説明

食品加熱用皿

【課題】食材の加熱調理を常に安定した温度で行うことができるとともに、食事中の料理の温度を温かい状態で長時間保持することができ、しかもプレートの洗浄を容易に行うことのできる食品加熱用皿を提供する。
【解決手段】蓄熱部材21の周面及び下面を受け皿本体22及び開閉部材24によって被覆するとともに、蓄熱部材21の上面側にはプレート10を装着し、蓄熱部材21の外気と接触する面積を小さくしたので、蓄熱部材21及び蓄熱部材21によって加熱されるプレート10の温度低下が抑制され、調理人がプレート10に食材FDを載置するまでの時間の個人差や外気の温度状態によらず、食材FDの加熱調理を常に安定した温度で行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば飲食店において、予め加熱されたプレートに半調理状態の食材を載置することにより、プレートによって加熱調理された料理を提供する食品加熱用皿に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の食品加熱用皿として、鉄製のプレートと、プレートを載置する木製の受け皿とを備え、受け皿に載置する前にプレートを加熱装置で所定温度に加熱するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−189993号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記食品加熱用皿では、受け皿に載置した後のプレートによって半調理状態の食材を加熱調理することにより料理を完成させ、そのプレート及び受け皿によって料理を提供しているが、受け皿に載置された後のプレートは載置面以外の部分が外気と接触して冷却されるため、プレートの温度が低下し易く、調理人がプレートに食材を載置するまでの時間の個人差や外気の温度状態により、食材を加熱調理する温度にばらつきを生ずるという問題点があった。
【0004】
また、食事中においてもプレートが外気と接触しているため、食事中の料理を温かい状態で長時間保持することができないという問題点があった。
【0005】
これらの問題点を解決するためにプレートの熱容量を大きくする方法があるが、この場合はプレートの重量が大きくなるため、持ち運びが不便になるとともに、加熱装置によってプレートを加熱するための熱量が大きくなり、加熱時間が長くなるという問題点があった。
【0006】
さらに、食事が終了した後は、プレートを次に加熱装置によって加熱を行う前に洗浄する必要があるが、プレートは鉄製で十分な熱容量を備えているため重量が大きく、洗浄作業を行う際に他の食器を傷付けたり、洗浄作業に多大な労力を要するという問題点があった。
【0007】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、食材の加熱調理を常に安定した温度で行うことができるとともに、食事中の料理の温度を温かい状態で長時間保持することができ、しかもプレートの洗浄を容易に行うことのできる食品加熱用皿を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は前記目的を達成するために、食材を載置するプレートと、プレートを載置する受け皿とを備え、プレートを加熱することにより食材を加熱調理するようにした食品加熱用皿において、前記受け皿を、上面側がプレートの底面に接触する蓄熱部材と、蓄熱部材の周面を覆う断熱性の受け皿本体とから構成し、蓄熱部材の下面側を受け皿の下方から所定の加熱手段によって加熱可能に形成している。
【0009】
これにより、蓄熱部材の上面側がプレートの底面に接触するとともに、その周面が断熱性の受け皿本体によって覆われることから、蓄熱部材の外気と接触する面積が小さくなり、蓄熱部材及び蓄熱部材によって加熱されるプレートの温度低下が抑制される。また、食材の加熱は蓄熱部材からプレートに伝達される熱によって行われるので、プレートの熱容量を大きくする必要がない。
【0010】
また、本発明は、食材を載置するプレートと、プレートを載置する受け皿とを備え、プレートを加熱することにより食材を加熱調理するようにした食品加熱用皿において、前記受け皿を、上面側がプレートの底面に接触する蓄熱部材と、蓄熱部材の周面を覆う断熱性の受け皿本体とから構成し、蓄熱部材を受け皿本体に着脱自在に設けている。
【0011】
これにより、蓄熱部材の上面側がプレートの底面に接触するとともに、その周面が断熱性の受け皿本体によって覆われることから、蓄熱部材の外気と接触する面積が小さくなり、蓄熱部材及び蓄熱部材によって加熱されるプレートの温度低下が抑制される。また、食材の加熱は蓄熱部材からプレートに伝達される熱によって行われるので、プレートの熱容量を大きくする必要がない。
【発明の効果】
【0012】
本発明の食品加熱用皿によれば、蓄熱部材及び蓄熱部材によって加熱されるプレートの温度低下を抑制することができるので、調理人がプレートに食材を載置するまでの時間の個人差や外気の温度状態によらず、食材の加熱調理を常に安定した温度で行うことができる。また、食事中においても料理の温度を温かい状態で長時間保持することができる。さらに、プレートの熱容量を大きくする必要がないので、プレートを熱容量が少なく重量の小さい形状とすることが可能であり、プレートの洗浄作業を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1乃至図11は本発明の第1の実施形態を示すもので、図1は受け皿にプレートを載置する前の状態を示す食品加熱用皿の斜視図、図2はプレートに食材を載置した後の状態を示す食品加熱用皿の斜視図、図3は食品加熱用皿の側面断面図、図4は食品加熱用皿の平面図、図5は食品加熱用皿の下面図、図6は受け皿の平面図、図7は図6におけるA−A線断面図、図8は図6におけるB−B線断面図、図9は蓄熱部材を電磁誘導加熱器によって加熱する状態を示す食品加熱用皿の側面断面図、図10は蓄熱部材を電磁誘導加熱器によって加熱する状態を示す食品加熱用皿の下面図、図11は蓄熱部材を電熱器によって加熱する状態を示す食品加熱用皿の側面断面図である。
【0014】
本実施形態の食品加熱用皿は、食材FDを載置するプレート10と、プレート10を載置する受け皿20とを備えている。
【0015】
プレート10はアルミニウム板の表面にアルマイト層を形成してなる遠赤外線の放射性に優れた板状部材からなり、外周側が斜め上方に延びるように形成されている。ここで、遠赤外線の放射性に優れた板状部材として、例えば、スカイアルミプロダクツ社製のスーパーレイ(登録商標)を用いるのが好ましい。プレート10の周縁部には全周に亘って下方に向かって屈曲した屈曲部10aが設けられるとともに、屈曲部10aには互いにプレート10の周方向に間隔をおいて複数箇所(本実施形態では6箇所)の第1係止部としての係止部10bが形成されている。ここで、係止部10bは屈曲部10aの先端をプレート10の内側に向かって屈曲させることによって形成されている。また、屈曲部10aの外周面にはフッ素樹脂からなるコーティング部10cが形成されている。
【0016】
受け皿20は、プレート10の底面に接触する蓄熱部材21と、蓄熱部材21の周面を被覆する受け皿本体22と、プレート10の外周面を全周に亘って径方向に支持する支持部材23と、蓄熱部材21の下面を被覆する開閉自在な開閉部材24とから構成されている。
【0017】
蓄熱部材21は鉄等の強磁性体からなり、円板状に形成されている。また、蓄熱部材21の周面の上面側及び下面側には、全周に亘って径方向凸部21a,21bがそれぞれ形成されている。
【0018】
受け皿本体22は木、樹脂、ゴム、セラミック等の断熱性を有する非磁性体からなり、蓄熱部材21の周面を全周に亘って被覆するように形成されている。受け皿本体22の内周面は蓄熱部材21を上下方向に移動可能に支持し、内周面に全周に亘って形成された径方向凸部22aと蓄熱部材21の径方向凸部21a,21bとが係合することにより、蓄熱部材21の上下方向の移動範囲を規制するようになっている。また、受け皿本体22の外周面には2箇所に径方向に延びる把持部22bが形成され、把持部22bを持ってプレート10を載置した受け皿20を持ち運びするようになっている。
【0019】
受け皿本体22の上端面の内周面側には、プレート10の外周面の形状に沿うように傾斜面22cが形成されるとともに、受け皿本体22の下端面には凸状に形成されたレール22d,22eが設けられている。また、各把持部22bの上面にはサーモシール25がそれぞれ貼付けられ、各サーモシール25は所定の温度に満たない場合は把持部22bと同様の色彩となるが、所定の温度以上になった場合には把持部22bと異なる色彩に変色するようになっている。ここで所定の温度とは、直接素手で触ることのできる上限の温度である。
【0020】
支持部材23は木、樹脂、ゴム、セラミック等の断熱性を有する非磁性体からなり、リング状に形成されるとともに、受け皿本体22の上端面に接着剤によって固定されている。支持部材23の内周面にはプレート10の外周面の形状に沿うように傾斜面23aが形成され、プレート10の外周面を径方向に支持するようになっている。ここで、支持部材23によって径方向に支持されたプレート10は上端部近傍の屈曲部10aのみが支持部材23の上方に突出し、屈曲部10aの外周面にはコーティング部10cが形成されているので、調理作業や料理の提供を行う際、誤ってプレート10の加熱されている部分を触ることがない。また、支持部材23の外周面には互いに支持部材23の周方向に間隔をおいて複数箇所(本実施形態では6箇所)の第2係止部としての径方向凸部23bが形成されている。
【0021】
開閉部材24は木、樹脂、ゴム、セラミック等の断熱性を有する非磁性体からなり、蓄熱部材21の下面を被覆するように形成されている。開閉部材24は2枚の半円状の底板24aからなり、各底板24aを組合わせると円板状になるように形成されている。また、各底板24aの上面には溝部24b,24cが形成され、溝部24bがレール22dと噛合うとともに、溝部24cがレール22eと噛合うことによって、各底板24aが受け皿本体22に支持されるようになっている。即ち、各底板24aはレール22d,22eに沿った方向に移動可能であり、各底板24aを互いに離れるように外側に移動することにより、蓄熱部材21の下面全体が露出するようになっている。
【0022】
以上の構成においては、先ず、プレート10を載置していない状態で、受け皿20の各底板24aを互いに離れるように外側に移動するとともに、周知の電磁誘導加熱器IHに載置し、電磁誘導によって蓄熱部材21を加熱する。この時、蓄熱部材21は受け皿20内で上下方向に移動可能に支持されているため、蓄熱部材21が自重で下方に移動し、蓄熱部材21の下面と電磁誘導加熱器IHとが接触する。
【0023】
蓄熱部材21を所定の温度まで加熱した後、蓄熱部材21を受け皿20内で上方に移動するとともに、各底板24aを内側に移動し、プレート10を受け皿20に装着する。ここで、プレート10の受け皿20への装着は、図7及び図8の(a)に示すように、プレート10の各係止部10bと受け皿20の各径方向凸部23bとが互いに周方向に異なる位置においてプレート10を受け皿20に載置した後、図7及び図8の(b)に示すように、プレート10を周方向に回転させて各係止部10bと各径方向凸部23bとを上下方向に係止させる。これにより、プレート10は受け皿20に固定される。
【0024】
次に、プレート10に半調理状態の食材FDを載置する。この時、プレート10が蓄熱部材21によって加熱されるとともに、食材FDがプレート10によって加熱調理される。尚、プレート10は加熱されることによって遠赤外線を放射するため、食材FDは短時間で内部まで加熱される。ここで、蓄熱部材21は電磁誘導加熱器IHによる加熱後は外気によって冷却されることとなるが、蓄熱部材21の周面及び下面は受け皿本体22及び開閉部材24によって被覆されるとともに、蓄熱部材21の上面側にはプレート10が装着されているため、蓄熱部材21の外気と接触する面積が小さくなり、蓄熱部材21及び蓄熱部材21によって加熱されるプレート10の温度低下を抑制することができる。
【0025】
また、前述のように食材FDを加熱調理した料理は、加熱調理を行ったプレート10及び受け皿20によって客席に提供されるため、食事中においても蓄熱部材21によって料理が温められる。
【0026】
このように、本実施形態によれば、蓄熱部材21の周面及び下面を受け皿本体22及び開閉部材24によって被覆するとともに、蓄熱部材21の上面側にはプレート10を装着し、蓄熱部材21の外気と接触する面積を小さくしたので、蓄熱部材21及び蓄熱部材21によって加熱されるプレート10の温度低下が抑制され、調理人がプレート10に食材FDを載置するまでの時間の個人差や外気の温度状態によらず、食材FDの加熱調理を常に安定した温度で行うことができる。また、食事中においても前述と同様に蓄熱部材21及び蓄熱部材21によって加熱されるプレート10の温度低下が抑制されるため、料理の温度を温かい状態で長時間保持することができる。
【0027】
さらに、食材FDの加熱は蓄熱部材21からプレート10に伝達される熱によって行われるので、食材FDの洗浄を要するプレート10は蓄熱を行う必要がなく、プレート10を熱容量が少なく重量の小さい形状とすることが可能であり、プレート10の洗浄作業を容易に行うことができる。
【0028】
また、蓄熱部材21を強磁性体から形成したので、火力を使用せずに電磁誘導加熱器IHによって蓄熱部材1を加熱することができる。即ち、火力を使用しないため、調理作業の安全性の向上を図ることができる。
【0029】
さらに、受け皿20に蓄熱部材21を上下方向に移動可能に支持し、受け皿20の開閉部材24を構成する2枚の底板24aが互いに離れるように外側に移動することにより、蓄熱部材21の下面全体が露出するとともに蓄熱部材21が自重によって下方に移動し、蓄熱部材21の下面と電磁誘導加熱器IHとが接触するようにしたので、蓄熱部材21の加熱を効率的に行うことができる。
【0030】
また、受け皿20の支持部材23にプレート10の外周面に沿うように傾斜面23aを設け、プレート10を支持部材23によって径方向に支持するようにしたので、プレート10が受け皿20から容易に滑り落ちることがなく、調理作業や料理の提供の際における利便性及び安全性を向上することができる。
【0031】
さらに、プレート10に設けた各係止部10bと支持部材23に設けた各径方向凸部23bとを上下方向に係止させるようにしたので、プレート10が受け皿20に固定され、調理作業や料理の提供の際における利便性及び安全性をより向上することができる。
【0032】
また、プレート10を遠赤外線の放射性に優れた材料から形成したので、プレート10に載置した食材FDを短時間で内部まで加熱することができ、調理時間の短縮を図ることができる。尚、プレート10をセラミック等の遠赤外線の放射性に優れた他の材料から形成した場合でも、遠赤外線によって食材FDを短時間で加熱することができる。
【0033】
さらに、受け皿20の各把持部22bの上面に、所定の温度に満たない場合は把持部22bと同様の色彩となるが、所定の温度以上になった場合は把持部22bと異なる色彩に変色するサーモラベル25を貼付け、また、所定の温度を直接素手で触ることのできる上限の温度としたので、把持部22bが素手で触ることのできない温度になっていることをサーモラベル25の色彩が変化することによって検知することができ、調理作業や料理の提供の際における安全性の向上を図ることができる。
【0034】
また、所定の温度に満たない場合はサーモラベル25を把持部22bと同様の色彩となるようにしたので、受け皿20の美観を損ねることがない。
【0035】
尚、本実施形態では、受け皿20の温度を表示するためにサーモラベル25を用いたが、受け皿20に温度によって色彩が変化する塗料を塗布したり、受け皿20に温度計を設けることによっても、同様の効果が期待できる。
【0036】
また、本実施形態では、図9に示すように、蓄熱部材21を電磁誘導加熱器IHによって加熱するようにしたものを示したが、図11に示すように、蓄熱部材21を周知の電熱器EHによって加熱するようにしてもよい。この場合、電熱器EHの熱盤EH1には蓄熱部材21の下面のみが接触し、各底板24aは熱盤EH1の周囲に形成された断熱部材EH2に載置されるようにすると、蓄熱部材21の加熱を短時間で行うことができるとともに、受け皿本体22及び開閉部材24の温度が上昇することを防止できる。さらに、蓄熱部材21を電熱器EHによって加熱する場合は、蓄熱部材21の材質をステンレス、銅等の非磁性体とすることも可能である。
【0037】
尚、本実施形態では、受け皿20の蓄熱部材21を加熱器によって加熱し、加熱器から取外した後にプレート10及び食材FDを載置するようにしたものを示したが、加熱器にプレート10及び食材FDを載置した受け皿20を載置し、加熱器で蓄熱部材21の加熱をしながら食材FDの加熱調理を行うことも可能である。
【0038】
この場合、例えばプレート10及び食材FDの温度を非接触で温度測定可能な遠赤外線センサによって測定するとともに、測定温度に基づいて加熱器を制御することにより、食材FDの加熱調理を安定した温度で行うことができる。ここで、遠赤外線温度センサは測定対象物の所定の範囲から放射される遠赤外線によって温度を測定し、遠距離から小さな範囲を測定することも可能な周知の機器である。また、本実施形態ではプレート10を遠赤外線の放射性に優れた材料から形成し、遠赤外線温度センサの測定精度を安定させることができるので、例えば、遠赤外線温度センサをプレート10の上方の調理場の天井に配置しても、プレート10の温度を遠距離から正確に測定することができる。これにより、プレート10から飛散する油等による遠赤外線温度センサの汚れを防止し、プレート10の温度測定を常に正確に行うことが可能となる。尚、距離に応じて遠赤外線温度センサの測定値を補正することにより、さらに正確な温度測定を行うことができる。
【0039】
尚、本実施形態では、蓄熱部材21の下面を開閉部材24によって開閉するようにしたものを示したが、厚みが4mm以下の断熱性を有する断熱部材によって閉鎖することも可能である。この場合、受け皿20を電磁誘導加熱器IHに載置すると、蓄熱部材21と電磁誘導加熱器IHとの間に断熱部材が介在することとなるが、蓄熱部材21の下面と電磁誘導加熱器IHの上面との距離が4mm以下となることから、電磁誘導による蓄熱部材21の加熱を効率的に行うことができる。
【0040】
また、本実施形態では、プレート10をアルミニウム板の表面にアルマイト層を形成してなる板状部材から形成したものを示したが、プレート10を鉄から形成することにより、蓄熱部材21とともに電磁誘導加熱器IHによって加熱可能とすることもできる。
【0041】
図12乃至図14は本発明の第2の実施形態を示すもので、図12は食品加熱用皿の要部側面断面図、図13は食品加熱用皿の要部平面図、図14はプレートを受け皿に載置する前の状態を示す食品加熱用皿の要部側面断面図である。尚、第1の実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。また、本実施形態は、第1の実施形態におけるプレートと受け皿との固定方法の変形例である。
【0042】
本実施形態のプレート30はアルミニウム板の表面にアルマイト層を形成してなる遠赤外線の放射性に優れた板状部材からなり、外周側が斜め上方に延びるように形成されている。また、プレート30の周縁部には互いに周方向に間隔をおいて複数の係止片としての屈曲部30aが設けられ、屈曲部30aはプレート30の周縁部が下方に向かって屈曲してなる。また、屈曲部30aの内周面側には鉄製の板状部材30bが溶接によって固定されている。即ち、屈曲部30aはバイメタル構造体からなり、プレート30の温度が上昇すると、屈曲部30aはプレート30の本体部分の材料と比較して熱膨張係数の小さい板状部材30b側に変形し、屈曲部30aの先端がプレート30の内側に変形するようになっている。
【0043】
受け皿31は第1の実施形態の蓄熱部材21、受け皿本体22及び開閉部材24と、支持部材32とから構成されている。
【0044】
支持部材32は木、樹脂、ゴム、セラミック等の断熱性を有する非磁性体からなり、リング状に形成されるとともに、受け皿本体22の上端面に接着剤によって固定されている。支持部材32の内周面にはプレート30の外周面の形状に沿うように傾斜面32aが形成され、プレート30の外周面を径方向に支持するようになっている。また、支持部材32の外周面には全周に亘って径方向凸部32bが形成されている。
【0045】
以上の構成においては、図14に示すように、プレート30が加熱される前は屈曲部30aの先端がプレート30の内側に変形していないため、屈曲部30aの先端を径方向凸部32bの下方に位置させるように、プレート30を受け皿31に載置することができる。プレート30を受け皿31に載置すると、屈曲部30aが加熱されてその先端がプレート30の内側に屈曲し、屈曲部30aと径方向凸部32bとが上下方向に係止する。
【0046】
このように、本実施形態によれば、プレート30を受け皿31に載置すると、屈曲部30aと径方向凸部32bとが上下方向に係止するようにしたので、プレート30が受け皿31に固定され、調理作業や料理の提供の際における利便性及び安全性を向上することができる。
【0047】
図15乃至図17は本発明の第3の実施形態を示すもので、図15は食品加熱用皿の要部側面断面図、図16は食品加熱用皿の要部平面図、図17はプレートを受け皿に載置する前の状態を示す食品加熱用皿の要部側面断面図である。尚、第1の実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。また、本実施形態は、第1の実施形態におけるプレートと受け皿との固定方法の変形例である。
【0048】
本実施形態のプレート40はアルミニウム板の表面にアルマイト層を形成してなる遠赤外線の放射性に優れた板状部材からなり、外周側が斜め上方に延びるように形成されている。また、プレート43の周縁部には互いに周方向に間隔をおいて複数の係止片としての屈曲部材40aが図示しないリベットによって固定されている。屈曲部材40aは形状記憶合金からなり、プレート40の周縁部の下方に向かって延びるとともに、先端部がプレート40の内側に向かって屈曲している。
【0049】
受け皿41は第1の実施形態の蓄熱部材21、受け皿本体22及び開閉部材24と、支持部材42とから構成されている。
【0050】
支持部材42は木、樹脂、ゴム、セラミック等の断熱性を有する非磁性体からなり、リング状に形成されるとともに、受け皿本体22の上端面に接着剤によって固定されている。支持部材42の内周面にはプレート40の外周面の形状に沿うように傾斜面42aが形成され、プレート40の外周面を径方向に支持するようになっている。また、支持部材42の外周面には全周に亘って径方向凸部42bが形成されている。
【0051】
以上の構成においては、図17に示すように、プレート40の屈曲部材40aの先端をプレート40の外側に変形させることにより、屈曲部材40aの先端を径方向凸部42bの下方に位置させるように、プレート40を受け皿41に載置することができる。プレート40を受け皿41に載置すると、屈曲部材40aが加熱されて変形前の形状に復元し、屈曲部材40aと径方向凸部42bとが上下方向に係止する。
【0052】
このように、本実施形態によれば、プレート40を受け皿41に載置すると、屈曲部材40aと径方向凸部42bとが上下方向に係止するようにしたので、プレート40が受け皿41に固定され、調理作業や料理の提供の際における利便性及び安全性を向上することができる。
【0053】
尚、本実施形態では、屈曲部材40aを形状記憶合金から形成したが、他の形状記憶材料として形状記憶樹脂を用いることも可能である。
【0054】
図18は本発明の第4の実施形態を示す食品加熱用皿の要部側面断面図である。尚、第1の実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。また、本実施形態は、第1の実施形態におけるプレートと受け皿との固定方法の変形例である。
【0055】
本実施形態のプレート50はアルミニウム板の表面にアルマイト層を形成してなる遠赤外線の放射性に優れた板状部材からなり、外周側が斜め上方に延びるように形成されている。また、プレート50の外周面には鉄製のリング状部材50aが取付けられている。
【0056】
受け皿51は第1の実施形態の蓄熱部材21、受け皿本体22及び開閉部材24と、支持部材52とから構成されている。
【0057】
支持部材52は木、樹脂、ゴム、セラミック等の断熱性を有する非磁性体からなり、リング状に形成されるとともに、受け皿本体22の上端面に接着剤によって固定されている。支持部材52の内周面にはリング状部材50aの外周面の形状に沿うように傾斜面52aが形成され、リング状部材50aの外周面を径方向に支持するようになっている。また、傾斜面52aには互いに周方向に間隔をおいて複数の磁石52bが設けられている。
【0058】
このように、本実施形態によれば、プレート50を受け皿51に載置すると、磁石52bにリング状部材52aが吸着するようにしたので、プレート50が受け皿51に固定され、調理作業や料理の提供の際における利便性及び安全性を向上することができる。
【0059】
図19は本発明の第5の実施形態を示す食品加熱用皿の側面断面図である。尚、第1の実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。また、本実施形態は、第1の実施形態における受け皿の変形例である受け皿60を示すものである。
【0060】
本実施形態の受け皿60は、第1の実施形態の支持部材23及び開閉部材24と、蓄熱部材61と、受け皿本体62とから構成されている。
【0061】
蓄熱部材61は鉄等の強磁性体からなり、円板状に形成されるとともに、周面の中央部には全周に亘って径方向凸部61aが形成されている。
【0062】
受け皿本体62は木、樹脂、ゴム、セラミック等の断熱性を有する非磁性体からなり、蓄熱部材61の周面を全周に亘って被覆するように形成されている。受け皿本体62の内周面は蓄熱部材61を上下方向に移動可能に支持し、内周面に全周に亘って形成された径方向凹部62aと蓄熱部材61の径方向凸部61aとが係合することにより、蓄熱部材61の上下方向の移動範囲を規制するようになている。また、受け皿本体62の外周面には2箇所に径方向に延びる把持部62bが形成され、把持部62bを持って受け皿60及びプレート10を持ち運びするようになっている。さらに、受け皿本体62の下端面には凸状に形成された図示しないレールが設けられている。レールには各底板24aの溝部24b,24cが噛み合うようになっており、各底板24aが受け皿本体62に支持されるとともに、各底板24aがレールに沿って互いに離れる方向に移動可能になっている。
【0063】
以上の構成においては、各底板24aを互いに離れるように外側に移動するとともに、蓄熱部材61が自重によって下方に移動することにより、蓄熱部材61の下面と電磁誘導加熱器IHとを接触させることができる。尚、蓄熱部材61は電熱器によって加熱することも可能であり、この場合は、蓄熱部材61の材質をステンレス、銅等の非磁性体とすることも可能である。
【0064】
図20は本発明の第6の実施形態を示す食品加熱用皿の側面断面図である。尚、第5の実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。また、本実施形態は、第5の実施形態における蓄熱部材の変形例である蓄熱部材70を示すものである。
【0065】
本実施形態の蓄熱部材70は鉄等の強磁性体からなり、円筒状に形成された連結部材としてのボス71と、円板状に形成された複数の板状部材としての円板72と、円板72より外径が大きく形成された板状部材としての円板73とから構成されている。ボス71は外周面にネジ部が形成され、ネジ部に各円板72及び円板73の内周面に形成されたネジ部が螺合するようになっている。また、円板73と受け皿本体62の径方向凹部62aとが係合することにより、蓄熱部材70の上下方向の移動範囲を規制するようになっている。
【0066】
以上の構成においては、ボス71に螺合する円板72の数量及び形状を任意に設定することにより、蓄熱部材70の熱容量を変更することができる。また、円板72及び円板73をボス71に螺合することにより一体に連結するようにしたので、各円板72及び円板73を一体の部品として取扱うことが可能である。尚、蓄熱部材70は電熱器によって加熱することも可能であり、この場合は、蓄熱部材70の材質をステンレス、銅等の非磁性体とすることも可能である。
【0067】
図21は本発明の第7の実施形態を示す食品加熱用皿の側面断面図である。尚、第1の実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。また、本実施形態は、第1の実施形態における受け皿の変形例である受け皿80を示すものである。
【0068】
本実施形態の受け皿80は、第1の実施形態の支持部材23及び開閉部材24と、蓄熱部材81と、受け皿本体82とから構成されている。
【0069】
蓄熱部材81は鉄等の強磁性体からなり、円板状に形成されるとともに、受け皿本体82に着脱自在に設けられている。
【0070】
受け皿本体82は木、樹脂、ゴム、セラミック等の断熱性を有する非磁性体からなり、蓄熱部材81の周面及び下面を被覆するように形成されている。受け皿本体82の外周面には2箇所に径方向に延びる把持部82aが形成され、把持部82aを持って受け皿80及びプレート10を持ち運びするようになっている。また、受け皿本体82の上端面には、プレート10の底面の形状に沿うように傾斜面82bが形成されている。
【0071】
以上の構成においては、先ず、蓄熱部材81を受け皿本体82から取外すとともに、蓄熱部材81を電磁誘導加熱器IHによって所定の温度に加熱し、次に、加熱した蓄熱部材81を受け皿本体82に載置するとともに、プレート10を受け皿80に載置し、プレート10に半調理状態の食材FDを載置することにより、食材FDが加熱調理される。ここで、蓄熱部材81は電磁誘導加熱器IHによる加熱後は外気によって冷却されることとなるが、蓄熱部材81の周面及び下面は受け皿本体82によって被覆されるとともに、蓄熱部材81の上面側にはプレート10が装着されているため、蓄熱部材81の外気と接触する面積が小さくなり、蓄熱部材81及び蓄熱部材81によって加熱されるプレート10の温度低下を抑制することができる。
【0072】
また、前述のように食材FDを加熱調理した料理は、加熱調理を行ったプレート10及び受け皿80によって客席に提供されるため、食事中においても蓄熱部材81によって料理が温められる。
【0073】
このように、本実施形態によれば、蓄熱部材81の周面及び下面を受け皿本体82によって被覆するとともに、蓄熱部材81の上面側にはプレート10を装着し、蓄熱部材81の外気と接触する面積を小さくしたので、蓄熱部材81及び蓄熱部材81によって加熱されるプレート10の温度低下が抑制され、調理人がプレート10に食材FDを載置するまでの時間の個人差や外気の温度状態によらず、食材FDの加熱調理を常に安定した温度で行うことができる。また、食事中においても、前述と同様に蓄熱部材81及び蓄熱部材81によって加熱されるプレート10の温度低下が抑制されるため、料理の温度を温かい状態で長時間保持することができる。
【0074】
尚、蓄熱部材81は電熱器によって加熱することも可能であり、この場合は、蓄熱部材81の材質をステンレス、銅等の非磁性体とすることも可能である。
【0075】
図22及び図23は本発明の第8の実施形態を示すもので、図22は食品加熱用皿の側面断面図、図24は食品加熱用皿の下面図である。尚、第1の実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。また、本実施形態は、第1の実施形態における受け皿の変形例である受け皿90を示すものである。
【0076】
本実施形態の受け皿90は、第1の実施形態の支持部材23と、蓄熱部材91と、受け皿本体92と、底板93とから構成されている。
【0077】
蓄熱部材91は鉄等の強磁性体からなり、円板状に形成されている。
【0078】
受け皿本体92は木、樹脂、ゴム、セラミック等の断熱性を有する非磁性体からなり、蓄熱部材91の周面を全周に亘って被覆するように形成されている。受け皿本体92の外周面には2箇所に径方向に延びる把持部92aが形成され、把持部92aを持って受け皿90及びプレート10を持ち運びするようになっている。
【0079】
底板93は木、樹脂、ゴム、セラミック等の断熱性を有する非磁性体からなり、受け皿本体92の下端面に取付けられている。これにより、蓄熱部材91の下面が被覆される。また、蓄熱部材91の下側に位置する底板93の上面には凹部93aが形成され、蓄熱部材91と底板93とが直接接触しないようになっている。また、受け皿90の下面と蓄熱部材91の下面との距離Lが4mm以下となるように、底板93が形成されている。
【0080】
以上の構成においては、先ず、プレート10を載置していない状態で、受け皿90を周知の電磁誘導加熱器IHに載置し、電磁誘導によって蓄熱部材91を加熱する。この時、蓄熱部材91と電磁誘導加熱器IHとのすき間が4mm以下となるので、電磁誘導によって蓄熱部材91を効率的に加熱することができる。
【0081】
蓄熱部材91を加熱した後、受け皿90にプレート10を装着するとともにプレート10上で半調理状態の食材FDを加熱調理し、加熱調理された料理を受け皿90及びプレート10によって客席に提供する。ここで、蓄熱部材91は電磁誘導加熱器IHによる加熱後は外気によって冷却されることとなるが、蓄熱部材91の周面及び下面は受け皿本体92及び底板93によって被覆されるとともに、蓄熱部材91の上面側にはプレート10が装着されているため、蓄熱部材91の外気と接触する面積が小さくなり、蓄熱部材91及び蓄熱部材91によって加熱されるプレート10の温度低下を抑制することができる。
【0082】
また、加熱された蓄熱部材91の下面側は薄い底板93によって覆われているが、蓄熱部材91と底板93とが接触していないので、蓄熱部材91と底板93との間の空気による断熱作用により、蓄熱部材91の温度低下を効率的に抑制することができる。また、底板93の温度上昇も抑えることができるので、調理作業や料理の提供の際における利便性や安全性が損なわれることはない。
【0083】
このように、本実施形態によれば、蓄熱部材91の周面及び下面を受け皿本体92及び底板93によって被覆するとともに、蓄熱部材91の上面側にはプレート10を装着し、蓄熱部材91の外気と接触する面積を小さくしたので、蓄熱部材91及び蓄熱部材91によって加熱されるプレート10の温度低下が抑制され、調理人がプレート10に食材FDを載置するまでの時間の個人差や外気の温度状態によらず、食材FDの加熱調理を常に安定した温度で行うことができる。また、食事中においても、前述と同様に蓄熱部材91及び蓄熱部材91によって加熱されるプレート10の温度低下が抑制されるため、料理の温度を温かい状態で長時間保持することができる。
【0084】
また、受け皿90を電磁誘導加熱器IHに載置すると、蓄熱部材91と電磁誘導加熱器IHとのすき間が4mm以下となり、電磁誘導によって蓄熱部材91を効率的に加熱することができるので、受け皿90から蓄熱部材91の下面を露出させる必要がなく、調理作業をより容易に行うことができる。
【0085】
尚、本実施形態では、底板93と蓄熱部材91とを接触させないようにしたものを示したが、底板93と蓄熱部材91とを接触するようにしても、底板93は断熱性を有する材料から形成されているため、蓄熱部材91の温度低下及び底板93の温度上昇を抑制することができる。
【0086】
図24乃至図28は本発明の第9の実施形態を示すもので、図24は食品加熱用皿の側面断面図、図25は食品加熱用皿の平面図、図26は食品加熱用皿の下面図、図27は蓄熱部材を電磁誘導加熱器によって加熱する状態を示す食品加熱用皿の側面断面図、図28は蓄熱部材を電磁誘導加熱器によって加熱する状態を示す食品加熱用皿の下面図である。
【0087】
本実施形態は、複数の受け皿を互いに上下方向に並ぶように積重ねた際に、各受け皿の蓄熱部材が互いに接触するようにするものである。
【0088】
この食品加熱用皿は、食材を載置するプレート100と、プレート100を載置する受け皿110とを備えている。
【0089】
プレート100はアルミニウム板の表面にアルマイト層を形成してなる遠赤外線の放射性に優れた板状部材からなり、外周側が上方に延びるように形成されるとともに、外周面にはフッ素樹脂からなるコーティング部100aが形成されている。また、プレート100の底面には、先端部が基端部よりも外径が大きく形成された2個の突起100bが下方に延びるように形成されている。
【0090】
受け皿110は、プレート100の底面に接触する蓄熱部材111と、蓄熱部材111の周面を被覆する受け皿本体112と、蓄熱部材111の下面を被覆する開閉自在な開閉部材113とから構成されている。
【0091】
蓄熱部材111は鉄等の強磁性体からなり、円板状に形成されている。また、蓄熱部材111の周面の上面側及び下面側には、全周に亘って径方向凸部111a,111bがそれぞれ形成されている。
【0092】
受け皿本体112は木、樹脂、ゴム、セラミック等の断熱性を有する非磁性体からなり、蓄熱部材111の周面を全周に亘って被覆するように形成されている。受け皿本体112の内周面は蓄熱部材111を上下方向に移動可能に支持し、内周面に全周に亘って形成された径方向凸部112aと蓄熱部材111の径方向凸部111a,111bとが係合することにより、蓄熱部材111の上下方向の移動範囲を規制するようになっている。また、受け皿本体112の外周面には2箇所に径方向に延びる把持部112bが形成され、把持部112bを持って受け皿110に載置したプレート100を持ち運びするようになっている。
【0093】
受け皿本体112の上端面には、プレート100の各突起100bがそれぞれ挿入される取付穴112cを有している。各取付穴112cは内部に金属板を湾曲させて形成した保持部材112dを有しており、保持部材112dと突起100bの先端部が係止するようになっている。即ち、プレート100は受け皿本体112の上端面に載置され、プレート100の底面が蓄熱部材111と接触するとともに、プレート100の各突起100bが各取付穴112cに挿入されることによりプレート100の上下方向及び水平方向の移動が規制され、プレート100が受け皿110に固定されるようになっている。また、受け皿本体112の下端面には凸状に形成されたレール112e,112fが設けられている。
【0094】
さらに、各把持部112bの上面にはサーモシール114がそれぞれ貼付けられ、各サーモシール114は所定の温度に満たない場合は把持部112bと同様の色彩となるが、所定の温度以上になった場合には把持部112bと異なる色彩に変色するようになっている。ここで所定の温度とは、直接素手で触れることのできる上限の温度である。
【0095】
開閉部材113は木、樹脂、ゴム、セラミック等の断熱性を有する非磁性体からなり、蓄熱部材111の下面を被覆するように形成されている。開閉部材113は2枚の半円状の底板113aからなり、各底板113aを組合わせると円板状になるように形成されている。また、各底板113aの上面には溝部113b,113cが形成され、溝部113bがレール112eと噛合うとともに、溝部113cがレール112fと噛合うことによって、各底板113aが受け皿本体112に支持されるようになっている。即ち、各底板113aはレール112e,112fに沿った方向に移動可能であり、各底板113aを互いに離れるように外側に移動することにより、蓄熱部材111の下面全体が露出するようになっている。
【0096】
ここで、蓄熱部材111の上下方向の幅寸法は、凸状のレール113e,113fを除いた受け皿本体112の上下方向の幅寸法と等しくなるように形成されている。
【0097】
以上の構成においては、蓄熱部材111の加熱は、複数の受け皿110を互いに上下方向に並ぶように積重ねて行うことができる。即ち、図27及び図28に示すように、プレート100を載置していない状態で、各受け皿110の各底板113aを互いに離れるように外側に移動するとともに、電磁誘導加熱器IHの上部に積重ねる。この時、一番下に配置された受け皿110の蓄熱部材111は受け皿110内で上下方向に移動可能に支持されているため、蓄熱部材111が自重で下方に移動し、蓄熱部材111の下面と電磁誘導加熱器IHとが接触する。また、2番目以降に配置された各受け皿110の各蓄熱部材111は自重で下方に移動し、上側に配置された受け皿110の蓄熱部材111の下面と下側に配置された受け皿110の蓄熱部材111の上面とが接触する。
【0098】
これにより、一番下に配置された受け皿110の蓄熱部材111は電磁誘導によって加熱されるとともに、その上側に積重ねられた各受け皿110の蓄熱部材111は、各蓄熱部材111が互いに接触しているため、熱伝達によって温度が上昇する。
【0099】
このように、本実施形態によれば、一番下の受け皿110を電磁誘導加熱器IHから取出した後、次に一番下に配置される受け皿110の蓄熱部材111は、予め温度が上昇しているので短時間で所定の温度まで加熱することができる。また、各受け皿110をそれぞれ電磁誘導加熱器IHによって加熱する場合と比較し、省スペース化及び省エネルギー化を図ることができる。
【0100】
尚、本実施形態では一番下に配置された受け皿110の蓄熱部材111を電磁誘導によって加熱するようにしたが、一番下に配置された受け皿110の蓄熱部材111を電熱器によって加熱することも可能である。この場合は、蓄熱部材111の材質をステンレス、銅等の非磁性体とすることもできる。
【0101】
図29乃至図32は本発明の第10の実施形態を示すもので、図29は蓄熱部材及びプレートを電磁誘導加熱器によって加熱する状態を示す食品加熱用皿の側面断面図、図30は食品加熱用皿の平面図、図31は食品加熱用皿の構成部品を示す側面断面図、図32は蓄熱部材に対してプレートを上方に移動させた状態を示す食品加熱用皿の側面断面図である。
【0102】
本実施形態の食品加熱用皿は、食材FDを載置するプレート120と、プレート120を載置する受け皿130とを備えている。
【0103】
プレート120は鋳鉄からなり、外周側が斜め上方に延びるように形成されるとともに、表面には黒色の耐熱塗料が塗られている。
【0104】
受け皿130は、プレート120の底面に接触する蓄熱部材131と、蓄熱部材131の周面及び下面を被覆する受け皿本体132とから構成されている。
【0105】
蓄熱部材131は鉄等の強磁性体からなり、円板状に形成されている。また、蓄熱部材131は受け皿本体132に上下方向に移動可能に設けられ、互いに周方向に間隔をおいて6箇所に蓄熱部材131を上下方向に貫通するネジ孔131aが設けられている。
【0106】
受け皿本体132は木、樹脂、ゴム、セラミック等の断熱性を有する非磁性体からなり、蓄熱部材131の周面及び下面を被覆するように形成されている。受け皿本体132の外周面には2箇所に径方向に延びる把持部132aが形成され、把持部132aを持って受け皿130及びプレート120を持ち運びするようになっている。また、受け皿本体132の上端面側には蓄熱部材131を挿入可能な凹状部132bが設けられ、凹状部132bの開口縁にはプレート120の底面の形状に沿うように傾斜面132cが形成されている。
【0107】
凹状部132bの底面には互いに周方向に間隔をおいて3箇所に突状部132dが設けられ、突状部132dの上面は平面状に形成されている。また、各突状部132dの中央部には受け皿本体132の下面まで貫通する貫通孔132eがそれぞれ設けられ、各貫通孔132eの下側にはそれぞれ座ぐり部が設けられている。さらに、各貫通孔132eには下方からアルミニウム、樹脂、セラミック等の非磁性体から形成された六角穴付きボルトからなるボルト132fがそれぞれ挿通し、各ボルト132fは蓄熱部材131の各ネジ孔131aにそれぞれ螺合している。即ち、各ボルト132fによって蓄熱部材131が受け皿本体132に取付けられ、蓄熱部材131の下面における各突状部132dと当接する部分以外の部分が受け皿本体132と非接触となる。
【0108】
また、凹状部132bの底面には互いに周方向に間隔をおいて3箇所に受け皿本体132の下面まで貫通する貫通孔132gが設けられ、各貫通孔132gは各貫通孔132eと周方向に交互に配置されている。さらに、各貫通孔132gには下方からアルミニウム、樹脂、セラミック等の非磁性体から形成された六角穴付きボルトからなる当接部材としての調整ボルト132hがそれぞれ挿通し、各調整ボルト132hは蓄熱部材131の各ネジ孔131aにそれぞれ上下方向に移動自在に螺合している。
【0109】
以上の構成においては、受け皿130をプレート120が載置された状態で周知の電磁誘導加熱器IHに載置し、電磁誘導によって蓄熱部材131及びプレート120を加熱する。この際、蓄熱部材131の加熱を効率的に行うためには、蓄熱部材131の下面と電磁誘導加熱器IHの上面との距離が4mm以下であることが望ましいが、4mm以上であっても、蓄熱部材131の加熱を行うことは可能である。
【0110】
蓄熱部材131及びプレート120を所定の温度まで加熱した後、受け皿130をプレート120を載置した状態で電磁誘導加熱器IHから取外す。次に、プレート120に半調理状態の食材FDを載置し、食材FDの加熱が行われている状態で客席に提供する。これにより、客席に提供するまでの間に食材FDの加熱調理が完了し、客席に調理完了直後の料理を提供することができる。この際、蓄熱部材131の周面及び下面は受け皿本体132によって被覆されるとともに、蓄熱部材131の上面にはプレート120が載置されているので、蓄熱部材131の外気と接触する面積が小さく、蓄熱部材131及び蓄熱部材131の熱が伝達されるプレート120の温度低下を抑制することができる。
【0111】
また、前述のように食材FDを加熱調理した料理は、食事中においても蓄熱部材131によって温められる。
【0112】
さらに、蓄熱部材131の下面における各突状部132dと当接する部分以外の部分が受け皿本体132と非接触となるので、蓄熱部材131の下面と受け皿本体132との間の空気による断熱作用により、蓄熱部材131の温度低下を効率的に抑制することができる。また、受け皿本体132の下面の温度上昇も抑制することができるので、調理作業や料理の提供の際における利便性や安全性が損なわれることがない。
【0113】
また、図32に示すように、各調整ボルト132hを蓄熱部材131に対して上方に移動させることにより、各調整ボルト132hがプレート120の底面に下方から当接し、プレート120と蓄熱部材131との間に隙間を設けることができる。これにより、蓄熱部材131からプレート120に伝達される熱量を調整することができる。即ち、電磁誘導加熱器IHによるプレート120及び蓄熱部材131の加熱時間を一定にした場合でも、隙間の大きさによって蓄熱部材131からプレート120に伝達される熱量が変わり、プレート120に載置する食材FDの加熱条件を食材FDの種類によって変更することができる。
【0114】
このように、本実施形態によれば、蓄熱部材131の周面及び下面を受け皿本体132によって被覆するとともに、蓄熱部材131の上面にはプレート120を載置し、蓄熱部材131の外気と接触する面積を小さくしたので、蓄熱部材131及び蓄熱部材131の熱が伝達されるプレート120の温度低下が抑制され、調理人がプレート120に食材FDを載置するまでの時間の個人差や外気の温度状態によらず、食材FDの加熱調理を常に安定した温度で行うことができる。また、食事中においても、前述と同様に蓄熱部材131及び蓄熱部材131の熱が伝達されるプレート120の温度低下が抑制されるため、料理を温かい状態で長時間保持することができる。
【0115】
また、蓄熱部材131の周面及び下面を受け皿本体132によって被覆するようにしたので、蓄熱部材131及びプレート120を加熱した後、プレート120を底面に蓄熱部材131が接触した状態で持ち運ぶことができ、調理作業や料理の提供の際における利便性に優れている。
【0116】
さらに、蓄熱部材131の下面における各突状部132dと当接する部分以外の部分が受け皿本体132と非接触となるので、蓄熱部材131の下面と受け皿本体132との間の空気による断熱作用により、蓄熱部材131の温度低下を効率的に抑制することができ、食材FDを加熱調理する際の温度をより安定させることができるとともに、料理の温度を温かい状態でより長時間保持することができる。また、受け皿本体132の温度上昇を抑制することができ、調理作業や料理の提供の際における利便性や安全性の面においても極めて有利である。
【0117】
さらに、各調整ボルト132hを回転させることにより、プレート120と蓄熱部材131との間に隙間を設けることができるようにしたので、蓄熱部材131からプレート120に伝達される熱量を調整することができる。即ち、電磁誘導加熱器IHによるプレート120及び蓄熱部材131の加熱時間を一定にした場合でも、プレート120に載置する食材FDの加熱条件を食材FDの種類によって変更することができ、調理作業の効率化を図る上で極めて有利である。
【0118】
尚、本実施形態では、プレート120を電磁誘導加熱器IHによって加熱可能な鋳鉄から形成したものを示したが、アルミニウム板の表面にアルマイト層を形成してなる遠赤外線の放射に優れた板状部材から形成することも可能である。この場合、プレート120は電磁誘導加熱器IHによっては加熱されず、蓄熱部材131から伝達される熱によって加熱される。また、プレート120に載置される食材FDは、プレート120から放射される遠赤外線によって短時間で内部まで加熱される。
【0119】
また、本実施形態では、調整ボルト132hを3本設けたものを示したが、調整ボルト132hを1本、2本または4本以上とすることも可能である。
【0120】
尚、本実施形態では、ボルト131f及び調整ボルト131hをアルミニウム、樹脂、セラミック等の非磁性体から形成したものを示したが、鉄等の強磁性体から形成することも可能である。
【0121】
また、本実施形態では、プレート120を皿状に形成したものを示したが、丼ぶり状に形成することも可能である。
【0122】
図33乃至図37は本発明の第11の実施形態を示すもので、図33は蓄熱部材及びプレートを電磁誘導加熱器によって加熱する状態を示す食品加熱用皿の側面断面図、図34は食品加熱用皿の平面図、図35は食品加熱用皿の要部側面断面図、図36は食品加熱用皿の構成部品を示す側面断面図、図37は蓄熱部材に対してプレートを上方に移動させた状態を示す食品加熱用皿の側面断面図である。尚、第10の実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0123】
本実施形態の食品加熱用皿は、第10の実施形態と同様のプレート120と、プレート120を載置する受け皿140とを備えている。
【0124】
受け皿140は、第10の実施形態と同様の蓄熱部材131と、蓄熱部材131の周面及び下面を被覆する受け皿本体141と、蓄熱部材131と受け皿本体
141との間に設けられた断熱部材142とから構成されている。
【0125】
受け皿本体141は木、樹脂、ゴム、セラミック等の断熱性を有する非磁性体からなり、蓄熱部材131の周面及び下面を被覆するように形成されている。受け皿本体141の外周面には2箇所に径方向に延びる把持部141aが形成され、把持部141aを持って受け皿140及びプレート120を持ち運びするようになっている。また、受け皿本体141の上端面側には蓄熱部材131を挿入可能な凹状部141bが設けられ、凹状部141bの開口縁にはプレート120の底面の形状に沿うように傾斜面141cが形成されている。
【0126】
凹状部141bの底面には互いに周方向に間隔をおいて3箇所に受け皿本体141の下面まで貫通する貫通孔141dが設けられ、各貫通孔141dの下側にはそれぞれ座ぐり部が設けられている。また、各貫通孔141dには下方からアルミニウム、樹脂、セラミック等の非磁性体から形成された六角穴付きボルトからなるボルト141eがそれぞれ挿通し、各ボルト141eは蓄熱部材131の各ネジ孔131aにそれぞれ螺合している。即ち、蓄熱部材131は各ボルト141eによって受け皿本体141に取付けられている。また、各ボルト141eと各貫通孔141dとの間にはガラス繊維などの無機材料からなる耐熱ワッシャが設けられ、各ボルト141eから受け皿本体141に伝達される熱を遮断するようになっている。
【0127】
また、凹状部141bの底面には互いに間隔をおいて3箇所に受け皿本体141の下面まで貫通する貫通孔141fが設けられ、各貫通孔141fは各貫通孔141dと周方向に交互に配置されている。さらに、各貫通孔141fには下方からアルミニウム、樹脂、セラミック等の非磁性体から形成された六角穴付きボルトからなる当接部材としての調整ボルト141gがそれぞれ挿通し、各調整ボルト141gは蓄熱部材131の各ネジ孔131aにそれぞれ上下方向に移動自在に螺合している。
【0128】
断熱部材142はフッ素樹脂、アラミド樹脂などの耐熱性の樹脂やガラス繊維などの無機材料からなり、断熱部材142の上端面側が蓄熱部材131の下面及び蓄熱部材131の外周面のうち下側の外周面に沿うように形成されるとともに、断熱部材142の下端面側が受け皿本体141の凹状部141bに沿うように形成されている。また、断熱部材142は各ボルト141e及び各調整ボルト141gを上下方向に挿通可能になっている。
【0129】
以上の構成においては、受け皿140をプレート120が載置された状態で周知の電磁誘導加熱器IHに載置し、電磁誘導によって蓄熱部材131及びプレート120を加熱する。
【0130】
蓄熱部材131及びプレート120を所定の温度まで加熱した後、受け皿140をプレート120を載置した状態で電磁誘導加熱器IHから取外す。次に、プレート120に半調理状態の食材FDを載置し、食材FDの加熱が行われている状態で客席に提供する。これにより、客席に提供するまでの間に食材FDの加熱調理が完了し、客席に調理完了直後の料理を提供することができる。この際、蓄熱部材131の周面及び下面は受け皿本体141によって被覆されるとともに、蓄熱部材131の上面にはプレート120が載置されているので、蓄熱部材131の外気と接触する面積が小さく、蓄熱部材131及び蓄熱部材131の熱が伝達されるプレート120の温度低下を抑制することができる。
【0131】
また、前述のように食材FDを加熱調理した料理は、食事中においても蓄熱部材131によって温められる。
【0132】
さらに、蓄熱部材131と受け皿本体141との間に断熱部材142が設けられているので、断熱部材142の断熱作用により、蓄熱部材131の温度低下を効率的に抑制することができる。また、受け皿本体141の下面の温度上昇も抑制することができるので、調理作業や料理の提供の際における利便性や安全性が損なわれることがない。
【0133】
また、図37に示すように、各調整ボルト141gを蓄熱部材131に対して上方に移動させることにより、各調整ボルト141gがプレート120の底面に下方から当接し、プレート120と蓄熱部材131との間に隙間を設けることができる。これにより、蓄熱部材131からプレート120に伝達される熱量を調整することができる。即ち、電磁誘導加熱器IHによるプレート120及び蓄熱部材131の加熱時間を一定にした場合でも、プレート120に載置する食材FDの加熱条件を食材FDの種類によって変更することができる。
【0134】
このように、本実施形態によれば、蓄熱部材131の周面及び下面を受け皿本体141によって被覆するとともに、蓄熱部材131の上面にはプレート120を載置し、蓄熱部材131の外気と接触する面積を小さくしたので、蓄熱部材131及び蓄熱部材131の熱が伝達されるプレート120の温度低下が抑制され、調理人がプレート120に食材FDを載置するまでの時間の個人差や外気の温度状態によらず、食材FDの加熱調理を常に安定した温度で行うことができる。また、食事中においても、前述と同様に蓄熱部材131及び蓄熱部材131の熱が伝達されるプレート120の温度低下が抑制されるため、料理を温かい状態で長時間保持することができる。
【0135】
また、蓄熱部材131の周面及び下面を受け皿本体141によって被覆するようにしたので、蓄熱部材131及びプレート120を加熱した後、プレート120を底面に蓄熱部材131が接触した状態で持ち運ぶことができ、調理作業や料理の提供の際における利便性に優れている。
【0136】
さらに、蓄熱部材131と受け皿本体141との間に断熱部材142が設けられているので、断熱部材142の断熱作用により、蓄熱部材131の温度低下を効率的に抑制することができ、食材FDを加熱調理する際の温度をより安定させることができるとともに、料理の温度を温かい状態でより長時間保持することができる。また、受け皿本体141の下面の温度上昇も抑制することができるので、調理作業や料理の提供の際における利便性や安全性の面においても極めて有利である。
【0137】
さらに、各調整ボルト141gを回転させることにより、プレート120と蓄熱部材131との間に隙間を設けることができるようにしたので、蓄熱部材131からプレート120に伝達される熱量を調整することができる。即ち、電磁誘導加熱器IHによるプレート120及び蓄熱部材131の加熱時間を一定にした場合でも、プレート120に載置する食材FDの加熱条件を食材FDの種類によって変更することができ、調理作業の効率化を図る上で極めて有利である。
【0138】
尚、本実施形態では、ボルト141e及び調整ボルト141gをアルミニウム、樹脂、セラミック等の非磁性体から形成したものを示したが、鉄等の強磁性体から形成することも可能である。
【0139】
図38乃至図41は本発明の第12の実施形態を示すもので、図38は蓄熱部材及びプレートを電磁誘導加熱器によって加熱する状態を示す食品加熱用皿の側面断面図、図39は食品加熱用皿の平面図、図40は食品加熱用皿の構成部品を示す側面断面図、図41は蓄熱部材に対してプレートを上方に移動させた状態を示す食品加熱用皿の側面断面図である。尚、第10の実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0140】
本実施形態の食品加熱用皿は、第10の実施形態と同様のプレート120と、プレート120を載置する受け皿150とを備えている。
【0141】
受け皿150は、第10の実施形態と同様の蓄熱部材131と、蓄熱部材131の周面及び下面を被覆する受け皿本体151とから構成されている。
【0142】
受け皿本体151は木、樹脂、ゴム、セラミック等の断熱性を有する非磁性体からなり、蓄熱部材131の周面及び下面を被覆するように形成されている。受け皿本体151の外周面には2箇所に径方向に延びる把持部151aが形成され、把持部151aを持って受け皿150及びプレート120を持ち運びするようになっている。また、受け皿本体151の上端面側には蓄熱部材131を挿入可能な凹状部151bが設けられ、凹状部151bの開口縁にはプレート120の底面の形状に沿うように傾斜面151cが形成されている。
【0143】
凹状部151bの底面には互いに周方向に間隔をおいて3箇所に受け皿本体151の下面まで貫通する貫通孔151dが設けられ、各貫通孔151dの上側にはそれぞれ座ぐり部が設けられている。また、各貫通孔151dには上方からそれぞれアルミニウム、樹脂、セラミック等の非磁性体から形成された六角穴付きボルトからなる螺合部材としてのボルト151eが挿入され、各ボルト151eの上端部側は蓄熱部材131の各ネジ穴131aにそれぞれ上下方向に移動自在に螺合するとともに、各ボルト151eの下端部側は各貫通孔151dの座ぐり部の上端面にそれぞれ当接している。即ち、蓄熱部材131は各ボルト151eによって受け皿本体151に支持され、各ボルト151dを回転させることにより、蓄熱部材131が受け皿本体151に対して上下方向に移動するようになっている。
【0144】
また、凹状部151bの底面には互いに間隔をおいて3箇所に受け皿本体151の下面まで貫通する貫通孔151fが設けられ、各貫通孔151fの下側にはそれぞれ座ぐり部が設けられるとともに、各貫通孔151fは各貫通孔151dと周方向に交互に配置されている。さらに、各貫通孔151fには下方からそれぞれアルミニウム、樹脂、セラミック等の非磁性体から形成された六角穴付きボルトからなる当接部材としての調整ボルト151gが挿通し、各調整ボルト151gの上端部側は蓄熱部材131の各ネジ孔131aにそれぞれ上下方向に移動自在に螺合している。また、各調整ボルト151gの下端部側が座ぐり部に当接するため、蓄熱部材131は受け皿本体151に対する上方への移動を規制されている。
【0145】
以上の構成においては、受け皿150をプレート120が載置された状態で周知の電磁誘導加熱器IHに載置し、電磁誘導によって蓄熱部材131及びプレート120を加熱する。
【0146】
蓄熱部材131及びプレート120を所定の温度まで加熱した後、受け皿150をプレート120を載置した状態で電磁誘導加熱器IHから取外す。次に、プレート120に半調理状態の食材FDを載置し、食材FDの加熱が行われている状態で客席に提供する。これにより、客席に提供するまでの間に食材FDの加熱調理が完了し、客席に調理完了直後の料理を提供することができる。この際、蓄熱部材131の周面及び下面は受け皿本体151によって被覆されるとともに、蓄熱部材131の上面にはプレート120が載置されているので、蓄熱部材131の外気と接触する面積が小さく、蓄熱部材131及び蓄熱部材131の熱が伝達されるプレート120の温度低下を抑制することができる。
【0147】
また、前述のように食材FDを加熱調理した料理は、食事中においても蓄熱部材131によって温められる。
【0148】
さらに、各ボルト151eを回転させて蓄熱部材131を受け皿本体151に対して上方に移動させることにより、蓄熱部材131と受け皿本体151との間に隙間を設けることができる。これにより、蓄熱部材131と受け皿本体151との間の空気による断熱作用により、蓄熱部材131の温度低下を効率的に抑制することができる。また、受け皿本体151の下面の温度上昇も抑制することができるので、調理作業や料理の提供の際における利便性や安全性が損なわれることがない。
【0149】
また、図41に示すように、各調整ボルト151gを蓄熱部材131に対して上方に移動させることにより、各調整ボルト151gがプレート120の底面に下方から当接し、プレート120と蓄熱部材131との間に隙間を設けることができる。これにより、蓄熱部材131からプレート120に伝達される熱量を調整することができる。即ち、電磁誘導加熱器IHによるプレート120及び蓄熱部材131の加熱時間を一定にした場合でも、プレート120に載置する食材FDの加熱条件を食材FDの種類によって変更することができる。
【0150】
このように、本実施形態によれば、蓄熱部材131の周面及び下面を受け皿本体151によって被覆するとともに、蓄熱部材131の上面にはプレート120を載置し、蓄熱部材131の外気と接触する面積を小さくしたので、蓄熱部材131及び蓄熱部材131の熱が伝達されるプレート120の温度低下が抑制され、調理人がプレート120に食材FDを載置するまでの時間の個人差や外気の温度状態によらず、食材FDの加熱調理を常に安定した温度で行うことができる。また、食事中においても、前述と同様に蓄熱部材131及び蓄熱部材131の熱が伝達されるプレート120の温度低下が抑制されるため、料理を温かい状態で長時間保持することができる。
【0151】
また、蓄熱部材131の周面及び下面を受け皿本体151によって被覆するようにしたので、蓄熱部材131及びプレート120を加熱した後、プレート120を底面に蓄熱部材131が接触した状態で持ち運ぶことができ、調理作業や料理の提供の際における利便性に優れている。
【0152】
さらに、各ボルト151eによって蓄熱部材131を受け皿本体151に対して上方に移動させると、蓄熱部材131と受け皿本体151との間に隙間が設けられるので、蓄熱部材131と受け皿本体との間の空気による断熱作用により、蓄熱部材131の温度低下を効率的に抑制することができる。即ち、食材FDを加熱調理する際の温度をより安定させることができるとともに、料理の温度を温かい状態でより長時間保持することができる。また、受け皿本体151の下面の温度上昇も抑制することができるので、調理作業や料理の提供の際における利便性や安全性の面においても極めて有利である。
【0153】
さらに、各調整ボルト151gを回転させることにより、プレート120と蓄熱部材131との間に隙間を設けることができるようにしたので、蓄熱部材131からプレート120に伝達される熱量を調整することができる。即ち、電磁誘導加熱器IHによるプレート120及び蓄熱部材131の加熱時間を一定にした場合でも、プレート120に載置する食材FDの加熱条件を食材FDの種類によって変更することができ、調理作業の効率化を図る上で極めて有利である。
【0154】
尚、本実施形態では、ボルト151eを3本設けたものを示したが、ボルト151eを1本、2本または4本以上とすることも可能である。
【0155】
また、本実施形態では、ボルト151e及び調整ボルト151gをアルミニウム、樹脂、セラミック等の非磁性体から形成したものを示したが、鉄等の強磁性体から形成することも可能である。
【0156】
図42及び図43は本発明の第13の実施形態を示すもので、図42は蓄熱部材及びプレートを電磁誘導加熱器によって加熱する状態を示す食品加熱用皿の側面断面図、図43は食品加熱用皿の構成部品を示す側面断面図である。尚、第11の実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0157】
本実施形態の食品加熱用皿は、食材FDを載置するプレート160と、プレート160を載置する受け皿170とを備えている。
【0158】
プレート160は鋳鉄からなり、外周側が斜め上方に延びるように形成されるとともに、表面には黒色の耐熱塗料が塗られている。また、プレート160の底面の中央部には下方に延びるように円筒状の挿入部としての延設部160aが設けられている。
【0159】
受け皿170は、プレート160の底面に接触する蓄熱部材171と、蓄熱部材171の周面及び下面を被覆する受け皿本体172と、蓄熱部材171と受け皿本体172との間に設けられた第11の実施形態と同様の断熱部材142とから構成されている。
【0160】
蓄熱部材171は鉄等の強磁性体からなり、円板状に形成されている。また、蓄熱部材171の上面の中央部にはプレート160の延設部160aを挿入可能な凹状部171aが設けられ、凹状部171aの中央部には蓄熱部材171の下面まで貫通する貫通孔171bが設けられている。
【0161】
受け皿本体172は木、樹脂、ゴム、セラミック等の断熱性を有する非磁性体からなり、蓄熱部材171の周面及び下面を被覆するように形成されている。受け皿本体172の外周面には2箇所に径方向に延びる把持部172aが形成され、把持部172aを持って受け皿170及びプレート160を持ち運びするようになっている。また、受け皿本体172の上端面側には蓄熱部材171を挿入可能な凹状部172bが設けられ、凹状部172bの開口縁にはプレート160の底面の形状に沿うように傾斜面172cが形成されている。
【0162】
凹状部172bの底面の中央部には受け皿本体172の下面まで貫通する貫通孔172dが設けられ、貫通孔172dの下側にはアルミニウム、樹脂、セラミック等の非磁性体からなるナット172eが取付けられている。また、蓄熱部材171の貫通孔171b及び受け皿本体172の貫通孔172dには上方からフッ素樹脂などの樹脂によって形成された六角孔付きボルトからなる移動規制部材としてのボルト172fが挿通し、ボルト172fはナット172eに螺合している。即ち、ボルト172fによって蓄熱部材171が受け皿本体172に取付けられている。
【0163】
また、ボルト172eは、その上端部が蓄熱部材171の上面側に突出し、上端部はプレート160の延設部160aの内径よりもわずかに小さい外径に形成されている。即ち、蓄熱部材171にプレート160を載置すると、ボルト172eの上端部が延設部160aの内側に挿入されるようになっている。
【0164】
さらに、断熱部材142はボルト172fを上下方向に挿通可能になっている。
【0165】
以上の構成においては、受け皿170をプレート160が載置された状態で周知の電磁誘導加熱器IHに載置し、電磁誘導によって蓄熱部材171及びプレート160を加熱する。
【0166】
蓄熱部材171及びプレート160を所定の温度まで加熱した後、受け皿170をプレート160を載置した状態で電磁誘導加熱器IHから取外す。次に、プレート160に半調理状態の食材FDを載置し、食材FDの加熱が行われている状態で客席に提供する。これにより、客席に提供するまでの間に食材FDの加熱調理が完了し、客席に調理完了直後の料理を提供することができる。この際、蓄熱部材171の周面及び下面は受け皿本体172によって被覆されるとともに、蓄熱部材171の上面にはプレート160が載置されているので、蓄熱部材171の外気と接触する面積が小さく、蓄熱部材171及び蓄熱部材171の熱が伝達されるプレート160の温度低下を抑制することができる。
【0167】
また、前述のように食材FDを加熱調理した料理は、食事中においても蓄熱部材171によって温められる。
【0168】
この際、蓄熱部材171の熱がボルト172fに伝達されると、ボルト172fが熱膨張する。ここで、ボルト172fの上端部の外径が延設部160aの内径よりもわずかに小さい外径に形成されているとともに、ボルト172fは樹脂によって形成されており、プレート160を形成する鋳鉄と比べて熱膨張係数が大きいので、ボルト172fの上端部の外周面が延設部160aの内周面に径方向に当接し、ボルト172fによってプレート160が上方に移動しないように保持される。即ち、蓄熱部材171を加熱すると、プレート160を受け皿170に対して上方に移動しないように保持することができる。
【0169】
また、蓄熱部材171の温度が下がると、ボルト172fの上端部の外周面と延設部160aの内周面との当接が解除され、プレート160を取外すことができるようになる。
【0170】
このように、本実施形態によれば、蓄熱部材171の周面及び下面を受け皿本体172によって被覆するとともに、蓄熱部材171の上面にはプレート160を載置し、蓄熱部材171の外気と接触する面積を小さくしたので、蓄熱部材171及び蓄熱部材171の熱が伝達されるプレート160の温度低下が抑制され、調理人がプレート170に食材FDを載置するまでの時間の個人差や外気の温度状態によらず、食材FDの加熱調理を常に安定した温度で行うことができる。また、食事中においても、前述と同様に蓄熱部材171及び蓄熱部材171の熱が伝達されるプレート160の温度低下が抑制されるため、料理を温かい状態で長時間保持することができる。
【0171】
また、蓄熱部材171の周面及び下面を受け皿本体172によって被覆するようにしたので、蓄熱部材171及びプレート160を加熱した後、プレート160を底面に蓄熱部材171が接触した状態で持ち運ぶことができ、調理作業や料理の提供の際における利便性に優れている。
【0172】
さらに、ボルト172fの上端部の外径を延設部160aの内径よりもわずかに小さい外径に形成するとともに、ボルト172fをプレート160よりも熱膨張率の大きな材料から形成したので、蓄熱部材171の熱がボルト172fに伝達されてボルト172fが熱膨張すると、ボルト172fの上端部の外周面が延設部160aの内周面に径方向に当接し、ボルト172fによってプレート160を受け皿170に対して上方に移動しないように保持することができる。即ち、蓄熱部材171及びプレート160を加熱した状態において、プレート160を受け皿170から容易に取外すことができないため、安全性の向上を図る上で極めて有利である。
【0173】
また、蓄熱部材171の温度が下がるとプレート160を取外すことができるようになるので、調理作業を極めて効率的に行うことができる。
【0174】
図44は本発明の第14の実施形態を示す食品加熱用皿の側面断面図である。尚、第11の実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0175】
本実施形態の食品加熱用皿は、第11の実施形態と同様のプレート120と、プレート120を載置する受け皿180とを備えている。
【0176】
受け皿180は、プレート120の底面に接触する蓄熱部材181と、蓄熱部材181の周面及び下面を被覆する受け皿本体182と、蓄熱部材181と受け皿本体182との間に設けられた第11の実施形態と同様の断熱部材142とから構成されている。
【0177】
蓄熱部材181は鉄等の強磁性体からなり、円板状に形成されている。また、蓄熱部材181の外周面には互いに周方向に間隔をおいて3箇所にネジ穴181aが設けられている。
【0178】
受け皿本体182は木、樹脂、ゴム、セラミックなどの断熱性を有する非磁性体からなり、蓄熱部材181の周面及び下面を被覆するように形成されている。受け皿本体182の外周面には2箇所に形方向に伸びる把持部182aが形成され、把持部182aを持って受け皿180及びプレート120を持ち運びするようになっている。また、受け皿本体182の上端面側には蓄熱部材181を挿入可能な凹状部182bが設けられ、凹状部182bの開口縁にはプレート120の底面の形状に沿うように傾斜面182cが形成されている。
【0179】
凹状部182bの側面には互いに周方向に間隔をおいて3箇所に受け皿本体182の外周面まで貫通する貫通孔182dが設けられ、各貫通孔182dには受け皿本体182の径方向外側からアルミニウム、樹脂、セラミックなどの非磁性体からなるボルト182eがそれぞれ挿通している。また、各ボルト182eは蓄熱部材181の各ネジ穴181aに螺合するとともに、各ボルト182eは各貫通孔182dに上下方向に係合している。
【0180】
これにより、各ボルト182eによって蓄熱部材181が受け皿本体182に対して上方に移動しないように移動規制され、調理作業を行う際の作業性及び安全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0181】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す受け皿にプレートを載置する前の状態を示す食品加熱用皿の斜視図
【図2】プレートに食材を載置した後の状態を示す食品加熱用皿の斜視図
【図3】食品加熱用皿の側面断面図
【図4】食品加熱用皿の平面図
【図5】食品加熱用皿の下面図
【図6】受け皿の平面図
【図7】図6におけるA−A線断面図
【図8】図6におけるB−B線断面図
【図9】蓄熱部材を電磁誘導加熱器によって加熱する状態を示す食品加熱用皿の側面断面図
【図10】蓄熱部材を電磁誘導加熱器によって加熱する状態を示す食品加熱用皿の下面図
【図11】蓄熱部材を電熱器によって加熱する状態を示す食品加熱用皿の側面断面図
【図12】本発明の第2の実施形態を示す食品加熱用皿の要部側面断面図
【図13】食品加熱用皿の要部平面図
【図14】プレートを受け皿に載置する前の状態を示す食品加熱用皿の要部側面断面図
【図15】本発明の第3の実施形態を示す食品加熱用皿の要部側面断面図
【図16】食品加熱用皿の要部平面図
【図17】プレートを受け皿に載置する前の状態を示す食品加熱用皿の要部側面断面図
【図18】本発明の第4の実施形態を示す食品加熱用皿の要部側面断面図
【図19】本発明の第5の実施形態を示す食品加熱用皿の側面断面図
【図20】本発明の第6の実施形態を示す食品加熱用皿の側面断面図
【図21】本発明の第7の実施形態を示す食品加熱用皿の側面断面図
【図22】本発明の第8の実施形態を示す食品加熱用皿の側面断面図
【図23】食品加熱用皿の下面図
【図24】本発明の第9の実施形態を示す食品加熱用皿の側面断面図
【図25】食品加熱用皿の平面図
【図26】食品加熱用皿の下面図
【図27】蓄熱部材を電磁誘導加熱器によって加熱する状態を示す食品加熱用皿の側面断面図
【図28】蓄熱部材を電磁誘導加熱器によって加熱する状態を示す食品加熱用皿の下面図
【図29】本発明の第10の実施形態を示す蓄熱部材及びプレートを電磁誘導加熱器によって加熱する状態を示す食品加熱用皿の側面断面図
【図30】食品加熱用皿の平面図
【図31】食品加熱用皿の構成部品を示す側面断面図
【図32】蓄熱部材に対してプレートを上方に移動させた状態を示す食品加熱用皿の側面断面図
【図33】本発明の第11の実施形態を示す蓄熱部材及びプレートを電磁誘導加熱器によって加熱する状態を示す食品加熱用皿の側面断面図
【図34】食品加熱用皿の平面図
【図35】食品加熱用皿の要部側面断面図
【図36】食品加熱用皿の構成部品を示す側面断面図
【図37】蓄熱部材に対してプレートを上方に移動させた状態を示す食品加熱用皿の側面断面図
【図38】本発明の第12の実施形態を示す蓄熱部材及びプレートを電磁誘導加熱器によって加熱する状態を示す食品加熱用皿の側面断面図
【図39】食品加熱用皿の平面図
【図40】食品加熱用皿の構成部品を示す側面断面図
【図41】蓄熱部材に対してプレートを上方に移動させた状態を示す食品加熱用皿の側面断面図
【図42】本発明の第13の実施形態を示す蓄熱部材及びプレートを電磁誘導加熱器によって加熱する状態を示す食品加熱用皿の側面断面図
【図43】食品加熱用皿の構成部品を示す側面断面図
【図44】本発明の第14の実施形態を示す食品加熱用皿の側面断面図
【符号の説明】
【0182】
10…プレート、10b…係止部、20…受け皿、21…蓄熱部材、22…受け皿本体、23…支持部材、23b…径方向凸部、24…開閉部材、23a…底板、25…サーモシール、30…プレート、30a…屈曲部、30b…板状部材、31…受け皿、32…傾斜面、32b…径方向凸部、40…プレート、40a…屈曲部材、41…受け皿、42…支持部材、42b…径方向凸部、50…プレート、50a…リング状部材、51…受け皿、52…支持部材、52b…磁石、60…受け皿、61…蓄熱部材、62…受け皿本体、70…蓄熱部材、71…ボス、72…円板、73…円板、80…受け皿、81…蓄熱部材、82…受け皿本体、90…受け皿、91…蓄熱部材、92…受け皿本体、93…底板、100…プレート、110…受け皿、111…蓄熱部材、112…受け皿本体、113…開閉部材、114…サーモシール、120…プレート、130…受け皿、131…蓄熱部材、131a…ネジ孔、132…受け皿本体、132h…調整ボルト、140…受け皿、141…受け皿本体、141g…調整ボルト、142…断熱部材、143…断熱ワッシャ、150…受け皿、151…受け皿本体、151e…ボルト、151g…調整ボルト、160…プレート、160a…延設部、170…受け皿、171…蓄熱部材、172…受け皿本体、172f…ボルト、180…受け皿、181…蓄熱部材、181a…ネジ穴、182…受け皿本体、FD…食材、IH…電磁誘導加熱器、EH…電熱器。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
食材を載置するプレートと、プレートを載置する受け皿とを備え、プレートを加熱することにより食材を加熱調理するようにした食品加熱用皿において、
前記受け皿を、上面側がプレートの底面に接触する蓄熱部材と、蓄熱部材の周面を覆う断熱性の受け皿本体とから構成し、蓄熱部材の下面側を受け皿の下方から所定の加熱手段によって加熱可能に形成した
ことを特徴とする食品加熱用皿。
【請求項2】
前記蓄熱部材を、電磁誘導を用いた加熱手段によって加熱可能な材料から形成した
ことを特徴とする請求項1記載の食品加熱用皿。
【請求項3】
前記受け皿に蓄熱部材の下面側を開閉する断熱性の開閉部材を設けた
ことを特徴とする請求項1または2記載の食品加熱用皿。
【請求項4】
前記受け皿に蓄熱部材を上下方向に移動可能に設けるとともに、開閉部材を開放すると蓄熱部材が下方に移動するように構成した
ことを特徴とする請求項3記載の食品加熱用皿。
【請求項5】
前記受け皿を、プレートを載置せずに他の受け皿を上面に載置すると、蓄熱部材の上面が上側の受け皿の蓄熱部材の下面と接触するように形成した
ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の食品加熱用皿。
【請求項6】
前記受け皿とプレートとを係合する係合手段を設けた
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の食品加熱用皿。
【請求項7】
前記係合手段を、プレートに互いに周方向に間隔をおいて設けた複数の第1係止部と、受け皿に互いに周方向に間隔をおいて設けた複数の第2係止部とから構成し、第1係止部と第2係止部とを互いに周方向に位置を合わせることにより互いに係止し、互いに周方向に位置をずらすことにより係止解除するするように形成した
ことを特徴とする請求項6記載の食品加熱用皿。
【請求項8】
前記係合手段を、プレートの外周面側に互いに周方向に間隔をおいて設けた複数の係止片と、受け皿の外周面に設けた径方向凸部とから構成し、係止片を径方向内側に変形させると径方向凸部と係止するように形成した
ことを特徴とする請求項6記載の食品加熱用皿。
【請求項9】
前記係止片を、プレートを加熱すると径方向内側に変形する形状記憶材料から形成した
ことを特徴とする請求項8記載の食品加熱用皿。
【請求項10】
前記係止片を、プレートを加熱すると径方向内側に変形するバイメタル構造体から形成した
ことを特徴とする請求項8記載の食品加熱用皿。
【請求項11】
前記プレートを磁石の吸着力により受け皿の所定位置に保持するように構成した
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の食品加熱用皿。
【請求項12】
前記プレートを、加熱することによって遠赤外線を放射する材料から形成した
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11記載の食品加熱用皿。
【請求項13】
前記受け皿に受け皿本体の温度を表示する温度表示部を設けた
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12記載の食品加熱用皿。
【請求項14】
前記温度表示部を、受け皿本体の温度が所定の温度に満たない場合には受け皿本体と同様の色彩となり、受け皿本体の温度が所定の温度以上の場合には受け皿本体と異なる色彩となるサーモラベルから形成した
ことを特徴とする請求項13記載の食品加熱用皿。
【請求項15】
前記蓄熱部材を、上下方向に積層された複数の板状部材から形成した
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14記載の食品加熱用皿。
【請求項16】
前記各板状部材同士を連結する連結部材を備えた
ことを特徴とする請求項15記載の食品加熱用皿。
【請求項17】
前記受け皿本体を受け皿の下面から蓄熱部材の下面までの距離が4mm以下となるように形成した
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16記載の食品加熱用皿。
【請求項18】
食材を載置するプレートと、プレートを載置する受け皿とを備え、プレートを加熱することにより食材を加熱調理するようにした食品加熱用皿において、
前記受け皿を、上面側がプレートの底面に接触する蓄熱部材と、蓄熱部材の周面を覆う断熱性の受け皿本体とから構成し、蓄熱部材を受け皿本体に着脱自在に設けた
ことを特徴とする食品加熱用皿。
【請求項19】
前記受け皿本体を蓄熱部材の下面を覆うように形成した
ことを特徴とする請求項1、2または18記載の食品加熱用皿。
【請求項20】
前記受け皿本体を蓄熱部材の下面の少なくとも一部と非接触に形成した
ことを特徴とする請求項19記載の食品加熱用皿。
【請求項21】
前記受け皿本体と蓄熱部材との間に断熱部材を設けた
ことを特徴とする請求項1、2、18、19または20記載の食品加熱用皿。
【請求項22】
前記蓄熱部材に対してプレートを上下方向に移動させるプレート移動機構を備えた
ことを特徴とする請求項1、2、18、19、20または21記載の食品加熱用皿。
【請求項23】
前記プレート移動機構を、蓄熱部材に上下方向に移動自在に螺合するとともに、プレートに下方から当接可能な当接部材によって形成した
ことを特徴とする請求項22記載の食品加熱用皿。
【請求項24】
前記受け皿本体に蓄熱部材を上下方向に移動可能に設けるとともに、蓄熱部材を上下方向に移動させる蓄熱部材移動機構を備えた
ことを特徴とする請求項1、2、18、19、20、21、22または23記載の食品加熱用皿。
【請求項25】
前記蓄熱部材移動機構を、受け皿本体によって下方への移動を規制されるとともに、蓄熱部材に上下方向に移動自在に螺合する螺合部材によって形成した
ことを特徴とする請求項24記載の食品加熱用皿。
【請求項26】
前記蓄熱部材の受け皿本体に対する上方への移動を規制するとともに、上端部が蓄熱部材の上面側から上方に突出するように形成され、プレートよりも熱膨張率の大きい材料からなる移動規制部材を備え、
プレートの底面に移動規制部材の上端部を挿入可能に形成された挿入部を設け、挿入部の幅方向の内形を移動規制部材の上端部の外形とほぼ同等の大きさに形成した
ことを特徴とする請求項1、2、18、19、20、21、22、23、24または25記載の食品加熱用皿。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【公開番号】特開2007−117101(P2007−117101A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−17252(P2005−17252)
【出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【出願人】(398051408)チムニー株式会社 (3)
【出願人】(300054631)有限会社エフ・テイ・イノベーション (14)
【Fターム(参考)】