説明

骨接合機械及び方法

第1の骨片を第2の骨片に接合するのに適した骨接合器械が提供される。また、生きている哺乳動物の体内で第1の骨片を第2の骨片に接合する方法が提供される。この方法は、上記骨接合器械を第1の骨片と第2の骨片との間に挿入するステップを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、骨を接合する器械及び方法に関する。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、2009年2月19日に出願された米国特許仮出願第61/153,907号の権益主張出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
槌趾変形(小足指の最もありふれた変形)は、中足指節(MTP)及び遠位指節間(DIP)関節の過伸展を伴う足指の近位指節間(PIP)関節の屈曲変形である。進行性PIP関節屈曲変形により、典型的には、MTP及びDIP関節の代償性過伸展が生じる。これにより、PIP関節は、背側に隆起する。疼痛は、隆起部が患者の靴に当たってこすれにことにより生じる。変形は、最初は弾性であるが、通常、経時的に固定状態になる。変形が弾性であるとき、関連の腱の操作を含む種々の手技が利用可能である。しかしながら、変形が固定されると、PIP融合(固定)又は接合置換術が必要になる場合が多い。この目的のために利用可能なインプラントとしては、Weil-Carver(登録商標)ハンマートウ・インプラント(Hammertoe Implant )(インディアナ州ワルソー所在のBiomet(登録商標)インコーポレイテッド)、フレキシブル・ディジタル・インプラント(Flexible Digital Implant)(ミシガン州エディナ所在のトルニエ・インコーポレイテッド(Tornier, Inc.))、SHIPインプラント(カリフォルニア州キャンベル所在のスガールラト・ラボラトリーズ(Sgarlat Labs.))、ディジタル・コンプレッション・スクリュ(Digital compression screw )(ミシガン州ポートハロン所在のBioPro(登録商標))、Smart Toe(登録商標)イントラメドュラリー・メモリ・インプラント(Intramedullary Memory Implant )(テネシー州メンフィス所在のメモメタル・インコーポレイテッド(Memometal Inc.)及びStayFuse(登録商標)イントラメドュラリー・フュジュン・デバイス(Intramedullary fusion device)(ミネソタ州エディナ所在のトルニエ・インコーポレイテッド)が挙げられる。後で述べた3つのインプラントは、融合又は固定が望ましい場合に用いられる。というのは、他のインプラントは、関節の幾分かの柔軟性の実現を可能にするからである。現行のインプラントの全てに関し、配置場所が非常に重要である。というのは、取り付けられると、接合されるべき2つの切断骨相互間の屈曲角の調節性がなくなるからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かくして、2つの骨片を固定するインプラントを含む2つの骨片を接合するインプラントに関する別の設計例、特に2つの骨相互間の屈曲角の調節を可能にする設計例が要望されている。本発明は、この要望に取り組む。
【課題を解決するための手段】
【0005】
接合されるべき2つの骨相互間の角度の調節を可能にする骨接合器械が提供される。
【0006】
幾つかの実施形態では、第1の骨片を第2の骨片に接合するのに適した骨接合器械が提供される。この器械は、第1のコンポーネント及び第2のコンポーネントを有し、第1のコンポーネントは、第1の端部及び第1の端部と反対側の第1の頂部を備えた第1の細長いステム部分を有し、第1の細長いステム部分は、第1の端部から長手方向に第1の骨片の表面中への挿入に適しており、第2のコンポーネントは、第2の端部及び第2の頂部を備えた第2の細長いステム部分を有し、第2の細長いステム部分は、第2の端部から長手方向に第2の骨片の表面中への挿入に適しており、第2のコンポーネントは、第2の頂部から延びるコネクタを更に有し、コネクタは、第1のコンポーネントと結合して第1のコンポーネントとロック関係をなすことができる。
【0007】
また、上述の器械の第2の頂部に対するコネクタの位置をロックするのに適したピンロックツールが提供される。このピンロックツールは、サムホール及びフィンガホールを有し、サムホールとフィンガホールを一緒に引くと、第1の遠位端部と第2の遠位端部を結合するようシザーヒンジにより回動可能に接合された取っ手を有し、第1の遠位端部は、第2の頂部に係合するよう形作られた異形成形部を終端部とし、第2の遠位端部は、ロックピンの太い端部に係合するよう形作られたピン成形部を終端部とする。
【0008】
加うるに、切断された骨表面から骨の髄内管内に穴をリーミングするツールが提供される。このツールは、近位端部及び遠位端部を備えた細長いシャンクを有し、遠位端部は、第1の箇所で終端した第1の付形ドリル端部で終端し、第1の付形ドリルは、第1の箇所のすぐ近くに鋭利なエッジを備えた複数個の第1の隆起部と、第1の隆起部のすぐ近くに位置した第1の短いシャフトと、第1の短いシャフトのすぐ近くに位置していて、第1の短いシャフトよりも幅の広い第1の肩と、第1の遠位表面を備え、第1の肩よりも幅が広く、第1の肩のすぐ近くに位置し、凹状又は凸状遠位表面を備えた第1のスカートと、第1の短いシャフト、第1の肩及び第1のスカートを貫通して複数個の第1の隆起部から延びる第1の切欠きとを有し、第1の切欠きは、ツールを骨の中で回して駆動しているときに骨を切り抜くよう設計された鋭利な側方エッジを有する。
【0009】
加うるに、上述の器械を骨の髄内管内にねじ込むのに適したねじ回しが提供される。この器械は、近位端部及び遠位端部を備えた細長いシャンクを有する。遠位端部は、シャンクに設けられた第1の摺動可能なボビンに作動可能に結合された2つの第1の半部を有し、第1のボビンを遠位端部に向かって摺動させると、2つの第1の半部が一緒に押されて第1の頂部又は第2の頂部をしっかりと保持する。
【0010】
また、生きている椎骨内において第1の骨片と第2の骨片を接合し又は融合させる方法が提供される。この方法は、上述の骨接合器械を第1の骨片と第2の骨片との間に挿入して2つの骨片がしっかりと接合されるようにするステップを有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の骨接合器械の一実施形態の斜視図であり、接合のために互いに整列した雌型コンポーネントと雄型コンポーネントを示す図である。
【図2】本発明の骨接合器械の一実施形態の断面図であり、接合のために互いに整列した雌型コンポーネントと雄型コンポーネントを示す図である。
【図3】雌型コンポーネント中へのコネクタの部分挿入後における骨接合器械の一実施形態の斜視図である。
【図4】雌型コンポーネント中へのコネクタの部分挿入後における骨接合器械の一実施形態の断面図である。
【図5】雌型コンポーネント中へのコネクタの部分挿入後における骨接合器械の一実施形態の拡大部分図である。
【図6】雌型コンポーネント中へのコネクタの部分挿入後における骨接合器械の一実施形態の拡大部分図である。
【図7】雌型コンポーネント中へのコネクタの部分挿入後において骨接合器械の一実施形態が定位置にある状態の骨の側面縦断面図である。
【図8】本発明の骨接合器械の一実施形態の斜視図であり、雌型コンポーネント中へのコネクタの完全挿入後における雌型コンポーネントと雄型コンポーネントを示す図である。
【図9】本発明の骨接合器械の一実施形態の断面図であり、雌型コンポーネント中へのコネクタの完全挿入後における雌型コンポーネントと雄型コンポーネントを示す図である。
【図10】本発明の骨接合器械の一実施形態の側面縦断面図であり、雌型コンポーネント中へのコネクタの完全挿入後における雌型コンポーネントと雄型コンポーネントを示す図である。
【図11】本発明の骨接合器械の雄型コンポーネントの一実施形態の斜視図である。
【図12】本発明の骨接合器械の雄型コンポーネントの一実施形態の分解組立て斜視図である。
【図13】本発明の骨接合器械の雌型コンポーネントの一実施形態の斜視図である。
【図14】本発明の骨接合器械の雌型コンポーネントの一実施形態の断面図である。
【図15】本発明の骨接合器械の一実施形態の分解組立て斜視図である。
【図16】雌型コンポーネント中へのコネクタの部分挿入後における本発明の骨接合器械の一実施形態の部分透視斜視図である。
【図17】雌型コンポーネント中へのコネクタの完全挿入後における本発明の骨接合器械の一実施形態の透視斜視図である。
【図18】本発明の骨接合器械の一実施形態の分解組立て斜視図である。
【図19】本発明の骨接合器械の圧着シャフトの一実施形態の斜視図(部分図A)及び断面図(部分図B)である。
【図20】ピンロックツールの一実施形態の2つの斜視図である。
【図21】本発明の接合器械のコネクタの一実施形態の斜視図(部分図A)及び断面図(部分図B)である。
【図22】接合器械の雌型コンポーネントの一実施形態の斜視図(部分図A)及び2つの断面図(部分図B及びC)である。
【図23】本発明の接合器械の一実施形態の3つの斜視図である。
【図24】本発明の骨接合器械の一実施形態のパイロット穴穿孔器械の斜視図である。
【図25】近位リーマの一実施形態の斜視図(部分図A)、雌型コンポーネントと整列した近位リーマの斜視図(部分図B)、近位リーマによりあけられた穴を示す切断状態の骨の斜視図(部分図C)である。
【図26】近位ねじ回しの一部分及び雌型コンポーネントの斜視図(部分図A)及び骨の中に挿入された近位ねじ回しの一部分及び雌型コンポーネントの斜視図(部分図B)である。
【図27】遠位リーマの一実施形態の斜視図(部分図A)、雄型コンポーネントと整列した遠位リーマの斜視図(部分図B)及び遠位リーマによりあけられた穴を示す接合状態の骨の斜視図(部分図C)である。
【図28】骨と整列した遠位ねじ回しの一実施形態の斜視図(部分図A)及び雄型コンポーネントが挿入されている状態の骨の斜視図(部分図B)である。
【図29】本発明の骨接合器械が小足指の基節骨及び中節骨中に挿入される場合のように互いに整列状態にある小足指の基節骨及び中節骨の斜視図である。
【図30】小足指の近位及び中節骨中に挿入された本発明の骨接合器械の断面図である。
【図31】小足指の近位及び中節骨中に挿入された本発明の骨接合器械の断面図である。
【図32】穿孔技術の器械の2つの部分の挿入状態の断面図(部分図A)及び本発明の骨接合器械の2つの部分の挿入状態の断面図(部分図B)であり、各器械の挿入中における周りの組織の比較引き伸ばし状態を示す図である。
【図33】基節骨中への本発明の骨接合器械の挿入中における取っ手を備えた近位ねじ回しの斜視図である。
【図34】本発明の骨接合器械及び包装のために準備されている本発明の骨接合器械を取り付けるために用いられるツールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明者は、接合されるべき2つの骨相互間の角度の調節を可能にする骨接合器械を開発した。
【0013】
幾つかの実施形態では、本願の要旨は、第1の骨片を第2の骨片に接合するのに適した骨接合器械に関する。この器械は、第1のコンポーネント及び第2のコンポーネントを有し、第1のコンポーネントは、第1の端部及び第1の端部と反対側の第1の頂部を備えた第1の細長いステム部分を有し、第1の細長いステム部分は、第1の端部から長手方向に第1の骨片の表面中への挿入に適しており、第2のコンポーネントは、第2の端部及び第2の頂部を備えた第2の細長いステム部分を有し、第2の細長いステム部分は、第2の端部から長手方向に第2の骨片の表面中への挿入に適しており、第2のコンポーネントは、第2の頂部から延びるコネクタを更に有し、コネクタは、第1のコンポーネントと結合して第1のコンポーネントとロック関係をなすことができる。
【0014】
コネクタは、当該技術分野において知られている任意の手段において第1のコンポーネントに接合可能である。かかる接合手段の非限定的な例としては、ノブ、クランプ、歯、グルー、ベルクロ(Velcro(登録商標))及びステープルが挙げられる。幾つかの実施形態では、第1のコンポーネントは、雌型コンポーネントであり、第2のコンポーネントは、雄型コンポーネントであり、雌型コンポーネントの第1の細長いステム部分は、第1の頂部から第1の端部に向かって軸方向に延びる開口部を更に有し、コネクタは、細長いシャフト、近位端部、近位端部の近くに位置したシャフトの頂部及び遠位端部を有し、コネクタは、第1の細長いステム部分の開口部内に挿入されて開口部内にロックすることができる。図は、以下に詳細に説明するようにこれら器械の幾つかの例を記載している。
【0015】
本器械は、一般に、2つの骨片、例えば2つの椎骨又は骨折した骨の2つの半部を接合するのに有用である。幾つかの実施形態では、本器械は、骨の切断表面、特に長骨、特に手指又は足指の切断端部を接合し又は融合させ例えば小足指の関節を接合し又は融合させて槌趾、かぎ爪足指、槌状足指又は巻き爪足指を治療するのに特に有用である。これら実施形態では、第1のステム部分は、第1の端部から長手方向に切除指節骨、中足骨若しくは中手骨の切断表面又は切断骨幹中への挿入に適しており、第2のステム部分は、第2の端部から長手方向に切除指節骨、中足骨若しくは中手骨の切断表面又は切除骨幹中への挿入に適している。本器械は、切断によって短くなった中足骨を融合させるためにも使用できる。
【0016】
本器械の種々の非限定的な実施形態が図1〜図33に示されており、かかる実施形態では、骨接合器械10は、雌型コンポーネント20及び雄型コンポーネント30として提供されている。この実施形態の雌型コンポーネント20は、細長いステムであり、図2、図13、図14及び図22に最も良く示されているように第1の端部21、第1の頂部22及び円筒形キャビティ29を有すると共に円筒形壁23、閉鎖遠位端部27及び開放近位端部28を有している。図示の雌型コンポーネント20は、このコンポーネントの外部に設けられていて、雌型コンポーネントを骨の中にねじ込むのに適した連続螺旋状ねじ山24を更に有している。雌型コンポーネント20を「第1の細長いステム部分」ともいう。キャビティ及び壁は、キャビティ壁により構成される任意形状の断面を有して良く、かかる断面としては、円形、長円形、長方形、六角形及び八角形が挙げられる。
【0017】
図1、図2、図4、図7、図10、図11、図12、図15、図18及び図23に最も良く示された雄型コンポーネント30は、第2の端部31及び第2の頂部32を備えた第2の細長いステム部分37を有し、コネクタ40が第2の頂部32から延びている。雄型コンポーネント30を「第2の細長いステム部分」ともいう。図示の第2の細長いステム部分37は、外部に設けられた連続螺旋状ねじ山34を有し、このねじ山は、雄型コンポーネントを骨50の中にねじ込むのに適している。
【0018】
雌型コンポーネント20及び雄型コンポーネント30は、互いに独立して円筒形又は円錐形であって良く、或いはこれらの任意の組み合わせであって良く、例えば、近位端部のところが円錐形であり、そして円錐の形状に移行しても良い。
図示の実施形態は、雄型コンポーネント及び雌型コンポーネントを骨の中に固定する手段として螺旋状ねじ山を示しているが、別の任意の固定手段、例えば棘部、形状記憶拡張手段(例えば、テネシー州メンフィス所在のメモメタル・インコーポレイテッドSmart Toe(登録商標)インプラントにおいて特徴付けられる)又は当該技術分野において知られている任意他の固定手段を用いることができる。
【0019】
現状では、器械に設けられた螺旋状ねじ山は、骨の中にねじ込むうえで当該技術分野において知られている任意形式のものであって良い。幾つかの実施形態では、螺旋状ねじ山は、連続した螺旋状ねじ山である。他の実施形態では、螺旋状ねじ山は、第1の骨片中への第1の細長いステム部分及び第2の骨片中への第2の細長いステム部分のセルフタッピング及び/又は自己ねじ切りを可能にする。これについては、例えば、図15〜図17の符号230を参照されたい。
【0020】
幾つかの実施形態では、雌型コンポーネント及び雄型コンポーネントのそれぞれの連続螺旋状ねじ山24,34の両方は、同一方向に、例えば時計回りに螺旋状に延びており、その結果、本器械を向かい合った骨表面中にねじ込み、次に接合すると、骨の中のねじ山の互いに逆のピッチは、本器械がねじ戻るのを阻止する。
【0021】
これら実施形態は、連続螺旋状ねじ山の1回転の任意特定のピッチには限定されない。例えば、ピッチは、5mm以上、4mm、3mm、2mm、1mm、1mm未満又はこれら距離相互間の任意の距離であって良い。
【0022】
幾つかの実施形態では、コネクタ40は、図1、図11及び図12に示されている。これら実施形態では、コネクタ40は、第2の頂部32から延び、近位端部41、近位端部41の近くに位置するシャフト46の頂部及び遠位端部42を有している。近位端部41は、図12に最も良く示されたコネクタ穴47を有し、このコネクタ穴は、圧着ピン33及び圧着シャフト36により凹部35内で第2の頂部32に結合される。このように結合されると、コネクタ40は、第2の頂部32に対して角度のある方向に可調的に位置決め可能であり、ついには、圧着ピン33は、圧着シャフト36に沿って互いに向かって圧着され、それにより外側フランジ36aを外方に押し、この外側フランジ36aは、コネクタ穴47に嵌まって外側フランジ36aとコネクタ穴47との間に摩擦を生じさせ、それにより第2の頂部32に対するコネクタ40のそれ以上の調節可能な位置決めを阻止する。
【0023】
コネクタ穴47は、圧着シャフト36と組み合わさって、第2の頂部に対するコネクタ40の調節可能な位置決めを阻止するロック機構体として役立つ。使用にあたり、コネクタ40の遠位端部42を雌型コンポーネント20の開放近位端部28中に挿入し、円筒形キャビティ29を例えば図3〜図7及び図16に示されているように或る特定の箇所まで侵入する。この部分挿入という特徴により、コネクタ40を次に第2の頂部32に対して所望の角度まで調節することができ、その後、本器械をその最終位置まで挿入する。次に、2本の圧着ピン33を同時に圧着シャフト36中に押し込むことができる任意のツールを用いて圧着ピン33を圧着し、第2の頂部に対するそれ以上の角度運動を阻止する。次に、コネクタ40をシャフト中に所望の最終位置まで更に挿入する。
【0024】
第2の頂部32に対するコネクタ40の位置決めを阻止する圧着シャフトの変形実施形態が図19に示されている。図示のように、圧着シャフトに代えてロックピン360が用いられており、この圧着ピンは、細い端部362及び太い端部364を備えたテーパ付きの円筒形の形をしている。これら端部は、任意適当な形態のものであって良いが、図示の実施形態では、細い端部362と太い端部364の両方は、内方に向いた凹み366,368を有し、これら凹みは、ロックピン360をコネクタ穴47の中に押し込むために用いられるツールを受け入れるよう設計されている。使用にあたり、ロックピン360を細い端部362からコネクタ穴47中に部分的に挿入し、ここで、ロックピンは、コネクタ40の近位端部41を第2の細長いステム部分37の第2の頂部32に連結するヒンジとして働き、それにより第2の頂部32に対するコネクタ40の角度的位置決めを可能にする。コネクタ40が第2の頂部32に対して所望の角度位置にあるとき、ロックピン360の太い端部364をコネクタ穴47中に更に押し込み、それによりロックピン360の太い端部364とコネクタ穴47と第2の細長いステム部分37の第2の頂部32との間に摩擦を生じさせ、摩擦の作用で第2の頂部32に対するコネクタ40のそれ以上の運動を阻止する。
【0025】
これら実施形態では、ロックピン360は、任意適当なツール、例えば改造型組織クランプ、改造型k‐ワイヤプライヤ又は図20に示されているピンロックツール60を用いてコネクタ穴47の中に押し込み可能である。図示のように、ピンロックツール60は、サムホール及びフィンガホール63,64を有し、サムホール及びフィンガホール63,64を一緒に引くと、遠位端部66,67を結合するようシザーヒンジ65により回動可能に接合された取っ手62を有する。遠位端部66の末端部として異形成形部68が設けられ、この異形成形部は、第2の頂部32に係合するよう形作られている。遠位端部68の末端部としてピン成形部69が設けられ、このピン成形部は、ロックピン360の太い端部364に係合するよう形作られている。この位置では、外科医がサムホール及びフィンガホール63,64を一緒に引くと、ピン成形部69は、ロックピン360の太い端部364をコネクタ穴47内に押し込み、コネクタ40を第2の頂部32に対して所望の角度位置にロックする。図20は、コネクタ40を雌型コンポーネント20に接合する前のロックピン360の係合状態を示しているが、ロックピン360は、コネクタ40を上述のように接合した後であっても、例えば、コネクタ40を図3〜図7に示されているように雌型コンポーネント20中に部分的に挿入した後でも上述のように係合可能である。加うるに、ピンロックツール60は、上述すると共に図12に示されている圧着ピン33及び圧着シャフト36又は任意他の適当なコンポーネントに使用できる。
【0026】
幾つかの実施形態では、コネクタ40の角度は、例えば固定が望まれない場合、第2の頂部32に対してロックされず、それにより、骨片相互間の屈曲を可能にし、その結果、コネクタ40‐第2の頂部32が関節、例えばPIP関節、DIP関節又はMTP関節を形成するようになる。これらの実施形態では、ロックピン360又は圧着ピン33/圧着シャフト36は、コネクタ穴47の中に押し込まれず又は途中までしか押し込まれず、それにより、所望程度の屈曲を可能にする。変形例として、単一のピン又は任意他のコンポーネントをロックピン360又は圧着ピン33/圧着シャフト36ではなく、コネクタ穴の中に挿入してその関節のためのヒンジとなるようにしても良い。
【0027】
コネクタ穴47及び/又は圧着シャフト36は、コネクタ40が第2の頂部32に対する角度運動が制限されるよう設計されるのが良い。幾つかの実施形態では、コネクタ40は、第2の頂部32に対する前方向及び逆方向の各々において少なくとも10°の角度をなして可調的に位置決め可能である。他の実施形態では、コネクタ40は、第2の頂部32に対する前方向及び逆方向の各々において少なくとも90°の角度をなして可調的に位置決め可能である。これについては図6を参照されたい。追加の実施形態では、コネクタ40は、第2の頂部32に対する前方向及び逆方向の各々において少なくとも120°の角度をなして可調的に位置決め可能である。さらに他の実施形態では、コネクタ40は、第2の頂部32に対する前方向及び逆方向の各々において少なくとも150°の角度をなして可調的に位置決め可能である。
【0028】
変形実施形態では、コネクタ40は、スナップロックを用いて第2の頂部32に結合され、この場合、コネクタ40は、コネクタ40を第1の細長いステム部分20中にそれ以上挿入することなく、第1の細長いステム部分20内でロック可能である。
【0029】
幾つかの実施形態では、雌型コンポーネント20の円筒形キャビティ29は、キャビティ29(図13及び図14)の近位端部28を通ってコネクタ40を受け入れるよう設計されている。これら実施形態では、コネクタ40は、細長く且つ円筒形である。このコネクタは、遠位端部42の周りに形成されていて、円筒形キャビティ23の直径よりも大きな直径を有するリング44及びコネクタ40の遠位端部42から近位端部41に向かって軸方向に差し向けられていて、それによりばねコレット45(図1、図2、図4、図9、図11及び図12に示されている)を形成した十字形スリット43を更に有している。
【0030】
これらの実施形態においてコネクタ40を受け入れるため、円筒形キャビティ29は、近位端部の近くで円筒形壁23を包囲した少なくとも第1のリング状凹部25aを更に有し、コネクタ40を円筒形キャビティ29内に挿入すると、ばねコレット45は、リング44が第1の凹部25aに遭遇するまで圧縮され、第1の凹部25aは、リング44の圧縮度の低い外周部を受け入れ、ばねコレット45は、圧縮度の低い状態に移行するようになっている。図3〜図7は、図示の実施形態をその位置で示している。
【0031】
コネクタ40が円筒形キャビティ29から引き出されないようにするため、リング44は、コネクタ40の近位端部41の近くの側部に縁部48を有するのが良く、この縁部は、リング状凹部25aに遭遇した後、近位側方向へのコネクタ40の運動を阻止するよう設計されている。図示の実施形態では、縁部48は、円筒形キャビティ29の壁23に実質的に垂直である。他の実施形態では、縁部48は、コネクタ40の周囲と鋭角をなす。
【0032】
図示の実施形態では、円筒形キャビティ29の壁23は、第1の凹部25aよりも遠位端部27の近くで円筒形壁23を包囲した第2のリング状凹部25bを更に有し、コネクタ40は、第1の凹部25aを越えて挿入可能であり、それによりリング44が第2の凹部25bに遭遇するまでばねコレット45を圧縮することができ、第2の凹部25bは、リング44の圧縮度の低い外周部を受け入れ、ばねコレット45は、圧縮度の低い状態に移行する。
【0033】
円筒形キャビティ29の壁23の凹部25a,25b相互間の距離は、特定の用途に適した任意の距離であって良い。この距離は、5mm以上、4mm、3mm、2mm、1mm、1mm未満又はこれら値相互間の任意の距離であって良い。幾つかの実施形態では、この距離は、0.2mmから1mmまでのどの距離であっても良く、例えば、約0.6mmである。
【0034】
図示の実施形態では、円筒形キャビティ29の壁23は、第2の凹部25bよりも遠位端部の近くで円筒形壁23を包囲した第3のリング状凹部25cを更に有し、コネクタ40は、第2の凹部25bを越えて挿入可能であり、それによりリング44が第3の凹部25cに遭遇するまでばねコレット45を圧縮することができ、第3の凹部25cは、リング44の圧縮度の低い外周部を受け入れ、ばねコレット45は、圧縮度の低い状態に移行する。
【0035】
図示の実施形態では、円筒形キャビティ29の壁23は、第3の凹部25cよりも遠位端部の近くで円筒形壁23を包囲した第4のリング状凹部25d及び第5のリング状凹部25eを更に有し、コネクタ40は、第3の凹部25cを越えて挿入可能であり、それによりリングが第4の凹部25d又は第5の凹部25eに遭遇するまでばねコレット45を圧縮することができ、第4の凹部25d及び第5の凹部25eは、リング44の圧縮度の低い外周部を受け入れ、ばねコレット45は、圧縮度の低い状態に移行する。図8〜図10は、図示の実施形態をその位置で示している。
【0036】
図示の実施形態の作用を説明すると、コネクタ40を円筒形キャビティ29内に挿入し、ばねコレット45が第1の凹部に係合すると、コネクタ40は、引き続き、第2の頂部32に対して可調的に位置決め可能である。これは、図3、図4及び図6に最も良く示されており、これらの図は又、ばねコレット45を第1の凹部25a内に嵌め込むと、コネクタ40のシャフト46の頂部が露出されるように第2の頂部32と第1の頂部22との間に隙間が生じることを示している。この隙間は、第2の頂部が第2の細長いステム部分37を任意所望の角度まで調節可能に位置決めする余地を提供している。図7は、指の中に位置した本器械を示すと共に第2の頂部32と第1の頂部22との間の隙間を示している。図7は又、ばねコレット45が第1の凹部25aに係合すると、本器械は、関節の屈曲の際にコネクタ40に対する雄型コンポーネント30の連続調節性をもたらしている。かくして、本発明の器械を用いると、関節を任意必要な程度まで屈曲させることができる。融合が望ましい場合、この融合は、所望の屈曲角で行なわれるのが良い。
【0037】
幾つかの実施形態では、雌型コンポーネント20及び雄型コンポーネント30を骨片50中にねじ込むと、これら2つのコンポーネントは、シャフト46の頂部が円筒形キャビティ29の近位端部の内側に嵌まり込むことができるよう互いに回転的に整列すべきである。加うるに、本器械が槌趾の治療の場合のように指を融合するために用いられる場合、コネクタ40を指の自然な屈曲に追随する角度に沿って位置決めすることができるよう角度のある方向でのコネクタ40の位置決めは、適正な回転平面内で行なわれるべきである。雌型コンポーネントと雄型コンポーネントが適正に整列しているかどうかを確かめることは、任意の手段によって、例えばコネクタ40の第1の頂部22及び近位端部41の近くのところにマークを設けることによって達成され、この場合、これらマークは、リング44が第1凹部25a内にあるときに、雄型コンポーネント30及び雌型コンポーネント20の所望の位置で互いに整列する。加うるに、リング44が第1の凹部25a内に位置しているとき、コネクタ40を第2の頂部32及び圧着された圧着ピン33に対して所望の角度に調節するのが良く、それにより、第2の頂部32に対するコネクタ40のそれ以上の角度運動が阻止される。
【0038】
本器械は、第1の細長いステム部分20に対するコネクタ40の回転を阻止すると共に雄型コンポーネント30と雌型コンポーネント20を回転的に適正に整列させるようにするための任意の手段を更に有するのが良い。幾つかの実施形態では、図15〜図18に示されているように、コネクタ40は、コネクタの長さに沿って設けられた溝401を有し、第1の細長いステム部分20は、第1の細長いステム部分20の側部を貫通して設けられたピン穴231を更に有し、ピン穴231は、コネクタ40を第1の細長いステム部分20のキャビティ29の近位端部中に挿入すると、コネクタ40の溝401に嵌まり込むことができる回転防止ピン201を更に有する。回転防止ピン201は、回転防止ピンがコネクタ40の溝401内にあるとき、第1の細長いステム部分20に対するコネクタ40の回転を阻止する。
【0039】
図15〜図18に示されている実施形態では、コネクタ40は、シャフトを包囲すると共にこれから突き出た少なくとも2つのシャフトリング441を更に有する。各シャフトリング441は、シャフトの遠位端部までの近接度が他のシャフトリングとは異なっている。シャフトリング441の周長は、雌型コンポーネントの第1の細長いステム部分20の円筒形キャビティ29の周長よりも僅かに短い。6個のシャフトリングが図15〜図17に示されている器械に設けられており、3つのシャフトリングが図18に示されている器械に設けられている。雌型コンポーネントの第1の細長いステム部分の円筒形キャビティ29は、キャビティ29の近位端部28の近くで円筒形壁23を包囲したスロット221を更に有している。スロット221は、このスロット内に嵌め込まれたc‐リング211を更に有している。
【0040】
これら実施形態では、c‐リング211は、弛緩時にキャビティ29内に突き出る。しかしながら、c‐リング211は、コネクタ40をキャビティ29内に挿入し、シャフトリング441がc‐リング211に遭遇してこれを押すと、拡張してスロット221内に引っ込む。これにより、シャフトリング441は、c‐リング211を通過することができる。シャフトリング441がc‐リング211を通過した後、キャビティ29内には弛緩状態のc‐リングを受け入れる空間が生じ、c‐リング211は、再び弛緩して収縮し、キャビティ29内に再び突き出る。コネクタ40をキャビティ29内に挿入して最も遠位側の(又は第2若しくは第3の最も遠位側の)シャフトリング441が図16に示されているようにc‐リング211を通過するようになった後、コネクタ40は、手動で、雄型コンポーネント30に対して最終の所望の位置(例えば、融合中の関節の所望の屈曲角度又は折れた骨の2つの部分の正しい整列した位置又は椎骨融合位置)に回転的に調節されることが想定される。次に、圧着ピン34を圧着してそれ以上の回転運動を阻止する。次に、コネクタ40を図17に示されているようにキャビティ29の残部中に挿入するのが良く、それにより2つの骨片が整列する。図17では、全部で6つのシャフトリング441がc‐リング211を通過していることが注目される。図18に示されている別の設計例では、3つのシャフトリング441が設けられている。
【0041】
図示の実施形態では、コネクタ40のシャフト46の頂部は、六角形の成形部49を有し、第1の頂部22は、六角形の凹部26を有し、六角形の成形部49は、コネクタ40を円筒形キャビティ29内に挿入すると、六角形凹部26内に嵌まり込む。他の実施形態では、成形部及び凹部は、円形であっても良く、五角形であっても良く、正方形であっても良く又は任意他の形状のものであって良い。
【0042】
幾つかの実施形態では、例えば図5に示されているように、第1の頂部22は凹状であり、第2の頂部32は、凸状であり、その結果、第1の頂部22と第2の頂部32は、骨の中にねじ込まれると、通常の骨切り術による切れ目にマッチし、この場合、一方の骨は、凹状の形状に切断され、他方の骨は、凸状の形状に切断される。
【0043】
幾つかの実施形態では、六角形凹部26及び六角形成形部49のうちの少なくとも一方は、滑らかにされており、この場合、コネクタ40は、先ず最初に、六角形凹部26に遭遇し、六角形成形部49は、マークが所望の位置で完全に整列していない場合であっても六角形凹部46内に嵌まり込むようになる。
【0044】
骨固定器具の別の構成例が図21〜図23に示されている。上述の実施形態の場合と同様、図21に示されているように、この構成例のコネクタ40は、コネクタ穴47を備えた近位端部41、近位端部41の近くに位置するシャフト46の頂部及び遠位端部42を有している。この変形構成例では、コネクタ40のシャフト70は、円筒形であり、シャフト70の少なくとも1つの側部に設けられた複数個(ここでは3つ)の軸方向に配置されている凹み250a〜250c,252a〜252cを備えている。種々の実施形態では、コネクタ40は、円筒形ではなく細長くても良く、例えば、キーの形状をしており、複数個の軸方向に配置された隆起部、例えば半円形又は弓形の隆起部を有する。図21〜図23に示されている実施形態の場合、コネクタ40の円筒形シャフト70は、シャフトの反対側の側部に設けられた第2の組をなす3つの軸方向に配置されている凹み250a〜250c,252a〜252cを有している。
【0045】
図22に示されているように、この実施形態の雌型コンポーネント20は、細長いステムであり、第1の端部21、第1の頂部22、開放近位端部28及び円筒形キャビティ29を有している。円筒形キャビティ29は、円筒形壁23、閉鎖遠位端部27及び開放近位端部28を有している。図示の雌型コンポーネント20は、この雌型コンポーネントの外部に設けられていて、雌型コンポーネントを骨の中にねじ込むのに適した螺旋状ねじ山24を更に有している。
【0046】
雌型コンポーネント20は、第1の頂部22を少なくとも部分的に包囲した凹み72を更に有し、少なくとも1つ(ここでは2つ)の穴74,76が第1の頂部22を貫通して円筒形キャビティ29内に延びている。
【0047】
雌型コンポーネント20は、ノブ付きc‐リング80を更に有し、このノブ付きc‐リングは、内方に突き出た少なくとも1つ(ここでは2つ)のノブ82,84を有している。ノブ付きc‐リング80は、これらノブが穴74,76内に嵌まり込むと共に円筒形キャビティ29内に突き出るよう雌型コンポーネント20の第1の頂部22の凹み72に嵌まり込むよう構成されている。
【0048】
使用にあたり(図23)、ロックピン360(図23に示されている)の細い端部362又は圧着シャフト36及び圧着ピン33(図12に示されている)を第2の頂部32の一方の側の穴からコネクタ穴47内に挿入することによりコネクタ40をコネクタ穴47のところで雄型コンポーネント30に接合する。コネクタ40のシャフト70を雌型コンポーネント20の開放近位端部28に挿入し、そして円筒形キャビティ29内に挿入し、ここで、シャフト70の遠位端部42は、円筒形キャビティ29内に突き出ているノブ付きc‐リング80のノブ82,84に遭遇する。コネクタ40のシャフト70を円筒形キャビティ29内に更に押し込むと、シャフト70の遠位端部42は、ノブ82,84を押してノブ付きc‐リング80を拡張し、その結果、ノブ82,84がシャフト70を受け入れるよう円筒形キャビティ29から押し出され、ついには、ノブ82,84は、第1の凹み250c,250fに遭遇し、ノブは、凹みにより作られた空間内の円筒形キャビティ29内に戻ることができるようになり、したがって、ノブ付きc‐リング80は、縮んでその元の形状に戻るようになる。コネクタ40が円筒形キャビティ29から引き出されるのを阻止するため、凹み250は、コネクタ40の遠位端部42の近くで側部に設けられた縁部480を有するのが良く、この場合、縁部は、凹み250に遭遇した後、近位側への方向のコネクタ40の運動を阻止するよう設計されている。図示の実施形態では、縁部480は、円筒形キャビティ29の壁23に実質的に垂直である。他の実施形態では、縁部480は、シャフト70の周囲と鋭角をなす。コネクタ40のシャフト70が引き続き円筒形キャビティ29内に更に押し込まれると、ノブ付きc‐リング80は、第1の凹み250c,250fと第2の凹み250b,250eとの間の領域がノブ82,84を円筒形キャビティ29から押し出すので再び拡張し、ついには、ノブ82,84が第2の凹み250b,250eに遭遇するようになる。これは、ノブ82,84が本器械をその最終位置に嵌めたときに雄型コンポーネント30の最も近位側の凹みのところに位置するまで続く。本器械がその最終位置に位置する前の或る時点において、例えばピンロックツール60を用いてロックピン360を適宜圧着シャフト36内に完全に嵌め込み又は圧着ピン33を圧着シャフト36(図12)内に圧着することによりコネクタ40と雄型コンポーネント30との間の所望の屈曲角を作ってこれに設定する。
【0049】
上述の種々のステップは、任意の順序で、即ち、骨片のうちいずれか一方又はこれら両方の中への挿入前又は挿入後に実施できる。また、上述の実施形態は、例示であり、上述の器械の任意の適当な改造例を構成できることは理解されるべきである。例えば、ノブ付きc‐リングは、これに代えてo‐リングであっても良く且つ/或いは整列する組をなす軸方向に配置された凹みのマッチする数と関連して1つ又は任意の数のノブを有しても良い。加うるに、1つ又は複数のノブは、c‐リングに沿う場所であればどこに配置されても良く、例えば、c‐リングの中間部に配置され、一方又は両方の端部に配置され若しくは中間部と一方又は両端部との間に配置される。さらに、ノブ付きc‐リング又はo‐リングは、上述のc‐リング211及び回転防止ピン201ではなく、図16〜図18のうちのどの図にも記載されたコネクタ又はこれらに類似した任意のコネクタと関連して利用可能である。
【0050】
凹み又は隆起部がコネクタを実質的に包囲していない実施形態では、キャビティ又は隆起部相互間の隙間の中にノブが存在することは、キャビティ又は隆起部相互間の隙間の中でのコネクタの回転を制限するという利点を有する。というのは、キャビティ又は隆起部相互間の隙間の中にノブが存在することにより、以下の段落で説明するように、コネクタを回転させてノブを凹み又は隆起部相互間の隙間から押し出す際に追加の力が加えられなければ、回転が凹み又は隆起部相互間の隙間の幅に制限されるからである。
【0051】
図21〜図23に示されている実施形態は、取り外し可能であるという利点を有する。例えば、コネクタ40を雌型コンポーネント20に対して回転させることによりコネクタ40を雌型コンポーネント20から分離することができる(これは、一方の骨片を他方の骨片に対して回転させることにより植え込み後に達成できる)。これにより、ノブ82,84は、凹み又は隆起部相互間の隙間(例えば、完全に植え込まれた場合参照符号250a,250dで示されている)から滑り出て互いに反対側に位置した凹み又は隆起部相互間の隙間(例えば、250a,250dで示されている)相互間のシャフト70の部分上に載る。次に、コネクタ40をシャフト70のその部分に沿って雌型コンポーネント20から滑り出させることができる。
【0052】
直前の説明から理解できるように、凹み又は隆起部相互間の隙間の中にノブが存在することによりキャビティ内におけるコネクタの回転が実質的に制限される。したがって、コネクタをキャビティに対して回転させることは、器械の雄型コンポーネントと雌型コンポーネントを連結解除するための手段である。したがって、凹み又は隆起部相互間の隙間、c‐リング若しくはo‐リング及びノブの形状及び組成は、雄型コンポーネントと雌型コンポーネントの連結解除のしやすさとキャビティに対するコネクタの回転を阻止するためのキャビティ内のノブの能力に打ち勝つのに必要な力とのバランスを取るよう設計されるのが良い。例えば、凹み又は隆起部相互間の隙間を例えばシリコーン又はテフロン(登録商標)で被覆してノブと凹み又は隆起部相互間の隙間の側部との間の摩擦を滑らかにし或いはコネクタを回転させたときにノブが凹み又は隆起部相互間の隙間の壁に当たる凹み又は隆起部相互間の隙間の縁部を滑らかにし若しくはこれに角度を付けることにより、雄型コンポーネントと雌型コンポーネントの分離が容易になると共に凹み又は隆起部相互間の隙間の中のノブの存在により生じる回転抵抗に打ち勝つようコネクタを回転させることが容易になる。これとは逆に、比較的長いノブを凹み又は隆起部相互間の隙間の中に突出させることにより、雄型コンポーネントと雌型コンポーネントの分離が困難になると共に回転抵抗に打ち勝つようコネクタを回転させることが困難になる。ノブの個数及び配設場所も又、回転抵抗に打ち勝つためのコネクタの回転の達成のしやすさにも影響を及ぼす。例えば、ノブを1つだけ備えたc‐リング(たった1組の軸方向に配置された凹み又は隆起部相互間の隙間に対応している)を用いることにより、2つのノブを備えたc‐リング(2つの組をなす凹み又は隆起部相互間の隙間に対応している)を用いる場合よりもかかる回転が容易になる。また、ノブをc‐リングの端部に設けることにより、ノブをc‐リングの中間部寄りに設ける場合よりも回転抵抗に打ち勝つのが容易になる。というのは、c‐リングは、ノブを中間部寄りに配置した場合、ノブを円筒形キャビティから押し出すために大きな曲げ距離及び力を必要とするからである。加うるに、より可撓性の高い材料で作られたc‐リングを用いることにより、可撓性の低い材料で作られたc‐リングを用いる場合よりも回転抵抗に打ち勝つのが容易になる。
【0053】
本明細書で説明する器械は、接合されるべき特定の骨に関して適当な任意の直径のものであって良く、これは、雌型コンポーネント20又は雄型コンポーネント30の螺旋状ねじ山24,34の最も大きな直径によって定められる。幾つかの実施形態では、いずれか一方のコンポーネントの直径は、5mmを超える。他の実施形態では、いずれか一方のコンポーネントの直径は、約5mm、約4mm、約3mm、約2mm、約1mm、1mm未満又はこれらの値相互間の任意の直径であり、例えば約2.2mmである。
【0054】
骨固定器械は、任意適当な材料で製作できる。幾つかの実施形態では、器械は、生体吸収性ではない。というのは、この器械は、融合部位に安定性をもたらすことが予想されるからである。加うるに、この器械により接合される2本の骨が万一融合しなかった場合、この器械は、2本の骨を一緒にしたままにする必要不可欠な構造的支持体となる。この器械を製作するために使用可能な材料の非限定的な例としては、(a)チタン、(b)約6%アルミニウム及び約4%バナジウムを含むチタンの合金、(c)ニチノール、(d)ステンレス鋼及び(e)ポリマー、例えばポリエチルエチルケトン(PEEK)が挙げられる。
【0055】
本願の要旨は又、生きている椎骨内で第1の骨片を第2の骨片に接合する方法に関する。この方法は、上述の骨接合器械を第1の骨片と第2の骨片との間に挿入して2つの骨片がしっかりと接合されるようにするステップを有する。
【0056】
この方法は、任意の種の脊椎動物に利用できる。幾つかの実施形態では、脊椎動物は、哺乳動物、例えば人間である。
【0057】
幾つかの実施形態では、この方法は、2つの骨片を前処理して互いに接合されることになる各骨片に切断表面を設けるステップと、第1の細長いステム部分を第1の骨片の切断表面中に長手方向に挿入して第1の端部が先ず最初に挿入され、第1の頂部が第1の骨片の切断表面のところに位置し又はその僅か下に位置するようにするステップと、第2の細長いステム部分を第2の骨片の切断表面中に長手方向に挿入してコネクタの近位端部が第2の骨片の切断表面のすぐ上に位置するようにするステップと、コネクタを第1の細長いステム部分の開口部中に挿入するステップとを更に有する。
【0058】
種々の実施形態では、コネクタは、第2の頂部に対して角度のある方向におけるコネクタの調節可能な位置決めを可能にする継手によって近位端部のところで頂部に結合される。これら実施形態では、この方法は、第2の頂部に対するコネクタの位置を調節して2つの骨片相互間の好ましい屈曲角度を形成するようにするステップと、コネクタを第1の細長いステム部分中に更に挿入するステップとを更に有する。
【0059】
幾つかの実施形態では、第2の頂部に対するコネクタの位置は、コネクタを第1の細長いステム部分中に更に挿入した後ではもはや調節できない。上述したように、これは、図示の実施形態で提供されているように、圧着ピン機構体を提供することによって達成される。
【0060】
これら方法は、任意の2つの骨片、例えば2つの椎骨又は折れた骨の2つの半部を接合し又は融合させるために使用できる。幾つかの実施形態では、骨片は、(a)2つの隣り合う指節骨、(b)指節骨及びその隣りの中手骨、(c)指節骨及びその隣りの中足骨又は(d)骨幹の骨折又は骨切り術により前処理された骨片である。被術者が人間である場合、これら骨は、手又は足の中のものであるのが良い。
【0061】
種々の実施形態では、骨片は、哺乳動物の足の中にある。足は、治療が2つの骨片を接合する骨を含む任意の状態を有するのが良い。かかる状態の例としては、槌趾状態、槌状足指状態、巻き爪足指状態又はかぎ爪足指状態が挙げられる。幾つかの実施形態では、指節間関節、中足指節関節又は中手指節関節が癒合される。
【0062】
他の実施形態では、骨片は、骨、例えば小中足骨を短くする骨切り術によって分離される。本発明の方法を利用することができるかかる手技の例は、中足骨を短くして中足骨パラボラを改善するワイル(Weil)骨切り術である。これら実施形態では、2つの骨片は、骨幹の骨切り術を受けた単一の中足骨からのものである。
【0063】
図示の実施形態を有する方法では、第1の骨は、凸状に切断され、第2の骨は、凹状に切断される。これら実施形態は、例えば図5に示されているように器械の第1の頂部22が凹状であり、第2の頂部32が凸状である場合に特に適応である。
【0064】
図示の実施形態を用いて、これら方法は、第1の骨片及び第2の骨片を切断し、骨固定器械10を第1の骨片50と第2の骨片50との間に挿入し、コネクタ40を円筒形キャビティ29内に第1の凹部25aまで挿入し、その後コネクタ40をロックする手技を更に有するのが良く、コネクタは、圧着ピン33を圧着することによってロックされる。図7は、このステップの実施後における図示の実施形態の器械を示している。これら方法では、コネクタ40を円筒形キャビティ29内に少なくとも第2の凹部25bまで更に挿入し、ついには、第1の骨片及び第2の骨片の切断表面が互いに接合されるようにする。図10は、このステップの実施後における図示の実施形態の器械を示している。
【0065】
これら方法では、器械は、コネクタ40の第1の頂部22及び近位端部41の近くに設けられたマークを更に有するのが良く、これらマークは、コネクタ40を第1の細長いステム部分(即ち、雌型コンポーネント)20中に挿入すると、雄型コンポーネント30及び雌型コンポーネント20の所望の位置で整列する。これら実施形態では、第1の細長いステム部分20を第1の骨片50の切断表面中に長手方向にねじ込むことにより第1の細長いステム部分20を第1の骨片50の切断表面中に挿入し、第2の細長いステム部分37を第2の骨片50の切断表面中に長手方向にねじ込むことにより第2の細長いステム部分37を第2の骨片50の切断表面中に挿入し、コネクタ40の第1の頂部22のマーク及び近位端部41の近くのマークは、第2の細長いステム部分37の挿入後においては互いに隣接して位置する。
【0066】
これら方法の追加の実施形態では、コネクタ40の近位端部41は、六角形成形部49を有し、第2の頂部22は、六角形凹部26を有し、六角形成形部49は、コネクタ41が第1のステム部分20中に挿入されると、六角形凹部26に嵌まり込み、六角形成形部49及び六角形凹部26のうちの少なくとも一方は、滑らかにされており、六角形成形部49は、先ず最初に、六角形凹部26に遭遇し、六角形成形部49は、マークが所望の位置で完全に整列されていない場合であっても、六角形凹部26に嵌まり込むようになり、第1の骨片の切断表面は、六角形成形部49を収容する切り込みを有する。
【0067】
上述の種々の実施形態は、当該技術分野において知られている任意適当なツールを用いて実施できる。小足指の近位及び中節骨について例示されている特に上述の実施形態に適した別のツール及び上述の固定器械を指の中に植え込む方法について以下に説明するが、これらは図24〜図33に示されている。
【0068】
幾つかの実施形態では、基節骨と中節骨を融合させるため、指節間継手を露出させ、基節骨の遠位端部及び中節骨の近位端部を各骨の長軸に垂直に切断する。これにより、骨相互間に約3mmの隙間が生じる。次に、深さ約18mmのパイロット穴を髄内管から基節骨にあける。
【0069】
当該技術分野において知られている適当なパイロットドリルを用いてパイロット穴をあけることができる。幾つかの実施形態では、特に上述した器械向きに設計されたツール、例えば図24に示されているパイロットドリル90を用いてパイロット穴をあける。かかるドリルは、近位端部92及び遠位端部93を備えた細長いシャンク91を有する。近位端部は、取っ手を有するのが良く又は別個の取っ手、例えば図34に示されているクイックコネクト式取っ手160に接合されるよう構成されていても良い。遠位端部93は、ドリル先端部94で終端し、このドリル先端部は、鋭利な外縁部を備えると共に箇所96で終端した少なくとも1本の螺旋状に配置された溝95を有している。幾つかの実施形態では、図24に示されているように、2本の螺旋状の溝95が配置されている。鋭利な外縁部により構成される切断面は、シャンク91と同一の直径を有する。この直径は、植え込まれるべき雌型コンポーネント20の螺旋状ねじ山24の直径よりも小さいことが必要である。幾つかの実施形態では、雌型コンポーネント20の螺旋状ねじ山の直径は、2.2mmであり、シャンク91及び螺旋状に配置された溝94の直径は、2.0mmである。パイロットドリル90の幾つかの実施形態は、あけられるべき穴の深さを定めるためのガイドを提供するよう箇所96からの距離を表す1つ又は複数のマーク(例えば、レーザマーク付け部)を更に有する。例えば、図24に示されているパイロットドリル90は、9mm及び18mmのところにそれぞれマーク97,98を有する。
【0070】
直径2.0mmのパイロット穴を髄内管から基節骨中に深さ約18mmにわたりあけるのが良い。これに続き、リーマにより雌型コンポーネント20を受け入れるよう穴を付形するのが良い。幾つかの実施形態では、リーマは、例えば図25cに示されているように雌型コンポーネントの頂部22を受け入れるよう頂部近くに拡大されたボアを備えた穴を前処理する。適当なリーマが図25aに示されている。近位リーマ100は、第1の近位端部102及び第1の遠位端部103を備えた細長い第1のシャンク101を有している。第1の近位端部は、取っ手を有するのが良く又は別個の取っ手、例えば図34に示されているクイックコネクト式取っ手160に接合されるよう構成されていても良い。第1の遠位端部103は、第1の付形ドリル端部104で終端し、このドリル端部は、第1の箇所106で終端している。第1の箇所106のすぐ近位側に複数個の第1の隆起部105が設けられ、これら第1の隆起部は、図25cに示された穴を切断するよう設計された鋭利なエッジ又は刃先を有している。第1の隆起部の近位側には第1の短いシャフト104が設けられ、第1の短いシャフト104の近位側には第1の肩107が設けられ、この第1の肩は、第1の短いシャフト104よりも幅が広く且つ第1のシャンク101とほぼ同じ直径を有している。第1の肩107の近位側には第1のスカート108が設けられ、この第1のスカートは、第1の肩よりも幅が広く且つ凸状の第1の遠位表面109を備えている。近位リーマ100は、複数個の第1の隆起部105から第1の短いシャフト104、第1の肩107及び第1のスカート108を貫通して延びる第1の切欠き110を更に有している。第1の切欠き110は、近位リーマ100が骨の中で回転すると共に駆動されているときに骨を切り抜くよう設計された鋭利な側方エッジ又は刃先111を有している。
【0071】
図25cに示された近位リーマ100により切断形成された穴は、好ましくは、雌型コンポーネント20の螺旋状ねじ山24の直径よりも小さな直径を有し、したがって、雌型コンポーネント20を穴の中にねじ込むと、螺旋状ねじ山24は、指節骨の髄内管中を押し進む。図25bは、雌型コンポーネント20と適当な近位リーマ100の整列状態の一例を示しており、この場合、第1の隆起部105及び第1の短いシャフト104の直径は、2.0mmであり、雌型コンポーネント20の螺旋状ねじ山24の直径は、2.2mmである。近位リーマ100は又、雌型コンポーネント20が図29に示されているように雄型コンポーネント30と嵌合することができるよう骨の面に凹状面112をリーミングする。第1の肩107により切断形成された大径のボア113により、第1の頂部22を図30及び図31に示されているように骨の中に「埋める」ことができる。凹状表面112の直径は、この例では、約15mmである。
【0072】
基節骨の遠位端部の穴を例えば近位リーマ100によりいったん前処理すると、雌型コンポーネント20を挿入することができる。この挿入は、任意適当なツールを用いて準備可能である。この目的に適したツールは、部分的に図26に示された近位ねじ回し120である。近位ねじ回し120は、第1の近位端部(図示せず)及び第1の遠位端部122を備えた細長い第1のシャンク121を有している。第1の近位端部は、取っ手を有するのが良く又は別個の取っ手、例えば図34に示されているクイックコネクト式取っ手160に接合されるよう構成されていても良い。第1のシャンク121は、第1の摺動可能なボビン123を有している。近位ねじ回し120の遠位端部122は、第1のボビン123に作動可能に結合された2つの第1の半部(図示せず)から成り、第1のボビン123を前方に摺動させると、これら2つの第1の半部が合わされて雌型コンポーネント20の第1の頂部22をしっかりと保持するようになっている。幾つかの実施形態では、近位ねじ回し120の第1の遠位端部122は、近位ねじ回し120を雌型コンポーネント20に容易に整列させるよう雌型コンポーネント20の第1の頂部22に設けられた第1のマーク125と整列する第1のマーク124(例えば、レーザマーク付け部)を有する。
【0073】
雌型コンポーネント20の第1の頂部22を近位ねじ回し120内に配置し、第1のボビン123を前方に摺動させて第1の頂部22をしっかりと保持する。第1の頂部22をねじ回し内に配置し、近位ねじ回し120の第1のマーク124が第1の頂部22の第1のマーク125と一線をなすようにする。次に、雌型コンポーネントを基節骨中にねじ込み、ついには、近位ねじ回し120の遠位端部122が穴と同一高さに位置し、第1のマークが上方に向くようになる。これにより、凹状面112が適正な位置に配置されて中節骨の近位端部に設けられた凸形状(後述する)と嵌合し、かくして雄型コンポーネント30の第2の頂部32に対するコネクタ40の運動により中節骨の下向き屈曲が可能なる。
【0074】
幾つかの実施形態では、中節骨の近位端部の前処理及び中節骨の近位端部中への雄型コンポーネント30の挿入は、上述した基節骨の遠位端部中への雌型コンポーネントの挿入と同様に進む。
【0075】
中節骨の近位端部を切除した後、任意適当なツール、例えば図24に示されているパイロットドリル90を用いてパイロット穴を骨の髄内管中に約9mmの深さまであける。次に、雄型コンポーネント30のための穴を任意適当なツール、例えば図27Aに示された遠位リーマ130を用いて前処理する。この遠位リーマ130は、第2の近位端部132及び第2の遠位端部133を備えた細長い第2のシャンク131を有している。第2の近位端部は、取っ手を有するのが良く又は別個の取っ手、例えば図34に示されているクイックコネクト式取っ手160に接合されるよう構成されていても良い。第2の遠位端部133は、第2の付形ドリル端部134で終端し、このドリル端部は、第2の箇所136で終端している。第2の箇所136のすぐ近位側に複数個の第2の隆起部135が設けられ、これら第2の隆起部は、図27cに示された穴を切断するよう設計された鋭利なエッジ又は刃先を有している。これら隆起部の近位側には第2の短いシャフト134が設けられ、第2の短いシャフト134の近位側には第2の肩137が設けられ、この第2の肩は、第2の短いシャフト134よりも幅が広く且つ第2のシャンク131とほぼ同じ直径を有している。第2の肩137の近位側には第2のスカート138が設けられ、この第2のスカートは、第2の肩よりも幅が広く且つ凹状の第2の遠位表面139を備えている。遠位リーマ130は、複数個の第2の隆起部135から第2の短いシャフト134、第2の肩137及び第2のスカート138を貫通して延びる第2の切欠き140を更に有している。第2の切欠き140は、遠位リーマ130が骨の中で回転すると共に駆動されているときに骨を切り抜くよう設計された鋭利な側方エッジ又は刃先141を有している。
【0076】
図示の実施形態では、第2の短いシャフト134、第2の肩137及び第2のスカート138は、近位リーマ100の対応物よりも短い。というのは、遠位リーマ130により形成された穴143(図27)中に押し込まれる雄型コンポーネント30は、近位リーマ100により作られた穴の中に押し込まれる雌型コンポーネント20よりも短いからである。
【0077】
遠位リーマ130(図27c)により切断形成された穴143は、好ましくは、雄型コンポーネント30の螺旋状ねじ山34の直径よりも小さい直径を有し、したがって、雄型コンポーネント30を穴の中にねじ込むと、螺旋状ねじ山34は、指節骨の髄内管中を押し進む。図27bは、雄型コンポーネント30と適当な遠位リーマ130の整列状態の一例を示しており、この場合、第2の隆起部135及び第2の短いシャフト134の直径は、2.0mmであり、雄型コンポーネント30の螺旋状ねじ山34の直径は、2.2mmである。遠位リーマ130は又、骨の面に凸状面144(図28)をリーミングする。これら実施形態では、凸状表面の半径は、6mmであり、かくして、近位骨の15mm凹状表面の半径よりもかなり小さい。これにより、僅かな位置合わせ不良であっても足指の関節運動が可能である。
【0078】
中節骨の近位端部の穴を例えば遠位リーマ130によりいったん前処理すると、雄型コンポーネント30を挿入することができる。この挿入は、任意適当なツールを用いて準備可能である。この目的に適したツールは、部分的に図28Aに示された遠位ねじ回し150である。遠位ねじ回し150は、第2の近位端部(図示せず)及び第2の遠位端部152を備えた細長い第2のシャンク151を有している。第2の近位端部は、取っ手を有するのが良く又は別個の取っ手、例えば図34に示されているクイックコネクト式取っ手160に接合されるよう構成されていても良い。第2のシャンク151は、第2の摺動可能なボビン153を有している。遠位ねじ回し150の第2の遠位端部152は、第2のボビン153に作動可能に結合された2つの第2の半部(図示せず)から成り、第2のボビン153を前方に摺動させると、これら2つの第2の半部が合わされて雄型コンポーネント30の第2の頂部32をしっかりと保持するようになっている。幾つかの実施形態では、遠位ねじ回し150の第2の遠位端部152は、遠位ねじ回し120を雄型コンポーネント30に容易に整列させるよう雄型コンポーネント30の第2の頂部32に設けられたマークと整列する第27マーク154(例えば、レーザマーク付け部)を有する。
【0079】
好ましくはコネクタ40が既に取り付けられた状態で雄型コンポーネント30の第1の頂部32を遠位ねじ回し150内に配置し、第2のボビン153を前方に摺動させて第1の頂部32をしっかりと保持する。第1の頂部32を遠位ねじ回し150内に配置し、遠位ねじ回し150の第2のマーク154が第1の頂部32のマークと一線をなすようにする。次に、雄型コンポーネントを中節骨中にねじ込み、ついには、ロックピン360又は圧着ピン33(どちらが用いられているにせよ)が穴と同一高さに位置し、第2のマークが上方に向くようになる。
【0080】
この時点でコネクタ40を第2の頂部32に対して所望の角度に合わせて調節するのが良く、ロックピン360又は圧着ピン33を係合させるのが良い。変形例として、コネクタ40を部分的に雌型コンポーネント20内に押し込み、その後ロックピン360又は圧着ピン33を係合させても良い。外科医がロックピン360又は圧着ピン33を係合させず、かくして、関節運動を可能にすることを決断した場合、コネクタ40を雌型コンポーネント20内に完全に挿入するのが良い。
【0081】
図29は、器械の挿入後における2本の骨の整列状態を示している。図30は、部分稼働時の器械を断面で示し、図31は、完全稼働状態の器械を断面で示している。
【0082】
コネクタ40が第2の頂部32に対して回転することができるようにすることにより、図32に示されているようにこの能力を備えていない類似の先行技術の器械と比較して本明細書において説明している器械を挿入する際に利点が得られる。類似の先行技術の器械では、中央部分42a(本器械のコネクタ40に類似している)が雌型部分20a(図32A)内に挿入されるほど接合されるべき2本の骨(例えば、基節骨と中節骨)を互いに遠くに引き離さなければならない。骨を引き離すときに2本の骨を連結する組織、例えば血管155を引き伸ばさなければならず、それにより、組織への損傷が潜在的に生じる。しかしながら、本明細書において説明する器械では、コネクタ40を第1の頂部22から雌型部分20内に挿入する前に、コネクタ40を図32Bに示されているように第2の頂部32に対して回転させるのが良い。かくして、2本の骨は、先行技術の器械の場合ほど互いに遠くに引き離される必要はない。図32Bに示されている距離dは、本器械を用いた場合に先行技術の器械と比較して接続されるこの潜在的に損傷を引き起こす引き伸ばしの減少分を示しており、それにより組織の損傷が抑えられると共に雌型コンポーネント20内へのコネクタ40の挿入が容易になる。
【0083】
上述したように、近位リーマ100、近位ねじ回し120、遠位リーマ130及び遠位ねじ回し150は各々、それ自体の取っ手を有するのが良く又はありふれた取っ手、例えば図34に示されたクイックコネクト式取っ手160を利用しても良い。かかる取っ手の連結手段は、当該技術分野においては知られている。図33は、近位ねじ回し120に用いられるクイックコネクト式取っ手を示している。幾つかの実施形態では、これらツールのうちの任意のものの細長いシャンクは、外科医がツールに対するしっかりとした掴み状態を維持しながら取っ手なしでツールを使用することができるようにする掴み要素、例えばゴムグリップを有するのが良い。
【0084】
幾つかの実施形態では、近位若しくは遠位リーマ又は近位若しくは遠位ねじ回しのうちの任意のものは、その近位端部に、近位若しくは遠位リーマ又は近位若しくは遠位ねじ回しの切断部分を有するのが良い。例えば、近位リーマ(遠位端部に凸状の第1の遠位表面109を備えた付形ドリル端部を有する)は、近位端部に遠位リーマ(凹状の第2の遠位表面139を備えた付形ドリル端部を有する)の付形ドリル端部を有するのが良い。変形例として、近位リーマは、その近位端部に、摺動可能なボビン123及び近位ねじ回しのボビンに作動可能に結合された2つの第1の半部を有するのが良い。近位端部及び遠位端部に、近位若しくは遠位リーマの付形ドリル端部又はボビン及び近位若しくは遠位ねじ回しの2つの半部を別個独立に有する任意の組み合わせツールが想定される。かくして、多数のツールを、例えばリーミングのための一端部及びねじ回し操作のための他端部付きの単一のツールに組み合わせることができる。2つのツール相互間の取っ手の部分は、ツールを用いる人のための掴み性能を提供するよう溝、クロスハッチング又は掴み材料を有するのが良い。
【0085】
ピンロックツール60を含む本明細書において説明した種々のツールの各々、どれか1つ又は全ては又、パッケージ、例えば成形滅菌トレイ内に滅菌状態で設けられるのが良い。加うるに、上述した任意の実施形態の骨固定器械9を適宜滅菌パッケージ、例えば図34に示されている山形パウチ170内に包装するのが良い。
【0086】
加うるに、上述の種々の骨接合器械は、骨の穴あけ、骨のリーミング、器械の打ち込み、挿入又は骨の切断時に用いられるテンプレートを有するのが良い。テンプレートは、器械の取り付けが高精度且つ高い正確さで達成されるようにするうえで有用である。例えば、テンプレートは、近位リーマ又は遠位リーマを骨に整列させ、リーマにより前処理された穴が骨の長軸と平行になるようにするために用いられるのが良い。かかるテンプレートは、骨の端部に取り付けられ(例えば、ねじによって)、骨から外方に延びてリーマの切断先端部のための真っ直ぐなガイドとなる穴を提供するコンポーネントを有するのが良い。かかるテンプレートの設計及び調製は、当該技術分野において知られている。
【0087】
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独国特許出願公開第19949890(A1)号明細書
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【0126】
上記内容を考慮して、本願の要旨の幾つかの利点が達成されると共に他の利点が達成されることは理解されよう。
【0127】
本願の要旨の範囲から逸脱しないで上記方法及び構成の種々の変更を行なうことができるので、上記説明に含まれると共に添付の図面に示された全ての事項は、本発明を限定するものではなく例示として解されるべきである。
【0128】
本明細書に引用した全ての文献を参照により引用し、これらの記載内容を本明細書の一部とする。本明細書に記載した文献の説明は、当該著者の主張の概要を記載しているに過ぎず、どの文献も先行技術となっている旨を承認するものではない。本出願人は、引用した文献の正確さ及び妥当性に疑問を呈する権利を留保する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の骨片を第2の骨片に接合するのに適した骨接合器械であって、前記器械は、第1のコンポーネント及び第2のコンポーネントを有し、
前記第1のコンポーネントは、
第1の端部及び前記第1の端部と反対側の第1の頂部を備えた第1の細長いステム部分を有し、前記第1の細長いステム部分は、前記第1の端部から長手方向に前記第1の骨片の表面中への挿入に適しており、
前記第2のコンポーネントは、
第2の端部及び第2の頂部を備えた第2の細長いステム部分を有し、前記第2の細長いステム部分は、前記第2の端部から長手方向に前記第2の骨片の表面中への挿入に適しており、
前記第2の頂部から延びるコネクタを有し、
前記コネクタは、前記第1のコンポーネントと結合して前記第1のコンポーネントとロック関係をなすことができる、骨接合器械。
【請求項2】
前記器械は、前記第2の骨片への前記第1の骨片の融合を促進することができる、請求項1記載の骨接合器械。
【請求項3】
前記第1のコンポーネントは、雌型コンポーネントであり、前記第2のコンポーネントは、雄型コンポーネントであり、
前記雌型コンポーネントの前記第1の細長いステム部分は、前記第1の頂部から前記第1の端部に向かって軸方向に延びる開口部を更に有し、
前記コネクタは、細長いシャフト、近位端部、前記近位端部の近くに位置したシャフトの頂部及び遠位端部を有し、前記コネクタは、前記第1の細長いステム部分の前記開口部内に挿入されて前記開口部内にロックすることができる、請求項1記載の器械。
【請求項4】
前記器械は、2本の椎骨を互いに融合させるのに適している、請求項1記載の器械。
【請求項5】
前記第1の骨片及び前記第2の骨片の表面は、切断表面である、請求項1記載の器械。
【請求項6】
前記第1のステム部分は、前記第1の端部から長手方向に切除指節骨、中足骨若しくは中手骨の切断表面又は切断骨幹中への挿入に適しており、前記第2のステム部分は、前記第2の端部から長手方向に切除指節骨、中足骨若しくは中手骨の切断表面又は切除骨幹中への挿入に適している、請求項1記載の器械。
【請求項7】
前記器械は、小足指の関節からの2本の切断骨を接合し又は融合させるのに適している、請求項6記載の器械。
【請求項8】
前記器械は、手指の関節を接合し又は融合させるのに適している、請求項6記載の器械。
【請求項9】
前記器械は、骨の骨幹を接合し又は融合させるのに適している、請求項6記載の器械。
【請求項10】
前記骨は、短くなった中足骨である、請求項9記載の器械。
【請求項11】
前記第1の細長いステム部分の前記開口部は、壁、閉鎖遠位端部及び開放近位端部を備えたキャビティであり、前記コネクタは、細長く、前記キャビティ内に嵌まり込む、請求項1記載の器械。
【請求項12】
前記コネクタは、前記第2の頂部に対して角度のある方向における前記コネクタの調節可能な位置決めを可能にする継手によって前記近位端部のところで前記第2の頂部に結合されている、請求項1記載の器械。
【請求項13】
前記コネクタは、前記第1のコネクタへの結合時、前記第2の頂部に対して可調的に位置決め可能である、請求項1記載の器械。
【請求項14】
前記コネクタは、前記第2の頂部に対して前方方向及び逆方向の各々の方向において少なくとも10°の角度をなして可調的に位置決め可能である、請求項12記載の器械。
【請求項15】
前記コネクタは、前記第2の頂部に対して前方方向及び逆方向の各々の方向において少なくとも90°の角度をなして可調的に位置決め可能である、請求項12記載の器械。
【請求項16】
前記コネクタは、前記第2の頂部に対して前方方向及び逆方向の各々の方向において少なくとも120°の角度をなして可調的に位置決め可能である、請求項12記載の器械。
【請求項17】
前記コネクタは、前記第2の頂部に対して前方方向及び逆方向の各々の方向において少なくとも150°の角度をなして可調的に位置決め可能である、請求項12記載の器械。
【請求項18】
前記第1の細長いステム部分及び前記第2の細長いステム部分の各々は、円筒形、円錐形又はこれらの組み合わせであり、螺旋状ねじ山を有する、請求項11記載の器械。
【請求項19】
前記螺旋状ねじ山は、連続した螺旋状ねじ山である、請求項18記載の器械。
【請求項20】
前記螺旋状ねじ山は、時計回りに螺旋状に延びている、請求項18記載の器械。
【請求項21】
前記螺旋状ねじ山の1回転のピッチは、1mm未満である、請求項18記載の器械。
【請求項22】
前記螺旋状ねじ山は、前記第1の骨片中への第1の細長いステム部分及び前記第2の骨片中への前記第2の細長いステム部分のセルフタッピング及び/又は自己ねじ切りを可能にする、請求項18記載の器械。
【請求項23】
前記コネクタは、スナップロックを用いて前記第2の頂部に結合され、前記コネクタは、前記コネクタを前記第1の細長いステム部分中にそれ以上挿入することなく、前記第1の細長いステム部分内にロック可能である、請求項1記載の器械。
【請求項24】
前記コネクタの前記キャビティは、円筒形であって円筒形壁を備え、前記コネクタは、前記遠位端部の周りに形成されていて、前記円筒形キャビティの直径よりも大きな直径を持つリング及び前記コネクタの前記遠位端部から前記近位端部に向かって軸方向に差し向けられた十字形スリットを有し、それによりばねコレットが形成され、
前記円筒形キャビティは、前記遠位端部の近くで前記円筒形壁を包囲した少なくとも第1のリング状凹部を更に有し、前記コネクタを前記円筒形キャビティ内に挿入すると、前記ばねコレットは、前記リングが前記第1の凹部に遭遇するまで圧縮されるようになっており、前記第1の凹部は、前記リングの圧縮度の低い外周部を受け入れ、前記ばねコレットは、圧縮度の低い状態に移行する、請求項11記載の器械。
【請求項25】
前記リングは、前記コネクタの前記近位端部の近くの側部に設けられた縁部を有し、前記縁部は、前記リング状凹部に遭遇した後、近位側への方向の前記コネクタの運動を阻止するよう設計されている、請求項24記載の器械。
【請求項26】
前記縁部は、前記円筒形キャビティの前記壁に実質的に垂直である、請求項25記載の器械。
【請求項27】
前記縁部は、前記コネクタの周囲と鋭角をなしている、請求項25記載の器械。
【請求項28】
前記円筒形キャビティの前記壁は、前記第1の凹部よりも前記遠位端部の近くで前記円筒形壁を包囲した第2のリング状凹部を更に有し、前記コネクタは、前記第1の凹部を越えて挿入可能であり、それにより前記リングが前記第2の凹部に遭遇するまで前記ばねコレットを圧縮することができ、前記第2の凹部は、前記リングの圧縮度の低い外周部を受け入れ、前記ばねコレットは、圧縮度の低い状態に移行する、請求項24記載の器械。
【請求項29】
前記第1の凹部と前記第2の凹部との間の距離は、約0.6mmである、請求項28記載の器械。
【請求項30】
前記円筒形キャビティの前記壁は、前記第2の凹部よりも前記遠位端部の近くで前記円筒形壁を包囲した第3のリング状凹部を更に有し、前記コネクタは、前記第2の凹部を越えて挿入可能であり、それにより前記リングが前記第3の凹部に遭遇するまで前記ばねコレットを圧縮することができ、前記第3の凹部は、前記リングの圧縮度の低い外周部を受け入れ、前記ばねコレットは、圧縮度の低い状態に移行する、請求項28記載の器械。
【請求項31】
前記円筒形キャビティの前記壁は、前記第3の凹部よりも前記遠位端部の近くで前記円筒形壁を包囲した第4のリング状凹部及び第5のリング状凹部を更に有し、前記コネクタは、前記第3の凹部を越えて挿入可能であり、それにより前記リングが前記第4の凹部及び前記第5の凹部に遭遇するまで前記ばねコレットを圧縮することができ、前記第4の凹部及び前記第5の凹部の各々は、前記リングの圧縮度の低い外周部を受け入れ、前記ばねコレットは、圧縮度の低い状態に移行する、請求項30記載の器械。
【請求項32】
前記コネクタは、前記円筒形キャビティ内に挿入され、前記ばねコレットは、前記第1の凹部に係合し、前記コネクタは、引き続き前記第2の頂部に対して可調的に位置決め可能である、請求項30記載の器械。
【請求項33】
前記器械は、前記第2の頂部に対する前記コネクタの調節可能な位置決めを阻止するロック機構体を更に有する、請求項32記載の器械。
【請求項34】
前記ロック機構体は、前記第2の頂部の近くで互いに向かい合った圧着ピンであり、前記圧着ピンを圧着すると、前記ピンは、前記継手に係合し、前記第2の頂部に対する前記コネクタのそれ以上の調節可能な位置決めを阻止する、請求項32記載の器械。
【請求項35】
前記コネクタは、前記コネクタの長さに沿って設けられた溝を有し、
前記第1の細長いステム部分は、前記第1の細長いステム部分の側部を貫通して設けられたピン穴を更に有し、前記ピン穴は、前記コネクタを前記第1の細長いステム部分の前記キャビティ内に挿入すると、前記コネクタの前記溝の中に嵌まり込むことができる回転防止ピンを有し、前記回転防止ピンは、前記回転防止ピンが前記コネクタの前記溝の中に位置しているとき、前記第1の細長いステム部分に対する前記コネクタの回転を阻止する、請求項1記載の器械。
【請求項36】
前記コネクタの前記キャビティは、円筒形であって円筒形壁を備え、前記コネクタは、前記シャフトを包囲した状態でこれから突き出た少なくとも2つのシャフト‐リングを更に有し、一方のシャフト‐リングは、他方のシャフト‐リングよりも前記シャフトの前記遠位端部の近くに位置し、前記シャフト‐リングの周長は、前記雌型コンポーネントの前記第1の細長いステム部分の前記円筒形キャビティの周長よりも短く、
前記雌型コンポーネントの前記第1の細長いステム部分の前記円筒形キャビティは、前記キャビティの前記近位端部の近くで前記円筒形壁を包囲したスロットを更に有し、前記スロットは、この中に嵌め込まれたc‐リングを更に有し、前記c‐リングは、弛緩時に前記キャビティ内に突出し、
前記c‐リングは、前記コネクタを前記キャビティ内に挿入して前記シャフトに設けられているリングが前記c‐リングに遭遇すると、前記スロット内に引っ込み可能であり、前記c‐リングは更に、前記シャフトの前記リングが前記c‐リングを通過した後に弛緩状態になって前記キャビティ内に再び突出することができ、それにより前記キャビティには前記弛緩状態のc‐リングを受け入れる空間が提供される、請求項11記載の器械。
【請求項37】
前記コネクタは、前記シャフトを包囲した状態でこれから突き出た第3のシャフト‐リングを更に有し、3つの前記シャフト‐リングは、前記シャフトの前記遠位端部に対するこれらの近接度が様々である、請求項36記載の器械。
【請求項38】
前記第1の細長いステム部分及び前記第2の細長いステム部分の各々は、円筒形であり、螺旋状ねじ山を有し、
前記コネクタは、前記コネクタの長さに沿って設けられた溝を有し、
前記第1の細長いステム部分は、前記第1の細長いステム部分の側部を貫通して設けられたピン穴を更に有し、前記ピン穴は、前記コネクタを前記第1の細長いステム部分の前記キャビティ内に挿入すると、前記コネクタの前記溝の中に嵌まり込むことができる回転防止ピンを有し、前記回転防止ピンは、前記回転防止ピンが前記コネクタの前記溝の中に位置しているとき、前記第1の細長いステム部分に対する前記コネクタの回転を阻止する、請求項37記載の器械。
【請求項39】
前記コネクタは、異形シャフトを有し、前記異形シャフトの少なくとも一部分には、複数個の軸方向に配置された凹み又は隆起部が設けられ、
前記第1の細長いステム部分は、
前記第1の頂部を少なくとも部分的に包囲した凹みを有し、少なくとも1つの穴が前記第1の頂部を貫通して前記キャビティ内に延びており、
内方に突き出た少なくとも1つのノブを有するノブ付きc‐リング又はo‐リングを有し、前記ノブ付きc‐リング又はo‐リングは、前記第1の頂部の前記凹み内に嵌まり込むよう構成されており、前記少なくとも1つのノブは、前記少なくとも1つの穴の中に嵌まり込んで前記キャビティ内に突き出るようになっており、
前記コネクタを前記第1の細長いステム部分の前記キャビティ内に挿入すると、前記キャビティ内に突き出ている前記少なくとも1つのノブは、前記コネクタに遭遇して前記キャビティから引っ込み、ついには、前記コネクタは、前記キャビティ内に更に挿入され、前記ノブは、2つの隆起部相互間の凹み又は隙間に遭遇し、前記ノブは、前記キャビティ内に突き出て前記壁と前記コネクタとの間に前記凹み又は隙間によって作られた空間内に突き出ることができる、請求項18記載の器械。
【請求項40】
前記コネクタは、挿入後、前記コネクタを前記雌型コンポーネントに対して回すことにより前記雌型コンポーネントから分離可能であり、それにより、前記少なくとも1つのノブは、2つの隆起部相互間の前記凹み又は隙間から滑り出て凹み又は隆起部を備えていない前記シャフトの部分に嵌まり、次に、前記コネクタを前記雌型コンポーネントから滑り出す一方で、凹み又は隆起部を備えていない前記シャフトの前記部分に沿って前記少なくとも1つのノブを維持する、請求項39記載の器械。
【請求項41】
前記ノブ付きc‐リング又はo‐リングは、2つの端部及び中間部を備えたc‐リングであり、前記c‐リングの前記中間部にノブを有し、前記ノブは、前記コネクタを前記キャビティ内に挿入すると、前記シャフトの1つの部分に設けられた複数個の軸方向に配置されている凹み又は隙間に遭遇するようになっている、請求項39記載の器械。
【請求項42】
前記ノブ付きc‐リングは、2つのノブを有し、各ノブは、前記コネクタを前記キャビティ内に挿入すると、前記シャフトの2つの部分に設けられた複数個の軸方向に配置されている凹み又は隙間に遭遇するようになる、請求項41記載の器械。
【請求項43】
前記2つのノブは、前記c‐リングの前記中間部と前記端部との間に位置している、請求項42記載の器械。
【請求項44】
前記コネクタの前記円筒形シャフトは、前記シャフトの2つの部分に設けられた複数個の軸方向に配置されている凹みを有し、前記ノブ付きc‐リング又はo‐リングは、2つの端部を備えたc‐リングであり、前記c‐リングの各端部のところに1つのノブを有し、各ノブは、前記コネクタを前記キャビティ内に挿入すると、前記シャフトの2つの部分に設けられた複数個の軸方向に配置されている凹み又は隙間に遭遇するようになる、請求項39記載の器械。
【請求項45】
前記円筒形シャフトの2つの反対側の側部には、軸方向に配置された凹み又は隆起部が設けられている、請求項44記載の器械。
【請求項46】
前記円筒形シャフトの前記2つの互いに反対側の側部の各々に設けられた3つの凹み又は4つの隆起部を有する、請求項45記載の器械。
【請求項47】
前記コネクタを前記キャビティ内に挿入すると、前記ノブは、凹み又は隙間に遭遇するようになり、前記凹み又は隙間は、前記ノブが前記凹み又は隙間内に位置しているとき、前記コネクタを前記キャビティから引き出すことができないように形作られている、請求項39記載の器械。
【請求項48】
前記軸方向に配置されている凹み又は隆起部の各々は、前記キャビティの前記壁に実質的に垂直な遠位縁部を有する、請求項47記載の器械。
【請求項49】
前記軸方向に配置されている凹みの各々は、前記コネクタの前記シャフトと鋭角をなす遠位縁部を有する、請求項47記載の器械。
【請求項50】
前記コネクタを前記キャビティ内に挿入すると、前記ノブは、凹み又は隙間に遭遇するようになり、前記キャビティ内に前記ノブが存在することにより、前記キャビティ内における前記コネクタの回転が制限される、請求項39記載の器械。
【請求項51】
前記装置は、ロック機構体を更に有し、前記ロック機構体は、前記ロック機構体の係合後に前記第2の頂部に対する前記コネクタの調節可能な位置決めを阻止する、請求項1記載の器械。
【請求項52】
前記ロック機構体は、
穴の中に設けられていて、前記コネクタと前記第2の頂部を連結する円筒形圧着シャフトを有し、前記圧着シャフトは、2つの中空端部を有し、前記2つの中空端部には、軸方向に差し向けられたスリットが設けられ、前記軸方向に差し向けられたスリットは、前記2つの中空端部を包囲したフランジを形成し、
細い端部及び太い端部を備えたテーパ付き円筒形圧着キーを有し、前記細い端部は、前記圧着シャフトの前記2つの中空端部内に嵌まり込み、
前記圧着ピンを前記圧着シャフト中に押し込むと、前記圧着ピンの前記太い端部は、前記フランジを外方に押し、前記フランジを前記第2の頂部及び前記コネクタに押し付け、前記第2の頂部に対する前記コネクタの運動を摩擦の作用で阻止する、請求項51記載の器械。
【請求項53】
前記ロック機構体は、穴の中に設けられていて、前記コネクタと前記第2の頂部を接合するテーパ付き円筒形ロックピンを有し、前記ロックピンは、細い端部及び太い端部を有し、前記太い端部は、前記穴から突き出ており、前記ロックピンの前記太い端部を前記穴の中に押し込むと、前記太い端部は、前記第2の頂部及び前記コネクタを押し、前記第2の端部に対する前記コネクタの運動を摩擦の作用で阻止する、請求項51記載の器械。
【請求項54】
前記ブロックピンの前記太い端部は、内方に差し向けられた凹みを有する、請求項53記載の器械。
【請求項55】
前記コネクタの前記近位端部の近くで前記第1の頂部に設けられたマークを更に有し、前記マークは、前記リングが前記第1の凹部内に位置しているとき、前記雄型コンポーネント及び前記雌型コンポーネントの所望の位置で互いに整列する、請求項24記載の器械。
【請求項56】
前記コネクタの前記シャフトの前記頂部は、六角形成形部を有し、前記第1の頂部は、六角形凹部を有し、前記六角形成形部は、前記コネクタが前記キャビティ内に挿入されると、前記六角形凹部に嵌まり込む、請求項55記載の器械。
【請求項57】
前記六角形凹部及び前記六角形成形部のうちの少なくとも一方は、滑らかにされており、前記コネクタは、先ず最初に、前記六角形凹部に遭遇し、前記六角形成形部は、前記マークが前記所望の位置で完全に整列されていない場合であっても、前記六角形凹部に嵌まり込むようになる、請求項56記載の器械。
【請求項58】
(a)チタン、(b)約6%アルミニウム及び約4%バナジウムを含むチタン合金、(c)ニチノール、(d)ステンレス鋼又は(e)ポリエチルエチルケトン(PEEK)で作られている、請求項1記載の器械。
【請求項59】
前記雄型コンポーネント及び雌型コンポーネントの各々の前記細長いステム部分は、円筒形であり、連続した螺旋状ねじ山を有し、
前記雄型コンポーネント及び前記雌型コンポーネントの各々の前記螺旋状ねじ山の1回転のピッチは、1mm未満であり、
前記コネクタの前記開口部内に挿入されて前記第1の凹部に遭遇すると、前記コネクタは、前記第2の頂部に対して角度のある方向に可調的に位置決め可能であり、
前記継手は、前記第2の頂部に対する前記コネクタの調節可能な位置決めを阻止するロック機構体を更に有し、前記ロック機構体は、前記第2の頂部の近くで互いに向かい合った圧着ピンであり、前記圧着ピンを圧着すると、前記ピンは、前記継手に係合し、前記第2の頂部に対する前記コネクタのそれ以上の調節可能な位置決めを阻止し、
前記コネクタは、前記第2の頂部に対して少なくとも90°の角度をなして可調的に位置決め可能であり、
前記器械は、前記コネクタの前記近位端部の近くで前記第1の頂部に設けられたマークを更に有し、前記マークは、前記コネクタが前記第1のステム部分中に挿入されると、前記雄型コンポーネント及び前記雌型コンポーネントの所望の位置で互いに整列し、
前記コネクタの前記近位端部は、六角形成形部を有し、前記第1の頂部は、六角形凹部を有し、前記六角形成形部は、前記コネクタが前記第1のステム部分中に挿入されると、前記六角形凹部に嵌まり込み、前記六角形成形部及び前記六角形凹部のうちの少なくとも一方は、滑らかにされており、前記コネクタは、先ず最初に、前記六角形凹部に遭遇し、前記六角形成形部は、前記マークが前記所望の位置で完全に整列されていない場合であっても、前記六角形凹部に嵌まり込むようになり、
前記器械は、(a)チタン、(b)約6%アルミニウム及び約4%バナジウムを含むチタン合金、(c)ニチノール、(d)ステンレス鋼又は(e)ポリエチルエチルケトン(PEEK)で作られている、請求項24記載の器械。
【請求項60】
前記第1の細長いステム部分の前記開口部は、壁、閉鎖遠位端部及び開放近位端部を備えたキャビティであり、前記コネクタは、細長く、前記キャビティ内に嵌まり込み、
前記第1の細長いステム部分及び前記第2の細長いステム部分の各々は、円筒形、円錐形又はこれら両方の組み合わせであり、螺旋状ねじ山を有し、
前記コネクタは、シャフトを有し、前記シャフトの互いに反対側の部分には3つの軸方向に配置された凹みが設けられており、
前記第1の細長いステム部分は、
前記第1の頂部を少なくとも部分的に包囲した凹みを有し、少なくとも1つの穴が前記第1の頂部を貫通して前記キャビティ内に延びており、
内方に突き出た少なくとも1つのノブを有するノブ付きc‐リング又はo‐リングを有し、前記ノブ付きc‐リング又はo‐リングは、前記第1の頂部の前記凹み内に嵌まり込むよう構成されており、前記少なくとも1つのノブは、前記少なくとも1つの穴の中に嵌まり込んで前記キャビティ内に突き出るようになっており、
前記器械は、(a)チタン、(b)約6%アルミニウム及び約4%バナジウムを含むチタン合金、(c)ニチノール、(d)ステンレス鋼又は(e)ポリエチルエチルケトン(PEEK)で作られており、
前記コネクタを前記第1の細長いステム部分の前記キャビティ内に挿入すると、前記キャビティ内に突き出ている前記2つのノブは、前記コネクタに遭遇して前記キャビティから引っ込み、ついには、前記コネクタは、前記キャビティ内に更に挿入され、前記ノブは、凹みに遭遇し、前記ノブは、前記キャビティ内に突き出て前記壁と前記コネクタとの間に前記凹みによって作られた空間内に突き出ることができる、請求項1記載の器械。
【請求項61】
請求項54記載の器械の前記第2の頂部に対する前記コネクタの位置をロックするのに適したピンロックツールであって、前記ピンロックツールは、サムホール及びフィンガホールを有し、前記サムホールと前記フィンガホールを一緒に引くと、第1の遠位端部と第2の遠位端部を結合するようシザーヒンジにより回動可能に接合された取っ手を有し、
前記第1の遠位端部は、前記第2の頂部に係合するよう形作られた異形成形部を終端部とし、
前記第2の遠位端部は、前記ロックピンの前記太い端部に係合するよう形作られたピン成形部を終端部とする、ツール。
【請求項62】
切断された骨表面から骨の髄内管内に穴をリーミングするツールであって、前記ツールは、
近位端部及び遠位端部を備えた細長いシャンクを有し、
前記遠位端部は、第1の箇所で終端した第1の付形ドリル端部で終端し、前記第1の付形ドリルは、
前記第1の箇所のすぐ近くに鋭利なエッジを備えた複数個の第1の隆起部と、
前記第1の隆起部のすぐ近くに位置した第1の短いシャフトと、
前記第1の短いシャフトのすぐ近くに位置していて、前記第1の短いシャフトよりも幅の広い第1の肩と、
第1の遠位表面を備え、前記第1の肩よりも幅が広く、前記第1の肩のすぐ近くに位置し、凹状又は凸状遠位表面を備えた第1のスカートと、
前記第1の短いシャフト、前記第1の肩及び前記第1のスカートを貫通して前記複数個の第1の隆起部から延びる第1の切欠きとを有し、前記第1の切欠きは、前記ツールを前記骨の中で回して駆動しているときに前記骨を切り抜くよう設計された鋭利な側方エッジを有する、ツール。
【請求項63】
前記第1の肩は、前記第1のシャンクの近似外周部であり、前記第1のスカートの前記第1の遠位表面は、凸状である、請求項62記載のツール。
【請求項64】
前記第1の肩は、前記第1のシャンクよりも幅が狭く、前記第1のスカートの前記第1の遠位表面は、凹状である、請求項62記載のツール。
【請求項65】
取っ手を更に有する、請求項62記載のツール。
【請求項66】
別個の取っ手に接合するよう構成されている請求項62記載のツール。
【請求項67】
前記シャンクに設けられた掴み要素を有する請求項62記載のツール。
【請求項68】
前記近位端部は、第2の箇所で終端した第2の付形ドリル端部で終端し、前記第2の付形ドリルは、
前記第2の箇所のすぐ近くに鋭利なエッジを備えた複数個の第2の隆起部を有し、
前記第2の隆起部のすぐ近くに位置した第2の短いシャフトを有し、
前記第2の短いシャフトのすぐ近くに位置していて、前記第2の短いシャフトよりも幅の広い第2の肩を有し、
第2の遠位表面を備え、前記第2の肩よりも幅が広く、前記第2の肩のすぐ近くに位置し、凹状又は凸状遠位表面を備えた第2のスカートを有し、前記凹状又は凸状遠位表面は、前記第1のスカートの前記遠位表面からの前記凹状又は凸状遠位表面のうちの他方であり、
前記第2の短いシャフト、前記第2の肩及び前記第2のスカートを貫通して前記複数個の第2の隆起部から延びる第2の切欠きを有し、前記第2の切欠きは、前記ツールを前記骨の中で回して駆動しているときに前記骨を切り抜くよう設計された鋭利な側方エッジを有する、請求項62記載のツール。
【請求項69】
前記シャンクに設けられた掴み要素を有する、請求項68記載のツール。
【請求項70】
請求項60記載の器械を骨の髄内管内にねじ込むのに適したねじ回しであって、前記器械は、
近位端部及び遠位端部を備えた細長いシャンクを有し、
前記遠位端部は、前記シャンクに設けられた第1の摺動可能なボビンに作動可能に結合された2つの第1の半部を有し、前記第1のボビンを前記遠位端部に向かって摺動させると、前記2つの第1の半部が一緒に押されて前記第1の頂部又は前記第2の頂部をしっかりと保持する、ねじ回し。
【請求項71】
前記遠位端部は、第1のマークを有し、前記第1の頂部又は前記第2の頂部は、第2のマークを有し、前記第1のマークは、前記遠位端部が前記第2の頂部を正しく保持すると、前記第2のマークと整列するようになっている、請求項70記載のねじ回し。
【請求項72】
取っ手を更に有する、請求項70記載のねじ回し。
【請求項73】
別個の取っ手に接合するよう構成されている、請求項70記載のねじ回し。
【請求項74】
前記シャンクに設けられた掴み要素を有する、請求項70記載のねじ回し。
【請求項75】
前記近位端部は、前記シャンクに設けられた第2の摺動可能なボビンに作動可能に結合された2つの第2の半部を有し、前記第2のボビンを前記遠位端部に向かって摺動させると、前記2つの第2の半部が一緒に押されて、前記第1の半部によって保持されていない前記第1の頂部又は前記第2の頂部をしっかりと保持する、請求項70記載のねじ回し。
【請求項76】
前記近位端部は、第1の箇所で終端した第1の付形ドリル端部で終端し、前記第1の付形ドリルは、
前記第1の箇所のすぐ近くに鋭利なエッジを備えた複数個の第1の隆起部と、
前記第1の隆起部のすぐ近くに位置した第1の短いシャフトと、
前記第1の短いシャフトのすぐ近くに位置していて、前記第1の短いシャフトよりも幅の広い第1の肩と、
第1の遠位表面を備え、前記第1の肩よりも幅が広く、前記第1の肩のすぐ近くに位置し、凹状又は凸状遠位表面を備えた第1のスカートと、
前記第1の短いシャフト、前記第1の肩及び前記第1のスカートを貫通して前記複数個の第1の隆起部から延びる第1の切欠きとを有し、前記第1の切欠きは、前記ツールを前記骨の中で回して駆動しているときに前記骨を切り抜くよう設計された鋭利な側方エッジを有する、請求項70記載のねじ回し。
【請求項77】
前記シャンクに設けられた掴み要素を有する、請求項75又は76記載のねじ回し。
【請求項78】
請求項62記載のツールを案内して骨表面に穴を作るためのテンプレートであって、前記テンプレートは、前記骨表面を覆って骨に取り付けられ、前記骨表面から外方に延びると共に前記骨表面を包囲するコンポーネントを有し、前記テンプレートは、前記骨表面上で前記テンプレートに設けられた穴を更に有し、前記第1の付形ドリル端部を前記穴の中に挿入することにより、前記第1の付形ドリル端部が前記骨の長軸に平行に前記骨に切り込むようにするためのガイドが提供される、テンプレート。
【請求項79】
請求項62記載のツールと、請求項70記載のねじ回しとを有するパッケージであって、前記ツール及び前記ねじ回しは、滅菌状態にある、パッケージ。
【請求項80】
請求項66記載のツールと、請求項73記載のねじ回しと、前記ツールと前記ねじ回しを接合するよう構成された取っ手とを有するパッケージであって、前記ツール及び前記ねじ回しは、滅菌状態にある、パッケージ。
【請求項81】
請求項1記載の骨接合器械を有するパッケージであって、前記骨接合器械は、滅菌状態にある、パッケージ。
【請求項82】
生きている椎骨内において第1の骨片と第2の骨片を接合し又は融合させる方法であって、前記方法は、請求項1記載の骨接合器械を前記第1の骨片と前記第2の骨片との間に挿入して前記2つの骨片がしっかりと接合されるようにするステップを有する、方法。
【請求項83】
前記椎骨は、人間の椎骨である、請求項82記載の方法。
【請求項84】
前記2つの骨片を前処理して互いに接合されることになる各骨片に切断表面を設けるステップと、
前記第1の細長いステム部分を前記第1の骨片の前記切断表面中に長手方向に挿入して前記第1の端部が先ず最初に挿入され、前記第1の頂部が前記第1の骨片の前記切断表面のところに位置し又はその僅か下に位置するようにするステップと、
前記第2の細長いステム部分を前記第2の骨片の前記切断表面中に長手方向に挿入して前記コネクタの前記近位端部が前記第2の骨片の前記切断表面のすぐ上に位置するようにするステップと、
前記コネクタを前記第1の細長いステム部分の前記開口部中に挿入するステップとを更に有する、請求項82記載の方法。
【請求項85】
前記コネクタ及び前記第2の細長いステム部分は、前記第1の細長いステム部分の前記開口部中への前記コネクタの挿入前に鋭角をなすよう位置決めされる、請求項84記載の方法。
【請求項86】
前記コネクタは、前記第2の頂部に対して角度のある方向における前記コネクタの調節可能な位置決めを可能にする継手によって前記近位端部のところで前記頂部に結合され、
前記方法は、前記第2の頂部に対する前記コネクタの位置を調節して前記2つの骨片相互間の好ましい屈曲角度を形成するようにするステップと、
前記コネクタを前記第1の細長いステム部分中に更に挿入するステップとを更に有する、請求項84記載の方法。
【請求項87】
前記第2の頂部に対する前記コネクタの位置は、前記コネクタを前記第1の細長いステム部分中に更に挿入した後ではもはや調節できない、請求項86記載の方法。
【請求項88】
前記骨片は、2つの椎骨である、請求項82記載の方法。
【請求項89】
前記骨片は、(a)2つの隣り合う指節骨、(b)指節骨及びその隣りの中手骨、(c)指節骨及びその隣りの中足骨又は(d)骨幹の骨折又は骨切り術により前処理された骨片である、請求項82記載の方法。
【請求項90】
前記骨片は、哺乳動物の足の中にある、請求項89記載の方法。
【請求項91】
前記足は、槌趾状態、槌状足指状態、巻き爪足指状態又はかぎ爪足指状態を呈している、請求項90記載の方法。
【請求項92】
前記足は、槌趾状態を呈している、請求項80記載の方法。
【請求項93】
指節間関節、中足指節関節又は中手指節関節が癒合される、請求項89記載の方法。
【請求項94】
前記骨片は、前記骨を短くする骨切り術によって分離される、請求項89記載の方法。
【請求項95】
前記骨片は、小中足骨からのものである、請求項94記載の方法。
【請求項96】
前記2つの骨片は、前記骨間の骨切り術を受けた単一の中足骨からのものである、請求項89記載の方法。
【請求項97】
前記骨片は、人間の手の中にある、請求項84記載の方法。
【請求項98】
前記骨片は、2つの椎骨である、請求項84記載の方法。
【請求項99】
前記第1の骨片の前記切断表面は、凸状であり、前記第2の骨片の前記切断表面は、凹状である、請求項84記載の方法。
【請求項100】
前記第1の骨片及び前記第1の骨片は、切断され、
請求項51記載の前記骨接合器械は、前記第1の骨片と前記第2の骨片との間に挿入され、
前記コネクタ及び前記第2の細長いステム部分は、前記第1の細長いステム部分の前記開口部内への前記コネクタの挿入前に鋭角をなすよう位置決めされ、
前記コネクタは、前記コネクタ及び前記第2の細長いステム部分の位置決め決め後に前記凹部まで前記キャビティ内に挿入されて鋭角をなし、
前記コネクタは、前記コネクタのロック前に前記第2の頂部に対して好ましい屈曲角をなすよう位置決めされ、
前記コネクタは、前記圧着ピンを圧着することによりロックされ、
前記コネクタは、前記第1の骨片及び前記第2の骨片の前記切断表面が互いに接合されるまで前記キャビティ内へ少なくとも前記第2の凹部まで更に挿入される、請求項84記載の方法。
【請求項101】
前記器械は、前記コネクタの前記近位端部の近くで前記第1の頂部に設けられたマークを更に有し、前記マークは、前記リングが前記第1の凹部内に位置しているとき、前記雄型コンポーネント及び前記雌型コンポーネントの所望の位置で互いに整列し、
前記第1の細長いステム部分は、前記第1の細長いステム部分を前記第1の骨片の前記切断表面中に長手方向にねじ込むことにより前記第1の骨片の前記切断表面中に挿入され、前記第2の細長いステム部分は、前記第2の細長いステム部分を前記第2の骨片の前記切断表面中に長手方向にねじ込むことにより前記第2の骨片の前記切断表面中に挿入され、前記第1の頂部の前記マークと前記コネクタの前記近位端部の近くに位置する前記マークは、前記第2の細長いステム部分の挿入後に互いに隣接して位置する、請求項100記載の方法。
【請求項102】
前記コネクタの前記近位端部は、六角形成形部を有し、前記第1の頂部は、六角形凹部を有し、前記六角形成形部は、前記コネクタが前記第1のステム部分中に挿入されると、前記六角形凹部に嵌まり込み、前記六角形成形部及び前記六角形凹部のうちの少なくとも一方は、滑らかにされており、前記六角形成形部は、先ず最初に、前記六角形凹部に遭遇し、前記六角形成形部は、前記マークが前記所望の位置で完全に整列されていない場合であっても、前記六角形凹部に嵌まり込むようになり、
前記第1の骨片の前記切断表面は、前記六角形成形部を収容する切り込みを有する、請求項101記載の方法。
【請求項103】
2本の骨の互いに隣接した切断表面を接合する方法であって、前記2本の骨は、小足指の基節骨及び中節骨であり、前記方法は、請求項60記載の骨接合器械を前記基節骨と前記中節骨との間に挿入して前記2つの骨片がしっかりと接合されるようにするステップを有し、前記方法は、
パイロット穴を各骨の髄内管中にあけるステップと、
請求項60に記載のツールを用いて前記基節骨の前記パイロット穴をリーミングするステップと、
前記雌型コンポーネントに前記第1の頂部を請求項71記載のねじ回し中に挿入するステップと、
請求項71記載のねじ回しを用いて前記雌型コンポーネントを前記基節骨の前記リーミングされたパイロット穴の中に押し込むステップと、
請求項64記載のツールを用いて前記中節骨の前記パイロット穴をリーミングするステップと、
前記コネクタを更に有する前記雄型コンポーネントの前記第2の頂部を請求項71記載のねじ回し中に挿入するステップと、
前記雄型コンポーネントを前記中節骨の前記リーミングされたパイロット穴の中に押し込むステップと、
前記コネクタ及び前記第2の細長いステム部分を位置決めして前記雌型コンポーネント内への前記コネクタの挿入前に鋭角をなすようにするステップと、
前記コネクタを前記雌型コンポーネント中に挿入するステップとを有する、方法。
【請求項104】
前記コネクタを前記第1の頂部に対して所望の角度をなすよう調節するステップと、前記コネクタをその所望の角度にロックするステップとを更に有する、請求項103記載の方法。
【請求項105】
前記コネクタは、請求項53記載のロック機構体を用いて前記所望の角度にロックされる、請求項104記載の方法。
【請求項106】
前記第1の細長いステム部分の前記開口部は、壁、閉鎖遠位端部及び開放近位端部を備えた異形キャビティであり、前記コネクタは、細長く、前記キャビティ内に嵌まり込む、請求項1記載の器械。
【請求項107】
前記異形キャビティは、円形、長円形、長方形、正方形、六角形及び八角形断面のうちの少なくとも1つを有する、請求項106記載の器械。
【請求項108】
前記異形キャビティは、円形断面を有する、請求項106記載の器械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図22C】
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【図23A】
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【図23B】
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【図23C】
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【図24】
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【図25A】
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【図25B】
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【図25C】
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【図26A】
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【図26B】
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【図27A】
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【図27B】
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【図27C】
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【図28A】
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【図28B】
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【図29A】
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【図29B】
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【図30】
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【図31】
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【図32A】
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【図32B】
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【図33】
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【図34】
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【公表番号】特表2012−518483(P2012−518483A)
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−551262(P2011−551262)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/024833
【国際公開番号】WO2010/096724
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(511203282)ネクストリミティー ソリューションズ リミテッド ライアビリティ カンパニー (2)
【Fターム(参考)】