説明

駆動装置及び表示装置

【課題】回路面積を抑えながら、貫通電流を防止する。
【解決手段】駆動装置であって、入力信号が示す値を格納して順次隣のビットにシフトし、格納された複数のビットの値を出力するシフトレジスタと、前記シフトレジスタの隣り合わない複数のビットの値をそれぞれ示す複数のデータ信号の論理和を求めて出力する論理和回路と、前記論理和回路の出力を遅延させて出力する遅延回路と、前記複数のデータ信号にそれぞれ対応し、対応する前記データ信号及び前記遅延回路の出力に従って、第1のパルスを含む第1の制御信号及び第2のパルスを含む第2の制御信号を生成する複数のタイミング発生回路と、前記複数のタイミング発生回路にそれぞれ対応し、対応する回路の前記第1の制御信号に従って第1の電源の電圧を、その回路の前記第2の制御信号に従って第2の電源の電圧を出力する複数の出力回路とを有する。前記第2のパルスの期間は、前記第1のパルスの期間を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プラズマディスプレイパネルや液晶表示パネルに代表される表示パネル等を駆動するための駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の走査線と複数の信号線とが互いに交差して配置されている表示パネルが知られている。このような表示パネルとしては、プラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)、液晶表示パネル(LCD:Liquid Crystal Display)、エレクトロルミネッセンスパネル(EL:Electronic Luminescence)等のフラットパネルディスプレイ(FPD:Flat Panel Display)が知られている。
【0003】
特許文献1には、走査線の駆動に用いられる信号の例が記載されている。表示パネルを駆動する装置は、各走査線の駆動のために出力信号を生成する必要がある。出力信号を生成する出力回路には、電源とグラウンドとの間に2つのスイッチング素子を直列に接続した回路が一般に用いられている。2つのスイッチング素子が同時にオンになる期間があると、電源からグラウンドに貫通電流が流れ、消費電力の増加を招くので、貫通電流を防止する必要がある。特許文献2及び3には、貫通電流を防止した出力回路の例が記載されている。
【特許文献1】特開2001−154632号公報
【特許文献2】特開平11−143427号公報
【特許文献3】特開2005−70335号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
出力回路等における貫通電流を防止するためには、遅延回路を用いて制御信号を生成する必要である。特許文献2及び3の回路では、遅延回路が出力回路毎に用いられている。遅延回路の面積は比較的大きいので、表示パネルの駆動装置のように多数の出力信号を生成する場合には、装置の回路面積が大きくなってしまう。近年の表示パネルの画素数の増加に伴い、出力信号の数が多くなってきていることから、遅延回路によるコストの増加も大きくなっている。
【0005】
本発明は、表示パネルを駆動する駆動装置の回路面積を抑えながら、貫通電流を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態による駆動装置は、複数のビットの値を格納可能であり、入力信号が示す値を格納して順次隣のビットにシフトし、格納された複数のビットの値を出力するシフトレジスタと、前記シフトレジスタの隣り合わない複数のビットの値をそれぞれ示す複数のデータ信号の論理和を求めて出力する論理和回路と、前記論理和回路の出力を遅延させて出力する遅延回路と、前記複数のデータ信号にそれぞれ対応し、対応する前記データ信号及び前記遅延回路の出力に従って、第1のパルスを含む第1の制御信号及び第2のパルスを含む第2の制御信号を生成して出力する複数のタイミング発生回路と、前記複数のタイミング発生回路にそれぞれ対応し、対応する前記タイミング発生回路の前記第1の制御信号に従って第1の電源の電圧を、対応する前記タイミング発生回路の前記第2の制御信号に従って第2の電源の電圧を出力する複数の出力回路とを有する。前記第2のパルスの期間は、前記第1のパルスの期間を含んでいる。
【0007】
これによると、複数のデータ信号に対して遅延回路を有するので、遅延回路の数を出力信号の数に比べて少なくすることができる。このため、装置の回路面積を抑えながら、貫通電流を防止することができる。
【0008】
本発明の実施形態による表示装置は、表示パネルと、前記表示パネルを駆動するための複数の出力信号を生成する駆動装置とを有する。前記駆動装置は、複数のビットの値を格納可能であり、入力信号が示す値を格納して順次隣のビットにシフトし、格納された複数のビットの値を出力するシフトレジスタと、前記シフトレジスタの隣り合わない複数のビットの値をそれぞれ示す複数のデータ信号の論理和を求めて出力する論理和回路と、前記論理和回路の出力を遅延させて出力する遅延回路と、前記複数のデータ信号にそれぞれ対応し、対応する前記データ信号及び前記遅延回路の出力に従って、第1のパルスを含む第1の制御信号及び第2のパルスを含む第2の制御信号を生成して出力する複数のタイミング発生回路と、前記複数のタイミング発生回路にそれぞれ対応し、対応する前記タイミング発生回路の前記第1の制御信号に従って第1の電源の電圧を、対応する前記タイミング発生回路の前記第2の制御信号に従って第2の電源の電圧を出力する複数の出力回路とを有する。前記第2のパルスの期間は、前記第1のパルスの期間を含んでいる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、遅延回路の数を出力信号の数に比べて少なくすることができるので、回路面積を抑えながら、貫通電流を防止することができる。遅延回路の数が少ないので、生成される遅延のばらつきが少なくなり、出力信号のタイミングのばらつきを抑えることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図面において下2桁が同じ参照番号で示された構成要素は、互いに対応しており、同一の又は類似の構成要素である。図面における機能ブロック間の実線は、電気的な接続を示している。
【0011】
図1は、本発明の実施形態による表示装置の構成を示すブロック図である。図1の表示装置は、それぞれ駆動装置としての複数のスキャンドライバ100と、複数のデータ線ドライバ192と、これらに駆動される表示パネル194とを有している。表示パネル194は、典型的にはプラズマディスプレイパネルであるが、液晶表示パネル、エレクトロルミネッセンスパネル等の他の種類のフラットパネルディスプレイであってもよい。
【0012】
各スキャンドライバ100は、表示パネル194を駆動するための出力信号OUT1、OUT2、…を生成し、図1において横方向に走る複数の走査線を出力信号OUT1、OUT2、…によって駆動する。各データ線ドライバ192は、図1において縦方向に走る複数のデータ線を複数の出力信号によって駆動する。スキャンドライバ100は、出力信号OUT1、OUT2、…としてパルスを1つずつ順に時間をずらしながら出力し、最後の出力信号のパルスが出力されたことを次段のスキャンドライバ100に信号OUTによって通知する。このスキャンドライバ100も同様の動作を行い、更に次の段のスキャンドライバ100に通知をする。
【0013】
図2は、図1のスキャンドライバ100の構成例を示すブロック図である。スキャンドライバ100は、シフトレジスタ110と、ORゲート(論理和回路)122、124と、遅延回路としての遅延素子132、134と、タイミング発生回路141、142、143、144、…と、出力回路161、162、163、164、…とを有している。遅延回路としては、より複雑な回路を用いてもよい。図3は、図2のスキャンドライバ100における信号の例を示すタイミングチャートである。
【0014】
シフトレジスタ110は、直列に接続されたフリップフロップ111、112、113、114、…を有し、各フリップフロップは、1ビットの値を格納可能である。フリップフロップ111は、クロックCLKに同期して入力信号DTが示す値を格納する。シフトレジスタ110は、フリップフロップ111に格納された値をクロックCLKに同期して順次隣のビット(隣のフリップフロップ)にシフトする。フリップフロップ111〜114、…は、格納しているビットの値を示すデータ信号DT1、DT2、DT3、DT4、…をタイミング発生回路141〜144、…にそれぞれ出力する。入力信号DTとしては、パルスが入力される。このパルスが、クロックCLKのパルス毎に図3のようにデータ信号DT1〜DT4として出力される。
【0015】
ORゲート122、124は、互いに重複しないように、データ信号DT1〜DT4、…のうち、シフトレジスタ110の隣り合わない複数のビットの値をそれぞれ示すデータ信号DT1〜DT4、…に対応する。ここでは、ORゲート122、124の数及び遅延素子132、134の数は2であるので、ORゲート122、124は、データ信号DT1〜DT4、…の2本毎の1本に対応する。具体的には、ORゲート122は、データ信号DT1、DT3、…に対応し、ORゲート124は、データ信号DT2、DT4、…に対応する。ORゲート122は、データ信号DT1、DT3、…の論理和を求め、論理和を信号ODとして遅延素子132に出力する。ORゲート124は、データ信号DT2、DT4、…の論理和を求め、論理和を信号EVとして遅延素子134に出力する。
【0016】
遅延素子132は、信号ODを遅延させ、信号DODとしてタイミング発生回路141、143、…に出力する。遅延素子134は、信号EVを遅延させ、信号DEVとしてタイミング発生回路142、144、…に出力する。信号OD、EV、DOD、DEVの波形は、図3のようになる。
【0017】
タイミング発生回路141〜144、…は、データ信号DT1〜DT4、…にそれぞれ対応している。出力回路161〜164、…は、タイミング発生回路141〜144、…にそれぞれ対応している。タイミング発生回路141は、対応するデータ信号DT1及びこのデータ信号DT1が対応する遅延素子132の出力に従って、パルスを含む制御信号CT1及びパルスを含む制御信号CT2を生成して出力回路161に出力する。
【0018】
タイミング発生回路141は、具体的には、ANDゲート152と、NANDゲート154と、ラッチ156とを有している。ANDゲート152は、信号DT1と信号DODとの論理積を求め、制御信号CT1として出力回路161に出力する。NANDゲート154は、信号DODと制御信号CT2との論理積を反転した値を求めて出力する。ラッチ156は、入力端子Gが“H”(高論理レベル)であるときには、入力端子Dの値をそのまま制御信号CT2として出力し、入力端子Gが“L”(低論理レベル)であるときには、制御信号CT2の値を保持する。
【0019】
図3のように、制御信号CT1は、データ信号DT1の立ち上がりを遅らせた信号となり、制御信号CT2は、信号DT1に従って立ち上がり、信号DODの立ち下がりに従って立ち下がる信号となる。すなわち、制御信号CT2のパルスの期間は、制御信号CT1のパルスの期間を含んでいる。
【0020】
タイミング発生回路142は、対応するデータ信号DT2及びこのデータ信号DT2が対応する遅延素子134の出力に従って、パルスを含む制御信号CT3及びパルスを含む制御信号CT4を生成して出力回路162に出力する。タイミング発生回路143、144、…は、いずれも同様にして2つの制御信号を生成し、対応する出力回路163、164、…に出力する。
【0021】
出力回路161は、スイッチング素子としてのNMOS(n-channel metal oxide semiconductor)トランジスタ171と、スイッチング素子としてのPMOS(p-channel metal oxide semiconductor)トランジスタ172とを有している。NMOSトランジスタ171は、基準電圧を供給する電源と、出力信号OUT1を出力する出力ノードとの間に接続されている。PMOSトランジスタ172は、電源電圧を供給する電源と出力ノードとの間に接続されている。
【0022】
基準電圧は、例えばフローティンググラウンド電圧FGNDである。PMOSトランジスタ172が接続される電源の電圧は、駆動される表示パネルに供給することが必要な電圧である。この電圧は、表示パネルがプラズマディスプレイパネルである場合には、基準電圧より例えば150V高い電圧VDDHである。出力回路161は、制御信号CT1に従って基準電圧を出力信号OUT1の“L”レベルの信号として出力し、制御信号CT2に従って電源電圧(例えば電圧VDDH)を出力信号OUT1の“H”レベルの信号として出力する。
【0023】
出力回路161の動作について説明する。制御信号CT1、CT2が共に“L”であるときには、NMOSトランジスタ171はオフ、PMOSトランジスタ172はオンであり、出力信号OUT1は“H”である。制御信号CT2が“H”になると、PMOSトランジスタ172がオフになる。
【0024】
次に、制御信号CT1が“H”になると、NMOSトランジスタ171がオンになり、出力信号OUT1が“L”になる。次に、制御信号CT1が“L”になると、NMOSトランジスタ171がオフになる。更に、制御信号CT2が“L”になると、PMOSトランジスタ172がオンになり、出力信号OUT1が“H”になる。従って、出力信号OUT1として、図3のようなレベルが“L”となるパルスが出力される。
【0025】
NMOSトランジスタ171とPMOSトランジスタ172とが同時にオンにはならないので、出力回路161における貫通電流を防止することができる。他の出力回路162〜164、…も同様に動作し、クロックCLKの周期ずつ遅れたパルスが、出力信号OUT2〜OUT4、…として出力される。
【0026】
図2のスキャンドライバ100によると、奇数番目のデータ信号を遅延させる遅延素子132と、偶数番目のデータ信号を遅延させる遅延素子134とを有しているので、データ信号毎に遅延素子を有する必要がない。このため、特に多数の出力信号を生成するスキャンドライバにおいては、回路において占める面積が比較的大きい遅延素子の数を大幅に削減することができるので、回路面積を小さくすることができる。したがって、スキャンドライバを低コスト化することができる。また、遅延素子の数が少ないので、遅延の大きさのばらつきを抑えることができ、出力信号の質を高くすることができる。
【0027】
図4は、図2のスキャンドライバの変形例の構成を示すブロック図である。図4のスキャンドライバ300は、3つのORゲート322、324、326と、3つの遅延素子332、334、336とを有している点の他は、図2のスキャンドライバ100とほぼ同様に構成されている。シフトレジスタ310は、データ信号DT1〜DT4、DT5、DT6、…を出力する。図5は、図4のスキャンドライバ300における信号の例を示すタイミングチャートである。
【0028】
ORゲート322、324、326は、互いに重複しないように、データ信号DT1〜DT6、…のうち、シフトレジスタ310の隣り合わない複数のビットの値をそれぞれ示すデータ信号に対応する。ここでは、ORゲート322、324、326の数及び遅延素子332、334、336の数は3であるので、ORゲート322、324、326は、データ信号DT1〜DT6、…の3本毎の1本に対応する。
【0029】
具体的には、ORゲート322は、データ信号DT1、DT4、…に対応し、ORゲート324は、データ信号DT2、DT5、…に対応し、ORゲート326は、データ信号DT3、DT6、…に対応する。ORゲート322は、データ信号DT1、DT4、…の論理和を求め、この論理和を信号S1として遅延素子332に出力する。ORゲート324は、データ信号DT2、DT5、…の論理和を求め、この論理和を信号S2として遅延素子334に出力する。ORゲート326は、データ信号DT3、DT6、…の論理和を求め、この論理和を信号S3として遅延素子336に出力する。
【0030】
遅延素子332は、信号S1を遅延させ、信号DS1としてタイミング発生回路341、344、…に出力する。遅延素子334は、信号S2を遅延させ、信号DS2としてタイミング発生回路342、345、…に出力する。遅延素子336は、信号S3を遅延させ、信号DS3としてタイミング発生回路343、346、…に出力する。信号S1、S2、S3、DS1、DS2、DS3の波形は、図5のようになる。
【0031】
タイミング発生回路341〜346、…は、データ信号DT1〜DT6、…にそれぞれ対応している。出力回路361〜366、…は、タイミング発生回路341〜346、…にそれぞれ対応している。タイミング発生回路341は、対応するデータ信号DT1及びこのデータ信号DT1が対応する遅延素子332の出力に従って、パルスを含む制御信号CT1及びパルスを含む制御信号CT2を生成して出力回路361に出力する。
【0032】
同様にして、タイミング発生回路342は、制御信号CT3、CT4を生成して、対応する出力回路362に出力し、タイミング発生回路343は、制御信号CT5、CT6を生成して、対応する出力回路363に出力する。他のタイミング発生回路344〜346、…についても、同様である。この結果、制御信号CT1〜CT6及び出力信号OUT1〜OUT3は、図5のようになる。
【0033】
図4のスキャンドライバ300によると、1番目、4番目、…のデータ信号を遅延させる遅延素子332と、2番目、5番目、…のデータ信号を遅延させる遅延素子334と、3番目、6番目、…のデータ信号を遅延させる遅延素子336とを有しているので、データ信号毎に遅延素子を有する必要がない。遅延素子の数が2個の場合と3個の場合について説明したが、より多くの遅延素子と、それらに対応するORゲートを有するようにしてもよい。N個(Nは2以上の整数)の遅延素子を有する場合に、各遅延素子が、データ信号DT1〜DT6、…のN本毎の1本に対応するようにしてもよい。
【0034】
図6は、図2のスキャンドライバの他の変形例の構成を示すブロック図である。図6のスキャンドライバ500は、出力回路161〜164、…に代えて出力部501、502、503、504、…を有している点が、図2のスキャンドライバ100とは異なっている。その他の点は、図2のスキャンドライバ100と同様である。また、シフトレジスタ110、ORゲート122、124、遅延素子132、134、及びタイミング発生回路141〜144、…には、電源電圧VDD及びフローティンググラウンド電圧FGNDが供給され、出力部501〜504、…には、電源電圧VDDH及びフローティンググラウンド電圧FGNDが供給されている。電源電圧VDDは、フローティンググラウンド電圧FGNDより例えば5V高い電圧である。
【0035】
表示パネル194としてプラズマディスプレイパネルを駆動する場合には、出力信号OUT1〜OUT4、…の“H”レベルとして、回路用の電源電圧VDDより遙かに高い電圧を出力する必要がある。このため、出力部501のPMOSトランジスタ572には電源電圧VDDHが供給され、PMOSトランジスタ572を駆動するために、スキャンドライバ500はレベル変換回路581を有している。
【0036】
図7は、図6の出力部501の構成例を示す回路図である。出力部501は、出力回路561と、レベル変換回路581とを有している。レベル変換回路581は、NMOSトランジスタ583、584と、PMOSトランジスタ585、586と、インバータとを有している。制御信号CT2が“H”であるときには、NMOSトランジスタ583及びPMOSトランジスタ586がオンになる。PMOSトランジスタ585、586は電圧VDDHを供給する電源に接続されているので、このとき、PMOSトランジスタ572のゲートに、ほぼ電圧VDDHに等しい電圧を与えることができ、PMOSトランジスタ572をオフにすることが可能になる。すなわち、レベル変換回路581は、制御信号CT2の高論理レベルがほぼ電圧VDDHになるように、制御信号CT2を変換して出力する。他の出力部502〜504、…のレベル変換回路についても同様である。
【0037】
なお、出力回路161〜164、361〜366等が、スイッチング素子としてNMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタ等を有する場合について説明したが、これらに代えて、バイポーラトランジスタや、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のスイッチング可能な素子を用いてもよい。
【0038】
論理和を求めることができるのであれば、他の回路等をORゲート122、124、332、334、336に代えて用いてもよい。
【0039】
図3及び図5に示されているように、一方の制御信号(例えば制御信号CT2)のパルスの期間が他方の制御信号(例えば制御信号CT1)のパルスの期間を含むように、2つの制御信号を生成することができるのであれば、他の回路等をタイミング発生回路141〜144、341〜346等に代えて用いてもよい。
【0040】
本発明の多くの特徴及び優位性は、記載された説明から明らかであり、よって添付の特許請求の範囲によって、本発明のそのような特徴及び優位性の全てをカバーすることが意図される。更に、多くの変更及び改変が当業者には容易に可能であるので、本発明は、図示され記載されたものと全く同じ構成及び動作に限定されるべきではない。したがって、全ての適切な改変物及び等価物は本発明の範囲に入るものとされる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
以上説明したように、本発明は、回路面積を抑えることができるので、駆動装置等について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施形態による表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1のスキャンドライバの構成例を示すブロック図である。
【図3】図2のスキャンドライバにおける信号の例を示すタイミングチャートである。
【図4】図2のスキャンドライバの変形例の構成を示すブロック図である。
【図5】図4のスキャンドライバにおける信号の例を示すタイミングチャートである。
【図6】図2のスキャンドライバの他の変形例の構成を示すブロック図である。
【図7】図6の出力部の構成例を示す回路図である。
【符号の説明】
【0043】
100、300、500 スキャンドライバ
110、310 シフトレジスタ
122、124、322、324、326 ORゲート(論理和回路)
132、134、332、334、336 遅延素子(遅延回路)
141〜144、341〜346 タイミング発生回路
161〜164、361〜366 出力回路
194 表示パネル
581 レベル変換回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のビットの値を格納可能であり、入力信号が示す値を格納して順次隣のビットにシフトし、格納された複数のビットの値を出力するシフトレジスタと、
前記シフトレジスタの隣り合わない複数のビットの値をそれぞれ示す複数のデータ信号の論理和を求めて出力する論理和回路と、
前記論理和回路の出力を遅延させて出力する遅延回路と、
前記複数のデータ信号にそれぞれ対応し、対応する前記データ信号及び前記遅延回路の出力に従って、第1のパルスを含む第1の制御信号及び第2のパルスを含む第2の制御信号を生成して出力する複数のタイミング発生回路と、
前記複数のタイミング発生回路にそれぞれ対応し、対応する前記タイミング発生回路の前記第1の制御信号に従って第1の電源の電圧を、対応する前記タイミング発生回路の前記第2の制御信号に従って第2の電源の電圧を出力する複数の出力回路とを備え、
前記第2のパルスの期間は、前記第1のパルスの期間を含んでいる
駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の駆動装置において、
前記複数の出力回路は、それぞれ、
前記第1の電源と当該出力回路の出力ノードとの間に接続され、前記第1の制御信号に従って動作する第1のスイッチング素子と、
前記第2の電源と前記出力ノードとの間に接続され、前記第2の制御信号に従って動作する第2のスイッチング素子とを有する
駆動装置。
【請求項3】
請求項1に記載の駆動装置において、
前記複数のタイミング発生回路にそれぞれ対応し、前記第2の制御信号の高論理レベルが前記第2の電源電圧になるように、前記第2の制御信号を変換して出力する複数のレベル変換回路を更に備える
駆動装置。
【請求項4】
請求項1に記載の駆動装置において、
前記論理和回路と前記遅延回路とを複数備え、
前記複数の論理和回路は、それぞれ、
他の論理和回路とは重複しないように、前記シフトレジスタの隣り合わない複数のビットの値をそれぞれ示す複数のデータ信号に対応し、対応する前記複数のデータ信号の論理和を求めて出力し、
前記複数の遅延回路は、前記複数の論理和回路にそれぞれ対応し、対応する前記論理和回路の出力を遅延させて出力し、
前記複数のタイミング発生回路は、それぞれ、
当該タイミング発生回路が対応する前記データ信号及び当該タイミング発生回路が対応する前記データ信号に対応する前記遅延回路の出力に従って、第1のパルスを含む第1の制御信号及び第2のパルスを含む第2の制御信号を生成して出力する
駆動装置。
【請求項5】
請求項4に記載の駆動装置において、
前記遅延回路の数はN(Nは2以上の整数)であり、
前記複数の遅延回路は、それぞれ、
前記複数のデータ信号のN本毎の1本に対応する
駆動装置。
【請求項6】
表示パネルと、
前記表示パネルを駆動するための複数の出力信号を生成する駆動装置とを備え、
前記駆動装置は、
複数のビットの値を格納可能であり、入力信号が示す値を格納して順次隣のビットにシフトし、格納された複数のビットの値を出力するシフトレジスタと、
前記シフトレジスタの隣り合わない複数のビットの値をそれぞれ示す複数のデータ信号の論理和を求めて出力する論理和回路と、
前記論理和回路の出力を遅延させて出力する遅延回路と、
前記複数のデータ信号にそれぞれ対応し、対応する前記データ信号及び前記遅延回路の出力に従って、第1のパルスを含む第1の制御信号及び第2のパルスを含む第2の制御信号を生成して出力する複数のタイミング発生回路と、
前記複数のタイミング発生回路にそれぞれ対応し、対応する前記タイミング発生回路の前記第1の制御信号に従って第1の電源の電圧を、対応する前記タイミング発生回路の前記第2の制御信号に従って第2の電源の電圧を出力する複数の出力回路とを有し、
前記第2のパルスの期間は、前記第1のパルスの期間を含んでいる
表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−145802(P2010−145802A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−323781(P2008−323781)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】