスコの内容物を引き続き加熱し、かつ225/分の回転数で撹拌した。この時間の間、反応器に窒素を供給した。温度が75℃に達した時に窒素の供給を調節して、空気が反応器の中に入らないようにした。その後、水18.6g中の過硫酸ナトリウム1.4gから成るペルオキソ二硫酸ナトリウム溶液を反応器に供給し、そして24時間にわたって酸化した。引き続き、室温への冷却を行った。
【0083】
フィードの組成は、以下の通りであった:
装入物:
水1279.20g
スチレン140.00g
塩化ナトリウム2.80g
フィード1:開始剤溶液
水中で濃度7質量%のペルオキソ二硫酸ナトリウム20g
得られたポリマー粒子は、1039nmの質量平均粒径、および0.09の多分散性指数を有していた。
【0084】
実施例3
乳化剤不使用の乳化重合、および膨潤重合
アンカー型撹拌機、温度計、ガス取り入れ管、給送管、および還流式冷却器を備えた反応器にまず、水764.47gを装入した。フラスコの内容物を引き続き加熱し、かつ200/分の回転数で撹拌した。この時間の間、反応器に窒素を供給した。温度が85℃に達した時に窒素の供給を調節して、空気が反応器の中に入らないようにした。その後、モノマーフィードの10%と、水56.26g中の過硫酸カリウム1.74gから成るペルオキソ二硫酸カリウム溶液の10%とを反応器に供給し、そして5分間予備酸化し、残りの過硫酸カリウムを3時間以内に添加した。同時に、モノマーフィードの残りを3時間にわたって計量供給した。
【0085】
この分散液から288.69gを、アンカー型撹拌機、温度計、ガス取り入れ管、給送管、および還流式冷却器を備えた反応器に装入し、そして水927.01g、Texapon NSO(水中で28%)1.07g、およびスチレン120gを装入した。フラスコの内容物を引き続き加熱し、かつ150/分の回転数で撹拌した。この時間の間、反応器に窒素を供給した。温度が75℃に達した時に窒素の供給を調節して、空気が反応器の中に入らないようにした。その後、水7.97g中の過硫酸ナトリウム0.6gから成るペルオキソ二硫酸ナトリウム溶液を反応器に加え、そして完全に重合させた。
【0086】
一方、この分散液から642.86gを、アンカー型撹拌機、温度計、ガス取り入れ管、給送管、および還流式冷却器を備えた反応器に装入し、そして水462.70g、Texapon NSO(水中で28%)0.8g、およびスチレン90gを装入した。フラスコの内容物を引き続き加熱し、かつ150/分の回転数で撹拌した。この時間の間、反応器に窒素を供給した。温度が75℃に達した時に窒素の供給を調節して、空気が反応器の中に入らないようにした。その後、水8.97g中の過硫酸ナトリウム0.67gから成るペルオキソ二硫酸ナトリウム溶液を反応器に供給し、そして完全に重合させた。
【0087】
フィードの組成は以下の通りであった:
第一工程:
フィード1:モノマーフィード
スチレン350.00g
フィード2:開始剤溶液
水中で濃度3質量%のペルオキソ二硫酸カリウム58g
第二工程:
装入物:
水927.01g
水中で濃度28.3質量%のシード(第一工程から得られたポリスチレン粒子)282.69g
Texapon NSO(水中で28%)1.07g
スチレン120.00g
フィード1:開始剤溶液
水中で濃度7質量%のペルオキソ二硫酸ナトリウム8.57%
第三工程:
装入物:
水462.70g
水中で濃度14質量%のシード(第二工程から得られたポリスチレン粒子)642.86g
Texapon NSO(水中で28%)0.80g
スチレン90.00g
フィード1:開始剤溶液
水中で濃度7質量%のペルオキソ二硫酸ナトリウム9.64g
得られたポリマー粒子は、963nmの質量平均粒径、および0.06の多分散性指数を有していた。
【0088】
実施例4
塩の凝集と膨潤重合を伴う、乳化剤不使用の乳化重合
アンカー型撹拌機、温度計、ガス取り入れ管、給送管、および還流式冷却器を備えた反応器に、まず水1260.90g、スチレン140.00g、および塩化ナトリウム0.77gを装入した。フラスコの内容物を引き続き加熱し、かつ225/分の回転数で撹拌した。この時間の間、反応器に窒素を供給した。温度が75℃に達した時に窒素の供給を調節して、空気が反応器の中に入らないようにした。その後、水18.6g中の過硫酸ナトリウム1.4gから成るペルオキソ二硫酸ナトリウム溶液を反応器に供給し、そして24時間酸化した。引き続き、室温への冷却を行った。
【0089】
この分散液から599.25gを、アンカー型撹拌機、温度計、ガス取り入れ管、給送管、および還流式冷却器を備えた反応器に装入し、そして水653.65g、およびスチレン80gを装入した。フラスコの内容物を引き続き加熱し、かつ150/分の回転数で撹拌した。この時間の間、反応器に窒素を供給した。温度が75℃に達した時に窒素の供給を調節して、空気が反応器の中に入らないようにした。その後、水5.31g中の過硫酸ナトリウム0.4gから成るペルオキソ二硫酸ナトリウム溶液を反応器に加え、そして完全に重合させた。引き続き、室温への冷却を行った。
【0090】
一方、この分散液から659.34gを、アンカー型撹拌機、温度計、ガス取り入れ管、給送管、および還流式冷却器を備えた反応器に装入し、そして水479.70g、およびスチレン60gを装入した。フラスコの内容物を引き続き加熱し、かつ150/分の回転数で撹拌した。この時間の間、反応器に窒素を供給した。温度が75℃に達した時に窒素の供給を調節して、空気が反応器の中に入らないようにした。その後、水5.98g中の過硫酸ナトリウム0.45gから成るペルオキソ二硫酸ナトリウム溶液を反応器に供給し、そして完全に重合させた。
フィードの組成は以下の通りであった:
第一工程
装入物:
水1279.20g
スチレン140.00g
塩化ナトリウム2.80g
フィード1:開始剤溶液
水中で濃度7質量%のペルオキソ二硫酸ナトリウム20g
第二工程:
装入物:
水653.65g
水中で濃度28.3質量%のシード(第一工程から得られたポリスチレン粒子)599.25g
スチレン80.00g
フィード1:開始剤溶液
水中で濃度7質量%のペルオキソ二硫酸ナトリウム5.71g
第三工程:
装入物:
水479.70g
水中で濃度14質量%のシード(第二工程から得られたポリスチレン粒子)659.34g
スチレン60.00g
フィード1:開始剤溶液
水中で濃度7質量%のペルオキソ二硫酸ナトリウム6.43g
得られたポリマー粒子は、967nmの質量平均粒径、および0.08の多分散性指数を有していた。
【0091】
実施例5
乳化剤不使用の乳化重合、および膨潤重合、最後の段階で架橋剤
アンカー型撹拌機、温度計、ガス取り入れ管、給送管、および還流式冷却器を備えた反応器にまず、水764.47gを装入した。フラスコの内容物を引き続き加熱し、かつ200/分の回転数で撹拌した。この時間の間、反応器に窒素を供給した。温度が85℃に達した時に窒素の供給を調節して、空気が反応器の中に入らないようにした。その後、モノマーフィードの10%と、水56.26g中の過硫酸カリウム1.74gから成るペルオキソ二硫酸カリウム溶液の10%とを反応器に供給し、そして5分間予備酸化し、その後、残りの過硫酸カリウムを3時間以内に添加した。同時に、モノマーフィードの残りを3時間にわたって計量供給した。
【0092】
この分散液から282.69gを、アンカー型撹拌機、温度計、ガス取り入れ管、給送管、および還流式冷却器を備えた反応器に装入し、そして水927.01g、Texapon NSO(水中で28%)1.07g、およびスチレン120gを装入した。フラスコの内容物を引き続き加熱し、かつ150/分の回転数で撹拌した。この時間の間、反応器に窒素を供給した。温度が75℃に達した時に窒素の供給を調節して、空気が反応器の中に入らないようにした。その後、水7.97g中の過硫酸ナトリウム0.6gから成るペルオキソ二硫酸ナトリウム溶液を反応器に加え、そして完全に重合させた。
【0093】
一方、この分散液から642.86gを、アンカー型撹拌機、温度計、ガス取り入れ管、給送管、および還流式冷却器を備えた反応器に装入し、そして水462.70g、Texapon NSO(水中で28%)0.8g、およびスチレン90gを、ジビニルベンゼン3.6gとともに装入した。フラスコの内容物を引き続き加熱し、かつ150/分の回転数で撹拌した。この時間の間、反応器に窒素を供給した。温度が75℃に達した時に窒素の供給を調節して、空気が反応器の中に入らないようにした。その後、水8.97g中の過硫酸ナトリウム0.67gから成るペルオキソ二硫酸ナトリウム溶液を反応器に供給し、そして完全に重合させた。
フィードの組成は以下の通りであった:
第一工程
フィード1:モノマーフィード
スチレン350.00g
フィード2:開始剤溶液
水中で濃度3質量%のペルオキソ二硫酸カリウム58g
第二工程:
装入物:
水927.01g
水中で濃度28.3質量%のシード(第一工程から得られたポリスチレン粒子)282.69g
水中で濃度28%のTexapon NSO 1.07g
スチレン120.00g
フィード1:開始剤溶液
水中で濃度7質量%のペルオキソ二硫酸ナトリウム8.57g
第三工程:
装入物:
水462.70g
水中で濃度14質量%のシード(第二工程から得られたポリスチレン粒子)642.86g
水中で濃度28%のTexapon NSO 0.80g
スチレン90.00g
ジビニルベンゼン3.6g
フィード1:開始剤溶液
水中で濃度7質量%のペルオキソ二硫酸ナトリウム9.64g
得られたポリマー粒子は、1008nmの質量平均粒径、および0.06の多分散性指数を有していた。
【0094】
こうして製造されたフォトニック結晶は、ポリマーのガラス転移温度以上でも安定的であった。つまり、ポリマー粒子の融合が避けられた。その一方、フォトニック結晶の機械的安定性は、とりわけガラス転移点以上の熱処理により上昇し、意外なことにこれは欠陥構造をレーザーでフォトニック結晶中に書き込む際に、および反転フォトニック結晶を製造するためのテンプレートとしてさらに使用する際に、非常に有利であることが判明した。
【0095】
B)フォトニック結晶の製造
実施例6
室温での蒸発による非垂直の基板上での垂直堆積(Vertical depositon)
3×8cmの顕微鏡用スライドガラスを、カロー酸(H22:H2SO4が3:7の比)で一晩洗浄し、そして親水化した。その後スライドガラスを水平に対して60゜の角度でビーカー内に固定した。実施例1による乳化剤不使用のポリマー分散液を脱塩水で濃度0.3質量%に希釈し、そしてスライドガラスが部分的に覆われるようにビーカーに入れた。23℃の加熱チャンバー内で半分の水を蒸発させ、その後スライドガラスを取り外し、そして完全に乾燥させた。
【0096】
こうして製造されたフォトニック結晶を、原子間力顕微鏡(AFM、Asylum MFP3D)で撮像すると、該結晶は担体表面の平面において、均一な結晶性FCC配列領域を有することが確かめられた。
【0097】
波長488nmのレーザー光線(例えばGarcia−Santamariaら、PHYSICAL REVIEW B71(2005年)195112に記載)を、直径1mmで直角に試料に当てると、回折パターンは他の成分を添加せずとも均一な六方晶点対称を示す。このレーザー回折測定は、被照射表面にわたって均一な結晶配列、すなわち少なくとも500μm×500μmを示す。
【0098】
担体上のフォトニック結晶の厚さは、40μmであると測定された。IR透過において、1400nmで1.7の光学濃度を有するストップバンドが現れ、これはIR反射で検知される数値と同様である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトニック結晶を製造するためのポリマー粒子の使用において、
前記ポリマー粒子が、600nmより大きい質量平均粒径、およびポリマー粒子1gあたり0.001mol未満、好ましくはポリマー粒子1gあたり0.0001mol未満のイオン基含分を有し、かつ
前記ポリマー粒子が、液体の、または固体のマトリックス中に埋め込まれていることなくフォトニック結晶の格子構造を形成する
ことを特徴とする、フォトニック結晶を製造するためのポリマー粒子の使用。
【請求項2】
前記ポリマー粒子が1000nmより大きい質量平均粒径を有することを特徴とする、請求項1に記載のポリマー粒子の使用。
【請求項3】

P.I.(多分散性指数)=(D90−D10)/D50
[式中、D90、D10、およびD50は粒子直径を表し、それぞれ
D90:すべての粒子の総質量の90質量%が、D90以下の粒子直径を有する
D50:すべての粒子の総質量の50質量%が、D50以下の粒子直径を有する
D10:すべての粒子の総質量の10質量%が、D10以下の粒子直径を有する]
により計算される、ポリマー粒子の均一性の指標としての多分散性指数が、0.15未満であることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリマー粒子の使用。
【請求項4】
ポリマー粒子の均一性の指標としての多分散性指数が、0.10未満であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載のポリマー粒子の使用。
【請求項5】
ポリマー粒子を水に分散させるために使用される界面活性助剤が、ポリマー粒子の表面上に存在しないことを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載のポリマー粒子の使用。
【請求項6】
ポリマー粒子を構成するモノマーが、ポリマー粒子に非荷電の形で存在することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載のポリマー粒子の使用。
【請求項7】
前記ポリマー粒子が、90質量%超、炭化水素モノマーから成ることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載のポリマー粒子の使用。
【請求項8】
前記ポリマー粒子が、90質量%超、スチレンから成ることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載のポリマー粒子の使用。
【請求項9】
前記ポリマー粒子が、0.01質量%〜10質量%、好ましくは0.1質量%〜3質量%、架橋性モノマー(架橋剤)から成ることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載のポリマー粒子の使用。
【請求項10】
前記架橋剤がジビニルベンゼンであることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載のポリマー粒子の使用。
【請求項11】
前記ポリマー粒子が、50℃以上の、好ましくは80℃以上のガラス転移温度を有することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項に記載のポリマー粒子の使用。
【請求項12】
前記ポリマー粒子の製造を、乳化剤不使用の乳化重合により行うことを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載のポリマー粒子の使用。
【請求項13】
前記ポリマー粒子の製造を、乳化剤不使用の乳化重合、および塩の凝集により行うことを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項に記載のポリマー粒子の使用。
【請求項14】
前記ポリマー粒子の製造を、乳化剤不使用の乳化重合、および膨潤重合により行うことを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項に記載のポリマー粒子の使用。
【請求項15】
前記ポリマー粒子の製造を、乳化剤不使用の乳化重合、塩の凝集、および膨潤重合によって行うことを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項に記載のポリマー粒子の使用。
【請求項16】
前記膨潤重合もまた、乳化剤不使用であることを特徴とする、請求項1から15までのいずれか1項に記載のポリマー粒子の使用。
【請求項17】
前記膨潤重合を、少なくとも2の工程(膨潤工程)で行うことを特徴とする、請求項1から16までのいずれか1項に記載のポリマー粒子の使用。
【請求項18】
前記ポリマーもしくは前記ポリマー粒子が架橋されており、かつ製造における最後の膨潤工程で架橋剤を添加することを特徴とする、請求項1から16までのいずれか1項に記載のポリマー粒子の使用。
【請求項19】
請求項1から18までのいずれか1項に記載のポリマー粒子を使用して得られる、フォトニック結晶。
【請求項20】
粒子の中心を基準にして600nmより大きい、好ましくは1000nmより大きい粒子間距離を有する、請求項19に記載のフォトニック結晶。
【請求項21】
少なくとも1の辺の長さが200μmより大きい、好ましくは500μmより大きい、請求項19または20に記載のフォトニック結晶。
【請求項22】
前記フォトニック結晶を、ポリマー粒子の水性分散液から水を揮発させることによって形成することを特徴とする、請求項19から21までのいずれか1項に記載のフォトニック結晶の製造方法。
【請求項23】
テンプレートを製造するための、請求項19から21までのいずれか1項に記載のフォトニック結晶の使用。
【請求項24】
定められた欠陥構造を有するテンプレートを製造するための、請求項19から21までのいずれか1項に記載のフォトニック結晶の使用。
【請求項25】
光学部材としての、または光学部材を製造するための、請求項19から21までのいずれか1項に記載のフォトニック結晶の使用、または請求項23または24に記載のテンプレートの使用。
【請求項26】
フォトニック結晶を製造するためのポリマー粒子において、前記ポリマー粒子が600nmより大きい質量平均粒径、およびポリマー粒子1gあたり0.001mol未満、好ましくはポリマー粒子1gあたり0.0001mol未満のイオン基含分を有し、かつ

P.I.(多分散性指数)=(D90−D10)/D50
[式中、D90、D10、およびD50は粒子直径を表し、それぞれ
D90:すべての粒子の総質量の90質量%が、D90以下の粒子直径を有する
D50:すべての粒子の総質量の50質量%が、D50以下の粒子直径を有する
D10:すべての粒子の総質量の10質量%が、D10以下の粒子直径を有する]
により計算される、ポリマー粒子の均一性の指標としての多分散性指数が、0.15未満であることを特徴とする、フォトニック結晶を製造するためのポリマー粒子。

【公表番号】特表2010−508565(P2010−508565A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535693(P2009−535693)
【出願日】平成19年11月5日(2007.11.5)
【国際出願番号】PCT/EP2007/061850
【国際公開番号】WO2008/055855
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】