説明

顔料着色されたポリマー被覆を有する薬剤形または食品サプリメントの製造方法

本発明は、被覆剤と非相容性の顔料を含有するフィルム形成被覆剤を用いて支持体を被覆することにより、薬剤形または薬剤形の一部または食品サプリメントまたはその一部を製造する方法に関する。本発明はさらに、本発明を実施するための装置、特に複数の噴霧装置を有するドラムコーター、コーティングパン装置、流動層型装置またはスプレーシフターに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔料着色されたポリマー被覆を有する薬剤形または食品サプリメントの製造方法に関する。
【0002】
従来技術
Abletshauser C.B.はJournal of Controlled Release 27 (1993)、第149〜156頁の"Film coating of pellets with insoluble polymers obtained in situ crosslinking in fluidized bed"に、フィルム形成ポリマー、アルギン酸ナトリウムを水溶液として、および架橋剤、たとえばCaCl溶液または第三アミノ基を有する(メタ)アクリレートコポリマー(EUDRAGIT E (R))を、2つの別々のスプレーノズルから同時に、作用物質を含有するペレット上に噴霧する方法を記載している。フィルム塗布はたとえば内部に設置された2つのスプレーノズルを有する流動層型装置中で行うことができる。この方法はその結果において両方の成分を連続的に塗布する方法に対してほぼ同等であるが、しかし時間を節約する利点を有する。
【0003】
WO00/05307は、(a)アクリル酸もしくはメタクリル酸のラジカル重合したC〜C−エステルと、官能性の第三アンモニウム基を有する別の(メタ)アクリレートモノマーからなるコポリマー35〜98質量%および(b)可塑剤1〜50質量%ならびに少なくとも14のHLB値を有する乳化剤1〜15質量%からなり、その際、成分(a)、(b)および(c)は水を添加するか、または添加しないで、かつ場合により薬剤学的な作用物質およびその他の通例の添加剤を添加して相互に混合し、かつ被覆剤およびバインダーを溶融、流延、塗布または噴霧により製造し、その際、コポリマー(a)が1〜40μmの平均粒径を有する粉末形で導入される、経口もしくは皮膚用の薬剤形のための被覆剤およびバインダーの製造方法を記載している。
【0004】
添加剤として顔料を混合することができる。通常、酸化アルミニウムもしくは酸化鉄顔料を分散させる。顔料に関する通常の使用量はポリマー混合物に対して20〜60質量%である。しかし高い顔料結合能のために、100質量%までの量を処理することもできる。
【0005】
有利な実施態様では、顔料の添加を濃縮された形で最終層として行う。塗布は粉末として、または固体含有率5〜30%を有する水性懸濁液として噴霧により行う。必要量は、ポリマー層への混合の際よりも少なく、かつ薬剤形の質量に対して0.1〜2%である。
【0006】
課題および解決手段
WO00/05307は、経口または皮膚用の薬剤形のための被覆剤およびバインダーの製造方法を記載している。その他の通例の添加剤を添加し、かつ被覆剤およびバインダーを溶融、流延、塗布または噴霧により製造することができる。
【0007】
添加剤として特に顔料が記載されている。顔料は通常、前記の方法により良好に混合することができる。しかし、実地では被覆剤と非相容性である顔料の混合の際に、噴霧において問題が生じうることが判明した。特に顔料添加後、すでに短時間で分散液の部分的な凝固が生じる。次いで、スプレーノズルが閉塞し、かつ塗布法を中断しなくてはならない。
【0008】
被覆剤においてはしばしば顔料が使用されるので、WO00/05307に記載されている方法を発展させて、添加剤としての顔料を使用しても噴霧塗布を確実かつ効果的に可能にすることが課題であると考えられた。
【0009】
前記課題は本発明により、
顔料を含有するフィルム形成被覆剤により支持体を被覆することにより、薬剤形もしくは薬剤形の一部または食品サプリメントもしくはその一部を製造する方法であり、その際、フィルム形成被覆剤がカチオン性もしくはアニオン性の基を有する(メタ)アクリレートコポリマーである方法において、フィルム形成被覆剤および顔料がまず相互に別々に液状の、噴霧可能な、非相容性の個々の部として溶液、懸濁液または分散液の形で存在しており、かつ個別に、または一緒に液体を別々に噴霧することができ、その際、これらの噴霧ジェットがオーバーラップする、1もしくは複数の噴霧装置により噴霧塗布することにより同時に、非相容性の個々の部が噴霧工程において混合され、支持体上に衝突し、かつ該支持体上で液体の蒸発後に均一に顔料着色されたフィルム被覆を形成し、このことにより薬剤形または食品サプリメントまたはこれらの一部が得られるように噴霧することを特徴とする、薬剤形もしくは薬剤形の一部または食品サプリメントもしくはその一部を製造する方法
により解決される。
【0010】
発明の実施
本発明は、
顔料を含有するフィルム形成被覆剤により支持体を被覆することにより、薬剤形もしくは薬剤形の一部または食品サプリメントもしくはその一部を製造する方法であり、その際、フィルム形成被覆剤がカチオン性もしくはアニオン性の基を有する(メタ)アクリレートコポリマーである方法において、フィルム形成被覆剤および顔料がまず相互に別々に液状の、噴霧可能な、非相容性の個々の部として溶液、懸濁液または分散液の形で存在しており、かつ個別に、または一緒に液体を別々に噴霧することができ、その際、これらの噴霧ジェットがオーバーラップする、1もしくは複数の噴霧装置により噴霧塗布することにより同時に、非相容性の個々の部が噴霧工程において混合され、支持体上に衝突し、かつ該支持体上で液体の蒸発後に均一に顔料着色されたフィルム被覆を形成し、このことにより薬剤形または食品サプリメントまたはこれらの一部が得られるように噴霧することを特徴とする、薬剤形もしくは薬剤形の一部または食品サプリメントもしくはその一部を製造する方法
に関する。
【0011】
フィルム形成被覆剤
フィルム形成被覆剤はカチオン性もしくはアニオン性の基を有する(メタ)アクリレートコポリマーである。
【0012】
フィルム形成被覆剤は顔料とは別にまず液状の噴霧可能な、非相容性の個別の部として有利には溶液または分散液の形で存在する。
【0013】
フィルム形成被覆剤は、(メタ)アクリレートコポリマーを含有する、たとえば10〜60質量%、有利には15〜40質量%の固体含有率を有する分散液である。該分散液は有利には顔料を含有していない、噴霧可能な個別の部である。(メタ)アクリレートコポリマー以外に、薬剤学的に通例の助剤、たとえば可塑剤が含有されていてもよい。
【0014】
当業者には、該分散液が、本発明による方法の妨げとなることと結びつくことなく、わずかな割合の一緒に加工可能な顔料の量を含有していてもよいことは自明である。このことは特にその量が、非相容性を生じないほどわずかである場合に該当する。少量の、たとえば可溶性の顔料の量、たとえばポリマーに対して0.1〜10質量%未満の添加は、分散液の色彩的な特徴のために個別のケースで有意義であり得る。
【0015】
有利に分散液中に含有されている(メタ)アクリレートコポリマーは、アクリル酸もしくはメタクリル酸のラジカル重合したC〜C−アルキルエステル30〜80質量%およびアルキル基中に第三アミノ基を有する(メタ)アクリレートモノマー70〜20質量%からなる。
【0016】
官能性の第三アンモニウム基を有する適切なモノマーはUS4705695、第3欄、第64行目から第4欄、第13行目に記載されている。特にジメチルアミノエチルアクリレート、2−ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジメチルアミノベンジルアクリレート、ジメチルアミノベンジルメタクリレート、(3−ジメチルアミノ−2,2−(ジメチル)プロピルアクリレート、ジメチルアミノ−2,2−(ジメチル)プロピルメタクリレート、3−ジエチルアミノ−2,2−(ジメチル)プロピルアクリレートおよびジエチルアミノ−2,2−(ジメチル)プロピルメタクリレートがあげられる。特に有利であるのはジメチルアミノエチルメタクリレートである。
【0017】
コポリマー中の第三アンモニウム基を有するモノマーの含有率は有利には20〜70質量%、特に有利には40〜60質量%である。アクリル酸またはメタクリル酸のC〜C−アルキルエステルの割合は70〜30質量%である。メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレートおよびブチルアクリレートがあげられる。
【0018】
第三アミノ基を有する適切な(メタ)アクリレートコポリマーはたとえばメチルメタクリレート20〜30質量%、ブチルメタクリレート20〜30質量%およびジメチルアミノエチルメタクリレート60〜40質量%から構成されていてもよい。
【0019】
具体的に適切な市販の、第三アミノ基を有する(メタ)アクリレートコポリマーはたとえばメチルメタクリレート25質量%、ブチルメタクリレート25質量%およびジメチルアミノエチルメタクリレート50質量%から構成されている(EUDRAGIT (R) E100、EUDRAGIT (R) E PO)。
【0020】
コポリマーは自体公知の方法で、ラジカル塊状重合、溶液重合、パール重合または乳化重合により得ることができる。加工の前に適切な粉砕工程、乾燥工程または噴霧工程により適切な粒径範囲にしてもよい。
【0021】
粉末を製造するための適切な装置は当業者に周知であり、たとえばエアージェットミル、ディスクミル、コンパートメントミルである。場合により相応する分級工程を行ってもよい。工業的な規模の量のために適切なミルはたとえば約6バールのゲージ圧で運転される向流ジェットミル(Multi Nr. 4200)である。
【0022】
粉末の平均粒径は次のようにして測定することができる:
− 粉砕生成物の簡単な分割のためのエアージェット分級によりわずかなフラクションへ。この方法はこの測定範囲において代替法よりも若干不正確である。
【0023】
− もう1つの好適な測定法は粒径分布を測定するためのレーザー回折である。市販の装置により、空気中での測定(Malvern社、S3.01 Partikelsizer)または有利には流動媒体中での測定(LOT社、Galai CIS 1)が可能である。流体中での測定のための前提条件は、ポリマーがその中に溶解しないか、または粒子がその他の方法で測定中に変化しないことである。適切な媒体はたとえば著しく希釈した(約0.02%の)Polysorbat 80の水溶液である。
【0024】
− 質量に対して(質量分布)粒子の少なくとも70%、有利には90%は有利には1〜40μmの粒径範囲である。
【0025】
平均粒径は1〜40、有利には5〜35、特に10〜20μmの範囲でなくてはならない。
【0026】
非相容性の問題はアニオン基を有する(メタ)アクリレートコポリマーの場合にも、特にメタクリル酸基の比較的高い含有率を有するコポリマーの場合に生じる。
【0027】
(メタ)アクリレートコポリマーはたとえばメタクリル酸40〜60質量%およびメチルメタクリレート60〜40質量%またはエチルアクリレート60〜40質量%からなっていてもよく、かつ有利には分散液として存在する(EUDRAGIT (R) L30D-55)。
【0028】
支持体
薬剤学的な適用のための支持体は作用物質の結晶、作用物質を含有する核、顆粒、錠剤、ペレットまたはカプセルであってよい。これらは規則的な形であっても、または不規則な形であってもよい。
【0029】
顆粒、ペレットまたは結晶の大きさは0.01〜2.5mm、錠剤の大きさは2.5〜30.0mmである。カプセルはたとえばゼラチン、デンプンまたはセルロース誘導体からなる。
【0030】
支持体は生物学的に活性な物質(作用物質)を95%まで、ならびにその他の薬剤学的な助剤を99.9質量%まで含有していてもよい。
【0031】
通常の製造方法は直接圧縮成形、乾燥顆粒、湿潤顆粒または焼結顆粒の圧縮成形、押出成形および引き続き丸み付け、湿式もしくは乾式の造粒または直接ペレット化(たとえばプレート上で)または作用物質を含有していない球体(Nonpareilles)または作用物質を含有する粒子状への粉末の結合(パウダーコーティング)である。
【0032】
作用物質以外に、その他の薬剤学的な助剤、たとえばバインダー、たとえばセルロースおよびその誘導体、ポリビニルピロリドン(PVP)、湿潤剤、崩壊促進剤、滑剤、崩壊剤、(メタ)アクリレート、デンプンおよびその誘導体、糖可溶化剤などが含有されていてもよい。
【0033】
支持体は通常、薬学的な作用物質または食品補助物質、たとえばアスコルビン酸を含有する。
【0034】
作用物質
通例の薬剤はたとえばレッドリスト(Rote Liste)またはメルクインデックスのような参考文献に記載されている。
【0035】
生物学的に活性な物質:
本発明の意味で使用される薬剤は、ヒトまたは動物の身体において、または体内において、
1.疾患、病気、身体の損傷または病気による苦痛を治療し、緩和し、予防し、または診断するために、
2.身体の性質、状態もしくは機能または精神的な状態を診断することができるために、
3.ヒトまたは動物の身体から生じる作用物質または体液を補うために、
4.病原体、寄生虫または異物を避けるため、排除するためまたは無害にするために、あるいは
5.身体の性質、状態もしくは機能または精神的な状態に影響を与えるために
適用されるためのものである。
【0036】
本発明による調製物は、有利に遅延された形で投与することができる、基本的に任意の薬剤学的作用物質または生物学的に活性な物質を投与するために適切である。
【0037】
これらの薬剤学的に活性な物質は、ACE阻害剤、アドレナリン作用薬、副腎皮質ステロイド、ニキビ治療薬、アルドースレダクターゼ阻害剤、アルドステロン拮抗薬、α−グルコシダーゼ阻害薬、α−1−拮抗薬、アルコール中毒に対する薬剤、アミノ酸、抗アメーバ薬、タンパク質同化薬、覚醒薬、麻酔剤の添加剤、麻酔剤(非吸入用)、麻酔剤(局所)、鎮痛薬、アンドロゲン、アンギナ治療薬、拮抗薬、抗アレルギー薬、PDE阻害剤のような抗アレルギー薬、喘息治療のための抗アレルギー薬、その他の抗アレルギー薬(たとえばロイコトリエン拮抗薬、抗貧血薬、抗アンドロゲン物質、抗緩和安定薬、抗関節炎薬、抗不整脈薬、抗アテローム性動脈硬化薬、抗生物質、抗コリン作用薬、抗痙攣薬、抗うつ薬、抗糖尿病薬、下痢止め薬、抗利尿薬、解毒薬、制吐薬、抗てんかん薬、抗フィブリノゲン薬、抗てんかん薬、抗蟯虫薬、抗ヒスタミン薬、抗低血圧薬、抗高血圧薬、抗過緊張薬、抗低緊張薬、抗凝血薬、抗真菌薬、抗エストロゲン薬、抗エストロゲン薬(非ステロイド)、抗パーキンソン病薬、抗炎症薬、抗増殖作用物質、抗原虫薬、抗リウマチ薬、抗住血吸虫薬、抗鎮痙薬、抗血栓薬、鎮咳薬、食欲抑制薬、動脈硬化症治療薬、静菌薬、β−遮断薬、β−受容体遮断薬、気管支拡張薬、炭酸脱水酵素阻害薬、化学療法薬、胆汁分泌促進薬、コリン作用薬、コリン作用性アゴニスト、コリンエステラーゼ阻害剤、潰瘍性大腸炎の治療薬、利尿薬、外部寄生虫撲滅薬、催吐薬、酵素、酵素抑制剤、酵素阻害薬、おう吐に対する作用物質、線維素溶解薬、静真菌薬、痛風治療薬、緑内障治療薬、グルココルチコイド、グルココルチコステロイド、止血薬、強心性配糖体、ヒスタミンH2拮抗薬、ホルモンおよびその阻害物質、免疫治療薬、強心薬、コクシジウム抑制薬、緩下剤、脂質低下薬、胃腸治療薬、マラリア治療薬、偏頭痛治療薬、殺微生物薬、クローン病、転移阻害薬、偏頭痛治療薬、鉱物質製剤、運動性を向上する作用物質、筋弛緩薬、神経弛緩薬、エストロゲン、骨粗鬆症、耳の治療のための作用物質、パーキンソン病治療薬、植物製剤、プロトンポンプ阻害薬、プロスタグランジン、良性前立腺肥大症の治療のための作用物質、掻痒の治療のための作用物質、乾癬治療薬、向精神薬、ラジカルスカベンジャー、レニン・アンジオテンシン、甲状腺治療薬、脂漏症の治療のための作用物質、船酔いに対する作用物質、鎮痙薬、α−およびβ−交感神経作用薬、栓球凝集抑制因子、精神安定薬、潰瘍治療薬、その他の潰瘍治療薬、尿路結石症の治療のための薬剤、ウイルス抑制剤、ウイルス抑制剤、ビタミン、サイトカイン、細胞増殖抑制剤との組み合わせ治療のための作用物質、細胞増殖抑制剤のような1つ、もしくは複数の作用物質群に属していてよい。
【0038】
適切な作用物質の例は、アカルボース、アセチルサリチル酸、アクラルビシン、アシクロビル、シスプラチン、アクチノマイシン、アデノシルメチオニン、アドレナリンおよびアドレナリン誘導体、アレムツズマブ、アロプリノール、アルモトリプタン、アロセトロン、アルプロスタジル、アマンタジン、アンブロキソール、アムロジピン、アモキシシリン、5−アミノサリチル酸、アミトリプチリン、アムロジピン、アモキシシリン、アナストロゾール、アンドロゲンおよびアンドロゲン誘導体、アテノロール、アトルバスタチン、アザチオプリン、アゼライン酸、バルビツール酸誘導体、バルサラジド、ベクロメタソン、ベンゾジアゼピン、ベータヒスチン、ベザフィブラート、ビカルタミド、ビマトプロスト、ブデソニド、ブフェキサマック、ブプレノルフィン、ブプロピオン、ブチジン、カルシウム拮抗薬、カルシウム塩、カンデサルタン、カペシタビン、カプトプリル、カルバムアゼピン、カスポフンギン、セファドロキシル、セファロスポリン、セフジトレン、セフプロジル、セレトキシブ、セチリジンン、ケノデオキシクロル酸、シクロスポリン、シメチジン、クラリスロマイシン、クラブラン酸、クリンダマイシン、クロブチノール、クロニジン、コデイン、カフェイン、コレスチラミン、クロモグリシン酸、コトリモキサゾール、クマリンおよびクマリン誘導体、システイン、シラタビン、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、ダピプラゾール、デシプラミン、デソゲストレル、デソニド、ジソプロキシル、ジアゼパムおよびジアゼパム誘導体、ジヒドララジン、ジルチアゼム、ジメンヒドリネート、ジメチルスルホキシド、ジメチコーン、ジピリダルノイ、ドンペリドンおよびドンペリドン誘導体、ドネプジル、ドーパミン、ドキサゾシン、ドキソルビシン、ドキシラミン、ジクロフェナック、ジバルプロエックス、ドロスピレノン、エコナゾール、エミトリシタビン、エナラプリル、エフェドリン、エピネフリン、エポエチンおよびエポエチン誘導体、エプロサルタン、エソメプラゾール、エストロゲンおよびエストロゲン誘導体、エテンザミド、エチンエストラジオール、エトフェナメート、エトフィブレート、エトフィリン、エトノルゲストレル、エトポシド、ファムシクロビル、ファモチジン、フェロジピン、フェノフィブレート、フェンタニル、フェンチコナゾール、フェキソフェナジン、フルコナゾール、フルダラビン、フルナリジン、フルオロウラシル、フルオキセチン、フルルビプロフェン、フルピルチン、フルタミド、フルバスタチン、フォリトロピン、フォルモテロール、フォスホマイシン、フロバトリプタン、フロセミド、フシジン酸、ガランタミン、ガロパミル、ガンシクロビル、ゲンフィブロジル、ゲンタマイシン、ゲスタゲンおよびゲスタゲン誘導体、イチョウ、グリベンクラミド、グルカゴン、グルシトールおよびグルシトール誘導体、グルコサミンおよびグルコサミン誘導体、グリコシド抗生物質、経口糖尿病治療薬としての尿素誘導体、グルタチオン、グリセロールおよびグリセロール誘導体、視床下部ホルモン、ゴセレリン、ギラーゼ阻害薬、グアネチジン、ギラーゼ阻害薬、ハロファントリン、ハロペリドール、ヘパリンおよびヘパリン誘導体、心臓グリコシド、ヒアルロン酸、ヒドララジン、ヒドロクロロチアジドおよびヒドロクロロチアジド誘導体、ヒドロキシオメプラゾール、ヒドロキシジン、イブプロフェン、イダルビシン、イフォスファミド、イマチニブ、イミプラミン、インドメタシン、インドラミン、インスリン、インターフェロン、イリノテカン、イソコナゾール、イソプレナリン、イトラコナゾール、イバブラジン、ヨウ素およびヨウ素誘導体、オトギリソウ、カリウム塩、ケトコナゾール、ケトプロフェン、ケトチフェン、ラシジピン、ランソプラゾール、レトロゾール、レボドーパ、レボメタドン、リポン酸およびリポン酸誘導体、リシノプリル、リスリド、ロフェプラミン、ロムスチン、ロペラミド、ロラタジン、マグネシウム塩、マクロライド抗生物質、マプロチリン、メベンダゾール、メベベリン、メクロジン、メフェナム酸、メフロキン、メロキシカム、メピンドロール、メプロバメート、メロペネム、メザラジン、メスキシミド、メタミゾール、メトホルミン、メタドン、メトトレキセート、メチルナロキソン、メチルナルトレキソン、メチルフェニデート、メチルプレドニソロン、メチキセン、メトクロプラミド、メトプロロール、メトロニダゾール、ミアンセリン、ミコナゾール、ミオシクリン、ミノキシジル、ミソプロストール、ミトマイシン、ミゾラスチン、モダフィニル、モエクシプリル、モルフィナン、モルヒネおよびモルヒネ誘導体、麦角アルカロイド、ナルブフィン、ナロキソン、ナプロキセン、ナルコチン、ナタマイシン、ネオスチグミン、ネラメキサン、ニセルゴリン、ニセタミド、ニフェジピン、ニフルミン酸、ニモジピン、ニモラゾール、ニムスチン、ネシリチド、ニソルジピン、ノルフロキサシン、ノバミンスルホン、ノスカピン、ニスタチン、オフロキサシン、オランザピン、オルサラジン、オメオプラゾール、オモコナゾール、オンダンセトロン、オルリステート、オセルタミビル、オキサセプロール、オキサシリン、オキシコナゾール、オキシメタゾリン、パントプラゾール、パラセタモール、パロキセチン、ペグインターフェロン、ペンシクロビル、経口ペニシリン、ペンタゾシン、ペンチフィリン、ペントキシフィリン、ペプチド抗生物質、ペリンドプリル、ペルフェナジン、ペチジン、植物抽出物、アンチピリン、フェニラミン、フェニトイン、フェノチアジン、フェニルブタゾン、フェニトイン、ピモジド、ピンドロール、ピペラジン、ピラセタム、ピレンゼピン、ピリベジル、ピロキシカム、プラミペキソール、プラバスタチン、プラゾシン、プロカイン、プロマジン、プロピベリン、プロプラノロール、プロピフェナゾン、プロスタグランジン、プロチオンアミド、プロキシフィリン、ケチアピン、キナプリル、キナプリレート、ラミプリル、ラニチジン、ラノラジン、レプロテロール、レセルピン、リバビリン、リファンピシン、リルゾール、リセドロネート、リスペリドン、リトナビル、ロピニロール、ロシグリタゾン、ロキサチジン、ロキシトロマイシン、ルスコゲニン、ロスバスタチン、ルトシドおよびルトシド誘導体、サバジラ、サルブタモール、サリチレート、サルメテロール、甲状腺ホルモン、スコポラミン、セレジリン、セルタコナゾール、セルチンドール、セルトラリオン、シルデナフィル、ケイ酸塩、シンバスタチン、シトステリン、ソタロール、スパグルミン酸、スパルフロキサシン、スペクチノマイシン、スピラマイシン、スピラプリル、スピロノラクトン、スタブジン、ストレプトマイシン、スクラルフェート、スフェンタニル、スルバクタム、スルホンアミド、スルファサラジン、スルピリド、スルタミシリン、スルチアム、スマトリプタン、スキサメチオニウムクロリド、タクリン、タクロリムス、タダラフィル、タリオロール、タルサクリジン、タモキシフェン、タザロテン、テガセロド、テマゼパム、テニポシド、テノフォビル、テノキシカム、テラゾシン、テルビナフィン、テルブタリン、テルフェナジン、テルリプレシン、テルタトロール、テストステロンおよびテストステロン誘導体、テトラサイクリン、テトリゾリン、テオブロミン、テオフィリン、テオフィリン誘導体、トリプシン、チアマゾール、チオテパ、チアガビン、チアプリド、プロピオン酸誘導体、チクロピジン、チリジン、チモロール、チニダゾール、チオコナゾール、チオグアニン、チオキソロン、チロプラミド、チザニジン、トラゾリン、トルブタミド、トルカポン、トルナフテート、トルペリソン、トピラメート、トポテカン、トラセミド、トラマドール、トラマゾリン、トランドラプリル、トラニルシプロミン、トラピジル、トラゾドン、トリアムキノロンおよびトリアムキノロン誘導体、トリアムテレン、トリフルペリドール、トリフルリジン、トリメタジジン、トリメトプリム、トリミプラミン、トリペレンアミン、トリプロリジン、トリフォスファミド、トロマンタジン、トロメタモール、トロパルピン、トロキセルチン、ツロブテロール、チラミン、チロトリシン、ウラピジル、ウルソデオキシコール酸、テオフィリンウルソデオキシコール酸、バラシクロビル、バルデコキシブ、バルガンシクロビル、バルプロイン酸、バンコマイシン、バルデナフィル、ベクロニウムクロリド、ベンラファキシン、ベラパミル、ビダラビン、ビガバトリン、ビロキサジン、ビンブラスチン、ビンカミン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ビンポセチン、ビキジル、ビタミンDおよびビタミンDの誘導体、ワルファリン、キサンチノールニコチネート、キシパミド、ザフィルルカスト、ザルシタビン、ザナミビル、ジドブジン、ジプラシドン、ゾレドロン酸、ゾルミトリプタン、ゾルピデム、ゾプリコン、ゾテピンなどである。
【0039】
作用物質は所望の場合にはその薬剤学的に認容可能な塩または誘導体の形で使用することもでき、かつキラルな作用物質の場合には光学活性な異性体としても、ラセミ体もしくはジアステレオ異性体混合物としても使用することができる。所望の場合には本発明による組成物は2種類以上の薬剤学的な作用物質を含有していてもよい。
【0040】
顔料
被覆剤と非相容性の顔料は特に、(メタ)アクリレートコポリマーの分散液を直接、たとえば撹拌導入により、(メタ)アクリレートコポリマーの乾燥質量に対して20〜400質量%の通常の適用量で添加する場合に、分散液が不安定になるか、凝固するか、分離現象が生じるか、または類似の不所望な効果が生じるような顔料である。さらに使用すべき顔料は当然、毒性がなく、かつ薬学的な目的および/または食品サプリメント中での使用にとって適切である。
【0041】
被覆剤と非相容性の顔料はたとえば酸化アルミニウム顔料であってよい。非相容性の顔料は特に、イエローオレンジS(E110、C.I.15985、FD&C イエロー6)、インジゴカーマイン(E132、C.I.73015、FD&C ブルー2)、タートラジン(E102、C.I.19140、FD&C イエロー5)、ポンソー4R(E125、C.I.16255、FD&C コチニールレッドA)、キノリンイエロー(E104、C.I.47005、FD&C イエロー10)、エイスロシン(E127、C.I.45430、FD&C レッド3)、アゾルビン(E122、C.I.14720、FD&C Carmoisine)、アマランス(E123、C.I.16185、FD&C レッド2)、アシッドブリリアントグリーン(E142、C.I.44090、FD&C グリーンS)である。
【0042】
顔料は噴霧可能な個別の部の形で、特に(メタ)アクリレートコポリマーとは別々に存在する。有利には(メタ)アクリレートコポリマーは含有されていない。有利には顔料は単独で、または離型剤と一緒に水中に、たとえば全量に対して5〜40質量%、有利には10〜30質量%の濃度で懸濁されて存在する。顔料懸濁液は付加的に薬学的に通例の助剤、たとえば可塑剤または分散助剤、たとえばステアリン酸Mg、タルクまたは沈降ケイ酸(Syloid)を含有していてもよい。原則として、顔料が有機溶剤、たとえばエタノール、アセトンまたはイソプロパノール中に分散していることも可能である。この場合にもまた別の助剤が含有されていてもよい。
【0043】
当業者には、顔料を含有する噴霧可能な個別の部は、本発明による方法の妨げとなることと結びつくことなく、わずかな割合の、たとえば使用される(メタ)アクリレートコポリマーの合計の0.1〜10質量%のコポリマーを含有していてもよいことは自明である。
【0044】
噴霧装置
噴霧装置として2もしくは複数の2流体ノズルまたは1もしくは複数の3流体ノズルを有する装置を使用することができる。
【0045】
2流体ノズルまたは3流体ノズルの場合、そのつど、ノズル開口部の1つは、同時に噴霧される液体を噴霧するための圧縮空気のために割り当てられている。他方の、もしくは残りの両方のスプレーノズルは、そのつどのフィルム形成被覆剤を衝突させるために使用される。従って方法を実施するために、それぞれ1つのノズルは第一のフィルム形成被覆剤を、および1つはその他の物質を含有する液体を噴霧する少なくとも2つの2流体ノズルか、または両方を同時に噴霧する3流体ノズルを必要とする。
【0046】
噴霧された液体の搬送量は相互に無関係に、たとえばポンプ性能もしくは噴霧圧力および/または空気搬送量のようなパラメータを調節することによって影響を与えることができる。原則として噴霧装置の調節はマニュアルで、噴霧工程の間に実施することができる。再現可能な結果を得ることができるためには、噴霧された液体の搬送量に影響を与えるパラメータを、固定されたプログラムにより、たとえば電子工学的な方法で制御または調整することが有利である。
【0047】
市販の噴霧装置の例はたとえばスプレーガンPilot SIL XII(2つの2流体ノズル;製造元Walther社、Wuppertal、ドイツ)、モデル"Concentric Dual-Feed Nozzle"(3流体ノズル、製造元SinEtsu社、日本)またはモデル946-S15(3流体ノズル、製造元Duesen Schlick GmbH社、D−96253、Untersiemau、ドイツ)である。
【0048】
噴霧塗布
噴霧塗布は、少なくとも2つの別々のノズルにより個々に、または一緒に液体を供給し、かつこれらの噴霧ジェットがオーバーラップする1もしくは複数の噴霧装置を用いて行う。
【0049】
フィルム形成被覆剤および顔料はまず、相互に別々に、噴霧可能な個別の部として存在し、かつ同時に、非相容性の個別の部が噴霧の際に混合され、支持体上で衝突し、かつ該支持体上で含有されている水を蒸発させた後に均質に顔料着色されたフィルム被覆が形成されるように噴霧される。
【0050】
スプレーミストを生じる空気圧は0.5〜3バール、有利には1〜2バールである。噴霧液の一方または両方が、水に対して明らかに高められた粘度の希なケースにおいてのみ、噴霧圧力をさらに高くする必要がある。
【0051】
両方の個別の成分の噴霧速度は異なっていてもよく、かつバッチの大きさ、個々の処方および空気送入量により決定される、使用される装置の乾燥容量に著しく依存する。通常、両方の液体の噴霧速度の合計は、1〜15g/kg核x分、有利には5〜10g/kg核x分である)。
【0052】
噴霧の間に維持すべき生成物温度は使用される個別の成分の処方およびこれにより決定されるフィルム形成剤の特性に依存する。指標値として、15〜50℃、有利には20〜40℃、特に有利には25〜35℃が該当する。
【0053】
方法、装置などに関する詳細は、通常の参考文献、たとえば
− Voigt, R. (1984): Lehrbuch der pharmazeutischen Technologie; Verlag Chemie Weinheim-Beerfield Beach/Florida-Basel、
− Sucker, H., Fuchs, P., Speiser. P.:Pharmazeutische Technologie, Georg Thieme Verlag Stuttgart(1991)、特に第15章および第16章、第626〜642頁、
− Gennaro, A. R.(編)、Remington's Pharmaceutical Science, Mack Publishing Co., Easton Pennsylvania(1985)、第88章、第1567〜1573頁、
− List, P. H.(1982): Arzneiformenlehre, Wissenschaftliche Verlagsgesellschaft mbH, Stuttgart
に記載されている。
【0054】
フィルム形成は乾燥により、有利には噴霧塗布の間に行う。水の蒸発のために必要なエネルギー入力は加熱されたプロセス空気、マイクロ波またはその他の放射線により、場合により真空下でも行うことができる。
【0055】
噴霧塗布はたとえばドラムコーター、コーティングパン装置、流動層型装置またはスプレーシフター中で行うことができる。
【0056】
噴霧塗布はマニュアル操作される噴霧装置により行うことができる。しかしより良好で再現性のある結果は多くの場合、固定して設置された噴霧装置により達成されるので、これが有利である。
【0057】
装置
方法を実施するために特に有利であるのは、噴霧装置として1もしくは複数の、特に固定して設置された3流体ノズルを有するドラムコーター、コーティングパン装置、流動層型装置またはスプレーシフターである。
【0058】
顔料着色される薬剤形または被覆される食品サプリメントまたはこれらの一部
本発明による方法により顔料着色された薬剤形または食品サプリメントまたはこれらの一部を製造することができるか、または得ることができる。
【0059】
その際、顔料は噴霧塗布の間に数秒分の一の間に、実質的に同時に行われる水の蒸発により直接生じるポリマーマトリックス中に包含される。その際、噴霧される個別の部は噴霧塗布の間に数秒分の一以内に相互に混合され、かつ実質的に同時に行われる水または溶剤の蒸発により、支持体の表面上にポリマーマトリックスを形成する。従って得られる分子状マトリックス構造は新規である。
【0060】
薬剤学的に通例の助剤
可塑剤:可塑剤として適切な物質は通常、100〜20000の分子量を有し、かつ分子中に1つ以上の親水基、たとえばヒドロキシル基、エステル基またはアミノ基を有する。シトレート、フタレート、セバケート、ひまし油が適切である。適切な可塑剤の例はクエン酸アルキルエステル、プロピレングリコール、グリセリンエステル、フタル酸アルキルエステル、セバシン酸アルキルエステル、スクロースエステル、ソルビタンエステル、ジエチルセバケート、ジブチルセバケート、脂肪酸およびそのエステルおよびポリエチレングリコール4000〜20000である。有利な可塑剤はトリブチルシトレート、トリエチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、ジブチルセバケートおよびジエチルセバケートである。使用量は(メタ)アクリレートコポリマーに対して1〜35質量%、有利には2〜10質量%である。
【0061】
乾燥剤(付着防止剤):乾燥剤は次の特性を有する:比表面積が大きく、化学的に不活性であり、流動性が良好で、かつ微粒子状である。これらの特性に基づいて有利には溶融液中で均一に分散し、かつ官能基として著しく極性のコモノマーを含有するポリマーの粘着性を低下させる。
【0062】
乾燥剤の例は次のものである:
酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、カオリン、タルク、ケイ酸(エアロジル)、硫酸バリウム、カーボンブラックおよびセルロース。
【0063】
剥離剤(離型剤)
離型剤の例は次のものである:脂肪酸または脂肪酸アミドのエステル、脂肪族の長鎖カルボン酸、脂肪アルコールならびにそのエステル、モンタンロウまたはパラフィンロウおよび金属石鹸、特にグリセロールモノステアレート、ステアリルアルコール、グリセロールベヘン酸エステル、セチルアルコール、パルミチン酸、ステアリン酸、カルナウバロウ、蜜ろうなどがあげられる。
【0064】
その他の助剤:ここではたとえば安定剤、着色剤、酸化防止剤、湿潤剤、顔料、光沢剤などがあげられる。これらは特に加工助剤として使用され、かつ確実で、再現性のある製造法ならびに良好な貯蔵安定性を保証することができるべきである。その他の薬剤学的に通例の助剤はコポリマーに対して0.001質量%〜30質量%、有利には0.1〜10質量%の量で存在していてよい。
【0065】
実施例
EUDRAGIT (R) EPOは、25:25:50の比でメチルメタクリレート、ブチルメタクリレートおよびジメチルアミノエチルメタクリレートからなり、15μmの平均粒径を有するコポリマーである。
【0066】
例1:
EUDRAGIT (R) EPO 57.0g、ラウリル硫酸ナトリウム4.0g、ジブチルセバケート8.55gおよび水278.5gから形成されるEUDRAGIT (R) Eの分散液からなる噴霧懸濁液の混合物は、タルク57.0g、アルミニウム顔料イエローオレンジ17.0g、二酸化チタン34.0gおよび水432.0gからなる顔料懸濁液を撹拌導入した直後に凝固する。該混合物の噴霧塗布は、スプレーノズルが閉塞するので不可能である。
【0067】
例2:
EUDRAGIT (R) EPO 57.0g、ラウリル硫酸ナトリウム4.0g、ジブチルセバケート8.55gおよび水278.5gから、室温で撹拌することによりフィルム形成分散液を製造する(ポリマー分散液)。
【0068】
タルク57.0g、アルミニウム顔料イエローオレンジ17.0g、二酸化チタン34.0gおよび水432.0gから室温でホモジナイザー(ウルトラ・ツラックス)を用いて微分散懸濁液を製造する(顔料懸濁液)。
【0069】
両方の液体をチュービングポンプにより2つの多流体ノズル、たとえばWalther Pilot SIL XIIのノズルヘッドへ供給し、かつ噴霧して、EUDRAGIT (R) の分散液および顔料懸濁液のミストがノズル出口の後で直接混合される。被覆法を通常のコーティングパン装置(直径35mm)中で温風の供給下に、プラセボ錠剤(直径10mm)3kg上で実施する。錠剤床温度を約30℃に維持する。両方のヘッドの噴霧圧力を約1バールに調節する。噴霧プロセスは約60分間継続する。15分間、後乾燥した後、平滑で光沢のある、顔料着色されたフィルムが得られる。
【0070】
例3:
EUDRAGIT (R) EPO 114.0g、ラウリル硫酸ナトリウム8.0g、ジブチルセバケート17.1gおよび水556.9gから形成されるEUDRAGIT (R) Eの分散液からなる噴霧懸濁液の混合物は、ステアリン酸マグネシウム34.2g、コチニールレッドレーキ17.1g、二酸化チタン28.5gおよび水319.2gからなる顔料懸濁液を撹拌導入した直後に凝固する。該混合物の噴霧塗布は、スプレーノズルが閉塞するので不可能である。
【0071】
例4:
EUDRAGIT (R) EPO 114.0g、ラウリル硫酸ナトリウム8.0g、ジブチルセバケート17.1gおよび水556.9gから、室温で撹拌することによりフィルム形成分散液を製造する(ポリマー分散液)。
【0072】
ステアリン酸マグネシウム24.2g、コチニールレッドレーキ17.1g、二酸化チタン28.5gおよび水319.2gから室温でホモジナイザー(ウルトラ・ツラックス)を用いて微分散懸濁液を製造する(顔料懸濁液)。
【0073】
両方の液体をチュービングポンプにより2つの多流体ノズル、たとえばWalther Pilot SIL XIIのノズルヘッドへ供給し、かつ噴霧して、EUDRAGIT (R) Eの分散液および顔料懸濁液のミストがノズル出口の後で直接混合される。被覆法を通常のコーティングパン装置(直径35mm)中で温風の供給下に、プラセボ錠剤(直径10mm)3kg上で実施する。錠剤床温度を約30℃に維持する。両方のヘッドの噴霧圧力を約1バールに調節する。噴霧プロセスは約74分間継続する。15分間、後乾燥した後、平滑で光沢のある、顔料着色されたフィルムが得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔料を含有するフィルム形成被覆剤により支持体を被覆することにより、薬剤形もしくは薬剤形の一部または食品サプリメントもしくはその一部を製造する方法であり、その際、フィルム形成被覆剤がカチオン性もしくはアニオン性の基を有する(メタ)アクリレートコポリマーである方法において、フィルム形成被覆剤および顔料がまず相互に別々に液状の、噴霧可能な、非相容性の個々の部として、溶液、懸濁液または分散液の形で存在しており、かつ個別に、または一緒に液体を別々に噴霧することができ、その際、これらの噴霧ジェットがオーバーラップする、1もしくは複数の噴霧装置により噴霧塗布することにより同時に、非相容性の個々の部が噴霧工程において混合され、支持体上に衝突し、かつ該支持体上で液体の蒸発後に均一に顔料着色されたフィルム被覆を形成し、このことにより薬剤形または食品サプリメントまたはこれらの一部が得られるように噴霧することを特徴とする、薬剤形もしくは薬剤形の一部または食品サプリメントもしくはその一部を製造する方法。
【請求項2】
(メタ)アクリレートコポリマーが、アクリル酸もしくはメタクリル酸のラジカル重合したC〜C−アルキルエステル30〜80質量%およびアルキル基中に第三アミノ基を有する(メタ)アクリレートモノマー70〜20質量%からなることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
(メタ)アクリレートコポリマーが、メタクリル酸40〜60質量%およびメチルメタクリレート60〜40質量%またはエチルアクリレート60〜40質量%からなることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項4】
支持体が作用物質の結晶、作用物質を含有する核、錠剤、顆粒、ペレットまたはカプセルであることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
被覆剤と非相容性の顔料がアルミニウム顔料であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
被覆剤と非相容性の顔料が、イエローオレンジS(E110、C.I.15985、FD&C イエロー6)、インジゴカーマイン(E132、C.I.73015、FD&C ブルー2)、タートラジン(E102、C.I.19140、FD&C イエロー5)、ポンソー4R(E125、C.I.16255、FD&C コチニールレッドA)、キノリンイエロー(E104、C.I.47005、FD&C イエロー10)、エイスロシン(E127、C.I.45430、FD&C レッド3)、アゾルビン(E122、C.I.14720、FD&C Carmoisine)、アマランス(E123、C.I.16185、FD&C レッド2)、アシッドブリリアントグリーン(E142、C.I.44090、FD&C グリーンS)であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
噴霧装置として、2もしくは複数の2流体ノズルまたは1もしくは複数の3流体ノズルを使用することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
噴霧塗布をドラムコーター、パンコーティング装置、流動層型装置またはスプレーシフター中で行うことを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
噴霧塗布を固定して設置された噴霧装置を用いて行うことを特徴とする、請求項8記載の方法。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか1項記載の方法により製造される、顔料着色された薬剤形または食品サプリメントまたはこれらの一部。
【請求項11】
錠剤、顆粒、ペレット、カプセル、サッシェまたはドライシロップであることを特徴とする、請求項10記載の方法により製造される、顔料着色された薬剤形または食品サプリメントまたはこれらの一部。
【請求項12】
被覆と支持体との間に分離層が存在することを特徴とする、請求項10または11記載の顔料着色された薬剤形または食品サプリメントまたはこれらの一部。
【請求項13】
分離層が、中性のポリマーからなることを特徴とする、請求項12記載の顔料着色された薬剤形または食品サプリメントまたはこれらの一部。
【請求項14】
噴霧装置として1もしくは複数の3流体ノズルを有する、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法を実施するために適切なドラムコーター、コーティングパン装置、流動層型装置またはスプレーシフター。
【請求項15】
請求項1から9までのいずれか1項記載の方法を実施するための、1もしくは複数の噴霧装置の使用。

【公表番号】特表2006−516904(P2006−516904A)
【公表日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−562533(P2004−562533)
【出願日】平成15年10月18日(2003.10.18)
【国際出願番号】PCT/EP2003/011539
【国際公開番号】WO2004/058224
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(390009128)レーム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (293)
【氏名又は名称原語表記】Roehm GmbH & Co.KG
【住所又は居所原語表記】Kirschenallee,D−64293 Darmstadt,Germany
【Fターム(参考)】