説明

食用油再生装置

【課題】揚げ物を大量に揚げるためのフライヤーに使用されている食用油を、フライヤー使用中に再生し、該再生された食用油を再びフライヤーに戻す食用油再生装置において、食用油の再生を効率的に行えるようにする。
【解決手段】食用油再生装置を、再生剤が投入された再生槽と、該再生槽にフライヤーで使用された食用油を供給する供給ポンプと、該再生槽に振動を与える振動発生器とを備えたものに構成し、再生槽の底部から食用油を流入させ、振動発生器によって振動を与えることで再生槽内で食用油と再生剤とを混合させ、これによって食用油を再生させた後に食用油を再生槽上部から流出させるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用済みの食用油あるいは使用により劣化した食用油を再生して再使用できるようにする食用油再生装置の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、食品工場や飲食店等で天ぷら等の揚げ物食品を製造する場合に使用する食用油は、揚げ物を揚げ続けるにつれて酸化したり異物が混入するなどして劣化が進み、除々に濁りが生じたり臭気を発したりする状態となる。そして、このような状態となったままの食用油で揚げ物を揚げ続けると揚げ物の外観も次第に悪くなりまた食感も低下して、全体として揚げ物の品質の劣化を招くことになり、使用には不向きな状態となる。そしてこのような状態となった場合、使用済みの油として廃棄して新しい油を使用するのが従来の一般的な方法であった。
【0003】
しかしながら、使用済みの食用油を全て廃棄して新しいものと交換したのではコスト面で問題であるだけでなく、廃棄物の増加にも繋がり、自然環境の悪化を招くと共に資源を無駄に消費することになって好ましくない。
【0004】
そこで、特許文献1に記載されているように、再生槽に移した劣化した食用油を、再生剤(吸着剤)と共に再生槽に投入した状態で、該再生槽を回転させることにより攪拌して該再生剤に食用油中の劣化成分を吸着させ、しかる後、劣化成分の吸着が完了した再生食用油を、遠心力をかけることで濾過フィルタを通過させて食用油中の吸着剤や他の異物を除去し、該濾過後の食用油を貯蔵槽に貯蓄して、食用油の再使用に供するように構成したものが知られている。
【0005】
また、特許文献2に記載されているように、油透過性のある部材によって形成され、内部に濾過部材及び再生剤が配設された油再生槽を食用油槽(フライヤー)内に配設して、該油再生槽に使用中の食用油を吐出せしめて、再生剤による食用油の酸化成分の吸着除去を行い、該吸着除去された後の食用油が濾過部材を透過して食用油槽に戻るように構成されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−131571号公報
【特許文献2】実用新案登録第3126596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記先行技術のうち、特許文献1のものは、劣化した食用油を全て油再生槽に移した後に油再生作業を行い、しかる後、再生された食用油を貯蔵槽に貯蔵する構成となっている所謂バッチ処理であるため、食品を連続して揚げることのできるフライヤー等で揚げ物を揚げながらフライヤー内の食用油を連続的に再生することは出来ず、フライヤーが稼動休止している間にフライヤー内の食用油を油再生槽に移した上での作業となり、この結果、どうしても作業は時間的な制約を受けることになる。のみならず、揚げ物を揚げているあいだにも食用油の劣化は進行していくが、フライヤー稼動中、食用油の再生作業を同時進行的に行おうとするには、フライヤー中の食用油を汲み出した減量状態とし、ここに再生処理した食用油を継ぎ足す一方、前記汲み出した劣化食用油を再生槽に供給して再生処理をするという過程を踏まなければならず、面倒且つ煩雑な作業がしいられ、作業性に劣るという問題がある。
【0008】
これに対し、特許文献2のものは、フライヤー稼動中にフライヤー内の食用油を連続して再生する作業を行うことはできるものの、このものは、食用油が透過できる再生槽の内周面に濾過部材を張設すると共に該濾過部材の内部に再生剤を投入した状態で、フライヤー内の油面よりも再生槽の油面が高くなるよう再生槽にポンプで食用油を供給し、該供給された食用油が再生剤で再生処理を受けさらに濾過部材で濾過されたものとなってフライヤー内に再供給する構成にしている。このため、このものは、食用油が再生剤による再生処理を受けるには、フライヤー内の油面よりも油面が高い分の油量の重さを圧力として受けることで、自重沈下している再生剤を通り抜ける必要があるが、この通り抜けは、再生能力を高めるべく再生剤の粒度を小さくして再生剤の表面積を大きくするほど困難になり、この結果、再生処理能力が劣るという問題がある。しかもこのものでは再生槽から溢れ出した再生処理を受けていない食用油を補助再生槽に供給し、ここで処理をしてフライヤーに返すようにしているため、再生装置自体が大型化するという問題もあり、これらに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、使用された食用油を再生する食用油再生装置であって、該食用油再生装置は、該使用された食用油を再生する再生剤が投入された再生槽と、該再生槽に使用された食用油を供給する供給ポンプと、該再生槽に振動を与える振動発生器とを備えて構成され、再生槽は、供給ポンプのポンプ圧を受けて槽底部の流入口から槽内に流入した使用された食用油が、振動発生器の振動を受けて再生剤と共に振動しながら上昇することで再生剤を通過し、再生槽上部の流出口から流出するように構成したことを特徴とする食用油再生装置である。
請求項2の発明は、再生槽は円筒状であり、槽下部に形成される流入口には、反流入口側端部が封止された中空の吐出管が槽底面に沿うようにして接続され、該吐出管の上側には複数の吐出口が形成されていることを特徴とする請求項1記載の食用油再生装置である。
請求項3の発明は、流入口から再生槽に流入した使用された食用油は、流入側濾過フィルターによって濾過されたものが再生処理され、該再生処理された食用油は、さらに流出側濾過フィルターによって濾過されるように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の食用油再生装置である。
請求項4の発明は、再生槽の下流側には、再生処理された食用油を脱色するための脱色剤が投入された脱色槽が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3何れか1記載の食用油再生装置である。
請求項5の発明は、脱色槽は、前記振動発生器の振動を受けて振動するように構成されていることを特徴とする請求項4記載の食用油再生装置である。
請求項6の発明は、供給ポンプは、食料を揚げているフライヤーから使用された食用油を吸引して再生槽に供給して再生処理したものを、さらに脱色槽に供給して脱色処理し、該再生及び脱色処理された食用油を再びフライヤーに戻すポンプ力を備えていることを特徴とする請求項4または5記載の食用油再生装置である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明とすることにより、再生槽の底部からポンプ圧を受けて流入した使用された食用油が、振動発生器による振動を再生剤と共に受けながら強制的に上昇することになる結果、再生剤は、振動と食用油の上昇作用を受けることになって食用油の中において自重沈下することなく浮遊状態となって食用油と均等状態でよく混ざり合い、食用油の再生処理を効率よく行うことができる。
請求項2の発明とすることにより、使用された食用油の槽内流入が、再生槽の下部から広く行われることになって、再生剤の使用された食用油との均等な混ざり合いがより促進され、再生効率が一段と高いものになる。
請求項3の発明とすることにより、使用された食用油中に混入している異物が流入側濾過フィルター及び流出側濾過フィルターによって二段階で濾過されるため、異物の除去を確実に行うことが出来る。
請求項4の発明とすることにより、再生槽で再生された食用油をさらに脱色槽で脱色することができて、より確実な使用された食用油の再生処理を行うことが出来る。
請求項5の発明とすることにより、脱色槽における使用された食用油と脱色剤との混合促進は、再生槽を振動させるための振動発生器の有効利用によって行うことができ、コンパクト化に寄与することが出来る。
請求項6の発明とすることにより、フライヤーが稼動しているあいだであっても該フライヤー内の食用油を再生して再びフライヤー内に戻すことができて、フライヤーの食用油を常に均一な品質のものとすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(A)、(B)は、それぞれ食用油再生装置の正面図、側面図である。
【図2】(A)〜(C)は、それぞれ食用油再生装置の平面図、正面図、側面図である。
【図3】食用油再生装置とフライヤーとが配管によって連結した様子を示す平面図である。
【図4】(A)、(B)は、それぞれ再生槽、脱色槽の側面断面図である。
【図5】(A)、(B)は、それぞれ再生槽、脱色槽の流入口に接続される第一、第二吐出管の形態を示す平面図である。
【図6】フライヤー及び食用油再生装置における食用油の流れを示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1〜図3において、1は食用油再生装置であって、該食用油再生装置1は、フライヤー2に満たされた食用油を第一パイプ(配管)3の一端部に設けたフィルター3aを介して吸引するためのトロコイド式の供給ポンプ4と、該供給ポンプ4の駆動によって吸引された食用油が供給ポンプ4の吐出口に接続された第一パイプ3の後半部3bを介して供給される有底円筒状の再生槽(吸着槽)5と、該再生槽5の外周面に取付けられ、該再生槽5に振動を与えるための振動発生器6と、該再生槽5で後述するように再生処理(吸着処理)された再生食用油が第二パイプ7を介して供給される脱色槽8と、該脱色槽8でさらに脱色処理を受けた食用油が第三パイプ9を介して供給される濾過フィルター10とを備え、該濾過フィルター10によってさらに濾過処理された食用油は第四パイプ11を介してフライヤー2に戻し供給されるようになっている。尚、12は、これら供給ポンプ4、再生槽5、分銅式の振動発生器6、脱色槽8、濾過フィルター10を内装する台座ケースであり、12aは該台座ケース12に設けられる開閉扉、12bは食用油再生装置を制御するための制御盤が格納された制御盤格納部、12cは台座ケース12と再生槽5、脱色槽8とのあいだに介装されるダンパである。尚、供給ポンプ4はトロコイド式に限定されず、また振動発生器7は分銅式に限定されず、通常知られたものを採用することができる。
【0013】
前記再生槽5は、図4に示すように、内外二重筒槽として形成されているが、槽底部に流入口5aが設けられ、該流入口5aに第一パイプ3の後半部3bが接続されていて、供給ポンプ4からのポンプ圧を受けた食用油が流入するようになっている。流入口5aには、再生槽5の底面5bの上側にあって該底面5bと略平行かつ該底面5bの中心部を通るようにして円筒状の第一吐出管(本発明の吐出管に相当する。)13が接続されるが、該第一吐出管13は、図5(A)に示すように、反流入口側端部13aが封止され、上側部13bには複数の第一吐出口13c(本発明の吐出口に相当する。)が軸方向に一列に形成されている。そして、供給ポンプ4によるポンプ圧を受けた食用油は、該第一吐出口13cから槽底面全域に亘って広く吐出されるようになっている。さらに第一吐出管13の上部には、第一吐出口13cから吐出された食用油に含まれる比較的大きな異物の進入を妨げる円盤状のパンチングメタルからなる第一メタルフィルター14が、該第一メタルフィルター14の上部にはさらに細かい異物を濾過するための不織布等の布材で形成された第一布フィルター15がそれぞれ再生槽5の底部全域を濾過膜として覆うように設けられている。
【0014】
そして、さらに再生槽5の上部にも同じく不織布等の布材で形成された第二布フィルター16、第三布フィルター17がそれぞれ再生槽5の天井部全域を濾過膜として覆うように設けられている。
前記第一布フィルター15と第二布フィルター16とのあいだには槽内に供給された食用油を再生するため粉状(パウダー状)の再生剤18が直接投入されており、第一吐出口13cを介して再生槽5に流入し、第一メタルフィルター14、第一布フィルター15を通過した食用油が、再生槽5で再生剤(吸着剤)18と混合し、再生処理を受けるようになっている。
【0015】
ここで、使用される再生剤18としては、人体に影響を及ぼさないものであることが必要であるが、そのようなものとして活性白土、シリカマグネシア、活性シリカ、活性アルミナ、アタパルジャイト、パーライト、ベントナイト、焼成アルミナ、焼成カルシウム等の通常知られた油の精製剤である吸着剤から選択することができ、これらの単体または混合物を用いることができる。そしてこのような再生剤は、再生する食用油との接触面積を大きくして再生能力を高めるため、粒径が小さいものが好ましい。
【0016】
そして再生槽5内では、食用油と再生剤18が混ざり合って食用油の再生がなされることになるが、この場合、再生槽5内では、底部からポンプ圧を受けて流入した食用油が、振動発生器6で発生した振動を再生剤18と共に受けながら強制的に上昇することになる結果、再生剤18は、振動作用と食用油の上昇作用を受けることになって食用油の中において自重沈下することなく浮遊状態となって食用油と均等状態でよく混ざり合い、食用油の再生処理を効率よく行うことができる。ここにおいて振動発生器6を停止した状態で食用油の供給をした場合、当初は混ざり合うが、そのうち食用油が再生剤18を押しのけた状態となって流路が形成され、この流路を湧き水が川底から湧き出すような状態となって上昇することになる結果、食用油の再生剤18に対する接触が低下し高い再生能力を発揮できないことが確かめられ、この状態からでも、前記振動発生器6の振動を与えると前記流路が破壊されて食用油と均等状態でよく混ざり合う状態になることが確認されている。因みに、逆にあまり振動が激しすぎると再生剤が該激しい振動に追随することができず、好適な混ざり合いが行われないことが確認されている。
【0017】
このようにして再生槽5で再生剤18による再生処理(吸着処理)が行われた後の食用油は、再生槽5の上部に設けられた第二、第三布フィルター16、17及び第二メタルフィルター19を通過した後に再生槽上部に形成された流出口5cに連結された第二パイプ7を通って脱色槽8の底部8aに供給される。脱色槽8は再生槽5と略同じ構造となっており、底部8aに設けられた流入口8aには、脱出槽8の底面8bの上側にあって、該底面8bと略平行かつ該底面8bの中心部を通るようにして円筒状の第二吐出管20が接続されている。該第二吐出管20は、図5(B)に示すように、反流入側端部20aが封止され、上側部20bには複数の第二吐出口20cが軸方向に一列に形成されている。そして、該第二吐出口20cから槽底面全域に亘って広く吐出され、再生槽5と同様、第三メタルフィルター21、第四布フィルター22を通過した後に脱色槽8の槽内に向けて上昇するようになっている。
【0018】
脱色槽8は、再生槽5に設けた振動発生器6の振動をダンパ12cを介して副次的に受けて振動するようになっており、これによって再生槽5と同じような食用油と脱色剤23との混合がなされ、効率のよい脱色処理が実行されるようになっている。
【0019】
脱色槽8には、例えばスメクタイト系、セピオライト系、カオリン系の天然脱色剤や活性シリカゲルや活性アルミナ、活性ゼオライト等の人工脱色剤等の通常知られた脱色剤の中から選択される1種類またはそれらから選択された混合物を採用することができる。勿論、人体に影響を与えるものであってはならない。
【0020】
このように脱色槽8によって脱色処理の行われた後の食用油は、第五、第六布フィルター24、25、第四メタルフィルター26を経て脱色槽8の上部に連結した第三パイプ9を経て濾過フィルター10に送り込まれ、ここで最終的に濾過された後、濾過フィルター10に連結した第四パイプ11を経て該第四パイプ11の先端部11aからフライヤー2に吐出されるようになっている(図6参照)。
【0021】
叙述の如く構成された本実施の形態において、フライヤー内で使用されて酸化や劣化が進んだ食用油は、フライヤー使用中であってもフィルター3aから吸い上げられて再生槽5内に流入し、再生処理されることになるが、この場合、該再生槽5では振動発生器6が発生させる振動によって再生剤18と共に振動し、これによって食用油と再生剤18とは良く混ざり合いつつ再生槽5の上部に上昇することになるため、食用油の再生処理を効率よく行うことが出来る。
【0022】
しかも、使用された食用油は、再生槽5にて再生処理された後に脱色槽8で脱色処理が施されることになるが、脱色槽8においても、再生槽5と同様、食用油が脱色槽8に流入し、再生槽5を振動させる振動発生器6の振動を有効利用することによって、食用油と脱色剤23とが、再生槽5と同様に良く混ざり合いつつ脱色槽8の上部に上昇することになる。このような二段階の再生、脱色処理が施されることによって確実な食用油の再生処理を行うことが出来ると共に、このような再生処理は、再生槽5に配設された振動発生器6の振動を利用するものであるから、装置全体のコンパクト化を実現することが出来る。
【0023】
さらに、食用油を濾過するための各フィルターは、第一〜第四メタルフィルター14、19、21、26、第一〜第六布フィルター15、16、17、22、24、25として再生槽、脱色槽に多数枚設けられ、さらに最終的に濾過フィルター10によって濾過された食用油がフライヤー2に戻されるよう構成されたものであるから、てんぷら粉やパン粉等の異物は勿論のこと再生剤18や脱色剤23等の処理剤も確実に濾過されてフライヤー2に戻される食用油は確実に再生されたものとすることが出来る。
【0024】
その上、食用油は使用中のフライヤー2から直接食用油再生装置1に取り込まれ、再生処理された上でフライヤー2に戻されるものであるから、食用油再生のためにフライヤー2の稼動を止める必要がなく、食用油再生作業を行う際の時間的制約がない。しかも、フライヤー内の使用された食用油をフライヤー稼動中に逐次再生してまたフライヤー2に戻すため、常に劣化していない食用油で揚げ物を製造することができて、揚げ物の品質を一定に保持することが出来る。
【0025】
因みに、酸化値0.5mg/g、過酸化物価0.0meq/mgの未使用の食用油を実際に使用することで、酸化値2.0mg/g、過酸化物価1.0meq/mgになったものを2時間のあいだ前記装置を用いて再生および脱色処理をした結果、酸化値0.6mg/g、過酸化物価0.0meq/mgと、殆ど未使用の食用油にまで再生されていることが確認されると共に、再生した食用油の色についても濃い褐色だったものが薄い橙色に近い色にまで脱色され、本発明を実施したものの有効性が確認されている。
【0026】
尚、本実施の形態においては、再生槽5、脱色槽8の各流入口に接続され食用油を槽内に吐出するものとして円筒管状の第一、第二吐出管13、20としたが、これに限定されるものではなく、例えば中空円盤状、中空扇状、また、放射状に複数の吐出管が枝分かれしたものに構成して吐出面積を広く確保しても良く、このようにした場合には各槽5、8の底面に広く分布する状態で食用油を吐出することができるが、特に形状は限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、使用された食用油を再生して再使用する食用油再生装置の技術分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0028】
1 食用油再生装置
4 供給ポンプ
5 再生槽
5a 流入口
5c 流出口
6 振動発生器
18 再生剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用された食用油を再生する食用油再生装置であって、該食用油再生装置は、
該使用された食用油を再生する再生剤が投入された再生槽と、
該再生槽に使用された食用油を供給する供給ポンプと、
該再生槽に振動を与える振動発生器とを備えて構成され、
再生槽は、供給ポンプのポンプ圧を受けて槽底部の流入口から槽内に流入した使用された食用油が、振動発生器の振動を受けて再生剤と共に振動しながら上昇することで再生剤を通過し、再生槽上部の流出口から流出するように構成したことを特徴とする食用油再生装置。
【請求項2】
再生槽は円筒状であり、槽下部に形成される流入口には、反流入口側端部が封止された中空の吐出管が槽底面に沿うようにして接続され、該吐出管の上側には複数の吐出口が形成されていることを特徴とする請求項1記載の食用油再生装置。
【請求項3】
流入口から再生槽に流入した使用された食用油は、流入側濾過フィルターによって濾過されたものが再生処理され、該再生処理された食用油は、さらに流出側濾過フィルターによって濾過されるように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の食用油再生装置。
【請求項4】
再生槽の下流側には、再生処理された食用油を脱色するための脱色剤が投入された脱色槽が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3何れか1記載の食用油再生装置。
【請求項5】
脱色槽は、前記振動発生器の振動を受けて振動するように構成されていることを特徴とする請求項4記載の食用油再生装置。
【請求項6】
供給ポンプは、食料を揚げているフライヤーから使用された食用油を吸引して再生槽に供給して再生処理したものを、さらに脱色槽に供給して脱色処理し、該再生及び脱色処理された食用油を再びフライヤーに戻すポンプ力を備えていることを特徴とする請求項4または5記載の食用油再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−270275(P2010−270275A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−125399(P2009−125399)
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【出願人】(509146067)合同会社アイテック (1)
【出願人】(394018281)株式会社イワタクリエイト (2)
【Fターム(参考)】