駐車場情報提供システム、サーバ、情報端末
【課題】到着予想時刻の混雑状況をより精度よく予測できる駐車場情報提供システム等を提供すること。
【解決手段】駐車場P及びその周辺の周辺駐車場Pa〜Pcの収容可能数を記憶した駐車場情報記憶手段29と、駐車場及び周辺駐車場の車両の入出庫情報を収集する入出庫情報取得手段28と、駐車場毎及び周辺駐車場毎に、時間帯毎の入庫台数及び滞在時間の統計情報を記憶した統計情報記憶手段31と、前記目的地への到着予想時刻に、前記駐車場が満車か否かを予測する満空予測情報を、駐車場の駐車車両数及び統計情報から予測した予測駐車車両数と、収容可能数とを比較して生成する満空予測情報生成手段26と、満空予測情報を生成する際、周辺駐車場が平均的な混雑状況よりも混んでいる場合、駐車場の前記予測駐車車両数を大きめに補正する補正手段32と、満空予測情報を車両に送信する送信手段23とを有することを特徴とする。
【解決手段】駐車場P及びその周辺の周辺駐車場Pa〜Pcの収容可能数を記憶した駐車場情報記憶手段29と、駐車場及び周辺駐車場の車両の入出庫情報を収集する入出庫情報取得手段28と、駐車場毎及び周辺駐車場毎に、時間帯毎の入庫台数及び滞在時間の統計情報を記憶した統計情報記憶手段31と、前記目的地への到着予想時刻に、前記駐車場が満車か否かを予測する満空予測情報を、駐車場の駐車車両数及び統計情報から予測した予測駐車車両数と、収容可能数とを比較して生成する満空予測情報生成手段26と、満空予測情報を生成する際、周辺駐車場が平均的な混雑状況よりも混んでいる場合、駐車場の前記予測駐車車両数を大きめに補正する補正手段32と、満空予測情報を車両に送信する送信手段23とを有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場の満空情報を提供する駐車場情報提供システム等に関し、特に、到着予想時刻の満空情報を提供する駐車場情報提供システム、サーバ及び情報端末に関する。
【背景技術】
【0002】
車両を目的地まで案内しさらに目的地付近の駐車場を自動的に検索してその駐車場まで案内する技術が考えられている。また、駐車場が満車状態では車両が到達しても駐車できないため、駐車場側の施設と通信するサーバから駐車場の混雑状況を車両に通知する技術が考えられている。これにより、車両は空きのある駐車場を目的地に設定することができる。
【0003】
しかしながら、目的地までの経路は出発時に検索することが多いため、駐車場付近に到達するまでに駐車場の混雑状況が変化し、出発時には空きのある駐車場を目的地に設定しても到着時には満車状態となり、結局、入庫待ちが発生してしまうおそれがある。
【0004】
この点について、駐車場に到着する前に駐車場の混雑状況を予測する技術が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。特許文献1には、各駐車場から混雑度情報を受信したサーバが、30分や1時間後の予測混雑度を示す情報を車両に提供する駐車場情報提供システムが記載されている。また、特許文献2には、本線道路の通行量から駐車場に入庫する台数を予測し、これと駐車場の駐車車両数から将来時刻の駐車状況を予測する駐車場情報提供システムが記載されている。
【特許文献1】特開平9−167300号公報
【特許文献2】特開2002−63696号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1又は2記載の駐車場情報提供システムのように、1つの駐車場の将来の駐車状況を予測するだけでは、その駐車場の将来の混雑状況を予測するには十分でない。例えば、ある駐車場が満車になれば、満車になった駐車場に駐車しようとしていた車両は周辺の駐車場に駐車すると考えられ、1つの駐車場の混雑状況が周辺の駐車場の混雑状況と影響を及ぼし合うためである。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、到着予想時刻の混雑状況をより精度よく予測できる駐車場情報提供システム、サーバ及び情報端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題に鑑み、本発明は、駐車場又は目的地の情報をサーバに送信する情報端末と、駐車場又は目的地の周辺の駐車場の情報を車両に送信する前記サーバと、を有する駐車場情報提供システムであって、サーバは、駐車場及びその周辺の周辺駐車場の収容可能数を記憶した駐車場情報記憶手段と、駐車場及び前記周辺駐車場の車両の入出庫情報を収集する入出庫情報取得手段と、駐車場毎及び周辺駐車場毎に、時間帯毎の入庫台数及び入庫した車両の滞在時間の統計情報を記憶した統計情報記憶手段と、前記目的地への到着予想時刻に、前記駐車場が満車か否かを予測する満空予測情報を、前記駐車場の駐車車両数及び前記統計情報から予測した予測駐車車両数と、前記収容可能数とを比較して生成する満空予測情報生成手段と、満空予測情報を生成する際、周辺駐車場が平均的な混雑状況よりも混んでいる場合、駐車場の前記予測駐車車両数を大きめに補正する補正手段と、満空予測情報を車両に送信する送信手段と、を有する、ことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、周辺の駐車場の混雑状況に応じて満空予測情報を補正するので、到着予想時刻の満空を精度よく予測できる。
【0009】
また、本発明の一形態において、情報端末は、目的地まで所定距離内に到達するか又は到着予想時刻の所定時間前になると、サーバに駐車場の満空予測情報の送信を要求し、サーバは、再度、満空予測情報を生成し情報端末に送信する、ことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、到着予想時刻における混雑状況の変動を到着の少し前に修正するので、到着予想時刻の満空を精度よく予測できる。
【0011】
また、本発明の一形態において、サーバは、収容可能数と予測駐車車両数とを比較して、到着予想時刻に駐車場又は周辺駐車場が満車となる確率を算出する満車確率予測手段を有し、情報端末は、サーバから受信した満車確率情報に応じて、表示手段に表示する駐車場アイコンの大きさを調整するアイコンサイズ調整手段、を有する、ことを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、乗員はアイコンの大きさから駐車場の混雑状況を把握できる。
【発明の効果】
【0013】
到着予想時刻の混雑状況をより精度よく予測できる駐車場情報提供システム、サーバ及び情報端末を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本実施形態の駐車場情報提供システム100の概略構成図を示す。サーバ50は駐車場P、Pa、Pb、Pcから各駐車場への車両99の入庫情報及び出庫情報を受信して、車両20からの問い合わせに対し駐車場満空予測情報を送信する。この駐車場満空予測情報は車両20が目的地である駐車場Pに到着する到着予想時刻に、駐車場Pが満車か空きがあるかを予測した情報である。したがって、車両20はサーバ50に問い合わせることで、到着時に駐車場Pが満車か空きがあるかを把握することができる。
【0016】
そして、さらにサーバ50は、車両20の出発時刻における駐車場Pの混雑状況(所定時間毎の入庫台数、駐車車両数)が、通常時よりも多い場合、周辺の駐車場Pa、Pb、Pcの混雑状況を同様に判定する。そして、周辺の駐車場Pa、Pb、Pcも通常時より混雑していると判定される場合(所定時間毎の入庫台数、駐車車両数が通常時よりも多い)、駐車場Pにおける到着予想時刻の駐車車両数を大きめに補正して、駐車場満空予測情報の判定基準を厳しくする。
【0017】
これは、駐車場Pだけでなく周辺の駐車場Pa〜Pcも通常時に比べ混雑している場合、例えばイベントになどが開催されているためその日は駐車場Pが混雑すると推定したものである。目的の駐車場だけでなく、周辺の駐車場Pa〜Pcの混雑状況に応じて補正するか否かを決定するので、到着予想時刻に駐車場Pの満車か否かを精度よく予測することができる。
【0018】
なお、車両20は例えばナビゲーションシステム60を搭載しており、基地局を介してネットワークに接続しサーバ50と通信する。また、各駐車場P、Pa、Pb及びPcは、基地局及び/又はネットワークを介してサーバ50と通信する駐車場管理装置70を有する。
【0019】
図2は、駐車場情報提供システム100の機能ブロック図の一例を示す。
・駐車場管理装置70
駐車場管理装置70は入場ゲート71、退場ゲート72、制御部73及び通信装置74を有し、制御部73により制御される。入場ゲート71及び退場ゲート72は、例えば車両99が1台通過する度に開閉し、制御部73は入場ゲート71の開閉により1台の車両99の入庫を、退場ゲート72の開閉により1台の車両99の出庫を検出する。これにより現在の駐車車両数を把握している。
【0020】
通信装置74は、RF部、ベースバンド部、CPU等を有し携帯電話の基地局と通信してもよいし、TCP/IPなどのプロトコル処理機能を実装したネットワークカードとしてネットワークに接続してもよい。したがって、駐車場管理装置70はサーバ50と各種の情報の送受信が可能となっている。
【0021】
また、駐車場管理装置70は、入庫した車両99を識別して滞在時間に応じた課金をすることが多いので、少なくとも各駐車場内で一意の識別情報で車両99を識別している。例えば、各車両99には入庫時に識別用の番号が付された駐車券が配布され、車両99の乗員が出庫時に駐車券を駐車場管理装置70に提出することで、どの車両99が出庫してどの車両99が入庫したままなのかが管理されている。また、例えば、入庫時に車両99のナンバープレートを撮影して画像解析し車両99を識別する場合や、予め携帯電話のICメモリに格納した駐車場Pの会員登録情報を入庫時及び出庫時に、駐車場管理装置70のRFリーダに読み込ませることで車両99の入出庫を管理する場合がある。
【0022】
制御部73は、通信装置74を介して、車両99が入庫する度に車両99の入庫情報と車両識別情報をサーバ50に送信し、車両99が出庫する度に車両99の入庫情報と車両識別情報をサーバ50に送信する(以下、駐車場管理装置70がサーバ50に送信する情報を入出庫関連情報という)。したがって、サーバ50は、入出庫関連情報を受信した時刻に基づき、各車両99毎に入庫時間と出庫時間を取得できる。なお、入出庫関連情報に入庫時刻及び出庫時刻を含めておけば、入庫又は出庫の度に入出庫関連情報を送信する必要がなく、通信コストを低減できる。
【0023】
・ナビゲーションシステム60
ナビゲーションシステム60はナビECU(Electronic Control Unit)67により制御され、ナビECU67は、CAN(Controller Area Network)等の車内LANや専用線を介してGPS受信機61、車速センサ62、地図DB63、入力部65、ディスプレイ66、及び、通信装置64と接続されている。ナビゲーションシステム60は、車両20への据え置き型でなくてもよく可搬型でもよい。
【0024】
GPS受信機61は、地球の周りを周回する好ましくは4つ以上のGPS衛星を捕捉して、各GPS衛星からの電波の到達時間に基づき車両20の位置(緯度・経度・標高)を決定する。位置の知られた地上の基準局からFM放送の電波を受信してさらに高精度に位置を決定してもよい。車速センサ62は、例えば、車両20の各輪に備えられたロータの円周上に定間隔で設置された凸部が通過する際の磁束の変化をパルスとして計測して、単位時間あたりのパルス数に基づき各輪毎に車輪速を計測する。車輪速にタイヤの外径を乗じれば車速が得られる。地図DB63は、実際の道路網に対応したノード(道路と道路が交差する点、例えば交差点)と、リンク(ノードとノードを接続する道路)とを対応づけたテーブル状のデータベースである。したがって、ノードとリンクを辿ることで道路網を形成できる。なお、地図DB63には、駐車場P、Pa〜Pcの位置、店舗の位置(店舗と提携した駐車場が駐車場の位置)、等のポイント情報が道路地図に対応づけて記憶されている。地図DB63はナビゲーションシステム60の出荷時に記憶された状態であってもよいし、ナビゲーションシステム60が車両20に搭載された後に、その一部又は全部を所定のサーバからダウンロードして記憶してもよい。
【0025】
入力部65は、乗員がナビゲーションシステム60を操作する操作情報を入力するユーザインターフェイスとなる。例えば、押しボタン式のキーボード、リモコン、乗員の発した音声を入力する音声認識装置、ディスプレイ66に形成されたタッチパネル等である。また、ディスプレイ66はヘッドアップディスプレイや液晶ディスプレイなどであり、現在地周辺の地図、目的地までの経路及び駐車場Pが満車か空きがあるか等の情報を表示するために用いられる。
【0026】
通信装置64は、携帯電話の基地局や無線LAN等のアクセスポイントに接続してサーバ50と通信する。本実施例では、通信装置64から、車両20の現在位置情報及び目的地情報をサーバ50に送信し、サーバ50から駐車場満空予測情報を受信する。駐車場Pを送信する場合と目的地を送信してサーバ50が最寄りの駐車場Pを決定する場合があるが、本実施形態では区別せずに目的地情報という。
【0027】
なお、ナビECU67はGPS受信機61が検出した車両20の位置情報を起点にして、ジャイロセンサが検出する方向に車速センサ62が検出する走行距離を累積して、車両20の位置を高精度に推定する。また、図示する以外にVICS受信機を備えていてもよいし、目的地までの経路を検索する経路検索部を備えていてもよい。目的地までの経路とVICS情報により目的地までの所要時間を算出することができる。この、所要時間を送信すれば、サーバ50が目的地までの経路を検索したり、所要時間を算出する必要がない。
【0028】
・サーバ50
サーバ50は、CPU、RAM、ROM、ハードディスクなどの不揮発メモリ及び入出力インターフェイスを有するコンピュータであり、CPUがプログラムを実行するか又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現される到着予想時刻算出部22、駐車場入出庫時刻取得部24、平均滞在時間算出部25、駐車場満空予測情報生成部26及び補正判定部32を有する。また、不揮発メモリには、交通情報DB(Data Base)21、入出庫時刻DB28、駐車場DB29及び滞在時間情報DB31が格納されている。
【0029】
駐車場入出庫時刻取得部24は、通信部23を介して入出庫関連情報を受信して、入出庫関連情報から車両毎に入庫時刻及び出庫時刻を入出庫時刻DB28に記憶する。図3(a)は入出庫時刻DB28に記憶される入庫時刻及び出庫時刻の一例を示す。入出庫時刻DB28には、各駐車場P毎に車両識別情報に対応づけて入庫時刻及び出庫時刻が記憶されている。そして、駐車場入出庫時刻取得部24は車両99が出庫すると滞在時間を算出して入出庫時刻DB28に記憶する。
【0030】
駐車場入出庫時刻取得部24は、このようにして入庫情報及び出庫情報を検出しているため、常にその時の駐車車両数を把握している。図3(b)は、駐車場DB29に
記憶された現在の駐車車両数及び収容可能数の一例を、図3(c)は駐車場DB29に記憶された平均的駐車車両数の一例を示す。収容可能数は、駐車場Pに駐車可能な最大の車両数であって固定値である。駐車場DB29は、駐車場P毎の情報を記憶するデータベースであるので、これらの他、名称、管理者の氏名、駐車場Pの位置情報、電話番号等を記憶している。
【0031】
平均的駐車車両数は、所定時間(例えば1時間)毎に平均的な駐車車両数として算出された値である。これを平日(月〜金)と土日祝(以下、休日という)とに区分して算出することで、平日と休日の1時間毎の平均的な駐車車両数を把握することができる。
【0032】
平均滞在時間算出部25は、入庫時刻と出庫時刻に基づき統計情報を生成し滞在時間情報DB31に記憶する。平均滞在時間算出部25は、入出庫時刻DB28の情報を平日と休日とに区分し、例えば30分毎〜2時間毎に、統計情報を算出する。
【0033】
例えば、1時間毎に統計情報を算出する場合、1時間毎の平均的な入庫車数Ninを算出する。図4(a)は、滞在時間情報DB31に記憶された1時間毎の平均的な入庫車数Ninを示す。平均滞在時間算出部25は入出庫時刻DB28を参照し、所定の1時間で区分される入庫車数から、平日及び休日のそれぞれについて図4(a)のような、1時間毎の平均的な入庫車数Ninを算出する。
【0034】
また、平均滞在時間算出部25は出庫までの滞在時間の統計情報を算出する。滞在時間の統計情報は、例えば、「A時〜B時に入庫した車両が、C時からD時に出庫する確率」である。
【0035】
平均滞在時間算出部25は、入出庫時刻DB28を参照し、
1時間以内に出庫した車両数Nout1、
1時間から2時間で出庫する車両数Nout2、
2時間から3時間で出庫する車両数Nout3、
3時間から4時間で出庫する車両数Nout4
:
をカウントする。駐車場Pの営業形態に応じて例えば12時間〜24時間程度まで算出しその他はそれ以上とすればよい。
【0036】
そして、平均滞在時間算出部25は、Nout1/Nin、Nout2/Nin、Nout3/Nin、等をそれぞれ算出する。この値が滞在時間の統計情報となる。平均滞在時間算出部25は図4(a)に示す1時間毎の入庫時刻に対し出庫までの滞在時間毎の統計情報を算出する。
【0037】
図4(b)は滞在時間情報DB31に記憶される統計情報の一例を示す。図4(b)では、平日の1時間毎に、入庫した車両99が1時間毎に出庫する確率が記録されている。平均滞在時間算出部25は、同様の統計情報を休日についても算出し、それを各駐車場P、Pa〜Pcに対し算出する。
【0038】
到着予想時刻算出部22は、目的地までの経路に応じて車両20の到着予想時刻を算出する。まず、到着予想時刻算出部22は、車両20から受信した現在位置情報及び目的地情報から目的地までの経路を例えばダイクストラ法により検索する。到着予想時刻算出部22は、目的地までの経路となりうるリンクを抽出し、各リンクをリンク長や右左折、幅員、通行規制等に応じたコストに置き換え、これらのコストの積算値が最も小さくなる経路を目的地までの経路と決定する。
【0039】
交通情報DB21は例えばVICSセンタが配信するリンク旅行時間又はプローブカーが送信した車速及び位置情報から算出したリンク旅行時間を記憶している。到着予想時刻算出部22は、検索した経路のリンク旅行時間を交通情報DB21から抽出し、目的地までの所要時間を算出する。したがって、車両20から目的地情報等を受信した時刻にこの所用時間を加えた時刻が到着予想時刻である。
【0040】
〔駐車場満空予測情報の生成〕
続いて、駐車場満空予測情報生成部26について説明する。駐車場満空予測情報生成部26は、収容可能台数、現在の駐車車両数、到着予想時刻、及び、滞在時間情報DB31に記憶された統計情報、から、車両20が駐車場Pに到着する予想到着時刻に駐車場Pが満車か空きがあるか判定する。
【0041】
具体的には、到着予想時刻までの入庫車数及び出庫車数を予測することで、到着予想時刻までの駐車車両数の増減数を算出する。これに現在(経路検索時)の駐車車両数を加えると、到着予想時刻の駐車車両数が予測できる。到着予想時刻の駐車車両数が収容可能数よりも大きければ、車両20は駐車できないことになるので、駐車場満空予測情報生成部26は駐車できないと判定した駐車場満空予測情報を生成し車両20に送信する。
【0042】
以下の状況を具体例にして説明する。
曜日:月曜日 出発時刻:8時 到着予想時刻:10時 出発地から目的地までの距離:45km
目的地:駐車場P 8時の駐車車両数:60台(6時台入庫が10台、7時台入庫が50台)
到着予想時刻(10時)の駐車車両数=
現在の駐車車両数 + 8時台平日平均入庫台数 + 9時台平日平均入庫台数
− 6時台入庫数×6時台入庫車の4時間以内出庫確率
− 7時台入庫数×7時台入庫車の3時間以内出庫確率
− 8時台入庫数×8時台入庫車の2時間以内出庫確率
− 9時台入庫数×9時台入庫車の1時間以内出庫確率 … (1)
・到着予想時刻(10時)の駐車車両数 > 収容可能数 の場合
満車であると判定する。
・到着予想時刻(10時)の駐車車両数 ≦ 収容可能数 の場合
空きがあると判定する。
【0043】
〔到着予想時刻の駐車車両数の補正〕
駐車場Pの周辺に駐車場Pa〜Pcがなければ、駐車場Pの駐車場満空予測情報が他の駐車場Pa〜Pcの混雑状況に大きく影響されないとして、式(1)により駐車場満空予測情報を生成できる。しかしながら、駐車場Pの周辺にある駐車場Pa〜Pcが存在する場合、それらの駐車場の混雑状況が互いに影響し合うと考えられるので、周辺の駐車場Pa〜Pcの混雑状況から駐車場満空予測情報を補正することで、より精度よく判定することが可能となる。
【0044】
補正判定部32は、車両20から駐車場満空予測情報の問い合わせがあった場合、図3(b)に示した駐車場DB29から目的地の駐車場Pの「現在の駐車車両数」を読み出す。また、補正判定部32は駐車場DB29から、問い合わせがあった時の駐車場Pの「平均的な駐車車両数」を読み出す。なお、「現在の駐車車両数」と「平均的な駐車車両数」を比較するのでなく、「現在の1時間当たりの入庫台数」と「平均入庫台数(Nin)」とを比較してもよい。すなわち、現在又は今後の駐車車両数の傾向が把握できる指標を比較すればよい。
【0045】
そして、「現在の駐車車両数」が「平均的な駐車車両数」よりも大きい場合、周辺の駐車場Pa〜Pcの「現在の駐車車両数」と「平均的な駐車車両数」を読み出し、駐車場Pと同様に比較する。なお、大きいか否かの基準は2割程度であり、周辺の駐車場Pa〜Pcとは駐車場Pから半径1km程度である。
【0046】
そして、周辺の駐車場Pa〜Pcにおいても「現在の駐車車両数」が「平均的な駐車車両数」よりも大きい場合、補正判定部32は駐車場満空予測情報生成部26に補正を要求する。
【0047】
なお、周辺の駐車場Pa〜Pcの全てがかかる条件を満たさなくてもよく、例えば、周辺の半数程度の駐車場Pa〜Pcがかかる条件を満たせば補正するとしてもよい。
【0048】
駐車場満空予測情報生成部26は、到着予想時刻の終車車両数を補正するための補正係数γを用いて式(1)を算出することで、イベントなどの特殊要因に対応した駐車場満空予測情報を生成する。
【0049】
補正係数γは、例えば、目的地の駐車場Pの「現在の駐車車両数/平均的な駐車車両数×係数C」又は「現在の1時間当たりの入庫台数/平均入庫台数(Nin)×係数C」である。後述するように、補正係数γに係数Cを掛けることで種々の状況に対応した補正係数γを算出することができる。
【0050】
上述と同じ具体例を用いて説明する。
曜日:月曜日 出発時刻:8時 到着予想時刻:10時 出発地から目的地までの距離:45km
目的地:駐車場P 8時の駐車車両数:60台(6時台入庫が10台、7時台入庫が50台)
まず、補正判定部32は、駐車場満空予測情報を補正するか否かを判定する。
本日8時の駐車場Pの駐車車両数 × 1.2 > 平日8時の駐車場Pの平均的な駐車車両数…(2)−1
本日8時の駐車場Pa〜Pcの駐車車両数 × 1.2 > 平日8時の駐車場Pa〜Pcの平均的な駐車車両数…(2)−2
駐車場満空予測情報生成部26は、式(2)−1と(2)−2のいずれも満たされる場合に、補正係数γを算出する。
【0051】
補正係数γ= 本日8時の駐車場Pの駐車車両数/平日8時の駐車場Pの平均的な駐車車両数 × 0.9 …(2)−3
式(2)−3の「0.9」は係数Cに相当するもので、現在は平均的な駐車車両数よりも2割以上多いが、到着予想時刻ではそれよりも少なめに駐車車両数を見積もることを可能とする等、補正係数γの調整に用いられる。なお、γ<1.0となった場合、γは1.0に設定する(すなわち、ガンマは1.0以上である)。
【0052】
到着予想時刻(10時)の駐車車両数=
現在の駐車車両数 + 8時台平日平均入庫台数×γ + 9時台平日平均入庫台数×γ
− 6時台入庫数×6時台入庫車の4時間以内出庫確率
− 7時台入庫数×7時台入庫車の3時間以内出庫確率
− 8時台入庫数×8時台入庫車の2時間以内出庫確率
− 9時台入庫数×9時台入庫車の1時間以内出庫確率 … (2)−4
・到着予想時刻(10時)の駐車車両数 > 収容可能数 の場合
満車であると判定する。
・到着予想時刻(10時)の駐車車両数 ≦ 収容可能数 の場合
空きがあると判定する。
【0053】
<係数Cの調整>
係数Cにより到着予想時刻の駐車車両数を調整することができる。駐車場P、Pa〜Pcがなんら関係のない駐車場の場合、各駐車場の混雑状況が互いに影響し合う程度は、関係する駐車場同士の場合よりも少ない、例えば、駐車場Pと駐車場Paが提携駐車場の場合、駐車場Paの混雑状況は駐車場Pの混雑状況に強く影響すると考えられる。デパート等の大型店舗では、周辺に複数の駐車場(第1〜第3駐車場等)を有していることが多く、バーゲンなどのイベントがあると複数の駐車場PaとPがいずれも混雑することが知られている。
【0054】
したがって、補正判定部32が周辺の駐車場Pa〜Pcにおいて、(2)−2を用いて判定する場合、駐車場Pa〜Pcに駐車場Pと提携した駐車場が存在する場合、駐車場満空予測情報生成部26は、係数Cを大きく(1以上)する。例えば、提携駐車場が1つ検出された場合、係数Cを1.05に設定し、2つ以上検出された場合、係数Cを1.1に設定するなど、駐車場Pの周囲の駐車場Pa〜Pcの状況に応じて補正係数γを算出することが可能となる。
【0055】
なお、駐車場P、Pa〜Pcに提携関係があるか否かや、同じ店舗の駐車場か否かは、駐車場DB29を参照すれば判定される。例えば、駐車場P、Pa〜Pcの名称が一部一致したり、管理者等の氏名が同じであれば提携関係等があると判定してよい。
【0056】
到着予想時刻(10時)の駐車車両数の算出式はγの値が変わるだけで、式(2)−4と同じであるが、γが大きくなっただけ到着予想時刻(10時)の駐車車両数が大きくなる。したがって、駐車場満空予測情報の判定が厳しくなる。
【0057】
〔駐車場情報提供システム100の動作手順〕
駐車場満提供システム100の動作手順について図5のフローチャート図を用いて説明する。まず、ユーザが入力部65から目的地を入力する(S10)。目的地は、住所、施設の名称等から入力でき、例えば駐車場を目的地に設定するオプション機能により駐車場Pが目的地に設定される。ついで、ナビECU67は目的地情報及び現在位置情報をサーバ50へ送信する(S20)。
【0058】
サーバ50の処理に移行し、サーバ50の到着予想時刻算出部22は目的地までの経路と所要時間を算出する。そして、補正判定部32は目的地の駐車場Pの現在の駐車車両数を駐車場DB29から読み出し(S110)、式(2)−1に基づき「現在の駐車場Pの駐車車両数」が、「駐車場Pの平均的な駐車車両数」よりも例えば2割程度多いか否かを判定する(S120)。
【0059】
「現在の駐車場Pの駐車車両数」が「駐車場Pの平均的な駐車車両数」よりも多くない場合(S120のNo),ステップS170に進み駐車場満空予測情報を生成する。
【0060】
「現在の駐車場Pの駐車車両数」が「駐車場Pの平均的な駐車車両数」よりも多い場合(S120のYes),補正判定部32は周辺の駐車場の現在の駐車車両数を読み出す(S130)。周辺とは駐車場Pを中心に例えば半径1kmである。
【0061】
そして、補正判定部32は、式(2)−2に基づき、「現在の駐車場Pa〜Pcの駐車車両数」が、「駐車場Pa〜Pcの平均的な駐車車両数」よりも例えば2割程度多いか否かを判定する(S140)。駐車場Pa〜Pcのうち1つも平均的な駐車車両数より多い場合、ステップS140の判定はYesとなる。
【0062】
「現在の駐車場Pa〜Pcの駐車車両数」が「駐車場Pa〜Pcの平均的な駐車車両数」よりも多くない場合(S140のNo)、ステップS170に進み駐車場満空予測情報を生成する。
【0063】
「現在の駐車場Pa〜Pcの駐車車両数」が「駐車場Pa〜Pcの平均的な駐車車両数」よりも多い場合(S140のYes)、駐車場Pa〜Pcに駐車場Pと提携した駐車場があるか否かを判定する(S150)。提携した駐車場がない場合(S150のNo)、駐車場満空予測情報生成部26は、1より小さい係数Cを用いて補正係数γを決定する(S180)。提携した駐車場がある場合(S150のYes)、駐車場満空予測情報生成部26は、1より大きい係数Cを用いて補正係数γを決定する(S160)。これにより、提携駐車場が通常より混んでいる場合は、補正係数γを大きくすることができる。
【0064】
ついで、駐車場満空予測情報性は、式(1)又は式(2)−4を用いて到着予想時刻の駐車場車両数を算出し、それと駐車場Pの収容可能数を比較して駐車場満空予測情報を生成する(S170)。サーバ50は駐車場満空予測情報を車両20に送信する。
【0065】
ナビゲーションシステム60の処理に移行し、ナビECU67は駐車場満空予測情報を受信する(S30)。そして、駐車場満空予測情報を乗員に通知するため必要に応じてディスプレイ66に表示する(S40)。
【0066】
駐車場満空予測情報が駐車場Pに駐車可能であることを示す場合、「駐車場Pを目的地に設定しました。到着時に駐車場Pには空きがあることが予想されます。」と表示する。駐車場満空予測情報が駐車場Pに駐車できないことを示す場合、「駐車場Pは到着予想時刻に満車と予想されます。別の駐車場を目的地に設定しますか?」等を表示する。これにより、乗員は、別の駐車場を設定するなど必要な操作を行うことができる。
【0067】
以上説明したように、本実施例の駐車場情報提供システム100は、目的地の駐車場Pだけでなく、周辺の駐車場Pa〜Pcの混雑状況を判定し判定結果に応じて到着予想時刻の駐車車両数を予測するので、到着予想時刻に満車か否かを精度よく予測することができる。また、周辺の駐車場Pa〜Pcが駐車場Pと提携関係にあるか否かに応じて、到着予想時刻の駐車車両数を予測するので、イベント等の特殊要因が駐車場Pの混雑状況に与える影響を考慮して到着予想時刻に満車か否かを精度よく予測することができる。
【実施例2】
【0068】
実施例1では、サーバ50は到着予想時刻に満車か空きがあるかを示す駐車場満空予測情報を車両20に提供したが、到着予想時刻の駐車車両数を完全に予測することは困難であるため、駐車できるか否かを乗員が判断できるような情報を車両20に提供することが好ましい場合がある。
【0069】
本実施例では、到着予想時刻の駐車車両数と収容可能数に応じて、サーバ50が満車確率情報を生成し、車両20に提供する駐車場情報提供システム100について説明する。また、ナビゲーションシステム60は、満車確率情報に基づきディスプレイ66に表示する駐車場Pのアイコンを調整する。これにより、乗員は空きの可能性の高い駐車場を目的地に設定しやすくなる。
【0070】
図6は、本実施例の駐車場情報提供システム100の機能ブロック図の一例を示す。なお、駐車場管理装置70の機能ブロック図は図2と同じである。また、図6において図2と同一部分には同一の符号を付しその説明は省略する。
【0071】
〔サーバ50〕
図6のサーバ50は、駐車場満空予測情報生成部26の替わりに満車確率予測部33を有する。満車確率予測部33は、到着予想時刻の駐車車両数と収容可能数とを比較して、到着予想時刻の駐車車両数が収容可能数を上回れば大きな満車確率を予測し、到着予想時刻の駐車車両数が収容可能数を下回れば小さな満車確率を予測する。なお、到着予想時刻の駐車車両数の算出方法は式(1)又は式(2)−4を用いる。すなわち、駐車場Pの周辺の駐車場Pa〜Pcが通常よりも駐車車両数が多い場合、駐車場Pの到着予想時刻における駐車車両数は多めに見積もられる。また、駐車場Pと提携した駐車場Pa〜Pcの駐車車両数が通常よりも多い場合、補正係数γを大きくすることも実施例1と同様である。
【0072】
満車確率予測部33は、駐車場Pの、
予測駐車比率=「到着予想時刻の駐車車両数」/「収容可能数」 …(3)−1
を算出する。
予測駐車比率が1より大きい場合、車両20が駐車場Pに駐車できる可能性は低いので(実施例1では満車と予測)、式(3)−1の値に応じて満車確率を決定する。例えば、
・予測駐車比率が1.0〜1.1の場合(収容可能数より0〜10%多い)、満車確率を80%に決定し、
・予測駐車比率が1.1〜1.2の場合(収容可能数より10〜20%多い)、満車確率を90%に決定し、
・予測駐車比率が1.2以上の場合、満車確率を100%に決定する。
【0073】
また、次式から満車確率を決定してもよい。
予測超過駐車数=「到着予想時刻の駐車車両数」−「収容可能数」 …(3)−2
・予測超過駐車数が0〜5台の場合、満車確率を80%に決定し、
・予測超過駐車数が6〜10台の場合、満車確率を90%に決定し、
・予測超過駐車数が11台以上の場合、満車確率を100%に決定する。
【0074】
逆に、式(3)−1の予測駐車比率が1より小さい場合、車両20が駐車場Pに駐車できる可能性は高いので(実施例1では空き有りと予測)、例えば次のように満車確率を決定する。
・予測駐車比率が1.0〜0.9の場合(収容可能数より0〜10%少ない)、満車確率を40%に決定し、
・予測駐車比率が0.9〜0.8の場合(収容可能数より10〜20%少ない)、満車確率を30%に決定し、
・予測駐車比率が0.8未満の場合、満車確率を20%に決定する。
【0075】
また、予測駐車車両数がマイナスの場合、式(3)−2の予測超過駐車数から、次のように満車確率を決定する。
・予測超過駐車数がマイナス0〜5台の場合、満車確率を40%に決定し、
・予測超過駐車数がマイナス6〜10台の場合、満車確率を30%に決定し、
・予測超過駐車数がマイナス11台以上の場合、満車確率を20%に決定する。
【0076】
〔ナビゲーションシステム60〕
本実施例のナビゲーションシステム60は、アイコン形状調整部68を有する。アイコン形状調整部68は、満車確率に応じて駐車場を表すアイコンのサイズを調整する。乗員は満車確率が低い駐車場を選択すると考えられるので、満車確率が小さい駐車場のアイコンを大きくする。例えば、次のようにアイコンの大きさを決定する。
・満車確率20%以下の場合、アイコンの大きさを最大に決定し、
・満車確率30%の場合、20%よりも小さいアイコンの大きさに決定し、
・満車確率40%の場合、30%よりも小さいアイコンの大きさに決定し、
:
・満車確率80%の場合、70%よりも小さいアイコンの大きさに決定し、
・満車確率90%の場合、80%よりも小さいアイコンの大きさに決定する。
・満車確率100%の場合、アイコンを表示しない。
【0077】
なお、単に大きさを変えるだけでなく、満車確率の高い駐車場は目立たなない色で表示したり、満車確率の低い駐車場を目立つ色で表示してもよい。また、満車確率の低い駐車場を点滅表示してもよい。
【0078】
図7は、満車確率に応じて大きさを調整された駐車場のアイコンの一例を示す。図7に示すように、満車確率が小さい駐車場は大きく表示されるので、乗員は目的地とした駐車場Pの満車確率を把握しやすく、満車確率が低ければ目的地はそのままとすればよいし、駐車場Pの満車確率が高い場合、満車確率の低い駐車場を目的地に再設定することができる。すなわち、目的地の駐車場Pの満車確率と、再設定に好ましい駐車場とを同時に提供することができる。
【0079】
〔駐車場情報提供システム100の動作手順〕
駐車場情報提供システム100の動作手順について図8のフローチャート図を用いて説明する。なお、図8において図5と同一ステップについては簡単に説明する。ナビECU67が目的地情報及び現在位置情報をサーバ50に送信するまでの手順は図5と同様である(S10、S20)。
【0080】
図5では目的地に設定した駐車場Pのみの駐車場満空予測情報を生成したが、図8では周辺の駐車場Pa〜Pcについて満車確率を決定するので、ステップS110〜S180を駐車場P、Pa〜Pcに対し繰り返す。ステップS110〜S180の処理は実施例1と同様である。
【0081】
すなわち、補正判定部32は注目する駐車場P、Pa〜Pc(以下、駐車場Qという)のいずれかの現在の駐車車両数を駐車場DB29から読み出し(S111)、式(2)−1に基づき「現在の駐車場Qの駐車車両数」が、「駐車場Qの平均的な駐車車両数」よりも例えば2割程度多いか否かを判定する(S121)。
【0082】
「注目する駐車場Qの現在の駐車車両数」が「駐車場Qの平均的な駐車車両数」よりも多くない場合(S121のNo),ステップS170に進み駐車場Qの満車確率を決定する。
【0083】
「注目する駐車場Qの現在の駐車車両数」が「駐車場Qの平均的な駐車車両数」よりも多い場合(S121のYes),補正判定部32は駐車場Qの周辺の駐車場の現在の駐車車両数を読み出す(S131)。
【0084】
そして、補正判定部32は、式(2)−2に基づき、「周辺の駐車場の現在の駐車車両数」が、「周辺の駐車場の平均的な駐車車両数」よりも例えば2割程度多いか否かを判定する(S141)。
【0085】
「周辺の駐車場の現在の駐車車両数」が「周辺の駐車場の平均的な駐車車両数」よりも多くない場合(S141のNo)、ステップS170に進み満車確率を決定する。
【0086】
「周辺の駐車場の現在の駐車車両数」が「周辺の駐車場の平均的な駐車車両数」よりも多い場合(S141のYes)、周辺の駐車場に駐車場Qと提携した駐車場があるか否かを判定する(S151)。提携した駐車場Qがない場合(S151のNo)、駐車場満空予測情報生成部26は、1より小さい係数Cを用いて補正係数γを決定する(S180)。提携した駐車場がある場合(S151のYes)、駐車場満空予測情報生成部26は、1より大きい係数Cを用いて補正係数γを決定する(S160)。これにより、提携駐車場が通常より混んでいる場合は、補正係数γを大きくすることができる。
【0087】
ついで、駐車場満空予測情報性は、式(1)又は式(2)−4を用いて到着予想時刻の駐車場車両数を算出し、それと駐車場Qの収容可能数を比較して満車確率を決定する(S170)。サーバ50はS111〜S180の処理を駐車場P、駐車場Pa〜Pcに対し繰り返し(S190)、駐車場毎の満車確率情報を車両20に送信する(S200)。
【0088】
ナビECU67は満車確率情報を受信し(S31)、アイコン形状調整部68が満車確率に応じて各駐車場のアイコンの大きさを調整してディスプレイ66に表示する(S41)。
【0089】
本実施例によれば、アイコンの大きさから駐車場の空きの可能性を一目で把握することができる。
【実施例3】
【0090】
実施例1では、サーバ50が駐車場満空予測情報を車両20に提供し、空きのある駐車場Pを目的地に設定しやすくできるが、到着するまでの間に空きのあったはずの駐車場Pが満車となる場合もあり得る。本実施例では、到着の少し前に車両20が駐車場満空予測情報をサーバ50に要求し、駐車場満空予測情報が満車であることを示す場合、ナビゲーションシステム60が空きのある駐車場を車両20を自動的に設定したり、設定の機会を乗員に提供する駐車場情報提供システム100について説明する。設定の機会は、例えば信号により停止するタイミングであり、インフラが提供する信号機の表示サイクルを検出して決定する。これにより、乗員は、空きのある駐車場を設定しやすくなり操作性が向上する。
【0091】
なお、空きのある駐車場を自動的に設定するか、又は、代替の駐車場Pの設定の機会を乗員に提供するかは、乗員が予めナビゲーションシステム60に設定してある。
【0092】
図9は、本実施例の駐車場情報提供システム100の機能ブロック図の一例を示す。図9において図2と同一部分には同一の符号を付しその説明は省略する。図9では、サーバ50が信号サイクルDB34を有し、ナビゲーションシステム60が路車間通信装置69と接続され、ナビECU67がインフラ情報送信部81、サイクル情報取得部82、駐車場案内タイミング判定部83、駐車場設定情報表示部84、目的地設定部85、サイクル情報記憶部86及び乗員設定情報記憶部87を有する。
【0093】
〔駐車場Pの設定の機会を乗員に提供する構成〕
始めに、駐車場Pの設定の機会を乗員に提供する構成(乗員が所望の駐車場を設定する構成)について説明する。路車間通信装置69は、路側に敷設された路側装置との距離が所定以内の場合に路側装置と通信する狭域通信(DSRC(Dedicated Short Range Communication))を実現する。例えば自動車専用道の料金所に設けられた路側装置と通信するため車両20がETC(Electronic Toll Collection System)装置を搭載している場合、路車間通信装置69はこれと兼用することができる。路車間通信装置69は、路側装置との通信エリアに入ると自動的に通信を開始し、例えば5.8GHz帯の搬送波をASK変調やQPSK変調して、ベースバンド信号を取り出しこれにプロトコル処理等の信号処理を施し、インフラ情報を取得する。
【0094】
本実施例のインフラ情報は信号機の現示情報である。現示情報は現在の信号の状態、すなわち、赤、黄、青のいずれの状態かを示す情報である。路側装置は車両20が走行している位置よりも少し前方の信号機の現示情報を提供するので、ナビゲーションシステム60のインフラ情報送信部81は、前方の信号機の状態を受信しながら走行することになる。このため、その信号機が赤を維持する時間、青を維持する時間、黄を維持する時間を検出することができる。インフラ情報送信部81は、信号機の識別情報(例えば、位置情報)に対応づけて赤状態維持時間、青状態維持時間及び黄状態維持時間(以下、サイクル情報という)を、通信装置64を介してサーバ50に送信する。なお、1台の車両20がサイクル情報の全てを送信する必要はなく、いくつかの車両20からサイクル情報を受信することで、サーバ50は信号機毎に欠損のないサイクル情報を取得できる。
【0095】
サーバ50は通信部23を介して各車両20からサイクル情報を受信し、信号サイクルDB34に記憶する。したがって、サーバ50の信号サイクルDB34には、全国(車両20が走行する道路)の信号機のサイクル情報が記憶されうる。そして、サーバ50は、車両20からの問い合わせに応じてサイクル情報を車両20に提供する。
【0096】
サイクル情報取得部82は、目的地の手前(例えば、5km)に到達した時に取得した駐車場満空予測情報が満車状態を示す場合、サーバ50から経路上の信号機のサイクル情報を取得する。出発時に車両20は駐車場満空予測情報をサーバ50に問い合わせているので、サーバ50は車両20の経路を取得している。サイクル情報取得部82は受信したサイクル情報をサイクル情報記憶部86に記憶しておく。
【0097】
駐車場案内タイミング判定部83は、サイクル情報記憶部86に記憶されたサイクル情報、車両20の位置情報、前方の信号機の位置情報、及び、車速から、空きのある駐車場を設定する十分な時間(例えば、30秒〜1分)、信号で停止するか否かを判定する。
【0098】
図10は信号機における予測停車時間の算出の一例を示す。路側装置が提供する現示情報によると信号機80からL〔m〕で信号機が「黄→赤」に切り替わったとすると、駐車場案内タイミング判定部83は、信号機80までの距離Lと車速Vから信号機までの到着時間を算出する。この時、車両20は信号機80に向けて徐々に減速するので、車速Vに補正定数を掛けて小さな値を見積もるとよい。
【0099】
到着時間 = L/V
また、駐車場案内タイミング判定部83は、サイクル情報記憶部86から信号機80のサイクル情報を読み出し、赤状態維持時間を取得する。そして、赤状態維持時間と到着時間を比較して、その差が例えば、30秒〜1分あれば、空きのある駐車場を設定するのに十分な時間があると判定する。なお、図10では「黄→赤」を例に説明したが、切り替わった時刻さえ検出できれば、車両20が信号機80に到達した時の信号機の状態が予測できるので、「赤→青」を基準に判定してもよい。
【0100】
駐車場案内タイミング判定部83が充分な時間があると判定すると、駐車場設定情報表示部84は、車両20の停車を待って、目的地周辺の道路地図を表示すると共に、周辺の代替用の駐車場を提示する。
【0101】
〔空きのある駐車場を自動的に設定する構成〕
続いて、空きのある駐車場をナビゲーションシステム60が自動的に設定する構成について説明する。自動的に駐車場を設定する場合、駐車場Pに最寄りの駐車場を設定することが考えられるが、乗員によっては料金の安い駐車場Pを所望することや、立体駐車場でなく平地駐車の駐車場Pを所望する場合がある。このため、ナビゲーションシステム60には、乗員が所望する駐車場を記憶した乗員設定情報記憶部87を有する。
【0102】
乗員設定情報記憶部87は、設定する駐車場の優先順位を記憶する。例えば、乗員の識別情報に対応づけて、「優先順位1:最寄り 優先順位2:料金 優先順位3:駐車形態(平地駐車)」のような乗員設定情報を記憶している。乗員設定情報は、乗員がナビゲーションシステム60に入力した過去の設定情報から設定されていてもよいし、乗員が上記の優先順位を設定しておいてもよい。目的地設定部85は、乗員設定情報記憶部87を参照して、目的地の周辺から代替の駐車場を目的地に設定する。
【0103】
〔駐車場情報提供システム100の動作手順〕
駐車場満提供システム100の動作手順について図11のフローチャート図を用いて説明する。図11は、ナビゲーションシステム60の動作手順を示すが、サーバ50の動作手順は実施例と同様である。
【0104】
出発時、ナビECU67は乗員により入力された目的地に基づき経路を設定する(S210)。出発時、車両20はサーバ50から満空予測情報を受信しているので(S220)、出発時には空きのある駐車場Pを設定しているとしてよい。
【0105】
その後、車両20は走行し、目的地の手前まで到達したか否かを判定する(S230)。手前か否かは、駐車場を再設定する余裕を持てる距離であればよく、例えば5Km程度を判定の基準とする。
【0106】
目的地の手前まで到達すると(S230のYes)、ナビECU67はサーバ50に接続し、駐車場Pの駐車場満空予測情報を再生成するよう要求する(S240)。これにより、サーバ50は実施例1と同様に駐車場満空予測情報を再生成する。なお、既に駐車場Pまでの距離がわずかなので、「現在の駐車車両数>駐車可能数」のみから駐車場満空予測情報を生成してもよい。サーバ50は駐車場満空予測情報を車両20に送信する。なお、駐車場満空予測情報が満車状態であることを示す場合、サーバ50は実施例2にて説明した周辺の駐車場Pの満車確率を送信することが好適である。これにより、乗員が自ら代替の駐車場を設定する場合、満車確率の低い駐車場を選択することができる。
【0107】
ナビECU67は駐車場満空予測情報を受信し(S250)、最新の駐車場満空予測情報が満車状態であること示すか否かを判定する(S260)。最新の駐車場満空予測情報が空きがあることを示す場合(S260のNo)、ナビECU67は駐車場Pを目的地にしたまま処理を終了する(S290)。最新の駐車場満空予測情報が満車状態であることを示す場合(S260のYes)、ナビECU67は、空きのある駐車場を自動的に設定するか(S270)、又は、代替の駐車場の設定の機会を乗員に提供する(S280)。
【0108】
・空きのある駐車場を自動的に設定(S270)
図12は、ナビゲーションシステム60が空きのある駐車場を自動的に設定する手順を示すフローチャート図である。目的地設定部85は、乗員設定情報記憶部87から乗員の嗜好する優先順位を読み出す(S2701)。
【0109】
そして、優先順位に応じて目的地の周辺にある代替の駐車場を決定し、改めて目的地に設定する(S2702)。この時、サーバ50から周辺の駐車場Pa〜Pcの満車確率情報を受信しているのであれば、満車確率が例えば90%以下の駐車場から代替の駐車場を決定する。決定すると図11に戻り処理は終了する。
【0110】
・代替の駐車場の設定の機会を乗員に提供する(S280)
図13は、ナビゲーションシステム60が代替の駐車場の設定の機会を乗員に提供する手順を示すフローチャート図である。
【0111】
まず、サイクル情報取得部82はサーバ50に接続し(S2801)、経路上の信号機のサイクル情報を取得する(S2802)。サイクル情報取得部82は、サーバ50から取得したサイクル情報をサイクル情報記憶部86に記憶する(S2803)。赤状態維持時間が短いと代替の駐車場を設定することは困難なので、サイクル時間の長いもの(赤状態維持時間の長いもの)を上位、数個程度記憶しておく。
【0112】
駐車場案内タイミング判定部83は、車両20の位置情報を参照し、サイクル情報記憶部86に記憶した信号機の手前に到達したか否かを判定しながら走行する(S2804)。サイクル情報記憶部86に記憶した信号機の手前に到達した場合(S2804のYes)、路車間通信装置69によりインフラ情報(信号機の現示情報)を受信したか否かを判定する(S2805)。
【0113】
現示情報を受信すると(S2805のYes)、駐車場案内タイミング判定部83は信号機における予測停車時間を算出し、予測停車時間が所定時間以上か否かを判定する(S2806)。所定時間以上でなければ、代替の駐車場を設定する時間としては十分でないとして走行を継続する。
【0114】
信号機における予測停車時間が所定時間以上であると判定された場合(S2806のYes)、駐車場設定情報表示部84は駐車場Pが満車の可能性がある旨を乗員に通知する(S2807)。駐車場設定情報表示部84は、例えば「出発時に設定した駐車場が満車のようです。次の信号で駐車場を再設定してください。」とディスプレイ66に表示し、及び/又は、スピーカから音声メッセージや警告音を出力する。
【0115】
このように、信号機で停止する前に乗員に通知しておくことで、信号機に停止してから通知するよりも、乗員が準備しやすくなるので、乗員を焦らせることがない。
【0116】
ついで、駐車場設定情報表示部84は、車速が規定値以下に減速されたか否かを判定する(S2808)。車速の規定値は停止したと見なせる車速である。そして、車速が規定値以下に減速すると(S2808のYes)、駐車場設定情報表示部84は目的地周辺の道路地図を表示し、代替の駐車場をいくつか表示する(S2809)。これにより、乗員は充分な予測停車時間がある場合に、代替の駐車場を設定することができる。なお、実施例2のように満車確率情報を受信して、アイコンPの大きさで満車確率を表示すれば乗員が駐車場を設定しやすい。乗員が代替の駐車場を設定すると図11に戻り処理は終了する。
【0117】
車速が規定値以下に減速しない場合(S2808のNo)、駐車場設定情報表示部84は信号機を通過したか否かを判定し(S2810)、信号機を通過した場合にはステップS2804に戻り同様の処理を繰り返す。
【0118】
本実施例によれば、ナビゲーションシステム60は目的地の手前で駐車場満空予測情報を再度取得し、満車状態であれば、代替の駐車場を設定することができる。代替の駐車場は、ナビゲーションシステム60が乗員の嗜好に応じて自動的に設定することができ、また、信号待ちの時間を利用して適切なタイミングで設定を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】駐車場情報提供システムの概略構成図である。
【図2】駐車場情報提供システムの機能ブロック図の一例である(実施例1)。
【図3】入出庫時刻DB及び駐車場DBに記憶される情報の一例を示す図である。
【図4】滞在時間情報DBに記憶される情報の一例を示す図である。
【図5】駐車場満提供システムの動作手順を示すフローチャート図の一例である(実施例1)。
【図6】駐車場情報提供システムの機能ブロック図の一例である(実施例2)。
【図7】満車確率に応じて大きさを調整された駐車場のアイコンの一例を示す図である。
【図8】駐車場満提供システムの動作手順を示すフローチャート図の一例である(実施例2)。
【図9】駐車場情報提供システムの機能ブロック図の一例である(実施例3)。
【図10】信号機における予測停車時間の算出の一例を示す
【図11】駐車場満提供システムの動作手順を示すフローチャート図の一例である(実施例3)。
【図12】ナビゲーションシステムが空きのある駐車場を自動的に設定する手順を示すフローチャート図の一例である。
【図13】ナビゲーションシステムが代替の駐車場の設定の機会を乗員に提供する手順を示すフローチャート図の一例である。
【符号の説明】
【0120】
20 車両
21 交通情報DB
24 駐車場入出庫時刻取得部
25 平均滞在時間算出部
26 駐車場満空予測情報生成部
28 入出庫時刻DB
29 駐車場DB
31 滞在時間情報DB
32 補正判定部
50 サーバ
60 ナビゲーションシステム
70 駐車場管理装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場の満空情報を提供する駐車場情報提供システム等に関し、特に、到着予想時刻の満空情報を提供する駐車場情報提供システム、サーバ及び情報端末に関する。
【背景技術】
【0002】
車両を目的地まで案内しさらに目的地付近の駐車場を自動的に検索してその駐車場まで案内する技術が考えられている。また、駐車場が満車状態では車両が到達しても駐車できないため、駐車場側の施設と通信するサーバから駐車場の混雑状況を車両に通知する技術が考えられている。これにより、車両は空きのある駐車場を目的地に設定することができる。
【0003】
しかしながら、目的地までの経路は出発時に検索することが多いため、駐車場付近に到達するまでに駐車場の混雑状況が変化し、出発時には空きのある駐車場を目的地に設定しても到着時には満車状態となり、結局、入庫待ちが発生してしまうおそれがある。
【0004】
この点について、駐車場に到着する前に駐車場の混雑状況を予測する技術が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。特許文献1には、各駐車場から混雑度情報を受信したサーバが、30分や1時間後の予測混雑度を示す情報を車両に提供する駐車場情報提供システムが記載されている。また、特許文献2には、本線道路の通行量から駐車場に入庫する台数を予測し、これと駐車場の駐車車両数から将来時刻の駐車状況を予測する駐車場情報提供システムが記載されている。
【特許文献1】特開平9−167300号公報
【特許文献2】特開2002−63696号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1又は2記載の駐車場情報提供システムのように、1つの駐車場の将来の駐車状況を予測するだけでは、その駐車場の将来の混雑状況を予測するには十分でない。例えば、ある駐車場が満車になれば、満車になった駐車場に駐車しようとしていた車両は周辺の駐車場に駐車すると考えられ、1つの駐車場の混雑状況が周辺の駐車場の混雑状況と影響を及ぼし合うためである。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、到着予想時刻の混雑状況をより精度よく予測できる駐車場情報提供システム、サーバ及び情報端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題に鑑み、本発明は、駐車場又は目的地の情報をサーバに送信する情報端末と、駐車場又は目的地の周辺の駐車場の情報を車両に送信する前記サーバと、を有する駐車場情報提供システムであって、サーバは、駐車場及びその周辺の周辺駐車場の収容可能数を記憶した駐車場情報記憶手段と、駐車場及び前記周辺駐車場の車両の入出庫情報を収集する入出庫情報取得手段と、駐車場毎及び周辺駐車場毎に、時間帯毎の入庫台数及び入庫した車両の滞在時間の統計情報を記憶した統計情報記憶手段と、前記目的地への到着予想時刻に、前記駐車場が満車か否かを予測する満空予測情報を、前記駐車場の駐車車両数及び前記統計情報から予測した予測駐車車両数と、前記収容可能数とを比較して生成する満空予測情報生成手段と、満空予測情報を生成する際、周辺駐車場が平均的な混雑状況よりも混んでいる場合、駐車場の前記予測駐車車両数を大きめに補正する補正手段と、満空予測情報を車両に送信する送信手段と、を有する、ことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、周辺の駐車場の混雑状況に応じて満空予測情報を補正するので、到着予想時刻の満空を精度よく予測できる。
【0009】
また、本発明の一形態において、情報端末は、目的地まで所定距離内に到達するか又は到着予想時刻の所定時間前になると、サーバに駐車場の満空予測情報の送信を要求し、サーバは、再度、満空予測情報を生成し情報端末に送信する、ことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、到着予想時刻における混雑状況の変動を到着の少し前に修正するので、到着予想時刻の満空を精度よく予測できる。
【0011】
また、本発明の一形態において、サーバは、収容可能数と予測駐車車両数とを比較して、到着予想時刻に駐車場又は周辺駐車場が満車となる確率を算出する満車確率予測手段を有し、情報端末は、サーバから受信した満車確率情報に応じて、表示手段に表示する駐車場アイコンの大きさを調整するアイコンサイズ調整手段、を有する、ことを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、乗員はアイコンの大きさから駐車場の混雑状況を把握できる。
【発明の効果】
【0013】
到着予想時刻の混雑状況をより精度よく予測できる駐車場情報提供システム、サーバ及び情報端末を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本実施形態の駐車場情報提供システム100の概略構成図を示す。サーバ50は駐車場P、Pa、Pb、Pcから各駐車場への車両99の入庫情報及び出庫情報を受信して、車両20からの問い合わせに対し駐車場満空予測情報を送信する。この駐車場満空予測情報は車両20が目的地である駐車場Pに到着する到着予想時刻に、駐車場Pが満車か空きがあるかを予測した情報である。したがって、車両20はサーバ50に問い合わせることで、到着時に駐車場Pが満車か空きがあるかを把握することができる。
【0016】
そして、さらにサーバ50は、車両20の出発時刻における駐車場Pの混雑状況(所定時間毎の入庫台数、駐車車両数)が、通常時よりも多い場合、周辺の駐車場Pa、Pb、Pcの混雑状況を同様に判定する。そして、周辺の駐車場Pa、Pb、Pcも通常時より混雑していると判定される場合(所定時間毎の入庫台数、駐車車両数が通常時よりも多い)、駐車場Pにおける到着予想時刻の駐車車両数を大きめに補正して、駐車場満空予測情報の判定基準を厳しくする。
【0017】
これは、駐車場Pだけでなく周辺の駐車場Pa〜Pcも通常時に比べ混雑している場合、例えばイベントになどが開催されているためその日は駐車場Pが混雑すると推定したものである。目的の駐車場だけでなく、周辺の駐車場Pa〜Pcの混雑状況に応じて補正するか否かを決定するので、到着予想時刻に駐車場Pの満車か否かを精度よく予測することができる。
【0018】
なお、車両20は例えばナビゲーションシステム60を搭載しており、基地局を介してネットワークに接続しサーバ50と通信する。また、各駐車場P、Pa、Pb及びPcは、基地局及び/又はネットワークを介してサーバ50と通信する駐車場管理装置70を有する。
【0019】
図2は、駐車場情報提供システム100の機能ブロック図の一例を示す。
・駐車場管理装置70
駐車場管理装置70は入場ゲート71、退場ゲート72、制御部73及び通信装置74を有し、制御部73により制御される。入場ゲート71及び退場ゲート72は、例えば車両99が1台通過する度に開閉し、制御部73は入場ゲート71の開閉により1台の車両99の入庫を、退場ゲート72の開閉により1台の車両99の出庫を検出する。これにより現在の駐車車両数を把握している。
【0020】
通信装置74は、RF部、ベースバンド部、CPU等を有し携帯電話の基地局と通信してもよいし、TCP/IPなどのプロトコル処理機能を実装したネットワークカードとしてネットワークに接続してもよい。したがって、駐車場管理装置70はサーバ50と各種の情報の送受信が可能となっている。
【0021】
また、駐車場管理装置70は、入庫した車両99を識別して滞在時間に応じた課金をすることが多いので、少なくとも各駐車場内で一意の識別情報で車両99を識別している。例えば、各車両99には入庫時に識別用の番号が付された駐車券が配布され、車両99の乗員が出庫時に駐車券を駐車場管理装置70に提出することで、どの車両99が出庫してどの車両99が入庫したままなのかが管理されている。また、例えば、入庫時に車両99のナンバープレートを撮影して画像解析し車両99を識別する場合や、予め携帯電話のICメモリに格納した駐車場Pの会員登録情報を入庫時及び出庫時に、駐車場管理装置70のRFリーダに読み込ませることで車両99の入出庫を管理する場合がある。
【0022】
制御部73は、通信装置74を介して、車両99が入庫する度に車両99の入庫情報と車両識別情報をサーバ50に送信し、車両99が出庫する度に車両99の入庫情報と車両識別情報をサーバ50に送信する(以下、駐車場管理装置70がサーバ50に送信する情報を入出庫関連情報という)。したがって、サーバ50は、入出庫関連情報を受信した時刻に基づき、各車両99毎に入庫時間と出庫時間を取得できる。なお、入出庫関連情報に入庫時刻及び出庫時刻を含めておけば、入庫又は出庫の度に入出庫関連情報を送信する必要がなく、通信コストを低減できる。
【0023】
・ナビゲーションシステム60
ナビゲーションシステム60はナビECU(Electronic Control Unit)67により制御され、ナビECU67は、CAN(Controller Area Network)等の車内LANや専用線を介してGPS受信機61、車速センサ62、地図DB63、入力部65、ディスプレイ66、及び、通信装置64と接続されている。ナビゲーションシステム60は、車両20への据え置き型でなくてもよく可搬型でもよい。
【0024】
GPS受信機61は、地球の周りを周回する好ましくは4つ以上のGPS衛星を捕捉して、各GPS衛星からの電波の到達時間に基づき車両20の位置(緯度・経度・標高)を決定する。位置の知られた地上の基準局からFM放送の電波を受信してさらに高精度に位置を決定してもよい。車速センサ62は、例えば、車両20の各輪に備えられたロータの円周上に定間隔で設置された凸部が通過する際の磁束の変化をパルスとして計測して、単位時間あたりのパルス数に基づき各輪毎に車輪速を計測する。車輪速にタイヤの外径を乗じれば車速が得られる。地図DB63は、実際の道路網に対応したノード(道路と道路が交差する点、例えば交差点)と、リンク(ノードとノードを接続する道路)とを対応づけたテーブル状のデータベースである。したがって、ノードとリンクを辿ることで道路網を形成できる。なお、地図DB63には、駐車場P、Pa〜Pcの位置、店舗の位置(店舗と提携した駐車場が駐車場の位置)、等のポイント情報が道路地図に対応づけて記憶されている。地図DB63はナビゲーションシステム60の出荷時に記憶された状態であってもよいし、ナビゲーションシステム60が車両20に搭載された後に、その一部又は全部を所定のサーバからダウンロードして記憶してもよい。
【0025】
入力部65は、乗員がナビゲーションシステム60を操作する操作情報を入力するユーザインターフェイスとなる。例えば、押しボタン式のキーボード、リモコン、乗員の発した音声を入力する音声認識装置、ディスプレイ66に形成されたタッチパネル等である。また、ディスプレイ66はヘッドアップディスプレイや液晶ディスプレイなどであり、現在地周辺の地図、目的地までの経路及び駐車場Pが満車か空きがあるか等の情報を表示するために用いられる。
【0026】
通信装置64は、携帯電話の基地局や無線LAN等のアクセスポイントに接続してサーバ50と通信する。本実施例では、通信装置64から、車両20の現在位置情報及び目的地情報をサーバ50に送信し、サーバ50から駐車場満空予測情報を受信する。駐車場Pを送信する場合と目的地を送信してサーバ50が最寄りの駐車場Pを決定する場合があるが、本実施形態では区別せずに目的地情報という。
【0027】
なお、ナビECU67はGPS受信機61が検出した車両20の位置情報を起点にして、ジャイロセンサが検出する方向に車速センサ62が検出する走行距離を累積して、車両20の位置を高精度に推定する。また、図示する以外にVICS受信機を備えていてもよいし、目的地までの経路を検索する経路検索部を備えていてもよい。目的地までの経路とVICS情報により目的地までの所要時間を算出することができる。この、所要時間を送信すれば、サーバ50が目的地までの経路を検索したり、所要時間を算出する必要がない。
【0028】
・サーバ50
サーバ50は、CPU、RAM、ROM、ハードディスクなどの不揮発メモリ及び入出力インターフェイスを有するコンピュータであり、CPUがプログラムを実行するか又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現される到着予想時刻算出部22、駐車場入出庫時刻取得部24、平均滞在時間算出部25、駐車場満空予測情報生成部26及び補正判定部32を有する。また、不揮発メモリには、交通情報DB(Data Base)21、入出庫時刻DB28、駐車場DB29及び滞在時間情報DB31が格納されている。
【0029】
駐車場入出庫時刻取得部24は、通信部23を介して入出庫関連情報を受信して、入出庫関連情報から車両毎に入庫時刻及び出庫時刻を入出庫時刻DB28に記憶する。図3(a)は入出庫時刻DB28に記憶される入庫時刻及び出庫時刻の一例を示す。入出庫時刻DB28には、各駐車場P毎に車両識別情報に対応づけて入庫時刻及び出庫時刻が記憶されている。そして、駐車場入出庫時刻取得部24は車両99が出庫すると滞在時間を算出して入出庫時刻DB28に記憶する。
【0030】
駐車場入出庫時刻取得部24は、このようにして入庫情報及び出庫情報を検出しているため、常にその時の駐車車両数を把握している。図3(b)は、駐車場DB29に
記憶された現在の駐車車両数及び収容可能数の一例を、図3(c)は駐車場DB29に記憶された平均的駐車車両数の一例を示す。収容可能数は、駐車場Pに駐車可能な最大の車両数であって固定値である。駐車場DB29は、駐車場P毎の情報を記憶するデータベースであるので、これらの他、名称、管理者の氏名、駐車場Pの位置情報、電話番号等を記憶している。
【0031】
平均的駐車車両数は、所定時間(例えば1時間)毎に平均的な駐車車両数として算出された値である。これを平日(月〜金)と土日祝(以下、休日という)とに区分して算出することで、平日と休日の1時間毎の平均的な駐車車両数を把握することができる。
【0032】
平均滞在時間算出部25は、入庫時刻と出庫時刻に基づき統計情報を生成し滞在時間情報DB31に記憶する。平均滞在時間算出部25は、入出庫時刻DB28の情報を平日と休日とに区分し、例えば30分毎〜2時間毎に、統計情報を算出する。
【0033】
例えば、1時間毎に統計情報を算出する場合、1時間毎の平均的な入庫車数Ninを算出する。図4(a)は、滞在時間情報DB31に記憶された1時間毎の平均的な入庫車数Ninを示す。平均滞在時間算出部25は入出庫時刻DB28を参照し、所定の1時間で区分される入庫車数から、平日及び休日のそれぞれについて図4(a)のような、1時間毎の平均的な入庫車数Ninを算出する。
【0034】
また、平均滞在時間算出部25は出庫までの滞在時間の統計情報を算出する。滞在時間の統計情報は、例えば、「A時〜B時に入庫した車両が、C時からD時に出庫する確率」である。
【0035】
平均滞在時間算出部25は、入出庫時刻DB28を参照し、
1時間以内に出庫した車両数Nout1、
1時間から2時間で出庫する車両数Nout2、
2時間から3時間で出庫する車両数Nout3、
3時間から4時間で出庫する車両数Nout4
:
をカウントする。駐車場Pの営業形態に応じて例えば12時間〜24時間程度まで算出しその他はそれ以上とすればよい。
【0036】
そして、平均滞在時間算出部25は、Nout1/Nin、Nout2/Nin、Nout3/Nin、等をそれぞれ算出する。この値が滞在時間の統計情報となる。平均滞在時間算出部25は図4(a)に示す1時間毎の入庫時刻に対し出庫までの滞在時間毎の統計情報を算出する。
【0037】
図4(b)は滞在時間情報DB31に記憶される統計情報の一例を示す。図4(b)では、平日の1時間毎に、入庫した車両99が1時間毎に出庫する確率が記録されている。平均滞在時間算出部25は、同様の統計情報を休日についても算出し、それを各駐車場P、Pa〜Pcに対し算出する。
【0038】
到着予想時刻算出部22は、目的地までの経路に応じて車両20の到着予想時刻を算出する。まず、到着予想時刻算出部22は、車両20から受信した現在位置情報及び目的地情報から目的地までの経路を例えばダイクストラ法により検索する。到着予想時刻算出部22は、目的地までの経路となりうるリンクを抽出し、各リンクをリンク長や右左折、幅員、通行規制等に応じたコストに置き換え、これらのコストの積算値が最も小さくなる経路を目的地までの経路と決定する。
【0039】
交通情報DB21は例えばVICSセンタが配信するリンク旅行時間又はプローブカーが送信した車速及び位置情報から算出したリンク旅行時間を記憶している。到着予想時刻算出部22は、検索した経路のリンク旅行時間を交通情報DB21から抽出し、目的地までの所要時間を算出する。したがって、車両20から目的地情報等を受信した時刻にこの所用時間を加えた時刻が到着予想時刻である。
【0040】
〔駐車場満空予測情報の生成〕
続いて、駐車場満空予測情報生成部26について説明する。駐車場満空予測情報生成部26は、収容可能台数、現在の駐車車両数、到着予想時刻、及び、滞在時間情報DB31に記憶された統計情報、から、車両20が駐車場Pに到着する予想到着時刻に駐車場Pが満車か空きがあるか判定する。
【0041】
具体的には、到着予想時刻までの入庫車数及び出庫車数を予測することで、到着予想時刻までの駐車車両数の増減数を算出する。これに現在(経路検索時)の駐車車両数を加えると、到着予想時刻の駐車車両数が予測できる。到着予想時刻の駐車車両数が収容可能数よりも大きければ、車両20は駐車できないことになるので、駐車場満空予測情報生成部26は駐車できないと判定した駐車場満空予測情報を生成し車両20に送信する。
【0042】
以下の状況を具体例にして説明する。
曜日:月曜日 出発時刻:8時 到着予想時刻:10時 出発地から目的地までの距離:45km
目的地:駐車場P 8時の駐車車両数:60台(6時台入庫が10台、7時台入庫が50台)
到着予想時刻(10時)の駐車車両数=
現在の駐車車両数 + 8時台平日平均入庫台数 + 9時台平日平均入庫台数
− 6時台入庫数×6時台入庫車の4時間以内出庫確率
− 7時台入庫数×7時台入庫車の3時間以内出庫確率
− 8時台入庫数×8時台入庫車の2時間以内出庫確率
− 9時台入庫数×9時台入庫車の1時間以内出庫確率 … (1)
・到着予想時刻(10時)の駐車車両数 > 収容可能数 の場合
満車であると判定する。
・到着予想時刻(10時)の駐車車両数 ≦ 収容可能数 の場合
空きがあると判定する。
【0043】
〔到着予想時刻の駐車車両数の補正〕
駐車場Pの周辺に駐車場Pa〜Pcがなければ、駐車場Pの駐車場満空予測情報が他の駐車場Pa〜Pcの混雑状況に大きく影響されないとして、式(1)により駐車場満空予測情報を生成できる。しかしながら、駐車場Pの周辺にある駐車場Pa〜Pcが存在する場合、それらの駐車場の混雑状況が互いに影響し合うと考えられるので、周辺の駐車場Pa〜Pcの混雑状況から駐車場満空予測情報を補正することで、より精度よく判定することが可能となる。
【0044】
補正判定部32は、車両20から駐車場満空予測情報の問い合わせがあった場合、図3(b)に示した駐車場DB29から目的地の駐車場Pの「現在の駐車車両数」を読み出す。また、補正判定部32は駐車場DB29から、問い合わせがあった時の駐車場Pの「平均的な駐車車両数」を読み出す。なお、「現在の駐車車両数」と「平均的な駐車車両数」を比較するのでなく、「現在の1時間当たりの入庫台数」と「平均入庫台数(Nin)」とを比較してもよい。すなわち、現在又は今後の駐車車両数の傾向が把握できる指標を比較すればよい。
【0045】
そして、「現在の駐車車両数」が「平均的な駐車車両数」よりも大きい場合、周辺の駐車場Pa〜Pcの「現在の駐車車両数」と「平均的な駐車車両数」を読み出し、駐車場Pと同様に比較する。なお、大きいか否かの基準は2割程度であり、周辺の駐車場Pa〜Pcとは駐車場Pから半径1km程度である。
【0046】
そして、周辺の駐車場Pa〜Pcにおいても「現在の駐車車両数」が「平均的な駐車車両数」よりも大きい場合、補正判定部32は駐車場満空予測情報生成部26に補正を要求する。
【0047】
なお、周辺の駐車場Pa〜Pcの全てがかかる条件を満たさなくてもよく、例えば、周辺の半数程度の駐車場Pa〜Pcがかかる条件を満たせば補正するとしてもよい。
【0048】
駐車場満空予測情報生成部26は、到着予想時刻の終車車両数を補正するための補正係数γを用いて式(1)を算出することで、イベントなどの特殊要因に対応した駐車場満空予測情報を生成する。
【0049】
補正係数γは、例えば、目的地の駐車場Pの「現在の駐車車両数/平均的な駐車車両数×係数C」又は「現在の1時間当たりの入庫台数/平均入庫台数(Nin)×係数C」である。後述するように、補正係数γに係数Cを掛けることで種々の状況に対応した補正係数γを算出することができる。
【0050】
上述と同じ具体例を用いて説明する。
曜日:月曜日 出発時刻:8時 到着予想時刻:10時 出発地から目的地までの距離:45km
目的地:駐車場P 8時の駐車車両数:60台(6時台入庫が10台、7時台入庫が50台)
まず、補正判定部32は、駐車場満空予測情報を補正するか否かを判定する。
本日8時の駐車場Pの駐車車両数 × 1.2 > 平日8時の駐車場Pの平均的な駐車車両数…(2)−1
本日8時の駐車場Pa〜Pcの駐車車両数 × 1.2 > 平日8時の駐車場Pa〜Pcの平均的な駐車車両数…(2)−2
駐車場満空予測情報生成部26は、式(2)−1と(2)−2のいずれも満たされる場合に、補正係数γを算出する。
【0051】
補正係数γ= 本日8時の駐車場Pの駐車車両数/平日8時の駐車場Pの平均的な駐車車両数 × 0.9 …(2)−3
式(2)−3の「0.9」は係数Cに相当するもので、現在は平均的な駐車車両数よりも2割以上多いが、到着予想時刻ではそれよりも少なめに駐車車両数を見積もることを可能とする等、補正係数γの調整に用いられる。なお、γ<1.0となった場合、γは1.0に設定する(すなわち、ガンマは1.0以上である)。
【0052】
到着予想時刻(10時)の駐車車両数=
現在の駐車車両数 + 8時台平日平均入庫台数×γ + 9時台平日平均入庫台数×γ
− 6時台入庫数×6時台入庫車の4時間以内出庫確率
− 7時台入庫数×7時台入庫車の3時間以内出庫確率
− 8時台入庫数×8時台入庫車の2時間以内出庫確率
− 9時台入庫数×9時台入庫車の1時間以内出庫確率 … (2)−4
・到着予想時刻(10時)の駐車車両数 > 収容可能数 の場合
満車であると判定する。
・到着予想時刻(10時)の駐車車両数 ≦ 収容可能数 の場合
空きがあると判定する。
【0053】
<係数Cの調整>
係数Cにより到着予想時刻の駐車車両数を調整することができる。駐車場P、Pa〜Pcがなんら関係のない駐車場の場合、各駐車場の混雑状況が互いに影響し合う程度は、関係する駐車場同士の場合よりも少ない、例えば、駐車場Pと駐車場Paが提携駐車場の場合、駐車場Paの混雑状況は駐車場Pの混雑状況に強く影響すると考えられる。デパート等の大型店舗では、周辺に複数の駐車場(第1〜第3駐車場等)を有していることが多く、バーゲンなどのイベントがあると複数の駐車場PaとPがいずれも混雑することが知られている。
【0054】
したがって、補正判定部32が周辺の駐車場Pa〜Pcにおいて、(2)−2を用いて判定する場合、駐車場Pa〜Pcに駐車場Pと提携した駐車場が存在する場合、駐車場満空予測情報生成部26は、係数Cを大きく(1以上)する。例えば、提携駐車場が1つ検出された場合、係数Cを1.05に設定し、2つ以上検出された場合、係数Cを1.1に設定するなど、駐車場Pの周囲の駐車場Pa〜Pcの状況に応じて補正係数γを算出することが可能となる。
【0055】
なお、駐車場P、Pa〜Pcに提携関係があるか否かや、同じ店舗の駐車場か否かは、駐車場DB29を参照すれば判定される。例えば、駐車場P、Pa〜Pcの名称が一部一致したり、管理者等の氏名が同じであれば提携関係等があると判定してよい。
【0056】
到着予想時刻(10時)の駐車車両数の算出式はγの値が変わるだけで、式(2)−4と同じであるが、γが大きくなっただけ到着予想時刻(10時)の駐車車両数が大きくなる。したがって、駐車場満空予測情報の判定が厳しくなる。
【0057】
〔駐車場情報提供システム100の動作手順〕
駐車場満提供システム100の動作手順について図5のフローチャート図を用いて説明する。まず、ユーザが入力部65から目的地を入力する(S10)。目的地は、住所、施設の名称等から入力でき、例えば駐車場を目的地に設定するオプション機能により駐車場Pが目的地に設定される。ついで、ナビECU67は目的地情報及び現在位置情報をサーバ50へ送信する(S20)。
【0058】
サーバ50の処理に移行し、サーバ50の到着予想時刻算出部22は目的地までの経路と所要時間を算出する。そして、補正判定部32は目的地の駐車場Pの現在の駐車車両数を駐車場DB29から読み出し(S110)、式(2)−1に基づき「現在の駐車場Pの駐車車両数」が、「駐車場Pの平均的な駐車車両数」よりも例えば2割程度多いか否かを判定する(S120)。
【0059】
「現在の駐車場Pの駐車車両数」が「駐車場Pの平均的な駐車車両数」よりも多くない場合(S120のNo),ステップS170に進み駐車場満空予測情報を生成する。
【0060】
「現在の駐車場Pの駐車車両数」が「駐車場Pの平均的な駐車車両数」よりも多い場合(S120のYes),補正判定部32は周辺の駐車場の現在の駐車車両数を読み出す(S130)。周辺とは駐車場Pを中心に例えば半径1kmである。
【0061】
そして、補正判定部32は、式(2)−2に基づき、「現在の駐車場Pa〜Pcの駐車車両数」が、「駐車場Pa〜Pcの平均的な駐車車両数」よりも例えば2割程度多いか否かを判定する(S140)。駐車場Pa〜Pcのうち1つも平均的な駐車車両数より多い場合、ステップS140の判定はYesとなる。
【0062】
「現在の駐車場Pa〜Pcの駐車車両数」が「駐車場Pa〜Pcの平均的な駐車車両数」よりも多くない場合(S140のNo)、ステップS170に進み駐車場満空予測情報を生成する。
【0063】
「現在の駐車場Pa〜Pcの駐車車両数」が「駐車場Pa〜Pcの平均的な駐車車両数」よりも多い場合(S140のYes)、駐車場Pa〜Pcに駐車場Pと提携した駐車場があるか否かを判定する(S150)。提携した駐車場がない場合(S150のNo)、駐車場満空予測情報生成部26は、1より小さい係数Cを用いて補正係数γを決定する(S180)。提携した駐車場がある場合(S150のYes)、駐車場満空予測情報生成部26は、1より大きい係数Cを用いて補正係数γを決定する(S160)。これにより、提携駐車場が通常より混んでいる場合は、補正係数γを大きくすることができる。
【0064】
ついで、駐車場満空予測情報性は、式(1)又は式(2)−4を用いて到着予想時刻の駐車場車両数を算出し、それと駐車場Pの収容可能数を比較して駐車場満空予測情報を生成する(S170)。サーバ50は駐車場満空予測情報を車両20に送信する。
【0065】
ナビゲーションシステム60の処理に移行し、ナビECU67は駐車場満空予測情報を受信する(S30)。そして、駐車場満空予測情報を乗員に通知するため必要に応じてディスプレイ66に表示する(S40)。
【0066】
駐車場満空予測情報が駐車場Pに駐車可能であることを示す場合、「駐車場Pを目的地に設定しました。到着時に駐車場Pには空きがあることが予想されます。」と表示する。駐車場満空予測情報が駐車場Pに駐車できないことを示す場合、「駐車場Pは到着予想時刻に満車と予想されます。別の駐車場を目的地に設定しますか?」等を表示する。これにより、乗員は、別の駐車場を設定するなど必要な操作を行うことができる。
【0067】
以上説明したように、本実施例の駐車場情報提供システム100は、目的地の駐車場Pだけでなく、周辺の駐車場Pa〜Pcの混雑状況を判定し判定結果に応じて到着予想時刻の駐車車両数を予測するので、到着予想時刻に満車か否かを精度よく予測することができる。また、周辺の駐車場Pa〜Pcが駐車場Pと提携関係にあるか否かに応じて、到着予想時刻の駐車車両数を予測するので、イベント等の特殊要因が駐車場Pの混雑状況に与える影響を考慮して到着予想時刻に満車か否かを精度よく予測することができる。
【実施例2】
【0068】
実施例1では、サーバ50は到着予想時刻に満車か空きがあるかを示す駐車場満空予測情報を車両20に提供したが、到着予想時刻の駐車車両数を完全に予測することは困難であるため、駐車できるか否かを乗員が判断できるような情報を車両20に提供することが好ましい場合がある。
【0069】
本実施例では、到着予想時刻の駐車車両数と収容可能数に応じて、サーバ50が満車確率情報を生成し、車両20に提供する駐車場情報提供システム100について説明する。また、ナビゲーションシステム60は、満車確率情報に基づきディスプレイ66に表示する駐車場Pのアイコンを調整する。これにより、乗員は空きの可能性の高い駐車場を目的地に設定しやすくなる。
【0070】
図6は、本実施例の駐車場情報提供システム100の機能ブロック図の一例を示す。なお、駐車場管理装置70の機能ブロック図は図2と同じである。また、図6において図2と同一部分には同一の符号を付しその説明は省略する。
【0071】
〔サーバ50〕
図6のサーバ50は、駐車場満空予測情報生成部26の替わりに満車確率予測部33を有する。満車確率予測部33は、到着予想時刻の駐車車両数と収容可能数とを比較して、到着予想時刻の駐車車両数が収容可能数を上回れば大きな満車確率を予測し、到着予想時刻の駐車車両数が収容可能数を下回れば小さな満車確率を予測する。なお、到着予想時刻の駐車車両数の算出方法は式(1)又は式(2)−4を用いる。すなわち、駐車場Pの周辺の駐車場Pa〜Pcが通常よりも駐車車両数が多い場合、駐車場Pの到着予想時刻における駐車車両数は多めに見積もられる。また、駐車場Pと提携した駐車場Pa〜Pcの駐車車両数が通常よりも多い場合、補正係数γを大きくすることも実施例1と同様である。
【0072】
満車確率予測部33は、駐車場Pの、
予測駐車比率=「到着予想時刻の駐車車両数」/「収容可能数」 …(3)−1
を算出する。
予測駐車比率が1より大きい場合、車両20が駐車場Pに駐車できる可能性は低いので(実施例1では満車と予測)、式(3)−1の値に応じて満車確率を決定する。例えば、
・予測駐車比率が1.0〜1.1の場合(収容可能数より0〜10%多い)、満車確率を80%に決定し、
・予測駐車比率が1.1〜1.2の場合(収容可能数より10〜20%多い)、満車確率を90%に決定し、
・予測駐車比率が1.2以上の場合、満車確率を100%に決定する。
【0073】
また、次式から満車確率を決定してもよい。
予測超過駐車数=「到着予想時刻の駐車車両数」−「収容可能数」 …(3)−2
・予測超過駐車数が0〜5台の場合、満車確率を80%に決定し、
・予測超過駐車数が6〜10台の場合、満車確率を90%に決定し、
・予測超過駐車数が11台以上の場合、満車確率を100%に決定する。
【0074】
逆に、式(3)−1の予測駐車比率が1より小さい場合、車両20が駐車場Pに駐車できる可能性は高いので(実施例1では空き有りと予測)、例えば次のように満車確率を決定する。
・予測駐車比率が1.0〜0.9の場合(収容可能数より0〜10%少ない)、満車確率を40%に決定し、
・予測駐車比率が0.9〜0.8の場合(収容可能数より10〜20%少ない)、満車確率を30%に決定し、
・予測駐車比率が0.8未満の場合、満車確率を20%に決定する。
【0075】
また、予測駐車車両数がマイナスの場合、式(3)−2の予測超過駐車数から、次のように満車確率を決定する。
・予測超過駐車数がマイナス0〜5台の場合、満車確率を40%に決定し、
・予測超過駐車数がマイナス6〜10台の場合、満車確率を30%に決定し、
・予測超過駐車数がマイナス11台以上の場合、満車確率を20%に決定する。
【0076】
〔ナビゲーションシステム60〕
本実施例のナビゲーションシステム60は、アイコン形状調整部68を有する。アイコン形状調整部68は、満車確率に応じて駐車場を表すアイコンのサイズを調整する。乗員は満車確率が低い駐車場を選択すると考えられるので、満車確率が小さい駐車場のアイコンを大きくする。例えば、次のようにアイコンの大きさを決定する。
・満車確率20%以下の場合、アイコンの大きさを最大に決定し、
・満車確率30%の場合、20%よりも小さいアイコンの大きさに決定し、
・満車確率40%の場合、30%よりも小さいアイコンの大きさに決定し、
:
・満車確率80%の場合、70%よりも小さいアイコンの大きさに決定し、
・満車確率90%の場合、80%よりも小さいアイコンの大きさに決定する。
・満車確率100%の場合、アイコンを表示しない。
【0077】
なお、単に大きさを変えるだけでなく、満車確率の高い駐車場は目立たなない色で表示したり、満車確率の低い駐車場を目立つ色で表示してもよい。また、満車確率の低い駐車場を点滅表示してもよい。
【0078】
図7は、満車確率に応じて大きさを調整された駐車場のアイコンの一例を示す。図7に示すように、満車確率が小さい駐車場は大きく表示されるので、乗員は目的地とした駐車場Pの満車確率を把握しやすく、満車確率が低ければ目的地はそのままとすればよいし、駐車場Pの満車確率が高い場合、満車確率の低い駐車場を目的地に再設定することができる。すなわち、目的地の駐車場Pの満車確率と、再設定に好ましい駐車場とを同時に提供することができる。
【0079】
〔駐車場情報提供システム100の動作手順〕
駐車場情報提供システム100の動作手順について図8のフローチャート図を用いて説明する。なお、図8において図5と同一ステップについては簡単に説明する。ナビECU67が目的地情報及び現在位置情報をサーバ50に送信するまでの手順は図5と同様である(S10、S20)。
【0080】
図5では目的地に設定した駐車場Pのみの駐車場満空予測情報を生成したが、図8では周辺の駐車場Pa〜Pcについて満車確率を決定するので、ステップS110〜S180を駐車場P、Pa〜Pcに対し繰り返す。ステップS110〜S180の処理は実施例1と同様である。
【0081】
すなわち、補正判定部32は注目する駐車場P、Pa〜Pc(以下、駐車場Qという)のいずれかの現在の駐車車両数を駐車場DB29から読み出し(S111)、式(2)−1に基づき「現在の駐車場Qの駐車車両数」が、「駐車場Qの平均的な駐車車両数」よりも例えば2割程度多いか否かを判定する(S121)。
【0082】
「注目する駐車場Qの現在の駐車車両数」が「駐車場Qの平均的な駐車車両数」よりも多くない場合(S121のNo),ステップS170に進み駐車場Qの満車確率を決定する。
【0083】
「注目する駐車場Qの現在の駐車車両数」が「駐車場Qの平均的な駐車車両数」よりも多い場合(S121のYes),補正判定部32は駐車場Qの周辺の駐車場の現在の駐車車両数を読み出す(S131)。
【0084】
そして、補正判定部32は、式(2)−2に基づき、「周辺の駐車場の現在の駐車車両数」が、「周辺の駐車場の平均的な駐車車両数」よりも例えば2割程度多いか否かを判定する(S141)。
【0085】
「周辺の駐車場の現在の駐車車両数」が「周辺の駐車場の平均的な駐車車両数」よりも多くない場合(S141のNo)、ステップS170に進み満車確率を決定する。
【0086】
「周辺の駐車場の現在の駐車車両数」が「周辺の駐車場の平均的な駐車車両数」よりも多い場合(S141のYes)、周辺の駐車場に駐車場Qと提携した駐車場があるか否かを判定する(S151)。提携した駐車場Qがない場合(S151のNo)、駐車場満空予測情報生成部26は、1より小さい係数Cを用いて補正係数γを決定する(S180)。提携した駐車場がある場合(S151のYes)、駐車場満空予測情報生成部26は、1より大きい係数Cを用いて補正係数γを決定する(S160)。これにより、提携駐車場が通常より混んでいる場合は、補正係数γを大きくすることができる。
【0087】
ついで、駐車場満空予測情報性は、式(1)又は式(2)−4を用いて到着予想時刻の駐車場車両数を算出し、それと駐車場Qの収容可能数を比較して満車確率を決定する(S170)。サーバ50はS111〜S180の処理を駐車場P、駐車場Pa〜Pcに対し繰り返し(S190)、駐車場毎の満車確率情報を車両20に送信する(S200)。
【0088】
ナビECU67は満車確率情報を受信し(S31)、アイコン形状調整部68が満車確率に応じて各駐車場のアイコンの大きさを調整してディスプレイ66に表示する(S41)。
【0089】
本実施例によれば、アイコンの大きさから駐車場の空きの可能性を一目で把握することができる。
【実施例3】
【0090】
実施例1では、サーバ50が駐車場満空予測情報を車両20に提供し、空きのある駐車場Pを目的地に設定しやすくできるが、到着するまでの間に空きのあったはずの駐車場Pが満車となる場合もあり得る。本実施例では、到着の少し前に車両20が駐車場満空予測情報をサーバ50に要求し、駐車場満空予測情報が満車であることを示す場合、ナビゲーションシステム60が空きのある駐車場を車両20を自動的に設定したり、設定の機会を乗員に提供する駐車場情報提供システム100について説明する。設定の機会は、例えば信号により停止するタイミングであり、インフラが提供する信号機の表示サイクルを検出して決定する。これにより、乗員は、空きのある駐車場を設定しやすくなり操作性が向上する。
【0091】
なお、空きのある駐車場を自動的に設定するか、又は、代替の駐車場Pの設定の機会を乗員に提供するかは、乗員が予めナビゲーションシステム60に設定してある。
【0092】
図9は、本実施例の駐車場情報提供システム100の機能ブロック図の一例を示す。図9において図2と同一部分には同一の符号を付しその説明は省略する。図9では、サーバ50が信号サイクルDB34を有し、ナビゲーションシステム60が路車間通信装置69と接続され、ナビECU67がインフラ情報送信部81、サイクル情報取得部82、駐車場案内タイミング判定部83、駐車場設定情報表示部84、目的地設定部85、サイクル情報記憶部86及び乗員設定情報記憶部87を有する。
【0093】
〔駐車場Pの設定の機会を乗員に提供する構成〕
始めに、駐車場Pの設定の機会を乗員に提供する構成(乗員が所望の駐車場を設定する構成)について説明する。路車間通信装置69は、路側に敷設された路側装置との距離が所定以内の場合に路側装置と通信する狭域通信(DSRC(Dedicated Short Range Communication))を実現する。例えば自動車専用道の料金所に設けられた路側装置と通信するため車両20がETC(Electronic Toll Collection System)装置を搭載している場合、路車間通信装置69はこれと兼用することができる。路車間通信装置69は、路側装置との通信エリアに入ると自動的に通信を開始し、例えば5.8GHz帯の搬送波をASK変調やQPSK変調して、ベースバンド信号を取り出しこれにプロトコル処理等の信号処理を施し、インフラ情報を取得する。
【0094】
本実施例のインフラ情報は信号機の現示情報である。現示情報は現在の信号の状態、すなわち、赤、黄、青のいずれの状態かを示す情報である。路側装置は車両20が走行している位置よりも少し前方の信号機の現示情報を提供するので、ナビゲーションシステム60のインフラ情報送信部81は、前方の信号機の状態を受信しながら走行することになる。このため、その信号機が赤を維持する時間、青を維持する時間、黄を維持する時間を検出することができる。インフラ情報送信部81は、信号機の識別情報(例えば、位置情報)に対応づけて赤状態維持時間、青状態維持時間及び黄状態維持時間(以下、サイクル情報という)を、通信装置64を介してサーバ50に送信する。なお、1台の車両20がサイクル情報の全てを送信する必要はなく、いくつかの車両20からサイクル情報を受信することで、サーバ50は信号機毎に欠損のないサイクル情報を取得できる。
【0095】
サーバ50は通信部23を介して各車両20からサイクル情報を受信し、信号サイクルDB34に記憶する。したがって、サーバ50の信号サイクルDB34には、全国(車両20が走行する道路)の信号機のサイクル情報が記憶されうる。そして、サーバ50は、車両20からの問い合わせに応じてサイクル情報を車両20に提供する。
【0096】
サイクル情報取得部82は、目的地の手前(例えば、5km)に到達した時に取得した駐車場満空予測情報が満車状態を示す場合、サーバ50から経路上の信号機のサイクル情報を取得する。出発時に車両20は駐車場満空予測情報をサーバ50に問い合わせているので、サーバ50は車両20の経路を取得している。サイクル情報取得部82は受信したサイクル情報をサイクル情報記憶部86に記憶しておく。
【0097】
駐車場案内タイミング判定部83は、サイクル情報記憶部86に記憶されたサイクル情報、車両20の位置情報、前方の信号機の位置情報、及び、車速から、空きのある駐車場を設定する十分な時間(例えば、30秒〜1分)、信号で停止するか否かを判定する。
【0098】
図10は信号機における予測停車時間の算出の一例を示す。路側装置が提供する現示情報によると信号機80からL〔m〕で信号機が「黄→赤」に切り替わったとすると、駐車場案内タイミング判定部83は、信号機80までの距離Lと車速Vから信号機までの到着時間を算出する。この時、車両20は信号機80に向けて徐々に減速するので、車速Vに補正定数を掛けて小さな値を見積もるとよい。
【0099】
到着時間 = L/V
また、駐車場案内タイミング判定部83は、サイクル情報記憶部86から信号機80のサイクル情報を読み出し、赤状態維持時間を取得する。そして、赤状態維持時間と到着時間を比較して、その差が例えば、30秒〜1分あれば、空きのある駐車場を設定するのに十分な時間があると判定する。なお、図10では「黄→赤」を例に説明したが、切り替わった時刻さえ検出できれば、車両20が信号機80に到達した時の信号機の状態が予測できるので、「赤→青」を基準に判定してもよい。
【0100】
駐車場案内タイミング判定部83が充分な時間があると判定すると、駐車場設定情報表示部84は、車両20の停車を待って、目的地周辺の道路地図を表示すると共に、周辺の代替用の駐車場を提示する。
【0101】
〔空きのある駐車場を自動的に設定する構成〕
続いて、空きのある駐車場をナビゲーションシステム60が自動的に設定する構成について説明する。自動的に駐車場を設定する場合、駐車場Pに最寄りの駐車場を設定することが考えられるが、乗員によっては料金の安い駐車場Pを所望することや、立体駐車場でなく平地駐車の駐車場Pを所望する場合がある。このため、ナビゲーションシステム60には、乗員が所望する駐車場を記憶した乗員設定情報記憶部87を有する。
【0102】
乗員設定情報記憶部87は、設定する駐車場の優先順位を記憶する。例えば、乗員の識別情報に対応づけて、「優先順位1:最寄り 優先順位2:料金 優先順位3:駐車形態(平地駐車)」のような乗員設定情報を記憶している。乗員設定情報は、乗員がナビゲーションシステム60に入力した過去の設定情報から設定されていてもよいし、乗員が上記の優先順位を設定しておいてもよい。目的地設定部85は、乗員設定情報記憶部87を参照して、目的地の周辺から代替の駐車場を目的地に設定する。
【0103】
〔駐車場情報提供システム100の動作手順〕
駐車場満提供システム100の動作手順について図11のフローチャート図を用いて説明する。図11は、ナビゲーションシステム60の動作手順を示すが、サーバ50の動作手順は実施例と同様である。
【0104】
出発時、ナビECU67は乗員により入力された目的地に基づき経路を設定する(S210)。出発時、車両20はサーバ50から満空予測情報を受信しているので(S220)、出発時には空きのある駐車場Pを設定しているとしてよい。
【0105】
その後、車両20は走行し、目的地の手前まで到達したか否かを判定する(S230)。手前か否かは、駐車場を再設定する余裕を持てる距離であればよく、例えば5Km程度を判定の基準とする。
【0106】
目的地の手前まで到達すると(S230のYes)、ナビECU67はサーバ50に接続し、駐車場Pの駐車場満空予測情報を再生成するよう要求する(S240)。これにより、サーバ50は実施例1と同様に駐車場満空予測情報を再生成する。なお、既に駐車場Pまでの距離がわずかなので、「現在の駐車車両数>駐車可能数」のみから駐車場満空予測情報を生成してもよい。サーバ50は駐車場満空予測情報を車両20に送信する。なお、駐車場満空予測情報が満車状態であることを示す場合、サーバ50は実施例2にて説明した周辺の駐車場Pの満車確率を送信することが好適である。これにより、乗員が自ら代替の駐車場を設定する場合、満車確率の低い駐車場を選択することができる。
【0107】
ナビECU67は駐車場満空予測情報を受信し(S250)、最新の駐車場満空予測情報が満車状態であること示すか否かを判定する(S260)。最新の駐車場満空予測情報が空きがあることを示す場合(S260のNo)、ナビECU67は駐車場Pを目的地にしたまま処理を終了する(S290)。最新の駐車場満空予測情報が満車状態であることを示す場合(S260のYes)、ナビECU67は、空きのある駐車場を自動的に設定するか(S270)、又は、代替の駐車場の設定の機会を乗員に提供する(S280)。
【0108】
・空きのある駐車場を自動的に設定(S270)
図12は、ナビゲーションシステム60が空きのある駐車場を自動的に設定する手順を示すフローチャート図である。目的地設定部85は、乗員設定情報記憶部87から乗員の嗜好する優先順位を読み出す(S2701)。
【0109】
そして、優先順位に応じて目的地の周辺にある代替の駐車場を決定し、改めて目的地に設定する(S2702)。この時、サーバ50から周辺の駐車場Pa〜Pcの満車確率情報を受信しているのであれば、満車確率が例えば90%以下の駐車場から代替の駐車場を決定する。決定すると図11に戻り処理は終了する。
【0110】
・代替の駐車場の設定の機会を乗員に提供する(S280)
図13は、ナビゲーションシステム60が代替の駐車場の設定の機会を乗員に提供する手順を示すフローチャート図である。
【0111】
まず、サイクル情報取得部82はサーバ50に接続し(S2801)、経路上の信号機のサイクル情報を取得する(S2802)。サイクル情報取得部82は、サーバ50から取得したサイクル情報をサイクル情報記憶部86に記憶する(S2803)。赤状態維持時間が短いと代替の駐車場を設定することは困難なので、サイクル時間の長いもの(赤状態維持時間の長いもの)を上位、数個程度記憶しておく。
【0112】
駐車場案内タイミング判定部83は、車両20の位置情報を参照し、サイクル情報記憶部86に記憶した信号機の手前に到達したか否かを判定しながら走行する(S2804)。サイクル情報記憶部86に記憶した信号機の手前に到達した場合(S2804のYes)、路車間通信装置69によりインフラ情報(信号機の現示情報)を受信したか否かを判定する(S2805)。
【0113】
現示情報を受信すると(S2805のYes)、駐車場案内タイミング判定部83は信号機における予測停車時間を算出し、予測停車時間が所定時間以上か否かを判定する(S2806)。所定時間以上でなければ、代替の駐車場を設定する時間としては十分でないとして走行を継続する。
【0114】
信号機における予測停車時間が所定時間以上であると判定された場合(S2806のYes)、駐車場設定情報表示部84は駐車場Pが満車の可能性がある旨を乗員に通知する(S2807)。駐車場設定情報表示部84は、例えば「出発時に設定した駐車場が満車のようです。次の信号で駐車場を再設定してください。」とディスプレイ66に表示し、及び/又は、スピーカから音声メッセージや警告音を出力する。
【0115】
このように、信号機で停止する前に乗員に通知しておくことで、信号機に停止してから通知するよりも、乗員が準備しやすくなるので、乗員を焦らせることがない。
【0116】
ついで、駐車場設定情報表示部84は、車速が規定値以下に減速されたか否かを判定する(S2808)。車速の規定値は停止したと見なせる車速である。そして、車速が規定値以下に減速すると(S2808のYes)、駐車場設定情報表示部84は目的地周辺の道路地図を表示し、代替の駐車場をいくつか表示する(S2809)。これにより、乗員は充分な予測停車時間がある場合に、代替の駐車場を設定することができる。なお、実施例2のように満車確率情報を受信して、アイコンPの大きさで満車確率を表示すれば乗員が駐車場を設定しやすい。乗員が代替の駐車場を設定すると図11に戻り処理は終了する。
【0117】
車速が規定値以下に減速しない場合(S2808のNo)、駐車場設定情報表示部84は信号機を通過したか否かを判定し(S2810)、信号機を通過した場合にはステップS2804に戻り同様の処理を繰り返す。
【0118】
本実施例によれば、ナビゲーションシステム60は目的地の手前で駐車場満空予測情報を再度取得し、満車状態であれば、代替の駐車場を設定することができる。代替の駐車場は、ナビゲーションシステム60が乗員の嗜好に応じて自動的に設定することができ、また、信号待ちの時間を利用して適切なタイミングで設定を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】駐車場情報提供システムの概略構成図である。
【図2】駐車場情報提供システムの機能ブロック図の一例である(実施例1)。
【図3】入出庫時刻DB及び駐車場DBに記憶される情報の一例を示す図である。
【図4】滞在時間情報DBに記憶される情報の一例を示す図である。
【図5】駐車場満提供システムの動作手順を示すフローチャート図の一例である(実施例1)。
【図6】駐車場情報提供システムの機能ブロック図の一例である(実施例2)。
【図7】満車確率に応じて大きさを調整された駐車場のアイコンの一例を示す図である。
【図8】駐車場満提供システムの動作手順を示すフローチャート図の一例である(実施例2)。
【図9】駐車場情報提供システムの機能ブロック図の一例である(実施例3)。
【図10】信号機における予測停車時間の算出の一例を示す
【図11】駐車場満提供システムの動作手順を示すフローチャート図の一例である(実施例3)。
【図12】ナビゲーションシステムが空きのある駐車場を自動的に設定する手順を示すフローチャート図の一例である。
【図13】ナビゲーションシステムが代替の駐車場の設定の機会を乗員に提供する手順を示すフローチャート図の一例である。
【符号の説明】
【0120】
20 車両
21 交通情報DB
24 駐車場入出庫時刻取得部
25 平均滞在時間算出部
26 駐車場満空予測情報生成部
28 入出庫時刻DB
29 駐車場DB
31 滞在時間情報DB
32 補正判定部
50 サーバ
60 ナビゲーションシステム
70 駐車場管理装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場又は目的地の情報をサーバに送信する情報端末と、前記駐車場又は前記目的地の周辺の駐車場の情報を車両に送信する前記サーバと、を有する駐車場情報提供システムであって、
前記サーバは、
前記駐車場及びその周辺の周辺駐車場の収容可能数を記憶した駐車場情報記憶手段と、
前記駐車場及び前記周辺駐車場の車両の入出庫情報を収集する入出庫情報取得手段と、
前記駐車場毎及び前記周辺駐車場毎に、時間帯毎の入庫台数及び入庫した車両の滞在時間の統計情報を記憶した統計情報記憶手段と、
前記目的地への到着予想時刻に、前記駐車場が満車か否かを予測する満空予測情報を、前記駐車場の駐車車両数及び前記統計情報から予測した予測駐車車両数と、前記収容可能数とを比較して生成する満空予測情報生成手段と、
前記満空予測情報を生成する際、前記周辺駐車場が平均的な混雑状況よりも混んでいる場合、前記駐車場の前記予測駐車車両数を大きめに補正する補正手段と、
前記満空予測情報を車両に送信する送信手段と、を有する、
ことを特徴とする駐車場情報提供システム。
【請求項2】
前記情報端末は、
目的地まで所定距離内に到達するか又は到着予想時刻の所定時間前になると、前記サーバに前記駐車場の前記満空予測情報の送信を要求し、
前記サーバは、
再度、前記満空予測情報を生成し、前記情報端末に送信する、
ことを特徴とする請求項1記載の駐車場情報提供システム。
【請求項3】
前記サーバは、
前記収容可能数と前記予測駐車車両数とを比較して、到着予想時刻に前記駐車場又は前記周辺駐車場が満車となる確率を算出する満車確率予測手段を有し、
前記情報端末は、
前記サーバから受信した前記満車確率情報に応じて、表示手段に表示する駐車場アイコンの大きさを調整するアイコンサイズ調整手段、を有する、
ことを特徴とする請求項1記載の駐車場情報提供システム。
【請求項4】
前記サーバは、
道路に敷設された信号機の表示サイクルのサイクル情報を記憶したサイクル情報記憶手段を有し、
前記情報端末は、
再度受信した前記満空予測情報が満車状態であることを示す場合、前記サーバから経路上の信号機の前記サイクル情報を受信するサイクル情報取得手段と、
信号機の現示情報を路側装置から受信する路車間通信手段と、
前記現示情報、前記サイクル情報、車速情報、及び、信号機までの距離に基づき、信号機で停車する停車時間が所定以上か否かを判定する判定手段と、
前記停車時間が所定以上と判定された場合、車速が所定以下になると前記駐車場の周辺の代替駐車場を表示手段に表示する設定情報表示手段と、
を有することを特徴とする請求項2記載の駐車場情報提供システム。
【請求項5】
前記情報端末は、
駐車場を設定する際の乗員の嗜好情報を記憶した乗員設定情報記憶手段を有し、
再度受信した前記満空予測情報が満車状態であることを示す場合、前記嗜好情報に基づき前記駐車場の周辺の代替駐車場を目的地に設定する目的地設定手段、
を有することを特徴とする請求項2記載の駐車場情報提供システム。
【請求項6】
車両から駐車場又は目的地の情報を受信して、前記駐車場又は前記目的地の周辺の駐車場の情報を車両に送信するサーバであって、
前記駐車場及びその周辺の周辺駐車場の収容可能数を記憶した駐車場情報記憶手段と、
前記駐車場及び前記周辺駐車場の車両の入出庫情報を収集する入出庫情報取得手段と、
前記駐車場及び前記周辺駐車場毎に、駐車場毎に時間帯毎の入庫台数及び入庫した車両の滞在時間の統計情報を記憶した統計情報記憶手段と、
前記目的地への到着予想時刻に、前記駐車場が満車か否かを予測する満空予測情報を、前記駐車場の駐車車両数及び前記統計情報から予測した予測駐車車両数と、前記収容可能数とを比較して生成する満空予測情報生成手段と、
前記満空予測情報を生成する際、前記周辺駐車場が平均的な混雑状況よりも混んでいる場合、前記駐車場の前記予測駐車車両数を大きめに補正する補正手段と、
前記満空予測情報を車両に送信する送信手段と、を有する、
ことを特徴とするサーバ。
【請求項7】
車両が目的地まで所定距離内に到達するか又は到着予想時刻の所定時間前になると、車両から前記駐車場の前記満空予測情報の生成を受信し、
前記満空予測情報生成手段は、再度、前記満空予測情報を生成し、前記送信手段は車両に送信する、
ことを特徴とする請求項6記載のサーバ。
【請求項8】
前記収容可能数と前記予測駐車車両数とを比較して、到着予想時刻に前記駐車場又は前記周辺駐車場が満車となる確率を算出する満車確率予測手段を有し、
前記送信手段は、前記満車確率情報を車両に送信する、
ことを特徴とする請求項7記載のサーバ。
【請求項9】
請求項6〜8いずれか1項記載のサーバから前記満空予測情報を受信する受信手段と、
前記満空予測情報が満車状態であることを示す場合、前記サーバから、道路に敷設された信号機の表示が切り替わる時間を示すサイクル情報を受信するサイクル情報取得手段と、
信号機の現示情報を路側装置から受信する路車間通信手段と、
前記現示情報、前記サイクル情報、車速情報、及び、信号機までの距離に基づき、信号機で停車する停車時間が所定以上か否かを判定する判定手段と、
前記停車時間が所定以上と判定された場合、車速が所定以下になると前記駐車場の周辺の代替駐車場を表示手段に表示する設定情報表示手段と、
を有することを特徴とする情報端末。
【請求項10】
前記受信手段は前記満車確率情報を受信し、
前記満車確率情報に応じて、表示手段に表示する駐車場アイコンの大きさを調整するアイコンサイズ調整手段、を有する、
ことを特徴とする請求項9記載の情報端末。
【請求項1】
駐車場又は目的地の情報をサーバに送信する情報端末と、前記駐車場又は前記目的地の周辺の駐車場の情報を車両に送信する前記サーバと、を有する駐車場情報提供システムであって、
前記サーバは、
前記駐車場及びその周辺の周辺駐車場の収容可能数を記憶した駐車場情報記憶手段と、
前記駐車場及び前記周辺駐車場の車両の入出庫情報を収集する入出庫情報取得手段と、
前記駐車場毎及び前記周辺駐車場毎に、時間帯毎の入庫台数及び入庫した車両の滞在時間の統計情報を記憶した統計情報記憶手段と、
前記目的地への到着予想時刻に、前記駐車場が満車か否かを予測する満空予測情報を、前記駐車場の駐車車両数及び前記統計情報から予測した予測駐車車両数と、前記収容可能数とを比較して生成する満空予測情報生成手段と、
前記満空予測情報を生成する際、前記周辺駐車場が平均的な混雑状況よりも混んでいる場合、前記駐車場の前記予測駐車車両数を大きめに補正する補正手段と、
前記満空予測情報を車両に送信する送信手段と、を有する、
ことを特徴とする駐車場情報提供システム。
【請求項2】
前記情報端末は、
目的地まで所定距離内に到達するか又は到着予想時刻の所定時間前になると、前記サーバに前記駐車場の前記満空予測情報の送信を要求し、
前記サーバは、
再度、前記満空予測情報を生成し、前記情報端末に送信する、
ことを特徴とする請求項1記載の駐車場情報提供システム。
【請求項3】
前記サーバは、
前記収容可能数と前記予測駐車車両数とを比較して、到着予想時刻に前記駐車場又は前記周辺駐車場が満車となる確率を算出する満車確率予測手段を有し、
前記情報端末は、
前記サーバから受信した前記満車確率情報に応じて、表示手段に表示する駐車場アイコンの大きさを調整するアイコンサイズ調整手段、を有する、
ことを特徴とする請求項1記載の駐車場情報提供システム。
【請求項4】
前記サーバは、
道路に敷設された信号機の表示サイクルのサイクル情報を記憶したサイクル情報記憶手段を有し、
前記情報端末は、
再度受信した前記満空予測情報が満車状態であることを示す場合、前記サーバから経路上の信号機の前記サイクル情報を受信するサイクル情報取得手段と、
信号機の現示情報を路側装置から受信する路車間通信手段と、
前記現示情報、前記サイクル情報、車速情報、及び、信号機までの距離に基づき、信号機で停車する停車時間が所定以上か否かを判定する判定手段と、
前記停車時間が所定以上と判定された場合、車速が所定以下になると前記駐車場の周辺の代替駐車場を表示手段に表示する設定情報表示手段と、
を有することを特徴とする請求項2記載の駐車場情報提供システム。
【請求項5】
前記情報端末は、
駐車場を設定する際の乗員の嗜好情報を記憶した乗員設定情報記憶手段を有し、
再度受信した前記満空予測情報が満車状態であることを示す場合、前記嗜好情報に基づき前記駐車場の周辺の代替駐車場を目的地に設定する目的地設定手段、
を有することを特徴とする請求項2記載の駐車場情報提供システム。
【請求項6】
車両から駐車場又は目的地の情報を受信して、前記駐車場又は前記目的地の周辺の駐車場の情報を車両に送信するサーバであって、
前記駐車場及びその周辺の周辺駐車場の収容可能数を記憶した駐車場情報記憶手段と、
前記駐車場及び前記周辺駐車場の車両の入出庫情報を収集する入出庫情報取得手段と、
前記駐車場及び前記周辺駐車場毎に、駐車場毎に時間帯毎の入庫台数及び入庫した車両の滞在時間の統計情報を記憶した統計情報記憶手段と、
前記目的地への到着予想時刻に、前記駐車場が満車か否かを予測する満空予測情報を、前記駐車場の駐車車両数及び前記統計情報から予測した予測駐車車両数と、前記収容可能数とを比較して生成する満空予測情報生成手段と、
前記満空予測情報を生成する際、前記周辺駐車場が平均的な混雑状況よりも混んでいる場合、前記駐車場の前記予測駐車車両数を大きめに補正する補正手段と、
前記満空予測情報を車両に送信する送信手段と、を有する、
ことを特徴とするサーバ。
【請求項7】
車両が目的地まで所定距離内に到達するか又は到着予想時刻の所定時間前になると、車両から前記駐車場の前記満空予測情報の生成を受信し、
前記満空予測情報生成手段は、再度、前記満空予測情報を生成し、前記送信手段は車両に送信する、
ことを特徴とする請求項6記載のサーバ。
【請求項8】
前記収容可能数と前記予測駐車車両数とを比較して、到着予想時刻に前記駐車場又は前記周辺駐車場が満車となる確率を算出する満車確率予測手段を有し、
前記送信手段は、前記満車確率情報を車両に送信する、
ことを特徴とする請求項7記載のサーバ。
【請求項9】
請求項6〜8いずれか1項記載のサーバから前記満空予測情報を受信する受信手段と、
前記満空予測情報が満車状態であることを示す場合、前記サーバから、道路に敷設された信号機の表示が切り替わる時間を示すサイクル情報を受信するサイクル情報取得手段と、
信号機の現示情報を路側装置から受信する路車間通信手段と、
前記現示情報、前記サイクル情報、車速情報、及び、信号機までの距離に基づき、信号機で停車する停車時間が所定以上か否かを判定する判定手段と、
前記停車時間が所定以上と判定された場合、車速が所定以下になると前記駐車場の周辺の代替駐車場を表示手段に表示する設定情報表示手段と、
を有することを特徴とする情報端末。
【請求項10】
前記受信手段は前記満車確率情報を受信し、
前記満車確率情報に応じて、表示手段に表示する駐車場アイコンの大きさを調整するアイコンサイズ調整手段、を有する、
ことを特徴とする請求項9記載の情報端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−211253(P2009−211253A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−51801(P2008−51801)
【出願日】平成20年3月3日(2008.3.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月3日(2008.3.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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