説明

駐車支援装置

【課題】車輪速センサのパルスから算出した車輪の移動距離の誤差を補正し、自車両の位置を精度良く検出することができる駐車支援装置を提供する。
【解決手段】車輪速センサ2から計測されたパルス数に変換係数を乗ずることで車輪の移動距離を算出する車輪移動距離算出手段1と、車輪移動距離から自車両の位置を演算する自車位置演算手段4と、自車両の位置に基づき各距離センサ1によって得られた距離データの分布を各距離センサ1に対し生成する距離データ分布生成手段5と、各距離センサ1の距離データ分布を照合し、車輪の移動距離の誤差を算出する車輪移動距離誤差算出手段6と、車輪の移動距離の誤差に基づき車輪移動距離算出手段3にて用いられる変換係数を補正する変換係数補正手段7を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、距離センサを用いて駐車車両の存在しない駐車区画を検知する駐車支援装置に係り、特に車輪速センサのパルスから算出した車輪の移動距離の誤差を補正して自車両の位置を精度良く検出する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載した距離センサにより隣接車両の存在しない駐車区画を検知し、駐車可否をドライバに報知したり、自動操舵で車両を検知した駐車区画へ誘導する機能を有する駐車支援装置についてさまざまな方法が提案されている。
【0003】
例えば特許文献1では、駐車支援装置として、自車両の距離センサから検出される障害物までの距離と、車輪速センサから検出される車輪速に基づいて自車両の移動距離を演算し、駐車車両の位置及びその輪郭を検出する方法が示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2007-071536号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では下記のような課題がある。
(1)タイヤ空気圧の変化等によりタイヤ径が変化すると、車輪速センサから得られる車輪速に誤差が発生する。車輪速に誤差が発生すれば、車輪速に基づいて演算した自車両の移動距離に誤差が発生し、ひいては駐車区画の検知結果に誤差が発生することとなる。
(2)車輪速の誤差に左右のアンバランスが発生すると、車輪速に基づいて演算した自車両の移動方向に誤差が発生し、やはり駐車区画の検知結果に誤差が発生することになる。
【0006】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたものであり、車輪速センサのパルスから算出した車輪の移動距離を補正し、自車両の位置を精度良く検出することができる駐車支援装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る駐車支援装置は、所定の距離をおいて車両に搭載され、障害物までの距離を測定する少なくとも2個の距離センサと、車両の車輪に搭載され、当該車輪の回転に応じてパルスを出力する車輪速センサと、車輪速センサから出力されるパルスを計測し、計測されたパルス数に変換係数を乗ずることで車輪の移動距離を算出する車輪移動距離算出手段と、車輪移動距離算出手段によって得られた車輪の移動距離から自車両の位置を演算する自車位置演算手段と、自車位置演算手段によって得られた自車両の位置に基づき、距離センサによって得られた距離データの分布を各距離センサに対し生成する距離データ分布生成手段と、距離データ分布生成手段によって生成された各距離センサの距離データ分布を照合し、車輪移動距離算出手段によって得られた車輪の移動距離の誤差を算出する車輪移動距離誤差算出手段と、車輪移動距離誤差算出手段によって得られた車輪の移動距離の誤差に基づき、車輪移動距離算出手段にて用いられる変換係数を補正する変換係数補正手段を備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明の駐車支援装置によれば、所定の距離をおいて車両に搭載され、障害物までの距離を測定する少なくとも2個の距離センサと、車両の車輪に搭載され、当該車輪の回転に応じてパルスを出力する車輪速センサと、車輪速センサから出力されるパルスを計測し、計測されたパルス数に変換係数を乗ずることで車輪の移動距離を算出する車輪移動距離算出手段と、車輪移動距離算出手段によって得られた車輪の移動距離から自車両の位置を演算する自車位置演算手段と、自車位置演算手段によって得られた自車両の位置に基づき、距離センサによって得られた距離データの分布を各距離センサに対し生成する距離データ分布生成手段と、距離データ分布生成手段によって生成された各距離センサの距離データ分布を照合し、車輪移動距離算出手段によって得られた車輪の移動距離の誤差を算出する車輪移動距離誤差算出手段と、車輪移動距離誤差算出手段によって得られた車輪の移動距離の誤差に基づき、車輪移動距離算出手段にて用いられる変換係数を補正する変換係数補正手段を備えたので、タイヤ空気圧の変化等によりタイヤ径が変化した場合でも、車輪速センサのパルスから算出した車輪の移動距離を補正することができ、自車両の位置を精度良く検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図面に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形態1による駐車支援装置の構成を示すブロック図である。
図1において、距離センサ1は、車両と障害物の距離を計測するためのものであり、車両に所定の距離をおいて少なくとも2個搭載されている。車輪速センサ2は、左右の車輪に搭載され、車輪の回転に応じてパルスを生成する。車輪移動距離算出手段3は、車輪速センサ2から出力されたパルスを計測し、計測されたパルス数に変換係数を乗ずることで車輪の移動距離を算出する。自車位置演算手段4は、車輪移動距離算出手段3によって得られた左右の車輪の移動距離に基づいて自車位置を演算する。距離データ分布生成手段5は、自車位置演算手段4によって得られた自車位置に基づき、距離センサ1によって得られた距離データの分布を、各距離センサ1に対して生成する。車輪移動距離誤差算出手段6は、各距離センサ1に対し生成された複数の距離データ分布を照合し、車輪の移動距離の誤差を算出する。変換係数補正手段7は、車輪移動距離誤差算出手段6によって得られた車輪の移動距離の誤差に基づき、車輪移動距離算出手段3で用いられる前記変換係数を補正する。本実施の形態では、距離センサ1として超音波センサを用いることとするが、レーザレーダなど他の距離センサでもよい。また、本実施の形態では、車輪速センサ2は転舵しない従動輪(後輪)に搭載し、自車位置とは従動輪の中心の位置を指すものとするが、この限りではない。
【0010】
図2は距離センサと距離センサの検知範囲の例を示している。距離センサ1は車両の側面に所定の距離をおいてS1、S2のように少なくとも2個搭載されている。例えば、距離センサ1として、駐車区画検知のために車両前方の側面に搭載された超音波センサS1と、車両後方の障害物の存在をドライバに報知するために車両後方のコーナーに搭載された超音波センサS2を使用する。
また、図2において、11は自車両を示し、12は車両前方の側面に搭載された距離センサS1の検知範囲、13は車両後方のコーナーに搭載された距離センサS2の検知範囲を示す。
【0011】
図3は自車両11が駐車車両21の横を通り過ぎる状況を示しており、図4は図3の状況において距離データ分布生成手段5が距離センサS1に対して生成する距離データ分布の例を示している。図4において、31は距離センサS1が移動した軌跡を、32は距離センサS1に対して生成された距離データ分布をそれぞれ示している。
【0012】
次に、この発明の実施の形態1の車輪速センサ補正装置の動作を、図5のフローチャートに基づいて説明する。図5の処理は、所定の時間間隔をもって時刻t,・・・tn−1,t,・・・毎に行われる。
【0013】
S101において、左右の車輪速センサ2から出力されるパルスを計測すると同時に、車輪速を演算する。
【0014】
S102では、車速が所定値以下であり、かつ、左右の車輪速の差が所定値以内であるかどうか判定する。S102で用いる車速はS101で演算した左右の車輪速を基に演算してもよいし、別に搭載された車速センサの情報を用いてもよい。
左右の車輪速差が所定値以内であるかどうかを判定するのは、車両がほぼ直進しているかどうかを判定するためである。車速が所定値以下であり、かつ、左右の車輪速の差が所定値以内である場合は、S103の処理に移る。
【0015】
S103では、S101で求められた左右の車輪速センサから出力されたパルス数に変換係数を乗じることにより、各車輪の移動距離を算出する。具体的な算出式は下記の式(1)、(2)となる。ここでN(n)、N(n)は時刻tにおける単位時間当たりの各車輪速センサのパルス数、D(n)、D(n)は時刻tにおける単位時間当たりの各車輪の移動距離、αは車輪速センサから出力されたパルス数を移動距離に変換する変換係数である。
【0016】
【数1】

【0017】
S104では、S103で得られた左右の車輪の移動距離に基づき、自車位置の演算を行う。具体的な演算式は式(3)〜式(7)となる。ここで、X(n)、Y(n)は計測開始位置を原点とし、自車両進行方向をY軸とする時刻tにおける自車位置、ΔL(n)は時刻tにおける単位時間当たりの移動量、Δθ(n)は時刻tにおける単位時間当たりの自車両の回転角、θ(n)は計測開始位置での角度を0[rad]とするY軸に対する自車両の角度、Wは左右の車輪間の距離をそれぞれ示している。
【0018】
【数2】

【0019】
S105において距離センサS1の距離データを取得し、S106において有効な距離データが取得されたかどうかを判定する。有効な距離データが取得された場合はS107においてカウンタC1をクリアした後、S108において距離データ分布Dd1を生成する。S106で有効な距離データが取得されなかったと判定された場合は、S109においてカウンタC1をインクリメントする。このカウンタC1は、距離センサS1に基づいて検知される障害物の端点に到達したかどうかを判定するためのカウンタで、カウンタC1が所定値以上となった場合、障害物の端点に到達したと判定する。
【0020】
S108で実施される距離データ分布Dd1の具体的な処理内容について説明する。まず演算された自車位置に基づき、距離センサS1の位置を算出する。具体的な算出式は、下記の式(8)、(9)となる。ここで、X'(n)、Y'(n)は時刻tにおける距離センサS1の位置、X(n)、Y(n)は時刻tにおける自車位置、XOffset、YOffsetは自車位置に対する距離センサS1の相対位置、θ(n)は時刻tにおけるY軸に対する自車両の回転角をそれぞれ示す。
【0021】
【数3】

【0022】
次に得られた距離センサS1の位置に基づき、距離センサS1によって得られた距離データをプロットする位置を算出する。具体的な算出式は下記の式(10)(11)となる。ここでx(n)、y(n)は時刻tにおける距離データのプロット位置、X'(n)、Y'(n)は時刻tにおける距離センサS1の位置、D(n)(>0)は時刻tにおいて距離センサS1によって得られた距離を示す。
【0023】
【数4】

【0024】
図5のフローチャートに戻り説明を続ける。S121において距離センサS2の距離データを取得し、S122において有効な距離データが取得されたかどうかを判定する。有効な距離データが取得された場合はS123においてカウンタC2をクリアした後、S124において距離データ分布Dd2を生成する。S122で有効な距離データが取得されなかったと判定された場合は、S125においてカウンタC2をインクリメントする。このカウンタC2は、距離センサS2に基づいて検知される障害物の端点に到達したかどうかを判定するためのカウンタで、カウンタC2が所定値以上となった場合、障害物の端点に到達したと判定する。S124で実施される距離データ分布Dd2の具体的な処理内容は、S108で実施される距離データ分布Dd1の処理内容と同様であるので説明は省略する。
【0025】
次に、S126において、カウンタC1が所定値以上で、かつカウンタC2が所定値以上であるかどうかを判定する。カウンタC1が所定値以上で、かつカウンタC2が所定値以上であると判定された場合は、S127において有効な距離データ分布Dd1が存在し、かつ、有効な距離データ分布Dd2が存在するかどうかを判定する。有効な距離データ分布Dd1が存在し、かつ有効な距離データ分布Dd2が存在すると判定された場合は、S128において距離データ分布Dd1と距離データ分布Dd2を照合し、この照合結果に基づき車輪移動距離誤差の算出を行う。
【0026】
次に、S128の車輪移動距離誤差算出の方法を図6及び図7を用いて具体的に説明する。図6は図3と同様、自車両11が駐車車両21の横を通り過ぎる状況を示している。また、図6では、距離センサS1の検知範囲12、距離センサS2の検知範囲13も同時に示している。図7は、距離センサS1及び距離センサS2に対して求められた距離データ分布Dd1及び距離データ分布Dd2を示している。図7において、61は距離センサS2の軌跡、62は各時刻における距離センサS1を基準として距離センサS2によって得られた距離データをプロットした距離データ分布Dd2、63は距離データ分布Dd1(図7の32)と距離データ分布Dd2(図7の62)の自車両進行方向(Y軸方向)のずれ量を示している。
【0027】
ここで注意が必要なのは、距離データ分布Dd2を各時刻の距離センサS1の位置を基準として生成する点である。距離センサS2の位置を基準として距離データ分布Dd2を作成すると、距離データ分布Dd1(図7の32)とほぼ重なってしまい、この後で求めようとする車輪の移動距離の誤差が算出できない。
【0028】
次に、この距離データ分布Dd1と距離データ分布Dd2のずれ量63の算出方法を説明する。一番単純な算出方法は、距離データ分布Dd1と距離データ分布Dd2をそれぞれ多項式等の近似式で近似する。そして求めた近似式の変局点(直線から曲線に変化する点)を求め、距離データ分布Dd1と距離データ分布Dd2の対応する変局点のY座標の絶対値の差分を算出する。この絶対値の差分がずれ量63となる。なお、このずれ量63の算出方法は他にもいろいろ考えられ、この限りではない。
【0029】
最後に、S129にて変換係数を補正する。具体的な補正式は下記の式(12)となる。α’は補正後の変換係数、αは補正前の変換係数、LshiftはS128で得られた距離データ分布Dd1と距離データ分布Dd2のY軸方向のずれ量、Lsensorは距離センサS1の搭載位置と距離センサS2の搭載位置との距離を示す。
【0030】
【数5】

【0031】
以上のように本実施の形態1によれば、タイヤ空気圧の変化等によりタイヤ径が変化した場合でも、車輪速センサのパルスから算出した車輪の移動距離の誤差を補正することができる。その結果、自車両の位置を正確に検知することができ、最終的な目的である駐車区画の検知も精度よく実施することが可能となる。
【0032】
また、駐車区画検知のために車両前方の側面に搭載された超音波センサと、車両後方の障害物の存在をドライバに報知するために車両後方のコーナーに搭載された超音波センサを用いて前記変換係数の補正を実施することにより、他のセンサ追加を必要とせず、安価に駐車区画の検知精度を向上させることが可能となる。
【0033】
また、変換係数補正手段7による変換係数αの補正は、車両の車速が所定値以下である場合に実施することにより、タイヤのスリップ等が発生しない状態で、正確に変換係数αの補正を実施することが可能となる。
【0034】
また、変換係数補正手段7による変換係数αの補正は、車輪速センサ2から出力されるパルスに基づき算出された左右の車輪速の差が所定値以下である場合に実施することにより、他のセンサを追加することなく、車両がほぼ直進している場合に限定して、変換係数αの補正を正確に実施することが可能となる。
【0035】
なお、本実施の形態では、左右両方の車輪速センサ2の情報を用いているが、片方の車輪速センサのみの情報を用いて変換係数αの補正を実施してもよい。
【0036】
実施の形態2.
上記発明の実施の形態1では、左右の車輪速センサから得られたパルス数に左右の車輪で共通の変換係数αを乗じて各車輪の移動距離を算出した。しかし、本実施の形態2のように、左右独立して別々の変換係数を保持し、左車輪の変換係数αは車両左側に搭載された少なくとも2個の距離センサに対する距離データ分布に基づき補正し、右車輪の変換係数αは車両右側に搭載された少なくとも2個の距離センサに対する距離データ分布に基づき補正してもよい。
【0037】
このようにする場合、車輪速センサから得られたパルス数に基づき各車輪の移動距離を算出する算出式(1)、(2)は下記の式(1')、(2')のようになる。
【0038】
【数6】

【0039】
なお、本実施の形態において、左車輪の変換係数αを車両左側に搭載された少なくとも2個の距離センサに対する距離データ分布に基づき補正する方法、右車輪の変換係数αを車両右側に搭載された少なくとも2個の距離センサに対する距離データ分布に基づき補正する方法は、実施の形態1で説明した変換係数αを車両に搭載された少なくとも2個の距離センサに対する距離データ分布に基づき補正する方法と同様であるので、その説明は省略する。
【0040】
本実施の形態によれば、自車両が転舵あるいは蛇行した際も、自車両の位置を精度良く検知することができる。その結果、最終的な目的である駐車区画の検知も精度よく実施することが可能となる。
【0041】
実施の形態3.
上記実施の形態1または実施の形態2では、距離センサS1として車両前方の側面に搭載した超音波センサを、距離センサS2として車両後方のコーナーに搭載した超音波センサを用いた。本実施の形態では、距離センサS1として車両前方のコーナーに搭載した超音波センサを、距離センサS2として車両後方のコーナーに搭載した超音波センサを用いた。本実施の形態の距離センサS1と距離センサS2の検知範囲を図8に示す。図8において、11は自車両を示し、71は車両前方のコーナーに搭載した距離センサ(超音波センサ)S1の検知範囲、13は車両後方のコーナーに搭載された距離センサ(超音波センサ)S2の検知範囲を示す。
【0042】
以上のように本実施の形態では、距離センサS1として車両前方のコーナーに搭載した超音波センサを、距離センサS2として車両後方のコーナーに搭載した超音波センサを用いたので、実施の形態1の補正式(12)における距離センサS1、S2間の距離LSENSORをより長くすることが可能となり、変換係数αの補正をより正確に実施することが可能となる。
【0043】
実施の形態4.
上記実施の形態では、車両がほぼ直進しているかどうかを判定するために、車輪速センサから出力されるパルスに基づき算出された左右の車輪速の差が所定値以下であるかどうかで判定していたが、カーナビゲーションシステム等を搭載している車両であれば、車両に内蔵されている加速度センサの情報を利用し、当該加速度センサの横加速度が所定値以下の場合にのみ、変換係数補正手段による変換係数の補正を実施してもよい。
【0044】
また、左右の車輪速の差と横加速度の両方の情報に基づいて、車両がほぼ直進しているかどうかを判定してもよい。
【0045】
以上のように本実施の形態によれば、車両がほぼ直進しているかどうかをより正確に判定でき、変換係数補正手段による変換係数の補正もより正確に実施することが可能となる。
【0046】
実施の形態5.
自動操舵により車両を検知した駐車区画へ誘導する機能を有する車両では、ハンドル角センサが搭載されている。本実施の形態では、車両がほぼ直進しているかどうかの判定に、このハンドル角センサの情報を利用し、ハンドル角の絶対値が所定値以下である場合に変換係数補正手段による変換係数の補正を実施してもよい。
【0047】
また、左右の車輪速の差や横加速度と、ハンドル角の絶対値を組み合わせて、自車両がほぼ直進状態であるかを判定してもよい。
【0048】
以上のように本実施の形態によれば、車両がほぼ直進しているかどうかをさらに正確に判定でき、変換係数補正手段による変換係数の補正もより正確に実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】この発明の実施の形態1による車輪速センサ補正装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1による距離センサ及び距離センサの検知範囲を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1による自車両が駐車車両の横を通り過ぎる状況を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1による距離データ分布生成手段が生成する距離データ分布の例を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1による車輪速センサ補正装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態1による車輪移動距離誤差算出の方法を説明するための図である。
【図7】この発明の実施の形態1による車輪移動距離誤差算出の方法を説明するための図である。
【図8】この発明の実施の形態3による距離センサ及び距離センサの検知範囲を示す図である。
【符号の説明】
【0050】
1 距離センサ、2 車輪速センサ、3 車輪移動距離算出手段、
4 自車位置演算手段、5 距離データ分布生成手段、6 車輪移動誤差算出手段、
7 変換係数補正手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の距離をおいて車両に搭載され、障害物までの距離を測定する少なくとも2個の距離センサと、
上記車両の車輪に搭載され、当該車輪の回転に応じてパルスを出力する車輪速センサと、
上記車輪速センサから出力される上記パルスを計測し、計測されたパルス数に変換係数を乗ずることで上記車輪の移動距離を算出する車輪移動距離算出手段と、
上記車輪移動距離算出手段によって得られた上記車輪の移動距離から自車両の位置を演算する自車位置演算手段と、
上記自車位置演算手段によって得られた上記自車両の位置に基づき、上記距離センサによって得られた距離データの分布を上記各距離センサに対し生成する距離データ分布生成手段と、
上記距離データ分布生成手段によって生成された上記各距離センサの距離データ分布を照合し、上記車輪移動距離算出手段によって得られた上記車輪の移動距離の誤差を算出する車輪移動距離誤差算出手段と、
上記車輪移動距離誤差算出手段によって得られた上記車輪の移動距離の誤差に基づき、上記車輪移動距離算出手段にて用いられる上記変換係数を補正する変換係数補正手段を備えたことを特徴とする駐車支援装置。
【請求項2】
上記距離センサは上記車両の左右両側にそれぞれ少なくとも2個ずつ搭載されると共に、上記変換係数は左右独立して1つずつ保持し、上記左側の変換係数は上記車両左側に搭載された上記距離センサの情報を用いて補正し、上記右側の変換係数は上記車両右側に搭載された上記距離センサの情報を用いて補正することを特徴とする請求項1に記載の駐車支援装置。
【請求項3】
上記距離センサは、上記車両前方の側面に搭載された距離センサと、上記車両後方のコーナーに搭載された距離センサであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の駐車支援装置。
【請求項4】
上記距離センサは、上記車両前方のコーナーに搭載された距離センサと、上記車両後方のコーナーに搭載された距離センサであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の駐車支援装置。
【請求項5】
上記変換係数補正手段による上記変換係数の補正は、上記車両の車速が所定値以下である場合に実施することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の駐車支援装置。
【請求項6】
上記変換係数補正手段による上記変換係数の補正は、上記車輪速センサから出力されるパルスに基づき算出された左右の車輪速の差が所定値以下である場合に実施することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の駐車支援装置。
【請求項7】
上記変換係数補正手段による上記変換係数の補正は、上記車両に搭載された加速度センサによって得られる横加速度が所定値以下である場合に実施することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の駐車支援装置。
【請求項8】
上記変換係数補正手段による上記変換係数の補正は、上記車両に搭載されたハンドル角センサによって得られるハンドル角の絶対値が所定値以下である場合に実施することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の駐車支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−8055(P2010−8055A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−164151(P2008−164151)
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】