説明

駆動伝達装置及び画像形成装置

【課題】調心効果を確保しつつ、回転体の着脱動作時に遊星歯車機構が損傷するのを抑制できる駆動伝達装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】筒状のハウジングと、ハウジング内に設けられた内歯歯車と、内歯歯車と同軸上で配設され駆動源からの回転駆動力を受けて回転する太陽歯車と、内歯歯車内に円周方向で配設され太陽歯車と内歯歯車とに噛み合う複数の遊星歯車と、遊星歯車を回転自在に支持し太陽歯車や内歯歯車と同軸上で回転自在なキャリアと、キャリアに設けられた出力軸とからなる遊星歯車機構を備え、出力軸に連結された回転軸を介して回転体に回転駆動力を伝達するた駆動伝達装置において、ハウジングの出力軸側とは反対側の端部を固定部材で固定し、回転体の着脱時にハウジングの出力軸側の端部を支持する位置に、回転体が装着されたときに前記支持する位置から退避した位置に支持部材移動手段によって支持部材を移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動源からの回転駆動力を回転体に伝達する駆動伝達装置、及び、その駆動伝達装置を備えた、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式による複写機やプリンタ等では、回転する円筒状の像担持体(以下感光体ドラムという)の表面に静電潜像を形成し、形成した静電潜像にトナーを付着させて現像し、このトナー画像を無端状ベルト(以下転写ベルトという)に一次転写し、さらに記録紙上に二次転写し、定着して画像を得るようにしている。
【0003】
画像形成装置には、感光体ドラム等の像担持体、中間転写ベルトや転写ベルト等のベルト部材を駆動する駆動ローラ、記録材等を搬送するための搬送ローラなど、多くの回転体が使用されている。このような回転体の駆動には、一般に高い精度が要求されるので、駆動源からの回転駆動力を回転変動が少ない状態で駆動対象の回転体まで伝達する機構が望まれる。特に、感光体ドラムや中間転写ベルトなどの表面移動速度に速度変動が生じると、出力された画像上にジッタや濃度ムラが生じる。すなわち、感光体ドラムや中間転写ベルトにある周波数で速度変動が継続すると画像全体に周期的な濃度ムラが生じ、縞模様のバンディングとして目視される。また、感光体ドラムの速度変動は書き込み系の露光ラインの副走査位置ずれを発生させたり、感光体ドラムから中間転写ベルトへのトナー画像の一次転写時の副走査位置ずれを発生させたりする。一方、中間転写ベルトの速度変動は、一次転写時と二次転写時の副走査位置ずれを発生させる。この速度変動に起因したバンディングにより画像品質が著しく低下してしまう。
【0004】
このような高精度駆動が要求される感光体ドラムや中間転写ベルトの駆動伝達部には、溶融樹脂を射出することに成形されたプラスチック歯車が利用されている。プラスチック歯車は金属歯車に比べて、自己潤滑性があり、使用時の騒音が低く、軽量化を図ることができ、耐腐食性が高く、量産性が高い点で優れている。一方、耐久性(耐摩耗性)、高精度、高剛性といった点が金属歯車に比べて劣っている。
【0005】
プラスチック歯車を用いた場合でも十分な耐久性が得られるように、遊星歯車機構を用いることが提案されている(例えば特許文献1など)。遊星歯車機構は、樹脂製の円筒状のハウジングと、駆動源の回転駆動力を受けて回転する太陽歯車と、ハウジングと一体に形成され太陽歯車と同軸上で配設された内歯歯車と、内歯歯車内に円周方向で等間隔に配設され太陽歯車と内歯歯車とに噛み合う複数の遊星歯車と、遊星歯車を回転可能に支持するとともに太陽歯車及び内歯歯車と同軸上で回転可能なキャリアとを備えている。駆動源からの回転駆動力により太陽歯車を回転させることにより、太陽歯車を中心として複数の遊星歯車が内歯歯車内で自転しつつキャリアを回転させながら公転する。そして、このキャリアの回転による回転駆動力がキャリアの出力軸とその出力軸に連結された回転体の回転軸とを介して回転体に伝達される。そのため、複数の遊星歯車により回転負荷が分散されるので、プラスチック歯車を用いた場合でも耐久性を得ることができる。
【0006】
画像形成装置においては、感光体ドラムなどの回転体を回転駆動するための駆動源であるモータが設けられているが、モータの回転数は一般に回転体の回転に求められる回転数よりも大きい。特許文献2に記載の画像形成装置では、遊星歯車機構を用いてモータの回転速度を減速して回転体に伝達する駆動伝達装置が用いられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
駆動源からの回転駆動力を前記遊星歯車機構が設けられた駆動伝達装置を介して回転体に伝達させる構成では、遊星歯車機構のキャリアの出力軸と回転体の回転軸との連結部で軸心ずれなどによる同心誤差があると、回転体を回転させたときに回転ムラが生じる。
【0008】
これに対し、本願発明者らは鋭意研究を重ねた結果、回転体の回転軸とキャリアの出力軸との軸が合うように、前記遊星歯車機構のハウジングの出力軸側の端部を変形させることで調心がなされ、回転体の回転ムラを低減できることを見出した。そして、ハウジングの出力軸側とは反対側の端部を側板などの固定部材に固定し、ハウジングの出力軸側の端部は側板などの固定部材に固定しないことで、前記同心誤差に応じてハウジングの出力軸側の端部が径方向に撓むことにより調心を行うことができた。
【0009】
一般に、画像形成装置に設けられる感光体ドラムなどの回転体は、寿命に達した場合などに交換が行えるよう、画像形成装置に対して回転体を回転軸軸方向に着脱可能な構成としていることが多い。そのため、回転体の着脱動作時に、回転体の回転軸にラジアル方向の大きな力がかかると、その力が回転軸からキャリアの出力軸を介してハウジングの出力軸側の端部に伝わり、固定されていないハウジングの出力軸側の端部が径方向に大きく撓み過ぎて遊星歯車機構が破損する虞がある。
【0010】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、調心効果を確保しつつ、回転体の着脱動作時に遊星歯車機構が損傷するのを抑制できる駆動伝達装置及びその駆動伝達装置を備えた画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、筒状のハウジングと、前記ハウジング内に設けられた内歯歯車と、前記内歯歯車と同軸上で配設され駆動源からの回転駆動力を受けて回転する太陽歯車と、前記内歯歯車内に円周方向で配設され前記太陽歯車と前記内歯歯車と噛み合う複数の遊星歯車と、前記遊星歯車を回転自在に支持するとともに前記太陽歯車や前記内歯歯車と同軸上で回転自在なキャリアと、前記キャリアに設けられ回転駆動力を出力するための出力軸とからなる遊星歯車機構を備え、駆動源からの回転駆動力を前記出力軸に連結された回転軸を介して、装置本体に対して着脱可能な回転体に伝達する駆動伝達装置において、前記ハウジングの出力軸側とは反対側の端部を固定する固定部材と、前記ハウジングの出力軸側の端部を支持する位置と、前記支持する位置から退避した位置との間で変位可能な支持部材と、前記支持する位置と前記退避した位置との間で前記支持部材を移動させる支持部材移動手段とを有し、装置本体に対して前記回転体の着脱を行うときに前記支持部材移動手段によって前記支持部材を前記支持する位置に移動させ、装置本体に前記回転体が装着されたときに前記支持部材移動手段によって前記支持部材を前記退避した位置に移動させることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の駆動伝達装置において、上記ハウジングと上記内歯歯車とを一体で構成したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の駆動伝達装置において、上記回転軸の軸方向の位置を規制する規制手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3の駆動伝達装置において、上記遊星歯車機構が上記ハウジング内で軸方向に複数段構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、像担持体と、前記像担持体を回転駆動させる駆動手段と、前記像担持体と前記駆動手段とに連結され駆動手段からの回転駆動力を該像担持体に伝達する駆動伝達手段と、前記像担持体に画像を形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置において、前記駆動伝達手段として、請求項1、2、3または4の駆動伝達装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記回転軸に対して上記像担持体が抜き差し可能であり、前記回転軸に対して前記像担持体を抜き差しするときに上記支持部材が上記支持する位置に位置し、前記像担持体が前記回転軸の所定位置に装着されたときに前記支持部材が上記退避した位置に位置するように、前記回転体の抜き差し動作に連動させて上記支持部材移動手段が前記支持部材を移動させることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の画像形成装置において、上記像担持体と、現像手段、帯電手段及びクリーニング手段から選ばれる少なくとも一つとを一体的に構成し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカ−トリッジを備えており、前記プロセスカートリッジを装置本体に対して着脱するときに上記支持部材が上記支持する位置に位置し、前記プロセスカートリッジが装置本体の所定の位置に装着されたときに前記支持部材が上記退避する位置に位置するように、前記プロセスカートリッジの着脱動作に連動させて上記支持部材移動手段が前記支持部材を移動させることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7の画像形成装置において、装置本体に対して上記プロセスカートリッジを位置決めする位置決め部材を該プロセスカートリッジに設けており、前記位置決め部材が上記支持部材移動手段を兼ねることを特徴とするものである。
【0012】
本発明においては、装置本体に対して回転体の着脱を行うときに、ハウジングの出力軸側の端部を支持する位置に支持部材手段によって支持部材を移動させて、ハウジングの出力軸側の端部を支持部材で支持する。これにより、ハウジングの出力軸側の端部が支持された状態で回転体の着脱を行うことができる。よって、装置本体に対して回転体の着脱を行ったときに回転軸にかかったラジアル方向の力が、出力軸を介してハウジングの出力軸側の端部に伝わったとしても、ハウジングの出力軸側の端部が径方向に撓むのを抑制することができる。したがって、ハウジングの出力軸側の端部が大きく撓み過ぎて損傷してしまうのを抑制することができる。
また、装置本体に回転体が装着されたときに、支持部材移動手段により支持部材を前記支持する位置から退避した位置に移動させて、ハウジングの出力軸側の端部を支持部材で支持されなくする。これにより、装置本体に回転体が装着されたときに、回転軸と出力軸との同心誤差に応じてハウジングの出力軸側の端部を径方向へ撓ませて変形させることができる。よって、回転軸と出力軸との調心がなされ、回転体の回転ムラを低減させることができる。
【発明の効果】
【0013】
以上、本発明によれば、調心効果を確保しつつ、回転体の着脱動作時に遊星歯車機構が損傷するのを抑制できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】感光体ドラムが装着されたときの図。
【図2】本実施形態に係る複写機の概略構成図。
【図3】感光体ドラム駆動する遊星歯車減速機構の説明図。
【図4】感光体ドラムを引き出したときの図。
【図5】保持ハウジングの断面図と正面図。
【図6】支持部材の断面図と正面図。
【図7】感光体ドラムが装着されたときの図。
【図8】感光体ドラムを引き出した状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図2は、本発明の遊星歯車機構を備えた駆動伝達装置を適用する画像形成装置としての複写機の一例を示す概略構成図である。図2において、符号100は複写機本体であり、符号200はそれを載せる給紙テーブルであり、符号300は複写機本体100上に取り付けるスキャナであり、符号400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。この複写機は、タンデム型で中間転写(間接転写)方式を採用する電子写真複写機である。
【0016】
複写機本体100には、その中央に、像担持体としての中間転写体であるベルトからなる中間転写ベルト10が設けられている。この中間転写ベルト10は、3つの支持回転体としての第一支持ローラ81、第二支持ローラ82、第三支持ローラ83に掛け渡されており、図中時計回り方向に回転移動する。第二支持ローラ82の図中左側には、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去する中間転写ベルトクリーニング装置84が設けられている。
【0017】
また、第一支持ローラ81と第二支持ローラ82との間に張り渡したベルト部分には、そのベルト移動方向に沿って、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成部85が並べて配置されたタンデム画像形成部86が対向配置されている。本実施形態においては、第三支持ローラ83を駆動ローラとしている。また、タンデム画像形成部86の上方には、潜像形成手段としての露光装置87が設けられている。
【0018】
また、中間転写ベルト10を挟んでタンデム画像形成部86の反対側には、第二の転写手段としての二次転写装置88が設けられている。この二次転写装置88においては、ローラ23aとローラ23bとの間に記録材搬送部材としてのベルトである二次転写ベルト89が掛け渡されている。この二次転写ベルト89は、中間転写ベルト10を介して第三支持ローラ83に押し当てられるように設けられている。この二次転写装置88により、中間転写ベルト10上の画像を記録材であるシートに転写する。
【0019】
また、この二次転写装置88の図中左方には、シート上に転写された画像を定着する定着装置25が設けられている。この定着装置25は、ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27が押し当てられた構成となっている。上述した二次転写装置88には、画像転写後のシートをこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備わっている。もちろん、二次転写装置88として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて持たせることが難しくなる。
【0020】
また、本実施形態では、このような二次転写装置88および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成部86と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置28も設けられている。
【0021】
上記複写機を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。その後、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動する。他方、コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動する。次いで、第一走行体33および第二走行体34を走行する。そして、第一走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第二走行体34に向け、第二走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読み取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
【0022】
この原稿読み取りに並行して、図示しない駆動源である駆動モータで、駆動ローラである第三支持ローラ83を回転駆動させる。これにより、中間転写ベルト10が図中時計回り方向に移動するとともに、この移動に伴って第一支持ローラ81と第二支持ローラ82とが連れ回り回転する。また、これと同時に、個々の画像形成部85Y,85M,85C,85Kにおいて潜像担持体としての感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kを回転させ、各感光体ドラム40Y,40M,40C,40K上に、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の色別情報を用いてそれぞれ露光現像し、単色のトナー画像(顕像)を形成する。そして、各感光体ドラム40Y,40M,40C,40K上のトナー画像を中間転写ベルト10上に互いに重なり合うように順次転写して、中間転写ベルト10上に合成カラー画像を形成する。
【0023】
このような画像形成に並行して、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。または、手差し給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。そして、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写ベルト10と二次転写装置88との間にシートを送り込み、二次転写装置88で転写してシート上にカラー画像を転写する。
【0024】
画像転写後のシートは、二次転写ベルト89で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着した後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、シートの裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
【0025】
なお、画像転写後の中間転写ベルト10は、中間転写ベルトクリーニング装置84で、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成部86による再度の画像形成に備える。ここで、レジストローラ49は一般的には接地されて使用されることが多いが、シートの紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。
【0026】
この複写機を用いて、黒のモノクロコピーをとることもできる。その場合には、図示しない手段により、中間転写ベルト10を感光体ドラム40Y,40M,40Cから離れるようにする。これらの感光体ドラム40Y,40M,40Cは、一時的に駆動を止めておく。黒用の感光体ドラム40Kのみが中間転写ベルト10に接触させ、画像の形成と転写を行う。
【0027】
図3は、感光体ドラム40に駆動源であるモータ60からの回転駆動力を伝達する駆動伝達装置の説明図である。
図3に示す駆動伝達装置に用いられる遊星歯車減速機構は、2KH型2段構成の遊星歯車機構が用いられている。
【0028】
モータ60の回転軸M1に設けられている第一太陽歯車12を備え、この第一太陽歯車12及び内歯歯車固定フランジ24に固定された内歯歯車14に噛み合う1段目の遊星歯車である第一遊星歯車15が1段目のキャリアである第一キャリア16により支持されて第一太陽歯車12の外周を公転するようになっている。第一遊星歯車15は回転バランスとトルク分担のために同心状に3箇所またはそれ以上の複数個が配置される。本実施形態では、周方向で3等分された位置にそれぞれ第一遊星歯車15が配置されている。
【0029】
第一遊星歯車15は、第一太陽歯車12と内歯歯車14との噛み合いにより、自転及び公転回転し、第一遊星歯車15を支持する第一キャリア16は、第一太陽歯車12の回転に対し減速回転し、1段目の減速比が獲得される。
【0030】
次に、この第一キャリア16の回転中心に設けられた2段目の太陽歯車である第二太陽歯車17が2段目減速機構の入力となる。なお、第一キャリア16に回転支持部はなく、浮動回転を行うようになっている。
【0031】
同様に、第二太陽歯車17には、2段目まで一体で形成された内歯歯車14に噛み合う2段目の遊星歯車である第二遊星歯車18が、2段目のキャリアである第二キャリア19により支持されて第二太陽歯車17の外周を公転するようになっている。第二遊星歯車18の個数は、本実施形態では、周方向で4等分された位置にそれぞれ第二遊星歯車18が配置されている。最終段に相当する第二キャリア19には、出力部が設けられており、円筒状の出力軸である円筒軸20の内面にスプライン状の内歯が形成されている。
【0032】
また、内歯歯車14を遊星歯車減速機構のハウジングと一体構成しており、これによって部品点数を減らせる分、省スペース化や低コスト化を図ることができる。
【0033】
一方、ドラム軸70には、円筒軸20のスプライン状の内歯に噛み合うように、スプライン状の外歯が形成されており、出力部として用いられるスプライン部21が設けられている。
【0034】
ここで、2KH型遊星歯車機構に用いられる一つのユニットは、太陽歯車(sun gear)、遊星歯車(planetary gear)、遊星歯車の公転運動を支持する遊星キャリア(planetary carrier)、内歯歯車(outer gear)の四点の部品から構成されている。
【0035】
太陽歯車の回転、遊星歯車の公転(キャリアの回転)、外輪歯車の回転である3つの要素のうち、一つを固定、一つを入力、一つを出力に接続する。それぞれ、どれを入出力・固定に割り当てるかによって、一つのユニットで複数の減速比や回転方向の切替えが可能である。
【0036】
本実施例において対象とする2KH型の2段構造は、複合遊星歯車機構(2個以上の2KH型)に分類され、2個以上の2KH型があり、それぞれ3つの要素のうち、1つの要素同士を結合し、残りの1つずつを固定し、残り2つを入力軸または出力軸とする機構である。
【0037】
減速比に関しては、太陽歯車の歯数をZa、遊星歯車の歯数をZb、内歯車の歯数をZcとした場合に、数1で表される。なお、式中の添え字1,2は1段目、2段目を意味している。
【0038】
【数1】

【0039】
上述したモータ60の回転軸M1は、2個の軸受(不図示)を介してモータ固定フランジ13により支持されている。
【0040】
モータ60の回転軸M1を支持することでDCブラシレスモータの回転子であるアウター型ロータを支持することになる。モータ固定フランジ13には、モータ60の図示しない固定子鉄心やモータ駆動回路基板等も設置されている。
【0041】
モータ60の回転軸M1には第一太陽歯車12が歯切りで形成されており、第一太陽歯車12の軸と内歯歯車14の軸との同軸精度を確保するために、内歯歯車14とモータ固定フランジ13はインローによる嵌合で位置決めされて、さらにモータ固定フランジ13は内歯歯車固定フランジ24とインローによる嵌合で位置決めされている。
【0042】
内歯歯車14におけるモータ固定フランジ13と反対側の端部には、エンドキャップ22が固定されている。エンドキャップ22は、遊星減速機構を駆動側板127に組付ける際に、内歯歯車14内に設置されている第一遊星歯車15、第二遊星歯車18、第一キャリア16、第二キャリア19、及び、円筒軸20が内歯歯車14から脱落するのを防止するための部材として用いられている。エンドキャップ22と第二キャリア19の円筒軸20との間には十分なクリアランスがあり、エンドキャップ22は第二キャリア19を回転支持しておらず、第二キャリア19が浮動回転を行うようになっている。
【0043】
[構成例1]
次に、感光体ドラム40を着脱するときの遊星歯車減速機構と内歯歯車14を支持する機構の一構成例について、図1を用いて説明する。
【0044】
なお、各感光体ドラム40Y、40M、40C、40Bkは、同一構成の感光体ドラム駆動装置により回転駆動されているので、以下、感光体ドラム40Yの感光体ドラム駆動装置について説明する。解説しないが、中間転写ベルト10の駆動ローラ等にも適用可能である。
【0045】
まず感光体ドラムユニットの構成について説明する。感光ドラム40Yの軸方向の端部には、後ドラムフランジ115と前ドラムフランジ114が固定されて、その前後のドラムフランジがドラム軸70に支持されている。後ドラムフランジ115はドラム軸70とセレーションカップリング116で連結され、ドラム軸70が回転すると感光体ドラム40が同期して回転する。セレーションカップリング116は、ドラム軸側に雄形状、後ドラムフランジ115側に雌形状は設けられ、ドラム軸前側からテーパー形状となっている。
【0046】
感光体ドラム40を支持するユニットケース117内には、感光体ドラム40Yと帯電器2Y、現像装置9Y、クリーニング装置4Y、図示しない除電ランプ等が収容され、ユニットケース117の後ろ側が、ドラム軸70にカラー124を軸方向で間に挟んで固定された2つの軸受123の内の一方の軸受123aで支持されるとともに、後ドラムフランジ115もその軸受123aで支持して、感光体ドラム40とユニットケース117が位置だしされている。また、前側は前ドラムフランジ114のボス部128がユニットケース117と嵌合し、回転自在になっている。
【0047】
ドラム軸70には、さらに本体後側板119と嵌合する部分に前記2つの軸受123の内の他方の軸受123bが設けられ、本体後側板119と位置出しされている。本体前側板110には、感光体ドラムユニットを着脱するための切り欠き孔が設けられ、そこには面板111が固定されている。この面板111にドラム軸70の前側端部が軸受112を介して回転自在に支持されている。
【0048】
感光体ドラムユニットは面板111を取り外すことによって、着脱できるようになる。感光体ドラムユニットが装着された時は、面板111に固定された軸受112と前ドラムフランジ114のボス部128の間に設けられた加圧バネ113によって、感光体ドラム40は、ドラム軸方向に加圧されて、テーパー状のセレーションカップリング116の部分で回転方向とスラスト方向が位置決めされる。感光体ドラムユニットは、ユニットケース117の後ろ側に設けられた2本の位置決めピン118が本体後側板119の孔と嵌合して、回転方向の位置が決まる。
【0049】
遊星歯車減速機構の取り付けについて説明する。
本体後側板119にはスタッド126を介して駆動側板127が取り付けられている。この駆動側板127に遊星歯車減速機構を支持する内歯歯車固定フランジ24を固定して組み付けられる。遊星歯車減速機構の位置だしは、駆動側板127に設けた孔に内歯歯車14を嵌合して行う。また、遊星歯車減速機構の取り付けは、駆動側板127を内歯歯車固定フランジ24を兼ねた構成で行っても良い。このように、遊星歯車減速機構を駆動側板127に取り付けることによって、内歯歯車14の出力側をフリーにして変形しやすく構成している。
【0050】
次に、内歯歯車14の先端部を支持する構成について説明する。
【0051】
本実施形態においては、本体後側板外側にドラム軸70と同軸状で保持ハウジング120を設ける。この保持ハウジング120は、ドラム軸70を支持し、本体後側板119に支持されている軸受123bに中心の孔で嵌合して位置だしされて、遊星歯車減速機構に向かって全面が開口となったコップ形状をしている。開口部の内側がテーパーになっており、端部に向かって開いている。一方、遊星歯車減速機構の内歯歯車14の外径に嵌合して支持部材122が設けられている。支持部材122は内歯歯車14と摺動可能となっており、保持ハウジング120との間に設けられた支持バネ121によって、保持ハウジング120側に引っ張られている。また支持部材122の外周は保持ハウジング120の開口部のテーパーと嵌合するように、同形状のテーパーになっている。
【0052】
また、この保持ハウジング120は、ドラム軸70が後ろ側に抜けないようにドラム軸70の軸受123bを段孔になった鍔部で押さえている。さらにドラム軸70には、保持ハウジング120を軸受123bと挟み込んだ位置に止め輪125を設けて、前側に抜けない構成としている。
【0053】
図4に示すように、面板111を取り外してユニットケース117を引き出すと、感光体ドラム40もドラム軸70とのセレーションカップリング116が外れて、一緒に引き出される。その結果、装置本体に対する感光体ドラムユニット(感光体ドラム40)の引き出し動作に連動して、ユニットケース117の位置決めピン118に押されていた支持部材122が、支持バネ121に引っ張られて保持ハウジング120の方向に移動して、保持ハウジング120の開口部のテーパー部と支持部材122のテーパー部が嵌合することになる。そして、内歯歯車14の先端部は支持部材122を介して保持ハウジング120に支持され、固定される。
【0054】
これにより、遊星歯車減速機構のハウジングと一体化された内歯歯車14の先端部が、支持部材122を介して保持ハウジング120に支持された状態で感光体ドラム40の着脱を行うことができるので、感光体ドラムユニット(感光体ドラム40)の着脱動作時にドラム軸70にかかったラジアル方向の力が円筒軸20を介して内歯歯車14の先端部に伝わったとしても、内歯歯車14の先端部が径方向に撓むのを抑制することができる。よって、内歯歯車14の先端部が大きく撓み過ぎて内歯歯車14や遊星歯車減速機構が損傷してしまうのを抑制することができる。
【0055】
図5は保持ハウジング120の断面図と正面図を示す。保持ハウジング120の外周は円筒形状をしており、その一部に支持バネ121を引っかけるアンカー部120aが対称位置に2箇所設けられている。
【0056】
図6は支持部材122の断面図と正面図を示す。支持部材122も保持ハウジング120と同様に外周が円筒形状をしており、その一部に支持バネ121を引っかけるアンカー部122aが対称位置に2箇所設けられ、保持ハウジング120との間で支持バネ121が引っかけられる。
【0057】
なお、保持ハウジング120のアンカー部122aや支持部材122のアンカー部122aは2箇所に限らず、それ以上設けても良い。
【0058】
装置本体に感光体ドラムユニット(感光体ドラム40)を装着する際には、ユニットケース117の位置決めピン118が本体後側板119の孔を突き抜けて、内歯歯車14に嵌合している支持部材122に突き当たり、感光体ドラムユニット(感光体ドラム40)の装着動作に連動させて支持部材122を保持ハウジング120から離れる方向に移動させる。その結果、図1に示すように感光体ドラム40が装着された状態では、内歯歯車14の先端部はフリーな状態になり、撓みやすくなる。
【0059】
このように、装置本体に感光体ドラム40が装着されたときに、遊星歯車減速機構のハウジングと一体化された内歯歯車14の先端部を支持されなくすることで、ドラム軸70と円筒軸20との同心誤差に応じて内歯歯車14の先端部を径方向へ撓ませて変形させることができる。よって、ドラム軸70と円筒軸20との調心がなされ、感光体ドラム40の回転ムラを低減させることができる。
【0060】
[構成例2]
感光体ドラム40を着脱するときに内歯歯車14を支持する機構の他の構成例について、図7や図8を用いて説明する。図7は感光体ドラム40が装着されたときの図を示す。
【0061】
本体後側板119には、ドラム軸70と遊星歯車減速機構との距離を位置出しするための規制部材130がドラム軸70と同軸状に固定され、ドラム軸70の軸受123bを規制している。またドラム軸70には止め輪125が構成例1と同様に設けられ、ドラム軸70が前側に抜けないように規制している。
【0062】
本構成例では、ユニットケース117の位置決めピン118の先端に突き当たる位置に支持部材132が設けられており、支持部材132は後端がステー131に揺動可能に軸支されており、装置本体に対する感光体ドラムユニット(感光体ドラム40)の着脱動作に連動して、揺動支点134を中心に支持部材132が揺動する機構になっている。支持部材132の揺動支点134がある後端とは反対側である内歯歯車14側の先端はR形状となっている。また、支持部材132の揺動支点134と位置決めピン118とが突き当たる位置の間と本体後側板119との間に支持バネ133が引っかけられている。
【0063】
感光体ドラム40が装着された状態では、位置決めピン118により支持部材132が押し込まれて、支持部材132の先端部が内歯歯車14と離れる位置に回動している。その状態では、内歯歯車14の先端部はフリーとなり、撓みやすくなっている。
【0064】
このように、装置本体に感光体ドラム40が装着されたときに、遊星歯車減速機構のハウジングと一体化された内歯歯車14の先端部を支持部材132で支持されなくすることで、ドラム軸70と円筒軸20との同心誤差に応じて内歯歯車14の先端部を径方向へ撓ませて変形させることができる。よって、ドラム軸70と円筒軸20との調心がなされ、感光体ドラム40の回転ムラを低減させることができる。
【0065】
図8は感光体ドラム40を引き出した状態を示す図である。
感光体ドラムユニット(感光体ドラム40)が引き出されると、ユニットケース117の位置決めピン118が支持部材132から離れ、支持部材132は支持バネ133に引っ張られて回動する。本構成例のエンドキャップ22の外周には内歯歯車14の外周よりも突きだして鍔22aが設けられており、支持部材132の先端がエンドキャップ22の鍔22aに当たって位置規制される。その位置で丁度、支持部材132の先端が内歯歯車14の外周と接触し、支持部材132によって内歯歯車14が支持される。これらの支持部材132とステー131と支持バネ133とで構成される機構を複数箇所設けることにより、内歯歯車14の先端部を固定することができる。
【0066】
これにより、遊星歯車減速機構のハウジングと一体化された内歯歯車14の先端部が支持部材132に支持された状態で感光体ドラム40の着脱を行うことができるので、感光体ドラム40の着脱動作時にドラム軸70にかかったラジアル方向の力が円筒軸20を介して内歯歯車14の先端部に伝わったとしても、内歯歯車14の先端部が径方向に撓むのを抑制することができる。よって、内歯歯車14の先端部が大きく撓み過ぎて内歯歯車14や遊星歯車減速機構が損傷してしまうのを抑制することができる。
【0067】
以上、本実施形態によれば、筒状のハウジングと、ハウジング内に設けられた内歯歯車と、内歯歯車と同軸上で配設され駆動源からの回転駆動力を受けて回転する太陽歯車と、内歯歯車内に円周方向で配設され太陽歯車と内歯歯車と噛み合う複数の遊星歯車と、遊星歯車を回転自在に支持するとともに太陽歯車や内歯歯車と同軸上で回転自在なキャリアと、キャリアに設けられ回転駆動力を出力するための出力軸とからなる遊星歯車機構を備え、駆動源からの回転駆動力を出力軸に連結された回転軸を介して、装置本体に対して着脱可能な回転体に伝達する駆動伝達装置において、ハウジングの出力軸側とは反対側の端部を固定する固定部材と、ハウジングの出力軸側の端部を支持する位置と、前記支持する位置から退避した位置との間で変位可能な支持部材と、前記支持する位置と前記退避する位置との間で前記支持部材を移動させる支持部材移動手段とを有し、装置本体に対して前記回転体の着脱を行うときに前記支持部材移動手段によって前記支持部材を前記支持する位置に移動させ、装置本体に前記回転体が装着されたときに前記支持部材移動手段によって前記支持部材を前記退避した位置に移動させる。装置本体に対して回転体の着脱を行うときに、ハウジングの出力軸側の端部を支持する位置に支持部材手段によって支持部材を移動させることにより、ハウジングの出力軸側の端部が支持部材で支持されるので、ハウジングの出力軸側の端部が支持された状態で回転体の着脱を行うことができる。これにより、回転体の着脱動作時に回転軸にかかったラジアル方向の力が出力軸を介してハウジングの出力軸側の端部に伝わったとしても、ハウジングの出力軸側の端部が径方向に撓むのを抑制することができる。よって、ハウジングの出力軸側の端部が大きく撓み過ぎて損傷してしまうのを抑制することができる。また、装置本体に回転体が装着されたときに、支持部材移動手段により支持部材を前記支持する位置から退避する位置に移動させることで、ハウジングの出力軸側の端部が支持部材で支持されなくなる。これにより、装置本体に回転体が装着されたときに、回転軸と出力軸との軸が合うようにハウジングの出力軸側の端部を径方向へ撓ませて変形させることができる。よって、回転軸と出力軸との調心がなされ、回転ムラを低減させることができる。したがって、ドラム軸と遊星歯車機構の出力との連結部の各種誤差に対して、内歯歯車の変形による調心効果が得られる構成にすることができて、感光体ドラムの高精度駆動が可能となり、かつ感光体ドラムの着脱動作による内歯歯車や遊星歯車機構の破損を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、前記ハウジングと前記内歯歯車とを一体で構成したことで、省スペース化や低コスト化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、回転軸が軸方向に位置規制されていることで、回転軸が前側や後ろ側に抜けるのを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、前記遊星歯車機構が前記ハウジング内で軸方向に複数段構成されていることで、減速比を高めることができ、モータの負荷を軽くすることができるので、モータの小型化が可能になる。
また、本実施形態によれば、像担持体である感光体ドラムと、感光体ドラムを回転駆動させる駆動手段と、感光体ドラムと前記駆動手段とに連結され駆動手段からの回転駆動力を感光体ドラムに伝達する駆動伝達手段と、感光体ドラムに画像を形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置において、前記駆動伝達手段として、本発明の駆動伝達装置を用いたことで、回転軸であるドラム軸と遊星歯車機構の出力軸である円筒軸との連結部の各種誤差に対して、内歯歯車の変形による調心効果が得られる構成にすることができて、感光体ドラムの高精度駆動が可能となり、かつ感光体ドラムの着脱動作による遊星歯車機構の破損を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、ドラム軸に対して感光体ドラムが抜き差し可能であり、ドラム軸に対して感光体ドラムを抜き差しするときに支持部材が前記支持する位置に位置し、感光体ドラムがドラム軸の所定位置に装着されたときに支持部材が前記退避する位置に位置するように、感光体ドラムの抜き差し動作に連動させて支持部材移動手段が支持部材を移動させる。これにより、感光体ドラムの抜き差し動作時に遊星歯車機構が破損するのを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、感光体ドラムと、現像手段である現像装置、帯電手段である帯電器及びクリーニング手段であるクリーニング装置から選ばれる少なくとも一つとを一体的に構成し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカ−トリッジを備えており、プロセスカートリッジを装置本体に対して着脱するときに支持部材が前記支持する位置に位置し、プロセスカートリッジが装置本体の所定の位置に装着されたときに支持部材が前記退避する位置に位置するように、プロセスカートリッジの着脱動作に連動させて支持部材移動手段が支持部材を移動させる。これにより、プロセスカートリッジの着脱動作時に遊星歯車機構が破損するのを抑制することができる。
また、本実施形態によれば装置本体に対して上記プロセスカートリッジを位置決めする位置決め部材を該プロセスカートリッジに設けており、前記位置決め部材が上記支持部材移動手段を兼ねることで、プロセスカートリッジの着脱動作に支持部材の移動を連動させるために必要な部品点数を減らすことが可能となり、その分、装置内の省スペース化や低コスト化を図ることができる。
【符号の説明】
【0068】
2 帯電器
4 クリーニング装置
9 現像装置
10 中間転写ベルト
12 第一太陽歯車
13 モータ固定フランジ
14 内歯歯車
15 第一遊星歯車
16 第一キャリア
17 第二太陽歯車
18 第二遊星歯車
19 第二キャリア
20 円筒軸
21 スプライン部
22 エンドキャップ
22a 鍔
23a ローラ
23b ローラ
24 内歯歯車固定フランジ
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 原稿台
32 コンタクトガラス
33 第一走行体
34 第二走行体
35 結像レンズ
36 読み取りセンサ
40 感光体ドラム
42 給紙ローラ
43 ペーパーバンク
44 給紙カセット
45 分離ローラ
46 給紙路
47 搬送ローラ
49 レジストローラ
50 給紙ローラ
51 手差しトレイ
52 分離ローラ
53 給紙路
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
60 モータ
70 ドラム軸
81 第一支持ローラ
82 第二支持ローラ
83 第三支持ローラ
84 中間転写ベルトクリーニング装置
85 画像形成部
86 タンデム画像形成部
87 露光装置
88 二次転写装置
89 二次転写ベルト
100 複写機本体
110 本体前側板
111 面板
112 軸受
113 加圧バネ
114 前ドラムフランジ
115 後ドラムフランジ
116 セレーションカップリング
117 ユニットケース
118 位置決めピン
119 本体後側板
120 保持ハウジング
120a アンカー部
121 支持バネ
122 支持部材
122a アンカー部
123 軸受
124 カラー
125 止め輪
126 スタッド
127 駆動側板
128 ボス部
130 規制部材
131 ステー
132 支持部材
133 支持バネ
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0069】
【特許文献1】特開2008−151868号公報
【特許文献2】特開平4−331848号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状のハウジングと、前記ハウジング内に設けられた内歯歯車と、前記内歯歯車と同軸上で配設され駆動源からの回転駆動力を受けて回転する太陽歯車と、前記内歯歯車内に円周方向で配設され前記太陽歯車と前記内歯歯車と噛み合う複数の遊星歯車と、前記遊星歯車を回転自在に支持するとともに前記太陽歯車や前記内歯歯車と同軸上で回転自在なキャリアと、前記キャリアに設けられ回転駆動力を出力するための出力軸とからなる遊星歯車機構を備え、
駆動源からの回転駆動力を前記出力軸に連結された回転軸を介して、装置本体に対して着脱可能な回転体に伝達する駆動伝達装置において、
前記ハウジングの出力軸側とは反対側の端部を固定する固定部材と、
前記ハウジングの出力軸側の端部を支持する位置と、前記支持する位置から退避した位置との間で変位可能な支持部材と、
前記支持する位置と前記退避した位置との間で前記支持部材を移動させる支持部材移動手段とを有し、
装置本体に対して前記回転体の着脱を行うときに前記支持部材移動手段によって前記支持部材を前記支持する位置に移動させ、装置本体に前記回転体が装着されたときに前記支持部材移動手段によって前記支持部材を前記退避した位置に移動させることを特徴とする駆動伝達装置。
【請求項2】
請求項1の駆動伝達装置において、
上記ハウジングと上記内歯歯車とを一体で構成したことを特徴とする駆動伝達装置。
【請求項3】
請求項1または2の駆動伝達装置において、
上記回転軸の軸方向の位置を規制する規制手段を設けたことを特徴とする駆動伝達装置。
【請求項4】
請求項1、2または3の駆動伝達装置において、
上記遊星歯車機構が上記ハウジング内で軸方向に複数段構成されていることを特徴とする駆動伝達装置。
【請求項5】
像担持体と、
前記像担持体を回転駆動させる駆動手段と、
前記像担持体と前記駆動手段とに連結され駆動手段からの回転駆動力を該像担持体に伝達する駆動伝達手段と、
前記像担持体に画像を形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置において、
前記駆動伝達手段として、請求項1、2、3または4の駆動伝達装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5の画像形成装置において、
上記回転軸に対して上記像担持体が抜き差し可能であり、
前記回転軸に対して前記像担持体を抜き差しするときに上記支持部材が上記支持する位置に位置し、前記像担持体が前記回転軸の所定位置に装着されたときに前記支持部材が上記退避した位置に位置するように、前記回転体の抜き差し動作に連動させて上記支持部材移動手段が前記支持部材を移動させることを特徴とする駆動伝達装置。
【請求項7】
請求項6の画像形成装置において、
上記像担持体と、現像手段、帯電手段及びクリーニング手段から選ばれる少なくとも一つとを一体的に構成し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカ−トリッジを備えており、
前記プロセスカートリッジを装置本体に対して着脱するときに上記支持部材が上記支持する位置に位置し、前記プロセスカートリッジが装置本体の所定の位置に装着されたときに前記支持部材が上記退避する位置に位置するように、前記プロセスカートリッジの着脱動作に連動させて上記支持部材移動手段が前記支持部材を移動させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項7の画像形成装置において、
装置本体に対して上記プロセスカートリッジを位置決めする位置決め部材を該プロセスカートリッジに設けており、
前記位置決め部材が上記支持部材移動手段を兼ねることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−234073(P2012−234073A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−103247(P2011−103247)
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】