説明

高圧ガス充填用の逆止弁機構

【課題】逆止弁の機能維持と高圧ガス充填時の弁体のチャタリング抑制を図る。
【解決手段】高圧ガスの充填元から延びた第1の管路の先端に設置されるノズルに嵌合装着されるとともに充填対象から延びた第2の管路の先端に設置されるレセプタクルに内蔵され、弁体をケーシングに収容して、弁体をバネの付勢力により弁座に着座させて閉弁する逆止弁機構である。レセプタクルには、ノズルが嵌合装着された際に、第1の管路と、逆止弁機構の弁座に設けられた導入孔とを連通する第1の流路と、逆止弁機構の弁座とは反対側のケーシングの端部に設けられた導出孔と第2の管路とを連通する第2の流路と、を備える。逆止弁機構は、弁体が開弁時のカーテン面積と、弁体とケーシングとの間の弁体外周流路の断面積との少なくとも一方が、第1の管路、第1の流路、導入孔、導出孔、第2の流路、および第2の管路のいずれの断面積よりも、小さくなるように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧ガス充填用の逆止弁機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、燃料電池用の高圧水素ガスのタンク等の高圧ガスタンクへの充填に際しては、その供給元からその充填対象であるタンクまでの間のガス流路中に、ガスの逆流を防止する逆止弁機構が設置されるのが普通である。逆止弁機構としては、弁体を弁座方向に付勢し、弁座方向から流入する流体の圧力に応じて弁座と弁体との距離を変化させるタイプのものが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−173479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の逆止弁機構では、上流側および下流側の圧力差と弁体の付勢力とがほぼ均衡した状態になると、弁体が付勢方向及びその反対方向に頻繁に移動して、弁座から離れた状態(開状態)と、弁座に着座した状態(閉状態)とを頻繁に繰り返す、いわゆるチャタリングが発生する、という問題が生じる場合が多い。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、逆止弁の機能維持と高圧ガス充填時の弁体のチャタリング抑制を図ることができる逆止弁機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]
高圧ガスの充填元から延びた第1の管路の先端に設置されるノズルに嵌合装着されるととともに充填対象から延びた第2の管路の先端に設置されるレセプタクルに内蔵され、弁体をケーシングに収容して、前記弁体をバネの付勢力により弁座に着座させて閉弁する逆止弁機構であって、
前記レセプタクルには、前記ノズルが嵌合装着された際に、前記第1の管路と、前記逆止弁機構の前記弁座に設けられた導入孔とを連通する第1の流路と、前記逆止弁機構の前記弁座とは反対側の前記ケーシングの端部に設けられた導出孔と前記第2の管路とを連通する第2の流路と、を備えており、
前記逆止弁機構は、前記弁体が開弁時のカーテン面積と、前記弁体と前記ケーシングとの間の弁体外周流路の断面積と、の少なくとも一方が、前記第1の管路、前記第1の流路、前記導入孔、前記導出孔、前記第2の流路、および、前記第2の管路のいずれの断面積よりも、小さくなるように構成されている
ことを特徴とする逆止弁機構。
このようにすれば、高圧ガスが充填元から供給されない場合には、弁体に及ぼされるバネの付勢力により逆止弁を安定に閉弁することができ、また、高圧ガスが充填元から供給される場合には、弁体に及ぼされるバネの付勢力よりも、高圧ガスが弁体に及ぼす圧力の方をより大きくすることが可能であり、弁体を安定して開弁してチャタリングを抑制することができる。
[適用例2]
適用例1記載の逆止弁機構であって、
前記弁体は弁頭部と弁棒部を備えており、
前記弁棒部内部には、前記バネを設置するとともに、前記高圧ガスの流路となる弁体内流路を備えており、
前記弁頭部には、前記弁体内流路に通じる弁体内流路導入孔を備えており、
前記逆止弁機構は、前記カーテン面積と、前記弁体外周流路の断面積と、前記弁体内流路導入孔の断面積と、の少なくとも一つは、前記第1の管路、前記第1の流路、前記導入孔、前記導出孔、前記第2の流路、および、前記第2の管路のいずれの断面積よりも、小さくなるように構成されている
ことを特徴と逆止弁機構。
この構成においても、高圧ガスが充填元から供給されない場合には、弁体に及ぼされるバネの付勢力により逆止弁を安定に閉弁することができ、また、高圧ガスが充填元から供給される場合には、弁体に及ぼされるバネの付勢力よりも、高圧ガスが弁体に及ぼす圧力の方をより大きくすることが可能であり、弁体を安定して開弁してチャタリングを抑制することができる。
【0008】
なお、本発明は、上記した逆止弁機構だけでなく、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、逆止弁機構の内蔵したレセプタクル、これを備える燃料電池システム、高圧ガス充填システム等の種々の形態で実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1実施例としての水素充填システム10を概略的に示す説明図である。
【図2】逆止弁80の構造上の条件を示す説明図である。
【図3】第2実施例における逆止弁80Aの構造上の条件を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
A.第1実施例:
図1は本発明の第1実施例としての水素充填システム10を概略的に示す説明図である。この水素充填システム10は、駆動用のエネルギー源として水素を用いる車両20と、車両20に高圧水素ガスを充填供給する水素ガス充填装置30と、を備えている。
【0011】
車両20は、駆動用電源として燃料電池を備える電気自動車であり、燃料電池のアノードに供給するための水素ガスを貯蔵する水素ガスタンク40を搭載している。本実施例の車両20が備える燃料電池は、複数の単セルを積層したスタック構造を有しており、例えば、固体高分子型燃料電池や、固体酸化物型燃料電池とすることができる。車両20は、さらに、水素ガスタンク40から水素の供給を受ける燃料電池の他、燃料電池のカソード側に酸化ガスとしての空気を供給するためのブロワや、燃料電池から電力を供給されて車両の駆動動力を発生するモータ、さらに2次電池等を備えている。車両20の構成要素のうち、水素ガスタンク40に対する水素充填に係る構成以外の構成については、図示および詳しい説明を省略する。
【0012】
車両20の水素ガスタンク40には、この水素ガスタンク40に水素ガスを供給するための水素ガス充填路42が接続されている。水素ガス充填路42は、その一端は水素ガスタンク40に接続されるとともに、その他端はレセプタクル50の下流側に接続されている。後述するノズル32に嵌合装着される側のレセプタクル50の上流側は、車両20表面に設けられた開口部22に設置されている。なお、ノズル32とレセプタクル50の嵌合部分52(破線で示す部分)の詳細な構造は、実施例の説明上特に必要ではないため省略する。なお、水素ガスタンク40は、燃料供給路44を介して燃料電池に接続されている。
【0013】
水素ガス充填装置30は、定置型の装置であり、水素ガスを貯蔵する水素ガス貯蔵部60を備えている。水素ガス貯蔵部60は、上流側管路36および下流側管路38をかいしてノズル32に接続されている。上流側管路36と下流側管路38との間には開閉バルブ34が設けられている。この開閉バルブ34は、水素ガス充填制御部70によって制御される。ノズル32は、車両20の側のレセプタクル50に対する嵌合装着と取り外しとにより、レセプタクル50内の管路(詳しくは後述の逆止弁の管路等)との連通と遮断とを行う。下流側管路38と上流側管路36は、ノズル32を用いたガス充填の便宜のため、耐高圧性のフレキシブルホースとされ、レセプタクル50へのノズル32の嵌合装着および取り外しに追従する。水素ガス充填制御装置70は、論理演算を実行するCPUやROM、RAM等を備えたいわゆるマイクロコンピュータで構成され、ガス充填・停止のためのノズル32の操作に伴うセンサー入力を受けて、バルブ制御を含むガス充填に関しての制御を司る。
【0014】
水素ガス貯蔵部60は、車両20に搭載される水素ガスタンク40が満充填となったときよりも高い圧力(例えば、90MPa程度)で、水素ガスを蓄えている。本実施例の水素ガス充填装置30は、水素ガス貯蔵部60よりも水素圧が低く(例えば、20MPa程度)、より多くの水素を貯蔵することができる図示しない大容量水素ガス貯蔵装置を備えるようにしても良い。この場合には、水素ガス貯蔵部60は、コンプレッサによって昇圧された水素ガスが上記大容量水素ガス貯蔵装置から供給されることによって、常に、内部の水素ガス圧力が充分に高く保たれている。
【0015】
この水素ガス充填装置30は、車両20の水素ガスタンク40への高圧水素ガス充填に供する施設であり、既存のガソリン車両に対するガソリン給油ステーションに相当する。なお、仮に、水素ガスタンク40と燃料電池とが住居や店舗、工場などに設置される据え置き形態のものであれば、水素ガス充填装置30は、トラックなどの車両に設置されてガス配送の形態のものとなる。
【0016】
レセプタクル50は、逆止弁80を内蔵する。なお、図に示したレセプタクル50は、説明を容易にするため概略断面を示している。逆止弁80は、弁座82と弁体84とケーシング86と、を備える。弁座82は、本実施例では、円筒形の弾性部材(ここではプラスチックゴム)であり、略円形の断面の中央部に、この断面を貫通する導入孔82ihを備える。弁座82は、弁体84の上流側に設けられる。ケーシング86は、弁座82と接合され、その内部に弁体84を収納する筐体であり、円筒形の中空形状を有する。弁体84およびケーシング86の材質としては、逆止弁80の仕様条件に応じた種々の金属を用いることができ、本実施例では、反応ガスに対する耐腐食性を考慮して、ステンレス鋼を用いることとする。
【0017】
ケーシング86の内部には、弁体84とケーシング86の内壁との間に流体が通過可能なクリアランス領域(「クリアランス流路」とも呼ぶ)88cを有するように、弁座82と弁体84とケーシング86とによって囲まれた空間である弁室88が形成される。弁体84は、弁座82に向かって先細りする略円錐形状を有する弁頭部84aと、円筒形状を有する弁棒部84bと、を備える。弁棒部84bの内部には、バネを固定収納する凹部84cが形成されており、この凹部84cは弁棒部84bを下流側に向けて貫通している。この凹部84c内の弁頭部84a側端部と、ケーシング86の端部との間にバネ90が固着され、弁体84を下流側から上流側(弁座82側)に向けて付勢する。この付勢力によって、弁頭部84aは弁座82と気密に当接する。なお、ケーシング86の下流側の端面には、弁室88に流入したクリアランス領域88cを介して下流側に移動したガスを、逆止弁80から流出させる導出孔86ohが形成されている。
【0018】
また、レセプタクル50の内部には、逆止弁80の導入孔82ihに接続され、嵌合部分52まで延びる導入流路54と、逆止弁80の導出孔86ohに接続され、レセプタクル50の下流側の流出口58まで延び、水素ガス充填路42に接続される導出流路56と、が形成されている。なお、本実施例の導入流路54が本発明における第1の流路に対応し、導出流路56が本発明における第2の流路に対応する。
【0019】
なお、以下の説明では、下記の各種流路の断面積を使用する。
・Ssi1:上流側管路36の断面積
・Ssi2:下流側管路38の断面積
・Sni1:嵌合部分52の流路の断面積
・Sri1:導入流路54の断面積
・Svi1:導入孔82ihの断面積
・Sso1:水素ガス充填路42の断面積
・Sro1:導出流路56の断面積
【0020】
図2は、逆止弁80の構造上の条件を示す説明図である。説明を容易にするため、下記の各種流路の断面積を使用する。
・Ssi:上流側管路36および下流側管路38の断面積Ssi1,Ssi2、嵌合部分52の流路の断面積Sni1、および、導入流路54の断面積Sri1の総称
・Sso:水素ガス充填路42の断面積Sso1および導出流路56の断面積Sro1の総称
図2(A)に示すように、水素ガスの流入が無い場合には、バネ90による付勢力により、弁体84を弁座82に着座させることにより、弁体84の弁頭部84aの先端部が、導入孔82ihの内壁に気密に当接し、閉弁状態となる。一方、図2(B)に示すように、水素ガスの供給が開始されて、逆止弁80に流入するガスの上流側と下流側の圧力差による弁体84に及ぼされるガス圧力が、バネ90による付勢力よりも大きくなると、弁体84は弁座82から離れることになり、開弁状態となる。
【0021】
ここで、従来例で説明したように、弁体84に及ぼされるガス圧力とバネ90の付勢力とがほぼ均衡した状態になると、いわゆるチャタリングが発生する。このチャタリングを抑制し防止するためには、弁体84に及ぼされるガス圧力がバネ90の付勢力よりも大きくなるようにすればよい。このためには、下記2つの関係式の少なくとも一方が成り立つことが条件となる。
Ssi,Svi,Sso>Svio …(1)
Ssi,Svi,Sso>Scf …(2)
Svio:開弁時カーテン面積(図2(B)に示した弁座の開口面積)
Scf :開弁時クリアランス流路の断面積(図2(C)に示したクリアランス領域84bの断面積)
【0022】
例えば、Ssi>Svioの場合には、逆止弁80よりも上流側の流路の断面積Ssiに比べてカーテン面積Svioが小さいので、逆止弁80の上流側から下流側に流れるガスの圧力損失が大きくなる。同様に、Svi>Svio又はSso>svioの場合にも、逆止弁80の上流側から下流側に流れるガスの圧力損失が大きくなる。また、Ssi>Scfの倍には、逆止弁80よりも恕湯悠側の流路の断面積Ssiに比べてクリアランス流路の断面積Scfが小さいので、逆止弁80の上流側から下流側に流れるガスの圧力損失が大きくなる。同様に、Svi>Scf又はSso>scfの場合にも、逆止弁80の上流側から下流側に流れるガスの圧力損失が大きくなる。このように、(1)式と(2)式の少なくとも一方が成り立つ場合には、逆止弁80は、逆止弁80の上流側と下流側の水素ガスの圧力差がバネ90の付勢力よりも大きくなるように動作するため、弁体84に及ぼされるバネ90の付勢力よりも、高圧の水素ガスが弁体84に及ぼす圧力の方をより大きくすることが可能であり、弁体84を安定して開弁してチャタリングを抑制することができる。
【0023】
B.第2実施例:
図3は、第2実施例における逆止弁80Aの構造上の条件を示す説明図である。なお、第2実施例における水素充填システムの構成は、逆止弁80Aの構造及びその条件を除いて同様であるので、以下では、逆止弁80Aの構造及びその条件についてのみ説明を加えることとする。
【0024】
図3(A)に示すように、本実施例の逆止弁80Aは、弁頭部84Aaに、弁頭部84Aaから弁棒部84Abの内部に形成されている凹部84Acまでを貫通させる導入孔84Adが形成されている点が異なっている。この導入孔84Adを設けたことにより、第1実施例では、バネ90を固着収納する役目しかなかった凹部84Acが弁体内流路としての機能を有することになる。これにより、第1実施例におけるクリアランス領域88cによるクリアランス流路だけでなく、弁体内流路を有することになるので、開弁時において、より多くの水素ガスを上流側から下流側に流すことができる。
【0025】
ここで、本実施例においてチャタリングを抑制し防止するためには、第1実施例における条件に加えて、導入孔84Adおよび弁体内部流路(凹部84Ac)を通過する水素ガスが弁体に及ぼす圧力の方がバネ90の付勢力よりも大きくなるという条件も考慮しなければならない。このためには、下記3つの関係式の少なくとも一つが成り立つことが条件となる。
Ssi,Svi,Sso>Svio …(1)
Ssi,Svi,Sso>Scf …(2)
Ssi,Svi,Sso>Sif …(3)
Svio:開弁時カーテン面積(図2(B)に示した弁座の開口面積)
Scf :開弁時クリアランス流路の断面積(図2(C)に示したクリアランス領域84bの断面積)
Sif :開弁時導入孔の断面積(図3(D)に示した弁頭部84Aaに形成された導入孔84Adの断面積の総和)
【0026】
(1)式〜(3)式の少なくとも一つが成り立つ場合には、逆止弁80Aは、逆止弁80Aの上流と下流の水素ガスの圧力差がバネ90の付勢力よりも大きくなるように動作するため、弁体84Aに及ぼされるバネ90の付勢力よりも、高圧の水素ガスが弁体84に及ぼす圧力の方をより大きくすることが可能であり、弁体84Aを安定して開弁してチャタリングを抑制することができる。
【0027】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。
【0028】
例えば、上記実施例の逆止弁80,80Aに備えられる弁体84,84Aは、弁頭部84a,84Aaと弁棒部84b、84Abとを備える構成を例に説明したが、これに限定されるものではなく、弁体とケーシングとの間のクリアランス領域に突起領域を備える構成の弁体を用いてもより。また、上記実施例では、弁体84,84Aの内部に設けられた凹部84cの端部とケーシング86の端部との間にバネ90を固着する構成を例に説明したが、これに限定されるものではなく、弁棒部の下端部とケーシング56の端部との間にバネを1つ以上固着する構成としてもよい。すなわち、弁体をケーシングに収容して、弁体をバネの付勢力により弁座に着座させて閉弁する機構の逆止弁であれば、種々のものに本発明を適用可能である。
【0029】
また、上記実施例は、水素ガスを例に説明しているが、これに限定されるものではなく、他の種々の高圧ガスの充填用の逆止弁機構に適用可能である。
【符号の説明】
【0030】
10…水素充填システム
20…車両
22…開口部
30…水素ガス充填装置
32…ノズル
34…開閉バルブ
36…上流側管路
38…下流側管路
40…水素タンク
42…水素ガス充填路
44…燃料供給路
50…レセプタクル
52…嵌合部分
54…導入流路
56…導出流路
58…流出口
60…水素ガス貯蔵部
70…ガス充填制御部
80…逆止弁
80A…逆止弁
82…弁座
82ih…導入孔
84a側端部…弁頭部
84…弁体
84A…弁体
84a…弁頭部
84b…弁棒部
84c…凹部
84Aa…弁頭部
84Ab…弁棒部
84Ac…凹部
84Ad…導入孔
86…ケーシング
86oh…導出孔
88…弁室
88c…クリアランス領域
90…バネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧ガスの充填元から延びた第1の管路の先端に設置されるノズルに嵌合装着されるとともに充填対象から延びた第2の管路の先端に設置されるレセプタクルに内蔵され、弁体をケーシングに収容して、前記弁体をバネの付勢力により弁座に着座させて閉弁する逆止弁機構であって、
前記レセプタクルには、前記ノズルが嵌合装着された際に、前記第1の管路と、前記逆止弁機構の前記弁座に設けられた導入孔とを連通する第1の流路と、前記逆止弁機構の前記弁座とは反対側の前記ケーシングの端部に設けられた導出孔と前記第2の管路とを連通する第2の流路と、を備えており、
前記逆止弁機構は、前記弁体が開弁時のカーテン面積と、前記弁体と前記ケーシングとの間の弁体外周流路の断面積と、の少なくとも一方が、前記第1の管路、前記第1の流路、前記導入孔、前記導出孔、前記第2の流路、および、前記第2の管路のいずれの断面積よりも、小さくなるように構成されている
ことを特徴とする逆止弁機構。
【請求項2】
請求項1記載の逆止弁機構であって、
前記弁体は弁頭部と弁棒部を備えており、
前記弁棒部内部には、前記バネを設置するとともに、前記高圧ガスの流路となる弁体内流路を備えており、
前記弁頭部には、前記弁体内流路に通じる弁体内流路導入孔を備えており、
前記逆止弁機構は、前記カーテン面積と、前記弁体外周流路の断面積と、前記弁体内流路導入孔の断面積と、の少なくとも一つは、前記第1の管路、前記第1の流路、前記導入孔、前記導出孔、前記第2の流路、および、前記第2の管路のいずれの断面積よりも、小さくなるように構成されている
ことを特徴と逆止弁機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−94641(P2011−94641A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−246388(P2009−246388)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】