説明

顕微鏡撮像装置

【課題】複数部位を蛍光観察する場合、各部位の観察時間を十分にとりつつ、標本に与えるダメージを抑えることが可能な顕微鏡撮像装置を提供することを目的とする。
【解決手段】顕微鏡101と、顕微鏡101による標本403の観察像を撮像する撮像装置100と、撮像装置100による撮影画像を記憶する内部メモリ113とを備える顕微鏡撮像装置1であって、撮像装置100によって撮影された標本画像と、その標本画像よりも前に撮像装置100によって撮影され内部メモリ113に記憶されている標本画像と、の明るさ情報を比較するPC106と、PC106による比較結果を表示する表示部107とを備えて顕微鏡撮像装置1を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顕微鏡による標本の観察像を撮影する撮像手段を備える顕微鏡撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より顕微鏡観察においては生細胞の構造、分子の局在や移動を検出するために蛍光観察が行われている。これは特定の波長の励起光を標本に照射したとき標本が発する蛍光を観察するという手法である。蛍光観察においては標本に励起光を当て続けると、標本がダメージを受け蛍光の強さが徐々に弱くなり最後には消えてしまう。したがって、蛍光観察においては励起光の照射量をなるべく少なく抑えるように配慮することが求められる。
【0003】
しかしながら、顕微鏡の操作に不慣れな操作者にとっては励起光の照射量がどれくらいであるか判別するのが困難であった。
この問題に対しては、励起光照射開始からの時間を計測し、所定時間が経過したときに操作者に警告を発することで励起光の照射量が適切であるか否かの判断を助ける方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ところで、顕微鏡に組み付けられる撮像装置により標本が静止画もしくは動画で撮影され、標本をディジタル画像として観察することが可能な顕微鏡撮像装置がある。また、顕微鏡を用いて標本を観察する場合、一度に観察できる範囲は、主として対物レンズの倍率によって決定される。対物レンズが低倍率のときは広範囲を観察することができるが解像度は低くなる。一方、対物レンズが高倍率のときは観察領域が狭くなるが、その代わり高精細な画像を取得できる。このことを利用して観察中の高倍率の画像内に低倍率で直前に撮影した標本の全体画像を同時に表示する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法においては、低倍率画像内に該当する高倍率画像の観察領域をマーキング表示させるため、操作者は高倍率の観察時にも観察部位を見失わずに効率的に観察することができ無駄な励起光照射を減らすことが可能である。
【特許文献1】特開2005−331889号公報
【特許文献2】特開2001−188179号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数部位を蛍光観察する場合、褪色量は観察部位によって異なってくる。そのため、上述前者の方法においては、励起光の照射時間のみで累積励起光照射量を判断しており、励起光の照射時間が所定時間に満たない観察部位があるにも関わらず照射時間超過の警告が発せられて各部位の観察を十分な時間行えないおそれがあるという問題がある。
【0006】
また、上述後者の方法においては、蛍光観察時の励起光の照射量が適切であるか否かの判断基準は標本画像のみのため、操作者の熟練度に依存する部分が大きく、顕微鏡の操作に不慣れな操作者が観察する場合、標本にダメージを与えてしまう恐れがあるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題を鑑み、複数部位を蛍光観察する場合、各部位の観察時間を十分にとりつつ、標本に与えるダメージを抑えることが可能な顕微鏡撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために本発明では、以下のような構成を採用した。
すなわち、本発明の顕微鏡撮像装置は、顕微鏡と、前記顕微鏡による標本の観察像を撮影する撮像手段と、前記撮像手段による撮影画像を記憶する記憶手段と、を備える顕微鏡撮像装置であって、前記撮像手段によって撮影された第1の画像と、その第1の画像よりも前に前記撮像手段によって撮影され前記記憶手段に記憶された第2の画像と、の互いの明るさ情報を比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果を表示する表示手段とを備える。
【0009】
また、本発明の顕微鏡撮像装置は、前記標本の観察倍率を設定する倍率設定手段を備え、前記比較手段は、前記倍率設定手段で設定された第1の倍率により撮影された前記第1の画像の第1の明るさ情報と、前記倍率設定手段で設定された前記第1の倍率と異なる第2の倍率により撮影された前記第2の画像において前記第1の倍率の観察領域に相当する領域の第2の明るさ情報と、を比較するように構成してもよい。
【0010】
また、本発明の顕微鏡撮像装置において、前記第1及び第2の明るさ情報を、それぞれ、前記標本への励起光に対する前記標本からの蛍光の明るさ比とし、前記比較手段は、前記第2の明るさ情報に対する前記第1の明るさ情報の変化量を前記比較結果として計算するように構成してもよい。
【0011】
また、本発明の顕微鏡撮像装置において、前記明るさ情報を輝度積算値に基づく値としてもよい。
また、本発明の顕微鏡撮像装置において、前記明るさ情報を適正露出時間に基づく値としてもよい。
【0012】
また、本発明の顕微鏡撮像装置は、前記顕微鏡における光学部材の状態を設定する光学部材設定手段を備え、前記比較手段は、前記光学部材設定手段による光学部材の設定情報に基づいて前記変化量を計算するように構成してもよい。
【0013】
また、本発明の顕微鏡撮像装置において、前記光学部材を、対物レンズ、フィルタ、開口絞り、視野絞り、NDフィルタ、光源、結像レンズの組み合わせにより構成してもよい。
【0014】
また、本発明の顕微鏡撮像装置は、前記変化量が所定の基準値を超えるとき警告動作を行う警告手段を備えるように構成してもよい。
また、本発明の顕微鏡撮像装置において、前記警告動作は、前記表示手段における文字情報の表示、当該顕微鏡撮像装置に備えられる音声出力装置における音声の出力、前記表示手段に表示される画面の色の変化、前記表示手段に表示される画面の明るさの変化、または当該顕微鏡撮像装置に備えられる入力装置に内蔵される振動装置の振動の少なくとも一つとしてもよい。
【0015】
また、本発明の顕微鏡撮像装置は、前記標本に励起光を照射する照明手段と、前記照明手段による励起光の照射量を制御する照射量制御手段とを備え、前記照射量制御手段は、前記変化量が所定の基準値を超えるとき前記照射量を減じるように構成してもよい。
【0016】
また、本発明の顕微鏡撮像装置において、前記記憶手段は、前記撮影画像の撮影時刻を記憶し、前記表示手段は、前記比較結果と共に前記記憶手段に記憶される撮影時刻を表示するように構成してもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、顕微鏡撮像装置において複数部位を蛍光観察する場合、各部位の観察時間を十分とりつつ、標本に与えるダメージを抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る顕微鏡撮像装置の概略構成を示す図である。
図1に示す顕微鏡撮像装置1は、撮像装置100と、顕微鏡101と、制御部108と、入力装置105と、PC106と、表示部107とを備えて構成される。
【0019】
上記撮像装置100は、撮像部102と、画像処理部103と、I/F部104と、CPU109と、制御バス110とを備えて構成される。
上記PC106は、内部メモリ113を備えている。
【0020】
顕微鏡101は、ステージ上にのせた標本を透過明視野観察または蛍光観察等の各種検鏡法で観察することが可能な鏡体である。
図2は、顕微鏡101の概略構成を示す図である。また、図3は、落射蛍光観察時の顕微鏡101の光学系システムの概略構成を示す図である。
【0021】
図2に示すように、顕微鏡101は、アダプタ605等を介して撮像部102と接続されると同時に複数の部位が制御部108と接続される。
また、図2及び図3に示すように、顕微鏡101は、光源701及びコレクタレンズ702を有する光源部602と、NDフィルタ703、視野絞り704、開口絞り705、及び複数のキューブ707を格納するキューブユニット706を有する投光管601と、それぞれ倍率が異なる複数の対物レンズ608を保持するレボルバ607と、標本403を搭載するステージ604と、結像レンズを有する結像レンズユニット711とを備えて構成される。なお、特許請求の範囲における光学部材は、対物レンズ608、励起フィルタ708、ダイクロイックミラー709、吸収フィルタ710、視野絞り704、開口絞り705、NDフィルタ703、光源701、上記結像レンズ等の組み合わせにより構成されるものとする。
【0022】
光源部602内の光源701の発する光はコレクタレンズ702を通って投光管601に入射され、その入射光は、投光管601内のNDフィルタ703、視野絞り704、開口絞り705を通りキューブユニット706に到達する。キューブユニット706に到達した光源701からの光は、内部のキューブ707の励起フィルタ708によって特定の波長の光が選択された後、内部のダイクロイックミラー709で反射されシャッタ712、対物レンズ608を通りステージ604上に載置された標本403に照射される。そのとき標本403が発する蛍光は、再び対物レンズ608、シャッタ712を通りキューブ707のダイクロイックミラー709と吸収フィルタ710を通過し、結像レンズユニット711によって撮像部102に入射される。
【0023】
NDフィルタ703、視野絞り704、開口絞り705、キューブユニット706、レボルバ607、シャッタ712、光源部602、及びステージ604はそれぞれ制御部108と接続されている。NDフィルタ703、視野絞り704、開口絞り705、キューブユニット706、レボルバ607、及びシャッタ712は、制御部108からの電気信号に応じて図示しない各部に取り付けられたモータが駆動され、それぞれフィルタの着脱、視野絞り径、開口絞り径、光路中に挿入されるキューブ707や対物レンズ608の種類、標本403への励起光の遮光状態が任意に切り替わる。光源部602は制御部108と接続されており、制御部108からの指示に応じて光源701への印加電圧を制御し、光源部602から照射される励起光の明るさを変化させる。ステージ604は制御部108と接続されており、制御部108からの電気信号に応じて図示しないモータが駆動して光軸と直交する平面(XY平面)上と光軸方向(Z軸方向)を移動する。またステージ604は内部にエンコーダを有し、そのエンコーダから出力される信号が制御部108に送信される。なお、本実施形態における対物レンズ608以外の光学系ユニットの倍率は等倍とする。
【0024】
図1において、制御部108は、PC106と顕微鏡101に接続され、PC106からの命令信号に応じて顕微鏡101の各部を制御すると同時に、図示しない各部に取り付けられたセンサやエンコーダの出力信号から各部の状態を検出し、その状態情報をPC106に送信する。
【0025】
撮像部102には顕微鏡101から標本像が入射する。図4は撮像部102の構成を示しており、入射した標本像はベイヤ方式の色フィルタ配列を有する固体撮像素子202に結像される。撮像素子駆動部(TGV−drv)205は固体撮像素子202と制御バス110に接続されており、CPU109により設定された条件で固体撮像素子202の駆動信号を生成し、固体撮像素子202に出力する。固体撮像素子202は、この駆動信号に応じて入射光(標本像)を光電変換し、撮像素子駆動部205から入力される水平同期信号(HD)、垂直同期信号(VD)に応じて信号電荷を読み出し、アナログ信号としてCDS/AGC回路203に出力する。光電変換した信号は、相関二重サンプリング(CDS)及び利得自動調整(AGC)を行うCDS/AGC回路203を通り、A/D変換器204によってディジタル信号のベイヤデータ(画像データ)に変換された後、フレームやライン周期タイミングを示す同期信号と共に画像処理部103に出力される。
【0026】
図5は、画像処理部103を示す図である。
図5に示す画像処理部103は、RGB変換部301と、BB(ブラックバランス)補正部302と、階調補正部304と、輪郭強調部305とを備えて構成される。
【0027】
画像処理部103は、制御バス110を介して接続されたCPU109からの命令に応じて、撮像部102からの画像データに対し様々な画像処理をおこなう。撮像部102からの画像データは、まずRGB変換部301を通じてベイヤデータからRGBデータに同時化され、BB補正部302に出力される。BB補正部302は、各色データに対してCPU109から設定された係数を乗ずることによってブラックバランスを補正し、後段の階調補正部304に出力する。階調補正部304に入力された画像データは、図示しないLUTによって階調補正された後、輪郭強調部305に出力される。輪郭強調部305はバンドパスフィルタを有しており、そのフィルタによって抽出された画像データの高周波成分が入力された画像データに加算されて輪郭強調された画像データが、I/F部104に出力される。
【0028】
図1において、I/F部104は、PC106、画像処理部103、及びCPU109と接続しており、データ形式の変換を行いつつPC106、CPU109間のデータ送受信を行う。また、I/F部104は、内部にバッファメモリを有しており、画像処理部103から入力される画像データを一時保存し、PC106とタイミング調整をはかりつつ画像データをPC106に送信する。
【0029】
PC106は、パーソナルコンピュータであり、撮像装置100、表示部107、入力装置105、及び制御部108が接続される。
表示部107は、TFTやCRT等のモニタであり、PC106からの入力信号に応じて撮影画像や操作者が各種操作を実行するためのGUI、文字等を表示する。
【0030】
入力装置105はボタン、キーボード、マウス等、操作者がステージ604の位置や対物レンズ608の倍率の変更、撮影条件の変更、撮影開始、終了等の指示を顕微鏡撮像装置1に与えるための入力デバイスであり、PC106に接続される。
【0031】
図6は、顕微鏡撮像装置1の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
まず、操作者により顕微鏡撮像装置1に電源が入れられる(S501)と、PC106は画像処理用パラメータのデフォルトデータをI/F部104を介してCPU109に送信する。CPU109がデフォルトデータを画像処理部103に送信すると、各画像処理のデフォルトパラメータが設定される。また、制御部108からの命令信号に応じて顕微鏡101内の各駆動部が駆動され原点位置出し等の初期化が行われる(S502)。このとき、光源701はPC106から制御部108を介して設定された電圧が印加され、シャッタ712は閉じて遮光状態となる。
【0032】
次に、PC106は、レボルバ607を駆動し光軸上に低倍率(倍率:M1)の対物レンズ608をセットする(S503)。
次に、操作者によりステージ604上に標本403が置かれた後、入力装置105からPC106に撮影開始の指示が与えられると、PC106は制御部108及びI/F部104を介したCPU109に命令信号を送信する。命令信号を受信した制御部108は、シャッタ712を開き光源701の光を標本403に照射させる。命令信号を受信したCPU109は撮像装置100内の各部に撮影開始信号を送信する。撮影開始信号を受信した撮像素子駆動部205は固体撮像素子202を駆動し、顕微鏡101からの入射光の光電変換を開始する。CPU109は、図示しない内蔵タイマで時間計測し露光完了を検出すると、固体撮像素子202に蓄積された電荷をアナログ信号として取り出す。アナログ信号に変換された撮影画像信号は、CDS/AGC回路203を通り、A/D変換器204によってディジタル信号の画像データに変換された後、画像処理部103を通って各画像処理が施される。画像処理部103において画像処理された画像データは、I/F部104によりタイミングが調整されつつPC106にデータ転送される。PC106は、取得した画像データを表示部107の画面上に表示させる(S504)。ここでPC106は、操作者から撮影画像保存の指示があるまで撮像部102が撮影した画像データを連続的に取得し表示部107の画面上に表示させる。このとき光源701からの励起光によって標本403の発した蛍光像は光軸上の各光学部材を通過し固体撮像素子202上に結像されるため、表示部107の画面には標本403の観察画像が常に更新されつつ表示される。操作者は、表示部107に表示される観察画像を参照しつつ、NDフィルタ703、視野絞り704、開口絞り705、キューブユニット706、シャッタ712、ステージ604等を入力装置105によってPC106、制御部108を介して制御し、ケラレ等のない所望の観察状態になるように調節する。
【0033】
図7は、表示部107に表示される画面の一例を示す図である。
操作者は標本403の観察したい領域全体が表示部107の観察画像表示画面401内に入るように、ステージ604をXY平面上に移動させ位置調整しつつ、Z方向にも駆動しフォーカスを調整する。
【0034】
図6のフローチャートにおいて、次に、PC106は、フィルタの種類、標本403の明るさ、フォーカス等を適切な状態にセットした後、操作者により画像データの保存の指示が有るか否かを判断する(S505)。
【0035】
画像データの保存指示が有ったと判断すると(S505がYes)、PC106は、画像処理部103からI/F部104を介して入力される画像データを内部メモリ113に記憶する(S506)。
【0036】
一方、画像データの保存指示が無いと判断すると(S505がNo)、PC106は、再度画像データを取得し、その画像データを内部メモリ113に記憶すると共に、表示部107に画像データを表示した後(S504)、その画像データの保存の指示が有るか否かを判断する(S505)。
【0037】
次に、PC106は、光源701への印加電圧、NDフィルタ703の着脱状態、視野絞り704の絞り径、開口絞り705の絞り径、光路中に挿入されたキューブ707の種類、ステージ604の座標等の設定情報を内部メモリ113に記憶する(S507)。
【0038】
次に、PC106は、操作者により入力装置105を介して対物レンズ608の倍率を高倍率(倍率:M2)に切り替える指示が有るか否かを判断する(S508)。
対物レンズ608の倍率を高倍率に切り替える指示が有ったと判断すると(S508がYes)、PC106は、制御部108を介してレボルバ607を駆動し、光軸上に所望の高倍率の対物レンズ608をセットする(S509)。
【0039】
次に、PC106は、再度CPU109に命令を送信し、撮像部102に入力される観察像の画像データを取得し表示部107の画面上に表示しつつ(S510)、顕微鏡101の各部位の設定情報を制御部108から取得し内部メモリ113に記憶する(S511)。PC106は、図8に示すように、表示部107に観察中の高倍率の観察画像表示画面401に加えて事前に撮影し記憶した低倍率の参照画像表示画面402を表示する。
【0040】
次に、PC106は、表示部107に表示されている高倍率の画像データから画面全体の輝度積算値(S2)を算出した後(S512)、そのとき取得したステージ604の座標から低倍率の画像データの中で観察中の高倍率視野に相当する観察領域404の全体の輝度積算値(S1)を算出する(S513)。そして、PC106は、低倍率の画像データにおける励起光に対する標本403の蛍光の明るさ比α1に対する、高倍率の画像データにおける励起光に対する標本403の蛍光の明るさ比α2の変化率を計算する。
【0041】
本実施形態において、光源部602から投光管601の光路に入射される励起光の明るさLinと、標本403に照射される励起光の明るさLrは以下(1)式で表すことができる。
【0042】
Lr=OBr×Rdm×Tbp×AS×FS×ND×Lin ・・・(1)
ただし(1)式のOBrは励起光透過時の各対物レンズ608固有の入出力明るさ比、Rdmはダイクロイックミラー709の反射率、Tbpは励起フィルタ708の透過率、ASは開口絞り705の絞り開放時を1としたときの入出力光の明るさ比、FSは視野絞り704の絞り開放時を1としたときの入出力光の明るさ比、NDはNDフィルタ703の濃度比率である。また、標本403の蛍光像の明るさLkと固体撮像素子202への入射光Loutの明るさは、以下(2)式で表すことができる。
【0043】
Lout=Tk×Tba×Tdm×OBk×Lk ・・・(2)
ただし(2)式のTkは結像レンズユニット711内の結像レンズの透過率、Tbaは吸収フィルタ710の透過率、Tdmはダイクロイックミラー709の透過率、OBkは蛍光透過時の各対物レンズ608固有の入出力明るさ比である。
【0044】
また、固体撮像素子202への入射光照度Loutと信号出力すなわち輝度値Sの関係は固体撮像素子202の光電変換特性に依存し、以下(3)式の関係が成り立つ。
S=k×Lout ・・・(3)
ただし(3)式のkは定数であり固体撮像素子202固有の定数である。
【0045】
励起光に対する標本403の蛍光の明るさ比αは(1)〜(3)式より以下(4)で表される。
α=Lk/Lr
=S/(k×C) ・・・(4)
ただし(4)式のCは、C=(OBr×Rdm×Tbp×AS×FS×ND)×(Tk×Tba×Tdm×OBk)×Lin ・・・(5)である。
【0046】
したがって、前述の記憶された低倍率画像(倍率:M1)における励起光に対する標本403の蛍光の明るさ比をα1、観察中の高倍率画像(倍率:M2)における励起光に対する標本403の蛍光の明るさ比をα2、記憶した低倍率画像において観察中の高倍率画像に相当する領域(参照用の低倍率画像)の全画素数をN1、観察中の高倍率画像の全画素数をN2とすると、上述(4)式と内部メモリ113に記憶された輝度積算値(S1)、(S2)の値より以下(6)式が成り立つ。
【0047】
α2/α1=(C1×S2×N1)/(C2×S1×N2) ・・・(6)
ただし(6)式のC1は(5)式で表される低倍率観察時の光学系ユニットの状態を表す係数、C2は高倍率観察中の光学系ユニットの状態を表す係数である。
【0048】
すなわち、PC106は、画像データと設定情報を元に(6)式で表されるように、低倍率の画像データにおける励起光に対する標本403の蛍光の明るさ比α1に対する、高倍率の画像データにおける励起光に対する標本403の蛍光の明るさ比α2の変化率α2/α1を計算する。
【0049】
次に、PC106は、以下(7)式によって、変化率α2/α1に基づいて変化量すなわち標本403の褪色率を計算し(S514)、図8に示すように、その計算結果である褪色率405を表示部107の画面に表示する(S515)。
【0050】
褪色率(%)={1−(α2/α1)}×100 ・・・(7)
次に、PC106は、操作者から対物レンズ608を低倍率に切り替える指示が無いか否かを判断する(S516)。
【0051】
対物レンズ608の倍率を低倍率に切り替える指示が有ったと判断すると(S516がNo)、PC106は、再度低倍率の対物レンズ608をセットし上述と同じ処理(S503〜S516)を繰り返す。
【0052】
一方、対物レンズ608の倍率を低倍率に切り替える指示が無いと判断すると(S516がYes)、PC106は、撮影終了の指示が入力装置105から指示されたか否かを判断する(S517)。
【0053】
撮影終了の指示が入力装置105から指示されないと判断すると(S517がNo)、PC106は、再度観察画像を取得し上述と同じ処理(S510〜S517)を繰り返す。
【0054】
一方、撮影終了の指示が入力装置105から指示されたと判断すると(S517がYes)、PC106は、観察画像の取得処理を停止し(S518)、一連の動作を終了する。
【0055】
第1の実施形態に係る顕微鏡撮像装置1によれば、PC106が観察画像を取得する毎に褪色率405が表示部107の観察画像表示画面401に表示されるので、操作者は標本403の褪色の程度を定量的に知り、励起光の照射量の不適な設定等による意図しない標本403の褪色を事前に防ぐことができる。また、複数部位を蛍光観察する場合、各部位の観察時間を十分にとりつつ、標本403に与えるダメージを抑えることができる。また、低倍率の標本403全体の画像データを1枚撮影するだけで各部位の褪色進行度を知ることができるため、操作者の作業性を損なうことも少ない。
【0056】
第1の実施形態に係る顕微鏡撮像装置1において、撮影画像の解像度を変換する手段、例えば画素シフト方式、ビニング処理等を有する場合には画素数の比に応じて前述の演算式を変換すればよい。例えば、観察中の高倍率画像に対して2×2画素のビニング処理を施して表示する場合には、前述の(6)式において画素数をN2からN2/4に変換すればよく、このとき標本403の撮像方式に応じて正確な明るさ比の褪色率を計算することができる。また、第1の実施形態においては、観察画像の取得毎に褪色率を計算する処理手順としたが、PC106内部に一般的に具備されるタイマを使用し、所定時間毎に褪色率を計算するようにすれば、計算に有する処理時間を削減し、観察画像表示の更新速度を上げ操作性を低下させずに標本403の褪色の情報を表示することができる。励起光が強いときはタイマの所定時間を短くし、励起光が弱いときはタイマの所定時間を長くしてもよい。第1の実施形態においては、ベイヤ方式の色フィルタ配列を有するカラー撮影用の固体撮像素子202を用いたが、ストライプ等他の色フィルタ配列を有する固体撮像素子や色フィルタを有しない白黒撮影用の固体撮像素子を用いる場合においても本実施形態に係る顕微鏡撮像装置1を実現することができる。
【0057】
次に、本発明の第2の実施形態に係る顕微鏡撮像装置1について説明する。
第2の実施形態に係る顕微鏡撮像装置1において特徴とする点は、自動露出機能(AE)を有し、内部メモリ113に記憶された参照用の低倍率画像の適正露出時間とライブ表示されている観察中の高倍率画像の適正露出時間と顕微鏡101の各部位の設定情報とに基づいて、標本403の褪色率を計算することである。
【0058】
第2の実施形態に係る顕微鏡撮像装置1の構成は第1の実施形態に係る顕微鏡撮像装置1の構成と同様であるため説明を省略する。
図9は、第2の実施形態に係る顕微鏡撮像装置1の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【0059】
まず、操作者により顕微鏡撮像装置1に電源が入れられ(S501)、標本403がステージ604に載置され、初めに低倍率(倍率:M1)の標本全体の観察画像を撮影しその画像データを表示部107に表示するまで(S504)は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。ここでPC106は自動露出処理を行う。ここでは適正露出時間の算出方法として、分割測光方式を用いる。この測光方式は、まず取得した観察画像データを、図10に示すように、複数の領域に分割し、図11に示すように、その領域毎に輝度積算値Pを算出する。そして輝度積算値Pが予め設定された基準範囲(測光データ使用範囲)、例えば、Pth1からPth2の基準範囲に入っている(Pth1<P<Pth2)領域を選別し、その選別された領域の平均輝度値を設定された基準値と比較する。この平均輝度値が基準値の上下所定範囲内に入っていないとき、PC106はCPU109経由で撮像素子駆動部205に露出時間を変更する指示を送った後、撮影し再度画像を取得するという処理を繰り返す。そして平均輝度値が所定範囲に収まったとき、すなわち観察画像の明るさが適正な状態であると判断すると露出時間を固定する(S901がYes)。この処理により輝度積算値がPth1以下とPth2以上の領域のデータを無視することができるので、暗い背景画像成分や高輝度のゴミ、欠陥等の輝度成分を除去し、正確な適正露出時間(T1)を算出することができる。
【0060】
次に、PC106は、操作者により入力装置105を介して顕微鏡101の各部位が駆動され所望の適切な観察状態にセットされた後、画像データの保存がPC106に指示されると(S505がYes)、その画像データを内部メモリ113に記憶しつつ(S506)、顕微鏡101の各部位の設定情報と適正露出時間(T1)を内部メモリ113に記憶する(S902)。
【0061】
次に、PC106は、操作者により入力装置105から対物レンズ608の切換指示が有ると(S508がYes)と、制御部108に命令信号を送信し、光軸中に高倍率(倍率:M2)の対物レンズ608を挿入する(S509)。
【0062】
次に、PC106は、対物レンズ608を切り換えた後、CPU109経由で撮像部102を駆動し標本403の画像データを取得し、表示部107に表示する(S510)。
次に、PC106は、前述の処理(S901)と同様に露出時間設定を変更した後、画像データを取得するという処理を繰り返し、取得した画像データの露出時間が適正露出時間であると判断すると、その露出時間を適正露出時間(T2)として固定し(S903がYes)、顕微鏡101の各部位の設定情報と適正露出時間(T2)を一旦内部メモリ113に記憶する(S904)。
【0063】
次に、PC106は、現在観察中の高倍率(倍率:M2)の画像データの適正露出時間(T2)と顕微鏡101の各部位の設定情報を内部メモリ113から読み出した後(S905)、前処理で内部メモリ113に記憶した低倍率(倍率:M1)の画像データの適正露出時間(T1)と低倍率撮影時の顕微鏡101の各部位の設定情報を内部メモリ113から読み出し(S906)、以下(8)式の計算を実行し、上記(7)式により標本403の褪色率を計算する(S907)。
【0064】
α2/α1=(C1×T1)/(C2×T2) ・・・(8)
ただし上記(8)式のC1、C2はそれぞれ前述の(5)式で表される光学系ユニットの状態を表す係数、α2/α1は上記(6)式と同様に低倍率画像における励起光に対する標本403の蛍光の明るさ比に対する、高倍率画像における励起光に対する標本403の蛍光の明るさの比の変化率を表す。
【0065】
次に、PC106は、上記計算結果を表示部107の画面内に表示する(S515)。後の処理は第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
第2の実施形態に係る顕微鏡撮像装置1によれば、第1の実施形態に係る顕微鏡撮像装置1と同様に、PC106が観察画像を取得する毎に褪色率405が表示部107の観察画像表示画面401に表示されるので、操作者は標本403の褪色の程度を定量的に知り、励起光の照射量の不適な設定等による意図しない標本403の褪色を事前に防ぐことができる。また、複数部位を蛍光観察する場合、各部位の観察時間を十分にとりつつ、標本403に与えるダメージを抑えることができる。また、自動露出機能が働き標本画像の明るさが表示画面上変化してないように見えるときでも、操作者は褪色の程度を知ることができる。
【0066】
次に、本発明の第3の実施形態に係る顕微鏡撮像装置1について説明する。
第3の実施形態に係る顕微鏡撮像装置1の特徴とする点は、標本403の褪色率が予め設定された基準値Dを超えたときに警告することである。
【0067】
第3の実施形態に係る顕微鏡撮像装置1の構成は第1の実施形態に係る顕微鏡撮像装置1の構成と同様であるため説明を省略する。
図12は、第3の実施形態に係る顕微鏡撮像装置1の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【0068】
まず、操作者により顕微鏡撮像装置1に電源が入れられ(S501)、標本403がステージ604に載置され、初めに低倍率(倍率:M1)の標本403全体の観察画像を撮影した後、高倍率(倍率:M2)の観察画像を撮影し、褪色率を計算し、その計算結果を表示部107の画面に表示する(S515)までは第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。その後、PC106は、褪色率を予め内部メモリ113に記憶された基準値Dと比較し(S1001)、褪色率が基準値Dを超えたときは(S1001がYes)、図13に示すように、表示部107の観察画像表示画面401に警告メッセージ1101を表示し(S1002)、褪色率が基準値Dを超えていないときは(S1001がNo)、警告メッセージ1101を非表示とする(S1003)。その後の撮影終了(S518)までの処理手順は第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。なお、(6)式により計算される変化率α2/α1が基準値Dに対応する値を下回るとき、警告メッセージ1101を表示するように構成してもよい。また、光源701の励起光の照射量や標本403の種類に応じて基準値Dを変えるように構成してもよい。
【0069】
第3の実施形態に係る顕微鏡撮像装置1によれば、褪色率が予め設定された基準値Dを超えるとき、警告メッセージ1101が観察画像表示画面401に表示されるため、操作者は観察部位の褪色の進行度が所定量以上であることを確実に知ることができ、励起光過多によって意図せず標本403に大きな損傷を与えてしまうのを事前に防ぐことができる。
【0070】
また、第3の実施形態に係る顕微鏡撮像装置1においては、褪色の進行具合を操作者に通知する方法として警告メッセージ1101を観察画像表示画面401に表示するようにしたが、観察画像表示画面401の明るさや色を変化させたり、PC106に一般的に内蔵されているスピーカ等の音声出力装置を用いて音声によって通知、あるいはマウス等の入力装置105に振動装置を内蔵させてその振動装置の振動によって通知することも可能である。また、褪色率が基準値Dを超えたとき、PC106が制御部108に命令信号を送信しシャッタ712を閉じれば、標本403への励起光照射を強制停止して標本403へのダメージを最小限に抑えることができる。また、褪色率が基準値Dを超えたときの高倍率の観察領域に相当する参照用の低倍率画像の部位をマーキングすれば、褪色の進行度の大きい領域を操作者はより簡単に知ることができるため、効率的に観察することができる。
【0071】
なお、上記顕微鏡撮像装置1は、上記第1〜3の実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で随時変形して実施できる。
例えば、上記実施形態では、顕微鏡101は落射照明型であるが、システム構成に合わせて光学系の設置状態を表す計算式(例えば、上記(1)式や(2)式等)を変更することによって透過照明型でも適用可能である。
【0072】
また、上記実施形態において、標本403や蛍光試薬の種類をPC106に入力、保存する構成とし、それらに応じて第3の実施形態の基準値Dを可変とすれば、観察対象毎に褪色量を適切に判定し、誤判定を防止することができる。
【0073】
また、上記実施形態において、画像の撮影時刻を内部メモリ113に記憶し、褪色率を時系列でプロット表示すれば、操作者は標本褪色の時間変化が分かるため、励起光の照射量をより適切に調節することができる。
【0074】
また、上記実施形態では、低倍率の対物レンズ608から高倍率の対物レンズ608に切り替えるタイミングで褪色率を計算する構成であるが、単に対物レンズ608を他の対物レンズ608に切り替えるタイミングで褪色率を計算するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1〜第3の実施形態に係る顕微鏡撮像装置の概略構成を示す図である。
【図2】顕微鏡の構成を表す図である。
【図3】顕微鏡の光学部材の構成を模式的に表す図である。
【図4】撮像部の構成を表すブロック図である。
【図5】画像処理部の構成を表すブロック図である。
【図6】第1の実施形態に係る顕微鏡撮像装置の処理手順を表すフローチャートである。
【図7】表示部の画面を模式的に表す図である。
【図8】高倍率の対物レンズ観察時の表示部の画面を模式的に表す図である。
【図9】第2の実施形態に係る顕微鏡撮像装置の処理手順を表すフローチャートである。
【図10】測光分割領域を模式的に表す図である。
【図11】輝度分布を表す図である。
【図12】第3の実施形態に係る顕微鏡撮像装置の処理手順を表すフローチャートである。
【図13】表示部の画面を模式的に表す図である。
【符号の説明】
【0076】
100 撮像装置
101 顕微鏡
102 撮像部
103 画像処理部
104 I/F部
105 入力装置
106 PC
107 表示部
108 制御部
109 CPU
110 制御バス
113 内部メモリ
202 固体撮像素子
203 CDS/AGC回路
204 A/D変換器
205 撮像素子駆動部
301 RGB変換部
302 BB補正部
304 階調補正部
305 輪郭強調部
401 観察画像表示画面
402 参照画像表示画面
403 標本
404 観察領域
405 褪色率
601 投光管
602 光源部
604 ステージ
605 アダプタ
607 レボルバ
608 対物レンズ
701 光源
702 コレクタレンズ
703 NDフィルタ
704 視野絞り
705 開口絞り
706 キューブユニット
707 キューブ
708 励起フィルタ
709 ダイクロイックミラー
710 吸収フィルタ
711 結像レンズユニット
712 シャッタ
1101 警告メッセージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顕微鏡と、前記顕微鏡による標本の観察像を撮影する撮像手段と、前記撮像手段による撮影画像を記憶する記憶手段と、を備える顕微鏡撮像装置であって、
前記撮像手段によって撮影された第1の画像と、その第1の画像よりも前に前記撮像手段によって撮影され前記記憶手段に記憶された第2の画像と、の互いの明るさ情報を比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする顕微鏡撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の顕微鏡撮像装置であって、
前記標本の観察倍率を設定する倍率設定手段を備え、
前記比較手段は、前記倍率設定手段で設定された第1の倍率により撮影された前記第1の画像の第1の明るさ情報と、前記倍率設定手段で設定された前記第1の倍率と異なる第2の倍率により撮影された前記第2の画像において前記第1の倍率の観察領域に相当する領域の第2の明るさ情報と、を比較する、
ことを特徴とする顕微鏡撮像装置。
【請求項3】
請求項2に記載の顕微鏡撮像装置であって、
前記第1及び第2の明るさ情報は、それぞれ、前記標本への励起光に対する前記標本からの蛍光の明るさ比であり、
前記比較手段は、前記第2の明るさ情報に対する前記第1の明るさ情報の変化量を前記比較結果として計算する、
ことを特徴とする顕微鏡撮像装置。
【請求項4】
請求項1に記載の顕微鏡撮像装置であって、
前記明るさ情報は、輝度積算値に基づく値である、
ことを特徴とする顕微鏡撮像装置。
【請求項5】
請求項1に記載の顕微鏡撮像装置であって、
前記明るさ情報は、適正露出時間に基づく値である、
ことを特徴とする顕微鏡撮像装置。
【請求項6】
請求項3に記載の顕微鏡撮像装置であって、
前記顕微鏡における光学部材の状態を設定する光学部材設定手段を備え、
前記比較手段は、前記光学部材設定手段による光学部材の設定情報に基づいて前記変化量を計算する、
ことを特徴とする顕微鏡撮像装置。
【請求項7】
請求項6に記載の顕微鏡撮像装置であって、
前記光学部材は、対物レンズ、フィルタ、開口絞り、視野絞り、NDフィルタ、光源、及び結像レンズの組み合わせにより構成される、
ことを特徴とする顕微鏡撮像装置。
【請求項8】
請求項3に記載の顕微鏡撮像装置であって、
前記変化量が所定の基準値を超えるとき警告動作を行う警告手段を備える、
ことを特徴とする顕微鏡撮像装置。
【請求項9】
請求項8に記載の顕微鏡撮像装置であって、
前記警告動作は、前記表示手段における文字情報の表示、当該顕微鏡撮像装置に備えられる音声出力装置における音声の出力、前記表示手段に表示される画面の色の変化、前記表示手段に表示される画面の明るさの変化、または当該顕微鏡撮像装置に備えられる入力装置に内蔵される振動装置の振動の少なくとも一つである、
ことを特徴とする顕微鏡撮像装置。
【請求項10】
請求項3に記載の顕微鏡撮像装置であって、
前記標本へ励起光を照射する照明手段と、
前記照明手段による励起光の照射量を制御する照射量制御手段と、
を備え、
前記照射量制御手段は、前記変化量が所定の基準値を超えるとき前記照射量を減じる、
ことを特徴とする顕微鏡撮像装置。
【請求項11】
請求項1に記載の顕微鏡撮像装置であって、
前記記憶手段は、前記撮影画像の撮影時刻を記憶し、
前記表示手段は、前記比較結果と共に前記記憶手段に記憶される撮影時刻を表示する、
ことを特徴とする顕微鏡撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図12】
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【図3】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−304541(P2008−304541A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−149390(P2007−149390)
【出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】