説明

骨誘導因子を含有するセラミック融合インプラントおよび組成物

【課題】骨誘導因子を含むセラミック融合インプラントの提供。
【解決手段】約2−40容量%のヒドロキシアパタイトと約98−60容量%のリン酸三カルシウム、および約1.50ないし約1.60のカルシウム/リン比を有する二相燐酸カルシウムセラミックを含み、またその担体およびそのセラミックの内部に分散される骨形態形成タンパク質などの骨誘導成長因子の有効量を含有する、多孔質セラミック本体よりなる脊椎のインプラント。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の分野
骨誘導因子を含有するするセラミック融合インプラントおよび組成物発明の分野 本発明は、新しい骨形成および関節固定用の骨移植代用組成物並びに新しい骨形成および関節固定用のインプラントに関する。本発明の特定の適用において、その組成物は、骨形成の組成物と協同的に組み合わされた生体適合性燐酸カルシウムセラミックスを含む。
【0002】
発明の背景
骨欠損および空隙を矯正するため、多くの技術が開発されてきている。一つの方法においては、空隙を骨ペーストまたは骨化合物で充填する。他の技術において、空隙をサンゴ質の物質で充填する。これらの研究方法において、一つの目標は、空隙を充填するためまたは欠損を修復するため、患者の現存する骨から新しい骨の形成を誘発する事である。
【0003】
これらの技術の面は、その他の整形外科の手法、例えば脊椎融合術に適用するため借用されてきた。脊椎融合術は、痛みのある脊椎の動き並びに構造上の変形、外傷性の不安定性、変形の不安定性、および切除後の医原の不安定性のような疾患に対し、脊柱の安定性を与えることが指摘されている。融合、または関節固定は、隣接する可動分節の間に骨性の橋を形成することにより達成される。これは、椎間板間隙の内部、腹側に近接した椎体の間、または後方に連続的な横突起、板もしくは椎骨の他の後方部の間で達成できる。
【0004】
骨の橋、または融合塊は、骨格の損傷の後に身体によって生物学的に生産される。この正常な骨治癒反応は外科医により用いられ、融合部位に沿って脊椎損傷状態を快復し次いで骨を治癒させることにより、異常な脊椎分節を横断する融合を誘導する。融合が成功するためには、骨形成細胞、即ち、骨潜在性(osteopotential)細胞の存在、適当な血液の供給、十分な炎症反応、および局部の骨の適当な調製が必要である。この生物学的環境は、典型的には外科的環境における、皮質剥離術(decortication)、即ち、血管の、海面質の骨を暴露させるため外側の皮質性骨の除去、および適当な量の高品質移植材料の付着により与えられる。
【0005】
融合または関節固定手段は、椎間椎間板が関与する異常を治療するためしばしば実施される。隣接する椎骨の端板の間に位置する椎間椎間板は、脊柱を安定させ、椎骨間の力を分配しそして椎体を和らげる。正常な椎間椎間板は、半ゼラチン状の成分である、随核を含み、この随核は繊維輪と呼ばれる外側の繊維状輪によって囲まれそして閉じこめられている。健康で、損傷されていない脊椎においては、繊維輪は、随核が椎間板の間隙から外側に突出するのを防止する。
【0006】
椎間板は、外傷、疾患または加齢により変位するかまたは損傷されうる。繊維輪の破壊により、随核は脊柱管内に突出し、この状態はヘルニア様または裂傷椎間板として通常言及されている。突出した随核は、脊髄神経を圧迫し、これは神経の損傷、痛み、しびれ、筋肉弱化および麻痺をもたらしうる。椎間板は、また正常な加齢の過程または疾患によっても劣化しうる。椎間板が、脱水しそして硬化すると、椎間板の間隙高さは減少し、脊椎の不安定さ、可動性の減少および痛みをもたらすであろう。
【0007】
ときどき、これらの状態の症状からの唯一の救済は、椎間板除去術であるか、または椎間板の一部または全てを外科的に除去し次いで隣接する椎骨を融合させることである。損傷しているかまたは健康でない椎間板を除去すると、椎間板の間隙は崩壊するであろう。椎間板の間隙の崩壊は、ひどい痛みに加えて、脊椎の不安定性、異常な関節の機構、関節炎の早期発生または神経損傷を引き起こす。椎間板除去術および関節固定術によって痛みを軽減するには、椎間板の間隙の保持並びに冒された可動分節の最終的融合が必要である。
【0008】
椎間板の間隙の衝突を防止するために椎間の間隙を満たしそして椎間板の間隙を横断して隣接する椎骨が融合するのを促進するために、骨移植片がしばしば用いられる。初期の技術において、骨材料を、隣接する椎骨の間に、典型的には椎骨の後方部に単に配置し、そして脊柱を、冒された椎骨を架けるプレートまたは棒によって安定させた。一度、融合が起こると、分節の安定化のため用いた硬質製品は、余分なものとなりそして永久に異物となった。更に、融合中のレベルを安定化させるため棒またはプレートを埋め込むのに必要な外科的手法は、しばしば冗長でありそして複雑であった。
【0009】
従って、以下の内容が決定された;即ち、切除される椎間板の間隙を安定化するのにより最善の解決法は、好ましくは前方のまたは後方の平板固定法の必要性がなく、椎骨の各々の端板の間の椎骨を融合させることである。少なくとも完全な関節固定が達成されるまで損傷した椎間板を代用し、そして隣接する椎骨間の椎間板間空の安定性を維持するために使用できる許容可能な椎間板内(intra-discal)インプラントを開発するため莫大な数の試みがなされてきている。成功するためには、インプラントは、一時的の支持を与えねばならずそして骨の内方成長を許容しなければならない。椎間板固定術および融合手段を成功させるには、固体塊を作り出すため骨の接触成長の発達が、必要である;何故なら、インプラントは患者の生活に対し周期的な圧縮力のある脊椎の荷重に耐えられないかもしれないからである。椎間板を除去した後椎間椎間板の間隙を回復させる多くの試みに関し、金属装置に期待がかけられた。ブランチガン(Brantigan)に付与された米国特許第4,878,915号は、固体の金属プラグを教示している。レイ(Ray)に付与された米国特許第5,044,104号、第5,026,373号および第4,961,740号;マイセルソン(Michelson)に付与された米国特許第5,015,247号およびハームス等(Harms et al.)に付与された米国特許第4,820,305号、ボーレル等(Bohler et al.)に付与された米国特許第5,147,402号およびブランチガン(Brantigan)に付与された米国特許第5,192,327号は、中空金属ケージ構造物を教示している。不幸にも、材料の剛性のために幾つかの金属インプラントは、骨移植片に応力を加えシールドし、生ずべき融合に必要な時間を増加させるかもしれない。装置の骨内への沈降、または陥没もまた、金属インプラントが椎骨の間に埋め込まれるとき重大事である。金属装置もまた、融合塊内に決して完全に組み込まれることができない異物である。更に、融合速度が金属インプラントに関し、移植片に比較してより遅い。
【0010】
種々の骨移植片および骨移植代用物が、骨形成を促進しそして金属インプラントの欠点を除去するために使用されてきた。自己移植片は、それが骨誘導性であるためにしばしば好ましい。同種移植片および自己移植片の両方は、生物学的材料であり、その材料はクリーピング(creeping)置換の過程を経て、時がたてば患者自身の骨と置換される。時がたてば、骨移植片は、金属の有用な寿命後長く持続するその金属インプラントと異なり実質的に消失する。不幸にも自己移植片を使用した場合、幾つかの不都合が生じる。自己移植片は、極めて限られた量で入手可能である。追加の手術もまた、感染と血液損失の危険性を増加しそしてドナー部位の構造的完全性を減少させうる。更に、幾人かの患者は、以下の内容の不満を述べる;即ち、移植片採取手術は、融合手術よりもより多くの短期および長期の痛みを生じさせる。
【0011】
同種移植片(これは、同じ種のドナーから得られる)は、より容易に得られる。しかし、同種移植片もまた、疾患の遺伝および免疫反応の危険性並びに宗教上の反対の理由から不利である。更に、同種の骨は、自原的の骨に比較して骨誘導力が限定されており、従って一時的な支持のみを与える。同種移植した骨を用いた融合の遅い速度は、融合が達成される前に椎間板の間隙を崩壊に至らしめる。
【0012】
同種移植片および自己移植片の双方には、更なる困難がある。移植片単独では脊椎の荷重に耐えるために必要な安定性を付与しないかもしれない。内部固定によりこの問題を取り組むことが出来るが、その内部固定はそれ自身の欠点、例えばより複雑な手術の必要性並びに金属固定装置の欠点を与える。また、外科医は、椎間板の間隙を充填しそして安定化させるための正しい寸法を得るため、移植片材料を繰り返し切り取ることをしばしば要求される。この試行錯誤によるアプローチは、手術に必要な時間の長さを増加させる。更に、移植片材料は、通常滑らかな表面を有しており、そしてその表面は、隣接する椎骨の間の良好な摩擦適合性を与えないであろう。移植片の滑りは、神経および血管の障害、並びに椎間板の間隙の崩壊を引き起こすかもしれない。たとえ滑りが発生しなかったとしても、移植片/融合部位界面での微動は、融合に要求される治癒過程を破壊することがある。
【0013】
より安全な骨移植材料に対する必要性から、骨移植代用物、例えばバイオセラミックスが、最近顕著に注目されている。金属インプラントおよび骨移植片の欠点をなくし、同時にその両方の利点を備える骨移植代用物を開発するための挑戦がなされている。燐酸カルシウムセラミックスは、生体適合性でありそして同種移植片材料に関する感染の問題または免疫学的問題を与えない。セラミックスは、どの様な量でも製造でき、このことは自己移植片骨移植材料を上回る大きな利点である。更に、バイオセラミックスは、骨伝導性であり、骨の部位において骨形成を刺激する。バイオセラミックセスは、新しい骨成長を更にうながす多孔質マトリックスを提供する。不幸にも、セラミックインプラントは、高い脊椎荷重を支えるための強度を典型的に欠いており、従って融合前に別の固定を必要とする。
【0014】
燐酸カルシウムセラミックスの内で、ヒドロキシアパタイト(hydroxyapatite)(HA)およびリン酸三カルシウム(TCP)セラミックスは、骨移植用に最も普通に用いられている。ヒドロキシアパタイトは、無機の骨物質に化学的に類似しており、そして骨と生体適合性である。しかし、そのヒドロキシアパタイトは、徐々に崩壊する。β型リン酸三カルシウムは、生体内で急速に崩壊しそして余りに弱化したため融合が起こるまで脊椎の周期的荷重下で支持を与えることができない。前記のどちらの欠点を有さず、金属の生体力学的性質および骨の生物学的性質を有するインプラントを開発することは、極めて困難であるか、または不可能である。
【0015】
新しい骨の形成を伴うあらゆる適用において、整形外科医は最初に、新しい骨形成が完全であることを心配し、そして第二に新しい骨の発生が可能な限り速やかに生じていることを心配する。脊椎融合術の場合において、もう一つの心配は、脊椎分節が、関節固定が生じるまで適当に支持されそして安定化されることである。関節固定の診療医は、これらのおよび他の重要な心配に取り組むための最適な性能を与える組成物およびインプラントを長く求めてきた。
【0016】
これまで、この最適性能を与えかつ整形外科の症状の治療に広く適用できる骨移植代用組成物に対する必要性が、存在する。脊椎融合の分野において、骨の内方成長を刺激しそして金属インプラントの欠点を回避し、しかも隣接する椎骨が融合するまで脊柱を支持するための十分な強度を与える融合装置および方法に対する必要性が、存在する。
【0017】
発明の要約
本発明に従って、骨移植代用組成物が、新しい骨形成および脊椎の関節固定のために提供される。その組成物は、骨成長誘導因子、例えば骨形態形成タンパク質の制御された供給のための担体を含む。本発明の一つの面において、担体は、約2−40容量%のヒドロキシアパタイトと約98−60容量%のリン酸三カルシウムを有しそして好ましくは約1.50ないし約1.60のカルシウム対リン比を有する二相の燐酸カルシウムセラミックを含む。
【0018】
他の態様において担体は、二相燐酸カルシウムセラミックを含み、この二相燐酸カルシウムセラミックは、好ましくは約5−20容量%のヒドロキシアパタイトと約95−80容量%のリン酸三カルシウムを有しそして最も好ましくは約20容量%のヒドロキシアパタイトと約80容量%のリン酸三カルシウムを有する。
【0019】
本発明は、セラミックの内部で分散される有効量の骨成長誘導因子、例えば実質的に純粋な骨形態形成タンパク質を含有する骨誘導組成物を意図する。その組成物は、好ましくは因子対セラミックの重量比が約1対200以下を有する。特別な態様において、因子対セラミックの重量比は、約1:200と約1:2000の間にある。
【0020】
脊椎インプラントがまた、提供されこのインプラントは、間隙を維持するため隣接する椎骨間の間隙の内部で係合するために大きさを合わせて作られた壁を有する本体および新しい骨の成長をマトリックスの方に限定するための限定マトリックスを含む。そのマトリックスは、隣接する宿主骨の密度の減少がなくて、新しい骨の成長のためにカルシウムとリン酸塩を与える速度で分解する二相燐酸カルシウムおよびセラミックに結合した実質的に純粋な骨形成因子の有効量を含有する。
【0021】
本発明の一つの目的は、新しい骨が、空間、例えば骨欠損、空隙または融合部位の中に急速に成長するための安定なマトリックスを与える骨移植代用組成物を提供することである。本発明のより特別な目的は、セラミックインプラントの全ての利点を利用し、同時に対応する欠点を回避する可動分節の関節固定のための脊椎のインプラントおよび組成物を提供する。本発明のもう一つの目的は、椎間椎間板の間隙を回復しそして骨の内方成長を促進させながら脊柱を支持する。
【0022】
本発明の一つの利点は、本発明がバイオセラミックと骨誘導因子から成る相乗作用を有する組成物を提供することである。そのセラミックは、骨の内方成長および貫通成長に対する安定な骨組みを与え、同時に骨誘導因子は、骨の成長を誘導して融合速度を早める。融合の増加せしめられた速度のため、バイオセラミックの使用は、金属ケージまたは内部固定を必要としない。
【0023】
そのセラミックは、また融合部位に対するカルシウムおよびリン酸塩の源を提供する。もう一つの利点は、不適当な場所における骨の成長を避けるため、融合部位の方に骨誘導成長を限定するためのマトリックスを提供する。本発明の他の目的および別の利点は、以下の記載および添付図面から当業者にとって明らかになるであろう。
【0024】
図面の簡単な説明
図1は、本発明に係る脊椎のインプラントの側面斜視図である。
図2は、椎間の間隙に埋め込まれた図1の脊椎のインプラントを有する脊椎の一部の側面図である。
図3は、本発明の別の態様に係る腎臓形の脊椎のインプラントを示す。
図4は、本発明に係る別の脊椎のインプラントの側面図である。
図5は、図1に示されそして椎間間隙内に埋め込まれる二個の脊椎のインプラントを示す脊椎の一部の側面斜視図である。
図6は、両側に埋め込まれた脊椎のインプラントを示す脊椎の側断面図である。
【0025】
好ましい態様の記載
本発明の原理の理解を促進するため、本発明の幾つかの態様が参照されそしてその態様を記載するため特定の用語が用いられるであろう。それにもかかわらず、本発明の範囲は、それによって何ら制限されるものでなく、本明細書中で説明されているような本発明の原理のそのような改変、更に変更、および適用は、本発明が関係する当業者にとって通常なされるであろう。
【0026】
本発明は、骨形態形成タンパク質(BMP)のような骨誘導因子とバイオセラミックスとから成る、相乗作用を引き起こす組成物を提供する。骨誘導因子と燐酸カルシウム担体との組み合わせは、燐酸カルシウムに結合しそしてセラミックの細孔内部に補捉される骨誘導物質の性質により、その骨誘導物質の制御された供給を与える。
【0027】
本発明は、骨誘導因子に対する担体を提供し、その担体は、組成、生物活性、多孔性、細孔の大きさ、タンパク質結合力、崩壊能、並びに、荷重がかかる移植用途および荷重がかからない移植用途の両方において使用できる強度によって最適化される。また、バイオセラミックを適切に選択することにより、セラミックの遅い崩壊が得られ、これは骨を形成するためのカルシウム及びリン酸塩の局所的な源となる。従って、新しい骨は、融合部位の周囲の宿主骨からカルシウムとリン酸塩を損失することなく、形成されうる。このことにより、隣接する宿主骨の骨鉱物密度の減少という犠牲による融合が回避される。セラミックの限定マトリックスは、担体構造の外側に骨の成長が誘導されるのを防止する。燐酸カルシウム担体構造は、骨形成のための空間が生じるのを維持しそしてまた骨内方成長のための足場を提供する。本発明では、骨誘導因子のために融合速度が速いので、バイオセラミックスに関するそれ程望ましくない生体力学的性質を補い、かつ、内部固定と金属体内融合装置の使用を不要にする。本発明の装置では、融合速度が速やかなため、インプラントに対する生体力学的要求が減少し、非常に長い間脊椎の周期的荷重を支える必要はない。
【0028】
一つの態様において、骨形態形成タンパク質および他の成長誘導因子を制御して供給するための担体またはマトリックスを含む組成物が提供される。その担体は、好ましくはヒドロキシアパタイトおよびリン酸三カルシウムを有する二相燐酸カルシウム(BCP)セラミックスを含む。そのセラミックスは、当業者に公知の方法に従って製造できそして、好ましくは多孔質セラミックを形成するため細孔形成剤の適用を含むことができる。二相ヒドロキシアパタイト/リン酸三カルシウム(HA/TCP)が、特に好ましい。一つの特定の態様において、バイオセラッミクスは、ソファモール ダネカ グループ(Sofamor Danek Group)、B.P.4−62180 ラングード−フリーエルス(Rang-du-Fliers)、フランスおよびバイオランド(Bioland)、132ルーテ(Route)デ:エスパン(d:Espane)、31100、トウールーズ、フランスから商業的の入手可能である。
【0029】
ヒドロキシアパタイト(HA)とリン酸三カルシウム(TCP)の両方は、骨移植代用品としてのみ用いられてきている。ヒドロキシアパタイトは、新しい骨形成に対し足場として作用するが、しかし、殆どまたは全く再吸収されない。更に、HAは一般に放射線不透過性であり、その結果、X線を用い新しい骨形成の過程を評価することは外科医にとって困難である。一方、リン酸三カルシウムは、新しい骨形成速度よりもより早く再吸収することが見いだされた。好都合に、以下の内容が見いだされた;即ち、HAまたはTCPのみの使用では、問題が起こるけれども、二相セラミックスは有利な崩壊速度を与える。
【0030】
本発明の担体は、約2−40容量%のヒドロキシアパタイトおよび約98−60容量%のリン酸三カルシウム、好ましくは約5−20容量%のHAおよび約95−80容量%のTCPを有する。最も好ましい比率は、約20容量%のHAと約80容量%のTCPである。担体が、リン酸三カルシウムのみから構成される時、骨形成は生じるけれども、骨の容量はヒドロキシアパタイト/リン酸三カルシウム担体と比較すると著しく少ない。以下の内容が見いだされた;即ち、担体の中により遅く崩壊するヒドロキシアパタイトが存在することは、リン酸三カルシウムのみから構成される担体よりも骨形成にとってより良い空間を与えるために必要である。ヒドロキシアパタイトは、リン酸三カルシウムよりもよりゆっくり崩壊し、それによって連続した新しい骨形成のための足場を提供するけれども、高すぎる百分率のヒドロキシアパタイトは、融合過程を監視するための能力を妨げる。
従って、HA/TCPから成る複合材料は、良好な一時的足場を与え、そしてHA対TCPの最適比率は、新しい骨形成に関する照射線透過写真評価をより容易にするであろう。
【0031】
例えば、60重量%のヒドロキシアパタイトと40重量%のリン酸三カルシウムを含有する担体が、評価されたが、しかし得られた融合物は、評価が困難である;何故ならこの組み合わせは、長期間X線に対し放射線不透過性のようであるからでる。従って、本発明のヒドロキシアパタイトとリン酸三カルシウムの最適百分率は、上記因子を考慮して注意深く設計された。担体中により低い百分率のヒドロキシアパタイトを有する他の利点には、塩基性pH条件下で行われる標準沈殿法を用いたセラミックの製造時間が、著しく減少することが含まれる。例えば、60重量%のヒドロキシアパタイトと40重量%のリン酸三カルシウムを含んで成る二相セラミックを製造するためには、18重量%のヒドロキシアパタイトと82重量%のリン酸三カルシウムを含有するセラミックと比較して、三倍以上の反応時間が必要である。
【0032】
セラミックスのカルシウム/リン比は、約1.50ないし約1.60が好ましく、そして1.51が最も好ましい。本発明の組成物は、またセラミックの内部に分散される、薬学的に有効な量の骨成長誘導因子、例えば実質的に純粋な骨形態形成タンパク質を含有する。種々の骨成長誘導因子が、また意図されており、例えばウシ抽質タンパク質、非タンパク質因子およびDNA因子である。好都合には、担体の効力のため、少量の骨成長誘導因子が、極めて能率的に使用できる。
その組成物は、好ましくは約1:200以下の因子対セラミックの重量比を有する。好ましくは、因子対セラッミクの重量比は、約1:200と約1:2000の間にある。因子が、組換えヒト骨形態形成タンパク質である特定の態様において、重量比は1:1250である。
【0033】
好ましい骨誘導因子は、組換えヒト骨形態形成タンパク質(rhBMPs)である;何故なら、それらは無条件に供給されており入手可能でありそして感染症を伝染させない。最も好ましくは、骨形態形成タンパク質は、rhBMP-2、rhBMP-7またはそれらの異質二量体である。しかし、BNP-1ないしBMP-13として名付けられている骨形態形成タンパク質を含めて、いかなる骨形態形成蛋白質も意図される。BMPsは、ジェネンティク インスティチュート社(ケンブリッジ、マサチューセッツ)から入手可能であり、そしてまたヲルネイ(Wozney)等に付与された米国特許第5,187,076号;ヲルネイ(Wozney)等に付与された米国特許第5,366,875号;ワング(Wang)等に付与された米国特許第4,877,864号;ワング(Wang)等に付与された米国特許第5,108,922号;ワング(Wang)等に付与された米国特許第5,116,738号;ワング(Wang)等に付与された米国特許第5,013,649号;ヲルネイ(Wozney)等に付与された米国特許第5,106,748号;およびヲルネイ(Wozney)等に対するPCT特許WO93/00432;セレステ(Celeste)等に対するWO94/26892に記載されるように、当業者により製造できる。全ての骨誘導因子は、上記のように得られるか、または骨から単離されるものと考察される。骨から骨形態形成タンパク質を単離する方法は、ウリスト(Urist)とウリスト等に付与された米国特許第4,294,753号、81PNAS 371,1984に記載されている。
【0034】
骨成長誘導因子は、あらゆる好適な方法でセラミックの細孔に供給できる。骨形成因子、好ましくはBMPは、凍結乾燥した形で提供されそして滅菌水、生理食塩水、コラーゲンゲル、または他の好適な液体もしくはゲル担体内で再構成され得る。タンパク質をインプラントの細孔に供給することのできるあらゆる好適な媒質または担体が、意図される。好ましくは、媒質は当業者に知られるように緩衝液に加えられる。セラミックを、因子を含有する溶液中で浸漬してもよい。択一的に、組成物をセラミックの細孔の中に注入してもよい。他の態様において、組成物をセラミックの上にぽたぽた落とす。本発明の一つの特別な態様において、rhBMP-2を、液体担体、例えば水、食塩水またはコラーゲンゲルの中に懸濁させるかまたは混合させる。次いで、液体を細孔の中にたらすか、またはセラミックを好ましい量の液体の中に浸漬するが、いずれの場合においても十分な時間をかけて移植片を完全に液体に浸漬する。
【0035】
本発明のBCPセラミックスは、骨形態形成タンパク質のような骨誘導因子に対する優れた担体である。皮質性骨の鉱物相に極めて類似するヒドロキシアパタイトは、骨形成因子結合剤であり、この結合剤は、融合部位へのタンパク質の供給速度を調節しそして担体の内側に骨誘導因子を含有する。多孔質構造のため、間葉細胞が担体の中に移動できる。次いで、これらの細胞を骨形成細胞、即ち骨芽細胞に変え、次いで最終的に新しい骨を担体の内側に沈着させる。本発明の燐酸カルシウム組成物は、骨形態形成タンパク質と結合しそして融合が生起できる前に、BMPが装置から早期に消散するのを防止する。セラミックによりBMPが保持されるので、そのタンパク質が、急速に骨形成しそして最終的に椎間板の間隙を横断して融合を完了することを可能にする。
【0036】
本発明のBCP比は、より速やかでかつより多量の新しい骨形成を生ぜしめ、その骨形成は骨誘導因子のより少ない用量を可能にする。本発明は、HAとTCPが異なる結合特性を有するという知見を利用する。従って、本発明は、崩壊力と強度との均衡がとれた結合力を最適化するBCP比を提供する。最適比は、より速やかでかつ優れた融合をもたらす。これは、BMPのようなタンパク質に有効に結合しない従来技術の担体の改善である。幾つかの場合において、TCPセラミックスは、タンパク質を余りにも早く放出しそしてタンパク質の持続した供給を与えなかった。このことは、また欠点である;何故なら、担体足場が失われた以降、そのことのためタンパク質が融合部位から抜け出すためである。しかし、本発明の担体は、タンパク質が代謝されることから保護する。このことは、融合部位でタンパク質の治療レベルを保持する。
【0037】
本発明は、またセラミックスがブロックまたは成形体に形成される場合において、好都合の多孔度特性を有するセラミックスを提供する。約60%と約80%の間の多孔度、そして好ましくは約70%の多孔度は、セラミックの機械的保全性を依然として保持しながら骨の内方成長に対し最高の多孔性を提供する。本発明のセラミックスは、連続の多孔性を有し、この多孔性が優れた湿潤性およびタンパク質結合に対する表面積並びに骨の内方成長に対する最適のマトリックス構造を与える。細孔の大きさは、また本発明において最適化されている。本発明のセラミックスは、好ましくは約200ミクロンから約600ミクロンまでの間の細孔の大きさを有する。この細孔の大きさは、構造保全性を損なうことなく骨の内方成長に対し最適である。
【0038】
本発明のもう一つの重要な利点は、BCPセラミックスが、新しい骨成長をセラミック体の方へ限定する限定マトリックスを提供することである。このことは、生体の神経組織および血管組織が暴露されそして傷つきやすい脊椎のような領域での適用に対し重要である。BMPと他の骨誘導因子がこれらの組織の中におよび組織の周囲への侵入すると、重大な合併症を引き起こすかもしれない。
【0039】
本発明の一の面に従って、骨移稙代用組成物が、患者の中に導入するために形成される。幾つかの適用において、組成物は、骨欠損または空隙の中へ導入するために大きさを合わせてそして成形された多孔質ブロックまたは多孔質体の形態で提供される。他の適用において、組成物は粒状の形態で提供される。この粒状組成物は、空隙を充填するために使用でき、椎間板内間隙の内部に配置でき、または例えば隣接する脊椎の間の横方向の距離で置かれることができる。
【0040】
一つの特別な適用において、本発明は、また図1−図5に描かれているような脊椎のインプラントを企図している。図1を参照すると、脊椎のインプラント10が与えられており、このインプラント10は間隙Sを維持するため隣接する脊椎Vの間の間隙Sの内部で係合するための大きさに合わせて作られた壁12を有する本体11を含む。そのインプラントは、新しい骨の成長をそのインプラント10の方に限るための限定マトリックス13を含む。限定マトリックス13は、骨誘導因子を含有するための細孔14を含む。壁12は、間隙Sの高さHに相当する高さhを有する。一つの態様において、壁12の高さhは、椎間の間隙Sの高さHよりもわずかにより大きい。壁12は、上部係合面15と下部係合面16に隣接しかつそれらの係合面の間にありそしてそれらの係合面は、図2に示されるように隣接する椎骨Vに係合するように設計されている。
【0041】
本発明によって意図されている本体は、バイオセラミック、好ましくはBCPセラミックから構成されるあらゆる好適な大きさに合わせて作られそして成形された本体であってよい。セラミックスは、実質的にあらゆる形状に好都合に成形することができる。例えば、脊椎のインプラント20の本体21は、図3に示すように腎臓の形状であってよい。その形状は、それが椎間の端板の形状に近似しているので好都合である。択一的に、脊椎のインプラント30が提供され、そしてそのインプラントは図4に示すように一般に矩形の本体31を含んで成る。本発明の態様の一つの利点は、それらの態様により図5に示すように脊椎のインプラントに関し両側の配置が与えられることである。
【0042】
本発明は、図2および図5に示されるように椎間板の間隙の内部に埋め込むことができる脊椎のインプラントを意図しておりそしてまた図6に示されるように後外側方の融合用の脊椎のインプラントを意図している。図4に示される脊椎のインプラント30は、この適用に対し特に適合している。図6を参照すると、脊椎のインプラント30は、隣接する椎骨の横突起に架かりそして接触している。インプラント30は、新しい骨形成に対し、横突起の上方にそしてその横突起の向こう側に空間またはポケットPを維持する。
【0043】
セラミックの組成は、適用に依存するであろう。脊椎のインプラントは、融合が生じるまで、脊椎の周期的荷重を支えるため増大した強度を必要とする。これらのインプラントの強度は、セラミックのヒドロキシアパタイト含量を増加することにより、またはインプラントにケージのような金属装置を補足することにより増大できる。同様の強度要求がない後外側方の融合適用に対しては、セラミックは増大した含量のリン酸三カルシウムを有することができる。Ca/P比およびHA/TCP比は、それが後外側方融合のような非耐久融合適用におけるBMPに対する担体の全ての要件、または耐久融合におけるケージまたは金属固定を用いて使用するための全ての要件と均衡を保っていることが確認された。いくつかな場合において、TCP含量は100%に近づくかもしれない。
【0044】
非耐久の適用においてさえ、セラッミクの強度は重要な考慮すべき要件である。セラミックは、外科医により取り扱われねばならずそして骨形成に対する空間を維持するため、おおっている筋肉による圧縮に耐えねばならない。HAの最小量、好ましくは約5%が、この目的のために要求される。
【0045】
好都合には、本発明の脊椎のインプラントは、内部固定を必要としないだろう。インプラントは、周囲の筋肉の圧縮力により包含される。頚部カラー、腰部固定器等を用い、器具が取り付けられそして隣接する椎骨のレベルを外部的に固定化しそして支持することは、適切な融合が達成されるまで一般に推奨される。
【0046】
本発明は、図面および前記の記載で詳細に説明されそして記載されているけれども、その発明は説明的のものと考えるべきでありそして特徴を制限するものでなく、以下のように理解すべきである:即ち、ただ好ましい態様が、示されそして記載された;また本発明の精神の範囲内となる全ての変更および修飾は、望ましく保護される。
【0047】
1.脊椎のインプラントであって、間隙を維持するため隣接する椎骨の間の間隙の内部で係合するために十分な高さの外側壁、上部骨係合面、下部骨係合面、新しい骨成長をマトリックスの方に限定するための該係合面間の限定マトリックスを有しており、該限定マトリックスは細孔を有し、そして約2−40容量%のヒドロキシアパタイトおよび約98−60容量%のリン酸三カルシウムを有する二相燐酸カルシウムセラミックを含有する本体;および 該マトリックスの内部に捕捉された治療的に有効な量の骨成長誘導因子を含んで成る、前記インプラント。
2.該セラミックが、約1.50ないし約1.60のカルシウム/リン比を有する、1記載の脊椎のインプラント。
3.該セラミックが、約1.51のカルシウム/リン比を有する、2記載の脊椎のインプラント。
4.該骨成長誘導因子が、骨形態形成タンパク質である、1記載の脊椎のインプラント。
5.該骨形態形成タンパク質が、BMP-1、BMP-2、BMP-3、BMP-4、BMP-5、BMP-6、BMP-7、BMP-8、BMP-9、BMP-10、BMP-11、BMP-12およびBMP-13から成る群から選ばれる、4記載の脊椎のインプラント。
6.該骨形態形成タンパク質が、該群から選ばれる少なくとも二種のBMPから成る異質二量体である、5記載の脊椎のインプラント。
7.該異質二量体が、BMP-2とBMP-7の異質二量体である、6記載の脊椎のインプラント。
8.該骨形態形成タンパク質が、ウシ抽出BMPである、4記載の脊椎のインプラント。
9.該インプラントが、椎骨の端板の形状に一致させるため腎臓形状の断面を有する、1記載の脊椎のインプラント。
10.該本体が、矩形である、1記載の脊椎のインプラント。
11.該インプラントが、約1:200以下の骨成長誘導因子対セラミックの重量比を有する、1記載の脊椎のインプラント。
12.該インプラントが、約1:200と約1:2000の間の骨成長誘導因子対セラミックの重量比を有する、11記載の脊椎のインプラント。
13.該インプラントが、約1:1250の骨成長誘導因子対セラミックの重量比を有する、12記載の脊椎のインプラント。
14.該二相燐酸カルシウムセラミックが、約200ミクロンないし約600ミクロンの細孔の大きさを有する、1記載の脊椎のインプラント。
15.該二相燐酸カルシウムセラミックが、約60%ないし約80%の多孔度を有する、1記載の脊椎のインプラント。
16.該多孔度が、約70%である、15記載の脊椎のインプラント。
17.該二相燐酸カルシウムセラミックが、約2−20容量%のヒドロキシアパタイトおよび約80−98容量%のリン酸三カルシウムを含有する、1記載の脊椎のインプラント。
18.該二相燐酸カルシウムセラミックが、約5−20%のヒドロキシアパタイトおよび約80−95%のリン酸三カルシウムを含有する、17記載の脊椎のインプラント。
19.該二相燐酸カルシウムセラミックが、約20%のヒドロキシアパタイトおよび約80%のリン酸三カルシウムを含有する、18記載の脊椎のインプラント。
20.骨誘導組成物であって、約2−40容量%のヒドロキシアパタイトおよび約98−60容量%のリン酸三カルシウムを含有する二相リン酸三カルシウムセラミック担体;および、該担体の内部で制御された新しい骨形成のための該担体の内部に分散される、治療的に有効な量の骨成長誘導因子を含んで成る、前記組成物。
21.該セラミック担体が、約2−20容量%のヒドロキシアパタイトおよび約80−98容量%のリン酸三カルシウムを含有する、20記載の骨誘導組成物。
22.該セラミック担体が、約5−20容量%のヒドロキシアパタイトおよび約80−95容量%のリン酸三カルシウムを含有する、21記載の骨誘導組成物。
23.該セラミック担体が、20容量%のヒドロキシアパタイトおよび80容量%のリン酸三カルシウムを含有する、22記載の骨誘導因子。
24.該セラミック担体が、約1.50ないし約1.60のカルシウム/リン比を有する、20記載の骨誘導組成物。
25.セラミック担体が、約1.51のカルシウム/リン比を有する、24記載の骨誘導組成物。
26.該骨成長誘導因子が、骨形態形成タンパク質である、20記載の骨誘導組成物。
27.骸骨形態形成タンパク質が、BMP-1、BMP-2、BMP-3、BMP-4、BMP-5、BMP-6、BMP-7、BMP-8、BMP-9、BMP-10、BMP-11、BMP-12およびBMP-13から成る群から選ばれる、26記載の骨誘導組成物。
28.該骨形態形成タンパク質が、該群から選ばれる少なくとも二種のBMPから成る異質二量体である、27記載の骨誘導組成物。
29.該骨形態形成タンパク質が、組換えヒトBMPである、26記載の骨誘導組成物。
30.該骨形態形成タンパク質が、ウシ抽出BMPである、26記載の骨誘導組成物。
31.該組成物が、約1:200以下の骨成長誘導因子対セラミック比を有する、20記載の骨誘導阻止物。
32.該組成物が、約1:200ないし約1:2000の因子対セラミック比を有する、31記載の骨誘導組成物。
33.該組成物が、約1:1250の因子対セラミック比を有する、32記載の骨誘導組成物。
34.該セラミック担体が、約60%ないし約80%の多孔度を有する本体である、20記載の骨誘導組成物。
35.該多孔度が、約70%である、34記載の骨誘導組成物。
36.該セラミック担体が。約200ミクロンないし約600ミクロンの細孔の大きさを有する本体である、20記載の骨誘導組成物。
37.セラミック担体が、粒状形である、20記載の骨誘導組成物。
38.骨成長誘導因子の制御された供給のための担体であって、約2−40%のヒドロキシアパタイトおよび約98−60%のリン酸三カルシウムを有する多孔質二相燐酸カルシウムセラミックを含んで成り、該セラミックが約1.50ないし約1.60のカルシウム/リン比を有する、前記担体。
39.該セラミックが、約1.51のカルシウム/リン比を有する、38記載の担体。
40.該セラミックが、約60%ないし約80%の多孔度を有する本体の形である、38記載の担体。
41.該多孔度が、約70%である、40記載の担体。
42.該セラミックが、約200ミクロンないし約600ミクロンの細孔の大きさを有する、38記載のセラミック。
43.該セラミックが、約2−20容量%のヒドロキシアパタイトおよび約80−98容量%のリン酸三カルシウムを含有する、38記載の担体。
44.該セラミックが、約5−20容量%のヒドロキシアパタイトおよび約80−95容量のリン酸三カルシウムを含有する、43記載の担体。
45.該セラミックが、約20容量%のヒドロキシアパタイトおよび約80容量%のリン酸三カルシウムを含有する、44記載の担体。
46.多孔質セラミック本体の内部に新しい骨の成長を限定するための限定マトリックスを定めるその多孔質セラミック本体;および、約1:200以下の骨成長誘導因子対セラミックの重量比の該セラミックの内部に捕捉された治療的に有効な量の骨成長誘導因子を含んで成る、インプラント。
47.該重量比が、約1:200と約1:2000の間で、46記載のインプラント。
48.該重量比が、約1:1250である、47記載のインプラント。
49.該セラミックが、二相燐酸カルシウムセラミックである、46記載のインプラント。
50.該骨成長誘導因子が、骨形態形成タンパク質である、46記載のインプラント。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明に係る脊椎のインプラントの側面斜視図である。
【図2】図2は、椎間の間隙に埋め込まれた1159767979076_0の脊椎のインプラントを有する脊椎の一部の側面図である。
【図3】図3は、本発明の別の態様に係る腎臓形の脊椎のインプラントを示す。
【図4】図4は、本発明に係る別の脊椎のインプラントの側面図である。
【図5】図5は、1159767979076_1に示されそして椎間間隙内に埋め込まれる二個の脊椎のインプラントを示す脊椎の一部の側面斜視図である。
【図6】図6は、両側に埋め込まれた脊椎のインプラントを示す脊椎の側断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊椎のインプラントであって、
間隙を維持するため隣接する椎骨の間の間隙の内部で係合するために十分な高さの外側壁、上部骨係合面、下部骨係合面、新しい骨成長をマトリックスの方に限定するための該係合面間の限定マトリックスを有する本体と、ここで、該限定マトリックスは細孔を有し、そして約2−40容量%のヒドロキシアパタイトおよび約98−60容量%のリン酸三カルシウムを有する二相燐酸カルシウムセラミックを含有し;
該マトリックスの内部に捕捉された治療的に有効な量の骨成長誘導因子と;
を含み、
約1:200と約1:2000の間の骨成長誘導因子対セラミックの重量比を有する、前記脊椎のインプラント。
【請求項2】
多孔質セラミック本体の内部に新しい骨の成長を限定するための限定マトリックスを定めるその多孔質セラミック本体;および
約1:200と約1:2000の間の骨成長誘導因子対セラミックの重量比の該セラミックの内部に捕捉された治療的に有効な量の骨成長誘導因子を含む、脊椎のインプラント。
【請求項3】
該脊椎のインプラントが、約1:1250の骨成長誘導因子対セラミックの重量比を有する、請求項1又は2記載の脊椎のインプラント。
【請求項4】
該骨成長誘導因子が、骨形態形成タンパク質である、請求項1−3のいずれかに記載の脊椎のインプラント。
【請求項5】
該セラミックが、約1.50ないし約1.60のカルシウム/リン比を有する、請求項1−4のいずれかに記載の脊椎のインプラント。
【請求項6】
該セラミックが、約1.51のカルシウム/リン比を有する、請求項5記載の骨誘導組成物。
【請求項7】
該骨形態形成タンパク質が、BMP−1、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−7、BMP−8、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12およびBMP−13から成る群から選ばれる、請求項1−6のいずれかに記載の脊椎のインプラント。
【請求項8】
該骨形態形成タンパク質が、該群から選ばれる少なくとも二種のBMPから成る異質二量体である、請求項1−7のいずれかに記載の脊椎のインプラント。
【請求項9】
該異質二量体が、BMP−2とBMP−7の異質二量体である、請求項8記載の脊椎のインプラント。
【請求項10】
該骨形態形成タンパク質が、ウシ抽出BMPである、請求項1−6のいずれかに記載の脊椎のインプラント。
【請求項11】
該脊椎のインプラントが、椎骨の端板の形状に一致させるため腎臓形状の断面を有する、請求項1−10のいずれかに記載の脊椎のインプラント。
【請求項12】
該本体が、矩形である、請求項1−11のいずれかに記載の脊椎のインプラント。
【請求項13】
該二相燐酸カルシウムセラミックが、約200ミクロンないし約600ミクロンの細孔の大きさを有する、請求項1−12のいずれかに記載の脊椎のインプラント。
【請求項14】
該二相燐酸カルシウムセラミックが、約60%ないし約80%の多孔度を有する、請求項1−13のいずれかに記載の脊椎のインプラント。
【請求項15】
該多孔度が、約70%である、請求項14記載の脊椎のインプラント。
【請求項16】
該二相燐酸カルシウムセラミックが、約2−20容量%のヒドロキシアパタイトおよび約80−98容量%のリン酸三カルシウムを含有する、請求項1−15のいずれかに記載の脊椎のインプラント。
【請求項17】
該二相燐酸カルシウムセラミックが、約5−20%のヒドロキシアパタイトおよび約80−95%のリン酸三カルシウムを含有する、請求項16のいずれかに記載の脊椎のインプラント。
【請求項18】
該二相燐酸カルシウムセラミックが、約20%のヒドロキシアパタイトおよび約80%のリン酸三カルシウムを含有する、請求項16のいずれかに記載の脊椎のインプラント。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2007−61639(P2007−61639A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−270625(P2006−270625)
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【分割の表示】特願平10−519492の分割
【原出願日】平成9年10月20日(1997.10.20)
【出願人】(506298792)ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド (366)
【Fターム(参考)】