非金属製インプラント装置と、術中に組み立ておよび固定する方法
【課題】整形外科インプラントと、骨の欠陥を治療する方法に関し、非金属製のインプラントと、治療を容易にするために、整形外科インプラントを術中に組み立て、固定させる方法を提供する。
【解決手段】非金属製インプラントアセンブリは、組織中の体液との接触で膨張するできる骨ネジなどの締め具により組織に取り付けできる。別法として、非金属製インプラントアセンブリを、接着剤で骨プレートに結合される締め具で術中に組み立てでき、または骨プレートを、締め具が抜けるのを阻止するために、熱、力、または溶剤を使用して変形させることもできる。好ましい実施形態では、締め具と骨プレートの両方が、生分解可能な材料から形成される。骨プレート300は、第1腰椎302から第3腰椎304に延びる。骨プレート300は、手術前、または手術中に、所望の解剖学的構造に一致するように、変形させることができる。
【解決手段】非金属製インプラントアセンブリは、組織中の体液との接触で膨張するできる骨ネジなどの締め具により組織に取り付けできる。別法として、非金属製インプラントアセンブリを、接着剤で骨プレートに結合される締め具で術中に組み立てでき、または骨プレートを、締め具が抜けるのを阻止するために、熱、力、または溶剤を使用して変形させることもできる。好ましい実施形態では、締め具と骨プレートの両方が、生分解可能な材料から形成される。骨プレート300は、第1腰椎302から第3腰椎304に延びる。骨プレート300は、手術前、または手術中に、所望の解剖学的構造に一致するように、変形させることができる。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(発明の背景)
本発明は、骨の欠陥を治療する整形外科インプラントおよび方法に関する。より詳しくは、しかし以下に限らないが、本発明は、非金属製の整形外科インプラントと、整形外科インプラントを術中に組み立てる方法と、治療を容易にするために、骨組織を内部で固定する方法とを対象としている。
【0002】
骨のひびや骨折などの骨の欠陥と、筋骨格系の障害とを修復し、治療するために、プレート、ロッド、およびネジなどの整形外科インプラントを使用することが知られている。従来は、整形外科インプラントの多くは、主に金属材料から形成されていた。金属製インプラントは、多くの利点を提供する。容易に殺菌することができ、生体適合性であり、骨組織を支持および/または固定させるために必要な強度を提供する。しかし、金属製インプラントはまた、皮質骨よりも著しく大きな圧縮率を示す。金属製インプラントは、新しい骨の成長を応力遮蔽し、骨粗鬆症および/または骨減少症を誘発し、その結果、再骨折しやすい皮質骨を生み出す可能性がある。骨の修復後は、インプラントは、患者の可動性を維持するために、必要でなくなることが多かった。定位置に残される金属プラントもあったが、多くは除去された。それらを除去するために、2回目の外科的処置が必要となった。明らかにより望ましいのは、2回目の外科的処置をなくして、患者の痛み/不快感、感染の可能性、およびその後に続く、新たに治癒された箇所への外傷を、最小限に抑えると同時に、周囲組織に対する不快感の潜在的原因としてのインプラントを除去することである。
【0003】
より最近では、骨の欠陥を治療するために、新しい治療方法と、非金属製インプラントを含む改良材料とが使用されている。非金属製インプラントは、体内に残存することができ、または別法として、セレクトインプラントを、数日から数ヶ月の期間で生分解する材料から製作することもできる。
【0004】
新しい材料が、従来の医療装置に対して著しい進歩をもたらしているものの、大きな問題が依然として残っており、このため、非金属製医療インプラントの開発を引き続き行うことが必要であり、そうした問題のうちで小さからぬもとして、それらが、金属製インプラントと比べて、機械的強度が低いということがある。通常、非金属製の整形外科インプラントは、上肢および下肢や、脊椎といった長い骨などの、負荷を支持する骨組織を、内部で固定させるのに単独で使用するほどに充分な強度を、これまでもたらしていない。さらに、骨プレートなどの、非金属製セレクトインプラントは、非金属製骨締め具で取り付けると、失敗する可能性がある。例をいくつか挙げると、締め具と骨プレートの、接触表面間の摩擦の減少、機械的強度の低下、保持力の低下、またセレクト材料では、インプラント自体の生分解などがあるが、それらはみな、非金属製インプラントの受容不可能な失敗率の要因となり得る。金属製締め具でさえも、インプラントおよび/または骨組織から外れ、または後退することが知られている。非金属製締め具であれば、なおさら外れやすくなる。非金属製締め具は、締め具がプレートから外れるのを防止するのに充分な程、堅く締め、または回転させることができない。非金属製骨ネジは、金属製の骨ネジ程の機械的強度を示すことはなく、一般的な機械的固定機構、および機械的固定技法ではしばしば、非金属製締め具との一体的な連結が維持できなくなり、補正手術が必要となる。時間の経過と共に連続的に分解し、分解するにつれてますます脆弱になる生分解可能な材料から形成されるインプラントでは、一体的連結がなおさら悪化する可能性がある。これらは、患者およびその医師が、適切な治療コースを選択する際に直面する諸問題のうちのほんの数例にしか過ぎない。
【0005】
上記の問題を鑑みると、関連分野の進歩が引き続き必要であるが、その進歩には、整形外科治療および筋骨格治療の高い成功率を示し、尚かつ、後続の外科的介入の必要を減らす非金属製インプラントを提供するための、改良された方法、改良組成、および改良装置が含まれる。本発明は、そのような進歩であり、多種多様な利益や利点をもたらすものである。
【0006】
(発明の概要)
本発明は、整形外科インプラントと、その製造および使用とに関する。本発明の様々な態様は、新規で、自明ではなく、様々な利点をもたらす。本明細書で保護する本発明の実際の性質は、ここに添付する請求項を参照することによってのみ決定し得るが、ここに開示する好ましい実施形態に特徴的な、ある種の形態および特徴を、以下に簡単に記述する。
【0007】
一形態では、本発明は、通り抜ける開口部を少なくとも1つ有する骨プレートと、その開口部内に受け取られる骨締め具とを備えるインプラントアセンブリを提供する。骨締め具は、近位ネジ山、骨に係合する遠位プレート、およびそれらの間の軸を有する。締め具または骨プレート、あるいはその両方が、締め具を骨プレートに固定して相互に係合させるように変形可能であるポリマー材料から形成される。
【0008】
他の形態では、本発明は、通り抜ける開口部を1つ有する骨プレートと、その開口部内に受け取られる締め具とを備えるインプラントアセンブリを提供する。締め具は、ヘッド、ネジ切りされた遠位部分、およびそれらの間の軸を有する。締め具の少なくとも一部は、体液と接触すると、締め具を骨プレートに固定して取り付けられるように、膨張することのできるポリマー材料から形成される。
【0009】
他の形態では、本発明は、通り抜ける開口部を少なくとも1つ有する骨プレートと、その開口部内に受け取られるべき骨締め具とを備えるインプラントアセンブリを提供する。締め具は、近位ヘッド、遠位骨係合部分、およびそれらの間の軸を有する。締め具と骨プレートの少なくとも一方は、締め具を骨プレートに固定して相互に係合させる接着剤を含む。
【0010】
他の形態では、本発明は、締め具を骨プレートに固定して取り付ける方法を提供する。この方法は、修復を必要としている骨組織に、骨プレートを受け取るように手術の準備を行うこと、少なくとも1つの開口部を有する骨プレートを、修復を必要としている骨組織に接近して配置すること、開口部を通して締め具を骨組織内へと挿入することを含む。締め具と骨プレートの少なくとも一方は、骨ネジを骨プレートに固定して取り付けるように変形される。
【0011】
他の形態では、本発明は、骨ネジを骨プレートに固定して取り付ける方法を提供する。この方法は、修復を必要としている骨組織に、骨プレートを受け取るように手術の準備を行うこと、通り抜ける開口部を少なくとも1つ有する骨プレートを、骨組織に接近して配置すること、開口部を通して骨ネジを骨組織内へと挿入することを含む。締め具と骨プレートの少なくとも一方は、締め具を骨プレートに固定して取り付ける接着剤を含む。
【0012】
さらなる目的、特徴、態様、形態、利点、および利益が、本明細書に含む記述および図面から明らかとなろう。
【0013】
(発明の詳細な説明)
本発明の原理の理解を促す目的で、次に、本明細書に図示する実施形態を参照し、特定の言葉を使用してそれを記述する。しかし、それによって本発明の範囲に対する制限を意図するものではないことを理解されたい。記述するプロセス、システム、または装置の変更、およびさらなる修正、また、ここに記述する通りの本発明の原理のさらなる応用例は、本発明の関係する当業者に、普通に思いつくであろうように、ここに企図するものである。
【0014】
一般に、本発明の一形態は、骨プレートまたはその他の適切な治療整形構造と、骨締め具とを供えるインプラントを含む。この骨締め具は、インプラントの所望の位置を維持するように、骨プレートを骨組織に取り付けるために使用することができる。より個別の形態では、骨締め具を、骨プレートおよび骨組織に固定して相互に係合することによって、インプラントを手術中にしっかりと位置決めすることができる。骨締め具は、多様な技法によって様々な構成で、骨プレートに取り付けることができる。一形態では、骨締め具は、好ましくは、締め具または骨プレート、あるいはその両方を変形させることによって、骨プレートに機械的に取り付けられる。代替的形態では、骨締め具は、骨プレートに接着剤によって取り付けることができる。さらに他の形態では、骨締め具は、体液との接触で膨張することができて、それによって、骨閉め具は機械的に骨組織に取り付けられて、締め具が抜けるのを阻止することができる。
【0015】
図1は、骨プレート12および骨締め具14をそれぞれ含む、インプラント10の一実施形態を示す。骨プレート12は、骨締め具の一部分を受け取る、そこを通り抜ける開口部16を少なくとも1つ含む。プレート12は、定型化された構成の骨プレート、または適切な治療成形インプラントであること、また、骨プレート12は、様々な構成に形成することができることを理解されたい(例えば、図9A〜16参照)。好ましい構成では、治療する骨組織または他の組織との解剖学的一致が見られる。別法として、骨プレート12を所望の構成に成形して、損傷した骨組織または罹病した骨組織を回復するための支持構造をもたらすことができる。さらに、プレート12は、ひび、骨折、および他の骨変形などの、骨の欠陥を治療するための骨の固定をもたらし、例えば隣接椎体などの、隣接骨構造の並びを矯正するのに充分に堅固であることを理解されたい。
【0016】
骨プレート12は、繊維、充填剤、血小板などの補強剤を用いて、または用いないで、ポリマー材料、複合材料などの非金属材料から形成することができる。適切な材料の例を以下に論ずる。別法として、骨プレート12を金属材料から形成し、締め具14などの非金属製の締め具を使用して、骨組織に固定して取り付けることができる。
【0017】
開口部16は、締め具14の一部分を受け取るように適合される。開口部16は、締め具14のネジ山21が、骨プレート12の上表面18からひっこむことができるように、凹部または皿座ぐりセクション20を設けることが好ましい。加えて、開口部16は、締め具14と固定して係合するように、機械的エネルギー、熱エネルギー、溶剤、またはそれらの組合せによって変形することができる。図示する実施形態では、開口部16は実質的に円形の開口部として表されている。代替的形態では、骨プレート12および/または締め具14を術中で位置決めすることができるように、開口部16を、例えば、長楕円形開口部、またはスロットなどの多様な形状で設けることができる。本発明は、締め具を、骨プレートに形成されたスロット内の特定の位置に取り付けることについて、格別の利点を提供する。締め具はスロット内の1つの位置に取り付けられる。一旦締め具を下にある組織に取り付けると、追加の取り付け手段がなくとも、プレートは、下にある組織に対して偏移または移動することはない。
【0018】
開口部16に隣接する材料19は、開口部16を部分的に封鎖し、またはその上に重なる。一形態では、材料19の変形は、プレート12の上表面18にくぼみを形成する。(例えば、図4および5のインプラントアセンブリの代替的実施形態を参照。)さらに他の代替的実施形態では、材料19の変形は、実質的に滑らかな上表面18をもたらす
締め具14には、ネジ山21、組織係合部分22、およびそれらの間の連結軸23が設けられる。ネジ山21は、フィリップ型のドライブツールを受け取るように押印される。個々の押印、またはツールとの係合構造は、本発明には重要ではない。したがって、ネジ山21に付随する、ドライブツールとの様々な係合構造を有する締め具を含むことは、本発明の範囲に入るものである。加えて、ネジ山21には、湾曲した、または円形の上部プロフィル24を設けることができる。ネジ山21の裏面ヘリ26は、プレート12の凹セクション20に、対合して係合するように構成される。一形態では、締め具14は、材料19が開口部16の周りで変形することによって、プレート12に固定して相互に係合される。代替的形態では、締め具14は変形されて、開口部16内の材料および/または下にある組織と相互に係合し、プレート12から戻り抜けるのを防止し、下にある組織に対する保持力を増す。(例えば、図5A/Bおよび7を参照。)
【0019】
組織と連結する部分22は、連結軸23でネジ山21に連結される。連結軸23には、そうでなければならないと言う訳ではないが、外側のネジ切りを設けないことが好ましい。さらに、連結軸23は、多様な長さおよび多様な外径(OD)で設けることができる。一形態では、連結軸23は、単に、ネジ山21と、組織係合部分22との間の接合部をもたらすに過ぎない。さらに、連結軸23は、性質の異なる2つの材料、即ち、ネジ山21用の第1の材料と、組織係合部分22のための第2の材料が接合できるような材料によって形成することができる。
【0020】
組織係合部分22は、外側のネジ切り28を含む。好ましい実施形態では、締め具14は、セルフタッピンネジとして提供される。したがって、外側ネジ切り28は、骨組織内を押し分けて進むのに充分な程、堅固である。そのように提供されると、下にある組織には、組織係合部分22を受け取るための開口部を設けるために、予め穴開けをする必要がない。別法として、締め具14を、ネジ切りのある、またはない、多様な構成で提供することができる。例えば、ネジ切り14をピンとして提供することができる(図示せず)。ピンは、そうでなければならないと言う訳ではないが、骨係合部分から側方に延びて、隣接する骨組織と係合し、その中へと延びることができる、追加の構造を含むことが好ましい。
【0021】
図2は、本発明による、変形可能なインプラントアセンブリ50の一実施形態を示す。インプラントアセンブリ50は、中に形成される少なくとも1つの開口部54を有する変形可能な骨プレート52を含み、骨締め具56が、開口部54内に受け取られるように提供されて、これがプレート52を、骨などの組織に取り付ける(図示せず)。
【0022】
骨プレート54が、締め具56を取り付けるために提供される。図示する実施形態では、骨プレート52は、開口部54に隣接する変形可能な部分58を含む。変形可能な部分58は、開口部54を実質的に取り囲み、表面64から突き出るカラーまたは円錐状の構造となる。代替的形態では、変形可能な部分は、開口部54を完全に取り囲む必要はない。さらに、変形可能な部分58を、尾根、タブ、輪、およびその他同種類のものを含む、円錐状構造以外の多様な構成で備えることができる。この代替的構造は、プレート52の表面64から突き出る必要はない。変形可能な部分58および骨プレート52は、同じ材料から、または異なった材料から形成することができ、これを結合し、または一緒に形成する。個々の材料の例を以下に論ずる。
【0023】
開口部54への締め具56の受け取りとそれに続く固定を示す図3および4をさらに参照すると、締め具56は、好ましくは、締め具56のネジ山60が、プレート52の上表面64よりも下に受け取られるように、開口部54内に挿入される。締め具56が開口部54内に受け取られた後、変形可能な部分58を変形させて、機械的ロックをもたらして、締め具56が開口部54から後方に飛び出すのを防止することができる。変形可能な部分は、そうでなければならないと言う訳ではないが、ネジ山60にもたれることが好ましい。変形可能な部分58の一部分が、締め具56が開口部54から引き抜けるのを阻止するように、開口部54およびネジ山60の一部分の上に重なっていれば充分である。
【0024】
変形可能な部分58は、熱、力および/または溶剤を加えると変形することができる。任意の適切な熱生成器具を使用して、変形可能部分58の材料を加熱し、変形することができる。加熱機器の例には、熱風ガン、小型溶接ガンもしくは小型はんだ付けガン、超音波溶接機もしくはボビーティップが含まれる。さらに使用できるものとして、通常、手術室に備えられているレーザがある。レーザは特に望ましいが、その理由は、その使用に際して精密であり、制御されるもので、極めて素早く充分な熱を生成することができ、また狙いを誤った熱が少ないことによって熱による壊死を生ずることが少ないことによる。インプラントアセンブリを形成するために、加熱処理を手術前に行うことができる。別法として、インプラントをカスタマイズするために、加熱処理を、手術時に体外で、しかし手術室で行うことができ、あるいは、インプラントの組立てを体内で行うことが望まれる時は、加熱処理を、術中に体内で行うことができる。
【0025】
同様に、手術前または手術中のいずれにも加えることのできる任意の適切な力を使用することができる。1つの好ましい例に、超音波装置の使用があり、これによって、熱をほとんど生成しないで、あるいは最低限生成するだけで、プラスチック材料を変形することができる。
【0026】
別法として、骨ネジの一部分を変形するために、溶剤を使用することができる。通常、プラスチック材料を柔軟にする溶剤が選択される。このような溶剤には、有機物から作られる溶剤と、体液を含む液体から作られる溶剤とが含まれ得る。特に溶剤が手術中で使用される時は、選択溶剤が患者にとって非適応でないよう、注意を払わねばならない。溶剤の選択は、変形する材料に基づいても行われる。骨プレートの一部分を変形させるのに使用することのできる溶剤の例には、アルコール、グリコール、グリコールエーテル、油、脂肪酸、アセテート、アセチレン、ケトン、芳香族炭化水素溶剤、および塩素化溶剤が含まれる。
【0027】
部分58を変形させることに加えて、上に論じた技法および装置のいずれをも、締め具56をプレート52に結合するのにも使用することができる。
【0028】
個別に図4を参照すると、変形された部分66が、ネジ山60の一部の上に重なって、締め具56がプレート52から戻り抜けるのを防止する。図示する実施形態では、変形された部分66は、ネジ山60の頂部をさらけ出す中心のくぼみまたは凹所を備えた円形のマウンドに似ている。実際には、変形の構成は、材料を変形させるのに使用する方法および計測器に応じて変わることがあることを理解されたい。例えば、ネジ山60の頂部が見えている必要はなく、また、変形された部分66が、開口部54および/または締め具56を完全に取り囲む必要もない。
【0029】
図5は、実質的に平坦な上表面93と、それを通って形成される少なくとも1つの開口部96とを有する骨プレート92を備える、インプラントアセンブリ90の代替的実施形態を表す。骨プレート92は、開口部96に隣接する、展性のある、または変形可能な部分94を含む。変形可能な部分94は、インプラントアセンブリ50について既に述べた通り、熱および/または機械的エネルギー、または溶剤を加えることによって変形することができる。一形態では、まず、骨プレート92が、実質的に図2の骨プレート52について述べた通りの構成で提供される。変形可能な材料94を加熱し、追加の力を用いて、または用いずに、材料を開口部96のボア97の中へと流入させて、材料をボア97内に押し込めることによって、実質的に同一平面の上表面93を形成することができる。変形可能な材料94は、力を加えることによって、ボア97内に挿入できることが好ましい。その結果生じる、変形された材料99は、開口部96内に受け取られた締め具98の一部分の上に重なる。プレート92にもたらす変形可能な材料94の量は、変化することができ、変形可能な材料の選択、締め具およびプレートの組成、開口部96の直径、締め具98の直径、いくらかでもある場合は、変形された材料が上表面93から突き出る量を含む、数々の要因によって決まる。
【0030】
望まれる場合は、上表面93の上に突き出る変形可能な材料94の、任意の一部分を、切削または平削りによって、取り除くことができる。そのように提供されると、その結果もたらされるインプラントアセンブリ90は、滑らかな外表面を備えて、上表面93の上に重なる隣接組織に対する刺激が軽減される。
【0031】
図6Aおよび6Bは、変形可能な締め具および骨プレートアセンブリ100のさらに他の実施形態を示す。アセンブリ100は、少なくとも1つの変形可能な締め具102と、通り抜けて形成される開口部106を少なくとも1つ有する骨プレート104とを含む。開口部106は、その中で軸方向に位置付けられる周囲凹部112を有する内部ボア108を画定する。凹部112は、ボア108の周囲全体の周りに延びる凹表面113を有するものとして図示してある。多種多様な内部表面の構成を有する凹部が、本発明の範囲に入ることをここに意図するものである。この様々な凹部の構成は、ボア108を完全に取り囲む必要はない。代替的実施形態では、凹部112はまた、ボア108内に受け取られる変形された締め具が回転するのを阻止するための、多種多様な構造的機構を含むこともできる。これらの構造的機構の例には、粗面または刻み付き面、ならびに、ボア108を軸方向に延びる溝および/または尾根が含まれる。ボア108はまた、凹部112から軸方向に位置付けられる締め具座表面119を含むことができる。
【0032】
個別に図6Aを参照すると、変形前の変形可能な締め具102が表してある。締め具102は、変形可能な部分116を有するネジ山114、連結軸118、および組織係合部分120を含む。ネジ山114の変形可能な部分116は、熱エネルギーまたは仕事エネルギーを加えると変形させることが可能な、追加の材料を含む。ネジ山114は、締め具14のネジ山21について述べた通りのドライブツールとの係合構造が設けられる。ネジ山108の下側表面122は、連結軸118の上に覆いかぶさる。締め具102が開口部106内に全て受け取られると、下側表面122は、締め具座標面119にのしかかり、ネジ山108が、開口部106を完全に通り抜けてねじ込まれてしまうのを防止する。
【0033】
次に図6Bを個別に参照すると、変形された締め具124を、変形された状態にある開口部106内に表してある。変形部分126は、凹部112を実質的に埋めるように拡張する。変形部分は、締め具102が開口部106から追い出され、または戻り抜けるのを効果的に阻止する。変形部分126は、インプラントアセンブリ50について既に述べた通りの技法および道具を使用して、変形することが可能である。変形部分は、適切な任意の材料から製作することができる。個々の例を以下に論ずる。
【0034】
図7は、プレート142と、少なくとも1つの締め具144とを備えるインプラントアセンブリ140を表す。インプラントアセンブリ140は、部分的に骨組織141に取り付けられて、骨組織141内のひびまたは折れとして表す欠陥145を、ブリッジするものとして図示している。骨プレート142は、欠陥145の一方側に位置付けられた少なくとも1つの開口部143と、欠陥145の反対側に位置付けられた少なくとも1つの第2開口部144とを含む。最適な治療を行うために望まれ、または必要とされる場合は、プレート142は、複数の締め具を受け取る、それと同数の開口部を有することができる。骨締め具146は、開口部144内に表してあるが、締め具146のネジ山149が、プレート142の上表面150よりも下に位置付けられるように組織141と係合される。第2の骨締め具147は、プレート142の開口部143と、組織141内の予め開けられた穴148との付近に示してある。開口部143および144は、骨プレート142に予め形成することができることを理解されたい。別法として、開口部143および144を、手術時に位置付け、開けることもできる。骨プレート142を非金属材料から製作することによって、術中に開口部143および144を位置付け、開けることが容易になる。通常、非金属材料の方がずっと柔軟であり、したがって、それに相当する金属材料よりも穴あけが容易である。第1骨締め具146は、開口部144内に受け取られ、骨組織141にネジ込みで取り付けられる。
【0035】
手術で、締め具147は、開口部143の中に挿入されて、組織141内の、予め開けられた穴148内へとネジ込み係合される。予め開けられた穴148は、締め具147をねじで受け取るようにネジ立てし、またはネジ立てをなくすことができる。締め具147は、ネジ山152の下側部分151が、開口部143の勾配付き表面153にのしかかるように推進される。これによって、骨プレート142が骨組織141に固定して取り付けられる。
【0036】
図示する実施形態では、第2の締め具147の組織係合部分154は、体液と接触すると、膨張することができる材料から形成することができる。骨組織141に接触すると直ぐ、またはそれに続いて、組織係合部分154は、通常組織に含まれている体液を吸収し始める。これによって、組織係合部分154は膨張し、内部組織141および/または開口部148の壁155と機械的にかみ合って、ネジ147と骨プレート142の両方を組織141に固定して取り付ける。組織係合部分154は、体内組織に見受けられる、例えば、血液、血清、血漿などの体液を吸収するように選択された材料から形成することができる。体液との接触で膨張することのできる骨係合部分を提供するのに、多様な材料を選択することができる。限定されない例として、d乳酸(ラクチド)、l乳酸(ラクチド)、d/l乳酸(ラクチド)、グリコール酸(グリコリド)、カプロラクトン、アミド、およびこれらのモノマーの混合物から誘導された重合モノマーを含む、オリゴマー、ホモポリマー、コポリマーがある。本発明で使用するポリマー、コポリマー、およびポリマー混合物には、以下に限定されないが、lポリラクチド、dポリラクチド、d/lポリラクチド、ポリグリコライド、ポリ(ラクチド−コ−グリコライド)、チロシンから誘導されたポリカーボネート、ポリ無水物、ポリオルトエステル、およびポリホスファゼンが含まれる。さらに、ポリマー材料の膨張する能力を、ポリマーの重合度、結晶度、および組成を変化させることによって変更することができる。コポリマーという用語は、ここでは、本発明の範囲内に、2つ以上の単独のモノマー反復単位から形成されるポリマーが含まれるものとして使用している。このようなコポリマーには、ランダムコポリマー、グラフトコポリマー、ブロックコポリマー、ラジアルブロックコポリマー、ジブロックコポリマー、トリブロックコポリマー、交互コポリマー、および周期コポリマーが含まれる。
【0037】
図7で、締め具146の組織係合部分156が膨張するのが分かる。好ましい実施形態では、膨張した組織係合部分は、予め開けられた穴158の内側の骨組織表面にもたれる。さらに組織係合部分156は、開口部144から第2の締め具146が、主に機械的咬み合い機構を通って抜けるのを、効果的に阻止するのに充分に膨張することを理解されたい。
【0038】
図8は、本発明によるインプラントアセンブリ190の、他の実施形態を示す。インプラントアセンブリ190は、骨プレートを含むが、これは、それを通り抜けて形成される、少なくとも1つの開口部194と、少なくとも1つの開口部194内に受け取られる骨締め具196とを有する。先に論じたように、骨締め具196は、ネジ山200、組織係合部分204、およびそれらの間の連結軸202を含む。締め具196は、好ましくは結合剤206によって、骨プレート192に固定して取り付けられる。
【0039】
締め具196は、溶剤の結合によって、骨プレートに取り付けることができる。この形態では、締め具と骨プレートが、溶剤溶接に敏感に反応する、互いに適合する材料から形成することが好ましい。溶剤は、有機溶剤である場合が多いが、通常、両表面、即ち、ネジ山200の下側表面208と上側表面198に付けられる。溶剤は柔らかくなり、材料の一部分を分解させることができる。一旦、材料が充分に可塑性を帯びると、締め具は、開口部194を通って、下にある組織の中へと、表面208が表面198に接触するまで推進される。次いで、溶剤が、熱を加えることにより、または加えないで、蒸発によって除去される。その結果できるインプラントアセンブリは、好ましくは半相互浸透のポリマーネットワークによって、骨の欠陥の治癒を促すのに充分な期間、充分に一緒に結合されている。上述したインプラントアセンブリと同様、骨締め具196および骨プレート192は、生分解性の材料から製作することができる。
【0040】
締め具196はまた、少なくとも1つの開口部194の内側表面198と、ネジ山200の下側表面208との間の界面で粘着在によって結合させることもできる。締め具196を骨プレート192に結合させる接着剤は、生体適合性であり、好ましくは生分解性であるように選択される。本発明で使用する接着剤の例には、シアノアクリレート、エポキシ、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、シリコンの接着剤、およびそれらの周知の誘導体が含まれる。接着剤は、熱を加えることによって、あるいは、光および/または放射線によっていずれも化学的に開始された遊離基を加えることによって、硬化することができる。
【0041】
接着剤はまた、1つの部分の接着剤として、または複数部分の接着剤として選択することができる。1つの部分の接着剤は、骨締め具210および/または骨プレート192に付けることができる。接着剤を複数部分の接着剤として選択する時は、少なくとも接着剤の一部分212を、骨締め具210の、好ましくは、ネジ山216の下側表面214に付けることができ、接着剤の第2の部分220を、骨プレート192の、開口部218の内側表面222に付けることができる。
【0042】
図8に表す実施形態では、締め具214は、骨ネジとして示す。この構成は、複数部分接着システムの、際立った利点を実現する。締め具214が下にある骨組織とネジ込み係合されると、下側表面214の、接着剤の第1の部分212がまず、内側表面222の、接着剤の第2の部分220と接触する。締め具214を続けて回転させることによって、接着剤の2つの部分が混ざり合って、均質な複数部分接着剤となる。この均質な複数部分接着剤は、急速に硬化することができて、骨締め具110と骨プレート192の、接着剤による強固な結合を形成する。
【0043】
本発明はまた、感圧接着剤を含むことができる。感圧接着剤は、上述の通り、1つの部分の接着剤として、または複数部分の接着剤として提供することができる。感圧接触剤は、しばしば硬化時間を必要とする他の接着剤に対して利点をもたらす。例えば、感圧接触剤は、性質の異なる材料を一緒に結合する、際立った能力を有する。それらはまた、ヒトの組織とも、接着剤による強固な結合を形成し、長い硬化時間や、接着剤の硬化を開始するための、光や熱などのイニシエータを必要としない。感圧接着剤は、締め具の組織係合部分に付けることができる。一旦締め具が組織の中に埋め込まれると、締め具は、取り付けられた骨プレートを連結することができる。感圧接着剤は、少なくとも1つの開口部194内に骨締め具を維持するために、充分な接着と、充分な剪断強度をもたらすように、選択することができる。さらに、感圧接着剤は、骨プレート192および/または締め具196に予め付けておくことができる。これは、いずれの構成要素の製造プロセス中にも付けることができる。別法として、接着剤を、外科的処置を行う間、またはその直前に付けることもできる。感圧接着剤を製造プロセスで付ける時には、接着剤によって覆われた、インプラントの部分を覆うための、取り外し可能な裏当紙などの非接着カバーを含むことが望ましい。これによって、接着剤に悪影響を与えずに取り扱え、輸送でき、清潔で、実質的に汚染されていない表面を維持することができるが、構成要素は、外科的処置の前に殺菌するべきであることを理解されたい。望まれる場合は、感圧剤の裏当は、構成要素を一緒に固定することができるように、接着剤の覆いから取り外すことができる。
【0044】
感圧接着剤は、多種多様な周知の合成物から選択することができる。その例には、アクリル接着剤、シリコン接着剤、ポリエステル接着剤、ポリウレタン接着剤がある。上述の接着剤と同様に、感圧接着剤は、1つの部分の構成要素、または複数部分の構成要素に付けることができる。
【0045】
通常、剥離用裏当は、外科的処置の直前、またはその間に即座に取り外すことのできる、シリコンのコーティングを施した紙を含む。裏当を取り外した後、骨締め具は、骨プレートの開口部を通ってネジ込み係合され、または推進される。前述の通り、骨締め具は、ピン、または骨ネジなどのネジ切り骨締め具であることができる。骨ネジが使用される場合、骨ネジは、骨組織内に予め開けられた穴の中に推進させることができる。別法として、骨ネジをセルフタッピンにすることができる。締め具の一部分、好ましくは締め具ネジ山の下側表面が、骨プレート、例えば骨プレートに形成された開口部の内側表面に、一旦もたれかかれば、接着剤は硬化してよい。通常、硬化時間は比較的短く、数秒から数分である。接着剤が一旦硬化すると、骨締め具は、骨プレートに固定して取り付けられて、患者による、通常の、推奨される身体活動中に、それが戻り抜け、または緩むことはない。
【0046】
図9Aおよび9Bは、本発明で使用する可撓性プレート250の一例を示す。プレート250は、解剖学的構造への取り付けを様々に行えるように、多数の開口部252を含む。多数の開口部によって、外科医に、骨組織および筋肉組織の固定および矯正への多数の選択肢が提供される。外科医は、締め具の数、締め具を挿入するための特定の開口部を、使用できる健康な組織と、その状態と、骨組織の全体の解剖学的構造もしくはマクロ構造とに応じて、選定することができる。
【0047】
一形態では、靭帯および/または腱を骨の構造に再度取り付け、または強化するために、プレート250を使用することができる。多数の開口部252の位置とサイズは、骨プレート250の可撓性を高めて、接合された椎体および接合された組織の充分な稼動性および充分な連節を可能にするようにもたらすことができる。加えて、骨プレート250は、基準線254によって表す厚みを有するが、これは、可撓性をさらに促進し、尚かつ、接合された椎体の固定を維持するのに充分な強度を維持するように選定される。好ましい実施形態では、骨プレート250の厚みは、約0.5mmから約4mm、より好ましくは、約1.5mmから約2.5mmの間になるように選定される。また、骨プレート250の可撓性は、その厚み、多数開口部252の数および位置、またはプレートの形成に使用する材料を多様にすることによって、変化させることができることを理解されたい。
【0048】
好ましい一実施形態では、骨プレートは、例えば、隣接する腰椎への取り付け、および、損傷を受けた前縦靭帯(ALL)を再取り付けし、強化し、または交換するために、隣接する椎体への取り付けに適した、一段のプレートとして提供される。埋め込まれた骨プレートは、術後の、患者の脊椎の伸張度を高め、尚かつ、共に接合された椎骨間の、所望の椎間板高さを維持することができる。この実施形態では、プレート250は、基準線256で表す高さを有するが、これは、約20mmから約60mm、より好ましくは、約40mmから約50mmの間になるように選定される。同様に、骨プレート250の幅は、基準線258によって表すが、個々の椎体の周囲の約1/8から約1/3に等しくなるように選定される。この幅は、約10mmから約40mm、より好ましくは、約15mmから約20mmの間になるように選定することができる。
【0049】
図10Aおよび10Bは、本発明で使用する、2段用の骨プレート280を示す図である。骨プレート280は、実質的に、骨プレート250で述べた通りに設けることができる。プレート280は、前述の通り、締め具を受け取るための、それを通り抜けて形成される複数の開口部282を含む。骨プレート280は、基準線284によって表す厚みを有するが、これは、骨構造を連結させる靭帯を修復および/または置換するのに充分な可撓性をもたらすのに適切なものとなっている。好ましい一実施形態では、骨プレート280は、約0.5mmから約4.5mm、より好ましくは、約1.5mmから約2.5mmの厚みを有するようにサイズ決めされる。
【0050】
骨プレート280は、3つの隣接する椎体に取り付けるようにサイズ決めされる(例えば図11参照)。骨プレート280の高さは、基準線286によって表すが、これは、約50mmから約120mm、より好ましくは、約80mmから約100mmの間になるように選定される。骨プレート280の幅は、基準線288によって表すが、これは、個々の椎体の周囲の約1/8から約1/3になるように選定される。この幅は、約10mmから約40mm、より好ましくは、約15mmから約20mmの間になるように選定することができる。
【0051】
骨プレート250および280の双方は、それぞれ、複数の開口部252、および282を有する。この開口部は、プレート12、52、および92について述べた通り、変形可能な部分を含むように設けることができる。さらに、骨プレート250および280は、締め具14、98、102、および143を含む、前述の様々な締め具を使用して、組織に取り付けることができる。
【0052】
好ましい実施形態では、骨プレート250および280は、成形用の、または展性のある材料から形成される。したがって、プレートを、外科的処置の前、またはその間に、椎骨の前方面などの解剖学的構造に一致するように成形することができる。この適切な材料の例には、以下に列挙する、再吸収可能な材料と、再吸収できない材料のいずれもが含まれる。
【0053】
図11は、実質的に、図10Aおよび10Bについて上述した通りの骨プレートの、配置および変形を示す。骨プレート300は、第1腰椎302から第3腰椎304に延びる。骨プレート300は、手術前、または手術中に、所望の解剖学的構造に一致するように、変形させることができる。
【0054】
図12は、本発明で使用する、変形可能な骨プレート320を示す。プレート320は、そこを通り抜ける、多種多様な開口部を含むことができる。図示する実施形態では、プレート320は、それを通り抜ける、少なくとも1つの円形開口部322と、1つのスロット324とを含む。プレート320は、1つの椎体から隣接する椎体に延びるように適合される、多様なサイズで設けることができる。別法として、プレート320は、複数の椎体に渡って延びるサイズで設けることもできる。
【0055】
図13は、骨プレート340の代替的実施形態を示す。骨プレート320に類似する、骨プレート340は、それを通り抜ける多種多様な開口部を含むことができる。骨プレート340は、それを通り抜ける、少なくとも1つの円形開口部342と、少なくとも1つのスロット形開口部344を含むことができる。骨プレート340には、基準線346によって表す、変化させることのできる長さが備えられる。好ましい実施形態では、骨プレート340の長さは、約5cmから約15cmにすることができ、より好ましくは、骨プレート340は、約7cmから約13cmの長さになるように設けることができる。
【0056】
図14Aおよび14Bは、本発明で使用する、変形可能な骨プレートのさらに他の実施形態を示す。図14Aは、通り抜ける開口部362が少なくとも2つ設けられた骨プレート360を示す。図14Bは、複数の通り抜け開口部372を有する、変形可能な骨プレート370を示す。骨プレート360および370のいずれも、そこを通り抜ける、少なくとも2つの、より好ましくは複数の開口部を有する、細長いプレートとして図示してある。これらの開口部は、骨プレート360および372の長さに沿って配置され、好ましくは、細長いプレート360および370の長さに沿って均等に位置決めされる。骨プレート360も、骨プレート370も、それよりも少ない数の開口部、または、例えばスロットなどの、単一の細長い開口部を設けることができることも、本発明の範囲に入る。手術中、外科医は、穴の位置を決め、続いて、一方または他方の骨プレート360または370に穴開けを行って、それぞれの骨プレートを骨組織に締め付けるための追加の開口部を設けることができる。
【0057】
図15は、本発明で使用する変形可能な骨プレート380の、さらに他の実施形態を示す。この変形可能な骨プレートは、それを通り抜けるスロット382を少なくとも1つ有する、細長いプレートである。代替的実施形態では、スロット382は、スロット382の長さを延びる、一連の楕円形表面を含む。楕円形の表面は、締め具、例えば図1の締め具14の、下側表面内に、対合して係合することができる。既に論じた他の骨プレートと同様に、骨プレート380は、多種多様なサイズで設けることができる。骨プレート380のサイズは、プレート380が取り付けられる、個々の骨構造に応じて選定することができる。
【0058】
図16は、本発明で使用する変形可能は骨プレート400の、さらに他の実施形態を示す。骨プレート400は、頚椎の固定をもたらすように適合することができる。骨プレート400は、その中を抜けて形成される、多種多様な開口部とスロットを含むことができる。図示する実施形態では、骨プレート400は、プレート400の第1端部406に位置付けられる、少なくとも1対の開口部402および404を含む。加えて、開口部408および410が、反対側の端部412に設けられる。加えて、プレート400は、その中を抜けて形成さえる、少なくとも1つのスロット414を含むことができる。スロット414には、実質的に滑らかな内側表面416を備えることができる。別法として、スロット414には、図15のプレート380で述べた通りの、楕円形の内側表面を備えることができる。
【0059】
図17は、変形可能な骨プレートアセンブリ440の、さらに他の実施形態を表す。プレートアセンブリ440は、骨プレート442と、プレート442に移動可能に取り付けられる、少なくとも1つの移動防止部分444を含む。プレート442は、1つまたは複数の骨締め具448がそこを通って挿入される、複数の開口部446を含む。そうしなければならないという訳ではないが、骨448は、骨ネジ449であることが好ましい。実質的に、プレート15、52、および92について個別に前述した通りに、開口部446を設けることができる。非支承面451内の溝450が、プレート442の長さに沿って延びる。少なくとも1つのネジ立てした開口部が溝450内に形成される。プレート442は、生分解可能、または生分解不可能なポリマーの、ポリマー材料から形成することができる。加えて、プレート442は、チタニウム、または外科用スチールなどの金属から形成することもできる。プレート442は、変形可能なポリマーから形成され、対象となる骨構造の解剖学的構成に一致するように、手術中に容易に成形され、またはその外形が作られる。好ましい形態では、プレート442は、2つの隣接する頚椎を連結するように構成され、脊椎の融合を促すために使用することができる。
【0060】
図示する実施形態では、移動防止部分444は、溝448内に滑動可能に受け取られ、少なくとも1つの、好ましくは一連の、バー452を抜ける楕円形開口部454を有するバー452を含む。楕円形開口部454は、バー452を、ねじ切り締め具458によって、プレート442に滑動可能に取り付けることを可能にする。移動防止部分444は、バー452に加えて、またはそれの代わりに、他の多様な構造的機構を含むことができる。例えば、移動防止部分444は、締め具448のネジ山460の部分の上に重なる、移動可能な構造を含むことができる。その目的のために、移動防止部分444は、ネジ、旋回可能に取り付けられた羽根、滑動可能に取り付けられたキャップなどを含むことができる。これらの実施形態では、移動防止部分は、締め具448の取り出しまたは挿入を可能にする第1の位置から、締め具448の取り出しまたは挿入を阻止する第2の位置に移動する。
【0061】
移動防止部分444は、プレート442の材料と同じ材料から製作される。別法として、移動防止部分444は、性質の異なる材料から製作することもできる。例えば、移動防止部分444を、金属から製作し、骨プレート442を、ポリマー材料から製作することができ、あるいは、移動防止部分444をポリマー材料から製作し、骨プレート442を金属から製作することもできる。
【0062】
前述した全体構成を有する骨プレート、あるいはそれと類似の動作形態を示す代替的プレートには、テネシー州メンフィスのMedronic Sofamor Danek社のATLANTIS、AXIS、DYNALOK、DYANALOK PLUS、PREMIER、Z−PLATE II、およびEPHIRという商標名で販売されているインプラントが含まれる。
【0063】
本発明で述べたプレート、締め具、および接着剤は、好ましくは使用の前に、最も一般的には、エチレンオキサイドガスを使用して化学的に、または構成要素をガンマ放射線で照射して、殺菌する。通常、骨締め具および/または骨プレートなどの非金属構成要素には、低温を使用する殺菌処理が必要である。化学的殺菌および照射型殺菌は、通常、接着剤の特性または性能に影響を及ぼさないように選択される。接着剤が、1つまたは複数の構成要素に、その製造中につけられる時、接着剤によって覆われたインプラントの部分は、殺菌処理に耐えることのできる剥離用裏当で覆われていることが好ましい。
【0064】
ここで開示する通りの本発明の実施形態では、骨締め具もしくは骨プレートのいずれか、あるいはその両方を、非金属材料から製作することができることを理解されたい。別法として、骨プレートを金属材料から製作し、骨締め具を非金属材料から製作することもできることを理解されたい。本発明の装置を構築するための、再吸収可能な材料の一般的な例には、ポリヒドロキシ酸、例えばポリ(L−ラクチド)、ポリ(D−ラクチド)、ポリ(L/D−ラクチド)、ポリ(L/DL−ラクチド)、ポリグリコリド、様々な組成のラクチドおよびグリコリドのコポリマー、前記ラクチドおよび/またはグリコリドおよび他のポリエステルのコポリマー、グリコリドおよびトリメチレンカーボネートのコポリマー、ポリヒドロキシブチラート、ポリヒドロキシ吉草酸塩、様々な組成のヒドロキシブチラートおよびヒドロキシ吉草酸塩のコポリマー、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリジオキサノン、ポリジオキサネジオン、ポリエステルアミド、重合体酸、ジオールおよび蓚酸および/または琥珀酸のポリエステル、ポリアミノ酸、アミノ酸およびグルタミン酸のコポリマー、ポリアミド、ポリカプロラクトン、ポリカーボネートが含まれる。分解可能な好ましいポリマー(ホモポリマー/コポリマー)は、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリジオキサノン、ポリ(グリコリド−コ−トリメチレンカーボネート)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、およびポリエステルアミドが含まれる。
【0065】
本発明で有用な、分解できないポリマー材料の例には、以下に限定されないが、アクリル、フルオロカーボン、ヒドロゲル、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリールエーテルケトンポリイミド、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリ(塩化ビニール)、シリコンラバー、ポリエチレン、およびポリエーテルケトン、例えば、PEK、PAEK、PEEK、PEKEKK、およびそれらの混合物が含まれる。
【0066】
ポリマー材料は、熱可塑性または熱硬化性であることができる。ポリマー材料は、合成物またはマトリックスとして形成することができ、繊維、ロッド、血小板、および充填物などの強化材料、または強化位相を含むことができる。例えば、ポリマー材料は、ガラス繊維、炭素繊維、ポリマー繊維、セラミック繊維などを含むことができる。好ましい実施形態では、ポリマー材料は、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック粒子または充填物を全く含まずに形成される。
【0067】
本発明を図面および先の説明で、図示し、詳しく述べたが、これは、その性質において、例示的なものであって、限定的なものではないと考えられる。好ましい実施形態だけを示し、記述したのであること、また、本発明の精神の中に入る、全ての変更および修正が保護されるよう、ここに求めるものであることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明による、非金属製骨プレート、および非金属製締め具の一実施形態の斜視図である。
【図2】本発明による、変形可能な骨プレート、および締め具の代替的実施形態の側面図である。
【図3】図2の締め具と変形可能な骨プレートの相互の係合を示す、側面図である。
【図4】図3の、骨プレートの変形、および締め具を示す側面図である。
【図5】骨プレートと締め具の相互係合の、代替的実施形態の側面図である。
【図6】図6Aは、本発明で使用する、骨プレート、および変形可能な締め具の一実施形態の側面図である。図6Bは、図6Aの、締め具の変形、および骨プレートを示す側面図である。
【図7】骨組織に取り付けられた、変形可能な骨プレート、および締め具の一実施形態の側面図である。
【図8】本発明による、骨プレートに接着剤によって結合された非金属製の締め具の、側面図である。
【図9】図9Aは、本発明の、1段の、変形可能な椎骨プレートの一実施形態の斜視図である。図9Bは、図9Aの椎骨プレートの上面図である。
【図10】図10Aは、本発明の、2段の、変形可能な椎骨プレートの一実施形態の斜視図である。図10Bは、図10Aの椎骨プレートの上面図である。
【図11】3つの腰椎骨を連結する図10Aの変形可能なプレートの側面図である。
【図12】本発明による、脊椎の前方固定で使用するのに適した変形可能なプレートの、一実施形態の上面図である。
【図13】本発明による、脊椎の前方固定で使用するのに適した変形可能なプレートの、他の実施形態の上面図である。
【図14】図14Aは、本発明で使用する、一段の変形可能なプレートの一実施形態の上面図である。図14Bは、本発明で使用する、多数段の変形可能なプレートの一実施形態の上面図である。
【図15】本発明による、脊椎の後方固定で使用する変形可能なプレートの、一実施形態の上面図である。
【図16】本発明による、頚椎骨の固定に適した変形可能なプレートの、一実施形態の上面図である。
【図17】本発明で使用する骨プレートアセンブリの一実施形態の斜視図である。
【発明の詳細な説明】
【0001】
(発明の背景)
本発明は、骨の欠陥を治療する整形外科インプラントおよび方法に関する。より詳しくは、しかし以下に限らないが、本発明は、非金属製の整形外科インプラントと、整形外科インプラントを術中に組み立てる方法と、治療を容易にするために、骨組織を内部で固定する方法とを対象としている。
【0002】
骨のひびや骨折などの骨の欠陥と、筋骨格系の障害とを修復し、治療するために、プレート、ロッド、およびネジなどの整形外科インプラントを使用することが知られている。従来は、整形外科インプラントの多くは、主に金属材料から形成されていた。金属製インプラントは、多くの利点を提供する。容易に殺菌することができ、生体適合性であり、骨組織を支持および/または固定させるために必要な強度を提供する。しかし、金属製インプラントはまた、皮質骨よりも著しく大きな圧縮率を示す。金属製インプラントは、新しい骨の成長を応力遮蔽し、骨粗鬆症および/または骨減少症を誘発し、その結果、再骨折しやすい皮質骨を生み出す可能性がある。骨の修復後は、インプラントは、患者の可動性を維持するために、必要でなくなることが多かった。定位置に残される金属プラントもあったが、多くは除去された。それらを除去するために、2回目の外科的処置が必要となった。明らかにより望ましいのは、2回目の外科的処置をなくして、患者の痛み/不快感、感染の可能性、およびその後に続く、新たに治癒された箇所への外傷を、最小限に抑えると同時に、周囲組織に対する不快感の潜在的原因としてのインプラントを除去することである。
【0003】
より最近では、骨の欠陥を治療するために、新しい治療方法と、非金属製インプラントを含む改良材料とが使用されている。非金属製インプラントは、体内に残存することができ、または別法として、セレクトインプラントを、数日から数ヶ月の期間で生分解する材料から製作することもできる。
【0004】
新しい材料が、従来の医療装置に対して著しい進歩をもたらしているものの、大きな問題が依然として残っており、このため、非金属製医療インプラントの開発を引き続き行うことが必要であり、そうした問題のうちで小さからぬもとして、それらが、金属製インプラントと比べて、機械的強度が低いということがある。通常、非金属製の整形外科インプラントは、上肢および下肢や、脊椎といった長い骨などの、負荷を支持する骨組織を、内部で固定させるのに単独で使用するほどに充分な強度を、これまでもたらしていない。さらに、骨プレートなどの、非金属製セレクトインプラントは、非金属製骨締め具で取り付けると、失敗する可能性がある。例をいくつか挙げると、締め具と骨プレートの、接触表面間の摩擦の減少、機械的強度の低下、保持力の低下、またセレクト材料では、インプラント自体の生分解などがあるが、それらはみな、非金属製インプラントの受容不可能な失敗率の要因となり得る。金属製締め具でさえも、インプラントおよび/または骨組織から外れ、または後退することが知られている。非金属製締め具であれば、なおさら外れやすくなる。非金属製締め具は、締め具がプレートから外れるのを防止するのに充分な程、堅く締め、または回転させることができない。非金属製骨ネジは、金属製の骨ネジ程の機械的強度を示すことはなく、一般的な機械的固定機構、および機械的固定技法ではしばしば、非金属製締め具との一体的な連結が維持できなくなり、補正手術が必要となる。時間の経過と共に連続的に分解し、分解するにつれてますます脆弱になる生分解可能な材料から形成されるインプラントでは、一体的連結がなおさら悪化する可能性がある。これらは、患者およびその医師が、適切な治療コースを選択する際に直面する諸問題のうちのほんの数例にしか過ぎない。
【0005】
上記の問題を鑑みると、関連分野の進歩が引き続き必要であるが、その進歩には、整形外科治療および筋骨格治療の高い成功率を示し、尚かつ、後続の外科的介入の必要を減らす非金属製インプラントを提供するための、改良された方法、改良組成、および改良装置が含まれる。本発明は、そのような進歩であり、多種多様な利益や利点をもたらすものである。
【0006】
(発明の概要)
本発明は、整形外科インプラントと、その製造および使用とに関する。本発明の様々な態様は、新規で、自明ではなく、様々な利点をもたらす。本明細書で保護する本発明の実際の性質は、ここに添付する請求項を参照することによってのみ決定し得るが、ここに開示する好ましい実施形態に特徴的な、ある種の形態および特徴を、以下に簡単に記述する。
【0007】
一形態では、本発明は、通り抜ける開口部を少なくとも1つ有する骨プレートと、その開口部内に受け取られる骨締め具とを備えるインプラントアセンブリを提供する。骨締め具は、近位ネジ山、骨に係合する遠位プレート、およびそれらの間の軸を有する。締め具または骨プレート、あるいはその両方が、締め具を骨プレートに固定して相互に係合させるように変形可能であるポリマー材料から形成される。
【0008】
他の形態では、本発明は、通り抜ける開口部を1つ有する骨プレートと、その開口部内に受け取られる締め具とを備えるインプラントアセンブリを提供する。締め具は、ヘッド、ネジ切りされた遠位部分、およびそれらの間の軸を有する。締め具の少なくとも一部は、体液と接触すると、締め具を骨プレートに固定して取り付けられるように、膨張することのできるポリマー材料から形成される。
【0009】
他の形態では、本発明は、通り抜ける開口部を少なくとも1つ有する骨プレートと、その開口部内に受け取られるべき骨締め具とを備えるインプラントアセンブリを提供する。締め具は、近位ヘッド、遠位骨係合部分、およびそれらの間の軸を有する。締め具と骨プレートの少なくとも一方は、締め具を骨プレートに固定して相互に係合させる接着剤を含む。
【0010】
他の形態では、本発明は、締め具を骨プレートに固定して取り付ける方法を提供する。この方法は、修復を必要としている骨組織に、骨プレートを受け取るように手術の準備を行うこと、少なくとも1つの開口部を有する骨プレートを、修復を必要としている骨組織に接近して配置すること、開口部を通して締め具を骨組織内へと挿入することを含む。締め具と骨プレートの少なくとも一方は、骨ネジを骨プレートに固定して取り付けるように変形される。
【0011】
他の形態では、本発明は、骨ネジを骨プレートに固定して取り付ける方法を提供する。この方法は、修復を必要としている骨組織に、骨プレートを受け取るように手術の準備を行うこと、通り抜ける開口部を少なくとも1つ有する骨プレートを、骨組織に接近して配置すること、開口部を通して骨ネジを骨組織内へと挿入することを含む。締め具と骨プレートの少なくとも一方は、締め具を骨プレートに固定して取り付ける接着剤を含む。
【0012】
さらなる目的、特徴、態様、形態、利点、および利益が、本明細書に含む記述および図面から明らかとなろう。
【0013】
(発明の詳細な説明)
本発明の原理の理解を促す目的で、次に、本明細書に図示する実施形態を参照し、特定の言葉を使用してそれを記述する。しかし、それによって本発明の範囲に対する制限を意図するものではないことを理解されたい。記述するプロセス、システム、または装置の変更、およびさらなる修正、また、ここに記述する通りの本発明の原理のさらなる応用例は、本発明の関係する当業者に、普通に思いつくであろうように、ここに企図するものである。
【0014】
一般に、本発明の一形態は、骨プレートまたはその他の適切な治療整形構造と、骨締め具とを供えるインプラントを含む。この骨締め具は、インプラントの所望の位置を維持するように、骨プレートを骨組織に取り付けるために使用することができる。より個別の形態では、骨締め具を、骨プレートおよび骨組織に固定して相互に係合することによって、インプラントを手術中にしっかりと位置決めすることができる。骨締め具は、多様な技法によって様々な構成で、骨プレートに取り付けることができる。一形態では、骨締め具は、好ましくは、締め具または骨プレート、あるいはその両方を変形させることによって、骨プレートに機械的に取り付けられる。代替的形態では、骨締め具は、骨プレートに接着剤によって取り付けることができる。さらに他の形態では、骨締め具は、体液との接触で膨張することができて、それによって、骨閉め具は機械的に骨組織に取り付けられて、締め具が抜けるのを阻止することができる。
【0015】
図1は、骨プレート12および骨締め具14をそれぞれ含む、インプラント10の一実施形態を示す。骨プレート12は、骨締め具の一部分を受け取る、そこを通り抜ける開口部16を少なくとも1つ含む。プレート12は、定型化された構成の骨プレート、または適切な治療成形インプラントであること、また、骨プレート12は、様々な構成に形成することができることを理解されたい(例えば、図9A〜16参照)。好ましい構成では、治療する骨組織または他の組織との解剖学的一致が見られる。別法として、骨プレート12を所望の構成に成形して、損傷した骨組織または罹病した骨組織を回復するための支持構造をもたらすことができる。さらに、プレート12は、ひび、骨折、および他の骨変形などの、骨の欠陥を治療するための骨の固定をもたらし、例えば隣接椎体などの、隣接骨構造の並びを矯正するのに充分に堅固であることを理解されたい。
【0016】
骨プレート12は、繊維、充填剤、血小板などの補強剤を用いて、または用いないで、ポリマー材料、複合材料などの非金属材料から形成することができる。適切な材料の例を以下に論ずる。別法として、骨プレート12を金属材料から形成し、締め具14などの非金属製の締め具を使用して、骨組織に固定して取り付けることができる。
【0017】
開口部16は、締め具14の一部分を受け取るように適合される。開口部16は、締め具14のネジ山21が、骨プレート12の上表面18からひっこむことができるように、凹部または皿座ぐりセクション20を設けることが好ましい。加えて、開口部16は、締め具14と固定して係合するように、機械的エネルギー、熱エネルギー、溶剤、またはそれらの組合せによって変形することができる。図示する実施形態では、開口部16は実質的に円形の開口部として表されている。代替的形態では、骨プレート12および/または締め具14を術中で位置決めすることができるように、開口部16を、例えば、長楕円形開口部、またはスロットなどの多様な形状で設けることができる。本発明は、締め具を、骨プレートに形成されたスロット内の特定の位置に取り付けることについて、格別の利点を提供する。締め具はスロット内の1つの位置に取り付けられる。一旦締め具を下にある組織に取り付けると、追加の取り付け手段がなくとも、プレートは、下にある組織に対して偏移または移動することはない。
【0018】
開口部16に隣接する材料19は、開口部16を部分的に封鎖し、またはその上に重なる。一形態では、材料19の変形は、プレート12の上表面18にくぼみを形成する。(例えば、図4および5のインプラントアセンブリの代替的実施形態を参照。)さらに他の代替的実施形態では、材料19の変形は、実質的に滑らかな上表面18をもたらす
締め具14には、ネジ山21、組織係合部分22、およびそれらの間の連結軸23が設けられる。ネジ山21は、フィリップ型のドライブツールを受け取るように押印される。個々の押印、またはツールとの係合構造は、本発明には重要ではない。したがって、ネジ山21に付随する、ドライブツールとの様々な係合構造を有する締め具を含むことは、本発明の範囲に入るものである。加えて、ネジ山21には、湾曲した、または円形の上部プロフィル24を設けることができる。ネジ山21の裏面ヘリ26は、プレート12の凹セクション20に、対合して係合するように構成される。一形態では、締め具14は、材料19が開口部16の周りで変形することによって、プレート12に固定して相互に係合される。代替的形態では、締め具14は変形されて、開口部16内の材料および/または下にある組織と相互に係合し、プレート12から戻り抜けるのを防止し、下にある組織に対する保持力を増す。(例えば、図5A/Bおよび7を参照。)
【0019】
組織と連結する部分22は、連結軸23でネジ山21に連結される。連結軸23には、そうでなければならないと言う訳ではないが、外側のネジ切りを設けないことが好ましい。さらに、連結軸23は、多様な長さおよび多様な外径(OD)で設けることができる。一形態では、連結軸23は、単に、ネジ山21と、組織係合部分22との間の接合部をもたらすに過ぎない。さらに、連結軸23は、性質の異なる2つの材料、即ち、ネジ山21用の第1の材料と、組織係合部分22のための第2の材料が接合できるような材料によって形成することができる。
【0020】
組織係合部分22は、外側のネジ切り28を含む。好ましい実施形態では、締め具14は、セルフタッピンネジとして提供される。したがって、外側ネジ切り28は、骨組織内を押し分けて進むのに充分な程、堅固である。そのように提供されると、下にある組織には、組織係合部分22を受け取るための開口部を設けるために、予め穴開けをする必要がない。別法として、締め具14を、ネジ切りのある、またはない、多様な構成で提供することができる。例えば、ネジ切り14をピンとして提供することができる(図示せず)。ピンは、そうでなければならないと言う訳ではないが、骨係合部分から側方に延びて、隣接する骨組織と係合し、その中へと延びることができる、追加の構造を含むことが好ましい。
【0021】
図2は、本発明による、変形可能なインプラントアセンブリ50の一実施形態を示す。インプラントアセンブリ50は、中に形成される少なくとも1つの開口部54を有する変形可能な骨プレート52を含み、骨締め具56が、開口部54内に受け取られるように提供されて、これがプレート52を、骨などの組織に取り付ける(図示せず)。
【0022】
骨プレート54が、締め具56を取り付けるために提供される。図示する実施形態では、骨プレート52は、開口部54に隣接する変形可能な部分58を含む。変形可能な部分58は、開口部54を実質的に取り囲み、表面64から突き出るカラーまたは円錐状の構造となる。代替的形態では、変形可能な部分は、開口部54を完全に取り囲む必要はない。さらに、変形可能な部分58を、尾根、タブ、輪、およびその他同種類のものを含む、円錐状構造以外の多様な構成で備えることができる。この代替的構造は、プレート52の表面64から突き出る必要はない。変形可能な部分58および骨プレート52は、同じ材料から、または異なった材料から形成することができ、これを結合し、または一緒に形成する。個々の材料の例を以下に論ずる。
【0023】
開口部54への締め具56の受け取りとそれに続く固定を示す図3および4をさらに参照すると、締め具56は、好ましくは、締め具56のネジ山60が、プレート52の上表面64よりも下に受け取られるように、開口部54内に挿入される。締め具56が開口部54内に受け取られた後、変形可能な部分58を変形させて、機械的ロックをもたらして、締め具56が開口部54から後方に飛び出すのを防止することができる。変形可能な部分は、そうでなければならないと言う訳ではないが、ネジ山60にもたれることが好ましい。変形可能な部分58の一部分が、締め具56が開口部54から引き抜けるのを阻止するように、開口部54およびネジ山60の一部分の上に重なっていれば充分である。
【0024】
変形可能な部分58は、熱、力および/または溶剤を加えると変形することができる。任意の適切な熱生成器具を使用して、変形可能部分58の材料を加熱し、変形することができる。加熱機器の例には、熱風ガン、小型溶接ガンもしくは小型はんだ付けガン、超音波溶接機もしくはボビーティップが含まれる。さらに使用できるものとして、通常、手術室に備えられているレーザがある。レーザは特に望ましいが、その理由は、その使用に際して精密であり、制御されるもので、極めて素早く充分な熱を生成することができ、また狙いを誤った熱が少ないことによって熱による壊死を生ずることが少ないことによる。インプラントアセンブリを形成するために、加熱処理を手術前に行うことができる。別法として、インプラントをカスタマイズするために、加熱処理を、手術時に体外で、しかし手術室で行うことができ、あるいは、インプラントの組立てを体内で行うことが望まれる時は、加熱処理を、術中に体内で行うことができる。
【0025】
同様に、手術前または手術中のいずれにも加えることのできる任意の適切な力を使用することができる。1つの好ましい例に、超音波装置の使用があり、これによって、熱をほとんど生成しないで、あるいは最低限生成するだけで、プラスチック材料を変形することができる。
【0026】
別法として、骨ネジの一部分を変形するために、溶剤を使用することができる。通常、プラスチック材料を柔軟にする溶剤が選択される。このような溶剤には、有機物から作られる溶剤と、体液を含む液体から作られる溶剤とが含まれ得る。特に溶剤が手術中で使用される時は、選択溶剤が患者にとって非適応でないよう、注意を払わねばならない。溶剤の選択は、変形する材料に基づいても行われる。骨プレートの一部分を変形させるのに使用することのできる溶剤の例には、アルコール、グリコール、グリコールエーテル、油、脂肪酸、アセテート、アセチレン、ケトン、芳香族炭化水素溶剤、および塩素化溶剤が含まれる。
【0027】
部分58を変形させることに加えて、上に論じた技法および装置のいずれをも、締め具56をプレート52に結合するのにも使用することができる。
【0028】
個別に図4を参照すると、変形された部分66が、ネジ山60の一部の上に重なって、締め具56がプレート52から戻り抜けるのを防止する。図示する実施形態では、変形された部分66は、ネジ山60の頂部をさらけ出す中心のくぼみまたは凹所を備えた円形のマウンドに似ている。実際には、変形の構成は、材料を変形させるのに使用する方法および計測器に応じて変わることがあることを理解されたい。例えば、ネジ山60の頂部が見えている必要はなく、また、変形された部分66が、開口部54および/または締め具56を完全に取り囲む必要もない。
【0029】
図5は、実質的に平坦な上表面93と、それを通って形成される少なくとも1つの開口部96とを有する骨プレート92を備える、インプラントアセンブリ90の代替的実施形態を表す。骨プレート92は、開口部96に隣接する、展性のある、または変形可能な部分94を含む。変形可能な部分94は、インプラントアセンブリ50について既に述べた通り、熱および/または機械的エネルギー、または溶剤を加えることによって変形することができる。一形態では、まず、骨プレート92が、実質的に図2の骨プレート52について述べた通りの構成で提供される。変形可能な材料94を加熱し、追加の力を用いて、または用いずに、材料を開口部96のボア97の中へと流入させて、材料をボア97内に押し込めることによって、実質的に同一平面の上表面93を形成することができる。変形可能な材料94は、力を加えることによって、ボア97内に挿入できることが好ましい。その結果生じる、変形された材料99は、開口部96内に受け取られた締め具98の一部分の上に重なる。プレート92にもたらす変形可能な材料94の量は、変化することができ、変形可能な材料の選択、締め具およびプレートの組成、開口部96の直径、締め具98の直径、いくらかでもある場合は、変形された材料が上表面93から突き出る量を含む、数々の要因によって決まる。
【0030】
望まれる場合は、上表面93の上に突き出る変形可能な材料94の、任意の一部分を、切削または平削りによって、取り除くことができる。そのように提供されると、その結果もたらされるインプラントアセンブリ90は、滑らかな外表面を備えて、上表面93の上に重なる隣接組織に対する刺激が軽減される。
【0031】
図6Aおよび6Bは、変形可能な締め具および骨プレートアセンブリ100のさらに他の実施形態を示す。アセンブリ100は、少なくとも1つの変形可能な締め具102と、通り抜けて形成される開口部106を少なくとも1つ有する骨プレート104とを含む。開口部106は、その中で軸方向に位置付けられる周囲凹部112を有する内部ボア108を画定する。凹部112は、ボア108の周囲全体の周りに延びる凹表面113を有するものとして図示してある。多種多様な内部表面の構成を有する凹部が、本発明の範囲に入ることをここに意図するものである。この様々な凹部の構成は、ボア108を完全に取り囲む必要はない。代替的実施形態では、凹部112はまた、ボア108内に受け取られる変形された締め具が回転するのを阻止するための、多種多様な構造的機構を含むこともできる。これらの構造的機構の例には、粗面または刻み付き面、ならびに、ボア108を軸方向に延びる溝および/または尾根が含まれる。ボア108はまた、凹部112から軸方向に位置付けられる締め具座表面119を含むことができる。
【0032】
個別に図6Aを参照すると、変形前の変形可能な締め具102が表してある。締め具102は、変形可能な部分116を有するネジ山114、連結軸118、および組織係合部分120を含む。ネジ山114の変形可能な部分116は、熱エネルギーまたは仕事エネルギーを加えると変形させることが可能な、追加の材料を含む。ネジ山114は、締め具14のネジ山21について述べた通りのドライブツールとの係合構造が設けられる。ネジ山108の下側表面122は、連結軸118の上に覆いかぶさる。締め具102が開口部106内に全て受け取られると、下側表面122は、締め具座標面119にのしかかり、ネジ山108が、開口部106を完全に通り抜けてねじ込まれてしまうのを防止する。
【0033】
次に図6Bを個別に参照すると、変形された締め具124を、変形された状態にある開口部106内に表してある。変形部分126は、凹部112を実質的に埋めるように拡張する。変形部分は、締め具102が開口部106から追い出され、または戻り抜けるのを効果的に阻止する。変形部分126は、インプラントアセンブリ50について既に述べた通りの技法および道具を使用して、変形することが可能である。変形部分は、適切な任意の材料から製作することができる。個々の例を以下に論ずる。
【0034】
図7は、プレート142と、少なくとも1つの締め具144とを備えるインプラントアセンブリ140を表す。インプラントアセンブリ140は、部分的に骨組織141に取り付けられて、骨組織141内のひびまたは折れとして表す欠陥145を、ブリッジするものとして図示している。骨プレート142は、欠陥145の一方側に位置付けられた少なくとも1つの開口部143と、欠陥145の反対側に位置付けられた少なくとも1つの第2開口部144とを含む。最適な治療を行うために望まれ、または必要とされる場合は、プレート142は、複数の締め具を受け取る、それと同数の開口部を有することができる。骨締め具146は、開口部144内に表してあるが、締め具146のネジ山149が、プレート142の上表面150よりも下に位置付けられるように組織141と係合される。第2の骨締め具147は、プレート142の開口部143と、組織141内の予め開けられた穴148との付近に示してある。開口部143および144は、骨プレート142に予め形成することができることを理解されたい。別法として、開口部143および144を、手術時に位置付け、開けることもできる。骨プレート142を非金属材料から製作することによって、術中に開口部143および144を位置付け、開けることが容易になる。通常、非金属材料の方がずっと柔軟であり、したがって、それに相当する金属材料よりも穴あけが容易である。第1骨締め具146は、開口部144内に受け取られ、骨組織141にネジ込みで取り付けられる。
【0035】
手術で、締め具147は、開口部143の中に挿入されて、組織141内の、予め開けられた穴148内へとネジ込み係合される。予め開けられた穴148は、締め具147をねじで受け取るようにネジ立てし、またはネジ立てをなくすことができる。締め具147は、ネジ山152の下側部分151が、開口部143の勾配付き表面153にのしかかるように推進される。これによって、骨プレート142が骨組織141に固定して取り付けられる。
【0036】
図示する実施形態では、第2の締め具147の組織係合部分154は、体液と接触すると、膨張することができる材料から形成することができる。骨組織141に接触すると直ぐ、またはそれに続いて、組織係合部分154は、通常組織に含まれている体液を吸収し始める。これによって、組織係合部分154は膨張し、内部組織141および/または開口部148の壁155と機械的にかみ合って、ネジ147と骨プレート142の両方を組織141に固定して取り付ける。組織係合部分154は、体内組織に見受けられる、例えば、血液、血清、血漿などの体液を吸収するように選択された材料から形成することができる。体液との接触で膨張することのできる骨係合部分を提供するのに、多様な材料を選択することができる。限定されない例として、d乳酸(ラクチド)、l乳酸(ラクチド)、d/l乳酸(ラクチド)、グリコール酸(グリコリド)、カプロラクトン、アミド、およびこれらのモノマーの混合物から誘導された重合モノマーを含む、オリゴマー、ホモポリマー、コポリマーがある。本発明で使用するポリマー、コポリマー、およびポリマー混合物には、以下に限定されないが、lポリラクチド、dポリラクチド、d/lポリラクチド、ポリグリコライド、ポリ(ラクチド−コ−グリコライド)、チロシンから誘導されたポリカーボネート、ポリ無水物、ポリオルトエステル、およびポリホスファゼンが含まれる。さらに、ポリマー材料の膨張する能力を、ポリマーの重合度、結晶度、および組成を変化させることによって変更することができる。コポリマーという用語は、ここでは、本発明の範囲内に、2つ以上の単独のモノマー反復単位から形成されるポリマーが含まれるものとして使用している。このようなコポリマーには、ランダムコポリマー、グラフトコポリマー、ブロックコポリマー、ラジアルブロックコポリマー、ジブロックコポリマー、トリブロックコポリマー、交互コポリマー、および周期コポリマーが含まれる。
【0037】
図7で、締め具146の組織係合部分156が膨張するのが分かる。好ましい実施形態では、膨張した組織係合部分は、予め開けられた穴158の内側の骨組織表面にもたれる。さらに組織係合部分156は、開口部144から第2の締め具146が、主に機械的咬み合い機構を通って抜けるのを、効果的に阻止するのに充分に膨張することを理解されたい。
【0038】
図8は、本発明によるインプラントアセンブリ190の、他の実施形態を示す。インプラントアセンブリ190は、骨プレートを含むが、これは、それを通り抜けて形成される、少なくとも1つの開口部194と、少なくとも1つの開口部194内に受け取られる骨締め具196とを有する。先に論じたように、骨締め具196は、ネジ山200、組織係合部分204、およびそれらの間の連結軸202を含む。締め具196は、好ましくは結合剤206によって、骨プレート192に固定して取り付けられる。
【0039】
締め具196は、溶剤の結合によって、骨プレートに取り付けることができる。この形態では、締め具と骨プレートが、溶剤溶接に敏感に反応する、互いに適合する材料から形成することが好ましい。溶剤は、有機溶剤である場合が多いが、通常、両表面、即ち、ネジ山200の下側表面208と上側表面198に付けられる。溶剤は柔らかくなり、材料の一部分を分解させることができる。一旦、材料が充分に可塑性を帯びると、締め具は、開口部194を通って、下にある組織の中へと、表面208が表面198に接触するまで推進される。次いで、溶剤が、熱を加えることにより、または加えないで、蒸発によって除去される。その結果できるインプラントアセンブリは、好ましくは半相互浸透のポリマーネットワークによって、骨の欠陥の治癒を促すのに充分な期間、充分に一緒に結合されている。上述したインプラントアセンブリと同様、骨締め具196および骨プレート192は、生分解性の材料から製作することができる。
【0040】
締め具196はまた、少なくとも1つの開口部194の内側表面198と、ネジ山200の下側表面208との間の界面で粘着在によって結合させることもできる。締め具196を骨プレート192に結合させる接着剤は、生体適合性であり、好ましくは生分解性であるように選択される。本発明で使用する接着剤の例には、シアノアクリレート、エポキシ、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、シリコンの接着剤、およびそれらの周知の誘導体が含まれる。接着剤は、熱を加えることによって、あるいは、光および/または放射線によっていずれも化学的に開始された遊離基を加えることによって、硬化することができる。
【0041】
接着剤はまた、1つの部分の接着剤として、または複数部分の接着剤として選択することができる。1つの部分の接着剤は、骨締め具210および/または骨プレート192に付けることができる。接着剤を複数部分の接着剤として選択する時は、少なくとも接着剤の一部分212を、骨締め具210の、好ましくは、ネジ山216の下側表面214に付けることができ、接着剤の第2の部分220を、骨プレート192の、開口部218の内側表面222に付けることができる。
【0042】
図8に表す実施形態では、締め具214は、骨ネジとして示す。この構成は、複数部分接着システムの、際立った利点を実現する。締め具214が下にある骨組織とネジ込み係合されると、下側表面214の、接着剤の第1の部分212がまず、内側表面222の、接着剤の第2の部分220と接触する。締め具214を続けて回転させることによって、接着剤の2つの部分が混ざり合って、均質な複数部分接着剤となる。この均質な複数部分接着剤は、急速に硬化することができて、骨締め具110と骨プレート192の、接着剤による強固な結合を形成する。
【0043】
本発明はまた、感圧接着剤を含むことができる。感圧接着剤は、上述の通り、1つの部分の接着剤として、または複数部分の接着剤として提供することができる。感圧接触剤は、しばしば硬化時間を必要とする他の接着剤に対して利点をもたらす。例えば、感圧接触剤は、性質の異なる材料を一緒に結合する、際立った能力を有する。それらはまた、ヒトの組織とも、接着剤による強固な結合を形成し、長い硬化時間や、接着剤の硬化を開始するための、光や熱などのイニシエータを必要としない。感圧接着剤は、締め具の組織係合部分に付けることができる。一旦締め具が組織の中に埋め込まれると、締め具は、取り付けられた骨プレートを連結することができる。感圧接着剤は、少なくとも1つの開口部194内に骨締め具を維持するために、充分な接着と、充分な剪断強度をもたらすように、選択することができる。さらに、感圧接着剤は、骨プレート192および/または締め具196に予め付けておくことができる。これは、いずれの構成要素の製造プロセス中にも付けることができる。別法として、接着剤を、外科的処置を行う間、またはその直前に付けることもできる。感圧接着剤を製造プロセスで付ける時には、接着剤によって覆われた、インプラントの部分を覆うための、取り外し可能な裏当紙などの非接着カバーを含むことが望ましい。これによって、接着剤に悪影響を与えずに取り扱え、輸送でき、清潔で、実質的に汚染されていない表面を維持することができるが、構成要素は、外科的処置の前に殺菌するべきであることを理解されたい。望まれる場合は、感圧剤の裏当は、構成要素を一緒に固定することができるように、接着剤の覆いから取り外すことができる。
【0044】
感圧接着剤は、多種多様な周知の合成物から選択することができる。その例には、アクリル接着剤、シリコン接着剤、ポリエステル接着剤、ポリウレタン接着剤がある。上述の接着剤と同様に、感圧接着剤は、1つの部分の構成要素、または複数部分の構成要素に付けることができる。
【0045】
通常、剥離用裏当は、外科的処置の直前、またはその間に即座に取り外すことのできる、シリコンのコーティングを施した紙を含む。裏当を取り外した後、骨締め具は、骨プレートの開口部を通ってネジ込み係合され、または推進される。前述の通り、骨締め具は、ピン、または骨ネジなどのネジ切り骨締め具であることができる。骨ネジが使用される場合、骨ネジは、骨組織内に予め開けられた穴の中に推進させることができる。別法として、骨ネジをセルフタッピンにすることができる。締め具の一部分、好ましくは締め具ネジ山の下側表面が、骨プレート、例えば骨プレートに形成された開口部の内側表面に、一旦もたれかかれば、接着剤は硬化してよい。通常、硬化時間は比較的短く、数秒から数分である。接着剤が一旦硬化すると、骨締め具は、骨プレートに固定して取り付けられて、患者による、通常の、推奨される身体活動中に、それが戻り抜け、または緩むことはない。
【0046】
図9Aおよび9Bは、本発明で使用する可撓性プレート250の一例を示す。プレート250は、解剖学的構造への取り付けを様々に行えるように、多数の開口部252を含む。多数の開口部によって、外科医に、骨組織および筋肉組織の固定および矯正への多数の選択肢が提供される。外科医は、締め具の数、締め具を挿入するための特定の開口部を、使用できる健康な組織と、その状態と、骨組織の全体の解剖学的構造もしくはマクロ構造とに応じて、選定することができる。
【0047】
一形態では、靭帯および/または腱を骨の構造に再度取り付け、または強化するために、プレート250を使用することができる。多数の開口部252の位置とサイズは、骨プレート250の可撓性を高めて、接合された椎体および接合された組織の充分な稼動性および充分な連節を可能にするようにもたらすことができる。加えて、骨プレート250は、基準線254によって表す厚みを有するが、これは、可撓性をさらに促進し、尚かつ、接合された椎体の固定を維持するのに充分な強度を維持するように選定される。好ましい実施形態では、骨プレート250の厚みは、約0.5mmから約4mm、より好ましくは、約1.5mmから約2.5mmの間になるように選定される。また、骨プレート250の可撓性は、その厚み、多数開口部252の数および位置、またはプレートの形成に使用する材料を多様にすることによって、変化させることができることを理解されたい。
【0048】
好ましい一実施形態では、骨プレートは、例えば、隣接する腰椎への取り付け、および、損傷を受けた前縦靭帯(ALL)を再取り付けし、強化し、または交換するために、隣接する椎体への取り付けに適した、一段のプレートとして提供される。埋め込まれた骨プレートは、術後の、患者の脊椎の伸張度を高め、尚かつ、共に接合された椎骨間の、所望の椎間板高さを維持することができる。この実施形態では、プレート250は、基準線256で表す高さを有するが、これは、約20mmから約60mm、より好ましくは、約40mmから約50mmの間になるように選定される。同様に、骨プレート250の幅は、基準線258によって表すが、個々の椎体の周囲の約1/8から約1/3に等しくなるように選定される。この幅は、約10mmから約40mm、より好ましくは、約15mmから約20mmの間になるように選定することができる。
【0049】
図10Aおよび10Bは、本発明で使用する、2段用の骨プレート280を示す図である。骨プレート280は、実質的に、骨プレート250で述べた通りに設けることができる。プレート280は、前述の通り、締め具を受け取るための、それを通り抜けて形成される複数の開口部282を含む。骨プレート280は、基準線284によって表す厚みを有するが、これは、骨構造を連結させる靭帯を修復および/または置換するのに充分な可撓性をもたらすのに適切なものとなっている。好ましい一実施形態では、骨プレート280は、約0.5mmから約4.5mm、より好ましくは、約1.5mmから約2.5mmの厚みを有するようにサイズ決めされる。
【0050】
骨プレート280は、3つの隣接する椎体に取り付けるようにサイズ決めされる(例えば図11参照)。骨プレート280の高さは、基準線286によって表すが、これは、約50mmから約120mm、より好ましくは、約80mmから約100mmの間になるように選定される。骨プレート280の幅は、基準線288によって表すが、これは、個々の椎体の周囲の約1/8から約1/3になるように選定される。この幅は、約10mmから約40mm、より好ましくは、約15mmから約20mmの間になるように選定することができる。
【0051】
骨プレート250および280の双方は、それぞれ、複数の開口部252、および282を有する。この開口部は、プレート12、52、および92について述べた通り、変形可能な部分を含むように設けることができる。さらに、骨プレート250および280は、締め具14、98、102、および143を含む、前述の様々な締め具を使用して、組織に取り付けることができる。
【0052】
好ましい実施形態では、骨プレート250および280は、成形用の、または展性のある材料から形成される。したがって、プレートを、外科的処置の前、またはその間に、椎骨の前方面などの解剖学的構造に一致するように成形することができる。この適切な材料の例には、以下に列挙する、再吸収可能な材料と、再吸収できない材料のいずれもが含まれる。
【0053】
図11は、実質的に、図10Aおよび10Bについて上述した通りの骨プレートの、配置および変形を示す。骨プレート300は、第1腰椎302から第3腰椎304に延びる。骨プレート300は、手術前、または手術中に、所望の解剖学的構造に一致するように、変形させることができる。
【0054】
図12は、本発明で使用する、変形可能な骨プレート320を示す。プレート320は、そこを通り抜ける、多種多様な開口部を含むことができる。図示する実施形態では、プレート320は、それを通り抜ける、少なくとも1つの円形開口部322と、1つのスロット324とを含む。プレート320は、1つの椎体から隣接する椎体に延びるように適合される、多様なサイズで設けることができる。別法として、プレート320は、複数の椎体に渡って延びるサイズで設けることもできる。
【0055】
図13は、骨プレート340の代替的実施形態を示す。骨プレート320に類似する、骨プレート340は、それを通り抜ける多種多様な開口部を含むことができる。骨プレート340は、それを通り抜ける、少なくとも1つの円形開口部342と、少なくとも1つのスロット形開口部344を含むことができる。骨プレート340には、基準線346によって表す、変化させることのできる長さが備えられる。好ましい実施形態では、骨プレート340の長さは、約5cmから約15cmにすることができ、より好ましくは、骨プレート340は、約7cmから約13cmの長さになるように設けることができる。
【0056】
図14Aおよび14Bは、本発明で使用する、変形可能な骨プレートのさらに他の実施形態を示す。図14Aは、通り抜ける開口部362が少なくとも2つ設けられた骨プレート360を示す。図14Bは、複数の通り抜け開口部372を有する、変形可能な骨プレート370を示す。骨プレート360および370のいずれも、そこを通り抜ける、少なくとも2つの、より好ましくは複数の開口部を有する、細長いプレートとして図示してある。これらの開口部は、骨プレート360および372の長さに沿って配置され、好ましくは、細長いプレート360および370の長さに沿って均等に位置決めされる。骨プレート360も、骨プレート370も、それよりも少ない数の開口部、または、例えばスロットなどの、単一の細長い開口部を設けることができることも、本発明の範囲に入る。手術中、外科医は、穴の位置を決め、続いて、一方または他方の骨プレート360または370に穴開けを行って、それぞれの骨プレートを骨組織に締め付けるための追加の開口部を設けることができる。
【0057】
図15は、本発明で使用する変形可能な骨プレート380の、さらに他の実施形態を示す。この変形可能な骨プレートは、それを通り抜けるスロット382を少なくとも1つ有する、細長いプレートである。代替的実施形態では、スロット382は、スロット382の長さを延びる、一連の楕円形表面を含む。楕円形の表面は、締め具、例えば図1の締め具14の、下側表面内に、対合して係合することができる。既に論じた他の骨プレートと同様に、骨プレート380は、多種多様なサイズで設けることができる。骨プレート380のサイズは、プレート380が取り付けられる、個々の骨構造に応じて選定することができる。
【0058】
図16は、本発明で使用する変形可能は骨プレート400の、さらに他の実施形態を示す。骨プレート400は、頚椎の固定をもたらすように適合することができる。骨プレート400は、その中を抜けて形成される、多種多様な開口部とスロットを含むことができる。図示する実施形態では、骨プレート400は、プレート400の第1端部406に位置付けられる、少なくとも1対の開口部402および404を含む。加えて、開口部408および410が、反対側の端部412に設けられる。加えて、プレート400は、その中を抜けて形成さえる、少なくとも1つのスロット414を含むことができる。スロット414には、実質的に滑らかな内側表面416を備えることができる。別法として、スロット414には、図15のプレート380で述べた通りの、楕円形の内側表面を備えることができる。
【0059】
図17は、変形可能な骨プレートアセンブリ440の、さらに他の実施形態を表す。プレートアセンブリ440は、骨プレート442と、プレート442に移動可能に取り付けられる、少なくとも1つの移動防止部分444を含む。プレート442は、1つまたは複数の骨締め具448がそこを通って挿入される、複数の開口部446を含む。そうしなければならないという訳ではないが、骨448は、骨ネジ449であることが好ましい。実質的に、プレート15、52、および92について個別に前述した通りに、開口部446を設けることができる。非支承面451内の溝450が、プレート442の長さに沿って延びる。少なくとも1つのネジ立てした開口部が溝450内に形成される。プレート442は、生分解可能、または生分解不可能なポリマーの、ポリマー材料から形成することができる。加えて、プレート442は、チタニウム、または外科用スチールなどの金属から形成することもできる。プレート442は、変形可能なポリマーから形成され、対象となる骨構造の解剖学的構成に一致するように、手術中に容易に成形され、またはその外形が作られる。好ましい形態では、プレート442は、2つの隣接する頚椎を連結するように構成され、脊椎の融合を促すために使用することができる。
【0060】
図示する実施形態では、移動防止部分444は、溝448内に滑動可能に受け取られ、少なくとも1つの、好ましくは一連の、バー452を抜ける楕円形開口部454を有するバー452を含む。楕円形開口部454は、バー452を、ねじ切り締め具458によって、プレート442に滑動可能に取り付けることを可能にする。移動防止部分444は、バー452に加えて、またはそれの代わりに、他の多様な構造的機構を含むことができる。例えば、移動防止部分444は、締め具448のネジ山460の部分の上に重なる、移動可能な構造を含むことができる。その目的のために、移動防止部分444は、ネジ、旋回可能に取り付けられた羽根、滑動可能に取り付けられたキャップなどを含むことができる。これらの実施形態では、移動防止部分は、締め具448の取り出しまたは挿入を可能にする第1の位置から、締め具448の取り出しまたは挿入を阻止する第2の位置に移動する。
【0061】
移動防止部分444は、プレート442の材料と同じ材料から製作される。別法として、移動防止部分444は、性質の異なる材料から製作することもできる。例えば、移動防止部分444を、金属から製作し、骨プレート442を、ポリマー材料から製作することができ、あるいは、移動防止部分444をポリマー材料から製作し、骨プレート442を金属から製作することもできる。
【0062】
前述した全体構成を有する骨プレート、あるいはそれと類似の動作形態を示す代替的プレートには、テネシー州メンフィスのMedronic Sofamor Danek社のATLANTIS、AXIS、DYNALOK、DYANALOK PLUS、PREMIER、Z−PLATE II、およびEPHIRという商標名で販売されているインプラントが含まれる。
【0063】
本発明で述べたプレート、締め具、および接着剤は、好ましくは使用の前に、最も一般的には、エチレンオキサイドガスを使用して化学的に、または構成要素をガンマ放射線で照射して、殺菌する。通常、骨締め具および/または骨プレートなどの非金属構成要素には、低温を使用する殺菌処理が必要である。化学的殺菌および照射型殺菌は、通常、接着剤の特性または性能に影響を及ぼさないように選択される。接着剤が、1つまたは複数の構成要素に、その製造中につけられる時、接着剤によって覆われたインプラントの部分は、殺菌処理に耐えることのできる剥離用裏当で覆われていることが好ましい。
【0064】
ここで開示する通りの本発明の実施形態では、骨締め具もしくは骨プレートのいずれか、あるいはその両方を、非金属材料から製作することができることを理解されたい。別法として、骨プレートを金属材料から製作し、骨締め具を非金属材料から製作することもできることを理解されたい。本発明の装置を構築するための、再吸収可能な材料の一般的な例には、ポリヒドロキシ酸、例えばポリ(L−ラクチド)、ポリ(D−ラクチド)、ポリ(L/D−ラクチド)、ポリ(L/DL−ラクチド)、ポリグリコリド、様々な組成のラクチドおよびグリコリドのコポリマー、前記ラクチドおよび/またはグリコリドおよび他のポリエステルのコポリマー、グリコリドおよびトリメチレンカーボネートのコポリマー、ポリヒドロキシブチラート、ポリヒドロキシ吉草酸塩、様々な組成のヒドロキシブチラートおよびヒドロキシ吉草酸塩のコポリマー、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリジオキサノン、ポリジオキサネジオン、ポリエステルアミド、重合体酸、ジオールおよび蓚酸および/または琥珀酸のポリエステル、ポリアミノ酸、アミノ酸およびグルタミン酸のコポリマー、ポリアミド、ポリカプロラクトン、ポリカーボネートが含まれる。分解可能な好ましいポリマー(ホモポリマー/コポリマー)は、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリジオキサノン、ポリ(グリコリド−コ−トリメチレンカーボネート)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、およびポリエステルアミドが含まれる。
【0065】
本発明で有用な、分解できないポリマー材料の例には、以下に限定されないが、アクリル、フルオロカーボン、ヒドロゲル、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリールエーテルケトンポリイミド、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリ(塩化ビニール)、シリコンラバー、ポリエチレン、およびポリエーテルケトン、例えば、PEK、PAEK、PEEK、PEKEKK、およびそれらの混合物が含まれる。
【0066】
ポリマー材料は、熱可塑性または熱硬化性であることができる。ポリマー材料は、合成物またはマトリックスとして形成することができ、繊維、ロッド、血小板、および充填物などの強化材料、または強化位相を含むことができる。例えば、ポリマー材料は、ガラス繊維、炭素繊維、ポリマー繊維、セラミック繊維などを含むことができる。好ましい実施形態では、ポリマー材料は、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック粒子または充填物を全く含まずに形成される。
【0067】
本発明を図面および先の説明で、図示し、詳しく述べたが、これは、その性質において、例示的なものであって、限定的なものではないと考えられる。好ましい実施形態だけを示し、記述したのであること、また、本発明の精神の中に入る、全ての変更および修正が保護されるよう、ここに求めるものであることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明による、非金属製骨プレート、および非金属製締め具の一実施形態の斜視図である。
【図2】本発明による、変形可能な骨プレート、および締め具の代替的実施形態の側面図である。
【図3】図2の締め具と変形可能な骨プレートの相互の係合を示す、側面図である。
【図4】図3の、骨プレートの変形、および締め具を示す側面図である。
【図5】骨プレートと締め具の相互係合の、代替的実施形態の側面図である。
【図6】図6Aは、本発明で使用する、骨プレート、および変形可能な締め具の一実施形態の側面図である。図6Bは、図6Aの、締め具の変形、および骨プレートを示す側面図である。
【図7】骨組織に取り付けられた、変形可能な骨プレート、および締め具の一実施形態の側面図である。
【図8】本発明による、骨プレートに接着剤によって結合された非金属製の締め具の、側面図である。
【図9】図9Aは、本発明の、1段の、変形可能な椎骨プレートの一実施形態の斜視図である。図9Bは、図9Aの椎骨プレートの上面図である。
【図10】図10Aは、本発明の、2段の、変形可能な椎骨プレートの一実施形態の斜視図である。図10Bは、図10Aの椎骨プレートの上面図である。
【図11】3つの腰椎骨を連結する図10Aの変形可能なプレートの側面図である。
【図12】本発明による、脊椎の前方固定で使用するのに適した変形可能なプレートの、一実施形態の上面図である。
【図13】本発明による、脊椎の前方固定で使用するのに適した変形可能なプレートの、他の実施形態の上面図である。
【図14】図14Aは、本発明で使用する、一段の変形可能なプレートの一実施形態の上面図である。図14Bは、本発明で使用する、多数段の変形可能なプレートの一実施形態の上面図である。
【図15】本発明による、脊椎の後方固定で使用する変形可能なプレートの、一実施形態の上面図である。
【図16】本発明による、頚椎骨の固定に適した変形可能なプレートの、一実施形態の上面図である。
【図17】本発明で使用する骨プレートアセンブリの一実施形態の斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの貫通開口部を有する骨プレートと、非金属材料で形成され、ヘッドおよびその反対側の組織係部分を有する締め具とを有するインプラントアセンブリにおいて、
前記締め具は前記少なくとも1つの開口部に挿入され、前記骨プレートに溶剤接着されることを特徴とするインプラントアセンブリ。
【請求項2】
前記骨プレートは第1のポリマー材料から成り、前記締め具は前記第1のポリマー材料と混合された第2のポリマー材料から成る、請求項1に記載のインプラントアセンブリ。
【請求項3】
少なくとも1つの貫通開口部を有する骨プレートと、前記開口部に挿入され、近位ヘッド、骨係合遠位部分およびそれらの間の軸を有する締め具とを有するインプラントアセンブリにおいて、
前記骨プレートと前記締め具の少なくとも片方が、該骨プレートと該締め具とを相互に固定するための感圧接着剤を有することを特徴とするインプラントアセンブリ。
【請求項4】
骨プレートが可撓性で、隣接する骨構造の連節を可能にする、請求項3に記載のインプラントアセンブリ。
【請求項5】
骨プレートが、隣接する椎骨に連結する、請求項4に記載のインプラントアセンブリ。
【請求項6】
少なくとも1つの貫通開口部を有する骨プレートと、前記開口部に挿入され、近位ヘッド、骨係合遠位部分およびそれらの間の軸を有する締め具とを有するインプラントアセンブリにおいて、
前記骨プレートと前記締め具の少なくとも片方が、該骨プレートと該締め具とを相互に固定するための接着剤を有し、該接着剤は、エポキシ、アクリル酸塩、シアノアクリレート、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、シリコンの接着剤、およびそれらの混合物から成る群から選択される、インプラントアセンブリ。
【請求項7】
少なくとも1つの貫通開口部を有する骨プレートと、前記開口部に挿入され、近位ヘッド、骨係合遠位部分およびそれらの間の軸を有する締め具とを有するインプラントアセンブリにおいて、
前記骨プレートと前記締め具の少なくとも片方が、該骨プレートと該締め具とを相互に固定するための接着剤を有し、該接着剤は、2部分接着剤であり、接着剤の第1の部分は、骨プレートに付けられ、接着剤の第2の部分は、締め具に付けられ、それによって、骨プレートが締め具と接触すると、接着剤の第1の部分と第2の部分が組み合わされる、インプラントアセンブリ。
【請求項8】
少なくとも1つの貫通開口部を有する骨プレートと、非金属材料で形成され、ヘッドおよびその反対側の組織係部分を有する締め具とを有するインプラントアセンブリにおいて、
前記骨プレートと前記締め具の少なくとも片方が、該骨プレートと該締め具とを相互に固定するための感圧接着剤を有することを特徴とするインプラントアセンブリ。
【請求項9】
少なくとも1つの貫通開口部を有する骨プレートと、非金属材料で形成され、ヘッドおよびその反対側の組織係部分を有する締め具とを有するインプラントアセンブリにおいて、
前記締め具は前記少なくとも1つの開口部に挿入され、
前記骨プレートに接着され、骨プレートと締め具の少なくとも片方は接着剤を有し、該接着剤は、エポキシ、アクリル酸塩、シアノアクリレート、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、シリコンの接着剤、およびそれらの混合物から成る群から選択される、インプラントアセンブリ。
【請求項10】
少なくとも1つの貫通開口部を有する骨プレートと、非金属材料で形成され、ヘッドおよびその反対側の組織係部分を有する締め具とを有するインプラントアセンブリにおいて、
前記締め具は前記少なくとも1つの開口部に挿入され、接着剤は2部分接着剤であり、接着剤の第1の部分は、骨プレートに付けられ、接着剤の第2の部分は、締め具に付けられ、それによって、骨プレートが締め具と接触すると、接着剤の第1の部分と第2の部分が組み合わされる、インプラントアセンブリ。
【請求項11】
少なくとも1つの貫通開口部を有する骨プレートと、前記開口部に挿入され、近位ヘッド、骨係合遠位部分およびそれらの間の軸を有する締め具と、前記骨プレートと前記締め具の少なくとも片方に施された接着剤と、を有するインプラントアセンブリにおいて、
前記接着剤は前記締め具を前記骨プレートに固着するように作用し、前記接着剤は前記骨プレートに施される第1の接着剤部分と前記骨プレートに施される第2の接着剤部分とを有することを特徴とするインプラントアセンブリ。
【請求項12】
骨プレートと締め具の少なくとも一方が、生分解可能な材料から形成される、請求項3,6−11のいずれか1項に記載のインプラントアセンブリ。
【請求項13】
締め具が、ポリヒドロキシ酸、ポリエステル、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリジオキサノン、ポリジオキサネジオン、ポリエステルアミド、ポリアミノ酸、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリラクチド、ポリグリコリド、チロシンから誘導されたポリカーボネート、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリビニールアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリテトラフルオレチレン、ポリ−パラフェニレン、テレフタルアミド、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルケトン、セルロース、炭素繊維強化合成物、およびそれらの混合物の、ホモポリマー、コポリマー、およびオリゴマーを含むポリマー材料から形成される、請求項3,6−11のいずれか1項に記載のインプラントアセンブリ。
【請求項14】
締め具と骨プレートの少なくとも一方が、d−乳酸、l−乳酸、グリコール酸、カプロラクトン、ヒドロキシブテリック酸、ヒドロキシ吉草酸、およびそれらの混合物から誘導された単量体反復単位を含むポリマー材料から形成される、請求項3,6−11のいずれか1項に記載のインプラントアセンブリ。
【請求項15】
骨プレートが金属材料から成る請求項3,6−11のいずれか1項に記載のインプラントアセンブリ。
【請求項16】
骨プレートが第1のポリマー材料から成る請求項3,6−11のいずれか1項に記載のインプラントアセンブリ。
【請求項17】
締め具が骨プレートの第1のポリマー材料と混合された第2のポリマー材料から成る、請求項16に記載のインプラントアセンブリ。
【請求項18】
骨プレートが複合材から成る請求項3,6−11のいずれか1項に記載のインプラントアセンブリ。
【請求項19】
前記第1および第2の接着剤部分は前記骨プレートを前記締め具に接合した時に混合される請求項11に記載のインプラントアセンブリ。
【請求項1】
少なくとも1つの貫通開口部を有する骨プレートと、非金属材料で形成され、ヘッドおよびその反対側の組織係部分を有する締め具とを有するインプラントアセンブリにおいて、
前記締め具は前記少なくとも1つの開口部に挿入され、前記骨プレートに溶剤接着されることを特徴とするインプラントアセンブリ。
【請求項2】
前記骨プレートは第1のポリマー材料から成り、前記締め具は前記第1のポリマー材料と混合された第2のポリマー材料から成る、請求項1に記載のインプラントアセンブリ。
【請求項3】
少なくとも1つの貫通開口部を有する骨プレートと、前記開口部に挿入され、近位ヘッド、骨係合遠位部分およびそれらの間の軸を有する締め具とを有するインプラントアセンブリにおいて、
前記骨プレートと前記締め具の少なくとも片方が、該骨プレートと該締め具とを相互に固定するための感圧接着剤を有することを特徴とするインプラントアセンブリ。
【請求項4】
骨プレートが可撓性で、隣接する骨構造の連節を可能にする、請求項3に記載のインプラントアセンブリ。
【請求項5】
骨プレートが、隣接する椎骨に連結する、請求項4に記載のインプラントアセンブリ。
【請求項6】
少なくとも1つの貫通開口部を有する骨プレートと、前記開口部に挿入され、近位ヘッド、骨係合遠位部分およびそれらの間の軸を有する締め具とを有するインプラントアセンブリにおいて、
前記骨プレートと前記締め具の少なくとも片方が、該骨プレートと該締め具とを相互に固定するための接着剤を有し、該接着剤は、エポキシ、アクリル酸塩、シアノアクリレート、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、シリコンの接着剤、およびそれらの混合物から成る群から選択される、インプラントアセンブリ。
【請求項7】
少なくとも1つの貫通開口部を有する骨プレートと、前記開口部に挿入され、近位ヘッド、骨係合遠位部分およびそれらの間の軸を有する締め具とを有するインプラントアセンブリにおいて、
前記骨プレートと前記締め具の少なくとも片方が、該骨プレートと該締め具とを相互に固定するための接着剤を有し、該接着剤は、2部分接着剤であり、接着剤の第1の部分は、骨プレートに付けられ、接着剤の第2の部分は、締め具に付けられ、それによって、骨プレートが締め具と接触すると、接着剤の第1の部分と第2の部分が組み合わされる、インプラントアセンブリ。
【請求項8】
少なくとも1つの貫通開口部を有する骨プレートと、非金属材料で形成され、ヘッドおよびその反対側の組織係部分を有する締め具とを有するインプラントアセンブリにおいて、
前記骨プレートと前記締め具の少なくとも片方が、該骨プレートと該締め具とを相互に固定するための感圧接着剤を有することを特徴とするインプラントアセンブリ。
【請求項9】
少なくとも1つの貫通開口部を有する骨プレートと、非金属材料で形成され、ヘッドおよびその反対側の組織係部分を有する締め具とを有するインプラントアセンブリにおいて、
前記締め具は前記少なくとも1つの開口部に挿入され、
前記骨プレートに接着され、骨プレートと締め具の少なくとも片方は接着剤を有し、該接着剤は、エポキシ、アクリル酸塩、シアノアクリレート、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、シリコンの接着剤、およびそれらの混合物から成る群から選択される、インプラントアセンブリ。
【請求項10】
少なくとも1つの貫通開口部を有する骨プレートと、非金属材料で形成され、ヘッドおよびその反対側の組織係部分を有する締め具とを有するインプラントアセンブリにおいて、
前記締め具は前記少なくとも1つの開口部に挿入され、接着剤は2部分接着剤であり、接着剤の第1の部分は、骨プレートに付けられ、接着剤の第2の部分は、締め具に付けられ、それによって、骨プレートが締め具と接触すると、接着剤の第1の部分と第2の部分が組み合わされる、インプラントアセンブリ。
【請求項11】
少なくとも1つの貫通開口部を有する骨プレートと、前記開口部に挿入され、近位ヘッド、骨係合遠位部分およびそれらの間の軸を有する締め具と、前記骨プレートと前記締め具の少なくとも片方に施された接着剤と、を有するインプラントアセンブリにおいて、
前記接着剤は前記締め具を前記骨プレートに固着するように作用し、前記接着剤は前記骨プレートに施される第1の接着剤部分と前記骨プレートに施される第2の接着剤部分とを有することを特徴とするインプラントアセンブリ。
【請求項12】
骨プレートと締め具の少なくとも一方が、生分解可能な材料から形成される、請求項3,6−11のいずれか1項に記載のインプラントアセンブリ。
【請求項13】
締め具が、ポリヒドロキシ酸、ポリエステル、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリジオキサノン、ポリジオキサネジオン、ポリエステルアミド、ポリアミノ酸、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリラクチド、ポリグリコリド、チロシンから誘導されたポリカーボネート、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリビニールアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリテトラフルオレチレン、ポリ−パラフェニレン、テレフタルアミド、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルケトン、セルロース、炭素繊維強化合成物、およびそれらの混合物の、ホモポリマー、コポリマー、およびオリゴマーを含むポリマー材料から形成される、請求項3,6−11のいずれか1項に記載のインプラントアセンブリ。
【請求項14】
締め具と骨プレートの少なくとも一方が、d−乳酸、l−乳酸、グリコール酸、カプロラクトン、ヒドロキシブテリック酸、ヒドロキシ吉草酸、およびそれらの混合物から誘導された単量体反復単位を含むポリマー材料から形成される、請求項3,6−11のいずれか1項に記載のインプラントアセンブリ。
【請求項15】
骨プレートが金属材料から成る請求項3,6−11のいずれか1項に記載のインプラントアセンブリ。
【請求項16】
骨プレートが第1のポリマー材料から成る請求項3,6−11のいずれか1項に記載のインプラントアセンブリ。
【請求項17】
締め具が骨プレートの第1のポリマー材料と混合された第2のポリマー材料から成る、請求項16に記載のインプラントアセンブリ。
【請求項18】
骨プレートが複合材から成る請求項3,6−11のいずれか1項に記載のインプラントアセンブリ。
【請求項19】
前記第1および第2の接着剤部分は前記骨プレートを前記締め具に接合した時に混合される請求項11に記載のインプラントアセンブリ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−325939(P2007−325939A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−187784(P2007−187784)
【出願日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【分割の表示】特願2002−537215(P2002−537215)の分割
【原出願日】平成13年10月23日(2001.10.23)
【出願人】(506298792)ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド (366)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【分割の表示】特願2002−537215(P2002−537215)の分割
【原出願日】平成13年10月23日(2001.10.23)
【出願人】(506298792)ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド (366)
【Fターム(参考)】
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