説明

飛翔体に備えられる位置情報検出装置

【課題】山岳や海上など、携帯電話端末等の携帯端末が通常の通信のできない圏外域において、当該携帯端末の位置を検出することを可能とする飛翔体に備えられる位置情報検出装置を提供する。
【解決手段】飛翔体1の位置情報検出装置2aにおいて、電波受信部2−1は、携帯電話端末から送信される電波を受信する。固有情報検出部2−2は、受信した電波に含まれる固有情報、例えば、電話番号を読み出す。携帯電話端末位置情報検出部2−3は、受信した電波に基づいて、携帯電話端末の位置情報を検出する。通信部2−5は、電話番号と、位置情報とを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空中を航行する飛翔体、例えば航空機や飛行船などに搭載され、携帯電話端末等の携帯端末の位置を検出する位置情報検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2006年度末の時点で、日本国内の携帯電話端末契約者数は約9490万人に達しており、携帯電話端末は、単なる電話機能を有する端末ではなく、現代社会における移動型個人情報端末とも言えるものとなっている。携帯電話端末はいつでも、どこでも他人との情報交換を実現することを目的として作られたものであり、基本的に、その所在位置は、持ち主の居場所として推定することが可能である。
【0003】
携帯電話端末は、基地局等の中継施設を経由して携帯電話通信網に接続し、通信を行うように構成されており、一般的に、通信可能な複数の基地局の中で、最も近い基地局を選択して接続を行う仕組みを有している。最も近い基地局を検索するためには、まず自端末の現在位置を検出する必要があり、携帯電話端末の位置検出は、携帯電話端末による通信が確立するための条件の一つとなっている。例えば、携帯電話端末による自端末の位置検出手段として実用化されているものに、複数基地局からの電波受信を用いた測位手段を用いた位置検出や、携帯電話端末に内蔵されるGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を通じて、自端末の位置を検出する位置検出がある。
【0004】
ところで、携帯電話端末による通信は、送受信に用いられる電波の届く範囲内に基地局が存在しなければならず、基地局から電波の届かない領域においては、携帯電話端末は、通信手段としての機能を失ってしまう。例えば、山岳地域など人口が少ない地域においては費用や効率などの問題で基地局を設けない場合が多く、これらの山岳地形では、携帯電話端末が接続できない、いわゆる「圏外域」が多く存在する。また、同じ理由で海上における携帯電話端末による通信も、基地局からの電波が届く範囲である1.0〜6.0(km)以内の近距離沿岸部に限って可能である。
【0005】
近年、登山などが行われる山岳や漁業、海のレジャーなどが行われる海上では予期しない気象悪化による遭難が頻繁に発生しており、その犠牲者の数も少なくない。遭難者が携帯電話端末を所持しており、また遭難している位置が、携帯電話端末が通信可能な圏内域であれば、自分の現在位置を携帯電話端末で通報することで助かることができる。また、GPSを内蔵した携帯電話端末の場合には、GPSにより測位した位置情報を通知することにより、相手に正確な位置を通知することも可能である(例えば、非特許文献1から3参照)。
【非特許文献1】NTTドコモ研究開発企画部、”DLP(DoCoMo Location Platform)サービスを開始”,NTT技術ジャーナル 2002.6, pp40-43”.
【非特許文献2】中嶋 信生、”ローカル測位/位置検出技術”,IEEJ Journal, Vol.125, No.8, pp.500-pp.503(2005).
【非特許文献3】石原 孝通、桑原 雅明、西尾 信彦、”自立的トレーニングデータ収集による屋外位置情報システムの実装と評価”、情報処理学会、第15回ユビキタスコンピューティング研究発表会、2007年7月.
【非特許文献4】西村 敏充、金井 喜美雄、村田 正秋、”航空宇宙における誘導と制御”,コロナ社,pp.201−pp.208,(1995).
【非特許文献5】川端 学、朝生 雅人、斉川 貴彦、服部 武、”セルラーシステムにおける最ゆう推定法に基づくTDOAシステムの位置検出性能評価”,電子情報通信学会論文誌 B,Vol.J87-B, No.2, pp.285-pp.291, (2004年2月).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、山岳や海上における遭難事故は基地局からの電波の届かない圏外域にて発生する場合が多く、このような圏外域では、遭難者が携帯電話端末を所持していても、携帯電話端末の測位が行えず、救出活動に役に立たないという問題がある。
【0007】
具体的には、前述したGPSを内蔵した携帯電話端末の場合であっても、圏外域では、そもそも通信を行うことができないことから、GPSを通じて得た位置情報を通知することができないという問題がある。
【0008】
また、GPSが内蔵された携帯電話端末は、2005年頃から提供が開始されており、それ以前に提供されている携帯電話端末は、GPS機能による測位を行うことができず、前述した複数基地局による測位を行う必要がある。しかし、複数基地局による測位は、携帯電話端末が、複数基地局の圏内域に存在している必要があり、そもそも基地局からの電波が届かない圏外域では、複数基地局による測位を行うことができないという問題がある。
【0009】
また、非特許文献1から非特許文献3に記載の技術は、携帯電話端末を含む無線信号の送受信端末を用いた測位による自己位置特定手法及びその応用についての技術であるが、いずれも携帯電話端末による電波送受信の可能な圏内域における適用を想定しており,圏外域における適用は考慮されていない。
【0010】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、山岳や海上など、携帯電話端末等の携帯端末が通常の通信のできない圏外域において、当該携帯端末の位置を検出することを可能とする飛翔体に備えられる位置情報検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記問題を解決するために、本発明は、飛翔体に搭載され、固有情報を含む電波を送信する携帯端末の位置を検出する位置情報検出装置であって、携帯端末から送信される電波を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した電波に含まれる固有情報を読み出す固有情報検出手段と、前記受信手段が受信した電波に基づいて、前記携帯端末の位置情報を検出する位置情報検出手段と、前記固有情報検出手段が検出した固有情報と、前記位置情報検出手段が検出した位置情報とを出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする位置情報検出装置である。
【0012】
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記位置情報検出手段は、前記受信手段が前記携帯端末から受信した電波に含まれる前記携帯端末が全地球測位システムから取得した当該携帯端末の位置情報を読み出すことにより、前記携帯端末の位置情報を検出することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記に記載の発明において、全地球測位システムから自装置の位置情報である自装置位置情報を検出する自装置位置情報検出手段を備え、前記位置情報検出手段は、前記受信手段が、3以上の異なる位置で前記携帯端末から受信した同一の固有情報を含む電波の強度と、前記受信手段が当該電波を受信するごとに、前記自装置位置情報検出手段が検出した自装置位置情報とに基づいて前記携帯端末の位置情報を検出することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記に記載の発明において、全地球測位システムから自装置の位置情報である自装置位置情報を検出する自装置位置情報検出手段を備え、他の飛翔体に搭載される他の位置情報検出装置から情報を受信する第2の受信手段と、を備え、前記位置情報検出手段は、前記受信手段が、所定の時刻に前記携帯端末から送信されて受信した前記固有情報を含む電波の強度と、前記受信手段が当該電波を受信した際に、前記自装置位置情報検出手段が検出した自装置位置情報と、前記第2の受信手段が2以上の他の位置情報検出装置から受信する情報であって前記所定の時刻と同一の時刻に携帯端末から送信され前記固有情報と同一の固有情報を含む電波の強度及び当該電波を受信した際の前記2以上の他の位置情報検出装置におけるそれぞれの自装置位置情報を含む情報と、に基づいて前記携帯端末の位置情報を検出することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記に記載の発明において、全地球測位システムから自装置の位置情報である自装置位置情報を検出する自装置位置情報検出手段を備え、前記位置情報検出手段は、前記受信手段が、4以上の異なる位置で前記携帯端末から受信した同一の固有情報を含む電波の到達時間と、前記受信手段が当該電波を受信するごとに、前記自装置位置情報検出手段が検出した自装置位置情報とに基づいて前記携帯端末の位置情報を検出することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記に記載の発明において、全地球測位システムから自装置の位置情報である自装置位置情報を検出する自装置位置情報検出手段を備え、他の飛翔体に搭載される他の位置情報検出装置から情報を受信する第2の受信手段と、を備え、前記位置情報検出手段は、前記受信手段が、所定の時刻に前記携帯端末から送信されて受信した前記固有情報を含む電波の到達時間と、前記受信手段が当該電波を受信した際に、前記自装置位置情報検出手段が検出した自装置位置情報と、前記第2の受信手段が3以上の他の位置情報検出装置から受信する情報であって前記所定の時刻と同一の時刻に携帯端末から送信され前記固有情報と同一の固有情報を含む電波の到達時間及び当該電波を受信した際の前記3以上の他の位置情報検出装置におけるそれぞれの自装置位置情報を含む情報と、に基づいて前記携帯端末の位置情報を検出することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記に記載の発明において、全地球測位システムから自装置の位置情報である自装置位置情報を検出する自装置位置情報検出手段と、他の飛翔体に搭載される他の検出装置から情報を受信する第2の受信手段と、を備え、前記位置情報検出手段は、前記受信手段が、所定の時刻に前記携帯端末から送信されて受信した電波の到達時刻と、当該電波を受信した際の前記自装置位置情報検出手段が検出した自装置位置情報と、前記第2の受信手段が2以上の他の位置情報検出装置から受信した情報であって前記固有情報と同一の固有情報を含み前記所定の時刻と同一の時刻に携帯端末から送信された電波の到達時刻及び当該電波を受信した際の当該他の位置情報検出装置における自装置位置情報を含む情報と、に基づいて前記携帯端末の位置情報を検出することを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上記に記載の発明において、全地球測位システムから自装置の位置情報である自装置位置情報を検出する自装置位置情報検出手段を備え、前記位置情報検出手段は、前記受信手段が、2以上の異なる位置で前記携帯端末から受信した同一の固有情報を含む電波及び当該電波を受信した際に、前記自装置位置情報検出手段が検出した自装置位置情報により求められる、2以上の異なる位置における当該電波の伝搬方向情報に基づいて前記携帯端末の位置情報を検出することを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、上記に記載の発明において、全地球測位システムから自装置の位置情報である自装置位置情報を検出する自装置位置情報検出手段と、他の飛翔体に搭載される他の位置情報検出装置から情報を受信する第2の受信手段と、を備え、前記位置情報検出手段は、前記受信手段が前記携帯端末から受信した電波及び当該電波を受信した際の前記自装置位置情報検出手段が検出した自装置位置情報により求められる当該電波の伝搬方向情報と、前記第2の受信手段が受信した情報であって他の位置情報検出装置から受信した前記固有情報と同一の固有情報を含む電波及び当該電波を受信した際の当該他の位置情報検出装置の自装置位置情報により求められる当該電波の伝搬方向情報と、に基づいて前記携帯端末の位置情報を検出することを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、上記に記載の発明において、全地球測位システムから自装置の位置情報である自装置位置情報を検出する自装置位置情報検出手段を備え、前記位置情報検出手段は、前記受信手段が、2以上の異なる位置で前記携帯端末から受信した同一の固有情報を含む電波の強度と、前記受信手段が当該電波を受信した際に、前記自装置位置情報検出手段が検出した自装置位置情報と、前記受信手段が前記携帯端末から受信した高度情報と、に基づいて前記携帯端末の位置情報を検出することを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、上記に記載の発明において、全地球測位システムから自装置の位置情報である自装置位置情報を検出する自装置位置情報検出手段を備え、他の飛翔体に搭載される他の位置情報検出装置から情報を受信する第2の受信手段と、を備え、前記位置情報検出手段は、前記受信手段が、所定の時刻に前記携帯端末から送信されて受信した前記固有情報を含む電波の強度と、前記受信手段が当該電波を受信した際に、前記自装置位置情報検出手段が検出した自装置位置情報と、前記受信手段が前記携帯端末から受信した高度情報と、前記第2の受信手段が他の位置情報検出装置から受信する情報であって前記所定の時刻と同一の時刻に携帯端末から送信され前記固有情報と同一の固有情報を含む電波の強度及び当該電波を受信した際の前記他の位置情報検出装置におけるそれぞれの自装置位置情報を含む情報と、に基づいて前記携帯端末の位置情報を検出することを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、上記に記載の発明において、全地球測位システムから自装置の位置情報である自装置位置情報を検出する自装置位置情報検出手段を備え、前記位置情報検出手段は、前記受信手段が、3以上の異なる位置で前記携帯端末から受信した同一の固有情報を含む電波の到達時間と、前記受信手段が当該電波を受信した際に、前記自装置位置情報検出手段が検出した自装置位置情報と、前記受信手段が前記携帯端末から受信した高度情報と、に基づいて前記携帯端末の位置情報を検出することを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、上記に記載の発明において、全地球測位システムから自装置の位置情報である自装置位置情報を検出する自装置位置情報検出手段を備え、他の飛翔体に搭載される他の位置情報検出装置から情報を受信する第2の受信手段と、を備え、前記位置情報検出手段は、前記受信手段が、所定の時刻に前記携帯端末から送信されて受信した前記固有情報を含む電波の到達時間と、前記受信手段が当該電波を受信した際に、前記自装置位置情報検出手段が検出した自装置位置情報と、前記受信手段が前記携帯端末から受信した高度情報と、前記第2の受信手段が2以上の他の位置情報検出装置から受信する情報であって前記所定の時刻と同一の時刻に携帯端末から送信され前記固有情報と同一の固有情報を含む電波の到達時間及び当該電波を受信した際の前記2以上の他の位置情報検出装置におけるそれぞれの自装置位置情報を含む情報と、に基づいて前記携帯端末の位置情報を検出することを特徴とする。
【0024】
また、本発明は、上記に記載の発明において、全地球測位システムから自装置の位置情報である自装置位置情報を検出する自装置位置情報検出手段を備え、前記位置情報検出手段は、前記受信手段が、前記携帯端末から受信した前記固有情報を含む電波及び当該電波を受信した際に、前記自装置位置情報検出手段が検出した自装置位置情報とにより求められる当該電波の伝搬方向情報と、前記受信手段が前記携帯端末から受信した高度情報と、に基づいて前記携帯端末の位置情報を検出することを特徴とする。
【0025】
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記受信手段は、前記携帯端末から送信された緊急通報発信を示す電波を受信することを特徴とする。
【0026】
また、本発明は、上記のいずれかに記載の位置情報検出装置であって、前記受信手段が前記携帯端末から受信した電波に、前記携帯端末が全地球測位システムから取得した当該携帯端末の位置情報が含まれているか否かを判定し、前記携帯端末の位置情報が含まれている場合、当該位置情報を前記携帯端末の位置情報として検出する第2の位置情報検出手段を備え、前記第2の位置情報検出手段により前記携帯端末が全地球測位システムから取得した当該携帯端末の位置情報が含まれていないと判定された場合、前記位置情報検出手段が前記携帯端末の位置情報を検出することを特徴とする位置情報検出装置である。
【発明の効果】
【0027】
この発明によれば、飛翔体に搭載され、回線情報を含む電波を送信する携帯端末の位置を検出する位置情報検出装置は、携帯端末から送信される電波を受信し、受信した電波に含まれる固有情報を読み出し、受信した電波に基づいて、携帯端末の位置情報を検出し、検出した固有情報と、検出した位置情報とを出力する構成とした。
これにより、通信の圏外域に存在する携帯端末から送信される電波を飛翔体の備えられる位置情報検出装置により受信することが可能となり、受信電波により、携帯端末を位置を検出することが可能となる。位置情報の検出は、携帯端末に備えられるGPSにより取得される位置情報、受信電波の強度、到達時間、伝搬方向など、複数の手段を適用することができ、遭難等など多様な捜索環境に応じて最適な位置情報検出手段を選択することもできる。また、複数の飛翔体を適用することで、位置情報検出の信頼性及び精度の向上を図ることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態による携帯電話端末の位置情報を検出する位置情報検出装置2を備えた空中航行型の携帯電話端末の位置情報検出システムの構成及びその適用環境を示す概念図である。
【0029】
図1に示されているように、本発明の位置情報検出システムの前提として、携帯電話端末3は、携帯電話基地局4からの電波が届かない、いわゆる「圏外域」に存在しており、通信手段としての機能を失っている状態となっている。ここで、図1に示す空中を航行する飛翔体1は、例えば、自力で空中を航行可能な有人型、もしくは無人型の飛翔体であり、具合的な例としては、航空機、飛行船、ヘリコプタ、気球などが適用され、険しい地形の山岳地帯や海上等へも容易に移動することが可能である。本発明に係る位置情報検出システムは、当該飛翔体1を適用し、基地局4との送受信のできない圏外域にある携帯電話端末3に対して、携帯電話端末3から発せられる電波の届く領域まで接近し、飛翔体1に備えた位置情報検出装置2により携帯電話端末からの送信電波を受信して、当該携帯電話端末3の位置情報を検出するものである。
【0030】
当該位置情報検出システムは、例えば、遭難などの理由で、圏外域に存在する携帯電話端末3の所有者の所在位置捜索の要請があった場合、飛翔体1に備えられる位置情報検出装置2に、当該携帯電話端末3の固有情報、例えば、電話番号を予め記憶させておき、捜索現場に出動する。捜索現場では、例えば、飛翔体1は、図2に示すような捜索経路に沿って捜索航行を行う。そして、捜索航行の途中に位置情報検出装置2により、携帯電話端末3の電波の受信が検出されると、受信電波から、当該携帯電話端末3の固有情報、例えば、電話番号を検出し、当該固有情報が、捜索対象の携帯電話端末3からのものであれば、携帯電話端末3の位置情報を検出し、また、必要であれば、携帯電話端末3からのメッセージを受信する。そして、飛翔体1は、検出した携帯電話端末3の固有情報、位置情報、また、携帯電話端末3からメッセージを受信している場合には、そのメッセージなどの収集情報を、携帯電話端末が接続可能なエリア、すなわち圏内域まで移動して携帯電話通信網を経由して送信するか、あるいは他の公共の通信網に接続可能なエリアまで移動して他の公共の通信網を経由して送信する。以下、本発明に係る各実施形態について説明する。
【0031】
(第1実施形態)
図3は、第1実施形態に係る位置情報検出システムの構成を示した図である。飛翔体1には、位置情報検出装置2aが備えられている。第1実施形態に係る携帯電話端末3aは、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を内蔵しており、GPSにより携帯電話端末3aの位置情報を検出し、検出した位置情報含む電波を送信する。
【0032】
図4は、飛翔体1に備えられる位置情報検出装置2aの内部構成を示した図である。位置情報検出装置2において、電波受信部2−1は、携帯電話端末3から送信される電波を受信する。固有情報検出部2−2は、内部に予め検出対象となる携帯電話端末の固有情報、例えば、電話番号が予め記憶されており、電波受信部2−1が受信した電波に含まれる固有情報を検出し、検出した固有情報が内部に記憶されている固有情報と一致するか否かを判定する。携帯電話端末位置情報検出部2−3は、電波受信部2−1が受信した電波に含まれる、携帯電話端末3aがGPSにより検出した自端末の位置情報を読み出す。通信部2−5は、飛翔体1が、携帯電話通信網、もしくは、他の公共通信網の通信可能なエリアに移動した際に、これらの網を経由して、情報を収集している装置、あるいは、警察、救助隊、電話会社などに備えられる端末との通信を行うものとしてもよい。なお、通信部2−5は、有線通信としてもよい。
【0033】
図5は、第1実施形態に係る携帯電話端末3aの内部構成を示した図である。携帯電話端末3aにおいて、記憶部3−2は、携帯電話端末3aに予め付与される固有情報、例えば、電話番号を記憶する。自端末位置情報検出部3−3は、GPSであり、GPSの衛星からの受信電波に基づいて、携帯電話端末3aの位置情報を検出する。無線送受信部3−1は、アンテナ3−5を通じて、無線通信の送受信を行い、第1実施形態では、特に、記憶部3−2に記憶されている固有情報と、自端末位置情報検出部3−3が検出した位置情報を含んだ電波を定期的に送信する。操作部3−4は、例えば、キーボードなどの入力デバイスであり、携帯電話端末3aの所有者の操作を受け付け、当該操作に基づく情報を入力する。
【0034】
以下、図6を参照しつつ、第1実施形態に係る位置情報検出システムの動作について説明する。まず、遭難等の理由により、圏外域に存在する携帯電話端末3aの所有者の所在位置捜索の要請があった場合(ステップSa1)、捜索エリア及び捜索経路の決定が捜索隊によりなされる(ステップSa2)。捜索エリア及び捜索経路が決定すると、飛翔体1に備えられる位置情報検出装置2aに、当該携帯電話端末3aの固有情報、例えば、電話番号を予め記憶させておき、飛翔体1を捜索現場に出動させる(ステップSa3)。捜索航行の途中に位置情報検出装置2aの電波受信部2−1が、携帯電話端末3aから送信された電波を受信すると(ステップSa4)、固有情報検出部2−2は、受信した電波に含まれる固有情報を検出する(ステップSa5)。固有情報検出部2−2は、検出した固有情報が、予め内部に記憶されている固有情報と一致するか否かを判定する(ステップSa6)。
【0035】
検出した固有情報が、予め内部に記憶されている固有情報と一致しないと判定した場合、ステップSa4、すなわち電波の受信以降の処理を繰り返す。一方、固有情報検出部2−2は、検出した固有情報が、予め内部に記憶されている固有情報と一致していると判定した場合、すなわち位置捜索中の携帯電話端末3aである場合、携帯電話端末位置情報検出部2−3は、当該電波に含まれる携帯電話端末3aが自端末位置情報検出部3−3により検出した自端末の位置情報を読み出す(ステップSa7)。そして、飛翔体1は、携帯電話端末が接続可能なエリア、すなわち圏内域、あるいは他の公共の通信網に接続可能なエリアまで移動し、通信部2−5が、携帯電話通信網、もしくは、他の公共通信網を経由して、警察、救助隊、電話会社などに備えられる端末や、予め備えられている情報収集装置等に接続し、検出した携帯電話端末3aの固有情報、位置情報を送信する(ステップSa8)。なお、通信部2−5が、当該電波に含まれる携帯電話端末3からのメッセージなどを受信している場合、当該メッセージなどを読み出して、固有情報、位置情報とともに送信するようにしてもよい。そして、飛翔体1を引き上げさせる(ステップSa9)。
【0036】
上記の第1実施形態の構成により、通信の圏外域に存在する携帯電話端末であっても、携帯電話端末に内蔵されるGPSから取得された携帯電話端末の位置情報を外部から検出することができる。そして、検出した位置情報を携帯電話端末の電話番号などの固有情報とともに、例えば、携帯電話通信網などを経由して、捜索隊に連絡可能な端末等に送信することができる。これにより、遭難等の救助活動において、遭難者の位置特定等を迅速に行うことが可能となる。
【0037】
(第2実施形態)
図7は、本発明の第2実施形態に係る携帯電話端末3bの位置情報検出システムの構成を示した図である。第2実施形態に係る位置情報検出システムは、飛翔体1と、飛翔体1にて位置情報検出装置2bと、携帯電話端末3bとを備えている。第2実施形態に係る携帯電話端末3bは、GPS、すなわち自端末位置情報検出部3−3を備えておらず、飛翔体1に備えられる位置情報検出装置2bにおいて、携帯電話端末3bから送信される電波の電波強度、あるいは、電波の到達時間(TOA:Time of Arrival)を用いて、携帯電話端末3bの位置情報を検出する。
【0038】
図8は、第2実施形態に係る位置情報検出装置2bの内部構成を示した図である。第1実施形態に係る位置情報検出装置2aの構成と異なる構成としては、自装置位置情報検出部2−4と、携帯電話端末位置情報検出部2−3bとを備えている点であり、それ以外の構成については、第1実施形態の構成と同じ構成を備えている。自装置位置情報検出部2−4は、GPSであり、GPSの衛星からの受信電波に基づいて、位置情報検出装置2bの位置情報を検出する。携帯電話端末位置情報検出部2−3bは、電波受信部2−1が受信した電波の電波強度、あるいは電波の到達時間を用いて、携帯電話端末3bの位置情報を検出する。
【0039】
図9は、第2実施形態に係る携帯電話端末3bの内部構成を示した図である。第1実施形態に係る携帯電話端末3aと異なる構成としては、前述したようにGPS、すなわち自端末位置情報検出部3−3を備えていない点で異なり、それ以外の構成については、第1実施形態と同じ構成を備えている。
【0040】
(電波強度を用いて位置情報を検出する形態)
図10は、第2実施形態に係る位置情報検出システムの動作のうち携帯電話端末3bから送信される電波の強度により、携帯電話端末3bの位置情報を検出する場合の動作を示したフローチャートである。ステップSb1〜ステップSb6及びステップSb12、Sb13については、第1実施形態に係る位置情報検出システムのステップSa1〜ステップSa6、ステップSa8、ステップSa9と同じ動作となり、以下異なる動作である、ステップSb7〜ステップSb11について説明する。
【0041】
ステップSb6において、固有情報検出部2−2が、検出した固有情報が、予め内部に記憶されている固有情報と一致していると判定した場合、すなわち位置捜索中の携帯電話端末3bである場合、携帯電話端末位置情報検出部2−3bは、自装置位置情報検出部2−4、すなわちGPSに、当該電波を受信した際の位置情報検出装置2bの位置、すなわち飛翔体1の位置情報を検出させる(ステップSb7)。そして、携帯電話端末位置情報検出部2−3bは、当該電波の強度を計測し、電波強度が空間伝搬によって減衰する原理に基づいた公知の計算法で各受信位置−携帯電話端末間の距離を算出する(ステップSb8)。
【0042】
次に、携帯電話端末位置情報検出部2−3bは、3点以上の受信位置で、位置情報検出装置2bと携帯電話端末3b間の距離、すなわち飛翔体1と携帯電話端末3b間の距離を算出したか否かを判定する(ステップSb9)。携帯電話端末位置情報検出部2−3bは、異なる3点以上で飛翔体1と携帯電話端末3b間の距離を算出していないと判定した場合、飛翔体1が移動する間、一定時間待機し(ステップSb10)、ステップSb4以降の処理を開始させる。一方、携帯電話端末位置情報検出部2−3bは、異なる3点以上で飛翔体1と携帯電話端末3b間の距離を算出していると判定した場合、携帯電話端末位置情報検出部2−3bは、算出した飛翔体1と携帯電話端末3b間の距離l,l,lと、それぞれの距離に対応する自装置位置情報検出部2−4で検出した位置情報とに基づいて、公知の測位手法である3点測位法により携帯電話端末3bの位置を検出する。すなわち、図7に示すように、携帯電話端末3bは、飛翔体1に備えられる位置情報検出装置2bの各受信位置を中心とし、l,l,lを半径とする3つの球面が作り出す交点上に存在するため、当該交点を、3点測位法で算出する(ステップSb11)。以降の処理は、前述したように第1実施形態と同じ動作となる。
【0043】
(到達時間を用いて位置情報を検出する形態)
図11は、第2実施形態に係る位置情報検出システムの動作のうち携帯電話端末3bから送信される電波の到達時間により、携帯電話端末3bの位置情報を検出する場合の動作を示したフローチャートである。ステップSc1〜ステップSc6及びステップSc12、Sc13については、第1実施形態に係る位置情報検出システムのステップSa1〜ステップSa6、ステップSa8、ステップSa9と同じ動作となり、以下異なる動作である、ステップSc7〜ステップSc11について説明する。
【0044】
ステップSc6において、固有情報検出部2−2が、検出した固有情報が、予め内部に記憶されている固有情報と一致していると判定した場合、すなわち位置捜索中の携帯電話端末3bである場合、携帯電話端末位置情報検出部2−3bは、自装置位置情報検出部2−4、すなわちGPSに、当該電波を受信した際の位置情報検出装置2bの位置、すなわち飛翔体1の位置情報を検出させる(ステップSc7)。そして、携帯電話端末位置情報検出部2−3bは、当該電波の到達時間を計測する。ここで、到達時間は、受信した時刻と、電波に含まれる送信時刻との差により算出される。
【0045】
ここで、到達時間とは、電波の送信から受信までの所要時間を意味しており、空気中の電波の伝搬速度cは、c=2.997925×10(m/s)として一定であり、受信位置#1、受信位置#2、受信位置#3における携帯電話端末3bからの電波の到達時間をそれぞれΔt、Δt、Δtとすれば、l、l、lは、それぞれ次式(1)から(3)で求めることができる。
【0046】
【数1】

【0047】
【数2】

【0048】
【数3】

【0049】
この場合も、携帯電話端末3bは、飛翔体1の各受信位置を中心とし、l、l、lを半径とする3つの球面が作り出す交点上に位置することになる。
【0050】
式(1)〜(3)のΔt、Δt、Δtを正確に計測するためには、飛翔体1の位置情報検出装置2bに内蔵される時計と、携帯電話端末3bに内蔵される時計が同期している必要がある。しかし、現実の問題として、任意の携帯電話端末に内蔵している時計と、位置情報検出装置2bの時計を同期させるのは極めて難しいため、以下のような手法で、携帯電話端末3bの時計と、位置情報検出装置2bの時計の間に存在する時間差(時間誤差)による測定距離誤差を取り除き、正確な位置情報の検出を行う必要がある。
【0051】
すなわち、i番目の受信位置(受信位置#i)における位置情報検出装置2bと、携帯電話端末3bの間の正確な距離をl、位置情報検出装置2bの時計と携帯電話端末3bの時計の間に存在する時間差をτ、時間差を含む到達時間から求めた位置情報検出装置2bと携帯電話端末3bとの間の距離を「擬似距離」として定義し、それをl’とすれば、lとl’とは次式(4)の関係を有する。
【0052】
【数4】

【0053】
式(4)で、cτは、位置情報検出装置2bの時計と携帯電話端末3bの時計の間に存在する時間差が原因で、擬似距離l’に内在する距離誤差を意味する。
【0054】
飛翔体1の航路上の異なった4点の受信位置で計測した、携帯電話端末3bから送信される電波の到達時間をそれぞれΔt、Δt、Δt、Δtとすれば、各受信位置と携帯電話端末3bの間の擬似距離は次式(5)から(8)のように求められる。
【0055】
【数5】

【0056】
【数6】

【0057】
【数7】

【0058】
【数8】

【0059】
ここで、受信位置#iの地球固定座標系における位置座標を(x,y,z)、携帯電話端末3bの位置座標を(x,y,z)とすれば、4点の受信位置と携帯電話端末3bの間の擬似距離の定義から次式(9)から(12)を導出することができる。
【0060】
【数9】

【0061】
【数10】

【0062】
【数11】

【0063】
【数12】

【0064】
式(9)から(12)は、位置情報検出装置2bの時計と携帯電話端末3bの時計の時間差τ及び携帯電話端末3bの位置座標(x,y,z)を未知数とする連立方程式となっており、非特許文献4に示すように、これを解くことで位置情報検出装置2bの時計と携帯電話端末3bの時計が同期していない場合も、携帯電話端末3bの位置を正確に算出することができる。
【0065】
以上の手法で、携帯電話端末3bの位置を算出するためには、飛翔体1の航路上の異なった4点以上の位置で、携帯電話端末3bから送信される電波を受信し、到達時間を計測する必要がある。
【0066】
そこで、図11に戻り、携帯電話端末位置情報検出部2−3bは、4点以上の受信位置で、位置情報検出装置2bと携帯電話端末3b間の距離(前述の擬似距離)、すなわち飛翔体1と携帯電話端末3b間の距離を算出したか否かを判定する(ステップSc9)。携帯電話端末位置情報検出部2−3bは、4点以上で飛翔体1と携帯電話端末3b間の距離を算出していないと判定した場合、飛翔体1が移動する間、一定時間待機し(ステップSc10)、ステップSc4以降の処理を開始させる。一方、携帯電話端末位置情報検出部2−3bは、4点以上で飛翔体1と携帯電話端末3b間の距離を算出していると判定した場合、携帯電話端末位置情報検出部2−3bは、算出した飛翔体1と携帯電話端末3b間の距離l’,l’,l’,l’と、それぞれの距離に対応する自装置位置情報検出部2−4で検出した位置情報とに基づいて、前述した式(9)〜(12)により携帯電話端末3bの位置を検出する。(ステップSc11)。以降の処理は、前述したように第1実施形態と同じ動作となる。
【0067】
なお、位置情報検出装置2bの時計と携帯電話端末3bの時計の同期が取れている場合には、これらの時計の時間を用いることができるため、3点以上の異なる受信位置で計測した到達時間を用いて、携帯電話端末3bの位置情報を検出することが可能となる。
【0068】
また、上記では、1台の飛翔体1を移動させて、電波強度を利用する場合には異なる3点、到達時間を利用する場合には異なる4点で、電波を計測しているが、本発明は、当該実施形態の構成には限られず、例えば、電波強度を利用する場合には、3台以上の飛翔体により異なる位置で電波の受信を行い、到達時間を利用する場合には、4台以上の飛翔体により異なる位置で電波の受信を行うようにしてもよい。この場合、複数の飛翔体の位置情報検出装置は、互いに送受信できる構成を有しており、いずれか1台の代表となる飛翔体に、他の飛翔体から他の飛翔体で受信された電波に関する情報を送信させて、当該代表となる飛翔体の携帯電話位置情報検出部により携帯電話端末3bの位置を特定する演算が行われることになる。
また、複数台の飛翔体にて電波の受信を行う場合には、同じ時刻に携帯電話端末3bから送信された電波を受信するように構成することも可能であり、この構成では、携帯電話端末3bの所持者の移動によって発生する誤差を軽減することができる。
【0069】
また、本実施形態における、異なる3点、あるいは異なる4点等、複数の位置において電波の受信を行う場合、複数の飛翔体を出動させて、ある飛翔体については異なる2点で電波の受信を行わせ、他の飛翔体については、1点で受信を行わせる等のように、飛翔体により、受信させる位置の箇所数を異なるように構成してもよい。
【0070】
上記の第2実施形態の構成により、GPSを内蔵しない携帯電話端末であっても、携帯電話端末から送信される電波の受信強度を用いる場合には少なくとも異なる3点、電波の到達時間を用いる場合には少なくとも異なる4点で電波を計測することにより携帯電話端末の位置情報を検出することができる。そして、検出した位置情報を携帯電話端末の電話番号などの固有情報とともに、例えば、携帯電話通信網などを経由して、捜索隊に連絡可能な端末等に送信することができる。これにより、遭難等の救助活動において、遭難者の位置特定等を迅速に行うことが可能となる。
【0071】
(第3実施形態)
図12は、本発明の第3実施形態に係る携帯電話端末3bの位置情報検出システムの構成を示した図である。第3実施形態に係る位置情報検出システムでは、3つの飛翔体A、飛翔体B、飛翔体Cと、それぞれの飛翔体に備えられる位置情報検出装置2cA、2cB、2cCと、携帯電話端末3bとを備えている。携帯電話端末3bは、図9で示した第2実施形態と同じ構成を有する。飛翔体A、B、Cのうち、飛翔体Aは、携帯電話端末3bの位置情報を検出する代表飛翔体である。
【0072】
図13は、代表飛翔体である飛翔体Aに備えられる位置情報検出装置2cAの内部構成を示した図である。電波受信部2−1A、固有情報検出部2−2A、自装置位置情報検出部2−4A、通信部2−5Aは、それぞれ第2実施形態の位置情報検出装置2bの電波受信部2−1、固有情報検出部2−2、自装置位置情報検出部2−4、通信部2−5と同じ構成を有する。飛翔体間通信部2−6Aは、他の飛翔体である飛翔体B及び飛翔体Cの飛翔体間通信装置2−6B、飛翔体間通信装置2−6Cと、無線あるいは有線による通信を行う。携帯電話端末位置情報検出部2−3Aは、携帯電話端末3bから受信した電波の受信時刻を検出する。また、携帯電話端末位置情報検出部2−3Aは、自機能部にて検出した電波の受信時刻と、他の飛翔体である飛翔体B及び飛翔体Cにて、携帯電話端末3bから受信した電波の受信時刻とそれぞれの電波が受信された際の他の位置情報検出装置における位置情報とに基づいて、携帯電話端末3bの位置を検出する。
【0073】
図14は、飛翔体Bに備えられる位置情報検出装置2cBの内部構成を示した図である。図14に示すように、飛翔体Bの位置情報検出装置2cBは、電波受信部2−1B、固有情報検出部2−2B、自装置位置情報検出部2−4Bを備えており、これらは、飛翔体Aの位置情報検出装置2cAの対応する構成と同じ構成を有する。また、位置情報検出装置2cBは、携帯電話端末位置情報検出部2−3Bを備えており、当該構成については、飛翔体Aの対応する位置情報検出装置2cAの携帯電話端末位置情報検出部2−3Aの構成のうち、自機能部にて検出した電波の受信時刻と、他の飛翔体である飛翔体B及び飛翔体Cにて、携帯電話端末3bから受信した電波の受信時刻とそれぞれの電波が受信された際の位置情報とに基づいて携帯電話端末3bの位置を検出する機能以外の機能を備えている。
なお、飛翔体Cに備えられる位置情報検出装置2cCについては、飛翔体Bと同じ構成になるため、以下の説明では、符号Bを符号Cに置き換えて記載するものとする。
【0074】
なお、位置情報検出装置2cA、2cB、2cCのそれぞれの携帯電話端末位置情報検出部2−3A、2−3B、2−3Cは、それぞれ時計を内蔵しており、これらの時計は、同期しているものとする。
【0075】
次に、図15を参照しつつ、第3実施形態に係る位置情報検出システムの動作について説明する。まず、遭難等の理由により、圏外域に存在する携帯電話端末3bの所有者の所在位置捜索の要請があった場合(ステップSd1)、捜索エリア及び捜索経路の決定が捜索隊によりなされる(ステップSd2)。捜索エリア及び捜索経路が決定すると、飛翔体A、B、Cにそれぞれ備えられる位置情報検出装置2cA、2cB、2cCに、当該携帯電話端末3bの固有情報、例えば、電話番号を予め記憶させておき、飛翔体A,B、Cを捜索現場に出動させる(ステップSd3)。
【0076】
以下、ステップSd4A〜Sd8A、ステップSd4B〜Sd8B、ステップSd4C〜Sd8Cまでは、それぞれ飛翔体A、B、Cにそれぞれ備えられる位置情報検出装置2cA、2cB、2cCにより、同じ処理が行われるため、代表飛翔体である飛翔体Aの位置情報検出装置2cAの処理であるステップSd4A〜Sd8Aについて説明する。捜索航行の途中に位置情報検出装置2cAの電波受信部2−1Aが、携帯電話端末3bから送信された電波を受信すると(ステップSd4A)、固有情報検出部2−2Aは、当該携帯電話端末3bの固有情報を検出する(ステップSd5A)。固有情報検出部2−2Aは、検出した固有情報が、予め内部に記憶されている固有情報と一致するか否かを判定する(ステップSd6A)。
【0077】
検出した固有情報が、予め内部に記憶されている固有情報と一致しないと判定した場合、ステップSd4A、すなわち電波の受信以降の処理を繰り返す。一方、固有情報検出部2−2Aにより、検出した固有情報が、予め内部に記憶されている固有情報と一致していると判定した場合、すなわち位置捜索中の携帯電話端末3bである場合、携帯電話端末位置情報検出部2−3Aは、自装置位置情報検出部2−4A、すなわちGPSに、当該電波を受信した際の位置情報検出装置2cAの位置、すなわち飛翔体1の位置情報pを検出させる(ステップSd7A)。そして、携帯電話端末位置情報検出部2−3Aは、内蔵されている時計から当該電波の受信時刻tを検出する(ステップSd8A)。
【0078】
次に、飛翔体B及び飛翔体Cの位置情報検出装置2cB、2cCは、位置情報検出装置2cAと同様の処理により、検出した位置情報p、pと、検出した受信時刻t、tとを、それぞれの飛翔体間通信部2−6B、2−6Cを通じて、飛翔体Aの位置情報検出装置2cAの飛翔体間通信部2−6Aに送信する(ステップSd9B、Sd9C)。
【0079】
飛翔体Aの位置情報検出装置2cAの飛翔体間通信部2−6Aは、飛翔体B、Cの飛翔体間通信部2−6B、2−6Cから送信される情報を受信して、携帯電話端末位置情報検出部2−3Aに入力し、携帯電話端末位置情報検出部2−3Aは、位置情報p、p、pと、受信時刻t、t、tとをまとめる(ステップSd9A)。そして、携帯電話端末位置情報検出部2−3Aは、位置情報p、p、pと、受信時刻t、t、tとに基づいて携帯電話端末3bの位置を検出する(ステップSd12)。
【0080】
ここで、ステップSd12における、位置情報p、p、pと、受信時刻t、t、tとを用いた携帯電話端末3bの位置情報の算出の処理について説明する。当該算出処理では、携帯電話端末3bから送信される電波の飛翔体A、B、Cまでの到達時間差(TDOA:Time Difference of Arrival)に基づいて携帯電話端末3bの位置を特定する。ある時刻に携帯電話端末3bから送信された電波を、飛翔体A、B、Cが受信した場合、飛翔体Aまでの携帯電話端末3bの電波の到達時間差をΔt、飛翔体Bまでの携帯電話端末3bの電波の到達時間差をΔt、飛翔体Cまでの携帯電話端末3bの電波の到達時間差をΔtとする。前述したように、各飛翔体の位置情報検出装置2cA,2cB、2cCに内蔵される時計は同期していることから、前述した受信時刻t、t、tから、Δt、Δt、Δtを到達時間差として算出できる。また、飛翔体Aから携帯電話端末3bまでの距離をl、飛翔体Bから携帯電話端末3bまでの距離をl、飛翔体Cから携帯電話端末3bまでの距離をlとすると、各距離間の差分を次式(13)、(14)、(15)で表すことができる。
【0081】
【数13】

【0082】
【数14】

【0083】
【数15】

【0084】
飛翔体Aの地球固定座標系における自装置位置座標を(x,y,z)、飛翔体Bの地球固定座標系における自装置位置座標を(x,y,z)、飛翔体Cの地球固定座標系における自装置位置座標を(x,y,z)とし、携帯電話端末3bの地球固定座標系における位置座標を(x,y,z)とすれば、次式(16)、(17)、(18)が成立することになる。
【0085】
【数16】

【0086】
【数17】

【0087】
【数18】

【0088】
式(16)、(17)、(18)において、各飛翔体A、B、Cの位置及び各飛翔体A、B、Cにおける携帯電話端末3bの電波の到達時間差は、計測で得られる値であり、式(16)、(17)、(18)は、地球固定座標系における位置座標(x,y,z)を未知数とする連立方程式を構成する。従って、式(16)、(17)、(18)を解くことで、携帯電話端末3bの位置を算出することができる。
【0089】
以上の手法は、非特許文献5に示される手法であり、3機以上の複数の飛翔体A、B、Cの間で求めた携帯電話端末3bから送信される電波の到達時間差に基づいて携帯電話端末3bの位置を検出する場合、前述したように、電波を受信するすべての飛翔体の位置情報検出装置に内蔵される時計は同期していることから、式(16)、(17)、(18)の右辺が受信時刻の差で求められるため、携帯電話端末3bに内蔵される時計は、位置情報検出装置に内蔵される時計と必ずしも同期している必要はない。
【0090】
図15のフローチャートに戻り、飛翔体Aは、携帯電話端末が接続可能なエリア、すなわち圏内域、あるいは他の公共通信網に接続可能なエリアまで移動し、通信部2−5Aが、携帯電話通信網、もしくは、他の公共通信網を経由して、警察、救助隊、電話会社などに備えられる端末や、予め備えられている情報収集装置等に接続し、検出した携帯電話端末3bの固有情報、位置情報を送信する(ステップSd12)。なお、飛翔体B、Cについては、飛翔体Aの位置情報検出装置2cAに情報を送信した後、引き上げることになる(ステップSd10B、Sd10C)。
【0091】
上記の第3実施形態の構成により、GPSを内蔵しない携帯電話端末であっても、携帯電話端末から送信される電波を、3以上の複数の飛翔体にそれぞれ備えられる位置情報検出装置により受信し、受信した電波の到達時間差に基づいて携帯電話端末の位置情報を検出することができる。そして、検出した位置情報を携帯電話端末の電話番号などの固有情報とともに、例えば、携帯電話通信網などを経由して、捜索隊に連絡可能な端末等に送信することができる。これにより、遭難等の救助活動において、遭難者の位置特定等を迅速に行うことが可能となる。
【0092】
(第4実施形態)
図16は、本発明の第4実施形態に係る携帯電話端末3bの位置情報検出システムの構成を示した図である。第4実施形態に係る位置情報検出システムは、飛翔体1と、飛翔体1に備えられる位置情報検出装置2dと、第2実施形態と同じ構成を有する携帯電話端末3bとを備えている。
【0093】
最初に、第4実施形態における携帯電話端末3bの位置情報の検出の原理について説明する。図17は、2点の受信位置#1と受信位置#2から求めた携帯電話端末3bから送信される電波の伝搬方向を用いた携帯電話端末3bの位置情報を検出する手法を示した図である。伝搬方向とは3次元空間内に設けたある受信位置において観察した特定発信源からの送信電波の進行方向であり、3次元ベクトルを用いてその方向性を表示する場合、図18に示すように地球に固定された直交座標系o−xyzに対して、x軸となす角α、y軸となす角β、及びz軸となす角γでその方向を一意に決めることができる。本実施形態では、発信源を始点、受信位置を終点とするベクトルを伝搬経路ベクトルとして定義し、伝搬経路ベクトルと同じ終点を有し、始点を無限遠方まで延長したベクトルを伝搬方向ベクトルとして定義する。
【0094】
図17にて、受信位置#1及び受信位置#2で計測した携帯電話端末3bから送信される電波の伝搬方向に合わせて作られた伝搬方向ベクトルをそれぞれベクトルa、及びベクトルaとすると、携帯電話端末3bは、ベクトルa、及びベクトルaが形成する交点に位置することになる。しかし、計測した伝搬方向に含まれている誤差等の問題で3次元ベクトルaと、ベクトルaとが交点を有する可能性は極めて低い。そこで、本実施形態では、図16に示すように、2つの伝搬方向ベクトルaと、伝搬方向ベクトルaが交点を有しない場合、ベクトルaを表す直線上の一点と、ベクトルaを表す一点を接続する線分の中で最短距離を有するものの中点を求め、それを携帯電話端末3bの所在位置として近似する。
【0095】
図19は、第4実施形態に係る飛翔体1に備えられる位置情報検出装置2dの内部構成を示した図である。第2実施形態に係る位置情報検出装置2bの構成と異なる構成としては、携帯電話端末位置情報検出部2−3dを備えている点であり、それ以外の構成については、第2実施形態の構成と同じ構成を備えている。携帯電話端末位置情報検出部2−3dは、電波受信部2−1が異なる2点で受信した電波の電波から伝搬方向ベクトルを算出して、携帯電話端末3bの位置情報を算出する。
【0096】
図20は、第4実施形態に係る位置情報検出システムの動作を示したフローチャートである。ステップSe1〜ステップSe7及びステップSe12、Se13については、第2実施形態に係る位置情報検出システムのステップSb1〜ステップSb7、ステップSb12、ステップSb13と同じ動作となり、以下異なる動作である、ステップSe8〜ステップSe11について説明する。
【0097】
ステップSe7において、携帯電話端末位置情報検出部2−3dは、自装置位置情報検出部2−4、すなわちGPSに、当該電波を受信した際の位置情報検出装置2dの位置、すなわち飛翔体1の位置情報を検出させると、携帯電話端末位置情報検出部2−3dは、当該電波の伝搬方向を計測する(ステップSe8)。
【0098】
次に、携帯電話端末位置情報検出部2−3dは、2点以上の受信位置で、受信電波の伝搬方向ベクトルを算出したか否かを判定する(ステップSe9)。携帯電話端末位置情報検出部2−3dは、2点以上の受信位置で、受信電波の伝搬方向を算出していないと判定した場合、飛翔体1が移動する間、一定時間待機し(ステップSe10)、ステップSe4以降の処理を開始させる。一方、携帯電話端末位置情報検出部2−3dは、2点以上の受信位置で、受信電波の伝搬方向ベクトルを算出したと判定した場合、携帯電話端末位置情報検出部2−3dは、2つの伝搬方向ベクトルを用いて携帯電話端末3bの位置情報を算出する(ステップSe11)。以降の処理は、前述したように第2実施形態と同じ動作となる。
【0099】
ここで、2つの伝搬方向ベクトルから携帯電話端末3bの位置情報を算出する処理について説明する。
【0100】
図16を参照して説明したように、伝搬方向ベクトルaを表す直線上の一点と、伝搬方向ベクトルaを表す一点をつなぐ線分の中で最短距離を有するものの中点を求め、それを携帯電話端末3bの所在位置として近似することができる。図21に示すように、地球固定座標系に対して記述した受信位置#1及び受信位置#2の位置ベクトルをそれぞれベクトルr及びベクトルrとし、伝搬方向に沿った単位ベクトルを、それぞれベクトルu及びベクトルuとすれば、ベクトルaを表す直線及びベクトルaを表す直線は、次式(19)、(20)で表される。
【0101】
【数19】

【0102】
【数20】

【0103】
式(19)、(20)でベクトルbは、ベクトルaを表す直線上のある一点を示す位置ベクトル、ベクトルbは、ベクトルaを表す直線上のある一点を示す位置ベクトルであり、ベクトルb及びベクトルbの終点は、独立変数である媒介変数s及びsの値によって決められることになる。
【0104】
前述したように伝搬方向ベクトルの終点は、各受信位置となるため、媒介変数s及びsは、それぞれ次式(21)、(22)のような範囲の値となる。
【0105】
【数21】

【0106】
【数22】

【0107】
ベクトルaを表す直線上の一点と、ベクトルaを表す直線上の一点をつなぐ線分としてのベクトルcは、次式(23)で示すことができる。
【0108】
【数23】

【0109】
従って、ベクトルcとして表わされる前述した線分の長さは、ベクトルcの大きさであり、最短距離の線分を求めるのはベクトルcの大きさを最小とする最適化問題へ帰着する。すなわち、ベクトルaを表す直線上の一点と、ベクトルaを表す直線上の一点をつなぐ最短距離の線分は、次式(24)のJを最小にする媒介変数s及びsの値を求めることで算出することができる。
【0110】
【数24】

【0111】
携帯電話端末3bから送信される電波の最大到達距離をdmaxとすれば、式(24)を満たす媒介変数s及びsの値は次式(25)、(26)に示す範囲で探索すればよい。
【0112】
【数25】

【0113】
【数26】

【0114】
式(25)、(26)の条件を満たし、式(24)のJを最小にする媒介変数s及びsの値を、非線形計画法のような公知の最適化法で求め、式(19)、(20)に代入すれば、前述した最短距離線分の両端点が求められる。本実施形態でdmaxは、一般に6km程度になることが知られている。なお、dmaxは、各携帯電話通信事業者の携帯電話端末仕様に示されるより正確な値を用いるようにしてもよい。
【0115】
また、上記では、1台の飛翔体1を移動させて、伝搬方向ベクトルを算出しているが、本発明は、当該実施形態の構成には限られず、例えば、2台以上の飛翔体により異なる位置で電波の受信を行うようにしてもよい。この場合、複数の飛翔体の位置情報検出装置は、互いに送受信できる構成を有しており、いずれか1台の代表となる飛翔体に、他の飛翔体から他の飛翔体で受信された電波に関する情報を送信させて、代表となる飛翔体の位置情報検出装置にて2つの伝搬方向ベクトルを算出するか、あるいは他の飛翔体の位置情報検出装置により算出された伝搬方向ベクトルを代表となる飛翔体に送信させて、当該代表となる飛翔体の携帯電話位置情報検出部により携帯電話端末3bの位置を特定する演算が行われるようにしてもよい。
【0116】
上記の第4実施形態の構成により、GPSを内蔵しない携帯電話端末であっても、携帯電話端末から送信される電波を少なくとも異なる2点で受信し、受信した電波の伝搬方向ベクトルに基づいて携帯電話端末の位置情報を検出することができる。そして、検出した位置情報を携帯電話端末の電話番号などの固有情報とともに、例えば、携帯電話通信網などを経由して、捜索隊に連絡可能な端末等に送信することができる。これにより、遭難等の救助活動において、遭難者の位置特定等を迅速に行うことが可能となる。
【0117】
(第5実施形態)
図22は、本発明の第5実施形態に係る携帯電話端末3bの位置情報検出システムの構成を示した図である。第5実施形態に係る位置情報検出システムは、飛翔体1と、飛翔体1に備えられる位置情報検出装置2eと、携帯電話端末3bとを備えている。第5実施形態の携帯電話端末は、第2実施形態と同じ携帯電話端末3bが適用される。第5実施形態では、携帯電話端末3bの所持者が、一般に市販されている周辺の気圧情報などにより所持者の海抜高度を計測する高度計5を所持しており、当該高度計5により計測される、高度情報を、携帯電話端末3bの操作部3−4を操作することにより入力して、高度情報を含んだ電波を送信する構成となる。
【0118】
図23は、第5実施形態に係る位置情報検出装置2eの内部構成を示した図である。第2実施形態に係る位置情報検出装置2bの構成と異なる構成は、携帯電話端末位置情報検出部2−3eを備えている点であり、それ以外の構成については、第2実施形態の構成と同じ構成を備えている。携帯電話端末位置情報検出部2−3eは、電波受信部2−1が受信した電波の電波強度と、電波に含まれる高度情報とを用いて、携帯電話端末3bの位置情報を検出する。
【0119】
図24は、第5実施形態に係る位置情報検出システムの動作を示したフローチャートである。ステップSf1〜ステップSf8及びステップSf13、Sf14については、第2実施形態に係る位置情報検出システムのステップSb1〜ステップSb8、ステップSb13、ステップSb14と同じ動作となり、以下異なる動作である、ステップSf9〜ステップSf12について説明する。
【0120】
ステップSf8にて、携帯電話端末位置情報検出部2−3eは、当該電波の強度を計測し、電波強度が空間伝搬によって減衰する原理に基づいた公知の計算法で各受信位置−携帯電話端末間の距離を算出すると、2点の受信位置で、位置情報検出装置2eと携帯電話端末3b間の距離、すなわち飛翔体1と携帯電話端末3b間の距離を算出したか否かを判定する(ステップSf9)。携帯電話端末位置情報検出部2−3eは、2点で飛翔体1と携帯電話端末3b間の距離を算出していないと判定した場合、飛翔体1が移動する間、一定時間待機し(ステップSf10)、ステップSf4以降の処理を開始させる。一方、携帯電話端末位置情報検出部2−3eは、2点で飛翔体1と携帯電話端末3b間の距離を算出していると判定した場合、携帯電話端末位置情報検出部2−3eは、携帯電話端末3bからの高度情報を含んだ電波を検出し(ステップSf11)、検出した電波から高度情報を読み出し、読み出した高度情報と、2点で計測した飛翔体1と携帯電話端末3b間の距離とに基づいて、公知の測位手法である3点測位法により携帯電話端末3bの位置を検出する(ステップSf12)。
【0121】
すなわち、図22に示されるように、2点で計測した飛翔体1と携帯電話端末3b間の距離が求められれば、携帯電話端末3bは、受信位置#1を中心とし、lを半径とする球面1と、受信位置#2を中心としlを半径とする球面2が作り出す交点としての円断面境界上に位置することになる。このとき、携帯電話端末3bから送信される高度情報により、当該円断面境界上における携帯電話端末3bの位置を特定することができる。
【0122】
なお、第2実施形態において、図11を参照して説明した到達時間を用いた飛翔体1と携帯電話端末3b間の距離の算出手法に、前述した高度情報を用いた手法を適用してもよく。この場合、高度情報により、前述した連立方程式のzの値が既知となるため、残りの未知数に対する連立方程式を構成し、3点の受信位置における到達時間から3点測位法により、携帯電話端末3bの位置を算出することになる。
【0123】
また、到達時間を用いる場合、位置情報検出装置2fの時計と携帯電話端末3bの時計の同期が取れているときには、式(9)〜(12)に示したτが0であることになり、未知数は、携帯電話端末3bのx座標及びy座標の2つに絞られ、2点以上の異なる受信位置で計測した到達時間を用いて、携帯電話端末3bの位置情報を検出することが可能となる。
【0124】
また、上記では、1台の飛翔体1を移動させて、電波強度を利用する場合には異なる2点、到達時間を利用する場合には異なる3点で、電波を計測しているが、本発明は、当該実施形態の構成には限られず、例えば、電波強度を利用する場合には、2台以上の飛翔体により異なる位置で電波の受信を行い、到達時間を利用する場合には、3台以上の飛翔体により異なる位置で電波の受信を行うようにしてもよい。この場合、複数の飛翔体の位置情報検出装置は、互いに送受信できる構成を有しており、いずれか1台の代表となる飛翔体に、他の飛翔体から他の飛翔体で受信された電波に関する情報を送信させて、当該代表となる飛翔体の携帯電話位置情報検出部により携帯電話端末3bの位置を特定する演算が行われることになる。
また、複数台の飛翔体にて電波の受信を行う場合には、同じ時刻に携帯電話端末3bから送信された電波を受信するように構成することも可能であり、この構成では、携帯電話端末3bの所持者の移動によって発生する誤差を軽減することができる。
【0125】
また、本実施形態における、異なる3点、あるいは異なる4点等、複数の位置において電波の受信を行う場合、複数の飛翔体を出動させて、ある飛翔体については異なる2点で電波の受信を行わせ、他の飛翔体については、1点で受信を行わせる等のように、飛翔体により、受信させる位置の箇所数を異なるように構成してもよい。
【0126】
上記の第5実施形態の構成により、GPSを内蔵しない携帯電話端末であっても、携帯電話端末から送信される電波の強度あるいは到達時間と、携帯電話端末から送信される高度情報とに基づいて、携帯電話端末の位置情報を検出することができる。そして、検出した位置情報を携帯電話端末の電話番号などの固有情報とともに、例えば、携帯電話通信網などを経由して、捜索隊に連絡可能な端末等に送信することができる。これにより、遭難等の救助活動において、遭難者の位置特定等を迅速に行うことが可能となる。
【0127】
(第6実施形態)
図25は、本発明の第6実施形態に係る携帯電話端末3bの位置情報検出システムの構成を示した図である。第6実施形態に係る位置情報検出システムは、飛翔体1と、飛翔体1に備えられる位置情報検出装置2fと、携帯電話端末3bとを備えている。第6実施形態では、第4実施形態にて説明した電波の伝搬方向ベクトルのうち、1点の受信位置における電波の伝搬方向ベクトルと、高度情報とに基づいて、携帯電話端末3bの位置を検出する。第6実施形態の携帯電話端末は、第2実施形態と同じ携帯電話端末3bが適用される。第6実施形態では、携帯電話端末3bの所持者が、高度計5を所持しており、当該高度計5により計測される、高度情報を、携帯電話端末3bの操作部3−4を操作することにより入力して、高度情報を含んだ電波を送信する構成となる。
【0128】
図26は、第6実施形態に係る飛翔体1に備えられる位置情報検出装置2fの内部構成を示した図である。第2実施形態に係る位置情報検出装置2bの構成と異なる構成としては、携帯電話端末位置情報検出部2−3fを備えている点であり、それ以外の構成については、第2実施形態の構成と同じ構成を備えている。携帯電話端末位置情報検出部2−3fは、電波受信部2−1が受信した電波の伝搬方向ベクトルを算出し、携帯電話端末3bより送信される高度情報を用いて携帯電話端末3bの位置情報を算出する。
【0129】
図27は、第6実施形態に係る位置情報検出システムの動作を示したフローチャートである。ステップSg1〜ステップSg8及びステップSg11、Sg12については、第4実施形態に係る位置情報検出システムのステップSe1〜ステップSe8、ステップSe12、ステップSe13と同じ動作となり、以下異なる動作である、ステップSg9〜ステップSg10について説明する。
【0130】
ステップSg8にて、携帯電話端末位置情報検出部2−3fは、1点での受信電波の伝搬方向を算出すると、携帯電話端末位置情報検出部2−3fは、携帯電話端末3bからの高度情報を含んだ電波を検出し(ステップSg9)、検出した電波から高度情報を読み出し、読み出した高度情報と、1点で計測した電波の伝搬方向とに基づいて、携帯電話端末3bの位置を検出する。すなわち、1点で計測した電波の伝搬方向ベクトルを表す直線上の1点を、高度情報により特定することで、携帯電話端末3bの位置を検出することができる(ステップSg10)。
【0131】
上記の第6実施形態の構成により、GPSを内蔵しない携帯電話端末であっても、携帯電話端末から送信される電波を、少なくとも1点で受信した電波の伝搬方向ベクトルと、携帯電話端末から送信される高度情報とに基づいて、携帯電話端末の位置情報を検出することができる。そして、検出した位置情報を携帯電話端末の電話番号などの固有情報とともに、例えば、携帯電話通信網などを経由して、捜索隊に連絡可能な端末等に送信することができる。これにより、遭難等の救助活動において、遭難者の位置特定等を迅速に行うことが可能となる。
【0132】
(第7実施形態)
第7実施形態は、110番、118番、119番などの緊急通報を携帯電話端末がおこなった場合、これらの緊急通報を位置情報検出装置により受信した飛翔体が、携帯電話端末が接続可能なエリア、すなわち圏内域、あるいは他の公共通信網に接続可能なエリアまで移動し、位置情報検出装置の通信部が、携帯電話通信網、もしくは、他の公共通信網を経由して、警察、救助隊、電話会社などに備えられる端末や、予め備えられている情報収集装置等に接続し、検出した携帯電話端末3の固有情報、位置情報を緊急通報とともに送信する実施形態である。
【0133】
なお、第7実施形態における位置情報検出システムに備えられる携帯電話端末は、2007年4月以降に発売されるGPSの搭載が義務付けられた第3世代携帯電話端末も想定しており、当該携帯電話端末は、110番、118番、119番などの緊急通報を行った際、発信場所の位置情報を自動的に通報するようになっている。なお、内部の構成は、無線送受信部3−1が、110番、118番、119番などの緊急通報を行った際、自端末位置情報検出部3−3から位置情報を読み出して、緊急通報とともに送信する構成以外の構成は、第1実施形態に係る携帯電話端末3aと同じ構成であり、以下の説明では、第7実施形態の携帯電話端末に、符号3gを付して説明する。
【0134】
また、飛翔体1に備えられる位置情報検出装置は、前述した第1実施形態から第6実施形態の構成を合わせた構成を有しており、その中の携帯電話端末位置情報検出部は、更に、受信電波が緊急通報であるか否かを判定する構成を備えており、また、その中の固有情報検出部は、緊急通報の場合に受信電波から固有情報を検出する構成を備えている。以下では、第7実施形態に係る位置情報検出装置2gに備えられる構成として、携帯電話端末位置情報検出部に、符号2−3g、固有情報検出部に、符号2−2g、電波受信部に、符号2−1gを付して説明を行う。
【0135】
図28は、第7実施形態における位置情報検出システムの動作を示したフローチャートである。まず、遭難等の理由により、圏外域に存在する携帯電話端末3gの所有者の所在位置捜索の要請があった場合、捜索エリア及び捜索経路の決定が捜索隊によりなされる(ステップSh1)。捜索エリア及び捜索経路が決定すると、緊急通報受付のため、飛翔体1を捜索現場に出動させる(ステップSh2)。捜索航行の途中に位置情報検出装置2gの電波受信部2−1gが、携帯電話端末3gから送信された電波を受信すると(ステップSh3)、携帯電話端末位置情報検出部2−3gは、当該電波が、緊急通報であるか否かを判定する(ステップSh4)。
【0136】
緊急通報でないと判定した場合、ステップSh3以降の処理を繰り返す。緊急通報であると判定した場合、固有情報検出部2−2gに、受信した電波に含まれる固有情報を検出させる(ステップSh5)。携帯電話端末位置情報検出部2−3gは、前述した第1実施形態から第5実施形態で示したいずれかの手法により携帯電話端末3gの位置情報を検出する(ステップSh6)。そして、飛翔体1は、携帯電話端末が接続可能なエリア、すなわち圏内域、あるいは他の公共通信網に接続可能なエリアまで移動し、通信部2−5が、携帯電話通信網、もしくは、他の公共通信網を経由して、警察、救助隊、電話会社などに備えられる端末や、予め備えられている情報収集装置等に接続し、検出した携帯電話端末3の固有情報、位置情報を緊急通報の情報とともに送信する(ステップSh7)。そして、飛翔体1を引き上げさせる(ステップSh8)。
【0137】
なお、ステップSh6において、第2実施形態から第6実施形態の手法を用いる場合とは、携帯電話端末3gが、GPSを搭載しておらず、受信電波に当該GPSで取得した位置情報が含まれていない場合となる。
【0138】
上記の第7実施形態の構成により、通信の圏外域であっても携帯電話端末から送信される緊急通信を受信し、受信した緊急情報を、携帯電話端末の固有情報及び位置情報とともに、例えば、携帯電話通信網などを経由して、捜索隊に連絡可能な端末等に送信することができる。これにより、遭難等の救助活動において、遭難者の位置特定等を迅速に行うことが可能となる。
【0139】
なお、前述した第2実施形態から第6実施形態の位置情報検出装置に、携帯電話端末から受信する電波に、携帯電話端末のGPSにより取得された携帯電話端末の位置情報が含まれているか否かを判定する判定手段を備えさせ、当該位置情報が含まれている場合、第1実施形態に示した手段(携帯電話端末位置情報検出部2−3による位置情報検出)により、携帯電話端末の位置情報を検出させ、当該位置情報が含まれていない場合、第2実施形態から第5実施形態の手段(それぞれの実施形態における携帯電話端末位置情報検出部による位置情報検出)により携帯電話端末の位置情報を検出させるようにしてもよい。
【0140】
また、前述した第1実施形態から第7実施形態では、携帯電話端末の位置情報を検出するものとして説明したが、本発明は、当該実施形態の構成には限られず、例えば、電話機能は有しないが、無線信号を送信可能な、携帯端末にも適用することが可能である。
【0141】
上述の位置情報検出装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した位置情報検出装置による携帯電話端末の位置情報の検出処理過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】本発明の一実施形態における飛翔体を有する位置情報検出システムの構成及び適用環境を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態における飛翔体を有する位置情報検出システムが携帯端末捜索航行を行う際の捜索経路の一例を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る位置情報検出システムの構成及び適用環境を示す図である。
【図4】第1実施形態に係る位置情報検出装置の内部構成を示したブロック図である。
【図5】第1実施形態に係る携帯電話端末の内部構成を示したブロック図である。
【図6】第1実施形態に係る位置情報検出システムにおける携帯電話端末に内蔵されるGPSにより取得された位置情報により携帯電話端末の位置情報を検出する処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2実施形態に係る位置情報検出システムの構成及び適用環境を示す図である。
【図8】第2実施形態に係る位置情報検出装置の内部構成を示したブロック図である。
【図9】第2実施形態に係る携帯電話端末の内部構成を示したブロック図である。
【図10】第2実施形態に係る位置情報検出システムの電波の受信強度を用いた携帯電話端末の位置情報を検出するプロセスを示すフローチャートである。
【図11】第2実施形態に係る位置情報検出システムの電波の到達時間を用いた携帯電話端末の位置情報を検出するプロセスを示すフローチャートである。
【図12】本発明の第3実施形態に係る位置情報検出システムの構成及び適用環境を示す図である。
【図13】第3実施形態に係る代表飛翔体に備えられる位置情報検出装置の内部構成を示したブロック図である。
【図14】第3実施形態に係る代表飛翔体以外の飛翔体に備えられる位置情報検出装置の内部構成を示したブロック図である。
【図15】第3実施形態に係る位置情報検出システムにおける各飛翔体に到達する電波の到達時間差を用いた携帯電話端末の位置情報を検出するプロセスを示すフローチャートである。
【図16】本発明の第4実施形態に係る位置情報検出システムの構成及び適用環境を示す図である。
【図17】本発明の第4実施形態に係る位置情報検出システムの原理を説明するための図(その1)である。
【図18】本発明の第4実施形態に係る位置情報検出システムの原理を説明するための図(その2)である。
【図19】第4実施形態に係る代表飛翔体に備えられる位置情報検出装置の内部構成を示したブロック図である。
【図20】第4実施形態に係る位置情報検出システムにおける受信電波の伝搬方向ベクトルを用いた携帯電話端末の位置情報を検出するプロセスを示すフローチャートである。
【図21】第4実施形態に係る位置情報検出システムにおける受信電波の伝搬方向ベクトルを用いて携帯電話端末の位置情報を検出する場合の原理を説明するための図である。
【図22】本発明の第5実施形態に係る位置情報検出システムの構成及び適用環境を示す図である。
【図23】第5実施形態に係る位置情報検出装置の内部構成を示したブロック図である。
【図24】第5実施形態に係る位置情報検出システムにおける受信電波の強度あるいは到達時間と、高度情報とを用いた携帯電話端末の位置情報を検出するプロセスを示すフローチャートである。
【図25】本発明の第6実施形態に係る位置情報検出システムの構成及び適用環境を示す図である。
【図26】第6実施形態に係る位置情報検出装置の内部構成を示したブロック図である。
【図27】第6実施形態に係る位置情報検出システムにおける受信電波の伝搬方向ベクトルと、高度情報とを用いた携帯電話端末の位置情報を検出するプロセスを示すフローチャートである。
【図28】第7実施形態に係る位置情報検出システムにおける携帯電話端末から緊急通信を受信した場合のプロセスを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0143】
1 飛翔体
2a 位置情報検出装置
2−1 電波受信部
2−2 固有情報検出部
2−3 携帯電話端末位置情報検出部
2−5 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛翔体に搭載され、固有情報を含む電波を送信する携帯端末の位置を検出する位置情報検出装置であって、
携帯端末から送信される電波を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した電波に含まれる固有情報を読み出す固有情報検出手段と、
前記受信手段が受信した電波に基づいて、前記携帯端末の位置情報を検出する位置情報検出手段と、
前記固有情報検出手段が検出した固有情報と、前記位置情報検出手段が検出した位置情報とを出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする位置情報検出装置。
【請求項2】
前記位置情報検出手段は、
前記受信手段が前記携帯端末から受信した電波に含まれる前記携帯端末が全地球測位システムから取得した当該携帯端末の位置情報を読み出すことにより、前記携帯端末の位置情報を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の位置情報検出装置。
【請求項3】
全地球測位システムから自装置の位置情報である自装置位置情報を検出する自装置位置情報検出手段を備え、
前記位置情報検出手段は、
前記受信手段が、3以上の異なる位置で前記携帯端末から受信した同一の固有情報を含む電波の強度と、前記受信手段が当該電波を受信するごとに、前記自装置位置情報検出手段が検出した自装置位置情報とに基づいて前記携帯端末の位置情報を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の位置情報検出装置。
【請求項4】
全地球測位システムから自装置の位置情報である自装置位置情報を検出する自装置位置情報検出手段を備え、
他の飛翔体に搭載される他の位置情報検出装置から情報を受信する第2の受信手段と、を備え、
前記位置情報検出手段は、
前記受信手段が、所定の時刻に前記携帯端末から送信されて受信した前記固有情報を含む電波の強度と、前記受信手段が当該電波を受信した際に、前記自装置位置情報検出手段が検出した自装置位置情報と、前記第2の受信手段が2以上の他の位置情報検出装置から受信する情報であって前記所定の時刻と同一の時刻に携帯端末から送信され前記固有情報と同一の固有情報を含む電波の強度及び当該電波を受信した際の前記2以上の他の位置情報検出装置におけるそれぞれの自装置位置情報を含む情報と、に基づいて前記携帯端末の位置情報を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の位置情報検出装置。
【請求項5】
全地球測位システムから自装置の位置情報である自装置位置情報を検出する自装置位置情報検出手段を備え、
前記位置情報検出手段は、
前記受信手段が、4以上の異なる位置で前記携帯端末から受信した同一の固有情報を含む電波の到達時間と、前記受信手段が当該電波を受信するごとに、前記自装置位置情報検出手段が検出した自装置位置情報とに基づいて前記携帯端末の位置情報を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の位置情報検出装置。
【請求項6】
全地球測位システムから自装置の位置情報である自装置位置情報を検出する自装置位置情報検出手段を備え、
他の飛翔体に搭載される他の位置情報検出装置から情報を受信する第2の受信手段と、を備え、
前記位置情報検出手段は、
前記受信手段が、所定の時刻に前記携帯端末から送信されて受信した前記固有情報を含む電波の到達時間と、前記受信手段が当該電波を受信した際に、前記自装置位置情報検出手段が検出した自装置位置情報と、前記第2の受信手段が3以上の他の位置情報検出装置から受信する情報であって前記所定の時刻と同一の時刻に携帯端末から送信され前記固有情報と同一の固有情報を含む電波の到達時間及び当該電波を受信した際の前記3以上の他の位置情報検出装置におけるそれぞれの自装置位置情報を含む情報と、に基づいて前記携帯端末の位置情報を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の位置情報検出装置。
【請求項7】
全地球測位システムから自装置の位置情報である自装置位置情報を検出する自装置位置情報検出手段と、
他の飛翔体に搭載される他の検出装置から情報を受信する第2の受信手段と、を備え、
前記位置情報検出手段は、
前記受信手段が、所定の時刻に前記携帯端末から送信されて受信した電波の到達時刻と、当該電波を受信した際の前記自装置位置情報検出手段が検出した自装置位置情報と、前記第2の受信手段が2以上の他の位置情報検出装置から受信した情報であって前記固有情報と同一の固有情報を含み前記所定の時刻と同一の時刻に携帯端末から送信された電波の到達時刻及び当該電波を受信した際の当該他の位置情報検出装置における自装置位置情報を含む情報と、に基づいて前記携帯端末の位置情報を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の位置情報検出装置。
【請求項8】
全地球測位システムから自装置の位置情報である自装置位置情報を検出する自装置位置情報検出手段を備え、
前記位置情報検出手段は、
前記受信手段が、2以上の異なる位置で前記携帯端末から受信した同一の固有情報を含む電波及び当該電波を受信した際に、前記自装置位置情報検出手段が検出した自装置位置情報により求められる、2以上の異なる位置における当該電波の伝搬方向情報に基づいて前記携帯端末の位置情報を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の位置情報検出装置。
【請求項9】
全地球測位システムから自装置の位置情報である自装置位置情報を検出する自装置位置情報検出手段と、
他の飛翔体に搭載される他の位置情報検出装置から情報を受信する第2の受信手段と、を備え、
前記位置情報検出手段は、
前記受信手段が前記携帯端末から受信した電波及び当該電波を受信した際の前記自装置位置情報検出手段が検出した自装置位置情報により求められる当該電波の伝搬方向情報と、前記第2の受信手段が受信した情報であって他の位置情報検出装置から受信した前記固有情報と同一の固有情報を含む電波及び当該電波を受信した際の当該他の位置情報検出装置の自装置位置情報により求められる当該電波の伝搬方向情報と、に基づいて前記携帯端末の位置情報を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の位置情報検出装置。
【請求項10】
全地球測位システムから自装置の位置情報である自装置位置情報を検出する自装置位置情報検出手段を備え、
前記位置情報検出手段は、
前記受信手段が、2以上の異なる位置で前記携帯端末から受信した同一の固有情報を含む電波の強度と、前記受信手段が当該電波を受信した際に、前記自装置位置情報検出手段が検出した自装置位置情報と、前記受信手段が前記携帯端末から受信した高度情報と、に基づいて前記携帯端末の位置情報を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の位置情報検出装置。
【請求項11】
全地球測位システムから自装置の位置情報である自装置位置情報を検出する自装置位置情報検出手段を備え、
他の飛翔体に搭載される他の位置情報検出装置から情報を受信する第2の受信手段と、を備え、
前記位置情報検出手段は、
前記受信手段が、所定の時刻に前記携帯端末から送信されて受信した前記固有情報を含む電波の強度と、前記受信手段が当該電波を受信した際に、前記自装置位置情報検出手段が検出した自装置位置情報と、前記受信手段が前記携帯端末から受信した高度情報と、前記第2の受信手段が他の位置情報検出装置から受信する情報であって前記所定の時刻と同一の時刻に携帯端末から送信され前記固有情報と同一の固有情報を含む電波の強度及び当該電波を受信した際の前記他の位置情報検出装置におけるそれぞれの自装置位置情報を含む情報と、に基づいて前記携帯端末の位置情報を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の位置情報検出装置。
【請求項12】
全地球測位システムから自装置の位置情報である自装置位置情報を検出する自装置位置情報検出手段を備え、
前記位置情報検出手段は、
前記受信手段が、3以上の異なる位置で前記携帯端末から受信した同一の固有情報を含む電波の到達時間と、前記受信手段が当該電波を受信した際に、前記自装置位置情報検出手段が検出した自装置位置情報と、前記受信手段が前記携帯端末から受信した高度情報と、に基づいて前記携帯端末の位置情報を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の位置情報検出装置。
【請求項13】
全地球測位システムから自装置の位置情報である自装置位置情報を検出する自装置位置情報検出手段を備え、
他の飛翔体に搭載される他の位置情報検出装置から情報を受信する第2の受信手段と、を備え、
前記位置情報検出手段は、
前記受信手段が、所定の時刻に前記携帯端末から送信されて受信した前記固有情報を含む電波の到達時間と、前記受信手段が当該電波を受信した際に、前記自装置位置情報検出手段が検出した自装置位置情報と、前記受信手段が前記携帯端末から受信した高度情報と、前記第2の受信手段が2以上の他の位置情報検出装置から受信する情報であって前記所定の時刻と同一の時刻に携帯端末から送信され前記固有情報と同一の固有情報を含む電波の到達時間及び当該電波を受信した際の前記2以上の他の位置情報検出装置におけるそれぞれの自装置位置情報を含む情報と、に基づいて前記携帯端末の位置情報を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の位置情報検出装置。
【請求項14】
全地球測位システムから自装置の位置情報である自装置位置情報を検出する自装置位置情報検出手段を備え、
前記位置情報検出手段は、
前記受信手段が、前記携帯端末から受信した前記固有情報を含む電波及び当該電波を受信した際に、前記自装置位置情報検出手段が検出した自装置位置情報とにより求められる当該電波の伝搬方向情報と、前記受信手段が前記携帯端末から受信した高度情報と、に基づいて前記携帯端末の位置情報を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の位置情報検出装置。
【請求項15】
前記受信手段は、
前記携帯端末から送信された緊急通報発信を示す電波を受信する
ことを特徴とする請求項1から14のいずれか1つに記載の位置情報検出装置。
【請求項16】
請求項3から請求項14のいずれかに記載の位置情報検出装置であって、
前記受信手段が前記携帯端末から受信した電波に、前記携帯端末が全地球測位システムから取得した当該携帯端末の位置情報が含まれているか否かを判定し、前記携帯端末の位置情報が含まれている場合、当該位置情報を前記携帯端末の位置情報として検出する第2の位置情報検出手段を備え、
前記第2の位置情報検出手段により前記携帯端末が全地球測位システムから取得した当該携帯端末の位置情報が含まれていないと判定された場合、前記位置情報検出手段が前記携帯端末の位置情報を検出する
ことを特徴とする位置情報検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2009−77313(P2009−77313A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−246252(P2007−246252)
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】