説明

音楽コンテンツデータ処理装置及びプログラム

【課題】音楽コンテンツデータをフォルダ或いはメディア単位で簡単に誤りなく確実にコピーし、コピー後はコピー元との対応関係を容易に把握できるようにすること。
【解決手段】この音楽コンテンツデータ処理システムでは、コピー元に指定されたフォルダ又はメディアの名称に基づいて、コピー先に指定されたフォルダ又はメディアに対するフォルダ名候補を生成し(SA)、コピー先に指定されたパス上にフォルダ名候補と同じ名称の既存フォルダがない場合は(S7=NO)フォルダ名候補をコピー先のフォルダ名に決定し(S11)、フォルダ名候補と同じ名称の既存フォルダがある場合は(S7=YES)フォルダ名候補に所定文字列を付加して既存フォルダと異なるように修正したものをコピー先のフォルダ名に決定する(S8〜S11)。決定されたフォルダ名のフォルダをコピー先に作成しこのフォルダ下に音楽コンテンツデータをコピーする(S12)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子楽器などの電子音楽装置で利用される演奏データなどの音楽コンテンツデータをフォルダ或いはメディア単位でコピーする音楽コンテンツデータ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子楽器などの電子音楽装置で利用される演奏データなどの音楽コンテンツデータはコピー或いは移動することができる。例えば、特許文献1のデジタルコンテンツデータ処理装置では、選択された1つのファイル(個々の音楽コンテンツデータ)について、セキュリティ情報(202)が無い場合に任意にコピーが行われ(503)、セキュリティ情報(202)がある場合は、コピー先フォルダが当該ファイルのフォルダと同じときにコピーが行われ(507)、コピー先フォルダが別のときは所定の規則に従って別のフォルダ又は外部記憶媒体への移動が行われる(506:図6)。
【特許文献1】特開2005−209166号公報
【0003】
電子音楽装置において、フォルダやメディア内で次々に更新される音楽コンテンツデータをフォルダ単位或いはメディア単位でコピーしたり、性能が劣るメディアの音楽コンテンツデータを別の高性能メディアにコピー乃至移動したりすることができれば、手間がかからずたいへん便利である。しかしながら、従来技術では、フォルダ単位或いはメディア単位でコピーすることができない。また、音楽コンテンツデータをフォルダ単位或いはメディア単位でコピー元からコピー先にコピー乃至移動することを考えた場合、コピー先に同じ名称のフォルダについて、単純に、コピー元の音楽コンテンツデータをコピー先に上書きする〔コピー先の同名フォルダ下のデータを全てコピー元のデータで置き換えるか、コピー先の同名のフォルダについてはフォルダ下のファイルと同名でないコピー元ファイルを新たに書き込むと共にコピー元ファイルと同名のコピー先ファイルを同名のコピー元ファイルで置き換える(マージという)〕ようにすると、操作に慣れていないユーザは、うっかり重要な既存フォルダを壊してしまうかもしれない。また、コピーの際にコピー元と別名のフォルダをいちいち作成するようにすると、操作が煩わしくなってしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、このような不都合に鑑み、フォルダ単位或いはメディア単位で音楽コンテンツデータをコピーする際に簡単に誤りなく確実にコピーすると共に、コピー時にコピー先に付けられたフォルダ名からコピー先とコピー元の対応関係を容易に把握することができる音楽コンテンツデータ処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の主たる特徴に従うと、音楽コンテンツデータについてコピー元のフォルダ或いはメディアを指定するコピー元指定手段(S1,S3)と、上記音楽コンテンツデータのコピー先のパスを指定するコピー先指定手段(S2)と、コピー元指定手段により指定されたコピー元のフォルダ或いはメディアの名称を取得し、取得した名称に基づいて上記音楽コンテンツデータのコピー先のフォルダ名候補を生成するフォルダ名生成手段(SA:S4〜S6)と、コピー先指定手段により指定されたパス上に、フォルダ名生成手段により生成されたフォルダ名候補と同じ名称の既存フォルダがあるか否かを判断するフォルダ名判断手段(S7)と、フォルダ名判断手段により同じ名称の既存フォルダがあると判断された場合に(S7=YES)、フォルダ名生成手段(SA)により生成されたフォルダ名候補について所定の文字列を付加し当該既存フォルダと一致しないように修正するフォルダ名候補修正手段(S8〜S10)と、フォルダ名判断手段により同じ名称の既存フォルダがないと判断された場合は(S7=NO)フォルダ名生成手段により生成されたフォルダ名候補をコピー先のフォルダ名に決定し、フォルダ名判断手段により同じ名称の既存フォルダがあると判断された場合には(S7=YES)フォルダ名候補修正手段により修正されたフォルダ名候補をコピー先のフォルダ名に決定するフォルダ名決定手段(S11)と、フォルダ名決定手段により決定されたフォルダ名のフォルダをコピー先に作成し(Q1)、当該フォルダの下に上記音楽コンテンツデータをコピーする(Q2)コピー実行手段(S12)とを具備する音楽コンテンツデータ処理装置〔請求項1〕、並びに、音楽コンテンツデータについてコピー元のフォルダ或いはメディアを指定するコピー元指定ステップ(S1,S3)と、上記音楽コンテンツデータのコピー先のパスを指定するコピー先指定ステップ(S2)と、コピー元指定ステップで指定されたコピー元のフォルダ或いはメディアの名称を取得し、取得した名称に基づいて上記音楽コンテンツデータのコピー先のフォルダ名候補を生成するフォルダ名生成ステップ(SA:S4〜S6)と、コピー先指定ステップで指定されたパス上に、フォルダ名生成ステップで生成されたフォルダ名候補と同じ名称をもつ既存フォルダがあるか否かを判断するフォルダ名判断ステップ(S7)と、フォルダ名判断ステップで同じ名称の既存フォルダがあると判断された場合に(S7=YES)、フォルダ名生成ステップ(SA)で生成されたフォルダ名候補について所定の文字列を付加し当該既存フォルダと一致しないように修正するフォルダ名候補修正ステップ(S8〜S10)と、フォルダ名判断ステップで同じ名称の既存フォルダがないと判断された場合は(S7=NO)フォルダ名生成ステップで生成されたフォルダ名候補をコピー先のフォルダ名に決定し、フォルダ名判断ステップで同じ名称の既存フォルダがあると判断された場合には(S7=YES)フォルダ名候補修正ステップで修正されたフォルダ名候補をコピー先のフォルダ名に決定するフォルダ名決定ステップ(S11)と、フォルダ名決定ステップで決定されたフォルダ名のフォルダをコピー先に作成し(Q1)、当該フォルダの下に上記音楽コンテンツデータをコピー(Q2)するコピー実行ステップ(S12)とから成る手順をコンピュータに実行させる音楽コンテンツデータ処理プログラム〔請求項2〕が提供される。なお、括弧書きは、理解の便のために付記した実施例の参照記号や用語等を表わし、以下においても同様である。
【発明の効果】
【0006】
この発明による音楽コンテンツデータ処理システムでは(請求項1,2)、音楽コンテンツデータについてコピー元のフォルダ或いはメディアを指定し(S1,S3)、コピー先のパスを指定すると(S2)、まず、指定されたコピー元のフォルダ或いはメディアの名称(名前。例えば「xxx」)に基づいて音楽コンテンツデータのコピー先のフォルダ名候補(例えば「xxx」)を生成する(SA:S4〜S6)。次いで、指定されたコピー先のパス上に、フォルダ名候補と同じ名称の既存フォルダがあるか否かを判断し(S7)、同じ名称の既存フォルダがある場合は(S7=YES)、フォルダ名候補に所定の文字列〔例えば「_yyy」(yyy=001〜099)〕を付加(追加)してフォルダ名候補を既存フォルダと一致しないように修正する(S8〜S10)。そして、同じ名称の既存フォルダがない場合は(S7=NO)コピー元の名称に基づくフォルダ名候補(例えば「xxx」)をコピー先のフォルダ名に決定し、同じ名称の既存フォルダがある場合には(S7=YES)修正されたフォルダ名候補(例えば「xxx_yyy」)をコピー先のフォルダ名に決定し(S11)、決定されたフォルダ名のフォルダをコピー先に作成し(Q1)このフォルダ下に音楽コンテンツデータをコピー(移動を含む)する(Q2)。
【0007】
つまり、音楽コンテンツデータをフォルダ単位或いはメディア単位でコピー(移動を含む)する際、コピー先のフォルダ名は、原則として、コピー元のフォルダ或いはメディアの名称(例えば「xxx」)に基づく値(例えば「xxx」)とし、コピー先に同名のフォルダが既にあった場合は、これを修正して既存フォルダと異なる値〔例えば「xxx_yyy」(yyy=001〜099)〕に修正する。従って、この発明によれば、所望の音楽コンテンツデータを、コピー先の既存フォルダに上書きすることなく、簡単に誤りなく確実にフォルダ単位或いはメディア単位でコピー先にコピー(移動を含む)すると共に、コピー後は、コピー先フォルダに付けられた名称から、当該コピー先フォルダとコピー元フォルダとの対応関係を容易に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、この発明の好適な実施の形態について詳述するが、これは単なる一例であって、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0009】
〔システムの概要〕
この発明の一実施例による音楽コンテンツデータ処理システムが構築される電子音楽装置は、音楽コンテンツデータ処理を含む音楽情報処理機能を有する一種のコンピュータであり、典型的には、電子楽器のように演奏操作部及び楽音信号生成部を備える音楽専用機器が用いられるが、同等の音楽データ処理機能が付与されたパーソナルコンピュータ(PC)のような汎用の情報処理装置を用いることもできる。図1は、この発明の一実施例による電子音楽装置のハードウエア構成ブロック図を示す。この電子音楽装置は、中央処理装置(CPU)1、ランダムアクセスメモリ(RAM)2、読出専用メモリ(ROM)3、内蔵記憶装置4、USBインターフェース(I/F)5、スマートメディアスロット装置6、演奏操作検出回路7、設定操作検出回路8、表示回路9、音源回路10、効果回路11、MIDIインターフェース(I/F)12、通信インターフェース(I/F)13などを備えており、これらの要素1〜13はバス14を介して互いに接続される。
【0010】
装置全体を制御するCPU1は、RAM2及びROM3と共にデータ処理部を構成し、各種制御プログラムに従い、タイマ15によるクロックを利用して音楽コンテンツデータ処理を含む種々の音楽情報処理を実行する。RAM2は、これらの処理に際して必要な各種データを一時的に記憶し、このための通常のワークエリア2aと、特に音楽コンテンツデータを一時的に保持するためのRAMディスク2bを備えている。ROM3は、音楽コンテンツデータ処理プログラムを含む各種制御プログラムや必要な制御データを記憶し、自動演奏データ(プリセット音楽コンテンツデータ)等も記憶しておくことができる。
【0011】
内蔵記憶装置4は、ハードディスク(HD)や、フラッシュメモリのような書換え可能な不揮発性の半導体メモリなどの内蔵記憶媒体及びその駆動装置からなり、自動演奏データ等の任意の音楽コンテンツデータを記録することができる。また、音楽コンテンツデータ処理プログラムや制御データも、ROM3だけでなく内蔵記憶装置4に記憶することができる。なお、制御データには、フォルダ名候補生成ルールやフォルダ名決定ルール等がある。また、この電子音楽装置で利用される自動演奏データ等の音楽コンテンツデータは、電子音楽装置に挿脱可能な複数種類の外部記憶媒体(51〜53、61)にも記録することができ、図示の構成例では、外部記憶媒体とのインターフェース(I/F)としてUSBI/F5及びスマートメディアスロット装置6が備えられている。
【0012】
USBI/F5には、USBデバイス51〜54を接続することができ、例えば、直接或いはUSBハブ装置54を介して、USBフラッシュメモリ51、USB−CDドライブ及びCD52、USBその他ドライブ及びメディア53等のUSB記憶媒体乃至記憶媒体読み書き制御装置(駆動装置)を接続することができる。スマートメディアスロット装置6は、スマートメディア駆動装置を含み、スマートメディア(登録商標)と呼ばれるメモリカード61を装着することができる。なお、USB記憶媒体やスマートメディアの外に、コンパクトディスク・リード・オンリィ・メモリ(CD−ROM)、フレキシブルディスク(FD)、光磁気(MO)ディスク、ディジタル多目的ディスク(DVD)等々、種々の可搬性の外部記録媒体に音楽コンテンツデータを記録するように構成することもできる。
【0013】
演奏操作検出回路7は、鍵盤などの演奏操作子16と共に演奏操作部を構成し、演奏操作子16に対するユーザ操作を検出し、検出された演奏操作の内容に対応する実演奏データをデータ処理部に導入することができる。設定操作検出回路8は、文字・記号キー等の機械的な設定操作子17或いはタッチパネル18に対するユーザ操作を検出し、検出された操作の内容に対応する各種情報をデータ処理部に導入する。表示回路9は、LCD等のディスプレイ(表示器)で構成されるタッチパネル18の画面表示部や他のインジケータ(図示せず)の表示内容をCPU1からの指令に従って制御し、各種操作に対する表示援助を行い、例えば、音楽コンテンツデータ処理の際には、ツール画面やコピー先選択ポップアップがディスプレイに表示される。なお、タッチパネルではなく、画面表示部(ディスプレイ)に対する操作部を別構造(例:カーソル操作やエンター操作)にしてもよい。
【0014】
音源回路10は、効果回路11と共に楽音信号生成部を構成し、演奏操作子16の演奏操作に基づく実演奏データや記憶手段(3〜61)からの自動演奏データに基づいて、楽音波形を表わすオーディオ形式の楽音信号を生成する。DSPを有する効果回路11は、音源回路10からの楽音信号に効果を付与してサウンドシステム19に出力し、D/A変換部やアンプ、スピーカを備えるサウンドシステム19は、効果回路11からの楽音信号に基づく楽音を発生する。
【0015】
MIDII/F12には、この電子音楽装置と同様にMIDI音楽情報処理機能を有する外部MIDI機器70が接続され、MIDII/F12を通じてこの電子音楽装置と外部MIDI機器70との間でMIDI演奏データを授受することができる。通信I/F13には、インターネットやローカルエリアネットワーク(LAN)などの通信ネットワーク80が接続され、外部のサーバコンピュータ90等から制御プログラムや音楽コンテンツデータ等をダウンロードして記憶手段(4〜61)に保存し利用することができる。
【0016】
〔ツール画面とコピー先選択ダイアログ〕
この発明の一実施例による音楽コンテンツデータ処理システムでは、電子音楽装置で利用される音楽コンテンツデータが所定の記憶媒体(メディアという)に大量に記憶されており、「ソング」と呼ばれる個々の音楽コンテンツデータは、少なくとも、MIDI等のイベント形式で記述された自動演奏データを含む。各音楽コンテンツデータは、更に、設定データや歌詞データ、楽譜データ、運指データ、動画データ等を含むことがある。従って、音楽コンテンツデータは複数ファイルで構成されることがある。なお、設定データは、レジストレーションデータとも呼ばれ、演奏データから楽音信号を生成するために楽音信号生成部10−11に設定されるデータであり、音色データなどを含む。
【0017】
このシステムでは、多数の音楽コンテンツデータが所定のメディアに複数階層のフォルダに従って記憶され、各フォルダ毎に管理ファイルが置かれて階層的に管理される。また、音楽コンテンツデータ処理プログラムに従って、「フォルダ/メディアコピー処理」と呼ばれる音楽コンテンツデータ処理が行われ、ユーザ所望の音楽コンテンツデータ群を、フォルダやメディア単位で、コピー先で重複しないフォルダ名が付けられて別のフォルダやメディアにコピー乃至移動することができる。このようなコピー乃至移動の際は、「ツール画面」と呼ばれるコピー元を指定可能な基本画面をディスプレイ(18)が表示され、さらにコピー先を指定可能な「コピー先選択ポップアップ」が表示される。なお、「移動」は、厳密には、コピー元のデータを消去しコピー先に移し替えることをいうが、このシステムでは、コピーの場合も、移動の場合も、同じルールで所定のフォルダ名が付与されるので、フォルダ名の付与に関しては「コピー」の概念に含まれるものとする。
【0018】
図2は、この発明の一実施例による表示画面の例を示す。このシステムでは、音楽コンテンツデータ処理を開始させるためのユーザ操作があると、まず、図2(1)のようなツール画面(SS2)がタッチパネル18のディスプレイに表示される。ツール画面では、コピー(移動を含む)させたい音楽コンテンツデータが記憶されているコピー元として、所望のメディアを指定し或いは更に所望のフォルダを指定することができる。次いで、コピー指示操作(CB)があると、図2(2)のようなコピー先選択ポップアップ(DS2)がツール画面上に重ねて表示される。ツール画面では、コピー元の音楽コンテンツデータをコピー(移動を含む)させて記憶させたいコピー先として、所望のメディアを指定し或いは更に所望のフォルダを指定することができる。
【0019】
そして、コピー開始操作(EB)があると、コピー元に指定されたメディア或いはフォルダに記憶されている音楽コンテンツデータを、コピー先に指定されたメディア或いはフォルダにコピー(移動を含む)する処理が行われる。この際、コピー先のフォルダ名は、原則として、コピー元のフォルダ或いはメディアの名称(=名前:フォルダ名といい、パス名が含まれる)「xxx」と同じ値(「xxx」)とし、コピー先に同名の既存フォルダがあると、フォルダ名を一部修正して、既存フォルダとは異なる値、例えば「xxx_yyy」(yyy=001〜099)とすることにより、簡単に誤りなく確実にフォルダ単位或いはメディア単位でコピー先にコピー(移動を含む)することができる。また、コピー後は、コピー先フォルダに付けられた名称とコピー先のフォルダ名から、当該コピー先フォルダとコピー元フォルダとの対応関係を容易に把握することができる。
【0020】
ツール画面SS(SSはツール画面を総称的に表わす)は、処理開始当初の初期画面(ルート階層画面)SS0(図示せず)では、この電子音楽装置の音楽コンテンツデータ記憶媒体管理機能に従って、画面中央のリスト表示域に、コピー元に指定可能なルート階層の項目として、複数のメディアの名称、例えば、Smartmedia,USB 01,USB FD01,…がメディアアイコンと共に表示される。ここで、リスト表示されたルート階層の項目から、例えば、スマートメディア(Smartmedia)を指示する項目選択操作を行うと、スマートメディア61が処理対象項目に指定され、さらに「中に」ボタンDBを操作すると、スマートメディア61に記録されている音楽コンテンツデータについて、第1階層のフォルダ及びソング(個々の音楽コンテンツデータ)を案内する第1階層のツール画面SS1(図示せず)に更新表示される。
【0021】
この第1階層ツール画面SS1では、スマートメディアのルート階層フォルダに置かれた管理ファイルに従って、スマートメディアのフォルダ名表記:「Smartmedia:/」がリスト表示域の上に表示され、リスト表示域には、スマートメディアにおいてコピー元に指定可能な第1階層の項目として、複数のフォルダ及びソングの名称が夫々フォルダ及びソングアイコンと共に表示される。リスト表示された第1階層の項目から、例えば、フォルダ「発表会」を指示する項目選択操作を行うと、第1階層フォルダ「発表会」が処理対象項目に指定され、さらに、「中に」ボタンを操作すると、図2(1)のようなフォルダ「発表会」に関する第2階層のツール画面SS2が表示される。
【0022】
このツール画面SS2には、スマートメディアの第1階層フォルダ「発表会」に置かれた管理ファイルに従って、画面中央のリスト表示域SLの上に、最初に指示されたメディアを示すルート階層のフォルダ名表記F0:「Smartmedia:/」と、次に指示された第1階層のフォルダを示すフォルダ名表記F1:「発表会」がフォルダアイコン(表記「発表会」の左側)と共に表示される。リスト表示域SLには、スマートメディアの第1階層フォルダ「発表会」においてコピー元に指定可能な第2階層の項目として、複数のフォルダ及びソングの名称f2a,f2b;sa〜scが夫々フォルダアイコン及びソングアイコン(♪)と共に表示される。なお、各階層のツール画面SSにおいて、当該階層のフォルダやソングの名称が表示域SLに表示しきれない場合は、スクロールボタンSBが操作可能に表示され、ボタンSBの操作で残りのデータを表示させることができる。
【0023】
図示のツール画面SS2において、リスト表示された第2階層の項目から、例えば、第2フォルダの名称表記f2b:「2006年コンクール」を指示する項目選択操作を行うと、図示のように、第2階層フォルダ「2006年コンクール」が処理対象項目に指定され、当該フォルダの名称表記f2bがハイライト表示される。ここで、更に「中に」ボタンDBを操作すると、第2階層フォルダ「2006年コンクール」の直下にあるフォルダ及びソングに関する第3階層のツール画面SS3(図示せず)が表示される。一方、「上に」ボタンUBを操作すると、元の第1階層ツール画面SS1に戻る。
【0024】
さて、各階層のツール画面SS0,SS1,SS2,SS3,…において、画面下部の「コピー」ボタンを操作する(「コピー操作」という)と、その直前に指示されたリスト表示域(SL)内の項目に対応するメディア、フォルダ或いはソングがコピー元に指定されると共に、当該ツール画面SS上にコピー先選択ポップアップDPが開かれる。例えば、図2(1)に示されたツール画面SS2の状態で「コピー」ボタンCBを操作すると、処理対象に指定された項目に対応するフォルダ:「Smartmedia:/発表会 /2006年コンクール」がコピー元に指定される。
【0025】
コピー先選択ポップアップDP(DPはコピー先選択ポップアップを総称的に表わす)も、ツール画面SSと同様に、音楽コンテンツデータが記録されるメディアについて階層毎の画面が表示される。つまり、当初に開かれた初期画面(ルート階層画面)DP0(図示せず)では、全体管理ファイルに従って、画面中央のリスト表示域に、コピー元に指定可能なルート階層の項目として、複数のメディアの名称(例えば、Smartmedia,USB 01,USB FD01,…)がメディアアイコンと共に表示される。ここで、例えば、USBメモリ(USB 01)の項目選択操作を行うと、USBメモリ51が音楽コンテンツデータのコピー先に指示され、USBメモリ51に既に音楽コンテンツデータが記録されている場合は、現在このメディア51の第1階層に設定されている第1階層フォルダを案内表示する第1階層のコピー先選択ポップアップDP1(図示せず)に更新表示される。
【0026】
この第1階層コピー先選択ポップアップDP1では、USBメモリのルート階層フォルダに置かれた管理ファイルに従って、USBメモリのフォルダ名表記:「USB 01:/」がリスト表示域の上に表示され、リスト表示域には、USBメモリ51においてコピー先に指定可能な項目として、第1階層のフォルダの名称がフォルダアイコンと共に表示される。リスト表示された第1階層のフォルダ項目から、例えば、フォルダ「発表会」を指示する項目選択操作を行うと、第1階層フォルダ「発表会」がコピー先に指示される。さらに、「中に」ボタンDBを操作すると、この第1階層フォルダ「発表会」下に第2階層フォルダが設定されている場合、図2(2)のように当該第2階層フォルダを案内表示する第2階層のコピー先選択ポップアップDP2に更新表示される。
【0027】
このコピー先選択ポップアップDP2には、第1階層フォルダ「発表会」に置かれた管理ファイルに従って、画面中央のリスト表示域DLの上に、最初に指定されたメディアを示すルート階層のフォルダ名表記f0:「USB 01:/」と、次に指定された第1階層のフォルダ「発表会」を示すフォルダ名表記f1:「発表会」がフォルダアイコン(表記「発表会」の左側)と共に表示される。リスト表示域DLには、USBメモリ51の第1階層フォルダ「発表会」においてコピー元に指定可能な項目として第2階層のフォルダの名称f2a,f2bが夫々フォルダアイコンと共に表示される。ここで、例えば、第2フォルダの名称表記f2b:「2006年コンクール」を指示し、更に「中に」ボタンDBを操作すると、第2階層フォルダ「2006年コンクール」の直下にあるフォルダを選択可能な第3階層のコピー先選択ポップアップDP3(図示せず)が表示される。逆に、「上に」ボタンUBを操作すると、元の第1階層コピー先選択ポップアップDP1に戻る。
【0028】
なお、第1階層以下の各階層のコピー先選択ポップアップDP1,DP2,DP3,…において、当該階層にソング(個々の音楽コンテンツデータ)が記録されていても、当該ソングの名称やソングアイコンは、グレー表示されて当該ソングを選択的に操作することができない(グレーアウトという)ようになっている。例えば、図2(2)のコピー先選択ポップアップDP2では、第1階層フォルダ「発表会」の下に複数のソングが記録されているが、これらソングの名称及び付記されたソングアイコンsa〜sc(※印)はグレーアウトされる。また、各階層のコピー先選択ポップアップDP:DP0,DP1,DP2,…のリスト表示域において、当該階層のフォルダの名称が表示域DLに表示しきれない場合は、スクロールボタンSBが操作可能に表示され、ボタンSBの操作で残りのデータをスクロール表示させることができる。
【0029】
さて、各階層のコピー先選択ポップアップDP:DP0,DP1,DP2,…において、画面下部の「実行」ボタンEBを操作すると、その直前に指示されたリスト表示域(DL)内の項目に対応するメディア、フォルダがコピー先に指定されると共に、指定されたコピー元及びコピー先をパス形式のフォルダ名表記で示したコピー確認ダイアログ(図示せず)が表示される。例えば、図2(2)の第2階層コピー先選択ポップアップDS2が表示された状態で(項目選択操作なし)或いはこの上位の第1階層コピー先選択ポップアップDS1で項目「発表会」を選択する操作を行った後に「実行」ボタンEBを操作すると、項目「発表会」に対応するフォルダ:「USB 01:/発表会」がコピー先に指定され、既に図2(1)のツール画面SS2でフォルダ:「Smartmedia:/発表会 /2006年コンクール」がコピー元に指定されている場合は、コピー確認ダイアログに「コピー元=Smartmedia:/発表会 /2006年コンクール、コピー先=USB 01:/発表会 」が表示される。
【0030】
次に、コピー確認ダイアログの確認ボタンを操作すると、上例のように、ツール画面SSで指定されたコピー元がメディア或いはフォルダの場合は、コピー元及びコピー先のフォルダ名付与状態が調べられ、前述のように、コピー元のフォルダ名と対応可能であり而もコピー先の既存のフォルダ名とは異なるフォルダ名のフォルダが自動的に作成され、作成されたフォルダ下にコピー元の音楽コンテンツデータがコピー(移動を含む)される。また、ツール画面SSで指定されたコピー元がソングの場合には、当該コピー元ソングが、フォルダ/メディアコピー処理と同様の方法で、コピー先選択ポップアップDPでコピー先に指定されたメディア或いはフォルダにコピー(移動を含む)される。
【0031】
なお、コピー先選択ポップアップDPやコピー確認ダイアログには、1つ前の処理段階に戻すための操作子として「キャンセル」ボタンが操作可能に表示され、例えば、コピー先選択ポップアップDPのキャンセルボタンを操作した場合はツール画面を使用可能な音楽コンテンツデータ処理の初期状態に戻る。
【0032】
〔音楽コンテンツデータ処理の動作フロー例〕
図3は、この発明の一実施例による音楽コンテンツデータ処理を表わすフローチャートの例である。この電子音楽装置が各種処理モードを待機している状態において音楽コンテンツデータ処理モードへの移行指示操作があり、この音楽コンテンツデータ処理がスタートすると、CPU1は、ステップS1で、まず、ツール画面SSをタッチパネル18のディスプレイに表示し、コピー元を指定するコピー元指定処理を行う。
【0033】
図4は、ステップS1のコピー元指定処理及び次のステップS2で実行されるコピー先指定処理を表わすコピー元/コピー先指定処理フローであり、ステップS1のコピー元指定処理に則して説明すると、以下のとおりである。コピー元指定処理における最初のステップP1では、ツール画面SS〔図2(1)〕に対するユーザ操作に応じて対応する処理を行い、ディレクトリ指定に関する操作であれば、カレントディレクトリ即ちその時点で処理対象になっているメディア或いはフォルダを指定し、ステップP2に進む。つまり、ステップP1では、現在表示されているツール画面SSにおいて、リスト表示域(SL)での項目選択操作の後「中に」ボタンの操作があると、項目選択操作で処理対象に指定されたメディア或いはフォルダをカレントディレクトリに指定し、「上に」ボタンの操作があると、当該ツール画面SSの階層の直上の階層をカレントディレクトリに指定する。
【0034】
ステップP2では、指定されたカレントディレクトリに置かれた管理ファイルを読み、次のステップP3で、管理ファイルに従い、当該カレントディレクトリに置かれているメディア或いはフォルダ乃至ソングをユーザに提示する。つまり、カレントディレクトリの階層直下にあるメディア或いはフォルダ乃至ソングをリスト表示域(SL)に選択可能な項目として表示し、ユーザ操作を待機する。ここで、何らかの操作があると、ステップP4に進み、コピー元を指定する操作(コピー操作)であるか否かを判定し、コピー元指定操作でないときは(P4=NO)は、ステップP1に戻り、操作に対応する処理を行い、コピー元指定操作があるまでステップP1〜P4の処理を繰り返す。そして、コピー元指定操作があると(P4=YES)、直前の項目選択操作で処理対象に指定されたメディア或いはフォルダ乃至ソングをコピー元に指定し、指定した内容をRAM2の指定内容記憶エリアに保持してコピー元指定処理を終了する。コピー元指定処理の後は、ツール画面SS上にコピー先選択ポップアップDSを重畳表示し、ステップS2に進む。
【0035】
ステップS2では、図4の処理フローに従い、先に説明したコピー元指定処理と殆ど同じ手順で、コピー先選択ポップアップDSに対するユーザ操作に応じてメディア或いはフォルダをコピー先に指定し、指定した内容をRAM2の指定内容記憶エリアに保持するコピー元指定処理を行う。コピー先指定処理は、操作対象画面がコピー先選択ポップアップDSである点と、リスト表示域DLではソングがグレーアウトされてコピー先にソングを指定することができない点がコピー元指定処理と異なるだけで、詳しい説明は省略する。
【0036】
コピー先指定処理の後は、ステップS3に進んで、コピー元にフォルダ或いはメディアを指定したか否かを判定し、フォルダ或いはメディアをコピー元に指定したときは(S3=YES)、ステップS4〜S12の「フォルダ/メディアコピー処理」を行う。このフォルダ/メディアコピー処理では、フォルダ名候補生成処理(SA:S4〜S6)、フォルダ名決定処理(SB:S7〜S11)及びフォルダコピー処理(S12)を順次行う。
【0037】
フォルダ名候補生成処理段階SAでは、フォルダ名候補生成ルールに従い、コピー先に作られるフォルダの名称についてその候補(フォルダ名候補という)を決める。すなわち、最初のステップS4で、コピー元にメディアを指定したか否かを判定し、メディア〔例えば、「スマートメディア」:図2(1)〕をコピー元に指定したときは(S3=YES)、ステップS5で、予め定められた所定の名称“#MEDIA”を生成しこれをコピー先のフォルダ名候補とし、フォルダ(例えば、「2006年コンクール」)をコピー元に指定したときは(S3=NO)、ステップS6で、指定されたコピー元のフォルダ名(例えば、“2006年コンクール”)をコピー先のフォルダ名候補とする。
【0038】
フォルダ名決定処理段階SBでは、フォルダ名決定ルールに従い、コピー先に作られるフォルダの名称(フォルダ名)を決定する。つまり、最初のステップS7では、コピー先のパス上(コピー先に指定されたフォルダの直下)に、フォルダ名候補と同じ名称のフォルダが存在するか否かを判定し、フォルダ名候補と同じ名称のフォルダが存在するときは(S7=YES)、ステップS8で、ステップS4で生成した当初のフォルダ名候補を修正する初期修正を行った後、ステップS9に進む。初期修正ステップS8ででは、当初のフォルダ名候補の後ろに、予め順位付けされた複数の付加(追加)文字列、例えば、“_001”〜“_099”中で、第1順位の文字列“_001”が付加(追加)される。例えば、コピー先がUSBメモリの「発表会」のときは、コピー先パス“USB 01:/発表会”上(「発表会」フォルダの直下)に、フォルダ名が当初フォルダ名候補“2006年コンクール”と同じ「2006年コンクール」があれば、当該フォルダ名候補に“_001”を付加して“2006年コンクール_001”とする。但し、当初のフォルダ名候補が長すぎる(文字数が所定の最大値を超える)場合は、当初フォルダ名候補を前方又は後方から所定の文字数だけ削ってから第1順位の文字列を付ける。
【0039】
ステップS9では、修正されたフォルダ名候補と同じ名前のフォルダが、同パス上に存在するか否かを判定し、修正されたフォルダ名候補と同じ名称のフォルダが存在するときは(S9=YES)、ステップS10に進む。ステップS10で、修正されたフォルダ名候補を更に修正する再修正を行った後、ステップS9に戻り、同パス上に無いフォルダ名候補に修正したと判定されるまで、ステップS10での再修正処理を繰り返す。ステップS10での再修正処理では、予め用意された複数の付加文字列から選択された次順位の付加文字列で、フォルダ名候補の後ろに付加されている後部文字列を更新する。例えば、前述した例のように当初フォルダ名候補が“2006年コンクール”の場合に、仮に、コピー先パス“USB 01:/発表会”上に、フォルダ:「2006年コンクール_001」,「2006年コンクール_002」もあったとすれば、初期修正で付加された値“_001”から更に、“_002”、“_003”へと、順次、増加(増大)させる。
【0040】
そして、ステップS7或いはステップS9で、当初のフォルダ名候補或いは修正されたフォルダ名候補がコピー先のパス上(コピー先フォルダの直下)に無いと判定したときは(S7=NO,S9=NO)、ステップS11で、当該フォルダ名候補をフォルダ名に決定し、フォルダ名決定処理を終了する。例えば、上の例では、ステップS10で、フォルダ名候補の値が最終的に“2006年コンクール_003”に修正されると、ステップS9=NOを経て、ステップS11で、この値がコピー先のフォルダ名に決定される。つまり、再修正によりコピー先フォルダ名が決定される場合にコピー先フォルダ名に付加される文字列“_003”は、既存フォルダ(“_002”が最大)と一致しない付加文字列(“_001”〜“_099”)の中で最も小さい値(最も若い数)である。
【0041】
ところで、電子楽器などの電子音楽装置には、上述のような付加文字列を備えた一連の所定のフォルダ名又はソング名が予約されて既に使われていることがある。例えば、ROM3或いは内蔵記憶装置4などに予め用意されている音楽コンテンツデータ(プリセットソング)の夫々は複数のファイルから構成され、「SONG_001」、「SONG_002」、「SONG_003」、…といったソング名を持つプリセットソングに、夫々のソングを構成するファイルが収められている。一方、このような所定のフォルダ名又はソング名に対し付加文字列を除く基本部分が同一のフォルダ名で、別の音楽コンテンツデータがユーザにより任意の記憶装置に記憶され、例えば、上述のプリセットソングの基本部分と同一の「SONG」というフォルダ名でユーザデータが記憶されることがある。この場合、当該フォルダをコピーしようとする際に、「SONG_yyy」といった名前のフォルダが作成されると、ユーザは、当該フォルダ下の実体データが予め電子音楽装置に用意されてるものかユーザにより記憶されたものか分からなくなり、混乱してしまう。
【0042】
そのため、このシステムでは、所定のフォルダ名又はソング名の基本部分に相当する既定フォルダ名(例えば「SONG」)を制御データとしてROM3或いは内蔵記憶装置4などに記憶しておき、ステップS8において、コピー元フォルダの名称が既定フォルダ名であるかどうかを調べる。そして、既定フォルダ名のフォルダをコピーする際は、コピー元フォルダ名に付加文字列“__001”を付加したものをフォルダ名候補とし、ステップS10で、“__002”,“__003”,…というように付加文字列を修正していく。つまり、付加文字列の先頭を1つのアンダーバー“_”とするのではなく、2つのアンダーバー“__”にする。例えば、「SONG」という名のフォルダをコピーする際、コピー先に同じフォルダ名がある場合には、「SONG__001」、「SONG_002」、「SONG_003」、…がコピー先のフォルダ名候補になる。
【0043】
フォルダコピー処理ステップS12では、図5に示されるように、最初のステップQ1では、ステップS11で決定したフォルダ名をもつフォルダを作成し、コピー先パス上(コピー先フォルダの直下)に付加して、ステップS11で決定したフォルダ名をもつフォルダを作成する。次のステップQ2では、作成されたフォルダの下に、コピー元に指定されたフォルダ或いはメディア内の音楽コンテンツデータを、サブフォルダ及び管理ファイルを含めて、コピーする。そして、フォルダ/メディアコピー処理を終了する。
【0044】
一方、ステップS3でコピー元にソングを指定したと判定したときは(S3=NO)、ステップS13でソングコピー処理を実行する。ソングコピー処理では、コピー先のパス上に、コピー元のソング名と同じ名称の既存ソングが存在するか否かを調べ、同名の既存ソングがない場合はコピー元の現ソング名をコピー先でのソング名に決定し、コピー元ソングをそのままコピー先にコピーする。一方、同名の既存ソングがある場合は、ソング名変更ルールに従って、例えば、ステップS8〜S11でのフォルダ名決定と同様の手法で、コピー元ソングを既存ソングと異なるソング名に変更してからコピー先にコピーする。
【0045】
なお、同一種類のメディアA,B(例えば、スマートメディア61と別のスマートメディア)間でソングをコピーする場合は、まず、コピー先をRAM2内のRAMディスク2bとして、コピー元メディアAのソングを、一旦、ディスク2bにコピーし、次いで、コピー元をディスク2b内のソングとしコピー先をメディアB或いはメディアB内のフォルダとして、ディスク2bにコピーされたソングをメディアBへと移動する。
【0046】
以上説明したように、この発明の一実施例による音楽コンテンツデータ処理システムでは、コピー元に指定されたフォルダ又はメディアの名称“xxx”に基づいて、コピー先に指定されたフォルダ又はメディアに対するフォルダ名候補“xxx”を生成し(SA)、コピー先に指定されたパス上にフォルダ名候補“xxx”と同じ名称の既存フォルダがない場合は(S7=NO)フォルダ名候補“xxx”をコピー先のフォルダ名に決定し(S11)、フォルダ名候補“xxx”と同じ名称の既存フォルダがある場合は(S7=YES)フォルダ名候補“xxx”に所定文字列“_yyy”(yyy=001〜099)を付加して既存フォルダと異なるように修正したもの“xxx_yyy”をコピー先のフォルダ名に決定する(S8〜S11)。ここで、フォルダ名候補の修正でコピー先フォルダ名となる場合にフォルダ名候補の後ろに付加される文字列“_yyy”は、既存フォルダと一致しないもので最も若い数である(例えば、既存フォルダ名の付加文字列の最大値が“_003”であれば、付加文字列は“_004”とする)。そして、決定されたフォルダ名のフォルダをコピー先に作成しこのフォルダ下に音楽コンテンツデータをコピーする(S12)。なお、メディアがコピー先に指定された場合は、予め定められた所定の名称、例えば、“#MEDIA”をコピー先のフォルダ名とすると、コピー処理後の音楽コンテンツデータについてコピー元とコピー先とを容易に見分けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】この発明の一実施例による電子音楽装置のハードウエア構成例を示す。
【図2】この発明の一実施例による表示画面の例を示す。
【図3】この発明の一実施例による音楽コンテンツデータ処理フローの例を示す。
【図4】この発明の一実施例によるコピー元/コピー先指定処理フローの例を示す。
【図5】この発明の一実施例によるフォルダコピー処理フローの例を示す。
【符号の説明】
【0048】
SS2,DS2 ツール画面及びコピー先選択ポップアップ(添数字は階層を表わす)、
F0,F1,F2a,F2b;f0,f1,f2a,f2b 各階層のフォルダ名、
SL,DL スクロール可能なリスト表示域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音楽コンテンツデータについてコピー元のフォルダ或いはメディアを指定するコピー元指定手段と、
上記音楽コンテンツデータのコピー先のパスを指定するコピー先指定手段と、
コピー元指定手段により指定されたコピー元のフォルダ或いはメディアの名称を取得し、取得した名称に基づいて上記音楽コンテンツデータのコピー先のフォルダ名候補を生成するフォルダ名生成手段と、
コピー先指定手段により指定されたパス上に、フォルダ名生成手段により生成されたフォルダ名候補と同じ名称の既存フォルダがあるか否かを判断するフォルダ名判断手段と、
フォルダ名判断手段により同じ名称の既存フォルダがあると判断された場合に、フォルダ名生成手段により生成されたフォルダ名候補について所定の文字列を付加し当該既存フォルダと一致しないように修正するフォルダ名候補修正手段と、
フォルダ名判断手段により同じ名称の既存フォルダがないと判断された場合はフォルダ名生成手段により生成されたフォルダ名候補をコピー先のフォルダ名に決定し、フォルダ名判断手段により同じ名称の既存フォルダがあると判断された場合にはフォルダ名候補修正手段により修正されたフォルダ名候補をコピー先のフォルダ名に決定するフォルダ名決定手段と、
フォルダ名決定手段により決定されたフォルダ名のフォルダをコピー先に作成し、当該フォルダの下に上記音楽コンテンツデータをコピーするコピー実行手段と
を具備することを特徴とする音楽コンテンツデータ処理装置。
【請求項2】
音楽コンテンツデータについてコピー元のフォルダ或いはメディアを指定するコピー元指定ステップと、
上記音楽コンテンツデータのコピー先のパスを指定するコピー先指定ステップと、
コピー元指定ステップで指定されたコピー元のフォルダ或いはメディアの名称を取得し、取得した名称に基づいて上記音楽コンテンツデータのコピー先のフォルダ名候補を生成するフォルダ名生成ステップと、
コピー先指定ステップで指定されたパス上に、フォルダ名生成ステップで生成されたフォルダ名候補と同じ名称をもつ既存フォルダがあるか否かを判断するフォルダ名判断ステップと、
フォルダ名判断ステップで同じ名称の既存フォルダがあると判断された場合に、フォルダ名生成ステップで生成されたフォルダ名候補について所定の文字列を付加し当該既存フォルダと一致しないように修正するフォルダ名候補修正ステップと、
フォルダ名判断ステップで同じ名称の既存フォルダがないと判断された場合はフォルダ名生成ステップで生成されたフォルダ名候補をコピー先のフォルダ名に決定し、フォルダ名判断ステップで同じ名称の既存フォルダがあると判断された場合にはフォルダ名候補修正ステップで修正されたフォルダ名候補をコピー先のフォルダ名に決定するフォルダ名決定ステップと、
フォルダ名決定ステップで決定されたフォルダ名のフォルダをコピー先に作成し、当該フォルダの下に上記音楽コンテンツデータをコピーするコピー実行ステップと
から成る手順をコンピュータに実行させる音楽コンテンツデータ処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−145876(P2010−145876A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−324813(P2008−324813)
【出願日】平成20年12月20日(2008.12.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.SmartMedia
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】