説明

風力発電装置の主軸軸受の監視装置

【課題】 風力発電装置における主軸軸受のメンテナンス必要時期の予測等の判定を精度良く行える監視装置を提供する。
【解決手段】 監視装置30は、風力発電装置におけるブレードが取付けられた主軸15を支持する転がり軸受からなる主軸軸受1を監視する。監視装置30は、主軸軸受1に作用する負荷荷重を検出する荷重検出手段31と、この荷重検出手段31の検出信号を判定情報の一つとして用いて前記主軸軸受1に関する所定の判定を行う判定手段33とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、風力発電装置の主軸軸受の状態を監視する監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
クリーンエネルギーとして風力発電が注目され、既に多くの風力発電装置が稼動している。今後建設される風力発電装置については、単位発電量当たりの発電コストを下げるため、ますます大型化することが予想される。風力発電装置は、年間を通じて風が強い場所に設置することが望ましく、比較的交通の便が悪い辺鄙な場所に設置されることが多い。そのため、メンテナンスが容易でないという問題がある。特に、大型の風力発電装置の場合は、より一層メンテナンスが難しくなり、メンテナンスコストも高くなる。一旦故障となれば、発電機や増速機を交換することもあり、メンテナンスコストは増大する。また、メンテナンスにはクレーン作業が必要であるため、天候次第で作業ができないこともあり、その場合数日間設備を停止しなければならない。
【0003】
上記のように風力発電装置のメンテナンスは容易でなく、頻繁に行うことはできないことから、風力発電装置の運転状況をリアルタイムで把握して、メンテナンスの必要時期を予測することにより、メンテナンス回数を減らすことが考えられている。それにより、メンテナンスコストを低減できる。現実に、風力発電装置やそれ以外の離れた位置にある装置の運転状況を遠隔監視している例もある(例えば特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−108201号公報
【特許文献2】特許第4117500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、転がり軸受の寿命に影響を及ぼす要因として、振動、温度、角速度、潤滑等が挙げられる。しかし、風力発電装置におけるブレードが取付けられた主軸を支持する主軸軸受の場合、突風等により負荷荷重が大きく変動するという特徴があり、この負荷荷重の変動も軸受寿命に大きく影響する。従来の遠隔監視システムでは、上記負荷荷重を監視していなかったため、風力発電装置の主軸軸受のメンテナンス必要時期を精度良く予測することができない。
【0006】
この発明の目的は、風力発電装置における主軸軸受のメンテナンス必要時期の予測等の判定を精度良く行える監視装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明にかかる風力発電装置の主軸軸受の監視装置は、風力発電装置におけるブレードが取付けられた主軸を支持する転がり軸受からなる主軸軸受を監視する装置であって、前記主軸軸受に作用する負荷荷重を検出する荷重検出手段と、この荷重検出手段の検出信号を判定情報の一つとして用いて前記主軸軸受に関する所定の判定を行う判定手段とを設けたことを特徴とする。
この構成によれば、荷重検出手段の検出信号が判定手段に送信され、判定手段により、前記検出信号を判定情報の一つとして用いて主軸軸受に関する所定の判定、例えばメンテナンス必要時期の判定を行う。風力発電装置の主軸軸受の特徴である負荷荷重の変動について監視するため、主軸軸受のメンテナンス必要時期の予測等の判定を精度良くできる。
【0008】
前記荷重検出手段として、主軸軸受の軌道輪の歪を検出する歪ゲージを用いることができる。あるいは、前記荷重検出手段として、主軸軸受の一対の軌道輪である内輪と外輪との相対変位を検出する変位センサも用いることができる。何れであっても、主軸軸受に作用する負荷荷重を検出することが可能である。
【0009】
この発明において、前記主軸軸受に、封入潤滑剤の劣化状況を検出する潤滑剤劣化検出手段を設け、前記判定手段は、前記荷重検出手段の検出信号の他に、前記潤滑剤劣化検出手段の検出信号を用いて所定の判定を行うものとしてもよい。
この構成の場合、主軸軸受の負荷荷重に加えて、封入潤滑剤の劣化状況について監視するため、より一層精度良い判定を行える。
【0010】
また、この発明において、前記主軸軸受に、振動センサ、超音波センサ、およびAEセンサ(アコースエミッションセンサ)のうちの少なくとも一つのセンサである振動検出手段を設け、前記判定手段は、前記荷重検出手段の検出信号と前記振動検出手段の検出信号とを用いて所定の判定を行うものとしてもよい。
この構成の場合、主軸軸受の負荷荷重に加えて、振動について監視するため、より一層精度良い判定を行える。
【0011】
さらに、この発明において、前記主軸軸受は予圧を付与した軸受であって、その予圧を検出する予圧検出手段を設け、前記判定手段は、前記荷重検出手段の検出信号の他に、前記予圧検出手段の検出信号を用いて所定の判定を行うものとしてもよい。
この構成の場合、主軸軸受の負荷荷重に加えて、予圧について監視するため、より一層精度良い判定を行える。
【0012】
前記振動検出手段、潤滑剤劣化検出手段、および予圧検出手段のうち少なくとも一つの検出手段を設けた場合、前記判定手段は、前記各検出手段の検出信号を総合的に用いた評価値を生成する総合評価値生成部と、この総合評価値生成部で生成した評価値が閾値以上になると異常と判定する総合異常判定部を有するのが望ましい。
総合評価値生成部により、荷重検出手段を含む複数の検出手段の検出信号を総合的に判断して評価値を生成することにより、総合異常判定部による異常か否かの判定がし易くなる。総合異常判定部が異常と判定した場合、それに応じて適切な対応をとることができる。
【0013】
また、前記判定手段は、個々の前記各検出手段の検出信号を、それぞれ閾値と比較して閾値以上になると異常と判定する個別異常判定部を有するのが望ましい。
個別異常判定部を有すると、各検出手段のうち特定の検出手段だけが突出して異常な検出信号を出力した場合でも、異常と判定して、それに応じて適切な対応をとることができる。
【0014】
この発明において、前記判定手段は、判定結果の一つとして、軸受寿命の推定値、または主軸軸受の次期メンテナンス時期を生成するのがよい。
判定手段により、軸受寿命の推定値、または主軸軸受の次期メンテナンス時期を判定することにより、メンテナンスを無駄のない適正なタイミングで行うことができる。
【0015】
この発明において、前記判定手段は、判定結果の一つとして、主軸に対するブレードの取付角度の調整値を生成するのがよい。
判定手段により、主軸に対するブレードの取付角度の調整値を判定することにより、常に、主軸に過大な負荷荷重が作用することがなく、かつ発電効率が良いブレードの取付角度を維持できる。
【発明の効果】
【0016】
この発明の風力発電装置の主軸軸受の監視装置は、風力発電装置におけるブレードが取付けられた主軸を支持する転がり軸受からなる主軸軸受の監視装置であって、前記主軸軸受に作用する負荷荷重を検出する荷重検出手段と、この荷重検出手段の検出信号を判定情報の一つとして用いて前記主軸軸受に関する所定の判定を行う判定手段とを設けたため、風力発電装置における主軸軸受のメンテナンス必要時期の予測等の判定を精度良く行える。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の実施形態にかかる風力発電装置の主軸軸受の断面図とその監視装置のブロック図とを組み合わせた表示した図である。
【図2】風力発電装置の一例の一部を切り欠いて表した斜視図である。
【図3】同風力発電装置の破断側面図である。
【図4】この発明の異なる実施形態にかかる風力発電装置の主軸軸受の断面図である。
【図5】この発明のさらに異なる実施形態にかかる風力発電装置の主軸軸受の断面図である。
【図6】この発明のさらに異なる実施形態にかかる風力発電装置の主軸軸受の断面図である。
【図7】この発明のさらに異なる実施形態にかかる風力発電装置の主軸軸受の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
この発明の実施形態を図1ないし図3と共に説明する。図1は風力発電装置の主軸軸受の断面図とこの主軸軸受に設置される監視装置のブロック図を組み合わせた図、図2は前記主軸軸受で主軸が支持された風力発電装置の一部を切り欠いて表した斜視図、図3はその破断側面図である。
【0019】
図2および図3において、風力発電装置11は、支持台12上にナセル13を水平旋回自在に設け、このナセル13のケーシング14内に、前後一対の主軸軸受1により主軸15を回転自在に支持している。主軸15のケーシング14外に突出した一端にブレード支持基体16aが設けられ、このブレード支持基体16aに、図示しない旋回駆動機構により旋回自在にブレード16が取付けられている。主軸15の他端は増速機17に接続され、増速機17の出力軸18が発電機19のロータ軸に結合されている。
【0020】
図1に示すように、主軸軸受1は、複列の円すいころ軸受であって、外周面に複列の軌道面2aを有する内輪2と、この内輪2の軌道面2aに対向する軌道面3aをそれぞれ内周面に有する一対の外輪3と、これら内外の軌道輪2,3間に組み込まれた円すいころからなる複列の転動体4とを備えている。一対の外輪3の間には、外輪間座5が介在している。この実施形態の場合、複列の転動体4は、正面組合せで配列され、各列毎に保持器6で保持されている。
【0021】
内輪2の内周には、主軸15が嵌合している。主軸15は筒状であり、その先端に結合した蓋部材7に、前記ブレード支持基体16aが取付けられる。主軸15の外周面に形成された段部15aと内輪位置決め間座8とにより、内輪2の軸方向位置が位置決めされている。外輪3の外周には、ハウジング9が嵌合している。ハウジング9の先端には外輪押え蓋10が取付けられ、この外輪押え蓋10とハウジング9の内周面に形成された段部9aとにより、一対の外輪3および外輪間座5の軸方向位置が位置決めされている。ハウジング9および外輪押え蓋10は、それぞれ内径側へ延びるつば部9b,10aを有し、これらつば部9b,10aにより、主軸軸受1の軸受空間を密封している。軸受空間には、潤滑油、グリース等からなる潤滑剤が封入されている。
【0022】
監視装置30は、主軸軸受1に作用する負荷荷重を検出する荷重検出手段31と、主軸軸受1の軸受空間に封入した潤滑剤の劣化状況を検出する潤滑剤劣化検出手段32と、これら荷重検出手段31および潤滑剤劣化検出手段32の検出信号を判定情報として用いて主軸軸受1に関する所定の判定を行う判定手段33とを備える。この実施形態では、荷重検出手段31は、一方の外輪3の外周面に貼り付けられた歪ゲージである。また、潤滑剤劣化検出手段32は、潤滑剤に含まれる鉄分の量を検出する鉄粉センサである。
【0023】
判定手段33は、例えばマイクロコンピュータ等のコンピュータと、これに実行されるプログラムおよびデータとで構成され、または論理回路等の電子回路で構成される。判定手段33は、各検出手段31,32の検出信号a,bを総合的に用いた評価値を生成する総合評価値生成部34と、この総合評価値生成部34で生成した評価値が閾値以上になると異常と判定する総合異常判定部35と、荷重検出手段31の検出信号aを閾値と比較して閾値以上になると異常と判定する個別異常判定部36とでなる。
【0024】
総合評価値生成部34は、例えば、演算式やデータ等によって各検出信号a,bと評価値との関係となる評価基準を設定した評価基準設定手段を有し、上記検出信号a,bを評価基準に照らして評価値を生成する。総合異常判定部35での判定に用いる閾値は、主軸軸受1に作用する負荷荷重および潤滑剤の劣化状況と、軸受寿命、または主軸軸受1の次期メンテナンス時期との関係を予め実験やシミュレーションにより求め、その結果から導き出された数値である。また、個別異常判定部36での判定に用いる閾値は、主軸軸受1に作用する負荷荷重と、主軸15が受けるダメージとの関係を予め実験やシミュレーションにより求め、その結果から導き出された数値である。
【0025】
総合異常判定部35には異常信号受信装置37が接続され、個別異常判定部36には前記旋回駆動機構(図示せず)のブレード取付角度調整用駆動源38に接続されている。異常信号受信装置37は、風力発電装置11から離れた遠隔地に設けられている。判定手段33も、風力発電装置11から離れた遠隔地に設けられていてもよい。
【0026】
上記構成の動作を説明する。ブレード16が風を受けて主軸15が回転すると、主軸軸受1に作用する負荷荷重が荷重検出手段31に検出される。また、軸受空間に封入した潤滑剤の劣化状況が潤滑剤劣化検出手段32に検出される。これらの検出信号a,bは判定手段33の総合評価値生成部34に送信され、総合評価値生成部34において、各検出信号a,bを総合的に用いた評価値が生成される。この評価値は、総合異常判定部35に送られる。総合異常判定部35では、記憶保存されている閾値と比較し、評価値が閾値以上である場合、異常信号cを異常信号受信装置37に送信する。この異常信号cは、軸受寿命の推定値を示す信号、または主軸軸受1の次期メンテナンス時期を示す信号である。図1において点線で示すように、各検出信号a,bを異常信号受信装置37に常時送信してもよく、その場合は、異常信号cが単に異常を示すだけの信号であってよい。
【0027】
このように、この監視装置30は、遠隔地から主軸軸受1に作用する負荷荷重および軸受空間に封入した潤滑剤の劣化状況を常時監視することで、負荷荷重が大きく変動する風力発電装置11の主軸軸受1に対して、軸受寿命または次期メンテナンス時期を常に把握しておくことができる。それにより、適正な時期を選んでメンテンスを行うことが可能になる。結果的に、メンテナンス回数を減らすことができ、メンテナンスコストを低減できる。
【0028】
また、荷重検出手段31の検出信号aは、判定手段33の個別異常判定部36に送信される。個別異常判定部36では、検出信号aの値と記憶保存されている閾値とを比較し、検出信号aの値が閾値以上である場合、ブレード取付角度調整用駆動源38を制御する制御信号dを出力する。検出信号aの値が閾値以上であるということは、主軸軸受1に大きな負荷荷重がかかり、主軸軸受1または他の部品が損傷を受ける可能性があるということを意味する。その場合、主軸15に対するブレード16の取付角度を変更して、ブレード16が風から受ける力を小さくすることにより、主軸軸受1に作用する負荷荷重を低減させる。これにより、強風による風力発電装置11の損傷を防げる。
【0029】
図4に示すように、荷重検出手段31である歪ゲージは、外輪3の端面に貼り付けてもよい。また、図5に示すように、荷重検出手段31は、内輪2と外輪3との相対変位を検出する変位センサとしてもよい。何れも、主軸軸受1に作用する負荷荷重を検出することができる。
【0030】
図6は、この発明の異なる実施形態を示す。この風力発電装置の主軸軸受の監視装置30は、前記実施形態の潤滑剤劣化検出手段32に代えて、主軸軸受1の振動を検出する振動検出手段40が設けられている。この実施形態では、振動検出手段40により外輪3の振動を検出する。振動検出手段40は、振動センサ、超音波センサ、およびAEセンサのうちの少なくとも一つのセンサからなる。監視装置30は、荷重検出手段31と、振動検出手段40と、前記同様の判定手段33とでなる。
【0031】
各検出手段31,40の検出信号a,eが判定手段33へ送信され、前記同様、判定手段33により、各検出信号a,eを判定情報として用いて主軸軸受1の軸受寿命、または主軸軸受1の次期メンテナンス時期について判定を行うと共に、荷重検出手段31の検出信号aを判定情報として用いて主軸15に対するブレード16の取付角度についての判定を行う。
【0032】
この実施形態の監視装置30は、遠隔地から主軸軸受1に作用する負荷荷重および主軸軸受1の振動を常時監視することで、前記実施形態と同様、負荷荷重が大きく変動する風力発電装置11の主軸軸受1に対して、軸受寿命または次期メンテナンス時期を常に把握しておくことができる。それにより、適正な時期を選んでメンテンスを行うことが可能になる。結果的に、メンテナンス回数を減らすことができ、メンテナンスコストを低減できる。
【0033】
図7は、さらに異なる実施形態を示す。この風力発電装置の主軸軸受の監視装置30は、前記各実施形態の潤滑剤劣化検出手段32や振動検出手段40に代えて、主軸軸受1の予圧を検出する予圧検出手段41が設けられている。予圧検出手段41は、例えば外輪間座5に設けられる。監視装置30は、荷重検出手段31と、予圧検出手段41と、前記同様の判定手段33とでなる。
【0034】
各検出手段31,41の検出信号a,fが判定手段33へ送信され、前記同様、判定手段33により、各検出信号a,fを判定情報として用いて主軸軸受1の軸受寿命、または主軸軸受1の次期メンテナンス時期について判定を行うと共に、荷重検出手段31の検出信号aを判定情報として用いて主軸15に対するブレード16の取付角度についての判定を行う。
【0035】
この実施形態の監視装置30は、遠隔地から主軸軸受1に作用する負荷荷重および主軸軸受1の予圧を常時監視することで、前記実施形態と同様、負荷荷重が大きく変動する風力発電装置11の主軸軸受1に対して、軸受寿命または次期メンテナンス時期を常に把握しておくことができる。それにより、適正な時期を選んでメンテンスを行うことが可能になる。結果的に、メンテナンス回数を減らすことができ、メンテナンスコストを低減できる。
【0036】
上記各実施形態では、荷重検出手段31以外に、潤滑剤劣化検出手段32、振動検出手段40、および予圧検出手段41のうちの一つの検出手段が設けられているが、これら各検出手段32,40,41は設けなくてもよく、あるいはこれら各検出手段32,40,41のうちの複数の検出手段を設けてもよい。
また、上記各実施形態では主軸軸受1を複列の円すいころ軸受としたが、この発明は他の形式の主軸軸受にも適用できる。
【符号の説明】
【0037】
1…主軸軸受
2…内輪(軌道輪)
3…外輪(軌道輪)
11…風力発電装置
15…主軸
16…ブレード
30…監視装置
31…荷重検出手段
32…潤滑剤劣化検出手段
33…判定手段
34…総合評価値作成部
35…総合異常判定部
36…個別異常判定部
37…異常信号受信装置
38…ブレード取付角度調整用駆動源
40…振動検出手段
41…予圧検出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力発電装置におけるブレードが取付けられた主軸を支持する転がり軸受からなる主軸軸受の監視装置であって、
前記主軸軸受に作用する負荷荷重を検出する荷重検出手段と、この荷重検出手段の検出信号を判定情報の一つとして用いて前記主軸軸受に関する所定の判定を行う判定手段とを設けたことを特徴とする風力発電装置の主軸軸受の監視装置。
【請求項2】
請求項1において、前記荷重検出手段が、主軸軸受の軌道輪の歪を検出する歪ゲージである風力発電装置の主軸軸受の監視装置。
【請求項3】
請求項1において、前記荷重検出手段が、主軸軸受の一対の軌道輪である内輪と外輪との相対変位を検出する変位センサである風力発電装置の主軸軸受の監視装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記主軸軸受に、封入潤滑剤の劣化状況を検出する潤滑剤劣化検出手段を設け、前記判定手段は、前記荷重検出手段の検出信号の他に、前記潤滑剤劣化検出手段の検出信号を用いて所定の判定を行うものとした風力発電装置の主軸軸受の監視装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記主軸軸受に、振動センサ、超音波センサ、およびAEセンサのうちの少なくとも一つのセンサである振動検出手段を設け、前記判定手段は、前記荷重検出手段の検出信号と前記振動検出手段の検出信号とを用いて所定の判定を行うものとした風力発電装置の主軸軸受の監視装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記主軸軸受は予圧を付与した軸受であって、その予圧を検出する予圧検出手段を設け、前記判定手段は、前記荷重検出手段の検出信号の他に、前記予圧検出手段の検出信号を用いて所定の判定を行うものとした風力発電装置の主軸軸受の監視装置。
【請求項7】
請求項4ないし請求項6のいずれか1項において、前記判定手段は、前記各検出手段の検出信号を総合的に用いた評価値を生成する総合評価値生成部と、この総合評価値生成部で生成した評価値が閾値以上になると異常と判定する総合異常判定部を有する風力発電装置の主軸軸受の監視装置。
【請求項8】
請求項4ないし請求項7のいずれか1項において、前記判定手段は、個々の前記各検出手段の検出信号を、それぞれ閾値と比較して閾値以上になると異常と判定する個別異常判定部を有する風力発電装置の主軸軸受の監視装置。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、前記判定手段は、判定結果の一つとして、軸受寿命の推定値、または主軸軸受の次期メンテナンス時期を生成する風力発電装置の主軸軸受の監視装置。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれか1項において、前記判定手段は、判定結果の一つとして、主軸に対するブレードの取付角度の調整値を生成する風力発電装置の主軸軸受の監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−159710(P2010−159710A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−3111(P2009−3111)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】